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特開2023-127372シート処理装置、及び、画像形成装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127372
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】シート処理装置、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20230906BHJP
【FI】
G03G21/16 104
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031128
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】伊深 仁士
(72)【発明者】
【氏名】玉手 知紀
(72)【発明者】
【氏名】赤田 力
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA01
2H171FA03
2H171FA22
2H171FA28
2H171GA13
2H171GA15
2H171HA04
2H171HA06
2H171HA09
2H171HA15
2H171HA17
2H171HA22
2H171HA23
2H171JA13
2H171JA48
2H171KA05
2H171KA23
2H171KA28
2H171PA07
2H171PA12
2H171PA17
2H171QA02
2H171QA08
2H171QB03
2H171QB15
2H171QC03
2H171SA10
2H171SA18
2H171SA22
2H171SA26
(57)【要約】
【課題】装置の組み立てを容易にする。
【解決手段】相互に面が接触して一体となる第1筐体と第2筐体を組み合わせて構成されるシート処理装置が、接触面と平行の第1方向への、前記第1筐体の移動を規制する第1規制部材と、前記接触面に対する垂直方向の軸、又は、前記第1方向の軸のうち、どちらかを軸を回転軸として、前記第1筐体が有する前記垂直方向の面である側面に接触する方向へと回動する接触板とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に面が接触して一体となる第1筐体と第2筐体を組み合わせて構成されるシート処理装置であって、
接触面と平行の第1方向への、前記第1筐体の移動を規制する第1規制部材と、
前記接触面に対する垂直方向の軸、又は、前記第1方向の軸のうち、どちらかを軸を回転軸として、前記第1筐体が有する前記垂直方向の面である側面に接触する方向へと回動する接触板と
を備えるシート処理装置。
【請求項2】
前記第1筐体、及び、前記第2筐体を組み立てた後、
前記第1筐体、及び、前記第2筐体の位置を固定する固定部材を更に備える
請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記第1筐体は、第1接続部材を有し、
前記第2筐体は、前記第1接続部材に接続する第2接続部材を有し、
前記第2筐体が備えるボタンが押されると、前記第1接続部材、及び、前記第2接続部材が接続する
請求項1又は2に記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記第1方向と直交する第2方向への前記第1筐体の移動を規制する第2規制部材を更に備える
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記接触板の回転を制限する制限部材と、
前記第1筐体が所定位置に搭載されると、前記制限部材による制限を解除する解除部材とを更に備える
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項6】
前記第1筐体、及び、前記第2筐体は、
画像形成器、及び、シート供給装置の組み合わせ、
又は、
前記第1筐体、及び、前記第2筐体は、
第1シート供給装置、及び、第2シート供給装置の組み合わせのいずれかである
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項7】
前記第1筐体、及び、前記第2筐体は、
画像形成器、並び、シート供給装置の組み合わせであり、
前記画像形成器は、
シートに画像形成を行う装置を含み、
前記シート供給装置は、
前記シートを供給する装置を含み、
前記シート供給装置は、
前記第1規制部材、及び、前記接触板を備え、
前記第1規制部材に前記画像形成器が突き当たると、前記第1方向について、前記画像形成器の位置合わせが十分であるのを示し、
前記接触板が開いた状態では、前記画像形成器が、前記接触面の上を前記第1方向と直交する第2方向に移動して、前記第2方向について位置合わせができ、
前記接触板が閉じると、前記画像形成器の位置合わせが十分であるのを示す
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシート処理装置を含む画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート処理装置、及び、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シート処理装置において、画像形成を行う本体(以下、単に「本体」という。)と、シート給送装置とが着脱可能な構成が知られている。そして、シートを収納する装置に、本体を載せる組み立てをすると使用できる画像形成装置等が知られている。
【0003】
具体的には、画像形成装置は、シート給送装置と本体に分かれる構成である。そして、シート給送装置は、位置決めピンを備える。次に、本体をシート給送装置に装着するのに、ユーザは、位置決めピンに位置決め穴が嵌合するように本体を移動させる作業を行う。このようにして、組み立てが可能な画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1等を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示する位置決めピンを使う構成では、組み立て作業を行う際に、位置決めピンが合わない等の事態に陥る可能性がある。仮に、装置の組立でユーザが、重量物である当該装置を保持したままで、位置決めピンが合わない状態になると、ユーザは、重い装置を保持し続けながら、位置決めピンを合わせる作業を継続する。このように、従来の技術では、装置の組み立てにおけるユーザの負担が大きくなる課題がある。
【0005】
本発明は、装置の組み立てを容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様である、相互に面が接触して一体となる第1筐体と第2筐体を組み合わせて構成されるシート処理装置は、
接触面と平行の第1方向への、前記第1筐体の移動を規制する第1規制部材と、
前記接触面に対する垂直方向の軸、又は、前記第1方向の軸のうち、どちらかを軸を回転軸として、前記第1筐体が有する前記垂直方向の面である側面に接触する方向へと回動する接触板と
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置の組み立てを容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】シート処理装置の全体構成例を示す図である。
図2】組み立ての例を示す図である。
図3】組み立ての例をX-Y平面で示す図(その1)である。
図4】組み立ての例をX-Y平面で示す図(その2)である。
図5】組み立ての例をX-Y平面で示す図(その3)である。
図6】組み立ての例をX-Y平面で示す図(その4)である。
図7】組み立ての例をX-Y平面で示す図(その5)である。
図8】組み立ての例をX-Y平面で示す図(その6)である。
図9】組み立ての例をX-Y平面で示す図(その7)である。
図10】第2実施形態の例を示す図である。
図11】固定部材による固定の例を示す図である。
図12】第3実施形態のシート処理装置の全体構成例を示す図である。
図13】第1接続部材、及び、第2接続部材を接続する操作例を示す図(その1)である。
図14】第1接続部材、及び、第2接続部材を接続する操作例を示す図(その2)である。
図15】第1接続部材、及び、第2接続部材を接続する操作例を示す図(その3)である。
図16】第1接続部材、及び、第2接続部材を接続する操作例を示す図(その4)である。
図17】第4実施形態のシート処理装置の全体構成例を示す図である。
図18】第4実施形態の組み立ての例をX-Y平面で示す図である。
図19】第5実施形態のシート処理装置の全体構成例を示す図である。
図20】第5実施形態における制限部材、及び、解除部材の例を示す図である。
図21】第5実施形態における制限部材、及び、解除部材の動作例を示す図である。
図22】第5実施形態における制限部材、及び、解除部材の例をX-Y平面で示す図である。
図23】第5実施形態における組み立ての例をX-Y平面で示す図(その1)である。
図24】第5実施形態における組み立ての例をX-Y平面で示す図(その2)である。
図25】第5実施形態における組み立ての例をX-Y平面で示す図(その3)である。
図26】第6実施形態のシート処理装置の全体構成例を示す図である。
図27】シート処理装置の第1変形例を示す図である。
図28】第2変形例における組み立ての例を示す図(その1)である。
図29】第2変形例における組み立ての例を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、添付する図面を参照し、具体例を説明する。なお、実施形態は、以下に説明する具体例に限られない。また、以下の説明は、シートが用紙である例とする。
【0010】
[シート処理装置の全体構成例]
図1は、シート処理装置の全体構成例を示す図である。以下、図示するような画像形成装置1を例に説明する。また、以下の説明では、垂直方向を「Z軸」とする。そして、Z軸に対して直交する軸であって、画像形成装置1の短手方向を「X軸」とする。さらに、Z軸、及び、X軸の両方の軸に対する軸であって、画像形成装置1の長手方向を「Y軸」とする。したがって、X軸、及び、Y軸で「X-Y平面」となり、X-Y平面に対して、Z軸が垂直となる関係である。
【0011】
画像形成装置1は、図1に示すように、複数の筐体を組み合わせて一体となる構成を備える装置である。具体的には、画像形成装置1は、少なくとも第1筐体、及び、第2筐体を分離可能な構造である。なお、画像形成装置1は、3つ以上の部材を組み立てて構成する装置でもよい。
【0012】
図1では、画像形成装置1は、画像形成器10、第1給紙装置100、及び、第2給紙装置200の3つの異なる機能ブロックを組み合わせて構成される。すなわち、画像形成装置1は、所定の機能を筐体に収めた装置を複数組み合わせて一体の装置として構成される装置の例である。以下、所定の機能を収めた筐体であって、特定の装置として認識可能な装置を「筐体」と表現する。したがって、画像形成装置1は、第2給紙装置200がない構成でもよい。又は、画像形成装置1は、画像形成器10、第1給紙装置100、及び、第2給紙装置200以外に更に組み立てる装置がある構成でもよい。
【0013】
図1に示すように、一の筐体としての第1給紙装置100に対して、Z軸において、他の筐体としての第2給紙装置200の上に搭載するように組み立てる。同様に、画像形成器10は、Z軸において、第1給紙装置100の上に更に搭載するように組み立てる。
【0014】
以下、第1筐体が画像形成器10である例で説明する。なお、画像形成器10のように、第1筐体が画像形成を行う装置を含むと、重くなり、組み立てが大変になる場合が多い。
【0015】
以下、第2筐体が第1給紙装置100である例で説明する。ただし、第1筐体、及び、第2筐体は、画像形成器10、及び、第1給紙装置100の組み合わせ以外でもよい。すなわち、第1筐体、及び、第2筐体は、図1に示す以外の箇所で分かれてもよい。したがって、画像形成器10、及び、第1給紙装置100は、図1に説明する以外の装置で構成されてもよい。
【0016】
画像形成器10は、画像形成部を備える装置である。具体的には、画像形成器10は、帯電器13、現像器14、転写器15、クリーニング器16、光書込装置17、及び、感光体18を備える。また、感光体18は、矢印で示す方向に回転する。
【0017】
第1給紙装置100は、第1給紙カセット101を備える。また、第1給紙カセット101は、用紙Sを収納する。また、第1給紙カセット101は、第1取手101aを備える。
【0018】
第1取手101a内には、第1シート搬送路102が形成される。また、第1シート搬送路102には、第1給紙路103がつながる。
【0019】
第2給紙装置200は、第2給紙カセット201を備える。また、第2給紙カセット201は、用紙Sを収納する。また、第2給紙カセット201は、第2取手201aを備える。
【0020】
第2取手201a内には、第2シート搬送路202が形成される。また、第2シート搬送路202には、第2給紙路203がつながる。
【0021】
第1給紙カセット101、及び、第2給紙カセット201は、抜き差しが可能な構造である。
【0022】
そして、第1給紙装置100、及び、第2給紙装置200を組み立てると、第1シート搬送路102、及び、第2シート搬送路202がつながる。
【0023】
第1給紙コロ104は、第1給紙路103の入口付近に設置する。そして、第1給紙コロ104は、画像形成を行う場合には、回転駆動して、用紙Sを給紙する。
【0024】
第2給紙コロ204は、第2給紙路203の入口付近に設置する。そして、第2給紙コロ204は、画像形成を行う場合には、回転駆動して、用紙Sを給紙する。
【0025】
第1給紙装置100からは、第1シート搬送路102、及び、第1給紙路103を通して用紙Sが給紙される。一方で、第2給紙装置200からは、第2給紙路203、第1シート搬送路102、及び、第2シート搬送路202を通して用紙Sが給紙される。そして、用紙Sは、排紙口105から画像形成器10へ給紙される。
【0026】
用紙Sは、レジストローラ40に突き当たると止まる。その後、レジストローラ40は、タイミングを取って、感光体18へ用紙Sを搬送する。
【0027】
感光体18は、帯電器13により、表面を帯電する。次に、光書込装置17は、感光体18にレーザ光Lを当てる。そして、レーザ光Lが照射すると、感光体18上に、静電潜像が形成される。また、静電潜像は、現像器14の位置を通ると、トナーが付着して可視像となる。次に、可視像は、転写器15が用紙S上へ転写する。
【0028】
可視像を転写した後、用紙Sを定着器41へ搬送すると、定着器41は、熱と圧を加えて、用紙S上の画像を定着する。次に、用紙Sは、搬送ローラ42で搬送方向Eへ搬送される。その後、排紙ローラ43は、用紙Sを排出する。
【0029】
また、クリーニング器16は、クリーニングにより、感光体18の表面にある残留トナーを除去する。
【0030】
なお、画像形成装置1は、上記に説明する構成に限られない。したがって、画像形成装置1は、上記に説明する以外の装置を備えてもよい。
【0031】
以下、第1給紙装置100に、画像形成器10を搭載する組み立てを例に説明する。したがって、以下の説明では、第1給紙装置100は、Z軸における上側となる面(以下、「接触面300」という。)に画像形成器10を搭載する。また、以下の説明では、接触面300は、X-Y平面である。
【0032】
[組み立ての例]
図2は、組み立ての例を示す図である。図示するように、組み立ては、まず画像形成器10を第1給紙装置100の接触面300へ搭載する作業である。
【0033】
以下、第1規制部材を突き当て部材112とする例で説明する。
【0034】
第1給紙装置100は、突き当て部材112を備える。以下、組み立てにおいて、画像形成器10の位置をY軸方向について位置合わせをする例で説明する。また、以下の説明では、組み立てにおいて、画像形成器10の位置合わせを最初に行う方向を「第1方向」という。したがって、以下の説明では、第1方向は、Y軸方向である。ただし、位置合わせは、Y軸方向に限られない。例えば、第1方向は、X軸方向、又は、任意に設定する方向でもよい。
【0035】
突き当て部材112は、金属、又は、樹脂である。また、突き当て部材112は、第1給紙装置100と一体でもよいし、又は、第1給紙装置100とは別の部品でもよい。
【0036】
突き当て部材112は、接触面300における端部に位置するのが望ましい。図2に示す例では、突き当て部材112は、Y軸において、最も奥となる位置である。このように、突き当て部材112は、接触面300における端部に位置すると、ユーザは、突き当て部材112が他の装置等で隠れにくいため、突き当て部材112を見やすい。
【0037】
したがって、突き当て部材112が接触面300における端部に位置すると、ユーザは、組み立てにおいて、突き当て部材112へ画像形成器10を突き当てるのが見やすく、作業がより容易にできる。
【0038】
また、突き当て部材112が接触面300における端部に位置すると、突き当て部材112を製造しやすい場合が多い。
【0039】
ただし、突き当て部材112は、接触面300上であれば、端部以外の位置でもよい。また、突き当て部材112は、図2に示す以外の形状でもよい。例えば、突き当て部材112は、X軸方向に一部が欠けている等の形状でもよい。
【0040】
以下、接触板を第1回転板108、及び、第2回転板110とする例で説明する。なお、接触板は、1枚以上あればよい。以下、画像形成器10の両方の側面に、各々接触する接触板を2枚備える構成で説明する。
【0041】
第1給紙装置100は、第1回転軸109、及び、第2回転軸111を備える。そして、第1回転板108は、第1回転軸109を軸、すなわち、垂直軸を軸にして回転する。同様に、第2回転板110は、第2回転軸111を軸、すなわち、垂直軸を軸にして回転する。なお、第1回転板108、及び、第2回転板110は、垂直軸を軸に回転する機構に限られない。例えば、第1回転板108、及び、第2回転板110は、垂直軸以外の軸である第1方向を軸に回転してもよい。
【0042】
第1回転板108、及び、第2回転板110は、画像形成器10の位置合わせ後、閉じると画像形成器10の側面に接触する。すなわち、第1回転板108は、第1回転軸109を回転軸とし、かつ、第2回転板110は、第2回転軸111を回転軸として、各々が画像形成器10の側面に接触する方向に回動する動作を以下の説明では「第1回転板108、及び、第2回転板110を閉じる。」と表現する。また、第1回転板108が第1回転軸109を回転軸とし、かつ、第2回転板110が第2回転軸111を回転軸として、各々が画像形成器10の側面から離間する方向回動する動作を以下の説明では「第1回転板108、及び、第2回転板110を開ける。」と表現する。
【0043】
なお、第1回転板108は、第1嵌合板108A、及び、第2嵌合板108B等があってもよい。
【0044】
また、第2回転板110は、第3嵌合板110A、及び、第4嵌合板110B等があってもよい。
【0045】
組み立ては、接触面300上に画像形成器10を置く。このように、組み立てにおいて、画像形成器10の位置合わせが完了していない状態で、接触面300上に画像形成器10を置く置き方を「仮置き」という。したがって、仮置きの状態は、組み立ての途中であって、画像形成器10の位置合わせをするため、ユーザは、接触面300上で画像形成器10を移動させる作業を行う。
【0046】
具体的には、組み立てでは、ユーザは、まず画像形成器10を仮置きする。そして、ユーザは、画像形成器10をY軸方向上で突き当て部材112に突き当てるように移動させる。このように、突き当て部材112があると、突き当て部材112に対して画像形成器10を突き当てる、及び、Y軸方向への画像形成器10の移動を規制できる。ゆえに、突き当て部材112に突き当てることで、画像形成器10は、Y軸方向で位置合わせができる。
【0047】
第1回転板108、及び、第2回転板110は、回転するため、組み立てでは、ユーザは、第1回転板108、及び、第2回転板110を画像形成器10を移動させるのを阻害しないように動かした後、画像形成器10をX軸方向へ移動する作業を行う。
【0048】
そして、X軸方向の位置合わせが完了した後、第1回転板108、及び、第2回転板110を閉じると、第1回転板108、及び、第2回転板110は、側面に接触する。この場合において、X軸方向の位置合わせが不十分で第1回転板108、及び、第2回転板110を閉じると、接触板が完全に閉まらない、又は、接触板との間に隙間が生じる等が起きるため、ユーザは、X軸方向の位置合わせが不十分であるのを認識できる。
【0049】
なお、第1嵌合板108A、第2嵌合板108B、第3嵌合板110A、及び、第4嵌合板110Bで位置合わせを行う構成でもよい。第1嵌合板108A、第2嵌合板108B、第3嵌合板110A、及び、第4嵌合板110Bは、画像形成器10に形成する嵌合溝108AAと嵌合する。したがって、ユーザは、第1嵌合板108A、第2嵌合板108B、第3嵌合板110A、及び、第4嵌合板110Bが嵌合溝108AAと嵌合するか否かで位置合わせができているか否かを認識してもよい。
【0050】
[X-Y平面の視点で示す組み立ての例]
以下、上記に説明した組み立て例をX-Y平面の視点で説明する。
【0051】
図3は、組み立ての例をX-Y平面で示す図(その1)である。図3は、画像形成器10を仮置きする前の状態を示す。このように、組み立てをする前の状態では、接触面300上には、まだ画像形成器10が置かれていない。
【0052】
図4は、組み立ての例をX-Y平面で示す図(その2)である。図3と比較すると、図4は、画像形成器10を仮置きしている点が異なる。以下、相違点を中心に説明し、重複する説明を省略する。
【0053】
このように、仮置きができると、ユーザは、組み立てにおいて、重量の大きい画像形成器10を持つ時間を短くできる。そのため、ユーザは、組み立てで体にかかる負担を減らし、装置の組み立てを容易にできる。
【0054】
なお、画像形成器10は、組み立てにおいて、仮置きしやすい形状が望ましい。具体的には、画像形成器10は、底面、すなわち、仮置きで接触面300と接触する面は、平面であるのが望ましい。このように、接触面300と平面で接触する構成であると、ユーザは、仮置きがしやすい。
【0055】
仮置き後、ユーザは、次のように画像形成器10を突き当てる操作を行う。
【0056】
図5は、組み立ての例をX-Y平面で示す図(その3)である。図4と比較すると、図5は、画像形成器10が突き当て部材112に突き当てられている点が異なる。
【0057】
ユーザは、組み立てでは、突き当て方向500へ押す操作を行う。なお、突き当て方向500は、Y軸方向である。そして、画像形成器10を突き当て方向500へ押すと、画像形成器10は、Y軸方向において、突き当て部材112に向かって移動する。さらに、画像形成器10を突き当て方向500へ押し続けた結果、画像形成器10が突き当て部材112に突き当たると、画像形成器10は、Y軸方向における移動が規制される。
【0058】
また、突き当て部材112は、画像形成器10が突き当て部材112に突き当たる位置で、Y軸方向において排紙口105の位置等が揃う位置に設置する。したがって、ユーザは、画像形成器10を突き当て部材112に突き当てて、Y軸方向の位置合わせができる。
【0059】
一方で、図5に示す状態は、以下のような状態である。
【0060】
図6は、組み立ての例をX-Y平面で示す図(その4)である。図6は、図5と同様の状態を示す。具体的には、画像形成器10は、Y軸方向については位置合わせが完了している。一方で、画像形成器10は、X軸方向については位置合わせが未完了である。具体的には、図6では、画像形成器10は、X軸方向について、位置合わせが十分である位置に対して、ズレ400がある。
【0061】
このように、ズレ400がある状態において、第2回転板110を閉じようとすると(図において、閉方向501に回転させる操作をした場合である。)、干渉点401で、第2回転板110と画像形成器10の側面が干渉する。このような干渉点401があると、第2回転板110は、閉じない状態となり、第2回転板110が全体的に画像形成器10の側面に接触する状態にはならない。したがって、ユーザは、第2回転板110が閉じないため、X軸方向について画像形成器10の位置合わせが十分でないことを認識できる。
【0062】
このように、X軸方向について画像形成器10の位置合わせが十分であれば、第2回転板110が画像形成器10の側面に接触する位置に、第2回転板110、及び、第2回転軸111等の機構部品が設置される。
【0063】
次に、ユーザは、以下のようにX軸方向について画像形成器10の位置合わせを行う。
【0064】
図7は、組み立ての例をX-Y平面で示す図(その5)である。図7は、図6と同様の状態を示す。ユーザは、組み立てでは、ズレ400をなくすように、X軸方向に位置合わせを行う。
【0065】
具体的には、水平方向502へ押す操作を行う。なお、水平方向502は、X軸方向である。そして、画像形成器10を水平方向502へ押すと、画像形成器10は、X軸方向において移動する。このような操作により、X軸方向について画像形成器10の位置合わせが十分となると、以下のような状態となる。
【0066】
図8は、組み立ての例をX-Y平面で示す図(その6)である。図8は、図7と比較すると、X軸方向について画像形成器10が移動し、位置合わせが十分な状態である点が異なる。したがって、図8は、ズレ400がない状態である。
【0067】
このように、X軸方向について画像形成器10の置合わせが十分な状態であると、第1回転板108、及び、第2回転板110を閉じることができ、以下のような状態となる。
【0068】
図9は、組み立ての例をX-Y平面で示す図(その7)である。図9は、図8と比較すると、第1回転板108、及び、第2回転板110が閉じた状態である点が異なる。
【0069】
X軸方向について画像形成器10の置合わせが十分な状態であると、図6に示すような干渉点401が発生しない。そのため、第1回転板108、及び、第2回転板110を閉じると、第1回転板108、及び、第2回転板110は、閉方向501に回転して、画像形成器10の側面に第1回転板108、及び、第2回転板110が接触する。
【0070】
また、図9が示す構成では、画像形成器10の置合わせが十分な状態であると、第1嵌合板108A、第2嵌合板108B、第3嵌合板110A、及び、第4嵌合板110Bが嵌合溝と位置が一致し、嵌合する。
【0071】
以上のように、X軸方向、及び、Y軸方向について画像形成器10の置合わせがどちらも十分な状態であると、第1回転板108、及び、第2回転板110が閉じるため、ユーザは、位置合わせが十分であると認識できる。一方で、位置合わせが不十分であると、排紙口105等で紙詰まりといった故障の原因にもなる。
【0072】
第1規制部材があると、ユーザは、突き当てにより、第1方向(上記の例ではY軸方向である。)に位置合わせが容易にできる。そして、接触板があると、接触板が閉じるか否かで判断して、ユーザは、X軸方向の位置合わせが容易にできる。したがって、第1規制部材、及び、接触板を備えると、ユーザは、第1筐体と第2筐体の組み立てを容易にできる。
【0073】
[第2実施形態]
画像形成装置1は、固定部材を更に備える構成が望ましい。以下、固定部材を第1嵌合板108A、及び、ネジ60で実現する例で説明する。なお、固定部材は、第1嵌合板108A以外の嵌合板、又は、第2回転板110で実現してもよい。また、固定部材は、複数の箇所にあってもよい。
【0074】
図10は、第2実施形態の例を示す図である。例えば、第1回転板108は、図示するように、第1嵌合板108Aの箇所がZ軸方向に突起した形状である。そして、第1回転板108と接触する画像形成器10の側面には、第1嵌合板108Aの形状と一致する嵌合溝が形成される。
【0075】
第1回転板108を閉じて組み立てた後、以下のように、第1回転板108、及び、ネジ60によって、画像形成器10と第1給紙装置100の位置が固定されるのが望ましい。
【0076】
図11は、固定部材による固定の例を示す図である。図11は、図10における「A-A’」の断面図である。
【0077】
画像形成器10の側面には、ネジ60を挿入できるネジ穴が事前に形成される。一方で、第1回転板108には、ネジ60が貫通する貫通穴が事前に形成される。
【0078】
したがって、第1回転板108を閉じて組み立てた後、第1回転板108の外側から、ネジ60を挿入すると、第1回転板108を画像形成器10の側面、及び、第1給紙装置100のいずれにも接触する位置で固定できる。
【0079】
図10、及び、図11が示すように、第1回転板108は、閉じた状態では、画像形成器10の側面、及び、第1給紙装置100を跨ぐ大きさ、及び、高さである。そのため、ネジ60が挿入されると、画像形成器10、及び、第1給紙装置100は、第1回転板108に移動が抑制されて、動かなくなる。このように、固定部材で固定すると、画像形成器10と第1給紙装置100の位置は、外力が加わっても、維持できる。
【0080】
画像形成器10、及び、第1給紙装置100は、仮置きした後に押すと移動する重さ、及び、形状であるため、組み立て後も、固定しないと位置がズレる場合がある。そこで、固定部材で固定できると、組み立て後、画像形成器10、及び、第1給紙装置100の位置関係がズレるのを防ぐことができる。
【0081】
なお、固定部材は、上記に説明する構成に限られない。例えば、第1回転板108には、爪61等があってもよい。また、固定部材は、磁石、又は、釘等といった機構部品で実現してもよい。
【0082】
[第3実施形態]
図12は、第3実施形態のシート処理装置の全体構成例を示す図である。第1実施形態と比較すると、第3実施形態は、第1接続部材、及び、第2接続部材を接続する構成である点が異なる。
【0083】
以下、第1接続部材がドロワコネクタ70である例で説明する。また、ドロワコネクタ70は、画像形成器10が有する。
【0084】
以下、第2接続部材がコネクタ114である例で説明する。また、コネクタ114は、第1給紙装置100が有する。
【0085】
第1給紙装置100は、第1給紙装置100がモータ、及び、センサ等の電気部品を有して、かつ、電気部品を動作させるのに用いる制御装置、及び、電源装置等を有しない場合がある。そして、第1給紙装置100が有する電気部品は、画像形成器10にある制御装置、及び、電源装置等により動作する。このような場合には、ドロワコネクタ70、及び、コネクタ114によって、画像形成器10、及び、第1給紙装置100は電気的に接続する。
【0086】
このような場合には、ドロワコネクタ70、及び、コネクタ114を接続するボタン116を第1給紙装置100が備える構成が望ましい。具体的には、ドロワコネクタ70、及び、コネクタ114は、以下のような操作で接続する。
【0087】
図13は、第1接続部材、及び、第2接続部材を接続する操作例を示す図(その1)である。図13は、図12と同様に、ドロワコネクタ70、及び、コネクタ114を接続する前の状態を示す。
【0088】
なお、ドロワコネクタ70は、収納口72、及び、スプリング73により、収納口72へ収納が可能な構成が望ましい。そして、ドロワコネクタ70、及び、コネクタ114を接続する操作を行う状態では、図13に示すように、ドロワコネクタ70は、重力、及び、スプリング73により、収納口72から出る状態になるのが望ましい。
【0089】
第1給紙装置100は、ボタン116を備える。具体的には、ボタン116は、一部が第1給紙装置100の外に、突起が出る形状である。そして、ボタン116をユーザが押すと、コネクタ114がY軸方向に移動する。そして、ボタン116を押している間に、ドロワコネクタ70があると、ドロワコネクタ70、及び、コネクタ114が接続する。
【0090】
次に、第1給紙装置100の上に、画像形成器10を置くと、ドロワコネクタ70は、以下のような状態となる。
【0091】
図14は、第1接続部材、及び、第2接続部材を接続する操作例を示す図(その2)である。図13と比較すると、図14は、第1給紙装置100の上に、画像形成器10を置かれている状態である点が異なる。また、図13と比較すると、図14は、ドロワコネクタ70が収納口72へ収納されている状態である点が異なる。
【0092】
第1給紙装置100の上に、画像形成器10を置かれると、画像形成器10の重さにより、ドロワコネクタ70は、収納口72へ収納される。このような状態であると、ドロワコネクタ70があっても、接触面300とドロワコネクタ70があまり干渉しない。ゆえに、ユーザは、画像形成器10の位置合わせをするため、画像形成器10を移動する操作を容易にできる。また、ドロワコネクタ70が干渉しにくいため、画像形成器10を仮置きできるので、ユーザは、重量の大きい画像形成器10を持つ時間を短くできる。
【0093】
次に、Y軸方向の位置合わせが十分であると、以下のような状態になる。
【0094】
図15は、第1接続部材、及び、第2接続部材を接続する操作例を示す図(その3)である。図14と比較すると、図15は、Y軸方向の位置合わせが十分な状態である点が異なる。
【0095】
開口部113は、Y軸方向の位置合わせが十分な状態であると、Y軸方向においてドロワコネクタ70と一致する位置に形成する。したがって、図15に示すように、Y軸方向の位置合わせが十分な状態であると、ドロワコネクタ70は、重力、及び、スプリング73によりZ軸方向で落ちるため、開口部113を通って、第1給紙装置100に収納される。
【0096】
次に、ユーザがボタン116を押すと、以下のような状態になる。
【0097】
図16は、第1接続部材、及び、第2接続部材を接続する操作例を示す図(その4)である。図15と比較すると、図16は、ユーザがボタン116を押す操作により、ドロワコネクタ70、及び、コネクタ114が接続している状態である点が異なる。
【0098】
Y軸方向の位置合わせが十分な状態であると、ドロワコネクタ70は、コネクタ114とZ軸方向の高さが一致する。そのため、ユーザがボタン116を押すと、コネクタ114が移動して、ドロワコネクタ70と接続する。このように、ドロワコネクタ70、及び、コネクタ114が接続すると、画像形成器10、及び、第1給紙装置100は電気的に接続する。
【0099】
そして、画像形成器10、及び、第1給紙装置100が電気的に接続すると、画像形成器10、及び、第1給紙装置100の間で、電力、及び、信号等がやり取りできる。そのため、第1給紙装置100が有する電気部品を動作させることができる。ゆえに、第1給紙装置100は、電気部品を動作させてシートを搬送する等ができる。
【0100】
また、第1接続部材、及び、第2接続部材は、上記に説明する構成に限られない。例えば、スプリング73等はなくともよい。
【0101】
なお、第1接続部材、及び、第2接続部材は、ドロワコネクタ70、及び、コネクタ114でなくともよい。例えば、第1接続部材、及び、第2接続部材は、ハーネス、又は、機構部品等でもよい。
【0102】
[第4実施形態]
図17は、第4実施形態のシート処理装置の全体構成例を示す図である。第1実施形態と比較すると、第2方向材118のような第2規制部材がある点が異なる。以下、第2規制部材が第2方向材118である例で説明する。
【0103】
第2方向材118は、第2方向(図では、X軸方向である。ただし、第2方向は、第1方向に直交する方向であるため、第1方向を設定する方向により異なる。以下、第2方向をX軸方向とする。)に延びる部材である。なお、第2方向材118は、突き当て部材112とは一体でもよいし、又は、突き当て部材112とは別の部材でもよい。さらに、第2方向材118は、図示する例では、第1給紙装置100の両端部に設置するが、どちらか一方でもよい。
【0104】
第2方向材118は、金属、又は、樹脂である。また、第2方向材118は、第1給紙装置100と一体でもよいし、又は、第1給紙装置100とは別の部品でもよい。
【0105】
第2方向材118は、接触面300における端部に位置するのが望ましい。図17に示す例では、第2方向材118は、X軸において、最も端となる位置である。このように、第2方向材118は、接触面300における端部に位置すると、ユーザは、第2方向材118を見やすい。したがって第2方向材118が接触面300における端部に位置すると、ユーザは、組み立てにおいて、第2方向材118へ画像形成器10を突き当てるのが見やすく、作業がより容易にできる。
【0106】
ただし、第2方向材118は、接触面300上であれば、端部以外の位置でもよい。また、第2方向材118は、図17に示す以外の形状でもよい。例えば、第2方向材118は、Y軸方向に一部が欠けている等の形状でもよい。
【0107】
第2方向材118は、第2方向に画像形成器10を移動させるのを規制する。具体的には、第2方向材118は、組み立てにおいて以下のように使用する。
【0108】
図18は、第4実施形態の組み立ての例をX-Y平面で示す図である。図18は、画像形成器10を接触面300に置く作業をX-Y平面で示す図である。
【0109】
画像形成器10は、組み立てでは、奥行方向503に向かって突き当て部材112に突き当たる、かつ、両端部にある第2方向材118の間に入るように置かれる。なお、第2方向材118がどちらか一方にのみある構成では、画像形成器10は、組み立てでは、突き当て部材112、及び、第2方向材118のどちらにも突き当てるように置かれる。
【0110】
ユーザは、Y軸方向について、突き当て部材112によって位置合わせができる。さらに、ユーザは、X軸方向について、第2方向材118によって位置合わせができる。このように、ユーザは、突き当て部材112、及び、第2方向材118があると、第1方向、及び、第2方向の位置合わせが容易にできる。
【0111】
[第5実施形態]
第5実施形態は、第1実施形態と比較すると、画像形成装置1が以下のような制限部材、及び、解除部材を更に備える点が異なる。
【0112】
図19は、第5実施形態のシート処理装置の全体構成例を示す図である。第1実施形態と比較すると、第5実施形態は、第1ボタン119A、及び、第2ボタン120Aがある点が異なる。さらに、第1実施形態と比較すると、第5実施形態は、第1ストッパー119、及び、第2ストッパー120がある点が異なる。
【0113】
以下、解除部材が第1ボタン119A、及び、第2ボタン120Aであり、かつ、制限部材が第1ストッパー119、及び、第2ストッパー120である例で説明する。また、以下に説明するは、制限部材、及び、解除部材が2つずつある例で説明するが、制限部材、及び、解除部材の数は問わない。
【0114】
第1ボタン119A、及び、第2ボタン120Aは、Z軸方向に押す、又は、押すのをやめると、ボタンの一部が接触面300から出没する機構である。
【0115】
なお、第1ボタン119A、及び、第2ボタン120Aは、先端部分、すなわち、画像形成器10で押される部分が丸みを帯びた形状であるのが望ましい。このように、丸みを帯びた形状であると、力が加わった際に、第1ボタン119A、及び、第2ボタン120Aが力を受けやすく、画像形成器10の底面で操作しやすい。
【0116】
第1ストッパー119、及び、第2ストッパー120は、第1ボタン119A、及び、第2ボタン120Aを押す、又は、押すのをやめると、第1回転板108、及び、第2回転板110の回転を制限する、又は、制限を解除する機構である。
【0117】
第1ボタン119A、第2ボタン120A、第1ストッパー119、及び、第2ストッパー120は、以下のような機構である。
【0118】
図20は、第5実施形態における制限部材、及び、解除部材の例を示す図である。以下、第1ボタン119A、及び、第1ストッパー119の組み合わせで説明する。図20は、第1ボタン119A、及び、第1ストッパー119の構造、及び、形状の例を示す透過図である。
【0119】
なお、第2ボタン120A、及び、第2ストッパー120は、例えば、Y軸を中心に、第1ボタン119A、及び、第1ストッパー119と対称となる形状、及び、配置である。
【0120】
第1ストッパー119は、第1給紙装置100の内部に収納され、一部が外に出る。
【0121】
第1ストッパー119は、下にスプリング121が設置される。そのため、スプリング121の弾性力で、第1ボタン119Aが接触面300から外に出る。具体的には、第1ボタン119A、及び、第1ストッパー119は、以下のように動作する。
【0122】
図21は、第5実施形態における制限部材、及び、解除部材の動作例を示す図である。図21(A)は、第1ストッパー119を押す前の状態を示す。一方で、図21(B)は、第1ストッパー119を押している状態を示す。
【0123】
第1ストッパー119の上に画像形成器10を置くと、第1ボタン119A、及び、第1ストッパー119は、図21(A)に示す状態から、図21(B)に示す状態になる。
【0124】
以下、図21(B)のように、画像形成器10が第1ボタン119Aを押すことができる位置を「所定位置」という。具体的には、所定位置は、X-Y平面において、画像形成器10の一部が、第1ボタン119Aの上に搭載される位置である。ゆえに、所定位置に画像形成器10が搭載されると、第1ストッパー119は、図21(A)に示す状態から、図21(B)に示す状態になる。
【0125】
第1ストッパー119は、支柱119Bが分岐した形状である。具体的には、支柱119Bは、接触面300から外に出て、第1ボタン119Aとなる方と、X軸方向に延びる枝部119Cに分岐する形状である。
【0126】
枝部119Cには、第1挟持機構119Dと第2挟持機構119Eが形成される。図21(A)に示す状態では、第1挟持機構119Dと第2挟持機構119Eは、第1回転板108を挟持して、第1回転板108が回転するのを制限する。
【0127】
一方で、図21(B)に示すように、画像形成器10が置かれると、第1ボタン119Aが下がる。そして、第1挟持機構119Dと第2挟持機構119Eは、Z軸方向において下へ移動する。そのため、第1回転板108は回転が可能な状態となり、制限が解除される。
【0128】
なお、制限部材、及び、解除部材は、上記の形状、及び、構成に限られない。すなわち、制限部材、及び、解除部材は、位置合わせが十分であるか、又は、不十分であるかに基づいて、第1回転板108が回転するのを制限、又は、解除できる構成であればよい。
【0129】
例えば、枝部119C、第1挟持機構119D、及び、第2挟持機構119Eは、取り外し可能な構成等でもよい。そして、組み立てが完了すると、枝部119C、第1挟持機構119D、及び、第2挟持機構119Eは、取り外し、開口している箇所が蓋で閉められる構成等でもよい。このような構成であると、突起をなくし、内部が見えるのを防ぐことができる。
【0130】
図22は、第5実施形態における制限部材、及び、解除部材の例をX-Y平面で示す図である。図22は、まだ画像形成器10が置かれる前の状態を示す。したがって、第1ボタン119A、及び、第2ボタン120Aは、どちらも押されていないため、図21(A)に示す状態である。
【0131】
ゆえに、第1回転板108、及び、第2回転板110は、第1ストッパー119、及び、第2ストッパー120により、どちらも回転が制限されている状態である。
【0132】
次に、組み立てでは、例えば、ユーザは、以下のように作業を行う。
【0133】
図23は、第5実施形態における組み立ての例をX-Y平面で示す図(その1)である。図22と比較すると、図23は、画像形成器10が仮置きされている点が異なる。
【0134】
ただし、画像形成器10は、所定位置でない状態である。ゆえに、第1回転板108、及び、第2回転板110は、第1ストッパー119、及び、第2ストッパー120により、どちらも回転が制限されている状態である。
【0135】
ユーザは、第1回転板108、及び、第2回転板110のどちらも回転が制限されている状態であることから、画像形成器10の位置合わせが不十分であるのを認識できる。そこで、ユーザは、以下のように作業を行う。
【0136】
図24は、第5実施形態における組み立ての例をX-Y平面で示す図(その2)である。図23と比較すると、図24は、第1ボタン119Aが押されている状態、かつ、第2ボタン120Aが押されていない状態である点が異なる。
【0137】
第1ボタン119Aが押されているため、第1ストッパー119は、図21(B)に示す状態となる。そのため、第1回転板108は、第1ストッパー119による制限が解除されて、回転する。
【0138】
第2ボタン120Aが押されていないため、第2ストッパー120は、図21(A)に示す状態となる。そのため、第2回転板110は、第2ストッパー120による回転の制限がされており、回転ができない。
【0139】
ユーザは、第1ストッパー119による制限が解除されて、第1回転板108が回転するため、Y軸方向についての位置合わせは十分であるのを認識できる。
【0140】
一方で、ユーザは、第2回転板110の回転が制限されている状態であることから、X軸方向について、画像形成器10の位置合わせが不十分であるのを認識できる。そこで、ユーザは、以下のように作業を行う。
【0141】
図25は、第5実施形態における組み立ての例をX-Y平面で示す図(その3)である。図24と比較すると、図25は、第1ボタン119Aが押されている状態、かつ、第2ボタン120Aも押されている状態である点が異なる。
【0142】
第1ボタン119A、及び、第2ボタン120Aのどちらも押されているため、第1ストッパー119、及び、第2ストッパー120は、どちらも図21(B)に示す状態となる。そのため、第1回転板108、及び、第2回転板110は、どちらとも第1ストッパー119、及び、第2ストッパー120による制限が解除されて、どちらも回転する。
【0143】
ユーザは、第1ストッパー119、及び、第2ストッパー120による制限がどちらも解除されて、第1回転板108、及び、第2回転板110が回転するため、X軸方向、及び、Y軸方向のどちらについても、位置合わせは十分であるのを認識できる。このように、ユーザは、第1回転板108、及び、第2回転板110の制限の有無で位置合わせが十分であるか否かを容易に認識でき、組み立てを容易にできる。
【0144】
[第6実施形態]
組み立ての対象となる装置は、画像形成器10、及び、第1給紙装置100のように、画像形成器、及び、シート供給装置の組み合わせに限られない。例えば、組み立ての対象となる装置は、以下のように、第1給紙装置100、及び、第2給紙装置200のような第1シート供給装置、及び、第2シート供給装置の組み合わせでもよい。
【0145】
図26は、第6実施形態のシート処理装置の全体構成例を示す図である。第1実施形態と比較すると、第6実施形態は、組み立ての対象となる装置が第1給紙装置100、及び、第2給紙装置200である点が異なる。
【0146】
第6実施形態は、画像形成装置1を構成する装置のうち、第1給紙装置100、及び、第2給紙装置200を組み立てる。
【0147】
具体的には、第2給紙装置200に突き当て部材112があれば、第1実施形態と同様に、ユーザは、組み立てが容易にできる。
【0148】
[第1変形例]
図27は、シート処理装置の第1変形例を示す図である。第1実施形態と比較すると、第1変形例は、接触板が回転する軸が第1方向を中心にする点が異なる。
【0149】
具体的には、第1回転板108は、第1方向軸109Aを中心に回転する。このような回転であっても、第1回転板108は、第1実施形態等と同様に、X軸方向について画像形成器10の置合わせが十分な状態で第1回転板108を閉じると、第1回転板108は、回転して、画像形成器10の側面に接触する。なお、第2回転板110も同様である。
【0150】
また、図9が示すように、嵌合板、及び、嵌合溝がある構成では、画像形成器10の置合わせが十分な状態であると、第1嵌合板108A、第2嵌合板108B、第3嵌合板110A、及び、第4嵌合板110Bが嵌合溝と位置が一致し、嵌合する。
【0151】
以上のように、X軸方向、及び、Y軸方向について画像形成器10の置合わせが十分な状態であると、第1回転板108、及び、第2回転板110が閉じるため、ユーザは、位置合わせが十分であると認識できる。
【0152】
なお、第1変形例は、第1実施形態以外の実施形態にも適用できる。
【0153】
[第2変形例]
図28は、第2変形例における組み立ての例を示す図(その1)である。第2変形例は、第1実施形態と比較すると、接触面300等が平面でない点が異なる。
【0154】
例えば、接触面300は、凸部となる面(以下、「第1上面301」という。)と、第1上面301より低い面(以下、「第2上面302」という。)により、凹凸があってもよい。このように、第1筐体と第2筐体の接触する面の形状は問わない。
【0155】
第1上面301、及び、第2上面302は、画像形成器10が仮置きできる面である。
【0156】
位置合わせが十分であると、以下のような状態となる。
【0157】
図29は、第2変形例における組み立ての例を示す図(その2)である。図28と比較すると、図29は、突き当て部材112に画像形成器10が突き当てられている状態である点が異なる。また、第1上面301、及び、第2上面302のような形状により、空間303ができてもよい。
【0158】
第1上面301、及び、第2上面302のような形状であっても、第1実施形態と同様に、突き当て部材112で、ユーザは、第1方向に位置合わせが容易にできる。そして、接触板があると、ユーザは、X軸方向の位置合わせが容易にできる。したがって、第1規制部材、及び、接触板を備えると、ユーザは、第1筐体と第2筐体の組み立てを容易にできる。
【0159】
[その他の実施形態]
シート処理装置は、上記に説明する以外の部品を備える、又は、上記に説明する以外の形状であってもよい。
【0160】
シート処理装置は、画像形成装置1に限られない。すなわち、シート処理装置は、シートに対して何らかの所定の処理を行う装置であればよい。また、シートは、紙以外の種類でもよい。
【0161】
上記の実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0162】
1 :画像形成装置
10 :画像形成器
60 :ネジ
70 :ドロワコネクタ
72 :収納口
100 :第1給紙装置
108 :第1回転板
108A :第1嵌合板
108B :第2嵌合板
109 :第1回転軸
109A :第1方向軸
110 :第2回転板
110A :第3嵌合板
110B :第4嵌合板
111 :第2回転軸
112 :突き当て部材
116 :ボタン
118 :第2方向材
119 :第1ストッパー
119A :第1ボタン
119B :支柱
119C :枝部
119D :第1挟持機構
119E :第2挟持機構
120 :第2ストッパー
120A :第2ボタン
121 :スプリング
200 :第2給紙装置
300 :接触面
500 :突き当て方向
501 :閉方向
S :用紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0163】
【特許文献1】特開2006-251740号公報
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