(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013248
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】フェノール化合物、有機材料用安定剤、樹脂組成物、及び有機材料の安定化方法
(51)【国際特許分類】
C07D 493/10 20060101AFI20230119BHJP
C09K 15/08 20060101ALI20230119BHJP
C08L 101/02 20060101ALI20230119BHJP
C08K 5/1575 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
C07D493/10 C CSP
C09K15/08
C08L101/02
C08K5/1575
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021117275
(22)【出願日】2021-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【弁理士】
【氏名又は名称】森住 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100172605
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 郁子
(72)【発明者】
【氏名】北村 和裕
【テーマコード(参考)】
4C071
4H025
4J002
【Fターム(参考)】
4C071AA04
4C071BB01
4C071CC14
4C071EE06
4C071FF16
4C071GG02
4C071JJ01
4C071KK14
4C071LL10
4H025AA17
4J002AA011
4J002AA021
4J002AC011
4J002AC021
4J002AC031
4J002AC061
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4J002AE031
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4J002BB061
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4J002BB111
4J002BB121
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4J002BC081
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4J002CB001
4J002CC191
4J002CD001
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4J002CK011
4J002CK021
4J002CL001
4J002CN011
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4J002CP031
4J002EL126
4J002FD036
4J002FD066
4J002FD076
4J002GT00
(57)【要約】
【課題】本発明は、有機材料を加工する際の熱安定性向上に有効な新規化合物を提供することを課題とする。
【解決手段】式(1):
[式中、R
1は炭素数1~2のアルキル基を表す]
で表される、フェノール化合物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】
[式中、R
1は炭素数1~2のアルキル基を表す]
で表される、フェノール化合物。
【請求項2】
R1はメチル基である、請求項1に記載のフェノール化合物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフェノール化合物を含む、有機材料用安定剤。
【請求項4】
請求項1若しくは2に記載のフェノール化合物又は請求項3に記載の有機材料用安定剤と、少なくとも1種の有機材料とを含む、樹脂組成物。
【請求項5】
有機材料が熱可塑性樹脂である請求項4に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
熱可塑性樹脂がポリオレフィン又はエンジニアリングプラスチックである、請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
有機材料に請求項1若しくは2に記載のフェノール化合物又は請求項3に記載の有機材料用安定剤を添加する、有機材料の安定化方法。
【請求項8】
有機材料が熱可塑性樹脂である請求項7に記載の安定化方法。
【請求項9】
熱可塑性樹脂がポリオレフィン又はエンジニアリングプラスチックである、請求項8に記載の安定化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なフェノール化合物並びにその有機材料用安定剤としての用途に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、天然又は合成ゴム、鉱油、潤滑油、接着剤、塗料などの有機材料は、製造時、加工時さらには使用時に、熱や酸素などの作用により劣化し、分子切断や分子架橋といった現象に起因する有機材料の強度物性の低下、流れ性の変化、着色、表面物性の低下等を伴い、商品価値が著しく損なわれる場合があることが知られている。
【0003】
このような熱又は酸素による劣化を防ぐ目的で、従来から各種のフェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤が開発され、これらを有機材料に添加することにより、有機材料を安定化できることが知られている(特許文献1)。しかし、従来使用されている酸化防止剤は、有機材料を加工する際の熱又は酸素による劣化に対する安定化効果が不十分である場合があり、さらなる安定化効果を有する化合物が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、有機材料を加工する際の熱安定性向上に有効な新規化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために種々の化合物について詳細に検討を重ね、新規なフェノール化合物を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕式(1):
【化1】
[式中、R
1は炭素数1~2のアルキル基を表す]
で表される、フェノール化合物。
〔2〕R
1はメチル基である、〔1〕に記載のフェノール化合物。
〔3〕〔1〕又は〔2〕に記載のフェノール化合物を含む、有機材料用安定剤。
〔4〕〔1〕若しくは〔2〕に記載のフェノール化合物又は〔3〕に記載の有機材料用安定剤と、少なくとも1種の有機材料とを含む、樹脂組成物。
〔5〕有機材料が熱可塑性樹脂である〔4〕に記載の樹脂組成物。
〔6〕熱可塑性樹脂がポリオレフィン又はエンジニアリングプラスチックである、〔5〕に記載の樹脂組成物。
〔7〕有機材料に〔1〕若しくは〔2〕に記載のフェノール化合物又は〔3〕に記載の有機材料用安定剤を添加する、有機材料の安定化方法。
〔8〕有機材料が熱可塑性樹脂である〔7〕に記載の安定化方法。
〔9〕熱可塑性樹脂がポリオレフィン又はエンジニアリングプラスチックである、〔8〕に記載の安定化方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明のフェノール化合物は、熱可塑性樹脂等の有機材料を加工する際の熱安定性向上に有効である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更をすることができる。また、特定の特徴について複数の上限値及び下限値が記載されている場合、これらの上限値及び下限値のうち任意の上限値と下限値とを組合せて好適な数値範囲とすることができる。
【0010】
本発明は、式(1):
【化2】
[式中、R
1は炭素数1~2のアルキル基を表す]
で表される、フェノール化合物を提供する。上記式(1)中のR
1は、炭素数1~2のアルキル基を表し、具体的にはメチル基又はエチル基を表す。熱可塑性樹脂等の有機材料を安定化させやすい観点から、R
1は好ましくはメチル基である。
【0011】
式(1)で表されるフェノール化合物は、式(1)中の-OR1基部分が-OH基である化合物と、炭素数1~2のアルキル基を有するハロゲン化アルキル(例えばヨウ化メチル又はヨウ化エチル)とを、窒素の存在下で反応させることにより製造することができる。
【0012】
反応は通常、有機溶媒中で行われる。有機溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、例えばケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族炭化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒などが挙げられる。反応を1種類の有機溶媒中で行ってもよいし、2種以上の有機溶媒の混合溶媒中で行ってもよいし、当該有機溶媒とその他の溶媒との混合溶媒中で行ってもよい。
【0013】
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジブチルエーテル等が挙げられる。芳香族炭化水素溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。脂肪族炭化水素溶媒としては、例えばn-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン等が挙げられる。ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えばクロロホルム、四塩化炭素、モノクロロベンゼン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。
【0014】
反応温度は室温で行われる。
【0015】
この方法の場合、式(1)中の-OR1基部分が-OH基である化合物に対する、炭素数1~2のアルキル基を有するハロゲン化アルキルの量は、ハロゲン化アルキルを、式(1)中の-OR1基部分が-OH基である化合物に対して、3モル倍程度の量で用いることが好ましい。また添加する炭酸カリウムの量は、-OR1基部分が-OH基である化合物に対して、好ましくは3モル倍程度である。
【0016】
原料として使用する式(1)中の-OR1基部分が-OH基である化合物の合成方法は知られており、例えば特許第3661198号明細書等に記載の方法に従い合成することができる。
【0017】
式(1)で表される本発明のフェノール化合物を有機材料に添加することにより、有機材料の熱劣化及び酸化劣化等を低減させ、有機材料を安定化することができ、例えば粘度低下を防止したり、着色を防止することができる。そのため、本発明のフェノール化合物は、有機材料用安定剤の有効成分として適当である。したがって、本発明は、式(1)で表される本発明のフェノール化合物を含む有機材料用安定剤、及び、有機材料に本発明のフェノール化合物又は上記有機材料用安定剤を添加する、有機材料の安定化方法も提供する。さらに、有機材料と、本発明のフェノール化合物又は本発明の有機材料用安定剤とを含む、安定化された、樹脂組成物も提供する。
【0018】
上記の態様において、式(1)で表される本発明のフェノール化合物として、1種類の式(1)で表されるフェノール化合物を使用してもよいし、2種以上の式(1)で表されるフェノール化合物を組み合わせて使用してもよい。
【0019】
本発明のフェノール化合物により安定化することができる有機材料としては、例えば次のようなものが挙げられるが、これらの有機材料に限定されるものではない。有機材料は、1種類の有機材料であってもよいし、2種以上の有機材料の混合物であってもよい。
【0020】
(1)ポリエチレン、例えば高密度ポリエチレン(HD-PE)、低密度ポリエチレン(LD-PE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、
(2)ポリプロピレン、
(3)メチルペンテンポリマー、
(4)EEA(エチレン/アクリル酸エチル共重合)樹脂、
(5)エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、
(6)ポリスチレン類、例えばポリスチレン、ポリ(p-メチルスチレン)、ポリ(α-メチルスチレン)、
(7)AS(アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂、
(8)ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合)樹脂、
(9)AAS(特殊アクリルゴム/アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂、
(10)ACS(アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合)樹脂、
【0021】
(11)塩素化ポリエチレン、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、
(12)ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
(13)メタクリル樹脂、
(14)エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂、
(15)フッ素樹脂、
(16)ポリアセタール、
(17)グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂及びポリフェニレンサルファイド樹脂、
(18)ポリウレタン、
(19)ポリアミド、
(20)ポリエステル樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
【0022】
(21)ポリカーボネート、
(22)ポリアクリレート、
(23)ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、
(24)芳香族ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、
(25)エポキシ樹脂、
(26)ジアリルフタレートプリポリマー、
(27)シリコーン樹脂、
(28)不飽和ポリエステル樹脂、
(29)アクリル変性ベンゾグアナミン樹脂、
(30)ベンゾグアナミン/メラミン樹脂、
(31)ユリア樹脂等の熱硬化性樹脂、
【0023】
(32)ポリブタジエン、
(33)1,2-ポリブタジエン、
(34)ポリイソプレン、
(35)スチレン/ブタジエン共重合体、
(36)ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、
(37)エチレン/プロピレン共重合体、
(38)シリコーンゴム、
(39)エピクロルヒドリンゴム、
(40)アクリルゴム、
(41)天然ゴム、
【0024】
(42)塩素ゴム系塗料、
(43)ポリエステル樹脂塗料、
(44)ウレタン樹脂塗料、
(45)エポキシ樹脂塗料、
(46)アクリル樹脂塗料、
(47)ビニル樹脂塗料、
(48)アミノアルキド樹脂塗料、
(49)アルキド樹脂塗料、
(50)ニトロセルロース樹脂塗料、
(51)油性塗料、
(52)ワックス、
(53)潤滑油など。
【0025】
なかでも、熱可塑性樹脂、とりわけポリエチレン、例えばHD-PE、LD-PE、LLDPE及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチックなどに好ましく用いられる。
【0026】
ポリオレフィンとしては特に限定されず、例えば、ラジカル重合によって得られたものでもよく、周期表IVb、Vb、VIb又はVIII族の金属を含有する触媒を用いる重合により製造されたものでもよい。かかる金属を含有する触媒としては、1つ以上の配位子、例えばπあるいはσ結合によって配位する酸化物、ハロゲン化合物、アルコレート、エステル、アリール等を有する金属錯体が挙げられる。これらの錯体は、金属錯体そのままであってもよいし、塩化マグネシウム、塩化チタン、アルミナ、酸化ケイ素等の基材に担持されていてもよい。ポリオレフィンとしては、例えばチーグラー・ナッタ触媒、TNZ触媒、メタロセン触媒、フィリップス触媒等を用いて製造されたものが好ましく使用される。
【0027】
エンジニアリングプラスチックも特に限定されない。ポリアミド樹脂は、ポリマー鎖にアミド結合を有するものであって、加熱溶融できるものであればよい。ポリアミド樹脂はいずれの方法で製造されたものでもよく、例えばジアミン類とジカルボン酸類との縮合反応、アミノカルボン酸類の縮合反応、ラクタム類の開環重合等の方法によって製造されたものが挙げられる。ポリアミド樹脂の例としては、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン612、ポリ-ビス-(p-アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66とナイロン6の共重合体であるナイロン66/6や、ナイロン6/12などの共重合体等が挙げられる。ポリエステル樹脂は、ポリマー鎖にエステル結合を有するものであって、加熱溶融できるものであればよく、例えばジカルボン酸類とジヒドロキシ化合物との重縮合等によって得られるポリエステルが挙げられる。ポリエステル樹脂は、ホモポリエステル、コポリエステルのいずれであってもよい。ポリカーボネート樹脂は、ポリマー鎖にカーボネート結合を有するものであって、加熱溶融できるものであればよく、例えば溶剤、酸受容体、分子量調整剤の存在下、芳香族ヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物に、ホスゲン、ジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体を反応させることにより得られるポリカーボネートが挙げられる。ポリカーボネート樹脂は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、また、共重合体であってもよい。
【0028】
式(1)で表される本発明のフェノール化合物を有機材料に添加して有機材料を安定化する場合、本発明のフェノール化合物の含量は、有機材料の安定化の観点から、有機材料100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上である。また、本発明のフェノール化合物の含量は、有機材料を効率よく安定化し、かつ経済的な観点から、有機材料100質量部に対して、通常5質量部以下、好ましくは3質量部以下、より好ましくは1質量部以下である。
【0029】
式(1)で表されるフェノール化合物を有機材料に添加するにあたっては、有機材料に必要に応じてさらに他の添加剤、例えばフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、過酸化物スカベンジャー、ポリアミド安定剤、ヒドロキシアミン、滑剤、可塑剤、難燃剤、造核剤、金属不活性化剤、帯電防止剤、顔料、充填剤、顔料、アンチブロッキング剤、界面活性剤、加工助剤、発泡剤、乳化剤、光沢剤、ステアリン酸カルシウム、ハイドロタルサイト等の中和剤、更には9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスホフェナンスレン-10-オキシド等の着色改良剤や、米国特許4,325,853号、4,338,244号、5,175,312号、5,216,053号、5,252,643号、4,316,611号明細書、DE-A-4,316,622号、4,316,876号明細書、EP-A-589,839、EP-A-591,102号明細書等に記載のベンゾフラン類、インドリン類等の補助安定剤などを添加することもできる。これらの添加剤を、本発明のフェノール化合物と同時に有機材料に添加することもできるし、本発明のフェノール化合物とは別の段階で有機材料に添加することもできる。添加剤として、1種類の添加剤を使用してもよいし、2種以上の添加剤を組み合わせて使用してもよい。
【0030】
フェノール系酸化防止剤としては、例えば次のようなものが挙げられる。フェノール系酸化防止剤として、以下の化合物を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(1)アルキル化モノフェノールの例
2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリ-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、2-t-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクダデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、2,6-ジ-ノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルウンデシル-1'-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルヘプタデシル-1'-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルトリデシル-1'-イル)フェノール及びそれらの混合物など。
【0031】
(2)アルキルチオメチルフェノールの例
2,4-ジオクチルチオメチル-6-t-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノール、2,6-ジドデシルチオメチル-4-ノニルフェノール及びそれらの混合物など。
(3)ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノンの例
2,6-ジ-t-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-t-アミルヒドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-t-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジペート及びそれらの混合物など。
【0032】
(4)トコフェロールの例
α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール及びそれらの混合物など。
(5)ヒドロキシル化チオジフェニルエーテルの例
2,2'-チオビス(6-t-ブチルフェノール)、2,2'-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-チオビス(4-オクチルフェノール)、4,4'-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオビス(2-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオビス(3,6-ジ-t-アミルフェノール)、4,4'-(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ジスルフィドなど。
【0033】
(6)アルキリデンビスフェノール及びその誘導体の例
2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール)]、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-ノニルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(4-イソブチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2'-メチレンビス[4,6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4'-メチレンビス(6-t-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4'-メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4'-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール ビス[3,3-ビス-3'-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルベンジル)-6-t-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5-テトラ(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタン、2-t-ブチル-6-(3'-t-ブチル-5'-メチル-2'-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェニル アクリレート、2,4-ジ-t-ペンチル-6-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ペンチルフェニル)エチル]フェニル アクリレート及びそれらの混合物など。
【0034】
(7)O-、N-及びS-ベンジル誘導体の例
3,5,3',5'-テトラ-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート及びそれらの混合物など。
(8)ヒドロキシベンジル化マロネート誘導体の例
ジオクタデシル-2,2-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル-2-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル-2,2-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-2,2-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート及びそれらの混合物など。
(9)芳香族ヒドロキシベンジル誘導体の例
1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール及びそれらの混合物など。
【0035】
(10)トリアジン誘導体の例
2,4-ビス(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-n-オクチルチオ-4,6-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-n-オクチルチオ-4,6-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-フェノキシ)-1,3,5-トリアジン、トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピル)-1,3,5-トリアジン、トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[2-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシシンナモイルオキシ)エチル]イソシアヌレート及びそれらの混合物など。
【0036】
(11)ベンジルホスホネート誘導体の例
ジメチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホネート、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエステルのカルシウム塩及びそれらの混合物など。
(12)アシルアミノフェノール誘導体の例
4-ヒドロキシラウリル酸アニリド、4-ヒドロキシステアリン酸アニリド、オクチル-N-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバネート及びそれらの混合物など。
(13)β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と以下の一価又は多価アルコールとのエステルの例
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、スピログリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン及びそれらの混合物など。
【0037】
(14)β-(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と以下の一価又は多価アルコールとのエステルの例
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、スピログリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン及びそれらの混合物など。
(15)β-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と以下の一価又は多価アルコールとのエステルの例
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、スピログリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン及びそれらの混合物など。
【0038】
(16)3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢酸と以下の一価又は多価アルコールとのエステルの例
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、スピログリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン及びそれらの混合物など。
(17)β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミドの例
N,N'-ビス[3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N'-ビス[3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミン、N,N'-ビス[3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]トリメチレンジアミン及びそれらの混合物など。
【0039】
イオウ系酸化防止剤としては、例えば次のようなものが挙げられる。
ジラウリル 3,3'-チオジプロピオネート、トリデシル 3,3'-チオジプロピオネート、ジミリスチル 3,3'-チオジプロピオネート、ジステアリル 3,3'-チオジプロピオネート、ラウリル ステアリル 3,3'-チオジプロピオネート、ネオペンタンテトライルテトラキス (3-ラウリルチオプロピオネート)など。
【0040】
リン系酸化防止剤としては、例えば次のようなものが挙げられる。リン系酸化防止剤として、以下の化合物を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリル ペンタエリスリトール ジホスファイト、ジイソデシル ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4'-ジフェニレンジホスホナイト、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) 2-エチルヘキシル ホスファイト、2,2'-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フルオロ ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチル-6-メチルフェニル) エチル ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチル-6-メチルフェニル) メチル ホスファイト、2-(2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル)-5-エチル-5-ブチル-1,3,2-オキサホスホリナン、2,2',2''-ニトリロ[トリエチル-トリス(3,3',5,5'-テトラ-t-ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイル) ホスファイト、6-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-t-ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン及びそれらの混合物など。
【0041】
紫外線吸収剤としては、例えば次のようなものが挙げられる。紫外線吸収剤として、以下の化合物を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(1)サリシレート誘導体の例
フェニル サリシレート、4-t-ブチルフェニル サリシレート、2,4-ジ-t-ブチルフェニル 3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシベンゾエート、4-t-オクチルフェニル サリシレート、ビス(4-t-ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、ヘキサデシル 3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル 3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシベンゾエート、2-メチル-4,6-ジ-t-ブチルフェニル 3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシベンゾエート及びそれらの混合物など。
(2)2-ヒドロキシベンゾフェノン誘導体の例
2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)メタン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン及びそれらの混合物など。
【0042】
(3)2-(2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールの例
2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-t-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(5'-t-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3'-s-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-4'-オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-t-アミル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-3',3'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[(3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)-5'-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]-5-クロロベンゾトリアゾール、2-[3'-t-ブチル-5'-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2'-ヒドロキシフェニル]-5-クロロベンゾトリアゾール、2-[3'-t-ブチル-3'-ヒドロキシ-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル]-5-クロロベンゾトリアゾール、2-[3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル] ベンゾトリアゾール、2-[3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシ-5-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル] ベンゾトリアゾール、2-[3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]フェニル] ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3-(3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5-メチルフェニル] ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3'-ドデシル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2-[3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル] ベンゾトリアゾールの混合物、2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2,2'-メチレンビス[4-t-ブチル-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]、ポリ(3~11)(エチレングリコール)と2-[3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル] ベンゾトリアゾールとの縮合物、ポリ(3~11)(エチレングリコール)とメチル 3-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネートとの縮合物、2-エチルヘキシル 3-[3-t-ブチル-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネート、オクチル 3-[3-t-ブチル-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネート、メチル 3-[3-t-ブチル-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネート、3-[3-t-ブチル-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸及びそれらの混合物など。
【0043】
光安定剤としては、例えば次のようなものが挙げられる。光安定剤として、以下の化合物を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(1)ヒンダードアミン系光安定剤の例
ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(N-オクトキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(N-ベンジルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(N-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-ブチルマロネート、ビス(1-アクロイル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)2,2-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)デカンジオエート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル メタクリレート、4-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]-1-[2-(3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、2-メチル-2-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノール及び1-トリデカノールとの混合エステル化物、
【0044】
1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノール及び1-トリデカノールとの混合エステル化物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノール及び3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンとの混合エステル化物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノール及び3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンとの混合エステル化物、ジメチル サクシネートと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[(6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)((2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ)]、ポリ[(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)イミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル((2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ)]、N,N'-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2-ジブロモエタンとの重縮合物、N,N',4,7-テトラキス[4,6-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、N,N',4-トリス[4,6-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、N,N',4,7-テトラキス[4,6-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、N,N',4-トリス[4,6-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン及びそれらの混合物など。
【0045】
(2)アクリレート系光安定剤の例
エチル α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、イソオクチル α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチル α-カルボメトキシシンナメート、メチル α-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、ブチルα-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、メチル α-カルボメトキシ-p-メトキシシンナメート及びN-(β-カルボメトキシ-β-シアノビニル)-2-メチルインドリン及びそれらの混合物など。
(3)ニッケル系光安定剤の例
2,2'-チオビス-[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステルのニッケル塩、ケトキシムのニッケル錯体及びそれらの混合物など。
【0046】
(4)オキサミド系光安定剤の例
4,4'-ジオクチルオキシオキサニリド、2,2'-ジエトキシオキサニリド、2,2'-ジオクチルオキシ-5,5'-ジ-t-ブチルアニリド、2,2'-ジドデシルオキシ-5,5'-ジ-t-ブチルアニリド、2-エトキシ-2'-エチルオキサニリド、N,N'-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2-エトキシ-5-t-ブチル-2'-エトキシアニリド、2-エトキシ-5,4'-ジ-t-ブチル-2'-エチルオキサニリド及びそれらの混合物など。
(5)2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン系光安定剤の例
2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2,4-ジヒドロキシフェニル-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-プロピルオキシフェニル)-6-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(4-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ブチルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-オクチルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン及びそれらの混合物など。
【0047】
金属不活性化剤としては、例えば次のようなものが挙げられる。
N,N'-ジフェニルオキサミド、N-サリチラル-N'-サリチロイルヒドラジン、N,N'-ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3-サリチロイルアミノ-1,2,4-トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N'-ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N'-ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド及びそれらの混合物など。
【0048】
過酸化物スカベンジャーとしては、例えばβ-チオジプロピオン酸のエステル、メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸の亜鉛塩、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリスリトール テトラキス(β-ドデシルメルカプト)プロピオネート及びそれらの混合物等が挙げられる。
ポリアミド安定剤としては、例えばヨウ化物又はリン化合物の銅又は2価のマンガン塩及びそれらの混合物等が挙げられる。
【0049】
ヒドロキシアミンとしては、例えばN,N-ジベンジルヒドロキシアミン、N,N-ジエチルヒドロキシアミン、N,N-ジオクチルヒドロキシアミン、N,N-ジラウリルヒドロキシアミン、N,N-ジテトラデシルヒドロキシアミン、N,N-ジヘキサデシルヒドロキシアミン、N,N-ジオクタデシルヒドロキシアミン、N-ヘキサデシル-N-オクタデシルヒドロキシアミン、N-ヘプタデシル-N-オクタデシルヒドロキシアミン及びそれらの混合物等が挙げられる。
【0050】
中和剤としては、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ハイドロタルサイト(塩基性マグネシウム・アルミニウム・ヒドロキシ・カーボネート・ハイドレード)、メラミン、アミン、ポリアミド、ポリウレタン及びそれらの混合物等が挙げられる。
【0051】
滑剤としては、例えばパラフィン、ワックス等の脂肪族炭化水素、炭素数8~22の高級脂肪酸、炭素数8~22の高級脂肪酸金属(Al、Ca、Mg、Zn)塩、炭素数8~22の脂肪族アルコール、ポリグリコール、炭素数4~22の高級脂肪酸と炭素数4~18の脂肪族1価アルコールとのエステル、炭素数8~22の高級脂肪族アマイド、シリコーン油、ロジン誘導体などが挙げられる。
【0052】
造核剤としては、例えば次のようなものが挙げられる。ナトリウム 2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ホスフェート、[リン酸-2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)]ジヒドロオキシアルミニウム、ビス[リン酸-2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)]ヒドロオキシアルミニウム、トリス[リン酸-2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)]アルミニウム、ナトリウム ビス(4-t-ブチルフェニル)ホスフェート、安息香酸ナトリウムなどの安息香酸金属塩、p-t-ブチル安息香酸アルミニウム、1,3:2,4-ビス(O-ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4-ビス(O-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4-ビス(O-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3-O-3,4-ジメチルベンジリデン-2,4-O-ベンジリデンソルビトール、1,3-O-ベンジリデン-2,4-O-3,4-ジメチルベンジリデンソルビトール、1,3:2,4-ビス(O-3,4-ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3-O-p-クロロベンジリデン-2,4-O-3,4-ジメチルベンジリデンソルビトール、1,3-O-3,4-ジメチルベンジリデン-2,4-O-p-クロロベンジリデンソルビトール、1,3:2,4-ビス(O-p-クロロベンジリデン)ソルビトール及びそれらの混合物など。
【0053】
充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、珪酸塩、ガラス繊維、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、カーボンブラック、カーボンファイバー、ゼオライト及びそれらの混合物等が挙げられる。
【0054】
これらの添加剤のうち好ましく用いられるものは、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、過酸化物スカベンジャー及び中和剤である。
特に好ましいフェノール系酸化防止剤としては、以下の化合物が挙げられる。
2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリ-t-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,2'-チオビス(6-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール)]、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4'-メチレンビス(6-t-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4'-メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4'-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1,3-トリス(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、エチレングリコール ビス[3,3-ビス-3'-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、2-t-ブチル-6-(3'-t-ブチル-5'-メチル-2'-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェニル アクリレート、2,4-ジ-t-ペンチル-6-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ペンチルフェニル)エチル]フェニル アクリレート、
【0055】
2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-フェノキシ)-1,3,5-トリアジン、トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル) イソシアヌレート、トリス[2-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシシンナモイルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ジエチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジ-n-オクタデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエステルのカルシウム塩、n-オクタデシル 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネ-ト、ネオペンタンテトライルテトラキス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシシンナメート)、チオジエチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシシンナメート)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,6-ジオキサオクタメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシシンナメート)、ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシシンナメート)、トリエチレングリコール ビス(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルシンナメート)、3,9-ビス[2-(3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ)-1,1-ジメチルエチル]-2,4,4,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、N,N'-ビス[3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N'-ビス[3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミンなど。
【0056】
また特に好ましいリン系酸化防止剤としては、以下の化合物が挙げられる。
トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリル ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4'-ジフェニレンジホスホナイト、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) 2-エチルヘキシル ホスファイト、2,2'-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フルオロ ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチル-6-メチルフェニル) エチルホスファイト、2-(2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル)-5-エチル-5-ブチル-1,3,2-オキサホスホリナン、2,2',2''-ニトリロ[トリエチル-トリス(3,3',5,5'-テトラ-t-ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイル)ホスファイト、6-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-t-ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピンなど。
【0057】
特に好ましい紫外線吸収剤としては、以下の化合物が挙げられる。
フェニル サリシレート、4-t-ブチルフェニル サリシレート、2,4-ジ-t-ブチルフェニル 3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシベンゾエート、4-t-オクチルフェニル サリシレート、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)メタン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-t-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(5'-t-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3'-s-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-4'-オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-t-アミル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-3',5'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾールなど。
【0058】
特に好ましい光安定剤としては、以下の化合物が挙げられる。
ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(N-オクトキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(N-ベンジルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(N-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル) 2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-ブチルマロネート、ビス(1-アクロイル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル) 2,2-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)スクシネート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル メタクリレート、4-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]-1-[2-(3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、2-メチル-2-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル) 1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、
【0059】
テトラキス(1,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル) 1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノール及び1-トリデカノールとの混合エステル化物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノール及び1-トリデカノールとの混合エステル化物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノール及び3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンとの混合エステル化物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノール及び3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンとの混合エステル化物、ジメチル サクシネートと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[(6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)((2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ)]、ポリ[(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)((2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ)]など。
【0060】
式(1)で表される本発明のフェノール化合物及び/又は必要に応じて添加されるその他の添加剤を、均質な混合物を得るための公知のあらゆる方法及び装置を用いて、有機材料に添加することができる。例えば有機材料が固体ポリマーである場合は、本発明のフェノール化合物及び/又は必要に応じて添加されるその他の添加剤を、その固体ポリマーに直接ドライブレンドすることもできるし、あるいは、フェノール化合物及び/又は必要に応じて添加されるその他の添加剤をマスターバッチの形で、固体ポリマーに添加することもできる。有機材料が液状ポリマーである場合は、上記添加方法に加えて、重合途中あるいは重合直後のポリマー溶液に、本発明のフェノール化合物及び/又は必要に応じて添加されるその他の添加剤を、溶液又は分散液の形で配合することもできる。一方、有機材料が固体ポリマー以外の液体(例えば油など)である場合は、上記添加方法に加えて、本発明のフェノール化合物及び/又は必要に応じて添加されるその他の添加剤を有機材料に直接添加して溶解させることもできるし、あるいは、本発明のフェノール化合物及び/又は必要に応じて添加されるその他の添加剤を液状媒体に溶解又は懸濁させた状態で添加することもできる。
【0061】
式(1)で表される本発明のフェノール化合物は、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂をはじめとする各種有機材料の安定剤として優れた性能を有する。本発明のフェノール化合物を添加した有機材料は製造時、加工時、さらには使用時の熱劣化及び酸化劣化等に対して安定であり、高品質の製品となる。
【実施例0062】
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0063】
1H-NMRの測定
装置:bruker社製、AV-300M
測定溶媒:CDCl3
【0064】
MFRの測定
MFRの測定は、メルトインデクサ(型式L246-3537、株式会社テクノ・セブン社製)を用いて、温度230℃及び荷重21.18Nで行った。
ポリプロピレン樹脂は、熱による加工時に分解が進行し、そのMFRが上昇する。そのため、安定剤を添加したポリプロピレン樹脂組成物のMFRが、熱による加工によって上昇しにくい程、該樹脂組成物の加工安定性は良好である。
【0065】
イエローインデックス(YI)の測定
実施例及び比較例で得たペレットを、プレス機(関西ロール社製「PEW-5040』)を温度230℃の条件で用いてプレスして、厚さ1mmのシートを得た。得られたシートのイエローインデックス(YI)を、色差計(ミノルタ社製「CM-3500d」)を用いて測定した。YI値が小さいほど、変色が抑制されているといえる。
【0066】
実施例1:式(1)で表されるフェノール化合物(R
1=メチル)の合成
スミライザー(登録商標)GA-80を10g(13.5mmol)、アセトン100mL、炭酸カリウム1.87g(13.5mmol)及びヨウ化メチル1.92g(13.5mmol)を仕込み、室温で終夜撹拌した。原料と生成物の比率がLCにておよそ8:2であったため、炭酸カリウム及びヨウ化メチルを各1等量ずつ追加し、室温で6時間撹拌した。炭酸カリウム及びヨウ化メチルをさらに各1等量ずつ追加して終夜撹拌したのち、ろ過し、残渣を濃縮して粗生成物を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル系)にて精製することで、下記式(1-MeO)で示される化合物(1)を4.5g、ジメトキシ体(DMeO)を2.9g得た。式(1-MeO)で示される化合物(1)が本発明のフェノール化合物である。得られたジメトキシ体は、後述する比較例3における比較用樹脂組成物において使用した。
【化3】
【0067】
純度(LC)
機種:LC-20A
カラム:L-column2 ODS(5μm、4.6mmφ、150mm)
注入量:5μL(各メタノール溶液)
移動相:A液 水/酢酸=1000/1(v/v)
B液 メタノール/THF/酢酸=930/70/1(v/v/v)
グラジエント:Time(min.) 0 7 37 47
B conc.(%)70 70 100 100
流量:1.0mL/min
カラム温度:40°C
測定波長:UV、280nm
純度:99.3%(1-MeO)
97.4%(DMeO)
【0068】
1H-NMR(300MHz、CDCl3)
δ0.91(d,J=1.8Hz,12H,CH3),δ1.37(s,9H,C(CH3)3),δ1.40(s,9H,C(CH3)3),δ2.22(s,3H,ArCH3),δ2.29(s,3H,ArCH3),δ2.57-2.64(m,4H,CH2),δ2.82-2.89(m,4H,CH2),δ3.22-3.27(dd,J=11.7Hz,1.5Hz,2H,CH2),δ3.40-3.55(m,4H,CH2),δ3.74(s,3H,OCH3),δ3.92(d,J=2.1Hz,4H,COOCH2),δ4.18(d,J=2.4Hz,2H,CH),δ4.47(m,2H,CH2),δ4.67(s,1H,ArOH),δ6.83(d,J=1.8Hz,1H,Ar),δ6.88(d,J=2.1Hz,1H,Ar),δ6.96(m,2H,Ar)
【0069】
実施例2:式(1)で表されるフェノール化合物を含む樹脂組成物のペレットの調製
ポリプロピレン樹脂(住友化学株式会社製 MFR:25g/10min)100質量部に、ステアリン酸カルシウム0.05質量部と、実施例1で得た化合物(1)0.1質量部とをドライブレンドした。得られた混合物を、シリンダー径32mmの二軸押出機(型式:BTN32-S2-36-L、プラスチック工学研究所社製)を用いて、空気雰囲気下、温度230℃及びスクリュー回転数100rpmの条件で混練して、本発明の樹脂組成物のペレット(1)を得た。
得られたペレット(1)を、シリンダー径30mmの単軸押出機(型式:VS30-28、田辺プラスチックス社製)を用いて、空気雰囲気下、温度280℃及びスクリュー回転数100rpmの条件で混練してペレットを得る作業を5回繰り返し、5回の混錬操作後のペレット(2)を得た。得られたペレット(2)のMFRとYIを、上記の測定方法に従い測定した。得られた結果を表1に示す。
【0070】
比較例1
化合物(1)を添加しなかったこと以外は実施例2と同様にして、5回の混錬操作後のペレットを作成した。得られたペレットのMFRとYIを、上記の測定方法に従い測定した。得られた結果を表1に示す。
【0071】
比較例2
化合物(1)に代えて実施例1において原料として使用したGA-80を0.1質量部添加したこと以外は実施例2と同様にして、5回の混錬操作後のペレットを作成した。得られたペレットのMFRとYIを、上記の測定方法に従い測定した。得られた結果を表1に示す。
【0072】
比較例3
化合物(1)に代えて、実施例1に記載の製造方法において得られたジメトキシ体を0.1質量部添加したこと以外は実施例2と同様にして、5回の混錬操作後のペレットを作成した。得られたペレットのMFRとYIを、上記の測定方法に従い測定した。得られた結果を表1に示す。
【0073】
【0074】
実施例2の樹脂組成物は、混錬操作を5回繰り返した後のペレット(2)において、MFRが低く、加工時の熱や酸素などの作用によると考えられる樹脂の分解を抑制できていることが確認された。また、YIも低く、樹脂の着色を防止できていることも確認された。これに対し、本発明のフェノール化合物を添加しない比較例1~3の場合には、5回の混錬操作後に、樹脂の分解抑制と着色の防止の両方を十分に向上させることはできなかった。