(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123763
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】UTI融合タンパク質
(51)【国際特許分類】
C12N 15/62 20060101AFI20230829BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20230829BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20230829BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20230829BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20230829BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20230829BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20230829BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230829BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20230829BHJP
C07K 16/18 20060101ALI20230829BHJP
C07K 14/47 20060101ALI20230829BHJP
C12P 21/02 20060101ALI20230829BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20230829BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20230829BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20230829BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20230829BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20230829BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230829BHJP
A61K 38/57 20060101ALI20230829BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
C12N15/62 Z ZNA
C12N15/12
C12N15/13
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C07K19/00
C07K16/18
C07K14/47
C12P21/02 C
A61P13/12
A61P1/18
A61P7/00
A61P9/00
A61P11/00
A61P29/00
A61K38/57
A61P37/02
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108024
(22)【出願日】2023-06-30
(62)【分割の表示】P 2021142544の分割
【原出願日】2015-02-23
(31)【優先権主張番号】61/943,617
(32)【優先日】2014-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BRIJ
(71)【出願人】
【識別番号】315007891
【氏名又は名称】タケダ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Takeda GmbH
【住所又は居所原語表記】Byk-Gulden-Strasse 2, 78467 Konstanz, Germany
(71)【出願人】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(72)【発明者】
【氏名】チェンバレン、アーロン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、チャン
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、マティアス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高い安定性を示すUTI融合タンパク質を提供する。
【解決手段】特定の配列を有するUTI融合タンパク質、それを製造するためのDNA配列並びに医薬組成物及びその使用方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1を含むUTI融合タンパク質。
【請求項2】
配列番号1を含む単離されたUTI融合タンパク質。
【請求項3】
融合タンパク質が、Fcドメインが共有結合的に結合する二量体である請求項1又は2に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載のUTI融合タンパク質、及び医薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項4】
医薬としての請求項1、2又は3に記載のUTI融合タンパク質の使用。
【請求項5】
有効量の請求項1、2又は3に記載のUTI融合タンパク質を、それを必要とする患者に投与することを含むUTI関連病態の治療方法。
【請求項6】
配列番号1をコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸。
【請求項7】
請求項6に記載の核酸を含む発現ベクター。
【請求項8】
請求項7に記載の発現ベクターを含む組み換え宿主細胞。
【請求項9】
組み換え融合タンパク質が発現するように増殖培地に請求項8に記載の組み換え宿主細胞を置くこと、及び細胞又は増殖培地から融合タンパク質を単離することを含むUTI融合タンパク質の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分子生物学、薬理学、及び医学に関する。
【背景技術】
【0002】
尿トリプシン阻害剤(UTI)(ウリナスタチン(ulinastatin)、ウリスタチン、ウリナスタチン(urinastatin)、ウリスチン、ヒト阻害剤30(HI-30)、ミンギン及びビクニンとしても知られる)は、約40kDの分子量を有するプロテアーゼ阻害剤である。UTIは、ヒトの尿及び血液中に存在し(hUTI)、セリンプロテアーゼファミリー(例えば、トリプシン、α-キモトリプシン、プラスミン、カテプシンG及び白血球エラスターゼ)に対する阻害効果のようなさまざまな生理活性を有する。また、UTIは免疫調節効果を有し、炎症性サイトカイン(例えば、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、インターロイキン-1(IL-1)及びインターロイキン(IL-6))の放出をダウンレギュレートすることができる。さらに、UTIは、二量体を無力化することにより、PDGF-D(PDGF-DD)/PDGF-BBR活性二量体媒介シグナル伝達経路も妨げる。
【0003】
hUTIは、販売承認を受けており、1つの製品が、商標Miraclidとして日本で市販されており、ヒトの尿から単離されている。実際、ヒトの尿から単離されたhUTIは、現在、膵炎及びショックに起因する急性循環障害の治療のために、いくつかの製造業者により市販されている。
【0004】
はじめに、UTIは、ヒト9番染色体上にコードされたAMBP(α1-マイクログロブリン/ビクニン前駆体)と呼ばれる前駆体タンパク質としてヒトにおいて産生される。AMBPのタンパク質分解は、143個のアミノ酸を含む遊離UTIをもたらす。UTIは、セリンプロテアーゼを阻害することが知られている2つのクニッツドメインを含む。それは、UTIのN及びC末端の未構造化アミノ酸に隣接する。2つのドメインは、プロテアーゼ結合に関与する異なるアミノ酸による、プロテアーゼ阻害の異なる特異性をもたらすことが期待される。他のセリンプロテアーゼ阻害剤(例えば、BPTI(ウシ膵臓トリプシン阻害剤))と同様に、我々は、プロテアーゼ阻害のための二つの重要なアミノ酸には、Met26(クニッツドメイン1)及びArg88(クニッツドメイン2)が含まれると推定することができる。異なるプロテアーゼの阻害時のUTIの異なる部分の関与についてはほとんどわかっていない。しかし、クニッツドメイン1の除去は、プロテアーゼ特異性の変化を示し、Factor Xa及び血漿カリクレインに対する新しい阻害活性が見出される。完全長のUTIは、これらの2つのプロテアーゼの阻害を示さない(Morishita et al., Thrombosis Research 1994, vol 73 (3/4) p193-204)。また、UTI
は、2つの結合した糖を含む。1つはSer10でO結合し、1つはAsn45でN結合している。げっ歯類及びヒトにおけるUTIの半減期は、4~30分である(Fries et al, International Journal of Biochemistry and Cell Biology, 2000, vol 32, p 125-137)。
【0005】
UTI融合タンパク質は、任意のUTIドメインの最良のスタートポイント及びストップポイントを含むアミノ酸の最適配列を含むべきであり、他のタンパク質と融合させて、発現、精製、半減期、及び安定性のような性質を向上させてもよい。融合パートナーの正確な配列を、決定する必要があり、融合パートナーの機能的性質を変化し得るリンカー、スタート/ストップポイント、及び/又は突然変異の変化を含み得る。尿から得られるウリナスタチンの変異体は、公知である(WO199856916、US5792629、US5407915、US5409895、US7019123、及びUS658310
8)。ウリナスタチン(その変異体)の融合タンパク質の概念は、US20080181892、US5541288、及びUS20080255025に開示されている。特定のUTI融合タンパク質が、CN103044554Aに記載されている。CN103044554Aの融合タンパク質は、おそらく任意のFc媒介薬理効果を避けるためのFcドメイン内の特定の変異に関連する(ADCC、CDC)。我々は、驚くべきことに、野生型IgG1を伴うUTI-Fcが、良好な耐容性を示し、半減期の有意な増大をもたらすことを見出した。また、CN103044554AのUTI融合タンパク質と比較して、本願のUTI融合タンパク質(特に、配列番号1)は、より高い熱安定性を示す。
【0006】
本発明は、UTI融合タンパク質、それを含む医薬組成物、その調製方法、及びその使用を提供する。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、UTIドメイン及び融合パートナー(ここで、UTIドメインは、作用可能なように融合パートナーに結合する。)を含むUTI融合タンパク質を提供する。本発明は、UTIドメイン及びFcドメイン(ここで、UTIドメインは作用可能なようにFcドメインに結合する。)を含むUTI融合タンパク質を提供する。また、本発明は、本明細書に記載の単離されたUTI融合タンパク質を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、本発明は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、及び29を含む配列を含むUTI融合タンパク質を提供する。一実施形態では、本発明は、配列番号1を含むUTI融合タンパク質を提供する。一実施形態では、本発明は、配列番号3を含むUTI融合タンパク質を提供する。一実施形態では、本発明は、配列番号5を含むUTI融合タンパク質を提供する。一実施形態では、本発明は、配列番号7を含むUTI融合タンパク質を提供する。一実施形態では、本発明は、配列番号9を含むUTI融合タンパク質を提供する。一実施形態では、本発明は、配列番号11を含むUTI融合タンパク質を提供する。一実施形態では、本発明は、配列番号13を含むUTI融合タンパク質を提供する。一実施形態では、本発明は、配列番号15を含むUTI融合タンパク質を提供する。一実施形態では、本発明は、配列番号17を含むUTI融合タンパク質を提供する。一実施形態では、本発明は、配列番号19を含むUTI融合タンパク質を提供する。一実施形態では、本発明は、配列番号21を含むUTI融合タンパク質を提供する。一実施形態では、本発明は、配列番号23を含むUTI融合タンパク質を提供する。一実施形態では、本発明は、配列番号25を含むUTI融合タンパク質を提供する。一実施形態では、本発明は、配列番号27を含むUTI融合タンパク質を提供する。一実施形態では、本発明は、配列番号29を含むUTI融合タンパク質を提供する。
【0009】
本発明の他の実施形態にしたがって、本発明は、本明細書に記載のUTI融合タンパク質を含むUTI融合タンパク質をコードする核酸配列を提供する。さらに、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、及び30として示されるDNA配列を提供する。一実施形態では、UTI融合タンパク質をコードする核酸は、さらに、核酸が作動可能に結合しているコントロール配列を含むベクターを含む。他の実施形態では、本発明は、哺乳動物、昆虫、大腸菌又は酵母の細胞のような、UTI融合タンパク質をコードする核酸配列を含む宿主細胞を提供し、融合タンパク質分子が発現する条件下で宿主細胞を維持する。
【0010】
他の実施形態では、本発明は、本明細書に記載のUTI融合タンパク質及び医薬上許容される担体又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0011】
本発明のさらなる実施形態によれば、有効量の本明細書に記載のUTI融合タンパク質
を、それを必要とする患者に投与することを含むUTI関連障害の治療方法を提供する。
【0012】
すなわち、本発明は、医薬の製造を含む医薬としてのUTI融合タンパク質の使用、及び本明細書に記載のUTI関連障害の治療のための本明細書に記載のUTI融合タンパク質の使用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】変更されたリンカーを実証する2つのUTI-Fcコンストラクト。
【
図3】本発明の様々なUTI-Fcコンストラクト。
【
図4】UTI融合構築で用いられるDNAアセンブル戦略(SLIC)。
【
図5】UTI及びUTI-Fc1、配列番号1によるプロテアーゼ活性の抑制(トリプシン)。
【
図6】UTI-Fc1、UFC1、配列番号1によるプロテアーゼ活性の抑制(キモトリプシン)。
【
図7】UTI-Fc1、UFC1、配列番号1によるプロテアーゼ活性の抑制(複数のプロテアーゼ)。
【
図8】UTI及びUTI-Fc1、UTI-Fc、配列番号1によるサイトカイン分泌の抑制(IL-6)。
【
図10】C3HマウスにおけるLPS誘導C5aに対する配列番号1の効果。
【発明の詳細な説明】
【0014】
本発明は、UTI融合タンパク質、UTIドメイン及び融合パートナー(ここで、UTIドメインは融合パートナーに作用可能なように結合する。)を提供する。本発明のUTI融合タンパク質は、トリプシンを含むプロテアーゼに対する阻害効果を有する。
【0015】
いくつかの実施形態では、融合パートナーが、Fcポリペプチドである。いくつかの実施形態では、融合パートナーが、ヒトFcポリペプチドである。いくつかの実施形態では、融合パートナーが、ヒトFcポリペプチド類似体である。いくつかの実施形態では、融合パートナーが、ヒトFcポリペプチドのフラグメントである。他の実施形態では、融合パートナーが、マウスFcポリペプチドである。他の実施形態では、融合パートナーが、ラットFcポリペプチドである。
【0016】
いくつかの実施形態では、融合パートナーが、ヒトアルブミンである。いくつかの実施形態では、融合パートナーが、ヒトアルブミン類似体である。いくつかの実施形態では、融合パートナーが、修飾ヒトアルブミンである。いくつかの実施形態では、融合パートナーが、ヒトアルブミンのフラグメントである。
【0017】
いくつかの実施形態では、UTIドメインが、ヒトUTI(hUTI)である。いくつかの実施形態では、UTIドメインが、hUTIの類似体である。いくつかの実施形態では、UTIドメインが、hUTIのフラグメントである。いくつかの実施形態では、UTI融合タンパク質は、野生型hUTIドメインを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、UTI融合タンパク質は、野生型ヒトUTIドメイン及びヒトFcドメインを含む。いくつかの実施形態では、UTI融合タンパク質は、野生型hUTIドメイン、及びリンカードメイン、及びヒトFcドメインを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、UTI融合タンパク質は、野生型ヒトUTIドメイン及びヒトアルブミン又はその類似体又はそのフラグメントを含む。いくつかの実施形態では、U
TI融合タンパク質は、野生型hUTIドメイン、リンカードメイン、及びヒトアルブミン又はその類似体又はそのフラグメントを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、Fcドメインは、ヒト細胞上のFc受容体に結合する。いくつかの実施形態では、分子の血清半減期は、UTIドメイン単独の血清半減期よりも有意に長い。いくつかの実施形態では、分子のUTIドメインのプロテアーゼ阻害活性は、UTIドメイン単独と同一或いはそれより大きい。いくつかの実施形態では、マウスへの分子の投与は、炎症反応を減少させる。これには、免疫細胞の活性化を低下させるか、或いはサイトカイン又はケモカインの産生、分泌又は活性を低下させることが含まれるが、これらに限定されない。
【0021】
UTIドメインは、リンカードメインにより融合パートナーに作用可能なように結合してもよいと理解される。
【0022】
本発明は、a)Fcドメイン、b)Fcドメイン類似体、及びc)Fcドメインのフラグメントからなる群から選ばれるポリペプチドに融合したUTIドメイン(ここで、UTIドメインは、リンカードメインにより、Fcドメイン、その類似体、又はそのフラグメントに融合する。)を含むUTI融合タンパク質を提供する。本発明は、a)Fcドメイン、b)Fcドメイン類似体、及びc)Fcドメインのフラグメントからなる群から選ばれるポリペプチドに融合したhUTIドメイン(ここで、hUTIドメインは、リンカードメインにより、Fcドメイン、その類似体、又はそのフラグメントに融合する。)を含むUTI融合タンパク質を提供する。
【0023】
本融合タンパク質は、無傷の抗体の消化により調製されるか或いは他の手段で製造される単量体及び多量体を有するタンパク質を包含する。
【0024】
用語「多量体」及び「多量体の」とは、Fcドメイン又はFcドメインを含む分子が、共有結合的に、又は非共有結合的に結合するか、或いは共有結合性相互作用及び非共有結合性相互作用の両方を有する2以上のポリペプチド鎖を有するタンパク質をいう。用語多量体は、用語二量体を含む。
【0025】
用語「二量体」とは、Fcドメイン又はFcドメインを含む分子が、共有結合的、又は非共有結合的に結合するか、或いは共有結合性相互作用及び非共有結合性相互作用両方を有する2本のポリペプチド鎖を有するタンパク質を言う。すなわち、用語「二量体」とは、2つのFcドメインが、共有結合的、又は非共有結合的に結合するか、或いは共有結合性相互作用及び非共有結合性相互作用両方を有するUTI融合タンパク質をいう。より具体的に、用語「二量体」とは、2つのFcドメインが共有結合的に結合するUTI融合タンパク質をいう。
【0026】
本発明は、a)アルブミン、b)アルブミン類似体、c)アルブミンのフラグメントからなる群から選ばれるポリペプチドに融合したUTIドメインを含むUTI融合タンパク質を提供する。また、本発明は、a)ヒトアルブミン、b)アルブミン類似体、c)ヒトアルブミンのフラグメントからなる群から選ばれるポリペプチドに融合したhUTIドメイン(ここで、hUTIは、リンカードメインにより、アルブミン、その類似体、又はそのフラグメントに融合する。)を含むUTI融合タンパク質を提供する。
【0027】
(用語の定義)
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語は、特に記載がない限り下記に示されるように定義される。
【0028】
本明細書で用いられる、用語「結合された(linked)」、「融合された(fused)」又は「
融合(fusion)」は、相互に交換可能なように使用される。
【0029】
これらの用語は、化学的結合又は組み換えの手段を含む何らかの手段により、2以上の元素又は成分又はドメインを共に結び合わせることをいう。化学的結合の方法は当技術分野で周知である。
【0030】
「融合タンパク質」とは、1以上の部分が異なるタンパク質に由来する互いに共有結合した2以上の部分を有するポリペプチドを言う。2つの部分は、単一のペプチド結合により直接結合していてもよく(例、互いに直接結合した部分)、或いは1以上のアミノ酸残基を含むペプチドリンカーを通して結合していてもよい(例、部分間の介在アミノ酸又はアミノ酸配列を伴うもの)。一般的に、2つの部分及びリンカーをコードするDNAは、互いにリーディングフレームとなり、組み換え技術を用いて製造され得る。
【0031】
「UTIドメイン」は、UTIの活性を模倣するタンパク質又はペプチドである。本発明のUTIドメインは、天然の配列の所望の活性を保持しつつ、それに由来する自然発生する配列又は天然の配列から配列を変化させるようにして変更してもよいと理解される。好ましいUTIドメインは、天然ヒトUTI(hUTI)、その類似体、及びその変異体である。hUTIの変異体は、保存的な置換を含む、必要な構造上の特徴ではないか或いは機能的活性をもたらす天然hUTIの1以上のアミノ酸を置き換えること又は修飾することを含む。hUTIの変異体は、必要な構造上の特徴ではないか或いは機能的活性をもたらす天然hUTIの1以上のアミノ酸を除去すること又は挿入することを含む。hUTIの変異体は、天然hUTIの1以上のアミノ酸を置き換えるか又は修飾して、1以上の性質又は活性を変化させることを含む。hUTIの変異体は、天然hUTIの1以上のアミノ酸を除去するか又は挿入して、1以上のUTI性質又は活性を変化させることを含む。hUTIの変異体は、天然ヒトUTIのグリコリシル化部位を除去するか又は変化させることを含む。hUTIの変異体は、1以上のクニッツドメインを除去するか又は変化させることを含む。hUTIの変異体は、部位特異的突然変異誘発及びPCR媒介突然変異誘発のような標準的な技術により導入することができる。
【0032】
組み換えhUTIドメインのアミノ酸残基配列は、配列番号31として示される。一般的に、UTIドメインは、配列番号31として示される組み換えhUTIドメインと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一の配列を含む。
【0033】
「Fcドメイン」は、最初の定常領域免疫グロブリンドメインを除く抗体の定常領域及びある場合ではヒンジの1部又は全てを含むポリペプチドである。したがって、Fcドメインとは、単量体又は多量体の抗体の非抗原結合部分をいう。IgG1及びIgG2が好ましいが、Fcドメインが生じる抗体は、ヒト由来のものが好ましく、いずれの免疫グロブリンであってもよい。
【0034】
Fcドメインは、重鎖のヒンジ領域を含む。本明細書において、「ヒンジ」又は「ヒンジ領域」又は「抗体ヒンジ領域」又は「免疫グロブリンヒンジ領域」は、抗体の第一の定常ドメイン及び第二の定常ドメインの間(パパイン(papian)開裂のすぐ上流)のアミノ酸を含む柔軟なポリペプチドを意味する。したがって、IgGに関して、Fcドメインは、免疫グロブリンドメインCH2及びCH3並びにCH1とCH2の間のヒンジ領域を含む。Fc領域の境界は変化し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、そのカルボキシル末端に残基C226又はP230(ナンバリングはEUインデックス及びKabatに従う)を含むことと定義される。いくつかの実施形態では、より完全に以下に記載
されるように、アミノ酸修飾は、Fcドメインに形成させ、例えば、1以上のFcγR受容体又はFcRn受容体への結合を変化させる。
【0035】
従って、ある実施形態では、用語Fcドメインは、切断、置換による修飾、欠失及び/又は挿入していてもよいヒンジ領域を含む。さらに修飾又は非修飾ヒンジ領域は、リンカードメインの結合部位であり得る。
【0036】
「Fcドメイン類似体」とは、天然Fcから修飾されたが、なおサルベージ受容体に対する結合部位を含む分子又は配列をいう。用語Fcドメイン類似体は、非ヒト天然Fcからヒト化された分子又は配列を含む。また、用語Fcドメイン類似体は、ジスルフィド形成、宿主細胞との不和合性、発現時のN末端不均一性、安定性、グリコリシル化、補体との相互作用、Fcサルベージ受容体への結合及び/又はFcγ受容体との相互作用に影響する或いは関与する1以上の天然Fc残基が欠失した又は修飾を有する分子又は配列を含む。
【0037】
用語「Fcドメインのフラグメント(複数)」又は「Fcドメインのフラグメント(単数)」とは、1以上の部位を除去した天然Fcであって、除去した部分が本発明の融合タンパク質により必要とされる構造上の特徴又は機能的活性を構成しないものをいう。Fcドメインのフラグメントは、天然Fcの残基の除去、又は天然Fcの切断、及び残りの残基の置換を含み得る。挿入又は変化した残基(例えば置換残基)は、天然アミノ酸又は改変アミノ酸、ペプチド模倣体、非天然アミノ酸、又はD-アミノ酸であり得る。
【0038】
一般的に、Fcドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgD、IgA、IgE、又はIgM、特に、ヒトIgG1又はIgG2と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一の配列を含む。
【0039】
用語Fcドメインは、天然Fc及びFc類似体を包含し、無傷の抗体の消化により調製されたか或いは他の手段で製造された単量体及び多量体を含む。
【0040】
ある実施形態では、Fcドメインは、少なくとも、ヒンジドメイン(アッパー、ミドル及び/又はローワーヒンジ領域)、CH2ドメイン(或いはその変異体又はそのフラグメント)、及びCH3ドメイン(或いはその変異体又はそのフラグメント)を含む。他の実施形態では、Fcドメインは、ヒンジドメイン(アッパー、ミドル及び/又はローワーヒンジ領域)、CH2ドメイン(或いはその変異体又はそのフラグメント)、及びCH3ドメイン(或いはその変異体又はそのフラグメント)からなる。ある他の実施形態では、Fcドメインは、ヒンジドメイン(アッパー、ミドル及び/又はローワーヒンジ領域)、CH2ドメイン(或いはその変異体又はそのフラグメント)、CH3ドメイン(或いはその変異体又はそのフラグメント)、及びCH4ドメイン(或いはその変異体又はそのフラグメント)からなる。他の実施形態では、Fcドメインは、ヒンジドメイン(アッパー、ミドル及び/又はローワーヒンジ領域)及びCH2ドメインからなる。他の実施形態では、Fcドメインは、ヒンジドメイン(アッパー、ミドル及び/又はローワーヒンジ領域)及びCH3ドメイン(或いはその変異体又はそのフラグメント)からなる。他の実施形態では、Fcドメインは、CH2ドメイン(或いはその変異体又はそのフラグメント)、及びCH3ドメイン(或いはその変異体又はそのフラグメント)からなる。他の実施形態では、Fcドメインは、完全CH2ドメイン及び完全CH3ドメインからなる。他の実施形態では、Fcドメインは、完全CH2ドメイン及び完全CH3ドメインからなる。一実施形態では、本発明のFcドメインは、少なくとも、FcRn結合のために必要とされる当技術分野で周知のFc分子の部分を含む。他の実施形態では、本発明のFcドメインは、少
なくとも、プロテインA結合のために必要とされる当技術分野で周知のFc分子の部分を含む。他の実施形態では、本発明のFcドメインは、少なくとも、プロテインG結合のために必要とされる当技術分野で周知のFc分子の部分を含む。
【0041】
本発明によれば、Fcドメインとは、通常、免疫グロブリン重鎖のFcドメインの全て又は一部を含むポリペプチドを言う。前述のとおり、これには、ヒンジ領域、CH1、CH2、及び/又はCH3ドメインの全体を含むポリペプチド、並びに例えば、ヒンジ、CH2及びCH3ドメインを含むこのようなペプチドのフラグメントが含まれるが、これらに限定されない。Fcドメインは、任意の種及び/又はサブタイプ(ヒトIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgD、IgA、IgE、又はIgM抗体を含むが、これらには限定されない。)の任意の免疫グロブリンに由来し得る。Fcドメインは、IgA、IgD、及びIgGの最後の2つの定常領域免疫グロブリンドメイン、IgE及びIgMの最後の3つの定常領域免疫グロブリンドメイン、並びにこれらのドメインの柔軟なヒンジN末端を含む。IgA及びIgMについて、FcはJ鎖を含んでいてもよい。
【0042】
本明細書で用いられるFcドメインは、天然Fc及びFc変異体分子を包含する。Fc変異体及び天然Fcタンパク質と同様に、用語Fcドメインは、抗体から消化されたか或いは他の手段により製造された単量体及び多量体の分子を含む。
【0043】
本明細書に示されるように、任意のFcドメインは、天然に存在する免疫グロブリン分子の天然Fcドメインのアミノ酸配列を変化させるように修飾され得ると理解される。特定の代表的な実施形態では、Fcドメインは、エフェクター機能(例えば、FcγR結合)を保持する。特定の代表的な実施形態では、Fcドメインは、エフェクター機能(例えば、FcγR結合)を欠いている。
【0044】
本発明のFcドメインは、異なる免疫グロブリン分子に由来し得る。例えば、Fcドメインは、IgG1に由来するCH2及び/又はCH3ドメイン並びにIgG3に由来するヒンジ領域を含み得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、UTI融合タンパク質は、Fcドメインを含む。本発明のUTI融合タンパク質の製造のために有用なFcドメインは、多くの異なるソースから得られ得る。好ましい実施形態では、UTI融合タンパク質のFcドメインは、ヒト免疫グロブリンに由来する。しかしながら、Fcドメインは、その他の哺乳動物種(例えば、げっ歯類種(例、マウス、ラット、ウサギ、モルモット)又は非ヒト霊長類種(例、チンパンジー、サル)を含む。)の免疫グロブリンに由来してもよいと理解される。また、UTI融合タンパク質のFcドメイン又はその部分は、任意の免疫グロブリンクラスに由来してもよい。
【0046】
本明細書で用いられる用語「野生型」又は「wt」又は「天然」は、対立遺伝子変異を含む天然で見出されるアミノ酸配列又はヌクレオチド配列を意味する。野生型タンパク質、ポリペプチド、抗体、免疫グロブリン、IgG、ポリヌクレオチド、DNA、RNA等は、意図的に修飾されていないアミノ酸配列又はヌクレオチド配列を有する。
【0047】
ある実施形態では、本発明のUTI融合タンパク質は、リンカードメインを用いることができる。リンカードメインは、UTIドメインを融合パートナーに作動可能に接続するために使用される。
【0048】
用語「リンカードメイン」とは、ポリペプチドリンカー、非ペプチドリンカー及びそれらの組み合わせをいう。特に、リンカードメインは、ポリペプチドであり得る。本明細書で用いられる、用語「リンカードメイン」とは、直鎖状配列で2つのドメインを接続する
配列をいう。本明細書で用いられる、用語「ポリペプチドリンカー」とは、ポリペプチド鎖の直鎖状アミノ酸配列の2つのドメインを接続するペプチド配列又はポリペプチド配列(例、合成ペプチド配列又はポリペプチド配列)をいう。例えば、ポリペプチドリンカーは、UTIドメインをFcドメインに接続するために用いてもよい。好ましくは、このようなポリペプチドリンカーは、ポリペプチド分子に柔軟性をもたらし得る。本発明のUTI融合タンパク質は、ペプチドリンカーを含むリンカードメインを含んでいてもよい。
【0049】
例えば、リンカードメインは、UTIドメインをFcドメインと連結するようにポリペプチドリンカーの直鎖状アミノ酸配列の2つのドメインを接続するために用いることができる。ある実施形態では、リンカードメインは、UTIドメインをFcドメインに接続するために用いることができる。リンカードメインは、任意の順序でドメインを接続するために用いられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、リンカーは、UTIドメインとFcドメインをUTI-リンカー-Fcの順序で接続し得る。その一方で、他の実施形態では、リンカーは、UTIドメインとFcドメインをFc-リンカー-UTIの順序で接続し得る。ここで、ポリペプチド領域は、N末端からC末端を表す。代表的なポリペプチドリンカーは、グリシン及びセリン残基からなるもの、いわゆるGly-Serポリペプチドリンカーを含む。本明細書で用いられる、用語「Gly-Serポリペプチドリンカー」とは、グリシン及びセリン残基からなるペプチドをいう。代表的なGly-Serポリペプチドリンカーは、アミノ酸配列Ser(Gly4Ser)n(式中nは1~10の整数、それぞれ配列番号33~42)を含む。一実施形態では、UTI融合タンパク質は、n=lである1又は2のGly-Serポリペプチドリンカーを含む。一実施形態では、UTI融合タンパク質は、n=2である1又は2のGly-Serポリペプチドリンカーを含む。一実施形態では、UTI融合タンパク質は、n=3である1又は2のGly-Serポリペプチドリンカーを含む。一実施形態では、UTI融合タンパク質は、n=4である1又は2のGly-Serポリペプチドリンカーを含む。一実施形態では、UTI融合タンパク質は、n=5である1又は2のGly-Serポリペプチドリンカーを含む。一実施形態では、UTI融合タンパク質は、n=6である1又は2のGly-Serポリペプチドリンカーを含む。一実施形態では、UTI融合タンパク質は、n=7である1又は2のGly-Serポリペプチドリンカーを含む。一実施形態では、UTI融合タンパク質は、n=8である1又は2のGly-Serポリペプチドリンカーを含む。一実施形態では、UTI融合タンパク質は、n=9である1又は2のGly-Serポリペプチドリンカーを含む。一実施形態では、UTI融合タンパク質は、n=10である1又は2のGly-Serポリペプチドリンカーを含む。
【0050】
他の代表的なリンカーは、配列番号43で示される。
【0051】
用語「含む」は、化合物、即ち、融合タンパク質が、N末端又はC末端の何れか又は両方でさらなるアミノ酸を含んでいてもよいことを意味する。もちろん、これらのさらなるアミノ酸は、化合物、即ち、融合タンパク質の活性を有意に妨げるべきではない。
【0052】
用語「アミノ酸」とは、天然に存在するアミノ酸及び合成アミノ酸、並びに天然に存在するアミノ酸と同様に機能するアミノ酸類似体及びアミノ酸模倣体をいう。天然に存在するアミノ酸は、遺伝子のコードによりコードされるもの、並びに後で修飾されるそれらのコードされるアミノ酸(例えば、ヒドロキシプロリン及びホスホセリン)である。アミノ酸類似体は、天然に存在するアミノ酸と同様の基本化学構造(すなわち、水素原子、カルボキシル基、アミノ基及びR基に結合する炭素原子)を有する化合物、即ち、融合タンパク質をいう。アミノ酸類似体は、修飾したR基を有するか、或いは修飾したペプチド骨格を生じるが、天然に存在するアミノ酸と同様の基本化学構造を保持する。
【0053】
用語「アミノ酸の置換」とは、異なる「置き換え」アミノ酸を用いる所定のアミノ酸配
列又は天然のアミノ酸配列の少なくとも1の既存のアミノ酸残基の置き換えをいう。
【0054】
用語「アミノ酸の挿入」とは、所定のアミノ酸配列又は天然のアミノ酸配列に1以上のさらなるアミノ酸を挿入することをいう。挿入は、1、2、3、4、5、又は20以下のアミノ酸残基であり得る。
【0055】
用語「アミノ酸の欠失」とは、所定のアミノ酸配列又は天然のアミノ酸配列から少なくとも1のアミノ酸を除去するこという。欠失は、1、2、3、4、5、又は20以下のアミノ酸残基であり得る。
【0056】
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は、本明細書において交換可能であるように用いられ、アミノ酸残基のポリマーをいう。その用語は、1以上のアミノ酸が、非天然アミノ酸、合成アミノ酸、又はアミノ酸模倣体であるアミノ酸ポリマーに適用される。
【0057】
用語「核酸」とは、1本鎖又は2本鎖の形態のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド及びそれらのポリマーをいう。用語「核酸」は、遺伝子、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、cDNA、DNA、及びmRNAと交換可能であるように用いられる。特に限定されない限り、その用語は、天然核酸と同様の結合特性を有する天然ヌクレオチドの既知の類似体を含む核酸を包含する。特に限定されない限り、特定のヌクレオチド配列は、その保存的に修飾した変異体(例えば、縮重コドン置換を含むもの)及び相補的配列並びに具体的に記載した配列も包含する。
【0058】
本発明のポリヌクレオチドは、非修飾RNA若しくはDNA又は修飾RNA若しくはDNAであり得る任意のポリリボヌクレオチド又はポリデオキシリボヌクレオチドで構成され得る。例えば、ポリヌクレオチドは、1本鎖又は2本鎖の領域、混合した1本鎖又は2本鎖の領域で構成され得る。さらに、ポリヌクレオチドは、RNA若しくはDNA又はRNA及びDNAの両方を含む3本鎖領域であり得る。修飾ポリヌクレオチドは、トリチル化塩基のような修飾塩基又はイノシンのような普通ではない塩基を含む。さまざまな修飾が、RNA及びDNAで行うことができ、したがって、ポリヌクレオチドは、化学的、酵素的、又は代謝的に修飾された形態を含む。
【0059】
用語「誘導体化」又は「誘導体」とは、例えば、システイニル残基間で架橋した環状部分を有する化合物、即ち、融合タンパク質、架橋され、1以上のペプチジル結合が非ペプチド結合で置き換えられ、N末端がNRR1、NRC(O)R1、NRC(O)OR1、NHC(O)NHR1、NRS(O)2R2、スクシンアミド又はその他の基(ここで、R及びR1は本明細書で定義された通り)で置き換えられ、且つ/或いはC末端がC(O)R3又はNR4R5で置き換えられた化合物、即ち、融合タンパク質、並びにアミノ酸部分が、選択された側鎖又は末端残基で反応可能な薬剤で処理することにより修飾した化合物、即ち、融合タンパク質をいう。Rは、水素及びC1-6アルキルからなる群から選ばれ、R1は、水素及びC1-6アルキルからなる群から選ばれ、R2は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び置換されていてもよいフェニルからなる群から選ばれ;R3は、水素、C1-6アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群から選ばれ;R4は、水素及びC1-6アルキルからなる群から選ばれ;R5は、水素、C1-6アルキル及びC3-8シクロアルキルからなる群から選ばれるか;或いはR4及びR5は、それらが結合する窒素と一緒になって、N、O、及びSの群から選ばれるさらなる1個の環ヘテロ原子を有していてもよい4~7員の飽和環を形成する。
【0060】
用語「C1-6アルキル」とは、1ないし6個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖のアルキル鎖をいう。
【0061】
用語「C3-8シクロアルキル」とは、3ないし8個の炭素原子の単環式の又は二環式の飽和又は部分(しかし不完全)不飽和のアルキル環をいい、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。その用語はベンゾ縮合したシクロペンチル及びシクロヘキシルを含むと理解される。
【0062】
用語「置換されていてもよいフェニル」とは、独立して、ハロ、Cl-6アルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、及びトリフルオロメチルからなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基をいう。
【0063】
(調製)
本発明の化合物、即ち、融合タンパク質は、標準的な合成方法、組み換えDNA技術、又はペプチド及び融合タンパク質を調製するその他の方法により調製してもよい。代表的な方法において、hUTIドメインは、UTIドメイン及びFcドメイン及び任意のリンカードメインをコードするDNA構築物の発現によりFcドメインに共有結合的に連結させる。
【0064】
UTI融合タンパク質を構築する別の方法が想定される。いくつかの実施形態では、ドメインオリエンテーションを変化させて、FcR結合を保持し且つ活性UTIドメインを有するFc-UTI分子又はUTI-Fc分子又はUTI-Fc-UTI分子を構築することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、UTI融合タンパク質は、FcRn(Fc新生児型受容体)の結合後に融合タンパク質がエンドサイトーシスを受けるようにすることができる野生型Fcドメインを含む。したがって、本発明は、さらに、開示されたUTI融合タンパク質の製造方法を提供する。これらの方法は、本発明のUTI融合タンパク質をコードする単離された核酸を含む宿主細胞を培養することを包含する。当業者によって理解されるように、これは、UTI融合タンパク質の性質に応じてさまざまな方法で行うことができる。いくつかの実施形態では、本発明のUTI融合タンパク質を製造し、単離することができる。
【0066】
一般的に、本発明のUTI融合タンパク質をコードする核酸が提供される。このようなポリヌクレオチドは、UTIドメイン、融合パートナー、及び任意のリンカードメインをコードする。また、本発明は、開示されたポリヌクレオチド及びこれらのポリヌクレオチドに相補的な核酸配列に由来するオリゴヌクレオチドフラグメントを意図する。
【0067】
ポリヌクレオチドはRNA又はDNAの形態であり得る。DNA、cDNA、ゲノムDNA、核酸類似体、及び合成DNAの形態のポリヌクレオチドは、本発明の範囲内である。DNAは、2本鎖又は1本鎖であり得、1本鎖の場合、コード(センス)鎖又は非コード(アンチセンス)鎖であり得る。ポリペプチドをコードするコード配列は、本明細書で提供されるコード配列と同一であってもよく、或いは遺伝子のコードの重複又は縮重の結果として配列が本明細書で提供されるDNAのような同じポリペプチドをコードする異なるコード配列であってもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、本発明のUTI融合タンパク質をコードする核酸は、染色体外であるか或いはそれが導入される宿主細胞のゲノムに組み込まれるように設計され得る発現ベクターに組み込まれる。発現ベクターは、任意の数の適切な調節配列(転写及び翻訳制御配列、プロモーター、リボソームの結合部位、エンハンサー、複製起点等が挙げられるが、これらに限定されない)又はその他の成分(選択遺伝子等)を含み得る。それらの全ては当技術分野でよく知られたようにして作用可能なように連結される。ある場合で
は、2つの核酸が使用され、それぞれ異なる発現ベクター(例えば、第一の発現ベクターにおいて重鎖、第二の発現ベクターにおいて軽鎖)に導入し、或いは代替的に同じ発現ベクターに導入することができる。調節配列の選択を含む発現ベクターの設計が、宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現レベル等のような要因に依存し得るということが当業者に理解されるだろう。
【0069】
一般的に、核酸分子を1以上の発現制御因子に作動可能なように結合させる(例、宿主細胞ゲノム内に組み込まれる、ベクター中で、細胞内のプロセスのより作られる構築物中で)ように、選択された宿主細胞に適した任意の方法(例えば、形質転換、トランスフェクション、エレクトロポレーション、インフェクション)を用いて、核酸及び/又は発現を適切な宿主細胞に導入して、組み換え宿主細胞を作り出すことができる。得られた組み換え宿主細胞を、発現に適した条件下(例えば、誘導因子の存在下、適切な非ヒト動物内、適切な塩、成長因子、抗生剤、栄養補助剤等を補充した適切な培地中)に維持して、それにより、コードされたポリペプチドを生成させることができる。ある場合では、一方の細胞内では重鎖が作られ、他方では軽鎖が作られる、
【0070】
発現のためのホストとして利用可能な哺乳動物の細胞株は、当技術分野で周知であり、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC)(バージニア州マナッサス)から利用可能な多くの不死化細胞株を含む。これには、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HEK293細胞、NSO細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例、Hep G2)、及び多くのその他の細胞株が含まれるが、これらに限定されない。また、非哺乳動物細胞(細菌、酵母、昆虫、及び植物を含むがこれらに限定されない)を用いて、組み換え抗体を発現させる。いくつかの実施形態では、抗体を、ウシ又はニワトリのようなトランスジェニック動物で作ることができる。
【0071】
実施形態において、本発明の融合タンパク質は、ヌクレオチド配列によりコードされる。本発明のヌクレオチド配列は、クローニング、遺伝子治療、タンパク質の発現及び精製、変異導入、それを必要とするホストのDNAワクチン接種、抗体生成(例えば、受動免疫付与)、PCR、プライマー及びプローブの生成、siRNAのデザイン及び生成等を含む多くの用途に有用であり得る。実施形態において、本発明のヌクレオチド配列は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、又は32から選ばれるヌクレオチド配列を含むか、それらからなるか、或いは本質的にそれらからなる。
【0072】
実施形態において、ヌクレオチド配列は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、又は32で示されるヌクレオチド配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一のヌクレオチド配列を含む。実施形態において、ヌクレオチド配列は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、又は32で示される連続ヌクレオチド配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一の連続ヌクレオチド配列を含む。
【0073】
好ましい本発明のUTI融合タンパク質は、ヒト免疫グロブリン配列由来の配列(例、少なくとも1つのFcドメイン)を含む。しかしながら、配列は、他の哺乳動物種由来の1以上の配列を含んでいてもよい。例えば、霊長類Fcドメイン又はヌクレアーゼドメインが、対象配列に含まれていてもよい。代替的に、1以上のマウスアミノ酸が、ポリペプ
チド中に存在していてもよい。いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチド配列は、免疫原性ではない且つ/或いは低下した免疫原性を有する。本発明のUTI融合タンパク質は、1以上のアミノ酸残基(例えば、必須アミノ酸残基又は非必須アミノ酸残基)で保存的アミノ酸置換を含んでいてもよい。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられたものである。同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野で定義され、塩基性側鎖(例、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分枝側鎖(例、トレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。したがって、結合ポリペプチドの非必須アミノ酸残基は、好ましくは、同じ側鎖ファミリーに由来するその他のアミノ酸残基で置き換えられていてもよい。他の実施形態では、アミノ酸のストリングは、側鎖ファミリーメンバーの順序及び/又は組成が異なる構造的に同様のストリングで置き換えることができる。代替的に、他の実施形態では、例えば飽和突然変異誘発により、突然変異を、コード配列の全て又は一部に無作為に導入してもよい。結果として得られた変異体を、本発明の結合ポリペプチドに組み込み、それらの所望の標的に結合する能力でスクリーニングすることができる。
【0074】
(用途)
一実施形態では、本発明は、UTI関連病態の診断方法及び治療方法を提供する。本明細書で用いられる用語「条件」、「障害」及び「疾患」は、任意の不健康な状態又は異常な状態に関連する。用語「UTI関連病態」は、UTIが治療上の利益をもたらす病態、障害、及び疾患を含む。用語「UTI関連病態」は、免疫調節効果又は炎症効果により特徴付けられる病態を含む。特に、用語UTI関連病態は、膵炎(急性膵炎及び慢性膵炎を含む)、全身性炎症反応症候群、急性循環障害(例えば、ショックによって引き起こされるもの)、播種性血管内凝固症候群、及び多臓器不全症候群を含む。また、用語UTI関連病態は、高リスク外科患者における使用を含む。また、用語UTI関連病態は、肺、肝臓、心臓、又は腎臓の感染を含む。また、用語UTI関連病態は、重度の敗血症を含む。また、用語UTI関連病態は、SARSウイルスにより引き起こされる急性肺損傷(ALI)又は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を含む。
【0075】
一実施形態では、本発明は、有効量(例えば、薬学的な有効量)の開示されたUTI融合タンパクを、それを必要とする患者に投与することを含むUTI関連病態の治療方法を提供する。ある実施形態では、病態は、本明細書で具体的に言及されるものである。
【0076】
本発明の医薬組成物は、医薬分野においてよく知られている方法で調製され、活性成分として少なくとも1つの本発明のUTI融合タンパク質を含む。本発明に従って使用されるUTI融合タンパク質の医薬組成物は、所望の程度の純度を有するUTI融合タンパク質を、任意の医薬上許容される賦形剤と混合することにより調製される。用語「医薬上許容される賦形剤」とは、通常、医薬組成物を調製する時に使用されるものをいい、薬学的に純粋で且つ使用量で非毒性であるべきである。それらは、一般的に、集合中で活性成分のためのビヒクル又は培地として働くことができる固体、半固体、又は液体物質である。医薬上許容される賦形剤のいくつかの例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」及び「the Handbook of Pharmaceutical Excipients」中に見いだされ、希釈剤、ビヒクル、担体、徐放マトリックス、安定剤、保存剤、溶剤、懸濁化剤、緩衝剤、乳化剤、色素剤、噴霧剤、コーティング剤、及びその他のものを含む。注射又は静脈内投与に一般的な、本発明のUTI融合タンパク質は、凍結乾燥製剤又は水溶液の形態である。
【0077】
医薬上許容される賦形剤は、使用量で対象に無毒性であり、緩衝剤(例えば、リン酸塩、クエン酸塩、及びその他の有機酸類);酸化防止剤(アスコルビン酸及びメチオニンを含む);保存剤(例えば、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル又はベンジルアルコール;アルキルパラベン(例えば、メチル又はプロピルパラベン);カテコール;レソルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質(例えば、血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン);親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン);アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、又はリジン);単糖類、二糖類、及びその他の炭水化物(グルコース、マンノース、又はデキストリンを含む);キレート剤(例えば、EDTA);糖類(例えば、スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトール);塩形成対イオン(例えば、ナトリウム);金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);及び/又は非イオン性界面活性剤(例えば、TWEENTM、PLURONICSTM又はポリエチレングリコール(PEG))を含む。
【0078】
また、本明細書における医薬組成物は、1つより多くの活性化合物、即ち、融合タンパク質、必要に応じて、治療する特定の症状のためのもの、好ましくは、互いに悪影響を及ぼさない補体活性を有するものを含んでいてもよい。このような分子は、適切に、意図する目的に有効な量の組み合わせで存在する。
【0079】
in vivo投与に使用する医薬組成物は、滅菌或いはそれに近いものであるべきである。これは、滅菌ろ過膜に通してろ過することにより容易に達成される。
【0080】
本発明のUTI融合タンパク質は、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、皮下、関節内、関節滑液嚢内、又は髄腔内注射又は注入により、或いは局所経路又は吸入経路により、ボーラスとしての或いは一定期間にわたる持続注入による静脈内投与のような既知の方法にしたがって対象に投与される。UTI融合タンパク質の静脈内投与又は皮下投与が好ましい。
【0081】
用語「治療する」、「治療」及び「治療すること」は、本明細書に記載の病態の改善を含む。用語「治療する」、「治療」及び「治療すること」は、本明細書に記載の病態の状態又は進行の減速、防止、阻害、制御又は停止をもたらす全てのプロセスを含むが、必ずしも、全ての症状の完全な排除又は病態の治癒を示すものではない。用語「治療する」、「治療」及び「治療すること」は、このような障害の治療的処置を含むことを意図する。用語「治療する」、「治療」及び「治療すること」は、このような障害の予防的処置を含むことを意図する。
【0082】
本明細書で用いられる、用語「患者」及び「対象」は、ヒト及び非ヒト動物、例えば、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、及びブタ)を含む。また、その用語は、鳥類、魚、爬虫類、両生類等を含む。より特定の患者はヒトであると理解される。また、より特定の患者及び対象は、非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、及びイヌ)である。
【0083】
本明細書で用いられる、用語「有効量」とは、単回投与又は多回投与で、言及された病態に罹患している患者を治療する本発明の化合物、即ち、融合タンパク質の量をいう。有効量は、既知の技術を用いることにより且つ類似の状況下で得られた結果を観察することにより、当業者としての医師又は獣医のような医療専門家である担当診断医により容易に決定され得る。例えば、医療専門家は、所望の治療効果を達成するために必要な水準よりも低い水準で、医薬組成物で使用される医薬の投与を開始し、所望の効果が達成できるまで用量を徐々に増加させることができる。
【0084】
有効量、用量の決定する場合、多くの要因が、担当診断医により考慮され、それには、患者の種;そのサイズ、年齢、及び全身の健康;関与する具体的な病態、障害、又は疾患;個々の患者の病態、障害、又は疾患の関与又は重症度、反応の程度;投与された特定の化合物、即ち、融合タンパク質;投与様式;投与製剤の生物学的利用能特性;選択された投与計画;併用薬の使用;及びその他の関連する状況が含まれるが、これらに限定されない。具体的な量は、当業者により決定され得る。これらの用量は、約60kg~約70kgの重量の平均的なヒト対象に基づくが、医師は、重量がこの体重範囲の外にある患者(例えば、幼児)のための適切な用量を決定することができるだろう。
【0085】
投与計画を調整して所望の反応を提供する。治療の状況の緊急性により示されるように、例えば、単回のボーラスを投与してもよく、いくつかの分割用量を経時的に投与してもよく、或いは用量を比例的に減少又は増加させてもよい。
【0086】
非経口組成物は、投与の容易さ及び用量の均一性のために単位用量形態で製剤化してもよい。本明細書で用いられる単位用量形態とは、治療対象のための単位用量として適切な物理的に分離した単位をいう。各単位は、必要な医薬担体と併せて所望の治療効果をもたらすために計算された所定の量の活性化合物、即ち、融合タンパク質を含む。
【0087】
本医薬組成物は、好ましくは、通常、それぞれ約0.5mg~約100mgの本発明のUTI融合タンパク質を含む単位剤形で処方される。用語「単位剤形」とは、1以上が所望の治療効果を生み出す投与計画を通じて使用される、適切な医薬賦形剤と共に所定の量の活性成分を含む物理的に分離した単位をいう。1以上の「単位剤形」が治療用量に影響を与えるために必要とされてもよい。
【0088】
本発明において使用されるUTI融合タンパク質の有効量の代表的な非限定的範囲は、約0.1~100mg/kg、例えば、約0.1~50mg/kg、例えば、約0.1~20mg/kg、例えば、約0.1~10mg/kg、例えば、約0.5mg/kg、例えば、約0.3mg/kg、約1mg/kg、又は約3mg/kgである。他の実施形態では、UTI融合タンパク質は、1mg/kg以上の用量、例えば、1~20mg/kgの用量、例えば、5~20mg/kgの用量、例えば、8mg/kgの用量で投与される。本発明において使用されるUTI融合タンパク質の有効量の代表的な非限定的範囲は、約1~500mg/用量、例えば、約1~100mg/用量、例えば、約1~50mg/用量、例えば、約1~10mg/用量、例えば、約1mg/用量、又は約3mg/用量、又は約5mg/用量である。一実施形態では、UTI融合タンパク質は、3日ごとに注入により或いは毎週10~500mg/用量の用量で投与される。このような投与は、必要に応じて所望の治療効果を維持するために繰り返されてもよい。
【0089】
非限定的な例として、本発明に基づく治療は、治療開始後、1日あたり、1日少なくとも1回、約0.1~100mg/kg、例えば、0.5、0.9、1.0、1.1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、45、50、60、70、80、90又は100mg/kg;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40mg/kg、又は代替的に、少なくとも週に一度、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20mg/kg、又は任意のそれらの組み合わせの量でUTI融合タンパク質の投薬を提供してもよい。非限定的な例として、本発明に基づく治療は、約1~100mg/用量、例えば、1、5、10、20、30、40、45、5
0、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、又は400mg/用量の量でUTI融合タンパク質の投薬を提供してもよい。治療開始後、少なくとも1日1回、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40mg/用量又はそれらの任意の組み合わせ。治療開始後、少なくとも週に1回、1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100mg/用量又はそれらの任意の組み合わせ。
【0090】
本発明のUTI融合タンパク質は、UTI関連疾患の治療を含むさまざまな用途での使用が見出される。本発明のUTI融合タンパク質は、免疫系の関与を伴う疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、術後炎症反応、リソソーム関連疾患、凝固疾患、プロテアーゼ関連疾患の治療での使用、及び手術間アジュバント療法としての使用を見出すことができる。本発明のUTI融合タンパク質は、膵炎(内視鏡誘発性膵炎及び急性膵炎を含む)、関節炎、SARS、全身性炎症反応症候群、急性循環障害、敗血症、肝炎、虫垂炎、大腸炎、臓器不全、臓器障害(膵臓、腎臓、肺を含む)、再潅流傷害、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、ショック、虚血性傷害、急性肺損傷(急性大動脈解離に起因するものを含む)、喘息、肺炎症、肺炎(人工呼吸器関連を含む)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、及び全身性炎症反応症候群の治療での使用を見出すことができる。
【0091】
本発明のUTI融合タンパク質は、プロテアーゼ(セリンプロテアーゼ(トリプシン、キモトリプシン、トロンビン、カリクレイン、プラスミン、エラスターゼ、カテプシン、リパーゼ、ヒアルロニダーゼ、第IXa、Xa、XIa、及びXlIa因子、並びに多形核白血球エラスターゼを含む)を含む)の阻害での使用を見出すことができる。
【0092】
本発明のUTI融合タンパク質は、前炎症性メディエータ(例えば、サイトカイン、腫瘍壊死因子アルファ、インターロイキン1、1β、4、6及び8、10並びにケモカイン)の抑制での使用を見出すことができる。
【0093】
本発明のUTI融合タンパク質は、腫瘍侵襲及び転移、変化した速度のアポトーシスの予防、並びにシスプラチン治療における腎機能損失の低減を含む癌治療での使用を見出すことができる。
【0094】
本発明のUTI融合タンパク質は、補助療法を含むAIDSの治療のための使用を見出すことができる。
【実施例0095】
以下は、本発明を実施するための具体的な実施形態の例である。実施例は、例示を目的としてのみ示され、多少なりとも本発明の範囲を限定することを意図するものではない。用いられる数値(例えば量、温度等)に対する正確さを保証する努力がなされているが、もちろん、一部の実験の誤差及び偏差は許容されるべきである。本発明の実施は、特に記載がない限り、当技術分野の技術範囲内で、タンパク質化学、生化学、組み換えDNA技術及び薬理学の従来の方法を採用するだろう。このような技術は、文献において十分に説明される。例えば、T.E. Creighton, Proteins: Structure and Molecular Properties (W.H. Freeman and Company, 1993);A.L. Lehninger, Biochemistry (Worth Publishers,
Inc.);Sambrook, et al, Molecular Cloning: A Laboratory manual (2nd Edition, 1989);Methods In Enzymology (S. Colowlck and N. Kaplan eds., Academic Press, Inc.); Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Edition (Easton, Pennsylvania: Mack Publishing Company, 1990);Carey and Sundberg Advanced Organic Chemistry 3rd
Ed. (Plenum Press) Vols A and B (l992)を参照。
【0096】
実施例1:UTI融合タンパク質をコードするDNAベクターの構築
【0097】
分子生物学を実施するための方法は、当技術分野で周知であり、例えば、分子クローニング(Molecular クローニング):実験室マニュアル第四版(Micheal Green and Joseph Sambrook, Cold Spring Harbor Press, 2012)で見出される。
【0098】
UTI-Fc1をコードする遺伝子を、Life Technologies(カリフォルニア州カールズバッド)のGeneArtコドン最適化遺伝子合成サービスを用いて発注した。タンパク質配列は、分泌のために加えられたシグナルペプチドMGWSCIILFLVATATGVHSと共に配列番号1にリストされている。
図1は、融合に用いられるUTIの一般領域を示す。UTI-Fc1をコードする遺伝子は、哺乳動物の発現ベクターに結合した。哺乳動物の発現ベクターは、当技術分野で周知であり、pSecTag2/Hygro A、pcDNA4及びpcDNA6ベクター(Life Technologies、カリフォルニア州カールズバッド)を含む。ベクターを制限酵素(New England Biolabs(NEB)のHindIII-HF及びEcoRI)で消化した。このフラグメントを、カルベニシリン耐性をもたらす発現ベクターに結合し、同じ2つの制限酵素で消化した。1:3のベクター:インサートのモル比を、結合で使用した。結合したDNAを、NEBの10ベータの化学的に適格性がある大腸菌細胞にトランスフォームし、終夜増殖させるためにLBカルベニシリンプレートに播種した。コロニーを、カルベニシリンを伴うLB中で終夜増殖させ、ミニプレップDNAを、Qiagen’s QIAprep Spin miniprep Kit(Qiagen、独国ヒルデン)で調製した。次いで、Bio Applied Technologies
Joint(BATJ、サンディエゴ)のDNAシークエンシングサービスを利用してDNAの配列を決定した。配列を検証したコロニーを、Life TechnologiesのBenchPro2100計器及びMaxiCardを用いて、DNAの精製のためにカルベニシリンを伴うLB培地中で増殖させた。
【0099】
実施例2:UTI-Fc融合タンパク質の変異体をコードするDNAベクターの構築
【0100】
配列番号1~28は、DNA及びいくつかのUTI-Fc融合タンパク質のタンパク質配列をリストする。これらのUTI融合タンパク質は、Igアイソタイプ、リンカー、UTIドメイン、UTI及びFcドメインの順序(N末端又はC末端)、UTI種、Fc種、UTI開始/停止残基、糖結合、プロテアーゼ感受性部位、及びFcエフェクター機能を変更する修飾を含む。いくつかのUTI-Fcタンパク質は、
図2及び3に示される。Ser(IgG1 Fc3Ser、C154S/P172S/P265S)に3つのアミノ酸修飾を含むUTI-Fc融合タンパク質は、ジスルフィド結合形成及びFcγR機能を変化させる変異を含む。
【0101】
UTI-Fc発現構築物の作成
【0102】
UTI(例えば、野生型、S10A、及びK21S K22S変異体)及びヒトFc3Serドメインのヌクレオチド配列は、CHO細胞発現に対して最適化されたコドンであり、Life Technologies(カリフォルニア州カールズバッド)で合成されたものである。以下の構築物を、シーケンス及びライゲーション非依存性クローニング(SLIC)法(Li and Elledge 2007 Nature Methods 4(3):251-256)によりUTI及
びFc3SerドメインをアセンブルすることによりCHO発現ベクターで作成した:UTI-Fc3Ser、UTI S10A-Fc3Ser、UTI K21S K22S-Fc3Ser、UTI m2-Fc3Ser、UTI L1-Fc3Ser、UTI L
2-Fc3Ser(
図4A)。SLICベースのDNAアセンブリを、線状化ベクター(30ng)、UTI(100ng)及びFc3Ser(100ng)PCR生成物を、相同的組み換えのための適切なオーバーハング配列、及びNEBuffer2及びBSA(New England Biolabs)を含む5μLの体積のT4 DNAポリメラーゼ(0.5U)と混合することにより行った。30分の室温でのインキュベーション後、T4 DNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性を、2mMのdCTPを加えることによりクエンチした。次いで、in vitro相同的組み換えを、30分にわたる75Cから37Cへの温度勾配により行った。アセンブルされたDNAを含む反応混合物を、TOP10大腸菌(インビトロゲン)に化学的にトランスフォームし、カルベニシリンを含むLB寒天に播種した。残りの構築物(UTI m1-Fc3Ser、UTI d1-Fc3Ser、UTI d2-Fc3Ser、UTI L3-Fc3Ser、UTI-Fc IgG2、Fc3Ser-UTI、及びマウスUTI-マウスIgG1)のためのオープンリーディングフレームは、最適化されたコドンであり、融合構築物として合成した。これらの構築物を、上記のようにSLIC法を用いて発現ベクターにクローニングした(
図4B)。ベクター中の13の構築物全てのDNA配列を、SangerDNAシークエンシングで確認した。
【0103】
実施例3:CHO細胞におけるUTI-Fc融合体の発現
【0104】
UTI-Fc1をコードするDNAベクターを、インビトロゲンのFreestyle
MAX Reagentを用いてCHO-S細胞に安定的にトランスフェクトした。バルク培養物を、T-フラスコに播種し、50~100μMの範囲の様々な濃度のメチオニンスルホキシミン(MSX)を補ったCD CHOを用いて選択した。培養物を選択物から回収した時点で、製造及び凍結保存のために拡大した。複数の製造バッチ処理は、in
vitro及びin vivo試験をサポートするために行った。製造方法は、インビトロゲンのCD FortiCHO、CD Efficient Feed B、及びCD Efficient Feed Cを用いる10~14日のフェドバッチ培養である。製造量は1L~3Lの範囲であり、培養物を1~2時間の3500rpmの遠心分離で回収し、続いて、上清を滅菌ろ過し、得られた細胞上清を精製で用いた。
【0105】
実施例4:UTI-Fc融合タンパク質の精製
【0106】
2つのUTI-Fc1のバッチの精製を、25mMクエン酸三ナトリウム(pH8.1)、125mM NaClで平衡化した30mlのプロテインA mAb select
lx(GEヘルスケア)に、発現したUTI-Fc1を伴う2.3リッターのCHO細胞馴化培地を適用することにより行った。カラムを、2カラム体積(60ml)(25mMクエン酸三ナトリウム(pH8.1)、125mM NaCl)で洗浄し、次いで、2カラム体積(60ml)(25mMクエン酸三ナトリウム(pH8.1)、2000mM
NaCl)で洗浄した。次いで、カラムを、2カラム容量(60ml)(25mMクエン酸三ナトリウム(pH8.1)、125mM NaCl)で平衡化した。UTI-Fc1を、100%の25mMクエン酸(pH2.9)、125mM NaClへの7カラム体積(210ml)勾配で溶出した。UTI-Fc1は、2つのピーク、おおよそのpH5.5の幅広い隣接ピーク及びおおよそのpH3.5のより鋭いピークとして溶出した。次いで、濃縮UTI-Fcを、30K M.W.C.O.を備えるAmicon Ultra遠心濃縮器を用いてTBS pH7.4(25mMトリス、130mM NaCl、2.7mM KCl pH7.4)の最終バッファーにバッファー交換した。精製したタンパク質の収率を表1に示し、タンパク質をさらに使用するために-80℃で保存した。
【0107】
【0108】
実施例5:さらなるUTI-Fc融合タンパク質の発現及び精製
【0109】
トランスフェクションの日に、CHO細胞をカウントし、90%総体積900mLに2.2x10^6生細胞/mLの密度で播種し、トランスフェクションされるまで33℃で振盪フラスコ内にて増殖させた。凍結DNAを解凍し、PEI(ポリエチレンイミン-カチオン性ポリマー)及びAKTに加えた。DNAを0.625ug/100万細胞で加えた。1Lの細胞は1.25mgを必要とする。加えた総DNAの90%が、目的のDNA=1.125mgsであった。残りの10%は、AKT(抗アポトーシスタンパク質をコードするもの)=0.125mgsであった。PEIを2.5ug/100万細胞で加えた。1Lのトランスフェクションため、これは5mgであった。PEI溶液を希釈したDNAに加えて、室温で15分間インキュベートし、その後、DNA複合体を細胞に添加した。
【0110】
培養物を、33℃、5%CO2、及び125rpmで増殖させた。1~4時間のトランスフェクション後に、0.6mMのバルプロ酸を加えた。1Lのトランスフェクションのために、これは、2mLの300mMのストックであった。1日目に、1:250の凝固防止剤を加え(即ち、4mLs/1L)、15%v/v CD Efficient Feed Cを加えた(即ち、150mLs/1L)。5日目及び9日目に15%CD Efficient Feed Cを加えた。
【0111】
細胞上清を14日目に採取し、細胞をカウントし、タンパク質力価を決定した。4℃にて30分間3000rpmでの遠心分離により細胞を沈降させた。上清を0.2ミクロンのフィルターに通してろ過し、4℃で保存するか或いは-20℃で凍結した。
【0112】
UTI-Fc融合体の精製は、プロテインAクロマトグラフィーで行った。200mLの細胞培養上清を、2mlのMabSelect SureプロテインA Sepharoseビーズと混合し、4℃で終夜振盪した。次いでビーズ混合物を、50mlチューブ内にて1200rpmで5分間遠心分離し、上清を廃棄した。ビーズをカラムに加え、結合バッファー(Biorad、カリフォルニア州ハーキュリーズ)で三回洗浄した。UTI融合体を、8mlのMAPS II Elutionバッファー(Biorad、カリフォルニア州ハーキュリーズ)で溶出した。2mlの中和溶液(1Mトリス-HCl pH8)を加えた。次いで、Amicon Centrifugalユニット(30MWCO、15 mLs、ミリポア)を用いて濃縮及びバッファーでの希釈を繰り返すことにより、サンプルを、25mMクエン酸塩、125mM NaCl(pH5.5)にバッファー交換した。
図9は、様々なUTI融合タンパク質の精製結果をリストする。
【0113】
実施例6:UTI融合タンパク質によるプロテアーゼの阻害
【0114】
UTI-Fc融合タンパク質によるトリプシン阻害についてのin vitro酵素アッセイ
【0115】
様々な濃度(≦200nM最終濃度)のUTI-Fc1溶液は、50mM HEPES、150mM NaCl、20mM CaCl2及び0.01%Brij L23(pH7.4)で調製される。活性アッセイをGreiner384ウェル小容量プレートで行
った。全ての工程を室温で行った。
【0116】
ヒト膵臓トリプシン(1.5nM最終濃度)(Athens Research & Technology社)を希釈液に加え、次いで15分間試験UTI-Fcでプレインキュベートした。次いで、反応を、100μM(最終)の基質N-ベンゾイル-L-アルギニン-7-アミド-4-メチルクマリン塩酸塩(SIGMAB7260-25MG)で開始した。反応混合物の総体積は、20 lであった。トリプシン活性を蛍光により決定した。例えば、蛍光強度を、370nmの励起波長及び470nmの発光波長を用いて、BMG PHERAstar FS又はPHERAstar plusで30~60分のウィンドウにわたるカイネティックモードで測定した。トリプシン活性は、観察された蛍光の変化に直線的に比例した(最終-初期)。所定のUTI-Fc濃度でのトリプシンの阻害パーセントは、以下のように定義された:
【0117】
阻害パーセント=100*(1-((Fi-Fp)/(Fn-Fp)))
【0118】
ここで、Fiは、所定の濃度の試験UTI-Fcで観察された蛍光であった。
【0119】
Fpは、陽性対照(即ち、トリプシンの不存在下での2~6のアッセイの平均値)で観察された蛍光であった。
【0120】
Fnは、陰性対照(即ち、ビヒクル単独の存在下での2~6のトリプシンアッセイの平均値)で観察された蛍光であった。
【0121】
試験化合物、即ち、融合タンパク質のIC50(50%阻害を生み出す化合物、即ち、融合タンパク質のモル濃度)は、方程式、阻害パーセント=Bottom+((Top-Bottom)/(1+((IC50/[UTI-Fc])^Hill)))にあてはめた非線形最小二乗曲線により計算された。1つの陽性対照がUTI-Fcのパネル内に含まれた。
図5に示されるように、ヒトUTIは、~3nMのIC50を有する。
【0122】
また、UTI-Fc1によるその他のプロテアーゼの阻害測定を、Reaction Biology Corporation(ペンシルベニア州マルバーン)で測定した。
図6は、キモトリプシンのUTI-Fc1の阻害を証明する。
図7は、さまざまなプロテアーゼに対するUTI-Fc1の阻害定数をリストする。UTI-Fc1は、キモトリプシン及びプラスミンを適度に阻害し、カスパーゼ-1、カテプシンC、及びパパインの弱い阻害を示す。
【0123】
実施例7:UTI融合タンパク質での治療の細胞効果
【0124】
サイトカイン放出のUTI-Fc1阻害は、細胞ベースアッセイにおける測定値であった。BEAS2B細胞を、96ウェルプレートにおいて20,000細胞/ウェルの密度で播種し、CO2インキュベーターにおいて完結BEGM Bullet Kit(ロンザ)を用いて培養した。24時間後、培養培地を、飢餓のためにプレーンDMEMに置き換え、細胞を終夜培養した。次いで、細胞を、様々な濃度のヒト尿UTI又は組み換えUTI-Fc1タンパク質を有する100nMトリプシンを含むフレッシュなプレーンDMEMとインキュベートした。8時間後、培養上清を回収し、ヒトIL-6 DuoSet(R&D Systems)を用いてIL-6タンパク質レベルを評価した。
【0125】
結果は、UTI及びUTI-Fcの両方が、BEAS2B細胞におけるトリプシン誘導性IL-6の産生を減少させることを証明する。
図8に示されるように、阻害は、それぞれ0.40及び0.41μg/mLのIC50値で用量依存的であった。
【0126】
実施例8
【0127】
UTI-Fc分子の安定性の測定(熱変性)
【0128】
アッセイを、熱安定性及びリアルタイム安定性を測定するために行った。全ての分子でトリプシン阻害活性が証明された。熱安定性を、Microcal VP-DSC熱量計の示差走査熱量計で測定した。サンプルを1mg/mlで調製し、0.25mMトリス(pH7.4)、0.13M NaCl及び0.0027M KClでバッファーリングした。サンプルを、毎時200℃の速度で25℃から110℃に加熱した。UTI-Fc1を、それぞれIgG2又はIgG1 Fcドメインを含む出願公開番号CN103044554Aの配列2及び6と比較した。結果を表8に示す。
【0129】
【0130】
実施例9
【0131】
リアルタイム安定性測定
【0132】
リアルタイム安定性測定は、TBSのpH7.4バッファー中にて0、2及び4週間2~8℃及び40℃で配列番号1(UTI-Fc1)又はCN103044554Aの配列2又は6をインキュベートすることにより行われた。より高分子量及びより低分子量の種の形成を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)で可視化した。また、各UTI-Fcの濃度を、タンパク質の組成により決定される吸光係数を用いて280nm(A280)での溶液の吸光度を測定することによりモニターした。UTI-Fc分子は、SECにより分析した場合に2つの部分的重複ピークを生じさせる。SECにより測定された各UTI-Fcサンプルにおけるパーセントのピーク面積を、時間=0週目、2週目及び4週目で表9にて報告する。また、時間=2週目及び4週目でのA280(%Δ(mg/ml))により測定された濃度の変化率も示す。各サンプルの初期T0濃度は、UTI-Fc1=33.5mg/mL、CN103044554の配列2=8.5mg/mL、及びCN103044554Aの配列6=5.6mg/mLであった。3%の変動がSECで典型的であり、15%が個々のUV測定で典型的である。PAGEの分析は、各UTI-Fc分子が、完全長のUTI-Fcの期待されるバンドパターンを示したことを示した。
【0133】
【0134】
実施例10
【0135】
補体阻害のin vivo試験
【0136】
補体系に対するUTI-Fc1(配列番号1)の影響をin vivoで測定した。雌のC3h/HeJマウスを、Jackson Laboratoriesから購入した。動物に、表10の実験計画に従って投与した。動物にゼロ時間でのLPSの投与15分後に腹腔内注射した(100ul/マウス)。動物を、LPS注射の2及び4時間後にCO2過剰摂取により安楽死させ、血液を心穿刺により採取した。血液を血清セパレータマイクロチューブに移し、室温で30分間凝固させた。次いで、マイクロチューブを、12,000rpmで5分間遠心分離した。血清を除去し、96ウェルプレートに分注した。ロスマリン酸を陽性対照として使用し、食塩水中で3mg/mlとして使用した。96ウェルプレートを-20℃で凍結した。血清サンプルを、duosetによりC5a含有量について分析した。統計的有意性は、Prismグラフソフトウエアを用いて決定され、効果は、p<0.05の場合に統計学的に有意であるとみなした。
図10に示されるように、配列番号1(UTI-Fc1)は、LPS投与の4時間後に20、50、及び100mg/kgでC5aを有意に減少させた。
【0137】
表10:実験計画(UTI-Fc1は配列1)
【0138】
【0139】
配列表
【0140】
配列番号1 UTI-Fc1タンパク質配列
AVLPQEEEGSGGGQLVTEVTKKEDSCQLGYSAGPCMGMTSRYFYNGTSMACETFQYGGCMGNGNNFVTEKECLQTCRTVAACNLPIVRGPCRAFIQLWAFDAVKGKCVLFPYGGCQGNGNKFYSEKECREYCGVPGDGDEELLGSGGGGDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
【0141】
配列番号2 UTI-Fc1 DNA配列
GCTGTGCTGCCTCAGGAAGAGGAAGGCTCTGGCGGAGGCCAGCTCGTGACCGAAGTGACCAAGAAAGAGGACTCCTGCCAGCTGGGCTACTCTGCCGGCCCTTGTATGGGCATGACCTCCCGGTACTTCTACAACGGCACCTCCATGGCCTGCGAGACATTCCAGTACGGCGGCTGCATGGGCAACGGCAACAACTTTGTGACAGAGAAAGAGTGCCTGCAGACCTGCAGAACCGTGGCCGCCTGTAACCTGCCTATCGTGCGGGGACCCTGTCGGGCCTTTATCCAGCTGTGGGCCTTCGACGCCGTGAAGGGCAAATGCGTGCTGTTCCCCTATGGCGGCTGCCAGGGAAATGGAAACAAGTTCTACTCCGAGAAAGAATGCCGCGAGTACTGTGGCGTGCCAGGCGACGGGGATGAGGAACTGCTGGGATCAGGCGGCGGAGGCGACAAGACCCATACCTGTCCACCTTGCCCTGCCCCCGAGCTGCTGGGAGGACCTTCTGTGTTCCTGTTCCCCCCAAAGCCCAAGGACACCCTGATGATCTCCCGGACCCCTGAAGTGACCTGCGTGGTGGTGGATGTGTCCCACGAGGATCCCGAAGTGAAGTTCAATTGGTACGTGGACGGCGTGGAAGTGCACAACGCCAAGACCAAGCCCAGAGAGGAACAGTACAACTCCACCTACCGGGTGGTGTCCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGATTGGCTGAACGGCAAAGAGTACAAGTGCAAGGTGTCCAACAAGGCCCTGCCTGCCCCCATCGAAAAGACCATCTCCAAGGCCAAGGGCCAGCCCCGGGAACCCCAGGTGTACACACTGCCCCCTAGCCGGGAAGAGATGACAAAGAACCAGGTGTCCCTGACCTGTCTCGTGAAGGGATTCTACCCCTCCGATATCGCCGTGGAATGGGAGTCCAACGGCCAGCCTGAGAACAACTACAAGACCACCCCCCCTGTGCTGGACTCCGACGGCTCATTCTTCCTGTACTCCAAGCTGACAGTGGACAAGTCCCGGTGGCAGCAGGGCAACGTGTTCTCCTGCTCCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAACCACTACACCCAGAAGTCCCTGTCCCTGAGCCCCGGC
【0142】
配列番号3 UTI-Fc IgG1 3Serタンパク質配列
avlpqeeegsgggqlvtevtkkedscqlgysagpcmgmtsryfyngtsmacetfqyggcmgngnnfvtekeclqtcrtvaacnlpivrgpcrafiqlwafdavkgkcvlfpyggcqgngnkfysekecreycgvpgdgdeellrepkssdkthtcppcpapellggssvflfppkpkdtlmisrtpevtcvvvdvshedpevkfnwyvdgvevhnaktkpreeqynstyrvvsvltvlhqdwlngkeykckvsnkalpasiektiskakgqprepqvytlppsreemtknqvsltclvkgfypsdiavewesngqpennykttppvldsdgsfflyskltvdksrwqqgnvfscsvmhealhnhytqkslslspg
【0143】
配列番号4 UTI-Fc IgG1 3Ser DNA配列
gctgtgctgcctcaggaagaggaaggctctggcggaggccagctcgtgaccgaagtgaccaagaaagaggactcctgccagctgggctactctgccggcccttgtatgggcatgacctcccggtacttctacaacggcacctccatggcctgcgagacattccagtacggcggctgcatgggcaacggcaacaactttgtgacagagaaagagtgcctgcagacctgcagaaccgtggccgcctgtaacctgcctatcgtgcggggaccctgtcgggcctttatccagctgtgggccttcgacgccgtgaagggcaaatgcgtgctgttcccctatggcggctgccagggaaatggaaacaagttctactccgagaaagaatgccgcgagtactgtggcgtgccaggcgacggggatgaggaactgctgcgggagcccaaatcttccgacaagacccatacctgtccaccttgccctgcccccgagctgctgggaggatcctctgtgttcctgttccccccaaagcccaaggacaccctgatgatctcccggacccctgaagtgacctgcgtggtggtggatgtgtcccacgaggatcccgaagtgaagttcaattggtacgtggacggcgtggaagtgcacaacgccaagaccaagcccagagaggaacagtacaactccacctaccgggtggtgtccgtgctgaccgtgctgcaccaggattggctgaacggcaaagagtacaagtgcaaggtgtccaacaaggccctgcctgcctccatcgaaaagaccatctccaaggccaagggccagccccgggaaccccaggtgtacacactgccccctagccgggaagagatgacaaagaaccaggtgtccctgacctgtctcgtgaagggattctacccctccgatatcgccgtggaatgggagtccaacggccagcctgagaacaactacaagaccaccccccctgtgctggactccgacggctcattcttcctgtactccaagctgacagtggacaagtcccggtggcagcagggcaacgtgttctcctgctccgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccagaagtccctgtccctgagccccggc
【0144】
配列番号5 UTI-Fc IgG2 Serタンパク質配列
avlpqeeegsgggqlvtevtkkedscqlgysagpcmgmtsryfyngtsmacetfqyggcmgngnnfvtekeclqtcrtvaacnlpivrgpcrafiqlwafdavkgkcvlfpyggcqgngnkfysekecreycgvpgdgdeellrkscvecppcpappvagpsvflfppkpkdtlmisrtpevtcvvvdvshedpevqfnwyvdgmevhnaktkpreeqfnstfrvvsvltvvhqdwlngkeykckvsnkglpapiektisktkgqprepqvytlppsreemtknqvsltclvkgfypsdiavewesngqpennykttppmldsdgsfflyskltvdksrwqqgnvfscsvmhealhnhytqkslslspgk
【0145】
配列番号6 UTI-Fc IgG2 Ser DNA配列
gctgtgctgcctcaggaagaggaaggctctggcggaggccagctcgtgaccgaagtgaccaagaaagaggactcctgccagctgggctactctgccggcccttgtatgggcatgacctcccggtacttctacaacggcacctccatggcctgcgagacattccagtacggcggctgcatgggcaacggcaacaactttgtgacagagaaagagtgcctgcagacctgcagaaccgtggccgcctgtaacctgcctatcgtgcggggaccctgtcgggcctttatccagctgtgggccttcgacgccgtgaagggcaaatgcgtgctgttcccctatggcggctgccagggaaatggaaacaagttctactccgagaaagaatgccgcgagtactgtggcgtgccaggcgacggggatgaggaactgctgcggaaatcctgtgtcgagtgcccaccgtgcccagcaccacctgtggcaggaccgtcagtcttcctcttccccccaaaacccaaggacaccctcatgatctcccggacccctgaggtcacgtgcgtggtggtggacgtgagccacgaagaccccgaggtccagttcaactggtacgtggacggcatggaggtgcataatgccaagacaaagccacgggaggagcagttcaacagcacgttccgtgtggtcagcgtcctcaccgtcgtgcaccaggactggctgaacggcaaggagtacaagtgcaaggtctccaacaaaggcctcccagcccccatcgagaaaaccatctccaaaaccaaagggcagccccgagaaccacaggtgtacaccctgcccccatcccgggaggagatgaccaagaaccaggtcagcctgacctgcctggtcaaaggcttctaccccagcgacatcgccgtggagtgggagagcaatgggcagccggagaacaactacaagaccacacctcccatgctggactccgacggctccttcttcctctacagcaagctcaccgtggacaagagcaggtggcagcaggggaacgtcttctcatgctccgtgatgcatgaggctctgcacaaccactacacacagaagagcctctccctgtctccgggtaaa
【0146】
配列番号7 UTI-Fc IgG2タンパク質配列
avlpqeeegsgggqlvtevtkkedscqlgysagpcmgmtsryfyngtsmacetfqyggcmgngnnfvtekeclqtcrtvaacnlpivrgpcrafiqlwafdavkgkcvlfpyggcqgngnkfysekecreycgvpgdgdeellrkccvecppcpappvagpsvflfppkpkdtlmisrtpevtcvvvdvshedpevqfnwyvdgmevhnaktkpreeqfnstfrvvsvltvvhqdwlngkeykckvsnkglpapiektisktkgqprepqvytlppsreemtknqvsltclvkgfypsdiavewesngqpennykttppmldsdgsfflyskltvdksrwqqgnvfscsvmhealhnhytqkslslspgk
【0147】
配列番号8 UTI-Fc IgG2 DNA配列
gctgtgctgcctcaggaagaggaaggctctggcggaggccagctcgtgaccgaagtgaccaagaaagaggactcctgccagctgggctactctgccggcccttgtatgggcatgacctcccggtacttctacaacggcacctccatggcctgcgagacat
tccagtacggcggctgcatgggcaacggcaacaactttgtgacagagaaagagtgcctgcagacctgcagaaccgtggccgcctgtaacctgcctatcgtgcggggaccctgtcgggcctttatccagctgtgggccttcgacgccgtgaagggcaaatgcgtgctgttcccctatggcggctgccagggaaatggaaacaagttctactccgagaaagaatgccgcgagtactgtggcgtgccaggcgacggggatgaggaactgctgcggaaatgttgtgtcgagtgcccaccgtgcccagcaccacctgtggcaggaccgtcagtcttcctcttccccccaaaacccaaggacaccctcatgatctcccggacccctgaggtcacgtgcgtggtggtggacgtgagccacgaagaccccgaggtccagttcaactggtacgtggacggcatggaggtgcataatgccaagacaaagccacgggaggagcagttcaacagcacgttccgtgtggtcagcgtcctcaccgtcgtgcaccaggactggctgaacggcaaggagtacaagtgcaaggtctccaacaaaggcctcccagcccccatcgagaaaaccatctccaaaaccaaagggcagccccgagaaccacaggtgtacaccctgcccccatcccgggaggagatgaccaagaaccaggtcagcctgacctgcctggtcaaaggcttctaccccagcgacatcgccgtggagtgggagagcaatgggcagccggagaacaactacaagaccacacctcccatgctggactccgacggctccttcttcctctacagcaagctcaccgtggacaagagcaggtggcagcaggggaacgtcttctcatgctccgtgatgcatgaggctctgcacaaccactacacacagaagagcctctccctgtctccgggtaaa
【0148】
配列番号9 UTI-Fc IgG1 3Ser S10Aタンパク質配列
avlpqeeegagggqlvtevtkkedscqlgysagpcmgmtsryfyngtsmacetfqyggcmgngnnfvtekeclqtcrtvaacnlpivrgpcrafiqlwafdavkgkcvlfpyggcqgngnkfysekecreycgvpgdgdeellrepkssdkthtcppcpapellggssvflfppkpkdtlmisrtpevtcvvvdvshedpevkfnwyvdgvevhnaktkpreeqynstyrvvsvltvlhqdwlngkeykckvsnkalpasiektiskakgqprepqvytlppsreemtknqvsltclvkgfypsdiavewesngqpennykttppvldsdgsfflyskltvdksrwqqgnvfscsvmhealhnhytqkslslspg
【0149】
配列番号10 UTI-Fc IgG1 3Ser S10A DNA配列
gctgtgctgcctcaggaagaggaaggcgcaggcggaggccagctcgtgaccgaagtgaccaagaaagaggactcctgccagctgggctactctgccggcccttgtatgggcatgacctcccggtacttctacaacggcacctccatggcctgcgagacattccagtacggcggctgcatgggcaacggcaacaactttgtgacagagaaagagtgcctgcagacctgcagaaccgtggccgcctgtaacctgcctatcgtgcggggaccctgtcgggcctttatccagctgtgggccttcgacgccgtgaagggcaaatgcgtgctgttcccctatggcggctgccagggaaatggaaacaagttctactccgagaaagaatgccgcgagtactgtggcgtgccaggcgacggggatgaggaactgctgcgggagcccaaatcttccgacaagacccatacctgtccaccttgccctgcccccgagctgctgggaggatcctctgtgttcctgttccccccaaagcccaaggacaccctgatgatctcccggacccctgaagtgacctgcgtggtggtggatgtgtcccacgaggatcccgaagtgaagttcaattggtacgtggacggcgtggaagtgcacaacgccaagaccaagcccagagaggaacagtacaactccacctaccgggtggtgtccgtgctgaccgtgctgcaccaggattggctgaacggcaaagagtacaagtgcaaggtgtccaacaaggccctgcctgcctccatcgaaaagaccatctccaaggccaagggccagccccgggaaccccaggtgtacacactgccccctagccgggaagagatgacaaagaaccaggtgtccctgacctgtctcgtgaagggattctacccctccgatatcgccgtggaatgggagtccaacggccagcctgagaacaactacaagaccaccccccctgtgctggactccgacggctcattcttcctgtactccaagctgacagtggacaagtcccggtggcagcagggcaacgtgttctcctgctccgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccagaagtccctgtccctgagccccggc
【0150】
配列番号11 UTI-Fc IgG1 3Ser m2タンパク質配列
edscqlgysagpcmgmtsryfyngtsmacetfqyggcmgngnnfvtekeclqtcrtvaacnlpivrgpcrafiqlwafdavkgkcvlfpyggcqgngnkfysekecreycgvpgdgdeellrepkssdkthtcppcpapellggssvflfppkpkdtlmisrtpevtcvvvdvshedpevkfnwyvdgvevhnaktkpreeqynstyrvvsvltvlhqdwlngkeykckvsnkalpasiektiskakgqprepqvytlppsreemtknqvsltclvkgfypsdiavewesngqpennykttppvldsdgsfflyskltvdksrwqqgnvfscsvmhealhnhytqkslslspg
【0151】
配列番号12 UTI-Fc IgG1 3Ser m2 DNA配列
gaggactcctgccagctgggctactctgccggcccttgtatgggcatgacctcccggtacttctacaacggcacctccatggcctgcgagacattccagtacggcggctgcatgggcaacggcaacaactttgtgacagagaaagagtgcctgcagacctgcagaaccgtggccgcctgtaacctgcctatcgtgcggggaccctgtcgggcctttatccagctgtgggccttcgacgccgtgaagggcaaatgcgtgctgttcccctatggcggctgccagggaaatggaaacaagttctactccgagaaagaatgccgcgagtactgtggcgtgccaggcgacggggatgaggaactgctgcgggagcccaaatcttccgacaagacccatacctgtc
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【0152】
配列番号13 UTI-Fc IgG1 3Ser m1タンパク質配列
avlpqeeegsgggqlvtevtkkepkssdkthtcppcpapellggssvflfppkpkdtlmisrtpevtcvvvdvshedpevkfnwyvdgvevhnaktkpreeqynstyrvvsvltvlhqdwlngkeykckvsnkalpasiektiskakgqprepqvytlppsreemtknqvsltclvkgfypsdiavewesngqpennykttppvldsdgsfflyskltvdksrwqqgnvfscsvmhealhnhytqkslslspg
【0153】
配列番号14 UTI-Fc IgG1 3Ser m1 DNA配列
gctgtgctgcctcaggaagaggaaggctctggcggaggccagctcgtgaccgaagtgaccaagaaagagcccaaatcttccgacaagacccatacctgtccaccttgccctgcccccgagctgctgggaggatcctctgtgttcctgttccccccaaagcccaaggacaccctgatgatctcccggacccctgaagtgacctgcgtggtggtggatgtgtcccacgaggatcccgaagtgaagttcaattggtacgtggacggcgtggaagtgcacaacgccaagaccaagcccagagaggaacagtacaactccacctaccgggtggtgtccgtgctgaccgtgctgcaccaggattggctgaacggcaaagagtacaagtgcaaggtgtccaacaaggccctgcctgcctccatcgaaaagaccatctccaaggccaagggccagccccgggaaccccaggtgtacacactgccccctagccgggaagagatgacaaagaaccaggtgtccctgacctgtctcgtgaagggattctacccctccgatatcgccgtggaatgggagtccaacggccagcctgagaacaactacaagaccaccccccctgtgctggactccgacggctcattcttcctgtactccaagctgacagtggacaagtcccggtggcagcagggcaacgtgttctcctgctccgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccagaagtccctgtccctgagccccggc
【0154】
配列番号15 UTI-Fc IgG1 3Ser link3タンパク質配列
avlpqeeegsgggqlvtevtkkedscqlgysagpcmgmtsryfyngtsmacetfqyggcmgngnnfvtekeclqtcrtvaacnlpivrgpcrafiqlwafdavkgkcvlfpyggcqgngnkfysekecreycgvpgdgdeellggggsggggsepkssdkthtcppcpapellggssvflfppkpkdtlmisrtpevtcvvvdvshedpevkfnwyvdgvevhnaktkpreeqynstyrvvsvltvlhqdwlngkeykckvsnkalpasiektiskakgqprepqvytlppsreemtknqvsltclvkgfypsdiavewesngqpennykttppvldsdgsfflyskltvdksrwqqgnvfscsvmhealhnhytqkslslspg
【0155】
配列番号16 UTI-Fc IgG1 3Ser link3 DNA配列
gctgtgctgcctcaggaagaggaaggctctggcggaggccagctcgtgaccgaagtgaccaagaaagaggactcctgccagctgggctactctgccggcccttgtatgggcatgacctcccggtacttctacaacggcacctccatggcctgcgagacattccagtacggcggctgcatgggcaacggcaacaactttgtgacagagaaagagtgcctgcagacctgcagaaccgtggccgcctgtaacctgcctatcgtgcggggaccctgtcgggcctttatccagctgtgggccttcgacgccgtgaagggcaaatgcgtgctgttcccctatggcggctgccagggaaatggaaacaagttctactccgagaaagaatgccgcgagtactgtggcgtgccaggcgacggggatgaggaactgctgggaggtggtggatcaggtggcggaggatcagagcccaaatcttccgacaagacccatacctgtccaccttgccctgcccccgagctgctgggaggatcctctgtgttcctgttccccccaaagcccaaggacaccctgatgatctcccggacccctgaagtgacctgcgtggtggtggatgtgtcccacgaggatcccgaagtgaagttcaattggtacgtggacggcgtggaagtgcacaacgccaagaccaagcccagagaggaacagtacaactccacctaccgggtggtgtccgtgctgaccgtgctgcaccaggattggctgaacggcaaagagtacaagtgcaaggtgtccaacaaggccctgcctgcctccatcgaaaagaccatctccaaggccaagggccagccccgggaaccccaggtgtacacactgccccctagccgggaagagatgacaaagaaccaggtgtccctgacctgtctcgtgaagggattctacccctccgatatcgccgtggaatgggagtccaacggccagcctgagaacaactacaagaccaccccccctgtgctggactccgacggctcattcttcctgtactccaagctgacagtggacaagtcccggtggcagcagggcaacgtgttctcctgctccgtgatgcacgaggccctgcacaaccact
acacccagaagtccctgtccctgagccccggc
【0156】
配列番号17 UTI-Fc IgG1 3Ser link2 タンパク質配列
avlpqeeegsgggqlvtevtkkedscqlgysagpcmgmtsryfyngtsmacetfqyggcmgngnnfvtekeclqtcrtvaacnlpivrgpcrafiqlwafdavkgkcvlfpyggcqgngnkfysekecreycgvpgdgdeellrcppcpapellggssvflfppkpkdtlmisrtpevtcvvvdvshedpevkfnwyvdgvevhnaktkpreeqynstyrvvsvltvlhqdwlngkeykckvsnkalpasiektiskakgqprepqvytlppsreemtknqvsltclvkgfypsdiavewesngqpennykttppvldsdgsfflyskltvdksrwqqgnvfscsvmhealhnhytqkslslspg
【0157】
配列番号18 UTI-Fc IgG1 3Ser link2 DNA配列
gctgtgctgcctcaggaagaggaaggctctggcggaggccagctcgtgaccgaagtgaccaagaaagaggactcctgccagctgggctactctgccggcccttgtatgggcatgacctcccggtacttctacaacggcacctccatggcctgcgagacattccagtacggcggctgcatgggcaacggcaacaactttgtgacagagaaagagtgcctgcagacctgcagaaccgtggccgcctgtaacctgcctatcgtgcggggaccctgtcgggcctttatccagctgtgggccttcgacgccgtgaagggcaaatgcgtgctgttcccctatggcggctgccagggaaatggaaacaagttctactccgagaaagaatgccgcgagtactgtggcgtgccaggcgacggggatgaggaactgctgcggtgtccaccttgccctgcccccgagctgctgggaggatcctctgtgttcctgttccccccaaagcccaaggacaccctgatgatctcccggacccctgaagtgacctgcgtggtggtggatgtgtcccacgaggatcccgaagtgaagttcaattggtacgtggacggcgtggaagtgcacaacgccaagaccaagcccagagaggaacagtacaactccacctaccgggtggtgtccgtgctgaccgtgctgcaccaggattggctgaacggcaaagagtacaagtgcaaggtgtccaacaaggccctgcctgcctccatcgaaaagaccatctccaaggccaagggccagccccgggaaccccaggtgtacacactgccccctagccgggaagagatgacaaagaaccaggtgtccctgacctgtctcgtgaagggattctacccctccgatatcgccgtggaatgggagtccaacggccagcctgagaacaactacaagaccaccccccctgtgctggactccgacggctcattcttcctgtactccaagctgacagtggacaagtcccggtggcagcagggcaacgtgttctcctgctccgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccagaagtccctgtccctgagccccggc
【0158】
配列番号19 UTI-Fc IgG1 3Ser link1タンパク質配列
avlpqeeegsgggqlvtevtkkedscqlgysagpcmgmtsryfyngtsmacetfqyggcmgngnnfvtekeclqtcrtvaacnlpivrgpcrafiqlwafdavkgkcvlfpyggcqgngnkfysekecreycgvssvflfppkpkdtlmisrtpevtcvvvdvshedpevkfnwyvdgvevhnaktkpreeqynstyrvvsvltvlhqdwlngkeykckvsnkalpasiektiskakgqprepqvytlppsreemtknqvsltclvkgfypsdiavewesngqpennykttppvldsdgsfflyskltvdksrwqqgnvfscsvmhealhnhytqkslslspg
【0159】
配列番号20 UTI-Fc IgG1 3Ser link1 DNA配列
gctgtgctgcctcaggaagaggaaggctctggcggaggccagctcgtgaccgaagtgaccaagaaagaggactcctgccagctgggctactctgccggcccttgtatgggcatgacctcccggtacttctacaacggcacctccatggcctgcgagacattccagtacggcggctgcatgggcaacggcaacaactttgtgacagagaaagagtgcctgcagacctgcagaaccgtggccgcctgtaacctgcctatcgtgcggggaccctgtcgggcctttatccagctgtgggccttcgacgccgtgaagggcaaatgcgtgctgttcccctatggcggctgccagggaaatggaaacaagttctactccgagaaagaatgccgcgagtactgtggcgtgtcctctgtgttcctgttccccccaaagcccaaggacaccctgatgatctcccggacccctgaagtgacctgcgtggtggtggatgtgtcccacgaggatcccgaagtgaagttcaattggtacgtggacggcgtggaagtgcacaacgccaagaccaagcccagagaggaacagtacaactccacctaccgggtggtgtccgtgctgaccgtgctgcaccaggattggctgaacggcaaagagtacaagtgcaaggtgtccaacaaggccctgcctgcctccatcgaaaagaccatctccaaggccaagggccagccccgggaaccccaggtgtacacactgccccctagccgggaagagatgacaaagaaccaggtgtccctgacctgtctcgtgaagggattctacccctccgatatcgccgtggaatgggagtccaacggccagcctgagaacaactacaagaccaccccccctgtgctggactccgacggctcattcttcctgtactccaagctgacagtggacaagtcccggtggcagcagggcaacgtgttctcctgctccgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccagaagtccctgtccctgagccccggc
【0160】
配列番号21 UTI-Fc IgG1 3Ser K21S K22Sタンパク質配列avlpqeeegsgggqlvtevtssedscqlgysagpcmgmtsryfyngtsmacetfqyggcmgngnnfvtekeclqtcrtvaacnlpivrgpcrafiqlwafdavkgkcvlfpyggcqgngnkfysekecreycgvpgdgdeellrepkssdkthtcppcpa
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【0161】
配列番号22 UTI-Fc IgG1 3Ser K21S K22S DNA配列
gctgtgctgcctcaggaagaggaaggctctggcggaggccagctcgtgaccgaagtgacctcctccgaggactcctgccagctgggctactctgccggcccttgtatgggcatgacctcccggtacttctacaacggcacctccatggcctgcgagacattccagtacggcggctgcatgggcaacggcaacaactttgtgacagagaaagagtgcctgcagacctgcagaaccgtggccgcctgtaacctgcctatcgtgcggggaccctgtcgggcctttatccagctgtgggccttcgacgccgtgaagggcaaatgcgtgctgttcccctatggcggctgccagggaaatggaaacaagttctactccgagaaagaatgccgcgagtactgtggcgtgccaggcgacggggatgaggaactgctgcgggagcccaaatcttccgacaagacccatacctgtccaccttgccctgcccccgagctgctgggaggatcctctgtgttcctgttccccccaaagcccaaggacaccctgatgatctcccggacccctgaagtgacctgcgtggtggtggatgtgtcccacgaggatcccgaagtgaagttcaattggtacgtggacggcgtggaagtgcacaacgccaagaccaagcccagagaggaacagtacaactccacctaccgggtggtgtccgtgctgaccgtgctgcaccaggattggctgaacggcaaagagtacaagtgcaaggtgtccaacaaggccctgcctgcctccatcgaaaagaccatctccaaggccaagggccagccccgggaaccccaggtgtacacactgccccctagccgggaagagatgacaaagaaccaggtgtccctgacctgtctcgtgaagggattctacccctccgatatcgccgtggaatgggagtccaacggccagcctgagaacaactacaagaccaccccccctgtgctggactccgacggctcattcttcctgtactccaagctgacagtggacaagtcccggtggcagcagggcaacgtgttctcctgctccgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccagaagtccctgtccctgagccccggc
【0162】
配列番号23 UTI-Fc IgG1 3Ser d2タンパク質配列
avlpqeeegsgggqlvtevtkktvaacnlpivrgpcrafiqlwafdavkgkcvlfpyggcqgngnkfysekecreycgvpgdgdeellrepkssdkthtcppcpapellggssvflfppkpkdtlmisrtpevtcvvvdvshedpevkfnwyvdgvevhnaktkpreeqynstyrvvsvltvlhqdwlngkeykckvsnkalpasiektiskakgqprepqvytlppsreemtknqvsltclvkgfypsdiavewesngqpennykttppvldsdgsfflyskltvdksrwqqgnvfscsvmhealhnhytqkslslspg
【0163】
配列番号24 UTI-Fc IgG1 3Ser d2 DNA配列
gctgtgctgcctcaggaagaggaaggctctggcggaggccagctcgtgaccgaagtgaccaagaaaaccgtggccgcctgtaacctgcctatcgtgcggggaccctgtcgggcctttatccagctgtgggccttcgacgccgtgaagggcaaatgcgtgctgttcccctatggcggctgccagggaaatggaaacaagttctactccgagaaagaatgccgcgagtactgtggcgtgccaggcgacggggatgaggaactgctgcgggagcccaaatcttccgacaagacccatacctgtccaccttgccctgcccccgagctgctgggaggatcctctgtgttcctgttccccccaaagcccaaggacaccctgatgatctcccggacccctgaagtgacctgcgtggtggtggatgtgtcccacgaggatcccgaagtgaagttcaattggtacgtggacggcgtggaagtgcacaacgccaagaccaagcccagagaggaacagtacaactccacctaccgggtggtgtccgtgctgaccgtgctgcaccaggattggctgaacggcaaagagtacaagtgcaaggtgtccaacaaggccctgcctgcctccatcgaaaagaccatctccaaggccaagggccagccccgggaaccccaggtgtacacactgccccctagccgggaagagatgacaaagaaccaggtgtccctgacctgtctcgtgaagggattctacccctccgatatcgccgtggaatgggagtccaacggccagcctgagaacaactacaagaccaccccccctgtgctggactccgacggctcattcttcctgtactccaagctgacagtggacaagtcccggtggcagcagggcaacgtgttctcctgctccgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccagaagtccctgtccctgagccccggc
【0164】
配列番号25 UTI-Fc IgG1 3Ser d1タンパク質配列
avlpqeeegsgggqlvtevtkkedscqlgysagpcmgmtsryfyngtsmacetfqyggcmgngnnfvtekeclqtcrepkssdkthtcppcpapellggssvflfppkpkdtlmisrtpevtcvvvdvshedpevkfnwyvdgvevhnaktkpreeqynstyrvvsvltvlhqdwlngkeykckvsnkalpasiektiskakgqprepqvytlppsreemtknqvsltclvkgfypsdiavewesngqpennykttppvldsdgsfflyskltvdksrwqqgnvfscsvmhealhnhytqkslslspg
【0165】
配列番号26 UTI-Fc IgG1 3Ser d1 DNA配列
gctgtgctgcctcaggaagaggaaggctctggcggaggccagctcgtgaccgaagtgaccaagaaagaggactcctgccagctgggctactctgccggcccttgtatgggcatgacctcccggtacttctacaacggcacctccatggcctgcgagacat
tccagtacggcggctgcatgggcaacggcaacaactttgtgacagagaaagagtgcctgcagacctgcagagagcccaaatcttccgacaagacccatacctgtccaccttgccctgcccccgagctgctgggaggatcctctgtgttcctgttccccccaaagcccaaggacaccctgatgatctcccggacccctgaagtgacctgcgtggtggtggatgtgtcccacgaggatcccgaagtgaagttcaattggtacgtggacggcgtggaagtgcacaacgccaagaccaagcccagagaggaacagtacaactccacctaccgggtggtgtccgtgctgaccgtgctgcaccaggattggctgaacggcaaagagtacaagtgcaaggtgtccaacaaggccctgcctgcctccatcgaaaagaccatctccaaggccaagggccagccccgggaaccccaggtgtacacactgccccctagccgggaagagatgacaaagaaccaggtgtccctgacctgtctcgtgaagggattctacccctccgatatcgccgtggaatgggagtccaacggccagcctgagaacaactacaagaccaccccccctgtgctggactccgacggctcattcttcctgtactccaagctgacagtggacaagtcccggtggcagcagggcaacgtgttctcctgctccgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccagaagtccctgtccctgagccccggc
【0166】
配列番号27 mUTI-mFc mIgG1タンパク質配列
avlpqesegsgteplitgtlkkedscqlnysegpclgmqeryyyngasmacetfqyggclgngnnfisekdclqtcrtiaacnlpivqgpcrafiklwafdaaqgkciqfhyggckgngnkfysekeckeycgvpgdgyeelirskivprdcgckpcictvpevssvfifppkpkdvltitltpkvtcvvvdiskddpevqfswfvddvevhtaqtqpreeqfnstfrsvselpimhqdwlngkefkcrvnsaafpapiektisktkgrpkapqvytipppkeqmakdkvsltcmitdffpeditvewqwngqpaenykntqpimdtdgsyfvysklnvqksnweagntftcsvlheglhnhhtekslshspgk
【0167】
配列番号28 mUTI-mFc mIgG1 DNA配列
gcagtgctgccccaagagagtgaggggtcagggactgagccactaataactgggaccctcaagaaagaagactcctgccagctcaattactcagaaggcccctgcctagggatgcaagagaggtattactacaacggcgcttccatggcctgcgagacctttcaatatgggggttgcctaggcaacggcaacaacttcatctctgagaaggactgtctgcagacatgtcggaccatagcggcctgcaatctccccatagtccaaggcccctgccgagccttcataaagctctgggcatttgatgcagcacaagggaagtgcatccaattccactacgggggctgcaaaggcaacggcaacaaattctactctgagaaggaatgcaaagagtactgtggagtccctggtgatgggtacgaggaactaatacgcagtaaaatcgtgcctcgggactgcggctgcaagccctgcatctgcaccgtgcccgaggtgtcctccgtgttcatcttcccacccaagcccaaggacgtgctgaccatcaccctgacccccaaagtgacctgcgtggtggtggacatctccaaggacgaccccgaggtgcagttcagttggttcgtggacgacgtggaagtgcacaccgcccagacccagcccagagaggaacagttcaactccaccttcagatccgtgtccgagctgcccatcatgcaccaggactggctgaacggcaaagagttcaagtgcagagtgaactccgccgccttcccagcccccatcgaaaagaccatctccaagaccaagggcagacccaaggccccccaggtgtacaccatccccccacccaaagaacagatggccaaggacaaggtgtccctgacctgcatgatcaccgatttcttcccagaggacatcaccgtggaatggcagtggaacggccagcccgccgagaactacaagaacacccagcccatcatggacaccgacggctcctacttcgtgtactccaagctgaacgtgcagaagtccaactgggaggccggcaacaccttcacctgtagcgtgctgcacgagggcctgcacaaccaccacaccgagaagtccctgtcccactcccccggcaag
【0168】
配列番号29 Fc IgG1 3Ser UTIタンパク質配列
epkssdkthtcppcpapellggssvflfppkpkdtlmisrtpevtcvvvdvshedpevkfnwyvdgvevhnaktkpreeqynstyrvvsvltvlhqdwlngkeykckvsnkalpasiektiskakgqprepqvytlppsreemtknqvsltclvkgfypsdiavewesngqpennykttppvldsdgsfflyskltvdksrwqqgnvfscsvmhealhnhytqkslslspgkggggsggggsggggsavlpqeeegsgggqlvtevtkkedscqlgysagpcmgmtsryfyngtsmacetfqyggcmgngnnfvtekeclqtcrtvaacnlpivrgpcrafiqlwafdavkgkcvlfpyggcqgngnkfysekecreycgvpgdgdeellr
【0169】
配列番号30 Fc IgG1 3Ser UTI DNA配列
gagcccaaatcttccgacaagacccatacctgtccaccttgccctgcccccgagctgctgggaggatcctctgtgttcctgttccccccaaagcccaaggacaccctgatgatctcccggacccctgaagtgacctgcgtggtggtggatgtgtcccacgaggatcccgaagtgaagttcaattggtacgtggacggcgtggaagtgcacaacgccaagaccaagcccagagaggaacagtacaactccacctaccgggtggtgtccgtgctgaccgtgctgcaccaggattggctgaacggcaaagagtacaagtgcaaggtgtccaacaaggccctgcctgcctccatcgaaaagaccatctccaaggccaagggccagccccgggaaccccaggtgtacacactgccccctagccgggaagagatgacaaagaaccaggtgtccctgacctgtctcgtgaagggattctacccctccgatatcgccgtggaatgggagtccaacggccagcctgagaacaactacaagaccaccccccctgtgctggactccgacgg
ctcattcttcctgtactccaagctgacagtggacaagtcccggtggcagcagggcaacgtgttctcctgctccgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccagaagtccctgtccctgagccccggcaagggaggtggtggatcaggaggtggaggttccggtggcggaggatcagctgtgctgcctcaggaagaggaaggctctggcggaggccagctcgtgaccgaagtgaccaagaaagaggactcctgccagctgggctactctgccggcccttgtatgggcatgacctcccggtacttctacaacggcacctccatggcctgcgagacattccagtacggcggctgcatgggcaacggcaacaactttgtgacagagaaagagtgcctgcagacctgcagaaccgtggccgcctgtaacctgcctatcgtgcggggaccctgtcgggcctttatccagctgtgggccttcgacgccgtgaagggcaaatgcgtgctgttcccctatggcggctgccagggaaatggaaacaagttctactccgagaaagaatgccgcgagtactgtggcgtgccaggcgacggggatgaggaactgctgcgg
【0170】
配列番号31 hUTIタンパク質配列
avlpq eeegsgggql vtevtkkeds cqlgysagpc
mgmtsryfyn gtsmacetfq yggcmgngnn fvtekeclqt crtvaacnlp ivrgpcrafi
qlwafdavkg kcvlfpyggc qgngnkfyse kecreycgvp gdgdeellrf sn
【0171】
配列番号32 AMBPプレプロタンパク質配列
mrslgallll lsaclavsag pvptppdniq vqenfnisri ygkwynlaig stcpwlkkim
drmtvstlvl gegateaeis mtstrwrkgv ceetsgayek tdtdgkflyh kskwnitmes
yvvhtnydey aifltkkfsr hhgptitakl ygrapqlret llqdfrvvaq gvgipedsif
tmadrgecvp geqepepili prvrravlpq eeegsgggql vtevtkkeds cqlgysagpc
mgmtsryfyn gtsmacetfq yggcmgngnn fvtekeclqt crtvaacnlp ivrgpcrafi
qlwafdavkg kcvlfpyggc qgngnkfyse kecreycgvp gdgdeellrf sn
【0172】
配列番号33
SGGGGS
【0173】
配列番号34
SGGGGSGGGGS
【0174】
配列番号35
SGGGGSGGGGSGGGGS
【0175】
配列番号36
SGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS
【0176】
配列番号37
SGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS
【0177】
配列番号38
SGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS
【0178】
配列番号39
SGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS
【0179】
配列番号40
SGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS
【0180】
配列番号41
SGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS
【0181】
配列番号42
SGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS
【0182】
配列番号43
GSGGGSGGGGSGGGGS