(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128550
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】マルチ2次荷電粒子ビーム検出装置
(51)【国際特許分類】
H01J 37/09 20060101AFI20230907BHJP
H01J 37/28 20060101ALI20230907BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20230907BHJP
G01N 23/2251 20180101ALI20230907BHJP
【FI】
H01J37/09 A
H01J37/28 B
H01L21/66 J
G01N23/2251
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032953
(22)【出願日】2022-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】504162958
【氏名又は名称】株式会社ニューフレアテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】石井 浩一
(72)【発明者】
【氏名】冨吉 力生
【テーマコード(参考)】
2G001
4M106
5C101
【Fターム(参考)】
2G001AA03
2G001BA07
2G001CA03
2G001DA08
2G001HA07
2G001HA13
4M106AA01
4M106AA09
4M106BA02
4M106CA39
4M106DB05
4M106DB16
5C101AA03
5C101EE04
5C101EE51
5C101EE70
5C101FF02
5C101GG04
5C101GG05
5C101GG37
5C101GG42
(57)【要約】
【目的】マルチ2次荷電粒子ビームがマルチ検出器に入射した際にマルチ検出器表面で発生する反射電子が隣接する検出素子に入射してしまうことを低減可能な装置を提供する。
【構成】本発明の一態様のマルチ2次荷電粒子ビーム検出装置220は、対象物へのマルチ1次荷電粒子ビームの照射に起因して放出されるマルチ2次荷電粒子ビームを通過させる複数の開口部40が形成され、マルチ2次荷電粒子ビームが通過する複数の開口部の入射面側の第1の開口径のサイズが出射面側の第2の開口径のサイズよりも小さく形成された検出器アパーチャアレイ基板228と、検出器アパーチャアレイ基板を通過したマルチ2次荷電粒子ビームを検出するマルチ検出器222と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物へのマルチ1次荷電粒子ビームの照射に起因して放出されるマルチ2次荷電粒子ビームを通過させる複数の開口部が形成され、前記マルチ2次荷電粒子ビームが通過する前記複数の開口部の入射面側の第1の開口径のサイズが出射面側の第2の開口径のサイズよりも小さく形成されたアパーチャアレイ基板と、
前記アパーチャアレイ基板を通過したマルチ2次荷電粒子ビームを検出するマルチ検出器と、
を備えたことを特徴とするマルチ2次荷電粒子ビーム検出装置。
【請求項2】
前記第2の開口径のサイズは、前記複数の開口部の配列ピッチサイズ以上であることを特徴とする請求項1記載のマルチ2次荷電粒子ビーム検出装置。
【請求項3】
前記マルチ検出器は、複数の検出素子を有し、
前記第2の開口径のサイズは、前記複数の検出素子のサイズよりも大きいことを特徴とする請求項1又は2記載のマルチ2次荷電粒子ビーム検出装置。
【請求項4】
前記複数の開口部は、前記入射面側から入射面に対して直交する第1の開口部分と前記第1の開口部分から出射面まで続く末広がり形状の第2の開口部分との組み合わせにより形成されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のマルチ2次荷電粒子ビーム検出装置。
【請求項5】
前記複数の開口部は、前記入射面側から入射面に対して直交する第1の開口部分と前記第1の開口部分から出射面への途中まで続く末広がり形状の第2の開口部分と前記第2の開口部分から出射面まで続く前記出射面に対して直交する第3の開口部分との組み合わせにより形成されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のマルチ2次荷電粒子ビーム検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチ2次荷電粒子ビーム検出装置に関し、マルチ1次電子ビームを基板に照射して、基板から放出されるマルチ2次電子ビームを検出して画像を得る手法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大規模集積回路(LSI)の高集積化及び大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅はますます狭くなってきている。そして、多大な製造コストのかかるLSIの製造にとって、歩留まりの向上は欠かせない。しかし、1ギガビット級のDRAM(ランダムアクセスメモリ)に代表されるように、LSIを構成するパターンは、サブミクロンからナノメータのオーダーになっている。近年、半導体ウェハ上に形成されるLSIパターン寸法の微細化に伴って、パターン欠陥として検出しなければならない寸法も極めて小さいものとなっている。よって、半導体ウェハ上に転写された超微細パターンの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。その他、歩留まりを低下させる大きな要因の一つとして、半導体ウェハ上に超微細パターンをフォトリソグラフィ技術で露光、転写する際に使用されるマスクのパターン欠陥があげられる。そのため、LSI製造に使用される転写用マスクの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。
【0003】
検査装置では、例えば、電子ビームを使ったマルチビームを検査対象基板に照射して、検査対象基板から放出される各ビームに対応する2次電子を検出して、パターン画像を撮像する。そして撮像された測定画像と、設計データ、あるいは基板上の同一パターンを撮像した測定画像と比較することにより検査を行う方法が知られている。例えば、同一基板上の異なる場所の同一パターンを撮像した測定画像データ同士を比較する「die to die(ダイ-ダイ)検査」や、パターン設計された設計データをベースに設計画像データ(参照画像)を生成して、それとパターンを撮像した測定データとなる測定画像とを比較する「die to database(ダイ-データベース)検査」がある。撮像された画像は測定データとして比較回路へ送られる。比較回路では、画像同士の位置合わせの後、測定データと参照データとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定する。
【0004】
マルチ2次電子ビームの検出には、複数の検出素子が配列されたマルチ検出器が用いられる。マルチ2次電子ビームを検出する際、対応する検出素子の他、各2次電子ビームの裾野部分が隣接する検出素子に入射してしまいクロストークが発生するといった問題があった。かかる問題に対して、マルチ検出器の手前に、アパーチャアレイ基板を配置することで、各2次電子ビームの裾野部分を遮蔽するといった対策が用いられる。しかしながら、アパーチャアレイ基板を通過したマルチ2次電子ビームがマルチ検出器に入射した際にマルチ検出器の各検出素子表面で発生する反射電子がアパーチャアレイ基板の裏面に衝突し、ここでも反射電子が放出される。かかるアパーチャアレイ基板の裏面で生じた反射電子が、隣接する検出素子に入射してしまうといった新たな問題が発生している。
【0005】
ここで、検出面側に向けて先細りするテーパ状のアパーチャを通過させることにより、マルチ2次電子ビームを集光させるとする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態では、マルチ2次荷電粒子ビームがマルチ検出器に入射した際にマルチ検出器表面で発生する反射電子が隣接する検出素子に入射してしまうことを低減可能な装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様のマルチ2次荷電粒子ビーム検出装置は、
対象物へのマルチ1次荷電粒子ビームの照射に起因して放出されるマルチ2次荷電粒子ビームを通過させる複数の開口部が形成され、マルチ2次荷電粒子ビームが通過する複数の開口部の入射面側の第1の開口径のサイズが出射面側の第2の開口径のサイズよりも小さく形成されたアパーチャアレイ基板と、
アパーチャアレイ基板を通過したマルチ2次荷電粒子ビームを検出するマルチ検出器と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、第2の開口径のサイズは、複数の開口部の配列ピッチサイズ以上であると好適である。
【0010】
また、マルチ検出器は、複数の検出素子を有し、
第2の開口径のサイズは、複数の検出素子のサイズよりも大きいと好適である。
【0011】
また、複数の開口部は、入射面側から入射面に対して直交する第1の開口部分と第1の開口部分から出射面まで続く末広がり形状の第2の開口部分との組み合わせにより形成されると好適である。
【0012】
或いは、複数の開口部は、入射面側から入射面に対して直交する第1の開口部分と第1の開口部分から出射面への途中まで続く末広がり形状の第2の開口部分と第2の開口部分から出射面まで続く出射面に対して直交する第3の開口部分との組み合わせにより形成されると好適である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、マルチ2次荷電粒子ビームがマルチ検出器に入射した際にマルチ検出器表面で発生する反射電子が隣接する検出素子に入射してしまうことを低減できる。よって、クロストークを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1における検査装置の構成を示す構成図である。
【
図2】実施の形態1における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。
【
図3】実施の形態1におけるマルチ2次電子ビーム検出装置の構成の一例を示す構成図である。
【
図4】実施の形態1における半導体基板に形成される複数のチップ領域の一例を示す図である。
【
図5】実施の形態1における検査処理を説明するための図である。
【
図6】実施の形態1の比較例におけるアパーチャ基板の効果を説明するための図である。
【
図7】実施の形態1の比較例におけるアパーチャ基板の他の効果を説明するための図である。
【
図8】実施の形態1の比較例における反射電子の影響の一例を示す図である。
【
図9】実施の形態1の比較例における検出器アパーチャアレイ基板の開口部の形状の一例と反射電子の進行方向の一例を示す図である。
【
図10】実施の形態1における検出器アパーチャアレイ基板の開口部の形状の一例と反射電子の進行方向の一例を示す図である。
【
図11】実施の形態1における検出器アパーチャアレイ基板の複数の開口部が配列した状態の一例の上面図である。
【
図12】実施の形態1における検出器アパーチャアレイ基板の開口部の形状の他の一例を示す断面図である。
【
図13】実施の形態1における検出器アパーチャアレイ基板の開口部の形状の他の一例を示す断面図である。
【
図14】実施の形態1における検出器アパーチャアレイ基板の開口部の形状の他の一例を示す断面図である。
【
図15】実施の形態1における検出器アパーチャアレイ基板の開口部の形状の他の一例を示す断面図である。
【
図16】実施の形態1における検出器アパーチャアレイ基板の開口部の形状と検出素子との関係の一例を示す図である。
【
図17】実施の形態1における検出器アパーチャアレイ基板の開口部の形状と検出素子との関係の他の一例を示す図である。
【
図18】実施の形態1における比較回路内の構成の一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施の形態では、マルチ2次荷電粒子ビーム検出装置の一例として、マルチ電子ビームを用いた検査装置について説明する。但し、これに限るものではない。マルチ1次電子ビームを照射して、基板から放出されるマルチ2次電子ビームを検出する装置であればよい。また、1次荷電粒子ビームの一例として、1次電子ビームを用いた場合を説明する。同様に、2次荷電粒子ビームの一例として、2次電子ビームを用いた場合を説明する。但し、これに限るものではない。例えばイオンビーム等であっても構わない。
【0016】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における検査装置の構成を示す構成図である。
図1において、基板に形成されたパターンを検査する検査装置100は、マルチ電子ビーム検査装置の一例である。検査装置100は、画像取得機構150、及び制御系回路160を備えている。画像取得機構150は、1次電子ビームカラム102(1次電子鏡筒)、2次電子ビームカラム104(2次電子鏡筒)、及び検査室103を備えている。1次電子ビームカラム102内には、電子銃201、電磁レンズ202、成形アパーチャアレイ基板203、電磁レンズ205、一括ブランキング偏向器212、制限アパーチャ基板213、電磁レンズ206、電磁レンズ207(対物レンズ)、主偏向器208、副偏向器209、E×B分離器214(ビームセパレーター)、及び偏向器218が配置されている。2次電子ビームカラム104内には、電磁レンズ224、偏向器226、及びマルチ2次荷電粒子ビーム検出装置220(検出器機構)が配置されている。
【0017】
マルチ2次荷電粒子ビーム検出装置220は、検出器アパーチャアレイ基板228、及びマルチ検出器222を有する。
【0018】
電子銃201、電磁レンズ202、成形アパーチャアレイ基板203、電磁レンズ205、一括ブランキング偏向器212、制限アパーチャ基板213、ビーム選択アパーチャ基板232、電磁レンズ206、電磁レンズ207(対物レンズ)、主偏向器208、及び副偏向器209によって1次電子光学系151(照明光学系)を構成する。また、電磁レンズ207、E×B分離器214、偏向器218、電磁レンズ224、及び偏向器226によって2次電子光学系152(検出光学系)を構成する。
【0019】
検査室103内には、少なくともXY方向に移動可能なステージ105が配置される。ステージ105上には、検査対象となる基板101(試料)が配置される。基板101には、露光用マスク基板、及びシリコンウェハ等の半導体基板が含まれる。基板101が半導体基板である場合、半導体基板には複数のチップパターン(ウェハダイ)が形成されている。基板101が露光用マスク基板である場合、露光用マスク基板には、チップパターンが形成されている。チップパターンは、複数の図形パターンによって構成される。かかる露光用マスク基板に形成されたチップパターンが半導体基板上に複数回露光転写されることで、半導体基板には複数のチップパターン(ウェハダイ)が形成されることになる。以下、基板101が半導体基板である場合を主として説明する。基板101は、例えば、パターン形成面を上側に向けてステージ105に配置される。また、ステージ105上には、検査室103の外部に配置されたレーザ測長システム122から照射されるレーザ測長用のレーザ光を反射するミラー216が配置されている。また、ステージ105上には、基板101面と同じ高さ位置に調整されるマーク111が配置される。マーク111として、例えば、十字パターンが形成される。
【0020】
また、マルチ検出器222は、2次電子ビームカラム104の外部で検出回路106に接続される。検出回路106は、チップパターンメモリ123に接続される。
【0021】
制御系回路160では、検査装置100全体を制御する制御計算機110が、バス120を介して、位置回路107、比較回路108、参照画像作成回路112、ステージ制御回路114、レンズ制御回路124、ブランキング制御回路126、偏向制御回路128、E×B制御回路133、磁気ディスク装置等の記憶装置109、メモリ118、及びプリンタ119に接続されている。また、偏向制御回路128は、DAC(デジタルアナログ変換)アンプ144,146,148,149に接続される。DACアンプ146は、主偏向器208に接続され、DACアンプ144は、副偏向器209に接続される。DACアンプ148は、偏向器218に接続される。DACアンプ149は、偏向器226に接続される。
【0022】
また、チップパターンメモリ123は、比較回路108に接続されている。また、ステージ105は、ステージ制御回路114の制御の下に駆動機構142により駆動される。駆動機構142では、例えば、ステージ座標系におけるX方向、Y方向、θ方向に駆動する3軸(X-Y-θ)モータの様な駆動系が構成され、XYθ方向にステージ105が移動可能となっている。これらの、図示しないX軸モータ、Y軸モータ、θ軸モータは、例えばステップモータを用いることができる。ステージ105は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能である。そして、ステージ105の移動位置はレーザ測長システム122により測定され、位置回路107に供給される。レーザ測長システム122は、ミラー216からの反射光を受光することによって、レーザ干渉法の原理でステージ105の位置を測長する。ステージ座標系は、例えば、マルチ1次電子ビーム20の光軸に直交する面に対して、1次座標系のX方向、Y方向、θ方向が設定される。
【0023】
電磁レンズ202、電磁レンズ205、電磁レンズ206、電磁レンズ207、及び電磁レンズ224は、レンズ制御回路124により制御される。E×B分離器214は、E×B制御回路133により制御される。また、一括偏向器212は、2極以上の電極により構成される静電型の偏向器であって、電極毎に図示しないDACアンプを介してブランキング制御回路126により制御される。副偏向器209は、4極以上の電極により構成される静電型の偏向器であって、電極毎にDACアンプ144を介して偏向制御回路128により制御される。主偏向器208は、4極以上の電極により構成される静電型の偏向器であって、電極毎にDACアンプ146を介して偏向制御回路128により制御される。偏向器218は、4極以上の電極により構成される静電型の偏向器であって、電極毎にDACアンプ148を介して偏向制御回路128により制御される。また、偏向器226は、4極以上の電極により構成される静電型の偏向器であって、電極毎にDACアンプ149を介して偏向制御回路128により制御される。
【0024】
電子銃201には、図示しない高圧電源回路が接続され、電子銃201内の図示しないフィラメント(カソード)と引出電極(アノード)間への高圧電源回路からの加速電圧の印加と共に、別の引出電極(ウェネルト)の電圧の印加と所定の温度のカソードの加熱によって、カソードから放出された電子群が加速させられ、電子ビーム200となって放出される。
【0025】
ここで、
図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
【0026】
図2は、実施の形態1における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。
図2において、成形アパーチャアレイ基板203には、2次元状の横(x方向)m
1列×縦(y方向)n
1段(m
1,n
1は2以上の整数)の穴(開口部)22がx,y方向に所定の配列ピッチで形成されている。
図2の例では、23×23の穴(開口部)22が形成されている場合を示している。各穴22は、共に同じ寸法形状の矩形で形成される。或いは、同じ外径の円形であっても構わない。これらの複数の穴22を電子ビーム200の一部がそれぞれ通過することで、マルチ1次電子ビーム20が形成されることになる。次に、2次電子画像を取得する場合における画像取得機構150の動作について説明する。1次電子光学系151は、基板101をマルチ1次電子ビーム20で照射する。具体的には、以下のように動作する。
【0027】
電子銃201(放出源)から放出された電子ビーム200は、電磁レンズ202によって屈折させられ、成形アパーチャアレイ基板203全体を照明する。成形アパーチャアレイ基板203には、
図2に示すように、複数の穴22(開口部)が形成され、電子ビーム200は、すべての複数の穴22が含まれる領域を照明する。複数の穴22の位置に照射された電子ビーム200の各一部が、かかる成形アパーチャアレイ基板203の複数の穴22をそれぞれ通過することによって、マルチ1次電子ビーム20が形成される。
【0028】
形成されたマルチ1次電子ビーム20は、電磁レンズ205、及び電磁レンズ206によってそれぞれ屈折させられ、中間像およびクロスオーバーを繰り返しながら、マルチ1次電子ビーム20の各ビームの中間像面に配置されたE×B分離器214を通過して電磁レンズ207(対物レンズ)に進む。
【0029】
マルチ1次電子ビーム20が電磁レンズ207(対物レンズ)に入射すると、電磁レンズ207は、マルチ1次電子ビーム20を基板101にフォーカスする。対物レンズ207により基板101(試料)面上に焦点が合わされ(合焦され)たマルチ1次電子ビーム20は、主偏向器208及び副偏向器209によって一括して偏向され、各ビームの基板101上のそれぞれの照射位置に照射される。なお、一括ブランキング偏向器212によって、マルチ1次電子ビーム20全体が一括して偏向された場合には、制限アパーチャ基板213の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ基板213によってマルチ1次電子ビーム20全体が遮蔽される。一方、一括ブランキング偏向器212によって偏向されなかったマルチ1次電子ビーム20は、
図1に示すように制限アパーチャ基板213の中心の穴を通過する。かかる一括ブランキング偏向器212のON/OFFによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが一括制御される。このように、制限アパーチャ基板213は、一括ブランキング偏向器212によってビームOFFの状態になるように偏向されたマルチ1次電子ビーム20を遮蔽する。そして、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ基板213を通過したビーム群により、画像取得用のマルチ1次電子ビーム20が形成される。
【0030】
基板101の所望する位置にマルチ1次電子ビーム20が照射されると、かかるマルチ1次電子ビーム20が照射されたことに起因して基板101からマルチ1次電子ビーム20の各ビームに対応する、反射電子を含む2次電子の束(マルチ2次電子ビーム300)が放出される。
【0031】
基板101から放出されたマルチ2次電子ビーム300は、電磁レンズ207を通って、E×B分離器214に進む。E×B分離器214は、コイルを用いた2極以上の複数の磁極と、2極以上の複数の電極とを有する。例えば、90°ずつ位相をずらした4極の磁極(電磁偏向コイル)と、同じく90°ずつ位相をずらした4極の電極(静電偏向電極)とを有する。そして、例えば対向する2極の磁極をN極とS極とに設定することで、かかる複数の磁極によって指向性の磁界を発生させる。同様に、例えば対向する2極の電極に符号が逆の電位Vを印加することで、かかる複数の電極によって指向性の電界を発生させる。具体的には、E×B分離器214は、マルチ1次電子ビーム20の中心ビームが進む方向(軌道中心軸)に直交する面上において電界と磁界を直交する方向に発生させる。電界は電子の進行方向に関わりなく同じ方向に力を及ぼす。これに対して、磁界はフレミング左手の法則に従って力を及ぼす。そのため電子の侵入方向によって電子に作用する力の向きを変化させることができる。E×B分離器214に上側から侵入してくるマルチ1次電子ビーム20には、電界による力と磁界による力が打ち消し合い、マルチ1次電子ビーム20は下方に直進する。これに対して、E×B分離器214に下側から侵入してくるマルチ2次電子ビーム300には、電界による力と磁界による力がどちらも同じ方向に働き、マルチ2次電子ビーム300は斜め上方に曲げられ、マルチ1次電子ビーム20の軌道上から分離する。
【0032】
斜め上方に曲げられたマルチ2次電子ビーム300は、偏向器218によって、さらに曲げられ、電磁レンズ224に進む。マルチ2次電子ビーム300は、電磁レンズ224によって、屈折させられながらマルチ2次電子ビーム検出装置220に進む。
【0033】
図3は、実施の形態1におけるマルチ2次電子ビーム検出装置の構成の一例を示す構成図である。
図3において、マルチ2次荷電粒子ビーム検出装置220は、検出器アパーチャアレイ基板228、及びマルチ検出器222を有する。マルチ検出器222は、検出素子アレイ10、検出素子アレイベース基板12、及び検出信号入出力回路14を有する。検出素子アレイ10は、検出素子アレイベース基板12上面(真空側)に配置される。検出信号入出力回路14は、検出素子アレイベース基板12の裏面側(大気側)に配置される。検出信号入出力回路14は、検出回路106に接続される。
【0034】
図3の右上に検出素子アレイ10の上面図の一例を示す。検出素子アレイ10は、所定のピッチPでアレイ状に配置される複数の検出素子60を有する。各検出素子60は、ビームの進行方向から見て例えば円形に形成され、それぞれ対応するシリコン基板から成る素子ホルダ62内に配置される。マルチ2次電子ビーム300と同数及び同配列の検出素子60が配置される。
図3の例では、一例として、3×3個の検出素子60が配置される場合を示している。
【0035】
検出器アパーチャアレイ基板228は、検出素子アレイベース基板12上面(真空側)に複数の支持ピン16を介して配置される。検出器アパーチャアレイ基板228は、検出素子アレイ10の手前の位置に検出素子アレイ10と隙間を空けて配置される。検出器アパーチャアレイ基板228には、複数の検出素子60の配列ピッチPで複数の開口部40が形成される。複数の開口部40は、例えば、円形に形成される。各開口部の中心位置は、対応する検出素子60の中心位置に合わせて形成される。検出器アパーチャアレイ基板228には、支持ピン16を介して電源19により正電位が印加される。
【0036】
検出素子アレイベース基板12は、2次電子ビームカラム104の端部のフランジ面にOリング17を挟んでボルト18で固定される。
【0037】
マルチ2次電子ビーム検出装置220内では、マルチ2次電子ビーム300は、検出器アパーチャアレイ基板228に入射する。検出器アパーチャアレイ基板228の開口部40を通過して出射されたマルチ2次電子ビーム300は、マルチ検出器222の複数の検出素子60に投影され、検出される。
【0038】
マルチ2次電子ビーム300の各ビームは、マルチ検出器222の検出面において、マルチ2次電子ビーム300の各2次電子ビームに対応する検出素子60に衝突して、電子を増幅発生させ、2次電子画像データを画素毎に生成する。マルチ検出器222にて検出された強度信号は、検出回路106に出力される。各1次電子ビームは、基板101上における自身のビームが位置するx方向のビーム間ピッチとy方向のビーム間ピッチとで囲まれるサブ照射領域内に照射され、当該サブ照射領域内を走査(スキャン動作)する。
【0039】
図4は、実施の形態1における半導体基板に形成される複数のチップ領域の一例を示す図である。
図4において、基板101が半導体基板(ウェハ)である場合、半導体基板(ウェハ)の検査領域330には、複数のチップ(ウェハダイ)332が2次元のアレイ状に形成されている。各チップ332には、露光用マスク基板に形成された1チップ分のマスクパターンが図示しない露光装置(ステッパ)によって例えば1/4に縮小されて転写されている。1チップ分のマスクパターンは、一般に、複数の図形パターンにより構成される。
【0040】
図5は、実施の形態1における検査処理を説明するための図である。
図5に示すように、各チップ332の領域は、例えばy方向に向かって所定の幅で複数のストライプ領域32に分割される。画像取得機構150によるスキャン動作は、例えば、ストライプ領域32毎に実施される。例えば、-x方向にステージ105を移動させながら、相対的にx方向にストライプ領域32のスキャン動作を進めていく。各ストライプ領域32は、長手方向に向かって複数の矩形領域33に分割される。対象となる矩形領域33へのビームの移動は、主偏向器208によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって行われる。
【0041】
図5の例では、例えば、5×5列のマルチ1次電子ビーム20の場合を示している。1回のマルチ1次電子ビーム20の照射で照射可能な照射領域34は、(基板101面上におけるマルチ1次電子ビーム20のx方向のビーム間ピッチにx方向のビーム数を乗じたx方向サイズ)×(基板101面上におけるマルチ1次電子ビーム20のy方向のビーム間ピッチにy方向のビーム数を乗じたy方向サイズ)で定義される。照射領域34が、マルチ1次電子ビーム20の視野となる。そして、マルチ1次電子ビーム20を構成する各1次電子ビーム8は、自身のビームが位置するx方向のビーム間ピッチとy方向のビーム間ピッチとで囲まれるサブ照射領域29内に照射され、当該サブ照射領域29内を走査(スキャン動作)する。各1次電子ビーム8は、互いに異なるいずれかのサブ照射領域29を担当することになる。そして、各ショット時に、各サブ照射領域29内の同じ位置は、担当する1次電子ビーム8で照射されることになる。サブ照射領域29内の1次電子ビーム8の移動は、副偏向器209によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって行われる。かかる動作を繰り返し、1つの1次電子ビーム8で1つのサブ照射領域29内を順に照射していく。
【0042】
各ストライプ領域32の幅は、照射領域34のy方向サイズと同様、或いはスキャンマージン分狭くしたサイズに設定すると好適である。
図5の例では、照射領域34が矩形領域33と同じサイズの場合を示している。但し、これに限るものではない。照射領域34が矩形領域33よりも小さくても良い。或いは大きくても構わない。そして、マルチ1次電子ビーム20を構成する各1次電子ビーム8は、自身のビームが位置するサブ照射領域29内に照射され、副偏向器209によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって当該サブ照射領域29内を走査(スキャン動作)する。そして、1つのサブ照射領域29のスキャンが終了したら、主偏向器208によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって照射位置が同じストライプ領域32内の隣接する矩形領域33へと移動する。かかる動作を繰り返し、ストライプ領域32内を順に照射していく。1つのストライプ領域32のスキャンが終了したら、ステージ105の移動或いは/及び主偏向器208によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって照射領域34が次のストライプ領域32へと移動する。以上のように各1次電子ビーム8の照射によってサブ照射領域29毎のスキャン動作および2次電子画像の取得が行われる。これらのサブ照射領域29毎の2次電子画像を組み合わせることで、矩形領域33の2次電子画像、ストライプ領域32の2次電子画像、或いはチップ332の2次電子画像が構成される。また、実際に画像比較を行う場合には、各矩形領域33内のサブ照射領域29をさらに複数のフレーム領域30に分割して、フレーム領域30毎のフレーム画像31について比較することになる。
図5の例では、1つの1次電子ビーム8によってスキャンされるサブ照射領域29を例えばx,y方向にそれぞれ2分割することによって形成される4つのフレーム領域30に分割する場合を示している。
【0043】
以上のように、画像取得機構150は、ストライプ領域32毎に、スキャン動作をすすめていく。上述したように、マルチ1次電子ビーム20を照射して、マルチ1次電子ビーム20の照射に起因して基板101から放出されるマルチ2次電子ビーム300は、マルチ検出器222で検出される。検出されるマルチ2次電子ビーム300には、反射電子が含まれていても構わない。或いは、反射電子は、2次電子光学系152を移動中に分離され、マルチ検出器222まで到達しない場合であっても構わない。マルチ検出器222によって検出された各サブ照射領域29内の画素毎の2次電子の検出データ(測定画像データ:2次電子画像データ:被検査画像データ)は、測定順に検出回路106に出力される。検出回路106内では、図示しないA/D変換器によって、アナログの検出データがデジタルデータに変換され、チップパターンメモリ123に格納される。そして、得られた測定画像データは、位置回路107からの各位置を示す情報と共に、比較回路108に転送される。
【0044】
図6は、実施の形態1の比較例におけるアパーチャ基板の効果を説明するための図である。
図6の例では、隣接する3つの検出素子(PD1~3)にそれぞれ電子ビームが入射する場合を示している。上述したように、従来、マルチ2次電子ビームを検出する際、対応する検出素子の他、
図6に示すような強度分布を持つ各2次電子ビームの裾野部分が隣接する検出素子に入射してしまいクロストークが発生するといった問題があった。かかる問題に対して、
図6に示すように、3つの検出素子(PD1~3)の手前に、アパーチャアレイ基板を配置することで、各2次電子ビームの裾野部分を遮蔽するといった対策が用いられる。しかしながら、これにより以下の問題が生じる。
【0045】
図7は、実施の形態1の比較例におけるアパーチャ基板の他の効果を説明するための図である。
図7の例では、隣接する3つの検出素子(PD1~3)の中心の検出素子(PD2)に電子ビームが入射する場合を示している。アパーチャアレイ基板を通過した2次電子ビームが検出素子(PD2)に入射した際に検出素子(PD2)表面で発生する反射電子がアパーチャアレイ基板の裏面に衝突し、さらに反射電子を放出する。アパーチャアレイ基板の裏面で生じた反射電子が、隣接する検出素子(PD1,3)に入射してしまうといった新たな問題が発生している。
【0046】
図8は、実施の形態1の比較例における反射電子の影響の一例を示す図である。
図8では、3×3個の検出素子の中心の検出素子に電子ビームが入射した場合における中心の検出素子表面で反射した反射電子が周辺の8つの検出素子に入射する量のシミュレーション結果の一例を示す。
図8の例では、反射電子はコサイン(COS)分布の完全散乱を生じるものとして計算している。また、入射する電子ビーム量から、中心反射成分、その他の角度への反射成分、反射成分がアパーチャアレイ基板に衝突して同じ角度で反射する中心反射成分、及びその他の角度で反射する反射成分を逐次計算した。
図8の例では、シミュレーションの結果、2次電子ビーム座標系のx,y方向に隣接する検出素子には、入射する電子ビーム量の0.13%~0.15%の反射電子が入射している。また、x軸に対して45°の整数倍の斜め方向に隣接する検出素子には、入射する電子ビーム量の0.07%~0.09%の反射電子が入射している。かかる結果では、1つの中心検出素子における周辺8ビームによるクロストークは、入射する電子ビーム量の0.85%に達することになる。かかる値は検査精度において無視できないレベルになっている。
【0047】
そこで、実施の形態1では、かかる検出素子表面で反射した反射電子がアパーチャアレイ基板の裏面に衝突しにくい構造にする。さらに、反射電子がアパーチャアレイ基板の裏面に衝突する場合でもアパーチャアレイ基板から発生する反射電子を当該検出素子に戻す方向に発生しやすい構造にする。以下に具体的に説明する。
【0048】
上述したように、検出器アパーチャアレイ基板228には、基板101(対象物の一例)へのマルチ1次電子ビーム20の照射に起因して放出されるマルチ2次電子ビーム300を通過させる複数の開口部40が形成される。ここで、実施の形態1では、
図3に示したように、検出器アパーチャアレイ基板228に形成される複数の開口部40について、マルチ2次電子ビーム300が通過する複数の開口部40の入射面側の開口径(第1の開口径)のサイズが出射面側(マルチ検出器222側)の開口径(第2の開口径)のサイズよりも小さくなるように複数の開口部40を形成する。言い換えれば、複数の開口部40は、逆テーパ状(末広がり形状)に形成される。そして、検出器アパーチャアレイ基板228を通過したマルチ2次電子ビーム300をマルチ検出器222で検出する。
【0049】
図9は、実施の形態1の比較例における検出器アパーチャアレイ基板の開口部の形状の一例と反射電子の進行方向の一例を示す図である。
図9に示す比較例では、それぞれ素子ホルダ62(62a,62b,62c)内に配置された隣接する3つの検出素子60a,60b,60cと、隣接する3つの検出素子60a,60b,60c上の検出器アパーチャアレイ基板428の一部である3つの開口部41a,41b,41cを示している。比較例では、検出器アパーチャアレイ基板428に形成される複数の開口部41を2次電子ビームの中心軸方向に平行な壁面で形成する。すなわち、入射面側の開口径と出射面側の開口径が同寸法になるように各開口部41が形成される。開口部41の開口径は、検出素子60の径寸法より小さく形成される。
図9の例では、3つの検出素子60a,60b,60cの中心の検出素子60bに2次電子ビームを入射する場合を示している。入射する2次電子ビームは、
図9の上部に示す強度分布を有する。
図9では、入射する2次電子ビームのうち開口部41bの右端付近を通過する強度分布の2次電子ビームについて示している。かかる2次電子ビームが検出素子60bに垂直に入射すると、検出素子60b表面からは、検出素子60b表面上の全方位に反射電子が放出される。
図9において、右斜め上方に向けて放出された複数の反射電子は、放出角度に応じて、開口部41bと開口部41cとの間の検出器アパーチャアレイ基板428の裏面に衝突する反射電子と開口部41c内に侵入する反射電子と開口部41cよりもさらに右側に進む反射電子とが存在する。
図9の例では、開口部41cよりもさらに右側に進む反射電子については図示を省略している。開口部41bと開口部41cとの間の検出器アパーチャアレイ基板428の裏面部分の面積が大きいほど、検出素子60cに入射してしまう反射電子が多くなる。
図9において、左斜め上方に向けて放出された複数の反射電子は、多くが開口部41bを抜けてしまう。一部が開口部41bと開口部41aとの間の検出器アパーチャアレイ基板428の裏面部分に衝突し、検出素子60aに入射する反射電子を発生する。
【0050】
図10は、実施の形態1における検出器アパーチャアレイ基板の開口部の形状の一例と反射電子の進行方向の一例を示す図である。
図10では、それぞれ素子ホルダ62(62a,62b,62c)内に配置された隣接する3つの検出素子60a,60b,60cと、隣接する3つの検出素子60a,60b,60c上の検出器アパーチャアレイ基板228の一部である3つの開口部40a,40b,40cを示している。
図10の例では、3つの検出素子60a,60b,60cの中心の検出素子60bに2次電子ビーム(実線)を入射する場合を示している。入射する2次電子ビームは、
図10の上部に示す強度分布を有する。
図10では、入射する2次電子ビームのうち開口部40bの右端付近を通過する強度分布の2次電子ビームについて示している。
【0051】
実施の形態1では、検出器アパーチャアレイ基板228に形成される複数の開口部40が末広がり形状(逆テーパ形状)で形成される。すなわち、入射面側の開口径が出射面側の開口径よりも小さくなるように各開口部40が形成される。言い換えれば、出射面側の開口径が入射面側の開口径よりも大きくなるように各開口部40が形成される。開口部40の開口径は、検出素子60の径寸法より小さく形成される。
図10の例では、出射面側の開口径がアレイ状の複数の開口部40の配列ピッチで形成される場合を示している。かかる形状により、開口部40bと開口部40cとの間の検出器アパーチャアレイ基板228の裏面部分の面積を大幅に小さくできる。これにより、右斜め上方に向けて反射電子(点線)が放出される場合でも、開口部40bと開口部40cとの間の検出器アパーチャアレイ基板228の裏面部分に衝突する反射電子の量を大幅に低減できる。その結果、検出器アパーチャアレイ基板228の裏面から検出素子60cに入射してしまう反射電子の量を大幅に低減できる。
【0052】
さらに、反射電子が開口部40c内に侵入する場合でも、多くが開口部40cを抜けてしまうようにできる。残りの一部が開口部40cのテーパ状の壁面に衝突するものの、これにより検出素子60cに入射する反射電子の量は少なくて済む。
【0053】
さらに、左斜め上方に向けて反射電子(点線)が放出される場合、開口部40bのテーパ状の壁面に衝突する反射電子の量を増やすことができる。開口部40bは2次電子ビームの入射面(上流)側ほど開口径が小さいので、開口部40bのテーパ状の壁面から発生する反射電子は、壁面よりも開口部40bの内側に向けて放出される。よって、開口部40bの壁面から発生する反射電子の多くを当該検出素子60bに入射させることができる。言い換えれば、放出した反射電子の多くを当該検出素子60bに戻すことができる。
【0054】
図11は、実施の形態1における検出器アパーチャアレイ基板の複数の開口部が配列した状態の一例の上面図である。検出器アパーチャアレイ基板228の複数の開口部40の2次電子ビームの入射面(上流)側の開口径D1を実線で示す。2次電子ビームの出射側の開口径D2を点線で示す。実施の形態1において、出射側の開口径D2(第2の開口径)のサイズは、複数の開口部40の配列ピッチPのサイズ以上であると好適である。これにより、隣接する開口部間の検出器アパーチャアレイ基板228の裏面部分の面積をより小さくできる。
図11では、開口径D2が開口部40の配列ピッチPよりも若干大きい場合を示している。但し、開口部の形状は、これに限るものではない。
【0055】
図12は、実施の形態1における検出器アパーチャアレイ基板の開口部の形状の他の一例を示す断面図である。
図12の例では、検出器アパーチャアレイ基板228の複数の開口部40の2次電子ビームの入射面(上流)側の開口径D1が出射側の開口径D2(第2の開口径)よりも小さい点は同様である。
図12の例では、出射側の開口径D2が複数の開口部40の配列ピッチPのサイズよりも小さい場合を示している。よって、かかる場合、隣接する開口部40の中心同士を結ぶ線上に検出器アパーチャアレイ基板228の裏面部分が残る。このような形状であっても、開口部が円筒状、すなわち、壁面が2次電子ビームの中心軸方向に対して平行な形状の場合よりも検出器アパーチャアレイ基板228の裏面部分の面積を小さくできる。その結果、検出器アパーチャアレイ基板228の裏面から隣接する検出素子に入射してしまう反射電子の量を低減できる。さらに、反射電子が隣接する開口部40内に侵入する場合でも、多くが隣接する開口部40を抜けてしまうようにできる。残りの一部が隣接する開口部40のテーパ状の壁面に衝突するものの、これにより隣接する検出素子に入射する反射電子の量は少なくて済む。
【0056】
図13は、実施の形態1における検出器アパーチャアレイ基板の開口部の形状の他の一例を示す断面図である。
図13の例では、検出器アパーチャアレイ基板228の複数の開口部40の2次電子ビームの入射面(上流)側の開口径D1が出射側の開口径D2(第2の開口径)よりも小さい点は同様である。
図13の例では、複数の開口部40は、入射面側から入射面に対して直交する開口部分47(第1の開口部分)と開口部分47から出射面まで続く末広がり形状の開口部分48(第2の開口部分)との組み合わせにより形成される。言い換えれば、入射面(上流)側に壁面が2次電子ビームの中心軸方向に対して平行な部分を有する場合を示している。また、開口部40の出射側の開口径D2が複数の開口部40の配列ピッチPのサイズ以上であっても良いし、以下であっても良い。
図13の例では、出射側の開口径D2が複数の開口部40の配列ピッチPのサイズよりも若干小さい場合を示している。このような形状であっても、開口部が円筒状、すなわち、壁面が2次電子ビームの中心軸方向に対して平行な形状の場合よりも検出器アパーチャアレイ基板228の裏面部分の面積を小さくできる。その結果、検出器アパーチャアレイ基板228の裏面から隣接する検出素子に入射してしまう反射電子の量を低減できる。さらに、反射電子が隣接する開口部40内に侵入する場合でも、多くが隣接する開口部40を抜けてしまうようにできる。残りの一部が隣接する開口部40のテーパ状の壁面に衝突するものの、これにより隣接する検出素子に入射する反射電子の量は少なくて済む。
図13のように入射面(上流)側に壁面が2次電子ビームの中心軸方向に対して平行な部分を有するように製造すると、入射面の開口ピッチを精度良く形成することができる利点がある。
【0057】
図14は、実施の形態1における検出器アパーチャアレイ基板の開口部の形状の他の一例を示す断面図である。
図14の例では、検出器アパーチャアレイ基板228の複数の開口部40の2次電子ビームの入射面(上流)側の開口径D1が出射側の開口径D2(第2の開口径)よりも小さい点は同様である。
図14の例では、複数の開口部40は、入射面側から入射面に対して直交する開口部分47(第1の開口部分)と開口部分47から出射面への途中まで続く末広がり形状の開口部分48(第2の開口部分)と開口部分48から出射面まで続く出射面に対して直交する開口部分49(第3の開口部分)との組み合わせにより形成される。言い換えれば、入射面(上流)側に壁面が2次電子ビームの中心軸方向に対して平行な部分を有すると共に、出射面(下流)側に壁面が2次電子ビームの中心軸方向に対して平行な部分を有する場合を示している。また、開口部40の出射側の開口径D2が複数の開口部40の配列ピッチPのサイズよりも小さい場合を示している。このような形状であっても、開口部が円筒状、すなわち、壁面が2次電子ビームの中心軸方向に対して平行な形状の場合よりも検出器アパーチャアレイ基板228の裏面部分の面積を小さくできる。その結果、検出器アパーチャアレイ基板228の裏面から隣接する検出素子に入射してしまう反射電子の量を低減できる。さらに、反射電子が隣接する開口部40内に侵入する場合でも、多くが隣接する開口部40を抜けてしまうようにできる。残りの一部が隣接する開口部40のテーパ状の壁面に衝突するものの、これにより隣接する検出素子に入射する反射電子の量は少なくて済む。
図14のように入射面(上流)側に壁面が2次電子ビームの中心軸方向に対して平行な部分を有すると共に、出射面(下流)側に壁面が2次電子ビームの中心軸方向に対して平行な部分を有するように製造すると、入射面の開口ピッチ及び出射面の開口ピッチを精度良く形成することができる利点がある。
【0058】
図15は、実施の形態1における検出器アパーチャアレイ基板の開口部の形状の他の一例を示す断面図である。
図15の例では、検出器アパーチャアレイ基板228の複数の開口部40の2次電子ビームの入射面(上流)側の開口径D1が出射側の開口径D2(第2の開口径)よりも小さい点は同様である。
図15の例では、複数の開口部40は、入射面側から出射面への途中まで続く末広がり形状の開口部分48(第2の開口部分)と開口部分48から出射面まで続く出射面に対して直交する開口部分49(第3の開口部分)との組み合わせにより形成される。言い換えれば、出射面(下流)側に壁面が2次電子ビームの中心軸方向に対して平行な部分を有する場合を示している。また、開口部40の出射側の開口径D2が複数の開口部40の配列ピッチPのサイズよりも小さい場合を示している。このような形状であっても、開口部が円筒状、すなわち、壁面が2次電子ビームの中心軸方向に対して平行な形状の場合よりも検出器アパーチャアレイ基板228の裏面部分の面積を小さくできる。その結果、検出器アパーチャアレイ基板228の裏面から隣接する検出素子に入射してしまう反射電子の量を低減できる。さらに、反射電子が隣接する開口部40内に侵入する場合でも、多くが隣接する開口部40を抜けてしまうようにできる。残りの一部が隣接する開口部40のテーパ状の壁面に衝突するものの、これにより隣接する検出素子に入射する反射電子の量は少なくて済む。
図15のように、出射面(下流)側に壁面が2次電子ビームの中心軸方向に対して平行な部分を有するように製造すると、出射面の開口ピッチを精度良く形成することができる利点がある。
【0059】
図16は、実施の形態1における検出器アパーチャアレイ基板の開口部の形状と検出素子との関係の一例を示す図である。
図16の例では、複数の開口部40の2次電子ビームの出射側の開口径D2が複数の検出素子(PD)のサイズよりも小さい場合を示している。
【0060】
図17は、実施の形態1における検出器アパーチャアレイ基板の開口部の形状と検出素子との関係の他の一例を示す図である。
図17の例では、複数の開口部40の2次電子ビームの出射側の開口径D2が複数の検出素子(PD)のサイズよりも大きい場合を示している。
【0061】
実施の形態1において、検出器アパーチャアレイ基板228の複数の開口部40の2次電子ビームの出射側の開口径D2は、
図16に示すように複数の検出素子のサイズよりも小さい場合であっても構わないが、
図17に示すように、複数の検出素子のサイズよりも大きい場合にはより好適である。検出器アパーチャアレイ基板228の複数の開口部40の出射側の開口径D2を広くするほど、クロストークを抑制することが可能である。特に、検出素子(PD)有効エリアより広くすると、ビームが入射した検出素子(PD)から発生した反射電子のうち、検出器アパーチャアレイ基板228の複数の開口部40の斜面部分に照射する成分が増加し、当該検出素子(PD)に再入射する。このため、当該検出素子(PD)の信号成分が増加し、結果的にクロストーク比率を抑制する効果が得られる。
【0062】
図18は、実施の形態1における比較回路内の構成の一例を示す構成図である。
図18において、比較回路108内には、磁気ディスク装置等の記憶装置50,52,56、フレーム画像作成部54、位置合わせ部57、及び比較部58が配置される。フレーム画像作成部54、位置合わせ部57、及び比較部58といった各「~部」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「~部」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。フレーム画像作成部54、位置合わせ部57、及び比較部58内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度図示しないメモリ、或いはメモリ118に記憶される。
【0063】
比較回路108内に転送された測定画像データ(ビーム画像)は、記憶装置50に格納される。
【0064】
そして、フレーム画像作成部54は、各1次電子ビーム8のスキャン動作によって取得されたサブ照射領域29の画像データをさらに分割した複数のフレーム領域30のフレーム領域30毎のフレーム画像31を作成する。そして、フレーム領域30を被検査画像の単位領域として使用する。なお、各フレーム領域30は、画像の抜けが無いように、互いにマージン領域が重なり合うように構成されると好適である。作成されたフレーム画像31は、記憶装置56に格納される。
【0065】
参照画像作成工程として、参照画像作成回路112は、基板101に形成された複数の図形パターンの元になる設計データに基づいて、フレーム領域30毎に、フレーム画像31に対応する参照画像を作成する。具体的には、以下のように動作する。まず、記憶装置109から制御計算機110を通して設計パターンデータを読み出し、この読み出された設計パターンデータに定義された各図形パターンを2値ないしは多値のイメージデータに変換する。
【0066】
上述したように、設計パターンデータに定義される図形は、例えば長方形や三角形を基本図形としたもので、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報で各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納されている。
【0067】
かかる図形データとなる設計パターンデータが参照画像作成回路112に入力されると図形ごとのデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして2値ないしは多値の設計パターン画像データに展開し、出力する。言い換えれば、設計データを読み込み、検査領域を所定の寸法を単位とするマス目として仮想分割してできたマス目毎に設計パターンにおける図形が占める占有率を演算し、nビットの占有率データを出力する。例えば、1つのマス目を1画素として設定すると好適である。そして、1画素に1/28(=1/256)の分解能を持たせるとすると、画素内に配置されている図形の領域分だけ1/256の小領域を割り付けて画素内の占有率を演算する。そして、8ビットの占有率データとなる。かかるマス目(検査画素)は、測定データの画素に合わせればよい。
【0068】
次に、参照画像作成回路112は、図形のイメージデータである設計パターンの設計画像データに、所定のフィルタ関数を使ってフィルタ処理を施す。これにより、画像強度(濃淡値)がデジタル値の設計側のイメージデータである設計画像データをマルチ1次電子ビーム20の照射によって得られる像生成特性に合わせることができる。作成された参照画像の画素毎の画像データは比較回路108に出力される。比較回路108内に転送された参照画像データは、記憶装置52に格納される。
【0069】
比較工程として、まず、位置合わせ部57は、被検査画像となるフレーム画像31と、当該フレーム画像31に対応する参照画像とを読み出し、画素より小さいサブ画素単位で、両画像を位置合わせする。例えば、最小2乗法で位置合わせを行えばよい。
【0070】
そして、比較部58は、取得された2次電子画像の少なくとも一部と所定の画像とを比較する。ここでは、ビーム毎に取得されたサブ照射領域29の画像をさらに分割したフレーム画像を用いる。そこで、比較部58は、フレーム画像31と参照画像とを画素毎に比較する。比較部58は、所定の判定条件に従って画素毎に両者を比較し、例えば形状欠陥といった欠陥の有無を判定する。例えば、画素毎の階調値差が判定閾値Thよりも大きければ欠陥と判定する。そして、比較結果が出力される。比較結果は、記憶装置109、若しくはメモリ118に出力される、或いはプリンタ119より出力されればよい。
【0071】
なお、上述した例では、ダイ-データベース検査について説明したが、これに限るものではない。ダイ-ダイ検査を行う場合であっても良い。ダイ-ダイ検査を行う場合、対象となるフレーム画像31(ダイ1)と、当該フレーム画像31と同じパターンが形成されたフレーム画像31(ダイ2)(参照画像の他の一例)との間で、上述した位置合わせと比較処理を行えばよい。
【0072】
上述した例では、逆テーパ形状の開口部40が形成された実施の形態1の比較例として開口サイズが変化しないの開口部が形成された検出器アパーチャアレイ基板428を説明した。入射側の開口径D1が出射側の開口径D2よりも大きい順テーパ形状(先細り形状)の開口部が形成された検出器アパーチャアレイ基板については、検出器アパーチャアレイ基板428に比べてさらに多くの反射電子が隣接する検出素子に入射してしまうため望ましくないことは言うまでもない。
【0073】
以上のように、実施の形態1によれば、マルチ2次荷電粒子ビームがマルチ検出器に入射した際にマルチ検出器表面で発生する反射電子が隣接する検出素子に入射してしまうことを低減できる。よって、クロストークを低減できる。
【0074】
以上の説明において、一連の「~回路」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「~回路」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。プロセッサ等を実行させるプログラムは、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FD、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録されればよい。例えば、位置回路107、比較回路108、参照画像作成回路112、ステージ制御回路114、レンズ制御回路124、ブランキング制御回路126、偏向制御回路128、及びE×B制御回路133は、上述した少なくとも1つの処理回路で構成されても良い。例えば、これらの回路内での処理を制御計算機110で実施しても良い。
【0075】
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
図1の例では、1つの照射源となる電子銃201から照射された1本のビームから成形アパーチャアレイ基板203によりマルチ1次電子ビーム20を形成する場合を示しているが、これに限るものではない。複数の照射源からそれぞれ1次電子ビームを照射することによってマルチ1次電子ビーム20を形成する態様であっても構わない。
【0076】
また、上述した例では、検出素子アレイベース基板12は、2次電子ビームカラム104の端部のフランジ面にOリング17を挟んでボルト18で固定される場合を示したが、これに限るものではない。例えば、2次電子ビームカラム104と検出素子アレイベース基板12との間に、2次電子ビーム検出装置220を2次ビーム座標系においてx,y方向に平行移動或いは/及びθ方向に回転移動させる検出器ステージを配置しても好適である。
【0077】
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。
【0078】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのマルチ2次荷電粒子ビーム検出装置及びマルチ荷電粒子ビーム検査装置は、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0079】
8 1次電子ビーム
10 検出素子アレイ
12 検出素子アレイベース基板
14 検出信号入出力回路
16 支持ピン
17 Oリング
18 ボルト
19 電源
20 マルチ1次電子ビーム
22 穴
29 サブ照射領域
30 フレーム領域
31 フレーム画像
32 ストライプ領域
33 矩形領域
34 照射領域
40,41 開口部
47,48,49 開口部分
50,52,56 記憶装置
54 フレーム画像作成部
57 位置合わせ部
58 比較部
60 検出素子
62 素子ホルダ
100 検査装置
101 基板
102 1次電子ビームカラム
104 2次電子ビームカラム
103 検査室
105 ステージ
106 検出回路
107 位置回路
108 比較回路
109 記憶装置
110 制御計算機
111 マーク
112 参照画像作成回路
114 ステージ制御回路
117 モニタ
118 メモリ
119 プリンタ
120 バス
122 レーザ測長システム
123 チップパターンメモリ
124 レンズ制御回路
126 ブランキング制御回路
128 偏向制御回路
133 E×B制御回路
142 駆動機構
144,146,148,149 DACアンプ
150 画像取得機構
151 1次電子光学系
152 2次電子光学系
160 制御系回路
201 電子銃
202 電磁レンズ
203 成形アパーチャアレイ基板
205,206,207,224 電磁レンズ
208 主偏向器
209 副偏向器
212 一括ブランキング偏向器
213 制限アパーチャ基板
214 E×B分離器
216 ミラー
218 偏向器
220 マルチ2次荷電粒子ビーム検出装置
222 マルチ検出器
226 偏向器
228,428 検出器アパーチャアレイ基板
300 マルチ2次電子ビーム
330 検査領域
332 チップ