(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128019
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20230907BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
G06F3/12 337
G06F3/12 303
G06F3/12 392
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032049
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】成田 佳宏
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC34
5C062AE01
5C062AF01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】画像形成装置で原稿をコピーする際通信端末で編集を加える場合もユーザが通常のコピーと同料金でサービスを受けられる情報処理システム、装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、情報処理装置(MFP)は、スキャナによって読み取った画像データを通信端末に送信し、送信先の通信端末(スマートフォン)を識別する端末情報を取得し、取得した端末情報と、スキャナによる画像データの読み取りにより受領した受領金額とを対応付けてデータテーブル記憶部に保存し、通信端末から画像データを受信すると、受信した画像データの送信元の通信端末の端末情報がデータテーブル記憶部に記憶される端末情報と一致した場合に、データテーブル記憶部において端末情報と対応付けられる受領金額を受信した画像データの印刷料金から差し引く。通信端末は、画像形成装置から受信した画像データを編集し、画像形成装置に送信する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と、通信端末と、を有する情報処理システムにおいて、
前記情報処理装置は、
スキャナによって読み取った画像データを前記通信端末に送信する装置送信部と、
前記装置送信部による前記画像データの送信先の前記通信端末を識別可能とする端末情報を取得し、取得した前記端末情報と、前記スキャナによる前記画像データの読み取りにより受領した受領金額と、を対応付けてデータテーブル記憶部に保存するコピージョブ制御部と、
前記通信端末から、前記画像データを受信する装置受信部と、
受信した前記画像データの送信元の前記通信端末の前記端末情報が、前記データテーブル記憶部に記憶される前記端末情報と一致した場合、前記データテーブル記憶部において、前記端末情報と対応付けられる前記受領金額を、受信した前記画像データの印刷料金から差し引く請求料金制御部と、を備え、
前記通信端末は、
前記情報処理装置から前記画像データを受信する端末受信部と、
受信した前記画像データを編集する画像制御部と、
編集した前記画像データを前記情報処理装置に送信する端末送信部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記通信端末は、前記画像制御部により編集された前記画像データであって、当該画像データのジョブIDおよび前記情報処理装置を識別可能とする情報処理装置情報を有する前記画像データを記憶する記憶部、をさらに備え、
前記コピージョブ制御部は、前記ジョブIDおよび前記情報処理装置情報を、前記端末情報および前記受領金額と対応付けて前記データテーブル記憶部に保存し、
前記装置受信部は、前記記憶部に記憶される前記画像データのうち、当該画像データが有する前記ジョブIDおよび前記情報処理装置情報が、前記データテーブル記憶部に記憶された前記ジョブIDおよび前記情報処理装置情報と一致する前記画像データを受信する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記請求料金制御部は、前記データテーブル記憶部において、受信した前記画像データの送信元の前記通信端末の前記端末情報と対応付けられる前記受領金額を、前記印刷料金から差し引く、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記データテーブル記憶部は、外部装置が有する外部ストレージ内に設けられる、請求項1から3のいずれか一に記載の情報処理システム。
【請求項5】
スキャナによって読み取った画像データを通信端末に送信する装置送信部と、
前記装置送信部による前記画像データの送信先の前記通信端末を識別可能とする端末情報を取得し、取得した前記端末情報と、前記スキャナによる前記画像データの読み取りにより受領した受領金額と、を対応付けてデータテーブル記憶部に保存するコピージョブ制御部と、
前記通信端末から、前記画像データを受信する装置受信部と、
受信した前記画像データの送信元の前記通信端末の前記端末情報が、前記データテーブル記憶部に記憶される前記端末情報と一致した場合、前記データテーブル記憶部において、前記端末情報と対応付けられる前記受領金額を、受信した前記画像データの印刷料金から差し引く請求料金制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
スキャナによって読み取った画像データを通信端末に送信する工程と、
前記画像データの送信先の前記通信端末を識別可能とする端末情報を取得し、取得した前記端末情報と、前記スキャナによる前記画像データの読み取りにより受領した受領金額と、を対応付けてデータテーブル記憶部に保存する工程と、
前記通信端末から、前記画像データを受信する工程と、
受信した前記画像データの送信元の前記通信端末の前記端末情報が、前記データテーブル記憶部に記憶される前記端末情報と一致した場合、前記データテーブル記憶部において、前記端末情報と対応付けられる前記受領金額を、受信した前記画像データの印刷料金から差し引く工程と、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
スキャナによって読み取った画像データを通信端末に送信する装置送信部と、
前記装置送信部による前記画像データの送信先の前記通信端末を識別可能とする端末情報を取得し、取得した前記端末情報と、前記スキャナによる前記画像データの読み取りにより受領した受領金額と、を対応付けてデータテーブル記憶部に保存するするコピージョブ制御部と、
前記通信端末から、前記画像データを受信する装置受信部と、
受信した前記画像データの送信元の前記通信端末の前記端末情報が、前記データテーブル記憶部に記憶される前記端末情報と一致した場合、前記データテーブル記憶部において、前記端末情報と対応付けられる前記受領金額を、受信した前記画像データの印刷料金から差し引く請求料金制御部と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置でスキャンした電子データを携帯端末等の通信端末に送信する技術、携帯端末から画像形成装置へ電子データを送る技術が開発されている。また、特許文献1には、スキャンした画像データをネットワークに繋がった携帯端末に送信する際に、当該画像データの送信の料金が支払い済みであることを示すことを目的として、支払い済み情報を送信する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の技術では、紙原稿をスマートフォン等の携帯端末に取り込み編集を加えた後にコピーしたい場合、ユーザはコピーする際のコピー料金だけでなく、画像データをスマートフォンに取り込むスキャンにも別途料金を支払う必要がある。単に、コピーするだけならスキャンの料金はかからないため、例えば、コピーしたい原稿の一部にマーカーを付けるような単純な加工をしたいだけでもコピーの料金にプラスしてスキャンの料金を支払わなければならない。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像形成装置で原稿をコピーする際にスマートフォン等の通信端末で編集を加える場合もユーザは通常のコピーと同額の料金でサービスを受けられる情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、情報処理装置と、通信端末と、を有する情報処理システムにおいて、前記情報処理装置は、スキャナによって読み取った画像データを前記通信端末に送信する装置送信部と、前記装置送信部による前記画像データの送信先の前記通信端末を識別可能とする端末情報を取得し、取得した前記端末情報と、前記スキャナによる前記画像データの読み取りにより受領した受領金額と、を対応付けてデータテーブル記憶部に保存するコピージョブ制御部と、前記通信端末から、前記画像データを受信する装置受信部と、受信した前記画像データの送信元の前記通信端末の前記端末情報が、前記データテーブル記憶部に記憶される前記端末情報と一致した場合、前記データテーブル記憶部において、前記端末情報と対応付けられる前記受領金額を、受信した前記画像データの印刷料金から差し引く請求料金制御部と、を備え、前記通信端末は、前記画像形成装置から前記画像データを受信する端末受信部と、受信した前記画像データを編集する画像制御部と、編集した前記画像データを前記画像形成装置に送信する端末送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、画像形成装置で原稿をコピーする際にスマートフォン等の通信端末で編集を加える場合もユーザは通常のコピーと同額の料金でサービスを受けられる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態にかかるMFPのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施の形態にかかるスマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおける画像の読取処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて表示される選択画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて表示されるリンク画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおけるスマートフォンの起動処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて表示されるアプリ画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおけるスマートフォンによる端末情報の送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおけるスマートフォンによる画像データの保存処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムのMFPによる画像データの印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにより表示されるプリント選択画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおけるMFPにおいて表示される画像データ選択画面の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムのスマートフォンにおける端末側の印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、変形例1にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの構成を示す図である。本実施の形態にかかる情報処理システムは、
図1に示すように、情報処理装置の一例であるMFP(Multi-Function Peripheral/Product/Printer)9、および通信端末の一例であるスマートフォン4を有する。そして、MFP9およびスマートフォン4は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0010】
図2は、第1の実施の形態にかかるMFPのハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示されているように、MFP9は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0011】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、および、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0012】
これらのうち、CPU901は、MFP9の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、およびAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書き等を制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0013】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムおよびデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムおよびデータの展開、およびメモリ印刷時の描画用メモリ等として用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0014】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジック等により画像データの回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931およびプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0015】
MEM-C907は、コピー用画像バッファおよび符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御に従ってHD909に対するデータの読出または書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0016】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。さらに、エンジン制御部930は、スキャナ部931およびプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値および選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件等の画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキーおよびコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、MFP9全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931またはプリンタ部932には、誤差拡散およびガンマ変換等の画像処理部分が含まれている。
【0017】
なお、MFP9は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0018】
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920およびネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0019】
図3は、第1の実施の形態にかかるスマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示されているように、スマートフォン4は、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、CMOSセンサ405、撮像素子I/F406、加速度および方位センサ407、メディアI/F409、GPS受信部411を備えている。
【0020】
これらのうち、CPU401は、スマートフォン4全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401およびIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御に従って、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出しまたは書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405の駆動を制御する回路である。加速度および方位センサ407は、地磁気を検知する電子磁気コンパスおよびジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、フラッシュメモリ等の記録メディア408に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部411は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0021】
また、スマートフォン4は、遠距離通信回路412、CMOSセンサ413、撮像素子I/F414、マイク415、スピーカ416、音入出力I/F417、ディスプレイ418、外部機器接続I/F(Interface)419、近距離通信回路420、近距離通信回路420のアンテナ420a、およびタッチパネル421を備えている。
【0022】
これらのうち、遠距離通信回路412は、通信ネットワーク100を介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ413は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F414は、CMOSセンサ413の駆動を制御する回路である。マイク415は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ416は、電気信号を物理振動に変えて音楽および音声等の音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F417は、CPU401の制御に従ってマイク415およびスピーカ416との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ418は、被写体の画像および各種アイコン等を表示する液晶および有機EL(Electro Luminescence)等の表示手段の一種である。外部機器接続I/F419は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路420は、NFCおよびBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル421は、利用者がディスプレイ418を押下することで、スマートフォン4を操作する入力手段の一種である。
【0023】
また、スマートフォン4は、バスライン410を備えている。バスライン410は、
図4に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0024】
図4は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態にかかるMFP9は、
図4に示すように、無線送受信部C1と、通信制御部C2、通信情報記憶部C3、編集画像制御部C4、画像形式変換部C5、UI制御部C6、請求料金制御部C7、印刷制御部C8、コピージョブ制御部C9、データテーブル記憶部C10、画像記憶部C11、および読み取り制御部C12を有する。
【0025】
無線送受信部C1は、MFP9とスマートフォン4で無線通信を行う。具体的には、無線送受信部C1は、スキャナ部931によって読み取った画像データをスマートフォン4等の通信端末に送信する装置送信部の一例として機能する。また、無線送受信部C1は、スマートフォン4から、画像データを受信する装置受信部の一例として機能する。通信制御部C2は、無線送受信部C1による無線通信を制御する。通信情報記憶部C3は、通信に係る情報を記憶する。編集画像制御部C4は、スマートフォン4へ画像データを送信する際に必要なデータまたはスマートフォン4から受信した画像を保存する際に必要なデータを制御する。画像形式変換部C5は、MFP9とスマートフォン4との画像データの送受信の際にスマートフォン4に応じた画像形式と印刷用の画像形式の画像変換を行う。
【0026】
UI制御部C6は、MFP9のUIを制御する。請求料金制御部C7は、読取画面と印刷画面の請求金額を正誤する。具体的には、請求料金制御部C7は、無線送受信部C1により受信した画像データの送信元のスマートフォン4の端末情報が、データテーブル記憶部C10に記憶される端末情報と一致するか否かを判断する。
【0027】
そして、請求料金制御部C7は、送信元のスマートフォン4の端末情報が、データテーブル記憶部C10に記憶される端末情報と一致した場合、データテーブル記憶部C10において、端末情報と対応付けられる受領金額(例えば、スキャン料金)を、受信した画像データの印刷料金から差し引く。本実施の形態では、請求料金制御部C7は、データテーブル記憶部C10において、受信した画像データが有する端末情報、ジョブID、および画像形成装置情報(情報処理装置情報の一例)と対応付けられる受領金額を、印刷料金から差し引く。
【0028】
これにより、MFP9においてスキャンした画像データであり、スマートフォン4において編集した画像データをMFP9において印刷する際に、当該画像データの印刷に際して、受領済みのスキャン料金の支払いが要求されることを防止できる。その結果、MFP9で原稿をコピーする際にスマートフォン等の携帯端末で編集を加える場合もユーザは通常のコピーと同額の料金でサービスを受けられる。
【0029】
印刷制御部C8は、印刷を実行する。コピージョブ制御部C9は、コピージョブに本システムで使用する端末情報等のデータを画像データの書誌情報に付加しまたデータテーブルを作成する。ここで、端末情報は、画像データの送信先のスマートフォン4等の通信端末を識別可能とする情報である。
【0030】
具体的には、コピージョブ制御部C9は、無線送受信部C1による画像データの送信先のスマートフォン4の端末情報を取得する。そして、コピージョブ制御部C9は、取得した端末情報と、スキャナ部931による画像データの読み取りにより受領した受領金額(スキャン金額)と、を対応付けて後述するデータテーブル記憶部C10に保存する。本実施の形態では、コピージョブ制御部C9は、画像データのジョブIDおよびMFP9を識別可能とする画像形成装置情報を、端末情報および受領金額と対応付けてデータテーブル記憶部C10に保存する。
【0031】
データテーブル記憶部C10は、データテーブルを記憶する。ここで、データテーブルは、画像データに付加された書誌情報等を含むデータテーブルである。具体的には、データテーブルは、端末情報と、受領金額と、を対応付けて記憶するデータテーブル記憶部の一例である。本実施の形態では、データテーブルは、下記の表1に示すように、ジョブID、画像形成装置情報、端末情報、OS種類、文書名、ページ番号、受領金額(例えば、スキャン料金)、および印刷データ(画像データ)を対応付けて記憶する。
【表1】
【0032】
画像記憶部C11は、コピージョブ制御部C9により書誌情報を付与された画像データを記憶する。読み取り制御部C12は、スキャナ部931による原稿等の画像データの読み取りを制御する。
【0033】
本実施の形態にかかるスマートフォン4は、無線送受信部C13、通信制御部C14、通信情報記憶部C15、UI制御部C16、画像検索部C17、画像制御部C18、および記憶部C19を有する。
【0034】
無線送受信部C13は、MFP9と通信を行う。具体的には、無線送受信部C13は、MFP9から画像データを受信する端末受信部の一例である。また、無線送受信部C13は、スマートフォン4で編集した画像データをMFP9に送信する端末送信部の一例として機能する。画像制御部C18は、MFP9から受信した画像データを編集する機能を持つ。記憶部C19は、画像データを記憶する。具体的には、記憶部C19は、画像制御部C18により編集された画像データであって、書誌情報(例えば、ジョブIDおよび画像形成装置情報)を有する画像データを記憶する記憶部の一例である。
【0035】
通信制御部C14は、無線送受信部C13によるスマートフォン4とMFP9との通信を制御する。通信情報記憶部C15は、通信に係る情報を記憶する。UI制御部C16は、ユーザ操作を受け付ける。画像検索部C17は、スマートフォン4内の記憶部C19から特定の書誌情報を持つ画像データを検索する。本実施の形態では、通信制御部C14、通信情報記憶部C15、UI制御部C16、および画像検索部C17は、スマートフォン4にインストールされて動作するアプリケーションにより実現される。
【0036】
図5は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおける画像の読取処理の流れの一例を示すフローチャートである。次に、
図5を用いて、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける画像の読取処理の流れの一例について説明する。
【0037】
ユーザにより原稿等のコピーが要求されると、読み取り制御部C12は、スキャナ部931を制御して、原稿等の画像データの読み取りを実行する(ステップS501)。次に、UI制御部C6は、画像データの読み取りにかかる金額(以下、スキャン料金という)を含むスキャン料金請求画面をパネル表示部940aに表示し(ステップS502)、ユーザによるスキャン料金の入金を待つ。ユーザは、スキャン料金請求画面においてスキャン料金を入金またはスキャン料金の入金のキャンセルを指示することが可能である。
【0038】
スキャン料金の入金のキャンセルが指示され(ステップS503:Yes)、入金された金額(投入金額)が0である場合(ステップS515:Yes)、読み取り制御部C12は、画像データの読み取りを終了する。また、入金された金額が0でない場合(ステップS515:No)、請求料金制御部C7は、スキャン料金を返金する(ステップS516)。
【0039】
一方、スキャン料金の入金のキャンセルが指示されない場合(ステップS503:No)、読み取り制御部C12は、請求額であるスキャン料金が入金されるのを待つ(ステップS504:No)。スキャン料金が入金された場合(ステップS504:Yes)、UI制御部C6は、選択画面をパネル表示部940aに表示する。ここで、選択画面は、スマートフォン4において画像データを編集するか否かを選択可能な画面である。
【0040】
図6は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて表示される選択画面の一例を示す図である。本実施の形態では、選択画面は、
図6に示すように、スマートフォン4において画像データを編集することを選択するボタンB1、およびスマートフォン4において画像データを編集しないことを選択するボタンB2を含む。
【0041】
図5に戻り、無線送受信部C1は、スマートフォン4において画像データを編集することが選択されたか否かを判断する(ステップS505)。スマートフォン4において画像データを編集することが選択されなかった場合(ステップS505:No)、UI制御部C6は、コピー用の画面をパネル表示部940aに表示する。そして、コピー用の画面において、コピーを実行することが選択された場合、印刷制御部C8は、画像データの印刷(コピー)を実行する(ステップS512)。
【0042】
一方、スマートフォン4において画像データを編集することが選択された場合(ステップS505:Yes)、UI制御部C6は、MFP9とスマートフォン4の間で通信を行うための端末情報を取得する(ステップS506)。ここで、端末情報は、スマートフォン4を識別可能とする情報である。スマートフォン4からの端末情報の取得に失敗した場合(ステップS507:No)、UI制御部C6は、再度、スマートフォン4の端末情報を取得するかキャンセルするかをユーザに選択させるための画面をパネル表示部940aに表示する。そして、スマートフォン4の端末情報を再度取得することが選択された場合(ステップS514:No)、UI制御部C6は、ステップS506に戻る。一方、スマートフォン4の端末情報を取得することがキャンセルされた場合(ステップS514:Yes)、読み取り制御部C12は、ステップS515に進む。
【0043】
ステップS507において、端末情報の取得に成功した場合(ステップS507:Yes)、UI制御部C6は、取得した端末情報を含むリンク画面をパネル表示部940aに表示する。さらに、コピージョブ制御部C9は、取得した端末情報(例えば、MACアドレス)および受領金額(スキャン料金)を、データテーブル記憶部C10に記憶されるデータテーブルに追加する(ステップS508)。
【0044】
図7は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて表示されるリンク画面の一例を示す図である。本実施の形態では、UI制御部C6は、無線送受信部C1を介して、スマートフォン4に予めインストールされているアプリケーションから、スマートフォン4の端末情報(例えば、デバイス名、PIN)を取得する。例えば、UI制御部C6は、無線送受信部C1を介して、Bluetooth(登録商標)の通信回路によって、端末情報を取得する。そして、UI制御部C6は、
図7に示すように、取得した端末情報を含むリンク画面をパネル表示部940aに表示する。
【0045】
図5に戻り、次に、画像形式変換部C5は、読み取った画像データを、スマートフォン4に応じた画像形式の画像データに変換し、当該変換した画像データのメタデータに、ジョブIDおよびページ番号等に追加する(ステップS509)。その後、無線送受信部C1は、画像形式変換部C5により変換された画像データをスマートフォン4のアプリケーションに送信する(ステップS510)。UI制御部C6は、スマートフォン4への画像データの送信が完了すると、画像データの送信が完了した旨を通知するプリント機能画面をパネル表示部940aに表示する(ステップS511)。
【0046】
図8は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおけるスマートフォンの起動処理の流れの一例を示すフローチャートである。スマートフォン4のアプリケーションが起動すると、無線送受信部C13は、アクセス可能なMFP9等の画像形成装置を検索する(ステップS518)。本実施の形態では、無線送受信部C13は、Bluetooth(登録商標)の通信回路によって、アクセス可能な画像形成装置を検索する。アクセス可能な画像形成装置が発見されなかった場合(ステップS518:No)、UI制御部C16は、アクセス可能な画像形成装置が存在する場所でアプリケーションを起動することを指示するメッセージをタッチパネル421に表示する(ステップS521)。
【0047】
一方、アクセス可能な画像形成装置が発見された場合(ステップS518:Yes)、UI制御部C16は、検索された画像形成装置のリストを含むアプリ画面をタッチパネル421に表示する(ステップS519)。そして、UI制御部C16は、アプリ画面に表示されたリストに含まれる画像形成装置の中から、画像形成装置が選択され、当該選択された画像形成装置に対するアクセス(接続)が指示されるのを待つ(ステップS520)。
【0048】
図9は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて表示されるアプリ画面の一例を示す図である。本実施の形態では、UI制御部C16は、
図9に示すように、検索された画像形成装置のリスト、および当該リストの中から選択された画像形成装置に対する接続を指示するボタンを含むアプリ画面をタッチパネル421に表示する。
【0049】
図10は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおけるスマートフォンによる端末情報の送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。本実施の形態では、アプリ画面において画像形成装置が選択されかつ当該画像形成装置に対するアクセスが指示されると(ステップS522)、無線送受信部C13は、スマートフォン4の端末情報をMFP9に送信する(ステップS523)。ここで、端末情報には、スマートフォン4のシリアル番号およびOS(Operating System)の種類等が含まれる。その後、スマートフォン4は、ユーザによる操作を待つ(ステップS524)。
【0050】
図11は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおけるスマートフォンによる画像データの保存処理の流れの一例を示すフローチャートである。本実施の形態では、MFP9から画像データが送信されると(ステップS525)、無線送受信部C13は、MFP9から画像データを受信する(ステップS526)。そして、無線送受信部C13は、受信した画像データを記憶部C19内の記憶領域に保存する(ステップS527)。これにより、ユーザは、記憶部C19内に記憶された画像データを画像編集ソフト(画像制御部C18)を利用して編集可能となる。
【0051】
図12は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムのMFPによる画像データの印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。UI制御部C6は、プリント選択画面をパネル表示部940aに表示する。ここで、プリント選択画面は、スマートフォン4から画像データを取得して印刷するか、または他のデバイスから画像データを取得して通常の印刷を行うかを選択可能な画面である。
【0052】
図13は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにより表示されるプリント選択画面の一例を示す図である。本実施の形態では、UI制御部C6は、
図13に示すように、ボタンB3,B4を含むプリント選択画面をパネル表示部940aに表示する。ボタンB3は、スマートフォン4から画像データを取得して印刷することを選択するボタンである。ボタンB4は、他のデバイスから画像データを取得して印刷することを選択するボタンである。
【0053】
プリント選択画面において、他のデバイスから画像データを取得して印刷することが選択された場合(ステップS528:No)、印刷制御部C8は、他のデバイスから画像データを取得し、当該取得した画像データの印刷(プリント処理)を実行する(ステップS539)。一方、プリント選択画面において、スマートフォン4等の携帯端末から画像データを取得して印刷することが選択された場合(ステップS528:Yes)、無線送受信部C1は、MFP9がスマートフォン4に接続されているか否かを判断する(ステップS529)。
【0054】
スマートフォン4に接続されていない場合(ステップS529:No)、UI制御部C6は、無線送受信部C1を介して、スマートフォン4に予めインストールされているアプリケーションと通信して、スマートフォン4の端末情報を取得する(ステップS530)。そして、UI制御部C6は、取得した端末情報を含むリンク画面(
図7参照)をパネル表示部940aに表示する。
【0055】
MFP9がスマートフォン4に接続されている場合(ステップS529:Yes)、またはスマートフォン4から端末情報を取得した場合(ステップS530)、UI制御部C6は、データテーブル記憶部C10に、取得した端末情報またはMFP9に接続されているスマートフォン4の端末情報が存在するか否かを判断する(ステップS531)。取得した端末情報またはMFP9に接続されているスマートフォン4の端末情報がデータテーブル記憶部C10に記憶されていない場合(ステップS531:No)、UI制御部C6は、パネル表示部940aに対してエラーを表示する(ステップS542)。
【0056】
一方、取得した端末情報またはMFP9に接続されているスマートフォン4の端末情報がデータテーブル記憶部C10に記憶されている場合(ステップS531:Yes)、UI制御部C6は、無線送受信部C1を介してスマートフォン4のアプリケーションと通信して、印刷可能な画像データがあるか否かを判断する(ステップS532)。本実施の形態では、UI制御部C6は、スマートフォン4に記憶される画像データに付加される書誌情報(例えば、ジョブID、画像形成装置情報)が、データテーブル記憶部C10に記憶されるデータテーブルに存在するか否かにより、印刷可能な画像データがあるか否かを判断する。
【0057】
印刷可能な画像データがない場合(ステップS532:No)、UI制御部C6は、パネル表示部940aに対してエラーを表示する(ステップS542)。一方、印刷可能な画像データがある場合(ステップS532:Yes)、UI制御部C6は、印刷可能が画像データをパネル表示部940aに表示して、ユーザに対して印刷する画像データを選択させる(ステップS533)。そして、無線送受信部C1は、選択された画像データをスマートフォン4から受信する。すなわち、無線送受信部C1は、記憶部C19に記憶される画像データのうち、当該画像データが有するジョブIDおよび画像形成装置情報が、データテーブル記憶部C10に記憶されたジョブIDおよび画像形成装置情報と一致する画像データを受信する。
【0058】
図14は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおけるMFPにおいて表示される画像データ選択画面の一例を示す図である。本実施の形態では、UI制御部C6は、
図14に示すように、印刷可能な画像データの一覧を含む画像データ選択画面をパネル表示部940aに表示する。
【0059】
図12に戻り、次に、UI制御部C6は、データテーブル記憶部C10から、取得した端末情報と対応付けられる印刷ジョブの支払い済み料金(スキャン料金)を取得する(ステップS534)。さらに、印刷画面において印刷枚数およびカラー等の各種設定が完了後、UI制御部C6は、画像データの印刷料金から、取得したスキャン料金を差し引いた料金を請求額として印刷画面に含めてパネル表示部940aに表示する(ステップS535)。その後、請求額の代金が入金されない場合(ステップS536:No)、印刷制御部C8は、画像データの印刷をキャンセルする(ステップS541)。一方、請求額の代金が入金された場合(ステップS536:Yes)、印刷制御部C8は、画像データの印刷を実行する(ステップS537)。
【0060】
図15は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムのスマートフォンにおける端末側の印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12に示すステップS532において、MFP9において印刷可能な画像データの取得が要求されると、画像検索部C17は、記憶部C19から、接続中のMFP9の画像形成装置情報が書誌情報として付加された画像データを検索する。
【0061】
そして、画像データの検索に失敗した場合(ステップS544:No)、無線送受信部C13は、印刷可能な画像データが無い旨のメッセージを作成して(ステップS546)、MFP9に送信する(ステップS545)。一方、画像データの検索に成功した場合(ステップS544:Yes)、無線送受信部C13は、検索した画像データ、すなわち、印刷可能な画像データをMFP9に送信する(ステップS545)。
【0062】
このように、第1の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、MFP9においてスキャンした画像データであり、スマートフォン4において編集した画像データをMFP9において印刷する際に、当該画像データの印刷に際して、受領済みのスキャン料金の支払いが要求されることを防止できる。その結果、MFP9で原稿をコピーする際にスマートフォン等の携帯端末で編集を加える場合もユーザは通常のコピーと同額の料金でサービスを受けられる。
【0063】
(変形例1)
本変形例は、MFPが有する画像記憶部およびデータテーブル記憶部が外部のサーバの外部ストレージに設けられている例である。以下の説明では、第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0064】
図16は、変形例1にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態にかかるMFP9は、
図16に示すように、無線送受信部C1と、通信制御部C2、通信情報記憶部C3、編集画像制御部C4、画像形式変換部C5、UI制御部C6、請求料金制御部C7、印刷制御部C8、コピージョブ制御部C9、データテーブル記憶部C10、画像記憶部C11、読み取り制御部C12、および通信部C20を有する。
【0065】
通信部C20は、外部サーバ(外部装置の一例)1の通信部C21と通信可能である。そして、外部サーバ1は、画像記憶部11およびデータテーブル記憶部C10が設けられた外部ストレージC22を有する。通信部C20は、通信部C21を介して、外部ストレージC22に対して、画像データおよびデータテーブルを画像記憶部C11およびデータテーブル記憶部C10に読み書きすることができる。
【0066】
これにより、スキャンを実行したMFP9以外の画像形成装置においてスキャンされた画像データに関するスキャン金額を、スマートフォン4から受信した画像データの印刷料金を差し引くことができる。その結果、MFP9で原稿をコピーする際にスマートフォン等の携帯端末で編集を加える場合もユーザは通常のコピーと同額の料金でサービスを受けられる。
【0067】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサ、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0068】
なお、通信端末は、通信機能を備えた装置であれば、スマートフォン4に限られない。通信端末は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0069】
なお、本実施の形態のMFP9で実行されるプログラムは、ROM902a等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態のMFP9で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0070】
さらに、本実施の形態のMFP9で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態のMFP9で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0071】
本実施の形態のMFP9で実行されるプログラムは、上述した各部(無線送受信部C1と、通信制御部C2、編集画像制御部C4、画像形式変換部C5、UI制御部C6、請求料金制御部C7、印刷制御部C8、コピージョブ制御部C9、および読み取り制御部C12)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU901(プロセッサの一例)が上記ROM902aからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、無線送受信部C1と、通信制御部C2、編集画像制御部C4、画像形式変換部C5、UI制御部C6、請求料金制御部C7、印刷制御部C8、コピージョブ制御部C9、および読み取り制御部C12が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0072】
4 スマートフォン
9 MFP
901 CPU
902a ROM
902b RAM
C1,C13 無線送受信部
C2,C14 通信制御部
C3,C15 通信情報記憶部
C4 編集画像制御部
C5 画像形式変換部
C6,C16 UI制御部
C7 請求料金制御部
C8 印刷制御部
C9 コピージョブ制御部
C10 データテーブル記憶部
C11 画像記憶部
C12 読み取り制御部
C17 画像検索部
C18 画像制御部
C19 記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】