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特開2023-129325半導体ウエハ用プロセッシングシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129325
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】半導体ウエハ用プロセッシングシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023028709
(22)【出願日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】63/315,922
(32)【優先日】2022-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルヤミ・ポレ
(57)【要約】
【課題】本開示は、半導体ウエハを処理するための半導体プロセッシングシステムおよび方法の実施形態に関する。
【解決手段】プロセッシングシステムは、反応器と、ウエハ取り扱いアセンブリと、ウエハ取り扱いアセンブリに垂直に隣接して配置された処理ユニットと、を備える。システムおよび方法は、プロセッシング能力を犠牲にすることなく、システムが占める総フロアスペースを最小化する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハを処理するための半導体プロセッシングシステムであって、
前記ウエハ上に膜を堆積させるように構成された反応器と、
前記膜の堆積の前または後に前記ウエハを処理するための処理ユニットと、前記ウエハを移送するように構成されたウエハ取り扱いロボットと、
前記ウエハ取り扱いロボットを収容する、または前記ウエハ取り扱いロボットと相互作用するように構成されたウエハ取り扱いアセンブリと、を備え、
前記処理ユニットが、前記ウエハ取り扱いアセンブリの上方に垂直に配置される、半導体プロセッシングシステム。
【請求項2】
前記処理ユニットが、前記ウエハ取り扱いアセンブリに面する側面上に第1のプロセスウィンドウを備え、
前記ウエハ取り扱いアセンブリが、前記処理ユニットに面する側面上に第2のプロセスウィンドウを備え、かつ
前記処理ユニットが、前記第1のプロセスウィンドウを前記第2のプロセスウィンドウと整列させる前記ウエハ取り扱いアセンブリの上方に垂直に配置される、請求項1に記載の半導体プロセッシングシステム。
【請求項3】
前記処理ユニットが、電磁波を発するように構成された放射線源を備え、かつ
前記ウエハ取り扱いアセンブリが、処理中の前記ウエハを前記第2のプロセスウィンドウの下に保持するように構成された基材取り扱いシステムを備える、請求項2に記載の半導体プロセッシングシステム。
【請求項4】
前記第2のプロセスウィンドウが、前記電磁波が通過することを可能にするために光学的に透明な材料で覆われる、または光学的に透明な材料で形成されている、請求項3に記載の半導体プロセッシングシステム。
【請求項5】
前記放射線透過性材料が、溶融石英を含む、請求項4に記載の半導体プロセッシングシステム。
【請求項6】
前記反応器が、化学蒸着(CVD)デバイスまたは原子層堆積(ALD)デバイスを備える、請求項1に記載の半導体プロセッシングシステム。
【請求項7】
前記半導体プロセッシングシステムが、複数の前記反応器と、複数の前記ウエハ取り扱いアセンブリと、前記ウエハ取り扱いロボットのうちの少なくとも1つを備え、
前記ウエハ取り扱いアセンブリが、移送モジュール(TM)と、ロードロックモジュール(LL)と、大気圧モジュール(ATM)のうちの少なくとも1つを備え、
前記TMが、処理プロセスのために、前記ウエハを前記LLから前記複数の反応器のうちの反応器へと移送するように構成された前記ウエハ取り扱いロボットを備え、
かつ
前記処理ユニットのうちの少なくとも1つが、前記TMおよび前記LLのうちの少なくとも1つの上方に配置される、請求項1に記載の半導体プロセッシングシステム。
【請求項8】
前記ウエハ取り扱いアセンブリが、前記TMおよび前記LLを備え、かつ
対応する処理ユニットが、前記TMおよび前記LLの上方に配置される、請求項7に記載の半導体プロセッシングシステム。
【請求項9】
前記TMが真空下である、請求項8に記載の半導体プロセッシングシステム。
【請求項10】
前記ウエハ取り扱いアセンブリが、前記ATMをさらに備え、
前記ATMが、前記ウエハ取り扱いロボットを備え、
前記LLが、TMと前記ATMとの間に配置される、請求項9に記載の半導体プロセッシングシステム。
【請求項11】
対応する処理ユニットが、前記ATMの前記ウエハ取り扱いロボットの上方に垂直に配置され、
前記ATMが大気圧に曝露される、請求項10に記載の半導体プロセッシングシステム。
【請求項12】
前記対応する処理ユニットが、前記ATMの上方に垂直に配置される、請求項11に記載の半導体プロセッシングシステム。
【請求項13】
前記対応する処理ユニットが、前記ATMの内側に配置される、請求項11に記載の半導体プロセッシングシステム。
【請求項14】
前記処理ユニットが、前記TMの上方に垂直に配置され、かつ一度に1つのウエハを処理するように構成される、請求項7に記載の半導体プロセッシングシステム。
【請求項15】
前記処理ユニットが、前記TMの上方に垂直に配置され、かつ一度に複数のウエハを処置するように構成される、請求項7に記載の半導体プロセッシングシステム。
【請求項16】
前記TMが、前記上部パネル上に複数の前記第2のプロセスウィンドウを備え、かつ
前記処理ユニットが、複数の前記第2のプロセスウィンドウの各々の上方に垂直に配置される、請求項7に記載の半導体プロセッシングシステム。
【請求項17】
前記TMの上方に配置された前記処理ユニットが、一度に複数のウエハを処理するように構成される、請求項15に記載の半導体プロセッシングシステム。
【請求項18】
前記TMが、前記上部パネル上に複数の前記第2のプロセスウィンドウを備え、かつ
前記処理ユニットが、前記第2のプロセスウィンドウの各々の上方に垂直に配置される、請求項9に記載の半導体プロセッシングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は概して、半導体プロセッシングデバイスに関し、より具体的には、半導体ウエハをプロセッシングするためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体プロセッシングは、典型的に、クリーンルーム環境内において生産フロアスペースの大きい面積を利用する。生産フロアスペースでは、様々な半導体プロセッシングデバイスが配設され、フロアスペースは十分ではなく、かつ高価である可能性がある。半導体プロセッシング中、反応物質の蒸気がプロセスチャンバーの中へと供給されて、膜をウエハ上に堆積させる。様々なタイプの堆積前処理または堆積後処理を、プロセスにおける膜堆積特性を改善するために適用することができる。処理は、堆積前、堆積後、または周期的(例えば、堆積-処理-堆積-処理)とすることができる。小さい設置面積を使用して、堆積および他の処理プロセスを実施することが重要である。その結果、改良された半導体プロセッシングデバイスに対する継続的なニーズが依然としてある。
【発明の概要】
【0003】
上述の状況の点から見て、開示された実施形態の1つ以上の態様のうちの1つの目的は、ウエハを処理するための半導体プロセッシングシステムを提供することであり、ここで処理ユニットは、フリースペースがある場所に配設される。
【0004】
1つの実施形態では、ウエハを処理するための半導体プロセッシングシステムは、ウエハ上に膜を堆積させるように構成された反応器と、ウエハ上の膜を処理するための処理ユニットと、を備えてもよい。システムは、例えば、真空状態で、反応器へとウエハを移送するように構成されたウエハ取り扱いロボットをさらに備えてもよく、またウエハ取り扱いアセンブリは、ウエハ取り扱いロボットを収容または相互作用するように構成されてもよく、これによりロボットアームは、ウエハ取り扱いアセンブリ内でウエハをピックアップおよびアンロードしてもよい。処理ユニットは、ウエハ取り扱いアセンブリの上方に垂直に配置されてもよい。ウエハ取り扱いアセンブリは、ウエハがウエハ取り扱いロボットによって保持されるチャンバを備えてもよい。ウエハ取り扱いロボットは、アーム、サポート、またはウエハを移送する他の構造を備えてもよい。ウエハ取り扱いアセンブリは、移送モジュール(TM)、ロードロックモジュール(LL)、または大気圧モジュール(ATM)であってもよい。処理ユニットは、ウエハ取り扱いアセンブリに面する側面上に第1のプロセスウィンドウを備えてもよく、一方で、ウエハ取り扱いアセンブリは、処理ユニットに面する側面上に第2のプロセスウィンドウを備える。第1のプロセスウィンドウは、ウエハ取り扱いアセンブリが移送ユニットの上方に垂直に配置される時、第2のプロセスウィンドウと整列する。
【0005】
別の実施形態では、ウエハを処理するための半導体プロセッシングシステムは、複数の反応器と、複数のウエハ取り扱いアセンブリと、ウエハ取り扱いロボットのうちの少なくとも1つと、を備えてもよい。複数のウエハ取り扱いアセンブリのうちの1つは、処理プロセスのために、複数の反応器のうちの反応器にウエハを移送するように構成されたウエハ取り扱いロボットを含む、移送モジュール(TM)であってもよい。複数のウエハ取り扱いアセンブリのうちの少なくとも1つは、周囲気圧状態からウエハを受容するように構成されたロードロックモジュール(LL)であってもよく、また移送モジュール(TM)のウエハ取り扱いロボットは、ロードロックモジュール内のウエハを真空状態で反応器へと移送する。処理ユニットのうちの少なくとも1つは、移送モジュール(TM)およびロードロックモジュール(LL)のうちの少なくとも1つの上方に垂直に配置される。システムは、ウエハをロードロックモジュール(LL)へと移送するように構成されたウエハ取り扱いロボットを含む、大気圧移送モジュール(ATM)とすることができる、複数のウエハ取り扱いアセンブリのうちの少なくとも別の1つをさらに備えてもよい。処理ユニットは、大気圧移送(ATM)の上方に、または大気圧移送(ATM)の内側に垂直に配置されてもよい。複数の反応器は、複数のウエハ取り扱いアセンブリのうちの1つの周りに配設される。
【0006】
また別の実施形態では、ウエハを処理するための半導体プロセッシングシステムは、複数の反応器と、ウエハ上の膜を処理するための複数の処理ユニットと、を備えてもよい。複数の処理ユニットのうちの少なくとも1つは、膜をウエハ上に堆積させるように構成されるか、またはエッチングなどの他のプロセッシングのために構成される。システムは、ウエハを、堆積プロセスのために複数の反応器のうちの反応器へと移送するように構成されたウエハ取り扱いロボットを備える第1のウエハ取り扱いアセンブリと、ウエハを保持するように構成された第2のウエハ取り扱いアセンブリと、ウエハを周囲空気から受容し、そしてウエハを第2のウエハ取り扱いアセンブリへと移送するように構成されたウエハ取り扱いロボットを備える第3のウエハ取り扱いアセンブリと、をさらに備えてもよい。複数の処理ユニットは、第1のウエハ取り扱いアセンブリおよび第2のウエハ取り扱いアセンブリのうちの少なくとも1つと垂直に隣接して配置される。複数の反応器は、第1のウエハ取り扱いアセンブリの周りに配設されてもよい。
【0007】
開示された実施形態のうちの1つ以上の態様の別の目的は、膜をウエハ上に堆積させるように構成された反応器と、膜を処理するための処理ユニットと、ウエハを反応器へと移送するように構成されたウエハ取り扱いアセンブリを備える半導体プロセッシングシステムによって半導体ウエハを処理するための方法を提供することであり、処理ユニットは、ウエハ取り扱いアセンブリと垂直に隣接して配置される。
【0008】
1つの実施形態では、方法は、ウエハをウエハ取り扱いアセンブリに提供することと、ウエハを、ウエハ取り扱いアセンブリを通して反応器へと移送することと、反応物質蒸気をウエハの上へと堆積させることと、を含んでもよい。方法は、ウエハをウエハ取り扱いアセンブリへと移送することと、ウエハを処理ユニットの下に保持することと、熱アニーリングを行うことと、をさらに含んでもよい。堆積工程およびアニーリング工程は、繰り返されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
前述のおよび他の目的および利点は、以下の記述から明らかになるであろう。記述では、本明細書の一部を形成する添付図面への参照がなされ、またそこで開示された実施形態が実施されてもよい例示の特定の実施形態によって示される。これらの実施形態は、当業者が開示された実施形態を実施することができるように十分な詳細で記述され、また他の実施形態が利用されてもよく、かつ構造的な変化が開示された実施形態の範囲から逸脱することなくなされてもよいことが理解されるべきである。したがって、添付図面は、単に開示される実施形態の好ましい例証を示すものとして提出される。その結果、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味で取られるべきではなく、また本開示の実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲によって最も良好に定義される。
【0010】
図1図1は、従来の半導体プロセッシングデバイスの概略図である。
図2図2aは、別個の処理ユニットを有しない8つの反応器を有する半導体プロセッシングデバイスの概略上面図を示し、図2bは、図2aの半導体プロセッシングデバイスの概略側面図を示す。
図3a図3aは、本開示の技術の1つの実施形態による半導体プロセッシングデバイスの概略上面図を示し、ここで処理ユニットは、真空状態で反応器へとウエハを移送するように構成された移送モジュール(TM)を含むウエハ取り扱いアセンブリの上方に配置される。
図3b図3bは、本開示の技術の別の実施形態による半導体プロセッシングデバイスの概略上面図を示し、ここで複数のウエハを一度に処理するよう構成された処理ユニットは、移送モジュール(TM)を備えるウエハ取り扱いアセンブリの上方に配置される。
図3c図3cは、本開示の技術の別の実施形態による半導体プロセッシングデバイスの概略上面図を示し、ここで複数の(例えば、4つの)処理ユニットは、移送モジュール(TM)を備えるウエハ取り扱いアセンブリの上方に配置される。
図4a図4aは、本開示の技術の別の実施形態による半導体プロセッシングデバイスの概略上面図を示し、ここで処理ユニットは、ロードロックモジュール(LL)を備えるウエハ取り扱いアセンブリの上方に配置される。
図4b図4bは、本開示の技術の別の実施形態による半導体プロセッシングデバイスの概略上面図を示し、ここで第1の処理ユニットは、移送モジュールの上方に配置され、また第2の処理ユニットは、ロードロックモジュールの上方に配置される。
図4c図4cは、本開示の技術の別の実施形態による半導体プロセッシングデバイスの概略上面図を示し、ここで複数の処理ユニットは、移送モジュールの上方に配置され、また処理ユニットは、各ロードロックモジュールの上方に配置される。複数の処理ユニットは、ウエハを真空状態で反応器へと移送するように構成されたウエハ取り扱いアセンブリ上に配置される。
図5図5aは、図3aの半導体プロセッシングデバイスの概略側面断面図を示し、図5bは、ウエハ取り扱いロボットの概略図である。
図6図6aは、図4aの半導体プロセッシングデバイスの概略側面断面図を示し、図6bは、基板サポートステーションの概略図である。
図6c図6cは、図4bの半導体プロセッシングデバイスの概略側面断面図を示す。
図6d図6dは、本開示の技術の別の実施形態による半導体プロセッシングデバイスの概略側面断面図を示し、ここで処理ユニットは、大気圧移送モジュール(ATM)の上方または内側に垂直に配置される。
図7a図7aは、本開示の技術の別の実施形態による半導体プロセッシングデバイスの概略上面図を示し、ここで処理ユニットは、複数のウエハ取り扱いアセンブリのうちの1つへとウエハを移送するように構成されたウエハ取り扱いアセンブリ上に配置される。
図7b図7bは、本開示の技術の別の実施形態による半導体プロセッシングデバイスの概略上面図を示し、ここで処理ユニットは、複数のウエハ取り扱いアセンブリのうちの1つへとウエハを移送するように構成されたウエハ取り扱いアセンブリ上に配置される。
図8図8は、様々な実施形態による、半導体プロセッシング方法を図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示の技術の実施形態の装置および方法が、添付図面に示される好ましい様々な実施形態によって詳細に記述される。別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0012】
プロセッシングシステムによって占有されるフロアスペースを最小化するために、堆積チャンバの隣に位置付けられた処理のための放射線源が過去に提案されている。しかしながら、この構成は、堆積される材料が窓上にも蓄積するにつれて、プロセスウィンドウが放射線に対して不透過性になるという実際問題を有する。
【0013】
図1に示されるように、システムは、複数の反応器2および移送モジュール20()の周りに配置された複数の処理モジュール10を含むことができる。処理モジュール10は、ウエハを処理して、ウエハ上の膜の堆積を改善するように構成することができる。図示した実施形態では、処理モジュール10は、堆積後に膜をウエハ上で処理することができる。他の実施形態では、処理モジュール10は、追加的または代替的に、ウエハを堆積前に処理するように構成されてもよい。移送モジュール20(a)は、ウエハをロードロックモジュール20(b)から取り、そしてウエハ上に膜を堆積させるために、移送モジュール20(a)の周りに配置された反応器2へとウエハを搬送する。次いで、その上に膜を堆積させたウエハを、移送モジュール20(a)によって処理ユニット10へと搬送することができる。処理ユニット10もまた、移送モジュール20(a)の周りに配置されるため、より多くの処理ユニット10が追加されるにつれて、水平に統合したシステムによって占有される総フロアスペースが増加し、これはプロセッシング能力および収率を低減する。その結果、当技術分野では、従来のシステムと比較して、縮小されたまたは最小のフロアスペースを占有する半導体プロセッシングシステムを有することに対する必要性がある。
【0014】
図2aおよび図2bは、本明細書に記述されるように、例えば、移送モジュール(TM)20(a)、ロードロックモジュール20(b)、および大気圧(ATM)モジュール20(c)を含む、複数の(例えば、8つの)反応器およびウエハ取り扱いアセンブリ20を有する典型的な半導体プロセッシングシステムを示す。本開示のシステムでは、ウエハ取り扱いロボット(23)(図5bを参照)を備える大気圧移送モジュール(ATM)20(c)、これはウエハ貯蔵部5からウエハWを取り、そして周囲空気またはクリーンルーム雰囲気に曝露されている間にウエハWをロードロックモジュール(LL)20(b)へと装填する。移送モジュール(TM)20(a)のウエハ取り扱いロボット(23)は、ロードロックモジュール(LL)20(b)から、真空に曝露(または他の実施形態では、周囲空気に曝露)されている間に、ウエハWを真空状態で取り、そしてウエハW上に膜を堆積させるためにウエハWを反応器2へと搬送する。本明細書に開示される様々な実施形態では(図3a以下を参照のこと)、ウエハWは、ウエハW上の膜を処理するための処理ユニット10の下に配置された少なくとも1つのウエハ取り扱いアセンブリ20へと搬送される。プロセッシング中に、ウエハWはロードロックモジュール(LL)20(b)または移送モジュール(TM)20(a)内に保持することができる一方で、他のウエハは反応器2内でプロセスされる。開示される実施形態では、プロセッシング能力を低減することなく、またシステムによって占有される総フロアスペースを増加することなく、図に示されるフリースペースが利用される。本明細書に開示されるように、処理ユニット10は、処理ユニット10の横方向の設置面積を減少させるために、ウエハ取り扱いアセンブリの上方のフリースペース内に提供することができる。
【0015】
図3aは、ウエハW(図には図示せず)を処理するための半導体プロセッシングシステム1を図示し、これは、ウエハW上に膜を堆積させるように構成された反応器2と、ウエハW上の膜を処理するための処理ユニット10と、を備えてもよい。反応器2は、化学蒸着(CVD)または原子層堆積(ALD)などの任意の好適なタイプの堆積プロセスのために使用することができる。システム1は、ウエハWを真空状態で反応器2へと移送するように構成されたウエハ取り扱いロボット(23)を備える移送モジュール20(a)をさらに備えてもよい。処理ユニット10は、移送モジュール20(a)と垂直に隣接して配置(例えば、上方に垂直に配置)されてもよい。図5aに示すように、処理ユニット10は、ウエハ取り扱いアセンブリ(その底部パネル12)に面する側面上に第1のプロセスウィンドウ11を備えてもよく、一方で、ウエハ取り扱いアセンブリ20(a)は、処理ユニット(その上部パネル22)に面する側面上に第2のプロセスウィンドウ21を備える。第1のプロセスウィンドウ11は、処理ユニット10がウエハ取り扱いアセンブリ20の上方に垂直に配置される時、第2のプロセスウィンドウ21と整列することができる。システム1は、電子機器、ガス、およびポンプラインが配置されるユーティリティエンクロージャ4上に配設されてもよい。システム1は、プロセッシングの前または後にウエハを貯蔵するように構成された1つまたは複数のウエハボートを含むことができる、ウエハ貯蔵部モジュール5をさらに備えてもよい。
【0016】
処理ユニット10は、ウエハW上の膜を処理するために、第1のプロセスウィンドウ11に向かって電磁波(例えば、紫外線(UV)放射、赤外線(IR)放射、または任意の他の好適なタイプの放射)を発するように構成された放射線源13を備えてもよい。移送モジュール20(a)は、第2のプロセスウィンドウ21の下でプロセスされたウエハWを保持するように構成されたウエハ取り扱いロボット23を備えてもよい。図5Bを参照のこと。第2のプロセスウィンドウ21は、電磁波がそれを通して通過することを可能にするために、光学的に透明な材料24で覆うか、または形成することができる。放射線透過性材料24は、様々な実施形態では、溶融石英を含んでもよい。
【0017】
半導体プロセッシングシステム1は、複数の反応器2を備えてもよく、またウエハ取り扱いアセンブリは、例えば、本明細書に記述されるように、移送モジュール20(a)、ロードロックモジュール20(b)、および大気圧(ATM)モジュール20(c)を含む、複数のウエハ取り扱いモジュールを備えることができる。移送モジュール20(a)は、ウエハWを、真空状態での処理プロセスのための複数の反応器のうちの反応器2に移送するように構成されたウエハ取り扱いロボット(23)を備えてもよい。ロードロックモジュール20(b)は、周囲空気圧状態からウエハWを受容するように構成されてもよく、また移送モジュール(TM)20(a)のウエハ取り扱いロボット(23)は、ウエハWを反応器2へと移送する。
【0018】
処理ユニット10は、本明細書に開示されるウエハ取り扱いアセンブリ20のいずれかまたはすべての上方に配置することができる。例えば、処理ユニット10は、移送モジュール20(a)、ロードロックモジュール20(b)、および大気圧モジュール20(c)のうちの少なくとも1つの上方に配置することができる。処理ユニット10の数、およびウエハ取り扱いアセンブリ20のうちのどれに処理ユニット10を装備するかは、膜堆積および堆積後処理のプロセス時間に基づいて決定されてもよい。本明細書に記述されるように、本開示の技術は、従来のシステムと比較して最小限のまたは低減した量のフロアスペースを占有するシステムだけでなく、システム1内の各構成要素のプロセス能力を改善し、かつアイドリング時間を低減することができる、モジュール式のプロセスシステムも提供する。
【0019】
図5bに示すように、処理ユニット10の第1のプロセスウィンドウ11は、複数のウエハ取り扱いアセンブリ20(a)のうちの1つの上方に垂直に配置することができる。第1のプロセスウィンドウ11は、複数のウエハを一度にカバーするように構成されてもよく、一方で、複数のウエハ取り扱いアセンブリ20(a)のうちの1つの第2のプロセスウィンドウ21も同様に、複数のウエハを一度にカバーするように構成されてもよい。図3bを参照のこと。それ故に、複数のウエハ取り扱いアセンブリ20(a)のうちの1つの上方に垂直に配置される処理ユニット10は、複数のウエハを一度に処理することができる。
【0020】
図3cは、複数のウエハ取り扱いアセンブリのうちの1つ(例えば、移送モジュール20(a))が、上部パネル22上に複数の第2のプロセスウィンドウ21を備える一実施形態を示す。対応する処理ユニット10は、複数の第2のプロセスウィンドウ21の各々の上方に垂直に配置することができる。処理ユニット10の各々は、異なる放射線源13を有してもよく、これは相互に同じまたは異なるタイプの放射線を発してもよい。図3bおよび図3cは、一度に4つのウエハWを処理するための構成を示すが、任意の好適な数のウエハWを処理することができる。
【0021】
図4aの実施形態に目を移すと、処理ユニット10は、複数のロードロックモジュール20(b)のうちの少なくとも1つに対して、垂直に隣接して配置(例えば、上方に配置)されてもよい。図4bに示すように、第1の処理ユニット10は、移送モジュール20(a)の上方に配置することができ、また第2の処理ユニットは、各ロードロックモジュール20(b)の上方に配置することができる。第1の処理ユニット10は、一度に複数の(例えば、4つの)ウエハWを処理するように構成されてもよく、また第2の処理ユニットは、複数の処理ユニット10を備えることができ、その各々は、一度に単一のウエハを処理するように構成される。移送モジュール20(a)は、上部パネル22上に複数の第2のプロセスウィンドウ21を備えてもよく、また処理ユニット10は、第2のプロセスウィンドウ21の各々の上方に垂直に配置されてもよい。図4cは、複数の(例えば、4つの)処理ユニット10が、移送モジュール20(a)の4つの対応する領域の上方に配置されて、ウエハを別々に処理する実施形態を示す。複数の処理ユニット10は、ロードロックモジュール20(b)の2つの領域の上方に配置することができる。移送モジュール20(a)およびロードロックモジュール20(b)の上方に配置された処理ユニット10の各々は、複数のウエハWを別々に処理するように、異なる放射線源13を有してもよい。他の実施形態では、一度に複数のウエハを処理するために、共通の放射線源を、移送モジュール20(a)またはロードロックモジュール20(b)の上方に使用することができる。
【0022】
図5aは、移送モジュール20(a)の上方に処理ユニット10を有する、図3aの半導体プロセッシングシステム1の概略側面図を示す。図5bに示すように、処理ユニット10の第1のプロセスウィンドウ11は、移送モジュール20(a)の第2のプロセスウィンドウ21と整列することができる。移送モジュール20(a)は、処理プロセス中に第2のプロセスウィンドウ21の下にウエハWを保持するように構成されたウエハ取り扱いロボット23を備えてもよい。処理ユニット10は、移送モジュール20(a)の上方に垂直に配置されるが、ウエハ取り扱いロボット23は、ウエハWを処理ユニット10へと搬送するために、いかなる垂直移動(図5bのY方向)も提供する必要はなく、ただしその代わりに、ウエハWを、システム1を通して概して水平(図5bのX方向)に移動させてもよい。第2のプロセスウィンドウ21は、処理ユニット10内の放射線源13から発せられた電磁波が通過することを可能にするように、光学的に透明な材料24で覆われてもよく、または光学的に透明な材料24で形成されてもよい。放射線透過性材料24は、様々な実施形態では、溶融石英を含んでもよい。図5aは、電子機器、ガス、およびポンプラインがその中に配置されるユーティリティエンクロージャ4、ならびに電子ジャンクションボックス8もまた示す。
【0023】
図6aは、処理ユニット10がロードロックモジュール20(b)の上方に垂直に配置される、図4aの半導体プロセッシングデバイスの概略側面図を示す。図6bに示すように、処理ユニット10の第1のプロセスウィンドウ11は、ロードロック20(b)の第2のプロセスウィンドウ21に上方に垂直に、かつ隣接して配置することができる。ロードロックモジュール20(b)は、プロセス中のウエハWを第2のプロセスウィンドウ21の下に保持するように構成された、基板サポートステーション33を備えてもよい。移送モジュール20(a)内のウエハ取り扱いロボット23は、基板サポートステーション33上のウエハWをピックアップして、ウエハWを反応器2へと移送してもよい。
【0024】
図6cは、図4bの半導体プロセッシングデバイスの概略側面断面図を示し、ここで処理ユニット10は、移送モジュール20(a)およびロードロックモジュール20(b)の上方に配置される。
【0025】
図6dは、別の実施形態による半導体プロセッシングデバイスの概略側面断面図を示し、ここで大気圧移送モジュール(ATM)20(c)上の電子ジャンクションボックス8は、大気圧移送モジュール(ATM)20(c)の上方に配置された処理ユニット10で置き換えられる。電子ジャンクションボックス8は、システムの別の場所に配置することができる。交互に、処理ユニットは、大気圧移送モジュール(ATM)20(c)の内側に配置されてもよく、また上記のように、処理ユニット10は、ATMモジュール20(c)内のウエハW上で処理を実施することができる。
【0026】
図7aの実施形態では、半導体プロセッシングデバイス1は、複数の反応器2であって、そのうちの少なくとも1つが、膜をウエハW上に堆積させるように構成される、複数の反応器2と、基板W上の膜を処理するための複数の処理ユニット10と、複数のウエハ取り扱いアセンブリ20と、を備えてもよい。移送モジュール20(a)は、処理プロセスのために、ウエハWを複数の反応器2のうちの反応器へと移送するように構成されたウエハ取り扱いロボット(23)を備えてもよい。中間移送モジュール20(d)は、ウエハWを移送モジュール20(a)へと移送するように構成されたウエハ取り扱いロボットを備えてもよい。ロードロックモジュール20(b)のうちの少なくとも1つは、周囲気圧状態からウエハWを受容するように構成される。中間移送モジュール(20d)のウエハ取り扱いロボット23は、ウエハWをロードロックモジュール20(b)から取り、そしてウエハWを真空状態で移送モジュール20(a)へと移送するように構成される。ウエハ取り扱いロボット23は、処理中のウエハWを、中間移送モジュール(20d)のプロセスウィンドウの下に保持するようにさらに構成されてもよい。複数の処理ユニット10は、中間移送モジュール20(d)または別の中間移送モジュール20(d)およびロードロックモジュール20(b)の上方に垂直に配置されてもよい。複数の反応器2は、移送モジュール20(a)の周りに配設されてもよい。図7bに示すように、複数の処理ユニット10は、中間移送モジュール20(d)の上方に垂直に配置されてもよく、またその中のウエハ取り扱いロボット23は、複数のウエハWを保持するように構成された回転テーブル25をさらに備えてもよい。処理ユニット10の各々は、相互に異なる放射線源13を有する能力を有してもよい。図7bは、一度に4つのウエハWを処理するための構成を示すが、本開示の技術は、この実施形態に限定されず、また本開示の技術の主旨から逸脱しない限り、様々に改変されてもよく、または変更されてもよい。
【0027】
図8は、様々な実施形態による、半導体プロセッシングシステムによって半導体ウエハWを処理するための方法を一般的に例示するフローチャートである。ブロック30において、ウエハWは、ウエハ取り扱いアセンブリ20に提供される。ウエハは、別のウエハ取り扱いアセンブリから提供されてもよい。ブロック31において、ウエハ取り扱いアセンブリ20は、ウエハWを反応器2へと移送することができる。ブロック32において、反応物質蒸気をウエハW上に堆積して、その上に膜を形成することができる。ブロック33において、ウエハWを、ウエハ取り扱いアセンブリ20へと移送し、そして処理ユニット10の下に保持することができる。ブロック34において、処理プロセス(例えば、熱アニーリングプロセス)は、膜特性を改善するために、放射線源13からウエハWへと電磁波を発することによって行うことができる。一部の実施形態では、堆積プロセスおよび処理プロセスは、周期的に繰り返されてもよい。フローチャート内の方法の順序は、図8で図示した順序と同じである必要はない。処理ユニットは、様々な実施形態では、膜堆積の前または後にウエハを処置することができる。
【0028】
図示した実施形態の各々では、処理ユニット(複数可)10は、ウエハ取り扱いアセンブリ20と垂直に隣接して、かつその上方に配置されるものとして示されている。しかしながら、他の実施形態では、処理ユニット(複数可)10は、ウエハ取り扱いアセンブリ20と垂直に隣接して、かつその下に配置されてもよい。例えば、一部の実施形態では、ウエハWは、ウエハWの底部がウエハの下の処理ユニット10に曝露された、リング形状のサポートによって支持されてもよい。
【0029】
この開示の目的のために、ある特定の態様、利点、および新規の特徴が本明細書に記述される。必ずしもすべてのこうした利点が任意の特定の実施形態に従って達成されるとは限らない。それ故に、例えば、当業者は、本開示が、本明細書で教示または示唆される場合がある他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるように1つの利点または利点の群を達成する様態で具体化または実行される場合があることを認識するであろう。
【0030】
「することができる(can)」、「可能である(could)」、「してもよい(might)」、「してもよい(may)」などの条件付きの言葉は、具体的にそうではないと述べられていない限り、または使用されている文脈内で別段の理解がない限り、ある特定の実施形態はある特定の特徴、要素、および/または工程を含むが、他の実施形態はこれらを含まないことを伝えることを一般的に意図している。それ故に、こうした条件付きの言葉は、特徴、要素、および/もしくは工程がいかなるやり方でも1つ以上の実施形態において必要とされること、または1つ以上の実施形態が、ユーザーの入力もしくは指示の有無にかかわらず、これらの特徴、要素および/もしくは工程が任意の特定の実施形態に含まれるまたは実施されるかどうかを決定するためのロジックを必ず含むことを示唆することを一般的に意図していない。
【0031】
「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」という句などの接続語は、特に別段の具体的な記載のない限り、そうでなければアイテム、用語などがX、Y、またはZのいずれかであってもよいことを伝えるために一般的に使用される文脈で理解される。それ故に、こうした接続語は、ある特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、およびZのうちの少なくとも1つの存在を必要とすることを示唆することを一般に意図するものではない。
【0032】
「おおよそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語などの本明細書で使用される、程度を表す言葉は、本明細書で使用される場合、依然として所望の機能を実施する、または所望の結果を達成する、記載された値、量、もしくは特性に近い値、量、もしくは特性を表す。例えば、「おおよそ」、「約」、「一般的に」、および「実質的に」という用語は、記載された量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、および0.01%未満以内の量を指す場合がある。
【0033】
本開示の範囲は、この節または本明細書内のいずれかで好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図せず、またこの節もしくは本明細書のいずれかで提示される、または将来提示される特許請求の範囲によって定義されてもよい。特許請求の範囲の言葉は、特許請求の範囲で採用される言葉に基づいて適正に解釈されるべきであり、本明細書にまたは出願手続き中に記述された実施例に限定されず、その実施例は非限定的であると解釈されるべきである。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図6c
図6d
図7a
図7b
図8
【外国語明細書】