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特開2023-132432ポリアセタール共重合体およびその重合方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132432
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】ポリアセタール共重合体およびその重合方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 2/22 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
C08G2/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037758
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】390006323
【氏名又は名称】ポリプラスチックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】宇野 希勇
【テーマコード(参考)】
4J032
【Fターム(参考)】
4J032AA05
4J032AA32
4J032AA34
4J032AB07
4J032AC03
4J032AC12
4J032AC13
4J032AC16
4J032AC17
4J032AC18
4J032AC23
4J032AC42
4J032AC49
4J032AD41
4J032AD44
4J032AD46
4J032AE14
4J032AF08
(57)【要約】
【課題】 本発明の目的は、クリープ特性等の物理特性レベルを維持しながらも、生産安定性、ホルムアルデヒドの発生量等の熱安定性に優れたポリアセタール共重合体および重合方法を提供することである。
【解決手段】 本発明の目的は、トリオキサン、炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物および1分子中にエポキシ基を1個有しエポキシ基以外は炭化水素からなるエポキシ化合物、とを共重合させたポリアセタール共重合体、およびトリオキサン、炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物および1分子中にエポキシ基を1個有しエポキシ基以外は炭化水素からなるエポキシ化合物、とをカチオン重合触媒の存在下、共重合させるポリアセタール共重合体の重合方法、によって達成された。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリオキサン、炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物および1分子中にエポキシ基を1個有しエポキシ基以外は炭化水素からなるエポキシ化合物、とを共重合させたポリアセタール共重合体。
【請求項2】
前記エポキシ化合物が、下記式(1)で表されるエポキシ化合物である請求項1記載のポリアセタール共重合体。
【化1】
nは1~10の整数を表す。
【請求項3】
トリオキサン、炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物および1分子中にエポキシ基を1個有しエポキシ基以外は炭化水素からなるエポキシ化合物、とをカチオン重合触媒の存在下、共重合させるポリアセタール共重合体の重合方法。
【請求項4】
前記エポキシ化合物が、下記式(1)で表されるエポキシ化合物である請求項3記載のポリアセタール共重合体の重合方法。
【化2】
nは1~10の整数を表す。
【請求項5】
前記カチオン重合触媒が、プロトン酸である請求項3または4記載のポリアセタール共重合体の重合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリープ特性、摺動特性に優れ、さらにはホルムアルデヒドの発生量が極めて少ないポリアセタール共重合体およびその重合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアセタール樹脂は、機械的特性、熱的特性、電気的特性、摺動性、成形性等において、優れた特性を持っており、主に構造材料や機構部品等として電気機器、自動車部品、精密機械部品等に広く使用されている。しかし、ポリアセタール樹脂が利用される分野の拡大に伴い、要求特性は益々高度化、複合化、特殊化する傾向にある。そのような要求特性として、ポリアセタール樹脂が本来有する優れた摺動性、外観等を維持したまま、クリープ特性改良、ホルムアルデヒドの発生抑制に対し一層の向上が要求される。
【0003】
ある特定の構造を有するグリシジルエーテル化合物を共重合することによって分岐構造を導入したポリアセタール共重合体により、クリープ特性の改善が検討された(先行文献1~3)。
【0004】
これらのコモノマーによるクリープ特性向上では、コモノマーの種類によっては、カチオン重合触媒、特にプロトン酸を重合触媒とする場合に、重合開始が遅れ、突然爆発的に重合が起こってしまうことがあり、生産安定性の面からも課題があった。
【0005】
特にプロトン酸を重合触媒に使用した場合、低触媒量では重合が起こらず、触媒量を上げると、不定期な誘導期ののち、突然激しい重合反応が起こる現象が発生し、重合制御を難しくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-38429号公報
【特許文献2】特開2000-95829号公報
【特許文献3】特開2000-95830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ポリアセタール共重合体において、ホルムアルデヒドの発生を抑制することは、継続的な課題であるが、その要求は年々厳しさを増している。
【0008】
本発明の目的は、上記の如き分岐構造導入により、クリープ特性等の物理特性のレベルを維持しながらも、生産安定性、ホルムアルデヒドの発生量等の熱安定性に優れたポリアセタール共重合体および重合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、下記によって達成された。
1. トリオキサン、炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物および1分子中にエポキシ基を1個有しエポキシ基以外は炭化水素からなるエポキシ化合物、とを共重合させたポリアセタール共重合体。
2. 前記エポキシ化合物が、下記式(1)で表されるエポキシ化合物である前記1記載のポリアセタール共重合体。
【0010】
【化1】
nは1~10の整数を表す。
3. トリオキサン、炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物および1分子中にエポキシ基を1個有しエポキシ基以外は炭化水素からなるエポキシ化合物、とをカチオン重合触媒の存在下、共重合させるポリアセタール共重合体の重合方法。
4. 前記エポキシ化合物が、下記式(1)で表されるエポキシ化合物である前記3記載のポリアセタール共重合体の重合方法。
【0011】
【化2】
nは1~10の整数を表す。
5. 前記カチオン重合触媒が、プロトン酸である前記3または4記載のポリアセタール共重合体の重合方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、クリープ特性、摺動特性の物理特性レベルを維持しながらも、生産安定性、ホルムアルデヒドの発生量等の熱安定性に優れたポリアセタール共重合体および重合方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
【0014】
<ポリアセタール共重合体>
本発明のポリアセタール共重合体は、トリオキサン、炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物および1分子中にエポキシ基を1個有しエポキシ基以外は炭化水素からなるエポキシ化合物、とを共重合させたポリアセタール共重合体であることを特徴とする。
【0015】
≪トリオキサン≫
本発明において用いられるトリオキサンとは、ホルムアルデヒドの環状三量体であり、一般的には酸性触媒の存在下でホルムアルデヒド水溶液を反応させることによって得られ、これを蒸留等の方法で精製して用いられる。
【0016】
≪炭素数2以上のオキシエチレン基を環内に有する環状アセタール化合物(以下、(A)成分ともいう)≫
本発明の炭素数2以上のオキシエチレン基を環内に有する環状アセタール化合物とは、ポリアセタール共重合体の製造においてコモノマーとして一般に使用される化合物である、具体的には、1,3-ジオキソラン、1,3,5-トリオキセパン、1,3,6-トリオキソカン、1,4-ブタンジオールホルマール等が挙げられる。
【0017】
本発明において、(A)成分は、トリオキサン100質量部に対して0.01~20質量部の範囲となるように使用するのが好ましく、さらに好ましくは0.05~5質量部の範囲である。
【0018】
≪1分子中にエポキシ基を1個有しエポキシ基以外は炭化水素からなるエポキシ化合物(以下、(B)成分ともいう)≫
本発明で使用する(B)成分は、1分子中にエポキシ基を1個有しエポキシ基以外は炭化水素からなるエポキシ化合物であることを特徴とする。炭化水素基は、飽和でも不飽和でもよく分岐していてもよい。炭素数は、15以下であることが好ましく、さらに式(1)で表される化合物が好ましい。
【0019】
【化3】
nは1~10の整数を表す。
【0020】
本発明において効果の発現する機構として、本発明に係るエポキシ化合物の共存下で共重合を行う事で、ポリアセタールの主鎖にエポキシ化合物由来の炭化水素のみからなる分岐構造が形成され、それが成形品のクリープ特性を改善すると考えている。
以下、(B)成分の好ましい具体的化合物を挙げる。
【0021】
【化4】
【0022】
本発明において、(B)成分は、トリオキサン100質量部に対して0.01~5質量部の範囲となるように使用するのが好ましく、さらに好ましくは0.03~1質量部の範囲である。
【0023】
<ポリアセタール共重合体の重合方法>
本発明のポリアセタール共重合体の重合方法は、トリオキサン、炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物および1分子中にエポキシ基を1個有しエポキシ基以外は炭化水素からなるエポキシ化合物、とをカチオン重合触媒の存在下、共重合させることを特徴とする。
【0024】
<カチオン重合触媒>
カチオン重合触媒としては、トリオキサンを主モノマーとするカチオン共重合において公知の重合触媒が使用できる。代表的には、ルイス酸、プロトン酸が挙げられる。特に、プロトン酸であることが好ましい。
【0025】
≪プロトン酸≫
プロトン酸としては、パーフルオロアルカンスルホン酸、ヘテロポリ酸、イソポリ酸等が挙げられる。
【0026】
パーフルオロアルカンスルホン酸の具体例として、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸、ペンタデカフルオロへプタンスルホン酸、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸が挙げられる。
【0027】
ヘテロポリ酸とは、異種の酸素酸が脱水縮合して生成するポリ酸をいい、中心に特定の異種元素が存在し、酸素原子を共有して縮合酸基が縮合してできる単核又は複核の錯イオンを有する。イソポリ酸とは、イソ多重酸、同核縮合酸、同種多重酸とも称され、V価又はVI価の単一種類の金属を有する無機酸素酸の縮合体から成る高分子量の無機酸素酸をいう。
【0028】
ヘテロポリ酸の具体例として、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、リンタングストバナジン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイモリブドタングステン酸、ケイモリブドタングステントバナジン酸等が挙げられる。特に、重合活性の観点から、ヘテロポリ酸は、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステン酸から選択されることが好ましい。
【0029】
イソポリ酸の具体例として、パラタングステン酸、メタタングステン酸等に例示されるイソポリタングステン酸、パラモリブデン酸、メタモリブデン酸等に例示されるイソポリモリブデン酸、メタポリバナジウム酸、イソポリバナジウム酸等が挙げられる。中でも、重合活性の観点から、イソポリタングステン酸であることが好ましい。
【0030】
≪ルイス酸≫
ルイス酸としては、例えば、ホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物が挙げられ、具体的には三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモン及びその錯化合物又は塩が挙げられる。
【0031】
重合触媒の量は特に限定されるものでないが、全モノマーの合計に対して0.1ppm以上50ppm以下であることが好ましく、0.1ppm以上30ppm以下であることがより好ましい。特に好ましくは0.1ppm以上10ppm以下である。
【0032】
本発明のポリアセタール共重合体の製造においては、上記成分の他に分子量を調整する成分を併用し、末端基量を調整することができる。分子量を調整する成分としては、不安定末端を形成することのない連鎖移動剤、即ち、メチラール、モノメトキシメチラール、ジメトキシメチラール等のアルコキシ基を有する化合物が例示される。
【0033】
本発明のポリアセタール共重合体の重合方法は、特に限定されるものではない。製造するにあたり、重合装置も特に限定されるものではなく、公知の装置が使用され、バッチ式、連続式等、いずれの方法も可能である。また、重合温度は65℃以上135℃以下に保つことが好ましい。
【0034】
重合触媒は、重合に悪影響のない不活性な溶剤で希釈して使用することが好ましい。
【0035】
重合後の重合触媒の失活は従来公知の方法で行うことができる。例えば、重合反応後、重合機より排出される生成反応物、重合機中の反応生成物に塩基性化合物又はその水溶液等を加えて行うこともできる。
【0036】
重合触媒を中和し失活するための塩基性化合物は、特に限定されるものでない。重合及び失活の後、必要に応じて更に、洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を従来公知の方法にて行う。
【0037】
上記のようにして得られるポリアセタール共重合体は、その重量平均分子量が10000~500000であることが好ましく、特に好ましくは20000~150000である。また、末端基については、特開2001-11143号公報に記載の方法にて 1H-NMR測定結果から求めたヘミホルマール量が0~4mol/kgであることが好ましく、特に好ましくは0~2mmol/kgである。
【0038】
ヘミホルマール末端基量を上記範囲に制御するためには、重合に供するモノマー、コモノマー総量中の不純物、特に水分を20ppm以下にするのが好ましく、特に好ましくは10ppm以下である。
【0039】
本発明のポリアセタール共重合体には、必要に応じて、熱可塑性樹脂に対する一般的な添加剤、例えば染料、顔料等の着色剤、滑剤、核剤、離型剤、帯電防止剤、界面活性剤、或いは、有機高分子材料、無機または有機の繊維状、粉体状、板状の充填剤等を1種または2種以上添加することができる。
【実施例0040】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例の説明中の触媒の記載は、重合触媒を意味する。
【0041】
<重合反応:収率>
外側に熱(冷)媒を通すジャケットが付き、断面が2つの円が一部重なる形状を有するバルと、パドル付き回転軸で構成される連続式混合反応機を用い、パドルを付した2本の回転軸をそれぞれ150rpmで回転させながら、トリオキサン100質量部、環状アセタール化合物として1,3-ジオキソラン(DO)、及び脂肪族エポキシ化合物を表1に記載の量加えた。
【0042】
更に分子量調節剤としてメチラールを300ppm(トリオキサンに対する質量比)で供給し、触媒溶液(ヘテロポリ酸はギ酸メチルの溶液,トリフルオロメタンスルホン酸、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラートはシクロヘキサンの溶液)を表1に示す触媒濃度(対全モノマー質量、単位:ppm)になる様に混合した均一混合物を連続的に添加供給し塊状重合を行い粗ポリアセタール共重合体を得た。
【0043】
なお、触媒が三フッ化ホウ素ジブチルエーテラートの場合は、重合後に速やかに破砕機に通しながら、トリエチルアミンを0.1質量%含有する80℃の水溶液に加え触媒を失活し、その後分離、洗浄、乾燥後、粗ポリアセタール共重合体を得た。
【0044】
上記の方法で得たそれぞれのポリアセタール重合体100質量部に、更に安定剤としてペンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕を0.3質量部およびメラミン0.15質量部を添加し、2軸押出機にて210℃で溶融混練し、ペレット状のポリアセタール共重合体を得た。
【0045】
収率は、以下の手順で求めた。
1. 重合機から所定の時間排出される粗ポリアセタール共重合体を0.1質量%トリエチルアミン水溶液に浸漬し撹拌を行い、反応を停止した。
2.前記反応を停止した粗ポリアセタール共重合体を、200メッシュ以下に粉砕、ろ過を行い、粗ポリアセタール共重合体を回収後、80℃の水で洗浄したのち、アセトンでさらに洗浄、乾燥した。
3.乾燥後の粗ポリアセタール共重合体の質量を計り、収率(添加全モノマーに対して得られた粗ポリアセタール共重合体の割合(質量%))を算出した。
【0046】
表1に示す触媒は、以下の通りである。
C-1:リンタングステン酸
C-2:リンモリブデン酸
C-3:トリフルオロメタンスルホン酸
C-4:三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート
【0047】
比較としてn-ブチルグリシジルエーテルXを、本発明の(B)成分に替えて使用したポリアセタール共重合体を重合し、比較のポリアセタール共重合体を得た。
【0048】
なお、実施例に係るペレット状のポリアセタール樹脂組成物は、従来の溶融・混錬・成形条件をそのまま適用することができたことから、物理特性は、従来品とほとんど差の無いことが判った。
【0049】
このペレットを使用し下記の評価を行った。
<熱安定性:溶融体からのホルムアルデヒド発生量>
5gのペレットを正確に秤量し、金属製容器中に200℃で5分間保持した後、容器内の雰囲気を蒸留水中に吸収させる。この水溶液のホルムアルデヒド量をJISK0102,29.(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、ペレットから発生するホルムアルデヒドガス量(ppm)を算出した。結果を表1に示す。
【0050】
<クリープ特性評価>
ISO3167に準拠した引張試験片を作製し、クリープ試験機で高温高荷重条件として大気中80℃、21MPaの荷重を掛け、試験片が破断するまでの時間(hr)を測定した。
【0051】
【表1】
【0052】
実施例1~6において、低触媒量で、高収率でポリアセタール共重合体が得られ、ホルムアルデヒドの発生量の少ない熱安定性に優れたポリアセタール共重合体であることが明らかになった。
【0053】
比較例1、3および4では、低触媒量では、重合反応は観測されなかった。比較例2では、高触媒量条件で重合反応は起こったものの、白濁直後から極めて激しい爆発的反応となり、反応制御に困難性が観測された。
【0054】
また得られたポリアセタール共重合体の収率は実施例と比較して低く、そのホルムアルデヒド発生量も高い値であった。比較例5においても実施例5と比較して、収率はやや低く、ホルムアルデヒド発生量は高い値となった。
【0055】
表1の結果から明らかなように、本発明によると、生産安定性、ホルムアルデヒドの発生量等の熱安定性に優れたポリアセタール共重合体および重合方法を提供することができる。