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特開2023-126119情報処理システム、機器管理装置、情報処理装置、設定変更方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126119
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、機器管理装置、情報処理装置、設定変更方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/45 20130101AFI20230831BHJP
【FI】
G06F21/45
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192445
(22)【出願日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】P 2022030233
(32)【優先日】2022-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】韓 暁峰
(57)【要約】
【課題】クラウドの機器管理装置で管理される情報処理装置においてアカウントを設定する。
【解決手段】複数の情報処理装置と、複数の前記情報処理装置を管理する機器管理装置と、を備える情報処理システムにおいて、前記機器管理装置は、複数の前記情報処理装置を管理する複数のアカウントを登録する登録手段と、前記情報処理装置からの取得要求を受けた場合、登録された前記複数のアカウントを前記情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、前記情報処理装置は、取得した前記複数のアカウントが、前記情報処理装置に設定された権限情報に基づいて所定の要件を満たすか否かを判断する判断手段と、取得した前記複数のアカウントのうち、前記所定の要件を満たす1のアカウントを記憶する記憶手段と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報処理装置と、複数の前記情報処理装置を管理する機器管理装置と、を備える情報処理システムにおいて、
前記機器管理装置は、
複数の前記情報処理装置を管理する複数のアカウントを登録する登録手段と、
前記情報処理装置からの取得要求を受けた場合、登録された前記複数のアカウントを前記情報処理装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
取得した前記複数のアカウントが、前記情報処理装置に設定された権限情報に基づいて所定の要件を満たすか否かを判断する判断手段と、
取得した前記複数のアカウントのうち、前記所定の要件を満たす1のアカウントを記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記登録手段は、前記アカウントを、当該情報処理装置にかかるアカウント保存用領域に保存し、
前記送信手段は、前記情報処理装置から取得要求を受けた時、前記アカウント保存用領域に保存した登録済みのアカウントを送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
ユーザ識別情報を含む機器アカウントを登録する登録手段を更に含み、
前記判断手段は、取得した前記アカウントが含むユーザ識別情報が前記機器アカウントが含むユーザ識別情報と一致する場合、前記要件を満たすと判断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
ユーザ権限情報を含む機器アカウントを登録する登録手段を更に含み、
前記判断手段は、取得した前記アカウントに対応する機器アカウントが有するユーザ権限情報に所定の権限が含まれる場合、前記要件を満たすと判断する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記判断手段は、前記情報処理装置または前記情報処理装置にインストールされたアプリが再起動しても、前記機器管理装置から前記アカウントを再度取得する、
ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
複数の情報処理装置と、複数の前記情報処理装置を管理する機器管理装置と、を備える情報処理システムにおいて、
複数の前記情報処理装置を管理する複数のアカウントを登録する登録手段と、
前記情報処理装置からの取得要求を受けた場合、登録された前記複数のアカウントを前記情報処理装置に送信する送信手段と、
取得した前記複数のアカウントが、前記情報処理装置に設定された権限情報に基づいて所定の要件を満たすか否かを判断する判断手段と、
取得した前記複数のアカウントのうち、前記所定の要件を満たす1のアカウントを記憶する記憶手段と、
を備える、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
複数の情報処理装置を管理する機器管理装置において、
複数の前記情報処理装置を管理する複数のアカウントを登録する登録手段と、
前記情報処理装置からの取得要求を受けた場合、登録された前記複数のアカウントを前記情報処理装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする機器管理装置。
【請求項8】
機器管理装置に管理される情報処理装置において、
取得した複数のアカウントが、前記情報処理装置に設定された権限情報に基づいて所定の要件を満たすか否かを判断する判断手段と、
取得した前記複数のアカウントのうち、前記所定の要件を満たす1のアカウントを記憶する記憶手段と、
を備える、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
複数の情報処理装置と、複数の前記情報処理装置を管理する機器管理装置と、を備える情報処理システムにおける設定変更方法であって、
複数の前記情報処理装置を管理する複数のアカウントを登録する登録工程と、
前記情報処理装置からの取得要求を受けた場合、登録された前記複数のアカウントを前記情報処理装置に送信する送信工程と、
取得した前記複数のアカウントが、前記情報処理装置に設定された権限情報に基づいて所定の要件を満たすか否かを判断する判断工程と、
取得した前記複数のアカウントのうち、前記所定の要件を満たす1のアカウントを記憶する記憶工程と、
を含むことを特徴とする設定変更方法。
【請求項10】
複数の情報処理装置を管理する機器管理装置を制御するコンピュータを、
複数の前記情報処理装置を管理する複数のアカウントを登録する登録手段と、
前記情報処理装置からの取得要求を受けた場合、登録された前記複数のアカウントを前記情報処理装置に送信する送信手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
機器管理装置に管理される情報処理装置を制御するコンピュータを、
取得した複数のアカウントが、前記情報処理装置に設定された権限情報に基づいて所定の要件を満たすか否かを判断する判断手段と、
取得した前記複数のアカウントのうち、前記所定の要件を満たす1のアカウントを記憶する記憶手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、機器管理装置、情報処理装置、設定変更方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の情報処理装置を管理する機器管理装置は、顧客ネットワーク内に配置される、機器管理装置専用のサーバや、顧客ユーザの個人PCにインストールされるPCソフトから機器を管理する形態で開発されている。この形態を以後、オンプレの機器管理装置と呼ぶ。
【0003】
また、インターネット上に配置されるクラウドサービスの開発・普及が進み、機器管理装置においても、クラウドサーバから機器を管理する形態での開発が進んでいる。この形態を以後、クラウドの機器管理装置と呼ぶ。
【0004】
特許文献1には、顧客ネットワーク内のファイアウォールを介して情報処理装置を管理するクラウドの機器管理装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のクラウドの機器管理装置においては、情報処理装置側の機器設定を変更するにはアカウントが必要であるところ、アカウントを事前に設定できず機器管理において必要とされる情報処理装置の設定変更ができない、という問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、クラウドの機器管理装置で管理される情報処理装置においてアカウントを設定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の情報処理装置と、複数の前記情報処理装置を管理する機器管理装置と、を備える情報処理システムにおいて、前記機器管理装置は、複数の前記情報処理装置を管理する複数のアカウントを登録する登録手段と、前記情報処理装置からの取得要求を受けた場合、登録された前記複数のアカウントを前記情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、前記情報処理装置は、取得した前記複数のアカウントが、前記情報処理装置に設定された権限情報に基づいて所定の要件を満たすか否かを判断する判断手段と、取得した前記複数のアカウントのうち、前記所定の要件を満たす1のアカウントを記憶する記憶手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、クラウドの機器管理装置で管理される情報処理装置においてアカウントを設定できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態にかかる情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、情報処理装置の一例であるMFPのハードウェア構成図である。
図3図3は、PC(サーバ)のハードウェア構成図である。
図4図4は、情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、アクセスアカウントの設定用UIの一例を示す図である。
図6図6は、アクセスアカウントの新規作成用UIの一例を示す図である。
図7図7は、アクセスアカウントの削除用UIの一例を示す図である。
図8図8は、情報処理装置に対する設定の変更処理を示すシーケンス図である。
図9図9は、情報処理装置のアクセスアカウントの取得処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、情報処理システム、機器管理装置、情報処理装置、設定変更方法およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は、実施の形態にかかる情報処理システム100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理システム100は、複数台の情報処理装置10と、機器管理装置20と、PC(Personal Computer)である管理者端末40と、を備える。
【0012】
情報処理装置10は、例えば、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral/Product/Printer)としての画像形成装置である。
【0013】
機器管理装置20は、顧客ネットワーク30内のファイアウォールを介して情報処理装置10を管理する機器管理用の情報システムである。機器管理装置20は、インターネット上に配置されるクラウドサービス上に設けられる少なくとも1以上のPC(サーバ)5で構成される。
【0014】
まず、情報処理装置10の一例であるMFP9のハードウェア構成について説明する。
【0015】
ここで、図2は情報処理装置10の一例であるMFP9のハードウェア構成図である。図2に示されているように、情報処理装置10であるMFP9は、機器本体を構成するコントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0016】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0017】
これらのうち、CPU901は、MFP9の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0018】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0019】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0020】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0021】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0022】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、MFP9全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0023】
なお、MFP9は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0024】
また、ネットワークI/F950は、顧客ネットワーク30を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0025】
次に、クラウドサービス上に設けられる機器管理装置20を構成するPC(サーバ)5のハードウェア構成について説明する。
【0026】
図3は、PC(サーバ)5のハードウェア構成図である。ここでは、サーバ5のハードウェア構成について説明する。
【0027】
図3に示されているように、サーバ5は、コンピュータによって構築されており、図3に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disc Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0028】
これらのうち、CPU501は、サーバ5全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、顧客ネットワーク30を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図3に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0029】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0030】
次に、情報処理装置10であるMFP9のコントローラ910がROM902aに格納されたプログラムに従って実現する機能、機器管理装置20を構成するサーバ5のCPU501がROM502やHD504に記憶されたプログラムに従って実現する機能について説明する。
【0031】
ここで、図4は情報処理システム100の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、機器管理装置20は、登録手段の一例である機器設定機能部21と、送信手段の一例である第1通信部23と、機器設定保存部22と、を備える。情報処理装置10であるMFP9は、判断手段の一例である機器設定処理部11と、機器設定変更部12と、機器アカウント登録部13と、第2通信部14と、記憶部15と、を備える。
【0032】
機器設定機能部21は、情報処理装置10の機器設定の変更要求の入力画面である設定変更実行画面を、管理者端末40に提供する。また、機器設定機能部21は、情報処理装置10の機器設定の変更結果を、管理者端末40に機器設定確認画面として表示する。すなわち、情報処理装置10に対する設定の変更要求は、管理者端末40から受け付けるものとする。
【0033】
機器設定保存部22は、機器設定処理部11から受信する情報処理装置10の機器設定を、当該装置にかかるアクセスアカウント保存用領域に保存する。機器設定保存部22は、管理者端末40から入力される情報処理装置10の機器設定の変更要求を管理する。また、機器設定保存部22は、ユーザからアクセスアカウントの登録を受け付けることで、機器設定保存部22にアクセスアカウントを記憶する。第1通信部23は、機器設定処理部11へ情報処理装置10の機器設定の変更指示を送信する。また、第2通信部14から機器設定を含む送信要求を受信する。
【0034】
第2通信部14は、機器設定変更部12から情報処理装置10の機器設定を取得する。また、第2通信部14は、機器設定機能部21に定期的に情報処理装置10の機器設定を含む送信要求を送信する。機器設定処理部11は、第1通信部23から受信した指示の種類に応じて機器設定の変更などの処理を実行する。機器設定処理部11は、第1通信部23から情報処理装置10の機器設定の変更指示を受信した場合、当該指示を機器設定変更部12へ転送する。
【0035】
機器設定変更部12は、情報処理装置10の機器本体を構成するコントローラ910から機器設定を取得する。機器設定変更部12は、第1通信部23から受信した変更指示に基づいて情報処理装置10の機器本体を構成するコントローラ910が管理する機器設定を変更する。機器アカウント登録部13は、ユーザから機器アカウントの登録を受け付けて、機器アカウントを記憶する。記憶部15は、機器アカウント登録部13によって登録された機器アカウントを記憶し、更に機器管理装置20から取得したアクセスアカウントを記憶する。
【0036】
顧客が複数の情報処理装置10を所有しており、それらの情報処理装置10の機器設定を変更したい場合、全情報処理装置10に対して同じ機器設定を適用したいという要求がある。顧客がこの要求を効率よく実現するためには、情報処理装置10の設定変更を1台ずつ実施するのではなく、1回の設定変更操作で全ての情報処理装置10、もしくは、特定の複数台の情報処理装置10の設定変更を一括で実施できることが重要である。
【0037】
情報処理装置10の機器設定を変更する時に使用する機器も複数台の情報処理装置10で共通するアカウントとすることが理想だが、台数や部署の数に比例して情報処理装置10に設定される機器アカウントも複数存在する可能性がある。
【0038】
機器管理装置20の機器設定機能部21は、顧客の機器管理者が管理者端末40を通じて、全ての情報処理装置10に適用すべきアクセスアカウントの設定の入力を1回で済ますことができるように、全ての情報処理装置10、もしくは、特定の複数の情報処理装置10に対して適用したいアクセスアカウントの設定内容を定義するアクセスアカウントの設定用UIである設定変更実行画面を管理者端末40に表示して、顧客の機器管理者に管理者端末40を通じて入力してもらい、当該アクセスアカウントを利用して設定変更したい情報処理装置10へ設定変更を指示する。
【0039】
ここで、図5はアクセスアカウントの設定用UIの一例を示す図である。図5に示すように、設定用UIである設定変更実行画面は、“優先度”,”プロファイル名”,“説明”,“ユーザ名”,“機器との紐付け”の5つの情報から構成される。ここで、優先度は機器設定処理部11における判断する順番を示す情報である。機器設定処理部11は、後述するように優先度が示す順にアクセスアカウントが所定の要件を満たしているか否かを判断することができる。また、プロファイル名は、機器設定を識別する情報である。説明は、管理者が任意に入力できるコメントである。ユーザ名は、管理者を識別する情報であり、例えば名称やIDである。機器との紐づけは、アクセスアカウントと紐づいて記憶されている情報処理装置10にかかる情報である。なお、機器との紐づけは設定ボタンなどの入力部品で構成することができる。管理者が管理者端末40を介して設定ボタンを操作することにより、機器管理装置20はアクセスアカウントと紐づいて記憶されている情報処理装置10を識別する情報を管理者端末40に提供する。これにより、管理者は、アクセスアカウントと紐づいて記憶されている情報処理装置10を確認または変更できる。
【0040】
各情報処理装置10には、必ず1つの情報処理装置10の管理者設定が紐づけられる。ここで、管理者設定とは、優先度、プロファイル名、説明、ユーザ名、機器との紐づけの少なくとも1つ以上の情報である。情報処理装置10の登録直後は、デフォルトの情報処理装置10の管理者設定が紐づけられる。その後の変更は、手動で“機器との紐付け”列の設定ボタンで任意の登録済み情報処理装置10に対して行うことができる。また、後述する情報処理装置10の機器設定処理部11による登録で、自動的に更新されるようにもなっている。本実施形態においては、後で行われる紐付けのほうが有効になる。
【0041】
なお、優先度は変更できるが、情報処理装置10へアクセスアカウントを送信して該アクセスアカウントが要件を満たすか否かを判断するときの順序が変わるだけで、紐付け関係が変わることはない。
【0042】
また、前述のように、複数の情報処理装置10の管理者設定を持つことができるが、必ずデフォルトの情報処理装置10の管理者設定を持つようになっている。
【0043】
このようなアクセスアカウントの新規作成と削除とについて説明する。
【0044】
図6はアクセスアカウントの新規作成用UIの一例を示す図である。新規作成用UIである設定変更実行画面は、図6に示すように、新規作成用UIは、情報処理装置10の機器管理者のユーザ名とパスワードとを設定する。デフォルトの情報処理装置10の管理者設定は以下のように構成される。
・プロファイル名:default(変更不可)
・説明:空文字
・ユーザ名:admin
・パスワード:空文字
【0045】
図7はアクセスアカウントの削除用UIの一例を示す図である。削除用UIである設定変更実行画面は、図7に示すように、その他の処理で“機器管理者の削除”を選択し、チェックボックスにチェックを入れた列の情報処理装置10に対して削除を行うことができる。
【0046】
以上の機能構成により、機器管理装置20は、情報処理装置10からの要求に対する回答として変更要求を送信するため、顧客のファイアウォールにより保護されている顧客ネットワーク30内に配置された情報処理装置10に対して、情報処理装置10の設定の変更要求を届けることができるようになる。
【0047】
次に、情報処理装置10に対する設定の変更処理について説明する。
【0048】
ここで、図8は情報処理装置10に対する設定の変更処理を示すシーケンス図である。本実施形態の情報処理システム100は、顧客ネットワーク30内のファイアウォール対策として、常に、情報処理装置10から機器管理装置20の方向へ通信を開始する。より詳細には、図8に示すように、情報処理装置10の機器設定処理部11は、5分に1回など定期的に、機器設定変更部12を介して、機器本体を構成するコントローラ910に対して機器設定要求を送信する(ステップS1,S2)。そして、情報処理装置10の機器設定処理部11は、機器設定変更部12を介して、機器本体を構成するコントローラ910からの機器設定情報を受信する(ステップS3,S4)。
【0049】
すなわち、情報処理装置10の機器設定処理部11は、5分に1回など定期的に、第2通信部14を介して機器管理装置20に対して自機の現在の機器設定を含む送信要求を送信する。
【0050】
機器管理装置20の機器設定変更部12は、第1通信部23を介して情報処理装置10から機器設定を受信する(ステップS5)。ここで、機器設定には情報処理装置10を識別する識別情報を含むことができる。
【0051】
機器管理装置20の機器設定変更部12は、情報処理装置10が通信してきたタイミングを利用して、当該情報処理装置10に対する設定の変更要求を管理者端末40から預かっていないかを、確認する。つまり、予め管理端末40は機器管理装置20にアクセスすることで、情報処理装置10に対する変更要求を送信することができる。ここで、変更要求には、変更対象となる機器設定の項目、変更後の設定値、変更対象となる情報処理装置10の識別情報を含むことができる。機器管理装置20の機器設定変更部12は、当該情報処理装置10に対する設定の変更要求を預かっている場合、情報処理装置10からの通信への応答に当該の機器設定の変更要求を含めて返信を第1通信部23を介して情報処理装置10に返す(ステップS6)。なお、機器設定変更部12は、送信要求に含まれる機器設定と変更要求に含まれる機器設定とを比較して、各設定項目の設定値が異なる場合に返信を送信し、各設定項目の設定値が同じ場合は返信を省略することができる。
【0052】
一方、機器管理装置20の機器設定変更部12は、要件を満たすアクセスアカウントを取得していない場合、機器設定要求を機器設定変更部12に送信することなく、要件を満たすアカウントがない旨を示す通知を情報処理装置10に応答する(ステップS7)。
【0053】
ここで、情報処理装置10のアクセスアカウントの取得処理について詳述する。
【0054】
図9は、情報処理装置10のアクセスアカウントの取得処理を示すシーケンス図である。図9に示すように、機器管理者は、機器アカウント登録部13に機器アカウントを登録する(ステップS11)。なお、機器アカウントには、ユーザ名、パスワード、権限情報を設定することができる。更に、機器設定保存部22は、機器管理装置20の図6に示す新規作成用UIを介して機器管理装置20にアクセスアカウントを登録する(ステップS12)。
【0055】
ここで、機器アカウントとは、情報処理装置10において登録されるアカウントであり、アクセスアカウントとは、機器管理装置20において登録されるアカウントである。ここで、アクセスアカウントは、機器管理装置20が管理する複数の情報処理装置10のうちのいずれかの情報処理装置10、又は情報処理装置10の機器アカウントに対応する。
【0056】
なお、情報処理装置10には複数の機器アカウントを登録することができる。ここで、機器アカウントを登録する場合、機器アカウント毎に、機器管理者権限、ネットワーク管理者権限、文書管理者権限、ユーザ管理者権限などの複数の権限のうち1以上の権限を設定することができる。ここで、機器管理者権限は情報処理装置10を管理する管理者の権限であり、ネットワーク管理者権限は、情報処理装置10が接続される顧客環境のネットワークを管理する管理者の権限であり、文書管理者権限は、情報処理装置10が処理する文書データなどを管理する管理者の権限であり、ユーザ管理者権限は、ユーザを管理する管理者の権限である。
【0057】
また、機器管理装置20には複数のアクセスアカウントを登録することができる。機器管理装置20にアクセスアカウントを登録する場合、情報処理装置10に登録した機器アカウントと少なくともユーザ名またはユーザIDなどユーザを識別する情報が一致するアクセスアカウントを登録する。ここで、機器アカウントとアクセスアカウントのユーザ名が一致することを、機器アカウントとアクセスアカウントが対応すると表現する場合がある。
【0058】
なお、機器管理装置20には、情報処理装置10に複数の機器アカウントが登録されている場合には該情報処理装置10に登録された少なくとも1の機器アカウントに対応するアクセスアカウントを登録することができ、複数の情報処理装置10それぞれに機器アカウントが登録されている場合には、該複数の情報処理装置10それぞれに登録された少なくとも1の機器アカウントに対応するアクセスアカウントを登録することができる。
【0059】
図9に示すように、情報処理装置10の機器設定処理部11は第2通信部14を介して、機器管理装置20の機器設定保存部22に全てのアクセスアカウントを要求する取得要求を送信し(ステップS13)、機器設定保存部22から全てのアクセスアカウントを取得する(ステップS14)。つまり、第1送信部は、第2送信部に対してアクセスアカウントを送信する。ここで、アクセスアカウントは、管理対象である情報処理装置10に登録された管理者アカウントである。なお、管理対象となる情報処理装置10が複数ある場合、複数の情報処理装置10それぞれに登録した機器アカウントに対応するアクセスアカウントが予め機器設定保存部22に登録されている。機器設定保存部22は、要求元の情報処理装置10に予め登録された機器アカウントに対応するアクセスアカウントだけでなく、他の情報処理装置10に登録された機器アカウントに対応するアクセスアカウントについても、第1通信部23を介して情報処理装置10に送信する。なお、機器設定保存部22は、機器設定保存部22に登録された全てのアクセスアカウントを情報処理装置10に送信しても良いが、アクセスアカウントに設定された優先度で示される順番に情報処理装置10へ送信しても良い。この場合、機器設定保存部22は、情報処理装置10にアクセスアカウントを送信した後、情報処理装置10からの要求に応じて、次に優先度の高いアクセスアカウントを情報処理装置10へ送信することができる。
【0060】
次に、情報処理装置10の機器設定処理部11は、取得済みの全てのアクセスアカウントそれぞれが要件を満たすか否かを判断する(ステップS15)。ここでは、機器設定処理部11は、機器管理装置20から取得したアクセスアカウントが情報処理装置10に登録されている機器アカウントと対応するか否かを判断する。例えば、アクセスアカウントに含まれるユーザ名が、機器アカウントに含まれるユーザ名と一致する場合には、アクセスアカウントが機器アカウントに対応すると判断できる。なお、アクセスアカウントに含まれるユーザ名とパスワードの両方が、機器アカウントに含まれるユーザ名とパスワードの両方と一致する場合に、アクセスアカウントが機器アカウントに対応すると判断しても良い。
【0061】
更に、機器設定処理部11は、アクセスアカウントと対応する機器アカウントが所定の権限を有するか否かを判断する。例えば、機器アカウントに対して、機器管理者権限、ネットワーク管理者権限、文書管理者権限、ユーザ管理者権限の全ての権限が設定されている場合、所定の権限を有すると判断する。機器設定処理部11は、機器管理装置20から取得したアクセスアカウントと対応する機器アカウントが、情報処理装置10に登録されており、且つ該機器アカウントに所定の権限が設定されている場合、該アクセスアカウントは要件を満たすと判断する。なお、機器設定処理部11は、機器管理装置20から取得したアクセスアカウント毎に、上述した判断を行う。また、機器設定処理部11は、アクセスアカウントに設定された優先度に応じた順番で、上述した要件についての判断を行うことができる。機器設定処理部11は、機器管理装置20から取得した複数のアクセスアカウントのうち、1のアクセスアカウントについて要件を満たすと判断した時点で、まだ判断を行っていない残りのアクセスアカウントについては判断を中止することができる。これにより、機器設定処理部11は、機器管理装置20から取得した複数のアクセスアカウントのうち、1のアクセスアカウントのみを特定することができる。
【0062】
情報処理装置10の機器設定処理部11は、要件を満たすアクセスアカウントが見つかり次第、該アクセスアカウントを記憶部15に保存する(ステップS16)。ここで、記憶部15は、アクセスアカウントに対応する機器アカウントをアクセスアカウントとして記憶しても良い。情報処理装置10の機器設定処理部11は、アクセスアカウントを機器設定と情報処理装置10の識別情報とを含む登録要求を、第2通信部14を介して機器管理装置20の機器設定保存部22へ渡す(ステップS17)。
【0063】
情報処理装置10の機器設定処理部11は、第1通信部23を介して情報処理装置10から受信したアクセスアカウントについて、該アクセスアカウントと送信元の情報処理装置10の識別情報とを紐づけて記憶する(ステップS18)。これにより、機器管理装置20の情報処理装置10ごとのアクセスアカウントの管理DBの当該装置にかかるアクセスアカウント保存用領域に当該情報処理装置10の識別情報が書き込まれることになる。以後、情報処理装置10の機器設定処理部11は、メモリ上においてアクセスアカウントに情報処理装置10の識別情報が紐づいていると判断した場合、該情報処理装置10と通信する場合は該アクセスアカウントを利用することになる。
【0064】
一方、情報処理装置10の機器設定処理部11は、メモリ上にアクセスアカウントが記憶されていないが、機器管理装置20からアクセスアカウントを取得したことを示す履歴情報が記憶されている場合、機器管理装置20の機器設定保存部22に対して当該情報処理装置10のアクセスアカウントを要求し(ステップS19)、機器管理装置20の機器設定保存部22から当該情報処理装置10のアクセスアカウントを取得する(ステップS20)。
【0065】
なお、情報処理装置10の機器設定処理部11は、メモリ上にアクセスアカウントが記憶されている場合には、該アクセスカウントを取得する(ステップS21)。ただし、取得したアクセスアカウントに対応する機器アカウントに設定された権限情報が所定の要件を満たしていない場合がある。例えば、過去にアクセスアカウントとして記憶した後に、機器アカウントの権限情報が変更された場合などである。この場合は、上述したS13からの処理を実行することができる。
【0066】
このように本実施形態によれば、クラウドの機器管理装置20で管理される情報処理装置10においてアカウントを設定することができる。また、本実施形態によれば、機器管理装置20から取得する管理対象機器毎に異なる複数個分存在するアクセスアカウントが要件を満たすか否かを判断でき、要件を満たすアクセスアカウントを記憶部15上に保存し、情報処理装置10にインストールされたアプリ又は情報処理装置10がシャットダウンされるまでは保存したアクセスアカウントを利用できる。なお、本実施形態によれば、情報処理装置10または情報処理装置10にインストールされたアプリが再起動しても、機器管理装置20からアクセスアカウントを再度取得することができる。
【0067】
本実施形態の情報処理装置10または機器管理装置20で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0068】
また、本実施形態の情報処理装置10または機器管理装置20で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の情報処理装置10または機器管理装置20で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0069】
また、本実施形態の情報処理装置10または機器管理装置20を、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0070】
本実施の形態の情報処理装置10または機器管理装置20で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0071】
なお、上記実施の形態では、本発明の情報処理装置10を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【0072】
なお、情報処理装置10は、通信機能を備えた装置であれば、画像形成装置に限られない。情報処理装置10は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0073】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0074】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。
【0075】
ある実施形態では、機器管理装置20は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、情報処理装置10は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0076】
さらに、機器管理装置20および情報処理装置10は、開示された処理ステップ、例えば図8および図9を様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、情報処理装置10によって実行され得る。同様に、所定のユニットの機能は、情報処理装置10によって実行することができる。また、機器管理装置20と情報処理装置10の各要素は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0077】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>複数の情報処理装置と当該複数の情報処理装置を管理する機器管理装置とを備える情報処理システムにおいて、
アクセスアカウントを登録する登録手段と、
前記情報処理装置からの取得要求を受けた場合、複数のアクセスアカウントを前記情報処理装置に送信する送信手段と、
取得した複数のアクセスアカウントが要件を満たすか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記要件を満たすと判断した場合、前記要件を満たすアクセスアカウントを記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
<2>前記登録手段は、前記アクセスアカウントを、当該情報処理装置にかかるアクセスアカウント保存用領域に保存し、
前記送信手段は、前記情報処理装置から取得要求を受けた時、前記アクセスアカウント保存用領域に保存した登録済みのアクセスアカウントを送信する、
ことを特徴とする<1>に記載の情報処理システム。
<3>ユーザ識別情報を含む機器アカウントを登録する登録手段を更に含み、
前記判断手段は、取得したアクセスアカウントが含むユーザ識別情報が前記機器アカウントが含むユーザ識別情報と一致する場合、前記要件を満たすと判断する、
ことを特徴とする<1>または<2>に記載の情報処理システム。
<4>ユーザ権限情報を含む機器アカウントを登録する登録手段を更に含み、
前記判断手段は、取得したアクセスアカウントに対応する機器アカウントが有するユーザ権限情報に所定の権限が含まれる場合、前記要件を満たすと判断する、
ことを特徴とする<3>に記載の情報処理システム。
<5>前記判断手段は、前記情報処理装置または前記情報処理装置にインストールされたアプリが再起動しても、前記機器管理装置から前記アクセスアカウントを再度取得する、
ことを特徴とする<1>ないし<4>の何れか一に記載の情報処理システム。
<6>複数の情報処理装置と当該複数の情報処理装置を管理する機器管理装置とを備える情報処理システムにおいて、
前記機器管理装置は、
アクセスアカウントを登録する登録手段と、
前記情報処理装置からの取得要求を受けた場合、複数のアクセスアカウントを前記情報処理装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
取得した複数のアクセスアカウントが要件を満たすか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記要件を満たすと判断した場合、前記要件を満たすアクセスアカウントを記憶する記憶手段と、
を備える、
ことを特徴とする情報処理システム。
<7>複数の情報処理装置を管理する機器管理装置において、
アクセスアカウントを登録する登録手段と、
前記情報処理装置からの取得要求を受けた場合、複数のアクセスアカウントを前記情報処理装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする機器管理装置。
<8>機器管理装置に管理される情報処理装置において、
取得した複数のアクセスアカウントが要件を満たすか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記要件を満たすと判断した場合、前記要件を満たすアクセスアカウントを記憶する記憶手段と、
を備える、
ことを特徴とする情報処理装置。
<9>複数の情報処理装置と当該複数の情報処理装置を管理する機器管理装置とを備える情報処理システムにおける設定変更方法であって、
アクセスアカウントを登録する登録工程と、
前記情報処理装置からの取得要求を受けた場合、複数のアクセスアカウントを前記情報処理装置に送信する送信工程と、
取得した複数のアクセスアカウントが要件を満たすか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程が前記要件を満たすと判断した場合、前記要件を満たすアクセスアカウントを記憶する記憶工程と、
を含むことを特徴とする設定変更方法。
<10>複数の情報処理装置を管理する機器管理装置を制御するコンピュータを、
アクセスアカウントを登録する登録手段と、
前記情報処理装置からの取得要求を受けた場合、複数のアクセスアカウントを前記情報処理装置に送信する送信手段と、
として機能させるためのプログラム。
<11>機器管理装置に管理される情報処理装置を制御するコンピュータを、
取得した複数のアクセスアカウントが要件を満たすか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記要件を満たすと判断した場合、前記要件を満たすアクセスアカウントを記憶する記憶手段と、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0078】
10 情報処理装置
11 機器設定処理部
20 機器管理装置
21 機器設定機能部
22 機器設定保存部
100 情報処理システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0079】
【特許文献1】特開2019-049913号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9