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特開2023-128757プロセッサシステム、加工経路生成方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128757
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】プロセッサシステム、加工経路生成方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/4097 20060101AFI20230907BHJP
   G05B 19/4093 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
G05B19/4097 C
G05B19/4093 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033333
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】株式会社プロテリアル
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】海保 航平
(72)【発明者】
【氏名】河野 一平
(72)【発明者】
【氏名】藤原 茂吉
(72)【発明者】
【氏名】池田 武史
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 信幸
【テーマコード(参考)】
3C269
【Fターム(参考)】
3C269AB02
3C269AB31
3C269BB03
3C269EF39
3C269EF59
3C269EF70
3C269KK08
(57)【要約】
【課題】素材の切削加工前の誤差に起因する加工精度の悪化、又は切削工具の早期摩耗を低減する。
【解決手段】
(1)素材の三次元形状を取得し、(2)前記素材の三次元形状から、前記素材の凹凸情報を算出し、(3)前記素材の三次元形状から、素材輪郭線を生成し、(4)前記凹凸情報に基づいて、前記素材輪郭線を素材内側に移動し、(5)移動後の素材輪郭線に基づいて、前記素材の表面を切削する加工経路を生成する、方法及びシステム。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のプロセッサと、
加工経路生成プログラムを格納した1以上の記憶資源と、
を有する、プロセッサシステムであって、
前記加工経路生成プログラムを実行することで、前記プロセッサは:
(1)素材の三次元形状を取得し、
(2)前記素材の三次元形状から、前記素材の凹凸情報を算出し、
(3)前記素材の三次元形状から、素材輪郭線を生成し、
(4)前記凹凸情報に基づいて、前記素材輪郭線を素材内側に移動し、
(5)移動後の素材輪郭線に基づいて、前記素材の表面を切削する加工経路を生成する、
ことを特徴としたシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムであって、
(3)の前記素材輪郭線の生成は、前記素材の三次元形状を、円筒座標系の動径距離ρと高さczで形成される二次元形状に次元削減すること
を少なくとも含むシステム。
【請求項3】
請求項2記載のシステムであって、
(2)の凹凸情報の生成は、所定の高さczについて、動径距離ρの最大値と最小値を特定し、差分を計算すること、
を少なくとも含むシステム。
【請求項4】
請求項3記載のシステムであって、
前記システムはさらに、ユーザインターフェース又はネットワークインターフェースを有し、
前記プロセッサは:
(6)前記ユーザインターフェース又は前記ネットワークインターフェースを介して、目標仕上げ代厚さを受信し、
(7)前記素材の切削加工後の目標輪郭を示す切削目標輪郭線を取得し、
(8)前記切削目標輪郭線と、前記目標仕上げ代厚さと、に基づいて、仕上げ代領域を認識し、
(9)前記仕上げ代領域に含まれる、(4)で移動後の前記素材輪郭線又はその一部を、前記仕上げ代領域の外に再移動する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項4記載のシステムであって、
前記プロセッサは:
(10)前記ユーザインターフェース又は前記ネットワークインターフェースを介して、想定黒皮厚さを受信し、
(11)前記素材の三次元形状と、前記想定黒皮厚さと、に基づいて、黒皮層を認識し、
(12)前記黒皮層に含まれる、(4)又は(9)で移動後の前記素材輪郭線又はその一部を、前記黒皮層の外に再移動する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のシステムであって、
前記システムは、工作機械をさらに有する、
システム。
【請求項7】
プロセッサシステムが有するプロセッサにより、
(1)素材の三次元形状を取得し、
(2)前記素材の三次元形状から、前記素材の凹凸情報を算出し、
(3)前記素材の三次元形状から、素材輪郭線を生成し、
(4)前記凹凸情報に基づいて、前記素材輪郭線を素材内側に移動し、
(5)移動後の素材輪郭線に基づいて、前記素材の表面を切削する加工経路を生成する、
ことを特徴とした加工経路生成方法。
【請求項8】
請求項7記載の加工経路生成方法であって、
(3)の前記素材輪郭線の生成は、前記素材の三次元形状を、円筒座標系の動径距離ρと高さczで形成される二次元形状に次元削減すること
を少なくとも含む加工経路生成方法。
【請求項9】
請求項8記載の加工経路生成方法であって、
(2)の凹凸情報の生成は、所定の高さczについて、動径距離ρの最大値と最小値を特定し、差分を計算すること、
を少なくとも含む加工経路生成方法。
【請求項10】
請求項9記載の加工経路生成方法であって、
前記プロセッサシステムはさらに、ユーザインターフェース又はネットワークインターフェースを有し、
前記プロセッサは:
(6)前記ユーザインターフェース又は前記ネットワークインターフェースを介して、目標仕上げ代厚さを受信し、
(7)前記素材の切削加工後の目標輪郭を示す切削目標輪郭線を取得し、
(8)前記切削目標輪郭線と、前記目標仕上げ代厚さと、に基づいて、仕上げ代領域を認識し、
(9)前記仕上げ代領域に含まれる、(4)で移動後の前記素材輪郭線又はその一部を、前記仕上げ代領域の外に再移動する、
ことを特徴とする加工経路生成方法。
【請求項11】
請求項10記載の加工経路生成方法であって、
前記プロセッサは:
(10)前記ユーザインターフェース又は前記ネットワークインターフェースを介して、想定黒皮厚さを受信し、
(11)前記素材の三次元形状と、前記想定黒皮厚さと、に基づいて、黒皮層を認識し、
(12)前記黒皮層に含まれる、(4)又は(9)で移動後の前記素材輪郭線又はその一部を、前記黒皮層の外に再移動する、
ことを特徴とする加工経路生成方法。
【請求項12】
請求項8乃至11のいずれかに記載の加工経路生成方法であって、
前記プロセッサシステムは、工作機械と接続する、
加工経路生成方法。
【請求項13】
請求項7乃至12のいずれかに記載の方法を前記プロセッサシステムに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素材に対する加工、その中でも特に切削加工技術に関する。なお、素材は、加工に対する対象物であり、ワーク、被削材、素材などその名称は問わない。
【背景技術】
【0002】
近年、NCプログラム(本明細書ではNCデータと呼ぶことがある。)をNC対応の旋盤に入力することによって、素材に対して切削加工を行う。各種製品の製造工程においては、塑性加工や鋳造などにより製造された素材の表面を、この切削加工により除去することが一例である。前述の通り切削加工を施す前の素材は、典型的には除去加工以外の加工(鋳造、鍛造、肉盛り加工等)で形状加工される。
【0003】
しかし、除去加工以外の加工は、除去加工と比較すると加工精度が悪いため、素材の実形状や実寸法が、想定形状や寸法と差が生じることがある。特許文献1では、こうした切削加工前の被加工材の形状誤差によって、所望の切削後の形状が得られない場合を早期に把握することを目的とした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-108428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、素材の切削加工前の誤差に起因する加工精度の悪化、又は切削工具の早期摩耗は解消できない。本発明は、素材の切削加工前の誤差に起因する加工精度の悪化、又は切削工具の早期摩耗を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための本発明の構成は、1以上のプロセッサと、加工経路生成プログラムを格納した1以上の記憶資源と、を有する、プロセッサシステムであって、
前記加工経路生成プログラムを実行することで、前記プロセッサは:
(1)素材の三次元形状を取得し、
(2)前記素材の三次元形状から、前記素材の凹凸情報を算出し、
(3)前記素材の三次元形状から、素材輪郭線を生成し、
(4)前記凹凸情報に基づいて、前記素材輪郭線を素材内側に移動し、
(5)移動後の素材輪郭線に基づいて、前記素材の表面を切削する加工経路を生成するシステムである。また、本発明には、当該システムを用いた加工経路生成方法やこれを実行させるプログラムも本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、素材の切削加工前の誤差に起因する加工精度の悪化、又は切削工具の早期摩耗を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】加工システムの全体構成図である。
図2】加工システムにおける別な三次元形状の測定機器の構成を説明する図である。
図3】NCデータ生成処理を示すフローチャートである。
図4】NCデータ生成処理で生成されたNCデータの特徴を示す図である。
図5】NCデータ生成処理で生成されたNCデータの特徴を示す別な図である。
図6】NCデータ生成処理で生成されたNCデータの特徴を示す他の図である。
図7】NCデータ生成処理で生成されたNCデータの特徴を示すさらに別な図である。
図8】加工経路生成装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施例を、図面を用いて説明する。本実施例は、説明の容易化のために、以下の場合について説明する。その他の例については後程バリエーションに記載する。
*除去加工の一例として、回転させた素材に切削工具を用いて切削加工を行う場合(即ち切削加工)を例とする。
*切削加工の際の加工経路は、NCデータで指定される。さらに加工経路で表現する経路は、切削工具の経路(より具体的には工具の刃先の経路)とする。
*切削加工は、荒加工と仕上げ加工とに分けて行うものとする。このうち、仕上げ加工は、荒加工に比べてより加工誤差を少なくしたり、加工面を滑らかにしたりするために、荒加工から加工条件を変化させて切削を行う。変化させる加工条件の一例は、使用工具、チャック回転速度(主軸回転速度と同じ意味)、切削工具3の移動速度、切り込み量、工具の素材1に対する接触角度である。
*素材1の表面に酸化層(黒皮)が存在する。
【0010】
<加工システムの構成>
図1は、本実施例における加工システム10の全体構成図である。図1の加工システム10は、素材1を設置し、これを切削加工する工作機械2と、切削工具3と、計測機器4と切削工具3と計測機器4を制御する制御装置6(工作機械2に一部又はすべてが含まれてもよく、又は工作機械2の外部の装置であってもよい)と、加工経路生成装置7を備える。以下各々について説明する。
【0011】
<<工作機械2>>
本実施例の工作機械2は、素材1を対象に切削加工を行う装置である。工作機械2の例は、旋盤装置(立旋盤、卓上旋盤、正面旋盤、タレット旋盤が例)やマシニングセンタ(工具を取り付ける主軸に素材1を取り付ける)である。以後の説明では立旋盤を例として説明する。なお、図1および図2では工作機械2の構成物であるチャック(素材1を固定して回転させる部位)のみを記載し、主軸、刃物台等の一般的な旋盤装置に含まれる部位は省略した。なお、以後の説明ではチャックの回転軸、という言葉を用いるが、当該回転軸は主軸の回転軸でもある。
【0012】
なお、図1(a)は立旋盤の正面図であり、図1(b)は上面から見たチャックとチャックに固定された素材1を示す図である。
【0013】
<<素材1(切削前)>>
図1(b)を併用して本実施例が想定する素材1について説明する。本実施例に於ける切削加工前の素材1は、以下の特徴を持つ素材である。
*塑性加工や鋳造など、除去加工以外の加工により製造された素材であり、おおむね軸対称形状(凹凸を有する他、完全な軸対象形状ではない)である。
*表面に酸化層(黒皮)が存在する。なお、図1(a)では黒皮を省略したが、図1(b)では素材1の太い輪郭線で黒皮を表現している。
【0014】
なお、図1(a)に於いては、チャックの回転軸は素材の中心を通り上下方向に描画された一点破線で示している。図1(b)では、チャックの回転軸を一点破線で内部をグレーで描画した円で回転軸を示している。なお、説明の簡易化のため、図1の例では素材1の外形は、以下の特徴を持つ円管を示している。
図1(b)の視点で見たときに、上側の厚みがより厚くなり(つまり凸がある)、下側の厚みがより薄くなる(つまり凹がある)。
*円管外部に黒皮を有する。
【0015】
<<切削工具3>>
切削工具3は、工作機械2の刃物台(図示省略)に固定され、回転中の素材1と接触することで切削加工を行う工具である。なお、以後の説明で、切削工具3が移動する、と記載する場合があるが、より正確には、刃物台が移動することで、切削工具3が移動することを意味する。なお、切削工具3の移動は切削工具3が素材1に対して相対的に移動すればよく、実態として切削工具3を移動させても、素材1を並進移動させてもよい。
【0016】
<<<切削工具3の座標系>>>
切削加工を行う工作機械2は、切削工具3を少なくとも2軸方向に移動させることができる。つまり、切削工具(又は切削工具3の刃先、又は刃物台)の加工経路は少なくとも2軸のユーグリッド座標系で記載できるということである。図1(a)の立旋盤では、チャックの回転軸と平行なz軸と、チャックの回転軸とは垂直なx軸とを2軸として例示している。なお、以後は説明の簡略化のため、x軸とz軸はさらに以下の意味を持つものとする。
*x軸とz軸は切削工具3の刃先の位置を示す。
*チャック上表面かつ回転軸上を原点とし、z軸はチャック上表面から離れる方向をプラスとし、x軸はチャック回転軸から離れる方向をプラスとする。
【0017】
なお、図1(a)ではユーグリッド座標系で説明する場合に備えてy軸も記載しているが、NCデータで加工経路を記述する時には必須でない軸である。
【0018】
<<円筒座標系>>
x軸とz軸は回転しない切削工具、刃物台、又は刃先に対して付与される座標系であるため、回転する素材1に対して用いると説明が複雑となる。よって、以後の説明では素材1に対しては円筒座標系を用いて説明する。円筒座標系に於いて、与えられた点Pの3つの座標成分(ρ,φ,cz)は以下で与えられる。
*動径距離ρ=基準軸から点Pまでのユーグリッド距離
*方位角φ=基準平面上の基準方向と原点から点Pの基準平面への正射影へ結んだ直線との間の角
*高さcz=基準平面から点Pまでの距離
ここで、基準軸はチャックの回転軸であり、基準方向は図1(a)のx軸方向であり、基準軸に直交する基準平面はチャックの上表面とする。つまり、チャック上表面と回転軸との交点が原点O(ρ=0,φ=0度,cz=0)となる。なお、基準方向は、チャックに固定の方向ではなく、切削工具3又は刃物台の第1の移動軸と平行な関係である。別な言い方をすると、主軸によってチャックが回転した場合でも、基準方向はチャックの回転に合わせて回転しない存在である、と言える。
【0019】
なお、以後の説明で最も使われる円筒座標系の座標は動径距離ρと高さczである。
【0020】
<<計測機器>>
計測機器(以後、形状計測機器と呼ぶことがある)は素材1の形状(特に切削前の形状)を測定する機器である。計測機器は、例えば光切断法や縞干渉法やFMCW法を用いた非接触式の計測機器であることが考えられるが、タッチプローブ等を用いた接触式で計測してもよい。なお、本実施例では計測機器はこうした測定方式を用いて測定した素材1の形状を3次元点群データとして出力する。なお、3次元点群データを生成するにあたり、計測機器はチャックの回転角度を取得してもよい。
【0021】
図2は計測機器を用いたその他の計測例を示している。図1との差異は、計測機器を複数(計測機器4と計測機器5)有すること、計測機器を刃物台に固定した上で、刃物台を移動させることでより広範囲を測定することである。なお、計測機器の移動機構は刃物台以外、例えばアームを用いてもよい。また、計測機器は本願出願人が出願した特開2020-051892に開示の装置を用いてもよい。
【0022】
<<制御装置6>>
制御装置6は、工作機械2のユーザ又は他の装置からNCデータを受信し、当該NCデータに従って、主軸の回転速度や切削工具の移動を制御する装置である。制御装置6の例はコンピュータ数値制御(Computerized Numerical Control)装置である。なお、制御装置6は典型的にはプロセッサと、記憶資源72と、ユーザインターフェースを備える。また、制御装置6は、ネットワークインターフェースデバイス、やUSB等のペリフェラルインターフェースを有してもよい。各構成物の具体例は後程説明する加工経路生成装置7と同様であってもよい。つまり、制御装置6はプロセッサシステムであってもよいということである。また、制御装置6と加工経路生成装置7とは共通のハードウェアであってもよい。
【0023】
<加工経路生成装置7>
図8は加工経路生成装置7を示す図である。加工経路生成装置7は、1以上のプロセッサ71と、1以上の記憶資源72と、を少なくとも含む。ここで、プロセッサの例はCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)が考えられるが、後程示す処理を計算機が実行できるのであれば、ほかの回路であってもよい。記憶資源72は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)といった不揮発メモリでもよく、SRAMやDRAMのような揮発メモリでもよく、揮発メモリと不揮発メモリのミックスでもよい。なお、図示は省略したが、加工経路生成装置7は、ユーザーインターフェースデバイス、ネットワークインターフェースデバイス、ペリフェラルインターフェースデバイスを有してもよい。加工経路生成装置7の例はパーソナルコンピュータ、サーバー計算機、クラウドサーバ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、およびこれらの組み合わせが例である。いずれも1以上のプロセッサと1以上の記憶資源を有するため、これら装置又は装置群をまとめてプロセッサシステムと呼ぶ。
【0024】
記憶資源72には、加工経路生成プログラム721が少なくとも格納されている。プロセッサ71が記憶資源72から加工経路生成プログラムを読み込み、実行することで、後程説明する、加工経路生成処理を行う。よって、加工経路生成処理の実行主体は、プロセッサ71とも、加工経路生成装置7とも、加工経路生成プログラム721とも言うことができる。なお、加工経路生成721プログラムは、不揮発記憶媒体(図示省略)や他のプロセッサシステムに記憶されていてもよい。これらから、加工経路生成プログラム721を加工経路生成装置7にインストールしてもよいということである。
【0025】
<<データ>>
以下、NCデータ生成処理が生成(一時的生成も含む)および参照するデータについて、一部を説明する。これらデータは記憶資源72に格納(一時的な格納も含む)されてもよく、プロセッサ71のキャッシュメモリに格納されてもよい。
【0026】
<<<NCデータ(生成NCデータ、参照NCデータ)740>>>
NCデータ(NCプログラム)740は、切削工具の経路とチャックの回転数(正確には主軸の回転数)を少なくとも含むデータである。なお、NCデータ740はその他のNCプログラムが表記できる項目を含んでもよい。なお、本実施例に於けるNCデータ740は、NCプログラム生成プログラムで生成されるNCデータ(生成NCデータ)の他、オプションとして参照されるNCデータ(参照NCデータ)が存在する。
【0027】
<<<素材三次元形状データ731>>>
素材三次元形状データ731は、素材1の三次元形状を示すデータである。典型的には図1および図2の形状計測機器4および5により計測、必要に応じて前処理をすることで生成される。典型的には、素材三次元形状データ731は、ユーグリッド座標系又は円筒座座標系に従って表記された点データの群(点群データ)である。
【0028】
<<<形状輪郭線データ735>>>>
旋削加工の場合、素材1の回転角度と、切削工具3の位置とを厳密に一致させることは難しい。これは素材1の回転をステージではなく、高速回転させる主軸で行うことに起因する。そのため、素材1の回転角度が所定角度となった時点で切削工具3の位置を変更する、といったことは困難である。形状輪郭線データ735(および後術する素材輪郭線データ736)はそのような状況に対応するため、素材1の三次元形状を円筒座標系の動径距離ρ(代表動径距離と呼ぶことがある)と高さczの二次元に次元削減して表現した形状データである。なお、所定の高さcz1の代表動径距離(cz1)は以下で求める。
*素材外面の代表動径距離(cz1)=高さcz1の外表面の動径距離ρのうち、最大の
距離。
*素材内面の代表動径距離(cz1)=高さcz1の外表面の動径距離ρのうち、最小の距離。
【0029】
図4を用いて代表動径距離を例示する。図4は、図1(b)の素材1の右上を拡大した部分に相当する。なお、図1と比較すると外側の凹凸はより強調され、内側の面の偏心はやや緩やかに表現している。表面201のような素材1の外側面の素材形状に対しては、横方向接触位置は、外側面で一番飛び出ている位置(外側面の凸と呼ぶことがある)pout_maxの動径距離ρout_maxが代表動径距離となる。210のような素材1の素材形状の内側面に対しては、内側面で一番回転軸czに近い位置(内側面の凸と呼ぶことがある)pinの動径距離ρinが代表動径距離となる。なお、本明細書では、凸を山、凹を谷、と呼ぶこともある。
【0030】
<<<素材輪郭線データ736>>>
素材1のチャック固定箇所以外を切削対象とする場合は、素材輪郭線データ736は形状輪郭線データ735に格納された素材輪郭線そのものである。一方で、素材1の一部を切削する場合は、当該切削対象領域に含まれる形状輪郭線を素材輪郭線データ736に格納する。なお、切削対象外領域についての計算負荷を軽減するための工夫であるため、当該場合でも形状輪郭線を素材輪郭線としてもよい。つまり、素材輪郭線も素材1の全て又は一部を円筒座標系の動径距離ρ(代表動径距離とも言える)と高さczの二次元に次元削減して表現した形状データと言える。
【0031】
<<<素材凹凸量データ737>>>
素材凹凸量データ737は、各高さcz毎の凹凸量を示すデータである。素材凹凸量データ737は、形状輪郭線又は素材輪郭線の次元削減で失われた凹凸量を示すデータである、ともいえる。なお、外側面および内側面の凸は説明した通りである。外側面の凹は位置pout_minのように、外側面で一番引っ込んでいる位置を指す。内側面の凹は内側面で一番引っ込んでいる位置を指す。その上で、凸凹量は、以下となる。
*外側面の場合の凸凹量=ρout_max - ρout_min
*内側面の場合の凹凸量=ρin - 内側面の凹のρ
なお、各高さcz毎の凹凸量は上記2つでなくてもよい。内側面がない場合は1つでもよく、より複雑な入れ子構造で外側から第1外側面-第1内側面-第2外側面-第2内側面のような素材1の形状を持つ場合は、凸凹量は4つとなる。また、凸凹量は後程説明する図6のように素材1の上表面に対する凸凹量を他と独立に保有してもよい。
なお、素材凹凸量は、素材三次元形状が示す、方位角φと高さcz毎の動径距離ρを、高さcz毎の値に次元圧縮しているとみなしてもよい。
【0032】
<<<切削目標輪郭線データ732>>>
切削目標輪郭線データ732は、切削加工後の素材の目標輪郭線を示すデータである。なお、素材1の切削加工として荒加工(フェーズ)と仕上げ加工(フェーズ)とにフェーズ分けして切削する場合、切削目標輪郭線は、仕上げ加工後の目標となる輪郭線である。なお、切削目標輪郭線データ732は、形状輪郭線や素材輪郭線と同様に、高さczと動径距離ρとの組み合わせで表現してもよい。言い方を変えると、高さczと動径距離ρの二次元空間(平面)で輪郭線を規定してもよい、ということである。
【0033】
なお、切削目標輪郭線は、例えば以下のいずれかの方法にて取得してもよい。
*加工経路生成装置7が、切削後の素材三次元形状を示したデータ(例えばCADデータ)を読み込んで切削目標輪郭線を生成し、データ732に格納する。
*参照NCデータを、工作機械2の動作を模擬するシミュレータプログラムで仮想的に実行することで、切削後の素材三次元形状を算出する。
【0034】
<<<目標仕上げ代厚さデータ733(オプション)>>>
目標仕上げ代厚さは、素材1の切削工程として、荒加工と仕上げ加工とで切削条件を分けて切削する場合のオプションであり、仕上げ加工フェーズで切削する素材の最低厚さ(又は平均厚さ)の目標値である。目標仕上げ代厚さデータ733は、このような目標仕上げ代厚さが格納されている。
【0035】
<<<想定黒皮厚さデータ734(オプション)>>>
想定黒皮厚さは、素材1の表面に存在する黒皮厚さの想定値を示す。想定黒皮厚さは、典型的には素材1で想定される最大黒皮厚さにマージン量を加えた値であることが典型的であるが、素材1で想定される平均黒皮厚さを用いてもよい。想定黒皮厚さデータ734は、このような想定黒皮厚さが格納されている。
【0036】
<<<NCデータ詳細>>>
なお、本実施例に於ける加工経路は、NCプログラムにおけるGコード(又は1以上のGコードとGコードに影響を与える他のコードの集合体)が示す加工経路である。
【0037】
<NCデータ生成処理で生成するNCデータ又はNCデータ生成処理の特徴>
図4乃至図7を用いてNCデータ生成処理で生成するNCデータの特徴を説明する。本実施例に於いて生成された生成NCデータの特徴は以下の通りである。
【0038】
(特徴1)精度悪化又は切削工具3の早期摩耗の原因となる、不連続切削を軽減するため、切削工具3が素材1から離間する頻度を軽減する(理想的には高さcz切削中は常に切削工具3が素材1に接している)。そのために、生成NCデータの加工経路203は、図5の通り、形状輪郭線又は素材輪郭線が示す代表動径距離から、凸凹量だけ素材1の内部に移動させた位置に刃先が位置するような加工経路となっている。
【0039】
(特徴2)一方で、仕上げ加工後の品質を一定にするため、仕上げ代を残すような荒加工向け加工経路を生成する。図5では、荒加工の加工経路203が、切削目標輪郭線204から目標仕上げ厚さの距離を保っている。なお、図5の例は、切削工具の許容最大切り込み量が十分に大きく、表面201から切削目標輪郭線204まで切削できる場合に限った例である。
【0040】
(特徴3)切削前の素材1を高温下で製造する場合に生じ得る黒皮層(例えば鍛造や鋳造や圧延で生じる)による切削工具3の早期摩耗を軽減させる。黒皮層は黒皮層より下部の部位(地肌部)よりも硬度が高いため、切削工具3の刃先が黒皮層内を切削してしまうと、刃先が地肌部を切削しているよりも早く摩耗する。よって、切り込み量を増やすことで、刃先が黒皮層内を切削してしまうことを軽減することで、切削工具3の早期摩耗を軽減することができる。
【0041】
(特徴4)仕上げ代確保による仕上げ加工後の品質維持を、工具摩耗より優先させる。素材1凸凹量が大きすぎる場合、又は黒皮層が厚すぎる場合、特徴1や特徴3の処理を優先させて、特徴2に記載の仕上げ代の確保に失敗することを抑止する。図6及び図7の例では、素材輪郭線301と後程説明する素材輪郭線を、凸凹量を加味して移動させた輪郭線302と、仕上げ代303との関係を示している。図6の例では移動後の輪郭線302が特徴1を優先させることで、仕上げ代303の領域305の中に移動後の輪郭線302が入ってしまっており、仕上げ代が確保できていない。よって、こうした状況が発生することが予想された場合は、図7に示すように、領域305の移動後の輪郭線302を、仕上げ代の外に再移動させる。なお、図6及び図7の304は、切削目標輪郭線を示す。
【0042】
<NCデータ生成処理>
図3は、NCデータ生成処理を示すフローチャートである。フローチャートの実行主体は、前述の通り、プロセッサ71とも、加工経路生成装置7とも、加工経路生成プログラム721とも言うことができるが、以下では代表して加工経路生成プログラム721とする。なお、本処理の開始は、例えば工作機械のユーザからの指示を加工経路生成装置7のユーザインターフェースを介して受信することが考えられる。また、より好適には、加工経路生成プログラム721は、目標仕上げ代や想定黒皮厚さを工作機械のユーザから(ユーザインターフェースを介して)受信し、記憶資源72に格納する処理を有することが好ましい。また、より好適には、加工経路生成プログラム721は、切削目標輪郭線を、ペリフェラルインターフェースやネットワークインターフェースを介して不揮発メモリや他のプロセッサシステムから受信できることが好ましい。なお、切削目標輪郭線を、参照NCデータ(切削工具の情報を伴ってもよい)から生成する場合は、当該データを同様な方法で受信できることが好ましい。
以下、各ステップを説明する。
【0043】
(ステップS101)加工経路生成プログラム721は、素材1の素材三次元形状を取得し、記憶資源72(より具体的には素材三次元形状データ731)に格納する。当該取得は、以下のいずれかが例である。
図1および図2に記載の形状計測機器4および形状計測機器5で計測する。具体的には、チャックに固定した素材1を回転させつつ、形状計測機器4および5で機器から素材1の計測光照射表面位置までの距離を計測する。当該距離とチャックの回転角度と、形状計測機器4又は5の位置に基づいて、素材1の三次元形状を計算する。このようにすると、より直接的にチャックの回転軸を基準軸とする円筒座標系に従った、素材1の三次元形状を計算(すなわち取得)することができる。
*チャック固定前の素材1を、形状計測機器5で形状測定し、その結果を加工経路生成プログラム721が受信(すなわち取得)する。この場合は、素材三次元形状はユーグリッド座標系で表記されることが典型である。
【0044】
(ステップS102)加工経路生成プログラム721は、素材三次元形状(素材三次元形状データ731に格納)から、素材凹凸量を算出する。算出方法の具体例はデータの章にて説明した通りである。なお、当該プログラム731は、算出した素材凹凸量を、素材凹凸量データ737に格納する。
【0045】
(ステップS103)加工経路生成プログラム721は、素材三次元形状(素材三次元形状データ731に格納)から、素材輪郭線を生成する。生成方法の具体例はデータの章にて説明した通りである。なお、当該プログラム731は、生成した素材輪郭線を、素材輪郭線データ736に格納する。
【0046】
(ステップS104)加工経路生成プログラム721は、素材凸凹量(素材凹凸量データ737に格納)に基づいて、素材輪郭線を素材内側方向に移動させる。なお、素材内側とは、前述の通り、外側面の場合は、チャックの回転軸に近づく方向が素材内側方向であり、内側面の場合は、チャックの回転軸から遠のく方向が素材内側方向であり、素材上表面の場合は、チャックの上表面に近づく方向が素材内側方向である。なお、当該移動の例は、以下である。
*側面の場合、当該移動は、高さcz毎の素材輪郭線の動径距離ρ(代表動径距離)から素材内側方向になるように凸凹量(高さcz毎に存在)を減算(外側面の場合。内側面ならば加算)させる。なお、加算又は減算する前の凸凹量にマージン確保のための演算を凸凹量に行ってもよい。
【0047】
(ステップS105)加工経路生成プログラム721は、移動後の素材輪郭線が仕上げ代に含まれるか判断する。なお、当該仕上げ代の領域特定は、例えば以下で行う。
*切削目標輪郭線(切削目標輪郭線データ732に格納)の動径距離ρと、当該動径距離ρを素材外側に目標仕上げ代厚さだけ移動さえた輪郭線(以後、仕上げ代境界と呼ぶ)と、の間の領域を仕上げ代と認識する。
【0048】
(ステップS106)加工経路生成プログラム721は、仕上げ代に含まれる移動後の素材輪郭線の一部を、仕上げ代の外に再移動する。なお、再移動の典型例は、当該素材輪郭線の一部(仕上げ代に含まれていた一部の意味)を仕上げ代境界の上に移動させることであるが、それより素材外側に移動させてもよい。
【0049】
(ステップS107)加工経路生成プログラム721は、ステップS105又はステップS106の移動後(再移動後含む)の素材輪郭線に関して、少なくとも一部の輪郭線が黒皮層内を通過するか判断する。なお黒皮層領域特定は、例えば、素材1の三次元形状の表面から、当該表面を想定黒皮厚さ(想定黒皮厚さデータ734に格納)だけ素材内側に移動させた境界(以後、黒皮層境界202と呼ぶ)までの領域を、黒皮層と特定することが考えられる。なお、想定黒皮厚さは一定の定数でなくてもよい。例えば外側面と内側面と上面とで異なる厚さとしてもよく、素材1の表面上の分布として規定できるようにしてもよい。
【0050】
(ステップS108)加工経路生成プログラム721は、黒皮層に含まれる移動後の素材輪郭線の一部を、黒皮層の外に再移動する。なお、再移動の典型例は、当該素材輪郭線の一部(黒皮層に含まれていた一部の意味)を黒皮層境界202の上に移動させることであるが、それより素材外側に移動させてもよい。
【0051】
(ステップS109)加工経路生成プログラム721は、S104乃至S108で移動後(再移動も含む)の素材輪郭線に基づいて、表面切削用の加工経路を生成する。当該加工経路の生成は、移動後の素材輪郭線をなぞる直線又は曲線を示すGコードを生成することが例である。なお、生成した加工経路は荒加工の一部と扱うことが典型的であるが、そうでなくてもよい。
【0052】
(ステップS110)加工経路生成プログラム721は、移動後の素材輪郭線から、仕上げ代境界までの領域を切削する加工経路を生成する(ただし、当該領域が残っている場合)。加工経路生成プログラム721は、また、仕上げ代境界から切削目標輪郭線までを切削する加工経路を生成する。当該経路生成を行うため、CAMツールを加工経路生成装置7で実行してもよい。他の生成例としては、移動後の素材輪郭線を荒加工用の切削工具3の最大切り込み量だけ素材内側に移動させた線をなぞるGコードの生成を、仕上げ代境界を超えない範囲で繰り返し行ってもよい。仕上げ加工についても同様である。
【0053】
(ステップS111)加工経路生成プログラム721は、ステップS109及びステップS110で生成した加工経路を含む生成NCデータを生成し、記憶資源72に格納する。以上がNCデータ生成処理のフローチャートの説明である。
【0054】
<バリエーション>
以上、本実施例について説明した。なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。例えば、加工システム10は工作機械2を含まないなど加工システム10のサブコンビネーションも本発明の一形態である。その他のバリエーションについては以下の通りである。
*加工経路を示すデータはNCデータ(NCプログラム)以外でもよい。よって、NCデータ生成プログラムは、加工経路生成プログラムと呼んでもよい。
図3で示したフローチャートでは、荒加工用途と仕上げ加工用途(および荒加工用語)の加工経路を一つのNCデータに含めたが、別々のNCデータとなるように生成してもよい。
*上記例では、荒加工と仕上げ加工の組み合わせで説明したが、仕上げ加工がない加工経路を生成してもよい。さらには、荒加工で説明した処理を仕上げ加工や荒加工やほかの加工に対して適用してもよい。
*切削目標輪郭線に目標仕上げ代厚さだけ肉付けした線を、仕上げ代境界としてもよい。
*素材凹凸情報の凸凹量は、上記実施例では各高さcz毎(例えば1mm毎)に具体的な数値を持つ前提で説明したが、データ量削減のために間引いてもよく、補完処理を行ってもよい。
*素材1を固定する治具(固定治具)はチャック以外でもよい。例えば、ホルダである。
*加工経路は、切削工具3の経路、切削工具3の刃先経路、又は刃物台の経路、の何れの経路を示してもよい。
*加工経路はy軸を指定できてもよい。
*生成NCデータは、荒加工、仕上げ加工毎に異なる種類の切削工具3を利用するための、工具交換指示を含んでもよい。
*形状輪郭線、素材輪郭線、素材凹凸量は、記憶資源72への格納を省略してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 素材、2 工作機械、3 切削工具、4 計測機器、5 計測機器、6 制御装置、7 加工経路生成装置、10 加工システム、71 プロセッサ、72 記憶資源
図1
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