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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126083
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】半導体光素子およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/026 20060101AFI20230831BHJP
   H01S 5/0225 20210101ALI20230831BHJP
   G02B 6/12 20060101ALI20230831BHJP
   G02B 6/122 20060101ALI20230831BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20230831BHJP
   G02B 6/125 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
H01S5/026 618
H01S5/0225
G02B6/12 301
G02B6/122 311
G02B6/42
G02B6/125 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128619
(22)【出願日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】P 2022029416
(32)【優先日】2022-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】河野 直哉
(72)【発明者】
【氏名】藤原 直樹
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 晋聖
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 剛
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 孝憲
【テーマコード(参考)】
2H137
2H147
5F173
【Fターム(参考)】
2H137AB12
2H137BA53
2H137BB02
2H137BB25
2H137BC51
2H137DB16
2H137EA04
2H137EA11
2H137HA00
2H147AB04
2H147AB09
2H147AB11
2H147AC01
2H147AC05
2H147BA06
2H147BA15
2H147BB02
2H147BD01
2H147BD03
2H147BD07
2H147BE01
2H147BE15
2H147BG06
2H147CA13
2H147CC17
2H147CD18
2H147EA12A
2H147EA12B
2H147EA12D
2H147EA13A
2H147EA13C
2H147EA14B
2H147EA39B
2H147EA42B
2H147FA03
2H147FA04
2H147FA06
2H147FA27
2H147FC02
2H147FC03
2H147FC06
2H147FD15
2H147GA00
5F173AA02
5F173AB49
5F173AD16
5F173AD18
5F173AH12
5F173AP05
5F173AP32
5F173AP33
5F173AR01
(57)【要約】
【課題】製造が容易で、かつ結合効率を高めることが可能な半導体光素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】シリコンで形成された第1光導波路を有する基板と、前記基板の上面に接合され、III-V族化合物半導体で形成された第2光導波路を有する半導体素子と、を具備し、前記第1光導波路と、前記第2光導波路とは方向性結合器を形成する半導体光素子。
【選択図】 図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンで形成された第1光導波路を有する基板と、
前記基板の上面に接合され、III-V族化合物半導体で形成された第2光導波路を有する半導体素子と、を具備し、
前記第1光導波路と、前記第2光導波路とは方向性結合器を形成する半導体光素子。
【請求項2】
前記第1光導波路は、前記第2光導波路に近づくように屈曲した形状を有する請求項1に記載の半導体光素子。
【請求項3】
前記第1光導波路は、第1部分と第2部分とを有し、
前記第2部分と前記第2光導波路との間の距離は、前記第1部分と前記第2光導波路との間の距離より小さく、
前記第2部分と前記第2光導波路とが前記方向性結合器を形成する請求項1または請求項2に記載の半導体光素子。
【請求項4】
前記第2光導波路は、幅方向において、前記第1光導波路の1つの端部の上に位置し、前記第1光導波路のもう1つの端部までは延伸しない請求項1または請求項2に記載の半導体光素子。
【請求項5】
前記第1光導波路および前記第2光導波路の幅方向において、前記第1光導波路の前記第2部分の中心は、前記第2光導波路の中心から離間している請求項1または請求項2に記載の半導体光素子。
【請求項6】
前記基板と前記半導体素子とが接合される方向において、前記第1光導波路の前記第2部分の少なくとも一部は、前記第2光導波路に重ならない請求項5に記載の半導体光素子。
【請求項7】
前記第1光導波路の前記第1部分に設けられた位相調整部を具備する請求項3に記載の半導体光素子。
【請求項8】
前記第1光導波路と、前記第2光導波路とは複数の前記方向性結合器を形成し、
前記複数の方向性結合器は、前記第1光導波路および前記第2光導波路の延伸方向に沿って並ぶ請求項1または請求項2に記載の半導体光素子。
【請求項9】
前記半導体素子は、第1半導体層とメサとを有し、
前記第1半導体層は前記基板の上面に接合され、
前記メサは、前記第1半導体層から前記基板とは反対側に突出し、前記第2光導波路を有する請求項1または請求項2に記載の半導体光素子。
【請求項10】
前記メサは、第2半導体層と第3半導体層と第4半導体層とを有し、
第2半導体層、第3半導体層、および第4半導体層は、前記第1半導体層の上にこの順に積層され、
前記第3半導体層は多重量子井戸構造を有する請求項9に記載の半導体光素子。
【請求項11】
前記基板は、順番に積層された第1層、第2層、および第3層を有し、
前記第1層および前記第3層は、シリコンで形成され、
前記第2層は、酸化シリコンで形成され、
前記第3層に前記半導体素子が接合される請求項1または請求項2に記載の半導体光素子。
【請求項12】
前記基板は2つの前記第1光導波路を有し、
前記2つの第1光導波路と前記第2光導波路とは前記方向性結合器を形成する請求項1または請求項2に記載の半導体光素子。
【請求項13】
前記半導体素子は光学利得を有し、
前記半導体素子はレーザ素子として機能する、請求項1または請求項2に記載の半導体光素子。
【請求項14】
前記第1光導波路はテーパ部を有し、
前記テーパ部は、前記第1光導波路の先端に近づくほど細くなり、
前記第1光導波路の前記テーパ部と、前記第2光導波路とは前記方向性結合器を形成する請求項1または請求項2に記載の半導体光素子。
【請求項15】
前記第1光導波路の前記テーパ部は、前記第1光導波路が延伸する方向に対して非対称な形状を有する請求項14に記載の半導体光素子。
【請求項16】
前記第1光導波路の第1端部は前記第1光導波路の延伸方向に平行であり、前記第1光導波路の第2端部は前記第2光導波路に近づき、前記テーパ部は前記非対称な形状を形成する請求項15に記載の半導体光素子。
【請求項17】
前記第1光導波路の前記テーパ部は、前記第1光導波路が延伸する方向に対して対称な形状を有する請求項14に記載の半導体光素子。
【請求項18】
シリコンで形成された第1光導波路を有する基板の上面に、III-V族化合物半導体で形成された半導体素子を接合する工程と、
前記半導体素子に第2光導波路を形成する工程と、を有し、
前記第1光導波路と、前記第2光導波路とは方向性結合器を形成する半導体光素子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は半導体光素子およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
III-V族化合物半導体で形成された半導体素子を、光導波路を形成したSOI(Silicon On Insulator)基板(いわゆるシリコンフォトニクス)などの基板に接合する技術が知られている(例えば非特許文献1など)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】R.Kou et al. “Inter-layer light transition in hybrid III-V/Si wavguides integrated by μ-transfer printing” Optic Express 28(13),19772-19782,June 2020
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板に設けられた光導波路とIII-V族半導体素子の光導波路との結合効率を高めるために、III-V族半導体の光導波路の先端をテーパ形状とすることがある。しかし、例えばドライエッチングによってテーパの先端の幅を400nm以下などにする加工は困難であった。そこで、製造が容易で、かつ結合効率を高めることが可能な半導体光素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る半導体光素子は、シリコンで形成された第1光導波路を有する基板と、前記基板の上面に接合され、III-V族化合物半導体で形成された第2光導波路を有する半導体素子と、を具備し、前記第1光導波路と、前記第2光導波路とは方向性結合器を形成する。
【0006】
本開示に係る半導体光素子の製造方法は、シリコンで形成された第1光導波路を有する基板の上面に、III-V族化合物半導体で形成された半導体素子を接合する工程と、前記半導体素子に第2光導波路を形成する工程と、を有し、前記第1光導波路と、前記第2光導波路とは方向性結合器を形成する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば製造が容易で、かつ結合効率を高めることが可能な半導体光素子およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは第1実施形態に係る半導体光素子を例示する平面図である。
図1B図1Bは半導体光素子の一部を拡大した平面図である。
図2A図2A図1Bの線A-Aに沿った断面図である。
図2B図2B図1Bの線B-Bに沿った断面図である。
図3A図3Aは実効屈折率を例示する図である。
図3B図3Bは実効屈折率を例示する図である。
図4図4は透過率を例示する図である。
図5A図5Aは透過率のオーバーラップ量に対する依存性を例示する図である。
図5B図5Bは透過率の波長依存性を例示する図である。
図6図6は変形例に係る半導体光素子を例示する断面図である。
図7A図7Aは第2実施形態に係る半導体光素子を例示する平面図である。
図7B図7B図7Aの線C-Cに沿った断面図である。
図8A図8Aは第3実施形態に係る半導体光素子を例示する平面図である。
図8B図8Bは半導体光素子の一部を拡大した平面図である。
図9A図9A図8Aの線D-Dに沿った断面図である。
図9B図9B図8Aの線E-Eに沿った断面図である。
図10A図10Aは半導体光素子の製造方法を例示する平面図である。
図10B図10B図10Aの線D-Dに沿った断面図である。
図10C図10C図10Aの線E-Eに沿った断面図である。
図11A図11Aは半導体光素子の製造方法を例示する平面図である。
図11B図11B図11Aの線D-Dに沿った断面図である。
図11C図11C図11Aの線E-Eに沿った断面図である。
図12A図12Aは半導体光素子の製造方法を例示する平面図である。
図12B図12B図12Aの線D-Dに沿った断面図である。
図13A図13Aは第4実施形態に係る半導体光素子を例示する平面図である。
図13B図13B図13Aの線E-Eに沿った断面図である。
図14図14は第5実施形態に係る半導体光素子を例示する平面図である。
図15A図15Aは結合効率の計算結果を例示する図である。
図15B図15Bは結合効率の計算結果を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0010】
本開示の一形態は、(1)シリコンで形成された第1光導波路を有する基板と、前記基板の上面に接合され、III-V族化合物半導体で形成された第2光導波路を有する半導体素子と、を具備し、前記第1光導波路と、前記第2光導波路とは方向性結合器を形成する半導体光素子である。第1光導波路と第2光導波路とを近づけることで方向性結合器が形成されるため、製造が容易である。方向性結合器が形成されることで、結合効率を高めることができる。
(2)上記(1)において、前記第1光導波路は、前記第2光導波路に近づくように屈曲した形状を有してもよい。第1光導波路が第2光導波路に近づくことで方向性結合器が形成される。方向性結合器が形成されることで、結合効率を高めることができる。
(3)上記(1)または(2)において、前記第1光導波路は、第1部分と第2部分とを有し、前記第2部分と前記第2光導波路との間の距離は、前記第1部分と前記第2光導波路との間の距離より小さく、前記第2部分と前記第2光導波路とが前記方向性結合器を形成してもよい。方向性結合器が形成されることで、結合効率を高めることができる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記第2光導波路は、幅方向において、前記第1光導波路の1つの端部の上に位置し、前記第1光導波路のもう1つの端部までは延伸しなくてもよい。第1光導波路と第2光導波路とが方向性結合器を形成することで、結合効率を高めることができる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記第1光導波路および前記第2光導波路の幅方向において、前記第1光導波路の前記第2部分の中心は、前記第2光導波路の中心から離間してもよい。第1光導波路と第2光導波路とが方向性結合器を形成することで、結合効率を高めることができる。
(6)上記(5)において、前記基板と前記半導体素子とが接合される方向において、前記第1光導波路の前記第2部分の少なくとも一部は、前記第2光導波路に重ならなくてもよい。第1光導波路と第2光導波路とが方向性結合器を形成することで、結合効率を高めることができる。
(7)上記(3)から(6)のいずれかにおいて、前記第1光導波路の前記第1部分に設けられた位相調整部を具備してもよい。光の位相を調整することができる。
(8)上記(1)から(7)のいずれかにおいて、前記第1光導波路と、前記第2光導波路とは複数の前記方向性結合器を形成し、前記複数の方向性結合器は、前記第1光導波路および前記第2光導波路の延伸方向に沿って並んでもよい。複数の方向性結合器によって結合効率を高めることができる。
(9)上記(1)から(8)のいずれかにおいて、前記半導体素子は、第1半導体層とメサとを有し、前記第1半導体層は前記基板の上面に接合され、前記メサは、前記第1半導体層から前記基板とは反対側に突出し、前記第2光導波路を有してもよい。第1光導波路と第2光導波路とが方向性結合器を形成することで、結合効率を高めることができる。
(10)上記(9)において、前記メサは、第2半導体層と第3半導体層と第4半導体層とを有し、第2半導体層、第3半導体層、および第4半導体層は、前記第1半導体層の上にこの順に積層され、前記第3半導体層は多重量子井戸構造を有してもよい。第3半導体層が第2光導波路のコアとなり、第3半導体層に光を閉じ込めることができる。
(11)上記(1)から(10)のいずれかにおいて、前記基板は、順番に積層された第1層、第2層、および第3層を有し、前記第1層および前記第3層は、シリコンで形成され、前記第2層は、酸化シリコンで形成され、前記第3層に前記半導体素子が接合されてもよい。第3層に設けられた第1光導波路と、半導体素子に設けられた第2光導波路とが方向性結合器を形成することで、結合効率を高めることができる。
(12)上記(1)から(11)のいずれかにおいて、前記基板は2つの前記第1光導波路を有し、前記2つの第1光導波路と前記第2光導波路とは前記方向性結合器を形成してもよい。第1光導波路と第2光導波路との結合長を短くすることができる。
(13)上記(1)から(12)のいずれかにおいて、前記半導体素子は光学利得を有し、前記半導体素子はレーザ素子として機能してもよい。半導体素子が発生させる光は、第2光導波路を伝搬し、方向性結合器において第2光導波路と第1光導波路との間で遷移させることができる。
(14)上記(1)から(13)のいずれかにおいて、前記第1光導波路はテーパ部を有し、前記テーパ部は、前記第1光導波路の先端に近づくほど細くなり、前記第1光導波路の前記テーパ部と、前記第2光導波路とは前記方向性結合器を形成してもよい。第1光導波路と第2光導波路との結合効率が高くなる。寸法の誤差に対するトレランスが向上する。
(15)上記(14)において、前記第1光導波路の前記テーパ部は、前記第1光導波路が延伸する方向に対して非対称な形状を有してもよい。第1光導波路と第2光導波路との結合効率が高くなる。寸法の誤差に対するトレランスが向上する。
(16)上記(15)において、前記第1光導波路の第1端部は前記第1光導波路の延伸方向に平行であり、前記第1光導波路の第2端部は前記第2光導波路に近づき、前記テーパ部は前記非対称な形状を形成してもよい。第1光導波路と第2光導波路との結合効率が高くなる。寸法の誤差に対するトレランスが向上する。
(17)上記(14)において、前記第1光導波路の前記テーパ部は、前記第1光導波路が延伸する方向に対して対称な形状を有してもよい。第1光導波路と第2光導波路との結合効率が高くなる。寸法の誤差に対するトレランスが向上する。
(18)シリコンで形成された第1光導波路を有する基板の上面に、III-V族化合物半導体で形成された半導体素子を接合する工程と、前記半導体素子に第2光導波路を形成する工程と、を有し、前記第1光導波路と、前記第2光導波路とは方向性結合器を形成する半導体光素子の製造方法である。第1光導波路と第2光導波路とを近づけることで方向性結合器が形成されるため、製造が容易である。方向性結合器が形成されることで、結合効率を高めることができる。
【0011】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る半導体光素子およびその製造方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0012】
<第1実施形態>
図1Aは第1実施形態に係る半導体光素子100を例示する平面図である。図1Bは半導体光素子100の一部を拡大した平面図である。図2A図1Bの線A-Aに沿った断面図である。図2B図1Bの線B-Bに沿った断面図である。
【0013】
図1Aに示すように、半導体光素子100の2つの辺はX軸方向に平行に延伸する。別の2つの辺はY軸方向に平行に延伸する。Z軸方向は、XY平面の法線方向であり、層の積層方向である。X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向は、互いに直交する。半導体光素子100は、単体の矩形のチップでもよいし、複数の素子が集積された大型チップ(波長可変レーザなど)の一部の矩形の領域でもよい。
【0014】
半導体光素子100は基板10と半導体素子40とを有するハイブリッド型の光素子である。基板10は、XY平面に平行な上面を有する。半導体素子40は、基板10の上面に接合されている。平面図においては、半導体素子40を透視し、基板10の上面を図示している。
【0015】
基板10は光導波路20(第1光導波路)を有する。半導体素子40は光導波路41(第2光導波路)を有する。光導波路20および光導波路41は、X軸方向における半導体光素子100の1つの端部から、もう1つの端部まで延伸する。
【0016】
図1Aに示すように、光導波路41は、例えば直線状に延伸し、X軸方向に平行である。光導波路20は、XY平面内において波型の形状を有し、波の腹の部分で光導波路41に近づく。光導波路20のうち直線状の部分はX軸方向に平行である。光導波路20は、屈曲し、光導波路41に近づく。光導波路20は、光導波路41から遠い部分30(第1部分)と、光導波路41に近い部分32(第2部分、波の腹にあたる部分)とを有する。
【0017】
図1Bおよび図2Aに示すように、光導波路20の部分32のうち一部は、光導波路41の下に延伸し、光導波路41に重なる。部分32において光導波路20と光導波路41との距離が近づき、光導波路20と光導波路41とが方向性結合器(DC:Directional Coupler)21を形成する。方向性結合器21の数は、複数でもよいし、1つでもよい。第1実施形態では、方向性結合器21の個数は複数であり、例えば3個以上、5個以上などである。複数の方向性結合器21は、X軸方向に並ぶ。
【0018】
光導波路20のうち、X軸方向に延伸する部分に位相調整部23が設けられている。位相調整部23の個数は1つでもよいし、複数でもよい。位相調整部23では、光導波路20に沿うように所定の長さのヒータが設けられている。ヒータは位相調整部23の温度を変化させる。温度変化によって位相調整部23の屈折率が変化し、位相調整部23を通過する光の位相が変化する。ヒータは例えばタンタル(Ta)などの金属で形成されている。位相調整部23のX軸方向の長さは例えば100μmである。
【0019】
図1Bおよび図2Aに示すように、基板10は、光導波路20、溝22、およびテラス24を有する。溝22は、光導波路20の両側に位置し、光導波路20に沿って延伸する。図1Bに示すように、光導波路20は線状であり、平面形状は波型である。支持体26は、線状であり、X軸方向に平行である。支持体26は、Si層16から形成されており、光導波路20から離れて配置される。テラス24は、Si層16のうち面状に広がる部分である。
【0020】
図2Aおよび図2Bに示すように、基板10は、基板12(第1層)、ボックス層14(第2層)、およびシリコン(Si)層16(第3層)を有するSOI基板である。基板12は、例えば厚さが500μmのSiで形成されている。ボックス層14は、例えば厚さが3μmの酸化シリコン(SiO)で形成され、基板12の上面に積層されている。Si層16は、例えば厚さが220nmのSiで形成され、ボックス層14の上面に積層されている。
【0021】
溝22は、Si層16のうち、上面からZ軸方向に窪んだ部分であり、例えばSi層16をエッチングすることで形成される。Z軸方向において、溝22はSi層16の途中まで延伸してもよいし、Si層16を貫通しボックス層14まで延伸してもよい。すなわち、溝22の深さは例えば220nm(Si層16の厚さ)以下である。基板12およびSi層16の屈折率は、例えば波長1.55μmにおいて3.48である。ボックス層14の屈折率は、基板12およびSi層16の屈折率より低く、例えば波長1.55μmmにおいて1.44である。
【0022】
光導波路20、テラス24および支持体26は、Si層16に形成されており、溝22の底面よりもZ軸方向に突出した部分である。溝22を形成するエッチング処理において、エッチングされなかった部分が光導波路20、テラス24および支持体26となる。光導波路20、テラス24および支持体26それぞれの上面は、XY平面に平行であり、1つの平面、すなわち基板10の上面を形成する。図2Aに示す光導波路20の厚さT1は溝22の深さに等しく、例えば220nmである。光導波路20の幅W1は、例えば880nmなどである。
【0023】
半導体素子40は、接合層42(第1半導体層)、クラッド層44および48、光閉じ込め層45および47、活性層46(第3半導体層)、コンタクト層49を有する。接合層42は、基板10のSi層16の上面を覆い、上面に接合されている。接合層42はSi層16の上面に接触してもよいし、接合層42とSi層16との間に別の層が設けられてもよい。
【0024】
半導体素子40はメサ43を有する。第3実施形態で説明するように、半導体素子40を基板10に接合し、エッチングすることで半導体素子40にメサ43を形成する。メサ43は、Si層16の上面からZ軸方向に突出する。メサ43は、クラッド層44および48、光閉じ込め層45および47、活性層46、コンタクト層49を含む。接合層42の上にクラッド層44(第2半導体層)、光閉じ込め層45、活性層46、光閉じ込め層47、クラッド層48(第4半導体層)、およびコンタクト層49が、Z軸方向にこの順番で積層されている。メサ43は、X軸方向における基板10の1つの端部からもう1つの端部まで、X軸方向に平行に延伸し、光導波路41として機能する。活性層46は、光導波路41のコア層となる。
【0025】
図2Aおよび図2Bに示すように、半導体素子40の接合層42は、基板10のテラス24に接合され、テラス24よって支持される。図1Bに示した領域において、半導体素子40のメサ43のうちX軸方向の中央部(光導波路20の部分32に近接する部分)は、光導波路20の上に重なるように位置し、X軸方向においてその両側の部分は支持体26の上に重なるように位置する。メサ43は支持体26によって支持される。
【0026】
絶縁膜25は、メサ43の側面およびSi層16の上面を覆う。絶縁膜25は、例えば窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)、酸窒化シリコン(SiON)など絶縁体で形成されている。絶縁膜25の厚さは例えば100nm以上、600nm以下などである。絶縁膜25はメサ43の上面に開口部を有する。コンタクト層49の上面に電極27が設けられている。電極27は例えば金(Au)などの金属で形成されている。
【0027】
接合層42は例えば厚さ182nmのインジウムリン(InP)で形成されている。クラッド層44は例えば厚さが180nmのn型インジウムリン(n-InP)で形成されている。n型のドーパントとして例えばSiが用いられる。クラッド層48は、例えば厚さ1700nmのp型インジウムリン(p-InP)で形成されている。接合層42、クラッド層44および48それぞれの屈折率は、活性層46の屈折率より低く、例えば波長1.55μmにおいて3.17である。コンタクト層49は、例えばp+型のガリウムインジウム砒素((p+)-GaInAs)で形成されている。p型のドーパントとして例えば亜鉛(Zn)が用いられる。
【0028】
活性層46は多重量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)を有しており、複数の井戸層と複数のバリア層とを含む。複数の井戸層と複数のバリア層とは交互に積層されている。1つの井戸層は、例えば厚さ6nmのGaInAsPで形成されている。1つのバリア層は、例えば厚さ10nmのGaInAsPで形成されている。活性層46の厚さは例えば90nmである。活性層46の屈折率は、例えば波長1.55μmにおいて3.44である。
【0029】
光閉じ込め層45および47は、例えばアンドープのガリウムインジウム砒素リン(i-GaInAsP)で形成されている。光閉じ込め層45の厚さは例えば80nmである。光閉じ込め層47の厚さは例えば100nmである。光閉じ込め層45および47のバンドギャップ波長は、例えば1.2μmであり、半導体光素子100で入出力される光の波長よりも短い。光閉じ込め層45および47の屈折率は、例えば波長1.55μmにおいて3.34である。半導体素子40の半導体層のそれぞれは、III-V族化合物半導体で形成されており、上記以外の半導体で形成されてもよい。
【0030】
メサ43の幅W2は、例えば500nm、550nm、600nmなどであり、数百nmである。メサ43と光導波路20の部分30との間の距離は、メサ43と光導波路20の部分32との間の距離より大きい。図1Bに示す、光導波路20の位相調整部23と部分32との間のY軸方向における距離D1は、例えば0.9μmである。光導波路20の部分32はメサ43の下まで延伸する。光導波路の幅方向は、光導波路の延伸方向に直交する。図1Bでは、幅方向はY軸方向に平行である。光導波路20の部分32において、メサ43は光導波路20の幅方向における1つの端部の上に位置し、もう1つの端部までは延伸しない。すなわち、光導波路20の1つの端部はメサ43の下に位置し、もう1つの端部は光導波路20の外側に位置する。メサ43と、光導波路20の部分32の一部とは、Z軸方向から見たときに重なる。重なる部分の幅W3(オーバーラップ量、図2A参照)は、例えば300nm以上、400nm以下などであり、数百nmである。
【0031】
図2Aの線C1は、Y軸方向における光導波路20の中心を表す。線C2は、Y軸方向における光導波路41の中心を表す。光導波路20の中心と、光導波路41の中心とは重ならず、互いに離間している。
【0032】
半導体素子40と基板10とはエバネッセント光結合する。光導波路20の部分32と半導体素子40の光導波路41とは、方向性結合器21を形成し、光学的に結合する。図1Bに示す1つの方向性結合器21における結合長L、つまり光導波路20と光導波路41とが重なり、かつ平行な部分の長さは、例えば50μmである。結合する部分から位相調整部23までの距離D2は、例えば20μmである。
【0033】
例えば、光導波路20の1つの端部を入射ポートIN、光導波路41の1つの端部を出射ポートOUTとする。光導波路20の入射ポートINに光を入射する。光は光導波路20を伝搬し、方向性結合器21において光導波路20から光導波路41に遷移する。光導波路41に遷移した光は、光導波路41の端部から出射される。光導波路20に設けられた位相調整部23のヒータでは光導波路20の屈折率が変化する。屈折率の変化によって、光の位相を調整し、位相整合が可能である。半導体光素子100はマッハツェンダ干渉計として機能する。光導波路41に設けられた電極27に電圧を印加することで、光導波路41は光学利得を持つようになる。
【0034】
図3Aおよび図3Bは実効屈折率を例示する図である。横軸は光導波路の幅を表す。縦軸は波長1.55μmにおける光導波路の実効屈折率を表す。
【0035】
図3Aは光導波路20の実効屈折率を示している。図3Bは光導波路41の実効屈折率を示している。図3Aおよび図3Bに示すように、光導波路の幅が大きくなると実効屈折率は高くなる。光導波路20および41の幅を調整し、光導波路20の実効屈折率と光導波路41の屈折率を同程度の大きさとすることが好ましい。両者の屈折率がおおむね等しくなることで、方向性結合器21において光導波路20と光導波路41との結合効率を高めることができる。
【0036】
図4は透過率を例示する図であり、光導波路20から光導波路41への光の透過率の計算結果を表す。横軸は、1つの方向性結合器21における結合効率Xを表す。縦軸は、波長1.55μmの光を導波させたときの、光導波路20から光導波路41への光の透過率T(最大透過率)を表す。方向性結合器21の数は3つとする。3つの方向性結合器21の結合効率Xは互いに等しいものとする。
【0037】
結合効率Xは、光導波路20と光導波路41の実効屈折率、結合長L、およびオーバーラップ量W3を調整することにより設計される。透過率Tは、結合効率Xの関数として次式で表される。
T=16X-24X+9X
最大透過率T=100%を達成することのできる結合効率Xの範囲は、次式で表される。ただし以下の式ではXは100%を1として扱われている。
nが奇数の場合 1≧X≧sin(π/(2n))
nが偶数の場合 1-sin(π/(2n))≧X≧sin(π/(2n))
nは方向性結合器21の数であり、図4の例ではn=3である。上の二つの式に具体的な数値を入力すると、X(%)は以下のようになる。
n=1のとき、X=100%。
n=2のとき、X=50%。
n=3のとき、100%≧X≧25%
n=4のとき、85.35%≧X≧14.64%
n=5のとき、100%≧X≧9.54%
n=6のとき、93.30%≧X≧6.69%
すなわち、nを3以上にする場合には、nが偶数の場合に比べてnが奇数の方が、透過率Tを100%とすることのできる結合率Xの範囲が広い。図4に示すように、n=3の場合、結合効率Xが25%以上になると、透過率Tが100%となる。つまり光導波路20に光を入射し、光のすべてを光導波路41から出射することができる。
【0038】
図5Aは透過率のオーバーラップ量に対する依存性を例示する図である。横軸は、オーバーラップ量W3を表す。縦軸は光導波路20から光導波路41への最大透過率を表す。光の波長を1550nmとし、オーバーラップ量W3を変数として透過率を計算した。
【0039】
図5A中の破線は、光導波路41の幅W2が550nmの例である。実線は幅W2が600nmの例である。点線は幅W2が650nmの例である。3つの例の全てにおいて、オーバーラップ量W3が290nmから360nmの範囲内で、光の損失を1dB未満に抑制することができる。
【0040】
図5Bは透過率の波長依存性を例示する図である。横軸は光の波長を表す。縦軸は透過率を表す。実線の例では、光導波路41の幅W2が600nm、オーバーラップ量W3が330nmである。破線の例では、幅W2が650nm、オーバーラップ量W3が330nmである。点線の例では、幅W2が550nm、オーバーラップ量W3が330nmである。一点鎖線の例では、幅W2が600nm、オーバーラップ量W3が300nmである。二点鎖線の例では、幅W2が600nm、オーバーラップ量W3が360nmである。Cバンド(1530nmから1565nm)の全域で、光損失は1.8dB未満に抑制される。
【0041】
製造工程におけるレジストパターンのずれなどによって、光導波路20の幅W1、光導波路41の幅W2、オーバーラップ量W3にばらつきが生じる。図5Aに示すように、例えばメサ43の幅W2が600±50nmの範囲内にあり、かつオーバーラップ量W3が290nmから360nmの範囲内にあれば、光の損失は1dB未満に抑制される。図5Bに示すように、光導波路41の幅W2が600±50nmの範囲内にあり、オーバーラップ量W3が300nmから330nmにある場合、Cバンドの全体において光の損失は1.8dB未満に抑制される。
【0042】
第1実施形態によれば、基板10はSiで形成された光導波路20を有する。半導体素子40は基板10の上面に接合され、III-V族化合物半導体で形成された光導波路41を有する。光導波路20と光導波路41とが方向性結合器21を形成することで、高い結合効率を得ることができる。光は方向性結合器21において光導波路20と光導波路41との間を乗り移る。図5Aおよび図5Bに示すように、光の損失を抑制し、2つの光導波路に光を伝搬させることが可能である。
【0043】
光導波路41に例えば幅が数百nm以下の細いテーパを設けることで、結合効率を高めることができる。しかし、アスペクト比の高い(厚さと幅との比が高い)エッチングによってテーパを形成することは困難である。第1実施形態によれば、光導波路41にテーパを形成しなくてよい。光導波路20と光導波路41とを近づけることで、方向性結合器21が形成され、結合効率を高めることができる。
【0044】
図1Aおよび図1Bに示すように、光導波路20は、波型の平面形状を有し、光導波路41に近づくように屈曲する。光導波路20が光導波路41に近づくことで、方向性結合器21が形成される。
【0045】
具体的には、光導波路20は部分30と部分32とを有する。部分32と光導波路41との間の距離は、部分30と光導波路41との間の距離より小さい。部分32が光導波路41に近いため、方向性結合器21が形成される。例えばエッチングにより、Si層16に波状の光導波路20を形成する。エッチングによって半導体素子40のうち光導波路20に近い位置にメサ43を形成する。簡単な工程で方向性結合器21を有する半導体光素子100を製造することができる。
【0046】
図2Aに示すように、光導波路20の部分32の中心(線C1)は、光導波路41の中心(線C2)から離間している。すなわち、光導波路20は、幅方向(Y軸方向)において光導波路41から離間し、かつ厚さ方向(Z軸方向)においても光導波路41から離間する。言い換えれば、YZ平面に平行な面内において、光導波路20と光導波路41とは、互いに斜めに配置される。斜めに配置された光導波路20と光導波路41とが方向性結合器21を形成する。結合効率を高め、2つの光導波路の間で光を遷移させることが可能である。
【0047】
例えば図2Aに示すように、幅方向(Y軸方向)において、光導波路41は、光導波路20の1つの端部の上に位置し、もう1つの端部までは延伸しない。つまり、Z軸方向において、光導波路20の一部は光導波路41に重なり、別の一部は光導波路41に重ならない。光導波路20の幅W1(880nmなど)に対して、光導波路20と光導波路41とのオーバーラップ量W3は、例えば300nm±30nmなどである。オーバーラップ量W3は、幅W1の半分以下でもよいし、半分以上でもよい。
【0048】
半導体素子40の接合層42は、基板10の上面に接合されている。メサ43は接合層42からZ軸方向に突出し、光導波路41を有する。光導波路41は、基板10よりも上に位置する。斜めに配置された光導波路20と光導波路41とが方向性結合器21を形成する。結合効率を高め、2つの光導波路の間で光を遷移させることが可能である。
【0049】
メサ43において、クラッド層44、光閉じ込め層45、活性層46、光閉じ込め層47、クラッド層48、およびコンタクト層49がこの順に積層されている。活性層46は、多重量子井戸構造を有し、光導波路41のコア層として機能する。活性層46はクラッド層44および48に挟まれている。光を活性層46に閉じ込め、損失を抑制することができる。
【0050】
基板10はSOI基板であり、基板12、ボックス層14、およびSi層16を有する。Si層16に光導波路20が設けられている。Siの光導波路20と、III-V族化合物半導体の光導波路41とが、方向性結合器21を形成することで、結合効率を高めることができる。
【0051】
図1Bおよび図2Bに示すように、基板10は支持体26を有する。支持体26は、光導波路20から離間しており、メサ43の下に位置し、メサ43と同じ方向(X軸方向)に延伸し、メサ43を支持する。半導体光素子100の機械的な強度が向上する。支持体26の幅は、光導波路20の幅W1より小さく、例えば100nm以下であることが好ましい。支持体26が細いことで、支持体26の実効屈折率が光導波路20および光導波路41の実効屈折率よりも低くなる。光が支持体26に広がりにくくなる。基板10に支持体26を設けず、基板10のうちメサ43の下の部分は溝22でもよい。光の損失を抑制することができる。
【0052】
例えばメサ43の下にテラス24を設けることで、機械的強度を高めることができる。しかし、方向性結合器21とテラス24との間で、屈折率の不連続性が大きくなり、光の損失が増加する恐れがある。メサ43を支持体26の上に配置することで、機械的強度を高め、かつ屈折率の不連続性を低減することができる。
【0053】
図1Aに示すように、半導体光素子100は複数の方向性結合器21を有する。複数の方向性結合器21がX軸方向に沿って並ぶため、結合効率が高くなる。方向性結合器21の個数は、例えば3個以上、5個以上などであり、奇数個であることが好ましい。
【0054】
位相調整部23が、光導波路20の部分30に設けられている。位相調整部23に設けられたヒータが発熱することで、位相調整部23の温度が変化し、屈折率が変わる。光導波路20を伝搬する光の位相を調整することができる。メサ43に設けられた電極を用いてメサ43に電流を流すことで、活性層46で光を発生させることができる。発生した光は、方向性結合器21において光導波路41から光導波路20に光結合する。光導波路20に乗り移った光は、位相調整部23で位相を調整されることで、次の方向性結合器21において高い結合効率で光導波路41に光結合することができる。また、メサ43に設けられた電極27を用いて、光導波路41の屈折率を変化させることもできる。光導波路20の実効屈折率と、光導波路41の実効屈折率とを同程度の大きさとすることで、結合効率を高めることができる。
【0055】
(変形例)
図6は変形例に係る半導体光素子100Aを例示する断面図であり、図2Aに対応する断面を図示している。図6の例においては、光導波路41の全体が光導波路20に重ならない。言い換えれば、オーバーラップ量はゼロである。Y軸方向における光導波路20と光導波路41との間の距離は、例えば500nm程度である。光導波路20と光導波路41とが近づくことで、方向性結合器21が形成される。
【0056】
図2Aおよび図6に示すように、光導波路20の少なくとも一部は光導波路41に重ならない。光導波路20と光導波路41とが近づき、方向性結合器21が形成される。
【0057】
<第2実施形態>
図7Aは第2実施形態に係る半導体光素子200を例示する平面図である。図7B図7Aの線C-Cに沿った断面図である。第1実施形態と同じ構成については説明を省略する。
【0058】
図7Aおよび図7Bに示すように、基板10は2つの光導波路20を有する。2つの光導波路20は、光導波路41の幅方向の中心に沿って延伸する軸(X軸に平行な軸)を基準に線対称である。2つの光導波路20のそれぞれと、光導波路41とは方向性結合器21を形成する。
【0059】
第2実施形態によれば、2つの光導波路20と光導波路41とが方向性結合器21を形成するため、結合効率を高めることができる。光導波路20を2本にすることで、光導波路20が1本の場合に比べて、光導波路間の結合長(図1Bの長さL)を、1/(√2)倍とすることができる。
【0060】
図7Bの例では、2つの光導波路20は光導波路41に重ならない。2つの光導波路20の一部が光導波路41に重なってもよい。
【0061】
<第3実施形態>
図8Aは第3実施形態に係る半導体光素子300を例示する平面図である。図8Bは半導体光素子300の一部を拡大した平面図である。第1実施形態と同じ構成については説明を省略する。
【0062】
図8Aに示すように、基板10は、光導波路20、2つのリング共振器50および2つのループミラー52を有する。光導波路20は、X軸方向において基板10の1つの端部からもう1つの端部まで延伸する。光導波路20の途中に、2つのリング共振器50および2つのループミラー52が設けられている。リング共振器50およびループミラー52は、光導波路20と同様に、基板10のSi層16に設けられ、Siのコアを有している。
【0063】
基板10の上面のうち中央に半導体素子40が接合されている。半導体素子40の光導波路41と、基板10の光導波路20とは、複数の方向性結合器21を形成する。光導波路20は方向性結合器21以外の部分では、光導波路41から離間する。半導体素子40の端部は基板10の端部から離間している。
【0064】
図8Bに示すように、半導体素子40はX軸方向の両端にテーパ部54を有する。テーパ部54は、光導波路41から離間し、光導波路20の上に位置する。テーパ部54は、半導体素子40の外に向けて突出し、半導体素子40から離れるほど細くなる、先細りの形状を有する。
【0065】
図8Aに示すように、リング共振器50およびループミラー52は、X軸方向において半導体素子40から離間している。半導体素子40の1つの端部から基板10の1つの端部に向けて、1つのリング共振器50と1つのループミラー52とが、この順に並ぶ。半導体素子40のもう1つの端部から基板10のもう1つの端部に向けて、1つのリング共振器50と1つのループミラー52とが、この順に並ぶ。リング共振器50およびループミラー52は、光導波路20に光学的に結合されている。
【0066】
図9A図8Aの線D-Dに沿った断面図であり、方向性結合器21を含む断面を図示している。図8Aおよび図9Aに示すように、光導波路20と光導波路41とはオーバーラップする。半導体素子40は、電極60および62を有する。電極60と電極62とは互いに離間している。
【0067】
図9Aに示すように、絶縁膜25は接合層42の上に開口部を有し、メサ43の上に開口部を有する。電極60はn型の電極であり、絶縁膜25の開口部に設けられ、接合層42に接触し、接合層42に電気的に接続される。電極62はp型の電極であり、パッド62aおよび接続部62bを有する。パッド62aと接続部62bとは、1つの金属層で形成され、電気的に接続されている。パッド62aは光導波路41から離間し、絶縁膜25の上に設けられている。接続部62bはメサ43の上に設けられ、絶縁膜25の開口部を通じてコンタクト層49に接触し、コンタクト層49に電気的に接続される。
【0068】
電極60は、例えば金、ゲルマニウムおよびNiの合金(AuGeNi)で形成される。電極62は、例えばチタン、白金および金の積層体(Ti/Pt/Au)で形成される。電極60および62は、さらに金(Au)の配線層を有する。
【0069】
図9B図8Aの線E-Eに沿った断面図であり、メサ43の先端を含み、方向性結合器21を含まない断面を図示している。図9Bに示すように、光導波路20と光導波路41とは離間している。メサ43のうち先端の部分に電極62は設けられておらず、絶縁膜25で覆われている。テーパ部54は接合層42から形成される。テーパ部54は、光閉じ込め層45、活性層46、光閉じ込め層47、クラッド層48、およびコンタクト層49を含まない。このためテーパ部54を形成する際のエッチングのアスペクト比が低く抑えられる。
【0070】
半導体素子40は光学利得を有しており、基板10にエバネッセント光結合している。電極60および電極62を用いて半導体素子40に電圧を印加することで、メサ43に電流が流れる。活性層46にキャリアを注入することで、活性層46は光を生成する。方向性結合器21において、光が半導体素子40の光導波路41から基板10の光導波路20に遷移する。
【0071】
光導波路20を伝搬する光は、ループミラー52で反射される。光が2つのループミラー52で繰り返し反射され、レーザ発振する。レーザ光は、半導体光素子300の外に出射される。
【0072】
(製造方法)
図10A図11Aおよび図12Aは、半導体光素子300の製造方法を例示する平面図である。図10B図11Bおよび図12Bは、対応する平面図の線D-Dに沿った断面図である。図10Cおよび図11Cは、対応する平面図の線E-Eに沿った断面図である。
【0073】
図10Aから図10Cに示す工程の前に、基板10のSi層16にドライエッチングを行い、溝22を形成する。エッチングされない部分に光導波路20、テラス24、リング共振器50およびループミラー52が形成される。例えば有機金属気相成長法(OMVPE:Organometallic Vapor Phase Epitaxy)などにより、III-V族化合物半導体のウェハに、接合層42、クラッド層44、光閉じ込め層45、活性層46、光閉じ込め層47、クラッド層48、およびコンタクト層49をエピタキシャル成長する。ウェハをダイシングすることで、半導体素子40を形成する。半導体素子40にメサ43、電極は形成されていない。
【0074】
図10Aから図10Cに示すように、基板10に半導体素子40を接合する。具体的には、基板10のSi層16の上面および半導体素子40の接合層42の表面に、基板10の上面に窒素(N)プラズマ処理を行い、活性化させる。活性化後の表面を、水中で超音波洗浄する。活性化後の面同士を接触させ、半導体素子40を基板10の上面に仮接合する。仮接合後、例えば300℃で2時間のアニールを行い、水分を離脱させ、接合強度を強化する(O結合)。2つのリング共振器50および2つのループミラー52は、半導体素子40の外に位置する。光導波路20のうち波状の部分は半導体素子40に覆われる。
【0075】
エッチングマスクとなる絶縁膜を基板10および半導体素子40の上に形成する。フォトリソグラフィなどでレジストパターンを絶縁膜の上に形成し、エッチングによって絶縁膜にパターンを転写する(エッチングマスクおよびレジストパターンは不図示)。エッチングマスクを用いてエッチングを行う。例えばメタンと水素との混合ガス(CH/H)や塩素系のガスを用いたRIE、およびウェットエッチングを行い、半導体素子40にメサ43を形成する。メサ43以外の部分では、接合層42が露出する。マスクとして用いた絶縁膜は、バッファードフッ酸(BHF:Buffered Hydrogen Fluoride)を用いたウェットエッチングで除去する。さらに接合層42にエッチングを行い、テーパ部54を形成する。テーパ部54は、光閉じ込め層45、活性層46、光閉じ込め層47、クラッド層48、およびコンタクト層49を含まないので、テーパ部54が形成されるときのエッチングのアスペクト比は低い。このためテーパ部54の細い先端の形状を精度よく形成できる。
【0076】
図11Aから図11Cに示すように、例えば化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)などで、絶縁膜25を形成する。絶縁膜25は、基板10および半導体素子40を覆う。例えばウェットエッチングで絶縁膜25に開口部を形成する。図11Bに示すように、1つの開口部25aはメサ43から離間した位置に設けられ、1つの開口部25bはメサ43の上に形成される。
【0077】
図12Aおよび図12Bに示すように、例えば真空蒸着およびリフトオフにより、電極60および62を形成する。例えばメッキ処理により、Auの配線層を形成してもよい。ウェハ状態の基板10をダイシングすることで、半導体光素子300が形成される。
【0078】
第3実施形態によれば、半導体光素子300はレーザ素子として機能する。光学利得を有する半導体素子40は光を発生させる。半導体素子40の光導波路41と基板10の光導波路20とが方向性結合器21を形成するため、光が2つの光導波路の間で遷移する。光は光導波路20を伝搬し、2つのループミラー52で反射され、レーザ発振する。半導体光素子300は、基板10の端部から外に向けてレーザ光を出射することができる。
【0079】
半導体光素子300において、図6のように、光導波路20と光導波路41とを離間させてもよい。2つの光導波路20が設けられてもよい。基板10には、リング共振器50およびループミラー52以外の光学素子を設けてもよい。
【0080】
<第4実施形態>
図13Aは第4実施形態に係る半導体光素子400を例示する平面図である。図13B図13Aの線E-Eに沿った断面図である。第1実施形態から第3実施形態のいずれかと同じ構成については、説明を省略する。図13Aに示すように、半導体光素子400は光導波路20および光導波路41を有する。光導波路20と光導波路41とは、1つの方向性結合器21を形成する。
【0081】
光導波路20および光導波路41は、X軸方向に延伸する。光導波路20は、X軸方向における基板10の1つの端部から、基板10の途中まで延伸する。光導波路20の1つの端部は基板10の端部に位置し、入射ポートINとして機能する。光導波路20のもう1つの端部はテーパ部70を有する。光導波路20のうち、テーパ部70以外の部分は直線状である。光導波路20のうち入射ポートINに近い部分は、半導体素子40の接合層42から露出する。光導波路20のうちテーパ部70およびテーパ部70に近い部分は、接合層42に覆われる。
【0082】
光導波路41は、基板10の途中から、入射ポートINと反対の基板10の端部まで延伸する。光導波路41の当該端部が出射ポートOUTである。
【0083】
光導波路20は、入射ポートINとは反対の先端部にテーパ部70を有する。光導波路20のテーパ部70と、光導波路41とが方向性結合器21を形成する。テーパ部70は、X軸に対して対称な形状を有する。光導波路20のY軸方向における1つの端部20a(第1端部)およびもう1つの端部20b(第2端部)は、X軸から傾斜し、光導波路41に近づく。端部20aおよび端部20bがテーパ部70を形成する。テーパ部70は、光導波路20の先端から遠ざかるほど太く、先端に近づくほど細い。
【0084】
図13Aに示す方向性結合器21における光導波路20と光導波路41との結合長L1は、例えば200μmである。光導波路20のうち接合層42の端部からテーパ部70までの距離L2は例えば15μmである。テーパ部70の2つの端部のうち、入射ポートINに近い方の端部における幅W4は、例えば1200nmである。テーパ部70のもう1つの端部(先端)における光導波路20の幅W5は、幅W4より小さく、例えば400nmである。図13Bに示す光導波路20の厚さT1は例えば220nmである。光導波路20の中心(線C1)と光導波路41の中心(線C2)との間の距離gは0nm以上であり、数百nmとしてもよい。距離gが0nmのとき、光導波路20の中心と光導波路41の中心とは重なる。
【0085】
入射ポートINから、光導波路20に光を入射する。光は光導波路20を伝搬し、方向性結合器21において光導波路20から光導波路41に遷移する。光導波路41に遷移した光は、光導波路41の出射ポートOUTから出射される。
【0086】
第4実施形態によれば、光導波路20のテーパ部70と光導波路41とが方向性結合器21を形成する。このため高い結合効率を得ることができる。光は方向性結合器21において光導波路20から光導波路41に乗り移る。光の損失を抑制し、出射ポートOUTから光を出射させることが可能である。
【0087】
Si層16にエッチングを行い、光導波路20にテーパ部70を設けることができる。半導体素子40に多段テーパを形成しなくてよい。工程が簡略化される。光導波路20の幅W4およびW5、光導波路41の幅W2、光導波路間の距離gなどの寸法には、ずれが生じることがある。第4実施形態によれば、光導波路20がテーパ部70を有するため、寸法のずれに対するトレランスが向上する。寸法に誤差が生じた場合でも、高い結合効率を維持し、特性の劣化が抑制される。
【0088】
<第5実施形態>
図14は第5実施形態に係る半導体光素子500を例示する平面図である。第1実施形態から第4実施形態のいずれかと同じ構成については、説明を省略する。光導波路20のテーパ部70と、光導波路41とが方向性結合器21を形成する。テーパ部70は、X軸に対して非対称な形状を有する。光導波路20のY軸方向における1つの端部20a(第1端部)は、X軸に平行であり、直線状に延伸する。光導波路20のもう1つの端部20b(第2端部)は、X軸から傾斜し、光導波路41に近づく。端部20aおよび端部20bがテーパ部70を形成する。
【0089】
第5実施形態によれば、光導波路20のテーパ部70と光導波路41とが方向性結合器21を形成する。このため高い結合効率を得ることができる。光は方向性結合器21において光導波路20から光導波路41に乗り移る。光の損失を抑制し、出射ポートOUTから光を出射させることが可能である。第5実施形態によれば、光導波路20がテーパ部70を有するため、寸法のずれに対するトレランスが向上する。
【0090】
図15Aおよび図15Bは結合効率の計算結果を例示する図である。TE0モードが光導波路20から入射し、光導波路41に励振されるものとする。フルベクトルビーム伝搬法により、3つの波長(1530nm、1547.5nm、1565nm)における結合効率の最悪値を計算する。図15Aおよび図15Bの結合効率は、第5実施形態(片側テーパの例)における結合効率の最大値で規格化されている。図15Aおよび図15B中の数値(0.3、0.8、0.9など)は、規格化された結合効率を表す。規格化された結合効率の最大値は1である。結合効率が1から低下するほど、特性が劣化していく。
【0091】
図15Aおよび図15Bの横軸は、光導波路の中心間の距離gを表す。縦軸は光導波路41の幅W2を表す。距離gおよび幅W2の変化に対する結合効率を評価する。
【0092】
図15Aは第4実施形態における結合効率を表す。図15Aに示すように、距離gは、おおよそ-800nmから800nmの範囲で変化させる。距離gが0のとき、光導波路20の中心は光導波路41の中心に重なる。距離gが正の値のとき、図13Bにおいて光導波路20の中心は光導波路41の中心より左に位置する。距離gが負の値のとき、図13Bにおいて光導波路20の中心は光導波路41の中心より右に位置する。幅W2は450nmから700nmの範囲で変化させる。
【0093】
図13Aの例ではテーパ部70は対称な形状であるため、図15Aの結合効率は距離g=0を基準に対称である。距離gが0付近、かつ幅W2が450nmから600nmにおいて、規格化後の結合効率は0.8以上である。距離gが500nmから600nm、かつ幅W2が550nmから600nm付近の場合、結合効率は0.8以上である。距離gが100nmから400nm、かつ幅W2が450nmから550nm程度の場合、結合効率は0.5以下である。不要なモード変換が生じると考えられる。
【0094】
図15Bは第5実施形態における結合効率を表す。図15Bに示すように、距離gは-600nmから600nmの範囲で変化させる。幅W2は450nmから700nmの範囲で変化させる。
【0095】
距離gが0付近から200nm、かつ幅W2が450nmから550nmにおいて、結合効率は0.5以下である。距離gが200nm以上において、広い範囲で高い結合効率が得られる。距離gが400nm付近、かつ幅W2が450nmから650nmまでにおいて、結合効率は0.9以上である。
【0096】
図15Aおよび図15Bに示すように、距離gおよび幅W2を適切な範囲内とすることで、結合効率を向上させることができる。図15Aの例では、距離gについては0を中心として100nm程度の誤差が生じても、幅W2は450nmから600nmの150nmの範囲内とすることで、結合効率を0.8以上とすることができる。図15Bの例では、距離gは400nmを中心に±150nm程度の誤差、および幅W2は550nmを中心に±100nm程度の誤差が生じても、結合効率は0.8以上とすることができる。Cバンド全域で高い結合効率を得ることができる。
【0097】
以上、本開示の実施形態について詳述したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本開示の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0098】
10、12 基板
14 ボックス層
16 Si層
20、41 光導波路
21 方向性結合器
22 溝
23 位相調整部
24 テラス
25 絶縁膜
25a、25b 開口部
26 支持体
27、60、62 電極
30、32 部分
40 半導体素子
42 接合層
43 メサ
44、48 クラッド層
45、47 光閉じ込め層
46 活性層
49 コンタクト層
50 リング共振器
52 ループミラー
54 テーパ部
62a パッド
62b 接続部
70 テーパ部
20a、20b 端部
100、100A、200、300、400、500 半導体光素子
IN 入射ポート
OUT 出射ポート
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15A
図15B
【手続補正書】
【提出日】2023-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
絶縁膜25は、メサ43の側面および接合層42の上面を覆う。絶縁膜25は、例えば窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)、酸窒化シリコン(SiON)など絶縁体で形成されている。絶縁膜25の厚さは例えば100nm以上、600nm以下などである。絶縁膜25はメサ43の上面に開口部を有する。コンタクト層49の上面に電極27が設けられている。電極27は例えば金(Au)などの金属で形成されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
図10Aから図10Cに示すように、基板10に半導体素子40を接合する。具体的には、基板10のSi層16の上面および半導体素子40の接合層42の表面に、窒素(N)プラズマ処理を行い、活性化させる。活性化後の表面を、水中で超音波洗浄する。活性化後の面同士を接触させ、半導体素子40を基板10の上面に仮接合する。仮接合後、例えば300℃で2時間のアニールを行い、水分を離脱させ、接合強度を強化する(O結合)。2つのリング共振器50および2つのループミラー52は、半導体素子40の外に位置する。光導波路20のうち波状の部分は半導体素子40に覆われる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8A
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8A
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13A
【補正方法】変更
【補正の内容】
図13A
【手続補正書】
【提出日】2023-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1A
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1A