IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東京エレクトロン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-処理液供給装置及び処理液供給方法 図1
  • 特開-処理液供給装置及び処理液供給方法 図2
  • 特開-処理液供給装置及び処理液供給方法 図3
  • 特開-処理液供給装置及び処理液供給方法 図4
  • 特開-処理液供給装置及び処理液供給方法 図5
  • 特開-処理液供給装置及び処理液供給方法 図6
  • 特開-処理液供給装置及び処理液供給方法 図7
  • 特開-処理液供給装置及び処理液供給方法 図8
  • 特開-処理液供給装置及び処理液供給方法 図9
  • 特開-処理液供給装置及び処理液供給方法 図10
  • 特開-処理液供給装置及び処理液供給方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130803
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】処理液供給装置及び処理液供給方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20230913BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20230913BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20230913BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
H01L21/30 564C
H01L21/30 569C
B05C11/10
B05D1/26 Z
B05D3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035302
(22)【出願日】2022-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(74)【代理人】
【識別番号】100187849
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 隆史
(74)【代理人】
【識別番号】100212059
【弁理士】
【氏名又は名称】三根 卓也
(72)【発明者】
【氏名】木場 幸生
【テーマコード(参考)】
4D075
4F042
5F146
【Fターム(参考)】
4D075AC06
4D075AC64
4D075AC84
4D075DA08
4D075DB14
4D075DC22
4D075EA45
4F042AA07
4F042AB00
4F042BA07
4F042BA09
4F042BA19
4F042CA01
4F042CB02
4F042CB08
4F042CB25
4F042CC07
4F042DF09
4F042DF28
4F042DF32
4F042DH09
4F042EB05
4F042EB13
4F042EB18
4F042EB24
5F146JA01
5F146LA01
(57)【要約】
【課題】基板に対する吐出部に供給する処理液の改質を抑制する。
【解決手段】基板に処理液を吐出する吐出部に処理液を供給する処理液供給装置であって、前記処理液の溶媒のガスを含む溶媒含有ガスを、前記処理液を貯留するボトルに供給するガス供給部と、前記ボトル内の気圧を測定する圧力測定部と、前記ボトル内の気温を測定する温度測定部と、前記ボトル内の気圧または前記ボトル内の気温の少なくともいずれか一方を調整する調整部と、前記ボトル内が前記溶媒含有ガスの雰囲気となるよう前記ガス供給部を制御すると共に、前記圧力測定部の測定結果と前記温度測定部の測定結果に基づいて、前記調整部を制御する制御部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に処理液を吐出する吐出部に処理液を供給する処理液供給装置であって、
前記処理液の溶媒のガスを含む溶媒含有ガスを、前記処理液を貯留するボトルに供給するガス供給部と、
前記ボトル内の気圧を測定する圧力測定部と、
前記ボトル内の気温を測定する温度測定部と、
前記ボトル内の気圧または前記ボトル内の気温の少なくともいずれか一方を調整する調整部と、
前記ボトル内が前記溶媒含有ガスの雰囲気となるよう前記ガス供給部を制御すると共に、前記圧力測定部の測定結果と前記温度測定部の測定結果に基づいて、前記調整部を制御する制御部と、を備える、処理液供給装置。
【請求項2】
前記圧力測定部により測定される気圧が、前記温度測定部により測定される気温における前記溶媒の飽和蒸気圧となるように、前記調整部を制御する、請求項1に記載の処理液供給装置。
【請求項3】
前記ガス供給部は、前記溶媒の液体を不活性ガスでバブリングすることにより前記溶媒含有ガスを形成する、請求項1または2に記載の処理液供給装置。
【請求項4】
前記ガス供給部は、前記溶媒のミストを不活性ガスの雰囲気内に供給して気化させ前記溶媒含有ガスを形成する、請求項1または2に記載の処理液供給装置。
【請求項5】
前記調整部は、少なくとも前記ボトル内の気圧を調整するものであり、前記ガス供給部からの前記溶媒含有ガスの供給圧力を調節する調節機構を有し、
前記制御部は、前記圧力測定部の測定結果と前記温度測定部の測定結果に基づいて、前記調整部の前記調節機構を制御する、請求項1~4のいずれか1項に記載の処理液供給装置。
【請求項6】
前記調整部は、少なくとも前記ボトル内の気温を調整するものであり、前記ボトルに沿って高さ方向に並ぶ複数の温調領域それぞれに設けられた、互いに独立して制御可能な温調ユニットを有し、
前記制御部は、前記圧力測定部の測定結果と前記温度測定部の測定結果に基づいて、前記調整部の前記温調ユニットを制御する、請求項1~5のいずれか1項に記載の処理液供給装置。
【請求項7】
前記ボトル内の前記処理液の液面の高さを検出する検出部を備え、
前記制御部は、前記温調ユニットのうち、前記液面の高さより上の前記温調領域に設けられた前記温調ユニットのみが用いられるよう制御する、請求項6に記載の処理液供給装置。
【請求項8】
前記ボトルと前記吐出部との間に設けられ、前記処理液を一時的に貯留するバッファタンクと、
前記バッファタンク内の気圧を測定する他の圧力測定部と、
前記バッファタンク内の気温を測定する他の温度測定部と、
前記バッファタンク内の気圧または前記バッファタンク内の気温の少なくともいずれか一方を調整する他の調整部と、
前記ガス供給部は、前記バッファタンクにも前記溶媒含有ガスを供給し、
前記制御部は、前記バッファタンク内が前記溶媒含有ガスの雰囲気となるよう前記ガス供給部を制御すると共に、前記他の圧力測定部の測定結果と前記他の温度測定部の測定結果に基づいて、前記他の調整部を制御する制御部と、を備える、請求項1~7のいずれか1項に記載の処理液供給装置。
【請求項9】
前記他の圧力測定部により測定される気圧が、前記他の温度測定部により測定される気温における前記溶媒の飽和蒸気圧となるように、前記他の調整部を制御する、請求項8に記載の処理液供給装置。
【請求項10】
基板に処理液を吐出する吐出部に処理液を供給する処理液供給方法であって、
前記処理液の溶媒のガスを含む溶媒含有ガスを、前記処理液を貯留するボトルに供給し、ボトル内を溶媒含有ガスの雰囲気とする工程と、
前記ボトル内の気圧の測定結果と前記ボトル内の気温の測定結果に基づいて、前記ボトル内の気圧または前記ボトル内の気温の少なくともいずれか一方を調整する工程と、を含む、処理液供給方法。
【請求項11】
基板に処理液を吐出する吐出部に処理液を供給する処理液供給方法を処理液供給装置に実行させるために、前記処理液供給方法を制御する制御装置のコンピュータ上で動作するプログラムを記憶した読み取り可能な記憶媒体であって、
前記処理液供給方法は、
前記処理液の溶媒のガスを含む溶媒含有ガスを、前記処理液を貯留するボトルに供給し、ボトル内を溶媒含有ガスの雰囲気とする工程と、
前記ボトル内の気圧の測定結果と前記ボトル内の気温の測定結果に基づいて、前記ボトル内の気圧または前記ボトル内の気温の少なくともいずれか一方を調整する工程と、を含む、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、処理液供給装置及び処理液供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示の液処理装置は、レジスト液をフィルタを介してダイヤフラムポンプに吸入し、ポンプに吸入されたレジスト液の一部を吐出ノズルから吐出する。また、上記液処理装置委は、残りのレジスト液をフィルタの一次側の供給管路に戻し、供給ポンプの駆動により処理液容器からのレジスト液の補充量を戻り量に加えて合成して、レジスト液の吐出とフィルタによる濾過を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-140030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示にかかる技術は、基板に対する吐出部に供給する処理液の改質を抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、基板に処理液を吐出する吐出部に処理液を供給する処理液供給装置であって、前記処理液の溶媒のガスを含む溶媒含有ガスを、前記処理液を貯留するボトルに供給するガス供給部と、前記ボトル内の気圧を測定する圧力測定部と、前記ボトル内の気温を測定する温度測定部と、前記ボトル内の気圧または前記ボトル内の気温の少なくともいずれか一方を調整する調整部と、前記ボトル内が前記溶媒含有ガスの雰囲気となるよう前記ガス供給部を制御すると共に、前記圧力測定部の測定結果と前記温度測定部の測定結果に基づいて、前記調整部を制御する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、基板に対する吐出部に供給する処理液の改質を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】レジスト塗布装置の構成の概略を示す縦断面図である。
図2】レジスト塗布装置の構成の概略を示す横断面図である。
図3】本実施形態にかかる液供給装置の構成の概略を示す説明図である。
図4】装置立ち上げ時においてボトル及びバッファタンク内の雰囲気を溶媒含有ガスで置換する時の液供給装置の状態を示す図である。
図5】装置立ち上げ時においてボトル及びバッファタンク内の気圧を調整する時の液供給装置の状態を示す図である。
図6】装置立ち上げ時においてバッファタンクへレジスト液を供給する時の液供給装置の状態を示す図である。
図7】吐出ノズルからレジスト液を吐出させる時の液供給装置の状態を示す図である。
図8】ポンプへレジスト液を補充する時の液供給装置の状態を示す図である。
図9】ガス形成部の他の例を示す図である。
図10】ボトル内の気温を調節する温調部の一例を示す図である。
図11】バッファタンク内の気温を調節する温調部の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
半導体デバイス等の製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程では、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)等の基板上に所定のレジストパターンを形成するために一連の処理が行われる。上記一連の処理には、例えば、基板上にレジスト液を供給しレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、レジスト膜を露光する露光処理、露光されたレジスト膜に現像液を供給して現像する現像処理等が含まれる。
【0009】
レジスト液等の処理液の基板への吐出は吐出ノズルを介して行われる。また、吐出ノズルへの処理液の供給は処理液供給装置により行われる。処理液供給装置は、処理液供給源であるボトル内に貯留された処理液を吐出ノズルに供給する。
【0010】
ところで、処理液は、その溶媒が揮発することや、大気中の水分が混入すること等により改質することがある。例えば、レジスト液が改質した場合、レジスト膜中に欠陥が生じる問題や、所望の膜厚のレジスト膜が得られない問題等が生じる。
【0011】
そこで、本開示にかかる技術は、吐出ノズル等の吐出部に供給する処理液の改質を抑制する。
【0012】
以下、本実施形態にかかる処理液供給装置及び処理液供給方法を、図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
<レジスト塗布装置>
図1及び図2を用いて、本実施形態にかかる処理液供給装置が処理液を供給する吐出部を有する、基板処理装置としてのレジスト塗布装置について説明する。図1及び図2はそれぞれ、レジスト塗布装置の構成の概略を示す縦断面図及び横断面図である。
【0014】
レジスト塗布装置1は、図1に示すように、内部を閉鎖可能な処理容器10を有している。処理容器10の側面には、基板としてのウェハWの搬入出口(図示せず)が形成され、搬入出口には、開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。
【0015】
処理容器10内の中央部には、ウェハWを保持して回転させるスピンチャック20が設けられている。スピンチャック20は、水平な上面を有し、当該上面には、例えばウェハWを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、ウェハWをスピンチャック20上に吸着保持できる。
【0016】
スピンチャック20は、例えばモータ等を備えたチャック駆動機構21を有し、そのチャック駆動機構21により所定の速度に回転できる。また、チャック駆動機構21には、シリンダ等の昇降駆動源が設けられており、スピンチャック20は上下動可能である。
【0017】
スピンチャック20の周囲には、ウェハWから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ30が設けられている。カップ30の下面には、回収した液体を排出する排出管31と、カップ30内の雰囲気を排気する排気管32が接続されている。
【0018】
図2に示すように、カップ30のX方向負方向(図2の下方向)側には、Y方向(図2の左右方向)に沿って延伸するレール40が形成されている。レール40は、例えばカップ30のY方向負方向(図2の左方向)側の外方からY方向正方向(図2の右方向)側の外方まで形成されている。レール40には、アーム41が取り付けられている。
【0019】
アーム41には、処理液としてのレジスト液を吐出する吐出部としての吐出ノズル42が支持されている。アーム41は、ノズル駆動部43により、レール40上を移動自在である。これにより、吐出ノズル42は、カップ30のY方向正方向側の外方に設置された待機部44からカップ30内のウェハWの中心部上方まで移動でき、さらに当該ウェハWの表面上をウェハWの径方向に移動できる。また、アーム41は、ノズル駆動部43によって昇降自在であり、吐出ノズル42の高さを調節できる。吐出ノズル42は、図1に示すようにレジスト液を供給する処理液供給装置としての液供給装置100に接続されている。
【0020】
<液供給装置100>
続いて、図3を用いて、液供給装置100の構成の一例を説明する。図3は、本実施形態にかかる液供給装置100の構成の概略を示す説明図である。
【0021】
液供給装置100は、吐出ノズル42にレジスト液を供給する。この液供給装置100は、レジスト液を貯留する取り替え可能なボトルBと吐出ノズル42との間にバッファタンク101を有する。言い換えると、液供給装置100は、ボトルBと吐出ノズル42とを接続する送液管110に、バッファタンク101が介設されている。バッファタンク101は、レジスト液を一時的に貯留する。ボトルBは、レジスト液を貯留するものであり、取り替え可能なものである。
【0022】
送液管110は、ボトルBとバッファタンク101とを接続しボトルBからバッファタンク101へレジスト液を導く第1送液管111と、バッファタンク101と吐出ノズル42とを接続しバッファタンク101から吐出ノズル42にレジスト液を導く第2送液管112と、を有する。
第1送液管111には、当該第1送液管111(の管路)を開閉する第1開閉弁V1が設けられている。
第2送液管112には、ポンプ120と、フィルタ121と、第2開閉弁V2と、第3開閉弁V3、供給制御弁V10とが介設されている。
【0023】
ポンプ120は、吐出ノズル42にレジスト液を送出する。ポンプ120が送出するレジスト液は、ポンプ120の貯留室(図示せず)に貯留されている。ポンプ120は、例えば、上記貯留室内に気相が存在せず上記貯留室内の容積を小さくすることによりレジスト液を送出するチューブフラムポンプである。
【0024】
フィルタ121は、レジスト液中の異物を捕集して除去するものである。フィルタ121は、例えば、第2送液管112におけるバッファタンク101とポンプ120との間に介設されている。
【0025】
第2開閉弁V2は、第2送液管112(の管路)を開閉するものであり、第2送液管112におけるバッファタンク101とフィルタ121との間に介設されている。
【0026】
第3開閉弁V3は、第2送液管112(の管路)を開閉するものであり、第2送液管112におけるフィルタ121とポンプ120との間に介設されている。
【0027】
供給制御弁V10は、吐出ノズル42から吐出するレジスト液の流量の調整や、第2送液管112(の管路)の開閉等を行うものであり、第2送液管112におけるポンプ120と吐出ノズル42との間に介設されている。
【0028】
また、液供給装置100は、ガス供給部130を有する。
ガス供給部130は、レジスト液の溶媒のガスを含む溶媒含有ガスを、ボトルBに供給するように構成されている。本実施形態において、ガス供給部130は、溶媒含有ガスをバッファタンク101にも供給するように構成されている。
【0029】
また、ガス供給部130は、本実施形態において、溶媒含有ガスを形成するガス形成部131を有する。
【0030】
ガス形成部131は、例えば、溶媒の液体を不活性ガスでバブリングすることにより溶媒含有ガスを形成する。
より具体的には、ガス形成部131は、例えば、レジスト液の溶媒の液体を貯留するタンク132と、タンク132内の溶媒の液体中に窒素ガス等の不活性ガスを供給するガスノズル133と、を有する。ガス形成部131は、ガスノズル133からの不活性ガスを、タンク132内の溶媒の液体中に供給することにより、不活性ガスの気泡中に溶媒の液体を揮発させ、不活性ガスと溶媒のガスとを含む溶媒含有ガスを形成する。
【0031】
ガスノズル133は、ガス供給管134の一端が接続されている。ガス供給管134の他端には、不活性ガスの供給源135が接続されている。また、ガス供給管134には、当該ガス供給管134(の管路)を開閉する第4開閉弁V4が設けられ、第4開閉弁V4の上流側に圧力調整用の電空レギュレータ136が設けられている。
【0032】
さらに、ガス形成部131のタンク132は、第1送気管137を介してボトルBと接続され、第2送気管138を介してバッファタンク101と接続されている。
第1送気管137には、当該第1送気管137(の管路)を開閉する第5開閉弁V5が設けられ、第5開閉弁V5の上流側に、供給圧力を調節するための電空レギュレータ139(本開示にかかる「調整部」及び「調節機構」の一例)が設けられている。
第2送気管138には、当該第2送気管138(の管路)を開閉する第6開閉弁V6が設けられ、第6開閉弁V6の上流側に、供給圧力を調節するための電空レギュレータ140(本開示にかかる「他の調整部」の一例)が設けられている。第2送気管138は、第1送気管137の上流側部分から分岐されたものであってもよい。
また、第1送気管137、第2送気管138、第5開閉弁V5、第6開閉弁V6、電空レギュレータ139、140は、これらの管路壁面において溶媒が液化しないように、例えばこれらの周囲にテープヒータ等の加熱部(図示せず)が設けられている。
【0033】
さらに、液供給装置100は、第1ドレイン管151及び第2ドレイン管152を有する。
【0034】
第1ドレイン管151は、ボトルBに接続されており、ボトルB内の気体を排出する排気管として機能する。第1ドレイン管151には、当該第1ドレイン管151(の管路)を開閉する第7開閉弁V7が設けられている。
第2ドレイン管152は、バッファタンク101に接続されており、バッファタンク101内の気体を排出する排気管や、バッファタンク101内のレジスト液を排出する排液管として機能する。第2ドレイン管152には、当該第2ドレイン管152(の管路)を開閉する第8開閉弁V8が設けられている。
【0035】
また、液供給装置100では、ボトルBに対して、当該ボトルB内の雰囲気の圧力すなわち気圧を測定する圧力センサ161(本開示にかかる「圧力測定部」の一例)が設けられている。さらに、ボトルBに対して、当該ボトルB内の雰囲気の温度すなわち気温を測定する温度センサ162(本開示にかかる「温度測定部」の一例)が設けられている。
【0036】
バッファタンク101に対しては、当該バッファタンク101内の気圧を測定する圧力センサ171(本開示にかかる「他の圧力測定部」の一例)が設けられている。また、バッファタンク101に対して、当該バッファタンク101内の気温を測定する温度センサ172(本開示にかかる「他の温度測定部」の一例)が設けられている。さらに、バッファタンク101に対しては、当該バッファタンク101内のレジスト液の液面の高さを検出する液面センサ173が設けられている。
【0037】
また、液供給装置100は、制御部Mを備える。制御部Mは、例えばCPU等のプロセッサやメモリ等を備えたコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、液供給装置100の後述の各動作を制御するプログラムが格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、当該記憶媒体Hから制御部Mにインストールされたものであってもよい。記憶媒体Hは、一時的なものであっても非一時的なものであってもよい。また、プログラムの一部または全ては専用ハードウェア(回路基板)で実現してもよい。
【0038】
なお、液供給装置100に設けられた各弁には、制御部Mにより制御可能な電磁弁や空気作動弁が用いられ、各弁と制御部Mは電気的に接続されている。また、制御部Mは、ポンプ120、電空レギュレータ136、139、140と電気的に接続されている。この構成により、液供給装置100における一連の処理は制御部Mの制御の下、自動で行うことが可能となっている。
制御部Mはさらに圧力センサ161、171、温度センサ162、172、液面センサ173に接続されている。したがって、制御部Mは圧力センサ161、171、温度センサ162、172、液面センサ173の測定結果に基づいて制御を行うことができる。
【0039】
<装置立ち上げ時の液供給装置100の動作>
次に、図4図6に基づいて、装置立ち上げ時の液供給装置100の動作の一例について説明する。図4は、装置立ち上げ時においてボトルB及びバッファタンク101内の雰囲気を溶媒含有ガスで置換する時の液供給装置100の状態を示す図である。図5は、装置立ち上げ時においてボトルB及びバッファタンク101内の気圧を調整する時の液供給装置100の状態を示す図である。図6は、装置立ち上げ時においてバッファタンク101へレジスト液を供給する時の液供給装置100の状態を示す図である。なお、図4図6及び後述の図7図8では、開状態の弁を白塗りで、閉状態の弁を黒塗りで、レジスト液または各ガスが流通している管を太線で示すことで、その他の弁の開閉状態については説明を適宜省略する。また、以下の説明では、第n開閉弁Vn(nは1~8の整数)をそれぞれ開閉弁Vnと適宜省略して記載する。
【0040】
<ステップS1:ボトルB及びバッファタンク101内の雰囲気の置換>
液供給装置100の装置立ち上げ時には、ボトルB及びバッファタンク101内の雰囲気の、溶媒含有ガスによる置換が行われるよう、制御部Mが制御を行う。
【0041】
具体的には、例えば、図4に示すように、開閉弁V1~V3及び供給制御弁V10が閉状態とされ且つ開閉弁V4~V8が開状態とされるよう、制御部Mが制御を行う。この制御が開始されると、供給源135からの不活性ガスが、ガス供給管134を介して、タンク132内の溶媒の液体中に供給され、溶媒含有ガスが生成される。この溶媒含有ガスは、第1送気管137、第2送気管138を介して、ボトルBと空のバッファタンク101に供給される。その結果、ボトルBの気相部及びバッファタンク101内を充満していた気体(例えば空気や窒素)が、第1ドレイン管151及び第2ドレイン管152へ押し出され、排出される。例えば図4の状態を所定の時間維持することにより、ボトルB及びバッファタンク101内の雰囲気が溶媒含有ガスで置換され、すなわち、ボトルBの気相部及びバッファタンク101内が、溶媒含有ガスの雰囲気となる。
【0042】
<ステップS2:ボトルB及びバッファタンク101内の気圧の調整>
液供給装置100の装置立ち上げ時には、次いで、圧力センサ161及び温度センサ162の測定結果に基づいてボトルB内の気圧が調整され且つ圧力センサ171及び温度センサ172の測定結果に基づいてバッファタンク101内の気圧が調整されるよう、制御部Mが制御を行う。
【0043】
具体的には、例えば、図5に示すように、開閉弁V7が閉状態とされるよう、制御部Mが制御を行う。それと共に、圧力センサ161により測定されるボトルB内の気圧が、温度センサ162により測定されたボトルB内の気温における溶媒の飽和蒸気圧となるように、制御部Mが電空レギュレータ139(具体的にはその二次圧)を制御する。
また、開閉弁V8が閉状態とされるよう、制御部Mが制御を行う。それと共に、圧力センサ171により測定されるバッファタンク101内の気圧が、温度センサ172により測定されたバッファタンク101内の気温における溶媒の飽和蒸気圧となるように、制御部Mが電空レギュレータ140(具体的にはその二次圧)を制御する。
【0044】
<ステップS3:バッファタンク101へのレジスト液の供給>
液供給装置100の装置立ち上げ時には、次いで、空のバッファタンク101へのレジスト液の供給が行われるよう、制御部Mが制御を行う。
【0045】
具体的には、例えば図6に示すように、開閉弁V4、V5の開状態が維持されたまま、
開閉弁V6が閉状態とされ且つ開閉弁V1、V8が開状態とされるよう、制御部Mが制御を行う。これにより、ガス供給部130から第1送気管137を介してボトルBに供給された溶媒含有ガスにより、当該ボトルB内が加圧され、当該ボトルB内のレジスト液が第1送液管111を介してバッファタンク101に供給される。
このバッファタンク101へのレジスト液の供給は、液面センサ173により検出されたバッファタンク101内のレジスト液の液面が所定の高さHになるまで行われる。
【0046】
<ステップS4:ボトルB及びバッファタンク101内の気圧の調整>
液供給装置100の装置立ち上げ時において、バッファタンク101へのレジスト液の供給が完了すると、再度ステップS2と同様な制御が制御部Mにより行われ、ボトルB内の気圧及びバッファタンク101内の気圧が調整される。
【0047】
なお、液供給装置100の装置立ち上げ時には、制御部Mの制御の下、以下の(1)、(2)も行われる。
(1)バッファタンク101からのレジスト液による、第2送液管112、フィルタ121及びポンプ120の通液
(2)ポンプ120へのレジスト液の補充
【0048】
また、上記(1)、(2)の際、バッファタンク101からのレジスト液の送出が必要に応じて行われ、このレジスト液の送出は、ガス供給部130から第2送気管138を介して供給された溶媒含有ガスによるバッファタンク101内の加圧により行われる。
【0049】
液供給装置100の装置立ち上げ後、液供給装置100の通常時(例えば吐出時)の動作が開始されるまでの待機期間中は、ステップS4の状態が維持される。すなわち、ボトルB内の気圧がボトルB内の気温における溶媒の飽和蒸気圧となり、バッファタンク101内の気圧が、バッファタンク101内の気温における溶媒の飽和蒸気圧となるように、制御部Mの制御が行われる。
【0050】
<通常時の液供給装置100の動作>
続いて、図7及び図8に基づいて、通常時の液供給装置100の動作の一例について説明する。図7は、吐出ノズル42からレジスト液を吐出させる時の液供給装置100の状態を示す図である。図8は、ポンプ120へレジスト液を補充する時の液供給装置100の状態を示す図である。
【0051】
<吐出>
吐出ノズル42からのレジスト液の吐出の際は、例えば、図7に示すように、開閉弁V3が閉状態に維持されたまま供給制御弁V10が開状態とされ、ポンプ120が駆動されるよう、制御部Mが制御を行う。これにより、レジスト液が吐出ノズル42から所定流量で吐出される。
このとき、ボトルB、バッファタンク101及びガス供給部130は待機期間中と同じ状態とされる。具体的には、開閉弁V4~V6の開状態及び開閉弁V7、V8の閉状態は維持される。そして、ボトルB内の気圧がボトルB内の気温における溶媒の飽和蒸気圧となるように電空レギュレータ139が制御され、バッファタンク101内の気圧がバッファタンク101内の気温における溶媒の飽和蒸気圧となるように電空レギュレータ140が制御される。
【0052】
<ポンプ120への補充>
ポンプ120へのレジスト液の補充の際は、例えば、図8に示すように、供給制御弁V10が閉状態とされ且つ開閉弁V2、V3、V6が開状態とされ、バッファタンク101内の圧力よりポンプ120の貯留室内の圧力が小さくなるよう、制御部Mが制御を行う。これにより、バッファタンク101内のレジスト液がポンプ120に補充される。
また、このときもボトルB及びガス供給部130は待機期間中と同じ状態とされる。具体的には、開閉弁V4、V5の開状態及び開閉弁V7の閉状態は維持される。そして、ボトルB内の気圧がボトルB内の気温における溶媒の飽和蒸気圧となるように電空レギュレータ139が制御される。
ポンプ120へのレジスト液の補充が完了すると、前述の図5と同様な状態とされ、バッファタンク101内の気圧がバッファタンク101内の気温における溶媒の飽和蒸気圧となるように電空レギュレータ140が制御される。
【0053】
なお、液面センサ173により検出されたバッファタンク101内のレジスト液の液面が所定の高さLを下回ると、ボトルBからバッファタンク101へのレジスト液の補充が、開始される。この補充の際は、例えば、前述のステップS1におけるボトルB内の雰囲気の置換と、前述のステップS2におけるボトルB内の気圧の調整が行われる。
【0054】
<変形例>
図9は、ガス形成部の他の例を示す図である。
図3の例のガス形成部131は、溶媒の液体を不活性ガスでバブリングすることにより溶媒含有ガスを形成していたが、溶媒含有ガスの形成形態はこれに限られない。例えば、図9のガス形成部131Aのように、溶媒のミストを不活性ガスの雰囲気内に供給して気化させ溶媒含有ガスを形成してもよい。
【0055】
ガス形成部131Aは、供給源135からガス供給管134Aを介して不活性ガスが供給されるガスタンク132Aと、ガスタンク132A内に溶媒のミストを吐出するミストノズル201と、を有する。ガス形成部131Aは、ガスタンク132A内の不活性ガスを主とする雰囲気中に、ミストノズル201からの溶媒のミストを供給することにより、上記ミストに含まれる溶媒の微小液滴を気化させ、不活性ガスと溶媒のガスとを含む溶媒含有ガスを形成する。
【0056】
ミストノズル201は、ミスト供給管202の一端が接続されている。ミスト供給管202の他端には、溶媒のミストの供給源203が接続されている。また、ミスト供給管202には、当該ミスト供給管202(の管路)を開閉する開閉弁V21が設けられている。
【0057】
なお、ガスタンク132Aは、第1送気管137及び第2送気管138の上流端が接続されている。
【0058】
また、以上の例では、待機期間中等において、圧力センサ161及び温度センサ162の測定結果に基づいてボトルB内の気圧が調整されるよう、制御部Mが制御を行っていた。これに代えて、圧力センサ161及び温度センサ162の測定結果に基づいてボトルB内の気温が調整されるよう、制御部Mが制御を行ってもよい。
【0059】
図10は、ボトルB内の気温を調節する温調部の一例を示す図である。
図10の温調部300は、ボトルBに沿って高さ方向に並ぶ複数の温調領域Rそれぞれに設けられた、互いに独立して制御可能な温調ユニットとしてのヒータユニット301を有する。すなわち、温調部300は、ボトルBに沿って高さ方向にヒータユニット301が並べられたマルチチャネルヒータを有する。ヒータユニット301は、例えば、ボトルBの外側に設けられ、ボトルBの壁を加熱することにより、ボトルB内の気相部を加熱する。
また、ボトルBに対しては、当該ボトルB内のレジスト液の液面の高さを検出する液面センサ310(本開示にかかる「検出部」の一例)が設けられている。
【0060】
そして、この例では、制御部Mが、圧力センサ161及び温度センサ162の測定結果に基づいて、温調部300を制御し、ボトルB内の気温を調整する。この際、制御部Mは、ヒータユニット301のうち、液面センサ310で検出された液面の高さより上の温調領域Rに設けられたヒータユニット301のみが用いられるよう、制御する。
また、制御部Mは、圧力センサ161により測定されるボトルB内の気圧が、温度センサ162により測定されるボトルB内の気温における溶媒の飽和蒸気圧となるように、温調部300を制御する。言い換えると、制御部Mは、温度センサ162により測定されるボトルB内の気温が、圧力センサ161により測定されたボトルB内の気圧が溶媒の飽和蒸気圧となる温度となるように、温調部300を制御する。
【0061】
図10のような構成の温調部300を用いてボトルB内の気温を調整するようにすることにより、ボトルB内の気相部の温調によりボトルB内の液相部が影響を受けるのを抑制することができる。
【0062】
以上の例では、待機期間中等において、圧力センサ171及び温度センサ172の測定結果に基づいてバッファタンク101内の気圧が調整されるよう、制御部Mが制御を行っていた。これに代えて、圧力センサ171及び温度センサ172の測定結果に基づいてバッファタンク101内の気温が調整されるよう、制御部Mが制御を行ってもよい。
【0063】
図11は、バッファタンク101内の気温を調節する温調部の一例を示す図である。
図11の温調部400は、バッファタンク101に沿って高さ方向に並ぶ複数の温調領域Tそれぞれに設けられた、互いに独立して制御可能な温調ユニットとしてのヒータユニット401を有する。すなわち、温調部400は、バッファタンク101に沿って高さ方向にヒータユニット401が並べられたマルチチャネルヒータを有する。また、ヒータユニット401は、例えば、バッファタンク101の外側に設けられ、バッファタンク101の壁を加熱することにより、バッファタンク101内の気相部を加熱する。なお、前述のように、バッファタンク101へのレジスト液の補充が、液面センサ173により検出されたバッファタンク101内のレジスト液の液面が所定の高さLを下回ると開始されるところ、各ヒータユニット401は、上記所定の高さLに相当する高さ位置より上方に設けられる。
【0064】
この例では、制御部Mが、圧力センサ171及び温度センサ172の測定結果に基づいて、温調部400を制御し、バッファタンク101内の気温を調整する。この際、制御部Mは、ヒータユニット401のうち、液面センサ173で検出された液面の高さより上の温調領域Tに設けられたヒータユニット401のみが用いられるよう、制御する。
また、制御部Mは、圧力センサ171により測定されるバッファタンク101内の気圧が、温度センサ172により測定されるバッファタンク101内の気温における溶媒の飽和蒸気圧となるように、温調部400を制御する。言い換えると、制御部Mは、温度センサ172により測定されるバッファタンク101内の気温が、圧力センサ171により測定されたバッファタンク101内の気圧が溶媒の飽和蒸気圧となる温度となるように、温調部400を制御する。
【0065】
図11のような構成の温調部400を用いてバッファタンク101内の気温を調整するようにすることにより、バッファタンク101内の気相部の温調によりバッファタンク101内の液相部が影響を受けるのを抑制することができる。
【0066】
また、以上の例では、待機期間中等において、圧力センサ161及び温度センサ162の測定結果に基づいて、ボトルB内の気圧または気温が調整されるよう、制御部Mが制御を行っていたが、ボトルB内の気圧及び気温の両方が調整されるようにしてもよい。
以上の例では、待機期間中等において、圧力センサ171及び温度センサ172の測定結果に基づいて、バッファタンク101内の気圧または気温が調整されるよう、制御部Mが制御を行っていたが、バッファタンク101内の気圧及び気温の両方が調整されるようにしてもよい。
【0067】
以上の例では、処理液は、レジスト液であるものとしたがこれに限られない。例えば、処理液は、現像液、洗浄液等であってもよい。
【0068】
<主な効果>
以上のように、本実施形態では、液供給装置100が、レジスト液を貯留するボトルBと、ボトルB内の気圧を測定する圧力センサ161と、ボトルB内の気温を測定する温度センサ162と、を備える。また、液供給装置100が、ボトルB内の気圧を調整する電空レギュレータ139またはボトルB内の気温を調整する温調部300の少なくともいずれか一方を備える。さらに、液供給装置100は、ボトルB内が溶媒含有ガスの雰囲気となるように電空レギュレータ139または温調部300の少なくともいずれか一方を制御する制御部Mを備える。したがって、ボトルB内の気相部を空気雰囲気または窒素雰囲気にする場合に比べて、待機期間中等において、ボトルB内においてレジスト液が改質するのを抑制することができる。
【0069】
また、液供給装置100では、制御部Mが、圧力センサ161及び温度センサ162の測定結果に基づいて、電空レギュレータ139または温調部300の少なくともいずれか一方を制御する。そのため、液供給装置100によれば、圧力センサ161により測定されるボトルB内の気圧が、温度センサ162により測定されるボトルB内の気温における溶媒の飽和蒸気圧となるように、電空レギュレータ139または温調部300の少なくともいずれか一方を制御することができる。したがって、ボトルB内においてレジスト液が改質するのをさらに抑制することができる。
【0070】
さらに、液供給装置100では、溶媒含有ガスを用いてボトルBを加圧することにより、ボトルBからレジスト液を圧送している。したがって、ボトルBからのレジスト液の圧送に、窒素ガス等、溶媒含有ガス以外のガスを用いる場合に比べて、圧送時にボトルB内においてレジスト液が改質するのを抑制することができる。
【0071】
また、本実施形態では、液供給装置100が、レジスト液を一時的に貯留するバッファタンク101と、バッファタンク101内の気圧を測定する圧力センサ171と、バッファタンク101内の気温を測定する温度センサ172と、を備える。さらに、液供給装置100が、バッファタンク101内の気圧を調整する電空レギュレータ140またはバッファタンク101内の気温を調整する温調部400の少なくともいずれか一方を備える。さらにまた、液供給装置100は、制御部Mが、バッファタンク101内が溶媒含有ガスの雰囲気となるように電空レギュレータ140または温調部400の少なくともいずれか一方を制御する制。したがって、バッファタンク101内の気相部を空気雰囲気または窒素雰囲気にする場合に比べて、待機期間中等において、バッファタンク101内においてレジスト液が改質するのを抑制することができる。
【0072】
また、液供給装置100では、制御部Mが、圧力センサ171及び温度センサ172の測定結果に基づいて、電空レギュレータ139または温調部400の少なくともいずれか一方を制御する。そのため、液供給装置100によれば、圧力センサ171により測定されるバッファタンク101内の気圧が、温度センサ172により測定されるバッファタンク101内の気温における溶媒の飽和蒸気圧となるように、電空レギュレータ140または温調部400の少なくともいずれか一方を制御することができる。したがって、バッファタンク101内においてレジスト液が改質するのをさらに抑制することができる。
【0073】
さらに、液供給装置100では、溶媒含有ガスを用いてバッファタンク101を加圧することにより、バッファタンク101からレジスト液を圧送している。したがって、バッファタンク101からのレジスト液の圧送に、窒素ガス等、溶媒含有ガス以外のガスを用いる場合に比べて、圧送時にバッファタンク101内においてレジスト液が改質するのを抑制することができる。
【0074】
上述のようにレジスト液が改質するのを抑制することにより、改質に起因した問題(例えば、レジスト膜中に欠陥が生じる問題や、所望の膜厚のレジスト膜が得られない問題等)の発生を抑制することができる。
【0075】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0076】
100 液供給装置
130 ガス供給部
139 電空レギュレータ
161 圧力センサ
162 温度センサ
300 温調部
B ボトル
H 記憶媒体
M 制御部
W ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11