(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123305
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20230829BHJP
【FI】
G06F8/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027323
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】青木 賢
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376CA19
5B376CA42
5B376CA45
5B376CA46
(57)【要約】
【課題】新規のデバイスの追加、デバイスの機能更新といった時系列視点での機能拡張が起きた際、これら機能拡張に関する情報を受けて速やかに対応できる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】本発明は、デバイスを登録するデバイス登録部と、前記デバイス登録部により登録された前記デバイスと通信するデバイス通信部と、前記デバイス通信部により通信する前記デバイスと、アプリケーションと、を連携させるデバイス連携部と、前記デバイスおよび当該デバイスの機能を示すデバイスカタログに対して、新規の前記デバイスまたは新規の前記機能が追加された場合に、前記デバイスのユーザのエンドユーザ端末および前記アプリケーションを開発するサービスベンダのサービスベンダ端末の少なくとも一方に対して、新規の前記デバイスまたは新規の前記機能へのアップデートまたは置換のレコメンドを実行するサービス監視部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスを登録するデバイス登録部と、
前記デバイス登録部により登録された前記デバイスと通信するデバイス通信部と、
前記デバイス通信部により通信する前記デバイスと、アプリケーションと、を連携させるデバイス連携部と、
前記デバイスおよび当該デバイスの機能を示すデバイスカタログに対して、新規の前記デバイスまたは新規の前記機能が追加された場合に、前記デバイスのユーザのエンドユーザ端末および前記アプリケーションを開発するサービスベンダのサービスベンダ端末の少なくとも一方に対して、新規の前記デバイスまたは新規の前記機能へのアップデートまたは置換のレコメンドを実行するサービス監視部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
新規の前記デバイスまたは新規の前記機能へのアップデートまたは置換を前記デバイスに要求するアップデート部を備え、
前記サービス監視部は、さらに、前記エンドユーザ端末から、新規の前記デバイスまたは新規の前記機能へのアップデートまたは置換が指示された場合に、前記アップデート部に対して、新規の前記デバイスまたは新規の前記機能へのアップデートまたは置換を指示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記アップデート部は、前記デバイスが前記情報処理装置に直接接続できないデバイスである場合、前記情報処理装置と前記デバイスとの通信を中継する中継アプリケーションを介して、新規の前記デバイスまたは新規の前記機能へのアップデートまたは置換を前記デバイスに要求する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記サービス監視部は、前記レコメンドの通知設定に従って、前記レコメンドを実行する、請求項1から3のいずれか一に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記サービス監視部は、前記デバイスまたは前記機能の脆弱性を検知した場合、前記エンドユーザ端末または前記サービスベンダ端末に対して、前記デバイスまたは前記機能の提供中止を通知する、請求項1から4のいずれか一に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記サービス監視部は、前記デバイスおよび前記機能の利用実績に基づいて、前記レコメンドを実行する、請求項1から5のいずれか一に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
デバイス登録部が、デバイスを登録する工程と、
デバイス通信部が、前記デバイス登録部により登録された前記デバイスと通信する工程と、
デバイス連携部が、前記デバイス通信部により通信する前記デバイスと、アプリケーションと、を連携させる工程と、
サービス監視部が、前記デバイスおよび当該デバイスの機能を示すデバイスカタログに対して、新規の前記デバイスまたは新規の前記機能が追加された場合に、前記デバイスのユーザのエンドユーザ端末および前記アプリケーションを開発するサービスベンダのサービスベンダ端末の少なくとも一方に対して、新規の前記デバイスまたは新規の前記機能へのアップデートまたは置換のレコメンドを実行する工程と、
を含む情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
デバイスを登録するデバイス登録部と、
前記デバイス登録部により登録された前記デバイスと通信するデバイス通信部と、
前記デバイス通信部により通信する前記デバイスと、アプリケーションと、を連携させるデバイス連携部と、
前記デバイスおよび当該デバイスの機能を示すデバイスカタログに対して、新規の前記デバイスまたは新規の前記機能が追加された場合に、前記デバイスのユーザのエンドユーザ端末および前記アプリケーションを開発するサービスベンダのサービスベンダ端末の少なくとも一方に対して、新規の前記デバイスまたは新規の前記機能へのアップデートまたは置換のレコメンドを実行するサービス監視部と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
IoT(Internet of Things)は、モノのインターネットと呼ばれ、スマートフォン、デジタル家電、各産業機器等の様々な機器(デバイスの一例)がインターネットにつながるようになり、複合的にデータを収集および分析できるようになってきている。そして、IoTでは、多種多様なデバイスとの通信、各デバイスを用いたアプリケーションまたはソリューションの開発のしやすさの為に共通で扱えるスキーマ(ユニバーサルスキーマと呼んでいる)を定義する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、異種のIoTデバイスおよびネットワークの間の発見、相互作用、関連付け、および協調を実現できるようにする目的で、IoTデバイスの種類、機能、属性、行為、入力、出力、リソース、コマンド等の相互作業のすべての側面を定義する包括的なIoTデバイスのユニバーサルスキーマを提供する構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記の技術では、事前に想定されたスキーマ等の定義情報により、デバイスを利用したアプリケーションまたはソリューションの開発は可能となる。しかしながら、上記の技術では、新規のデバイスの追加、デバイスの機能更新(例えば、できることが増える、または減る)といった時系列視点での機能拡張が起きた際、新規のデバイスの追加およびデバイスの機能更新に関する情報は、速やかに定義情報に反映させかつ開発者に通知する必要があるが、こういった昨今のリリース後の課題は解決されていない。そのため、例えば、デバイスにおいて機能の削減が発生すると、アプリケーションが急に動かなくなる場合がある。また、新規のデバイスが追加されて当該デバイスの特性が増える場合、アプリケーションの開発者は、即、これらのデバイスを扱えるようにすることが求められている。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、新規のデバイスの追加、デバイスの機能更新といった時系列視点での機能拡張が起きた際、これら機能拡張に関する情報を受けて速やかに対応できる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、デバイスを登録するデバイス登録部と、前記デバイス登録部により登録された前記デバイスと通信するデバイス通信部と、前記デバイス通信部により通信する前記デバイスと、アプリケーションと、を連携させるデバイス連携部と、前記デバイスおよび当該デバイスの機能を示すデバイスカタログに対して、新規の前記デバイスまたは新規の前記機能が追加された場合に、前記デバイスのユーザのエンドユーザ端末および前記アプリケーションを開発するサービスベンダのサービスベンダ端末の少なくとも一方に対して、新規の前記デバイスまたは新規の前記機能へのアップデートまたは置換のレコメンドを実行するサービス監視部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、新規のデバイスの追加、デバイスの機能更新といった時系列視点での機能拡張が起きた際、これら機能拡張に関する情報を受けて速やかに対応できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本実施の形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態にかかるデバイスベンダ端末、サービスベンダ端末、エンドユーザ端末、およびIoTプラットフォームの一例であるPCのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態にかかるデバイスの一例であるMFPのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態にかかるIoTプラットフォームの機能構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるデバイスのアップデートの流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるデバイスのアップデートの流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるサービスの提供停止の通知処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、本実施の形態にかかるIoTプラットフォームのポータルサイトにより表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
図1は、本実施の形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態にかかる情報処理システムは、
図1に示すように、デバイスベンダ端末1、サービスベンダ端末2、デバイス3、エンドユーザ端末4、IoTプラットフォーム(情報処理装置の一例)5、および中継装置6を有する。
【0010】
デバイスベンダ端末1は、デバイス3を開発するパートナー(デバイスベンダ)が利用する端末である。サービスベンダ端末2は、デバイス3と連携させるアプリケーションを開発するサービスベンダが利用する端末である。デバイス3は、MFP(Multi-Function Peripheral)等、インターネットに接続されるデバイスの一例である。
【0011】
エンドユーザ端末4は、サービスベンダが開発したサービス(例えば、アプリケーション)を利用するエンドユーザが利用する端末である。IoTプラットフォーム5は、IoTを利用したサービスをユーザに提供するプラットフォームである。中継装置6は、IoTプラットフォーム5とデバイス3との通信を中継する中継アプリケーション(汎用中継アプリという)を搭載する。
【0012】
図2は、本実施の形態にかかるデバイスベンダ端末、サービスベンダ端末、エンドユーザ端末、およびIoTプラットフォームの一例であるPCのハードウェア構成の一例を示す図である。ここでは、IoTプラットフォーム5のハードウェア構成について説明する。
【0013】
図2に示されているように、IoTプラットフォーム5は、コンピュータによって構築されており、
図2に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0014】
これらのうち、CPU501は、IoTプラットフォーム5全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、または画像等の各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。データバス510は、
図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0015】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択および実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。
【0016】
図3は、本実施の形態にかかるデバイスの一例であるMFPのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示されているように、デバイス3の一例であるMFP(Multi-function Peripheral/Product/Printer)は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0017】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、および、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0018】
これらのうち、CPU901は、MFP9の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、およびAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書き等を制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0019】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムおよびデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、およびメモリ印刷時の描画用メモリ等として用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0020】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0021】
図4は、本実施の形態にかかるIoTプラットフォームの機能構成の一例を示す図である。本実施の形態では、IoTプラットフォーム5は、
図4に示すように、デバイス登録部401、デバイス通信部402、デバイス連携部403、OTAアップデート部404、サービス監視部405、デバイスカタログ管理部406、サービスカタログ管理部407、およびアプリ開発ツール408を有する。
【0022】
デバイス登録部401は、IoTプラットフォーム5にデバイス3を登録する。デバイス通信部402は、デバイス登録部401により登録されたデバイス3と通信する。具体的には、デバイス通信部402は、デバイス3の認証または認可を行い、認証または認可に成功したデバイスと通信する。デバイス連携部403は、サービスベンダが開発したアプリケーションとデバイス3とを連携させる。これにより、デバイス連携部403は、IoTを利用したサービスをユーザに提供する。
【0023】
OTA(Over The Air)アップデート部404は、エンドユーザ端末4から、新規のデバイス3または新規の機能へのアップデートまたは置換が指示された場合、デバイス3および中継アプリケーション等に対してアップデートを要求するアップデート部の一例である。また、デバイス3が、IoTプラットフォーム5に直接接続できないデバイス(例えば、他社のデバイス、センサ等の低スペックなデバイス)である場合、OTAアップデート部404は、中継装置6が有する中継アプリケーションを介して、デバイス3に対して、新規のデバイス3または新規の機能へのアップデートまたは置換を要求する。これにより、IoTプラットフォーム5に直接接続できないデバイス3(他社デバイス、センサ等の低スペックなデバイス)の場合でも、新規のデバイス3または新規の機能へのアップデートまたは置換を要求することができる。
【0024】
デバイスカタログ管理部406、サービスカタログ管理部407、およびアプリ開発ツール408は、IoTプラットフォーム5の提供者間のコミュニケーションを円滑するポータルサイトの構成要素である。
【0025】
デバイスカタログ管理部406は、デバイスカタログを記憶する。ここで、デバイスカタログは、デバイス3のラインナップ、デバイス3の機能、デバイスカタログのスキーマ(デジタルスキーマ)、エンドユーザおよびサービスベンダに対するレコメンドに関するユーザ設定情報(通知設定)等を含む。また、デバイスカタログ管理部406は、デバイスカタログに対する新規のデバイス3または機能の追加が発生した場合に、デバイスカタログに対して新規のデバイス3または機能を追加し、かつサービス監視部405に対して、新規のデバイス3または機能の追加を通知する。
【0026】
サービスカタログ管理部407は、エンドユーザに提供するサービスを示すサービスカタログを記憶する。ここで、サービスは、デバイス3およびアプリケーションによってエンドユーザに提供される、デバイス3とエンドユーザ端末4との通信を含む。アプリ開発ツール408は、サービスベンダ端末2によるアプリケーションの開発に用いるツールである。
【0027】
サービス監視部405は、デバイスカタログに対して新規のデバイス3または新規の機能が追加された場合に、エンドユーザ端末4およびサービスベンダ端末2に対して、新規のデバイス3または新規の機能へのアップデートまたは置換のレコメンドを実行する。本実施の形態では、サービス監視部405は、サービスカタログ管理部407から、デバイスカタログに対して新規のデバイス3または新規の機能が追加されたことが通知された場合に、レコメンドを実行する。また、サービス監視部405は、エンドユーザ端末4またはサービスベンダ端末2からの新規のデバイス3または新規の機能へのアップデートまたは置換を指示するリクエストに応じて、OTAアップデート部404に対して、新規のデバイス3または新規の機能へのアップデートまたは置換を指示する。これにより、新規のデバイス3の追加、デバイス3の機能更新といった時系列視点での機能拡張が起きた際、これら機能拡張に関する情報を受けることができるので、デバイス3の機能拡張に対して速やかに対応できる。
【0028】
また、サービス監視部405は、デバイスカタログが含むユーザ設定情報(レコメンドの通知設定)に従って、エンドユーザまたはサービスベンダに対するレコメンドを実行する。これにより、サービスベンダまたはエンドユーザにとって望まない通知(レコメンド)を事前にオフすることができる。
【0029】
また、サービス監視部405は、デバイス3および機能の利用実績に基づいて、エンドユーザまたはサービスベンダに対するレコメンドを実行する。これにより、エンドユーザまたはサービスベンダは、デバイス3および機能の利用実績を考慮して、アップデートまたは置換するデバイス3または機能を選択することができる。
【0030】
さらに、サービス監視部405は、デバイス3または機能の脆弱性を検知した場合、サービスベンダまたはエンドユーザに対して、デバイス3または機能の提供中止を通知する。これにより、サービスベンダまたはエンドユーザがデバイス3または機能のアップデート版を迅速に利用でき、デバイス3または機能の提供中止に対して迅速に対応することができる。
【0031】
ここで、
図4を用いて、本実施の形態にかかるIoTプラットフォーム5によるデバイス3または機能のアップデート要求処理の流れの一例の概略について説明する。
図4に示すように、デバイスベンダ端末1は、デバイス3が追加された際、ポータルサイトのデバイスカタログ管理部406のデバイスカタログに、当該追加されたデバイス3を追加する(ステップS401)。デバイスカタログ管理部406は、デバイスカタログにデバイス3が追加されたタイミングで、サービス監視部405に対して、新規のデバイスまたは新規の機能が追加されたことを通知する(ステップS402)。
【0032】
サービス監視部405は、デバイスカタログが含むユーザ設定情報に従って、サービスベンダまたはエンドユーザに対するレコメンドの通知の要否を判断する(ステップS403)。次いで、サービス監視部405は、レコメンドを通知する必要があると判断したサービスベンダ(アプリケーションを開発するパートナー)のサービスベンダ端末2に対して、新しく追加されたデバイス3、機能、当該デバイスまたは機能の活用事例レコメンドを実行する(ステップS404)。サービスベンダは、レコメンドの内容を見て、新しいアプリケーションおよびサービスを企画し開発する。サービスベンダおよびエンドユーザに対するレコメンドの通知手段には、メール、Slack、Teams等を用いても良い。
【0033】
また、サービス監視部405は、新しく追加されたデバイス3および機能が上位互換の場合等、レコメンドを通知する必要があると判断したエンドユーザのエンドユーザ端末4に対して、デバイス3の置換等のレコメンドを実行する(ステップS405)。エンドユーザは、レコメンドの内容を確認し、エンドユーザ端末4から、サービス監視部405に対して、アップデートの指示および追加発注等を行う(ステップS406)。OTAアップデート部404は、デバイス3に対して、デバイス3の置換および機能のアップデートを要求して(ステップS407)、リモート等によって、中継アプリケーションおよびデバイス3のファームウェア等をアップデートする。
【0034】
図5は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるデバイスのアップデートの流れの一例を示すシーケンス図である。次に、
図5を用いて、新規のデバイス3または新規の機能の追加があった場合に、中継アプリケーションを介さずにデバイス3をアップデートする処理の流れの一例について説明する。
【0035】
デバイスベンダが、デバイスベンダ端末1から、IoTプラットフォーム5のポータルサイトを利用して、デバイスカタログに対して、新規のデバイス3のラインナップまたは新規の機能の追加を行う(ステップS521)。IoTプラットフォーム5のサービス監視部405は、デバイスカタログが含むユーザ設定情報に従って、エンドユーザおよびサービスベンダに対する通知の要否をチェックして、通知(レコメンド)を要求するエンドユーザおよびサービスベンダを特定する(ステップS522)。
【0036】
次に、サービス監視部405は、レコメンドを要求するエンドユーザのエンドユーザ端末4およびレコメンドを要求するサービスベンダのサービスベンダ端末2に対してレコメンドを行う(ステップS523、ステップS524)。この時に、サービス監視部405は、ユーザが登録したキーワード(ユーザ設定情報に含まれるキーワード)に基づいて、関連するデバイス3およびサービスを検索し、検索したデバイス3およびサービスのうち、購入申込みおよび実際の利用頻度の高いサービスから優先的に、レコメンドを実行する。
【0037】
サービスベンダは、IoTプラットフォーム5からのレコメンドを受けて、追加されたデバイスおよび機能で新たにサービスメニュー等を構想できる。また、エンドユーザは、新しく利用できるようになったサービスメニューの通知をうけて気に入った場合には、エンドユーザ端末4から、新たなサービスの申込または追加購入のリクエストを送信する(ステップS525)。
【0038】
IoTプラットフォーム5のサービス監視部405は、エンドユーザ端末4から、リクエストを受信すると、OTAアップデート部404に対して、新規のデバイス3または新規の機能へのアップデートを指示する。OTAアップデート部404は、デバイス3に対して、アップデート要求を送信する(ステップS526)。アップデート要求を受信したデバイス3は、アップデートを実行し(ステップS527)、その結果をOTAアップデート部404に通知する(ステップS528)。その後、サービス監視部405は、デバイス3のアップデートが完了したことを、エンドユーザ端末4に通知する(ステップS529)。
【0039】
図6は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるデバイスのアップデートの流れの一例を示すシーケンス図である。次に、
図6を用いて、新規のデバイス3または新規の機能の追加があった場合に、中継アプリケーションを介してデバイス3をアップデートする処理の流れの一例について説明する。以下の説明では、
図5に示す処理と同様の処理については説明を省略する。
【0040】
アップデートするデバイス3がIoTプラットフォーム5に直接接続できないデバイスである場合、IoTプラットフォーム5のサービス監視部405は、中継装置6が有する中継アプリケーションに対して、デバイス3のアップデート要求を送信する(ステップS601)。中継装置6の中継アプリケーションは、当該中継アプリケーション自身のアップデートを実行する(ステップS602)。さらに、中継アプリケーションは、デバイス3に対して、アップデート要求を送信する(ステップS603)。
【0041】
アップデート要求を受信したデバイス3は、アップデートを実行し(ステップS604)、その結果を中継装置6の中継アプリケーションに通知する(ステップS605)。その後、中継アプリケーションは、デバイス3のアップデートが完了したことを、IoTプラットフォーム5に通知する(ステップS606)。さらに、IoTプラットフォーム5のサービス監視部405は、デバイス3のアップデートが完了したことを、エンドユーザ端末4に通知する(ステップS607)。
【0042】
図7は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるサービスの提供停止の通知処理の流れの一例を示すシーケンス図である。次に、
図7を用いて、本実施の形態にかかる情報処理システムにおいてデバイス3等の脆弱性を検知した場合にデバイス3等によるサービスの提供を停止する処理の流れの一例について説明する。
【0043】
IoTプラットフォーム5のサービス監視部405は、デバイス3およびアプリケーションによって提供されるサービスの脆弱性を検知する(ステップS701)。本実施の形態では、サービス監視部405が、自動的にサービスの脆弱性を検知しているが、これに限定するものではなく、例えば、Webの情報から、サービスの脆弱性を示す情報を取得しても良い。
【0044】
IoTプラットフォーム5のサービス監視部405は、サービスの脆弱性を検知すると、まず、サービス提供者であるサービスベンダのサービスベンダ端末2に対して、サービスの提供を継続するかどうか、およびサービスの提供を継続した場合のリスクを通知する(ステップS702)。サービスベンダ端末2は、サービスの提供を継続した場合のリスクを表示等して、サービスベンダが当該リスクを確認可能とする(ステップS703)。ここで、サービスの提供を継続する場合には、サービスの提供を継続した場合のリスク等の通知のみで対応終了となるが、もし、サービスの提供を一時停止したいとなった場合には、サービスベンダ端末2は、IoTプラットフォーム5のポータルサイトの画面上から、サービスの提供の一時停止をIoTプラットフォーム5に対して要求する(ステップS704)。
【0045】
IoTプラットフォーム5のサービス監視部405は、中継装置6の中継アプリケーションおよびデバイス3に対して、サービスの一時停止の要求を伝える(ステップS705、ステップS706)。そして、中継アプリケーションおよびデバイス3は、サービスの提供を一時停止する(ステップS707、ステップS708)。その後、中継アプリケーションおよびデバイス3は、サービスの開始に備えて定期的にIoTプラットフォーム5へのサービス提供の再開が指示されていないかをチェックする。さらに、IoTプラットフォーム5のサービス監視部405は、エンドユーザのエンドユーザ端末4に対して、サービスが脆弱性の検知が理由で一時中断したことを通知する(ステップS709)。その後、サービスの脆弱性の対応ができ、サービスの提供を開始の際にも、サービス監視部405は、サービスの提供の一時中断と同じフロー、サービスベンダ端末2に対してサービスの提供再開を通知し、エンドユーザ端末4へのサービスの提供再開、および中継アプリケーションおよびデバイス3の制御を再開する。
【0046】
図8は、本実施の形態にかかるIoTプラットフォームのポータルサイトにより表示される画面の一例を示す図である。次に、
図8を用いて、本実施の形態にかかるIoTプラットフォーム5のポータルサイトによるデバイスダイアログのアップデート処理の一例について説明する。
【0047】
IoTプラットフォーム5により表示されるポータルサイトの画面には、まず、IoTプラットフォーム5でサポートするデバイス3が一覧表示する画面G1が表示される。その後、デバイスベンダ端末1によって、デバイス3が選択されると、ポータルサイトの画面には、デバイス3の詳細画面G2が表示される。ここで、詳細画面G2には、デバイス種別、バージョン、互換性、リリースノート、スキーマ詳細(例えば、JSONスキーマ形式のデバイススキーマ)といった情報が含まれる。デバイススキーマは、例えば、検温した人のユーザ名および体温データ等が定義される、検温デバイスのデバイススキーマであっても良い。デバイスカタログをアップデートする権限を持つデバイスベンダのデバイスベンダ端末1は、スキーマ詳細をアップデートすることができる。一方、サービスベンダのサービスベンダ端末2は、スキーマ詳細を閲覧のみできる。また、ポータルサイトの画面には、レコメンドの通知を受けるか否か、および通知を受けるレコメンドのキーワード等のユーザ設定情報をオンまたはオフすることが可能なユーザ設定画面G3を含めることも可能である。
【0048】
このように、本実施の形態にかかる情報処理システムによれば、新規のデバイス3の追加、デバイス3の機能更新といった時系列視点での機能拡張が起きた際、これら機能拡張に関する情報を受けることができるので、デバイス3の機能拡張に対して速やかに対応できる。
【0049】
なお、本実施の形態のIoTプラットフォーム5で実行されるプログラムは、ROM502等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態のIoTプラットフォーム5で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0050】
さらに、本実施の形態のIoTプラットフォーム5で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態のIoTプラットフォーム5で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0051】
本実施の形態のIoTプラットフォーム5で実行されるプログラムは、上述した各部(デバイス登録部401、デバイス通信部402、デバイス連携部403、OTAアップデート部404、サービス監視部405、デバイスカタログ管理部406、サービスカタログ管理部407、およびアプリ開発ツール408)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU501(プロセッサの一例)が上記ROM502から~プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされデバイス登録部401、デバイス通信部402、デバイス連携部403、OTAアップデート部404、サービス監視部405、デバイスカタログ管理部406、サービスカタログ管理部407、およびアプリ開発ツール408が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0052】
1 デバイスベンダ端末
2 サービスベンダ端末
3 デバイス
4 エンドユーザ端末
5 IoTプラットフォーム
6 中継装置
401 デバイス登録部
402 デバイス通信部
403 デバイス連携部
404 OTAアップデート部
405 サービス監視部
406 デバイスカタログ管理部
407 サービスカタログ管理部
408 アプリ開発ツール
501 CPU
502 ROM
503 RAM
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】