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特開2023-127448画像形成装置、プログラムおよび切断位置制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127448
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】画像形成装置、プログラムおよび切断位置制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/70 20060101AFI20230906BHJP
【FI】
B41J11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031251
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】柳 裕之
(72)【発明者】
【氏名】大嶺 徹
(72)【発明者】
【氏名】平田 聡
(72)【発明者】
【氏名】山崎 敦司
(72)【発明者】
【氏名】岡本 卓也
【テーマコード(参考)】
2C058
【Fターム(参考)】
2C058AB12
2C058AC07
2C058AE04
2C058AF51
2C058LA03
2C058LC24
(57)【要約】
【課題】連続性を損なわない画像を出力する。
【解決手段】画像データに基づく画像形成部による画像形成後の記録媒体を切断部で切断する画像形成装置において、前記記録媒体の終端を検知するエンド検知手段と、前記画像データより複数の余白位置を検出する余白位置検出手段と、前記記録媒体の終端を検知した場合、前記複数の余白位置における一の余白位置を、前記切断部による切断位置として設定する切断位置設定手段と、前記切断位置設定手段により設定された余白位置を、前記切断部による切断位置に搬送して切断する切断制御手段と、を備え、前記画像形成部は、前記切断位置に対応する前記画像データから画像形成を再開する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づく画像形成部による画像形成後の記録媒体を切断部で切断する画像形成装置において、
前記記録媒体の終端を検知するエンド検知手段と、
前記画像データより複数の余白位置を検出する余白位置検出手段と、
前記記録媒体の終端を検知した場合、前記複数の余白位置における一の余白位置を、前記切断部による切断位置として設定する切断位置設定手段と、
前記切断位置設定手段により設定された余白位置を、前記切断部による切断位置に搬送して切断する切断制御手段と、
を備え、
前記画像形成部は、前記切断位置に対応する前記画像データから画像形成を再開する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記余白位置検出手段は、画像処理技術を用いて主走査方向すべてに余白箇所がある場所を認識して前記複数の余白位置を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記余白位置検出手段は、主走査または副走査における余白検出範囲を変更可能とする、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記余白位置検出手段は、余白位置の検出に用いる文字間の余白幅を変更可能とする、
ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記切断位置設定手段は、前記複数の余白位置における一の余白位置の選択を受け付ける、
ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記切断位置設定手段は、前記複数の余白位置の中で前記記録媒体の終端に最も近い余白位置を選択する、
ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記切断位置設定手段は、前記余白位置が検出されなかった場合、前記切断部による切断位置までの前記記録媒体の戻し量の上限値を指定可能とする、
ことを特徴とする請求項1ないし6の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記切断位置設定手段は、前記記録媒体の戻し量の上限値を指定した範囲内で余白位置がない場合、前記記録媒体の切断可能な最後端を切断位置として設定する、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記切断位置設定手段は、前記記録媒体の戻し量の上限値を指定した範囲内で余白位置がない場合、切断箇所の画像データ種別の優先順位設定に基づいて切断位置を設定する、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記切断位置設定手段は、文字のサイズに従って切断箇所の画像データ種別の優先順位設定を行う、
ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
画像データに基づく画像形成部による画像形成後の記録媒体を切断部で切断する画像形成装置を制御するプログラムであって、
エンド検知手段によって前記記録媒体の終端を検知した場合、余白位置検出手段が検出した複数の余白位置における一の余白位置を、前記切断部による切断位置として設定する切断位置設定手段と、
前記切断位置設定手段により設定された余白位置を、前記切断部による切断位置に搬送して切断する切断制御手段と、
として機能させるプログラム。
【請求項12】
画像データに基づく画像形成部による画像形成後の記録媒体を切断部で切断する画像形成装置における切断位置制御方法であって、
エンド検知手段によって前記記録媒体の終端を検知した場合、余白位置検出手段が検出した複数の余白位置における一の余白位置を、前記切断部による切断位置として設定する切断位置設定工程と、
前記切断位置設定工程により設定された余白位置を、前記切断部による切断位置に搬送して切断する切断制御工程と、
を含む切断位置制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、プログラムおよび切断位置制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、先行用紙の後端部が検出された際、先行用紙に印刷可能な画像を印刷した後、その画像の終端ではなく画像領域の途中で先行用紙を切断し、この切断箇所に連続するように後続用紙印刷を開始する技術が開示されている。これにより、余白のない後端部を有する先行用紙と、余白のある先端部を有する後続用紙を用意することができ、これらの貼りあわせをスムーズに行うことができるものとなっている。
【0003】
特許文献2には、先行用紙の後端部が検出された際、先行用紙に印刷可能な画像を印刷した後、設定した画像形成再開位置から以降の画像データをデータ保存手段から読み出してロール紙への画像形成を再開することができる技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の技術によれば、切断位置によっては文字などの印字部の途中で切断されてしまい、これを貼りあわせると印字部のつなぎ目が汚く見えるという問題があった。
【0005】
また、特許文献2に開示の技術によれば、再開させる位置を指定するため前段のロール紙後端部に画像が残ってしまうことにより、つなぎ合わせる際にユーザに切断してもらう必要があるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、連続性を損なわない画像を出力することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画像データに基づく画像形成部による画像形成後の記録媒体を切断部で切断する画像形成装置において、前記記録媒体の終端を検知するエンド検知手段と、前記画像データより複数の余白位置を検出する余白位置検出手段と、前記記録媒体の終端を検知した場合、前記複数の余白位置における一の余白位置を、前記切断部による切断位置として設定する切断位置設定手段と、前記切断位置設定手段により設定された余白位置を、前記切断部による切断位置に搬送して切断する切断制御手段と、を備え、前記画像形成部は、前記切断位置に対応する前記画像データから画像形成を再開する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、連続性を損なわない画像を出力することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置の外観を示す外観図である。
図2図2は、画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、画像形成装置の記録ヘッド付近を示す側面図である。
図4図4は、画像形成装置の印字出力処理の流れを示すフローチャートである。
図5図5は、印字出力の一例を示す遷移図である。
図6図6は、操作部上で切断位置をユーザに選択させる一例を示す図である。
図7図7は、操作部上で切断位置をユーザに選択させる別の一例を示す図である。
図8図8は、余白位置の確認例を示す図である。
図9図9は、第2の実施の形態にかかる余白検出部における余白検出範囲の設定処理の流れを示すフローチャートである。
図10図10は、操作部上で図枠データをユーザに選択させる例を示す図である。
図11図11は、操作部上で余白検出部分を設定させる例を示す図である。
図12図12は、操作部上で余白検出部分を設定させる別の例を示す図である。
図13図13は、第3の実施の形態にかかる余白検出部における余白検出にかかる文字間の余白幅の設定処理の流れを示すフローチャートである。
図14図14は、操作部上で余白幅を設定させる例を示す図である。
図15図15は、第4の実施の形態にかかる画像形成装置の印字出力処理の流れを示すフローチャートである。
図16図16は、切断位置を文字部分とする例を示す図である。
図17図17は、切断位置を写真部分とする例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、画像形成装置、プログラムおよび切断位置制御方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
ここで、図1は第1の実施の形態にかかる画像形成装置100の外観を示す外観図、図2は画像形成装置100のハードウェア構成を示すブロック図、図3は画像形成装置100の記録ヘッド2付近を示す側面図である。
【0012】
画像形成装置100は、ロール状に巻回された印刷用の用紙であって長尺状の記録媒体200に印字するプリンタであって、PC(Personal Computer)9に接続される。画像形成装置100は、制御機構17を備える。
【0013】
制御機構17は、制御部10と、ROM(Read Only Memory)13と、RAM(Random Access Memory)16と、操作部12と、画像処理部14と、を備える。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)などの制御装置であり、ROM13に格納されたプログラムをRAM16に展開して実行することにより、画像形成装置100の全体を制御する。
【0014】
画像処理部14は、制御部10から送られた画像データを処理する。画像処理部14は、画像処理技術を用いて主走査方向すべてに余白箇所がある場所を検出する余白位置検出手段である余白検出部15を備える。画像処理技術を用いて主走査方向すべてに余白箇所がある場所を検出することにより、精度を向上させることができる。制御部10は、余白検出部15より検出された余白である記録媒体200を切断する位置を算出する切断位置制御部11を備える。切断位置制御部11は、画像形成装置100の制御部10がプログラムに従って動作することにより実現される。切断位置制御部11は、切断位置設定手段および切断制御手段として機能する。
【0015】
制御機構17は、インクを吐出する画像形成部である記録ヘッド2を搭載したキャリッジ1と、主走査ドライバ5と、ヘッドドライバ6と、を備える。キャリッジ1は、エンコーダセンサ3を備える。制御部10は、主走査ドライバ5を介してキャリッジ1をプラテン30に沿って移動させる移動手段として機能する。制御部10は、ヘッドドライバ6を介して記録ヘッド2におけるインク吐出を制御する。
【0016】
制御機構17は、紙搬送部4と、副走査ドライバ8と、吸引ファン7と、切断部20と、カッターモータドライバ21と、反射センサであるエンド検知部18と、を備える。制御部10は、副走査ドライバ8を介して紙搬送部4を駆動して記録媒体200をキャリッジ移動方向と直交する方向に搬送する搬送手段として機能する。制御部10は、カッターモータドライバ21を介して切断部20を駆動して記録媒体200を切断する。制御部10は、吸引ファン7を記録媒体200のセット時に駆動させ、記録媒体200とプラテン30とを吸着させる。制御部10は、エンド検知手段として機能するエンド検知部18により、記録媒体200の用紙エンド(終端)を検知する。
【0017】
次に、画像形成装置100の制御部10がプログラムに従って動作することにより発揮する機能について説明する。
【0018】
ここで、図4は画像形成装置100の印字出力処理の流れを示すフローチャート、図5は印字出力の一例を示す遷移図である。図4に示すように、プリントをスタートすると、制御部10は、PC9から送信された画像データを画像処理部14に転送する(ステップS1)。
【0019】
制御部10(切断位置制御部11)は、画像処理部14の余白検出部15によって検出された主走査方向1ラインがすべて白データの部分を、副走査方向の余白位置として取得する(ステップS2)。より詳細には、画像処理部14の余白検出部15は、一定量以上の連続するラインが続く場合を余白位置として抽出する。制御部10(切断位置制御部11)は、余白位置が画像に対して何ライン目なのかを記憶する。なお、制御部10(切断位置制御部11)は、余白位置を複数個保管できる構成としており、余白位置をいくつ保管できるかをユーザが設定可能といてもよい。
【0020】
その後、制御部10は、副走査ドライバ8を介して紙搬送部4を駆動して、印字のために記録媒体200の給紙を開始する(ステップS3)。
【0021】
次に、制御部10は、バンド単位ごとに、主走査ドライバ5を介したキャリッジ1の移動とヘッドドライバ6を介した記録ヘッド2におけるインク吐出とを順次行うとともに、副走査ドライバ8を介して紙搬送部4を駆動して記録媒体200の搬送を行う(ステップS4)。
【0022】
制御部10は、印刷終了した場合(ステップS5のYes)、処理を終了する。
【0023】
なお、制御部10は、印刷終了する前であっても(ステップS5のNo)、エンド検知部18によって記録媒体200の用紙エンドを検知していなければ(ステップS6のNo)、ステップS1に戻り、ステップS1~S5の処理を繰り返す。
【0024】
一方、制御部10(切断位置制御部11)は、印刷終了する前であって(ステップS5のNo)、エンド検知部18によって記録媒体200の用紙エンドを検知して用紙切れであると判断した場合(ステップS6のYes)、用紙エンド検知の切断位置選択モードがONであるかを判断する(ステップS7)。図5(a)は、エンド検知部18によって記録媒体200の用紙エンドを検知して用紙切れであると判断した場合の印字例を示すものである。
【0025】
用紙エンド検知の切断位置選択モードがONである場合(ステップS7のYes)、制御部10(切断位置制御部11)は、複数個記憶した余白位置を、操作部12や実際の記録媒体200に表示し(ステップS8)、切断する位置をユーザに選択させる。
【0026】
ここで、図6は操作部12上で切断位置をユーザに選択させる一例を示す図である。図6に示すように、制御部10(切断位置制御部11)は、複数個記憶した余白位置A,B,Cを、操作部12に表示する。図6に示す表示例では、複数個記憶した余白位置A,B,Cを選択可能なボタンB1~B3によって、ユーザに切断する位置を選択させることができる。なお、図6に示す表示例では、切断する位置を指定しない指定無しボタンB4も有している。希望の余白位置がない場合、ユーザは指定無しボタンB4を選択することで、印字されたギリギリの位置で切断させることも可能となる。
【0027】
このように操作部12に切断位置の選択画面を表示させることで、ユーザがどこで切断することができるのかを可視化することができる。
【0028】
ここで、図7は操作部12上で切断位置をユーザに選択させる別の一例を示す図、図8は余白位置の確認例を示す図である。制御部10(切断位置制御部11)は、図8に示すように、複数個記憶した余白位置を、記録媒体200を画像形成装置100の外部にあらかじめ設けている切断位置の印Mに合わせるように搬送する。これにより、ユーザが切断位置を目視できるようになる。切断位置の印Mは、LEDで表示するようにしてもよい。切断位置確認後、操作部12上のボタン(図示せず)を押下することで、記録媒体200を逆回転させ目視で確認した切断位置で記録媒体200を切断する。
【0029】
なお、図7に示すように、余白位置を複数個記憶しているため、制御部10(切断位置制御部11)は、操作部12に前後の余白位置の選択をすることができるボタンB5,B6と、OKボタンB7と、を備える。切断位置がOKの場合に操作部12上でユーザがOKボタンB7を押すと、制御部10(切断位置制御部11)は、記録媒体200の余白位置を切断部20へ移動させて、切断する。
【0030】
制御部10(切断位置制御部11)は、切断位置が選択されると(ステップS9)、切断位置が選択した余白位置になるように、副走査ドライバ8を介して紙搬送部4を駆動して記録媒体200を巻き戻し搬送する(ステップS10)。その後、制御部10(切断位置制御部11)は、切断部20を駆動して記録媒体200を切断する(ステップS11)。図5(b)は、エンド検知部18によって記録媒体200の用紙エンドを検知して用紙切れであると判断した場合において、巻き戻して余白位置で切断した例を示すものである。
【0031】
一方、用紙エンド検知の切断位置選択モードがOFFであり、切断位置を自動検出する切断位置自動検出モードである場合(ステップS7のNo)、制御部10(切断位置制御部11)は、複数個記憶した余白位置の中で最も近い余白位置までの戻し量(搬送量)を自動で算出する(ステップS12)。
【0032】
なお、制御部10(切断位置制御部11)は、図8に示すように、複数個記憶した余白位置の中で記録媒体200の終端に最も近い余白位置を自動算出し、記録媒体200を画像形成装置100の外部にあらかじめ設けている切断位置の印Mに合わせるように搬送するようにしてもよい。これにより、ユーザが切断位置を目視できるようになる。また、制御部10(切断位置制御部11)は、図7に示すように、余白位置が複数ある場合には、操作部12に設けられた前後の余白位置をボタンB5,B6で選択するようにしてもよい。
【0033】
次いで、制御部10(切断位置制御部11)は、最も近い余白位置までの戻し量が規定値以上であるかを判定する(ステップS13)。制御部10(切断位置制御部11)は、最も近い余白位置までの戻し量が規定値以上であると判定した場合(ステップS13のYes)、切断位置が出力完了位置になるように、副走査ドライバ8を介して紙搬送部4を駆動して記録媒体200を巻き戻し搬送する(ステップS14)。例えば、50センチ以上戻さないと余白がない場合などにおいては、印字されたギリギリの位置で切断させるためである。その後、制御部10(切断位置制御部11)は、切断部20を駆動して記録媒体200を切断する(ステップS11)。
【0034】
一方、制御部10(切断位置制御部11)は、最も近い余白位置までの戻し量が規定値以上でないと判定した場合(ステップS13のNo)、切断位置が選択した余白位置になるように、記録媒体200を巻き戻し搬送する(ステップS10)。その後、制御部10(切断位置制御部11)は、切断部20を駆動して記録媒体200を切断する(ステップS11)。
【0035】
続いて、制御部10(切断位置制御部11)は、切断した記録媒体200を排出し、エンド検知部18によって用紙エンド検知が発生したため記録媒体200の交換をユーザに通知する(ステップS15)。
【0036】
制御部10(切断位置制御部11)は、ユーザが記録媒体200であるロール紙を交換したことを認識すると(ステップS16のYes)、副走査ドライバ8を介して紙搬送部4を駆動して記録媒体200を給紙する(ステップS17)。
【0037】
そして、制御部10(切断位置制御部11)は、主走査ドライバ5を介したキャリッジ1の移動とヘッドドライバ6を介した記録ヘッド2におけるインク吐出とを順次行うとともに、副走査ドライバ8を介して紙搬送部4を駆動して、切断位置からの印字再開及び記録媒体200の搬送を行い(ステップS18)、ステップS5に戻る。図5(c)は、エンド検知部18によって記録媒体200の用紙エンドを検知して用紙切れであると判断した場合において、ユーザが記録媒体200であるロール紙を交換して、切断位置から印字を再開した例を示すものである。
【0038】
制御部10(切断位置制御部11)は、最後まで印字できれば(ステップS5のYes)、処理を終了する。
【0039】
図5(d)は、エンド検知部18によって記録媒体200の用紙エンドを検知して用紙切れであると判断した場合において、巻き戻して余白位置で切断したものと、切断位置から印字を再開したものとを繋ぎ合わせた例を示すものである。図5(d)に示すように、繋ぎ目が余白位置になるので、印字された字に影響を与えることはなくなる。
【0040】
このように本実施形態によれば、記録媒体200の終端から最も近い主走査方向に余白がある箇所を自動検知して、記録媒体200を逆回転させることで切断位置を変更し余白箇所で切断する。そして、後続の記録媒体200に対する印刷を開始する際は、上述の切断箇所に連続するように開始するため、連続性を損なわない画像を出力することができる、という効果を奏する。
【0041】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0042】
第2の実施の形態は、画像処理部14の余白検出部15における余白検出にて、余白検出範囲を変えることができるようにした点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0043】
ここで、図9は第2の実施の形態にかかる余白検出部15における余白検出範囲の設定処理の流れを示すフローチャートである。
【0044】
図9に示すように、余白検出部15は、まず、図枠を示すデータの選択が有るかを判断する(ステップS21)。
【0045】
図10は、操作部12上で図枠データをユーザに選択させる例を示す図である。上述したように、余白検出部15は、余白検知を主走査方向にて行っている。しかしながら、PC9から送信された画像データの主走査方向に「表題」がある場合、「表題」が常に印字されている状態になるため、余白検出されないことになる。そこで、図10に示すように、余白検出部15は、操作部12上で「表題」を含む図枠を示すデータの選択ボタンB11~B13を選択させるようにしたものである。このようにあらかじめ「表題」を含む図枠を選択させることで、余白検出部15は、あらかじめ選択した図枠の「表題」を除いた箇所で、余白検出を行うことができる。また、「表題」を含む図枠を登録しておくことで、余白検出部15は、余白検出幅を毎回ユーザに設定させなくともよくなっている。なお、余白検出部15は、所望の「表題」を含む図枠がない場合に選択する設定なしボタンB14を、操作部12に備える。
【0046】
余白検出部15は、図枠を示すデータの選択が有ると判断した場合(ステップS21のYes)、処理を終了する。
【0047】
一方、余白検出部15は、設定なしボタンB14が選択され、図枠を示すデータの選択がないと判断した場合(ステップS21のNo)、余白検出範囲の設定が有るかを判断する(ステップS22)。
【0048】
図11は、操作部12上で余白検出部分を設定させる例を示す図である。図11に示すように、余白検出部15は、余白検出部分を設定するようにしたものである。図11に示すように、余白検出部15は、主走査方向の両端の余白検出幅X1、X2を、操作部12上のテンキーB21で入力させるようにしたものである。このように主走査方向の両端の余白検出幅X1、X2を入力させることで、余白検出部15は、主走査方向の両端の余白検出幅X1、X2を除いた箇所内で、余白検出を行うことができる。また、余白検出部15は、記録媒体200の用紙幅に対して、内側何センチを余白検知幅とするかを設定させるようにしてもよい。なお、余白検出部15は、余白検出幅X1、X2を入力しない場合に選択する設定なしボタンB22を、操作部12に備える。
【0049】
図12は、操作部12上で余白検出部分を設定させる別の例を示す図である。図12に示すように、余白検出部15は、記録媒体200に印字される図枠Xを予め設定するようにしたものである。図12に示すように、余白検出部15は、あらかじめ設定した図枠Xの内部領域で、余白検出を行うことができる。
【0050】
余白検出部15は、余白検出範囲の設定が有ると判断した場合(ステップS22のYes)、設定した値を記憶して(ステップS23)、処理を終了する。
【0051】
一方、余白検出部15は、設定なしボタンB22が選択され、余白検出範囲の設定がないと判断した場合(ステップS22のNo)、全ての主走査幅にて余白を検出するとして、処理を終了する。
【0052】
このように本実施形態によれば、画像処理部14の余白検出部15における余白検出にて、余白検出範囲を変えることができる。
【0053】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。
【0054】
第3の実施の形態は、画像処理部14の余白検出部15における余白検出にて、余白位置の検出に用いる文字間の余白幅を変えることができるようにした点が、第1の実施の形態または第2の実施の形態と異なる。以下、第3の実施の形態の説明では、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態または第2の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0055】
ここで、図13は第3の実施の形態にかかる余白検出部15における余白検出にかかる文字間の余白幅の設定処理の流れを示すフローチャートである。
【0056】
図13に示すように、余白検出部15は、まず、文字間の余白幅の設定が有るかを判断する(ステップS31)。
【0057】
図14は、操作部12上で余白幅を設定させる例を示す図である。図14に示すように、余白検出部15は、主走査方向に直交する文字間の余白幅を、操作部12上のテンキーB31で入力させるようにしたものである。このように文字間の余白幅を入力させることで、余白検出部15は、主走査方向に直交する文字間の余白幅以上の箇所において、余白検出を行うことができる。なお、余白検出部15は、主走査方向に直交する文字間の余白幅を入力しない場合に選択する設定なしボタンB32を、操作部12に備える。
【0058】
余白検出部15は、文字間の余白幅の設定が有るが有ると判断した場合(ステップS31のYes)、設定した文字間の余白幅を記憶して(ステップS32)、処理を終了する。
【0059】
一方、余白検出部15は、設定なしボタンB32が選択され、文字間の余白幅の設定がないと判断した場合(ステップS31のNo)、予め定められた文字間の余白幅にて余白を検出するとして、処理を終了する。
【0060】
なお、余白検出部15は、文字間の余白に対しては既知の技術であるOCR技術の正規化を用いることで、余白検出の対象外とする。
【0061】
このように本実施形態によれば、画像処理部14の余白検出部15における余白検出にて、余白位置の検出に用いる文字間の余白幅を変えることができる。
【0062】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について説明する。
【0063】
第4の実施の形態は、余白がないときの対処を優先順位付けするようにした点が、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と異なる。以下、第4の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0064】
ここで、図15は第4の実施の形態にかかる画像形成装置100の印字出力処理の流れを示すフローチャートである。
【0065】
図15に示すように、制御部10(切断位置制御部11)は、切断部20による切断位置までの戻し量の上限値を設定することで、余白位置を呼び出す範囲を指定する(ステップS41)。なお、制御部10は、戻し量の上限値を設定せずに、余白位置を呼び出すことも可能である。このように切断部20による切断位置までの戻し量の上限値を設定することで、指定範囲が広げられるため、ユーザが任意の箇所で切断することができる。
【0066】
次いで、制御部10(切断位置制御部11)は、記録媒体200の戻し量の上限値を指定した範囲内で余白位置がない場合、切断箇所の画像データ種別の優先順位などの項目を設定する(ステップS42)。制御部10(切断位置制御部11)は、ステップS42で設定された切断箇所の画像データ種別の優先順位などの項目に従って、切断位置を決定する。設定を行う切断箇所の画像データ種別の優先順位などの項目を以下に示す。なお、文字や写真の区別は画像処理部14にて実施する既知の技術である。
・文字サイズが設定値未満の場合、切断位置を文字部分とする
・文字サイズが設定値以上の場合、切断位置を写真部分とする
・優先順位設定なし(記録媒体200の切断可能な最後端で切断)
【0067】
次いで、制御部10は、図4で説明したステップS1~S6の処理を実行する。
【0068】
続いて、制御部10(切断位置制御部11)は、ステップS2で取得した余白位置の検出結果に基づき、直近の余白位置までの戻し量を算出する(ステップS43)。
【0069】
次いで、制御部10(切断位置制御部11)は、ステップS43で算出した戻し量がステップS41で設定した余白戻し量以内であるかを判定する(ステップS44)。
【0070】
制御部10(切断位置制御部11)は、ステップS43で算出した戻し量がステップS41で設定した余白戻し量以内であると判定した場合(ステップS44のYes)、副走査ドライバ8を介して紙搬送部4を駆動して、直近の余白位置に記録媒体200の巻き戻し搬送を行う(ステップS45)。
【0071】
一方、制御部10(切断位置制御部11)は、ステップS43で算出した戻し量がステップS41で設定した余白戻し量以上であると判定した場合であって(ステップS44のNo)、優先順位設定がある場合には(ステップS46のYes)、ステップS42で設定した切断箇所の優先順位設定に基づいて決定した切断箇所まで、副走査ドライバ8を介して紙搬送部4を駆動して、記録媒体200の巻き戻し搬送を行う(ステップS47)。その後、制御部10(切断位置制御部11)は、図4で説明したステップS11、S15~S18の処理を実行する。
【0072】
ここで、図16は切断位置を文字部分とする例を示す図である。図16に示すように、例えば、写真部分で用紙エンド検知が発生した場合において余白部分がとれない場合であって、文字サイズが設定値未満の場合、文字のみの部分が切断位置となるように記録媒体200を巻き戻して、切断する。
【0073】
ここで、図17は切断位置を写真部分とする例を示す図である。図17に示すように、例えば、文字部分で用紙エンド検知が発生した場合において余白部分がとれない場合であって、文字サイズが設定値以上の場合、写真のみの部分が切断位置となるように記録媒体200を巻き戻して、切断する。
【0074】
なお、制御部10(切断位置制御部11)は、ステップS43で算出した戻し量がステップS41で設定した余白戻し量以上であると判定した場合であって(ステップS44のNo)、優先順位設定がない場合には(ステップS46のNo)、そのままステップS11に進む。
【0075】
このように本実施形態によれば、画像上に余白位置がない場合、画像処理技術を用いて文字または写真の区別を行う。また、判定した文字、写真の箇所で切断する優先順位付けすることで切断する位置をユーザが指定することができる。
【0076】
本実施の形態の画像形成装置100で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0077】
さらに、本実施の形態の画像形成装置100で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像形成装置100で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0078】
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置100を、プリンタに適用した例を挙げて説明するが、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機、複写機、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0079】
2 画像形成部
11 切断位置設定手段、切断制御手段
15 余白位置検出手段
18 エンド検知手段
20 切断部
100 画像形成装置
200 記録媒体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】特開2013-078905号公報
【特許文献2】特開2012-148437号公報
図1
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