(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127185
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】給紙装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 1/04 20060101AFI20230906BHJP
B65H 1/14 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
B65H1/04 310C
B65H1/14 322C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030810
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】来栖 由佳
(72)【発明者】
【氏名】大塚 嘉文
(72)【発明者】
【氏名】橋本 正人
(72)【発明者】
【氏名】菅原 久芳
(72)【発明者】
【氏名】紺野 和法
【テーマコード(参考)】
3F343
【Fターム(参考)】
3F343FA02
3F343FB01
3F343FC04
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA17
3F343HA31
3F343HA34
3F343HD09
3F343HD16
3F343KB03
3F343KB17
3F343LA04
3F343LA13
3F343LA14
3F343LC04
3F343LC16
(57)【要約】
【課題】延長底板の昇降における平行度を保持する。
【解決手段】底板の上に積載したシート材を画像形成装置100に向けて給紙可能な給紙トレイを有する給紙装置200であって、給紙トレイの底板61の給紙上流端に給紙装置200の外側に張出した延長底板62が接続された給紙装置200において、給紙装置200の側面に延長底板62を包囲する筐体300を装着すると共に、筐体300の内壁面と延長底板62との間に、延長底板62の荷重を支える支持部材90を配設したことを特徴とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板の上に積載したシート材を画像形成装置に向けて給紙可能な給紙トレイを有する給紙装置であって、前記給紙トレイの前記底板の給紙上流端に前記給紙装置の外側に張出した延長底板が接続された給紙装置において、
前記給紙装置の側面に前記延長底板を包囲する筐体を装着すると共に、当該筐体の内壁面と前記延長底板との間に、前記延長底板の荷重を支える支持部材を配設したことを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
前記支持部材の一端を前記延長底板に固定すると共に、前記支持部材の他端を前記筐体の内壁面であって前記給紙装置側の前側壁面にローラを介して摺接させたことを特徴とする請求項1の給紙装置。
【請求項3】
前記支持部材の一端を前記延長底板に回動軸を介して連結すると共に、前記支持部材の他端を前記筐体の内壁面であって前記延長底板の下方の底壁面にローラを介して摺接させ、前記回動軸に前記ローラを前記底面に向けて付勢するバネを装着したことを特徴とする請求項1の給紙装置。
【請求項4】
前記支持部材の一端を前記延長底板に回動軸を介して連結すると共に、前記支持部材の他端を前記筐体の内壁面であって前記延長底板の両側に位置する両側壁面にローラを介して摺接させ、前記回動軸に前記ローラを下方に向けて付勢するバネを装着したことを特徴とする請求項1の給紙装置。
【請求項5】
前記支持部材の一端を前記延長底板の下面にローラを介して摺接させると共に、前記支持部材の他端を前記筐体の内壁面であって前記給紙装置側の前側壁面又は前記延長底板の下方の底壁面に回動軸を介して連結し、前記回動軸に前記ローラを前記延長底板の前記下面に向けて付勢するバネを装着したたことを特徴とする請求項1の給紙装置。
【請求項6】
前記延長底板の給紙上流端に第2の延長底板を給紙方向に延長接続し、当該第2の延長底板に前記支持部材の一端を回動軸を介して連結すると共に、前記支持部材の他端を前記筐体の内壁面であって前記延長底板の下方の底壁面にローラを介して摺接させ、前記回動軸に前記ローラを前記底面に向けて付勢するバネを装着したことを特徴とする請求項1の給紙装置。
【請求項7】
前記支持部材の一端を前記延長底板の下面にローラを介して摺接させると共に、前記支持部材の他端を前記筐体の内壁面であって前記給紙装置側の前側壁面又は前記延長底板の下方の底壁面に回動軸を介して連結し、前記回動軸に前記ローラを前記延長底板の前記下面に向けて付勢するバネを装着し、
前記延長底板の給紙上流端に第3の延長底板を上下方向に回動可能に延長接続し、当該第3の延長底板と前記筐体の内壁面との間に前記第3の延長底板を支える第2の支持部材を配設したことを特徴とする請求項1の給紙装置。
【請求項8】
前記ローラの摺動面に補強部材を配設したことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項の給紙装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項の給紙装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置の外側で昇降可能な延長底板を備えた給紙装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置は、記録紙等のシート材を積層状体で収容する給紙装置を備えている(例えば特許文献1:特開2010-202372号公報)。給紙装置は、通常、シート材のサイズに対応した複数種類の給紙トレイを有する。
【0003】
一方、近年、通常の給紙トレイに収容できない長尺紙の使用ニーズが高まっている。そこで
図11に示すように、通常の給紙トレイの底板61に延長底板62を接続して長尺紙も収容可能にすることが行われている。
【0004】
この延長底板62は、給紙装置200本体の側面から外側に張出した形になる。延長底板62にシート材を積載すると、その荷重F1で延長底板62に対する曲げモーメントMが増大し、延長底板62に反りや傾きが発生する。そこで、延長底板62を支持部材90によって下側から支えることが従来から行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、給紙装置200の外装は一般的に樹脂や薄い板金で構成されているので変形しやすい。給紙装置200の側面で支持部材90の昇降用摺動ローラRをガイドすると、摺動ローラRの荷重F2が摺動接点に集中的に作用し、この集中荷重で給紙装置200の外装にたわみDが発生しやすい。たわみDが発生すると延長底板62の昇降における平行度を保持できなくなり、用紙ジャム等の給紙不良の原因にもなるという課題があった。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、延長底板の昇降における平行度を保持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明の給紙装置は、底板の上に積載したシート材を画像形成装置に向けて給紙可能な給紙トレイを有する給紙装置であって、前記給紙トレイの前記底板の給紙上流端に前記給紙装置の外側に張出した延長底板が接続された給紙装置において、前記給紙装置の側面に前記延長底板を包囲する筐体を装着すると共に、当該筐体の内壁面と前記延長底板との間に、前記延長底板の荷重を支える支持部材を配設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、延長底板の昇降における平行度を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る給紙装置と画像形成装置の概略側面図である。
【
図3】給紙装置の給紙トレイの底板と延長底板の斜視図である。
【
図4】従来の延長底板の荷重支持構造を示す図である。
【
図5】第1実施形態を示す図であって(a)は給紙装置と増設筐体の概略側面図、(b)は増設筐体の概略斜視図である。
【
図6A】第2実施形態を示す給紙装置と増設筐体の概略側面図である。
【
図6B】第2実施形態の増設筐体に補強部材を追加した概略側面図である。
【
図7A】第3実施形態を示す図であって(a)は給紙装置と増設筐体の概略側面図、(b)は増設筐体の横断面図である。
【
図7B】第3実施形態の増設筐体に補強部材を追加した図であって(a)は給紙装置と増設筐体の概略側面図、(b)は増設筐体の横断面図である。
【
図8A】第4実施形態を示す給紙装置と増設筐体の概略側面図である。
【
図8B】第4実施形態の延長底板に補強部材を追加した概略側面図である。
【
図9A】第5実施形態を示す給紙装置と増設筐体の概略側面図である。
【
図9B】第5実施形態の増設筐体に補強部材を追加した概略側面図である。
【
図10A】第6実施形態を示す給紙装置と増設筐体の概略側面図である。
【
図10B】第6実施形態の延長底板に補強部材を追加した概略側面図である。
【
図11】従来の(a)給紙装置の概略側面図と(b)装置側面の変形状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(●画像形成装置と給紙装置)
以下、添付の図面に基づき、本実施形態の画像形成装置100と給紙装置200について説明する。なお、各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0011】
図1は、画像形成装置100にシート材を順次供給する給紙装置200を2つ(200a、200b)連結した画像形成装置100の概略側面図である。一方の第1給紙装置200aの外観は
図2に示す通りである。第1給紙装置200aのハウジング203は、フレームと、このフレームに取付けられる複数のパネル201、202などから構成され、全体として箱型形状となっている。
【0012】
給紙トレイ6は、第1給紙装置200aのハウジング203に対して図中手前側に引き出し可能に構成されており、取手部7をユーザが握って図中の手前側に引っ張ることで、給紙トレイ6を筐体から引き出すことができる。給紙トレイ6を引き出すことで、用紙Pの積載や取り出しが可能となる。給紙トレイ6は、
図3に示すようにシート材である用紙Pの束を積載する底板61を有する。
【0013】
給紙装置200は、画像形成装置100本体の側面に接続されている。この給紙装置200は複数ユニットを連結可能な構成であり、
図1では第1給紙装置200aの上流側に第二給紙装置200bを連結している。
【0014】
第1給紙装置200aの筐体の搬送方向上流側端部に上下にパネル201、202が取付けられている。このうち上側のパネル201は、ネジによって筐体に着脱自在に取付けられている。画像形成装置100に連結される給紙装置200において、最も上流側に連結される給紙装置200においては、このパネル201を取り外して、
図3に示す延長底板62を給紙装置200内の底板61に連結可能となっている。
【0015】
詳しくは、底板61の幅方向中央に給紙方向に延びた溝部61aが形成されている。一方、延長底板62の給紙下流端の幅方向中央に、給紙方向に延びた断面U字状の差込み突起62dが形成されている。底板61を延長するときは、延長底板62の差込み突起62dを矢印のように底板61の溝部61aに差込み、延長長さを調節した上で延長底板62を底板61にネジで固定する。
【0016】
(●給紙トレイ)
2つの給紙装置200は、それぞれ、上部の給紙トレイ6a、6cと下部の給紙トレイ6b、6dを有する。給紙トレイ6a~6dの上方に、当該トレイに積載された用紙Pを分離・給紙する吸引ベルト2a~2dと吸引装置40a~40dが配設されている。第1給紙装置200aは、送風装置1a、1bの送風によって上昇した給紙トレイ6a、6b内の最上面用紙を吸引してベルト2a、2bに吸着させ、画像形成装置100に向けて搬送する。
【0017】
第1給紙装置200aに第2給紙装置200bを連結して、第2給紙装置200bから給紙される用紙を画像形成装置100に給紙するときは、送風装置1bは停止し、吸引装置40b、吸引ベルト2b及び上流側用紙搬送ローラ対210aを作動させることで、吸引ベルト2bが第2給紙装置200bから給紙される用紙の搬送経路の一部を構成する。給紙トレイ6a~6dの用紙Pは、各給紙装置200a、200bの装置内の搬送路の下流側端部に配設された出口ローラ対80a、80bによって次工程へ給紙される。
【0018】
(●シート材搬送手段)
また、給紙トレイ6a~6dの上方には、吸引ベルト2a~2dと吸引装置40とを備える給紙ユニット22a~22dが配置されている。給紙ユニット22a~22dによって、給紙トレイ6a~6d内に載置された用紙Pの束の最上部の用紙Pを一枚ずつ取り出して画像形成装置本体である画像形成装置100側へ給紙するシート材搬送手段が構成される。吸引ベルト2a~2dはベルトの表面側から裏面側まで貫通する吸引孔が周方向の全域に設けられており、吸引装置40a~40dが下方に負圧を発生させることで、吸引ベルト2a~2dの下面に用紙Pを吸着させるように作用する。
【0019】
給紙トレイ6a~6d内には、底板61に積載された用紙Pの束の幅方向(給紙方向と直交する方向)側面をガイドするサイドフェンスを両側に設け、用紙Pの束の給紙方向後方には後端面を押えるエンドフェンスを設けている。サイドフェンスには用紙Pの浮上および用紙サバキを行うための送風手段からの空気の吐出口であるサイドエア吐出口を設けている。
【0020】
また、本実施形態の給紙装置200は、2つのサイドフェンスの両方を用紙サイズにあわせて移動させるセンター基準である。このため、用紙サイズに関係無く、センターエア吐出口から吐出される空気を用紙Pの中央に吹き付けることができる。給紙ユニット22a~22dの直下の用紙せき止め部材の上方には、センターエア吐出口から空気を吹き付けることで用紙の浮上および用紙サバキを行う送風装置1a~1dが配置されている。
【0021】
給紙装置200は、給紙トレイ6a~6dに複数枚積載された用紙Pの前端面および側端面に向かってブロワなどの送風装置1a~1dから空気を吹き付ける。この空気の吹き付けによって用紙P間に空気を送り込んで最上面用紙P1を吸引ベルト2a~2dの高さまで浮上させ、吸引装置40a~40dが発生する負圧によって最上面用紙P1を吸引ベルト2a~2d吸着させる。
【0022】
最上面用紙P1が吸引ベルト2a~2dに吸着した状態で、ベルト駆動モータを駆動し、吸引ベルト2a~2dを
図1中の時計回り方向に無端移動させることで、吸引ベルト2a~2dの搬送により最上面用紙P1が画像形成装置100へと搬送され、その後画像形成が行われる。送風装置1a~1dは、用紙P同士の間に空気を送り込んで最上面用紙P1を所定の高さに浮上させるだけでなく、所定の高さ方向の領域に風を吹き付けて用紙さばきも行っている。
【0023】
(●第1実施形態)
次に、本発明の延長底板を含む給紙装置の第1から第6実施形態を順次説明する。従来は
図4のように、給紙装置200の側面開口220から張出した延長底板62の下側に支持部材90を取付け、この支持部材90の下端部をローラRを介して給紙装置200の側面に摺接させていた。したがって、ローラRの横荷重が給紙装置200の側面に直接作用し、当該横荷重によって装置外装の撓みが発生することがあった。このような撓みが発生すると、延長底板62の昇降における平行度がズレ、不給紙や用紙ジャム等給紙不良のおそれが出る。
【0024】
第1実施形態は
図5(a)(b)に示すように、給紙装置200の側面に延長底板62の全体を包囲する増設筐体300を固定している。この増設筐体300は、後述するローラRの荷重を安定的に支持可能な強度を有する樹脂材料又は金属材料で構成することができる。増設筐体300の寸法(給紙方向長さと横幅)は、使用する長尺紙の大きさよりも大きめに構成する。また増設筐体300の高さは、延長底板62に積載するシート材の最大枚数に対応して設定する。
【0025】
本実施形態では、支持部材90の一端(上端)を延長底板62の給紙上流端62aに固定すると共に、支持部材90の他端(下端)を増設筐体300の内壁面であって給紙装置200側の前側壁面にローラRを介して摺接させている。支持部材90の一端(上端)は、必ずしも延長底板62の給紙上流端62aに固定する必要はない。支持部材90の一端(上端)を、給紙上流端62aよりも下流側の例えば延長底板62の長手方向中間部に固定してもよい。
【0026】
増設筐体300の給紙装置200側の前側壁面には上下方向に凹溝310が形成され、当該凹溝310に金属等の高剛性の補強部材91が配設されている。前記ローラRは補強部材91を介して凹溝310に当接している。
【0027】
延長底板62が昇降するとき、当該昇降に伴ってローラRが凹溝310を昇降する。この際、ローラRは補強部材91に沿って昇降するので、給紙装置200の外装にたわみ等を発生させることがない。したがって、延長底板62の昇降における平行度が保持される。
【0028】
(●第2実施形態)
図6Aと
図6Bは第2実施形態を示すもので、この第2実施形態では、支持部材90の一端(上端)を回動軸90aを介して延長底板62の給紙上流端62aに回動可能に連結すると共に、支持部材90の他端(下端)のローラRを延長底板62の下方の増設筐体300の底面320で支持している。底面320は水平であり、延長底板62の昇降方向に対して直角である。
【0029】
ローラRを底面320で支持することで、延長底板62に支持部材90の余計な外力が加わるのを防ぐことができる。また、支持部材90の一端(上端)を回動軸90aを介して延長底板62に回動可能に連結しているので、底面320の僅かな不陸や傾斜によって延長底板62の平行度がズレるのを防止することができる。
【0030】
支持部材90の一端(上端)の回動軸90aは、必ずしも延長底板62の給紙上流端62aに固定する必要はない。回動軸90aを、給紙上流端62aよりも下流側の例えば延長底板62の長手方向中間部に配置してもよい。
【0031】
回動軸90aには、支持部材90を
図6Aと
図6Bで反時計方向に回動付勢する捩りバネを巻装してある。したがって、ローラRが増設筐体300の底面320を押圧する反力によって、延長底板62の荷重を支持することができる。
【0032】
延長底板62が昇降すると、支持部材90が傾斜角を変えながら下端のローラRが増設筐体300の底面320に沿って水平矢印方向に摺動する。これにより、延長底板62の昇降における平行度を保持することができる。
【0033】
増設筐体300はそれ自体でローラRを安定的に支持可能な強度を有するが、
図6Bのように底面320の上に補強部材340を配設してもよい。これにより、底面320の耐久性を向上することができる。
【0034】
(●第3実施形態)
図7Aと
図7Bは第3実施形態を示すもので、この第3実施形態は、増設筐体300の内壁面であって延長底板62の両側に位置する左右両側壁面に内側に張出した支持部330を突設し、この支持部330の上面にローラRを摺接させている。左右両側壁面で延長底板62を支えることで、増設筐体300を省スペースに構成することができる。
【0035】
支持部材90の一端(上端)は、
図6A、
図6Bと同様に回動軸90aを介して延長底板62の給紙上流端62aに回動可能に連結している。回動軸90aには、支持部材90を
図7A(a)と
図7B(a)で反時計方向に回動付勢する捩りバネを巻装してある。
【0036】
したがって、ローラRが増設筐体300の支持部330を押圧する反力によって、延長底板62の荷重を支持することができる。延長底板62が昇降すると、支持部材90が傾斜角を変えながら下端のローラRが増設筐体300の支持部330に沿って水平方向に摺動する。これにより、延長底板62の昇降における平行度を保持することができる。
【0037】
増設筐体300の左右両側壁面はそれ自体でローラRを安定的に支持可能な強度を有するが、
図7B(b)のように左右両側壁面に補強部材350を配設してもよい。これにより、増設筐体300の左右両側壁面の耐久性を向上することができる。
【0038】
(●第4実施形態)
図8Aと
図8Bは第4実施形態を示すもので、この第4実施形態はローラRを延長底板62の下面62bに摺接させて延長底板62の荷重を支持している。すなわち、支持部材90の一端を延長底板62の下面62bにローラRを介して摺接させると共に、支持部材90の他端を増設筐体300の内壁面であって給紙装置200側の前側壁面又は延長底板62の下方の増設筐体300の底壁面に回動軸90bを介して連結している。回動軸90bには、支持部材90を
図8Aと
図8Bで反時計方向に回動付勢する捩りバネを巻装してある。
【0039】
したがって、ローラRが延長底板62の下面62bを押圧する力によって、延長底板62の荷重を支持することができる。延長底板62が昇降すると、支持部材90が傾斜角を変えながら上端のローラRが延長底板62の下面62bに沿って水平方向に摺動する。これにより、延長底板62の昇降における平行度を保持することができる。また、
図8Aと
図8Bの構成は、延長底板62の下側にローラRが配置される関係でローラRに手を触れにくいので、ユーザ保護の観点で望ましい構成である。
【0040】
延長底板62の下面62bはそれ自体でローラRを安定的に支持可能な強度を有するが、
図8Bのように延長底板62の下面62bに補強部材62cを配設してもよい。これにより、延長底板62の下面62bの耐久性を向上することができる。
【0041】
(●第5実施形態)
図9Aと
図9Bは第5実施形態を示すもので、この第5実施形態は、延長底板62の給紙上流端に第2の延長底板63を給紙方向に伸縮可能に連結し、当該第2の延長底板63の給紙上流端を支持部材90で支持している。これにより、延長底板62を第2の延長底板63でさらに延長させた場合でも、支持部材90が第2の延長底板63に追従して移動するため、常に第2の延長底板63の後端を支えることができる。
【0042】
支持部材90の一端(上端)は、回動軸90aを介して第2の延長底板63の給紙上流端に回動可能に連結されている。支持部材90の他端(下端)のローラRは、延長底板62の下方の増設筐体300の底面320で支持されている。
【0043】
回動軸90aには、支持部材90を
図9Aと
図9Bで反時計方向に回動付勢する捩りバネを巻装してある。したがって、ローラRが増設筐体300の底面320を押圧する反力によって、延長底板62と第2の延長底板63の荷重を支持することができる。
【0044】
延長底板62と第2の延長底板63が昇降すると、支持部材90が傾斜角を変えながら下端のローラRが増設筐体300の底面320に沿って水平矢印方向に摺動する。これにより、延長底板62の昇降における平行度を保持することができる。
【0045】
増設筐体300はそれ自体でローラRを安定的に支持可能な強度を有するが、
図9Bのように底面320の上に補強部材340を配設してもよい。これにより、底面320の耐久性を向上することができる。
【0046】
(●第6実施形態)
図10Aと
図10Bは第6実施形態を示すもので、この第6実施形態では、延長底板62の給紙上流端に第3の延長底板64を上下方向に回動可能に連結している。この第3の延長底板64によって、シート材の後端部に角度付けを行うことができる。このようにシート材の後端部に角度付けを行うことで、サイドフェンスのサイドエア吐出口から吹出すシート材分離用エアの後方抜けを抑制することができ、シート材分離性能を向上し不給紙を防止することができる。
【0047】
前記第3の延長底板64は補強部材91で支持している。すなわち、補強部材91の一端(下端)を回動軸91aを介して増設筐体300の底面320に連結し、支持部材90の他端(上端)のローラRを第3の延長底板64の下面に摺接させている。
【0048】
回動軸91aには、補強部材91を
図10Aと
図10Bで反時計方向に回動付勢する捩りバネを巻装してある。したがって、ローラRが第3の延長底板64の下面を押圧する力によって、第3の延長底板64の回動角度を保持することができる。
【0049】
延長底板62と第3の延長底板64が昇降すると、支持部材90、91が傾斜角を変えながら、ローラR、Rが延長底板62の下面62bと第3の延長底板64の下面に沿って摺動する。これにより、延長底板62の昇降における平行度を保持することができる。
【0050】
延長底板62の下面62bはそれ自体でローラRを安定的に支持可能な強度を有するが、
図10Bのように延長底板62の下面62bに補強部材62cを配設してもよい。これにより、延長底板62の下面62bの耐久性を向上することができる。
【0051】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0052】
1a~1d:送風装置 2a~2d:吸引ベルト
6:給紙トレイ 7:取手部
22a~22d:給紙ユニット 40a~40d:吸引装置
61:底板 61a:溝部
62:延長底板 62a:給紙上流端
62b:下面 62c:補強部材
62d:差込み突起 63:第2の延長底板
64:第3の延長底板 80a、80b:出口ローラ対
90:支持部材 90a:回動軸
90b:回動軸 91:補強部材
91a:回動軸 100:画像形成装置
200:給紙装置 200a:第1給紙装置
200b:第2給紙装置 201、202:パネル
203:ハウジング 210a:上流側用紙搬送ローラ対
220:側面開口 300:増設筐体
310:凹溝 320:底面
330:支持部 340、350:補強部材
F1、F2:荷重 M:曲げモーメント
P:用紙 R:摺動ローラ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】