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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128874
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】情報較正方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/43 20060101AFI20230907BHJP
   G01C 15/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
E02F3/43 A
G01C15/00 104D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033522
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(71)【出願人】
【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片岡 隆之
(72)【発明者】
【氏名】篠田 崇幸
(72)【発明者】
【氏名】内田 光
(72)【発明者】
【氏名】茨木 創一
【テーマコード(参考)】
2D003
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB04
2D003BA02
2D003BB04
2D003DB04
2D003DB05
(57)【要約】
【課題】作業機械に関する情報を、簡便な作業でより正確に較正する。
【解決手段】情報較正方法は、平面上の少なくとも3点の相異なる測定点に、測定ターゲットを順次停止させることと、測定ターゲットを各々の測定点に停止させた状態で、車体に対する作業機の姿勢を計測することと、各々の測定点間の距離を計測することと、平面上に規定される座標系における、距離に基づく測定点の計測座標と、姿勢と情報とを用いて計算される測定点の計算座標と、の差を最小化する情報を導出して、情報を更新することと、を備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、前記車体に対して相対移動可能な作業機とを有し、前記作業機に測定ターゲットが設定される、作業機械に関する情報を較正する情報較正方法であって、
平面上の少なくとも3点の相異なる測定点に、前記測定ターゲットを順次停止させることと、
前記測定ターゲットを各々の前記測定点に停止させた状態で、前記車体に対する前記作業機の姿勢を計測することと、
各々の前記測定点間の距離を計測することと、
前記平面上に規定される座標系における、前記距離に基づく前記測定点の計測座標と、前記姿勢と前記情報とを用いて計算される前記測定点の計算座標と、の差を最小化する前記情報を導出して、前記情報を更新することと、を備える、情報較正方法。
【請求項2】
前記作業機は、複数のリンク部材が関節を介して接続されたリンク機構を有し、
前記情報は、複数の前記関節間の距離を含む、請求項1に記載の情報較正方法。
【請求項3】
前記測定ターゲットは、先端の前記リンク部材に設定され、
前記情報は、前記測定ターゲットの位置と前記関節との距離を含む、請求項2に記載の情報較正方法。
【請求項4】
前記作業機械は、前記姿勢を計測する角度センサをさらに有し、
前記情報は、前記角度センサのオフセット値を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報較正方法。
【請求項5】
前記車体に、前記車体に対する前記作業機の相対移動の基準となる基準点が設けられ、
前記情報は、前記座標系における前記基準点の座標を含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報較正方法。
【請求項6】
前記平面上に、前記座標系を設定することをさらに備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報較正方法。
【請求項7】
前記測定点は、第1の測定点と、第2の測定点とを含み、
前記座標系を設定することは、前記第1の測定点を原点に設定することと、前記第1の測定点と前記第2の測定点とを結ぶ方向を座標軸として設定することと、を含む、請求項6に記載の情報較正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械に関する情報を較正するための情報較正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化施工とは、建設土木事業における施工において、情報通信技術(ICT)の活用により、高効率かつ高精度な施工を実現するものである。情報化施工技術の一例として、トータルステーションまたはGNSS(Global Navigation Satellite Systems:全地球航法衛星システム)などの位置計測装置を用いて作業機械の位置を取得し、施工箇所の設計データと現況地形データとの差分に関する情報を作業機械の運転席モニタへ提供する、マシンガイダンス技術が提案されている。
【0003】
作業機械の一つに油圧ショベルがある。油圧ショベルは、ブーム、アーム、及びバケットから構成される作業機を備えてよい。ブーム、アーム、及びバケットは、順にピンにより回動可能に支持されてよい。マシンガイダンス技術を用いた施工に関し、非特許文献1には、ICT油圧ショベルのアーム寸法など各可動部のピン間の寸法およびバケット寸法を測定することが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】国土交通省近畿地方整備局近畿技術事務所「マシンガイダンス技術(バックホウ編)の手引書」、2014年3月、p.29
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
情報化施工の精度を担保するには、作業機械の位置データを正確に取得することが求められる。油圧ショベルの場合、この位置データとは、バケットの先端の位置データを指す。バケットの先端の位置データは、油圧ショベルの本体に備わるGNSSアンテナの位置情報、作業機の幾何形状、および作業機の姿勢の情報から算出される。幾何形状には、作業機を較正するリンクの各ピン間の距離がある。各ピン間の距離は、機械内コントローラに情報として記憶されており、施工の前に較正される。
【0006】
作業機の各ピン間の距離を較正するには、各ピンの位置に測量ターゲットを取り付けて、トータルステーション、レーザトラッカなどの測量機器を用いて、各ピンの位置をそれぞれ測定することが行われていた。これらの測量機器は高価なため、較正にコストがかかっていた。工事現場に高価な測量機器を用意せずとも簡便に較正ができる方法の提供が望まれている。
【0007】
本開示では、情報化施工のための作業機械に関する情報を安価で容易に較正できる、情報較正方法が提案される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に従うと、作業機械に関する情報を較正する情報較正方法が提案される。作業機械は、車体と、車体に対して相対移動可能な作業機とを有している。作業機械の作業機に、測定ターゲットが設定される。情報較正方法は、以下の処理を備えている。第1の処理は、平面上の少なくとも3点の相異なる測定点に、測定ターゲットを順次停止させることである。第2の処理は、測定ターゲットを各々の測定点に停止させた状態で、車体に対する作業機の姿勢を計測することである。第3の処理は、各々の測定点間の距離を計測することである。第4の処理は、平面上に規定される座標系における、測定点間の距離に基づく測定点の計測座標と、作業機の姿勢と作業機械に関する情報とを用いて計算される測定点の計算座標と、の差を最小化する情報を導出して、情報を更新することとである。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る情報較正方法によれば、作業機械に関する情報を安価で容易に較正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】油圧ショベルの外観図である。
図2】油圧ショベルの側面図である。
図3】油圧ショベルに関する情報を較正する処理の流れを示すフロー図である。
図4】バケット刃先を第1の測定点に合わせる動作を示す側面模式図である。
図5】バケット刃先を第2の測定点に合わせる動作を示す側面模式図である。
図6】バケット刃先を第3の測定点に合わせる動作を示す側面模式図である。
図7】ブームピンの座標を示す側面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について図に基づいて説明する。以下の説明では、同一部品には、同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0012】
図1は、実施形態に基づく情報較正方法によって情報が較正される作業機械の一例としての、油圧ショベル100の外観図である。実施形態においては、作業機械として、油圧ショベル100を例に挙げて説明する。
【0013】
図1に示されるように、油圧ショベル100は、本体1と、油圧により作動する作業機2とを有している。本体1は、旋回体3と、走行体5とを有している。走行体5は、一対の履帯5Crと、走行モータ5Mとを有している。走行モータ5Mは、走行体5の駆動源として設けられている。走行モータ5Mは、油圧により作動する油圧モータである。
【0014】
油圧ショベル100の動作時には、走行体5、より具体的には履帯5Crが、地面に接触している。走行体5は、履帯5Crの回転により地面を走行可能である。なお、走行体5が履帯5Crの代わりに車輪(タイヤ)を有していてもよい。
【0015】
旋回体3は、走行体5の上に配置され、かつ走行体5により支持されている。旋回体3は、走行体5に対して相対移動可能である。旋回体3は、旋回軸RXを中心として走行体5に対して旋回可能に、走行体5に搭載されている。旋回体3は、走行体5上に、旋回サークル部を介して取り付けられている。旋回サークル部は、平面視した本体1の略中央部に配置されている。旋回サークル部は、円環状の概略形状を有しており、内周面に旋回用の内歯を有している。この内歯と噛み合うピニオンが、図示しない旋回モータに装着されている。旋回モータから駆動力が伝達されて旋回サークル部が回転することにより、旋回体3が走行体5に対して相対回転可能とされている。
【0016】
旋回体3は、キャブ4を有している。油圧ショベル100の乗員(オペレータ)は、このキャブ4に搭乗して、油圧ショベル100を操縦する。キャブ4には、オペレータが着座する運転席4Sが設けられている。オペレータは、キャブ4内において油圧ショベル100を操作可能である。オペレータは、キャブ4内において、作業機2の操作が可能であり、走行体5に対する旋回体3の旋回操作が可能であり、また走行体5による油圧ショベル100の走行操作が可能である。油圧ショベル100は、油圧ショベル100から離れた場所から無線により遠隔操作されてもよい。
【0017】
実施形態においては、キャブ4内の運転席4Sに着座したオペレータを基準として、油圧ショベル100の旋回体3における各部の位置関係について説明する。前後方向とは、運転席4Sに着座したオペレータの前後方向をいう。運転席4Sに着座したオペレータに正対する方向が前方向であり、運転席4Sに着座したオペレータの背後方向が後方向である。左右方向とは、運転席4Sに着座したオペレータの左右方向をいう。運転席4Sに着座したオペレータが正面に正対したときの右側、左側がそれぞれ右方向、左方向である。上下方向とは、運転席4Sに着座したオペレータの上下方向をいう。運転席4Sに着座したオペレータの足元側が下側、頭上側が上側である。
【0018】
前後方向において、旋回体3から作業機2が突き出している側が前方向であり、前方向と反対方向が後方向である。前方向を視て左右方向の右側、左側がそれぞれ右方向、左方向である。上下方向において地面のある側が下側、空のある側が上側である。
【0019】
旋回体3は、エンジンが収容されるエンジンルーム9と、旋回体3の後部に設けられるカウンタウェイトとを有している。エンジンルーム9には、駆動力を発生するエンジン、エンジンの発生する駆動力を受けて油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ポンプなどが配置されている。エンジンの代わりに蓄電池を搭載し、蓄電池に蓄えられた電力によって電動モータを駆動させ、電動モータの駆動力を用いて油圧ポンプを作動させる電動ショベルであってもよい。
【0020】
旋回体3において、エンジンルーム9の前方に手すり19が設けられている。手すり19には、アンテナ21が設けられている。アンテナ21は、たとえばGNSS用のアンテナである。アンテナ21は、左右方向に互いに離れるように旋回体3に設けられた第1アンテナ21Aおよび第2アンテナ21Bを有している。
【0021】
作業機2は、旋回体3に搭載されており、旋回体3によって支持されている。作業機2は、ブーム6と、アーム7と、バケット8とを有している。ブーム6は、旋回体3に回転可能に連結されている。アーム7は、ブーム6に回転可能に連結されている。バケット8は、アーム7に回転可能に連結されている。バケット8は、複数の刃を有している。バケット8の先端部を、刃先8aと称する。
【0022】
なお、バケット8は、刃を有していなくてもよい。バケット8の先端部は、ストレート形状の鋼板で形成されていてもよい。
【0023】
ブーム6の基端部は、ブームフートピン13(以下、ブームピンという)を介して旋回体3に連結されている。アーム7の基端部は、アーム連結ピン14(以下、アームピンという)を介してブーム6の先端部に連結されている。バケット8は、バケット連結ピン15(以下、バケットピンという)を介してアーム7の先端部に連結されている。
【0024】
ブーム6は、旋回体3に対して相対移動可能である。ブーム6は、ブームピン13を中心に、旋回体3に対して相対回転可能である。ブームピン13は、旋回体3に設けられている。ブームピン13は、旋回体3に対する作業機2の相対移動の基準となる、基準点をなす。アーム7は、ブーム6に対して相対移動可能である。アーム7は、アームピン14を中心に、ブーム6に対して相対回転可能である。バケット8は、アーム7に対して相対移動可能である。バケット8は、バケットピン15を中心に、アーム7に対して相対回転可能である。
【0025】
アーム7およびバケット8は、バケット8がアーム7に対して相対回転しない状態で、一体的にブーム6に対して相対移動可能、具体的には相対回転可能である。ブーム6、アーム7およびバケット8は、バケット8がアーム7に対して相対回転せず、かつアーム7がブーム6に対して相対回転しない状態で、一体的に旋回体3に対して相対移動可能、具体的には相対回転可能である。
【0026】
作業機2のブーム6は、旋回体3に対して、ブーム6の基端部に設けられたブームピン13を中心に回動する。旋回体3に対して回動するブーム6の特定の部分、たとえばブーム6の先端部が移動する軌跡は円弧状である。その円弧を含む平面が、図1に示す動作平面Pとして特定される。動作平面Pは、上下方向に延びるとともに前後方向に延びる平面である。動作平面Pは、作業機2の左右方向の中心にあって旋回体3の中心軸を含み、上下方向および前後方向に広がる平面である。ブームピン13、アームピン14およびバケットピン15は、動作平面Pと直交する方向、すなわち左右方向に延びている。動作平面Pは、ブーム6、アーム7およびバケット8の各々の回動中心となる軸線の、少なくとも一つ(実施形態の場合、三つ全て)と直交している。
【0027】
ブーム6は動作平面P上で旋回体3に対して回動動作する。同様に、アーム7は動作平面P上でブーム6に対して回動動作し、バケット8は動作平面P上でアーム7に対して回動動作する。実施形態の作業機2は、その長手方向における全体が動作平面P上で動作する。バケット8の刃先8aは、動作平面P上を移動する。動作平面Pは、作業機2の可動範囲を含む平面である。動作平面Pは、ブーム6、アーム7およびバケット8の各々と交差している。動作平面Pは、ブーム6、アーム7およびバケット8の左右方向の中心に設定することができる。
【0028】
図1に示すように、動作平面P上における一方向がX軸として設定され、動作平面P状における上記一方向に直交する方向がZ軸として設定される。X軸とZ軸とは、互いに直交している。動作平面Pにおける座標軸の設定については後述する。
【0029】
作業機2は、ブームシリンダ10と、アームシリンダ11と、バケットシリンダ12とを有している。ブームシリンダ10は、ブーム6を駆動する。アームシリンダ11は、アーム7を駆動する。バケットシリンダ12は、バケット8を駆動する。ブームシリンダ10、アームシリンダ11、およびバケットシリンダ12のそれぞれは、作動油によって駆動される油圧シリンダである。
【0030】
作業機2は、複数のリンク部材が関節を介して接続されたリンク機構を構成している。ブーム6、アーム7およびバケット8は、それぞれリンク部材を構成している。ブームピン13は、旋回体3とブーム6とを接続する関節に相当する。アームピン14は、ブーム6とアーム7とを接続する関節に相当する。バケットピン15は、アーム7とバケット8とを接続する関節に相当する。
【0031】
バケットシリンダ12は、アーム7に取り付けられている。バケットシリンダ12が伸縮することにより、アーム7に対してバケット8が回転する。作業機2は、バケットリンクを有している。バケットリンクは、バケットシリンダ12とバケット8とを連結している。
【0032】
油圧ショベル100には、コントローラ26が搭載されている。コントローラ26は、油圧ショベル100の動作を制御する。コントローラ26は、CPU(Central Processing Unit)、不揮発性メモリ、タイマなどを含んで構成されるコンピュータである。
【0033】
図2は、図1に示される油圧ショベル100の側面図である。図2に示されるように、油圧ショベル100は、ブームIMU(Inertial Measurement Unit)32、アームIMU33、およびバケットIMU34をさらに備えている。ブームIMU32、アームIMU33、およびバケットIMU34は、慣性計測装置である。
【0034】
ブームIMU32は、ブーム6に取り付けられている。アームIMU33は、アーム7に取り付けられている。バケットIMU34は、バケット8に取り付けられている。ブームIMU32、アームIMU33、バケットIMU34のそれぞれは、前後方向、左右方向および上下方向におけるブーム6、アーム7、バケット8の加速度と、前後方向、左右方向および上下方向まわりのブーム6、アーム7、バケット8の角速度とを計測する。
【0035】
ブームIMU32の検出結果から、ブーム6の角度が算出される。アームIMU33の検出結果から、アーム7の角度が検出される。バケットIMU34の検出結果から、バケット8の角度が算出される。ブームIMU32、アームIMU33およびバケットIMU34は、旋回体3(油圧ショベル100の車体)に対する作業機2の姿勢を計測する角度センサを構成している。
【0036】
ブームIMU32は、重力方向に対するブーム6の姿勢(角度)を検出する。アームIMU33は、重力方向に対するアーム7の姿勢(角度)を検出する。バケットIMU34は、重力方向に対するバケット8の姿勢(角度)を検出する。
【0037】
角度センサは、上述した各IMUのほか、他の任意のセンサを含んでもよい。角度センサは、ブームシリンダ10、アームシリンダ11またはバケットシリンダ12に取り付けられた、シリンダに対するシリンダロッドの変位量を検出するシリンダストロークセンサを用い、得られた変位量のデータに基づいてブーム6、アーム7、バケット8の姿勢(角度)を求める形態でもよい。角度センサは、ブームピン13、アームピン14またはバケットピン15に取り付けられたポテンショメータまたはロータリーエンコーダであってもよい。角度センサの検出結果は、コントローラ26(図1)に入力される。
【0038】
図2に示される距離bmは、ブームピン13とアームピン14との間の距離である。距離bmを、ブーム6のリンク長とも称する。距離amは、アームピン14とバケットピン15との間の距離である。距離amを、アーム7のリンク長とも称する。距離cmは、バケットピン15とバケット8の刃先8aとの間の距離である。距離cmを、バケット8のリンク長とも称する。
【0039】
図3は、油圧ショベル100に関する情報を較正する処理の流れを示すフロー図である。図3および以降の図を適宜参照して、油圧ショベル100に関する情報を較正する処理の詳細について、以下に説明する。油圧ショベル100に関する情報を較正する処理は、油圧ショベル100に搭載されているコントローラ26で実行されてもよく、外部に設けられたコントローラまたは情報処理装置で実行されてもよい。外部に設けられたコントローラが油圧ショベル100に関する情報を較正する処理を実行する場合、油圧ショベル100に搭載されているコントローラ26から、外部のコントローラに、角度センサの検出結果が送信される。
【0040】
以下の処理によって較正される油圧ショベル100に関する情報は、情報化施工を実施するに当たり、バケット8の刃先8aの位置を正確に導出して、作業機2の位置の演算の精度を向上するために必要な情報である。較正される油圧ショベル100に関する情報は、たとえば、油圧ショベル100の作業機2の寸法を含む。距離bm、距離am、距離cmは、作業機械に関する情報に含まれる。油圧ショベル100に関する情報は、三次元空間における油圧ショベル100の所定部位の位置座標情報、2つの所定部位間の距離情報などであってよい。三次元空間の座標系は、ITRF(International Terrestrial Reference Frame)座標系であってよい。
【0041】
まずステップS0において、測定ターゲットを設定する。油圧ショベル100の作業機2の一箇所に、測定ターゲットが設定される。作業機2の複数のリンク部材のうち、バケット8が、旋回体3から最も離れている先端のリンク部材である。先端のリンク部材であるバケット8の一箇所に、測定ターゲットが設定される。実施形態では、バケット8の刃先8aを、測定ターゲットとして設定する。
【0042】
ステップS1において、バケット8の刃先8aを測定点A1に合わせる。図4は、バケット8の刃先8aを測定点A1に合わせる動作を示す側面模式図である。作業機2を動かすことで、バケット8の刃先8aを地面などに接触させる。その姿勢で、作業機2を停止させる。そのときの刃先8aの位置を、測定点A1とする。ステップS1で、測定ターゲットである刃先8aを、測定点A1に移動させる。
【0043】
ステップS2において、バケット8の刃先8aを測定点A1に停止させた状態で、各角度センサで検出される作業機2の各リンク部材の角度を取得する。バケット8の刃先8aが測定点A1の位置にあるときの、ブーム6の角度がブームIMU32により検出され、アーム7の角度がアームIMU33により検出され、バケット8の角度がバケットIMU34により検出される。これにより、刃先8aを測定点A1に停止させた状態での、旋回体3に対する作業機2の姿勢が計測される。
【0044】
ステップS3において、バケット8の刃先8aを測定点A2に合わせる。図5は、バケット8の刃先8aを測定点A2に合わせる動作を示す側面模式図である。作業機2を動かすことで、バケット8の刃先8aを、測定点A1とは異なる位置で地面などに接触させる。図5に示される例では、刃先8aを前方(車体から離れる方向)へ移動させて、測定点A1よりも前方の位置で刃先8aを地面に接触させている。その姿勢で、作業機2を停止させる。そのときの刃先8aの位置を、測定点A2とする。ステップS3で、測定ターゲットである刃先8aを、測定点A1から、測定点A1とは異なる測定点A2へと移動させる。図5に示される例では、ブーム6を下げるとともにアーム7とバケット8とを前方向に移動させている。
【0045】
ステップS4において、X方向を設定する。図5に示されるように、測定点A1と測定点A2とを結ぶ方向を、動作平面P上のX軸として設定する。測定点A1と測定点A2との上下方向における位置が同じであってもよく、この場合X方向は水平方向となる。
【0046】
ステップS5において、バケット8の刃先8aを測定点A2に停止させた状態で、各角度センサで検出される作業機2の各リンク部材の角度を取得する。バケット8の刃先8aが測定点A2の位置にあるときの、ブーム6の角度がブームIMU32により検出され、アーム7の角度がアームIMU33により検出され、バケット8の角度がバケットIMU34により検出される。これにより、刃先8aを測定点A2に停止させた状態での、旋回体3に対する作業機2の姿勢が計測される。
【0047】
ステップS6において、測定点A1と測定点A2との間の距離を計測する。この距離の計測は、レーザ測長器などの安価な測長機器を使用して行なわれてもよい。測長機器の計測結果が、油圧ショベル100に関する情報を較正する処理を実行するコントローラに入力されてもよい。測長機器が用いられる場合、測定ターゲットであるバケット8の刃先8aに、レーザ光を反射する反射器が取り付けられてもよく、位置の認識を容易にするためのマーカが設けられてもよい。測定ターゲットとしてレーザ光を反射する反射器を用いる場合、反射器は、レーザ光が照射された方向と同じ方向に光を反射する。また、作業者がワイヤ式測長器または巻き尺などを使用して、手作業で距離を計測してもよい。作業者が、計測結果をコントローラに手入力してもよい。
【0048】
ステップS1~S5の処理では、バケット8の刃先8aを地面に接触させたが、水糸をバケット8の刃先8aに取り付けて垂らすことにより、刃先8aを地面に接触させずにX方向を設定することも可能である。
【0049】
ステップS7において、バケット8の刃先8aを測定点A3に合わせる。図6は、バケット8の刃先8aを測定点A3に合わせる動作を示す側面模式図である。作業機2を動かすことで、バケット8の刃先8aを、測定点A1,A2よりも上方へ移動させる。その姿勢で、作業機2を停止させる。そのときの刃先8aの位置を、測定点A3とする。ステップS7で、測定ターゲットである刃先8aを、測定点A1,A2を含む平面における測定点A1,A2とは異なる測定点A3へと移動させる。図6に示される例では、ブーム6を上げるとともにアーム7とバケット8とを後方向に移動させている。
【0050】
図1に示される動作平面P上に、少なくとも3点の相異なる測定点が設定される。平面である動作平面P上に、測定点A1,A2,A3が設定される。測定点A1,A2,A3は、各点を頂点とする三角形を形成する。図6では、前後方向(図中の左右方向)において測定点A3が測定点A1と測定点A2との間にある例が示されるが、測定点A3は、測定点A1よりも車体に近くてもよく、測定点A2よりも車体から離れていてもよい。
【0051】
ステップS8において、Z方向を設定する。図6に示されるように、測定点A3から、測定点A1と測定点A2とを結ぶ直線におろした垂線の方向を、動作平面P上のZ軸として設定する。X方向が水平方向である場合、Z方向は上下方向である。測定点A1を原点に設定し、測定点A1と測定点A2とを結ぶ方向をX軸として設定し、X軸に直交する方向をZ軸として設定する。これにより、動作平面P上に計測座標系が規定される。
【0052】
ステップS9において、バケット8の刃先8aを測定点A3に停止させた状態で、各角度センサで検出される作業機2の各リンク部材の角度を取得する。バケット8の刃先8aが測定点A3の位置にあるときの、ブーム6の角度がブームIMU32により検出され、アーム7の角度がアームIMU33により検出され、バケット8の角度がバケットIMU34により検出される。これにより、刃先8aを測定点A3に停止させた状態での、旋回体3に対する作業機2の姿勢が計測される。
【0053】
ステップS10において、測定点A1と測定点A3との間の距離を計測し、測定点A2と測定点A3との間の距離を計測する。この距離の計測は、ステップS6と同様に、安価な測長機器を使用して行なわれてもよく、手作業で行なわれてもよい。
【0054】
ステップS11において、測定点A3の計測座標を設定する。測定点A3からX軸におろした垂線とX軸とが交わる点から測定点A1(原点)までの距離を、測定点A3のX座標とする。測定点A3を始点として、X軸におろした垂線がX軸と交わる点を終点とした2点間の長さを、測定点A3のZ座標とする。ステップS6で計測した測定点A1と測定点A2との間の距離と、ステップS10で計測した測定点A1と測定点A3との間の距離および測定点A2と測定点A3との間の距離とを用いて、測定点A1,A3を結ぶ直線とX軸とのなす角度の余弦を余弦定理により演算し、この余弦と、測定点A1と測定点A3との間の距離とから、測定点A3のX座標を求めてもよい。測定点A1,A3を結ぶ直線とX軸とのなす角度の正弦を、三角比の公式により演算し、この正弦と、測定点A1と測定点A3との間の距離とから、測定点A3のZ座標を求めてもよい。なお、求めたい座標(パラメータ)の数に応じて、作業機2を操作して測定点A1,A2,A3以外の位置に刃先8aを移動させ、本実施形態に示す情報較正方法により各座標の算出を行えばよい。
【0055】
ステップS12において、測定点の計算座標の算出に用いる情報の初期値を入力する。測定点の計算座標の算出に用いる情報は、ブームピン13のX座標Xbf、ブームピン13のZ座標Zbf、ブーム6のリンク長bm、アーム7のリンク長am、バケット8のリンク長cm、アーム7の角度を検出するアームIMU33の出力値αに対するオフセット値αof、ブーム6の角度を検出するブームIMU32の出力値βに対するオフセット値βof、および、バケット8の角度を検出するバケットIMU34の出力値Cに対するオフセット値Cofである。
【0056】
図7は、ブームピン13の座標を示す側面模式図である。上述した手法で、測定点A1を原点として、X軸およびZ軸が設定される。ブームピン13のX座標Xbfは、ブームピン13と測定点A1との間のX方向(たとえば、水平方向)の距離であり、たとえば巻き尺などで計測した値を初期値とすることができる。ブームピン13のZ座標Zbfは、ブームピン13とX軸(たとえば、地面)との間のZ方向(たとえば、上下方向)の距離であり、たとえば巻き尺などで計測した値を初期値としてもよく、ブームピン13から履帯5Crの下面までの寸法の設計値を初期値とすることもできる。設計値とは、油圧ショベル100を製造するために定めた各部位の寸法である。
【0057】
ブーム6のリンク長bm、アーム7のリンク長amおよびバケット8のリンク長cmの初期値は、設計値を用いることができる。角度センサのオフセット値αof,βof,Cofの初期値をゼロとしてもよい。油圧ショベル100に関する情報を較正する処理を実行するコントローラに、これらの初期値を入力する。測長機器からコントローラへの自動入力がなされてもよく、コントローラへの手入力が行なわれてもよい。コントローラが情報を記憶する情報記憶部を有していてもよく、一部または全部の情報、たとえばリンク長の設計値、が予め情報記憶部に記憶されていてもよい。
【0058】
アームIMU33の出力値αと、ブームIMU32の出力値βと、測定点の計算座標の算出に用いられる各情報の初期値とを用いて、アームピン14のX座標Xatを、以下の式(1)で計算する。
【0059】
【数1】
【0060】
アームピン14のZ座標Zatを、以下の式(2)で計算する。
【0061】
【数2】
【0062】
式(1)で計算されたXatと、バケットIMU34の出力値Cと、各情報の初期値とを用いて、測定ターゲットであるバケット8の刃先8aのX座標Xttを、以下の式(3)で計算する。
【0063】
【数3】
【0064】
式(2)で計算されたZatと、バケットIMU34の出力値Cと、各情報の初期値とを用いて、バケット8の刃先8aのZ座標Zttを、以下の式(4)で計算する。
【0065】
【数4】
【0066】
本実施形態の説明では測定点が3点ある場合について説明するが、後述するように測定点は3点以上あってもよい。したがって、測定点をn点として以下数式を用いて説明する。n点の測定点について計測座標を求め、それらの測定点に対応する測定ターゲットの計算座標を計算する。n個の計算座標を、式(5)のように、行列を用いて表すことができる。
【0067】
【数5】
【0068】
また、n点の測定点についての計測座標を、式(6)のように行列を用いて表すことができる。
【0069】
【数6】
【0070】
ステップS13において、最小二乗法により、作業機2に関する各情報を導出する。導出される情報は、上述した通り、ブームピン13のX座標Xbf、ブームピン13のZ座標Zbf、ブーム6のリンク長bm、アーム7のリンク長am、バケット8のリンク長cm、アーム7の角度を検出するアームIMU33の出力値αに対するオフセット値αof、ブーム6の角度を検出するブームIMU32の出力値βに対するオフセット値βof、および、バケット8の角度を検出するバケットIMU34の出力値Cに対するオフセット値Cofである。
【0071】
式(6)で示される測定点の計測座標Pttと、式(5)で示される測定点の計算座標Pttと、の差を最小化するような、作業機2に関する情報を導出する。たとえば参考文献(茨木創一著、「工作機械の空間精度 3次元運動誤差の幾何学モデル・補正・測定」、森北出版、2017年4月)に記載されているように、Newton法を用いた非線形最小二乗法を適用することにより、作業機2のリンク部材の長さ、角度センサのオフセット値を含む各情報を、同時に導出することができる。
【0072】
最後に、ステップS14において、情報を更新する。コントローラの情報記憶部に記憶されていた作業機2に関する情報の初期値を、ステップS13で導出された値で上書きして、作業機2に関する情報を更新する。このようにして、油圧ショベル100に関する情報を較正する一連の処理を終了する(図3の「エンド」)。なお、本実施形態においては、ステップS4やステップS8において計測座標系を規定したが、計測座標系を規定せずとも、各測定点の距離に基づく計測点の計測座標を求めてもよい。
【0073】
上述した説明と一部重複する記載もあるが、本実施形態の特徴的な構成および作用効果についてまとめて記載すると、以下の通りである。
【0074】
実施形態における情報較正方法では、図3に示されるステップS1,S3,S7において、測定点A1,A2,A3に、測定ターゲットである刃先8aを順次停止させる。ステップS2,S5,S9において、刃先8aを各々の測定点A1,A2,A3に停止させた状態で、車体に対する作業機2の姿勢を計測する。ステップS6,S10において、各々の測定点A1,A2,A3間の距離を計測する。ステップS13において、測定点間の距離に基づく測定点の計測座標と、作業機2の姿勢と作業機械に関する情報とを用いて計算される測定点の計算座標と、の差を最小化する情報を導出する。ステップS14において、情報を更新する。
【0075】
測定点A1,A2,A3間の距離を計測するために、高価な自動追尾型の測長機器を用いる必要がない。手作業で距離を計測してもよく、長さを計測する任意の道具さえあれば安価でどこでも計測ができる。この測定点間の距離を用いて、作業機械に関する情報を較正することができる。したがって、実施形態の情報較正方法によれば、作業機械に関する情報を安価で容易に較正することができる。工事現場において較正をやり直すことも可能になる。この較正された情報に基づいて、バケット8の刃先8aの位置を正確に導出することができるので、情報化施工における作業機2の位置の演算の精度を向上することができる。
【0076】
図1,2に示されるように、作業機2は、旋回体3とブーム6とがブームピン13を介して接続され、ブーム6とアーム7とがアームピン14を介して接続され、アーム7とバケット8とがバケットピン15を介して接続された、リンク機構を有している。実施形態の情報較正方法によって較正される情報は、ブームピン13とアームピン14との間の距離と、アームピン14とバケットピン15との間の距離とを含む。この距離の情報から、図2に示されるブーム6のリンク長bmおよびアーム7のリンク長amを適切に較正することができる。作業機2の寸法を算出するために各ピンの位置に測量ターゲットを取り付けて各ピンの位置を直接計測しなくてもよいため、短時間の簡便な作業で、油圧ショベル100の作業機2の寸法の情報を正確に得ることができる。
【0077】
図4に示されるように、測定ターゲットは、複数のリンク部材のうちの先端のリンク部材である、バケット8に設定される。実施形態の情報較正方法によって較正される情報は、測定ターゲットである刃先8aの位置とバケットピン15との間の距離とを含む。この距離の情報から、図2に示されるバケット8のリンク長cmを適切に較正することができる。
【0078】
図2に示されるように、油圧ショベル100は、ブームIMU32、アームIMU33、およびバケットIMU34をさらに有している。ブームIMU32、アームIMU33、およびバケットIMU34は、作業機2の姿勢を計測する角度センサとしての機能を有している。実施形態の情報較正方法によって較正される情報は、ブームIMU32、アームIMU33、およびバケットIMU34の出力値に対するオフセット値を含んでいる。これにより、角度センサを適切に較正することができる。
【0079】
図1,2に示されるように、油圧ショベル100の旋回体3に、旋回体3に対する作業機2の相対移動の基準点となるブームピン13が設けられる。実施形態の情報較正方法によって較正される情報は、動作平面P上に規定される座標系におけるブームピン13のX座標Xbfおよびブームピン13のZ座標Zbfを含んでいる。これにより、ブームピン13の位置を適切に較正することができる。
【0080】
図3に示されるように、実施形態の情報較正方法は、平面である動作平面P上にX軸を設定するステップS4と、動作平面P上にZ軸を設定するステップS8とをさらに備えている。図5,6に示されるように、測定点A1,A2,A3に基づいて座標系を設定し、その座標系における測定点の計測座標と計算座標とに対して最小二乗法を適用することによって、作業機械に関する情報を較正することができる。
【0081】
図4,5に示されるように、測定点A1を動作平面P上の原点に設定し、測定点A1と測定点A2とを結ぶ方向を動作平面P上のX軸として設定する。これにより、X軸を簡便に設定することができる。図6に示されるように、X軸に直交する方向をZ軸として設定することができ、これにより、XZ直交座標系を簡便に設定することができる。
【0082】
上記の実施形態の説明では、平面である動作平面P上に3点の測定点A1,A2,A3を設定する例について説明した。同一の平面上に、より多数の測定点を設定してもよい。たとえば、バケット8の刃先8aを、測定点A1と測定点A2との間の1つ以上の位置において地面などに接触させて、そのときの刃先8aの位置を測定点としてもよい。バケット8の刃先8aを、測定点A1,A2よりも上方の位置であって測定点A3とは異なる1つ以上の位置に移動させて、そのときの刃先8aの位置を測定点としてもよい。測定点の数を増加させることで、測定点の計測座標と計算座標との差を最小化するような油圧ショベル100に関する情報の導出を、より精度よく実行することができる。
【0083】
バケット8の刃先8aを各測定点に停止させた状態で、角度センサの値を複数回取得してもよい。作業機2の各リンク部材のガタによるずれ、油圧装置に特有の微小なリークなどにより、作業機2の先端の刃先8aが自然落下している場合がある。たとえば、ステップS6で距離を計測する前にステップS5で角度センサの値を取得し、距離を計測した後に、角度センサの値を再度取得して、角度センサの値に差がないことを確認する機能を備えてもよい。
【0084】
上記の実施形態の説明では、作業機械の一例として油圧ショベル100を挙げているが、油圧ショベル100に限らず、ローディングショベル、機械式のロープショベル、電動ショベル、バケットクレーンなどの他の種類の作業機械にも適用可能である。
【0085】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0086】
1 本体、2 作業機、3 旋回体、5 走行体、6 ブーム、7 アーム、8 バケット、8a 刃先、10 ブームシリンダ、11 アームシリンダ、12 バケットシリンダ、13 ブームフートピン、14 アーム連結ピン、15 バケット連結ピン、26 コントローラ、32 ブームIMU、33 アームIMU、34 バケットIMU、100 油圧ショベル、A1,A2,A3 位置、P 動作平面、RX 旋回軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7