(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127258
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】接続金具付電線及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01R 4/02 20060101AFI20230906BHJP
H01R 4/04 20060101ALI20230906BHJP
H01R 4/18 20060101ALI20230906BHJP
H01R 43/02 20060101ALI20230906BHJP
H01R 43/048 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
H01R4/02 C
H01R4/04
H01R4/18 A
H01R43/02 B
H01R43/02 Z
H01R43/048 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030938
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 文孝
(72)【発明者】
【氏名】田中 義和
【テーマコード(参考)】
5E051
5E063
5E085
【Fターム(参考)】
5E051LA01
5E051LA06
5E051LB03
5E063CC04
5E085BB02
5E085BB03
5E085BB12
5E085BB14
5E085CC03
5E085DD03
5E085DD05
5E085DD13
5E085FF01
5E085FF08
5E085FF11
5E085GG11
5E085HH06
5E085HH11
5E085JJ12
(57)【要約】
【課題】接続金具に被覆電線を圧着することなく、被覆電線の先端から露出する導体を接続金具に接続した接続箇所の延設方向に交差する方向の外力が被覆電線に作用しても、接続箇所に及ぼす影響を低減できる接続金具付電線及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】先端側LFにおいて絶縁被覆12から導体11が露出する被覆電線10bと、バスバー20とが備えられた接続金具付電線1において、バスバー20は、接続対象と接続される接続部21と、導体11が接続される導体接続部23とが設けられ、導体11は、導体接続部23に対して長手方向Lに沿って配置されるとともに溶接され、導体接続部23における基端側LBに、導体接続部23から延出する被覆電線10に外力F1が作用すると、被覆電線10が当接し、所定方向に沿った変換外力F2として溶接部40に作用するように外力F1を変換する筒状挿通変換部30が設けられた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体を絶縁被覆で被覆し、先端側の前記絶縁被覆を剥がして前記導体を露出させた被覆電線と、
露出する前記導体が接続された接続金具とが備えられ、
前記接続金具は、接続対象と接続される接続部と、前記導体が接続される導体接続部とが設けられ、
前記導体は、前記導体接続部に対して所定方向に沿って配置されるとともに接続され、
前記導体が前記導体接続部に接続された前記被覆電線は、前記導体接続部から延出され、
前記導体接続部における前記被覆電線が延出する側に、
前記導体接続部から延出する前記被覆電線に交差方向の外力が作用すると、前記被覆電線に当接して、前記外力を前記所定方向に沿った引っ張り力として、前記導体と前記導体接続部の接続箇所に作用するように変換する変換部が設けられた
接続金具付電線。
【請求項2】
前記変換部は、
前記被覆電線が挿通する挿通変換部である
請求項1に記載の接続金具付電線。
【請求項3】
前記挿通変換部は、
所定長さの前記被覆電線が挿通される略筒状に形成された
請求項2に記載の接続金具付電線。
【請求項4】
前記挿通変換部は、
底部と、該底部から延出されたバレル片とを有するバレル部における前記バレル片を曲げて、所定長さの前記被覆電線が挿通される略筒状に形成された
請求項2に記載の接続金具付電線。
【請求項5】
前記導体接続部は、平面状部分を有し、
前記挿通変換部は、前記平面状部分に対して前記被覆電線が延出する側が傾斜する傾斜姿勢である
請求項3又は請求項4に記載の接続金具付電線。
【請求項6】
前記導体接続部は、平面状部分を有し、
前記挿通変換部は、
前記導体接続部における前記被覆電線が延出する側の端部に設けられ、
前記導体が接続された前記平面状部分から離間する方向の前記被覆電線の移動を規制する離間規制部と、前記離間する方向に対して交差方向の前記被覆電線の移動を規制する一対の脚部とで枠状に形成され、前記平面状部分より突出する枠状体である
請求項2に記載の接続金具付電線。
【請求項7】
前記枠状体は前記導体接続部の端部から所定間隔を隔てて配置され、
前記脚部のそれぞれと前記導体接続部の前記端部とを連結する連結部が設けられるとともに、
前記枠状体が、前記所定方向のいずれかに傾斜する傾斜姿勢である
請求項6に記載の接続金具付電線。
【請求項8】
前記挿通変換部と、前記挿通変換部に挿通された前記被覆電線との間に緩衝材が配置された
請求項2乃至請求項7のうちいずれかに記載の接続金具付電線。
【請求項9】
前記被覆電線において前記絶縁被覆の前記先端側に露出した前記導体が前記挿通変換部に挿通された
請求項2乃至請求項8のうちいずれかに記載の接続金具付電線。
【請求項10】
導体を絶縁被覆で被覆する被覆電線における先端側の前記絶縁被覆を剥がして露出させた前記導体が接続金具に接続された接続金具付き電線の製造方法であり、
前記接続金具は、接続対象と接続される接続部と、前記導体が接続される導体接続部とが設けられるとともに、
前記導体接続部において、前記導体が接続された前記被覆電線の延出する側に、前記導体接続部から延出する前記被覆電線に交差方向の外力が作用すると、前記被覆電線に当接して、前記外力を所定方向に沿った引っ張り力として、前記導体と前記導体接続部の接続箇所に作用するように変換する変換部が設けられ、
前記変換部に前記被覆電線を配置するとともに、
前記導体を、前記導体接続部に対して前記所定方向に沿って配置し、
前記導体を、前記導体接続部に接続する
接続金具付電線の製造方法。
【請求項11】
前記変換部は、前記被覆電線が挿通する挿通変換部であり、
前記挿通変換部に前記被覆電線を挿通する
請求項10に記載の接続金具付電線の製造方法。
【請求項12】
所定長さの前記被覆電線が挿通される略筒状に形成された前記挿通変換部に、前記先端側の前記導体が露出した前記被覆電線を前記導体接続部に向かって挿通するとともに、前記導体接続部に対して前記導体を前記所定方向に沿って配置し、
前記所定方向に沿って配置した前記導体を、前記導体接続部に接続する
請求項11に記載の接続金具付電線の製造方法。
【請求項13】
底部と、該底部から延出されたバレル片とを有するバレル部で形成された前記挿通変換部の内部に、前記先端側の前記導体が露出した前記被覆電線を配置するとともに、前記導体接続部に対して前記導体を前記所定方向に沿って配置し、
前記所定方向に沿って配置した前記導体を、前記導体接続部に接続し、
前記バレル片を曲げて、所定長さの前記被覆電線が挿通される略筒状に形成する
請求項11に記載の接続金具付電線の製造方法。
【請求項14】
前記導体接続部は、平面状部分を有し、
前記被覆電線が挿通された前記挿通変換部を、前記平面状部分に対して延出する側に傾斜させる
請求項12又は請求項13に記載の接続金具付電線の製造方法。
【請求項15】
前記導体接続部は、平面状部分を有し、
前記挿通変換部は、
前記導体接続部における前記被覆電線が延出する側の端部に設けられ、
前記導体が接続された前記平面状部分から離間する方向の前記被覆電線の移動を規制する離間規制部と、前記離間する方向に対して交差方向の前記被覆電線の移動を規制する一対の脚部とで枠状に形成され、前記平面状部分より突出する枠状体であり、
前記枠状体である前記挿通変換部に、前記先端側の前記導体が露出した前記被覆電線を前記導体接続部に向かって挿通するとともに、前記導体接続部に対して前記導体を前記所定方向に沿って配置し、
前記所定方向に沿って配置した前記導体を、前記導体接続部に接続する
請求項11に記載の接続金具付電線の製造方法。
【請求項16】
前記枠状体は前記導体接続部の端部から所定間隔を隔てて配置されるとともに、
前記脚部のそれぞれと前記導体接続部の前記端部とを連結する連結部が設けられ、
前記枠状体を、前記導体接続部が配置された側に向かって傾斜させる
請求項15に記載の接続金具付電線の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、接続端子やバスバーなどの接続金具に被覆電線の先端から露出する導体を溶接などで接続した接続金具付電線及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、接続端子やバスバーなどの接続金具に被覆電線の先端から露出する導体を溶接などで接続した接続金具付電線が様々な分野で用いられている。
そして、接続金具付電線は、被覆電線の先端から露出する導体を接続金具に溶接などで接続した接続箇所で接続金具と導体とを導通している。そのため、接続金具から延びる被覆電線に外力が作用すると接続箇所に外力が作用することとなる。導体の延設方向に沿って接続金具に接続した接続箇所に対して延設方向に沿った引っ張り方向の外力が作用しても接続状態への影響は少ないものの、延設方向に交差する方向、特に、接続箇所が剥がれる剥離方向の外力が作用すると、接続箇所が損傷し、導通性が低下するおそれがあった。
【0003】
例えば、特許文献1に開示の電気接続端子は端子接触部と電線接続部が形成され、電線接続部は、電線の芯線を溶接する溶接部と、電線を挟持するバレル部を有している。そして電線接続部に電線を接続するには、電線の先端から露出する芯線を溶接部へ溶着し、バレル部を曲げ加締めて固定する。これにより、電線に引っ張り力が作用されても、その引っ張り力が芯線の溶接部に加わらないように電線と電線接続部との結合を保持することができるとされている。
【0004】
しかしながら、特許文献1の電気接続端子のように、引っ張り力が芯線の溶接部に加わらないようにするためには、バレル部をしっかりと圧着して電線と電線接続部との結合を確実に保持する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこでこの発明は、接続金具に被覆電線を圧着することなく、被覆電線の先端から露出する導体を接続金具に接続した接続箇所の延設方向に交差する方向の外力が被覆電線に作用しても、接続箇所に及ぼす影響を低減できる接続金具付電線及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、導体を絶縁被覆で被覆し、先端側の前記絶縁被覆を剥がして前記導体を露出させた被覆電線と、露出する前記導体が接続された接続金具とが備えられ、前記接続金具は、接続対象と接続される接続部と、前記導体が接続される導体接続部とが設けられ、前記導体は、前記導体接続部に対して所定方向に沿って配置されるとともに接続され、前記導体が前記導体接続部に接続された前記被覆電線は、前記導体接続部から延出され、前記導体接続部における前記被覆電線が延出する側に、前記導体接続部から延出する前記被覆電線に交差方向の外力が作用すると、前記被覆電線に当接して、前記外力を前記所定方向に沿った引っ張り力として、前記導体と前記導体接続部の接続箇所に作用するように変換する変換部が設けられた接続金具付電線であることを特徴とする。
【0008】
上記接続は、超音波溶接、振動溶接、レーザ溶接などによる溶接、導電性接着剤による接着、あるいはカシメなどによって、導電可能に一体化した状態をいう。
上述の前記導体接続部から延出する前記被覆電線に交差方向の外力とは、前記導体接続部から延出する前記被覆電線の長手方向に対して交差する方向であり、つまり前記導体接続部に対して配置され、接続された前記導体の軸方向に対して交差する方向であり、前記軸線方向に対して上下左右及びそれらの斜め方向などの軸線方向を中心とする360度のいずれの方向を含むものである。
【0009】
上記変換部は、前記導体接続部から延出する前記被覆電線の断面方向の全周、あるいは断面方向の一部、所定の範囲、間隔を隔てて複数箇所などいずれの方向において前記被覆電線に当接するように配置されていればよい。
【0010】
この発明により、接続金具に被覆電線を圧着することなく、被覆電線の先端から露出する導体を接続金具に接続した接続箇所の延設方向に交差する方向の外力が被覆電線に作用しても、接続箇所に及ぼす影響を低減することができる。
【0011】
詳述すると、接続金具において、前記導体が接続され、前記被覆電線が延出する前記導体接続部における前記被覆電線が延出する側に前記変換部が設けられているため、前記導体接続部から延出する前記被覆電線に交差方向の外力が作用すると、前記被覆電線が前記変換部に当接する。前記変換部の前記被覆電線が当接すると、前記被覆電線に作用した外力は変換され、前記導体接続部に前記導体が配置された前記所定方向に沿った引っ張り力として、前記導体と前記導体接続部の接続箇所に作用する。そのため、前記被覆電線を前記接続金具に圧着せずとも、前記被覆電線に作用した交差方向の外力によって接続箇所に及ぼす影響を低減することができる。
【0012】
この発明の態様として、前記変換部は、前記被覆電線が挿通する挿通変換部であってもよい。
この発明により、前記被覆電線が前記挿通変換部に挿通されているため、前記導体接続部から延出する前記被覆電線に交差方向の外力が作用しても、前記被覆電線は前記挿通変換部に確実に当接して、前記被覆電線に作用する外力を変換して前記接続箇所に対して前記所定方向に沿った引っ張り力として作用させることができる。
【0013】
またこの発明の態様として、前記挿通変換部は、所定長さの前記被覆電線が挿通される略筒状に形成されてもよい。
所定長さの前記被覆電線が挿通される略筒状は、前記被覆電線の長手方向を高さ方向とし、長手方向に直交する断面が、円形、楕円形、多角形の閉鎖断面、挿通する前記被覆電線が通過できない開口を有するC型、U型、角形U状などの開放断面の略筒状を含むものとする。
【0014】
この発明により、所定長さの前記被覆電線が略筒状に形成された前記挿通変換部を挿通するため、前記被覆電線に作用する外力を、前記被覆電線が挿通する前記挿通変換部が変換して前記接続箇所に対して前記所定方向に沿った引っ張り力として作用させることができる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記挿通変換部は、底部と、該底部から延出されたバレル片とを有するバレル部における前記バレル片を曲げて、所定長さの前記被覆電線が挿通される略筒状に形成されてもよい。
上述の所定長さの前記被覆電線が挿通される略筒状は、曲げたバレル片と底部とで閉鎖断面で構成してもよいし、挿通する前記被覆電線が通過できない開口を有する開放断面で構成してもよい。
【0016】
この発明により、バレル部において、バレル片を曲げて前記被覆電線を挿通可能な略筒状に形成し、所定長さの前記被覆電線が略筒状に形成された前記挿通変換部を挿通する。そのため、前記被覆電線に作用する外力を、前記被覆電線が挿通する前記挿通変換部が変換して前記接続箇所に対して前記所定方向に沿った引っ張り力として作用させることができる。
【0017】
また、内部を挿通する前記被覆電線を圧着することがないため、前記被覆電線を挿通する前に、バレル片を曲げて略筒状の前記挿通変換部を構成することもできる。仮に、前記被覆電線を挿通する前に、バレル片を曲げて略筒状の前記挿通変換部を構成する場合、前記導体接続部に前記導体を接続した後に、接続金具を変形させることがないため、接続箇所に変形に伴う応力が発生することがなく、前記導体接続部と前記導体との接続箇所の接続状態を安定させることができる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記導体接続部は、平面状部分を有し、前記挿通変換部は、前記平面状部分に対して前記被覆電線が延出する側が傾斜する傾斜姿勢であってもよい。
上述の前記平面状部分に対して前記被覆電線が延出する側が傾斜するは、前記挿通変換部が前記平面状部分において前記導体を接続する主面に対して面内方向に傾斜させてもよいし、面外方向に傾斜させてもよい。
【0019】
この発明により、前記挿通変換部が前記平面状部分に対して傾斜するため、前記導体接続部から延出する前記被覆電線に曲げが生じ、前記導体接続部と前記導体との接続箇所に作用する外力の影響を低下させることができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記導体接続部は、平面状部分を有し、前記挿通変換部は、前記導体接続部における前記被覆電線が延出する側の端部に設けられ、前記導体が接続された前記平面状部分から離間する方向の前記被覆電線の移動を規制する離間規制部と、前記離間する方向に対して交差方向の前記被覆電線の移動を規制する一対の脚部とで枠状に形成され、前記平面状部分より突出する枠状であってもよい。
【0021】
上述の前記導体が接続された前記平面状部分から離間する方向とは、前記平面状部分に接続された前記導体が剥がれる剥離方向をいう。
上述の前記導体が接続された前記平面状部分から離間する方向の前記被覆電線の移動を規制する離間規制部と、前記離間する方向に対して交差方向の前記被覆電線の移動を規制する一対の脚部とで形成された枠状は、離間規制部と脚部との延伸方向が異なる角形U字状、U字状、H字状など、あるいは離間規制部と脚部とが連続する半円状、半楕円状、円弧状などであってもよいし、さらには、互いに向かって傾斜する一対の脚部の交差部分を離間規制部としてもよい。つまり、離間規制部と一対の脚部とで構成した枠状は、前記平面状部分に接続された前記導体の断面において、前記平面状部分の主面の面外方向のいずれの方向の前記被覆電線の移動を規制できればよい。なお、前記被覆電線の移動を規制するとは、通常状態で、枠状体と、挿通する前記被覆電線とが当接していても、隙間が設けられていてもよい。
【0022】
この発明により、枠状体に前記被覆電線を容易に挿通することができ、枠状体に挿通した前記被覆電線に作用する外力を、枠状体が変換して前記接続箇所に対して前記所定方向に沿った引っ張り力として作用させることができる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記枠状体は前記導体接続部の端部から所定間隔を隔てて配置され、前記脚部のそれぞれと前記導体接続部の前記端部とを連結する連結部が設けられるとともに、前記枠状体が、前記所定方向のいずれかに傾斜する傾斜姿勢であってもよい。
【0024】
上記連結部は、一対の脚部を前記導体接続部の端部と連結できれば一対構成されていてもよいし、ひとつの連結部で一対の脚部を前記導体接続部の端部と連結してもよい。また、一対の脚部を前記導体接続部の端部と連結する一対構成された連結部は、脚部のそれぞれと連結部のそれぞれとが延伸方向や断面形状が連続していてもよいし、不連続に形成されてもよい。
前記所定方向のいずれかに傾斜する傾斜姿勢は、前記導体接続部が配置された側かその反対側のいずれかに傾斜する姿勢を指す。
【0025】
この発明により、枠状体に前記被覆電線を容易に挿通することができ、枠状体に挿通した前記被覆電線に作用する外力を、枠状体が変換して前記接続箇所に対して前記所定方向に沿った引っ張り力として作用させることができる。
【0026】
また、連結部で前記導体接続部の端部と連結された枠状体が、前記所定方向のいずれかに傾斜する傾斜姿勢であるため、前記導体接続部から延出する前記被覆電線に曲げが生じ、前記導体接続部と前記導体との接続箇所に作用する外力の影響を低下させることができる。
【0027】
またこの発明の態様として、前記挿通変換部と、前記挿通変換部に挿通された前記被覆電線との間に緩衝材が配置されてもよい。
この発明により、前記被覆電線に作用する外力を変換する際に、緩衝材を介して前記挿通変換部に当接するため、前記被覆電線が損傷することを防止できる。
【0028】
またこの発明の態様として、前記被覆電線において前記絶縁被覆の前記先端側に露出した前記導体が前記挿通変換部に挿通されてもよい。
この発明により、外力が作用する前記被覆電線の導体が前記挿通変換部を挿通するため、前記挿通変換部が外力を変換して前記接続箇所に対して前記所定方向に沿った引っ張り力として作用させることができる。
【0029】
またこの発明は、導体を絶縁被覆で被覆する被覆電線における先端側の前記絶縁被覆を剥がして露出させた前記導体が接続金具に接続された接続金具付き電線の製造方法であり、前記接続金具は、接続対象と接続される接続部と、前記導体が接続される導体接続部とが設けられるとともに、前記導体接続部において、前記導体が接続された前記被覆電線の延出する側に、前記導体接続部から延出する前記被覆電線に交差方向の外力が作用すると、前記被覆電線に当接して、前記外力を所定方向に沿った引っ張り力として、前記導体と前記導体接続部の接続箇所に作用するように変換する変換部が設けられ、前記変換部に前記被覆電線を配置するとともに、前記導体を、前記導体接続部に対して前記所定方向に沿って配置し、前記導体を、前記導体接続部に接続することを特徴とする。
【0030】
この発明により、接続金具に被覆電線を圧着することなく、被覆電線の先端から露出する導体を接続金具に接続した接続箇所の延設方向に交差する方向の外力が被覆電線に作用しても、接続箇所に及ぼす影響を低減することができる接続金具付電線を、前記被覆電線を圧着する場合に比べて容易に製造することができる。
【0031】
この発明の態様として、前記変換部は、前記被覆電線が挿通する挿通変換部であり、前記挿通変換部に前記被覆電線を挿通してもよい。
この発明により、前記被覆電線に作用する外力を当接して変換し、前記接続箇所に対して前記所定方向に沿った引っ張り力として作用させることができる前記挿通変換部に前記被覆電線を挿通させて、接続金具付電線の製造性を向上することができる。
【0032】
またこの発明の態様として、所定長さの前記被覆電線が挿通される略筒状に形成された前記挿通変換部に、前記先端側の前記導体が露出した前記被覆電線を前記導体接続部に向かって挿通するとともに、前記導体接続部に対して前記導体を前記所定方向に沿って配置し、前記所定方向に沿って配置した前記導体を、前記導体接続部に接続してもよい。
【0033】
この発明により、前記被覆電線に作用する外力を変換して前記接続箇所に対して前記所定方向に沿った引っ張り力として作用させることができる略筒状の前記挿通変換部に所定長さの前記被覆電線を挿通するため、接続金具付電線の製造性を向上することができる。
【0034】
また、前記挿通変換部に前記被覆電線を前記導体接続部に向かって挿通するとともに、前記導体接続部に対して前記導体を前記所定方向に沿って配置してから、前記所定方向に沿って配置した前記導体を前記導体接続部に接続するため、つまり、前記導体接続部に前記導体を接続した後に、接続金具を変形させることがないため、接続箇所に変形に伴う応力が発生することがなく、前記導体接続部と前記導体との接続箇所の接続状態を安定させることができる。
【0035】
またこの発明の態様として、底部と、該底部から延出されたバレル片とを有するバレル部で形成された前記挿通変換部の内部に、前記先端側の前記導体が露出した前記被覆電線を配置するとともに、前記導体接続部に対して前記導体を前記所定方向に沿って配置し、前記所定方向に沿って配置した前記導体を、前記導体接続部に接続し、前記バレル片を曲げて、所定長さの前記被覆電線が挿通される略筒状に形成してもよい。
【0036】
この発明により、バレル部において、バレル片を曲げて前記被覆電線を挿通可能な略筒状に形成し、所定長さの前記被覆電線が略筒状に形成された前記挿通変換部を挿通するため、前記被覆電線に作用する外力を、前記被覆電線が挿通する前記挿通変換部が変換して前記接続箇所に対して前記所定方向に沿った引っ張り力として作用させることができる。
【0037】
前記導体接続部に対して前記導体を前記所定方向に沿って配置し、前記所定方向に沿って配置した前記導体を、前記導体接続部に接続し、前記バレル片を曲げて、所定長さの前記被覆電線が挿通される略筒状に形成するが、引っ張り力が導体の接続箇所に加わらないようにバレル部で前記被覆電線をしっかりと圧着する必要がないため、バレル部におけるバレル片の曲げ管理がしやすくなり、接続金具付電線の製造性を向上することができる。
【0038】
またこの発明の態様として、前記導体接続部は、平面状部分を有し、前記被覆電線が挿通された前記挿通変換部を、前記平面状部分に対して延出する側に傾斜させてもよい。
この発明により、前記挿通変換部が前記平面状部分に対して傾斜するため、前記導体接続部から延出する前記被覆電線に曲げが生じ、前記導体接続部と前記導体との接続箇所に作用する外力の影響を低下させることができる。
【0039】
またこの発明の態様として、前記導体接続部は、平面状部分を有し、前記挿通変換部は、前記導体接続部における前記被覆電線が延出する側の端部に設けられ、前記導体が接続された前記平面状部分から離間する方向の前記被覆電線の移動を規制する離間規制部と、前記離間する方向に対して交差方向の前記被覆電線の移動を規制する一対の脚部とで枠状に形成され、前記平面状部分より突出する枠状体であり、前記枠状体である前記挿通変換部に、前記先端側の前記導体が露出した前記被覆電線を前記導体接続部に向かって挿通するとともに、前記導体接続部に対して前記導体を前記所定方向に沿って配置し、前記所定方向に沿って配置した前記導体を、前記導体接続部に接続してもよい。
【0040】
この発明により、前記被覆電線に作用する外力を変換して前記接続箇所に対して前記所定方向に沿った引っ張り力として作用させることができる枠状体に前記被覆電線を容易に挿通することができ、接続金具付電線の製造性を向上することができる。
【0041】
またこの発明の態様として、前記枠状体は前記導体接続部の端部から所定間隔を隔てて配置されるとともに、前記脚部のそれぞれと前記導体接続部の前記端部とを連結する連結部が設けられ、前記枠状体を、前記導体接続部が配置された側に向かって傾斜させてもよい。
【0042】
この発明により、連結部で前記導体接続部の端部と連結された枠状体が、前記所定方向のいずれかに傾斜する傾斜姿勢であるため、前記導体接続部から延出する前記被覆電線に曲げが生じ、前記導体接続部と前記導体との接続箇所に作用する外力の影響を低下させることができる。
【発明の効果】
【0043】
この発明によれば、接続金具に被覆電線を圧着することなく、被覆電線の先端から露出する導体を接続金具に接続した接続箇所の延設方向に交差する方向の外力が被覆電線に作用しても、接続箇所に及ぼす影響を低減できる接続金具付電線及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図3】接続金具付電線の製造方法についての説明図。
【
図4】接続金具付電線の変形例の製造方法についての説明図。
【
図8】接続金具付電線のさらなる変形例の製造方法についての説明図。
【
図10】第2実施形態の接続金具付電線の基端側からの斜視図。
【
図12】第2実施形態の接続金具付電線の製造方法についての説明図。
【
図13】第2実施形態の接続金具付電線の変形例の説明図。
【
図14】第2実施形態の接続金具付電線の変形例の説明図。
【
図15】第2実施形態の接続金具付電線の変形例の製造方法についての説明図。
【
図18】第3実施形態の接続金具付電線の製造方法についての説明図。
【
図19】第3実施形態の接続金具付電線の変形例の説明図。
【
図20】第3実施形態の接続金具付電線の変形例の説明図。
【
図21】第3実施形態の接続金具付電線の変形例の製造方法についての説明図。
【
図24】第4実施形態の接続金具付電線の製造方法についての説明図。
【発明を実施するための形態】
【0045】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態における接続金具付電線1について、
図1乃至
図3を用いて説明する。
図1及び
図2は接続金具付電線1の説明図を示し、
図3は接続金具付電線1の製造方法についての説明図を示している。
【0046】
詳述すると、
図1(a)は接続金具付電線1の先端側LFからの斜視図を示し、
図1(b)は
図2(a)に示すA-A矢視断面図を示し、
図1(c)は
図1(b)と同断面において筒状挿通変換部30の別の態様を図示している、
【0047】
図2(a)は接続金具付電線1の平面図を示し、
図2(b)は
図2(a)に示すB-B矢視断面図を示している。
図3(a)はバスバー20に対して被覆電線10を配置した状態の斜視図を示し、
図3(b)はバスバー20の筒状挿通変換部30に被覆電線10を挿通した状態の斜視図を示し、また、
図4(a)は接続金具付電線1の基端側LBからの斜視図を示している。
【0048】
なお、
図2における左右方向を長手方向Lとし、
図2(a)における上下方向を幅方向Wとし、
図2(b)における上下方向を高さ方向Hとしている。さらに、長手方向Lにおいて
図2における左側を先端側LFとし、
図2における右側を基端側LBとしている。また、幅方向Wにおいて
図2(a)における上側を左側WLとし、
図2(a)における下側を右側WRとし、高さ方向Hにおいて
図2(b)における上側を上側HUとし、
図2(b)における下側を下側HDとしている。
【0049】
接続金具付電線1は、導体11が絶縁被覆12で被覆された被覆電線10と、接続金具であるバスバー20とが、物理的にも電気的にも接続されて構成されている。
被覆電線10は、中心に配置された導体11と、導体11の外側を覆う絶縁被覆12とで構成されている。被覆電線10の先端側LFにおいて、絶縁被覆12の一部を剥がして、導体11が露出している。なお、被覆電線10の長手方向Lにおいて、先端側LFで導体11が露出する部分を導体露出部分101とし、絶縁被覆12が導体11を覆っている部分を被覆部分102としている。
【0050】
なお、被覆電線10は、複数本の電線を束ねて構成したワイヤーハーネスにおける幹線や幹線から分岐した枝線のうちのいずれかであってもよい。また、被覆電線10は信号線、電力線あるいはアース線であってもよい。
【0051】
バスバー20は、先端側LFから基端側LBに向かって、接続対象と接続される接続部21と、中間部22と、被覆電線10の導体11が接続される導体接続部23とがこの順で設けられ、適宜の幅方向Wの長さの導電性の板材を折り曲げて構成されている。
【0052】
接続部21及び導体接続部23は平板状に形成され、中間部22は、接続部21の基端側LBの端部と導体接続部23の先端側LFの端部を高さ方向Hに連結するように形成され、バスバー20は階段状に形成されている。
【0053】
導体接続部23の基端側LBの端部における幅方向Wの中央には、基端側LBに向かって延出された筒状挿通変換部30が設けられている。
筒状挿通変換部30は、長手方向Lの所定の長さを有し、
図1(b)に示すように、板材を幅方向Wの両側から丸めて略筒状に形成している。
【0054】
なお、筒状挿通変換部30は、上側HUにおいて丸めた板材の端部同士の間にわずかな隙間を設けて曲げ加工されており、被覆電線10が挿通する略円筒状の挿通空間30X(
図3(a)参照)が内部に形成されている。
【0055】
被覆電線10が挿通する略円筒状の挿通空間30Xの径、つまり筒状挿通変換部30の内径は、被覆電線10の外形よりひと回り大きく形成されている。
また、筒状挿通変換部30における基端側LBの内面側の角部には、
図2(b)のa部拡大図に示すように、断面円弧状に面取りした面取部30Yを設けている。
【0056】
このように形成されたバスバー20における筒状挿通変換部30に対して被覆電線10が挿通され、被覆電線10における導体露出部分101の導体11が、導体接続部23において長手方向Lに沿って配置されるとともに、導体接続部23と導体11とが溶接されて溶接部40が形成されている。なお、
図1及び
図2に図示するように、導体露出部分101と、溶接によって形成される溶接部40とは溶接熱で一体化するが、本明細書では、溶接された一体化された導体露出部分101と溶接部40として記載している。
【0057】
このようにして、長手方向Lに延びる溶接部40によって、導体接続部23と導体11が電気的且つ物理的に接続された、つまりバスバー20と被覆電線10とが電気的且つ物理的に接続された接続金具付電線1を構成している。
なお、導体接続部23に対して導体11を溶接して溶接部40を形成する溶接方法としては、超音波溶接、振動溶接、あるいはレーザ溶接などの適宜の溶接方法で溶接すればよい。
【0058】
なお、このようにして構成された接続金具付電線1では、筒状挿通変換部30の内部の挿通空間30Xには、被覆電線10の被覆部分102の一部が挿通されているものの、挿通空間30Xの径が被覆電線10の被覆部分102における外径よりひと回り大きく形成されているため、挿通する被覆部分102は筒状挿通変換部30によって拘束されていない。
【0059】
続いて、接続金具付電線1の製造方法について、
図3とともに説明する。
被覆電線10における先端側LFの所定長さ分の絶縁被覆12を剥がして、導体11を露出する導体露出部分101を形成し、
図3(a)に示すように、バスバー20の筒状挿通変換部30の基端側LBに配置する。
【0060】
そして、筒状挿通変換部30の基端側LBから、導体露出部分101において導体11が露出する被覆電線10を、筒状挿通変換部30の挿通空間30Xに挿通し、
図3(b)に示すように、バスバー20の導体接続部23において、導体露出部分101において露出する導体11を長手方向Lに沿って配置する。
導体接続部23の上面と、長手方向Lに沿って配置した導体11との境界部分を長手方向Lに溶接して接続金具付電線1が完成する。
【0061】
このようにして構成された接続金具付電線1は、バスバー20より基端側LBに延出された被覆電線10に外力が作用することがあり、被覆電線10に外力が作用すると、当該外力は被覆電線10を伝播し、導体接続部23と導体11とを溶接した溶接部40に外力が作用することになる。
【0062】
溶接部40は、長手方向Lに沿って形成されているため、基端側LBに向かう外力に対する抗力は高い。しかしながら、導体11が導体接続部23から離れる上側HUや、導体接続部23の上面に沿った幅方向W、あるいは上側HU且つ幅方向Wの斜め方向の外力が溶接部40に作用すると、溶接部40の長手方向Lの端部から剥がれたり、損傷したりするおそれがある。
【0063】
具体的には、筒状挿通変換部30より基端側LBの被覆電線10に
図1や
図2において破線及び破線矢印で示すように、長手方向Lと交差する上側HU、幅方向Wのいずれか、あるいは上側HU且つ幅方向Wの斜め方向などの長手方向Lを中心とする360度のいずれの方向の外力F1が被覆電線10に作用する場合がある。このように、被覆電線10に、長手方向Lと異なる方向の外力F1が作用すると、外力F1は被覆電線10を伝播し、上述したように、溶接部40が剥がれたり、損傷したりするおそれがある。
【0064】
しかしながら、接続金具付電線1は、筒状挿通変換部30の挿通空間30Xを被覆電線10の被覆部分102が挿通しているため、長手方向Lと異なる方向の外力F1が筒状挿通変換部30より基端側LBの被覆電線10に作用すると、外力F1が作用する方向に被覆電線10は変形する。被覆電線10が外力F1が作用する方向に変形すると、筒状挿通変換部30の基端側LBの端部に被覆電線10は当接することとなる。筒状挿通変換部30の基端側LBの端部と被覆電線10との当接箇所を支点として、外力F1は方向転換し、筒状挿通変換部30の基端側LBの端部より先端側LFの被覆電線10に基端側LBに向かう変換外力F2として作用する。そして、変換外力F2は、基端側LBの端部より先端側LFの被覆電線10を伝播し、溶接部40に対して基端側LBに向かう変換外力F2として作用する。上述したように、長手方向Lに沿って延びる溶接部40は長手方向Lの外力に対して高い抗力を有するため、基端側LBに向かう変換外力F2が溶接部40に作用しても、溶接部40は損傷することなく、接続状態を維持することができる。
【0065】
また、筒状挿通変換部30の基端側LBの端部と被覆電線10との当接箇所であって支点となる、筒状挿通変換部30の基端側LBの内面側の角部には、
図2(b)のa部拡大図に示すように、断面円弧状に面取りした面取部30Yを設けている。そのため、筒状挿通変換部30より基端側LBの被覆電線10に長手方向Lと異なる方向の外力F1が作用し、被覆電線10との当接箇所が支点となっても、筒状挿通変換部30の角部が被覆電線10の絶縁被覆12を損傷することを防止できる。なお、面取部30Yは断面円弧状でなく、テーパー状の面取り部であってもよい。
【0066】
このように構成された接続金具付電線1は、導体11を絶縁被覆12で被覆し、先端側LFの絶縁被覆12を剥がして導体11を露出させた被覆電線10と、露出する導体11が接続されたバスバー20とが備えられ、バスバー20は、接続対象と接続される接続部21と、導体11が接続される導体接続部23とが設けられ、導体11は、導体接続部23に対して長手方向Lに沿って配置されるとともに接続されている。また、導体11が導体接続部23に溶接された被覆電線10は、導体接続部23から延出され、導体接続部23における基端側LBに、導体接続部23から延出する被覆電線10に外力F1が作用すると、被覆電線10が当接して、外力F1を長手方向Lに沿った変換外力F2として、導体11と導体接続部23の溶接部40に作用するように変換する筒状挿通変換部30が設けられている。
【0067】
上記構成により、バスバー20に被覆電線10を圧着することなく、被覆電線10の先端側LFから露出する導体11をバスバー20に接続した溶接部40が延設する長手方向Lに交差する方向の外力F1が被覆電線10に作用しても、溶接部40に及ぼす影響を低減することができる。
【0068】
詳述すると、バスバー20において、導体11が接続され、被覆電線10が延出する導体接続部23における基端側LBに筒状挿通変換部30が設けられている。そのため、導体接続部23から延出する被覆電線10に外力F1が作用すると、被覆電線10が筒状挿通変換部30に当接する。筒状挿通変換部30の被覆電線10が当接すると、被覆電線10に作用した外力F1は、導体接続部23に導体11が配置された長手方向Lに沿った変換外力F2として、導体11と導体接続部23の溶接部40に作用する。よって、被覆電線10をバスバー20に圧着せずとも、被覆電線10に作用した外力F1によって溶接部40に及ぼす影響を低減することができる。
【0069】
また、被覆電線10が筒状挿通変換部30に挿通されているため、導体接続部23から延出する被覆電線10に外力F1が作用しても、被覆電線10は筒状挿通変換部30に確実に当接して、被覆電線10に作用する外力を変換して溶接部40に対して長手方向Lに沿った変換外力F2として作用させることができる。
【0070】
また、所定長さの被覆電線10が略筒状に形成された筒状挿通変換部30を挿通するため、被覆電線10に作用する外力を、被覆電線10が挿通する筒状挿通変換部30が変換して溶接部40に対して長手方向Lに沿った変換外力F2として作用させることができる。
【0071】
また、導体11を絶縁被覆12で被覆する被覆電線10における先端側LFの絶縁被覆12を剥がして露出させた導体11がバスバー20に接続された接続金具付電線1の製造方法として、バスバー20に設けられた筒状挿通変換部30に被覆電線10を配置するとともに、導体11を、導体接続部23に対して長手方向Lに沿って配置し、導体11を、導体接続部23に溶接して接続する。
【0072】
そのため、バスバー20に被覆電線10を圧着することなく、被覆電線10の先端側LFから露出する導体11をバスバー20に接続した溶接部40が延設する長手方向Lに交差する方向の外力F1が被覆電線10に作用しても、溶接部40に及ぼす影響を低減することができる接続金具付電線1を、被覆電線10を圧着する場合に比べて容易に製造することができる。
【0073】
また、所定長さの被覆電線10が挿通される略筒状に形成された筒状挿通変換部30に、先端側LFの導体11が露出した被覆電線10を導体接続部23に向かって挿通するとともに、導体接続部23に対して導体11を長手方向Lに沿って配置し、長手方向Lに沿って配置した導体11を、導体接続部23に溶接するため、つまり、導体接続部23に導体11を接続した後に、バスバー20を変形させることがないため、溶接部40に変形に伴う応力が発生することがなく、導体接続部23と導体11との溶接部40の接続状態を安定させることができる。
【0074】
なお、上述の接続金具付電線1における筒状挿通変換部30は、
図1(b)に示すように、上側HUにおいて丸めた板材の端部同士の間にわずかな隙間を有するように曲げ加工されていたが、丸めた板材の端部同士が当接するように曲げ加工してもよい。また、丸めた板材の端部同士が上側HUでなく、
図1(c)に示すように、幅方向Wのいずれかなど、適宜の方向で対向するように形成してもよい。
これらの場合であっても、上述の接続金具付電線1と同様の効果を奏することができる。
【0075】
また、上述の接続金具付電線1では、バスバー20における導体接続部23に対して筒状挿通変換部30が基端側LBに向かって延伸されたが、
図4(b)に示すように、導体接続部23に対して傾斜する傾斜挿通変換部30aであってもよい。導体接続部23に対して傾斜挿通変換部30aが傾斜する接続金具付電線1aについて
図4及び
図5とともに説明する。
【0076】
図4は接続金具付電線1の変形例である接続金具付電線1aの製造方法についての説明図を示し、
図5は接続金具付電線1の変形例である接続金具付電線1aの説明図を示している。
詳しくは、
図4(a)は上述したように接続金具付電線1の基端側LBからの斜視図を示し、
図4(b)は導体接続部23に対して傾斜挿通変換部30aが傾斜した接続金具付電線1aの基端側LBからの斜視図を示している。
図5(a)は接続金具付電線1の
図2(a)に示すB-B矢視断面図を示し、
図5(b)は接続金具付電線1aの同断面位置の断面図を示している。
なお、以下の接続金具付電線1aの説明において、上述の接続金具付電線1と同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0077】
導体接続部23の基端側LBの端部に接続された筒状挿通変換部30が基端側LBに向かって延びる接続金具付電線1と異なり、接続金具付電線1aは、導体接続部23の基端側LB端部に接続された傾斜挿通変換部30aが、基端側LBに向かって下側HDとなる下向きに傾斜する傾斜姿勢である。傾斜挿通変換部30aが傾斜姿勢であること以外、上述の筒状挿通変換部30と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0078】
傾斜挿通変換部30aが傾斜姿勢である接続金具付電線1aは、
図4,
図5に示すように、上述の接続金具付電線1における筒状挿通変換部30の基端側LBの端部を下側HDに下げるように傾斜させて構成することができる。なお、バスバー20において、筒状挿通変換部30に被覆電線10を挿通する前に、導体接続部23に対して筒状挿通変換部30を傾斜させてから、被覆電線10を挿通し、導体露出部分101の導体11を導体接続部23に対して長手方向Lに沿って配置し、溶接して溶接部40を形成して接続金具付電線1aを構成してもよい。
【0079】
このように構成した接続金具付電線1aは、上述の接続金具付電線1が奏する効果と同等の効果を奏する。具体的には、傾斜挿通変換部30aより基端側LBの被覆電線10に外力F1が作用しても、傾斜挿通変換部30aの基端側LBの端部に被覆電線10が当接して、被覆電線10に作用する外力F1を変換し、導体接続部23に導体11を溶接する溶接部40に基端側LBに向かう変換外力F2として作用させることができ、溶接部40は損傷することなく、接続状態を維持することができる。
【0080】
また、接続金具付電線1aは、導体接続部23は平面状であり、傾斜挿通変換部30aが、平面状の導体接続部23に対して基端側LBが下側HDに傾斜する傾斜姿勢であるため、
図5(b)に示すように、導体接続部23から延出する被覆電線10に曲げが生じ、導体接続部23と導体11との溶接部40に作用する外力の影響を低下させることができる。
【0081】
また、傾斜挿通変換部30aの基端側LBの端部と被覆電線10との当接箇所であって支点となる、傾斜挿通変換部30aの基端側LBの内面側端部の角部に断面円弧状に面取りした面取部30Yを設けているため、傾斜挿通変換部30aより基端側LBの被覆電線10に長手方向Lと異なる方向の外力F1が作用し、被覆電線10との当接箇所が支点となっても、傾斜挿通変換部30aの角部が被覆電線10の絶縁被覆12を損傷することを防止できる。なお、面取部30Yは断面円弧状でなく、テーパー状の面取り部であってもよい。
【0082】
なお、上述の接続金具付電線1aの説明では、接続金具付電線1aにおける傾斜挿通変換部30aは、基端側LBに向かって下側HDとなる下向きに傾斜する傾斜姿勢であったが、幅方向Wのいずれかや上側HU、あるいは高さ方向H且つ幅方向Wの斜め方向に傾斜する傾斜姿勢であってもよい。さらには、傾斜挿通変換部30aにおける長手方向Lの途中部分で傾斜方向が変わるように構成してもよい。
【0083】
さらにまた、上述の接続金具付電線1,1aでは、挿通変換部30,30aに被覆電線10における被覆部分102が挿通されたが、
図6及び
図7に示すように、被覆電線10における導体露出部分101が筒状挿通変換部30に挿通されてもよい。筒状挿通変換部30に導体露出部分101が挿通された接続金具付電線1bについて
図6及び
図7とともに説明する。
【0084】
図6及び
図7は接続金具付電線1のさらなる変形例である接続金具付電線1bの説明図を示し、
図8は接続金具付電線1のさらなる変形例である接続金具付電線1bの製造方法についての説明図を示している。
なお、以下の接続金具付電線1bの説明において、上述の接続金具付電線1と同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0085】
被覆電線10の被覆部分102が筒状挿通変換部30の挿通空間30Xに挿通された上述の接続金具付電線1と異なり、絶縁被覆12が剥がれて導体11が露出した導体露出部分101が筒状挿通変換部30の挿通空間30Xを挿通している。
より詳しくは、接続金具付電線1bは、被覆部分102の導体11に緩衝材50を装着して筒状挿通変換部30の挿通空間30Xに挿通している。
【0086】
緩衝材50は、スポンジ、ゴム、布帛など適宜の緩衝作用を有する素材で構成され、筒状挿通変換部30の内面よりひと回り大きな径、且つ筒状挿通変換部30の長手方向Lの長さより長い円柱状に形成している。
上述のような緩衝材50を導体11に装着して筒状挿通変換部30の挿通空間30Xに挿通することで、被覆電線10の外形より細径である導体11と、筒状挿通変換部30の内面との間を埋めることができる。
【0087】
上述の接続金具付電線1bは、
図8に示すように製造される。
具体的には、
図8(a)に示すように、先端側LFの所定長さの絶縁被覆12を剥がして導体11を露出された接続金具付電線1の被覆電線10より長く絶縁被覆12を剥がし、長い導体11が露出した被覆電線10bにおける導体露出部分101の導体11に緩衝材50を装着する。
【0088】
なお、被覆電線10bを構成するための絶縁被覆12を剥がす長さ、つまり導体11が露出する導体露出部分101の長さは、導体接続部23に絶縁被覆12を配置する長さに、筒状挿通変換部30の長手方向Lの長さを加え、さらに余裕を持たせた長さで形成している。
【0089】
また、緩衝材50は、導体露出部分101における導体11の先端側LFから、導体接続部23に配置する長さ分より基端側LBに装着する。
そして、
図8(b)に示すように、筒状挿通変換部30に対して基端側LBから先端側LFに向かって被覆電線10bを挿通し、導体接続部23において導体11を長手方向Lに沿って配置する。このとき、導体露出部分101における導体11に装着した緩衝材50が筒状挿通変換部30の長手方向Lの両端から露出するように配置する。この状態で、導体接続部23の上面に配置した導体11と導体接続部23とを溶接して溶接部40を形成し、被覆電線10bは完成する。
【0090】
このように構成した接続金具付電線1bは、上述の接続金具付電線1が奏する効果と同等の効果を奏する。具体的には、筒状挿通変換部30より基端側LBの被覆電線10bに外力F1が作用しても、筒状挿通変換部30の基端側LBの端部に緩衝材50を介して被覆電線10bが当接して、被覆電線10bに作用する外力F1を変換し、導体接続部23に導体11を溶接する溶接部40に基端側LBに向かう変換外力F2として作用させることができ、溶接部40は損傷することなく、接続状態を維持することができる。
【0091】
また、筒状挿通変換部30と、筒状挿通変換部30に挿通された被覆電線10bとの間に緩衝材50が配置されているため、被覆電線10bに作用する外力F1を変換する際に、緩衝材50を介して筒状挿通変換部30に当接し、被覆電線10bが損傷することを防止できる。
【0092】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態における接続金具付電線1cについて、
図9乃至
図12を用いて説明する。
【0093】
図9は第2実施形態の接続金具付電線1cの説明図を示し、
図10は第2実施形態の接続金具付電線1cの基端側LBからの斜視図を示し、
図11は第2実施形態の接続金具付電線1cの説明図を示し、
図12は第2実施形態の接続金具付電線1cの製造方法についての説明図を示している。
なお、以下の接続金具付電線1cの説明において、上述の実施形態の接続金具付電線1,1a,1bにおける構成と同じ構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0094】
円筒状の挿通変換部30,30aを備えたバスバー20と被覆電線10,10bを接続した接続金具付電線1~1bと異なり、接続金具付電線1cは、後述するように、バレル部31のバレル片32を曲げ返したバレル挿通部30cを挿通変換部として備えている。
【0095】
詳述すると、バレル挿通部30cを有するバスバー20cにおける接続部21、中間部22及び導体接続部23の構成は上述のバスバー20と同じ構成である。
バスバー20cの導体接続部23の基端側LBの端部から基端側LBに延びるバレル挿通部30cは、バレル部31で構成している。
【0096】
バレル挿通部30cを構成するバレル部31は、導体接続部23の幅方向Wの中央から基端側LBに延びる底部33と、バレル片32の幅方向Wの両側から、幅方向Wの外側且つ上側HUに向かう斜め方向に延出された一対のバレル片32とで構成され、バレル片32の変形前では、基端側LBから視てバレル部31は略U字状に形成されている(
図12(a),(b)参照)。
【0097】
このように、バレル片32と底部33とで基端側LBから視て略U字状に形成されたバレル部31は、一対のバレル片32をそれぞれ幅方向Wの内側に向かうとともに、その先端が下側HDに向かうように基端側LBから視て半円状に曲げ返されて、
図9(b)及び
図10に示すように、断面略ハート形状で、所定長さの筒状に形成されている。
【0098】
上述の構成のバスバー20cに被覆電線10を接続した接続金具付電線1cの製造方法について
図12とともに説明する。
まず、
図12(a)に示すように、底部33の幅方向Wの両側から幅方向Wの外側かつ上側HUに延出する一対のバレル片32を備えたバレル部31を有するバスバー20cの基端側LBに被覆電線10を配置する。
【0099】
バレル部31の基端側LBから、被覆電線10をバレル部31の底部33に配置する。このとき、導体露出部分101を導体接続部23において長手方向Lに沿うように配置するとともに、バレル部31の内部に被覆部分102の一部が位置するように配置する(
図12(b)参照)。
【0100】
そして、導体接続部23において長手方向Lに沿うように配置した導体露出部分101の導体11と導体接続部23とを長手方向Lに溶接して溶接部40を形成するとともに、図示省略するカシメ装置でバレル部31をカシメて、つまりバレル部31のバレル片32に曲げ加工を施して、上述の断面のバレル挿通部30cを形成して接続金具付電線1cは完成する(
図12(c)参照)。
【0101】
このように構成した接続金具付電線1cは、上述の接続金具付電線1が奏する効果と同等の効果を奏する。具体的には、バレル挿通部30cより基端側LBの被覆電線10に外力F1が作用しても、バレル挿通部30cの基端側LBの端部に被覆電線10が当接して、被覆電線10に作用する外力F1を変換し、導体接続部23に導体11を溶接する溶接部40に基端側LBに向かう変換外力F2として作用させることができ、溶接部40は損傷することなく、接続状態を維持することができる。
【0102】
また、接続金具付電線1cにおけるバレル挿通部30cは、底部33と、底部33から延出されたバレル片32とを有するバレル部31におけるバレル片32を曲げて、所定長さの被覆電線10が挿通される略筒状に形成されているため、所定長さの被覆電線10が略筒状に形成されたバレル挿通部30cを挿通する。そのため、被覆電線10に作用する外力F1を、被覆電線10が挿通するバレル挿通部30cが変換して溶接部40に対して長手方向Lに沿った変換外力F2として作用させることができる。
【0103】
また、導体接続部23に対して導体11を長手方向Lに沿って配置し、長手方向Lに沿って配置した導体11を、導体接続部23に溶接し、バレル片32を曲げて、所定長さの被覆電線10が挿通される略筒状に形成するが、変換外力F2が導体11の溶接部40に加わらないようにバレル部31で被覆電線10をしっかりと圧着する必要がないため、バレル部31におけるバレル片32の曲げ管理がしやすくなり、接続金具付電線1cの製造性を向上することができる。
【0104】
なお、接続金具付電線1cのバレル挿通部30cにおける基端側LBの内面側の角部に面取部30Yを設けてもよい。バレル挿通部30cの基端側LBの内面側の角部に面取部30Yを設けることで、上述の接続金具付電線1の筒状挿通変換部30に面取部30Yを設けたことによる効果と同じ効果を奏することができる。
【0105】
また、上述の接続金具付電線1cの説明では、接続金具付電線1cにおけるバレル挿通部30cに被覆電線10を挿通したが、
図13乃至
図15に示すように、緩衝材50を装着した被覆部分102をバレル挿通部30cに挿通してもよい。緩衝材50を装着した被覆部分102をバレル挿通部30cに挿通する接続金具付電線1dについて
図13乃至
図15とともに説明する。
【0106】
図13及び
図14は第2実施形態の接続金具付電線1cの変形例である接続金具付電線1dの説明図を示し、
図15は第2実施形態の接続金具付電線1cの変形例である接続金具付電線1dの製造方法についての説明図を示している。
なお、以下の接続金具付電線1dの説明において、上述の実施形態の接続金具付電線1~1cにおける構成と同じ構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0107】
接続金具付電線1dは、バレル挿通部30cに挿通する被覆部分102の該当部分に緩衝材50を装着して、バレル挿通部30cに挿通している。
そのため、
図13(b)に示すように、被覆部分102とバレル挿通部30cの内面との間に緩衝材50が介在することとなる。
【0108】
このように構成される接続金具付電線1dは、
図15(a)に示すように、被覆電線10におけるバレル挿通部30cに挿通する部分にあらかじめ緩衝材50を装着し、バスバー20cの基端側LBに配置する。
【0109】
そして、被覆部分102において緩衝材50が装着された部分がバレル部31における底部33に位置するように配置するとともに、導体露出部分101を構成する導体11を導体接続部23において長手方向Lに沿って配置する(
図15(b)参照)。
【0110】
そして、導体接続部23において長手方向Lに沿うように配置した導体露出部分101の導体11と導体接続部23とを長手方向Lに溶接して溶接部40を形成するとともに、図示省略するカシメ装置でバレル部31をカシメて、つまりバレル部31のバレル片32に曲げ加工を施して、上述の断面のバレル挿通部30cを形成して接続金具付電線1dは完成する(
図15(c)参照)。
【0111】
このように構成した接続金具付電線1dは、上述の接続金具付電線1cが奏する効果と同等の効果を奏する。具体的には、バレル挿通部30cより基端側LBの被覆電線10に外力F1が作用しても、バレル挿通部30cの基端側LBの端部に緩衝材50を介して被覆電線10が当接して、被覆電線10に作用する外力F1を変換し、導体接続部23に導体11を溶接する溶接部40に基端側LBに向かう変換外力F2として作用させることができ、溶接部40は損傷することなく、接続状態を維持することができる。
【0112】
また、接続金具付電線1dは、バレル部31で構成されたバレル挿通部30cと、バレル挿通部30cに挿通された被覆電線10b(102)との間に緩衝材50が配置されるため、被覆電線10bに作用する外力F1を変換する際やバレル部31のバレル片32に曲げ加工を施してバレル挿通部30cを形成する際に、被覆電線10bが損傷することを防止できる。
【0113】
なお、上述の接続金具付電線1c,1dの製造方法において、導体接続部23において長手方向Lに沿うように配置した導体露出部分101の導体11と導体接続部23とを長手方向Lに溶接して溶接部40を形成するとともに、図示省略するカシメ装置でバレル部31をカシメたが、バレル部31を図示省略するカシメ装置でバレル部31をカシメてから、導体接続部23において長手方向Lに沿うように配置した導体露出部分101の導体11と導体接続部23とを長手方向Lに溶接して溶接部40を形成してもよい。
【0114】
(第3実施形態)
続いて、第3実施形態における接続金具付電線1eについて、
図16乃至
図18を用いて説明する。
【0115】
図16及び
図17は第3実施形態の接続金具付電線1eの説明図を示し、
図18は第3実施形態の接続金具付電線1eの製造方法についての説明図を示ししている。
なお、以下の接続金具付電線1eの説明において、上述の実施形態の接続金具付電線1~1dにおける構成と同じ構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0116】
上述の接続金具付電線1~1dの説明では、挿通変換部として、筒状の筒状挿通変換部30に被覆電線10を挿通したが、接続金具付電線1eは、後述するように、枠状に形成された枠状挿通変換部30eを挿通変換部として備えている。
【0117】
詳述すると、枠状挿通変換部30eを有するバスバー20eにおける接続部21、中間部22及び導体接続部23の構成は上述のバスバー20と同じ構成である。
バスバー20eの導体接続部23の基端側LBの端部から上側HUに延びる枠状挿通変換部30eは、導体接続部23の上面から上側HUに所定間隔を隔てて上側HUに配置され、幅方向Wに延びる離間方向規制部34と、離間方向規制部34の幅方向Wの両側から下側HDに延びる一対の脚部35とで、門型状に形成している。
【0118】
離間方向規制部34と一対の脚部35とで門型状に形成した枠状挿通変換部30eは、導体接続部23の基端側LBの端部から上側HUに向かって突出するように設けられ、離間方向規制部34と一対の脚部35とで囲われる内部開口30Xeに被覆電線10の被覆部分102を挿通可能に構成している。
【0119】
なお、枠状挿通変換部30eは、導体接続部23の基端側LBの端部から基端側LBに向かって一体形成され、上側HUに向かって折り曲げて形成されている。そのため、枠状挿通変換部30eは、長手方向Lの厚みが、バスバー20eの高さ方向Hの厚みと同じで形成されている。
【0120】
このように構成された枠状挿通変換部30eの内部開口30Xeに挿通した被覆電線10は、導体接続部23から上側HUへの移動を離間方向規制部34で規制され、導体接続部23から幅方向Wへの移動を脚部35で規制することができる。
【0121】
このように構成されたバスバー20eに被覆電線10を接続して構成する接続金具付電線1eは、
図18に示す製造方法で製造する。
具体的には、
図18(a)に示すように、枠状挿通変換部30eの基端側LBに被覆電線10を配置する。そして、
図18(b)に示すように、枠状挿通変換部30eに対して基端側LBから被覆電線10を挿入するとともに、導体露出部分101の導体11を導体接続部23において長手方向Lに沿って配置する(
図18(b)参照)。
そして、導体接続部23において長手方向Lに沿うように配置した導体露出部分101の導体11と導体接続部23とを長手方向Lに溶接して溶接部40を形成して接続金具付電線1eは完成する。
【0122】
このように構成した接続金具付電線1eは、上述の接続金具付電線1が奏する効果と同等の効果を奏する。具体的には、枠状挿通変換部30eより基端側LBの被覆電線10に外力F1が作用しても、枠状挿通変換部30eに被覆電線10が当接して、被覆電線10に作用する外力F1を変換し、導体接続部23に導体11を溶接する溶接部40に基端側LBに向かう変換外力F2として作用させることができ、溶接部40は損傷することなく、接続状態を維持することができる。
【0123】
また、接続金具付電線1eは、導体接続部23は平面状であり、枠状挿通変換部30eは、導体接続部23における基端側LBの端部に設けられ、導体11が接続された平面状部分から上側HUの被覆電線10の移動を規制する離間方向規制部34と、幅方向Wの被覆電線10の移動を規制する一対の脚部35とで門型状に形成され、平面部分より突出するため、枠状挿通変換部30eに被覆電線10を容易に挿通することができ、枠状挿通変換部30eに挿通した被覆電線10に作用する外力F1を、枠状挿通変換部30eが変換して溶接部40に対して長手方向Lに沿った変換外力F2として作用させることができる。
【0124】
また、導体接続部23における基端側LBの端部に設けられ、導体11が接続された平面状部分から上側HUの被覆電線10の移動を規制する離間方向規制部34と、幅方向Wの被覆電線10の移動を規制する一対の脚部35とで門型状に形成され、平面部分より突出する枠状挿通変換部30eに、先端側LFの導体11が露出した被覆電線10を導体接続部23に向かって挿通するとともに、平面上の導体接続部23に対して導体11を長手方向Lに沿って配置し、長手方向Lに沿って配置した導体11を、導体接続部23に溶接するため、被覆電線10に作用する外力F1を変換して溶接部40に対して長手方向Lに沿った変換外力F2として作用させることができる枠状挿通変換部30eに被覆電線10を容易に挿通することができ、接続金具付電線1eの製造性を向上することができる。
【0125】
また、枠状挿通変換部30eに被覆電線10を挿通し、導体11を導体接続部23に溶接して溶接部40を形成して接続金具付電線1eは完成するため、導体11を導体接続部23に溶接した後に、バスバー20を変形させることがないため、導体11と導体接続部23とを接続する溶接部40に変形に伴う応力が発生することがなく、導体接続部23と被覆電線10とを接続する溶接部40の接続状態を安定させることができる。
【0126】
なお、接続金具付電線1eの枠状挿通変換部30eにおける基端側LBの内面側の角部に面取部30Yを設けてもよい。枠状挿通変換部30eの基端側LBの内面側の角部に面取部30Yを設けることで、上述の接続金具付電線1の筒状挿通変換部30に面取部30Yを設けたことによる効果と同じ効果を奏することができる。
【0127】
また、上述の接続金具付電線1eの説明では、接続金具付電線1eにおける枠状挿通変換部30eに被覆電線10を挿通したが、
図19乃至
図21に示すように、緩衝材50を装着した被覆部分102を枠状挿通変換部30eに挿通してもよい。緩衝材50を装着した被覆部分102を枠状挿通変換部30eに挿通する接続金具付電線1fについて
図19乃至
図21とともに説明する。
【0128】
図19及び
図20は第3実施形態の接続金具付電線1eの変形例である接続金具付電線1fの説明図を示し、
図21は第3実施形態の接続金具付電線1eの変形例である接続金具付電線1fの製造方法についての説明図を示している。
なお、以下の接続金具付電線1fの説明において、上述の実施形態の接続金具付電線1~1eにおける構成と同じ構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0129】
接続金具付電線1fは、枠状挿通変換部30eに挿通する被覆部分102の該当部分に緩衝材50を装着して、枠状挿通変換部30eに挿通している。
そのため、
図19(b)に示すように、被覆部分102と枠状挿通変換部30eの内面との間に緩衝材50が介在することとなる。
【0130】
このように構成される接続金具付電線1fは、
図21(a)に示すように、被覆電線10における枠状挿通変換部30eに挿通する部分にあらかじめ緩衝材50を装着し、バスバー20eの基端側LBに配置する。
【0131】
そして、被覆部分102において緩衝材50が装着された部分が枠状挿通変換部30eにおける内部開口30Xeに挿通するとともに、導体露出部分101を構成する導体11を導体接続部23において長手方向Lに沿って配置する(
図21(b)参照)。
【0132】
そして、導体接続部23において長手方向Lに沿うように配置した導体露出部分101の導体11と導体接続部23とを長手方向Lに溶接して溶接部40を形成して接続金具付電線1fは完成する(
図21(c)参照)。
【0133】
このように構成した接続金具付電線1fは、上述の接続金具付電線1eが奏する効果と同等の効果を奏する。具体的には、枠状挿通変換部30eより基端側LBの被覆電線10に外力F1が作用しても、枠状挿通変換部30eに緩衝材50を介して被覆電線10が当接して、被覆電線10に作用する外力F1を変換し、導体接続部23に導体11を溶接する溶接部40に基端側LBに向かう変換外力F2として作用させることができ、溶接部40は損傷することなく、接続状態を維持することができる。
【0134】
また、接続金具付電線1fは、枠状挿通変換部30eと、枠状挿通変換部30eに挿通された被覆電線10との間に緩衝材50が配置されているため、被覆電線10に作用する外力F1を変換する際に、緩衝材50を介して枠状挿通変換部30eに当接し、被覆電線10が損傷することを防止できる。
【0135】
なお、上述の枠状挿通変換部30eは、導体接続部23の上面から上側HUに所定間隔を隔てて上側HUに配置され、幅方向Wに延びる離間方向規制部34と、離間方向規制部34の幅方向Wの両側から下側HDに延びる脚部一対の脚部35とで、門型状に形成したが、
図16(d)に示すように、離間方向規制部34と一対の脚部35とが連続して円弧状に形成されてもよい。このように形成した円弧状の脚部35であっても、門型状の脚部35と同様の効果を奏することができる。
【0136】
(第4実施形態)
さらに、第4実施形態における接続金具付電線1gについて、
図22乃至
図24を用いて説明する。
【0137】
図22及び
図23は第4実施形態の接続金具付電線1gの説明図を示し、
図24は第4実施形態の接続金具付電線1gの製造方法についての説明図を示している。
なお、以下の接続金具付電線1gの説明において、上述の実施形態の接続金具付電線1~1dにおける構成と同じ構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0138】
上述の接続金具付電線1eの説明では、挿通変換部として、門型状の枠状挿通変換部30eの内部開口30Xeに被覆電線10を挿通したが、接続金具付電線1gは、後述するように、枠状に形成された枠状挿通変換部30gを挿通変換部として備えている。
詳述すると、枠状挿通変換部30gを有するバスバー20gにおける接続部21、中間部22及び導体接続部23の構成は上述のバスバー20と同じ構成である。
【0139】
導体接続部23の基端側LBの端部から上側HUに突出する枠状挿通変換部30eを有するバスバー20eと異なり、接続金具付電線1gのバスバー20gは、幅方向Wに延びる離間方向規制部37と、離間方向規制部34の幅方向Wの両側から下側HDに延びる一対の脚部38とで構成する門型部分36が導体接続部23の基端側LBの端部から所定間隔を隔てて配置され、脚部38の下側HDの端部と導体接続部23の基端側LBの端部とを一対の連結部39とで連結して構成している。また、連結部39によって導体接続部23の基端側LBの端部と連結された門型部分36は、上側HUが先端側LFに向かって傾斜する前傾姿勢となっている。
【0140】
このように構成されたバスバー20gに被覆電線10を接続して構成する接続金具付電線1gは、
図24に示す製造方法で製造する。
具体的には、
図24(a)に示すように、枠状挿通変換部30gの基端側LBに被覆電線10を配置する。そして、
図24(b)に示すように、枠状挿通変換部30gに対して基端側LBから被覆電線10を挿入するとともに、導体露出部分101の導体11を導体接続部23において長手方向Lに沿って配置する(
図24(b)参照)。
【0141】
そして、導体接続部23において長手方向Lに沿うように配置した導体露出部分101の導体11と導体接続部23とを長手方向Lに溶接して溶接部40を形成し(
図24(c)参照)、門型部分36の上側HUが先端側LFとなるように傾斜させて接続金具付電線1gは完成する。
【0142】
このように構成した接続金具付電線1gは、上述の接続金具付電線1eが奏する効果と同等の効果を奏する。具体的には、枠状挿通変換部30gより基端側LBの被覆電線10に外力F1が作用しても、枠状挿通変換部30gに被覆電線10が当接して、被覆電線10に作用する外力F1を変換し、導体接続部23に導体11を溶接する溶接部40に基端側LBに向かう変換外力F2として作用させることができ、溶接部40は損傷することなく、接続状態を維持することができる。
【0143】
また、接続金具付電線1gは、門型部分36が導体接続部23の端部から所定間隔を隔てて配置され、脚部38のそれぞれと導体接続部23の端部とを連結する連結部39が設けられるとともに、門型部分36が、先端側LFに傾斜する傾斜姿勢であるため、門型部分36に被覆電線10を容易に挿通することができ、門型部分36に挿通した被覆電線10に作用する外力を、門型部分36が変換して溶接部40に対して長手方向Lに沿った変換外力F2として作用させることができる。
【0144】
また、連結部39で導体接続部23の端部と連結された門型部分36が、先端側LFに傾斜する傾斜姿勢であるため、
図23(c)に示すように、導体接続部23から延出する被覆電線10に曲げが生じ、導体接続部23と導体11との溶接部40に作用する外力の影響を低下させることができる。
【0145】
なお、枠状挿通変換部30gを構成する門型部分36は、導体接続部23の基端側LBの端部から離間させて配置するとともに、門型部分36の脚部38を連結部39で導体接続部23と連結しているため、被覆電線10に生じる曲げが緩やかになり、被覆電線10にかかる負荷を軽減することができる。
【0146】
なお、接続金具付電線1gの枠状挿通変換部30gにおける先端側LFの内面側の角部に面取部30Yを設けてもよい。枠状挿通変換部30gの基端側LBの内面側の角部に面取部30Yを設けることで、上述の接続金具付電線1の筒状挿通変換部30に面取部30Yを設けたことによる効果と同じ効果を奏することができる。
【0147】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の導体は、導体11に対応し、
以下同様に、
絶縁被覆は、絶縁被覆12に対応し、
先端側は、先端側LFに対応し、
被覆電線は、被覆電線10,10bに対応し、
接続金具は、バスバー20,20c,20eに対応し、
接続部は、接続部21に対応し、
導体接続部は、導体接続部23に対応し、
所定方向は、長手方向Lに対応し、
被覆電線が延出する側は、基端側LBに対応し、
交差方向の外力は、外力F1に対応し、
引っ張り力は、変換外力F2に対応し、
接続箇所は、溶接部40に対応し、
変換部は、筒状挿通変換部30,傾斜挿通変換部30a,バレル挿通部30c,枠状挿通変換部30e,30gに対応し、
接続金具付電線は、接続金具付電線1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1gに対応し、
挿通変換部は、筒状挿通変換部30,傾斜挿通変換部30a,バレル挿通部30c,枠状挿通変換部30e,30gに対応し、
底部は、底部33に対応し、
バレル片は、バレル片32に対応し、
バレル部は、バレル部31に対応し、
離間する方向は、上側HUに対応し、
離間規制部は、離間方向規制部34,37に対応し、
離間する方向に対して交差方向は、幅方向Wに対応し、
脚部は、脚部35,38に対応し、
枠状は、門型状に対応し、
枠状体は、枠状挿通変換部30e,門型部分36に対応し、
連結部は、連結部39に対応し、
所定方向のいずれかは、先端側LFに対応し、
緩衝材は、緩衝材50に対応するが、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0148】
例えば、導体接続部23に対して導体11を長手方向Lに沿って配置したが、幅方向Wや斜め方向に沿って配置してもよいし、被覆電線10,10bを導体接続部23から基端側LBに向かって延伸させたが、高さ方向Hや幅方向Wに曲げて延伸させてもよい。
【0149】
また、上述のバスバー20,20c,20eは、接続部21、中間部22及び導体接続部23をこの順で配置し階段状に形成したが、例えば、正極あるいは負極を構成する電極端子で構成し、ケースに対して複数配置して電池モジュールを構成してもよい。その場合、導体接続部23に対してふたつの接続部21及び中間部22が設けられ、二股状のバスバーを構成してもよい。さらには、板状のバスバー20,20c,20eではなく、接続端子に挿通変換部30,30a,30c,30e,30gを備え、被覆電線10,10bを接続してもよい。
【0150】
また、導体接続部23に対して導体11を溶接して溶接部40を形成して接続したが、導電性接着剤による接着、あるいはカシメなどによって、導電可能に導体接続部23に対して導体11を一体化してもよい。
【0151】
上述の挿通変換部30,30a,30c,30e,30gは、導体接続部23から延出する被覆電線10,10bを挿通させるように、断面方向の全周を囲うように形成したが、例えば、導体接続部23の基端側LBの端部において、上側HUに延伸する支柱と、支柱の先端から幅方向Wに延びる離間規制部とで長手方向Lから視て逆L字型やT字型で形成し、支柱、離間規制部及び導体接続部23で略囲まれる空間に被覆電線10,10bを挿通してもよい。
【0152】
また、上述の挿通変換部30,30a,30cは、長手方向Lに直交する断面が、円形でなく、楕円形、多角形の閉鎖断面、挿通する被覆電線10,10bが通過できない開口を有するC型、U型、角形U状などの開放断面で形成してもよい。
【0153】
また上述のバレル部31で構成するバレル挿通部30cは、曲げ返されたバレル片32の端部同士が略当接する略閉鎖断面で構成されたが、バレル片32の端部同士が挿通する被覆電線10,10bが通過できない隙間を設けて曲げ返された開放断面で構成してもよい。
上述の傾斜挿通変換部30aは、平面状の導体接続部23に対して基端側LBに向かって下側HDに傾斜させたが、挿通変換部30,30cを幅方向Wや斜め方向に傾斜させてもよい。
【0154】
上述の導体11が接続された平面状部分から上側HUの被覆電線10,10bの移動を規制する離間方向規制部34,37と、幅方向Wの被覆電線10,10bの移動を規制する一対の脚部35,38とで枠状挿通変換部30e及び門型部分36を門型状に形成したが、離間方向規制部34,37と脚部35,脚部38とでU字状、H字状など、あるいは半円状、半楕円状などに形成してもよい。さらには、互いに向かって傾斜する一対の脚部35,38の交差部分を離間方向規制部34,37とする略三角形状に形成してもよい。
【0155】
また、接続金具付電線1gにおいて、一対の連結部39が、門型部分36を構成する一対の脚部38のそれぞれを導体接続部23の基端側LBの端部と連結したが、導体接続部23の幅方向Wの中央から延びる1本の連結部39で一対の脚部38を連結してもよい。
また、接続金具付電線1gにおいて門型部分36を先端側LFに傾斜させたが、基端側LBに傾斜する傾斜姿勢であってもよい。
【符号の説明】
【0156】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g…接続金具付電線
10,10b…被覆電線
11…導体
12…絶縁被覆
20,20c,20e…バスバー
21…接続部
23…導体接続部
30…筒状挿通変換部
30a…傾斜挿通変換部
30c…バレル挿通部
30e,30g…枠状挿通変換部
31…バレル部
32…バレル片
33…底部
34,37…離間方向規制部
35.38…脚部
36…門型部分
39…連結部
40…溶接部
50…緩衝材
L…長手方向
LB…基端側
LF…先端側
F1…外力
F2…変換外力
HU…上側
W…幅方向