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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132670
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】炭化珪素半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20230914BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20230914BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
H01L29/78 652N
H01L29/78 652T
H01L29/78 652P
H01L29/06 301V
H01L29/06 301G
H01L29/06 301M
H01L29/06 301D
H01L29/78 652H
H01L29/78 652K
H01L29/78 653A
H01L29/78 652C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038132
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】成田 舜基
(72)【発明者】
【氏名】原田 信介
(57)【要約】
【課題】破壊耐量を向上させることができる炭化珪素半導体装置を提供すること。
【解決手段】活性領域10およびエッジ終端領域20におけるドリフト層は、それぞれ第1,2並列pn層3a,3bとしたSJ構造である。第1並列pn層3aのn型カラム領域31およびp型カラム領域32は、半導体基板40の主面に平行な第2方向Yにストライプ状に延在している。第2並列pn層3bは、第1並列pn層3aに接して、第1並列pn層3aの周囲を囲む。第2並列pn層3bは、n型カラム領域33とp型カラム領域34とを活性領域10の周囲を囲む同心状に交互に繰り返し隣接して配置してなる。半導体基板40のおもて面と第2並列pn層3bとの間に、ダブルゾーンJTE構造21が設けられている。ダブルゾーンJTE構造21は、p-型領域およびp--型領域を活性領域10の周囲を囲む同心状に互いに隣接して配置してなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化珪素からなる半導体基板に設けられた活性領域と、
前記活性領域の周囲を囲む終端領域と、
前記活性領域において前記半導体基板の内部に設けられた、第1の第1導電型カラム領域と第1の第2導電型カラム領域とを交互に繰り返し隣接して配置した第1並列pn層と、
前記終端領域において前記半導体基板の内部に、前記第1並列pn層に接して設けられた、第2の第1導電型カラム領域と第2の第2導電型カラム領域とを交互に繰り返し隣接して配置した第2並列pn層と、
前記半導体基板の第1主面と前記第1並列pn層との間に設けられた所定の素子構造と、
前記第1主面に設けられ、前記素子構造に電気的に接続された第1電極と、
前記半導体基板の第2主面に設けられた第2電極と、
を備え、
前記第2の第1導電型カラム領域と前記第2の第2導電型カラム領域とは前記第1並列pn層の周囲を囲む同心状に交互に繰り返し隣接して配置されていることを特徴とする炭化珪素半導体装置。
【請求項2】
前記第1主面と前記第2並列pn層との間に、
前記第1電極に電気的に接続された第1の第2導電型領域と、
前記第1の第2導電型領域の外側に、前記第1の第2導電型領域に隣接して設けられた、前記第1の第2導電型領域よりも不純物濃度の低い第2の第2導電型領域と、を前記活性領域の周囲を囲む同心状に配置した耐圧構造をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項3】
複数の前記第2の第2導電型カラム領域のうち、前記第1の第2導電型領域と前記第2の第2導電型領域との境界に最も近い位置に配置された境界カラム領域は、
前記半導体基板の中央から外側へ向かう法線方向に前記活性領域から前記境界カラム領域の外側の側面までの距離をD1とし、
法線方向に前記活性領域から前記境界までの距離をD2とし、
法線方向に前記活性領域から前記境界カラム領域の内側の側面までの距離をD3としたときに、
D1≧D2>D3を満たす位置に配置されるか、または、D2>D1、かつ、D2-D1<1μmを満たす位置に配置されることを特徴とする請求項2に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項4】
前記第2の第2導電型カラム領域は、前記耐圧構造を介して前記第1電極に電気的に接続されていることを特徴とする請求項2または3に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項5】
前記耐圧構造の外側において前記第1主面と前記第2並列pn層との間に、前記耐圧構造に接して選択的に設けられ、前記耐圧構造よりも外側に配置されたすべての前記第2の第2導電型カラム領域を部分的に連結する第2導電型連結領域をさらに備えることを特徴とする請求項2~4のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項6】
前記第2並列pn層は、前記第1主面まで達して前記第1主面に露出されていることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項7】
前記第2の第2導電型カラム領域の幅を、外側に配置された前記第2の第2導電型カラム領域ほど狭くしたことを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項8】
互いに隣り合う前記第2の第2導電型カラム領域同士の間隔を外側へ向かうほど広くしたことを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項9】
前記素子構造は、
前記第1主面と前記第1並列pn層との間に設けられた第2導電型の第1半導体領域と、
前記第1主面と前記第1半導体領域との間に選択的に設けられた第1導電型の第2半導体領域と、
前記第2半導体領域および前記第1半導体領域を貫通して前記第1の第1導電型カラム領域に達するトレンチと、
前記トレンチの内部にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
前記第1半導体領域と前記第1並列pn層との間において、前記トレンチの底面よりも前記第2電極側に選択的に設けられた、前記第1半導体領域よりも不純物濃度の高い第2導電型高濃度領域と、を備え、
前記第1電極は、前記第2半導体領域、前記第1半導体領域および前記第2導電型高濃度領域に電気的に接続され、
前記第2導電型高濃度領域は、前記第1主面と前記第2並列pn層との間を外側へ延在して、深さ方向に前記第2の第2導電型カラム領域に接し、かつ法線方向に前記耐圧構造に接し、
前記第2の第2導電型カラム領域は、前記第2導電型高濃度領域を介して、または前記第2導電型高濃度領域および前記耐圧構造を介して、前記第1電極に電気的に接続されていることを特徴とする請求項2~5のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項10】
前記第1の第1導電型カラム領域と前記第1の第2導電型カラム領域とは、
前記第1主面に平行な第1方向に交互に繰り返し隣接して配置され、
かつ前記第1主面に平行でかつ前記第1方向と直交する第2方向にストライプ状に延在していることを特徴とする請求項1~9のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、炭化珪素半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドリフト層を、n型領域とp型領域とを半導体基板の主面に平行な第1方向に交互に繰り返し隣接して配置してなる並列pn層とした超接合(SJ:Super Junction)構造のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属-酸化膜-半導体の3層構造からなる絶縁ゲートを備えたMOS型電界効果トランジスタ)が公知である。
【0003】
ドリフト層をSJ構造とすることで、n-型領域のみで構成される通常のドリフト層と比べて、ドリフト層の不純物濃度を高くすることができ、オン抵抗が大幅に低減される。また、ドリフト層をSJ構造とすることで、高温動作時のオン抵抗増加が抑制される。高温動作時とは、高温度環境下や高電圧印加、大電流の通電等により半導体基板(半導体チップ)が高温度となっている状態で半導体装置が動作することである。
【0004】
図11は、従来の炭化珪素半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。図11では、n型カラム領域131およびp型カラム領域132の個数が簡略化され、図12と異なっている。図12~14は、それぞれ図11の切断線AA-AA’、切断線BB-BB’および切断線CC-CC’における断面構造を示す断面図である。図11,12,14には、p型カラム領域132をハッチングで示す。
【0005】
図11~14に示す従来の炭化珪素半導体装置150は、炭化珪素(SiC)を半導体材料とした半導体基板140の内部に、ドリフト層となる並列pn層103を備えたSJ構造のトレンチゲート型SiC-MOSFETである。半導体基板140は、SiCを半導体材料としたn+型出発基板141上に並列pn層103およびp型ベース領域104となる各エピタキシャル層142,143を順にエピタキシャル成長させてなる。
【0006】
並列pn層103は、n型領域(以下、n型カラム領域とする)131とp型領域(以下、p型カラム領域とする)132とを半導体基板140の主面に平行な第1方向Xに交互に繰り返し隣接して配置してなる。n型カラム領域131およびp型カラム領域132は、半導体基板140の全域にわたって、半導体基板140の主面に平行でかつ第1方向Xと直交する第2方向Yにストライプ状に延在する。
【0007】
活性領域110およびエッジ終端領域120ともに同一のSJ構造でドリフト層が構成されている。n型カラム領域131およびp型カラム領域132ともに、略同じ幅(短手方向の幅)Wn101,Wp101であり、略同じ不純物濃度を有する。略同じ幅および略同じ不純物濃度とは、それぞれ、プロセスばらつきによる許容誤差を含む範囲で同じ幅、同じ深さおよび同じ不純物濃度であることを意味する。
【0008】
活性領域110およびエッジ終端領域120のいずれにおいても隣接するn型カラム領域131とp型カラム領域132とは概ねチャージバランスが保たれている。チャージバランスとは、n型カラム領域131のキャリア濃度(不純物濃度)と幅Wn101との積で表されるチャージ量と、p型カラム領域132のキャリア濃度と幅Wp101との積で表されるチャージ量と、の釣り合いの度合を示す指標である。
【0009】
エッジ終端領域120において、半導体基板140のおもて面と並列pn層103との間には耐圧構造が配置される。SiC-MOSFETでは、耐圧構造として、不純物濃度の異なる2つのp型領域(p-型領域122、p--型領域123)で構成されたダブルゾーン接合終端拡張(JTE:Junction Termination Extension)構造121が用いられることが公知である。
【0010】
ダブルゾーンJTE構造121は、活性領域110の周囲を囲む同心状に配置される。このため、ダブルゾーンJTE構造121には、第2方向Yにストライプ状に延在するn型カラム領域131およびp型カラム領域132に対して、直交する部分と、平行する部分と、が存在する。図11には、ダブルゾーンJTE構造121の内側端部(p-型領域122の内側端部)および外側端部(p--型領域123の外側端部)を破線で示す。
【0011】
並列pn層103は、ダブルゾーンJTE構造121よりも外側まで設けられている。並列pn層103の第1方向Xに最も外側のカラム領域は、p型カラム領域132である。半導体基板140と並列pn層103との間の部分はSJ構造でない通常のn型ドリフト領域135である。通常のn型ドリフト領域135は、半導体基板140の外周に沿って設けられ、並列pn層103の周囲を囲む。
【0012】
符号101,102,105~109,114~116,125は、それぞれn+型ドレイン領域、n型バッファ領域、n+型ソース領域、p++型コンタクト領域、ゲートトレンチ、ゲート絶縁膜、ゲート電極、層間絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極およびn+型チャネルストッパ領域である。符号111,112は、ゲートトレンチ107の底面のゲート絶縁膜108にかかる電界を緩和するためのp+型領域である。
【0013】
従来のSJ構造の縦型炭化珪素半導体装置として、半導体基板のおもて面に平行にストライプ状に延在する複数のp型カラム領域にまたがって形成されたp型リサーフ層の内部に、深さ方向にp型カラム領域に対向しないようにp+型高濃度領域を配置することで、アバランシェ降伏時にエッジ終端領域の各p型カラム領域における電位バランスを均等に保持して、耐圧を確保した装置が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0014】
従来の別のSJ構造の縦型炭化珪素半導体装置として、半導体基板のおもて面に平行にストライプ状に延在する複数のp型カラム領域にまたがって、耐圧構造として同じ不純物濃度の複数のp型領域を活性領域の周囲を囲む同心状に互いに離れて、かつ法線方向にp型カラム領域から張り出して配置することで、エッジ終端領域での局所的な電界集中を抑制して、耐圧を向上させた装置が提案されている(例えば、下記特許文献2参照。)。
【0015】
従来の別のSJ構造の縦型炭化珪素半導体装置として、半導体基板のおもて面に平行にストライプ状に延在するp型カラム領域と、半導体基板のおもて面とSJ構造との間において活性領域の周囲を囲むp型リサーフ層と、の重なる部分を少なくして、エッジ終端領域の主要箇所でのオフ時の空乏化条件を得ることで、エッジ終端領域の耐圧マージンを確保した装置が提案されている(例えば、下記特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際公開第2017/212773号
【特許文献2】国際公開第2017/183375号
【特許文献3】特開2010-040973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、上述したように、従来のSJ構造のSiC-MOSFET(図11~14参照)では、活性領域110およびエッジ終端領域120ともに同一のSJ構造(n型カラム領域131およびp型カラム領域132)でドリフト層が構成される。このため、エッジ終端領域120の耐圧が活性領域110の耐圧よりも低くなり、エッジ終端領域120でアバランシェ降伏しやすい。これによって、半導体基板140の大半の面積(表面積)を占める面積の広い活性領域110でアバランシェ降伏する場合と比べて破壊耐量が小さくなるという問題がある。
【0018】
この発明は、上述した従来技術による課題を解消するため、破壊耐量を向上させることができる炭化珪素半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる炭化珪素半導体装置は、次の特徴を有する。炭化珪素からなる半導体基板に、活性領域と、前記活性領域の周囲を囲む終端領域と、が設けられている。前記活性領域において前記半導体基板の内部に、第1並列pn層が設けられている。前記第1並列pn層は、第1の第1導電型カラム領域と第1の第2導電型カラム領域とを交互に繰り返し隣接して配置してなる。前記終端領域において前記半導体基板の内部に、前記第1並列pn層に接して、第2並列pn層が設けられている。
【0020】
前記第2並列pn層は、第2の第1導電型カラム領域と第2の第2導電型カラム領域とを交互に繰り返し隣接して配置してなる。前記半導体基板の第1主面と前記第1並列pn層との間に、所定の素子構造が設けられている。第1電極は、前記第1主面に設けられ、前記素子構造に電気的に接続されている。第2電極は、前記半導体基板の第2主面に設けられている。前記第2の第1導電型カラム領域と前記第2の第2導電型カラム領域とは前記第1並列pn層の周囲を囲む同心状に交互に繰り返し隣接して配置されている。
【0021】
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置は、上述した発明において、前記第1主面と前記第2並列pn層との間に、第1の第2導電型領域と第2の第2導電型領域とを前記活性領域の周囲を囲む同心状に配置した耐圧構造をさらに備える。前記第1の第2導電型領域は、前記第1電極に電気的に接続されている。前記第2の第2導電型領域は、前記第1の第2導電型領域の外側に、前記第1の第2導電型領域に隣接して設けられている。前記第2の第2導電型領域は、前記第1の第2導電型領域よりも不純物濃度が低いことを特徴とする。
【0022】
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置は、上述した発明において、複数の前記第2の第2導電型カラム領域のうち、前記第1の第2導電型領域と前記第2の第2導電型領域との境界に最も近い位置に配置された境界カラム領域は、D1≧D2>D3を満たす位置に配置されるか、または、D2>D1、かつ、D2-D1<1μmを満たす位置に配置されることを特徴とする。前記半導体基板の中央から外側へ向かう法線方向に前記活性領域から前記境界カラム領域の外側の側面までの距離をD1とする。法線方向に前記活性領域から前記境界までの距離をD2とする。法線方向に前記活性領域から前記境界カラム領域の内側の側面までの距離をD3とする。
【0023】
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置は、上述した発明において、前記第2の第2導電型カラム領域は、前記耐圧構造を介して前記第1電極に電気的に接続されていることを特徴とする。
【0024】
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置は、上述した発明において、前記耐圧構造の外側において前記第1主面と前記第2並列pn層との間に、前記耐圧構造に接して選択的に設けられ、前記耐圧構造よりも外側に配置されたすべての前記第2の第2導電型カラム領域を部分的に連結する第2導電型連結領域をさらに備えることを特徴とする。
【0025】
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置は、上述した発明において、前記第2並列pn層は、前記第1主面まで達して前記第1主面に露出されていることを特徴とする。
【0026】
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置は、上述した発明において、前記第2の第2導電型カラム領域の幅を、外側に配置された前記第2の第2導電型カラム領域ほど狭くしたことを特徴とする。
【0027】
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置は、上述した発明において、互いに隣り合う前記第2の第2導電型カラム領域同士の間隔を外側へ向かうほど広くしたことを特徴とする。
【0028】
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置は、上述した発明において、前記素子構造は、第2導電型の第1半導体領域、第1導電型の第2半導体領域、トレンチ、ゲート電極および第2導電型高濃度領域を備える。前記第1半導体領域は、前記第1主面と前記第1並列pn層との間に設けられている。前記第2半導体領域は、前記第1主面と前記第1半導体領域との間に選択的に設けられている。前記トレンチは、前記第2半導体領域および前記第1半導体領域を貫通して前記第1の第1導電型カラム領域に達する。前記ゲート電極は、前記トレンチの内部にゲート絶縁膜を介して設けられている。
【0029】
前記第2導電型高濃度領域は、前記第1半導体領域と前記第1並列pn層との間において、前記トレンチの底面よりも前記第2電極側に選択的に設けられている。前記第2導電型高濃度領域は、前記第1半導体領域よりも不純物濃度が高い。前記第1電極は、前記第2半導体領域、前記第1半導体領域および前記第2導電型高濃度領域に電気的に接続されている。前記第2導電型高濃度領域は、前記第1主面と前記第2並列pn層との間を外側へ延在して、深さ方向に前記第2の第2導電型カラム領域に接し、かつ法線方向に前記耐圧構造に接する。前記第2の第2導電型カラム領域は、前記第2導電型高濃度領域を介して、または前記第2導電型高濃度領域および前記耐圧構造を介して、前記第1電極に電気的に接続されていることを特徴とする。
【0030】
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置は、上述した発明において、前記第1の第1導電型カラム領域と前記第1の第2導電型カラム領域とは、前記第1主面に平行な第1方向に交互に繰り返し隣接して配置され、かつ前記第1主面に平行でかつ前記第1方向と直交する第2方向にストライプ状に延在していることを特徴とする。
【0031】
上述した発明によれば、オフ時に終端領域にかかる電界を法線方向に活性領域の外周からの距離に応じて均等に分布させることができるため、終端領域の耐圧を向上させることができる。これによって、アバランシェ降伏の発生個所を半導体基板の大半の面積(表面積)を占める面積の広い活性領域に変更することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明にかかる炭化珪素半導体装置によれば、破壊耐量を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。
図2図1の切断線A-A’における断面構造を示す断面図である。
図3図1の切断線B-B’における断面構造を示す断面図である。
図4図1の切断線C-C’における断面構造を示す断面図である。
図5】ダブルゾーンJTE構造での電界集中のメカニズムを説明する説明図である。
図6】実施の形態1のエッジ終端領域のp型カラム領域とダブルゾーンJTE構造との位置関係を示す説明図である。
図7】実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。
図8図7の切断線D-D’における断面構造を示す断面図である。
図9A】実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す断面図である。
図9B図9Aの第2並列pn層の法線方向のチャージバランスと耐圧との関係を示す特性図である。
図10】実施の形態4にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す断面図である。
図11】従来の炭化珪素半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。
図12図11の切断線AA-AA’における断面構造を示す断面図である。
図13図11の切断線BB-BB’における断面構造を示す断面図である。
図14図11の切断線CC-CC’における断面構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および-は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0035】
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造について説明する。図1は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。図2~4は、それぞれ図1の切断線A-A’、切断線B-B’および切断線C-C’における断面構造を示す断面図である。図2~4では、n型カラム領域31,33およびp型カラム領域32,34の個数が簡略化され、図1と異なっている。図1~4には、p型カラム領域32,34をハッチングで示す(図7,8,9A,10においても同様)。なお、図1では、p型カラム領域32,34の平面的な配置を明確にするために、p型カラム領域32とp型カラム領域34とを異なるハッチングで示す(図7においても同様)。
【0036】
図1~4に示す実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置50は、活性領域10において、炭化珪素(SiC)からなる半導体基板(半導体チップ)40のおもて面(第1主面)側に一般的なトレンチゲート構造(素子構造)を備え、活性領域10およびエッジ終端領域20のドリフト層(ドリフト領域)をそれぞれ第1,2並列pn層3a,3bとしたSJ構造の縦型SiC-MOSFETである。トレンチゲート構造は、活性領域10において半導体基板40のおもて面と第1並列pn層3aとの間に配置されている。
【0037】
活性領域10は、MOSFETがオン状態のときに主電流が流れる領域であり、半導体基板40の略中央(チップ中央)に配置されている。活性領域10には、同一のトレンチゲート構造の複数の単位セル(素子の構成単位)が隣接して配置されている。活性領域10は、第1方向Xに最も外側(チップ端部側)のゲートトレンチ7(7a)(図2参照)の中心よりも内側(チップ中央側)で、かつ第2方向Yにn+型ソース領域5(図2参照)の端部(不図示)よりも内側の部分である。
【0038】
エッジ終端領域20は、活性領域10と半導体基板40の端部(チップ端部)との間の領域であり、活性領域10の周囲を囲む。エッジ終端領域20は、ドリフト層の、半導体基板40のおもて面側の電界を緩和して耐圧を保持する機能を有する。耐圧とは、リーク電流が過度に増大せず、素子が誤動作や破壊を起こさない限界の電圧である。エッジ終端領域20には、半導体基板40のおもて面と第2並列pn層3bとの間に、耐圧構造としてダブルゾーン接合終端拡張(JTE)構造21が配置されている(図2~4参照)。
【0039】
ダブルゾーンJTE構造21は、不純物濃度の異なる2つのp型領域(後述するp-型領域22、p--型領域23:図2~4参照)を、活性領域10から外側へ離れるほど不純物濃度の低いp型領域が配置されるように、活性領域10の周囲を囲む同心状に互いに隣接して配置したJTE構造である。図1には、ダブルゾーンJTE構造21の内側端部(p-型領域22の内側端部)および外側端部(p--型領域23の外側端部)を粗い破線で示し、p-型領域22とp--型領域23との境界24を細かい破線で示す。
【0040】
ダブルゾーンJTE構造21のp-型領域(第1の第2導電型領域)22およびp--型領域(第2の第2導電型領域)23は、第2並列pn層3bの後述するn型カラム領域33およびp型カラム領域34の少なくとも一方に接する。ダブルゾーンJTE構造21は設けられていなくてもよい。ダブルゾーンJTE構造21を設けない場合、第2並列pn層3bは、後述するp+型延在部11aとn+型チャネルストッパ領域25との間において半導体基板40のおもて面まで達し、半導体基板40のおもて面(後述する第2面40b)に露出される。
【0041】
活性領域10とエッジ終端領域20とでドリフト層のSJ構造を半導体基板40のおもて面側から見たレイアウトが異なる。活性領域10におけるドリフト層は、第1並列pn層3aで構成されたSJ構造である。第1並列pn層3aは、n型領域(以下、n型カラム領域(第1の第1導電型カラム領域)とする)31とp型領域(以下、p型カラム領域(第1の第2導電型カラム領域)とする)32とを半導体基板40の主面に平行な第1方向Xに交互に繰り返し隣接して配置してなる。
【0042】
第1並列pn層3aのn型カラム領域31およびp型カラム領域32は、活性領域10の略全域にわたって、半導体基板40の主面に平行でかつ第1方向Xと直交する第2方向Yにストライプ状に延在している。隣接するn型カラム領域31とp型カラム領域32とは概ねチャージバランスが保たれている。チャージバランスとは、n型カラム領域のキャリア濃度と幅との積で表されるチャージ量と、p型カラム領域のキャリア濃度と幅との積で表されるチャージ量と、の釣り合いの度合を示す指標である。
【0043】
例えば、n型カラム領域31の短手方向(第1方向X)の幅Wn1と、p型カラム領域32の短手方向の幅Wp1と、は略同じであり、活性領域10の全域にわたって一様である。n型カラム領域31の不純物濃度と、p型カラム領域32の不純物濃度と、は略同じであり、活性領域10の全域にわたって一様である。略同じ幅および略同じ不純物濃度とは、それぞれ、プロセスばらつきによる許容誤差を含む範囲で同じ幅および同じ不純物濃度であることを意味する。
【0044】
エッジ終端領域20におけるドリフト層は、第2並列pn層3bで構成されたSJ構造である。第2並列pn層3bは、第1並列pn層3aに接して、第1並列pn層3aの周囲を囲む。第2並列pn層3bは、n型領域(n型カラム領域(第2の第1導電型カラム領域))33とp型領域(p型カラム領域(第2の第2導電型カラム領域))34とを活性領域10の周囲を囲む同心状に交互に繰り返し隣接して配置してなる。隣接するn型カラム領域33とp型カラム領域34とは概ねチャージバランスが保たれている。
【0045】
例えば、n型カラム領域33の短手方向の幅Wn2と、p型カラム領域34の短手方向の幅Wp2と、は略同じであり、エッジ終端領域20の全域にわたって一様である。n型カラム領域33の短手方向の幅Wn2をn型カラム領域31の短手方向の幅Wn1と略同じとし、p型カラム領域34の短手方向の幅Wp2をp型カラム領域32の短手方向の幅Wp1と略同じとしてもよい。n型カラム領域33の不純物濃度と、p型カラム領域34の不純物濃度と、は略同じであり、エッジ終端領域20の全域にわたって一様である。
【0046】
第2並列pn層3bの最も内側のカラム領域は、n型カラム領域33であってもよいし、p型カラム領域34であってもよい。第2並列pn層3bの最も内側のカラム領域がn型カラム領域33である場合、第1並列pn層3aの第1方向Xに最も外側のカラム領域はp型カラム領域32である(不図示)。第2並列pn層3bの最も内側のカラム領域がp型カラム領域34である場合、第1並列pn層3aの第1方向Xに最も外側のカラム領域はn型カラム領域31である(図1~4参照)。
【0047】
第2並列pn層3bの最も内側のカラム領域は、第1方向Xにおいて、第1並列pn層3aの第1方向Xに最も外側のカラム領域に接して当該カラム領域とのpn接合を形成する。第1並列pn層3aの第1方向Xに最も外側のカラム領域と、第2並列pn層3bの最も内側のカラム領域と、は概ねチャージバランスが保たれている。第2並列pn層3bの最も内側のカラム領域は、第2方向Yにおいて、すべてのn型カラム領域31の端部およびすべてのp型カラム領域32の端部に接する。
【0048】
例えば、従来構造(図11~14参照)では、エッジ終端領域120のn型カラム領域131およびp型カラム領域132がストライプ状に延在していることで、エッジ終端領域120は、チップ中央からチップ端部へ向かう法線方向に活性領域110の外周から略同じ距離の同心上で部分的に異なる構造となっている。このため、MOSFETのオフ時にエッジ終端領域120にかかる電界が法線方向に活性領域110の外周からの距離に応じて均等に分布されず、エッジ終端領域120の構造の異なる部分電界集中箇所となる。
【0049】
また、従来構造のダブルゾーンJTE構造121には、並列pn層103のn型カラム領域131およびp型カラム領域132に対して、直交する部分と、平行する部分と、が存在する。このため、ダブルゾーンJTE構造121を設けた場合、エッジ終端領域120は、ダブルゾーンJTE構造121を設けた部分でさらに、法線方向に活性領域110の外周から略同じ距離の同心上で部分的に異なる構造となる。このダブルゾーンJTE構造121の、並列pn層103に対して構造の異なる部分も電界集中箇所となる。
【0050】
一方、実施の形態1においては、エッジ終端領域20にn型カラム領域33およびp型カラム領域34が活性領域10の周囲を囲む同心状に配置されていることで、エッジ終端領域20は、法線方向に活性領域10の外周から略同じ距離の同心上で同一構造となっている。このため、エッジ終端領域20において法線方向に活性領域10の外周から略同じ距離の同心上に従来構造のような電界集中箇所は存在しない。したがって、MOSFETのオフ時にエッジ終端領域20にかかる電界を法線方向に活性領域10の外周からの距離に応じて均等に分布させることができる。
【0051】
また、実施の形態1において、ダブルゾーンJTE構造21は、第2並列pn層3bのn型カラム領域33およびp型カラム領域34に対して平行する部分のみとなっており、第2並列pn層3bに対して構造の異なる部分は存在しない。このため、ダブルゾーンJTE構造21を設けた場合であっても、エッジ終端領域20において法線方向に活性領域10の外周から略同じ距離の同心上に従来構造のような電界集中箇所は存在せず、MOSFETのオフ時にエッジ終端領域20にかかる電界を法線方向に活性領域10の外周からの距離に応じて均等に分布させることができる。
【0052】
半導体基板40は、炭化珪素からなるn+型出発基板41のおもて面上にドリフト層およびp型ベース領域4となる各エピタキシャル層42,43を順に堆積してなる。半導体基板40は、p型エピタキシャル層43側の主面をおもて面として、n+型出発基板41側の主面を裏面(第2主面)とする。n+型出発基板41は、n+型ドレイン領域1である。ドリフト層(n型エピタキシャル層42)は、p型ベース領域4とn+型ドレイン領域1との間に、これらの領域に接して設けられている。
【0053】
第2並列pn層3bは、活性領域10とエッジ終端領域20との境界からダブルゾーンJTE構造21よりも外側まで設けられている。第2並列pn層3bの最も外側のカラム領域は、p型カラム領域34である。第2並列pn層3bは、後述するp+型延在部11a、n+型チャネルストッパ領域25および通常のn型ドリフト領域35に接する。第2並列pn層3bは、ダブルゾーンJTE構造21とn+型チャネルストッパ領域25との間において半導体基板40のおもて面(後述する第2面40b)に露出されている。
【0054】
第2並列pn層3bの複数のp型カラム領域34のうち、ダブルゾーンJTE構造21の直下(n+型ドレイン領域1側)のp型カラム領域34(後述するJTE境界p型カラム領域34a)は、ダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22とp--型領域23との境界24との位置関係について後述する条件を満たすことが好ましい。半導体基板40の側面と第2並列pn層3bとの間の部分はSJ構造でない通常のn型ドリフト領域35である。通常のn型ドリフト領域35の不純物濃度は、n型カラム領域31,33の不純物濃度以下である。
【0055】
半導体基板40のおもて面と通常のn型ドリフト領域35との間に、第2並列pn層3bと離れて、n+型チャネルストッパ領域25が選択的に設けられている。通常のn型ドリフト領域35およびn+型チャネルストッパ領域25は、半導体基板40の外周に沿って設けられ、第2並列pn層3bの周囲を囲む。通常のn型ドリフト領域35およびn+型チャネルストッパ領域25は、半導体基板40の側面に露出されている。n+型チャネルストッパ領域25に代えて、p+型チャネルストッパ領域が設けられてもよい。
【0056】
ドリフト層の、少なくとも半導体基板40のおもて面側の表面領域は第1,2並列pn層3a,3bとしたSJ構造である。ドリフト層の、第1,2並列pn層3a,3bとn+型ドレイン領域1との間の部分は、n型バッファ領域(SJ構造でないn型領域)2であってもよい。n型バッファ領域2は、第1,2並列pn層3a,3bと、n+型ドレイン領域1と、SJ構造でない通常のn型ドリフト領域35と、に接する。n型バッファ領域2の不純物濃度は、n型カラム領域31,33の不純物濃度以下である。
【0057】
n型カラム領域31,33およびp型カラム領域32,34は、深さ方向Zにn型バッファ領域2(n型バッファ領域2を設けない場合はn+型ドレイン領域1)に達する。n型カラム領域31,33およびp型カラム領域32,34ともに深さ方向Zの長さは略同じである。n型カラム領域31およびp型カラム領域32の深さ方向Zの長さとは、それぞれ後述するp+型領域11,12からn型バッファ領域2(n型バッファ領域2を設けない場合はn+型ドレイン領域1)までの長さである。
【0058】
n型カラム領域33およびp型カラム領域34の深さ方向Zの長さとは、ダブルゾーンJTE構造21または後述するp+型延在部11aからn型バッファ領域2(n型バッファ領域2を設けない場合はn+型ドレイン領域1)までの長さである。n型カラム領域31の短手方向の幅Wn1は、p+型領域11の短手方向の幅よりも広い。n型カラム領域31は、p+型領域12に接していてもよい。p型カラム領域32の短手方向の幅Wp1は、p+型領域12の短手方向の幅と略同じであってもよい。
【0059】
第1並列pn層3aのp型カラム領域32は、p+型領域12、p型ベース領域4およびp++型コンタクト領域6を介してソース電極15に電気的に接続されている。第2並列pn層3bの、ダブルゾーンJTE構造21の外側端部よりも内側に配置されたp型カラム領域34は、p型ベース延在部4aおよびp+型延在部11aを介して、またはこれらの領域およびダブルゾーンJTE構造21を介して、ソース電極15に電気的に接続されている。第2並列pn層3bの、ダブルゾーンJTE構造21よりも外側に配置されたp型カラム領域34は電気的に浮遊している。
【0060】
トレンチゲート構造は、p型ベース領域(第1半導体領域)4、n+型ソース領域(第2半導体領域)5、p++型コンタクト領域6、ゲートトレンチ(トレンチ)7、ゲート絶縁膜8およびゲート電極9で構成される。p型ベース領域4は、半導体基板40のおもて面と第1並列pn層3aとの間に設けられている。p型ベース領域4は、p型エピタキシャル層43の、n+型ソース領域5およびp++型コンタクト領域6を除く部分である。p型ベース領域4は、活性領域10から外側へ後述する段差44まで延在している。
【0061】
+型ソース領域5およびp++型コンタクト領域6は、活性領域10において半導体基板40のおもて面とp型ベース領域4との間にそれぞれ選択的に設けられている。n+型ソース領域5およびp++型コンタクト領域6は、p型ベース領域4に接し、かつ半導体基板40のおもて面に露出されている。n+型ソース領域5およびp++型コンタクト領域6が半導体基板40のおもて面に露出とは、これらの領域が半導体基板40のおもて面の後述する第1面40aで後述するソース電極(第1電極)15に接することである。
【0062】
+型ソース領域5およびp++型コンタクト領域6は、例えば、ゲートトレンチ7の側壁に沿って、第2方向Yに直線状に延在している。n+型ソース領域5は、p++型コンタクト領域6よりもゲートトレンチ7側に配置され、ゲートトレンチ7の側壁のゲート絶縁膜8を介してゲート電極9に対向する。p++型コンタクト領域6は設けられていなくてもよい。この場合、p++型コンタクト領域6に代えて、p型ベース領域4が半導体基板40のおもて面の第1面40aに露出される。
【0063】
p型ベース領域4と第1並列pn層3aとの間に、p+型領域(第2導電型高濃度領域)11,12がそれぞれ選択的に設けられている。p+型領域11,12は、n型エピタキシャル層42の内部にイオン注入により形成された拡散領域である。p+型領域11,12は、ソース電極15に電気的に接続され、MOSFETのオフ時に空乏化して、ゲートトレンチ7の底面付近の電界を緩和させる機能を有する。p+型領域11,12は、ゲートトレンチ7の側壁に沿って第2方向Yにストライプ状に延在する。
【0064】
+型領域11,12間には、n型カラム領域31が延在する。p+型領域11,12間においてn型カラム領域31はp型ベース領域4まで延在し、p型ベース領域4に接する。p+型領域11は、p型ベース領域4と離れて配置され、深さ方向Zにゲートトレンチ7の底面に対向する。p+型領域11は、図示省略する部分でp+型領域12に連結されている。p+型領域11は、深さ方向Zにn型カラム領域31に対向して接する。p+型領域11は、ゲートトレンチ7の底面でゲート絶縁膜8に接していてもよい。
【0065】
第1方向Xに最も外側のp+型領域11は、後述する段差44よりも外側まで延在し、半導体基板40のおもて面の後述する第2面40bに露出される。半導体基板40のおもて面の後述する第2,3面40b,40cに露出とは、半導体基板40のおもて面上の層間絶縁膜14に接することである。p+型領域12は、互いに隣り合うゲートトレンチ7間においてp型ベース領域4に接し、p+型領域11およびゲートトレンチ7と離れて設けられている。p+型領域12は、深さ方向Zにp型カラム領域32に対向して接する。
【0066】
互いに隣り合うゲートトレンチ7間において、p+型領域11,12、p型ベース領域4およびn型カラム領域31との間に、これらの領域に接して、かつ第1方向Xにゲートトレンチ7の側壁に達するように、n型電流拡散領域(不図示)が設けられていてもよい。n型電流拡散領域は、キャリアの広がり抵抗を低減させる、いわゆる電流拡散層(CSL:Current Spreading Layer)である。n型電流拡散領域の不純物濃度は、n型カラム領域31の不純物濃度以上である。
【0067】
ゲートトレンチ7は、半導体基板40のおもて面の第1面40aから、深さ方向Zにn+型ソース領域5およびp型ベース領域4を貫通してn型カラム領域31(n型電流拡散領域を設けた場合にはn型電流拡散領域)に達する。ゲートトレンチ7の底面は、p+型領域11の内部で終端してもよい。ゲートトレンチ7は、半導体基板40のおもて面に平行な方向(ここでは第2方向Y)にストライプ状に延在する。ゲートトレンチ7の内部に、ゲート絶縁膜8を介してゲート電極9が設けられている。
【0068】
層間絶縁膜14は、半導体基板40のおもて面の全面に設けられ、ゲート電極9を覆う。ソース電極15は、層間絶縁膜14のコンタクトホールにおいて半導体基板40のおもて面の第1面40aにオーミック接触して、p型ベース領域4、n+型ソース領域5およびp++型コンタクト領域6に電気的に接続されている。ドレイン電極(第2電極)16は、半導体基板40の裏面(n+型出発基板41の裏面)の全面に設けられ、n+型ドレイン領域1に電気的に接続されている。
【0069】
p型エピタキシャル層43の、エッジ終端領域20の部分はエッチングにより除去され、半導体基板40のおもて面に段差44が形成されている。半導体基板40のおもて面は、この段差44を境にして、活性領域10側の部分(以下、第1面とする)40aよりもエッジ終端領域20側の部分(以下、第2面とする)40bでn+型ドレイン領域1側に凹んでいる。半導体基板40のおもて面の第2面40bは、p型エピタキシャル層43が除去されることで露出されたn型エピタキシャル層42の露出面である。
【0070】
半導体基板40のおもて面の第1面40aと第2面40bとをつなぐ部分(以下、第3面とする:段差44のメサエッジ)40cで、活性領域10とエッジ終端領域20とが素子分離される。エッジ終端領域20において、半導体基板40のおもて面と層間絶縁膜14との間にフィールド酸化膜が設けられてもよい。エッジ終端領域20において半導体基板40のおもて面と第2並列pn層3bとの間に、活性領域10から、p型ベース領域4と、最も外側のゲートトレンチ7(7a)の底面に対向するp+型領域11と、が延在する。
【0071】
以降、p型ベース領域4およびp+型領域11のエッジ終端領域20に延在する部分を、それぞれp型ベース延在部4aおよびp+型延在部11aとする。p型ベース延在部4aは、半導体基板40のおもて面の第1面40aに露出されている。半導体基板40のおもて面の第1面40aとp型ベース延在部4aとの間に、p++型外周コンタクト領域(不図示)が設けられてもよい。p型ベース延在部4a(p++型外周コンタクト領域を設けた場合はp++型外周コンタクト領域)は、ソース電極15に接する。
【0072】
p型ベース延在部4aおよびp+型延在部11aは、活性領域10とエッジ終端領域20との境界に沿って延在して、活性領域10の周囲を囲む。p+型延在部11aは、p型ベース延在部4aと第2並列pn層3bとの間に、これらの領域に接して設けられている。p+型延在部11aには、活性領域10のすべてのp+型領域11,12の端部が連結されている。また、p+型延在部11aは、半導体基板40のおもて面の段差44よりも外側へ延在して、半導体基板のおもて面の第2面40bに露出されている。
【0073】
活性領域10とダブルゾーンJTE構造21との間に、ゲートランナー(不図示)が設けられている。ゲートランナーは、半導体基板40のおもて面の第1面40a上にフィールド酸化膜(不図示)を介して設けられたゲートポリシリコン配線層を含む。ゲートポリシリコン配線層は、層間絶縁膜14に覆われている。ゲートポリシリコン配線層には、活性領域10のすべての単位セルの各ゲート電極9が連結される。ゲートランナーは、ゲート電極9とゲートパッド(電極パッド:不図示)とを電気的に接続する。
【0074】
エッジ終端領域20において半導体基板40のおもて面の第2面40bの表面領域には、n型エピタキシャル層42の内部に、ダブルゾーンJTE構造21を構成する2つのp型領域(p-型領域22、p--型領域23)がそれぞれ選択的に設けられ、その外側にダブルゾーンJTE構造21と離れてn+型チャネルストッパ領域25が選択的に設けられている。ダブルゾーンJTE構造21は、半導体基板40のおもて面の第2面40bと第2並列pn層3bとの間に、第2並列pn層3bに接して設けられている。
【0075】
-型領域22は、p+型延在部11aの外側において、p+型延在部11aに隣接する。p--型領域23は、p-型領域22の外側において、p-型領域22に隣接する。p-型領域22およびp--型領域23は、p+型延在部11aおよびp型ベース延在部4aを介してソース電極15の電位に固定されている。p-型領域22、p--型領域23およびn+型チャネルストッパ領域25はn型エピタキシャル層42へのイオン注入により形成された拡散領域であり、半導体基板40のおもて面の第2面40bに露出されている。
【0076】
+型チャネルストッパ領域25は、半導体基板40のおもて面の第2面40bと通常のn型ドリフト領域35との間に設けられている。ダブルゾーンJTE構造21とn+型チャネルストッパ領域25との間において、半導体基板40のおもて面の第2面40bには、第2並列pn層3bおよび通常のn型ドリフト領域35が露出されている。通常のn型ドリフト領域35は、第2並列pn層3bに接し、第2並列pn層3bの周囲を囲む。通常のn型ドリフト領域35の不純物濃度は、n型カラム領域31の不純物濃度以下である。
【0077】
エッジ終端領域20のp型カラム領域34とダブルゾーンJTE構造21との位置関係について説明する。図5は、ダブルゾーンJTE構造での電界集中のメカニズムを説明する説明図である。図6は、実施の形態1のエッジ終端領域のp型カラム領域とダブルゾーンJTE構造との位置関係を示す説明図である。図5,6では、エッジ終端領域20の複数のp型カラム領域34のうち、JTE境界p型カラム領域(境界カラム領域)34aのみを図示し、他のp型カラム領域34を図示省略する。また、図5,6では、空乏層の広がりを細かい破線で示す。2本の細かい破線間が空乏層である。
【0078】
図5に示すように、ソース電極15に対して正の電圧(順方向電圧)がドレイン電極16に印加された状態で、ゲート電極9にゲート閾値電圧未満の電圧が印加されると、エッジ終端領域20において、第2並列pn層3bのp型カラム領域34とn型カラム領域33とのpn接合と、ダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22およびp--型領域23と第2並列pn層3bのn型カラム領域33とのpn接合と、が逆バイアスされ、当該pn接合からp型カラム領域34、p-型領域22およびp--型領域23に空乏層51が広がる。
【0079】
ダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22およびp--型領域23に空乏層51が広がると、これらの領域のうちの外側(チップ端部側)のp--型領域23の外側の下端(n+型ドレイン領域1側)コーナー部で電界集中52が起きる(図5(a))。ソース・ドレイン間に順方向電圧を上昇させていくと空乏化がさらに進み、p--型領域23が完全に空乏化され、p--型領域23側からp-型領域22に空乏層51が広がると、p-型領域22とp--型領域23との境界24の下端部で電界集中53が起きる(図5(b))。
【0080】
上述したようにエッジ終端領域20のn型カラム領域33およびp型カラム領域34と、ダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22およびp--型領域23と、がともに活性領域10の周囲を囲む同心状に配置されているため、エッジ終端領域20は、法線方向に活性領域10の外周から略同じ距離の同心上で同一構造である。p--型領域23の外側の下端コーナー部と、p-型領域22とp--型領域23との境界24の下端部と、にはダブルゾーンJTE構造21の全周にわたって一様に電界集中52,53が起きる。
【0081】
したがって、エッジ終端領域20の電界集中52,53の箇所で電界が緩和されるように、第2並列pn層3bを適宜設定することで、エッジ終端領域20の耐圧をさらに向上させることができる。例えば、第2並列pn層3bの複数のp型カラム領域34のうち、ダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22とp--型領域23との境界24に最も近いp型カラム領域34(以下、JTE境界p型カラム領域34aとする)は、当該境界24との位置関係について図6(a)~6(c)に示すいずれかの条件を満たすように配置されることが好ましい。
【0082】
図6(a)に示すように、JTE境界p型カラム領域34aを、ダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22とp--型領域23との境界24の下端部の直下に、p-型領域22およびp--型領域23に接して配置することがよい。また、図6(b)に示すように、JTE境界p型カラム領域34aを、外側の側面37が法線方向にダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22とp--型領域23との境界24と同じ位置になるように、p-型領域22に接して配置することがよい。
【0083】
また、図6(c)に示すように、JTE境界p型カラム領域34aを、外側の側面37が法線方向にダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22とp--型領域23との境界24よりも内側に位置し、かつ外側の側面37から当該境界24までの距離D4が1μm未満になるように、p-型領域22に接して配置することがよい。すなわち、JTE境界p型カラム領域34aは、ダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22とp--型領域23との境界24との位置関係について、次の(1)式もしくは(2)式を満たすように配置されることがよい。
【0084】
D1≧D2>D3 ・・・(1)
【0085】
D2>D1、かつ、D2-D1<1μm ・・・(2)
【0086】
D1は、法線方向に活性領域10からJTE境界p型カラム領域34aの外側の側面37までの距離である。D2は、法線方向に活性領域10からダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22とp--型領域23との境界24までの距離である。したがって、(D2-D1)は、法線方向にダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22とp--型領域23との境界24から活性領域10からJTE境界p型カラム領域34aの外側の側面37までの距離である。
【0087】
D3は、法線方向に活性領域10からJTE境界p型カラム領域34aの内側の側面36までの距離である。JTE境界p型カラム領域34aの内側の側面36とは、JTE境界p型カラム領域34aと、JTE境界p型カラム領域34aの内側に隣接するn型カラム領域33と、の界面である。JTE境界p型カラム領域34aの外側の側面37とは、JTE境界p型カラム領域34aと、JTE境界p型カラム領域34aの外側に隣接するn型カラム領域33と、の界面である。
【0088】
JTE境界p型カラム領域34aを、上記(1)式もしくは上記(2)式を満たすように、ダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22とp--型領域23との境界24付近に配置することで、ダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22とp--型領域23との境界24の下端部での電界集中53(図5(b))を抑制することができる。これによって、エッジ終端領域20の耐圧をさらに向上させることができるため、破壊耐量をさらに向上させることができる。
【0089】
実施の形態にかかる炭化珪素半導体装置50の動作について説明する。ソース電極15に対して正の電圧(順方向電圧)がドレイン電極16に印加された状態で、ゲート電極9にゲート閾値電圧以上の電圧が印加されると、p型ベース領域4のゲートトレンチ7の側壁に沿った部分にチャネル(n型の反転層)が形成される。それによって、n+型ドレイン領域1からチャネルを通ってn+型ソース領域5へ向かって主電流(ドリフト電流)が流れ、SiC-MOSFET(炭化珪素半導体装置50)がオンする。
【0090】
一方、ソース・ドレイン間に順方向電圧が印加された状態で、ゲート電極9にゲート閾値電圧未満の電圧が印加されると、p+型領域11,12およびp型ベース領域4と第1並列pn層3aのn型カラム領域31とのpn接合(活性領域10の主接合)が逆バイアスされることで、主電流が流れなくなり、SiC-MOSFETはオフ状態を維持する。活性領域10の主接合(pn接合)が逆バイアスされることで、当該pn接合から空乏層が広がり、活性領域10の所定耐圧が確保される。
【0091】
また、SiC-MOSFETのオフ時、p型カラム領域32,34とn型カラム領域31,33とのpn接合が逆バイアスされ、当該pn接合から空乏層が広がることで、第1,2並列pn層3a,3bで耐圧が負担される。これによって、ドリフト層の不純物濃度(n型カラム領域31,33)で実現可能な耐圧を超える所定耐圧が確保される。また、ダブルゾーンJTE構造21および第2並列pn層3bのp型カラム領域34によってエッジ終端領域20の電界が分散されるため、エッジ終端領域20の耐圧を向上させることができる。
【0092】
また、SiC-MOSFETのオフ時、エッジ終端領域20において、第2並列pn層3bのp型カラム領域34とn型カラム領域33とのpn接合と、ダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22およびp--型領域23と第2並列pn層3bのn型カラム領域33とのpn接合と、が逆バイアスされ、当該pn接合からp型カラム領域34、p-型領域22およびp--型領域23に空乏層51が広がる。このとき、ダブルゾーンJTE構造21で局所的に電界集中52,53が起きる虞がある(図5(a),図5(b)参照)。
【0093】
また、JTE境界p型カラム領域34aがダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22とp--型領域23との境界24との位置関係について上記(1)式もしくは上記(2)式を満たしていることで、ダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22とp--型領域23との境界24の下端部での電界集中53を抑制することができる。これによって、MOSFETのオフ時にエッジ終端領域20にかかる電界をさらに緩和することができるため、エッジ終端領域20の耐圧をさらに向上させることができる。
【0094】
実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置50の製造方法について説明する。まず、n+型ドレイン領域1となるn+型出発基板(半導体ウエハ)41のおもて面上に、第1,2並列pn層3a,3bを含むドリフト層を形成する。このとき、例えば、多段エピタキシャル方式を用いて、ドリフト層となるn型エピタキシャル層42を複数段(複数回)に分けて多段にエピタキシャル成長させるごとに各n型エピタキシャル層にアルミニウム(Al)等のp型不純物をイオン注入することで、第1,2並列pn層3a,3bのp型カラム領域32,34となる部分を選択的に形成する。
【0095】
n型エピタキシャル層42の互いに隣り合うp型カラム領域32間にイオン注入されずにn型のまま残る部分は、第1,2並列pn層3a,3bのn型カラム領域31,33となる。n型エピタキシャル層42の、第1,2並列pn層3a,3bとn+型出発基板41との間の部分の全域にイオン注入を行わずにn型バッファ領域2として残してもよい。以下、n型バッファ領域2を設ける場合を例に説明する。第2並列pn層3bとチップ端部(半導体チップとなる部分の端部)との間にイオン注入されずにn型のまま残る部分は、通常のn型ドリフト領域35となる。
【0096】
n型カラム領域31,33をn型不純物のイオン注入により形成してもよい。この場合、n型エピタキシャル層42に代えて、ノンドープのエピタキシャル層やn-型エピタキシャル層を複数段に分けて多段にエピタキシャル成長させる。ノンドープのエピタキシャル層を多段にエピタキシャル成長させた場合、n型バッファ領域2およびn型ドリフト領域35はn型不純物のイオン注入により形成する。n-型エピタキシャル層を多段にエピタキシャル成長させた場合、n型カラム領域31,33よりも不純物濃度の低いn型バッファ領域2およびn型ドリフト領域35を形成することができる。
【0097】
次に、イオン注入により、n型エピタキシャル層42の表面領域に、深さ方向Zに第1並列pn層3aのn型カラム領域31およびp型カラム領域32にそれぞれ隣接してp+型領域11,12を選択的に形成する。また、p+型領域11と同時に、深さ方向Zに第2並列pn層3bに隣接してp+型延在部11aを形成する。多段にエピタキシャル成長させたn型エピタキシャル層42の最上段のn型エピタキシャル層に、p+型領域11,12およびp+型延在部11aのみを形成し、互いに隣り合うp+型領域11,12間にイオン注入によりn型電流拡散領域(不図示)を形成してもよい。
【0098】
次に、n型エピタキシャル層42の上に、p型ベース領域4となるp型エピタキシャル層43をエピタキシャル成長させる。これによって、n+型出発基板41上にエピタキシャル層42,43が順に積層され、かつn型エピタキシャル層42に第1,2並列pn層3a,3bを含む半導体基板(半導体ウエハ)40が作製される。次に、p型エピタキシャル層43の、エッジ終端領域20の部分をエッチングにより除去して、半導体基板40のおもて面に、活性領域10側の部分(第1面40a)よりもエッジ終端領域20側の部分(第2面40b)で低くした段差44を形成する。
【0099】
エッジ終端領域20において新たに半導体基板40のおもて面となった第2面40bに、n型エピタキシャル層42が露出される。半導体基板40のおもて面の、第1面40aと第2面40bとの間の部分(第3面40c)は例えば第1,2面40a,40bに対して鈍角(傾斜面)をなしてもよいし、略直角(垂直面)をなしていてもよい。半導体基板40のおもて面の第2,3面40b,40cには、p型ベース領域4およびp+型延在部11aが露出される。この段差44を形成するエッチングにより、p型エピタキシャル層43とともにn型エピタキシャル層42が若干除去されてもよい。
【0100】
次に、イオン注入により、n+型ソース領域5、p++型コンタクト領域6、ダブルゾーンJTE構造21(p-型領域22、p--型領域23)およびn+型チャネルストッパ領域25をそれぞれ選択的に形成する。n+型ソース領域5およびp++型コンタクト領域6は、p型エピタキシャル層43の表面領域にそれぞれ選択的に形成する。p++型コンタクト領域6と同時にp++型外周コンタクト領域を形成してもよい。p型エピタキシャル層43の、n+型ソース領域5、p++型コンタクト領域6およびp++型外周コンタクト領域を除く部分がp型ベース領域4およびp型ベース延在部4aとなる。
【0101】
ダブルゾーンJTE構造21およびn+型チャネルストッパ領域25は、エッジ終端領域20における半導体基板40のおもて面の第2面40bに露出させたn型エピタキシャル層42の表面領域にそれぞれ選択的に形成する。n+型ソース領域5、p++型コンタクト領域6、p++型外周コンタクト領域、ダブルゾーンJTE構造21およびn+型チャネルストッパ領域25の形成順序は入れ替え可能である。また、半導体基板40のおもて面の段差44の形成前に、n+型ソース領域5、p++型コンタクト領域6およびp++型外周コンタクト領域を形成してもよい。
【0102】
次に、エピタキシャル層42,43にイオン注入した不純物を活性化させるための熱処理を行う。この熱処理は、イオン注入により拡散領域を形成するごとに行ってもよい。次に、半導体基板40のおもて面からn+型ソース領域5およびp型ベース領域4を貫通して、p+型領域11に対向するゲートトレンチ7を形成する。次に、一般的な方法により、ゲート絶縁膜8、ゲート電極9、層間絶縁膜14、ソース電極15およびドレイン電極16を形成する。その後、半導体ウエハ(半導体基板40)をダイシング(切断)して個々のチップ状に個片化することで、図1~4に示す炭化珪素半導体装置50が完成する。
【0103】
上述した実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置50の製造方法において、多段エピタキシャル方式に代えて、トレンチ埋め込みエピタキシャル方式を用いて第1,2並列pn層3a,3bを形成してもよい。トレンチ埋め込みエピタキシャル方式を用いる場合、n型エピタキシャル層42に、p型カラム領域32,34の深さ方向Zの長さと同じ深さのトレンチ(SJトレンチ)を形成してn型カラム領域31,33となる部分を残し、これらのSJトレンチをp型カラム領域32,34となるp型エピタキシャル層で埋め込んで第1,2並列pn層3a,3bを形成する。
【0104】
以上、説明したように、実施の形態1によれば、エッジ終端領域のn型カラム領域とp型カラム領域とが活性領域の周囲を囲む同心状に配置され、エッジ終端領域は法線方向に活性領域の外周から略同じ距離の同心上で同一構造となっている。このため、MOSFETのオフ時にエッジ終端領域にかかる電界を法線方向に活性領域の外周からの距離に応じて均等に分布させることができ、エッジ終端領域の耐圧を向上させることができる。これによって、アバランシェ降伏の発生個所を半導体基板の大半の面積(表面積)を占める面積の広い活性領域に変更することができるため、破壊耐量を向上させることができる。
【0105】
また、実施の形態1によれば、エッジ終端領域のn型カラム領域とp型カラム領域とが活性領域の周囲を囲む同心状に配置されることで、ダブルゾーンJTE構造は、エッジ終端領域のn型カラム領域およびp型カラム領域に対して平行する部分のみで構成され、エッジ終端領域の第2並列pn層に対して同一構造となっている。このため、ダブルゾーンJTE構造を設けた場合においても、MOSFETのオフ時にエッジ終端領域にかかる電界が法線方向に活性領域の外周からの距離に応じて均等に分布させることができ、エッジ終端領域の耐圧を向上させることができる。
【0106】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の構造について説明する。図7は、実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。図8は、図7の切断線D-D’における断面構造を示す断面図である。図7の切断線A-A’、切断線B-B’および切断線C-C’における断面構造はそれぞれ図2~4と同様である。図7では、p型連結領域61をp型カラム領域32,34と異なるハッチングで示す。
【0107】
実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置60が実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置50(図1~4参照)と異なる点は、第2並列pn層3bの、ダブルゾーンJTE構造21よりも外側に配置されたすべてのp型カラム領域34がp型領域(以下、p型連結領域(第2導電型連結領域)とする)61によって部分的に連結され、かつp型連結領域61を介してソース電極15に電気的に接続されている点である。
【0108】
実施の形態2において、p型連結領域61は、ダブルゾーンJTE構造21とn+型チャネルストッパ領域25との間に、n+型チャネルストッパ領域25と離れて設けられている。p型連結領域61は、ダブルゾーンJTE構造21よりも外側において、半導体基板40のおもて面の第2面40bと第2並列pn層3bとの間に、第2並列pn層3bのn型カラム領域33およびp型カラム領域34に接して設けられている。
【0109】
p型連結領域61は、ダブルゾーンJTE構造21のp--型領域23の外側において、p--型領域23に隣接する。p型連結領域61、ダブルゾーンJTE構造21(p-型領域22、p--型領域23)、p型ベース延在部4aおよびp+型延在部11aを介して、ダブルゾーンJTE構造21よりも外側に配置されたすべてのp型カラム領域34がソース電極15に電気的に接続されている。
【0110】
p型連結領域61の不純物濃度は、例えば、p+型延在部11a、p-型領域22またはp--型領域23の不純物濃度と略同じである。p型連結領域61は、ダブルゾーンJTE構造21よりも外側に配置されたすべてのp型カラム領域34を部分的に連結し、かつこれらのp型カラム領域34をソース電極15に電気的に接続していればよく、その配置および平面形状は適宜変更可能である。
【0111】
例えば、p型連結領域61は、略矩形状の平面形状の半導体基板40の4つのコーナー部(矩形の頂点付近)にそれぞれ選択的に設けられてもよい。p型連結領域61は、ダブルゾーンJTE構造21よりも外側に配置されたすべてのp型カラム領域34に跨って法線方向に直線状に延在してもよい。p型連結領域61の外側端部は、最も外側のp型カラム領域34に接するか、または最も外側のp型カラム領域34の内部で終端してもよい。
【0112】
実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置60の製造方法は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置50の製造方法において、p型連結領域61を、p+型延在部11a、p-型領域22またはp--型領域23と同時に形成すればよい。
【0113】
以上、説明したように、実施の形態2によれば、p型連結領域によって、ダブルゾーンJTE構造よりも外側に配置されたすべてのp型カラム領域を部分的に連結することで、実施の形態1と同様の効果をさらに得ることができる。
【0114】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置の構造について説明する。図9Aは、実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す断面図である。図9Aは、図1の切断線A-A’における断面構造に相当する。図9Bは、図9Aの第2並列pn層の法線方向のチャージバランスと耐圧との関係を示す特性図である。実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置70が実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置50(図1~4参照)と異なる点は、エッジ終端領域20の第2並列pn層71のp型カラム領域72の短手方向の幅Wp12を、外側に配置されたp型カラム領域72ほど狭くした点である。
【0115】
実施の形態3においては、エッジ終端領域20の第2並列pn層71は、n型カラム領域33とp型カラム領域72とを活性領域10の周囲を囲む同心状に交互に繰り返し隣接して配置してなる。第2並列pn層71は、すべてのn型カラム領域33で短手方向の幅Wn2が略同じであり、外側に配置されたp型カラム領域72ほど短手方向の幅Wp12が狭くなっている。第2並列pn層71の、p型カラム領域72の短手方向の幅Wp12以外の構成は、実施の形態1の第2並列pn層3bと同様である。
【0116】
第2並列pn層71は、内側で相対的にpリッチとなり、外側で相対的にnリッチとなっている。pリッチとは、p型カラム領域のキャリア濃度と短手方向の幅との積で表されるチャージ量が、n型カラム領域のキャリア濃度と短手方向の幅との積で表されるチャージ量よりも多い状態である。nリッチとは、n型カラム領域のキャリア濃度と短手方向の幅との積で表されるチャージ量が、p型カラム領域のキャリア濃度と短手方向の幅との積で表されるチャージ量よりも多い状態である。
【0117】
第2並列pn層71を内側で相対的にpリッチにすることで、エッジ終端領域20の外側よりも内側で耐圧を低下させることができるため、さらに活性領域10でアバランシェ降伏しやすい構造とすることができる。また、第2並列pn層71を外側で相対的にnリッチにすることで、ダブルゾーンJTE構造21のp--型領域23がより早く空乏化しやすくなり、p--型領域23の外側の下端コーナー部での電界集中52(図5(a)参照)を抑制することができる。
【0118】
また、第2並列pn層71は、内側の部分の所定の1箇所CB0でのみn型カラム領域とp型カラム領域72とのチャージバランスが概ね保たれた状態となり、当該箇所CB0から内側へ向かうほどpリッチとなり、外側へ向かうほどnリッチとなる。エッジ終端領域20の耐圧は、第2並列pn層71の概ねチャージバランスが保たれた箇所CB0で最も高くなり、当該箇所CB0から内側(pリッチ側)および外側(nリッチ側)にそれぞれ向かうほど低下する(図9B参照)。
【0119】
そして、第2並列pn層71の概ねチャージバランスが保たれた箇所CB0から内側(活性領域10側)に向かってpリッチになるにつれて、p型カラム領域72のn+型ドレイン領域1側の端部でのアバランシェ降伏の発生が支配的となり、当該概ねチャージバランスが保たれた箇所CB0からの耐圧低下はよりpリッチ側へ向かうほど緩やかになる。これにより、活性領域10の耐圧を下げすぎることなくアバランシェ降伏の発生個所が活性領域10となるため、結果として、デバイス自体の耐圧の確保が可能となる。
【0120】
第2並列pn層71の複数のp型カラム領域72のうち、ダブルゾーンJTE構造21のp-型領域22とp--型領域23との境界24に最も近いJTE境界p型カラム領域72aの、短手方向の幅Wp12以外の構成は、実施の形態1のJTE境界p型カラム領域34aと同様である。実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置70に実施の形態2を適用して、ダブルゾーンJTE構造21よりも外側に配置されたすべてのp型カラム領域72をp型連結領域61(図7,8参照)によって部分的に連結してもよい。
【0121】
実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置70の製造方法は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置50の製造方法において、p型カラム領域32,72を形成するためのイオン注入マスクの開口パターンを適宜変更すればよい。
【0122】
以上、説明したように、実施の形態3によれば、第2並列pn層のp型カラム領域の短手方向の幅を、外側に配置されたp型カラム領域ほど狭くする。これによって、ダブルゾーンJTE構造での電界集中を抑制することができるため、さらに活性領域でアバランシェ降伏しやすい構造とすることができ、実施の形態1,2と同様の効果をさらに得ることができる。
【0123】
また、実施の形態3によれば、外側に配置されたp型カラム領域ほど短手方向の幅が狭いため、実効的に第2並列pn層のp型不純物濃度が外側へ向かうほど低くなる。このため、空間変調JTE構造のような効果が期待され、外側へ向かうほど電界が抑制される。これにより、エッジ終端領域の耐圧が向上する。
【0124】
空間変調JTE構造とは、活性領域の周囲を同心状に囲む不純物濃度の異なるp型領域(p-型領域、p--型領域)をそれぞれ、外側に配置されるほど法線方向の幅が狭く、かつ内側に隣り合うp型領域との間隔が広くなるように複数ずつ配置することで、外側へ向かうほどp型不純物濃度を段階的に低くしたJTE構造である。
【0125】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4にかかる炭化珪素半導体装置の構造について説明する。図10は、実施の形態4にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す断面図である。図10は、図1の切断線A-A’における断面構造に相当する。図10の第2並列pn層の法線方向のチャージバランスと耐圧との関係は図9Bと同様である。実施の形態4にかかる炭化珪素半導体装置80が実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置50(図1~4参照)と異なる点は、エッジ終端領域20の第2並列pn層81のn型カラム領域82の短手方向の幅Wn12を、外側に配置されたn型カラム領域82ほど広くした点である。
【0126】
実施の形態4においては、エッジ終端領域20の第2並列pn層81は、n型カラム領域82とp型カラム領域34とを活性領域10の周囲を囲む同心状に交互に繰り返し隣接して配置してなる。第2並列pn層81は、すべてのp型カラム領域34で短手方向の幅Wp2が略同じであり、外側に配置されたn型カラム領域82ほど短手方向の幅Wn12が広くなっている。第2並列pn層81の、n型カラム領域82の短手方向の幅Wn12以外の構成は、実施の形態1の第2並列pn層3bと同様である。
【0127】
すなわち、互いに隣り合うp型カラム領域34同士の間隔は、外側に向かうほど広くなっている。これによって、実施の形態4においても、実施の形態3の第2並列pn層71(図9A,9B参照)と同様に、第2並列pn層81は、内側で相対的にpリッチとなり、外側で相対的にnリッチとなっている。このため、実施の形態3と同様に、さらに活性領域10でアバランシェ降伏しやすい構造とすることができる。また、p--型領域23の外側の下端コーナー部での電界集中52(図5(a)参照)を抑制することができる。
【0128】
外側に配置されたp型カラム領域34の短手方向の幅Wp2ほど間隔が広いため、実効的に第2並列pn層81のp型不純物濃度が外側へ向かうほど低くなる。このため、実施の形態3と同様に、空間変調JTE構造のような効果が期待され、外側へ向かうほど電界が抑制される。これにより、終端領域の耐圧が向上する。
【0129】
実施の形態4にかかる炭化珪素半導体装置80に実施の形態2を適用して、第2並列pn層81の、ダブルゾーンJTE構造21よりも外側に配置されたすべてのp型カラム領域34を部分的に連結するp型連結領域61(図7,8参照)を設けてもよい。
【0130】
実施の形態4にかかる炭化珪素半導体装置80の製造方法は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置50の製造方法において、p型カラム領域32,34を形成するためのイオン注入マスクの開口パターンを適宜変更すればよい。
【0131】
以上、説明したように、実施の形態4によれば、第2並列pn層の互いに隣り合うp型カラム領域同士の間隔を外側に向かうほど広くすることによって、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。このため、実施の形態1,2と同様の効果をさらに得ることができる。
【0132】
以上において本発明は、上述した各実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、活性領域の第1並列pn層を半導体基板のおもて面側から見て、p型カラム領域をマトリクス状に配置し、n型カラム領域を複数のp型カラム領域の周囲を格子状に配置したレイアウトとしてもよい。また、MOSFETに限らず、ドリフト層を並列pn層としたさまざまな構成のSJ構造の炭化珪素半導体装置に適用可能である。また、トレンチゲート構造に代えて、半導体基板のおもて面上に平板状に絶縁ゲートを設けたプレーナゲート構造としてもよい。プレーナゲート構造とした場合、第1並列pn層のn型カラム領域の、互いに隣り合うp型ベース領域間の部分がJFET(Junction FET)領域となる。また、本発明は、導電型(n型、p型)を反転させても同様に成り立つ。
【産業上の利用可能性】
【0133】
以上のように、本発明にかかる炭化珪素半導体装置は、電力変換装置や種々の産業用機械などの電源装置などに使用されるパワー半導体装置に有用である。
【符号の説明】
【0134】
1 n+型ドレイン領域
2 n型バッファ領域
3,71,81 並列pn層
4 p型ベース領域
4a p型ベース延在部
5 n+型ソース領域
6 p++型コンタクト領域
7 ゲートトレンチ
8 ゲート絶縁膜
9 ゲート電極
10 活性領域
11,12 p+型領域
11a p+型延在部
14 層間絶縁膜
15 ソース電極
16 ドレイン電極
20 エッジ終端領域
21 ダブルゾーンJTE構造
22 ダブルゾーンJTE構造のp-型領域
23 ダブルゾーンJTE構造のp--型領域
24 ダブルゾーンJTE構造のp-型領域とp--型領域との境界
25 n+型チャネルストッパ領域
31,33,82 n型カラム領域
32,34,72 p型カラム領域
34a,72a JTE境界p型カラム領域
35 通常のn型ドリフト領域
40 半導体基板
40a~40c 半導体基板のおもて面
41 n+型出発基板
42 n型エピタキシャル層
43 p型エピタキシャル層
44 半導体基板のおもて面の段差
50,60,70,80 炭化珪素半導体装置
61 p型連結領域
Wn1,Wn2,Wn12 n型カラム領域の短手方向の幅
Wp1,Wp2,Wp12 p型カラム領域の短手方向の幅
X 半導体基板のおもて面に平行な第1方向
Y 半導体基板のおもて面に平行でかつ第1方向と直交する第2方向
Z 深さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14