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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124848
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20230830BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20230830BHJP
   G02B 5/04 20060101ALI20230830BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
G02F1/1335
G02F1/1335 510
G02B5/00 Z
G02B5/04 A
G02B5/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027056
(22)【出願日】2023-02-24
(31)【優先権主張番号】10-2022-0025062
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン, ヨン ウン
(72)【発明者】
【氏名】コン, ソ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ, チョン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヒュン ウ
(72)【発明者】
【氏名】ウィ, トン ホ
(72)【発明者】
【氏名】オ, ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ, ヨン ヒュン
【テーマコード(参考)】
2H042
2H149
2H291
【Fターム(参考)】
2H042AA03
2H042AA18
2H042AA26
2H042CA12
2H149AA02
2H149AB05
2H149BA02
2H149DA01
2H149DA14
2H149FA03W
2H149FA05X
2H149FA12X
2H149FA51Y
2H149FC10
2H149FD03
2H149FD46
2H149FD48
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FA43X
2H291FA53X
2H291FA54Z
2H291FA55X
2H291FA60X
2H291FA94X
2H291FA98X
2H291FB02
2H291FC08
2H291HA06
2H291HA11
2H291HA15
(57)【要約】
【課題】暗い駆動状態でブラック視感及び外観を改善した液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶パネル、前記液晶パネルの光出射面に積層された視認側偏光板、及び前記液晶パネルの光入射面に順次積層された第1光学シート及び第2光学シートを備えており、前記視認側偏光板は、偏光子、及び明暗比又は視野角改善層を含み、前記液晶パネルは、長辺である水平方向及び短辺である垂直方向で構成され、前記第1光学シートは、光出射面に複数個の第1光学パターンを備えており、前記垂直方向に対して前記第1光学パターンの長さ方向がなす角度は-10゜乃至+10゜である液晶表示装置を構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネル、前記液晶パネルの光出射面に積層された視認側偏光板、前記液晶パネルの光入射面に順次積層された第1光学シート及び第2光学シートを備え、
前記視認側偏光板は、偏光子、及び明暗比又は視野角の改善層を含み、
前記液晶パネルは、水平方向に配置された長辺及び垂直方向に配置された短辺で構成され、
前記第1光学シートは、光出射面に複数個の第1光学パターンを備え、
前記垂直方向に対して前記第1光学パターンの長さ方向がなす角度は-10゜乃至+10゜である、液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1光学シートは左右集光シートであり、前記第2光学シートは上下集光シートである、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第2光学シートは、光出射面に複数個の第2光学パターンを備え、
前記液晶パネルの垂直方向に対して前記第2光学パターンの長さ方向がなす角度は80゜乃至100゜である、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1光学パターンの頂角αは70゜乃至120゜であり、前記第2光学パターンの頂角βは70゜乃至120゜である、請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第1光学パターン及び前記第2光学パターンは、それぞれ長さ方向に延長されてストライプ状に形成されたものである、請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記偏光子の光吸収軸方向に対して前記第1光学パターンの長さ方向がなす角度は、-10゜乃至10゜又は80゜乃至100゜である、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記明暗比又は視野角の改善層は、パターン型明暗比改善層、及び非パターン型明暗比改善層のうち1種以上を含むものである、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記パターン型明暗比改善層は、互いに屈折率が異なる第1樹脂層及び第2樹脂層を備え、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との界面には1個以上の陰刻の光学パターンが形成されたパターン部が配置されている、請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記液晶パネルの垂直方向に対して前記陰刻の光学パターンの長さ方向がなす角度は-10゜乃至+10゜である、請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記陰刻の光学パターンは、前記第1光学パターンに比べてアスペクト比がさらに高いものである、請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記陰刻の光学パターンは、アスペクト比が0.3以上である、請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記陰刻の光学パターンは、頂上部に形成された第1面、及び前記第1面と連結される2つの側面を備え、
前記側面は、1個以上の平面又は曲面を備えるものである、請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記パターン部は、前記陰刻の光学パターンと隣り合う前記陰刻の光学パターンとの間に平坦部をさらに備えるものである、請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との間の屈折率差は0.2以下である、請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記非パターン型明暗比改善層は、マトリックスを含む単一層、及び前記マトリックス内に配向されて含まれた光学的異方性物質を含むものである、請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記液晶パネルの垂直方向に対して前記光学的異方性物質が配向される方向がなす角度は、65゜乃至115゜、又は-25゜乃至25゜である、請求項15に記載の液晶表示装置。
【請求項17】
前記光学的異方性物質は、ワイヤ状、ファイバー状又は針状の形状を有するものである、請求項15に記載の液晶表示装置。
【請求項18】
前記光学的異方性物質は、金属、非金属、金属酸化物、非金属酸化物、金属硫化物、非金属硫化物、金属窒化物、非金属窒化物、金属水酸化物、非金属水酸化物、及びガラスのうち1種以上で形成されたワイヤ、及び、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、ベーマイト(Boehmite)、ホウ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸マグネシウム水和物、チタン酸カリウム、ガラス、及び合成樹脂のうち1種以上で形成された針状粒子のうち1種以上を含むものである、請求項15に記載の液晶表示装置。
【請求項19】
前記視認側偏光板は、反射防止層、低反射層、超低反射層のうち1種以上を備えないものである、請求項1に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、バックライトユニットから出た光が液晶パネルを介して出射されることによって作動する。よって、液晶表示装置の画面のうち正面では明暗比(contrast ratio、CR)が良い。しかし、液晶表示装置の画面のうち側面では、正面に比べて明暗比が低下するしかない。そこで、明暗比及び視野角を改善するために、所定の形状を有するパターンが形成されたフィルムを使用する方法が考慮されている。
【0003】
一方、液晶表示装置は、「明るい」駆動状態のみならず、「暗い」駆動状態に置かれる。液晶表示装置が「明るい」駆動状態である場合、液晶表示装置が画面上に映像を表示するとき、正面に比べて側面の輝度が低下し、視野角が狭くなり、色が歪むという問題がある。その一方で、液晶表示装置が「暗い」駆動状態である場合は、光源の光漏れによって対角と側面の画面の均一度が低下し、ムラが視認されることによってブラック視感が良好でなくなるという問題があり得る。暗い駆動状態では、明るい駆動状態に比べてパネルの駆動輝度が著しく低い。よって、明るい駆動状態で視野角が改善されたとしても、当然暗い駆動状態でブラック視感が改善されるわけではない。
【0004】
ブラック視感を改善する方法として、外部光が最初に入射される面に反射防止フィルム、低反射フィルム又は超低反射フィルムなどを使用することが考慮され得る。しかし、このような方法によると、液晶表示装置のバックライトによる光漏れを根本的に防止できないという問題があり得る。
【0005】
本発明の背景技術は、特許文献1などに開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第2018-0047569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、暗い駆動状態でブラック視感及び外観を改善した液晶表示装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、明るい駆動状態で側面視野角、特に左右視野角を改善した液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一観点は液晶表示装置である。
【0010】
1.液晶表示装置は、液晶パネル、前記液晶パネルの光出射面に積層された視認側偏光板、前記液晶パネルの光入射面に前記液晶パネルから順次積層された第1光学シート及び第2光学シートを備える。前記視認側偏光板は、偏光子、及び明暗比又は視野角の改善層を含む。前記液晶パネルは、水平方向に配置された長辺及び垂直方向に配置された短辺で構成される。前記第1光学シートは、光出射面に複数個の第1光学パターンを備える。前記垂直方向に対して前記第1光学パターンの長さ方向がなす角度は-10゜乃至+10゜である。
【0011】
2.1において、前記第1光学シートは左右集光シートで、前記第2光学シートは上下集光シートであってもよい。
【0012】
3.1において、前記第2光学シートは、光出射面に複数個の第2光学パターンを備え、前記液晶パネルの垂直方向に対して前記第2光学パターンの長さ方向がなす角度は80゜乃至100゜であってもよい。
【0013】
4.3において、前記第1光学パターンの頂角αは70゜乃至120゜であり、前記第2光学パターンの頂角βは70゜乃至120゜であってもよい。
【0014】
5.3おいて、前記第1光学パターン及び前記第2光学パターンは、それぞれ長さ方向に延長されてストライプ(stripe)状に形成されたものであってもよい。
【0015】
6.1~5において、前記偏光子の光吸収軸方向に対して前記第1光学パターンの長さ方向がなす角度は、-10゜乃至10゜又は80゜乃至100゜であってもよい。
【0016】
7.1~6において、前記明暗比又は視野角改善層は、パターン型明暗比改善層及び非パターン型明暗比改善層のうち1種以上を含むことができる。
【0017】
8.7において、前記パターン型明暗比改善層は、互いに屈折率が異なる第1樹脂層及び第2樹脂層を備えており、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との界面には1個以上の陰刻の光学パターンが形成されたパターン部が形成されたものであってもよい。
【0018】
9.8において、前記液晶パネルの垂直方向に対して前記陰刻の光学パターンの長さ方向がなす角度は-10゜乃至+10゜であってもよい。
【0019】
10.8において、前記陰刻の光学パターンは、前記第1光学パターンに比べてアスペクト比がさらに高くてもよい。
【0020】
11.8~10において、前記陰刻の光学パターンのアスペクト比は0.3以上であってもよい。
【0021】
12.8~11において、前記陰刻の光学パターンは、頂上部に形成された第1面、及び前記第1面と連結される2つの側面を備えており、前記側面は、1個以上の平面又は曲面を備えることができる。
【0022】
13.8~12において、前記パターン部は、前記陰刻の光学パターンと隣り合う前記陰刻の光学パターンとの間に平坦部をさらに備えることができる。
【0023】
14.8~13において、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との間の屈折率差は0.2以下であってもよい。
【0024】
15.7~14において、前記非パターン型明暗比改善層は、マトリックスを含む単一層、及び前記マトリックス内に配向されて含まれた光学的異方性物質を含むことができる。
【0025】
16.15において、前記液晶パネルの垂直方向に対して前記光学的異方性物質が配向される方向がなす角度は、65゜乃至115゜又は-25゜乃至25゜であってもよい。
【0026】
17.15~16において、前記光学的異方性物質は、ワイヤ状、ファイバー状又は針状の形状を有することができる。
【0027】
18.15~17において、前記光学的異方性物質は、金属、非金属、金属酸化物、非金属酸化物、金属硫化物、非金属硫化物、金属窒化物、非金属窒化物、金属水酸化物、非金属水酸化物、及びガラスのうち1種以上で形成されたワイヤ、及び、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、ベーマイト(Boehmite)、ホウ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸マグネシウム水和物、チタン酸カリウム、ガラス、及び合成樹脂のうち1種以上で形成された針状粒子のうち1種以上を含むことができる。
【0028】
19.1~18において、前記視認側偏光板は、反射防止層、低反射層、超低反射層のうち1種以上を備えなくてもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、暗い駆動状態でブラック視感及び外観を改善した液晶表示装置を提供することができる。
【0030】
本発明によれば、明るい駆動状態で側面視野角、特に左右視野角を改善した液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施例に係る液晶表示装置の一部を示す断面図である。
図2図1における液晶パネル、第1光学シート及び第2光学シートの概念図である。
図3図1における視認側偏光板の一実施例の一部を示す断面図である。
図4図3における陰刻の光学パターンの他の形態を示す断面図である。
図5図1における視認側偏光板の他の実施例の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
添付の図面を参考にして、実施例に対して本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、様々な異なる形態に具現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0033】
図面において、本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略しており、明細書全体にわたって同一又は類似する構成要素に対しては同一の図面符号を付した。
【0034】
本明細書において、「上部」と「下部」は、図面を基準にして定義したものであって、視・観点によっては、「上部」が「下部」に、「下部」が「上部」に変更されてもよく、「上(on)」と称されるものは、直上のみならず、中間に他の構造を介在した場合も含み得る。その一方で、「直接上(directly on)」、「直上」、「直接形成」又は「直接接して形成」と称されるものは、中間に他の構造を介在していないことを意味する。
【0035】
本明細書において、「面内方向位相差(Re)」は波長550nmでの値であって、下記の数式Aで表される。
【0036】
<数式A>
Re=(nx-ny) × d
(前記数式Aにおいて、nx、nyは、波長550nmでのそれぞれ保護層の遅相軸(slow axis)方向及び進相軸(fast axis)方向の屈折率であり、dは、保護層の厚さ(単位:nm)である。)
【0037】
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
【0038】
本明細書において、数値範囲の記載時、「X乃至Y」は、「X以上かつY以下」を意味する。
【0039】
本発明は、明るい駆動状態では側面視野角、特に左右視野角を改善し、暗い駆動状態ではブラック視感を改善することによって、良好な外観を提供する液晶表示装置を提供した。特に、本発明の液晶表示装置によれば、視認側偏光板に反射防止層、低反射層又は超低反射層などのブラック視感を改善する表面処理層を備えなくても、ブラック視感を改善することができる。
【0040】
本明細書において、「明るい駆動状態」及び「暗い駆動状態」は、いずれも電源がオン状態である液晶表示装置で定義される。液晶表示装置は電圧駆動型であるので、明るさは、入力された電圧によって決定され、最小駆動電圧から最大駆動電圧まで8bitで0乃至255グレイレベルに分けられて信号が与えられる。正面及び側面全体でのパネルに入力されたグレイレベル値が0の場合は、輝度測定値を「0階調(Black color)の輝度」として定義し、パネルに入力されたグレイレベル値が255の場合は、輝度測定値を「255階調(White color)の輝度」として定義するとしたとき、「明るい駆動状態」は、パネルに入力されたグレイレベル値が33以上255以下である状態を意味し、「暗い駆動状態」は、パネルに入力されたグレイレベル値が0以上33未満である状態を意味する。「パネルの駆動輝度」は、パネル入力信号に対するパネルの実際の明るさを輝度計を使用して測定した物理的測光式方法でcd/m2単位で測定することができ、0階調(Black color)の輝度値及び255階調(White color)の輝度値は、パネルのグレイレベル値別の入力信号に対するパネルの実際の輝度曲線によって決定されるものである。
【0041】
本発明の液晶表示装置は、液晶パネル、前記液晶パネルの光出射面に積層された視認側偏光板、前記液晶パネルの光入射面に前記液晶パネルの光入射面から順次積層された第1光学シート及び第2光学シートを備える。前記視認側偏光板は、偏光子、及び明暗比又は視野角の改善層を含む。前記液晶パネルは、水平方向に配置された長辺及び垂直方向に配置された短辺で構成される。前記第1光学シートは、光出射面に複数個の第1光学パターンを備える。前記垂直方向と前記第1光学パターンの長さ方向とがなす角度は-10゜乃至+10゜である。垂直方向と第1光学パターンの長さ方向とがなす角度が-10゜乃至+10゜になることによって、左右視野角の改善及びブラック視感の改善効果を同時に容易に得ることができる。好ましくは、前記角度は、-5゜乃至+5゜、さらに好ましくは0゜になってもよい。前記角度を記載するとき、「+」は、基準、すなわち、液晶パネルの短辺である垂直方向に対して時計方向になす角度を意味し、「-」は、基準、すなわち、液晶パネルの短辺である垂直方向に対して反時計方向になす角度を意味する。
【0042】
以下、添付の図1乃至図5を参照して液晶表示装置を説明する。
【0043】
液晶表示装置は、液晶パネル100、視認側偏光板200、300、光源側偏光板600、第1光学シート400及び第2光学シート500を備えている。
【0044】
液晶パネル
【0045】
液晶パネル100は、互いに対向する、光出射面及び光入射面を備えている。光入射面は、第2光学シートの下部面に配置される光源(図1に図示せず)から出射される光(内部光)が液晶パネルに入射される面である。光出射面は、液晶パネルに入射された光が視認側偏光板側に出射される面である。
【0046】
液晶パネル100は、水平方向101に配置された長辺及び垂直方向102に配置された短辺で構成され、長方形の形状を有する。水平方向101と垂直方向102は実質的に直交し得る。
【0047】
液晶パネル100としては、当業者に知られている通常の液晶を採用することができる。例えば、液晶は、VA(vertical alignment)、IPS(in plane switching)、TN(twisted nematic)、FFS(fringe field switching)、PVA(patterned vertical alignment)モード及びS-PVA(super-patterned vertical alignment)のうち1種以上を含み得るが、本発明はこれに制限されない。
【0048】
第1光学シート及び第2光学シート
【0049】
液晶パネル100の光入射面には、液晶パネル100から第1光学シート400及び第2光学シート500が順次積層されている。第1光学シート400及び第2光学シート500は、それぞれ光源から入射される光を集光させた後で出射させることによって、光の効率を高めることができる。
【0050】
第1光学シート400と第2光学シート500は、互いに異なる集光機能を有することができる。一具体例において、第1光学シート400は、光源から出射される光の左右集光シートとして作用し、第2光学シート500は、光源から出射される光の上下集光シートとして作用し得る。左右集光シートは、液晶パネル100の長辺である水平方向101に対して光源から出射される光に対する集光機能をするものを意味する。上下集光シートは、液晶パネル100の短辺である垂直方向102に対して光源から出射される光に対する集光機能をするものを意味する。本発明において、第1光学シート400と第2光学シート500を両方備えており、左右集光シートである第1光学シート400が上下集光シートである第2光学シート500より液晶パネル100に隣接して配置される場合、ブラック視感及び外観を改善することができる。
【0051】
第1光学シート400は、光出射面402に複数個の第1光学パターン401を備えており、液晶パネル100の垂直方向102に対して第1光学パターン401の長さ方向(図2に実線の矢印で表示されている)がなす角度Aは-10゜乃至+10゜である。前記範囲で、ブラック視感の改善効果及び側面視野角の改善効果が著しく優秀になり得る。例えば、前記角度Aは、-10゜、-9゜、-8゜、-7゜、-6゜、-5゜、-4゜、-3゜、-2゜、-1゜、0゜、1゜、2゜、3゜、4゜、5゜、6゜、7゜、8゜、9゜、10゜で、好ましくは、前記角度は、-5゜乃至+5゜、さらに好ましくは0゜になってもよい。
【0052】
本発明は、液晶表示装置が「暗い」駆動状態であるとき、光源が液晶表示装置に入射されながら発生した光漏れによってブラック視感が悪くなり、外観が良好でなくなるという問題を解消するために、従来に使用されていた反射防止層、低反射層又は超低反射層などの表面処理層を視認側偏光板に使用しなくても、液晶パネルの光源側に配置される複数個の光学シートのうち左右集光機能をする左右集光層で第1光学パターンの長さ方向と液晶パネルの垂直方向との間の角度を調節することによって、「暗い」駆動状態ではブラック視感を改善し、良好な外観を提供した。
【0053】
具体的には、本発明は、ブラック視感の改善のために、液晶パネルの光出射面に積層される視認側偏光板ではなく、液晶パネルの光入射面に左右集光機能をする第1光学シートと上下集光機能をする第2光学シートとを順次積層させ、第1光学シートの第1光学パターンの長さ方向と液晶パネルの垂直方向との間の角度を調節したことを特徴とする。
【0054】
また、本発明は、視認側偏光板に明暗比又は視野角改善層を備えて、上述した角度を調節することによって、駆動状態における正面及び側面での明暗比と視野角を著しく改善した。
【0055】
第1光学シート400の上部面である光出射面402は、複数個の第1光学パターン401が形成されてパターン化されているものである一方で、下部面である光入射面403は、光学パターンが形成されていないものであるので、全体的に平面のシートになり得る。
【0056】
第1光学パターン401は、断面が多角形である光学パターンであって、多角形の頂角αは、70゜乃至120゜、例えば、70゜、71゜、72゜、73゜、74゜、75゜、76゜、77゜、78゜、79゜、80゜、81゜、82゜、83゜、84゜、85゜、86゜、87゜、88゜、89゜、90゜、91゜、92゜、93゜、94゜、95゜、96゜、97゜、98゜、99゜、100゜、101゜、102゜、103゜、104゜、105゜、106゜、107゜、108゜、109゜、110゜、111゜、112゜、113゜、114゜、115゜、116゜、117゜、118゜、119゜、120゜になってもよい。前記角度の範囲で、下記で説明する第2光学シートへの適用時、左右視野角の改善効果がさらに大きくなり得る。前記「頂角」は、多角形の複数個の角のうち頂上部に形成された角を意味する。多角形は、三角形、四角形、五角形、六角形などのn角形(nは、3乃至10の整数)になってもよく、好ましくは、三角形になってもよい。前記「頂上部」は、第1光学パターンのうち最も高い部分を意味する。
【0057】
第1光学パターン401は、図面に示したように、長さ方向に延長されたストライプ状に形成されることが好ましい場合がある。
【0058】
第1光学パターン401は、アスペクト比(幅W1に対する高さH1の比)が0.1乃至10、例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、好ましくは、0.3乃至1.0、0.3乃至0.9になってもよい。前記範囲で、集光効果があり得る。第1光学パターン401は、幅W1が10μm乃至200μm、例えば、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、110μm、120μm、130μm、140μm、150μm、160μm、170μm、180μm、190μm、200μm、好ましくは、40μm乃至150μmになってもよく、高さH1が10μm乃至200μm、例えば、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、110μm、120μm、130μm、140μm、150μm、160μm、170μm、180μm、190μm、200μm、好ましくは、20μm乃至50μmになってもよい。前記範囲で、本発明のアスペクト比に容易に到達することができ、ブラック視感をより容易に改善することができる。
【0059】
第1光学パターン401は、互いに離隔面を設けず複数個が互いに連続的に形成されてもよく、又は、第1光学パターンと隣り合う第1光学パターンとの間に所定の間隔の離隔面を備えて形成されてもよい。好ましくは、第1光学パターンは、互いに離隔面を設けず複数個が互いに連続的に形成されることによって、本発明の効果が高くなり得る。
【0060】
一具体例において、第1光学パターン401と隣り合う第1光学パターン401との間の離隔距離は、0μm乃至100μm、好ましくは0μm乃至20μmになってもよい。前記範囲で、本発明の第1光学シートを容易に製造することができる。
【0061】
第1光学シート400は、図面に示すように、第1光学パターンの下部面に所定の厚さを有する基材層404がさらに形成されてもよく、又は、基材層を設けず第1光学パターンのみからなってもよい。また、第1光学シート400は、第2光学シート上に直接形成されたり、反射型偏光フィルムの下側或いは上側に直接形成されたりしてもよい。
【0062】
第2光学シート500は、光出射面502に複数個の第2光学パターン501を備えており、液晶パネル100の垂直方向102に対して第2光学パターン501の長さ方向(図面に点線で表示される)がなす角度Bは80゜乃至100゜になってもよい。前記範囲で、側面視野角の改善効果及びブラック視感の改善効果が優秀になり得る。例えば、前記角度Bは、80゜、81゜、82゜、83゜、84゜、85゜、86゜、87゜、88゜、89゜、90゜、91゜、92゜、93゜、94゜、95゜、96゜、97゜、98゜、99゜、100゜で、好ましくは、前記角度Bは90゜になってもよい。
【0063】
本発明は、上述した第1光学シート400の下部面に上下集光機能をする第2光学シート500を備えて、第2光学パターン500の長さ方向と液晶パネルの垂直方向102とがなす角度を制御することによって、側面視野角及びブラック視感の改善効果をさらに高めた。
【0064】
第2光学シート500において、上部面である光出射面502は、複数個の第2光学パターン501が形成されてパターン化されているものである一方で、下部面である光入射面503は全体的に平面であるシートになってもよい。
【0065】
第2光学パターン501は、断面が多角形である光学パターンであって、多角形の頂角βは70゜乃至120゜になってもよい。前記角度の範囲で、下記で説明する第2光学シートへの適用時、左右視野角の改善効果がさらに大きくなり得る。前記「頂角」は、多角形の複数個の角のうち頂上部に形成された角を意味する。多角形は、三角形、四角形、五角形、六角形などのn角形(nは、3乃至10の整数)になってもよく、好ましくは三角形になってもよい。例えば、頂角は、70゜、71゜、72゜、73゜、74゜、75゜、76゜、77゜、78゜、79゜、80゜、81゜、82゜、83゜、84゜、85゜、86゜、87゜、88゜、89゜、90゜、91゜、92゜、93゜、94゜、95゜、96゜、97゜、98゜、99゜、100゜、101゜、102゜、103゜、104゜、105゜、106゜、107゜、108゜、109゜、110゜、111゜、112゜、113゜、114゜、115゜、116゜、117゜、118゜、119゜、120゜、好ましくは80゜乃至100゜、さらに好ましくは90゜になってもよい。
【0066】
第2光学パターン501は、図面に示したように、長さ方向に延長されたストライプ状に形成されることが好ましい場合がある。
【0067】
第2光学パターン501は、アスペクト比(幅W2に対する高さH2の比)が0.1乃至10、例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、好ましくは0.3乃至1.0、0.3乃至0.9になってもよい。前記範囲で、集光効果があり得る。
【0068】
第2光学パターン501は、幅W2が10μm乃至200μm、例えば、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、110μm、120μm、130μm、140μm、150μm、160μm、170μm、180μm、190μm、200μm、好ましくは40μm乃至150μmになってもよく、高さH2が10μm乃至200μm、例えば、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、110μm、120μm、130μm、140μm、150μm、160μm、170μm、180μm、190μm、200μm、好ましくは20μm乃至50μmになってもよい。前記範囲で、本発明のアスペクト比に容易に到達することができ、ブラック視感をより容易に改善することができる。
【0069】
第2光学パターン501は、互いに離隔面を設けず複数個が互いに連続的に形成されてもよく、又は、第2光学パターンと隣り合う第2光学パターンとの間に所定の間隔の離隔面を備えて形成されてもよい。好ましくは、第2光学パターン501は、互いに離隔面を設けず複数個が互いに連続的に形成されてもよい。
【0070】
一具体例において、第2光学パターン501と隣り合う第2光学パターン501との間の離隔距離は、0μm乃至100μm、好ましくは0μm乃至20μmになってもよい。前記範囲で、本発明の第2光学シートを容易に製造することができる。
【0071】
第2光学シート500は、図面に示すように、第2光学パターンの下部面に所定の厚さを有する基材層504がさらに形成されてもよく、第2光学パターンのみからなってもよい。
【0072】
第1光学シート400及び第2光学シート500は、粘着層を設けず単純に積層されてもよく、又は、第1光学シート400と第2光学シート500との間に粘着層がさらに含まれて積層されてもよい。
【0073】
第1光学シート400及び第2光学シート500は、通常の光学シート製造用光硬化性樹脂組成物で形成されてもよい。光硬化性樹脂組成物は、当業者に知られている通常の材料を含むことができる。
【0074】
視認側偏光板
【0075】
視認側偏光板200、300は、液晶パネルの光出射面に積層され、液晶パネルから入射される光を出射させ、正面及び側面での明暗比及び左右視野角を著しく改善することができる。
【0076】
視認側偏光板200、300は、偏光子210、310及び明暗比改善層220、320を含む。明暗比改善層220、320は、偏光子210、310の光出射面に積層されてもよく、又は偏光子の光入射面に積層されてもよい。好ましくは、明暗比改善層は、偏光子の光出射面に積層されてもよい。前記光出射面は、光源(図1に図示せず)から出射される光(内部光)が偏光子から出射される面である。光入射面は、液晶パネルに入射された光が偏光子に入射される面である。
【0077】
明暗比改善層は、パターン部を備えるパターン型明暗比改善層220、及びパターン部を備えない非パターン型明暗比改善層320のうち1種以上を含むことができる。
【0078】
本発明では、視認側偏光板として、図3図4、及び図5に示す視認側偏光板のうちいずれか一つを含むことができる。図3図4、及び図5をそれぞれ参照して視認側偏光板を説明する。
【0079】
図3を参照すると、視認側偏光板は、偏光子210、偏光子210の光出射面に積層されたパターン型明暗比改善層220及び第1保護層230を含むことができる。
【0080】
パターン型明暗比改善層220は、互いに屈折率が異なる第1樹脂層221及び第2樹脂層222を備えており、第1樹脂層221と第2樹脂層222との界面にはパターン部が形成されている。パターン部は、所定の断面形状を有する陰刻の光学パターン223と、陰刻の光学パターン223と隣り合う陰刻の光学パターン223との間に備えられる平坦部224とを備えることができる。
【0081】
第1樹脂層221と第2樹脂層222との間の屈折率差は、0.2以下、例えば、0.1乃至0.2になってもよい。前記範囲で、左右視野角の改善を促進することができる。
【0082】
偏光子210の光出射面から第1樹脂層221と第2樹脂層222が順次積層され、第1樹脂層は、第2樹脂層に比べて屈折率が高いか又は低くてもよい。
【0083】
好ましくは、第1樹脂層は、第2樹脂層に比べて屈折率が低くてもよい。一具体例において、第1樹脂層は、屈折率が1.53未満、例えば、1.30以上1.53未満になり、第2樹脂層は、屈折率が1.53以上、例えば、1.53乃至1.70になってもよい。
【0084】
パターン部は、下記の数式1を満足し、陰刻の光学パターン223は、底角θが75゜乃至90゜になってもよい。前記範囲で、左右視野角の改善を促進することができる。
【0085】
<数式1>
1<P/W3≦10
(前記数式1において、Pは、パターン部の周期(単位:μm)で、W3は、陰刻パターンの最大幅(単位:μm)である。)
【0086】
底角θは、陰刻の光学パターン223の傾斜面226と、陰刻の光学パターン223の最大幅W3とがなす角を意味する。好ましくは、底角θが80゜乃至90゜になり、数式1中、P/W3は1.2乃至8になってもよい。
【0087】
陰刻の光学パターン223は、第1樹脂層221側から第2樹脂層222側に突出して形成された光学パターンを含むことができる。
【0088】
陰刻の光学パターン223は、第1光学パターン401に比べてアスペクト比がさらに高くてもよい。これを通じて、本発明の効果を容易に具現することができる。
【0089】
一具体例において、陰刻の光学パターン223は、アスペクト比(最大幅W3に対する最大高さH3の比)が0.3以上になってもよい。前記範囲で、左右視野角の改善を促進することができる。好ましくは、アスペクト比は、0.6以上、さらに好ましくは1.0乃至2、最も好ましくは1.0超過2以下になってもよい。本発明は、陰刻の光学パターン223のアスペクト比が0.3以上であるとき、左右視野角の改善効果及びブラック視感の改善効果が著しくなり得る。
【0090】
陰刻の光学パターン223は、最大幅W3が3μm乃至50μm、好ましくは、5μm乃至30μmになり、最大高さH3が3μm乃至50μm、好ましくは、5μm乃至20μmになってもよい。前記範囲で、本発明のアスペクト比に容易に到達することができ、左右視野角の改善効果及びブラック視感の改善効果が著しくなり得る。
【0091】
陰刻の光学パターン223は、頂上部に形成された第1面225、及び第1面225と連結される2つの側面である傾斜面226を備えることができる。
【0092】
第1面225は、陰刻の光学パターン223から入射された光が出射されることによって輝度を高めることができる。第1面225は、全体的に平面になってもよく、又は凸曲面又は凹曲面になってもよい。第1面225の最大幅は、1μm乃至40μm、好ましくは、3μm乃至25μmになってもよい。前記範囲で、正面輝度損失を最小化しながら左右視野角の改善効果があり得る。
【0093】
側面226は、1個以上、例えば、1個乃至3個の平面からなってもよい。
【0094】
一具体例において、図3に示すように、側面は1個の平面からなってもよい。
【0095】
他の具体例において、図4に示すように、側面は2個以上の平面からなってもよく、このとき、それぞれの平面は、 陰刻の光学パターンの最大幅に対する底角が互いに異なってもよい。前記「底角θ」は、側面のうち該当の平面と陰刻の光学パターンの最大幅W3とがなす角度を意味する。側面は、第1樹脂層側から第2樹脂層側に凸状の多角形面(図4の(A))であってもよく、又は第1樹脂層側から第2樹脂層側に凹状の多角形面(図4の(B))であってもよい。底角θは、60゜乃至90゜、例えば、75゜乃至90゜になってもよい。前記範囲で、本発明の効果を容易に具現することができる。
【0096】
例えば、陰刻の光学パターンの断面は、台形、直四角形、又は正四角形などのN角形(Nは、3乃至10の整数)であってもよい。
【0097】
側面は、1個以上、例えば、1個乃至3個の曲面からなってもよい。
【0098】
一具体例において、図4に示すように、側面は1個の曲面からなってもよい。他の具体例において、図4に示すように、側面は2個以上の曲面からなってもよく、このとき、それぞれの曲面は、陰刻の光学パターンの最大幅に対する底角が互いに異なってもよい。前記「底角θ」は、側面のうち第1光学パターンの最大高さH3の1/2地点における該当の曲面の接線Tと陰刻の光学パターンの最大幅W3とがなす角度を意味する。
【0099】
このとき、側面は、第1樹脂層側から第2樹脂層側に凸状の曲面(図4の(C))であってもよく、又は、第1樹脂層側から第2樹脂層側に凹状の曲面(図4の(D))であってもよい。底角は、60゜乃至90゜、例えば、75゜乃至90゜になってもよい。前記範囲で、本発明の効果を容易に具現することができる。
【0100】
パターン部の周期Pは、5μm乃至500μm、具体的には10μm乃至50μmになってもよい。前記範囲で、数式1に容易に到達することができ、パターンを容易に製造することができる。前記周期Pは、陰刻の光学パターンの最大幅W3と、陰刻の光学パターンと隣り合う陰刻の光学パターンとの間の最大幅Lとの和を意味する。
【0101】
陰刻の光学パターン223及び隣り合う陰刻の光学パターン223は、平坦部224によって互いに離隔して形成されてもよい。平坦部224は、偏光子から垂直に入射される光を出射させることによって輝度を高めることができる。平坦部224の最大幅Lは、1μm乃至40μm、具体的には3μm乃至25μmになってもよい。前記範囲で、正面輝度の損失を最小化しながら視野角の改善効果があり得る。
【0102】
図3には示していないが、陰刻の光学パターン223は、それぞれ陰刻の光学パターンの長さ方向に延長され、ストライプ状に形成されてもよい。
【0103】
一具体例において、液晶パネルの短辺である垂直方向に対して陰刻の光学パターン223の長さ方向がなす角度Cは、-10゜乃至+10゜になってもよい。垂直方向と陰刻の光学パターン223の長さ方向とがなす角度が-10゜乃至+10゜になることによって、左右視野角の改善及びブラック視感の改善効果を同時に容易に得ることができる。例えば、前記角度Cは、-10゜、-9゜、-8゜、-7゜、-6゜、-5゜、-4゜、-3゜、-2゜、-1゜、0゜、+1゜、+2゜、+3゜、+4゜、+5゜、+6゜、+7゜、+8゜、+9゜、+10゜で、好ましくは、前記角度は、-5゜乃至+5゜、さらに好ましくは0゜になってもよい。
【0104】
第1樹脂層221には、陰刻の光学パターン223の少なくとも一部を充填する充填パターン227が形成されてもよい。
【0105】
偏光子210は、液晶パネルから入射された光を偏光させて出射させることができ、出射された偏光はパターン層に透過し得る。
【0106】
偏光子210は、ポリビニルアルコール系フィルムを1軸延伸して製造されるポリビニルアルコール系偏光子、又はポリビニルアルコール系フィルムを脱水させて製造されたポリエン系偏光子を含むことができる。偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムを使用し、当業者に知られている通常の方法で製造され得る。
【0107】
偏光子210は、厚さが5μm乃至40μmになってもよい。前記範囲で、偏光子210が光学表示装置に使用され得る。
【0108】
偏光子210の光吸収軸に対して第1光学シートのうち第1光学パターンの長さ方向がなす角度Dは、-10゜乃至10゜又は80゜乃至100゜、例えば、-10゜、-9゜、-8゜、-7゜、-6゜、-5゜、-4゜、-3゜、-2゜、-1゜、0゜、1゜、2゜、3゜、4゜、5゜、6゜、7゜、8゜、9゜、10゜、81゜、82゜、83゜、84゜、85゜、86゜、87゜、88゜、89゜、90゜、91゜、92゜、93゜、94゜、95゜、96゜、97゜、98゜、99゜、100゜、好ましくは、-5゜乃至5゜又は85゜乃至95゜になってもよい。前記範囲で、本発明の効果を容易に具現することができる。偏光子210の光吸収軸は、偏光子210の機械的方向(machine direction)になってもよい。
【0109】
第1保護層230は、光透過層であって、パターン層を通過して拡散された光を透過させることができる。
【0110】
第1保護層230は、所定範囲の位相差を有する位相差フィルム又は等方性光学フィルムになってもよい。一具体例において、第1保護層は、Reが8,000nm以上、具体的には10,000nm以上、さらに具体的には10,000nm超過、さらに具体的には10,100nm乃至15,000nmになってもよい。前記範囲で、虹ムラの視認を防止することができ、第2樹脂層と第1樹脂層の積層体を介して拡散された光の拡散効果がさらに大きくなり得る。他の具体例において、第1保護層は、Reが60nm以下、具体的には0nm乃至60nm、さらに具体的には40nm乃至60nmの等方性光学フィルムになってもよい。前記範囲で、視野角を補償し、画像品質を良好にすることができる。前記「等方性光学フィルム」は、nx、ny、nzが実質的に同一のフィルムを意味し、前記「実質的に同一」は、全く同一である場合のみならず、少しの誤差を含む場合も全て含む。好ましくは、第1保護層は、Reが8,000nm以上、具体的には10,000nm以上、さらに具体的には10,000nm超過である位相差フィルムになってもよい。
【0111】
第1保護層230は、厚さが20μm乃至120μm、具体的には30μm乃至80μmになってもよい。前記範囲で、第1保護層230は光学表示装置に使用され得る。第1保護層230は、可視光領域で光透過度が80%以上、具体的には85%乃至95%になってもよい。第1保護層230は、光学透明樹脂を1軸又は2軸延伸したフィルムを含むことができる。具体的には、樹脂は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどを含むポリエステル、アクリル、環状オレフィンポリマー(COP)、トリアセチルセルロース(TAC)などを含むセルロースエステル、ポリビニルアセテート、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリノルボルネン、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、及びポリイミドのうち一つ以上を含むことができる。好ましくは、保護層は、ポリエステル樹脂で形成されたフィルムを含むことができる。第1保護層は、上述した樹脂の変性後に製造されたフィルムを含むこともできる。前記変性は、共重合、ブランチング、架橋結合、又は分子末端の変性などを含むことができる。
【0112】
図3には示していないが、第1保護層230の少なくとも一面には機能性層がさらに形成されることによって、追加的な機能を提供することができる。機能性コーティング層は、プライマー層、ハードコーティング層、耐指紋性層などになってもよいが、これに制限されない。
【0113】
非パターン型明暗比改善層を備える視認側偏光板を、図5を参照して説明する。
【0114】
図5を参照すると、視認側偏光板300は、偏光子310、偏光子310の光出射面に積層された非パターン型明暗比改善層320及び第1保護層330を含むことができる。
【0115】
偏光子310及び第1保護層330は、それぞれ図3で説明した偏光子210及び第1保護層230と実質的に同一である。偏光子310の光吸収軸に対して第1光学シートのうち第1光学パターンの長さ方向がなす角度Dは、-10゜乃至10゜又は80゜乃至100゜、例えば、-10゜、-9゜、-8゜、-7゜、-6゜、-5゜、-4゜、-3゜、-2゜、-1゜、0゜、1゜、2゜、3゜、4゜、5゜、6゜、7゜、8゜、9゜、10゜、81゜、82゜、83゜、84゜、85゜、86゜、87゜、88゜、89゜、90゜、91゜、92゜、93゜、94゜、95゜、96゜、97゜、98゜、99゜、100゜、好ましくは-5゜乃至5゜又は85゜乃至95゜になってもよい。前記範囲で、本発明の効果を容易に具現することができる。
【0116】
そこで、非パターン型明暗比改善層320に対してのみ説明する。
【0117】
非パターン型明暗比改善層320は、一つのマトリックスを含む単一層であって、上部面と下部面がそれぞれ全体的に平面である。非パターン型明暗比改善層320は、明暗比改善層220と異なってパターン部を備えないが、光学的異方性物質を含み、光学的異方性物質が配向されてマトリックス中に含まれることによって、明暗比と視野角を改善する効果を提供することができる。
【0118】
光学的異方性物質は、液晶パネルの短辺である垂直方向に対して光学的異方性物質が配向される方向がなす角度Cは、65゜乃至115゜又は-25゜乃至25゜になってもよい。前記範囲で、左右視野角の改善及びブラック視感の改善効果を同時に容易に得ることができる。例えば、前記角度Cは、65゜、66゜、67゜、68゜、69゜、70゜、71゜、72゜、73゜、74゜、75゜、76゜、77゜、78゜、79゜、80゜、81゜、82゜、83゜、84゜、85゜、86゜、87゜、88゜、89゜、90゜、91゜、92゜、93゜、94゜、95゜、96゜、97゜、98゜、99゜、100゜、101゜、102゜、103゜、104゜、105゜、106゜、107゜、108゜、109゜、110゜、111゜、112゜、113゜、114゜、115゜、-25゜、-24゜、-23゜、-22゜、-21゜、-20゜、-19゜、-18゜、-17゜、-16゜、-15゜、-14゜、-13゜、-12゜、-11゜、-10゜、-9゜、-8゜、-7゜、-6゜、-5゜、-4゜、-3゜、-2゜、-1゜、0゜、1゜、2゜、3゜、4゜、5゜、6゜、7゜、8゜、9゜、10゜、11゜、12゜、13゜、14゜、15゜、16゜、17゜、18゜、19゜、20゜、21゜、22゜、23゜、24゜、25゜、好ましくは85゜乃至95゜又は-5゜乃至+5゜、さらに好ましくは0゜になってもよい。一具体例において、非パターン型明暗比改善層320に含まれた光学的異方性物質のうち60重量%以上、例えば、85重量%乃至95重量%が上述した角度Cで配向されていてもよい。
【0119】
光学的異方性物質は、ワイヤ状、ファイバー状又は針状の形状を有することができる。このような形状は、非パターン型明暗比改善層の製造時、光学的異方性物質が前記角度で配向されるようにし、その結果、本発明の効果を容易に得ることができる。光学的異方性物質は、非パターン型明暗比改善層のうち1重量%乃至40重量%、具体的には1重量%乃至30重量%、3重量%乃至15重量%、さらに具体的には4重量%乃至15重量%、4重量%乃至10重量%で含まれてもよい。前記範囲で、明暗比と視認性の改善を促進することができる。前記光学的異方性物質は、金属、非金属、金属酸化物、非金属酸化物、金属硫化物、非金属硫化物、金属窒化物、非金属窒化物、金属水酸化物、非金属水酸化物、ガラス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、ベーマイト(Boehmite)、ホウ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸マグネシウム水和物、チタン酸カリウム、ガラス、及び合成樹脂のうち1種以上で形成されることができる。
【0120】
ワイヤは、直径に比べて長さが著しく大きいワイヤ状を有することによって、明暗比と視認性の改善効果を促進することができる。
【0121】
一具体例において、ワイヤは、ナノワイヤ又はマイクロワイヤであって、直径に対する長さの比であるアスペクト比が500以下、具体的には200以下、さらに具体的には5乃至200、10乃至100になってもよい。前記範囲で、明暗比と視認性の改善を促進することができ、ワイヤの配向が容易になり得る。
【0122】
ワイヤは、ナノワイヤ又はマイクロワイヤであって、断面直径が20μm以下、具体的には0μm超過20μm以下、さらに具体的には0.1μm乃至20μm、0.5μm乃至1μmになってもよい。ワイヤは、長さが1μm以上、具体的には5μm乃至4000μm、さらに具体的には10μm乃至1000μmになってもよい。前記範囲で、上述したアスペクト比に容易に到達することができる。 断面直径は、断面の最大直径を意味する。
【0123】
ワイヤは、非パターン型明暗比改善層320のうち1重量%乃至40重量%、具体的には3重量%乃至15重量%、さらに具体的には4重量%乃至10重量%で含まれてもよい。前記範囲で、明暗比と視認性の改善を促進することができる。
【0124】
ワイヤは、マトリックスに比べて屈折率が高くてもよく、又は屈折率が低くてもよい。好ましくは、ワイヤは、マトリックスに比べて屈折率が高いことによって明暗比と視認性の改善を促進し、白濁の問題が発生しなくなり得る。
【0125】
一具体例において、ワイヤは、マトリックスに比べて屈折率が高く、ワイヤは、屈折率が1.5以上、具体的には1.5乃至2.3、1.52乃至2.3になってもよい。前記範囲で、上述した屈折率差に容易に到達することができる。
【0126】
他の具体例において、ワイヤは、マトリックスに比べて屈折率が低く、ワイヤは、屈折率が1.2以上、具体的には1.4乃至1.6、1.43乃至1.6になってもよい。前記範囲で、上述した屈折率差に容易に到達することができる。
【0127】
ワイヤとマトリックスとの間の屈折率差は、0.8以下、好ましくは0.6以下、さらに好ましくは0.1乃至0.6になってもよい。前記範囲で、明暗比及び輝度の改善効果をさらに高め、マトリックスの光学特性も改善することができる。
【0128】
ワイヤは、金属、非金属、金属酸化物、非金属酸化物、金属硫化物、非金属硫化物、金属窒化物、非金属窒化物、金属水酸化物、非金属水酸化物、及びガラスのうち1種以上で形成されたワイヤを含むことができる。好ましくは、明暗比及び視認性の改善効果を高めるために、非パターン型明暗比改善層は、金属酸化物ワイヤを少なくとも含むことができる。
【0129】
金属は、銀、金、亜鉛、白金、ニッケル、銅、アルミニウム、タングステン、及びカルシウムのうち1種以上を含むことができる。
【0130】
非金属は、シリコン、インジウム、スズ、ゲルマニウム、及び炭素のうち1種以上を含むことができる。
【0131】
金属酸化物は、亜鉛酸化物(酸化亜鉛)、銅酸化物、アルミニウム酸化物、ニッケル酸化物、タングステン酸化物、及びカルシウム酸化物のうち1種以上を含むことができる。
【0132】
金属硫化物は、銀硫化物、亜鉛硫化物、ニッケル硫化物、銅硫化物、アルミニウム硫化物、及びタングステン硫化物のうち1種以上を含むことができる。
【0133】
非パターン型明暗比改善層は、金属及び2種以上の化学的/物理的結合を有する機能性グループの化合物を1種以上含むことができる。
【0134】
針状粒子は、長さL及び所定の直径Dを有し、直径Dが長さL全体で均一でなく、その代わりに、針状粒子の両末端に行くほど減少する粒子であってもよい。厚さが非均質性である針状粒子は、光学的異方性を示すことによって、偏光子から入射される光が針状粒子を通過するとき、互いに異なる方向に出射され得る。
【0135】
針状マイクロ粒子は、長さがマイクロメートル単位の値を有する粒子を意味し得る。針状マイクロ粒子において、長さLはマイクロメートル単位の値を有する。ここで、「マイクロメートル単位の値」は、長さLが最小1μm以上であることを意味する。これは、本発明において、針状マイクロ粒子の配向が容易になり、明暗比と輝度の改善を促進することができる。長さLがナノメートル単位の値を有する針状ナノ粒子は、本発明での配向自体が容易でないので、本発明の効果を得ることが難しくなり得る。
【0136】
好ましくは、長さLは、10μm乃至30μm、好ましくは15μm乃至28μmになってもよい。前記範囲で、本発明での針状マイクロ粒子の配向が容易になり、明暗比と輝度の改善を促進することができる。
【0137】
針状粒子において、断面直径Dは、0.5μm乃至2μm、好ましくは1μm乃至2μmになってもよい。前記範囲で、アスペクト比が増加し、側面拡散効果があり得る。断面直径は、断面の最大直径を意味する。
【0138】
針状粒子は、平均アスペクト比が5乃至60になってもよい。前記範囲で、本発明の明暗比と輝度の改善効果を容易に提供することができる。好ましくは、平均アスペクト比は、10乃至50、さらに好ましくは10乃至18になってもよい。ここで、「平均アスペクト比」は、針状マイクロ粒子のそれぞれに対して測定されたアスペクト比の平均値を意味し、前記「アスペクト比」は、針状マイクロ粒子の最大直径に対する長さの比を意味する。
【0139】
針状マイクロ粒子は、マトリックスに比べて屈折率が高くなり得る。これを通じて、本発明の側面明暗比と輝度の改善効果をさらに高めることができる。
【0140】
針状マイクロ粒子とマトリックスとの間の屈折率差は、0.8以下、好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.15乃至0.25になってもよい。前記範囲で、明暗比及び輝度の改善効果をさらに高め、樹脂層の光学特性も改善することができる。
【0141】
針状マイクロ粒子は、屈折率が1.5乃至2.2、好ましくは1.6乃至1.8、さらに好ましくは1.65乃至1.7になってもよい。前記範囲で、下記で説明するマトリックスに対して適正な屈折率を有し、明暗比と視認性の改善を促進することができる。
【0142】
針状マイクロ粒子は、酸化チタン(例:TiO)、酸化ジルコニウム(例:ZrO)、酸化亜鉛(例:ZnO)などの金属酸化物、炭酸カルシウム(CaCO)、ベーマイト(Boehmite)、ホウ酸アルミニウム(例:AlBO)、ケイ酸カルシウム(例:CaSiO、wollastonite)、硫酸マグネシウム(MgSO)、硫酸マグネシウム水和物(例:MgSO・7HO)、チタン酸カリウム(例:KTi17)などの金属化合物、ガラスなどの無機粒子、及び合成樹脂などの有機粒子のうち1種以上で形成された粒子であってもよい。好ましくは、針状マイクロ粒子を炭酸カルシウム(CaCO)で形成することによって、本発明の効果を容易に具現し、製造が容易になり得る。
【0143】
針状マイクロ粒子は、表面改質されていない状態でマトリックス内に含まれてもよい。しかし、表面改質された針状マイクロ粒子は、下記で説明する有機素材のマトリックスとの相溶性及び粒子の分散性をさらに高め、非パターン型明暗比改善層の光学特性を改善することができ、粒子の凝集を防止できるので、本発明の効果を容易に具現することができる。針状マイクロ粒子の全体の表面積のうち50%以上、例えば、60%乃至100%、60%乃至95%が表面改質されてもよい。前記範囲で、相溶性及び分散性の改善効果を得ることができる。
【0144】
一具体例において、針状マイクロ粒子は、シラン系化合物、界面活性剤、及び油脂類(Oil)のうち1種以上で表面改質されてもよい。好ましくは、針状マイクロ粒子は、(メタ)アクリロイルオキシ基又は(メタ)アクリレート基を有するシラン系化合物で表面処理されることによって、下記で説明する活性エネルギー線硬化型組成物で形成されたマトリックスとの相溶性及び分散性が優秀になり得る。
【0145】
(メタ)アクリロイルオキシ基又は(メタ)アクリレート基を有するシラン系化合物は、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、好ましくは、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、及び3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランのうち1種以上を含むことができる。
【0146】
表面改質された針状マイクロ粒子とマトリックスとの間の屈折率差は、0.8以下、好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.15乃至0.25になってもよい。前記範囲で、明暗比及び輝度の改善効果をさらに高め、樹脂層の光学特性も改善することができる。
【0147】
表面改質された針状マイクロ粒子は、屈折率が1.5乃至2.2、好ましくは1.6乃至1.8、さらに好ましくは1.65乃至1.7になってもよい。前記範囲で、マトリックスに対して適正な屈折率を有し、明暗比と視認性の改善を促進することができる。
【0148】
針状マイクロ粒子は、非パターン型明暗比改善層320のうち1重量%乃至30重量%、好ましくは4重量%乃至15重量%で含まれてもよい。前記範囲で、本発明の明暗比と輝度の改善効果を得ることができ、過量が含まれるとヘイズが高くなり得る。
【0149】
光学的異方性物質は、マトリックス内に含浸されて含まれている。
【0150】
マトリックスは、光学的異方性物質を含浸させ、光学的異方性物質が明暗比及び視認性の効果を安定的に提供できるようにする。
【0151】
マトリックスは、光学的異方性物質に比べて屈折率が高くてもよいが、屈折率が低くてもよい。
【0152】
一具体例において、マトリックスは、光学的異方性物質に比べて屈折率が高く、マトリックスは、屈折率が1.5以上、具体的には1.65乃至1.7になってもよい。前記範囲で、上述した屈折率差に容易に到達することができる。
【0153】
他の具体例において、マトリックスは、光学的異方性物質に比べて屈折率が低く、マトリックスは、屈折率が1.2以上、具体的には1.4乃至1.60、さらに具体的には1.43乃至1.59になってもよい。前記範囲で、上述した屈折率差に容易に到達することができる。
【0154】
マトリックスは、接着性又は粘着性を有する接着層又は粘着層になってもよい。この場合、非パターン型明暗比改善層は、偏光子に直接積層され得るので、偏光板の薄型化効果を提供することができる。好ましくは、マトリックスは、減圧粘着剤(PSA)で形成されてもよい。しかし、マトリックスは、接着性又は粘着性を有さない、非接着層又は非粘着層になってもよい。
【0155】
マトリックスは、紫外線硬化型樹脂及び熱硬化型樹脂のうち1種以上を含む組成物で形成されてもよい。例えば、マトリックスは、(メタ)アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、シリコン系、ウレタン(メタ)アクリレート系、エポキシ(メタ)アクリレート系などの樹脂を含む組成物で形成されてもよい。前記組成物は、光開始剤、熱硬化剤、各種添加剤などをさらに含むこともできる。一具体例において、マトリックスは、減圧粘着剤(PSA)で形成されて粘着層になることによって、偏光子に直接積層され得る。
【0156】
光源側偏光板
【0157】
光源側偏光板600は、偏光子、及び偏光子の少なくとも一面に積層された保護層を含むことができる。偏光子は、前記視認側偏光板で説明した偏光子と実質的に同一であってもよい。保護層は、前記視認側偏光板で説明した第1保護層と実質的に同一であってもよい。
【0158】
図1には示していないが、光源側偏光板600と第1光学シート400との間には、輝度を高める反射型プリズム、拡散シートなどがさらに積層されてもよい。
【0159】
以下、本発明の好ましい実施例を通じて、本発明の構成及び作用をさらに詳細に説明する。ただし、下記の実施例は、本発明の理解を促進するためのものであって、本発明の範囲が下記の実施例に限定されることはない。
【実施例0160】
実施例1
【0161】
(1)視認側偏光板の製造
【0162】
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(TA-053、東洋紡株式会社、ヘイズ:0.6%、反射防止層なし)を準備した。前記PETフィルムの下部面に第2樹脂層用組成物を所定の厚さでコーティングすることによってコーティング層を形成し、前記コーティング層に光学パターンと平坦部を印加した後、硬化させることによって第2樹脂層を形成した。第1樹脂層用組成物は、光学パターン及び平坦部を有する第2樹脂層の一面に塗布した後、硬化させることによって第1樹脂層を形成した。その結果、下記の表1の仕様を有するパターン層を形成した。
【0163】
【表1】
【0164】
ポリビニルアルコール系フィルムを60℃で3倍延伸し、ヨウ素を吸着させた後、40℃のホウ酸水溶液で2.5倍延伸することによって偏光子(厚さ:17μm)を製造した。
【0165】
前記製造した偏光子の上部面に前記パターン層を前記偏光子から第1樹脂層及び第2樹脂層の積層順序で合わせ、前記製造した偏光子の下部面に環状オレフィンポリマー(COP)フィルム(日本ゼオン株式会社)を接着させ、PETフィルム-パターン層(第2樹脂層の屈折率:1.62、第1樹脂層の屈折率:1.47)-偏光子-COPフィルムの順に積層された偏光板を製造した。
【0166】
(2)光源側偏光板の製造
【0167】
(1)を参考にして偏光子を製造し、(1)を参考にして、PETフィルム-偏光子-COPフィルムの順に積層された偏光板を製造した。
【0168】
(3)第1光学シートと第2光学シートの製造
【0169】
基材層用フィルムとしてのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(三菱ケミカル株式会社、T910E、厚さ:125μm)の一面に、第1光学シート用組成物又は第2光学シート用組成物を所定の厚さでコーティングした。得られたコーティング層にプリズムパターンを印加して硬化させ、下記の表2の仕様を有する第1光学シート及び第2光学シートを製造した。
【0170】
(4)液晶表示装置用モジュールの製造
液晶層(VA液晶)を有する液晶パネルに視認側偏光板と光源側偏光板を液晶パネルの光出射面と光入射面にそれぞれ合わせ、光源側偏光板の光入射面に第1光学シート及び第2光学シートを順次合わせることによってモジュールを製造した。
【0171】
実施例2乃至実施例8
【0172】
実施例1において、モジュールの各構成を下記の表2のように変更したことを除いては、実施例1と同一の方法でモジュールを製造した。
【0173】
実施例9
【0174】
実施例1において、明暗比改善層として、パターン層の代わりに、下記のように製造された異方性粒子含有層を含ませ、異方性粒子含有層-PETフィルム-偏光子-COPフィルムの順に積層された視認側偏光板を使用したことを除いては、実施例1と同一の方法でモジュールを製造した。
【0175】
異方性粒子含有層の製造
【0176】
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(TA-053、東洋紡株式会社、ヘイズ:0.6%、反射防止層なし)を準備した。
【0177】
酸化亜鉛ワイヤ含有組成物(酸化亜鉛ワイヤのアスペクト比:90、酸化亜鉛ワイヤの直径:0.7μm)をアクリル系減圧粘着剤組成物に混合し、異方性粒子明暗比改善層組成物を製造した。
【0178】
前記組成物を前記PETフィルムの下部面に一方向に塗布して乾燥させ、PETフィルムの下部面に、マトリックス(屈折率:1.47)及び酸化亜鉛ワイヤ(屈折率:2.0)を含有する異方性粒子含有層(屈折率:1.48)を形成した。
【0179】
比較例1
【0180】
実施例1において、視認側偏光板として、明暗比改善層を設けず、PETフィルム-偏光子-COPフィルムの順に積層された偏光板を使用したことを除いては、実施例1と同一の方法でモジュールを製造した。
【0181】
比較例2乃至比較例3
【0182】
実施例1において、角度を変更したことを除いては、実施例1と同一の方法でモジュールを製造した。
【0183】
実施例と比較例で製造したモデルに対して下記の表2の物性を評価し、その結果を下記の表2に示した。
【0184】
(1)左右視野角:EZCONTRAST X88RC(EZXL-176R-F422A4、ELDIM社)を用いて、球面座標系(Φ=0゜、180゜、θ=0゜~88゜)で液晶表示装置の白色モード(white mode、255階調の輝度)の輝度値を測定した。Φ=0゜(右)、Φ=180゜(左)でそれぞれ正面輝度の50%以上が維持されるθ角度を合わせ、50%の視野角を計算した。視野角が80゜以上である場合は◎、70゜以上80゜未満である場合は○、70゜未満である場合はXと評価した。
【0185】
(2)ブラック視感:EZCONTRAST X88RC(EZXL-176R-F422A4、ELDIM社)を用いて、球面座標系の正面(Φ=0゜、θ=0゜)と側面(Φ=0゜、θ=60゜)でそれぞれ白色モード(white mode、255階調の輝度)と黒色モード(black mode、0階調の輝度)の輝度値を測定した。正面明暗比及び側面明暗比は、それぞれ正面明暗比=(白色モードの正面輝度値)/(黒色モードの正面輝度値)、側面明暗比=(白色モードの側面輝度値)/(黒色モードの側面輝度値)を計算して得ることができ、正面明暗比×側面明暗比でブラック視感を評価した。ブラック視感が2.0×10以上である場合は◎、1.0×10以上2.0×10未満である場合は○、1.0×10未満である場合はXと評価した。
【0186】
【表2】
【0187】
表2において、角度(A)は液晶パネルの垂直方向に対して第1光学パターンの長さ方向がなす角度である。角度(B)は液晶パネルの垂直方向に対して第2光学パターンの長さ方向がなす角度である。角度(C)は液晶パネルの垂直方向に対して陰刻の光学パターンの長さ方向又は光学的異方性粒子の配向方向がなす角度である。角度(D)は視認側偏光子の光吸収軸に対して第1光学パターンの長さ方向がなす角度である。
【0188】
前記表2に示すように、本発明の液晶表示装置は、「暗い」駆動状態でブラック視感及び外観を改善し、「明るい」駆動状態で側面視野角、特に左右視野角を良好にすることができる。
【0189】
その一方で、本発明を逸脱する比較例の液晶表示装置は、左右視野角が良好でないか、ブラック視感が不足するので、視認性が良好でなかった。
【0190】
本発明の単純な変形及び変更は、この分野で通常の知識を有する者によって容易に実施可能であり、このような変形や変更は、いずれも本発明の領域に含まれるものと見なすことができる。
図1
図2
図3
図4
図5