IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立化成株式会社の特許一覧

特開2023-129195フィルム、巻回体、接続構造体、及び接続構造体の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129195
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】フィルム、巻回体、接続構造体、及び接続構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/10 20180101AFI20230907BHJP
   C09J 7/30 20180101ALI20230907BHJP
【FI】
C09J7/10
C09J7/30
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106097
(22)【出願日】2022-06-30
(62)【分割の表示】P 2022033679の分割
【原出願日】2022-03-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】森尻 智樹
(72)【発明者】
【氏名】島村 充芳
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真弓
(72)【発明者】
【氏名】菊地 健太
【テーマコード(参考)】
4J004
【Fターム(参考)】
4J004BA02
4J004BA04
4J004BA08
4J004DB03
4J004EA01
4J004FA05
(57)【要約】
【課題】多様な位置に接着剤フィルム片を貼り付けることができる。
【解決手段】フィルム1は、長尺の剥離フィルム2と、剥離フィルム2上に設けられて互いに離間した複数の接着剤フィルム片3と、剥離フィルム2上に複数の接着剤フィルム片3が設けられていない非接着剤領域4と、を備え、複数の接着剤フィルム片3は、非接着剤領域4を介して互いに隣り合う第一接着剤フィルム片101及び第二接着剤フィルム片102と、非接着剤領域4を介して互いに隣り合う第三接着剤フィルム片103及び第四接着剤フィルム片104と、を有し、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間距離と、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104との離間距離と、が異なる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の剥離フィルムと、
前記剥離フィルム上に設けられて互いに離間した複数の接着剤フィルム片と、
前記剥離フィルム上に前記複数の接着剤フィルム片が設けられていない非接着剤領域と、を備え、
前記複数の接着剤フィルム片は、前記非接着剤領域を介して互いに隣り合う第一接着剤フィルム片及び第二接着剤フィルム片と、前記非接着剤領域を介して互いに隣り合う第三接着剤フィルム片及び第四接着剤フィルム片と、を有し、
前記第一接着剤フィルム片と前記第二接着剤フィルム片との離間距離と、前記第三接着剤フィルム片と前記第四接着剤フィルム片との離間距離と、が異なる、
フィルム。
【請求項2】
前記第一接着剤フィルム片と前記第二接着剤フィルム片とは、前記剥離フィルムの長手方向に隣り合い、
前記第三接着剤フィルム片と前記第四接着剤フィルム片とは、前記長手方向に隣り合う、
請求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
前記第一接着剤フィルム片と前記第二接着剤フィルム片とは、前記剥離フィルムの幅方向に隣り合い、
前記第三接着剤フィルム片と前記第四接着剤フィルム片とは、前記幅方向に隣り合う、
請求項1に記載のフィルム。
【請求項4】
前記非接着剤領域は、隣り合う前記接着剤フィルム片の離間距離が前記接着剤フィルム片よりも長くなる第一領域を有する、
請求項1~3の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項5】
前記非接着剤領域は、隣り合う前記接着剤フィルム片の離間距離が前記接着剤フィルム片よりも短くなる第二領域を有する、
請求項4に記載のフィルム。
【請求項6】
前記非接着剤領域は、隣り合う前記接着剤フィルム片の離間距離が、前記第一領域における隣り合う前記接着剤フィルム片の前記離間距離よりも短い第三領域を有する、
請求項4又は5に記載のフィルム。
【請求項7】
前記第一接着剤フィルム片と前記第二接着剤フィルム片との離間距離は、前記第一接着剤フィルム片と前記第二接着剤フィルム片との離間方向における前記第一接着剤フィルム片及び前記第二接着剤フィルム片の最大長さよりも長い、
請求項1~3の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項8】
前記第三接着剤フィルム片と前記第四接着剤フィルム片との離間距離は、前記第三接着剤フィルム片と前記第四接着剤フィルム片との離間方向における前記第三接着剤フィルム片及び前記第四接着剤フィルム片の最大長さよりも短い、
請求項7に記載のフィルム。
【請求項9】
前記第三接着剤フィルム片と前記第四接着剤フィルム片との離間距離は、前記第一接着剤フィルム片と前記第二接着剤フィルム片との前記離間距離よりも短い、
請求項7又は8に記載のフィルム。
【請求項10】
前記剥離フィルムに形成されたハーフカットを更に備え、
前記ハーフカットは、前記第一接着剤フィルム片と前記第二接着剤フィルム片との間の前記非接着剤領域に形成されている、
請求項7~9の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項11】
前記第三接着剤フィルム片と前記第四接着剤フィルム片とは、前記剥離フィルムの長手方向に隣り合い、
前記長手方向における前記第三接着剤フィルム片と前記第四接着剤フィルム片との離間距離は、20mm以下である、
請求項7~10の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項12】
前記複数の接着剤フィルム片は、前記剥離フィルムの長手方向に配列された複数の接着剤フィルム片群を成し、
前記接着剤フィルム片の配置は、前記複数の接着剤フィルム片群で同じである、
請求項1~11の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項13】
前記剥離フィルムの前記長手方向に隣り合う前記接着剤フィルム片群の離間距離は、20mm以下である、
請求項12に記載のフィルム。
【請求項14】
前記複数の接着剤フィルム片は、前記剥離フィルムの幅方向における前記剥離フィルムの端縁から離間している、
請求項1~13の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項15】
前記複数の接着剤フィルム片は、前記剥離フィルムの長手方向に一列に配列されている、
請求項1~14の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項16】
前記複数の接着剤フィルム片の少なくとも一部は、穴を有する、
請求項1~15の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項17】
前記複数の接着剤フィルム片は、同じ形をしている、
請求項1~16の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項18】
前記接着剤フィルム片は、導電性を有する、
請求項1~17の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項19】
前記接着剤フィルム片は、導電粒子を含有する、
請求項18に記載のフィルム。
【請求項20】
請求項1~19の何れか一項に記載のフィルムと、
前記フィルムが巻回された巻芯と、を備える、
巻回体。
【請求項21】
第一接着面を有する第一部材と、
第二接着面を有する第二部材と、
前記第一接着面と前記第二接着面とを接続する請求項1~19の何れか一項に記載の接着剤フィルム片と、を備える、
接続構造体。
【請求項22】
請求項1~19の何れか一項に記載のフィルムを準備する準備工程と、
前記フィルムの前記接着剤フィルム片を介して第一部材の第一接着面と第二部材の第二接着面とを接続する接続工程と、を備える、
接続構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム、巻回体、接続構造体、及び接続構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートホン、パーソナルコンピュータ、イヤホン、スマートウォッチ、ウェアラブルデバイス等のデバイスの高機能化、小型化、薄型化、デザインの高度化が進んできた。また、デバイスに搭載されるセンサ、部品、基板等の高機能化、複合化も進んできた。これに伴い、センサ、部品、基板等の一部又は全部に耐熱性が低い材料を用いる、あるいは耐熱性が低いセンサ、部品、基板等をデバイスに搭載する、あるいは耐熱性が低いセンサ、部品、基板等に近接した位置に別の部材を高温で接続する、などのケースも増えてきている。なお、「接続する」には、接着する、実装する、搭載する等の意味が含まれる。その結果、センサ、部品、基板等の一又は複数の所定位置のみに他の部材を接続する技術が求められるようになってきた。しかも、センサ、部品、基板等に他の部材を接続する位置は、デバイスの種類等によって様々である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/066411号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、特許文献1に記載されたような剥離フィルム上に複数の接着剤フィルム片が設けられたフィルムを用いて、センサ、部品、基板等の一又は複数の所定位置のみに接着剤フィルム片を貼り付けることが考えられる。しかしながら、フィルムを有効活用して低コスト化を図ろうとする本技術分野の技術常識に鑑みると、複数の接着剤フィルム片は、等間隔且つ密接して配置されたものとなる。このように複数の接着剤フィルム片が等間隔且つ密接して配置されていると、多様な位置に接着剤フィルム片を貼り付けることは容易ではない。
【0005】
そこで、本発明の一側面は、多様な位置に接着剤フィルム片を貼り付けることができるフィルム、巻回体、接続構造体、及び接続構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るフィルムの製造方法は、長尺の剥離フィルム上に複数の接着剤フィルム片が設けられた原フィルムから、複数の接着剤フィルム片のうちの少なくとも一つである除去対象接着剤フィルム片を除去する除去工程を備える。
【0007】
このフィルムの製造方法では、原フィルムから除去対象接着剤フィルム片を除去することで、剥離フィルム上に設けられる接着剤フィルム片の数を減らすことができる。そして、除去対象接着剤フィルム片となる接着剤フィルム片の位置及び数を変えることで、剥離フィルム上に設けられる接着剤フィルム片の配置を変えることができる。これにより、多様な位置に接着剤フィルム片を貼り付けることができるフィルムを製造することができる。加えて、例えば、原フィルムに不良品の接着剤フィルム片がある場合、不良品の接着剤フィルム片を除去対象接着剤フィルム片として除去することで、不良品の接着剤フィルム片が除去されたフィルムを製造することができる。
【0008】
ところで、接着剤フィルム片を打抜く金型を複数用意することで、剥離フィルム上に設けられる接着剤フィルム片の配置を変えることができる。しかしながら、金型を複数用意するとコストが高くなるという問題がある。これに対し、このフィルムの製造方法では、原フィルムから除去対象接着剤フィルム片を除去ことで、剥離フィルム上に設けられる接着剤フィルム片の配置を変えることができるため、金型を複数用意する場合に比べてコストを抑制することができる。
【0009】
また、液状の接着剤を滴下するディスペンサを用いて剥離フィルム上の任意の位置に複数の接着剤を設けることもできる。しかしながら、液状の接着剤では、高アスペクトの構造を作り難い、表面張力によりエッジが丸くなりやすい、染み出しにより寸法精度が低下する等の問題がある。これに対し、このフィルムの製造方法では、剥離フィルム上に設けられた複数の接着剤フィルム片のうちの除去対象接着剤フィルム片を除去するため、これらの問題を解消することができる。
【0010】
除去工程では、原フィルムから原フィルムに対して接離可能な被着体に除去対象接着剤フィルム片を転写させることで、除去対象接着剤フィルム片を除去してもよい。このフィルムの製造方法では、原フィルムから被着体に除去対象接着剤フィルム片を転写させることで、除去対象接着剤フィルム片を適切に除去することができる。
【0011】
除去工程では、被着体として第一被着ローラを用い、第一被着ローラに転写された除去対象接着剤フィルム片を、原フィルムに接触しない第二被着ローラに転写してもよい。このフィルムの製造方法では、第一被着ローラに転写された除去対象接着剤フィルム片を第二被着ローラに転写するため、第一被着ローラに転写された除去対象接着剤フィルム片が原フィルムに戻されるのを抑制することができる。
【0012】
除去工程では、被着体として被着テープを用い、被着テープを搬送しながら原フィルムに接離させてもよい。このフィルムの製造方法では、被着テープを搬送しながら原フィルムに接離させるため、被着テープに転写された除去対象接着剤フィルム片が原フィルムに戻されるのを抑制することができる。
【0013】
除去対象接着剤フィルム片を検出する検出工程を更に備え、除去工程では、検出工程で検出された除去対象接着剤フィルム片を原フィルムから除去してもよい。このフィルムの製造方法では、除去対象接着剤フィルム片を検出し、この検出した除去対象接着剤フィルム片を除去するため、除去対象接着剤フィルム片の除去を自動化することができる。
【0014】
検出工程では、複数の接着剤フィルム片のうちの所定位置にある接着剤フィルム片を除去対象接着剤フィルム片として検出してもよい。このフィルムの製造方法では、複数の接着剤フィルム片のうちの所定位置にある接着剤フィルム片を除去対象接着剤フィルム片として検出及び除去するため、剥離フィルム上に設けられる接着剤フィルム片の配置をパターン化することができる。これにより、例えば、複数の部材に対して同じパターン配置で複数の接着剤フィルム片を貼り付けることができるフィルムを製造することができる。
【0015】
検出工程では、複数の接着剤フィルム片を剥離フィルムの長手方向に配列された複数の接着剤フィルム片群に分けた場合の、複数の接着剤フィルム片群における同じ位置にある接着剤フィルム片を除去対象接着剤フィルム片として検出してもよい。このフィルムの製造方法では、原フィルムの複数の接着剤フィルム片群における同じ位置にある接着剤フィルム片を除去対象接着剤フィルム片として検出及び除去するため、フィルムの各接着剤フィルム片群の接着剤フィルム片の配置を同じにすることができる。これにより、例えば、複数の部材に対して同じパターン配置で複数の接着剤フィルム片を貼り付けることができるフィルムを製造することができる。
【0016】
ところで、各接着剤フィルム片群に設けられる複数の接着剤フィルム片を金型の打ち抜きにより形成することで、各接着剤フィルム片群の接着剤フィルム片の配置を同じにすることができる。しかしながら、一つの接着剤フィルム片群が剥離フィルムの長手方向に長い場合、大型の金型を用意する必要があるため、コストが高くなるという問題がある。これに対して、このフィルムの製造方法では、一つの接着剤フィルム片群が剥離フィルム2の長手方向にどれだけ長くても、除去対象接着剤フィルム片を除去するだけで、各接着剤フィルム片群の接着剤フィルム片の配置を同じにすることができる。このため、金型を用意する場合に比べて、コストを抑制することができる。
【0017】
検出工程では、複数の接着剤フィルム片のうちの不良品の接着剤フィルム片を除去対象接着剤フィルム片として検出してもよい。このフィルムの製造方法では、不良品の接着剤フィルム片を除去対象接着剤フィルム片として検出及び除去するため、不良品の接着剤フィルム片の無いフィルムを製造することができる。
【0018】
ところで、インクジェット又はレーザーマーク等により不良品の接着剤フィルム片又は不良品の接着剤フィルム片の近傍に目印をつけておき、目印を頼りに不良品の接着剤フィルム片を貼り付けないようにすることもできる。しかしながら、インクジェット又はレーザーマーク等により目印をつけると、例えば、インクジェットのインクによる異物不具合、レーザによる焦げ、発塵による異物不具合、剥離フィルムの損傷等の問題がある。これに対し、このフィルムの製造方法では、不良品の接着剤フィルム片を除去対象接着剤フィルム片として検出及び除去するため、これらの問題を解消することができる。
【0019】
原フィルムを製造する原フィルム製造工程を更に備えてもよい。このフィルムの製造方法では、原フィルムを製造する原フィルム製造工程を備えることで、原フィルムにおける複数の接着剤フィルム片の配置を自由に設定することができる。
【0020】
原フィルム製造工程は、剥離フィルム上の全面に接着剤フィルム層を形成する接着剤フィルム層形成工程と、接着剤フィルム層を、複数の接着剤フィルム片の外形を成す外形線に沿って切断する接着剤フィルム層切断工程と、切断された外形線に沿って、接着剤フィルム層における複数の接着剤フィルム片以外の部分となる余白部分を、剥離フィルムから剥離する余白剥離工程と、を有してもよい。このフィルムの製造方法では、剥離フィルム上の全面に接着剤フィルム層を形成し、接着剤フィルム層を外形線に沿って切断し、切断した外形線に沿って余白部分を剥離フィルムから剥離する。これにより、容易に、剥離フィルム上に複数の接着剤フィルム片を設けることができる。
【0021】
複数の接着剤フィルム片は、導電性を有してもよい。このフィルムの製造方法では、複数の接着剤フィルム片が導電性を有するため、接着剤フィルム片を介して接続した部材を導通することができる。
【0022】
本発明の一側面に係るフィルムは、長尺の剥離フィルムと、剥離フィルム上に設けられて互いに離間した複数の接着剤フィルム片と、剥離フィルム上に複数の接着剤フィルム片が設けられていない非接着剤領域と、を備え、複数の接着剤フィルム片は、非接着剤領域を介して互いに隣り合う第一接着剤フィルム片及び第二接着剤フィルム片と、非接着剤領域を介して互いに隣り合う第三接着剤フィルム片及び第四接着剤フィルム片と、を有し、第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片との離間距離と、第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片との離間距離と、が異なる。
【0023】
このフィルムでは、第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片との離間距離と、第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片との離間距離と、が異なるため、複数の接着剤フィルム片の離間距離が全て同じ場合に比べて、多様な位置に接着剤フィルム片を貼り付けることができる。
【0024】
第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片とは、剥離フィルムの長手方向に隣り合い、第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片とは、長手方向に隣り合ってもよい。このフィルムでは、第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片とが長手方向に隣り合うとともに、第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片とが長手方向に隣り合うことで、長手方向における多様な位置に接着剤フィルム片を貼り付けることができる。
【0025】
第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片とは、剥離フィルムの幅方向に隣り合い、第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片とは、幅方向に隣り合ってもよい。このフィルムでは、第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片とが剥離フィルムの幅方向に隣り合い、第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片とが幅方向に隣り合うことで、幅方向における多様な位置に接着剤フィルム片を貼り付けることができる。
【0026】
非接着剤領域は、隣り合う接着剤フィルム片の離間距離が接着剤フィルム片よりも長くなる第一領域を有してもよい。このフィルムでは、非接着剤領域が、隣り合う接着剤フィルム片の離間距離が接着剤フィルム片よりも長くなる第一領域を有するため、より多様な位置に接着剤フィルム片を貼り付けることができる。
【0027】
非接着剤領域は、隣り合う接着剤フィルム片の離間距離が接着剤フィルム片よりも短くなる第二領域を有してもよい。このフィルムでは、非接着剤領域が、隣り合う接着剤フィルム片の離間距離が接着剤フィルム片よりも短くなる第二領域を有するため、より多様な位置に接着剤フィルム片を貼り付けることができる。
【0028】
非接着剤領域は、隣り合う接着剤フィルム片の離間距離が、第一領域における離間距離よりも短い第三領域を有してもよい。このフィルムでは、非接着剤領域が、隣り合う接着剤フィルム片の離間距離が第一領域における隣り合う接着剤フィルム片の離間距離よりも短い第三領域を有するため、より多様な位置に接着剤フィルム片を貼り付けることができる。
【0029】
第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片との離間距離は、第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片との離間方向における第一接着剤フィルム片及び第二接着剤フィルム片の最大長さよりも長くてもよい。このフィルムでは、第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片との離間距離が第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片との離間方向における第一接着剤フィルム片及び第二接着剤フィルム片の最大長さよりも長い。このため、第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片との間に接着剤フィルム片を貼り付けることなく、第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片との離間方向における第一接着剤フィルム片及び第二接着剤フィルム片の最大長さよりも離れた位置に第一接着剤フィルム片及び第二接着剤フィルム片を貼り付けることができる。
【0030】
第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片との離間距離は、第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片との離間方向における第三接着剤フィルム片及び第四接着剤フィルム片の最大長さよりも短くてもよい。このフィルムでは、第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片との離間距離が第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片との離間方向における第三接着剤フィルム片及び第四接着剤フィルム片の最大長さよりも短い。このため、第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片との間に接着剤フィルム片を貼り付けることなく、第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片との離間方向における第三接着剤フィルム片及び第四接着剤フィルム片の最大長さよりも近い位置に第三接着剤フィルム片及び第三接着剤フィルム片を貼り付けることができる。
【0031】
第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片との離間距離は、第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片との離間距離よりも短くてもよい。このフィルムでは、第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片との離間距離が、第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片との離間距離よりも短いため、より多様な位置に接着剤フィルム片を貼り付けることができる。
【0032】
剥離フィルムに形成されたハーフカットを更に備え、ハーフカットは、第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片との間の非接着剤領域に形成されていてもよい。このフィルムでは、ハーフカットが第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片との間の非接着剤領域に形成されている。このため、例えば、フィルムの製造時に、第一接着剤フィルム片と第二接着剤フィルム片との間に設けられた別の接着剤フィルム片を除去した場合に、接着剤フィルム片が除去された跡なのか否かを判別することができる。
【0033】
第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片とは、剥離フィルムの長手方向に隣り合い、長手方向における第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片との離間距離は、20mm以下であってもよい。このフィルムでは、第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片とが長手方向に隣り合い、長手方向における第三接着剤フィルム片と第四接着剤フィルム片との離間距離が20mm以下である。このため、第三接着剤フィルム片及び第四接着剤フィルム片を貼り付ける際のフィルムの搬送距離を短くすることができるとともに、フィルムを有効活用して低コスト化を図ることができる。
【0034】
複数の接着剤フィルム片は、剥離フィルムの長手方向に配列された複数の接着剤フィルム片群を成し、接着剤フィルム片の配置は、複数の接着剤フィルム片群で同じであってもよい。このフィルムでは、接着剤フィルム片の配置が複数の接着剤フィルム片群で同じであるため、接着剤フィルム片を貼り付ける位置が同じ部材に対して、接着剤フィルム片を効率的に貼り付けることができる。
【0035】
剥離フィルムの長手方向に隣り合う接着剤フィルム片群の離間距離は、20mm以下であってもよい。このフィルムでは、剥離フィルムの長手方向に隣り合う接着剤フィルム片群の離間距離が20mm以下である。このため、隣り合う接着剤フィルム片群を別の部材に貼り付ける場合に、フィルムの搬送距離を短くすることができるとともに、フィルムを有効活用して低コスト化を図ることができる。
【0036】
複数の接着剤フィルム片は、剥離フィルムの幅方向における剥離フィルムの端縁から離間していてもよい。このフィルムでは、複数の接着剤フィルム片が剥離フィルムの幅方向における剥離フィルムの端縁から離間しているため、剥離フィルムの端部が他部材と干渉等した際に、剥離フィルムから接着剤フィルム片が剥離するのを抑制することができる。
【0037】
複数の接着剤フィルム片は、剥離フィルムの長手方向に一列に配列されていてもよい。このフィルムでは、複数の接着剤フィルム片が剥離フィルムの長手方向に一列に配列されていているため、接着剤フィルム片を容易に貼り付けることができる。
【0038】
複数の接着剤フィルム片の少なくとも一部は、穴を有してもよい。このフィルムでは、複数の接着剤フィルム片の少なくとも一部が穴を有するため、例えば、中央部に接着剤フィルム片を貼り付けたくない箇所を有する部分に対して、適切に接着剤フィルム片を貼り付けることができる。
【0039】
複数の接着剤フィルム片は、同じ形をしていてもよい。このフィルムでは、複数の接着剤フィルム片が同じ形をしているため、同じ形をした複数の接着面に対して効率的に接着剤フィルム片を貼り付けることができる。
【0040】
接着剤フィルム片は、導電性を有してもよい。このフィルムでは、接着剤フィルム片が導電性を有するため、接着剤フィルム片を介して接続する二つの部材を導通することができる。
【0041】
接着剤フィルム片は、導電粒子を含有していてもよい。このフィルムでは、接着剤フィルム片が導電粒子を含有しているため、接着剤フィルム片に異方導電性を付与することができる。
【0042】
本発明の一側面に係る巻回体は、上記の何れかのフィルムと、フィルムが巻回された巻芯と、を備える。この巻回体では、巻芯に上記の何れかのフィルムが巻回されているため、多様な位置に接着剤フィルム片を貼り付けることができる
【0043】
本発明の一側面に係る接続構造体は、第一接着面を有する第一部材と、第二接着面を有する第二部材と、第一接着面と第二接着面とを接続する上記の何れかの接着剤フィルム片と、を備える。この接続構造体では、上記の何れかの接着剤フィルム片により、第一部材と第二部材とが接続されているため、第一接着面及び第二接着面の位置が多様であっても、第一接着面及び第二接着面に接着剤フィルム片が適切に貼り付けられた接続構造体を得ることができる。
【0044】
本発明の一側面に係る接続構造体の製造方法は、上記の何れかのフィルムを準備する準備工程と、フィルムの接着剤フィルム片を介して第一部材の第一接着面と第二部材の第二接着面とを接続する接続工程と、を備える。この接続構造体の製造補法では、上記の何れかのフィルムの接着剤フィルム片を介して第一部材の第一接着面と第二部材の第二接着面とを接続するため、第一接着面及び第二接着面の位置が多様であっても、第一接着面及び第二接着面に接着剤フィルム片が適切に貼り付けられた接続構造体を製造することができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、多様な位置に接着剤フィルム片を貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1図1は、本実施形態に係るフィルムの製造方法を示すフローチャートである。
図2図2は、本実施形態に係るフィルムの一部の例を示す平面図である。
図3図3は、図2に示すIII-III線における断面の例を示す断面図である。
図4図4は、図2に示すIII-III線における断面の例を示す断面図である。
図5図5は、図2に示すIII-III線における断面の例を示す断面図である。
図6図6(a)、図6(b)、及び図6(c)は、フィルムの他の例の一部を示す平面図である。
図7図7は、図1に示す原フィルム製造工程を示すフローチャートである。
図8図8(a)、図8(b)、図8(c)、及び図8(d)は、図1に示す原フィルム製造工程を説明するための断面図である。
図9図9(a)、図9(b)、図9(c)、及び図9(d)は、図1に示す原フィルム製造工程を説明するための斜視図である。
図10図10(a)及び図10(b)は、図1に示す除去工程を説明するための平面図である。
図11図11は、第一除去方法に用いる除去装置を示す模式図である。
図12図12は、第二除去方法に用いる除去装置を示す模式図である。
図13図13は、第三除去方法に用いる除去装置を示す模式図である。
図14図14は、第四除去方法に用いる除去装置を示す模式図である。
図15図15は、第五除去方法に用いる除去装置を示す模式図である。
図16図16は、第六除去方法に用いる除去装置を示す模式図である。
図17図17は、原フィルムの一部の例を示す平面図である。
図18図18は、フィルムの一部の例を示す平面図である。
図19図19は、フィルムの一部の例を示す平面図である。
図20図20は、フィルムの一部の例を示す平面図である。
図21図21は、フィルムの一部の例を示す平面図である。
図22図22(a)は、原フィルムの例を示す平面図であり、図22(b)は、フィルムの例を示す平面図である。
図23図23は、フィルムの一部の例を示す平面図である。
図24図24は、本実施形態に係る巻回体を示す斜視図である。
図25図25は、本実施形態に係る接続構造体を示す断面図である。
図26図26は、本実施形態に係る接続構造体の製造方法を示すフローチャートである。
図27図27は、図26に示すフィルム製造工程を示すフローチャートである。
図28図28は、図26に示す接続工程を説明するための概略工程図である。
図29図29は、フィルムの一部の例を示す平面図である。
図30図30は、フィルムの一部の例を示す平面図である。
図31図31は、原フィルムの一部の例を示す平面図である。
図32図32は、フィルムの一部の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面では、説明を分かりやすくするために、寸法割合等を適宜変更している。
【0048】
[フィルムの製造方法]
図1及び図2に示すように、フィルムの製造方法は、フィルム1を製造する方法である。フィルム1は、長尺の(テープ状の)剥離フィルム2と、剥離フィルム2上に設けられて互いに離間した複数の接着剤フィルム片3と、剥離フィルム2上に複数の接着剤フィルム片3が設けられていない非接着剤領域4と、を備える。
【0049】
(剥離フィルム)
剥離フィルム2は、接着剤フィルム片3に貼り付けられて、複数の接着剤フィルム片3を支持する。剥離フィルム2の素材は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン等を用いることができる。剥離フィルム2には、任意の充填剤を含有させてもよい。また、剥離フィルム2の表面には、離型処理、プラズマ処理、静電防止処理等が施されていてもよい。
【0050】
ところで、接着対象(不図示)の接着面(不図示)に接着剤フィルム片3を高精度に貼り付ける際は、フィルム1における接着剤フィルム片3の位置を特定することが好ましい。例えば、剥離フィルム2がフィルム1における接着剤フィルム片3の位置を特定するためのアライメントマークを備えるものとし、このアライメントマークに基づいて接着剤フィルム片3の位置を特定してもよい。また、フィルム1における接着剤フィルム片3の特定配置等を検出して、フィルム1における接着剤フィルム片3の位置を特定してもよい。そこで、撮像装置33(図28参照)によりフィルム1における接着剤フィルム片3の位置を検出することが考えられる。しかしながら、その後に接着面に接着剤フィルム片3を貼り付けることを考えると、剥離フィルム2に対する接着剤フィルム片3の反対側に、撮像装置33を配置することが好ましい。
【0051】
そこで、撮像装置33により剥離フィルム2側から接着剤フィルム片3の位置を検出できるように、剥離フィルム2は、光透過性を有してもよい。
【0052】
この場合、剥離フィルム2の透過率は、15%以上100%以下とすることができ、15%以上99%以下とすることが好ましく、16%以上98%以下とすることが更に好ましい。
【0053】
剥離フィルム2の透過率は、以下のように測定することができる。ヘイズメータ(例えば、日本電色工業株式会社製 NDH-5000)に、50mm×50mmの正方形に切断した剥離フィルムをセットし、全光透過率を測定する。そして、この測定結果を、剥離フィルム2の透過率とする。
【0054】
また、剥離フィルム2のヘイズ値は、3%以上100%以下とすることができ、3%以上99%以下とすることが好ましく、4%以上99%以下とすることが更に好ましい。
【0055】
剥離フィルム2のヘイズ値は、以下のように測定することができる。ヘイズメータ(例えば、日本電色工業株式会社製 NDH-5000)に、50mm×50mmの正方形に切断した剥離フィルムをセットし、ヘイズ値を測定する。そして、この測定結果を、剥離フィルム2のヘイズ値とする。
【0056】
(接着剤フィルム片)
接着剤フィルム片3は、接着対象である第一部材と第二部材とを接続する。図3図5に示すように、接着剤フィルム片3は、フィルム状の接着剤6を有する。
【0057】
接着剤フィルム片3を形成する接着剤6としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の混合系、光硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン樹脂系、ポリエステル樹脂系が用いられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、ポキシ樹脂系、シリコーン樹脂系が用いられる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いる場合は、通常、加熱加圧を必要とする。熱可塑性樹脂では樹脂を流動させ被着体との密着力を得るため、また熱硬化性樹脂では更に樹脂の硬化反応を行うためである。また、光硬化性樹脂は、硬化に加熱を要しないことから、低温での接続が求められる場合に有用である。
【0058】
また、接着剤フィルム片3を形成する接着剤6としては、接続箇所以外への熱による影響を最小にする等の観点から、例えば、示差走査熱量測定(DSC)の硬化度が、230℃30秒の条件で80%以上、210℃30秒の条件で80%以上、190℃30秒の条件で80%以上、170℃30秒の条件で80%以上、150℃30秒の条件で80%以上、130℃30秒の条件で80%以上、又は100℃30秒の条件で80%以上の樹脂を用いてもよい。これらの樹脂特性は最終的なデバイスに要求される信頼性レベルに応じて最適なものを選定することもできる。この示差走査熱量測定の硬化度は、示差走査熱量計(例えば、TAインスツルメント社製 DSC Q-1000)により測定することができる。
【0059】
接着剤フィルム片3は、導電性を有するものであってもよく、非導電性を有するものであってもよい。例えば、接着剤フィルム片3は、導電性接着剤フィルムにより形成されていてもよく、非導電性接着剤フィルムにより形成されていてもよく、導電性接着剤領域と非導電性接着剤領域とを有するハイブリッド接着剤フィルムにより形成されていてもよい。また、接着剤フィルム片3は、第一接着剤層及び第二接着剤層の二層から構成されるものであってよく、第一接着剤層、第二接着剤層及び第三接着剤層を備える、三層以上の層から構成されるものであってもよい。第一接着剤層、第二接着剤層及び第三接着剤層は、導電性を有するものであってもよく、非導電性を有するものであってもよい。
【0060】
接着剤フィルム片3を形成する導電性接着剤フィルムとしては、例えば、等方導電性を有してもよく、異方導電性を有してもよい。例えば、図4に示すように、導電粒子7を含有しているものとすることで、異方導電性を有することができる。導電粒子7は、例えば、接着剤6に含有される。
【0061】
導電粒子7としては、例えばAu、Ag、Ni、Cu、Pd、はんだ等の金属粒子、カーボン粒子が用いられる。また、導電粒子7は、Ni、Cu等の遷移金属類の表面をAu、Ag、Pd等の貴金属類で被覆したものであってもよい。また、導電粒子7は、ガラス、セラミック、プラスチック等の非導電粒子の表面を導電物質で被覆する等の方法により、非導電粒子表面に導通層を形成したものであってもよい。導電粒子7は、更に、最外層を貴金属類で構成したもの、熱溶融金属粒子を用いたもの等であってもよい。
【0062】
接着剤フィルム片3を形成するハイブリッド接着剤フィルムとしては、例えば、図5に示すように、導電性接着剤領域8と非導電性接着剤領域9とが剥離フィルム2上に隣接して配置されたものであってもよい。導電性接着剤領域8は、例えば、導電性接着剤フィルムと同様に、導電粒子7を含有しているものとすることができる。
【0063】
接着剤フィルム片3の形状は、特に限定されるものではなく、様々な形状とすることができる。例えば、接着剤フィルム片3の形状としては、真円、楕円等の円形、三角形、四角形等の多角形、星形、各種マーク等の複雑な形などが挙げられる。四角形としては、正方形、長方形、台形等が挙げられる。
【0064】
また、接着剤フィルム片3は、図6(a)~(c)に示すように、穴3aが形成されていてもよい。穴3aは、接着剤フィルム片3の一部がくり抜かれた(打ち抜かれた)ものである。穴3aの形状、大きさ、位置、数等は、特に限定されるものではない。例えば、穴3aは、接着剤フィルム片3と相似形であってもよく、接着剤フィルム片3と相似形でなくてもよい。穴3aの形状としては、真円、楕円等の円形、三角形、四角形等の多角形、星形、各種マーク等の複雑な形などが挙げられる。四角形としては、正方形、長方形、台形等が挙げられる。穴3aの位置は、接着剤フィルム片3の中央部であってもよく、接着剤フィルム片3の端部であってもよい。一つの接着剤フィルム片3に形成される穴3aの数は、1つであってもよく、2以上であってもよい。一つの接着剤フィルム片3に複数の穴3aが形成される場合は、各穴3aの形状、大きさ等は、同じであってもよく、異なっていてもよい。図6(a)に示す接着剤フィルム片3は、四角形の外形を有しており、その中央部に、接着剤フィルム片3の外形と相似する四角形の穴3aが形成されている。図6(b)に接着剤フィルム片3は、円形の外形を有しており、その中央部に、接着剤フィルム片3の外形と相似する円形の穴3aが形成されている。図6(c)に示す接着剤フィルム片3は、四角形の外形を有しており、その中央部に、円形の四角形の穴3aが形成されている。
【0065】
そして、フィルムの製造方法は、原フィルム製造工程(S1)と、原フィルム製造工程(S1)の後に行う除去工程(S2)と、を備える。
【0066】
(原フィルム製造工程)
原フィルム製造工程(S1)では、長尺の剥離フィルム上に複数の接着剤フィルム片が設けられた原フィルムを製造する。
【0067】
図7図9に示すように、原フィルム製造工程(S1)は、接着剤フィルム層形成工程(S11)と、接着剤フィルム層形成工程(S11)の後に行う接着剤フィルム層切断工程(S12)と、接着剤フィルム層切断工程(S12)の後に行う余白剥離工程(S13)と、を備える。
【0068】
接着剤フィルム層形成工程(S11)では、まず、図8(a)及び図9(a)に示すように、剥離フィルム2を用意する。そして、図8(b)及び図9(b)に示すように、剥離フィルム2上の全面に、接着剤フィルム層3Aを形成する。接着剤フィルム層3Aは、複数の接着剤フィルム片3となる層である。接着剤フィルム層3Aは、例えば、接着剤6及び導電粒子7を含有するものである。接着剤フィルム層3Aを形成する接着剤6及び導電粒子7は、上述した接着剤フィルム片3を形成する接着剤6及び導電粒子7と同じである。
【0069】
接着剤フィルム層切断工程(S12)では、図8(c)及び図9(c)に示すように、剥離フィルム2上に形成された接着剤フィルム層3Aを、原フィルム5に設ける複数の接着剤フィルム片3の外形を成す外形線3Bに沿って切断する。これにより、接着剤フィルム層3Aは、外形線3Bの内側に位置する内側部分3A1と、外形線3Bの外側に位置する複数の余白部分3A2と、に分離される。内側部分3A1は、原フィルム5に設ける複数の接着剤フィルム片3となる部分である。余白部分3A2は、原フィルム5に設ける複数の接着剤フィルム片3以外の部分となる部分である。接着剤フィルム層3Aの切断は、例えば、外周面に切断刃が形成されたロールカッターに接着剤フィルム層3Aを押し当てて、剥離フィルム2をハーフカットすることにより行う。剥離フィルム2をハーフカットするとは、剥離フィルム2の接着剤フィルム層3Aとは反対側の面が切断されないように、剥離フィルム2の接着剤フィルム層3A側の面を切断することをいう。このため、剥離フィルム2の接着剤フィルム層3A側の面には、原フィルム5に設ける複数の接着剤フィルム片3の外形に対応した切込みが形成される。これにより、接着剤フィルム片3が複雑な形状、微細な形状等であっても、容易に外形線3Bに沿って接着剤フィルム層3Aを切断することができる。
【0070】
余白剥離工程(S13)では、図8(d)及び図9(d)に示すように、切断された外形線3Bに沿って、接着剤フィルム層3Aの余白部分3A2を剥離フィルム2から剥離する。余白部分3A2の剥離は、例えば、粘着テープを余白部分3A2に粘着させ、この粘着テープを引っ張り、剥離フィルム2から余白部分3A2を引き剥がすことにより行う。すると、剥離フィルム2上に残った内側部分3A1が、原フィルム5に設ける複数の接着剤フィルム片3となる。これにより、剥離フィルム2上に複数の接着剤フィルム片3が設けられた原フィルム5が製造される。
【0071】
このようにして製造された原フィルム5は、巻芯(不図示)に巻回された巻回体10(図11図16参照)として保管、運搬等されたのち、除去工程(S2)に引き継がれる。なお、原フィルム5は、巻回体10として巻回されることなく、除去工程(S2)に引き継がれてもよい。
【0072】
(除去工程)
図10(a)及び図10(b)に示すように、除去工程(S2)では、原フィルム5から、複数の接着剤フィルム片3のうちの少なくとも一つである除去対象接着剤フィルム片3Zを除去する。これにより、フィルム1が製造される。フィルム1には、除去対象接着剤フィルム片3Zの除去された跡として、剥離フィルム2の非接着剤領域4に、除去対象接着剤フィルム片3Zの外形に対応するハーフカット2Aが形成されている。
【0073】
原フィルム5に設けられた複数の接着剤フィルム片3のうち、何れの接着剤フィルム片3が除去対象接着剤フィルム片とするかは、特に限定されるものではない。例えば、原フィルム5に設けられた複数の接着剤フィルム片3のうち、接着対象(不図示)の接着面(不図示)とは異なる位置にある接着剤フィルム片3を、除去対象接着剤フィルム片としてもよい。また、原フィルム5に設けられた複数の接着剤フィルム片3のうち、不良品の接着剤フィルム片3を、除去対象接着剤フィルム片としてもよい。
【0074】
原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zを除去する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ローラを用いるローラ除去方法、テープを用いるテープ除去方法がある。
【0075】
また、原フィルム5からの除去対象接着剤フィルム片の除去は、手動で行ってもよく、自動で行ってもよい。原フィルム5からの除去対象接着剤フィルム片の除去を自動で行う場合、例えば、除去対象接着剤フィルム片を検出する検出工程を行い、除去工程(S2)では、この検出工程で検出された除去対象接着剤フィルム片を原フィルム5から除去してもよい。
【0076】
ここで、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zを除去する方法の一例として、以下の六つの除去方法について説明する。
【0077】
(第一除去方法)
第一除去方法では、図11に示す除去装置20Aを用いて、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zを除去する。
【0078】
図11に示す除去装置20Aは、巻出軸21と、巻取軸22と、第一被着ローラ23と、第二被着ローラ24と、を備える。巻出軸21は、原フィルム5が巻回された巻回体10がセットされる回転可能な軸である。巻取軸22は、巻回体10から巻き出された原フィルム5を巻き取る回転可能な軸である。巻出軸21及び巻取軸22の少なくとも一方は、モータ等の回転駆動装置(不図示)により回転駆動される。第一被着ローラ23は、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zが転写される回転可能な被着体である。第一被着ローラ23は、原フィルム5に対して接離可能となっている。つまり、第一被着ローラ23は、巻出軸21にセットされた巻回体10から巻き出されてから巻取軸22に巻き取られるまでの原フィルム5の搬送経路に対して接離可能となっている。なお、第一被着ローラ23は、駆動機構(不図示)により移動されることで、原フィルム5に対して接離可能となっている。第二被着ローラ24は、第一被着ローラ23に接触又は近接することで、第一被着ローラ23に転写された除去対象接着剤フィルム片3Zが転写される被着体である。第二被着ローラ24は、原フィルム5に接触しないように配置されている。第二被着ローラ24は、第一被着ローラ23と一体的に又は第一被着ローラ23から独立して、駆動機構(不図示)により原フィルム5に対する接離方向に移動可能となっていてもよい。
【0079】
そして、第一除去方法では、原フィルム5が巻回された巻回体10を巻出軸21にセットし、フィルム1を巻回する巻芯14(図24参照)を巻取軸22にセットする。そして、巻出軸21及び巻取軸22を回転させて、巻回体11から巻き出された原フィルム5を巻取軸22にセットされた巻芯14に巻き取る。このとき、第一被着ローラ23を原フィルム5から離間させておき、除去対象接着剤フィルム片3Zが到来すると、第一被着ローラ23を原フィルム5に近接させて、除去対象接着剤フィルム片3Zに接触させる。これにより、除去対象接着剤フィルム片3Zが原フィルム5から第一被着ローラ23に転写される。そして、除去対象接着剤フィルム片3Zが第一被着ローラ23に転写されると、第一被着ローラ23を原フィルム5から離間させる。これにより、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zが除去される。また、第一被着ローラ23に転写された除去対象接着剤フィルム片3Zは、第一被着ローラ23から第二被着ローラ24に転写される。
【0080】
(第二除去方法)
第二除去方法では、図12に示す除去装置20Bを用いて、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zを除去する。
【0081】
図12に示す除去装置20Bは、基本的に図11に示す除去装置20Aと同様であるが、第一被着ローラ及び第二被着ローラの代わりに被着テープが設けられている点で図11に示す除去装置20Aと相違する。このため、以下では、図11に示す除去装置20Aと相違する点のみを説明し、図11に示す除去装置20Aと同様の点の説明を省略する。
【0082】
図12に示す除去装置20Bは、巻出軸21と、巻取軸22と、被着テープ25と、を備える。被着テープ25は、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zが転写されるテープ状の被着体である。被着テープ25は、原フィルム5に対して接離可能となっている。つまり、被着テープ25は、巻出軸21にセットされた巻回体10から巻き出されてから巻取軸22に巻き取られるまでの原フィルム5の搬送経路に対して接離可能となっている。なお、被着テープ25は、駆動機構(不図示)により移動されることで、原フィルム5に対して接離可能となっている。また、被着テープ25は、テープ搬送機構26により搬送される。テープ搬送機構26は、被着テープ25が常に新しい面で原フィルム5と接触するように、被着テープ25を搬送する。テープ搬送機構26は、例えば、被着テープ25の巻回体27がセットされて巻回体27から被着テープ25を送り出す巻出軸28と、巻回体27から巻き出された被着テープ25を原フィルム5側に押し付ける押圧ローラ29と、巻回体27から巻き出された被着テープ25を巻き取る巻取軸30と、を備える。
【0083】
そして、第二除去方法では、原フィルム5が巻回された巻回体10を巻出軸21にセットし、フィルム1を巻回する巻芯14を巻取軸22にセットする。そして、巻出軸21及び巻取軸22を回転させて、巻回体11から巻き出された原フィルム5を巻取軸22にセットされた巻芯14に巻き取る。このとき、被着テープ25を原フィルム5から離間させておき、除去対象接着剤フィルム片3Zが到来すると、被着テープ25を原フィルム5に近接させて、除去対象接着剤フィルム片3Zに接触させる。これにより、除去対象接着剤フィルム片3Zが原フィルム5から被着テープ25に転写される。そして、除去対象接着剤フィルム片3Zが被着テープ25に転写されると、被着テープ25を原フィルム5から離間させる。これにより、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zが除去される。そして、次に到来する除去対象接着剤フィルム片3Zに対して被着テープ25の新しい面を接触させることができるように、テープ搬送機構26により被着テープ25を搬送する。
【0084】
(第三除去方法)
第三除去方法では、図13に示す除去装置20Cを用いて、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zを除去する。
【0085】
図13に示す除去装置20Cは、基本的に図11に示す除去装置20Aと同様であるが、センサを更に備える点で図11に示す除去装置20Aと相違する。このため、以下では、図11に示す除去装置20Aと相違する点のみを説明し、図11に示す除去装置20Aと同様の点の説明を省略する。
【0086】
図13に示す除去装置20Cは、巻出軸21と、巻取軸22と、第一被着ローラ23と、第二被着ローラ24と、センサ31と、を備える。センサ31は、複数の接着剤フィルム片3のうちの所定位置にある接着剤フィルム片を除去対象接着剤フィルム片3Zとして検出する。
【0087】
所定位置としては、例えば、剥離フィルム2の長手方向Xにおける位置と剥離フィルム2の幅方向Yにおける位置とを適宜組み合わせた位置である。剥離フィルム2の長手方向Xは、剥離フィルム2の延びる方向であって、巻芯14に巻き取られる方向である。剥離フィルム2の幅方向Yとは、剥離フィルム2の長手方向X及び剥離フィルム2の厚さ方向Z(図3図5参照)と直交する方向である。所定位置は、一つであってもよく、複数であってもよい。所定位置が複数である場合、所定位置は、剥離フィルム2の長手方向X又は剥離フィルム2の幅方向Yにおいて所定間隔となる位置であってもよく、剥離フィルム2の長手方向X又は剥離フィルム2の幅方向Yにおいて所定間隔とならない位置であってもよい。
【0088】
例えば、図17に示すように、所定位置は、原フィルム5における複数の接着剤フィルム片3を、剥離フィルム2の長手方向Xに配列された複数の接着剤フィルム片群12に分けた場合の、複数の接着剤フィルム片群12における同じ位置であってもよい。つまり、複数の接着剤フィルム片群における同じ位置にある接着剤フィルム片を、除去対象接着剤フィルム片3Zとして検出してもよい。なお、所定位置は、複数の接着剤フィルム片群12における同じ位置でなくてもよい。
【0089】
そして、第三除去方法では、原フィルム5が巻回された巻回体10を巻出軸21にセットし、フィルム1を巻回する巻芯14を巻取軸22にセットする。そして、巻出軸21及び巻取軸22を回転させて、巻回体11から巻き出された原フィルム5を巻取軸22にセットされた巻芯14に巻き取る。このとき、第一被着ローラ23を原フィルム5から離間させておく。そして、センサ31が複数の接着剤フィルム片3のうちの所定位置にある接着剤フィルム片を除去対象接着剤フィルム片3Zとして検出すると、この検出した除去対象接着剤フィルム片3Zが到来するタイミングで、第一被着ローラ23を原フィルム5に近接させて、除去対象接着剤フィルム片3Zに接触させる。これにより、除去対象接着剤フィルム片3Zが原フィルム5から第一被着ローラ23に転写される。そして、除去対象接着剤フィルム片3Zが第一被着ローラ23に転写されると、第一被着ローラ23を原フィルム5から離間させる。これにより、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zが除去される。また、第一被着ローラ23に転写された除去対象接着剤フィルム片3Zは、第一被着ローラ23から第二被着ローラ24に転写される。
【0090】
(第四除去方法)
第四除去方法では、図14に示す除去装置20Dを用いて、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zを除去する。
【0091】
図14に示す除去装置20Dは、基本的に図12に示す除去装置20Bと同様であるが、センサを更に備える点で図12に示す除去装置20Bと相違する。このため、以下では、図12に示す除去装置20Bと相違する点のみを説明し、図12に示す除去装置20Bと同様の点の説明を省略する。
【0092】
図14に示す除去装置20Dは、巻出軸21と、巻取軸22と、被着テープ25と、センサ31と、を備える。センサ31は、図13に示す除去装置20Cのものと同じであり、複数の接着剤フィルム片3のうちの所定位置にある接着剤フィルム片を除去対象接着剤フィルム片3Zとして検出する。
【0093】
そして、第四除去方法では、原フィルム5が巻回された巻回体10を巻出軸21にセットし、フィルム1を巻回する巻芯14を巻取軸22にセットする。そして、巻出軸21及び巻取軸22を回転させて、巻回体11から巻き出された原フィルム5を巻取軸22にセットされた巻芯14に巻き取る。このとき、被着テープ25を原フィルム5から離間させておく。そして、センサ31が複数の接着剤フィルム片3のうちの所定位置にある接着剤フィルム片を除去対象接着剤フィルム片3Zとして検出すると、この検出した除去対象接着剤フィルム片3Zが到来するタイミングで、被着テープ25を原フィルム5に近接させて、除去対象接着剤フィルム片3Zに接触させる。これにより、除去対象接着剤フィルム片3Zが原フィルム5から被着テープ25に転写される。そして、除去対象接着剤フィルム片3Zが被着テープ25に転写されると、被着テープ25を原フィルム5から離間させる。これにより、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zが除去される。そして、次に到来する除去対象接着剤フィルム片3Zに対して被着テープ25の新しい面を接触させることができるように、テープ搬送機構26により被着テープ25を搬送する。
【0094】
(第五除去方法)
第五除去方法では、図15に示す除去装置20Eを用いて、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zを除去する。
【0095】
図15に示す除去装置20Eは、基本的に図11に示す除去装置20Aと同様であるが、検査機を更に備える点で図11に示す除去装置20Aと相違する。このため、以下では、図11に示す除去装置20Aと相違する点のみを説明し、図11に示す除去装置20Aと同様の点の説明を省略する。
【0096】
図15に示す除去装置20Eは、巻出軸21と、巻取軸22と、第一被着ローラ23と、第二被着ローラ24と、検査機32と、を備える。検査機32は、原フィルム5に設けられた複数の接着剤フィルム片3を検査する。検査機32は、例えば、接着剤フィルム片3の形状、位置、大きさ等から、接着剤フィルム片3が良品か不良品であるかを判定する。そして、検査機32は、不良品と判定した接着剤フィルム片3を除去対象接着剤フィルム片3Zとして検出する。
【0097】
そして、第五除去方法では、原フィルム5が巻回された巻回体10を巻出軸21にセットし、フィルム1を巻回する巻芯14を巻取軸22にセットする。そして、巻出軸21及び巻取軸22を回転させて、巻回体11から巻き出された原フィルム5を巻取軸22にセットされた巻芯14に巻き取る。このとき、第一被着ローラ23を原フィルム5から離間させておく。そして、検査機32が不良品と判定した接着剤フィルム片3を除去対象接着剤フィルム片3Zとして検出すると、この検出した除去対象接着剤フィルム片3Zが到来するタイミングで、第一被着ローラ23を原フィルム5に近接させて、除去対象接着剤フィルム片3Zに接触させる。これにより、除去対象接着剤フィルム片3Zが原フィルム5から第一被着ローラ23に転写される。そして、除去対象接着剤フィルム片3Zが第一被着ローラ23に転写されると、第一被着ローラ23を原フィルム5から離間させる。これにより、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zが除去される。また、第一被着ローラ23に転写された除去対象接着剤フィルム片3Zは、第一被着ローラ23から第二被着ローラ24に転写される。
【0098】
(第六除去方法)
第六除去方法では、図16に示す除去装置20Fを用いて、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zを除去する。
【0099】
図16に示す除去装置20Fは、基本的に図12に示す除去装置20Bと同様であるが、検査機を更に備える点で図12に示す除去装置20Bと相違する。このため、以下では、図12に示す除去装置20Bと相違する点のみを説明し、図12に示す除去装置20Bと同様の点の説明を省略する。
【0100】
図16に示す除去装置20Fは、巻出軸21と、巻取軸22と、被着テープ25と、検査機32と、を備える。検査機32は、図15に示す除去装置20Eのものと同じであり、原フィルム5に設けられた複数の接着剤フィルム片3を検査し、不良品と判定した接着剤フィルム片を除去対象接着剤フィルム片3Zとして検出する。
【0101】
そして、第六除去方法では、原フィルム5が巻回された巻回体10を巻出軸21にセットし、フィルム1を巻回する巻芯14を巻取軸22にセットする。そして、巻出軸21及び巻取軸22を回転させて、巻回体11から巻き出された原フィルム5を巻取軸22にセットされた巻芯14に巻き取る。このとき、被着テープ25を原フィルム5から離間させておく。そして、検査機32が不良品と判定した接着剤フィルム片3を除去対象接着剤フィルム片3Zとして検出すると、この検出した除去対象接着剤フィルム片3Zが到来するタイミングで、被着テープ25を原フィルム5に近接させて、除去対象接着剤フィルム片3Zに接触させる。これにより、除去対象接着剤フィルム片3Zが原フィルム5から被着テープ25に転写される。そして、除去対象接着剤フィルム片3Zが被着テープ25に転写されると、被着テープ25を原フィルム5から離間させる。これにより、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zが除去される。そして、次に到来する除去対象接着剤フィルム片3Zに対して被着テープ25の新しい面を接触させることができるように、テープ搬送機構26により被着テープ25を搬送する。
【0102】
[フィルム]
図2図5に示すように、フィルム1は、長尺の(テープ状の)剥離フィルム2と、剥離フィルム2上に設けられて互いに離間した複数の接着剤フィルム片3と、剥離フィルム2上に複数の接着剤フィルム片3が設けられていない非接着剤領域4と、を備える。複数の接着剤フィルム片3は、少なくとも剥離フィルム2の長手方向Xに沿って設けられている。なお、平面視において、フィルム1の外形は、剥離フィルム2の外形により規定される。フィルム1は、例えば、上述したフィルムの製造方法により製造されたものである。
【0103】
複数の接着剤フィルム片3は、非接着剤領域4を介して互いに隣り合う第一接着剤フィルム片101及び第二接着剤フィルム片102と、非接着剤領域4を介して互いに隣り合う第三接着剤フィルム片103及び第四接着剤フィルム片104と、を有する。そして、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間距離と、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104との離間距離と、が異なっている。つまり、複数の接着剤フィルム片3は、非接着剤領域4を介して離間するとともに互いの離間距離が異なる少なくとも二組の接着剤フィルム片3を有する。
【0104】
第一接着剤フィルム片101、第二接着剤フィルム片102、第三接着剤フィルム片103、及び第四接着剤フィルム片104は、複数の接着剤フィルム片3のうちの任意の接着剤フィルム片3である。複数の接着剤フィルム片3には、第一接着剤フィルム片101、第二接着剤フィルム片102、第三接着剤フィルム片103、及び第四接着剤フィルム片104が一つしかなくてもよく、第一接着剤フィルム片101、第二接着剤フィルム片102、第三接着剤フィルム片103、及び第四接着剤フィルム片104がそれぞれ複数あってもよい。また、複数の接着剤フィルム片3の全てが、第一接着剤フィルム片101、第二接着剤フィルム片102、第三接着剤フィルム片103、及び第四接着剤フィルム片104の何れかであってもよい。また、第一接着剤フィルム片101及び第二接着剤フィルム片102の何れか一方は、第三接着剤フィルム片103又は第四接着剤フィルム片104と同じ接着剤フィルム片3であってもよい。同様に、第三接着剤フィルム片103及び第四接着剤フィルム片104の何れか一方は、第一接着剤フィルム片101又は第二接着剤フィルム片102と同じ接着剤フィルム片3であってもよい。
【0105】
第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102とが隣り合う方向、及び第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104とが隣り合う方向は、特に限定されるものではない。
【0106】
例えば、複数の接着剤フィルム片3が剥離フィルム2の長手方向Xに沿って設けられているため、図18に示すように、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102とは、剥離フィルム2の長手方向Xに隣り合い、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104とは、剥離フィルム2の長手方向Xに隣り合ってもよい。また、例えば、複数の接着剤フィルム片3が剥離フィルム2の幅方向Yにも配列されている場合は、図19に示すように、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102とは、剥離フィルム2の幅方向Yに隣り合い、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104とは、剥離フィルム2の幅方向Yに隣り合ってもよい。
【0107】
また、非接着剤領域4は、隣り合う接着剤フィルム片3の離間距離が接着剤フィルム片3よりも長くなる第一領域を有してもよい。更に、非接着剤領域4は、隣り合う接着剤フィルム片3の離間距離が接着剤フィルム片3よりも短くなる第二領域を有してもよい。更に、非接着剤領域4は、隣り合う接着剤フィルム片3の離間距離が、第一領域における隣り合う接着剤フィルム片3の離間距離よりも短い第三領域を有してもよい。第一領域における離間距離とは、第一領域において、接着剤フィルム片3よりも長くなる、隣り合う接着剤フィルム片3の離間距離である。これらの接着剤フィルム片3よりも長い又は短いとは、例えば、複数の接着剤フィルム片3の最大長さよりも長い又は短いことをいう。複数の接着剤フィルム片3が全て同じ形状である場合は、任意の一つの接着剤フィルム片3の最大長さよりも長い又は短いことをいう。例えば、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間距離が、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104との離間距離よりも長い場合、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間距離は、第一接着剤フィルム片101及び第二接着剤フィルム片102の最大長さよりも長く、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104との離間距離は、第三接着剤フィルム片103及び第四接着剤フィルム片104の最大長さよりも短い。
【0108】
例えば、図32に示すように、非接着剤領域4は、隣り合う第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間距離が、接着剤フィルム片3よりも長くなる第一領域A1を有してもよい。また、非接着剤領域4は、隣り合う第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104との離間距離が、接着剤フィルム片3よりも短くなる第二領域A2を有してもよい。また、非接着剤領域4は、隣り合う第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間距離が、第一領域A1における隣り合う第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間距離よりも短い第三領域A3を有してもよい。
【0109】
また、図18に示すように、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間距離は、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間方向における第一接着剤フィルム片101及び第二接着剤フィルム片102の最大長さよりも長くてもよい。第一接着剤フィルム片101及び第二接着剤フィルム片102の最大長さとは、第一接着剤フィルム片101の最大長さ及び第二接着剤フィルム片102の最大長さの何れか長い方をいう。また、複数の接着剤フィルム片3が全て同じ形状である場合、第一接着剤フィルム片101及び第二接着剤フィルム片102の最大長さは、任意の一つの接着剤フィルム片3の最大長さでもある。更に、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104との離間距離は、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104との離間方向における第三接着剤フィルム片103及び第四接着剤フィルム片104の最大長さよりも短くてもよい。更に、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104との離間距離は、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間距離よりも短くてもよい。
【0110】
フィルム1は、剥離フィルム2に形成されたハーフカット2Aを更に備えてもよい。ハーフカット2Aは、剥離フィルム2の接着剤フィルム片3とは反対側の面が切断されることなく、剥離フィルム2の接着剤フィルム片3側の面が切断されているこという。ハーフカット2Aの形状は、特に限定されるものではなく、接着剤フィルム片3と同様に、真円、楕円等の円形、三角形、四角形等の多角形、星形、各種マーク等の複雑な形などが挙げられる。四角形としては、正方形、長方形、台形等が挙げられる。複数の接着剤フィルム片3が同じ形状である場合、ハーフカット2Aは、接着剤フィルム片3の外形と同じ形状であってもよい。
【0111】
そして、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間距離が第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間方向における接着剤フィルム片3の最大長さよりも長い場合、ハーフカット2Aは、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との間の非接着剤領域4に形成されていてもよい。この場合、ハーフカット2Aの外形は、第一接着剤フィルム片101又は第二接着剤フィルム片102の外形と同一であってもよい。なお、複数の接着剤フィルム片3が複数の第一接着剤フィルム片101及び第二接着剤フィルム片102を有する場合、全ての第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との間の非接着剤領域4にハーフカット2Aが形成されていてもよく、一部の第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との間の非接着剤領域4にのみハーフカット2Aが形成されていてもよい。
【0112】
図20に示すように、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104とが剥離フィルム2の長手方向Xに隣り合う場合の、長手方向Xにおける第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104との離間距離を離間距離D1とする。この場合、第三接着剤フィルム片103及び第四接着剤フィルム片104を貼り付ける際のフィルム1の搬送距離を短くすることができるとともに、フィルム1を有効活用して低コスト化を図ることができる観点から、離間距離D1は、20mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましく、8mm以下であることが更に好ましい。一方、接着剤フィルム片3の貼り付け作業性を向上する観点から、離間距離D1は、0.1mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがより好ましく、1mm以上であることが更に好ましい。これらの上限値及び下限値は適宜組み合わせることができる。例えば、離間距離D1は、0.1mm以上20mm以下であることが好ましく、0.5mm以上10mm以下であることがより好ましく、1mm以上8mm以下であることが更に好ましい。
【0113】
図21に示すように、複数の接着剤フィルム片3は、剥離フィルム2の長手方向Xに配列された複数の接着剤フィルム片群13を成す場合、接着剤フィルム片3の配置は、複数の接着剤フィルム片群13で同じであってもよい。つまり、各接着剤フィルム片群13は、複数の接着剤フィルム片3の一部の接着剤フィルム片3で構成される。そして、複数の接着剤フィルム片群13間では、接着剤フィルム片3が同じ配置となっている。剥離フィルム2の長手方向Xにおける一つの接着剤フィルム片群13の長さは、特に限定されるものではない。例えば、剥離フィルム2の長手方向Xにおける一つの接着剤フィルム片群13の長さは、1mm以上、5mm以上、又は10mm以上とすることができる。また、剥離フィルム2の長手方向Xにおける一つの接着剤フィルム片群13の長さは、2000mm以下、500mm以下、又は250mm以下とすることができる。これらの下限値及び上限値は適宜組み合わせることができる。例えば、剥離フィルム2の長手方向Xにおける一つの接着剤フィルム片群13の長さは、1mm以上2000mm以下、5mm以上500mm以下、又は10mm以上250mm以下とすることができる。
【0114】
図21に示すように、複数の接着剤フィルム片3が剥離フィルム2の長手方向Xに配列された複数の接着剤フィルム片群13を成す場合の、長手方向Xに隣り合う接着剤フィルム片群13の離間距離を離間距離D2とする。この場合、隣り合う接着剤フィルム片群13を別の部材に貼り付ける場合に、フィルム1の搬送距離を短くすることができるとともに、フィルム1を有効活用して低コスト化を図る観点から、離間距離D2は、20mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましく、8mm以下であることが更に好ましい。一方、接着剤フィルム片3の貼り付け作業性を向上する観点から、離間距離D2は、0.1mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがより好ましく、1mm以上であることが更に好ましい。これらの上限値及び下限値は適宜組み合わせることができる。例えば、離間距離D2は、0.1mm以上20mm以下であることが好ましく、0.5mm以上10mm以下であることがより好ましく、1mm以上8mm以下であることが更に好ましい。
【0115】
また、複数の接着剤フィルム片3は、剥離フィルム2の長手方向Xに一列に配列されていてもよく、剥離フィルム2の長手方向Xに複数列に配列されていてもよい。なお、複数の接着剤フィルム片3が剥離フィルム2の長手方向Xに一列に配列されている場合、剥離フィルム2上には、この一列に配列された複数の接着剤フィルム片3のみが設けられている。複数の接着剤フィルム片3が剥離フィルム2の長手方向Xに一列に配列されている場合、複数の接着剤フィルム片3は、図10(b)に示すフィルム1のように、剥離フィルム2の幅方向Yにおける中央部に配列されていてもよく、図22(b)に示すフィルム1のように、剥離フィルム2の幅方向Yにおける中央部からずれた(オフセットした)位置に配列されていてもよい。これらの場合、原フィルム5における複数の接着剤フィルム片3及びハーフカット2Aは、図10(a)に示す原フィルム5のように、剥離フィルム2の幅方向Yにおける中央部に配列されて、図22(a)に示す原フィルム5のように、剥離フィルム2の幅方向Yにおける中央部からずれた(オフセットした)位置に配列される。
【0116】
複数の接着剤フィルム片3は、同じ形状であってもよく、異なる形状であってもよい。例えば、複数の接着剤フィルム片3は、図23に示すように、異なる形状であってもよい。この場合、全ての接着剤フィルム片3が互いに異なる形状であってもよく、異なる形状の接着剤フィルム片3と同じ形状の接着剤フィルム片3とが混在していてもよい。
【0117】
また、複数の接着剤フィルム片3は、剥離フィルム2の幅方向Yに1列に配列されていてもよく、剥離フィルム2の幅方向Yに複数列に配列されていてもよい。例えば、複数の接着剤フィルム片3は、図18及び図19に示すように、剥離フィルム2の幅方向に3列に配列されていてもよい。
【0118】
また、複数の接着剤フィルム片3は、剥離フィルム2の幅方向Yにおける剥離フィルム2の端縁から離間していてもよい。この場合、剥離フィルム2の幅方向Yにおける剥離フィルム2の端縁と当該端縁に最も近い接着剤フィルム片3との離間距離は、0.1mm以上10mm以下とすることができ、0.1mm以上8mm以下とすることが好ましく、0.2mm以上5mm以下とすることが更に好ましい。
【0119】
このようにして製造されたフィルム1は、図24に示すように、巻芯14に巻回された巻回体15として保管、運搬等される。
【0120】
[巻回体]
図24に示すように、巻回体15は、長尺の(テープ状の)フィルム1と、フィルム1が巻回された巻芯14と、を備える。つまり、巻回体15は、巻芯14にフィルム1が巻回されてなる。
【0121】
巻芯14は、芯材14aと、一対の側板14bと、を備える。芯材14aは、円柱状に形成されている。フィルム1は、芯材14aの外周面に巻回されている。一対の側板14bは、芯材14aの軸線方向における両端部に取り付けられている。一対の側板14bは、フィルム1を左右から支持する。一対の側板14bの間隔は、フィルム1の幅よりも僅かに広い。
【0122】
[接続構造体]
図25に示すように、接続構造体16は、第一接着面17aを有する第一部材17と、第二接着面18aを有する第二部材18と、第一接着面17aと第二接着面18aとを接続する接着剤フィルム片3と、を備える。
【0123】
第一部材17は、例えば、ICチップ、LSIチップ、抵抗体チップ、コンデンサチップ等のチップ部品、LED、イメージセンサ等の光電変換部品、ひずみセンサ、圧力センサ、音響部品、ピエゾ素子等の圧電変換部品、温度計、ヒートシンク等の熱センサ、熱マネジメント部品である。第一部材17において、第二部材18に対向する面が、第一接着面17aとなっている。第一接着面17aには、例えば、第二部材18と導通するための第一電極(不図示)が配置されている。
【0124】
第二部材18は、例えば、ガラス基板、ポリイミド基板、ポリアミドイミド基板、ポリエチレンテレフタラート基板、ポリカーボネート基板、シクロオレフィンポリマ(COP)基板、ポリエチレンナフタレート基板、ガラス強化エポキシ基板、紙フェノール基板、セラミック基板、積層板等の光透過性を有する基板、シリコン基板である。第二部材18において、第一部材17の第一接着面17aに対向する面が、第二接着面18aとなっている。第二接着面18aには、例えば、第一部材17と導通するための第二電極(不図示)が配置されている。
【0125】
なお、第一部材17と第二部材18とに明確な区別はなく、各部材に如何なる部材を適用してもよい。
【0126】
接着剤フィルム片3は、上述したフィルム1から剥離された接着剤フィルム片3である。接着剤フィルム片3は、接着剤6により第一接着面17aと第二接着面18aとを接続する。接着剤フィルム片3が、導電粒子7の含有により異方導電性を有するものである場合、導電粒子7により第一接着面17aの第一電極と第二接着面18aの第二電極とを導通させることができる。
【0127】
[接続構造体の製造方法]
図26に示すように、接続構造体の製造方法は、準備工程(S21)と、準備工程(S21)の後に行う接続工程(S22)と、を備える。
【0128】
準備工程(S21)では、上述したフィルム1を用意する。このとき、フィルム1として、フィルム1が巻回された巻回体15を用意する。なお、準備工程(S21)では、上述したフィルムの製造方法を行ってもよく、上述したフィルムの製造方法により製造されたフィルム1を用意するだけであってもよい。
【0129】
図27に示すように、接続工程(S22)は、位置検出工程(S31)と、貼付工程(S32)と、重ね合せ工程(S33)と、備える。
【0130】
位置検出工程(S31)では、まず、巻回体15からフィルム1を巻き出す。そして、図28に示すように、撮像装置33により、フィルム1における接着剤フィルム片3の位置を検出する。このとき、撮像装置33は、剥離フィルム2に対する接着剤フィルム片3側に配置してもよく、剥離フィルム2に対する接着剤フィルム片3の反対側に配置してもよい。図28に示すように、本実施形態では、撮像装置33は、剥離フィルム2に対する接着剤フィルム片3の反対側に配置されている。この場合、光透過性を有する剥離フィルム2を用いることで、撮像装置33は、剥離フィルム2側から、フィルム1における接着剤フィルム片3の位置を検出することができる。
【0131】
貼付工程(S32)では、位置検出工程(S31)により検出された位置に基づいて、接着剤フィルム片3を第一接着面17aに貼り付ける。その後、第一接着面17aに貼り付けた接着剤フィルム片3から剥離フィルム2を剥離する。
【0132】
重ね合せ工程(S33)では、接着剤フィルム片3を介して第一接着面17aと第二接着面18aとを重ね合せる。これにより、第一接着面17aと第二接着面18aとが、接着剤フィルム片3の接着剤6により仮接続される。そして、第一部材17及び第二部材18を加圧するとともに、接着剤フィルム片3の接着剤6に熱または光を与えることで、当該接着剤6を硬化させる。これにより、第一接着面17aと第二接着面18aが接着剤フィルム片3により接続された接続構造体16が得られる。接着剤フィルム片3が、導電粒子7の含有により異方導電性を有するものである場合、接着剤6を硬化させる前に、第一部材17及び第二部材18を加圧して接着剤フィルム片3の導電粒子7により第一部材17と第二部材18とを導通させる。これにより、接続構造体16が製造される。
【0133】
このように、本実施形態に係るフィルムの製造方法では、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zを除去することで、剥離フィルム2上に設けられる接着剤フィルム片3の数を減らすことができる。そして、除去対象接着剤フィルム片3Zとなる接着剤フィルム片3の位置及び数を変えることで、剥離フィルム2上に設けられる接着剤フィルム片3の配置を変えることができる。これにより、多様な位置に接着剤フィルム片を貼り付けることができるフィルムを製造することができる。加えて、例えば、原フィルム5に不良品の接着剤フィルム片3がある場合、不良品の接着剤フィルム片3を除去対象接着剤フィルム片3Zとして除去することで、不良品の接着剤フィルム片3が除去されたフィルム1を製造することができる。
【0134】
ところで、接着剤フィルム片3を打抜く金型を複数用意することで、剥離フィルム2上に設けられる接着剤フィルム片3の配置を変えることができる。しかしながら、金型を複数用意するとコストが高くなるという問題がある。例えば、図29に示すような接着剤フィルム片3の配置と、図30に示すような接着剤フィルム片3の配置とを実現したい場合、2つの金型を作製する必要になる。更に他の配置を実現したい場合は、さらに多くの金型を作製する必要がある。これに対し、このフィルムの製造方法では、原フィルム5から除去対象接着剤フィルム片3Zを除去ことで、剥離フィルム2上に設けられる接着剤フィルム片3の配置を変えることができる。例えば、図31に示すような接着剤フィルム片3の配置とした原フィルム5を作製すれば、原フィルム5から削除する除去対象接着剤フィルム片3Zの位置及び数を変えるだけで、図29及び図30の何れに示す接着剤フィルム片3の配置も実現することができる。このため、金型を複数用意する場合に比べてコストを抑制することができる。
【0135】
また、液状の接着剤を滴下するディスペンサを用いて剥離フィルム上の任意の位置に複数の接着剤を設けることもできる。しかしながら、液状の接着剤では、高アスペクトの構造を作り難い、表面張力によりエッジが丸くなりやすい、染み出しにより寸法精度が低下する等の問題がある。これに対し、このフィルムの製造方法では、剥離フィルム2上に設けられた複数の接着剤フィルム片3のうちの除去対象接着剤フィルム片3Zを除去するため、これらの問題を解消することができる。
【0136】
また、このフィルムの製造方法では、原フィルム5から第一被着ローラ23に除去対象接着剤フィルム片3Zを転写させることで、除去対象接着剤フィルム片3Zを適切に除去することができる。しかも、第一被着ローラ23に転写された除去対象接着剤フィルム片3Zを第二被着ローラ24に転写するため、第一被着ローラ23に転写された除去対象接着剤フィルム片3Zが原フィルム5に戻されるのを抑制することができる。
【0137】
また、このフィルムの製造方法では、原フィルム5から被着テープ25に除去対象接着剤フィルム片3Zを転写させることで、除去対象接着剤フィルム片3Zを適切に除去することができる。しかも、被着テープ25を搬送しながら原フィルム5に接離させるため、被着テープ25に転写された除去対象接着剤フィルム片3Zが原フィルム5に戻されるのを抑制することができる。
【0138】
また、このフィルムの製造方法では、除去対象接着剤フィルム片3Zを検出し、この検出した除去対象接着剤フィルム片3Zを除去するため、除去対象接着剤フィルム片3Zの除去を自動化することができる。
【0139】
また、このフィルムの製造方法では、複数の接着剤フィルム片3のうちの所定位置にある接着剤フィルム片3を除去対象接着剤フィルム片3Zとして検出及び除去するため、剥離フィルム2上に設けられる接着剤フィルム片3の配置をパターン化することができる。これにより、例えば、複数の部材に対して同じパターン配置で複数の接着剤フィルム片3を貼り付けることができるフィルムを製造することができる。
【0140】
また、このフィルムの製造方法では、原フィルム5の複数の接着剤フィルム片群12における同じ位置にある接着剤フィルム片3を除去対象接着剤フィルム片3Zとして検出及び除去するため、フィルム1の各接着剤フィルム片群13の接着剤フィルム片3の配置を同じにすることができる。これにより、例えば、複数の部材に対して同じパターン配置で複数の接着剤フィルム片3を貼り付けることができるフィルム1を製造することができる。
【0141】
ところで、各接着剤フィルム片群13に設けられる複数の接着剤フィルム片3を金型の打ち抜きにより形成することで、各接着剤フィルム片群13の接着剤フィルム片3の配置を同じにすることができる。しかしながら、一つの接着剤フィルム片群13が剥離フィルム2の長手方向Xに長い場合、大型の金型を用意する必要があるため、コストが高くなるという問題がある。これに対して、このフィルムの製造方法では、一つの接着剤フィルム片群13が剥離フィルム2の長手方向Xにどれだけ長くても、除去対象接着剤フィルム片3Zを除去するだけで、各接着剤フィルム片群13の接着剤フィルム片3の配置を同じにすることができる。このため、金型を用意する場合に比べて、コストを抑制することができる。
【0142】
また、このフィルムの製造方法では、不良品の接着剤フィルム片3を除去対象接着剤フィルム片3Zとして検出及び除去するため、不良品の接着剤フィルム片3の無いフィルムを製造することができる。
【0143】
ところで、インクジェット又はレーザーマーク等により不良品の接着剤フィルム片3又は不良品の接着剤フィルム片3の近傍に目印をつけておき、目印を頼りに不良品の接着剤フィルム片3を貼り付けないようにすることもできる。しかしながら、インクジェット又はレーザーマーク等により目印をつけると、例えば、インクジェットのインクによる異物不具合、レーザによる焦げ、発塵による異物不具合、剥離フィルムの損傷等の問題がある。これに対し、このフィルムの製造方法では、不良品の接着剤フィルム片3を除去対象接着剤フィルム片3Zとして検出及び除去するため、これらの問題を解消することができる。
【0144】
また、このフィルムの製造方法では、原フィルム5を製造する原フィルム製造工程を備えることで、原フィルム5における複数の接着剤フィルム片3の配置を自由に設定することができる。
【0145】
また、このフィルムの製造方法では、剥離フィルム2上の全面に接着剤フィルム層3Aを形成し、接着剤フィルム層3Aを外形線3Bに沿って切断し、切断した外形線3Bに沿って余白部分3A2を剥離フィルム2から剥離する。これにより、容易に、剥離フィルム2上に複数の接着剤フィルム片3を設けることができる。
【0146】
また、このフィルムの製造方法では、複数の接着剤フィルム片3が導電性を有するため、接着剤フィルム片3を介して接続した部材を導通することができる。
【0147】
本実施形態に係るフィルム1では、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間距離と、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104との離間距離と、が異なるため、複数の接着剤フィルム片3の離間距離が全て同じ場合に比べて、多様な位置に接着剤フィルム片3を貼り付けることができる。
【0148】
また、このフィルム1では、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102とが長手方向Xに隣り合うとともに、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104とが長手方向Xに隣り合うことで、長手方向Xにおける多様な位置に接着剤フィルム片3を貼り付けることができる。
【0149】
一方、このフィルム1では、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102とが剥離フィルム2の幅方向Yに隣り合い、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104とが幅方向Yに隣り合うことで、幅方向Yにおける多様な位置に接着剤フィルム片3を貼り付けることができる。
【0150】
また、このフィルム1では、非接着剤領域4が、隣り合う接着剤フィルム片3の離間距離が接着剤フィルム片3よりも長くなる第一領域を有するため、より多様な位置に接着剤フィルム片3を貼り付けることができる。
【0151】
また、このフィルム1では、非接着剤領域4が、隣り合う接着剤フィルム片3の離間距離が接着剤フィルム片3よりも短くなる第二領域を有するため、より多様な位置に接着剤フィルム片3を貼り付けることができる。
【0152】
このフィルム1では、非接着剤領域4が、隣り合う接着剤フィルム片3の離間距離が第一領域A1における隣り合う接着剤フィルム片3の離間距離よりも短い第三領域A3を有するため、より多様な位置に接着剤フィルム片3を貼り付けることができる。
【0153】
また、このフィルム1では、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間距離が第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間方向における第一接着剤フィルム片101及び第二接着剤フィルム片102の最大長さよりも長い。このため、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との間に接着剤フィルム片3を貼り付けることなく、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間方向における第一接着剤フィルム片101及び第二接着剤フィルム片102の最大長さよりも離れた位置に第一接着剤フィルム片101及び第二接着剤フィルム片102を貼り付けることができる。
【0154】
また、このフィルム1では、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104との離間距離が第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104との離間方向における第三接着剤フィルム片103及び第四接着剤フィルム片104の最大長さよりも短い。このため、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104との間に接着剤フィルム片3を貼り付けることなく、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104との離間方向における第三接着剤フィルム片103及び第四接着剤フィルム片104の最大長さよりも近い位置に第三接着剤フィルム片103及び第四接着剤フィルム片104を貼り付けることができる。
【0155】
また、このフィルム1では、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104との離間距離が、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との離間距離よりも短いため、より多様な位置に接着剤フィルム片3を貼り付けることができる。
【0156】
また、このフィルム1では、ハーフカット2Aが第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との間の非接着剤領域4に形成されている。このため、例えば、フィルム1の製造時に、第一接着剤フィルム片101と第二接着剤フィルム片102との間に設けられていた別の接着剤フィルム片3を除去した場合に、接着剤フィルム片3が除去された跡なのか否かを判別することができる。
【0157】
また、このフィルム1では、第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104とが長手方向Xに隣り合い、長手方向Xにおける第三接着剤フィルム片103と第四接着剤フィルム片104との離間距離が10mm以下である。このため、第三接着剤フィルム片103及び第四接着剤フィルム片104を貼り付ける際のフィルム1の搬送距離を短くすることができるとともに、フィルム1を有効活用して低コスト化を図ることができる。
【0158】
また、このフィルム1では、接着剤フィルム片3の配置が複数の接着剤フィルム片群13で同じであるため、接着剤フィルム片3を貼り付ける位置が同じ部材に対して、接着剤フィルム片3を効率的に貼り付けることができる。
【0159】
また、このフィルム1では、剥離フィルム2の長手方向Xに隣り合う接着剤フィルム片群13の離間距離が10mm以下である。このため、隣り合う接着剤フィルム片群13を別の部材に貼り付ける場合に、フィルム1の搬送距離を短くすることができるとともに、フィルム1を有効活用して低コスト化を図ることができる。
【0160】
また、このフィルム1では、複数の接着剤フィルム片3が剥離フィルム2の幅方向Yにおける剥離フィルム2の端縁から離間しているため、剥離フィルム2の端部が他部材と干渉等した際に、剥離フィルム2から接着剤フィルム片3が剥離するのを抑制することができる。
【0161】
また、このフィルム1では、複数の接着剤フィルム片3が剥離フィルム2の長手方向Xに一列に配列されていているため、接着剤フィルム片3を容易に貼り付けることができる。
【0162】
また、このフィルム1では、複数の接着剤フィルム片3の少なくとも一部が穴3aを有するため、例えば、中央部に接着剤フィルム片3を貼り付けたくない箇所を有する部分に対して、適切に接着剤フィルム片3を貼り付けることができる。
【0163】
また、このフィルム1では、複数の接着剤フィルム片3が同じ形をしているため、同じ形をした複数の接着面に対して効率的に接着剤フィルム片3を貼り付けることができる。
【0164】
また、このフィルム1では、接着剤フィルム片3が導電性を有するため、接着剤フィルム片3を介して接続する二つの部材を導通することができる。
【0165】
また、このフィルム1では、接着剤フィルム片3が導電粒子7を含有しているため、接着剤フィルム片3に異方導電性を付与することができる。
本実施形態に係る巻回体15では、巻芯14に上記の何れかのフィルム1が巻回されているため、多様な位置に接着剤フィルム片3を貼り付けることができる
【0166】
本実施形態に係る接続構造体16では、上記の何れかの接着剤フィルム片3により、第一部材17と第二部材18とが接続されているため、第一接着面17a及び第二接着面18aの位置が多様であっても、第一接着面17a及び第二接着面18aに接着剤フィルム片3が適切に貼り付けられた接続構造体16を得ることができる。
【0167】
本実施形態に係る接続構造体の製造補法では、上記の何れかのフィルム1の接着剤フィルム片3を介して第一部材17の第一接着面17aと第二部材18の第二接着面18aとを接続するため、第一接着面17a及び第二接着面18aの位置が多様であっても、第一接着面17a及び第二接着面18aに接着剤フィルム片3が適切に貼り付けられた接続構造体16を製造することができる。
【0168】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
【0169】
例えば、上記実施形態では、原フィルム及びフィルムにおける複数の接着フィルム片の形状、数、配置等の一例について説明したが、原フィルム及びフィルムにおける複数の接着フィルム片の形状、数、配置等は特に限定されるものではない。
【0170】
また、例えば、上記実施形態では、接続構造体の製造方法における接続工程の一例について説明したが、接続工程は、フィルムを用いるとともにフィルムの接着フィルム片により第一部材と第二部材とを接続することができれば、如何なる方法により実現してもよい。
【0171】
また、例えば、上記実施形態では、原フィルム及びフィルムは、剥離フィルム上に複数の接着剤フィルム片が設けられた二層構造であるものとして説明したが、更に、複数の接着剤フィルム片上に第二剥離フィルムが設けられた三層構造であるものとしてもよい。
【0172】
(実施例)
ここで、図13に示す除去装置20Cを用いた第三除去方法により、原フィルムから不良品の接着剤フィルム片を除去してフィルムを製造する生産タクトを計算した。この計算では、100mの原フィルムが巻回された巻回体を用いた。この原フィルムは、10000個の接着剤フィルム片を有し、この10000個の接着剤フィルム片は、剥離フィルムの幅方向における中央部に、剥離フィルムの長手方向に一列に互いに離間するように配列されているものとした。また、この原フィルムは、接着剤フィルム片の良品率が90%であるものとしたつまり、10000個の接着剤フィルム片のうち、9000個の接着剤フィルム片を良品とし、1000個の接着剤フィルム片を不良品とした。そして、巻回体からの原フィルムの巻き出し速度、つまり原フィルムの搬送速度を9m/minとして、除去装置20Cにより不良品の接着剤フィルム片を除去対象接着剤フィルム片として除去した。結果、除去対象接着剤フィルム片の除去に伴い原フィルムの搬送を止める必要がないため、生産タクトは、100/9≒11.1min/巻となった。つまり、巻回体一巻につき、11.1minとなった。
【0173】
更に、このようにして製造されたフィルムを用いて接着剤フィルム片を部材に貼り付ける生産タクトを計算した。この計算では、接着剤フィルム片を部材に貼り付ける時間を5sec/個、除去対象接着剤フィルム片が除去された部分のフィルムの搬送時間を0.5sec/個とした。結果、生産タクトは、9000×5+1000×0.5=45500sec/巻≒758.3Hour/巻となった。つまり、巻回体一巻につき、758.3Hourとなった。
【産業上の利用可能性】
【0174】
本発明は、例えば、フィルム、巻回体、接続構造体、及び接続構造体の製造方法として利用可能である。
【符号の説明】
【0175】
1…フィルム、2…剥離フィルム、2A…ハーフカット、3…接着剤フィルム片、3a…穴、3A…接着剤フィルム層、3A1…内側部分、3A2…余白部分、3B…外形線、3Z…除去対象接着剤フィルム片、4…非接着剤領域、5…原フィルム、6…接着剤、7…導電粒子、8…導電性接着剤領域、9…非導電性接着剤領域、10…巻回体、11…巻回体、12…接着剤フィルム片群、13…接着剤フィルム片群、14…巻芯、14a…芯材、14b…側板、15…巻回体、16…接続構造体、17…第一部材、17a…第一接着面、18…第二部材、18a…第二接着面、20A…除去装置、20B…除去装置、20C…除去装置、20D…除去装置、20E…除去装置、20F…除去装置、21…巻出軸、22…巻取軸、23…第一被着ローラ、24…第二被着ローラ、25…被着テープ、26…テープ搬送機構、27…巻回体、28…巻出軸、29…押圧ローラ、30…巻取軸、31…センサ、32…検査機、33…撮像装置、101…第一接着剤フィルム片、102…第二接着剤フィルム片、103…第三接着剤フィルム片、104…第四接着剤フィルム片、A1…第一領域、A2…第二領域、A3…第三領域、D1…離間距離、D2…離間距離、X…長手方向、Y…幅方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
【手続補正書】
【提出日】2022-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の剥離フィルムと、
前記剥離フィルム上に設けられて互いに離間した複数の接着剤フィルム片と、
前記剥離フィルム上に前記複数の接着剤フィルム片が設けられていない非接着剤領域と、
前記剥離フィルムに形成されたハーフカットと、を備え、
前記複数の接着剤フィルム片は、前記非接着剤領域を介して互いに隣り合う第一接着剤フィルム片及び第二接着剤フィルム片と、前記非接着剤領域を介して互いに隣り合う第三接着剤フィルム片及び第四接着剤フィルム片と、を有し、
前記第一接着剤フィルム片と前記第二接着剤フィルム片との離間距離と、前記第三接着剤フィルム片と前記第四接着剤フィルム片との離間距離と、が異なり、
前記第一接着剤フィルム片と前記第二接着剤フィルム片との離間距離は、前記第一接着剤フィルム片と前記第二接着剤フィルム片との離間方向における前記第一接着剤フィルム片及び前記第二接着剤フィルム片の最大長さよりも長く、
前記ハーフカットは、前記第一接着剤フィルム片と前記第二接着剤フィルム片との間の前記非接着剤領域に形成されている
フィルム。
【請求項2】
前記第一接着剤フィルム片と前記第二接着剤フィルム片とは、前記剥離フィルムの長手方向に隣り合い、
前記第三接着剤フィルム片と前記第四接着剤フィルム片とは、前記長手方向に隣り合う、
請求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
前記第一接着剤フィルム片と前記第二接着剤フィルム片とは、前記剥離フィルムの幅方向に隣り合い、
前記第三接着剤フィルム片と前記第四接着剤フィルム片とは、前記幅方向に隣り合う、
請求項1に記載のフィルム。
【請求項4】
前記非接着剤領域は、隣り合う前記接着剤フィルム片の離間距離が前記接着剤フィルム片よりも長くなる第一領域を有する、
請求項1~3の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項5】
前記非接着剤領域は、隣り合う前記接着剤フィルム片の離間距離が前記接着剤フィルム片よりも短くなる第二領域を有する、
請求項4に記載のフィルム。
【請求項6】
前記非接着剤領域は、隣り合う前記接着剤フィルム片の離間距離が、前記第一領域における隣り合う前記接着剤フィルム片の前記離間距離よりも短い第三領域を有する、
請求項4又は5に記載のフィルム。
【請求項7】
前記第三接着剤フィルム片と前記第四接着剤フィルム片との離間距離は、前記第三接着剤フィルム片と前記第四接着剤フィルム片との離間方向における前記第三接着剤フィルム片及び前記第四接着剤フィルム片の最大長さよりも短い、
請求項1~6の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項8】
前記第三接着剤フィルム片と前記第四接着剤フィルム片との離間距離は、前記第一接着剤フィルム片と前記第二接着剤フィルム片との前記離間距離よりも短い、
請求項1~7の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項9】
前記第三接着剤フィルム片と前記第四接着剤フィルム片とは、前記剥離フィルムの長手方向に隣り合い、
前記長手方向における前記第三接着剤フィルム片と前記第四接着剤フィルム片との離間距離は、20mm以下である、
請求項の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項10】
前記複数の接着剤フィルム片は、前記剥離フィルムの長手方向に配列された複数の接着剤フィルム片群を成し、
前記接着剤フィルム片の配置は、前記複数の接着剤フィルム片群で同じである、
請求項1~の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項11】
前記剥離フィルムの前記長手方向に隣り合う前記接着剤フィルム片群の離間距離は、20mm以下である、
請求項10に記載のフィルム。
【請求項12】
前記複数の接着剤フィルム片は、前記剥離フィルムの幅方向における前記剥離フィルムの端縁から離間している、
請求項1~11の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項13】
前記複数の接着剤フィルム片は、前記剥離フィルムの長手方向に一列に配列されている、
請求項1~12の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項14】
前記複数の接着剤フィルム片の少なくとも一部は、穴を有する、
請求項1~13の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項15】
前記複数の接着剤フィルム片は、同じ形をしている、
請求項1~14の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項16】
前記ハーフカットは、前記接着剤フィルム片と同じ形状に形成されている、
請求項15に記載のフィルム。
【請求項17】
前記接着剤フィルム片は、導電性を有する、
請求項1~16の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項18】
前記接着剤フィルム片は、導電粒子を含有する、
請求項17に記載のフィルム。
【請求項19】
前記ハーフカットは、無端状に形成されている、
請求項1~18の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項20】
前記ハーフカットは、円形に形成されている、
請求項1~19の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項21】
前記ハーフカットは、多角形に形成されている、
請求項1~19の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項22】
前記ハーフカットは、前記第一接着剤フィルム片又は前記第二接着剤フィルム片の外形と同一である、
請求項1~19の何れか一項に記載のフィルム。
【請求項23】
請求項1~22の何れか一項に記載のフィルムと、
前記フィルムが巻回された巻芯と、を備える、
巻回体。
【請求項24】
第一接着面を有する第一部材と、
第二接着面を有する第二部材と、
前記第一接着面と前記第二接着面とを接続する請求項1~22の何れか一項に記載の接着剤フィルム片と、を備える、
接続構造体。
【請求項25】
請求項1~22の何れか一項に記載のフィルムを準備する準備工程と、
前記フィルムの前記接着剤フィルム片を介して第一部材の第一接着面と第二部材の第二接着面とを接続する接続工程と、を備える、
接続構造体の製造方法。