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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012621
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】成膜方法及びプラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/32 20060101AFI20230119BHJP
   H01L 21/314 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
C23C16/32
H01L21/314 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116148
(22)【出願日】2021-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】金子 都
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 奈央子
【テーマコード(参考)】
4K030
5F058
【Fターム(参考)】
4K030AA09
4K030AA10
4K030AA14
4K030AA16
4K030AA17
4K030AA18
4K030BA28
4K030DA06
4K030DA08
4K030FA01
4K030FA03
4K030JA05
4K030JA06
4K030KA20
4K030KA41
5F058BC14
5F058BF07
5F058BF26
5F058BF37
(57)【要約】
【課題】炭素含有膜の応力を低減させる。
【解決手段】処理容器を有するプラズマ処理装置において基板上に炭素含有膜を形成する成膜方法であって、(a)前記処理容器内に酸素雰囲気を形成する工程と、(b)前記処理容器内の載置台に前記基板を載置する工程と、(c)前記処理容器内に炭素含有ガスを供給し、プラズマ生成用の高周波電力により該炭素含有ガスからプラズマを生成し、炭素含有膜を成膜する工程と、を含む成膜方法が提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理容器を有するプラズマ処理装置において基板上に炭素含有膜を形成する成膜方法であって、
(a)前記処理容器内に酸素雰囲気を形成する工程と、
(b)前記処理容器内の載置台に前記基板を載置する工程と、
(c)前記処理容器内に炭素含有ガスを供給し、プラズマ生成用の高周波電力により該炭素含有ガスからプラズマを生成し、炭素含有膜を成膜する工程と、
を含む成膜方法。
【請求項2】
前記(a)の工程は、前記(b)の工程の前に前記処理容器内に酸素含有ガスを供給して前記処理容器内を前記酸素含有ガスにさらすこと、及び、前記処理容器内に酸素含有ガスを供給してプラズマを生成し、前記処理容器内を前記プラズマにさらすことの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の成膜方法。
【請求項3】
前記(a)の工程は、前記(b)の工程の後であって、前記(c)の工程の前又は前記(c)の工程の後の少なくともいずれかにおいて、前記処理容器内に酸素含有ガスを供給して前記基板を前記酸素含有ガスにさらすこと、及び、前記処理容器内に酸素含有ガスを供給してプラズマを生成し、前記基板を前記プラズマにさらすことの少なくとも1つを含む、
請求項1又は2に記載の成膜方法。
【請求項4】
前記(c)の工程と前記(a)の工程とを繰り返すことを含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の成膜方法。
【請求項5】
膜応力、成膜速度、膜密度及びドライエッチングレートの少なくとも1つと炭素含有ガスの流量との関係を示す情報を予め記憶部に記憶する工程を有し、
前記(c)の工程は、前記記憶部に記憶した情報に基づいて前記炭素含有ガスの流量を設定する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の成膜方法。
【請求項6】
成膜速度と炭素含有ガスの流量との関係を示す情報を予め記憶部に記憶する工程を有し、
前記(c)の工程は、前記記憶部に記憶した情報に基づいて前記炭素含有膜の成膜速度を下げるように前記炭素含有ガスの流量を設定する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の成膜方法。
【請求項7】
前記炭素含有ガスがCHガス、Cガスの少なくとも1つを含む、
請求項6に記載の成膜方法。
【請求項8】
前記炭素含有ガスがCHガスであり、前記炭素含有膜の成膜速度を下げるように前記CHガスの流量を設定し、
前記(c)の工程は、前記設定した流量のCHガスの単ガスを供給する、
請求項7に記載の成膜方法。
【請求項9】
前記炭素含有ガスがCガスであり、前記炭素含有膜の成膜速度を下げるようにCガスの流量を設定し、
前記(c)の工程は、前記設定した流量のCガスと不活性ガスとの混合ガスを供給する、
請求項7に記載の成膜方法。
【請求項10】
前記(c)の工程は、前記炭素含有ガスの流量を1~120sccmに制御する、
請求項1~9のいずれか一項に記載の成膜方法。
【請求項11】
前記炭素含有膜は酸素を含み、前記炭素含有膜中の酸素濃度は10%以下である、
請求項1~10のいずれか一項に記載の成膜方法。
【請求項12】
処理容器と上部電極プレートと高周波電源と制御部とを有するプラズマ処理装置であって、
前記制御部は、
前記処理容器内に酸素雰囲気を形成する工程と、
前記処理容器内の載置台に基板を載置する工程と、
前記上部電極プレートから前記処理容器内に炭素含有ガスを供給する工程と、
前記処理容器内に炭素含有ガスを供給し、前記高周波電源からプラズマ生成用の高周波電力を印加し、該炭素含有ガスからプラズマを生成し、炭素含有膜を成膜する工程と、
を含む工程を制御する、プラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、成膜方法及びプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
NANDやDRAM等のデバイスを製造するためにエッチング用マスクとしてカーボン系ハードマスクが使用されている。カーボン系ハードマスクとしては、アモルファスカーボンが一般的である。近年、NANDやDRAM等のデバイスは年々微細化しており、カーボン系ハードマスクにおいても高いエッチング選択性や低減された応力(圧縮応力)などの特性への要求が厳しくなってきている。カーボン系ハードマスクの特性への要求を達成するために、例えば、アモルファスカーボンハードマスクへドーパントを注入することで、ハードマスクの硬度や密度を増加させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-504209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、炭素含有膜の応力を低減させることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一の態様によれば、処理容器を有するプラズマ処理装置において基板上に炭素含有膜を形成する成膜方法であって、(a)前記処理容器内に酸素雰囲気を形成する工程と、(b)前記処理容器内の載置台に前記基板を載置する工程と、(c)前記処理容器内に炭素含有ガスを供給し、プラズマ生成用の高周波電力により該炭素含有ガスからプラズマを生成し、炭素含有膜を成膜する工程と、を含む成膜方法が提供される。
【発明の効果】
【0006】
一の側面によれば、炭素含有膜の応力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係るプラズマ処理装置の一例を示す図。
図2】実施形態に係る炭素含有膜の成膜方法の一例を示すフローチャート。
図3】第1実施形態に係る成膜条件と膜特性の一例を示す図。
図4】ラマンスペクトル、DLC膜の応力及びエッチング耐性の一例を示す図。
図5】第2実施形態に係る成膜条件と膜特性の一例を示す図。
図6】ラマンスペクトル、DLC膜の応力及びエッチング耐性の一例を示す図。
図7】DLC膜中のsp結合の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0009】
[プラズマ処理装置]
本実施形態に係るプラズマ処理装置1について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るプラズマ処理装置1の一例を示す概略断面図である。プラズマ処理装置1は、減圧状態の処理容器2内でCVD(Chemical Vapor Deposition)法によりウエハを一例とする基板Wに炭素含有膜(例えば、DLC膜)を成膜する装置である。
【0010】
プラズマ処理装置1は、略円筒状の気密な処理容器2を備える。処理容器2の底壁の中央部分には、排気室21が設けられている。排気室21は、下方に向けて突出する例えば略円筒状の形状を備える。排気室21には、例えば排気室21の側面において、排気流路22が接続されている。排気流路22には、圧力調整部23を介して排気部24が接続されている。圧力調整部23は、例えばバタフライバルブ等の圧力調整バルブを備える。排気流路22は、排気部24によって処理容器2内を減圧できるように構成されている。処理容器2の側面には、搬送口25が設けられている。搬送口25は、ゲートバルブ26によって開閉自在に構成されている。処理容器2内と搬送室(図示せず)との間における基板Wの搬入出は、搬送口25を介して行われる。
【0011】
処理容器2内には、基板Wを略水平に保持するための載置台3が設けられている。載置台3は、平面視で略円形状に形成されており、支持部材31によって支持されている。載置台3の表面には、例えば直径が300mmの基板Wを載置するための略円形状の凹部32が形成されている。凹部32は、基板Wの直径よりも僅かに(例えば1mm~4mm程度)大きい内径を有する。凹部32の深さは、例えば基板Wの厚さと略同一に構成される。載置台3は、例えば窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックス材料により形成されている。また、載置台3は、ニッケル(Ni)等の金属材料により形成されていてもよい。なお、凹部32の代わりに載置台3の表面の周縁部に基板Wをガイドするガイドリングを設けてもよい。
【0012】
載置台3には、下部電極33が埋設される。下部電極33の下方には、温調機構34が埋設される。温調機構34は、制御部9からの制御信号に基づいて、載置台3に載置された基板Wを設定温度に調整する。
【0013】
下部電極33には、整合器351を介してRF電源35が接続されている。RF電源35は、後述するRF電源51の周波数よりも低い周波数(LF;Low Frequency)の電力を下部電極33に印加する。RF電源35が発生する低周波電力は、基板Wにイオンを引き込むためのバイアス用の低周波電力として用いられる。RF電源35の周波数は、450kHz~27MHzであり、例えば、13.56MHzである。
【0014】
載置台3には、載置台3に載置された基板Wを保持して昇降するための複数本(例えば3本)の昇降ピン41が設けられている。昇降ピン41の材料は、例えばアルミナ(Al2O3)等のセラミックスや石英等であってよい。昇降ピン41の下端は、支持板42に取り付けられている。支持板42は、昇降軸43を介して処理容器2の外部に設けられた昇降機構44に接続されている。
【0015】
昇降機構44は、例えば排気室21の下部に設置されている。ベローズ45は、排気室21の下面に形成された昇降軸43用の開口部211と昇降機構44との間に設けられている。支持板42の形状は、載置台3の支持部材31と干渉せずに昇降できる形状であってもよい。昇降ピン41は、昇降機構44によって、載置台3の表面の上方の側と、載置台3の表面の下方の側との間で、昇降自在に構成される。言い換えると、昇降ピン41は、載置台3の上面から突出可能に構成される。
【0016】
また、支持部材31の下端部は、排気室21の開口部212を貫通し、処理容器2の下方に配置された昇降板47を介して、昇降機構46に支持される。排気室21の底部と昇降板47との間には、ベローズ48が設けられており、昇降板47の上下動によっても処理容器2内の気密性は保たれる。
【0017】
昇降機構46が昇降板47を昇降させることにより、載置台3を昇降することができる。これにより、載置台3と上部電極プレート5の下面とのギャップを調整することができる。
【0018】
処理容器2の天壁27には、絶縁部材28を介して上部電極プレート5が設けられている。上部電極プレート5は、上部電極を成しており、下部電極33に対向して平行に配置されている。上部電極プレート5には、整合器511を介してRF電源51が接続されている。RF電源51は、RF電源35の周波数よりも高い周波数(HF;High Frequency)の電力を上部電極プレート5に供給する。RF電源51が発生する高周波電力は、基板Wの成膜に必要なプラズマ生成用の高周波電力として用いられる。RF電源51の周波数は、例えば、2MHz~1GHzである。RF電源51から上部電極プレート5にRF電力が印加される。これにより、載置台3と上部電極プレート5との間にRF電界が生じるように構成されている。上部電極プレート5は、中空状のガス拡散室52を備える。ガス拡散室52の下面には、処理容器2内へ処理ガスを分散供給するための多数の孔53が例えば均等に配置されている。上部電極プレート5における例えばガス拡散室52の上方には、加熱機構54が埋設されている。加熱機構54は、制御部9からの制御信号に基づいて図示しない電源部から給電されることによって、設定温度に加熱される。
【0019】
ガス拡散室52には、ガス供給路6が設けられている。ガス供給路6は、ガス拡散室52に連通している。ガス供給路6の上流側には、ガスライン62を介してガス源61が接続されている。ガス源61は、例えば各種の処理ガスの供給源、マスフローコントローラ、バルブ(いずれも図示せず)を含む。炭素含有膜の形成方法において用いられる炭素含有ガスには、例えば、CH、C、C、Cを含む。また、炭素含有ガスは、不活性ガスや希釈ガス(例えば、H、Ar、He、O、N)を含んでもよい場合がある。各種のスは、ガス源61からガスライン62を介してガス拡散室52に導入される。
【0020】
プラズマ処理装置1は、制御部9を備える。制御部9は、例えばコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置等を備える。CPUは、ROM又は補助記憶装置に格納されたプログラムに基づいて動作し、プラズマ処理装置1の動作を制御する。制御部9は、プラズマ処理装置1の内部に設けられていてもよく、外部に設けられていてもよい。制御部9がプラズマ処理装置1の外部に設けられている場合、制御部9は、有線又は無線等の通信手段によって、プラズマ処理装置1を制御できる。
【0021】
[成膜方法]
次に、本実施形態に係るプラズマ処理装置1を用いた炭素含有膜の成膜方法の一例について、図2を用いて説明する。図2は、実施形態に係るプラズマ処理装置1を用いた炭素含有膜の成膜方法の一例を示すフローチャートである。係るプラズマ処理装置1の動作により実施形態に係る成膜方法MTが実行される。
【0022】
ステップS1において、制御部9は、処理容器2内に酸素雰囲気を形成する。具体的には、基板Wが処理容器2内に搬送される前に、制御部9は、ガス源61を制御して処理容器2内に酸素含有ガスを供給して処理容器2内を酸素含有ガスにさらす。また、例えば、制御部9は、ガス源61を制御して処理容器2内に炭素含有ガスを供給し、RF電源51を制御して上部電極プレート5に高周波電力(HF)を印加する。そして酸素含有ガスのプラズマを生成し、処理容器2内を該プラズマにさらす。また、例えば、処理容器2内を酸素含有ガスにさらすことと、酸素含有ガスのプラズマにさらすこととの両方を含んでもよい。また、酸素含有ガスは、Oガスであり、不活性ガスを含んでもよく、Arガス等で希釈した酸素含有ガスを処理容器2内に供給することがより好ましい。
【0023】
ステップS3において、制御部9は、基板Wを準備する。制御部9は、図示しない搬送装置を制御して、プラズマ処理装置1の載置台3に基板Wを載置する。プラズマ処理装置1は、基板Wの上に炭素含有膜を形成する。炭素含有膜の一例は、DLC(Diamond Like Carbon)膜である。
【0024】
ステップS5において、制御部9は、酸素雰囲気が形成された処理容器2内に載置された基板Wの上に、例えば、炭素含有ガスのプラズマで炭素含有膜を形成する。制御部9は、温調機構34を制御して、基板Wの温度を所定の温度とする。また、温調機構34は、圧力調整部23及び排気部24を制御して、処理容器2内を所定の圧力とする。また、制御部9は、ガス源61を制御して処理容器2内に炭素含有ガスを供給する。また、制御部9は、RF電源51を制御して上部電極プレート5に高周波電力(HF)を印加する。制御部9は、RF電源35を制御して下部電極33に低周波電力(LF)を印加する。これにより、炭素含有ガスのプラズマが生成され、このプラズマにより基板Wの上に膜中に酸素(O)を含む炭素含有膜が形成される。
【0025】
なお、ステップS5における成膜条件の例を2つ挙げる。
<第1実施形態:成膜条件1>
載置台と上部電極プレートとのギャップ:30mm~60mm
ガス種:CHガス
CHガス供給量:40sccm
処理容器内圧力:3Pa~100Pa
高周波電力(HF):40MHz~1GHz(例えば180MHz)、100~3000W
低周波電力(LF):450kHz~27MHz(例えば、13.56MHz)、100~2000W
載置台温度:20℃~320℃
<第2実施形態:成膜条件2>
載置台と上部電極プレートとのギャップ:30mm~60mm
ガス種:Cガス、Arガス
ガスの供給量:2.5sccm、Arガスの供給量:22.5sccm
*ただし、Arガスの替わりにHガス、Nガス、Heガスを使用してもよい。
処理容器内圧力:3Pa~100Pa
高周波電力(HF):40MHz~1GHz、100~3000W
低周波電力(LF):450kHz~27MHz、100~2000W
載置台温度:20℃~320℃
【0026】
炭素含有膜の形成方法として、図2に示すように処理容器2内に酸素雰囲気を形成し(ステップS1)、基板Wを処理容器2内に載置し(ステップS3)、炭素含有ガスのプラズマを用いて基板W上に炭素含有膜を形成する(ステップS5)ことを一例として述べてきたが、この限りではない。例えば、処理容器2内に基板Wを載置する工程の後であって、炭素含有膜を成膜する工程の前に酸素含有ガスにさらしてから、炭素含有膜を形成してもよいし、酸素含有プラズマに短時間基板Wをさらしてから炭素含有膜を形成してもよい。また、例えば、炭素含有膜を成膜する工程の後に、酸素含有ガスにさらしてもよいし、酸素含有プラズマに短時間基板をさらしてもよい。また、例えば、炭素含有膜を成膜する工程と酸素雰囲気を形成する工程とを繰り返してもよい。このように処理容器2内に酸素雰囲を形成して炭素含有膜を形成することで、膜中に酸素(O)を含む炭素含有膜を形成できる。また、処理容器内に酸素雰囲を形成するタイミングを制御することで酸素濃度を制御した膜中に酸素(O)を含む炭素含有膜を形成することができる。
【0027】
[膜特性]
図2に示す成膜方法により形成された炭素含有膜の一例としてDLC膜を挙げ、DLC膜の特性について<第1実施形態:成膜条件1>の場合と、<第2実施形態:成膜条件2>の場合について順に説明する。
【0028】
<第1実施形態:成膜条件1>
まず、<第1実施形態:成膜条件1>の場合のDLC膜の特性について、図3を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る成膜条件1とDLC膜の特性の一例を示す図である。成膜条件(a)~(c)のうち成膜条件(b)が<第1実施形態:成膜条件1>と同一である。成膜条件(b)では、DLC膜を成膜する工程においてCHガスを40sccm供給した。また、成膜条件(a)~(c)のいずれも、処理容器2内に基板Wを載置する工程とDLC膜を成膜する工程とを所定回数繰り返し、載置工程と成膜工程の間に酸素雰囲気を形成する工程として、処理容器2内を酸素プラズマにさらすことを設定された回数行った。成膜条件(b)では、酸素プラズマにさらすことを5回行った。
【0029】
参考例の成膜条件(a)では、CHガスを200sccm供給し、成膜条件(b)よりも高流量に設定した。また、成膜条件(a)では、酸素プラズマにさらすことを3回行った。
【0030】
参考例の成膜条件(c)では、CHガスとArガスの混合ガスをCHガス40sccm、Arガス160sccmの割合でそれぞれ供給した。つまり、CHガスの流量は成膜条件(b)と同じ流量であるが、Arガスにより希釈したため、ガスの総流量としては成膜条件(a)のCHガスの流量と同じであった。また、成膜条件(c)では、酸素プラズマにさらすことを5回行った。
【0031】
図3では、成膜条件(a)~(c)で形成された各DLC膜の特性を示す値として、DER(Dry Etching Rate)、応力(Stress)、DLC膜に含まれる元素の割合、膜密度を示す。DERは、DLC膜のドライエッチング耐性を示す。応力(Stress)は、圧縮応力の向きをマイナスとしてDLC膜の応力を示す。DLC膜に含まれる元素の割合は、ラザフォード後方散乱分光法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)の計測結果である。
【0032】
この結果、成膜条件(a)で形成したDLC膜の応力は-1.0GPaであり、膜中の酸素は検出されなかった。よって、成膜条件(a)に示す200sccmの高流量のCHガスにより形成されたDLC膜は硬く、高ストレスであることがわかる。
【0033】
成膜条件(b)で形成したDLC膜は、応力が-86MPaであり、成膜条件(a)にて形成したDLC膜と比較して応力を90%低減できた。ドライエッチング耐性(DER)及び膜密度は成膜条件(a)により形成されたDLC膜とほぼ同じであった。よって、成膜条件(b)にて形成したDLC膜は、成膜条件(a)にて形成したDLC膜よりも低ストレス、かつ、ドライエッチング耐性及び膜密度は維持できており、例えば、DLC膜をハードマスクとして用いる場合に、特に有用である。
【0034】
また、成膜条件(a)にて形成したDLC膜内の酸素は検出されなかったが、成膜条件(b)にて形成したDLC膜中の酸素の割合は4.9%であった。つまり、成膜条件(b)にて形成したDLC膜は、低流量のCHガスを供給して膜を形成したことで膜中に酸素が含有したと考えられる。これにより、成膜条件(b)により形成したDLC膜中の酸素の作用により、ドライエッチング耐性及び膜密度を維持しつつ、成膜条件(a)にて形成したDLC膜と比較して90%のストレスの低減を実現できた。
【0035】
参考例の成膜条件(c)で形成したDLC膜は、応力が-812MPaであり、膜中の酸素は検出されなかった。ドライエッチング耐性及び膜密度は成膜条件(a)及び(b)により形成されたDLC膜とほぼ同じであった。
【0036】
以上から成膜条件(b)では酸素を含有するDLC膜を成膜でき、膜中の酸素の作用により柔軟かつ低ストレスのDLC膜を成膜できた。成膜条件(b)にて形成されたDLC膜の中に酸素が含有された理由は、成膜条件(b)による成膜では、CHガスが低流量で成膜レートが遅いために、処理容器2内の酸素が膜中に取り込まれたと推測される。この実験では所定時間成膜した後、処理容器2に隣接する搬送室に基板を搬送して処理容器2内をOプラズマにさらすことを行いながら搬送室で所定時間の間、基板を待機した後、搬送室から基板を戻して再び成膜工程を実行することで処理容器2内が酸素雰囲気になった。また、このように成膜工程の間にOプラズマにさらすことを行うことに限らず、基板を搬入する前にOプラズマにさらすことを実行してもよいし、成膜工程後にOプラズマにさらすことを実行してもよい。
【0037】
つまり、処理容器2内に薄い濃度の酸素が存在する酸素雰囲気を形成し、低流量(例えば、40sccm)のCHガスを供給することで、DLC膜の形成中に酸素が含有される。
【0038】
一方、処理容器2内に酸素雰囲気を形成し、200sccmの高流量のCHガスを供給すると、DLC膜の形成中に酸素が含有されない。また、CHガスとArガスの混合ガスをCHガス40sccm、Arガス160sccmの割合で混合したガスを供給した場合にはDLC膜中に酸素は含有されない。これは、Arガス160sccmをキャリアガスとしてCHガスの流速が早くなったため、DLC膜中に酸素が含有されなかったと考えられる。よって、CHガスを40sccm程度の低流量に下げ、CHガスの流速を遅くしながらDLC膜の成膜速度を低下させる必要がある。これにより、DLC膜中に酸素が含有され、低ストレスの膜を形成できる。
【0039】
図4(a)は、ラマンスペクトルの一例を示すグラフである。図4(b)は、DLC膜の応力及びエッチング耐性の一例を示すグラフである。図4(a)では、成膜条件1(図3の成膜条件(b))及び図3の成膜条件(a)により形成されたDLC膜のラマン分光法の計測結果を示す。図4(a)の横軸はラマンシフトを示し、縦軸は散乱強度を示す。実線は、第1実施形態の成膜条件(b)により形成されたDLC膜のラマンスペクトルを示し、破線は、参考例の成膜条件(a)により形成されたDLC膜のラマンスペクトルを示す。
【0040】
図4(a)では、成膜条件(a)により形成されたDLC膜のラマンスペクトル(破線)に対して成膜条件(b)により形成されたDLC膜のラマンスペクトル(実線)は、ピークGの波形が右にシフトしている。これは、成膜条件(b)により形成されたDLC膜が成膜条件(a)により形成されたDLC膜よりも低ストレスの膜になっていることを示す。成膜条件(b)により形成されたDLC膜に酸素が含有されているために、低ストレスの膜になったことを裏付けている。
【0041】
また、図4(b)の横軸はCHガスの流量を示し、縦軸(左)は応力(Stress)、縦軸(右)はエッチング耐性を示す。成膜条件(a)により形成されたDLC膜の特性は、CHガスの流量が200sccmのときの応力及びエッチング耐性である。成膜条件(b)により形成されたDLC膜の特性は、CHガスの流量が40sccmのときの応力及びエッチング耐性である。これによれば、成膜条件(b)により形成されたDLC膜は、成膜条件(a)により形成されたDLC膜と比較してエッチング耐性を維持しつつ、膜のストレスを大幅に低下させることができた。
【0042】
次に、<第2実施形態:成膜条件2>の場合のDLC膜の特性について、図5を参照しながら説明する。図5は、第2実施形態に係る成膜条件とDLC膜の特性の一例を示す図である。成膜条件(a)及び(b)のうち成膜条件(b)が、<第2実施形態:成膜条件2>と同一である。成膜条件(b)では、DLC膜を成膜する工程においてCガスの供給量を2.5sccm、Arガスの供給量を22.5sccm、総流量25sccmに設定した。また、成膜条件(b)の場合、処理容器内に基板を載置する工程とDLC膜を成膜する工程とを所定回数繰り返し、載置工程と成膜工程の間に酸素雰囲気を形成する工程として、処理容器内を酸素プラズマにさらすことを9回行った。
【0043】
これに対して、参考例の成膜条件(a)では、DLC膜を成膜する工程においてCガスの供給量を20sccm、Arガスの供給量を180sccm、総流量200sccmに供給した。また、成膜条件(a)では、処理容器内に基板を載置する工程とDLC膜を成膜する工程とを所定回数繰り返し、載置工程と成膜工程の間に酸素雰囲気を形成する工程として、処理容器内を酸素プラズマにさらすことを行わなかった。
【0044】
この結果、成膜条件(a)で形成したDLC膜は、応力が-2.7GPaであり、膜中の酸素は検出されなかった。よって、成膜条件(a)により形成されたDLC膜は硬く、高ストレスであることがわかる。
【0045】
成膜条件(b)で形成したDLC膜は、応力が-1.0GPaであり、成膜条件(a)にて形成したDLC膜と比較して応力を63%低減できた。ドライエッチング耐性(DER)及び膜密度は成膜条件(a)により形成されたDLC膜とほぼ若干の低下は見られたがほぼ同レベルであった。よって、成膜条件(b)にて形成したDLC膜は、成膜条件(a)にて形成したDLC膜よりも低ストレス、かつ、ドライエッチング耐性及び膜密度は維持できており、例えば、DLC膜をハードマスクとして用いる場合に、特に有用である。
【0046】
また、成膜条件(b)にて形成したDLC膜中の酸素の割合は6.6%であった。つまり、成膜条件(b)にて形成したDLC膜は、低流量のCガスを供給して膜を形成したため、DLC膜中に酸素が含有された。これにより、成膜条件(b)により形成したDLC膜では、膜中の酸素の作用により、ドライエッチング耐性及び膜密度を維持しつつ、成膜条件(a)にて形成したDLC膜と比較して63%のストレスの低減を実現できた。
【0047】
図6(a)は、ラマンスペクトルの一例を示すグラフである。図6(b)は、DLC膜の応力及びエッチング耐性の一例を示すグラフである。図6(a)では、第2実施形態の成膜条件2(図5の成膜条件(b))及び参考例の図5の成膜条件(a)により形成されたDLC膜のラマン分光法の計測結果を示す。図6(a)の横軸はラマンシフトを示し、縦軸は散乱強度を示す。実線は、図5の成膜条件(b)により形成されたDLC膜のラマンスペクトルを示し、破線は、参考例の図5の成膜条件(a)により形成されたDLC膜のラマンスペクトルを示す。
【0048】
図6(a)では、成膜条件(a)により形成されたDLC膜のラマンスペクトル(破線)に対して図5の成膜条件(b)により形成されたDLC膜のラマンスペクトル(実線)は、ピークGの波形が右にシフトしている。これは、成膜条件(b)により形成されたDLC膜が成膜条件(a)により形成されたDLC膜よりも柔らかい膜になっていることを示す。成膜条件(b)により形成されたDLC膜に酸素が含有されているために、低ストレスの膜になったことを示す。
【0049】
また、図6(b)の横軸はCガス+Arガスの混合ガスの流量(この流量の10%がCガスの流量(10%-C))を示し、縦軸(左)は応力(Stress)、縦軸(右)はエッチング耐性を示す。成膜条件(a)により形成されたDLC膜の特性は、Cガス+Arガスの混合ガスの総流量が200sccm、Cガスの流量が20sccmのときの応力及びエッチング耐性である。成膜条件(b)により形成されたDLC膜の特性は、Cガス+Arガスの混合ガスの総流量が25sccm、Cガスの流量が2.5sccmのときの応力及びエッチング耐性である。これによれば、成膜条件(b)により形成されたDLC膜は、成膜条件(a)により形成されたDLC膜と比較してエッチング耐性を維持しつつ、膜のストレスを大幅に低下させることができた。
【0050】
[まとめ]
(低流量の炭素含有ガス供給)
以上の実験では、炭素含有ガスが低流量の場合に膜中に酸素が含有し、低ストレスの炭素含有膜が形成されることがわかった。炭素含有ガスがCHガスの場合、膜中に酸素が含有し、低ストレスの炭素含有膜が形成されるためは、図4(b)のグラフからストレスが-500MPa以下となる流量として120sccm以下が効果がある。つまり、「CHガスの低流量」とは、40sccm~120sccm程度である。
【0051】
炭素含有ガスがCガスの場合、膜中に酸素が含有し、低ストレスの炭素含有膜が形成されるためは、図6(b)のグラフから25sccm~120sccmの10%の2.5sccm~12sccmの範囲で効果がある。Cガスが2.5sccmのとき、Arガスの量を22.5sccmよりも多くすることも可能である。よって、「Cガスの低流量」とは、1sccm~12sccm程度である。以上から、CHガス及びCガスの低流量の範囲を総合して、「炭素含有ガスの低流量」とは、1sccm~120sccm程度である。
【0052】
(成膜方法実行時のガス流速)
第1実施形態に係る成膜方法では、炭素含有ガスがCHガスの場合、炭素含有膜の成膜速度を下げるようにCHガスの流量を設定する。炭素含有ガスを供給する工程は、設定した流量のCHガスに不活性ガスを混合させずに供給する。つまり、CHガスの単ガスのみを供給する。
【0053】
炭素含有ガスがCガスの場合、炭素含有膜の成膜速度を下げるようにCガスの流量を設定する。ただし、炭素含有ガスを供給する工程は、設定した流量のCガスに設定した流量よりも多い流量の不活性ガスを混合させて供給する。
【0054】
CHガスの場合、流量の大きいArガスで希釈すると、膜中に酸素を含有することができず、高ストレスのDLC膜となった。これは、Arガスで希釈しない場合に比べてガス流速が速くなり、DLC膜の膜中に酸素を取り込むのに十分な通過時間をかけられなかったことや、Arガスによって酸素が希釈されてしまい、膜中に取り込まれた酸素濃度が大幅に低くなってしまったために検出できなかったものと考えられる。また、Cガスの場合、Arガスで希釈されているガス(10%-C)を使用したが、ガス流量が大きいと、膜中に酸素を含有することができず、高ストレスのDLC膜となった。これは、ガス流量が小さい場合に比べてガス流速が速くなり、DLC膜の膜中に酸素を取り込むのに十分な通過時間をかけられなかったものと考えられる。したがって、ガス流量を小さくする、つまりガス流速を遅くすることで、膜中に酸素を含有できるものと推察する。
【0055】
(炭素含有膜中の酸素濃度)
成膜条件1、2のいずれかにて成膜方法により成膜した場合、形成された炭素含有膜は酸素を含有する。その際の炭素含有膜中の酸素濃度が10%以上であると応力は下げることができても、ドライエッチング耐性及び膜密度が悪化する。よって、炭素含有膜中の酸素濃度は10%以下であることが好ましい。これにより、エッチング耐性及び膜密度を維持しつつ、低ストレスの炭素含有膜を形成できる。炭素含有膜中の酸素濃度は5~7%がさらに好ましい。
【0056】
(炭素含有ガスの流量設定)
炭素含有ガスの流量を膜応力、成膜速度、膜密度、ドライエッチングレートの少なくとも1つと炭素含有ガスの流量との関係を示す情報を実験やシミュレーションにより予め求め、かかる情報に基づき炭素含有ガスの流量を設定してもよい。例えば、膜応力、成膜速度、膜密度、ドライエッチングレートの少なくとも1つと炭素含有ガスの流量との関係を示す情報は、予め制御部9に設けられた記憶部に記憶しておく。炭素含有膜を成膜する工程において、制御部9は、記憶部に記憶した情報に基づいて炭素含有ガスの流量を設定する。
【0057】
例えば、成膜速度と炭素含有ガスの流量との関係を示す情報を予め記憶部に記憶し、炭素含有膜を成膜する工程において、制御部9は、記憶部に記憶した情報に基づいて炭素含有膜の成膜速度を下げるように炭素含有ガスの流量を設定してもよい。
【0058】
(膜中のsp結合)
DLC膜は、短距離秩序としてsp結合及びsp結合の両方が混在し、長距離秩序を持たない不規則なアモルファス構造の炭素含有膜である。また、DLC膜は、ドライエッチング耐性を有している。また、DLC膜は、強い圧縮応力(compressive stress)を有している。DLC膜中に酸素を含有させることと、sp結合を減少させることで、圧縮応力を低減させ、低ストレスの炭素含有膜を形成できる。
【0059】
図7は、DLC膜中のsp結合の一例を示す図である。図4及び図6に示すラマンスペクトルのGピークの位置によってsp結合の状態を測定できる。図4の低流量のCHガスの場合及び図6の低流量のCガスの場合のいずれのラマンスペクトルのGピークの位置(実線)が若干右にシフトしている。このことから、膜中のsp結合が減っていることを示す。これは、DLC膜中のダイアモンド構造が減り、DLC膜の応力が緩和されたことを意味する。
【0060】
図4及び図6に示すラマンスペクトルのDの位置の散乱強度I(D)とGの位置の散乱強度I(G)の比であるI(D)/I(G)によってsp結合の状態を測定できる。具体的には、I(D)/I(G)が大きくなると(Dの位置の実線が上がってくると)、sp結合が減少し、DLC膜中のダイアモンド構造が減ってくることを意味する。
【0061】
図7の横軸はCガスの流量であり、縦軸(左)はGピークの位置であり、縦軸(右)はI(D)/I(G)の値である。これによれば、Cガスが低流量になるほど、Gピークの位置及びI(D)/I(G)の値が大きくなっている。以上から、本実施形態に係る成膜方法では、Cガスを低流量にすることで、DLC膜中のsp結合が減少し、DLC膜中のダイアモンド構造が減るため、これによりDLC膜中の応力を弱めることができる。なお、実施形態1で用いたCHガスでも同様である。
【0062】
以上のように、本実施形態に係るプラズマ処理装置1で成膜されたDLC膜によれば、従来よりもドライエッチング耐性及び膜密度を維持しつつ、DLC膜の圧縮応力を緩和することができる。
【0063】
なお、上記の実施形態では、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法による成膜方法を説明した。しかし、これに限定されず、成膜方法は、プラズマ処理装置1において例えば原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法による成膜にも同様に適用できる。
【0064】
今回開示された実施形態に係る成膜方法及びプラズマ処理装置は、すべての点において例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0065】
W 基板
1 プラズマ処理装置
2 処理容器
3 載置台
5 上部電極プレート(上部電極)
6 ガス供給路
9 制御部
33 下部電極
35 RF電源
51 RF電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7