(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128396
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/01 20060101AFI20230907BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
G03G15/01 J
G03G15/00 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032723
(22)【出願日】2022-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】千葉 祐介
【テーマコード(参考)】
2H270
2H300
【Fターム(参考)】
2H270LC03
2H270LD03
2H270MA01
2H270MA08
2H270MA14
2H270MA18
2H270MB04
2H270MB06
2H270MB25
2H270MB36
2H270ZC03
2H270ZC04
2H300EB04
2H300EB07
2H300EB12
2H300EC05
2H300EF08
2H300EG02
2H300EH15
2H300EJ10
2H300GG12
2H300QQ02
2H300QQ26
2H300RR21
2H300RR34
2H300TT03
2H300TT04
(57)【要約】
【課題】定着オフセットや転写ボソつきの発生を防止し且つ画像の色味の変動の抑制をすることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【解決手段】
記録媒体に画像形成を行う画像形成装置において、帯電バイアスを印加することで像担持体を帯電する帯電手段と、前記像担持体へ光を照射して静電潜像を形成し且つ露光光量が変更可能な露光手段と、現像バイアスを印加することで前記静電潜像を現像する現像手段とを有していて、少なくともシアン色,マゼンタ色,イエロー色の各色に対応する作像手段とを有する画像形成部と、前記記録媒体の色を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果によって、前記帯電バイアス、前記露光光量、前記現像バイアスの少なくとも1つ以上を変更することで前記シアン色,前記マゼンタ色,前記イエロー色のトナーの付着量を変更する制御手段とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像形成を行う画像形成装置において、
帯電バイアスを印加することで像担持体を帯電する帯電手段と、前記像担持体へ光を照射して静電潜像を形成し且つ露光光量が変更可能な露光手段と、現像バイアスを印加することで前記静電潜像を現像する現像手段とを有していて、少なくともシアン色,マゼンタ色,イエロー色の各色に対応する作像手段とを有する画像形成部と、
前記記録媒体の色を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果によって、前記帯電バイアス、前記露光光量、前記現像バイアスの少なくとも1つ以上を変更することで前記シアン色,前記マゼンタ色,前記イエロー色のトナーの付着量を変更する制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
記録媒体に画像形成を行う画像形成装置において、
帯電バイアスを印加することで像担持体を帯電する帯電手段と、前記像担持体へ光を照射して静電潜像を形成し且つ露光光量が変更可能な露光手段と、現像バイアスを印加することで前記静電潜像を現像する現像手段とを有していて、少なくともシアン色,マゼンタ色,イエロー色の各色に対応する作像手段とを有する画像形成部と、
記録媒体の色と前記記録媒体上に形成する画像の作像方法とを対応づけたテーブルを記憶する記憶部と、
前記テーブルによって、前記帯電バイアス、前記露光光量、前記現像バイアスの少なくとも1つ以上を変更することで前記シアン色,前記マゼンタ色,前記イエロー色のトナーの付着量を変更する制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記記録媒体上に形成された画像を読み取り、前記記録媒体の色を検出する読み取り手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置は、前記記録媒体を前記画像形成部に送る給紙部を備えており、
前記検出手段は、光学センサであって且つ前記給紙部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記帯電バイアスは、前記帯電手段が有する帯電ローラに印加する電圧であり、前記帯電バイアスの変更とは、前記電圧を増減変更することであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記露光光量の変更とは、前記露光手段が前記像担持体へ照射する光の光量を増減変更することを特徴とすることであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記現像バイアスは、前記現像手段が有する現像ローラに印加する電圧であり、前記現像バイアスの変更とは、前記電圧を増減変更することであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記シアン色,前記マゼンタ色および前記イエロー色のトナーを重ね合わせて黒色の画像を形成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記記録媒体の色が白色またはカラーであるとき、前記シアン色,前記マゼンタ色および前記イエロー色のトナーを重ね合わせて且つ網点画像にすることで、グレー色の画像を形成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記記録媒体の色が白色または黒色であるときは前記シアン色,前記マゼンタ色および前記イエロー色のトナーの付着量を減らす変更を行うことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記記録媒体の色がカラーであるときは、前記シアン色,前記マゼンタ色および前記イエロー色のトナーの付着量を減らす変更を行い、
前記減らしたトナー付着量は、前記記録媒体の色の成分に関連する前記シアン色,前記マゼンタ色または前記イエロー色のうちいずれか1つ以上の色の量をトナー付着量に換算したときの量を含めていることを特徴とする特徴とする請求項8または9に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記記録媒体の色が白色であるときは、前記シアン色,前記マゼンタ色および前記イエロー色のトナーの付着量を減らす変更を行うことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記画像形成部は、特色に対応する作像手段を有していて、
前記特色は、白色であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記制御手段は、前記記録媒体の色が黒色であるときは、白色のトナーによってグレー色の画像を形成することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来において,C(シアン色)、M(マゼンタ色)、そしてY(イエロー色)のトナーの重ね合わせによってK(黒色)の画像を形成する画像形成装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、黒色を、単色の黒色と複数色で形成された混色の黒色とのいずれかで印字可能な印字装置が開示されている。
【0004】
また、Kのトナーの作像ユニットに代わりに、例えば、白色トナー、IRステルストナー、クリアトナーといった特色トナーを搭載する方式も知られている。この場合は、上記したように、C、M、Yのトナーの重ね合わせによってKの画像を作成することになる。そして、これまでC,M,YおよびKの画像形成装置では表現することのできなかった白色の画像や、画像に特殊な光を当てることでしか読み取ることができない情報を埋め込むといった新たな付加価値をつけることが可能となる。この場合、単純にC,M,Yトナーを3色重ね合わせでKを表現すると、用紙(転写紙)上のトナー付着量が通常よりも増大するため、定着オフセットや転写ボソつきが発生するという課題が挙げられる。
【0005】
特許文献2には、イエロー、マゼンタ、シアンのうち少なくとも1つのカラートナーからなるカラートナー像と特殊トナーからなる特殊トナー像とを同じ記録媒体上に作像し、該カラートナー像及び該特殊トナー像を定着手段により該記録媒体に定着させて画像を形成する画像形成装置において、前記カラートナー像及び前記特殊トナー像を作像する特殊画像形成動作の場合、前記特殊トナー像を作像せずに同じカラートナー像を作像する通常画像形成動作時よりも、前記記録媒体上の単位面積当たりのカラートナー量を少なくする画像形成装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に開示されている構成では、用紙に色がついている場合、その色によって3色重ね合わせて形成したKの画像に色味変動が生じてしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、記録媒体に画像形成を行う画像形成装置において、帯電バイアスを印加することで像担持体を帯電する帯電手段と、前記像担持体へ光を照射して静電潜像を形成し且つ露光光量が変更可能な露光手段と、現像バイアスを印加することで前記静電潜像を現像する現像手段とを有していて、少なくともシアン色,マゼンタ色,イエロー色の各色に対応する作像手段とを有する画像形成部と、前記記録媒体の色を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果によって、前記帯電バイアス、前記露光光量、前記現像バイアスの少なくとも1つ以上を変更することで前記シアン色,前記マゼンタ色,前記イエロー色のトナーの付着量を変更する制御手段とを備えた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、定着オフセットや転写ボソつきの発生を防止し且つ画像の色味の変動の抑制をすることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の説明図。
【
図2】本発明の実施形態に係るの作像ユニットの拡大図。
【
図3】実発明の実施形態に係る複写機における制御に関わるブロック図。
【
図4】本発明の実施形態に係る画像形成動作の流れを示すフローチャート。
【
図5】用紙の色が白色で、黒色の画像を形成する場合の説明図。
【
図6】用紙の色がカラーで、シアン色、マゼンタ色,イエロー色の3色のトナー付着量を同じ量減らして重ね合わせて黒色の画像を形成する場合の説明図。
【
図7】用紙の色がカラーで、シアン色、マゼンタ色,イエロー色の3色のうち2色のトナー付着量を多く減らして重ね合わせて黒色の画像を形成する場合の説明図。
【
図8】用紙の色がカラーで、黒色の画像を形成する場合の他の例を示す説明図。
【
図9】用紙の色が黒色で、黒色の画像を形成する場合の説明図。
【
図10】用紙の色が白色で、グレー色の画像を形成する場合の説明図。
【
図11】用紙の色がカラーで、グレー色の画像を形成する場合の説明図。
【
図12】用紙の色が黒色で、グレー色の画像を形成する場合の説明図。
【
図13】用紙色別トナー付着量調整テーブルの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態を、図面を用いて以下に説明する。
【0011】
まず、本発明を適用する画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機(以下、複写機500という)の実施形態について説明する。
【0012】
なお、本発明に係る実施形態では、黒色(以下、Kとする)のトナーに代わって特色(以下、SPとする)トナーを用いている。そして、このことにより、シアン色(以下、Cとする)のトナー、マゼンタ色(以下、Mとする)のトナー、およびイエロー色(以下、Yとする)のトナーを重ね合わせてKの画像を形成している。これを前提として、以下に説明する。
【0013】
図1は、複写機500の概略構成図である。また、
図2は、Cの作像ユニットを拡大した図である。ここで、
図2は、作像ユニット6Cを代表して図示しているが、M,Y,SPについても同様の構成となっている。
【0014】
図1において、複写機500は、画像形成装置の本体部であり、画像形成部のプリンタ部100の上方に、画像を読み取る読み取り手段である原稿読込部4及び原稿搬送部3を備える。また、プリンタ部100の下方には、給紙部7を備える。原稿搬送部3は、原稿読込部4に原稿を搬送する。原稿読込部4は、搬送されてきた原稿の画像情報を読み込む。給紙部7は、記録媒体である用紙(転写紙)Pが収容される給紙カセット26と、給紙カセット26内の用紙Pをプリンタ部100に向けて送り出す給紙ローラ27とを備える。なお、
図1において、一点鎖線は、複写機500内での用紙Pの搬送経路を示す。
【0015】
プリンタ部100の上部は、出力画像が形成された用紙Pが積載される排紙トレイ30となっている。また、用紙Pは、排紙ローラ25によって排紙トレイ30上に排出される。そして、プリンタ部100は、各色(C、M、Y、SP)のトナー像を形成する作像部としての四つの作像ユニット6(C,M,Y,SP)と、中間転写ユニット10とを備える。
【0016】
また、各作像ユニット6(C,M,Y,SP)は、各色トナー像が形成される像担持体としてのドラム状の感光体1(C,M,Y,SP)と、各感光体1(C,M,Y,SP)の表面上を帯電させる帯電ローラ12を有する帯電手段である帯電装置2と、各感光体1(C,M,Y,SP)に向けて照射光Lを照射して露光することで静電潜像を形成する露光手段である露光装置13と、各感光体1(C,M,Y,SP)の表面上に形成された静電潜像を現像剤であるトナーによって現像する現像ローラ51を有する現像手段である現像装置5(Y,M,C,K)とを備える。
【0017】
そして、中間転写ユニット10は、中間転写ベルト8や一次転写バイアスローラ9(C,M,Y,SP)を備える。中間転写ベルト8は、各感光体1(C,M,Y,SP)の表面上に形成された各色トナー像が重ねて転写され、表面上でカラートナー像が形成される中間転写体である。また、一次転写バイアスローラ9(C,M,Y,SP)は、各感光体1(C,M,Y,SP)の表面上に形成されたトナー像を中間転写ベルト8に転写する一次転写手段である。
【0018】
プリンタ部100は、中間転写ベルト8上のカラートナー像を用紙P上に転写するための二次転写バイアスローラ19を備える。また、給紙ローラ27によって送り出された用紙Pを中間転写ベルト8と二次転写バイアスローラ19とが対向する二次転写ニップに搬送するタイミングを調整するレジストローラ対28を備える。
【0019】
さらに、プリンタ部100は、二次転写ニップの上方に用紙P上の未定着トナー像を定着する定着装置20を備える。
【0020】
プリンタ部100内の排紙トレイ30の下方、且つ、中間転写ユニット10の上方には、各色のトナー容器11(C,M,Y,SP)が配置されている。そして、各色のトナー容器11(C,M,Y,SP)は、各現像装置5(Y,M,C,SP)に供給する各色(C,M,Y,SP)のトナーを収容する。また、本実施形態では、SPトナーとして、白色(以下、白とする)のトナーを用いている。なお、ここで、本実施形態では、SPトナーとして白トナーを用いているが、本発明は、これに限らず、IRステルストナーやクリアトナー等を適用してもよい。
【0021】
次に、本発明の特徴部ついて説明する。
【0022】
本発明では、Kの画像をC,M,Yのトナーで重ね合わせて形成する。そして、そのとき、印刷する用紙に色がついている場合がある。このとき、Kの画像を形成する用紙の色を見るようにしている。
【0023】
例えば、ユーザが赤い色の用紙を使用して印刷を行う際に、Kの画像を印字するときは、Kの画像をC,M,Yのトナーで重ね合わせてつくるため、画像に赤みがかかって見えてしまうことがある。そこで、詳細な方法については後述するが、用紙の色の成分であるMとYのトナー付着量を用紙の色を加味して調整したうえで3色を重ねてKの画像をつくることで、この赤みがかかることを防止している。
【0024】
このことを踏まえて、本発明では、用紙の色を検出(抽出)する方法がとられるが、それには、以下の方法が挙げられる。
【0025】
まず、ユーザが印刷に使用する用紙を原稿読込部4で読み込ませることで用紙の色を検出する方法が挙げられる。
【0026】
この場合は、ユーザが印刷を行う際に、原稿読込部4で印刷に使用する用紙を1度読み込んで、ユーザが印刷条件を設定してから印刷を行う。具体的には、ユーザが、印刷する用紙の色(R,G,B)を読み込んで、C,M,Yに変換した後、この色の成分に関連するC,M,Yのトナーの付着量をKの画像にその色味がかからないように調整したうえで、印刷を行うことになる。なお、本明細書では、「この色の成分に関連する」とは、「この色をなす成分」を意味するものとする。なお、ここでは、複写機500の原稿読込部4を用いて用紙の色を読み込んだが、これに限らず、複写機500に備え付けられていない読み取り装置を使用してもよい。
【0027】
また、これとは別の方法について説明する。その方法としては、用紙の色といった用紙の種類とそれに対応する色のトナー付着量の調整方法を関連づけたテーブル(以下、用紙色別トナー付着量調整テーブルとよぶ)を予め記憶させておく。そして、制御部130により、この用紙色別トナー付着量調整テーブルに基づいて自動的に画像形成する方法が挙げられる。具体的には、用紙の色を検出しておき、その色とその色の成分に関連するC,M,Yのトナー付着量をKの画像にその用紙の色味がかからないように設定したものをテーブルにする。
図13にその用紙色別トナー付着量調整テーブルを示す。なお、この
図13に示すテーブルは、一例である。そして、その用紙色別トナー付着量調整テーブルを事前に制御部130の記憶部132に記憶させる。これにより、ユーザが印刷する際、制御部130がこの用紙色別トナー付着量調整テーブルに基づいてKの画像にその用紙の色味がかからないようにC,M,Yのトナー付着量を調整したうえで、印刷を行うことになる。なお、この用紙色別トナー付着量調整テーブルは、上記した「原稿読込部4で印刷に使用する用紙を1度読み込んで、ユーザが印刷条件を設定してから印刷を行う」場合にも適用することが可能である。
【0028】
さらに、別な方法を説明する。その方法として、複写機500の内部に用紙の色を検知するセンサ等を設け、これにより用紙の色を検出してKの画像を形成する方法が挙げられる。具体的には、例えば、複写機500の給紙部7等に光学センサを設け、印刷開始時に給紙する用紙の色を検出する。そして、その検出した用紙の色に基づき、その色の成分に関連するC,M,Yのトナー付着量についてKの画像にその用紙の色味がかからないように調整したうえで、印刷を行うことになる。なお、上記した用紙色別トナー付着量調整テーブルを設けておき、このとき光学センサにて検出した結果を当該テーブルに照らして、トナー付着量の調整をするような構成にしてもよい。
【0029】
次に、
図3について説明する。
図3は、本発明に係る実施形態の複写機における制御に関わるブロック図である。
【0030】
本発明に係る実施形態における制御部130は、主制御部131と、記憶手段としての記憶部132と、色変換・分解処理部133と、ガンマ補正部134と、トナー量調整部135と、階調変換部136とを有している。なお、制御部は、制御手段の一例である。
【0031】
主制御部131は、CPU、RAM、ROMなどから構成され、各種プログラムを実行することにより、画像処理やプリンタの全体的な制御を実行する。また、記憶部132は、制御部130の各部で用いる各種データやプログラム、上述した用紙色別トナー付着量調整テーブル等を記憶している。
【0032】
色変換・分解処理部133は、記憶部132に記憶されている色変換分解テーブルを用いて、入力画像情報の色情報(RGB)を、プリンタ用の色情報であるC,M,Yの色情報に変換、分解して、C,M,Yごとの画像情報を生成する。また、入力画像情報中に特色の画像情報が含まれている場合には、特色の画像情報を入力画像情報から抽出して生成する。そして、用紙を読み込んだり、光学センサ等を使用して用紙の色を検出したならば、その用紙の色情報(RGB)もC,M,Yの色情報に変換、分解する。
【0033】
ガンマ補正部134は、用紙上において適切な階調を実現するために、記憶部132に記憶されているガンマ補正テーブルを用いて、C,M,Yの各画像情報、及び、必要に応じてSPの画像情報等も、γ(ガンマ)補正する処理を行う。
【0034】
トナー量調整部135は、主制御部131の制御のもとで、記憶部132に記憶されているトナー付着量変換テーブルを用い、単位面積当たりのトナー量を調整するトナー量調整制御を行う。具体的には、トナー量調整部135は、トナー付着量変換テーブルを用いて、入力画像を用紙上に形成するために、単位面積当たりにC、M、Yのトナーが付着するトナー付着量の総量(以下、「トナー総量」とする)を算出する。そして、算出の後、C,M,Yの各画像情報のトナー付着量変換処理(画像処理)を行う。
【0035】
ここで、この算出の際は、用紙を読み込んだり、光学センサ等を使用して用紙の色を検出したならば、トナー付着量変換テーブルによって、変換・分解した色情報に係る用紙の色の成分に関連する色の量をC、M、Yのトナー付着量に変換する。そして、その変換したトナー付着量分を算出に加味するようにする。あるいは、上述した算出の際、用紙色別トナー付着量調整テーブルがつくられているならば、その用紙色別トナー付着量調整テーブルに基づくC、M、Yのトナー付着量を算出に加味するようにする。このとき、SPの画像情報についてもトナー付着量変換処理(画像処理)を行ってもよい。なお、本実施例では、用紙色別トナー付着量調整テーブルとトナー付着量変換テーブルは、別々のものとしているが、まとめて一つのテーブルにしてもよい。
【0036】
階調変換部136は、記憶部132に記憶されているディザパターンデータを用いて、C,M,YおよびSPの各画像情報を、中間調濃度に応じたディザパターンに変換する階調変換処理等を実行する。
【0037】
そして、画像形成制御部140は、C、M、Yの各画像情報に基づき、C、M、YおよびSP用の各帯電装置2、露光装置13および現像装置5を制御することで、各帯電バイアス、露光光量および現像バイアスを調整する(変更する)。
【0038】
ここで、帯電バイアスとは、
図2に示す帯電ローラ12に印加している電圧のことをいう。この電圧を大きくすると、トナー付着量が増大し、電圧を小さくすると、トナー付着量が減少する。
【0039】
また、露光装置13から感光体1に向けて照射される光の量である露光光量を多くすると、トナー付着量が増大し、露光光量を少なくすると、トナー付着量が減少する。
【0040】
そして、現像バイアスとは、
図2に示す現像ローラ51に印加している電圧のことをいう。この電圧を大きくすると、トナー付着量が増大し、電圧を小さくすると、トナー付着量が減少する。
【0041】
画像形成制御部140は、帯電バイアス、露光光量および現像バイアスの3つのうちいずか1つ以上を制御して、トナー付着量の増減を調整するようにする。なお、適切にトナー付着量の増減を調整できるためには、帯電バイアス、露光光量および現像バイアスの3つについて同時に変更を行う制御をする方がより望ましい。
【0042】
次に、
図4を用いて本発明に係る実施形態における画像形成動作の流れを示すフローチャートである。
【0043】
制御部130は、原稿読込部4やパソコン等からの入力画像情報、用紙の色の情報等を取得する(S1)。
【0044】
その後、制御部130は、記憶部132に記憶されている色変換分解テーブルを用いて、色変換・分解処理部133により、入力画像情報の色情報(RGB)を、プリンタ用の色情報であるC,M,Yの色情報に変換、分解する(S2)。また、用紙を読み込んだり、光学センサ等を使用して用紙の色を検出したならば、その色情報(RGB)もC,M,Yの色情報に変換、分解する。そして、ガンマ補正部134により、C,M,Yの各画像情報等に対して、ガンマ補正処理を実行する(S3)。
【0045】
次に、制御部130は、ガンマ補正処理後のC,M,Yの画像情報に基づき、トナー量調整部135において、当該画像情報に基づく画像について、Kの画像部分に必要なトナー付着量を計算する。そして、その計算に基づいて、Kの画像に必要なC,M,Yの各トナー付着量を求める(S4)。
【0046】
ここで、本発明に係る実施形態では、Kのトナーを用いる作像ユニットを備えていないので、Kの画像部分については、C,M,Yのトナーを重ねて作像する必要がある。このとき、単位面積当たりのトナー総量が大きくなり、定着可能な上限値を超える可能性がある。また、用紙の色によるKの画像の色味に変動が生じる可能性もある。
【0047】
そこで、定着可能な上限値を超えず、検出した用紙の色あるいは用紙色別トナー付着量調整テーブルに基づいてKの画像を形成するのに必要なC,M,Yのトナー付着量をそれぞれ算出する。
【0048】
そして、算出後、階調変換部136により階調変換処理を実行する(S5)。その後、階調変換部136から出力されるC,M,Yの各画像情報等は、画像形成制御部140に送られる。この画像形成制御部140は、帯電バイアス、露光光量および現像バイアスの3つのうちいずか1つ以上を制御する。そして、各色のトナー付着量を調整した上で、画像形成動作が実行される(S6)。
【0049】
次に、前述した用紙の色を検出して、その検出した色の成分に関連する色のトナーとC,M,Yのトナー像の重ね合わせとを組み合わせることでKの画像を形成する方法の詳細について、以下に説明する。
【0050】
なお、本発明に係る実施形態では、単位面積当たりのトナー総量は、例えば、各色の単位面積当たりのトナー付着量について、単色ベタ画像を形成するときの目標トナー付着量を100%とした相対値で示す場合には、定着可能な上限値が220%に設定されることを前提とする。また、ここでは「用紙の色の分」とは、用紙の色の成分に関連する色の量をトナー付着量に換算したときの量をいうものとする。そして、本実施形態で述べる数値等については、あくまで、一例であるものとする。
【0051】
まず、「用紙の色が白色で、Kの画像を形成する」場合について、
図5を用いて説明する。このとき、Kの画像を形成する用紙をP1とする。ここで、Kの画像をC,M,Yのそれぞれ100%のトナー付着量で重ね合わせて形成すると、定着可能な上限値を超えてしまい、転写・定着不良を起こす可能性がある。
【0052】
そこで、C,M,Yのトナー付着量をそれぞれ、例えば、70%まで減らすように調整する。このとき、用紙P1の色が白色であるため、Kの画像について色味による変動はあまり生じない。そのため、C,M,Yのトナー付着量を調整するときは、用紙の色の分までは加味しなくてもよい。
【0053】
そして、その減らした分のC,M,Yのトナー像を重ね合わせて用紙P1上にKの画像を形成するようにする。
【0054】
このようにすることで、3色重ねてKの画像を形成しても定着可能な上限値である220%を超えないため、定着・転写不良が生じることを防ぐことができる。なお、本実施形態では、Kの画像を形成するときの各色のトナー付着量の最大量をこの70%としている。そして、用紙に色がついている場合、この70%を基準として、用紙の色の分までを加味してトナー付着量を減らすような調整をしている。それについて、以降に述べる。
【0055】
次に、「用紙の色がカラーで、Kの画像を形成する」場合について説明する。ここで、例えば、用紙P2Aの色が赤色(Red)であるとする。また、カラーとは、白色、黒色以外の赤色、青色、緑色、黄色等の色彩を指すものとする。このとき、
図6に示すように、白色である用紙P1のときと同じようにC,M,Yのトナー付着量について3色同じ量(例えば、70%)に減らした上で、これらを重ね合わせて用紙P2A上にKの画像を形成するとする。一方で、このままでは、用紙P2Aの色が赤色であるため、印字したときにKの画像に赤みがかかって見えてしまう。
【0056】
そこで、本発明に係る実施形態では、C,M,Yのトナー付着量を減らして調整して重ね合わせる際に、用紙の色の分までを加味してC,M,Yのトナー付着量を減らすような調整をしている。具体的には、
図7に示すように、用紙P2Aの色が赤色であるため、この成分であるM,Yのトナー付着量について用紙の色の分(例えば、20%)を加味して(含めて)、それぞれ、例えば、50%まで減らすようにする。また、Cのトナー付着量は、例えば、70%まで減らすようにする。すなわち、M,Yのトナー付着量は、基準まで減らしたCのトナー付着量よりも多く減らすようにする。そして、その減らした分のC,M,Yのトナー像を重ね合わせて用紙P2A上にKの画像を形成する。
【0057】
このようにすることで、用紙上のトナー付着量が増大することによる定着・転写不良が生じることを防ぐことができる。また、Kの画像の色味が変動することを防ぐことも可能となる。
【0058】
また、別の例について、
図8を用いて説明する。例えば、用紙P2Aと同じように用紙の色が赤色の用紙P2Bに画像を形成するとする。一方で、その赤色の濃さ(濃度)だが、用紙P2Bの色の方が用紙P2Aよりも薄いものとする。
【0059】
この場合、用紙P2B上にKの画像を形成する場合、同様に用紙の色の分(例えば、10%)を加味して赤色の成分であるM,Yのトナー付着量をCのトナー付着量よりも多く減らすようにする。そして、用紙P2Bは、用紙P2Aよりも薄い赤色のため、その減らす量としては、例えば、
図7で示すZ1(例えば、50%)よりも少ない量であるZ2(例えば、40%)だけ減らせばよいことになる。すなわち、M,Yのトナー付着量を、例えば、60%まで減らせばよい。なお、Cのトナー付着量は、用紙P2Aのときと同様に、例えば、70%まで減らすようにする。そして、その減らした分のC,M,Yのトナー像を重ね合わせて用紙P2B上にKの画像を形成する。
【0060】
つまり、本発明に係る実施形態では、用紙の色に応じて、その色の成分に関連する色のトナー付着量を、用紙の色の分を加味して、より多く減らすように調整したうえで3色重ね合わせてKの画像を形成している。また、用紙の色の濃さ(濃度)に応じて、その色の成分に関連する色のトナー付着量について減らす量を決めるようにしている。これにより、用紙上のトナー付着量が増大することによる定着・転写不良が生じることや、Kの画像の色味が変動することを防ぐことを可能としている。
【0061】
なお、用紙の色が赤色の場合について説明したが、例えば、用紙の色が青色(Blue)ならば、3色重ね合わせてKの画像を形成するときは、青色の成分であるC,Mのトナー付着量を、より多く減らすようにすればよい。また、用紙の色が緑色(Green)ならば、3色重ね合わせてKの画像を形成するときは、緑色の成分であるY,Cのトナー付着量を、より多く減らすようにすればよい。
【0062】
また、本発明は、2色を多く減らす場合や、2色を同じ量で減らす場合だけに適用されるとは限られるものではない。ここで、別の例を挙げる。用紙の色が黄色の場合は、3色重ね合わせてKの画像を形成する際、用紙の色の分を加味してYのトナー付着量だけを、基準まで減らした他の2色のトナー付着量よりも多く減らすようにすればよい。さらに、別の例を挙げると、用紙の色が黄色味の強い赤色ならば、用紙の色に関連する成分であるM、Yのうち、色味が強く出ているYのトナー付着量の方をより多く減らすようにすればよい。具体的にいえば、例えば、Cのトナー付着量を70%に減らし、Mのトナー付着量を60%に減らし、Yのトナー付着量を50%に減らした上で、3色重ね合わせてKの画像を形成すればよい。
【0063】
次に、「用紙の色が黒色で、Kの画像を形成する」場合について説明する。なお、この場合は、用紙にセキュリティ情報を埋め込みたい場合に、セキュリティコード等を印字する際に適用できる。
【0064】
ここで、
図9に示す用紙P3の色が黒色(RGB成分が0に近い)であるとする。そして、Kの画像を形成する方法だが、上記した「用紙の色が白色で、Kの画像を形成する場合」と同様にC,M,Yのトナー付着量をそれぞれ、例えば、70%まで減らすようにする。また、このとき、用紙の色が黒色であるため、Kの画像について色味による変動はあまり生じない。そのため、C,M,Yのトナー付着量を調整するときは、用紙の色の分までは加味しなくてもよい。そして、その減らした分のC,M,Yのトナー像を重ね合わせて用紙P3上にKの画像を形成するようにする。
【0065】
このようにすることで、用紙上のトナー付着量が増大することによる定着・転写不良が生じることを防ぐことができる。
【0066】
また、本発明においては、Kの画像の形成の変形例としてグレー色の画像を形成することも可能である。これについて、以下に説明する。
【0067】
ここで、「用紙の色が白色で、グレー色の画像を形成する」場合について説明する。この場合だが、C,M,Yのトナー付着量、その3色のトナーを重ね合わせてKの画像を形成する方法、および用紙の色の分を加味してC,M,Yのトナー付着量を調整する点については、上述した「用紙の色が白色で、Kの画像を形成する場合」と基本的には同様である。
【0068】
異なる点としては、
図10に示すように用紙P4上にKの画像を所定の間隔をあけて形成して網点画像になるようにする。それによって、用紙P4にグレー色の画像を形成することができる。
【0069】
このようにすることで、用紙上のトナー付着量が増大することによる定着・転写不良が生じることを防ぐことができる。
【0070】
次に、「用紙の色がカラーで、グレー色の画像を形成する」場合について説明する。ここで、印字する用紙P5は、例えば、用紙P2Aと同じ赤色であり、その色の濃さも、用紙P2Aと同じであるとする。この場合だが、C,M,Yのトナー付着量、その3色のトナーを重ね合わせてKの画像を形成する方法、および用紙の色の分を加味してC,M,Yのトナー付着量を調整する点については、上述した「用紙の色がカラーで、Kの画像を形成する場合」と基本的には同様である。
【0071】
異なる点としては、
図11に示すように、用紙P5上にKの画像を所定の間隔をあけて形成して網点画像になるようにする。なお、
図11は、M,Yのトナー付着量をそれぞれ、例えば、50%まで減らし、Cのトナー付着量は、例えば、70%まで減らした上で、3色重ね合わせてKの画像を形成した場合を示したものである。これによって、用紙P5にグレー色の画像を形成することができる。
【0072】
そして、このようにすることで、用紙上のトナー付着量が増大することによる定着・転写不良が生じることを防ぐことができる。また、グレーの画像の色味が変動することを防ぐことも可能となる。
【0073】
また、SPトナーが白トナーである場合、これを使用してグレー色の画像を形成することもできる。
【0074】
ここで、「用紙の色が黒色で、グレー色の画像を形成する」場合について説明する。このとき、C,M,Yのトナーを重ね合わせてKの画像を形成したうえで、網点画像のようにすることでグレー色の画像を形成することも考えられる。しかしながら、この場合、グレー色の画像が的確に表現できない可能性がある。
【0075】
そこで、C,M,Yのトナーを用いずに、SPトナーとして白トナーを使用することで、グレー画像を形成する。具体的には、
図12に示すように、用紙P6上に白色トナーを所定の間隔をあけて白画像を形成して網点画像になるようにする。それによって、用紙P6にグレー色の画像を形成することができる。
【0076】
このように白トナー単色で画像を形成することで、用紙上のトナー付着量が増大することによる定着・転写不良が生じることを防ぐことができる。また、黒色の用紙であっても色味変動のないグレー色の画像の形成を可能とすることができる。
【0077】
なお、用紙P6上には、白トナー単色を使用するため、白トナーのトナー付着量を100%にして白画像を形成してもよいが、例えば、70%に減らして形成してもよい。
【0078】
以上説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
【0079】
第1の態様は、記録媒体(例えば、用紙P)に画像形成を行う画像形成装置において、帯電バイアスを印加することで像担持体(例えば、感光体1)を帯電する帯電手段(例えば、帯電装置2)と、前記像担持体へ光を照射して静電潜像を形成し且つ露光光量が変更可能な露光手段(例えば、露光装置13)と、現像バイアスを印加することで前記静電潜像を現像する現像手段(例えば、現像装置5)とを有していて、少なくともシアン色,マゼンタ色,イエロー色の各色に対応する作像手段(例えば、作像ユニット6)とを有する画像形成部と、前記記録媒体の色を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果によって、前記帯電バイアス、前記露光光量、前記現像バイアスの少なくとも1つ以上を変更することで前記シアン色,前記マゼンタ色,前記イエロー色のトナーの付着量を変更する制御手段(例えば、制御部130)とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0080】
第2の態様は、記録媒体(例えば、用紙P)に画像形成を行う画像形成装置において、帯電バイアスを印加することで像担持体(例えば、感光体1)を帯電する帯電手段(例えば、帯電装置2)と、前記像担持体へ光を照射して静電潜像を形成し且つ露光光量が変更可能な露光手段(例えば、露光装置13)と、現像バイアスを印加することで前記静電潜像を現像する現像手段(例えば、現像装置5)とを有していて、少なくともシアン色,マゼンタ色,イエロー色の各色に対応する作像手段(例えば、作像ユニット6)とを有する画像形成部と、 記録媒体の色と前記記録媒体上に形成する画像の作像方法とを対応づけたテーブルを記憶する記憶部と、前記テーブルによって、前記帯電バイアス、前記露光光量、前記現像バイアスの少なくとも1つ以上を変更することで前記シアン色,前記マゼンタ色,前記イエロー色のトナーの付着量を変更する制御手段(例えば、制御部130)とを備えたことを特徴とするものである。
【0081】
第3の態様は、第1の態様において、前記検出手段は、前記記録媒体上に形成された画像を読み取り、前記記録媒体の色を検出する読み取り手段(例えば、原稿読込部4)であることを特徴とするものである。
【0082】
第4の態様は、第1の態様において、前記画像形成装置は、前記記録媒体を前記画像形成部に送る給紙部(例えば、給紙部7)を備えており、前記検出手段は、光学センサであって且つ前記給紙部に設けられていることを特徴とするものである。
【0083】
第5の態様は、第1の態様乃至第4の態様において、前記帯電バイアスは、前記帯電手段が有する帯電ローラに印加する電圧であり、前記帯電バイアスの変更とは、前記電圧を増減変更することであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【0084】
第6の態様は、第1の態様乃至第5の態様において、前記露光光量の変更とは、前記露光手段が前記像担持体へ照射する光の光量を増減変更することを特徴とすることであることを特徴とするものである。
【0085】
第7の態様は、第1の態様乃至第6の態様において、前記現像バイアスは、前記現像手段が有する現像ローラに印加する電圧であり、前記現像バイアスの変更とは、前記電圧を増減変更することであることを特徴とするものである。
【0086】
第8の態様は、第1の態様乃至第7の態様において、前記制御手段は、前記シアン色,前記マゼンタ色および前記イエロー色のトナーを重ね合わせて黒色の画像を形成することを特徴とするものである。
【0087】
第9の態様は、第1の態様乃至第7の態様において、前記制御手段は、前記記録媒体の色が白色またはカラーであるとき、前記シアン色,前記マゼンタ色および前記イエロー色のトナーを重ね合わせて且つ網点画像にすることで、グレー色の画像を形成することを特徴とするものである。
【0088】
第10の態様は、第8の態様において、前記制御手段は、前記記録媒体の色が白色または黒色であるときは前記シアン色,前記マゼンタ色および前記イエロー色のトナーの付着量を減らす変更を行うことを特徴とするものである。
【0089】
第11の態様は、第8の態様または9の態様において、前記制御手段は、前記記録媒体の色がカラーであるときは、前記シアン色,前記マゼンタ色および前記イエロー色のトナーの付着量を減らす変更を行い、前記減らしたトナー付着量は、前記記録媒体の色の成分に関連する前記シアン色,前記マゼンタ色または前記イエロー色のうちいずれか1つ以上の色の量をトナー付着量に換算したときの量を含めていることを特徴とするものである。
【0090】
第12の態様は、第9の態様において前記制御手段は、前記記録媒体の色が白色であるときは、前記シアン色,前記マゼンタ色および前記イエロー色のトナーの付着量を減らす変更を行うことを特徴とするものである。
【0091】
第13の態様は、第1の態様乃至第7の態様において、前記画像形成部は、特色に対応する作像手段を有していて、前記特色は、白色であることを特徴とするものである。
【0092】
第14の態様は、第13の態様において、前記制御手段は、前記記録媒体の色が黒色であるときは、白色のトナーによってグレー色の画像を形成することを特徴とするものである。
【0093】
第1の態様乃至第14の態様によれば、記録媒体の色の分を加味しつつ、トナー付着量を抑えた黒色の画像を形成することができる。そのため、定着オフセットや転写ボソつきの発生を防止し且つ画像の色味の変動の抑制をすることができる。
【符号の説明】
【0094】
1 感光体
2 帯電装置
3 原稿搬送部
4 原稿読込部
5 現像装置
6 作像ユニット
7 給紙部
8 中間転写ベルト
9 一次転写バイアスローラ
10 中間転写ユニット
11 トナー容器
12 帯電ローラ
13 露光装置
19 二次転写バイアスローラ
20 定着装置
25 排紙ローラ
26 給紙カセット
27 給紙ローラ
28 レジストローラ対
30 排紙トレイ
51 現像ローラ
100 プリンタ部
130 制御部
131 主制御部
132 記憶部
133 色変換・分解処理部
134 ガンマ補正部
135 トナー量調整部
136 階調変換部
140 画像形成制御部
500 複写機
【先行技術文献】
【特許文献】
【0095】
【特許文献1】特開2005-96339号公報
【特許文献2】特開2019-117371号公報