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特開2023-128291樹脂組成物含浸ガラスクロス、およびそれを用いた銅張積層板及びプリント基板
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  • 特開-樹脂組成物含浸ガラスクロス、およびそれを用いた銅張積層板及びプリント基板 図1
  • 特開-樹脂組成物含浸ガラスクロス、およびそれを用いた銅張積層板及びプリント基板 図2
  • 特開-樹脂組成物含浸ガラスクロス、およびそれを用いた銅張積層板及びプリント基板 図3
  • 特開-樹脂組成物含浸ガラスクロス、およびそれを用いた銅張積層板及びプリント基板 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128291
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】樹脂組成物含浸ガラスクロス、およびそれを用いた銅張積層板及びプリント基板
(51)【国際特許分類】
   D06M 15/63 20060101AFI20230907BHJP
   B32B 5/28 20060101ALI20230907BHJP
   B32B 15/04 20060101ALI20230907BHJP
   B32B 17/02 20060101ALI20230907BHJP
   D06M 15/233 20060101ALI20230907BHJP
   D06M 15/263 20060101ALI20230907BHJP
   C08J 5/04 20060101ALI20230907BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
D06M15/63
B32B5/28
B32B15/04 A
B32B17/02
D06M15/233
D06M15/263
C08J5/04
H05K1/03 610T
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032541
(22)【出願日】2022-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】関根 信博
(72)【発明者】
【氏名】小橋 一範
(72)【発明者】
【氏名】都 ▲ヒョンジョン▼
【テーマコード(参考)】
4F072
4F100
4L033
【Fターム(参考)】
4F072AA08
4F072AB09
4F072AB28
4F072AD04
4F072AD05
4F072AD09
4F072AD42
4F072AD46
4F072AG03
4F072AG17
4F072AG19
4F072AH04
4F072AH21
4F072AH49
4F072AL13
4F100AB17
4F100AB17B
4F100AB17C
4F100AG00
4F100AG00A
4F100AK01
4F100AK01A
4F100AK54
4F100AK54A
4F100AK55
4F100AK55A
4F100AL09
4F100AL09A
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA08
4F100DG01
4F100DG01A
4F100DH01
4F100DH01A
4F100EH17
4F100EJ17
4F100EJ42
4F100EJ50
4F100EJ82
4F100EJ82A
4F100GB43
4F100JA11
4F100JG01
4F100JG01B
4F100JG01C
4F100JG05
4F100JK02
4F100JK03
4F100JK06
4F100YY00A
4L033AA09
4L033AB05
4L033AC11
4L033AC15
4L033CA58
(57)【要約】
【課題】ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物をガラスクロスへ含侵させたプリント基板用シートに関し、複合体の結晶化が十分であり、かつ新たに別組成の層を設けることなく、金属層との密着性が良好なシートを提供することである。更には、それを用いた銅張積層板や、プリント基板を提供することも目的とする。
【解決手段】ポリフェニレンスルフィド樹脂にポリフェニレンエーテル系樹脂が分散した樹脂組成物を用い、ガラスクロスへ290℃から315℃の温度で含浸させることで上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)と、ポリフェニレンエーテル樹脂(B)を含む樹脂組成物を含浸させたガラスクロスであって、
前記樹脂組成物中の
(A)の含有量が55~97質量%、
(B)の含有量が3~45質量%、
である樹脂組成物を含浸させたガラスクロス。
【請求項2】
前期樹脂組成物に、更に変性エラストマー(C)を1~10質量%含む請求項1に記載の樹脂組成物を含浸させたガラスクロス。
【請求項3】
前記変性エラストマー(C)が、α-オレフィンとα,β-不飽和カルボン酸のグリシジルエステルとの共重合体、または、α-オレフィンとα,β-不飽和カルボン酸のグリシジルエステルと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、を含む請求項2に記載の樹脂組成物を含浸させたガラスクロス。
【請求項4】
前記樹脂組成物に更にスチレン-メタクリル酸共重合体を1~10質量%含む請求項3に記載の樹脂組成物を含浸させたガラスクロス。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含浸させたガラスクロスの表面に、銅からなる導電層を形成させた銅張積層板。
【請求項6】
請求項5に記載の銅張積層板を用いた片面、両面及び多層プリント基板。
【請求項7】
請求項1~4に記載の樹脂組成物を290℃以上315℃以下の温度に加熱し、前記温度に加熱された樹脂組成物をガラスクロスへ含浸させる工程を含む、樹脂組成物を含浸させたガラスクロスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波対応プリント基板用樹脂含侵ガラスクロスに関する。更に、その樹脂含侵ガラスクロスを用いた銅張積層板及びプリント基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器において、高速・大容量通信などの優れた性能を目指すべく、高周波対応基板が求められている。高周波対応基板は低誘電、低誘電正接の特性が必要となる。そのため、フッ素系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、シクロオレフィンポリマー(COP)、変性ポリイミド樹脂(MPI)などの誘電特性が優れた材料を用いた基板の開発が行われている。
【0003】
その中で、フッ素系樹脂は誘電特性が非常に優れているが、高価であることや、密着性に劣るために積層や銅配線の密着が容易でないという課題がある。LCPも誘電特性に優れるが、高価であることや密着性に劣るという課題がある。またCOPも密着性が劣る。MPIは吸湿しやすいために高湿度下での誘電特性に劣るという課題がある。
【0004】
ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)を用いた基板は、誘電特性も良く、耐熱性や難燃性、低吸湿性に優れた性能を持つことが知られている。
【0005】
一方、PPSフィルム単体では、熱収縮による寸法変化を起こすため、積層した回路基板を製造する際に、回路のずれが生じやすいという課題がある。それを解決するため、ガラスクロスで例示される繊維シートに固着させるという手法が知られている(特許文献1)。また、繊維シートにPPSを含侵したシートは配線用銅で例示される金属層への密着性が不十分なため、該シートと銅層との間に、低融点の共重合PPS層を設けるという手法が知られている。(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4-224941号公報
【特許文献2】特開平6-45714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし特許文献1で記載される手法ではPPSの融点より低い270℃以下でガラスクロスなどの繊維シートへ含侵しているため、繊維内部への含浸が不充分となる。また得られたPPS含浸繊維シートにおけるPPSが結晶化不充分であるため、後工程における熱履歴で結晶化が進行することになる。それに伴い寸法に変化が生じ、積層時の回路にずれが生じる可能性がある。また特許文献2では融点以上でPPSを含浸しているが、銅箔との密着性が不充分であるため、PPS含浸繊維シートと銅箔の間に、別途、共重合PPS層を設ける必要があり、プロセスが複雑になる。また低融点の共重合PPSを使用しているため、共重合PPSを使用しない場合に比べ、はんだ耐熱性が低下するという問題点がある。
【0008】
そこで本発明の目的はプリント基板用に樹脂組成物を含侵させたガラスクロスに関し、樹脂の結晶化が十分であり、かつ新たに別組成の層を設けることなく、金属層との密着性が良好なシートを提供することである。更には、それを用いた銅張積層板や、プリント基板を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、ポリフェニレンスルフィド樹脂にポリフェニレンエーテル樹脂が分散した樹脂組成物を用い、ガラスクロスへ290℃から315℃の温度で含浸させることで上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、下記(1)~(6) に関する。
【0011】
(1)ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)と、ポリフェニレンエーテル樹脂(B)を含む樹脂組成物を含浸させたガラスクロスであって、
前記樹脂組成物中の
(A)の含有量が55~97質量%、
(B)の含有量が3~45質量%、
である樹脂組成物を含浸させたガラスクロス。
(2)前期樹脂組成物に、更に変性エラストマー(C)を1~10質量%含む1に記載の樹脂組成物を含浸させたガラスクロス。
(3)前記変性エラストマー(C)が、α-オレフィンとα,β-不飽和カルボン酸のグリシジルエステルとの共重合体、または、α-オレフィンとα,β-不飽和カルボン酸のグリシジルエステルと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、を含む2に記載の樹脂組成物を含浸させたガラスクロス。
(4)前記樹脂組成物に更にスチレン-メタクリル酸共重合体を1~10質量%含む3に記載の樹脂組成物を含浸させたガラスクロス。
(5)1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含浸させたガラスクロスの表面に、銅からなる導電層を形成させた銅張積層板。
(6)5に記載の銅張積層板を用いた片面、両面及び多層プリント基板。
(7)1~4に記載の樹脂組成物を290℃以上315℃以下の温度に加熱し、前記温度に加熱された樹脂組成物をガラスクロスへ含浸させる工程を含む、樹脂組成物を含浸させたガラスクロスの製造方法。
に関するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、樹脂成分をガラスクロスへ含侵成形後の含浸性が十分であり、別組成の層を金属層との間に設けなくても接着性が十分であり、高周波用途に対応できる低誘電正接性を有する樹脂組成物含浸ガラスクロスを得ることができる。またそれを用いた銅張積層板やプリント基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】PPS樹脂組成物のDSCチャートである。
図2】実施例1の樹脂含侵ガラスクロスを光学顕微鏡で観察したものである。
図3】比較例2の樹脂含侵ガラスクロスを光学顕微鏡で観察したものである。
図4】比較例3の樹脂含侵ガラスクロスを光学顕微鏡で観察したものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0015】
[樹脂組成物]
樹脂組成物は、少なくともポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、「PPS」もしくは「PPS樹脂」と称することがある。)Aと、ポリフェニレンエーテル樹脂(以下、PPE樹脂と称することがある)Bを原料とする。前記樹脂組成物は、連続相および分散相を有し、前記連続相が、PPS樹脂Aを含み、前記分散相が、PPE樹脂Bを含む。さらに分散を良好とするためにシランカップリング剤を添加することが好ましい。
【0016】
分散相の平均分散径は5μm以下であり、好ましくは3μm以下であり、より好ましくは0.5~3μmである。分散相の平均分散径が5μm以下であると、均一な含浸用材料とするフィルムを得ることができる。「」
【0017】
[PPS樹脂]
本発明で用いるPPS樹脂は、樹脂組成物の主成分であり、原則として樹脂組成物の連続相に含まれる。
【0018】
PPS樹脂は耐熱性を発揮するために融点が275℃を下回らないことが好ましい。
【0019】
PPS樹脂としては、下記構造式(1)で表される構造部位を主な繰り返し単位とする樹脂が挙げられる。
【0020】
【化1】
【0021】
上記式中、R1は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、ニトロ基、アミノ基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基を表し、nは、それぞれ独立して、1~4の整数である。
【0022】
ここで、前記構造式(1)で表される構造部位は、特に該式中のRは、前記PPS樹脂の機械的強度の点からいずれも水素原子であることが好ましい。
【0023】
製造方法としてはWO2019/220882で挙げるように、例えばN-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドなどのアミド系 溶剤やスルホラン等のスルホン系溶媒中で硫化ナトリウムとp-ジクロルベンゼンを反応 させる方法が挙げられる。
【0024】
PPS樹脂の含有率は、耐熱性、耐薬品性の観点から、樹脂組成物中の有機成分の総質量に対して、55~97質量%であることが好ましく、60~95質量%であることがより好ましく、65~90質量%がさらに好ましい。
【0025】
[ポリフェニレンエーテル樹脂]
ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE樹脂)は非晶性ポリマーであるため、ガラス転移温度以上であれば、PPS樹脂の融点以下でも低粘度になりやすい。そのためPPS樹脂の融点以下の高温で銅箔を接着する際に、結晶性ポリマーであるPPS樹脂単独よりも、非晶性ポリマーであるPPE樹脂を分散させた樹脂組成物の方が、銅箔凹凸への追従性が高まり、樹脂と銅箔との密着強度を向上させることができる。また、PPE樹脂は低誘電正接の特徴を持つため、ポリカーボネートなどの誘電正接が劣るポリマーよりも、高周波用途に適した物性を得やすいという特徴もある。またPPE樹脂は芳香族環や含酸素官能基を有するため、ポリプロピレン(PP)のような脂肪族炭化水素よりも密着性に優るという特徴も有する。
【0026】
PPE樹脂は、下記構造式(2)で表される構造部位を有するホモ重合体および/または共重合体である。
【0027】
【化2】
【0028】
上記式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~7の第一 級アルキル基、炭素数1~7の第二級アルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノ アルキル基、炭化水素オキシ基、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子と を隔てているハロ炭化水素オキシ基であり、mは、それぞれ独立して、1~4の整数である。
【0029】
PPE樹脂の具体例としては、ポリ(2,6-ジメチル-1,4- フェニレンエーテル)、ポリ(2-メチル-6-エチル-1,4-フェニレンエーテル) 、ポリ(2-メチルー6-フェニル-1,4-フェニレンエ-テル)、ポリ(2,6-ジ クロロ-1,4-フェニレンエーテル)が挙げられ、さらに2,6-ジメチルフェノール と他のフェノール類(例えば、2,3,6-トリメチルフェノールや2-メチル-6-ブ チルフェノール)との共重合体のごときポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。 中でもポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、2,6-ジメチルフェ ノールと2,3,6-トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、さらにポリ(2, 6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)が好ましい。
【0030】
PPE樹脂の含有率は、樹脂組成物中の有機成分全量に対して、3~ 45質量%であることが好ましく、組成物中の分散均一化の観点から5~40質量%であることがより好ましく、さらに分散均一にするために、10~35質量%であることが さらに好ましい。
【0031】
PPE樹脂の数平均分子量は、1000以上であることが好ましく 、1500~50000であることがより好ましく、2500~30000であることが さらに好ましい。
【0032】
PPE樹脂は単体では流動性が低いため、スチレン系樹脂でアロイ化することで変性ポリフェニレンエーテル樹脂(m-PPE)とすることが、流動性が下がるため好ましい。さらにスチレン系樹脂はスチレン-メタクリル酸共重合体であることが、アミノシランなどで処理されたガラスクロス表面との密着性が良好となることや、後述する変性エラストマーと反応し相溶化剤として機能するとことから、さらに好ましい。本発明のスチレン-メタクリル酸共重合体は、スチレン系モノマーとメタクリル酸系モノマーとの共重合体であり、グリシジル基、オキサゾリル基のいずれの官能基も有しないものである。スチレン系樹脂は樹脂組成物中の有機成分全量に対して1~10%であることが好ましく、組成物中の分散均一化の観点から2~5%がより好ましい。
【0033】
[アミノ基を有するアルコキシシラン]
樹脂組成物は、アミノ基を有するアルコキシシランをさらに含んでいてもよい。アミノ基を有するアルコキシシランを用いることにより、ポリフェニレンエーテル樹脂の分散性が飛躍的に向上し、良好なモルフォロジーを形成することができる。
【0034】
アミノ基を有するアルコキシシランの具体例としては、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0035】
前記アミノ基を有するアルコキシシランの配合量は、樹脂組成物中の有機成分の総重量に対して、0.01~5質量%であることが好ましく、0.1~3質量%であることがより好ましい。
【0036】
[変性エラストマー]
変性エラストマーは、エラストマーに、グリシジル基やアミノ基、カルボキシル基などの反応性基を有するエラストマーである。変性エラストマーは原則として樹脂組成物の分散相に含まれる。分散相中の変性エラストマーは、PPS樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂との相溶化剤としても機能し、分散相が微分散化することで、機械的強度(引裂強度等)を向上させる機能を有する。また、スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体との併用により、変性エラストマーを介して、PPS樹脂とPPE樹脂との界面の接着がより向上し、機械的強度(引裂強度等)がさらに向上する。
【0037】
変性エラストマーの具体例としては、α-オレフィンとα,β-不飽和グリシジルエステルとの共重合体、α-オレフィンとα,β-不飽和グリシジルエステルとアクリル酸エステルとの共重合体等が挙げられる。すなわち、一実施形態において、変性エラストマーは、α-オレフィンとα,β-不飽和グリシジルエステルとの共重合体、およびα-オレフィンとα,β-不飽和グリシジルエステルとアクリル酸エステルとの共重合体からなる群から選択される少なくとも1つを含む。
【0038】
前記α-オレフィンとしてはエチレン、プロピレン、1-ブテン等が挙げられる。これらのうち、エチレンを用いることが好ましい。
【0039】
前記α,β-不飽和グリシジルエステルとしては、特に制限されないが、下記構造式(3)で表される化合物が挙げられる。
【0040】
【化3】
【0041】
上記式中、Rは、炭素数1~6のアルケニル基である。前記炭素数1~6のアルケニル基としては、特に制限されないが、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-メチルエテニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、1-メチル-1-プロペニル基、1-メチル-2-プロペニル基、2-メチル-1-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4ペンテニル基、1-メチル-1-ペンテニル基、1-メチル-3-ペンテニル基、1,1-ジメチル-1-ブテニル基、1-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基等が挙げられる。
【0042】
また、Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基である。
【0043】
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0044】
前記炭素数1~6のアルキル基としては、特に制限されないが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、2,4-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基等が挙げられる。
【0045】
前記α,β-不飽和グリシジルエステルの具体例としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。これらのうち、グリシジルメタクリレートであることが好ましい。
【0046】
変性エラストマーが、α-オレフィンとα,β-不飽和グリシジルエステルとの共重合体、α-オレフィンとα,β-不飽和グリシジルエステルとアクリル酸エステルとの共重合体である場合、変性エラストマー中のα,β-不飽和グリシジルエステルの含有率は、1~30質量%であることが好ましく、2~20質量%であることがより好ましい。α,β-不飽和グリシジルエステルの含有率が1質量%以上であると、目的とする改良効果が得られることから好ましい。一方、30質量%以下であると良好な押出安定性が得られうることから好ましい。
【0047】
また、変性エラストマーが、α-オレフィンとα,β-不飽和グリシジルエステルとの共重合体、α-オレフィンとα,β-不飽和グリシジルエステルとアクリル酸エステルとの共重合体である場合、変性エラストマー中のα-オレフィンの含有率は、50~95質量%であることが好ましく、50~80質量%であることがより好ましい。
【0048】
変性エラストマーの含有率は、樹脂組成物の総質量に対して、1~10質量%、さらに好ましくは2~5質量%の範囲がPPSの難燃性等の優れた物性を大きく損なわずに、銅箔密着性を改善できるため好ましい。
【0049】
[無機フィラー]
熱履歴時の寸法変化をより抑制するために、樹脂組成物に無機フィラーを添加しても良い。無機フィラーを添加する場合は、均一なフィルムを製造するために、樹脂組成物に対して、40%%以下、好ましくは30%以下となるように添加することが好ましい。
【0050】
[添加剤]
樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤 、熱安定剤、紫外線安定剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、難燃剤などを添加してもかまわない。
【0051】
[樹脂組成物の製造方法]
上述の樹脂組成物を製造する方法としては、特に制限されないが、前記PPS樹脂、PPE樹脂、変性エラストマー、必要に応じてその他の配合成分をタンブラー又はヘンシェルミキサーなどで均一に混合し 、次いで、二軸押出機に投入して溶融混練する方法が挙げられる。この際、前記溶融混練は、樹脂成分の吐出量(kg/hr)とスクリュー回転数(rpm)との比率(吐出量/ スクリュー回転数)が0.02~0.2(kg/hr・rpm)となる条件で行うことが好ましい。前記製造方法により、分散相の平均分散径が5μm以下である樹脂組成物を製造することができる。
【0052】
上記製造方法につき更に詳述すれば、前記した各成分を二軸押出機内に投入し、設定温 度300℃、樹脂温度330℃程度の温度条件下に溶融混練する方法が挙げられる。この際、樹脂成分の吐出量は回転数250rpmで5~50kg/hrの範囲となる。なかでも特に分散性の点から20~35kg/hrであることが好ましい。よって、樹脂成分の吐出量(kg/hr)とスクリュー回転数(rpm)との比率(吐出量/スクリュー回転数)は、特に0.08~0.14(kg/hr・rpm)であることがより好ましい。また、二軸押出機のトルクは最大トルクが20~100(Å)、特に25~80(Å)となる範囲であることが前記ポリフェニレンエーテル樹脂等の分散性が良好となる点から好ましい
【0053】
[フィルム]
樹脂組成物のガラスクロスへの含侵において、樹脂組成物からなるフィルムを用いても良い。フィルムは無延伸フィルムでも延伸フィルムでも構わないが、より安価に製造可能な無延伸フィルムを使用することが好ましい。
無延伸フィルムや延伸フィルムの製造法は特に制限されず、公知の手法が採用されうる。例えば、樹脂組成物を140℃で3時間以上、10mmhg以下の減圧で乾燥した後、280~320℃に加熱された押出機に投入する。その後、押出機を経た溶融樹脂をTダイにてシート状に吐出させ、表面温度20から50℃の冷却ロールに密着させて冷却固化し、無配向状態の無延伸シートを得る。また延伸フィルムを用いる場合の延伸方法としては公知の手法を用い逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法、又はこれらを組み合わせた方法を用いることができる。
【0054】
[ガラスクロス]
樹脂を含侵させるガラスクロスは市販のガラスクロスを使用できる。中でも日東紡製NE-2116のように低誘電性、低誘電正接性のガラスクロスが好ましいが、目的とする用途により、誘電特性、ガラス繊維径や厚み、密度、ガラス素材、表面処理剤種、について適宜選択できる。
【0055】
[樹脂組成物含侵ガラスクロス]
樹脂組成物含浸ガラスクロスを作製するために、樹脂組成物のフィルムでガラスクロスを挟んだ状態で加熱及び加圧を行う。樹脂組成物とガラスクロスの割合は、樹脂組成物が35~80wt%、ガラスクロスが65~20wt%が好ましいが、目的とする用途における厚みや力学特性、誘電特性等によって適宜変更しても良い。樹脂組成物とガラスクロスの割合を調整するために、樹脂組成物のフィルムの枚数はガラスクロスの上下1枚ずつで挟んでも良いし、それより多い枚数で挟んでも良い。
【0056】
樹脂組成物をガラスクロスに充分含浸さるため、含浸温度はPPSの融点よりも高い290℃以上であることが好ましい。一方320℃では樹脂分から分解ガスが生じてボイドを生成する恐れがあるため315℃以下で含浸することが好ましい。圧力は弱いと含浸に時間がかかり、強いとガラスクロス外側へ樹脂が広がりやすく、適切な圧力で含浸することが好ましい。例えば0.1MPa~5MPa、好ましくは0.5MPa~3MPa、の加圧条件が挙げられるが、目的とするシートの厚みや組成、プレス温度によって最適な圧力は異なるため、適宜調整しても良い。
【0057】
樹脂組成物のガラスクロスへの含侵はそれぞれのロール材料を重ね合わせて搬送しながら連続的に熱プレスすることで製造しても良いし、長方形に切り出した樹脂組成物とガラスクロスをプレスすることで製造しても良い。ボイドの形成を抑制するために真空引きをしてもよいが、装置が複雑になるため真空引きをしなくても良い。
【0058】
PPS樹脂は溶融状態から急冷すると非晶となり、熱的に不安定な構造となるため、樹脂組成物を結晶化させる工程が必要となる。そのため、PPS樹脂をガラスクロスへ含侵後、徐冷することで結晶化させたり、急冷後にPPS樹脂のTg以上融点以下の温度、例えば150~270℃の任意の温度に加熱することで結晶化させることが必要となる。中でも徐冷することで結晶化させることが、工程を短縮する上で好ましい。
【0059】
[樹脂含侵ガラスクロス積層]
目的とする銅張積層板の厚みに調整するため、上記の樹脂組成物含浸ガラスクロス複数枚を熱プレスして積層しても良い。積層は上記樹脂含侵と同時に行っても良いし、別途積層して熱プレスしても良い。別途積層する場合は後述の銅張積層板製造と同時でも良いし、製造前でも良い。別途積層する場合の熱プレス温度は、温度が低すぎると積層した樹脂同士が十分融着せず、温度が高すぎると樹脂がガラスロスから染み出して厚みの制御が難しいため、例えば260℃~275℃で積層することが好ましい。プレス圧力は弱いと融着が不十分となり、強いと樹脂が広がり膜厚の制御が難しくなるため、適切な圧力を選んで積層することが好ましい。プレス時間は短いと融着が不十分であり、長いと生産効率が劣るため、例えば15秒~15分でプレスすることが好ましいが、更に長い時間プレスしても構わない。また、銅箔との密着を強くするためにコロナ処理をすることで表面改質しても構わない。
【0060】
[銅張積層板]
銅張積層板は樹脂含侵ガラスクロス単独もしくはその積層品に、銅箔を片面もしくは両面に熱プレスすることで得られる。熱プレス温度は、温度が低すぎると樹脂組成物の粘度が高いため、銅箔の表面凹凸への追従性が低くなり密着強度が弱い。温度が高すぎると樹脂の粘度が下がりすぎて樹脂がガラスクロス外へ染み出し厚みの制御が難しい。そのため例えば260℃~280℃で実施するのが好ましい。圧力は、弱いと樹脂の銅箔への追従性が悪いことで密着が弱くなり、強すぎると銅張積層板が広がることで膜厚の制御が難しくなるため、例えば2MPa~20MPa、好ましくは5MPa~15MPaでプレスする。プレス時間は短いと銅箔と樹脂の密着が不十分であり、長いと生産効率が劣るため、例えば5分~60分でプレスすることが好ましいが、更に長い時間プレスしても構わない。
【0061】
プレス時に銅箔と樹脂の間に空気が残ることを避けるために、真空引きしながらプレスすることが好ましい。銅箔と樹脂の間に空気を残さないことで、例えば銅張積層板を加熱した際に膨れや剥がれが発生しづらくすることができる。
【0062】
[銅箔]
使用する銅箔は圧延銅箔でも電解銅箔でも良い。コストを下げるためには電解銅箔が好ましいが、目的とする用途に応じて適宜選択できる。また銅箔の表面の凹凸が大きいと樹脂含侵ガラスクロスとの密着が強くなるが、高周波伝送特性が悪化する。そのため銅箔の凹凸性はRzが3μm以下であることが好ましいが、用途に応じて適した凹凸を有する銅箔を選択できる。また密着力を向上させるためにシランカップリング剤処理などの公知の表面処理を行った銅箔を用いても良い。
【0063】
[プリント基板]
上記銅張積層板を用いて、既知の方法で配線パターンを形成することでプリント配線板を得ることができる。さらに電子部品を接続して電子回路として動作するようにすることでプリント回路板を得ることができる。
【実施例0064】
次に、実施例を挙げて本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0065】
(実施例1)
ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS樹脂)であるMA520(リニア型PPS、DIC株式会社製)79.5重量部、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE樹脂)であるP X-100(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)15重量部、スチレン-メタクリル酸共重合体(SMAA)であるリュ-レックスA-14P(メタクリル酸含有率:14質量%、DIC株式会社 製)2.5重量部、変性エラストマーであるボンドファースト7L(エチレン/グリシジルメタクリレート/アクリル酸メチル=70/3/27(質量%)、住友化学株式会社製)3重量部をタンブラ式混合機で均一に混合して混合物を得た。
【0066】
その後、株式会社日本製鋼所製ベント付二軸押出機「TEX-30α」に上記で得た混合物を投入した。吐出量20kg/hr、スクリュー回転数300rpm、設定温度300℃の条件で溶融押出してストランド状に吐出し、温度30℃の水で冷却した後、カッティングして樹脂組成物を製造した。
【0067】
樹脂組成物を溶融フルフライトスクリューの単軸押出機に投入して、280℃から300℃の条件で溶融させた。溶融した樹脂組成物をTダイから押出した後、40℃に設定したチルロールで密着冷却し、0.05mm厚の無延伸PPS樹脂フィルムを作製した。
【0068】
次に、30cm角のガラスクロスNE-2116(日東紡績株式会社製)を上述のフィルム(30cm角)2枚で挟み、さらに鏡面処理したステンレス板で挟んで、温度300℃、圧力2MPaで15分間プレスする。その後50℃以下まで冷却プレスすることで0.12mm厚の樹脂含侵ガラスクロスを製造した。得られた樹脂含侵ガラスクロスのDSC測定を行った結果を図1に示す。昇温時に190℃に結晶化ピークが現れないことから、結晶化が充分であることがわかる。
【0069】
次に該樹脂含侵ガラスクロス6枚を重ねて温度270℃、圧力2Maで5分間プレスすることで0.7mm厚の積層樹脂含侵ガラスクロスを製造した。さらに積層樹脂ガラスクロスにコロナ表面処理機(A3SW-FLNW、ウエッジ株式会社製)で表面処理を行った。
【0070】
次に該積層樹脂含侵ガラスクロスを18μm厚銅箔HA-V2(JX金属株式会社製)で挟み、温度275℃、圧力10MPaでプレスすることで銅張積層板を製造した。
【0071】
(実施例2)
MA520を60重量部、P X-100を33重量部、A-14Pを5重量部、7Lを2重量部、含浸温度を290℃、銅張りプレス温度を270℃にする以外は実施例1同様の方法で銅張積層板を製造した。
【0072】
(実施例3)
MA520を93重量部、P X-100を5重量部、A-14Pを1重量部、7Lを1重量部、含浸温度を310℃、銅張りプレス温度を280℃にする以外は実施例1同様の方法で銅張積層板を製造した。
【0073】
(実施例4)
MA520を85重量部、P X-100を11重量部、A-14Pを2重量部、7Lを2重量部にする以外は実施例1同様の方法で銅張積層板を製造した。
【0074】
(実施例5)
MA520を78重量部、P X-100を15重量部、A-14Pを5重量部、7Lを2重量部にする以外は実施例1同様の方法で銅張積層板を製造した。
【0075】
(実施例6)
MA520を80重量部、P X-100を20重量部、A-14Pを無添加、7Lを無添加にする以外は実施例1同様の方法で銅張積層板を製造した。
【0076】
(実施例7)
2軸延伸した樹組成物フィルムを用いる以外は実施例1と同様の方法で銅張積層板を製造した。2軸延伸は特願2019-538278で示す方法で実施した。
【0077】
(実施例8)
ガラスクロスを汎用のE-2116を用いる以外は実施例1と同様の方法で銅張積層板を製造した。
【0078】
[比較例1]
MA520を100重量部、PX-100を無使用、A-14Pを無使用、7Lを無使用とする以外は実施例1同様の方法で銅張積層板を製造した。
【0079】
[比較例2]
含浸温度を275℃とする以外は比較例1と同様の方法で銅張積層板を製造した。
【0080】
[比較例3]
含浸温度を320℃とする以外は比較例1と同様の方法で銅張積層板を製造した。
【0081】
[比較例4]
MA520を82重量部、PX-100を無使用、ポリカーボネート(PC)(ユーピロン、三菱ケミカル株式会社製)を15重量部、A-14Pを無使用℃℃とする以外は実施例1と同様の方法で銅張積層板を製造した。
【0082】
[比較例5]
MA520を82重量部、PX-100を無使用、ポリプロピレン、(PP)(住友ノーブレン、住友化学株式会社製)を15重量部、A-14Pを無使用とする以外は実施例1と同様の方法で銅張積層板を製造した。
【0083】
実施例1~8および比較例1~5で製造した銅張積層板の材料および成形条件を表1に示す。



【0084】
【表1】
【0085】
[含浸性]
樹脂組成物含浸ガラスクロスの含浸の良否を光学顕微鏡(工業用検査顕微鏡MX51、オリンパス株式会社製)の観察で評価した。ガラスクロスの隙間の中心部に空隙が無ければ〇、含浸不足があればXとした。
【0086】
[ボイド有無]
樹脂組成物含浸ガラスクロスの樹脂部にボイドが発生していなければ〇、ボイドが発生していればXとした。
【0087】
[ピール強度試験]
銅張積層板の銅箔を基板より1cmの短冊状に一部引き剥がし、引張圧縮試験機ストログラフV1-C(株式会社東洋精機製作所製)にて、180℃方向の引っ張り強度を求めることでピール強度を測定した。ピール強度が0.7kN/m以上であれば、プリント基板を製造時の熱処理に耐えることが可能である。
【0088】
[280℃耐熱性]
5cm角の銅張積層板を280℃熱風乾燥機で30分間加熱後、室温で30分以上静置した後に、銅箔の膨れや剥がれが無い場合を○、膨れや剥がれがある場合をXとした。
【0089】
[誘電正接]
樹脂含侵ガラスクロスから幅2mm×長さ150mmの短冊を作製した。次いで、作製した短冊を23℃、50%Rhの環境下、24hr静置した後、ADMS010cシリーズ(株式会社エーイーティー製)を用いて、空洞共振法にて周波数1GHzの誘電正接を測定した測定した。得られた結果を下記表2に示す。
【0090】
【表2】
【0091】
表2の記載からも明らかなように、得られる樹脂含浸ガラスクロスを用いた銅張積層板は、銅箔密着性及び誘電特性に優れていることがわかる。
図1
図2
図3
図4