(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129067
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】液体を吐出する装置及びメンテナンス方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/165 20060101AFI20230907BHJP
B41J 2/015 20060101ALI20230907BHJP
B41J 2/14 20060101ALI20230907BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
B41J2/165 205
B41J2/015 101
B41J2/14 307
B41J2/14 305
B41J2/01 401
B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033834
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】内海 翔太
(72)【発明者】
【氏名】谷奥 雄一
(72)【発明者】
【氏名】武藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】久保寺 貴也
(72)【発明者】
【氏名】松本 純一
(72)【発明者】
【氏名】星野 好昭
(72)【発明者】
【氏名】高橋 智昭
(72)【発明者】
【氏名】前田 高嗣
【テーマコード(参考)】
2C056
2C057
【Fターム(参考)】
2C056EA14
2C056EA21
2C056EB38
2C056EB40
2C056EB49
2C056EC56
2C056FA04
2C056FA13
2C056HA41
2C056HA44
2C056HA46
2C057AF65
2C057AF72
2C057AG75
2C057AL16
2C057AL31
2C057AN05
2C057AR08
2C057BA04
2C057BA14
(57)【要約】
【課題】加圧メンテナンス時におけるヘッド構成部材への負荷を低減しつつ、ノズル内で増粘した液体を的確に排出できる液体を吐出する装置を提供する。
【解決手段】液体を吐出する複数のノズル406、及びノズル406から液体を吐出させる複数の圧電素子404を備える複数の液体吐出ヘッド440と、圧電素子404を駆動する駆動波形を生成する駆動波形生成手段と、液体吐出ヘッド440の上流側に接続された圧力印加手段402と、を備え、圧力印加手段402により液体吐出ヘッド440内の液体を加圧してノズル406から排出させる加圧メンテナンスにおいて、液体吐出ヘッド440の状態に応じて、駆動波形を圧電素子404ごとに生成する液体を吐出する装置である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する複数のノズル、及び前記ノズルから液体を吐出させる複数の圧電素子を備える複数の液体吐出ヘッドと、
前記圧電素子を駆動する駆動波形を生成する駆動波形生成手段と、
前記液体吐出ヘッドの上流側に接続された圧力印加手段と、を備え、
前記圧力印加手段により前記液体吐出ヘッド内の液体を加圧して前記ノズルから排出させる加圧メンテナンスにおいて、前記液体吐出ヘッドの状態に応じて、駆動波形を前記圧電素子ごとに生成することを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項2】
加圧メンテナンスにおいて、前記ノズル内の液体の増粘状態に応じて、前記ノズルに対応する前記圧電素子ごとに駆動波形を生成することを特徴とする請求項1に記載の液体を吐出する装置。
【請求項3】
加圧メンテナンスにおいて、前記ノズル内の液体が増粘していない場合は、対応する前記圧電素子を駆動しないことを特徴とする請求項1または2に記載の液体を吐出する装置。
【請求項4】
前記液体吐出ヘッドの状態は、加圧メンテナンス開始前までの前記圧電素子の駆動回数及び駆動時間の少なくともいずれかを用いて判定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液体を吐出する装置。
【請求項5】
加圧メンテナンスにおいて、前記ノズル内の圧力変動に応じて、前記ノズルに対応する前記圧電素子ごとに駆動波形を生成することを特徴とする請求項1に記載の液体を吐出する装置。
【請求項6】
前記ノズル内の圧力変動が、前記液体吐出ヘッドの前記圧力印加手段との接続部からの距離に起因したものであることを特徴とする請求項5に記載の液体を吐出する装置。
【請求項7】
加圧メンテナンス時に前記圧電素子を駆動する駆動波形が、通常時に前記ノズルから吐出される液滴よりも大きい液滴を排出させる駆動波形であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の液体を吐出する装置。
【請求項8】
加圧メンテナンス時に前記圧力印加手段による加圧を開始した後、前記ノズル内に印加される圧力値が最大となったタイミングで前記圧電素子を駆動することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の液体を吐出する装置。
【請求項9】
加圧メンテナンス時に前記圧電素子を駆動する駆動波形を経時で変化させて、前記ノズルから排出される液滴の大きさを経時で変更することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の液体を吐出する装置。
【請求項10】
液体を吐出する複数のノズル、及び前記ノズルから液体を吐出させる複数の圧電素子を備える複数の液体吐出ヘッドと、前記圧電素子を駆動する駆動波形を生成する駆動波形生成手段と、前記液体吐出ヘッドの上流側に接続された圧力印加手段と、を備える液体を吐出する装置のメンテナンス方法であって、
前記圧力印加手段により前記液体吐出ヘッド内の液体を加圧して前記ノズルから排出させる加圧メンテナンスにおいて、前記液体吐出ヘッドの状態に応じて、駆動波形を前記圧電素子ごとに生成することを特徴とするメンテナンス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を吐出する装置及びメンテナンス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を吐出する装置として、液体吐出ヘッド(記録ヘッド)からインク液滴を吐出して、搬送される記録用紙に画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置がある。
インクジェット方式の画像形成装置としては、主走査方向に複数設けられた液体吐出ヘッドのノズルからインク液滴を吐出して画像を形成するライン型のものが知られている。
また、液体吐出ヘッドとしては、圧電素子などの電気機械変換素子によって液室(インク流路)壁面を形成する振動板を変形させることによりインクを加圧するピエゾ型のものがある。
【0003】
インクジェット方式の画像形成装置では、液体吐出ヘッドが長時間キャップされていない場合、乾燥等によりノズル近傍のインクが増粘し、吐出異常の原因となることが知られている。そこで、上流側から加圧手段によって増粘したインクを加圧することでノズルから排出させる加圧メンテナンスを実施し、吐出を安定化させる技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1には、長期間に亘りノズルからのインク吐出が行われずに放置されているインクジェット記録ヘッドのメンテナンス処理において、インク加圧パージ中に非吐出駆動波形でヘッドを駆動することにより、ノズル近傍の増粘、又は固化したインクを再溶解し排出して、正常なインクと置換し確実に保全維持させるインクジェット記録ヘッドのメンテナンス方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
加圧によるメンテナンスでは、圧力値を大きくすることで増粘したインク等の排出性が向上する。しかしながら、加圧による負荷が大きいと、ヘッドの構成部品の破損や接合部からのインク漏れを招くおそれがある。
例えば、インクジェット方式の画像形成装置では、印刷時の画質向上のため、ノズル部の圧力変動を抑制して安定した吐出を得るために、ダンパー機能を有する可撓性フィルムを備えた液体吐出ヘッドが搭載されることがあるが、ヘッドの側面に設けられた可撓性フィルムは、加圧による負荷が大きいと、破れたり剥離したりするおそれがある。
【0006】
上記の不具合を回避するため、加圧メンテナンス動作においては、ヘッドに対する圧力値を抑える必要がある。
しかしながら、加圧メンテナンス時の圧力値を小さくした場合、増粘が進んでいないインクは排出することができる一方で、増粘が進んだインクは排出が困難となることがある。
【0007】
特許文献1のメンテナンス方法では、インク加圧パージ中に非吐出駆動波形でヘッドを駆動しているが、非吐出駆動波形ではピエゾによるノズルへの加圧が弱く、増粘したインクの排出のためにはなお、上流側からのヘッドに対する高い圧力値での加圧が必要となることがある。
【0008】
そこで本発明は、加圧メンテナンス時におけるヘッド構成部材への負荷を低減しつつ、ノズル内で増粘した液体を的確に排出できる液体を吐出する装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の液体を吐出する装置は、液体を吐出する複数のノズル、及び前記ノズルから液体を吐出させる複数の圧電素子を備える複数の液体吐出ヘッドと、前記圧電素子を駆動する駆動波形を生成する駆動波形生成手段と、前記液体吐出ヘッドの上流側に接続された圧力印加手段と、を備え、前記圧力印加手段により前記液体吐出ヘッド内の液体を加圧して前記ノズルから排出させる加圧メンテナンスにおいて、前記液体吐出ヘッドの状態に応じて、駆動波形を前記圧電素子ごとに生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、加圧メンテナンス時におけるヘッド構成部材への負荷を低減しつつ、ノズル内で増粘した液体を的確に排出できる液体を吐出する装置を吐出する装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置の全体構成の概略図である。
【
図2】
図1の装置のヘッドユニットの平面説明図である。
【
図3】ヘッドユニットの構成の一例を示す説明図(A)、及び液体吐出ヘッドの部分断面図(B)である。
【
図4】圧力印加部と圧電素子の駆動制御の説明図である。
【
図5】加圧メンテナンス時にノズルにかかる圧力値の変化の例を示すグラフである。
【
図6】本実施形態に係るメンテナンス方法の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本実施形態に係るメンテナンス方法の一例を示すフローチャートである。
【
図8】液体吐出ヘッドの状態判定の一例を説明する図である。
【
図9】本実施形態に係るメンテナンス方法の一例を示すフローチャートである。
【
図10】液体吐出ヘッドの状態判定の一例を説明する図である。
【
図11】本実施形態に係るメンテナンス方法の一例を示すフローチャートである。
【
図12】駆動波形生成手段と圧電素子駆動ICの機能ブロック図である。
【
図13】ノズル内の圧力変動の一例を説明する図である。
【
図14】
図13の態様におけるノズルの圧力値と駆動波形を示す図である。
【
図15】ノズル内の圧力変動の一例を説明する図である。
【
図16】
図15の態様におけるノズルの圧力値と駆動波形を示す図である。
【
図17】ノズル内の圧力変動の一例を説明する図である。
【
図18】
図17の態様におけるノズルの圧力値と駆動波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の液体を吐出する装置及びメンテナンス方法について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0013】
本発明に係る液体を吐出する装置の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、液体を吐出する装置である画像形成装置1000の全体構成の概略図である。本実施形態の画像形成装置1000は、複数の液体吐出ヘッドが媒体である用紙の全幅に渡って配列されたライン型のインクジェット記録装置である。
【0014】
本実施形態の画像形成装置1000は、媒体である用紙を搬入する搬入手段100と、搬入された用紙を前処理する前処理手段110と、前処理された用紙を乾燥させる第一の乾燥手段300とを備えている。
【0015】
本実施形態では、媒体として、ロール状に巻かれた連続紙(以下、「用紙」という)を用いている。「用紙」は、例えば、切断可能なミシン目が所定間隔で形成された連続紙(連帳紙、連続帳票)である。用紙におけるページ(頁)とは、例えば所定間隔のミシン目で挟まれる領域とする。本実施形態の画像形成装置で使用できる用紙としては、普通紙、上質紙、薄紙、厚紙及び記録紙、並びに、OHP用紙、合成樹脂フィルム、金属薄膜及びその他表面に液体が付着可能なものが挙げられる。
また、本実施形態において吐出される液体として、インクジェット用インクを用いている。その他、本実施形態の画像形成装置で使用できる液体としては、ノズルから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。
【0016】
画像形成装置1000は、さらに、用紙Sの表面に液体を吐出する複数の液体吐出ヘッドからなるヘッドアレイ401を備えたヘッドユニット400、液体が吐出された用紙Sを後処理する後処理手段500、液体が吐出され後処理された用紙Sを乾燥させる第二の乾燥手段310、後処理された用紙Sを搬出する搬出手段600、及び画像形成装置1000の動作を制御する制御手段700等を備えている。第二の乾燥手段310は、ヘッドユニット400の直下に配設されている。
【0017】
画像形成装置1000の動作を説明する。まず、搬入手段100によって用紙Sを前処理手段110に給紙し、前処理手段110及び第一の乾燥手段300によって用紙Sの表面を前処理及び乾燥する。次いで、ヘッドユニット400によって、前処理手段110及び乾燥手段300により前処理及び乾燥した後の用紙Sの表面に液体を吐出する。液体が吐出された用紙Sに対し、後処理手段500により後処理し、第二の乾燥手段310によって乾燥する。そして、後処理及び乾燥された用紙Sを搬出手段600によって巻き取って排出する。以上の一連の動作は、制御手段700によって制御される。
【0018】
なお、画像形成装置1000の構成は
図1に示すものに限定されず、液体が吐出される媒体の種類に応じて、前処理手段110等のいずれか一つ又は複数の手段を含まない構成とすることができる。
【0019】
図2は、ヘッドユニット400の概略を示す平面図である。本実施形態では、ヘッドユニット400にフルライン型のヘッドアレイ401を用いている。
ヘッドユニット400には、記録媒体である用紙Sの搬送方向Xの上流側から、4つのヘッドアレイ401K、401C、401M及び401Y(以下、色の区別しないときは「ヘッドアレイ401」という)が配置されている。それぞれKはブラック、Cはシアン、Mはマゼンダ、Yはイエローの色を示す。なお、K、C、M、Yの色順は、
図2の例に限定されるものではなく、他の並び順であってもよい。また、ヘッドアレイ401は、グリーン、レッド、ライトシアン、ピンク、オレンジ及び/又はその他の色であってもよいし、単色(例えば、ブラックのみ)であってもよい。
【0020】
ブラック(K)のヘッドアレイ401Kは、ベース部材450上に、用紙の搬送方向Xと直交する方向に、4つの液体吐出ヘッド440a、440b、440c及び440dが千鳥状に配置されている。これにより、ヘッドアレイ401Kは、用紙Sの画像形成領域(印刷領域)の全域にブラック(K)画像を形成できる。なお、ヘッドの個数は4つに限定されない。
他のヘッドアレイ401C、401M及び401Yの構成も、ブラック(K)のヘッドアレイ401Kの構成と同様である。
【0021】
4つのヘッドアレイ401K、401C、401M及び401Yに他の機能部品、機構が一体化した液体吐出に関連する部品の集合体がヘッドユニット400である。ヘッドユニット400は、ヘッドアレイ401K、401C、401M及び401Yの液体吐出ヘッド440を駆動させて液体を吐出させる。
【0022】
図3(A)は、ヘッドユニット400の構成の一例を示す説明図であり、
図3(B)は液体吐出ヘッド440の部分断面図である。
図3では、
図2に示したヘッドアレイ401Kの液体吐出ヘッド440aを例として示しているが、他の液体吐出ヘッド440及びヘッドアレイ401の構成も同様である。
【0023】
液体吐出ヘッド440は、インクを吐出するノズル406及び、インクを吐出するために各ノズルに圧力を形成する圧電素子(以下、ピエゾともいう)404を備えている。
液体吐出ヘッド440は、ヘッドフィルム403を備えている。ヘッドフィルム403は、変形によりノズル406部分の圧力変動を抑制するダンパー機能を有している。
また、液体吐出ヘッド440の上流側には圧力印加手段402を備えている。圧力印加手段402は、流路410を介して液体吐出ヘッド440と接続部420で接続されている。
【0024】
インクジェット方式の画像形成装置(液体を吐出する装置)において、液体吐出ヘッド440が長時間キャップされていない場合や、吐出が行われていない場合に、乾燥等によりノズル406内部のインク10が増粘し、これが吐出異常の原因となることが知られている。そこで、ノズル内インク10の増粘による異常吐出を防ぐ目的で、加圧メンテナンスを実施し、増粘したインクを打ち捨てることで、印刷のための吐出を安定化している。
加圧メンテナンスは、圧力印加手段402による圧力を液体吐出ヘッド440内に伝え、ノズル詰まりやエア等を排出させるものである。加圧メンテナンス時の加圧は、通常の印刷時の吐出よりも高い圧力とすることが好ましく、また急激に加圧することで効果があることが知られている。
【0025】
しかしながら、加圧メンテナンスにおいて液体吐出ヘッド440を加圧したとき、ヘッドフィルム403が変形し、損傷するおそれがある。一方、加圧メンテナンス時の圧力値を抑えることで、増粘が進んだインク10の排出は困難になるという課題がある。そこで、本実施形態の液体を吐出する装置では、加圧メンテナンス時に圧力印加手段402により加圧を行うと同時に圧電素子404の駆動を行うことにより、増粘したインクの排出性を担保する。
図5中、圧力印加手段による加圧方向をP、圧電素子404の駆動によりインク10を吐出させる方向をDで示している。
【0026】
本発明に係る液体を吐出する装置は、液体を吐出する複数のノズル406、及びノズル406から液体を吐出させる複数の圧電素子404を備える複数の液体吐出ヘッド440と、圧電素子404を駆動する駆動波形を生成する駆動波形生成手段と、液体吐出ヘッド440の上流側に接続された圧力印加手段402と、を備え、圧力印加手段402により液体吐出ヘッド440内の液体を加圧してノズル406から排出させる加圧メンテナンスにおいて、液体吐出ヘッド440の状態に応じて、駆動波形を圧電素子404ごとに生成する。
【0027】
また、本発明に係るメンテナンス方法は、液体を吐出する複数のノズル406、及びノズル406から液体を吐出させる複数の圧電素子404を備える複数の液体吐出ヘッド440と、圧電素子404を駆動する駆動波形を生成する駆動波形生成手段と、液体吐出ヘッド440の上流側に接続された圧力印加手段402と、を備える液体を吐出する装置のメンテナンス方法であって、圧力印加手段402により液体吐出ヘッド440内の液体を加圧してノズル406から排出させる加圧メンテナンスにおいて、液体吐出ヘッド440の状態に応じて、駆動波形を圧電素子404ごとに生成する。
【0028】
以下、液体吐出ヘッド440の状態に応じて駆動波形を圧電素子404ごとに生成し、圧電素子404を駆動するための構成及び制御方法について説明する。
【0029】
図4は、圧力印加部と圧電素子の駆動制御の説明図である。
本実施形態の液体を吐出する装置は、
図4に示すように、圧力印加手段402により液体吐出ヘッド440を加圧した後、所定時間(T1)後に、圧電素子404を駆動する。
【0030】
図5は、加圧メンテナンス時にノズルにかかる圧力値の変化の例を示すグラフである。
図5に示す圧力プロファイルから、圧力印加手段402による圧力印加を開始したT2時間後にノズル部の液体にかかる圧力が最大値となることがわかる。圧力が最大値となったタイミング(T2)、または最大値となったタイミング以降(T2以降)の時間で圧電素子404を駆動することで、インクの排出効率を向上させることができる。
【0031】
よって、
図4に示すT1及び
図5に示すT2は、T1≧T2の関係を満たすことが好ましい。なお、T1=T2とすることで、メンテナンスの所要時間を短縮することができる。
すなわち、本発明に係る液体を吐出する装置は、加圧メンテナンス時に圧力印加手段402による加圧を開始した後、ノズル内に印加される圧力値が最大となったタイミングで圧電素子404を駆動することが好ましい。
【0032】
圧電素子404を駆動する駆動波形は、ノズルから吐出される液滴の大きさに対応した駆動波形とすることができる。
【0033】
本実施形態の液体を吐出する装置において、加圧メンテナンス時に圧電素子404を駆動する駆動波形を、通常時にノズル406から吐出される液滴よりも大きい液滴を排出させる駆動波形とすることができる。
このような制御を行うことにより、ノズル406にかかる圧力が上昇するため、増粘がすすんだインクの排出の効率が向上する。
【0034】
また、本実施形態の液体を吐出する装置において、加圧メンテナンス時に圧電素子404を駆動する駆動波形を経時で変化させて、ノズル406から排出される液滴の大きさを経時で変更することができる。
例えば、加圧メンテナンス開始後、最初に排出されるインクを大きな液滴(大滴)とし、その後比較的小さい液滴(中滴、小滴)とすることができる。
このような制御を行うことにより、インクの排出性を維持しながらメンテナンス時におけるインクの消費量を低減することができる。
【0035】
本実施形態の液体を吐出する装置は、加圧メンテナンスにおいて、ノズル406内の液体(インク10)の増粘状態に応じて、ノズル406に対応する圧電素子404ごとに駆動波形を生成する。
内部のインク10の増粘が進んでいるノズル406と、内部のインク10に増粘がみられないノズル406とを判別し、インク10の増粘が進んでいるノズル406に対応する圧電素子404のみを駆動することで、インクの消費量を低減することができる。また、圧電素子404の駆動回数を低減することができる。
【0036】
すなわち、加圧メンテナンスにおいて、ノズル406内の液体(インク10)が増粘していない場合は、対応する圧電素子404を駆動しない構成とすることができる。
【0037】
本実施形態のメンテナンス方法の流れを
図6に示す。
図6に示すように、加圧メンテナンスにおいて、まず対象となる液体吐出ヘッド(対象ヘッド)のノズル内のインクの増粘が進行しているかを判定する(S001)。インクの増粘が進行していないと判定された場合は、圧力印加手段による加圧のみを行う(S002)。一方、ノズル内のインクの増粘が進行していると判定された場合は、圧力印加手段による加圧及び圧電素子404の駆動(ピエゾ駆動)を行う(S003)。他にもメンテナンス対象の液体吐出ヘッドがある場合はステップS001の前に戻ってメンテナンスを継続し、他に対象のヘッドがない場合はメンテナンスを終了する(S004)。
【0038】
ノズル内のインク10の増粘が進行する要因としては、例えば、加圧メンテナンス開始前までの液体吐出ヘッド440がキャッピングされていない時間(デキャップ時間)が長いこと、及びインク吐出量が少ないこと等が挙げられる。これらは、対応する圧電素子404の駆動回数や駆動時間の履歴から判定することができる。
よって、本実施形態の液体を吐出する装置の加圧メンテナンスにおいて、液体吐出ヘッド440の状態は、例えば、加圧メンテナンス開始前までの圧電素子404の駆動回数及び駆動時間の少なくともいずれかを用いて判定することができる。
【0039】
また、圧電素子404の駆動回数及び駆動時間は、加圧メンテナンス開始前に対象の液体吐出ヘッド440が画像形成領域領域上に位置していたか、またはカバレッジ(用紙に対する画像の割合)が高い領域上に位置していたかに基づいて判定することもできる。
【0040】
ところで、液体吐出ヘッド440は複数のノズル406を有しているため、液体吐出ヘッド440の状態によっては、ノズル406ごとに内部のインク10の増粘状態が異なる場合がある。
そこで、一つの液体吐出ヘッド440において、内部のインク10が増粘していないノズル406に対応する圧電素子404を駆動せず、内部のインク10が増粘しているノズル406に対応する圧電素子404のみを駆動するように制御することができる。この場合のメンテナンス方法の流れを
図7に示す。
【0041】
図7の例では、加圧メンテナンスにおいて、まず対象となる液体吐出ヘッド440(以下「対象ヘッド」という)のメンテナンス開始直前の状態を確認する(S101)。
メンテナンス開始直前に、対象ヘッド全体がノズル内のインク増粘のない(増粘の進行がない)領域に位置していたかを判断する(S102)。対象ヘッド全体がインク増粘のない領域に位置していた場合は、「領域A」に位置していたと判定し(S103)、対象ヘッドに対しては圧力印加手段402による加圧のみを行う(S104)。
【0042】
ステップS102で非該当の場合、対象ヘッド全体がノズル内のインク増粘のある(増粘が進行している)領域に位置していたかを判断する(S105)。対象ヘッド全体がインク増粘のある領域に位置していた場合は、「領域B」に位置していたと判定し(S106)、対象ヘッドに対しては圧力印加手段402による加圧と圧電素子404の駆動(以下、「ピエゾ駆動」という)を行う(S107)。
【0043】
さらにステップS105で非該当の場合、その対象ヘッドは「領域C」に位置していたと判定し(S108)、インク増粘のない領域に対しては圧力印加手段402による加圧のみを行い、インク増粘のある領域に対しては圧力印加手段402による加圧とピエゾ駆動を行う(S109)。
他にもメンテナンス対象の液体吐出ヘッドがある場合はステップS101の前に戻ってメンテナンスを継続し、他に対象のヘッドがない場合はメンテナンスを終了する(S110)。
【0044】
なお、ステップS108において液体吐出ヘッド440が領域Cに位置していたと判定された場合であっても、一律に領域BのステップS107と同様の処理を行ってもよい。
【0045】
加圧メンテナンス開始前までの圧電素子404の駆動回数及び駆動時間のいずれかを用いて判定を行う具体例を以下に説明する。第1の例は、加圧メンテナンス開始前に対象の液体吐出ヘッド440が画像形成領域上としての用紙上に位置していたかにより判定する例であり、第2の例はカバレッジ(用紙に対する画像の割合)が高い領域上に位置していたかにより判定する例である。
【0046】
(第1の実施形態)
図9は、加圧メンテナンス開始前のヘッドユニット400と用紙Sとの位置関係の一例を模式的に表した図である。用紙S上の符号Fはフラッシングを表している。
【0047】
領域Aは用紙Sがある領域であり、領域Aに位置している液体吐出ヘッド440はフラッシングや印字が行われることによってノズル内のインクの増粘が抑制されている。このため、領域Aに位置している液体吐出ヘッドに対しては、圧力印加手段402による加圧のみを行う。
【0048】
領域Bは用紙Sが無い領域であり、領域Bに位置している液体吐出ヘッド440はフラッシングや印字が行われておらず、ノズル内のインクの増粘が進行している。よって、領域Bに位置している液体吐出ヘッドに対しては、圧力印加手段402による加圧と圧電素子404による駆動を行う。
【0049】
領域Cは用紙Sの端部を含む領域であり、領域Cに位置している液体吐出ヘッド440は内部のインクの増粘が抑制されたノズルと増粘が進行したノズルとが混在している。よって、領域Cに位置している液体吐出ヘッドに対しては、用紙S上にあったノズルに圧力印加手段402による加圧のみを行い、用紙S上に無いノズルに圧力印加手段402による加圧と圧電素子404による駆動を行う。なお、領域Bと同様の処理を行ってもよい。
【0050】
図8の例におけるメンテナンスの流れを
図9に示す。
メンテナンス開始直前に、対象ヘッド全体が用紙S上に位置していたかを判断し(S201)対象ヘッド全体が用紙S上に位置していた場合は、対象ヘッド全体に対して圧力印加手段402による加圧のみを行う(S202)。
【0051】
ステップS201で非該当の場合、対象ヘッド全体が用紙S上に位置していなかった(用紙Sの外にあった)かを判断し(S203)、対象ヘッド全体が用紙Sの外に位置していた場合は、対象ヘッド全体に対して圧力印加手段402による加圧とピエゾ駆動を行う(S204)。
【0052】
さらにステップS203で非該当の場合、その対象ヘッドに対してノズル毎に異なる制御を行うかを判断し(S205)、異なる制御を行わない場合はステップS204の処理を行う。一方、ノズル毎に異なる制御を行う場合は、用紙S上にあったノズルに対しては圧力印加手段402による加圧のみを行い、用紙Sの外にあったノズルに対しては圧力印加手段402による加圧とピエゾ駆動を行う(S206)。
他にもメンテナンス対象の液体吐出ヘッドがある場合はステップS201の前に戻ってメンテナンスを継続し、他に対象のヘッドがない場合はメンテナンスを終了する(S207)。
【0053】
(第2の実施形態)
図10は、加圧メンテナンス開始前のヘッドユニット400と用紙Sに形成される画像のカバレッジとの位置関係の一例を模式的に表した図である。用紙S上の符号Fはフラッシングを表している。また、用紙S上の符号Hは高カバレッジ領域を表し、符号Lは低カバレッジ領域を表している。
【0054】
領域Aは高カバレッジ領域に対応する領域であり、領域Aに位置している液体吐出ヘッド440は圧電素子404の駆動回数(ピエゾ駆動回数)が多いため、ノズル内のインクの増粘が抑制されている。このため、領域Aに位置している液体吐出ヘッドに対しては、圧力印加手段402による加圧のみを行う。
【0055】
領域Bは低カバレッジ領域に対応する領域であり、領域Bに位置している液体吐出ヘッド440はピエゾ駆動回数が少ないため、ノズル内のインクの増粘が進行している。よって、領域Bに位置している液体吐出ヘッドに対しては、圧力印加手段402による加圧と圧電素子404による駆動を行う。
【0056】
領域Cは高カバレッジ領域と低カバレッジ領域にまたがる領域であり、領域Cに位置している液体吐出ヘッド440は内部のインクの増粘が抑制されたノズルと増粘が進行したノズルとが混在している。よって、領域Cに位置している液体吐出ヘッドに対しては、高カバレッジ領域上にあったノズルに圧力印加手段402による加圧のみを行い、低カバレッジ領域上にあったノズルに圧力印加手段402による加圧と圧電素子404による駆動を行う。なお、領域Bと同様の処理を行ってもよい。
【0057】
図10の例におけるメンテナンスの流れを
図11に示す。
メンテナンス開始直前に、対象ヘッド全体が高カバレッジ(H)領域上に位置していたかを判断し(S301)対象ヘッド全体がH領域上に位置していた場合は、対象ヘッド全体に対して圧力印加手段402による加圧のみを行う(S302)。
【0058】
ステップS301で非該当の場合、対象ヘッド全体が低カバレッジ(L)領域上に位置していたかを判断し(S303)、対象ヘッド全体がL領域上に位置していた場合は、対象ヘッド全体に対して圧力印加手段402による加圧とピエゾ駆動を行う(S304)。
【0059】
さらにステップS303で非該当の場合、その対象ヘッドに対してノズル毎に異なる制御を行うかを判断し(S305)、異なる制御を行わない場合はステップS304の処理を行う。一方、ノズル毎に異なる制御を行う場合は、H領域上にあったノズルに対しては圧力印加手段402による加圧のみを行い、L領域上にあったノズルに対しては圧力印加手段402による加圧とピエゾ駆動を行う(S306)。
他にもメンテナンス対象の液体吐出ヘッドがある場合はステップS301の前に戻ってメンテナンスを継続し、他に対象のヘッドがない場合はメンテナンスを終了する(S307)。
【0060】
以上の装置構成及び方法により、加圧メンテナンス時におけるヘッド構成部材、特にヘッドフィルム403への負荷を低減しつつ、ノズル406内で増粘した液体を的確に排出することができる。また、液体としてのインクの消費量を低減し、さらに圧電素子404の駆動回数を低減することができる。
【0061】
ところで、加圧メンテナンス時に、同じ処理を行う対象の複数のノズル406の間で内部の圧力にばらつきがあると、同じ駆動波形により圧電素子404を駆動しても、得られる効果に差異が生じてしまうことがある。
そこで、本実施形態の液体を吐出する装置は、加圧メンテナンスにおいて、ノズル406内の圧力変動に応じて、ノズル406に対応する圧電素子404ごとに駆動波形を生成することができる。
【0062】
「ノズル内の圧力変動」は、例えば、液体吐出ヘッド440の圧力印加手段402との接続部420(
図3(A)参照)からの距離に起因したものである。
【0063】
図12は駆動波形生成手段と圧電素子駆動ICの機能ブロック図である。
駆動回路生成基板200は、ASICやFPGAで制御された制御回路201と、駆動波形やマスク信号等の制御信号を生成する第1から第Nまでの駆動回路202を有する。
制御回路201は、駆動波形データを生成する。駆動回路202は、駆動波形生成手段であって、生成された駆動波形データをDA変換し、電圧増幅、電流増幅して駆動波形を生成する。なお、駆動回路202は、波形データ格納部であるROMに記憶された吐出波形を参照して、同期信号や、クロック信号に基づいたタイミングで駆動波形を生成する。
【0064】
液体吐出ヘッド440は、圧電素子駆動IC407が設けられている。
駆動回路202で生成された駆動波形は、ハーネス203を介してシリアル通信で液体吐出ヘッド440に伝送され、圧電素子駆動IC407に入力される。駆動波形は、ケーブルを介して、タイミング制御信号を応じた駆動IC407のON/OFFによって圧電素子404に入力される。
【0065】
複数のノズルを有するノズル列に対して、1つの駆動回路202が生成した1つの駆動波形を基に生成される波形が入力されている。圧電素子駆動IC407では、ノズル列に含まれる複数のノズルの各ノズルに対して、それぞれの圧電素子404に駆動波形を出力する。
【0066】
(第1の圧力変動パターン)
図13は、接続部420が液体吐出ヘッド440の短手方向の一端部にある場合のノズル406の圧力変動を示す説明図である。図中矢印430は圧力が変動する方向を示している。
図13に示すように、ノズル406の圧力は接続部420近傍のノズル列L1から高圧となり、次いでノズル列L2、L3と順次変動していく。
そこで、圧力値が変動したタイミングにあわせて駆動回路202において駆動波形の出力を生成し、圧電素子へ出力することが好ましい。
【0067】
図14は、
図13の態様におけるノズルの圧力値と駆動波形を示す図である。
加圧メンテナンス時に、ノズルの圧力がノズル列L1、L2、L3と変動していく場合、各ノズル列に紐づいた駆動回路からの駆動波形のパルスのタイミングをずらしていくことで、圧力変動に応じて効率よくインク排出の補助となる圧電素子404の駆動を行うことができる。
【0068】
図14の例では、駆動波形出力するタイミングの基準となる駆動波形出力トリガ信号に対して、所定のディレイをかけた上で各駆動回路毎に駆動波形を出力することで、各列毎にタイミングをずらした駆動波形で圧電素子404の駆動を行うことができる。
【0069】
(第2の圧力変動パターン)
図15は、接続部420が液体吐出ヘッド440の長手方向の一端部にある場合のノズル406の圧力変動を示す説明図である。図中矢印430は圧力が変動する方向を示している。
図15に示すように、ノズル406の圧力は同一ノズル列L1において、ブロックAから高圧となり、次いでブロックB、ブロックCと順次変動していく。
そこで、それぞれのブロックで圧力値が変動したタイミングに合わせて駆動回路202において複数のパルスを有する駆動波形とマスク信号を出力し、圧力値が変動したタイミングにあわせたパルスの駆動波形を圧電素子へ出力することが好ましい。
【0070】
図16は、
図15の態様におけるノズルの圧力値と駆動波形を示す図である。
加圧メンテナンス時に、ノズル406の圧力が同一ノズル列内において長手方向へ変動していく場合、列内のノズル406をブロックに分け、各ブロック毎に駆動波形の印加タイミングをずらしていくことで、圧力変動に応じて効率よくインク排出の補助となる圧電素子404の駆動を行うことができる。
【0071】
図16の例では、複数のパルスを持つ駆動波形と、各ブロックのマスク信号を駆動回路202から液体吐出ヘッド440に送ることで、液体吐出ヘッド440内に実装された駆動IC407にて、駆動波形のマスクが行われ、各ブロック毎にタイミングをずらした駆動波形で圧電素子404を駆動することができる。
【0072】
なお、
図16の例では、各ブロック毎に1つの共通の駆動回路202から駆動波形およびマスク信号を入力する構成であるが、同一のノズル列内でも各ブロック毎に別々の独立した駆動回路から駆動波形およびマスク信号を入力する構成とすれば、
図13及び
図14の例と同様の方法で制御を実現することができる。
【0073】
(第3の圧力変動パターン)
図17は、接続部420が液体吐出ヘッド440の長手方向一端部かつ短手方向の一端部にある場合のノズル406の圧力変動を示す説明図である。図中矢印430は圧力が変動する方向を示している。
図17に示すように、ノズル406の圧力は接続部420近傍のノズル列L1のブロックAから高圧となり、ノズル列L3のブロックIに向かって順次変動していく。
そこで、圧力値が変動したタイミングにあわせて駆動回路202において複数のパルスを持つ駆動波形とマスク信号を出力し、それぞれの列で圧力変動のタイミングに合わせたパルスの駆動波形を生成することが好ましい。
【0074】
図18は、
図17の態様におけるノズルの圧力値と駆動波形を示す図である。
加圧メンテナンス時に、ノズル406の圧力が
図17に示すように変動していく場合は、
図14に示す第1の圧力変動パターンにおける制御と、
図16に示す第2の圧力変動パターンにおける制御とを同時に行うことにより、圧力変動に応じて効率よくインク排出の補助となる圧電素子404の駆動を行うことができる。
【符号の説明】
【0075】
400 ヘッドユニット
401 ヘッドアレイ
402 圧力印加手段
403 ヘッドフィルム
404 圧電素子(ピエゾ)
420 接続部
440 液体吐出ヘッド
1000 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0076】