(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128391
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
H04N5/64 571
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032712
(22)【出願日】2022-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】飯島 秀晃
(57)【要約】
【課題】ユーザが高温な部分を把持することを抑制することが可能な表示装置を提供すること。
【解決手段】表示装置は、筐体と、筐体の前面に設けられた表示面と、表示装置を制御する制御基板とを備え、筐体は、横幅方向における両端部の各々に、ユーザに把持される把持部を有し、制御基板は、表示面と直交する方向において、把持部と重ならない位置に設けられる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置であって、
筐体と、
前記筐体の前面に設けられた表示面と、
前記表示装置を制御する制御基板と
を備え、
前記筐体は、
横幅方向における両端部の各々に、ユーザに把持される把持部を有し、
前記制御基板は、前記表示面と直交する方向において、前記把持部と重ならない位置に設けられる
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
筐体と、
前記筐体の前面に設けられた表示面と、
バッテリと
を備え、
前記筐体は、
横幅方向における両端部の各々に、ユーザに把持される把持部を有し、
前記バッテリは、前記表示面と直交する方向において、前記把持部と重ならない位置に設けられる
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記筐体は、平面視にて矩形状を有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記筐体の内面の前記制御基板または前記バッテリと対向する位置に貼り付けられた熱伝導シートを備える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
互いに対向する前記表示面の裏面と前記筐体の背面との間に配置された伝熱部材を備える
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
互いに対向する前記表示面の裏面と前記制御基板または前記バッテリとの間に配置された伝熱部材を備える
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
回動可能、且つ、筐体の背面に形成された収納溝に収納可能に設けられた枠状のスタンドを備え、
前記筐体は、
前記収納溝によって、
左右一対の前記把持部と、左右一対の前記把持部の間に設けられた中間部と、に分断されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
ケーブルが接続される端子と、
前記端子を囲うように配置されたスタンドと
を備え、
前記把持部は、
前記スタンドよりも装置外側に配置される
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、高発熱部品の熱を効率的に逃がすことを目的として、電子機器の筐体の内部の発熱する部品から発せられた熱を、熱伝達手段によってディスプレーパネルに伝熱し、ディスプレーパネルから放熱する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の技術は、ユーザが高温な部分を把持するおそれがあった。
【0004】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するため、ユーザが高温な部分を把持することを抑制することが可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、一実施形態に係る表示装置は、筐体と、筐体の前面に設けられた表示面と、表示装置を制御する制御基板とを備え、筐体は、横幅方向における両端部の各々に、ユーザに把持される把持部を有し、制御基板は、表示面と直交する方向において、把持部と重ならない位置に設けられる。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態に係る表示装置によれば、ユーザが筐体を把持する部分の高温化を抑制することが可能な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る表示装置の前面側を示す外観斜視図
【
図2】一実施形態に係る表示装の背面側を示す外観斜視図
【
図3】一実施形態に係る表示装置の背面図および側面図
【
図4】一実施形態に係る表示装置の内部構成を示す背面図
【
図5】一実施形態に係る表示装置の内部構成の第1変形例を示す背面図
【
図6】一実施形態に係る表示装置の内部構成の第1変形例を示す断面図
【
図7】一実施形態に係る表示装置の内部構成の第2変形例を示す背面図
【
図8】一実施形態に係る表示装置の内部構成の第3変形例を示す背面図
【
図9】一実施形態に係る表示装置の内部構成の第3変形例を示す断面図
【
図10】一実施形態に係る表示装置の内部構成の第4変形例を示す背面図
【
図11】一実施形態に係る表示装置の内部構成の第4変形例を示す断面図
【
図12】、一実施形態に係る表示装置の内部構成の第5変形例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
【0009】
(表示装置100の構成)
図1は、一実施形態に係る表示装置100の前面側を示す外観斜視図である。
図2は、一実施形態に係る表示装置100の背面側を示す外観斜視図である。
【0010】
なお、以降の説明では、ディスプレイ121の縦方向に対応する方向を、上下方向(Z軸方向)とする。また、ディスプレイ121の横方向に対応する方向を、横幅方向および左右方向(Y軸方向)とする。また、ディスプレイ121の奥行き方向に対応する方向を、前後方向(X軸方向)とする。
【0011】
但し、ディスプレイの背面側(X軸負側)から視て左側となる方向(Y軸正方向)を左方向とし、ディスプレイの背面側(X軸負側)から視て右側となる方向(Y軸負方向)を右方向とする。
【0012】
図1および
図2に示す表示装置100は、前面(X軸正側の面)にディスプレイ121の表示面121Aを有し、ケーブル10を介して外部機器(例えば、ノートパソコン、スマートフォン等)に接続され、外部機器からケーブル10を介して送信された各種画像(動画、静止画等)を、ディスプレイ121の表示面121Aによって表示することが可能である。すなわち、表示装置100は、バッテリ内蔵且つ可搬性を有する薄型の表示装置であり、外部機器とともに持ち運ばれて、使用時に外部機器と接続されることにより、外部機器の拡張ディスプレイとして利用可能である。
【0013】
図1および
図2に示すように、表示装置100は、当該表示装置100の外形状をなす、樹脂製且つ中空構造の筐体110を備える。筐体110は、薄部111および厚部112を有する。
【0014】
薄部111は、筐体110の前面側(Z軸正側)を構成する板状の部分である。薄部111は、前方(X軸正方向)または後方(X軸負方向)からの平面視において横長の長方形状を有する。薄部111は、奥行き方向(X軸方向)の厚さが比較的薄い部分である。薄部111には、ディスプレイ121が設けられている。薄部111の前面(X軸正側の面)には、矩形状の開口部111Aが形成されており、当該開口部111Aから、ディスプレイ121の表示面121Aが露出している。なお、ディスプレイ121としては、例えば、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、液晶ディスプレイ等が用いられる。
【0015】
なお、薄部111において、ディスプレイ121の表示面121Aには、タッチセンサ122が重ねて設けられている。タッチセンサ122は、各種入力操作(例えば、選択操作、手書き入力操作等)を受け付ける。タッチセンサ122としては、例えば、静電容量方式のタッチパネル等を用いることができる。
【0016】
厚部112は、筐体110の背面側(X軸負側)を構成する板状の部分であり、薄部111の背面の下部から後方に突出して設けられている。厚部112は、奥行き方向(X軸方向)の厚さが比較的厚い部分である。厚部112は、後方(X軸負方向)からの平面視において横長の長方形状を有する。但し、厚部112は、後方(X軸負方向)からの平面視において、薄部111からはみ出さないように、上下幅および左右幅を有する。厚部112には、制御基板131、バッテリ133(いずれも
図4参照)等が収容されている。また、厚部112の背面には、ケーブル10のコネクタ11が接続されるインタフェース部123(
図3参照)が設けられている。インタフェース部123は、すなわち、ケーブル10のコネクタ11が接続される「端子」である。
【0017】
また、厚部112の左側(Y軸正側)の側面には、スイッチ134およびスイッチ135が設けられている。スイッチ134およびスイッチ135は、例えば、電源ボタン、選択ボタン、確定ボタン、戻るボタン等である。
【0018】
(表示装置100の背面の構成)
図3は、一実施形態に係る表示装置100の背面図および側面図である。
図3(a)は、一実施形態に係る表示装置100の背面図である。
図3(b)は、一実施形態に係る表示装置100の側面図である。
【0019】
図3に示すように、筐体110の厚部112の背面には、凹部113が形成されている。凹部113は、前方(X軸正方向)に向かって一定の深さを有して凹んだ部分である。
図3に示す例では、凹部113は、後方からの平面視において矩形状を有するが、凹部113の形状はこれに限らない。
【0020】
そして、
図3に示すように、インタフェース部123は、厚部112の凹部113内に露出して設けられている。特に、
図3に示す例では、インタフェース部123は、厚部112の凹部113の左側(Y軸正側)の内壁面113Aから、凹部113内に露出して設けられている。
【0021】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、
図3に示すように、ケーブル10の一端部に設けられているコネクタ11を、凹部113内に配置された状態で、インタフェース部123に接続することができる。
【0022】
すなわち、一実施形態に係る表示装置100は、ケーブル10のコネクタ11を、筐体110の側面から突出することなく、インタフェース部123に接続することができる。
【0023】
このため、一実施形態に係る表示装置100によれば、当該表示装置100と外部機器とを真横に並べて配置することができる。
【0024】
また、一実施形態に係る表示装置100によれば、ケーブル10のコネクタ11への突発的な負荷を防ぐことができるため、インタフェース部123が破損するリスクを低減することができる。
【0025】
なお、ケーブル10としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブル、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)ケーブル等が挙げられる。インタフェース部123には、ケーブル10のコネクタ11に適合する形状を有するものが用いられる。
【0026】
なお、凹部113の深さ(X軸方向の深さ)は、コネクタ11の厚さおよびケーブル10の外径よりも大きくなっている。これにより、一実施形態に係る表示装置100は、
図3(b)に示すように、インタフェース部123が、凹部113内のケーブル10(コネクタ11を含む)を、厚部112の背面よりも外側(X軸負側)にはみ出さずに接続可能である。
【0027】
これにより、一実施形態に係る表示装置100によれば、厚部112の背面側からの、ケーブル10のコネクタ11への突発的な負荷を防ぐことができる。
【0028】
また、
図3に示すように、厚部112は、ケーブル10を凹部113から厚部112の上側に引き出し可能な引き出し口113Bを有する。具体的には、引き出し口113Bは、凹部113の右上側(Z軸正側かつY軸負側)の角部から、上方(Z軸正方向)に延びて厚部112の上側の空間に繋がる溝状を有する。引き出し口113Bの深さ(X軸方向の深さ)は、凹部113の深さ(X軸方向の深さ)と同じである。
【0029】
これにより、一実施形態に係る表示装置100によれば、ケーブル10を厚部112の背面よりも外側(X軸負側)にはみ出すことなく、ケーブル10を凹部113から厚部112の上側に引き出すことができる。
【0030】
さらに、
図3に示すように、厚部112は、引き出し口113Bにケーブル10を留める留め具114を有する。具体的には、留め具114は、引き出し口113Bを左右方向(Y軸方向)に跨いだ状態で、当該留め具114の左右方向(Y軸方向)の両端部を、嵌め込み方式によって厚部112に固定できるようになっている。
【0031】
これにより、一実施形態に係る表示装置100によれば、ケーブル10が引き出し口113Bから抜け落ちないように、留め具114によって引き出し口113Bにケーブル10を留めることができる。また、一実施形態に係る表示装置100によれば、ケーブル10に引っ張られる等の負荷が生じた場合であっても、当該負荷を留め具114によって受け止めることができるため、インタフェース部123が破損するリスクを低減することができる。
【0032】
また、
図3に示すように、厚部112は、当該厚部112の上面112Aにより、引き出し口113Bから引き出されたケーブル10の配設経路を、当該上面112Aに沿ってガイド可能である。
【0033】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、引き出し口113Bから引き出されたケーブル10を、所定の配設経路上に容易に配設することができる。
【0034】
また、
図3に示すように、厚部112は、当該厚部112の上面112Aによって配設経路がガイドされたケーブル10を保持可能なクランプ115を有する。
【0035】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、引き出し口113Bから引き出されたケーブル10を、所定の配設経路上で、確実に保持することができる。
【0036】
なお、
図3に示す例では、厚部112は、引き出し口113Bよりも右側(Y軸負側)のケーブル10の配設経路と、引き出し口113Bよりも左側(Y軸正側)のケーブル10の配設経路とに、それぞれ2つのクランプ115を有する。
【0037】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、引き出し口113Bからのケーブル10の引き出し方向を、左方(Y軸正方向)にした場合と、右方(Y軸負方向)にした場合とのいずれにおいても、2つのクランプ115によって、ケーブル10を配設経路上で確実に保持することができる。
【0038】
なお、
図3に示す例では、厚部112の背面において、インタフェース部123は、左右方向(Y軸方向)における中央部よりも左側(Y軸正側)に設けられており、一方、引き出し口113Bは、左右方向(Y軸方向)における中央部に設けられている。
【0039】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、インタフェース部123に接続されたケーブル10を、無理なく折り曲げて、引き出し口113B(すなわち、左右方向(Y軸方向)における中央部)から厚部112の上側に引き出すことができる。
【0040】
また、一実施形態に係る表示装置100は、引き出し口113Bからのケーブル10の引き出し方向を、左方(Y軸正方向)および右方(Y軸負方向)のいずれとすることもできる。
【0041】
ここで、一実施形態に係る表示装置100は、左右方向(Y軸方向)における中央部に引き出し口113Bを設けたために、引き出し口113Bからのケーブル10の引き出し方向を、左方(Y軸正方向)にした場合と、右方(Y軸負方向)にした場合とで、ケーブル10の厚部112の上面に沿ってガイドされる部分の長さを、等しくすることができ、すなわち、ケーブル10の筐体110から外側に引き出される部分の長さを、等しくすることができる。このため、一実施形態に係る表示装置100は、接続対象の外部機器を左方および右方のいずれに配置した場合であっても、必要となるケーブル10の長さを一定の長さとすることができる。
【0042】
また、
図3に示す例では、厚部112の凹部113のY軸正側の内壁面113Aには、2つのインタフェース部123が上下方向(Z軸方向)に並べて設けられている。これにより、一実施形態に係る表示装置100は、凹部113内で、2本のケーブル10を接続することができ、2本のケーブル10を介して、2つの外部機器を接続できるようになっている。さらに、
図3に示す例では、引き出し口113Bは、2本のケーブル10を並べて引き出すことができるように、(ケーブル10の外径×2)よりも大きい左右幅を有する。
【0043】
また、
図3に示すように、一実施形態に係る表示装置100は、厚部112にスタンド136が収納可能に設けられている。
図3に示すように、スタンド136は、上端部に回動軸136Xを有しており、回動軸136Xを中心として回動可能に設けられている。
【0044】
また、スタンド136は、矩形枠状を有している。一方、厚部112には、スタンド136と同形状の収納溝112Bが形成されている。このため、一実施形態に係る表示装置100は、スタンド136を厚部112の背面から突出することなく収納溝112Bに収納することができる。
【0045】
図1および
図2に示すように、一実施形態に係る表示装置100は、スタンド136を収納状態から回動させて開いた状態とすることにより、筐体110を設置面に自立させることができる。なお、一実施形態に係る表示装置100は、スタンド136の開き角度を調整することで、設置面に対する筐体110の傾きを調整することができる。
【0046】
なお、スタンド136の回動軸136Xは、厚部112の上面112Aよりも下側に設けられている。このため、一実施形態に係る表示装置100は、スタンド136の開閉動作が、厚部112の上面112Aに沿って配設されたケーブル10に干渉しないようになっている。
【0047】
また、
図3に示すように、引き出し口113Bからのケーブル10の引き出し方向を、右方(Y軸負方向)にした場合、引き出し口113Bよりも右側(Y軸負側)に設けられている2つのクランプ115は、ケーブル10を保持しているが、引き出し口113Bよりも左側(Y軸正側)に設けられている2つのクランプ115はフリーな状態にある。
【0048】
そこで、一実施形態に係る表示装置100は、ケーブル10を筐体110の右側(Y軸負側)の端部の近傍で折り返して、ケーブル10の他端部側を、引き出し口113Bよりも左側(Y軸正側)に設けられているクランプ115によって保持することができる。
【0049】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、当該表示装置100の不使用時(運搬時、収納時等)において、ケーブル10を筐体110からはみ出すことなく、ケーブル10を確実に保持して、ケーブル10を収納状態とすることができる。
【0050】
また、一実施形態に係る表示装置100は、ケーブル10の一端部のコネクタ11が、厚部112の凹部113から後方(X軸負方向)に突出せずにインタフェース部123に接続されているため、不使用時(運搬時、収納時等)においても、当該一端部のコネクタ11に負荷がかかり難くなっている。このため、一実施形態に係る表示装置100は、当該一端部のコネクタ11をインタフェース部123に接続したまま、ケーブル10を収納状態とすることができる。
【0051】
なお、一実施形態に係る表示装置100は、厚部112の厚さと薄部111の厚さの差が、ケーブル10の外径よりも大きくなっている。これにより、一実施形態に係る表示装置100は、ケーブル10が厚部112の背面よりも外側(X軸負側)に突出しないように、ケーブル10の引き出し口113Bから引き出された部分を、厚部112の上側の薄部111の背面に配設することができる。
【0052】
(表示装置100の内部構成)
図4は、一実施形態に係る表示装置100の内部構成を示す背面図である。
【0053】
図4に示すように、筐体110の厚部112は、収納溝112Bによって、左把持部R1と、中間部R3と、右把持部R2とに分断されている。
【0054】
具体的には、収納溝112Bは、上下方向(Z軸方向)に延在し、スタンド136の左枠部を収納する第1収納部112Baと、上下方向(Z軸方向)に延在し、スタンド136の右枠部を収納する第2収納部112Bcとを有する。
【0055】
厚部112の左把持部R1は、収納溝112Bの第1収納部112Baよりも左側(Y軸正側)の部分である。左把持部R1は、筐体110の左側面から一定の横幅を有する。左把持部R1は、ユーザが筐体110の前面側(X軸正側)から筐体110を両手で把持する際に、ユーザの右手によって把持される部分である。左把持部R1は、中空構造を有する。左把持部R1の内部空間は、中間部R3の内部空間と繋がっていない。
【0056】
厚部112の右把持部R2は、収納溝112Bの第2収納部112Bcよりも右側(Y軸負側)の部分である。右把持部R2は、筐体110の右側面から一定の横幅を有する。右把持部R2は、ユーザが筐体110の前面側(X軸正側)から筐体110を両手で把持する際に、ユーザの左手によって把持される部分である。右把持部R2は、中空構造を有する。右把持部R2の内部空間は、中間部R3の内部空間と繋がっていない。
【0057】
厚部112の中間部R3は、収納溝112Bの第1収納部112Baと第2収納部112Bcとの間の部分である。中間部R3は、中空構造を有する。
【0058】
図4に示すように、厚部112の内部に、制御基板131およびバッテリ133を備える。
【0059】
制御基板131は、インタフェース部123と接続されており、各種電子部品が実装されることにより、表示装置100の動作を制御する制御回路が構築される。
【0060】
バッテリ133は、表示装置100の駆動用の電力を供給する。バッテリ133には、充電可能な各種二次電池(例えば、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池等)が用いられる。なお、表示装置100は、外部機器からケーブル10およびインタフェース部123を介して給電されることにより、バッテリ133を充電できるようになっている。
【0061】
ここで、
図4に示すように、高温部品である制御基板131およびバッテリ133は、中間部R3の内部に設けられている。すなわち、
図4に示す第1例では、高温部品である制御基板131およびバッテリ133は、左把持部R1の内部および右把持部R2の内部のいずれにも設けられていない。また、
図4に示す第1例では、左把持部R1の内部および右把持部R2の内部のいずれにも、その他の高温部品も設けられていない。
【0062】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、ユーザが筐体110の前面側(X軸正側)から筐体110を両手で把持する際に、ユーザの手が触れる左把持部R1および右把持部R2が高温になることを抑制することができる。
【0063】
また、一実施形態に係る表示装置100は、制御基板131およびバッテリ133から発せられた熱を積極的にディスプレイ121に逃がすものではないため、ディスプレイ121が高温になることも抑制することができる。
【0064】
特に、一実施形態に係る表示装置100は、回動可能、且つ、筐体110の厚部112の背面に形成された収納溝112Bに収納可能に設けられた枠状のスタンド136を備え、筐体110の厚部112は、収納溝112Bによって、左把持部R1および右把持部R2と、左把持部R1と右把持部R2との間に設けられた中間部R3と、に分断されている。
【0065】
すなわち、一実施形態に係る表示装置100において、スタンド136は、インタフェース部123を囲うように配置されており、左把持部R1および右把持部R2は、スタンド136よりも装置外側に配置されている。
【0066】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、収納溝112Bによって、左把持部R1および右把持部R2を、空間的に中間部R3から分断できるため、中間部R3において高温部品から発せられた熱が、左把持部R1および右把持部R2に伝播することを抑制することができる。
【0067】
また、一実施形態に係る表示装置100は、左把持部R1および右把持部R2を把持する手に、スタンド136が干渉しないようにすることができる。
【0068】
なお、左把持部R1の内部および右把持部R2は、ユーザの手が触れる範囲以上の横幅を有することが好ましい。例えば、本実施形態では、左把持部R1の内部および右把持部R2は、ユーザが筐体110の前面側(X軸正側)から筐体110を両手で把持したときに、ユーザの手の指の先端から第2関節までが触れることに鑑みて、ユーザの手の指の先端から第2関節までに相当する長さ以上の横幅を有する。
【0069】
(第1変形例)
図5は、一実施形態に係る表示装置100の内部構成の第1変形例を示す背面図である。
図6は、一実施形態に係る表示装置100の内部構成の第1変形例を示す断面図である。
【0070】
図5および
図6に示す例では、制御基板131(高温部品)には、高温の発生源となる電子部品131A,131Bが実装されている。
【0071】
また、
図5および
図6に示す例では、一実施形態に係る表示装置100は、筐体110の厚部112の内面の制御基板131(高温部品)と対向する位置に貼り付けられた熱伝導シート137を備える。熱伝導シート137には、伝熱性が高い素材からなるシート状の部材(例えば、アルミホイル等)が用いられる。
【0072】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、制御基板131の電子部品131A,131Bから発せられた熱が熱伝導シート137全体に伝わることで、筐体110の厚部112の中間部R3の温度が局所的に高くなることを抑制することができる。中間部R3であってもユーザの手が触れる可能性があるため、本構成は有用である。
【0073】
(第2変形例)
図7は、一実施形態に係る表示装置100の内部構成の第2変形例を示す背面図である。
【0074】
図7に示す例では、熱伝導シート137は、筐体110の厚部112の内面において、制御基板131(高温部品)と対向する位置と、バッテリ133(高温部品)と対向する位置とを包含する広い領域に貼り付けられている。
【0075】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、制御基板131から発せられた熱と、バッテリ133から発せられた熱とが、第1変形例よりも広範囲の熱伝導シート137全体に伝わることで、筐体110の厚部112の中間部R3の温度が局所的に高くなることを抑制することができる。
【0076】
(第3変形例)
図8は、一実施形態に係る表示装置100の内部構成の第3変形例を示す背面図である。
図9は、一実施形態に係る表示装置100の内部構成の第3変形例を示す断面図である。
【0077】
また、
図8および
図9に示す例では、一実施形態に係る表示装置100は、互いに対向するディスプレイ121の裏面と筐体110の背面(但し、左把持部R1および右把持部R2を除く)との間に配置された伝熱部材138を備える。伝熱部材138には、伝熱性が高い素材からなるシート状の部材(例えば、アルミホイル、伝熱ゴム等)が用いられる。
【0078】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、ディスプレイ121から発せられた熱を、伝熱部材138を介して筐体110の背面(但し、左把持部R1および右把持部R2を除く)に逃がすことで、ディスプレイ121が高温となることを抑制することができる。ディスプレイ121もタッチ操作のためにユーザの手が触れる可能性があるため、本構成は有用である。
【0079】
(第4変形例)
図10は、一実施形態に係る表示装置100の内部構成の第4変形例を示す背面図である。
図11は、一実施形態に係る表示装置100の内部構成の第4変形例を示す断面図である。
【0080】
図10および
図11に示す例では、一実施形態に係る表示装置100は、互いに対向する、ディスプレイ121の裏面と、制御基板131(高温部品)およびバッテリ133(高温部品)との間に配置された、シート状の断熱部材139を備える。
【0081】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、制御基板131から発せられた熱と、バッテリ133から発せられた熱とが、ディスプレイ121に伝わることを抑制することができるため、ディスプレイ121が高温となることを抑制することができる。
【0082】
(第5変形例)
図12は、一実施形態に係る表示装置100の内部構成の第5変形例を示す断面図である。
【0083】
図12に示す例では、一実施形態に係る表示装置100は、第4変形例と同様に、互いに対向する、ディスプレイ121の裏面と、制御基板131(高温部品)およびバッテリ133(高温部品)との間に配置された、シート状の断熱部材139を備える。
【0084】
さらに、
図12に示す例では、一実施形態に係る表示装置100は、互いに対向する、ディスプレイ121の裏面と、断熱部材139との間に配置された伝熱部材138を備える。
【0085】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、制御基板131から発せられた熱と、バッテリ133から発せられた熱とが、ディスプレイ121に伝わることを抑制することができるため、ディスプレイ121が高温となることを抑制することができる。
【0086】
加えて、一実施形態に係る表示装置100は、ディスプレイ121から発せられた熱を、伝熱部材138に逃がすことでも、ディスプレイ121が高温となることを抑制することができる。
【0087】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【0088】
なお、左把持部R1および右把持部R2の内部には、何ら部品が設けられなくてもよく、高温とならない部品(例えば、スピーカー、アンテナ部等)が設けられてもよい。
【0089】
また、左把持部R1および右把持部R2は、ユーザが当該左把持部R1および当該右把持部R2を容易に認識できるように構成されてもよい。例えば、左把持部R1および右把持部R2は、ユーザの手が添えられる形状を有してもよい。また、例えば、左把持部R1および右把持部R2は、中間部R3と異なる色で示されてもよい。
【符号の説明】
【0090】
10 ケーブル
11 コネクタ
100 表示装置
110 筐体
111 薄部
111A 開口部
112 厚部
112A 上面
112B 収納溝
113 凹部
113A 内壁面
113B 引き出し口
114 留め具
115 クランプ
121 ディスプレイ
121A 表示面
122 タッチセンサ
123 インタフェース部
131 制御基板
133 バッテリ
134,135 スイッチ
136 スタンド
136X 回動軸
137 熱伝導シート
138 伝熱部材
139 断熱部材
R1 左把持部
R2 中間部
R3 右把持部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0091】