(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125723
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】電子部品内蔵基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20230831BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20230831BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
H01L23/12 Z
H05K3/46 Q
H05K3/34 501E
H01L23/12 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022029985
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】羽鳥 行範
(72)【発明者】
【氏名】栗原 孝
(72)【発明者】
【氏名】大井 淳
【テーマコード(参考)】
5E316
5E319
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA12
5E316AA15
5E316BB16
5E316CC04
5E316CC05
5E316CC09
5E316CC32
5E316DD03
5E316EE43
5E316GG28
5E316HH40
5E316JJ12
5E316JJ23
5E316JJ27
5E319AA03
5E319AB05
5E319AC02
5E319CC34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】第1基板と電子部品との接合強度を向上した電子部品内蔵基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】電子部品内蔵基板は、第1基板30、第1基板上の実装電子部品50、電子部品を挟み第1基板とは反対側に設けられ、基板接続部材20を介して第1基板に接続された第2基板10、基板間に充填され、電子部品を被覆し、電子部品と第1基板との間にも充填されたモールド樹脂60を有する。第1基板は、電子部品側に、接合部40を介し電子部品の電極52と接合される複数のパッド34qと、開口部35xを備えた保護絶縁層35と、を有する。複数のパッドは、平面視で、4隅部を含む最外周の最外周パッドと、最外周パッドに囲まれた領域の内側パッドと、を含む。最外周パッドのうち、4隅部配置最外周パッドは、保護絶縁層と離隔した状態で開口部内に露出している。内側パッドは、外周部が保護絶縁層に被覆され、上面の一部が開口部内に露出している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板上に実装された電子部品と、
前記電子部品を挟んで前記第1基板とは反対側に設けられ、基板接続部材を介して前記第1基板に接続された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に充填され、前記電子部品を被覆すると共に、前記電子部品と前記第1基板との間にも充填された封止樹脂と、を有し、
前記第1基板は、前記電子部品側に、接合部を介して前記電子部品の電極と接合される複数のパッドと、開口部を備えた保護絶縁層と、を有し、
複数の前記パッドは、
平面視で、4つの隅部を含む最外周に、互いに離隔して配置された最外周パッドと、
前記最外周パッドに囲まれた領域に互いに離隔して配置された内側パッドと、を含み、
前記最外周パッドのうち、4つの前記隅部に配置された前記最外周パッドは、前記保護絶縁層と離隔した状態で前記開口部内に露出しており、
前記内側パッドは、外周部が前記保護絶縁層に被覆され、上面の一部が前記開口部内に露出している、電子部品内蔵基板。
【請求項2】
4つの前記隅部以外に配置された前記最外周パッドのうち、少なくとも1つの前記最外周パッドは、前記保護絶縁層と離隔した状態で、前記開口部内に露出している、請求項1に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項3】
すべての前記最外周パッドは、前記保護絶縁層と離隔した状態で、前記開口部内に露出している、請求項2に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項4】
前記保護絶縁層と離隔した状態で前記開口部内に露出する前記最外周パッドの上面及び側面は、前記接合部と接している、請求項1乃至3の何れか一項に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項5】
前記保護絶縁層と離隔した状態で前記開口部内に露出している前記最外周パッドの上面の面積は、前記内側パッドの上面の面積よりも小さい、請求項1乃至4の何れか一項に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項6】
複数の第1パッドと、第2パッドと、各々の前記第1パッド及び前記第2パッドの少なくとも一部分を露出する開口部を備えた保護絶縁層と、を有する第1基板を準備し、接合部を介して電子部品の電極が前記第1パッドと接合されるように、前記第1基板上に前記電子部品を実装する工程と、
前記第2パッドと対応する位置に基板接続部材が来るように配置し、前記第1基板上に前記電子部品を挟んで第2基板を積層し、前記第1基板と前記第2基板とを前記基板接続部材を介して電気的に接続する工程と、
前記第1基板と前記第2基板との間に、封止樹脂を充填する工程と、を有し、
前記封止樹脂を充填する工程では、前記封止樹脂は、前記電子部品を被覆すると共に、前記電子部品と前記第1基板との間にも充填され、
前記第1基板と前記第2基板とを接続する工程では、ヒータを内蔵する第1金型とヒータを内蔵する第2金型との間に、前記第1基板と前記第2基板の積層体を保持すると共に、前記積層体を加圧した状態で、前記第1金型及び前記第2金型をヒータで加熱し、前記基板接続部材と前記第2パッドとを接合し、
複数の前記第1パッドは、
平面視で、4つの隅部を含む最外周に、互いに離隔して配置された最外周パッドと、
前記最外周パッドに囲まれた領域に互いに離隔して配置された内側パッドと、を含み、
前記最外周パッドのうち、4つの前記隅部に配置された前記最外周パッドは、前記保護絶縁層と離隔した状態で前記開口部内に露出しており、
前記内側パッドは、外周部が前記保護絶縁層に被覆され、上面の一部が前記開口部内に露出している、電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項7】
4つの前記隅部以外に配置された前記最外周パッドのうち、少なくとも1つの前記最外周パッドは、前記保護絶縁層と離隔した状態で、前記開口部内に露出している、請求項6に記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項8】
すべての前記最外周パッドは、前記保護絶縁層と離隔した状態で、前記開口部内に露出している、請求項7に記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項9】
前記保護絶縁層と離隔した状態で前記開口部内に露出する前記最外周パッドの上面及び側面は、前記接合部と接している、請求項6乃至8の何れか一項に記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項10】
前記保護絶縁層と離隔した状態で前記開口部内に露出している前記最外周パッドの上面の面積は、前記内側パッドの上面の面積よりも小さい、請求項6乃至9の何れか一項に記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品内蔵基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第1基板と、第1基板と対向する第2基板と、第1基板と第2基板の間に介在して第1基板と第2基板との間で信号を伝送する基板接続部材と、基板接続部材が介在する第1基板と第2基板の間を封止する樹脂充填材とを備え、第1基板上に半導体チップ等の電子部品を実装した電子部品内蔵基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような電子部品内蔵基板の製造工程では、第1基板に電子部品を実装した後、基板接続部材を介して第1基板と第2基板とを接合する。第1基板と第2基板とを接合する際は、これらを所定温度に加熱するため、電子部品と第1基板との接合部に熱ストレスがかかり、接合部が破断するおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、第1基板と電子部品との接合強度を向上した電子部品内蔵基板を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本電子部品内蔵基板は、第1基板と、前記第1基板上に実装された電子部品と、前記電子部品を挟んで前記第1基板とは反対側に設けられ、基板接続部材を介して前記第1基板に接続された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に充填され、前記電子部品を被覆すると共に、前記電子部品と前記第1基板との間にも充填された封止樹脂と、を有し、前記第1基板は、前記電子部品側に、接合部を介して前記電子部品の電極と接合される複数のパッドと、開口部を備えた保護絶縁層と、を有し、複数の前記パッドは、平面視で、4つの隅部を含む最外周に、互いに離隔して配置された最外周パッドと、前記最外周パッドに囲まれた領域に互いに離隔して配置された内側パッドと、を含み、前記最外周パッドのうち、4つの前記隅部に配置された前記最外周パッドは、前記保護絶縁層と離隔した状態で前記開口部内に露出しており、前記内側パッドは、外周部が前記保護絶縁層に被覆され、上面の一部が前記開口部内に露出している。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、第1基板と電子部品との接合強度を向上した電子部品内蔵基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る電子部品内蔵基板を例示する断面図である。
【
図2】
図1の半導体チップ近傍の部分拡大図である。
【
図3】第1実施形態に係る電子部品内蔵基板の製造工程を例示する図(その1)である。
【
図4】第1実施形態に係る電子部品内蔵基板の製造工程を例示する図(その2)である。
【
図5】第1実施形態に係る電子部品内蔵基板の製造工程を例示する図(その3)である。
【
図6】第1実施形態の変形例1に係る電子部品内蔵基板の半導体チップ近傍の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
〈第1実施形態〉
[電子部品内蔵基板の構造]
まず、第1実施形態に係る電子部品内蔵基板の構造について説明する。
図1は、第1実施形態に係る電子部品内蔵基板を例示する断面図である。
【0011】
図1を参照すると、電子部品内蔵基板1は、基板10と、基板接続部材20と、基板30と、接合部40と、半導体チップ50と、モールド樹脂60とを有する。電子部品内蔵基板1において、基板30上に半導体チップ50が実装され、半導体チップ50を挟んで基板30とは反対側に基板10が設けられ、基板10は基板接続部材20を介して基板30に接続されている。基板30は本発明に係る第1基板の代表的な一例であり、基板10は本発明に係る第2基板の代表的な一例である。
【0012】
なお、本実施形態では、便宜上、
図1における電子部品内蔵基板1のソルダーレジスト層13側を上側又は一方の側、ソルダーレジスト層37側を下側又は他方の側とする。また、各部位のソルダーレジスト層13側の面を一方の面又は上面、ソルダーレジスト層37側の面を他方の面又は下面とする。但し、電子部品内蔵基板1は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。また、平面視とは対象物をソルダーレジスト層13の一方の面の法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物をソルダーレジスト層13の一方の面の法線方向から視た形状を指すものとする。なお、電子部品内蔵基板1を
図1とは上下反転して図示する場合には、上面と下面の定義は図面の表示に合わせて上記とは反対になる。
【0013】
基板10は、絶縁層11と、配線層12と、ソルダーレジスト層13と、配線層14と、ソルダーレジスト層15とを有する。
【0014】
基板10において、絶縁層11としては、例えば、ガラスクロスにエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を含浸させた所謂ガラスエポキシ基板等を用いることができる。絶縁層11として、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の織布や不織布にエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を含浸させた基板等を用いてもよい。絶縁層11の厚さは、例えば、60~200μm程度とすることができる。なお、各図において、ガラスクロス等の図示は省略されている。
【0015】
配線層12は、絶縁層11の一方の側に形成されている。配線層12は、絶縁層11を介して、配線層14と電気的に接続されている。配線層12は、絶縁層11を貫通し配線層14の一方の面を露出するビアホール11x内に充填されたビア配線、及び絶縁層11の一方の面に形成された配線パターンを含んで構成されている。
【0016】
ビアホール11xは、ソルダーレジスト層13側に開口されている開口部の径が配線層14の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大となる逆円錐台状の凹部とされている。ビアホール11xの開口部の径は、例えば50μm程度とすることができる。配線層12の材料としては、例えば、銅(Cu)等を用いることができる。配線層12を構成する配線パターンの厚さは、例えば、10~20μm程度とすることができる。
【0017】
ソルダーレジスト層13は、絶縁層11の一方の面に、配線層12を覆うように形成されている。ソルダーレジスト層13は、例えば、感光性樹脂等から形成できる。ソルダーレジスト層13の厚さは、例えば15~35μm程度とすることができる。ソルダーレジスト層13は、開口部13xを有し、開口部13x内には配線層12の一部が露出している。開口部13x内に露出する配線層12は、パッド12pを構成している。パッド12pは、半導体チップや半導体パッケージ等の電子部品(図示せず)と電気的に接続されるパッドとして機能する。
【0018】
ソルダーレジスト層13は、パッド12pを完全に露出するように設けてもよい。この場合、パッド12pの側面と開口部13xの内壁面とが接するようにソルダーレジスト層13を設けてもよいし、パッド12pの側面と開口部13xの内壁面との間に隙間ができるようにソルダーレジスト層13を設けてもよい。
【0019】
必要に応じ、パッド12pの一方の面に金属層を形成したり、OSP(Organic Solderability Preservative)処理等の酸化防止処理を施したりしてもよい。金属層の例としては、Au層や、Ni/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)、Ni/Pd/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)等を挙げることができる。又、パッド12pの一方の面に、はんだボール等の外部接続端子を形成してもよい。
【0020】
配線層14は、絶縁層11の他方の面に形成されている。配線層14の一方の面は、配線層12のビアホール11x内に充填されたビア配線の下端部と接して導通している。配線層14の材料や厚さは、例えば、配線層12を構成する配線パターンと同様とすることができる。
【0021】
ソルダーレジスト層15は、絶縁層11の他方の面に、配線層14を覆うように形成されている。ソルダーレジスト層15の材料や厚さは、例えば、ソルダーレジスト層13と同様とすることができる。ソルダーレジスト層15は、開口部15xを有し、開口部15x内には配線層14の一部が露出している。開口部15x内に露出する配線層14は、パッド14pを構成している。パッド14pは、基板接続部材20と電気的に接続されるパッドとして機能する。必要に応じ、パッド14pの他方の面に、前述の金属層を形成したり、OSP処理等の酸化防止処理を施したりしてもよい。
【0022】
基板30は、絶縁層31と、配線層32と、絶縁層33と、配線層34と、ソルダーレジスト層35と、配線層36と、ソルダーレジスト層37とを有する。
【0023】
基板30において、絶縁層31の材料や厚さは、例えば、絶縁層11と同様とすることができる。配線層32は、絶縁層31の一方の面に形成されている。配線層32の材料や厚さは、例えば、配線層12を構成する配線パターンと同様とすることができる。
【0024】
絶縁層33は、絶縁層31の一方の面に配線層32を覆うように形成されている。絶縁層33の材料としては、例えば、熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を用いることができる。絶縁層33は、シリカ(SiO2)等のフィラーを含有してもかまわない。絶縁層33の厚さは、例えば15~35μm程度とすることができる。
【0025】
配線層34は、絶縁層33の一方の側に形成されている。配線層34は、絶縁層33を貫通し配線層32の一方の面を露出するビアホール33x内に充填されたビア配線、及び絶縁層33の一方の面に形成された配線パターンを含んで構成されている。
【0026】
ビアホール33xは、ソルダーレジスト層35側に開口されていると共に、配線層32の一方の面によって底面が形成された、開口部の面積が底面の面積よりも大となる逆円錐台状の凹部である。配線層34の材料や配線層34を構成する配線パターンの厚さは、例えば、配線層12と同様とすることができる。
【0027】
ソルダーレジスト層35は、絶縁層33の一方の面に、配線層34を覆うように形成されている保護絶縁層である。ソルダーレジスト層35の材料や厚さは、例えば、ソルダーレジスト層13と同様とすることができる。ソルダーレジスト層35は、開口部35xを備え、開口部35x内には配線層34の一部が露出している。開口部35x内に露出する配線層34は、パッド34p及び34qを構成している。
【0028】
パッド34pは、基板接続部材20と接合されるパッドとして機能する。パッド34qは、接合部40を介して半導体チップ50の電極52と接合されるパッドとして機能する。基板30の半導体チップ50側に、複数のパッド34qが形成されている。なお、基板接続部材20と電気的に接続されるパッド34pと、半導体チップ50と電気的に接続されるパッド34qの開口径は、独立に設定できる。必要に応じ、パッド34p及び34qの一方の面に、前述の金属層を形成したり、OSP処理等の酸化防止処理を施したりしてもよい。
【0029】
配線層36は、絶縁層31の他方の側に形成されている。配線層36は、絶縁層31を貫通し配線層32の他方の面を露出するビアホール31x内に充填されたビア配線、及び絶縁層31の他方の面に形成された配線パターンを含んで構成されている。
【0030】
ビアホール31xは、ソルダーレジスト層37側に開口されていると共に、配線層32の他方の面によって底面が形成された、開口部の面積が底面の面積よりも大となる円錐台状の凹部である。配線層36のビアホール31x内に充填されたビア配線の上端部は、配線層32の他方の面と接して導通している。配線層36の材料や配線層36を構成する配線パターンの厚さは、例えば、配線層12と同様とすることができる。
【0031】
ソルダーレジスト層37は、絶縁層11の他方の面に、配線層36を覆うように形成されている。ソルダーレジスト層37の材料や厚さは、例えば、ソルダーレジスト層13と同様とすることができる。ソルダーレジスト層37は、開口部37xを有し、開口部37x内には配線層36の一部が露出している。開口部37x内に露出する配線層36は、パッド36pを構成している。パッド36pは、マザーボード等の実装基板等(図示せず)と電気的に接続されるパッドとして機能する。パッド36pの他方の面に、はんだボール等の外部接続端子を形成してもよい。必要に応じ、パッド36pの他方の面に、前述の金属層を形成したり、OSP処理等の酸化防止処理を施したりしてもよい。
【0032】
基板30の一方の面には、半導体チップ50がフェイスダウン状態で(回路形成面を基板30の一方の面に向けて)フリップチップ実装されている。より詳しくは、半導体チップ50は、半導体集積回路を備えたチップ本体51と、接続端子である電極52とを有し、半導体チップ50の電極52が接合部40を介して基板30のパッド34qと電気的に接続されている。電極52としては、例えば、金バンプやはんだバンプ、先端にはんだの付いた銅ポスト等を用いることができる。接合部40としては、前記のはんだ材料も同様に、例えば、Pbを含む合金、SnとCuの合金、SnとSbの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等のはんだ材料を用いることができる。基板30と半導体チップ50との接続については、別途詳説する。
【0033】
なお、半導体チップに代えて、半導体チップに再配線を形成した所謂CSP(chip size package)を内蔵或いは混在しても良い。また加えて、キャパシタ、インダクタ、抵抗等の受動素子を混在しても良い。
【0034】
基板接続部材20は、基板10のパッド14pと、基板30のパッド34pとの間に配置されている。基板接続部材20は、基板10と基板30とを電気的に接続すると共に、基板10と基板30との間に所定の間隔を確保する機能を有する。
【0035】
本実施形態では、一例として、基板接続部材20としてコア付きのはんだボールを用いている。基板接続部材20は、略球状のコア21及びコア21の外周面を被覆する導電材料22を備えており、コア21がパッド14p及びパッド34pと接するように配置されている。基板10及び基板30に接合する前のコア21の直径は、例えば、100μm~300μm程度することができ、200μm程度とすることが好ましい。基板10及び基板30に接合する前の導電材料22を含めた基板接続部材20全体の直径は、例えば、150μm~350μm程度することができ、250μm程度とすることが好ましい。
【0036】
コア21としては、例えば、銅等の金属からなる金属コアや樹脂からなる樹脂コア等を用いることができる。導電材料22としては、例えば、Pbを含む合金、SnとCuの合金、SnとSbの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等のはんだ材料を用いることができる。コア21の直径は、半導体チップ50及び樹脂フィルム55の高さ(厚さ)を考慮して決定することができる。
【0037】
なお、基板接続部材20は、コア21及びコア21の外周面を被覆する導電材料22を備えたコア付きのはんだボールには限定されず、例えば、コアを有していない、はんだボール等を用いてもかまわない。コアを有していない、はんだボール等を用いた場合には、電子部品内蔵基板1の製造時に、所定の治具を用いて、基板10と基板30との間隔を制御できる。又、基板接続部材20として、銅ポスト等の金属ポストや金バンプ等の金属バンプを用いてもかまわない。内蔵部品の厚さが厚くなる場合は、設計効率上、金属ポストを用いる。金属ポストの直径と高さは内蔵する部品の厚さにより決定する。金属ポストの搭載方法にもよるが、例えば、金属ポストの高さ(L)と径(D)の比率は1.2~2.0程度が好ましい。例えば、金属ポストの高さを500μmで設計する場合、金属ポストの径は、350μm程度とすることが好ましい。
【0038】
なお、
図1では、基板接続部材20は簡略化して図示されているが、実際には、複数列の基板接続部材20が、例えば、ペリフェラル状に配置されている。基板10と基板30とが平面視において矩形状である場合に、基板の周縁に基板接続部材20が、例えば、ペリフェラル状に設けられる。例えば、基板接続部材20の直径が150μm程度である場合、基板接続部材20のピッチは200μm程度とすることができる。
【0039】
モールド樹脂60は、基板10と基板30の夫々の対向する面の間に充填され、基板接続部材20及び半導体チップ50を被覆する封止樹脂である。モールド樹脂60は、半導体チップ50を被覆すると共に、半導体チップ50と基板30との間にも充填され、接合部40及び電極52を被覆している。モールド樹脂60としては、例えば、フィラーを含有した熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を用いることができる。
【0040】
ここで、基板30と半導体チップ50との接続について詳説する。
図2は、
図1の半導体チップ近傍の部分拡大図であり、
図2(a)は断面図(
図2(b)のA-A断面)、
図2(b)は平面図である。ただし、
図2では、説明に必要な部分のみを図示している。
【0041】
図2(b)に示すように、基板30において、半導体チップ50と接続される複数のパッド34qは略矩形状の領域にエリアアレイ状に配置されている。具体的には、複数のパッド34qは、平面視で、4つの隅部を含む最外周に、互いに離隔して配置された最外周パッドと、最外周パッドに囲まれた領域に互いに離隔して配置された内側パッドとを含む。
【0042】
図2(b)の例では、4行×4列の計16個のパッド34qが略等間隔に配置されている。この場合、最外周に配置された12個のパッド34qが最外周パッドであり、内側の4個のパッド34qが内側パッドである。ただし、
図2(b)は一例であり、パッド34qの個数や配置は、搭載される半導体チップの仕様に応じて適宜決定される。また、パッド34qの配置はエリアアレイ状には限定されず、例えば、複数列にペリフェラル状に配置されてもよい。
【0043】
本実施形態では、複数のパッド34qに含まれる最外周パッドのうち、4つの隅部に配置された最外周パッドは、NSMD(Non Solder Mask Defined)構造である。すなわち、4つの隅部に配置された最外周パッドは、ソルダーレジスト層35と離隔した状態で開口部35x内に露出している。言い換えれば、4つの隅部に配置された最外周パッドの側面と、ソルダーレジスト層35の開口部35xの内壁面との間に隙間が形成されており、両者は接触していない。
【0044】
これに対して、複数のパッド34qに含まれる内側パッドは、すべてSMD(Solder Mask Defined)構造である。すなわち、内側パッドは、外周部がソルダーレジスト層35に被覆され、上面の一部が開口部35x内に露出している。なお、複数のパッド34qに含まれる最外周パッドのうち、4つの隅部以外に配置された最外周パッドは、NSMD構造であってもSMD構造であってもよいが、本実施形態では一例としてSMD構造としている。
【0045】
図2(a)に示すように、SMD構造のパッド34qに接合された接合部40の幅は、NSMD構造のパッド34qに接合された接合部40の幅よりも狭い。そのため、SMD構造のパッド34qは、隣接する接合部40同士が短絡しにくく、ファインピッチ化に適している。しかし、SMD構造のパッド34qは、外周部がソルダーレジスト層35に被覆されているため、開口部35xから露出するパッド34qの上面の面積を確保するために、NSMD構造のパッド34qよりも上面の面積を大きくする必要がある。言い換えれば、開口部35xから全体が露出するNSMD構造のパッド34qの上面の面積は、SMD構造のパッド34qの上面の面積よりも小さくすることができる。
【0046】
また、
図2(a)に示すように、NSMD構造のパッド34qは、上面及び側面が接合部40と接合している。そのため、パッド34qの上面のみが接合部40と接合するSMD構造よりも、パッド34qと接合部40との接合強度を高くすることができる。
【0047】
ところで、詳細については後述するが、基板10と基板30とを接合する工程では、パッド34qと接合部40との接続部分に熱ストレスがかかる。特に、4つの隅部のパッド34qと接合部40との接続部分に大きな熱ストレスがかかり、接合部40が破断するおそれがある。ここで、破断とは、例えば、接合部40にクラックが発生することや、パッド34qと接合部40とが剥離することである。
【0048】
そこで、本実施形態では、4つの隅部のパッド34qをNSMD構造とし、その他のパッド34qをSMD構造とすることにより、SMD構造のパッド34qの利点を残しつつ、NSMD構造の4つの隅部のパッド34qと接合部40との接合強度を高くしている。その結果、4つの隅部のパッド34qと接合される接合部40の破断を抑制し、基板30と半導体チップ50との接続信頼性を向上することができる。
【0049】
このように、熱ストレスがかかりやすい位置に配置されるパッド34qをNSMD構造とすることにより、基板30と半導体チップ50との接合強度を向上した電子部品内蔵基板1を実現することができる。
【0050】
[電子部品内蔵基板の製造方法]
次に、第1実施形態に係る電子部品内蔵基板の製造方法について説明する。
図3~
図5は、第1実施形態に係る電子部品内蔵基板の製造工程を例示する図である。
【0051】
まず、
図3(a)に示す工程では、基板10を作製し、基板10のパッド14p上に基板接続部材20を搭載する。具体的には、前述のような所謂ガラスエポキシ基板等を用いた絶縁層11を準備し、絶縁層11の他方の面に配線層14を形成する。次に、絶縁層11に配線層14の一方の面を露出するビアホール11xを形成し、更に絶縁層11の一方の面に配線層12を形成する。配線層12と配線層14とは、絶縁層11を介して、電気的に接続される。
【0052】
ビアホール11xを形成後、デスミア処理を行い、ビアホール11xの底部に露出する配線層14の表面に付着した樹脂残渣を除去することが好ましい。ビアホール11xは、例えば、CO2レーザ等を用いたレーザ加工法により形成できる。配線層12及び14は、セミアディティブ法やサブトラクティブ法等の各種の配線形成方法を用いて形成できる。例えば、銅めっき等で配線層12及び14を形成できる。
【0053】
次に、絶縁層11の一方の面に配線層12を被覆するソルダーレジスト層13を、絶縁層11の他方の面に配線層14を被覆するソルダーレジスト層15を形成する。ソルダーレジスト層13は、例えば、液状又はペースト状の感光性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を、配線層12を被覆するように絶縁層11の一方の面にスクリーン印刷法、ロールコート法、又は、スピンコート法等で塗布することにより形成できる。
【0054】
同様に、ソルダーレジスト層15は、例えば、液状又はペースト状の感光性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を、配線層14を被覆するように絶縁層11の他方の面に同様の方法で塗布することにより形成できる。或いは、液状又はペースト状の樹脂の塗布に代えて、例えば、フィルム状の感光性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂をラミネートしてもよい。
【0055】
そして、塗布又はラミネートした絶縁性樹脂を露光及び現像することでソルダーレジスト層13及び15に開口部13x及び15xを形成し、パッド12p及び14pを形成する(フォトリソグラフィ法)。これにより、基板10が完成する。なお、開口部13x及び15xは、レーザ加工法やブラスト処理により形成してもよい。開口部13x及び15xの各々の平面形状は、例えば、円形状とすることができる。開口部13x及び15xの各々の直径は、接続対象に合わせて任意に設計できる。
【0056】
次に、基板10のソルダーレジスト層15の開口部15x内に露出するパッド14p上に基板接続部材20を載置する。そして、所定の温度に加熱し、基板接続部材20を構成する導電材料22を溶融させ、その後硬化させて、パッド14pと接合する。基板接続部材20を構成するコア21の一部は、パッド14pと接する。なお、基板接続部材20は、例えば、ペリフェラル状に配置される。
【0057】
次に、
図3(b)に示す工程では、パッド34pと、複数のパッド34qと、パッド34p及び各々のパッド34qの少なくとも一部分を露出する開口部35xを備えたソルダーレジスト層35とを有する基板30を準備する。具体的には、前述のような所謂ガラスエポキシ基板等を用いた絶縁層31を準備し、絶縁層31の一方の面に配線層32を形成する。次に、絶縁層31に配線層32の他方の面を露出するビアホール31xを形成し、更に絶縁層31の他方の面に配線層36を形成する。配線層32と配線層36とは、絶縁層31を介して、電気的に接続される。
【0058】
ビアホール31xを形成後、デスミア処理を行い、ビアホール31xの底部に露出する配線層32の表面に付着した樹脂残渣を除去することが好ましい。ビアホール31xは、例えば、CO2レーザ等を用いたレーザ加工法により形成できる。配線層32及び36は、セミアディティブ法やサブトラクティブ法等の各種の配線形成方法を用いて形成できる。
【0059】
次に、絶縁層31の一方の面に配線層32を覆うように熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂フィルムをラミネートし、絶縁層33を形成する。或いは、熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂フィルムのラミネートに代えて、液状又はペースト状の熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を塗布後、硬化させて絶縁層33を形成してもよい。
【0060】
次に、絶縁層33に、絶縁層33を貫通し配線層32の一方の面を露出させるビアホール33xを形成する。ビアホール33xは、例えば、CO2レーザ等を用いたレーザ加工法により形成できる。ビアホール33xを形成後、デスミア処理を行い、ビアホール33xの底部に露出する配線層32の表面に付着した樹脂残渣を除去することが好ましい。
【0061】
次に、絶縁層33の一方の側に配線層34を形成する。配線層34は、ビアホール33x内に充填されたビア配線、及び絶縁層33の一方の面に形成された配線パターンを含んで構成される。配線層34は、ビアホール33xの底部に露出した配線層32と電気的に接続される。配線層34は、セミアディティブ法やサブトラクティブ法等の各種の配線形成方法を用いて形成できる。
【0062】
次に、基板10のソルダーレジスト層13等と同様にして、絶縁層33の一方の面に配線層34を被覆するソルダーレジスト層35を、絶縁層31の他方の面に配線層36を被覆するソルダーレジスト層37を形成する。そして、基板10の開口部13x等と同様にして、ソルダーレジスト層35及び37に開口部35x及び37xを形成し、パッド34p及び36pを形成する(フォトリソグラフィ法)。これにより、基板30が完成する。
【0063】
次に、
図3(c)に示す工程では、接合部40を介して半導体チップ50の電極52がパッド34qと接合されるように、基板30上に半導体チップ50を実装する。具体的には、まず、基板30のパッド34qに接合部40を形成する。例えば、パッド34q上に、ペースト状のはんだ材料を塗布して接合部40を形成する。そして、半導体集積回路を備えたチップ本体51の回路形成面側に電極52が形成された半導体チップ50を準備し、例えば、半導体チップ50の背面をピックアップ治具の下面に装着する。そして、下面に半導体チップ50を装着したピックアップ治具を基板30の上部に移動させ、半導体チップ50の電極52と接合部40とを位置合わせし、基板30上に半導体チップ50を配置する。ピックアップ治具を半導体チップ50から取り外した後、リフロー等により接合部40を加熱して溶融し、その後凝固させる。これにより、半導体チップ50の電極52は、接合部40を介して、基板30のパッド34qと電気的に接続される。
【0064】
次に、
図4(a)から
図5(a)に示す工程では、基板接続部材20がパッド34pと対応する位置に来るように基板30上に半導体チップ50を挟んで基板10を積層し、基板10と基板30とを基板接続部材20を介して電気的に接続する。具体的には、まず、
図4(a)に示すように、ヒータを内蔵する第1金型510上に半導体チップ50を搭載した基板30を載置する。次に、
図4(b)に示すように、ヒータを内蔵する第2金型520上に基板接続部材20を搭載した基板10を搭載した後、上下を反転させて、第1金型510上に載置された基板30と位置合わせする。
【0065】
次に、
図5(a)に示すように、TCB(Thermal Compression Bonding)法により、基板10と基板30とを接合する。まず、第1金型510と第2金型520との間隔を調整し、第1金型510と第2金型520との間に基板10と基板30の積層体を保持すると共に、基板10を基板30側に所定の圧力で加圧し、積層体を加圧する。そして、積層体を加圧した状態で、第1金型510及び第2金型520をヒータで加熱する。これにより、第1金型510からの熱が基板10を介して基板接続部材20に伝わると共に、第2金型520からの熱が基板30を介して基板接続部材20に伝わり、基板接続部材20の導電材料22が溶融する。なお、ヒータによる加熱温度は、導電材料22が溶融する温度以上であればよく、例えば、250℃程度とすることができる。
【0066】
その後、導電材料22が凝固することにより、基板接続部材20を構成するコア21の上側は基板10のパッド14pと接合され、下側は基板30のパッド34pと接合される。すなわち、基板10と基板30とが基板接続部材20を介して電気的に接続される。又、基板接続部材20のコア21により、基板10と基板30との間に所定の間隔が確保される。この工程では、第1金型510と第2金型520により基板10を基板30側に加圧しているため、加熱により基板10や基板30が膨張しても、基板10と基板30との間隔がずれることを抑制できる。その結果、基板10と基板30との間隔をコア21で決まる所望の値にした状態で両者を接合できる。
【0067】
次に、
図5(b)に示す工程では、基板接続部材20及び半導体チップ50を封止するように、基板10と基板30との間にモールド樹脂60を充填する。モールド樹脂60は、半導体チップ50を被覆すると共に、半導体チップ50と基板30との間にも充填され、接合部40及び電極52を被覆する。モールド樹脂60としては、例えば、フィラーを含有した熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を用いることができる。モールド樹脂60は、例えば、封止金型を用いたトランスファーモールド法により形成できる。
【0068】
このように、モールド樹脂60を半導体チップ50と基板30との間にも充填することにより、別途の工程を設けて半導体チップ50と基板30との間にアンダーフィル樹脂等を充填しなくてよいため、電子部品内蔵基板1の製造工程を簡略化できる。
【0069】
以上の工程で、電子部品内蔵基板1が完成する。必要に応じ、パッド36pにはんだボール等の外部接続端子を形成してもよい。
【0070】
ところで、
図5(a)に示す工程(TCB工程)において、第1金型510と第2金型520により基板10及び30を加熱するため、基板10及び30は熱膨張する。一方、このときの熱は、半導体チップ50までは伝わりにくいため、接合部40の半導体チップ50は熱膨張せず基板30側のみが熱膨張する。また、接合部40の近傍は基板10と基板30との間に露出しており、この時点では樹脂等の保護材により保護されていない。そのため、パッド34qと接合部40との接続部分に大きな熱ストレスがかかる。外周部に配置されたパッド34qと接合部40との接続部分に大きな熱ストレスがかかり、特に4つの隅部のパッド34qと接合部40との接続部分に大きな熱ストレスがかかる。しかし、基板30では4つの隅部のパッド34qをNSMD構造としてパッド34qと接合部40との接合強度を高くしているため、接合部40が破断することなく、基板30と半導体チップ50との高い信頼性で接合することができる。
【0071】
〈第1実施形態の変形例1〉
第1実施形態の変形例1では、NSMD構造のパッドの配置が第1実施形態とは異なる例を示す。なお、第1実施形態の変形例1において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0072】
図6は、第1実施形態の変形例1に係る電子部品内蔵基板の半導体チップ近傍の部分拡大図であり、
図6(a)は断面図(
図6(b)のB-B断面)、
図6(b)は平面図である。ただし、
図6では、説明に必要な部分のみを図示している。
【0073】
図6を参照すると、第1実施形態の変形例1に係る電子部品内蔵基板では、すべての最外周パッドは、NSMD構造である。
図5(a)に示す工程(TCB工程)では、特に4つの隅部のパッド34qと接合部40との接続部分に大きな熱ストレスがかかるが、4つの隅部以外の最外周に位置するパッド34qと接合部40との接続部分にも比較的大きな熱ストレスがかかる。そのため、最外周に位置するパッド34qのすべてをNSMD構造とすることにより、基板30と半導体チップ50とをより高い信頼性で接合することができる。
【0074】
なお、必ずしも、すべての最外周パッドをNSMD構造にしなくてもよく、4つの隅部以外に配置された最外周パッドのうち、少なくとも1つの最外周パッドをNSMD構造にしてもよい。この場合も、基板30と半導体チップ50とをより高い信頼性で接合することができる。
【0075】
以上、好ましい実施形態及びその変形例について詳説したが、上述した実施形態及びその変形例に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態及びその変形例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0076】
例えば、第1基板や第2基板として、より多層の配線層や絶縁層が形成されたビルドアップ基板等を用いてもかまわない。その際、コアレスのビルドアップ基板を用いてもかまわないし、コア有のビルドアップ基板を用いてもかまわない。また、第1基板として、リードフレームを用いてもかまわない。
【符号の説明】
【0077】
1 電子部品内蔵基板
10、30 基板
11、31、33 絶縁層
11x、31x、33x ビアホール
12、14、32、34、36 配線層
12p、14p、34p、34q、36p パッド
13、15、35、37 ソルダーレジスト層
13x、15x、15y、35x、37x 開口部
20 基板接続部材
21 コア
22 導電材料
40 接合部
50 半導体チップ
51 チップ本体
52 電極
60 モールド樹脂