(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133008
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230914BHJP
G06F 40/186 20200101ALI20230914BHJP
G06F 40/174 20200101ALI20230914BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F40/186
G06F40/174
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038661
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】中村 成
【テーマコード(参考)】
5B109
5L049
【Fターム(参考)】
5B109ND01
5B109ND02
5B109VC03
5L049CC12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】帳票データを効率的に生成する情報処理装置、情報処理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、情報処理装置であるサーバは、帳票のテンプレートデータ内に、選択肢から選択される複数のデータを夫々埋め込む複数の領域を設定する設定部と、複数の領域に対して、複数のデータのうち対応するデータを埋め込んだ帳票データを生成する帳票生成部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票のテンプレートデータ内に、選択肢から選択される複数のデータをそれぞれ埋め込む複数の領域を設定する設定部と、
複数の前記領域に対して、複数の前記データのうち対応するデータを埋め込んだ帳票データを生成する帳票生成部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記テンプレートデータから、指定された区切り情報を認識する認識部をさらに備え、
前記設定部は、前記区切り情報により区切られる複数の前記領域を設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記区切り情報を認識することが指定された場合に、前記区切り情報を指定するための指定画面を出力する出力制御部をさらに備え、
前記認識部は、前記指定画面により指定された前記区切り情報を認識する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
設定された複数の前記領域と、複数の前記データとの対応を示す対応情報を記憶装置に記憶する記憶制御部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
設定された複数の前記領域に対応する複数の前記データを、前記テンプレートデータから認識する認識部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記設定部は、ユーザにより指定された複数の前記領域を前記テンプレートデータ内に設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
複数の前記領域と、複数の前記領域それぞれに対してユーザにより指定された複数の前記データと、の対応を示す対応情報を記憶装置に記憶する記憶制御部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
1つ以上の端末装置と、情報処理装置と、を備える情報処理システムであって、
前記端末装置は、
帳票のテンプレートデータを編集する要求を前記情報処理装置に送信する通信制御部を備え、
前記情報処理装置は、
編集が要求された前記テンプレートデータ内に、選択肢から選択される複数のデータをそれぞれ埋め込む複数の領域を設定する設定部と、
複数の前記領域に対して、複数の前記データのうち対応するデータを埋め込んだ帳票データを生成する帳票生成部と、を備える、
情報処理システム。
【請求項9】
コンピュータに、
帳票のテンプレートデータ内に、選択肢から選択される複数のデータをそれぞれ埋め込む複数の領域を設定する設定ステップと、
複数の前記領域に対して、複数の前記データのうち対応するデータを埋め込んだ帳票データを生成する帳票生成ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
帳票のテンプレートデータの中に設定されたデータの埋め込み領域に対して、CSV(Comma Separated Values)形式のファイルなどから得られるデータを埋め込むことにより帳票データを生成する技術が知られている。
【0003】
例えば、文書テンプレートなどに基づいてメタデータを埋め込んだ文書データを生成する機能を有するスキャンソリューションシステムが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、帳票データを効率的に生成できない場合があった。例えば、上記のようなテンプレートを用いる技術では、文字列形式のデータを埋め込むことができるが、選択肢形式のデータ(例:性別、職業、および、年齢)は埋め込むことができない場合があった。このため、利用者は、選択肢形式のデータについては手書きにより入力して帳票を生成する必要があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、帳票データを効率的に生成可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、帳票のテンプレートデータ内に、選択肢から選択される複数のデータをそれぞれ埋め込む複数の領域を設定する設定部と、複数の前記領域に対して、複数の前記データのうち対応するデータを埋め込んだ帳票データを生成する帳票生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、帳票データを効率的に生成できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態の情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、サーバおよびPCのハードウェア構成図である。
【
図3】
図3は、スマートフォンのハードウェア構成図である。
【
図4】
図4は、サーバおよびPCの機能構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、編集処理の全体の流れの例を示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は、登録済テンプレート一覧画面の例を示す図である。
【
図8】
図8は、領域設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して情報処理装置、情報処理システムおよびプログラムの実施形態を詳細に説明する。
【0010】
本実施形態は、帳票のテンプレートデータ内に存在する選択肢形式で入力される項目に対して、選択される複数のデータをそれぞれ埋め込む複数の領域を設定し、複数の領域に対して、対応するデータを埋め込んで帳票データを生成する。これにより、テンプレートデータに存在する文字列形式の項目に加えて、選択肢形式の項目についても、データを埋め込んだ帳票を生成することが可能となる。手書き作業によるデータの埋め込み、および、手書き作業に起因する誤字脱字の確認作業の発生を抑制し、利用者の手間を低減することができる。
【0011】
図1は、本実施形態の情報処理システム10の構成例を示す図である。
図1に示すように、情報処理システム10は、PC(Personal Computer)300(端末装置の例)、デバイス400、サーバ500(情報処理装置の例)、および、帳票の出力先となる複数の出力装置が、ネットワーク50で接続された構成となっている。
図1では、各装置(PC300、デバイス400、サーバ500、および、出力装置)がそれぞれ1台ずつ記載されているが、各装置の少なくとも一部は複数備えられてもよい。
【0012】
ネットワーク50は、例えばインターネットおよびLAN(ローカルエリアネットワーク)であるが、その他のどのような形態のネットワークであってもよい。ネットワークは、無線ネットワーク、有線ネットワーク、および、無線と有線とが混在するネットワークのいずれであってもよい。
【0013】
サーバ500は、帳票生成のためのWebサービスを提供する装置である。なお帳票生成のためのサービスはWebサービスに限られず、その他のどのような形式のサービスとして実現されてもよい。サーバ500は、テンプレートデータなどを記憶する記憶部520と接続される。記憶部520は、サーバ500の内部に備えられてもよい。
【0014】
サーバ500は、物理的に1つのデバイスにより構成されてもよいし、クラスタなどの複数のコンピューティングデバイスにより構成されてもよい。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0015】
帳票生成のためのWebサービスは、例えば以下のような機能を含む。
(F1)テンプレートデータ(テンプレート画像)登録機能:指定されたテンプレートデータを記憶部520などに記憶する機能
(F2)編集機能:テンプレートデータに対して、データの埋め込み領域を設定する機能
(F3)帳票生成機能:(F2)で設定された埋め込み領域を参照し、選択されたテンプレートデータに対してデータを埋め込み、帳票データを生成する機能
(F4)帳票出力機能:帳票データをPDF(Portable Document Format)形式などにより出力する機能
【0016】
PC300は、例えば管理者(ユーザの例)が使用する装置である。PC300は、上記のWebサービスのうち、主に(F1)テンプレートデータ登録機能、および、(F2)編集機能を実行するために使用される。
【0017】
デバイス400は、例えば利用者(ユーザの例)が使用する装置である。デバイス400は、テンプレートデータに埋め込むためのデータなどを記憶する記憶部460と接続される。記憶部460は、デバイス400の内部に備えられてもよい。
【0018】
デバイス400は、例えば、PC451およびスマートフォン452である。デバイス400は、上記のWebサービスのうち、主に(F3)帳票生成機能、および、(F4)帳票出力機能を実行するために使用される。
【0019】
なお、ユーザが使用する装置(PC300、デバイス400)は、通信機能を備えた装置であれば、上記に限られない。ユーザが使用する装置は、例えば、ノートPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0020】
帳票の出力先となる複数の出力装置は、例えば、プロジェクタ601、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、画像形成装置603、通信装置604、および、FAX受信機605である。帳票の出力先となる出力装置は、これらに限られない。なお通信装置604は、メールの送信先となる装置である。メールを送信するメールサーバなどの装置が出力装置に相当すると解釈することもできる。
【0021】
図2は、サーバ500、PC300およびPC451のハードウェア構成図である。ここでは、サーバ500を例にハードウェア構成について説明するが、他の装置についても同様のハードウェア構成とすることができる。
【0022】
図2に示されているように、サーバ500は、コンピュータによって構築されており、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0023】
これらのうち、CPU501は、サーバ500全体の動作を制御する。ROM502は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御に従ってHD504に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、または画像等の各種情報を表示する。
【0024】
外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、プリンタ等である。ネットワークI/F509は、ネットワーク50を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。データバス510は、
図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0025】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択および実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。
【0026】
図3は、スマートフォン452のハードウェア構成図である。
図3に示されているように、スマートフォン452は、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)404、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405、撮像素子I/F406、加速度・方位センサ407、メディアI/F409、GPS(Global Positioning System)受信部411を備えている。
【0027】
これらのうち、CPU401は、スマートフォン452全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401やIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出しまたは書き込みを行う。CMOSセンサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ407は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、フラッシュメモリ等の記録メディア408に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部411は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0028】
また、スマートフォン452は、遠距離通信回路412、遠距離通信回路412のアンテナ412a、CMOSセンサ413、撮像素子I/F414、マイク415、スピーカ416、音入出力I/F417、ディスプレイ418、外部機器接続I/F419、近距離通信回路420、近距離通信回路420のアンテナ420a、および、タッチパネル421を備えている。
【0029】
これらのうち、遠距離通信回路412は、ネットワーク50を介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ413は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F414は、CMOSセンサ413の駆動を制御する回路である。マイク415は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ416は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F417は、CPU401の制御に従ってマイク415およびスピーカ416との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ418は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F419は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路420は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル421は、利用者がディスプレイ418を押下することで、スマートフォン452を操作する入力手段の一種である。
【0030】
また、スマートフォン452は、バスライン410を備えている。バスライン410は、
図3に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0031】
図4は、サーバ500およびPC300の機能構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、PC300は、通信制御部301と、出力制御部302と、表示部311と、を備えている。
【0032】
表示部311は、各種情報を表示するための表示装置であり、例えば
図2のディスプレイ506に相当する。
【0033】
通信制御部301は、サーバ500などの外部装置との間の通信を制御する。例えば通信制御部301は、テンプレートデータを登録する要求およびテンプレートデータを編集する要求をサーバ500に送信する機能、並びに、要求に応じてサーバ500から提供されるWebサービスに関する情報を受信する機能を有する。
【0034】
出力制御部302は、表示部311に対する各種情報の出力を制御する。例えば出力制御部302は、Webサービスにより提供される各種画面の表示を制御する。
【0035】
サーバ500は、通信制御部101と、記憶制御部102と、帳票生成部103と、出力制御部104と、編集部110と、を備えている。
【0036】
通信制御部101は、PC300およびデバイス400などの外部装置との間の通信を制御する。例えば通信制御部101は、PC300から、テンプレートデータを登録する要求およびテンプレートデータを編集する要求を受信する。また通信制御部101は、デバイス400から、帳票データを生成する要求、および、生成した帳票データを出力する要求を受信する。また、通信制御部101は、各要求に対する応答を要求元の装置に送信する。
【0037】
記憶制御部102は、記憶部520に対する各種情報の記憶を制御する。例えば記憶制御部102は、登録が要求されたテンプレートデータを記憶部520に記憶する。記憶制御部102は、編集部110(後述する設定部111)により設定された複数の領域と、複数のデータとの対応を示す対応情報を記憶部520に記憶する。複数のデータは、例えば、複数の領域それぞれに対してユーザ(利用者など)により指定される。
【0038】
帳票生成部103は、帳票データを生成する要求が受信されたときに、要求に応じて帳票データを生成する。例えば帳票生成部103は、設定された複数の領域に対して、複数のデータのうち対応するデータを埋め込んだ帳票データを生成する。
【0039】
出力制御部104は、Webサービスによる各種情報の出力を制御する。例えば出力制御部104は、Webサービスが提供する各種画面を表示するための情報を、PC300およびデバイス400などの装置に出力する。
【0040】
編集部110は、上記の(F2)編集機能を実行するための構成部である。編集部110は、設定部111と、認識部112と、を備える。
【0041】
設定部111は、テンプレートデータ内に、選択肢から選択される複数のデータをそれぞれ埋め込む複数の領域(埋め込み領域)を設定する。設定部111は、ユーザ(管理者)により指定された複数の領域を設定してもよいし、後述するように認識部112により認識された区切り情報により区切られる複数の領域を設定してもよい。
【0042】
なお、設定部111は、テンプレートデータに文字列形式のデータを埋め込むための領域をさらに設定してもよい。
【0043】
認識部112は、テンプレートデータに対する認識処理(文字認識処理)を実行する。例えば認識部112は、区切り情報を認識することが指定された場合に、指定された区切り情報をテンプレートデータから認識する。区切り情報は、帳票の中で選択肢として選択されうる複数のデータを区切るための情報である。区切り情報は、例えば文字列(区切り文字)である。区切り情報が認識された位置を領域間の境界とすることにより、選択肢形式のデータを埋め込むための複数の埋め込み領域の位置を決定することができる。
【0044】
区切り情報は、例えば指定画面によりユーザにより指定される。例えば出力制御部104は、区切り情報を認識することが指定された場合に、区切り情報を指定するための指定画面を出力する。ユーザは、この指定画面により区切り情報を指定することができる。
【0045】
認識部112は、さらに、埋め込み領域に埋め込むためのデータ、すなわち、複数の埋め込み領域に対応するデータをテンプレートデータから認識してもよい。
【0046】
次に、テンプレートデータの編集処理について説明する。
図5は、帳票の例を示す図である。
【0047】
図5に示す帳票は、「事業所名」および「サービスの種類」などのように、文字列形式のデータを埋め込むことができる項目を含む。このような項目については、例えば従来技術と同様の方法により、別途入手されたデータを埋め込んで帳票データを生成することができる。
【0048】
一方、
図5に示す帳票は、「介護度」および「性別」のように選択肢形式の項目をさらに含む。これらの項目は、「〇をつける」ことにより選択する形式となっている。このため、文字列形式のデータを埋め込む方法が適用できない。すなわち、帳票データを生成するためには、例えば、帳票データを印刷した帳票を得た後、この帳票に対して手書きで「〇」を追記する必要が生じうる。
【0049】
そこで本実施形態では、文字列形式の項目に加えて、選択肢形式の項目についてもデータを埋め込み可能にする。
図6は、編集処理の全体の流れの例を示すシーケンス図である。
【0050】
PC300(出力制御部302)は、例えば管理者による指示に応じて、Webサービスを利用するためのブラウザを起動して表示部311に表示する(ステップS101)。PC300(通信制御部301)は、Webサービスの管理者用の画面(管理者画面)へのアクセス要求をサーバ500に送信する(ステップS102)。サーバ500(出力制御部104)は、アクセス要求に応じて管理者画面を表示するための表示情報をPC300に送信する(ステップS103)。
【0051】
管理者画面では、例えば、上記の(F1)および(F2)の機能の実行が指定できる。また(F2)の編集機能では、例えば、編集の対象とするテンプレートデータを選択するための登録済テンプレート一覧画面の表示を要求することができる。管理者により登録済テンプレート一覧画面の表示が指定された場合、PC300(通信制御部301)は、登録済テンプレート一覧画面の表示要求をサーバ500に送信する(ステップS104)。
【0052】
サーバ500(出力制御部104)は、要求に応じて登録済のテンプレートデータを一覧形式で表示する登録済テンプレート一覧画面を表示するための表示情報を生成し、通信制御部101を介してPC300に送信する(ステップS105)。
【0053】
図7は、登録済テンプレート一覧画面の例を示す図である。管理者は、このような登録済テンプレート一覧画面を用いて、編集の対象とするテンプレートデータを選択することができる。以下では、「事故報告書.pdf」が選択された場合を例に説明する。「事故報告書.pdf」は、例えば
図5に示すような形式の帳票の帳票データである。
【0054】
管理者が編集の対象とするテンプレートデータを選択すると、PC300(通信制御部301)は、選択されたテンプレートデータを編集する要求をサーバ500に送信する(ステップS106)。
【0055】
サーバ500(出力制御部104)は、要求に応じてテンプレートデータを編集する編集画面を表示するための表示情報をPC300に送信する(ステップS107)。PC300(編集部110)は、編集画面を用いて埋め込み領域を設定する領域設定処理を実行する(ステップS108)。編集画面および領域設定処理の詳細は後述する。
【0056】
領域設定処理の後、PC300(通信制御部301)は、編集したテンプレートデータを記憶する要求をサーバ500に送信する(ステップS109)。サーバ500(通信制御部101)は、例えば記憶制御部102によるテンプレートデータの記憶処理の結果を、PC300に送信する(ステップS110)。
【0057】
図8は、領域設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【0058】
設定部111は、例えば管理者により編集の対象として指定された項目を取得する(ステップS201)。設定部111は、取得された項目が選択肢形式の項目か否かを判断する(ステップS202)。選択肢形式の項目でない場合、すなわち、文字列形式の項目である場合(ステップS202:No)、設定部111は、文字列形式の項目に対する埋め込み領域を設定する(ステップS203)。例えば設定部111は、管理者により指定された位置に埋め込み領域を設定する。
【0059】
選択肢形式の項目である場合(ステップS202:Yes)、設定部111は、区切り文字の認識が指定されたか否かを判断する(ステップS204)。区切り文字の認識の指定は、例えばOCR(Optical Character Recognition)の機能を使用して区切り文字を認識し、認識した区切り文字により埋め込み領域を設定することを指定することに相当する。
【0060】
区切り文字の認識が指定された場合(ステップS204:Yes)、認識部112は、テンプレートデータから区切り文字を認識する(ステップS205)。設定部111は、認識された区切り文字に従いデータの埋め込み領域を設定する(ステップS206)。例えば設定部111は、区切り情報が認識された位置を領域間の境界とすることにより、複数の埋め込み領域の位置を決定し、決定した位置に埋め込み領域を設定する。
【0061】
区切り文字の認識結果に基づき設定された埋め込み領域は、そのまま使用されてもよいし、管理者によりさらに編集可能とされてもよい。埋め込み領域の編集が指定された場合、設定部111は、例えば、管理者による指定に従い、埋め込み領域の位置およびサイズなどを調整する(ステップS207)。
【0062】
ステップS204で区切り文字の認識が指定されなかった場合(ステップS204:No)、設定部111は、管理者の指定に従い、埋め込み領域を設定する(ステップS208)。
【0063】
ステップS203、ステップS207およびステップS208の後、設定部111は、処理を終了するか否かを判断する(ステップS209)。例えば管理者により編集の終了が指定された場合に、設定部111は、処理を終了すると判断する(ステップS209:Yes)。処理を終了しない場合(ステップS209:No)、設定部111は、ステップS201に戻り、次に指定された項目に対して処理を繰り返す。
【0064】
次に、編集画面、および、編集画面を用いた編集処理の具体例について説明する。
図9~
図19は、編集画面の例を示す図である。
【0065】
図9の領域901~904は、文字列形式の項目に対して設定済の埋め込み領域を表す。表示欄910は、設定済の埋め込み領域を表示するための欄である。このような帳票データに対して、例えば、「介護度」、「性別」などの選択肢形式の項目に対する埋め込み領域がさらに設定できる。また、「年齢」、「保険者」などの、別の文字列形式の項目に対する埋め込み領域がさらに設定できる。
【0066】
なお、文字列形式の項目(例えば「A 事故報告/事業所名」)については、管理者は、編集画面を用いて、表示形式の確認、並びに、埋め込み領域の位置およびサイズの調整などを行うことができる。例えば、管理者は、埋め込み領域をドラッグ&ドロップすることにより、所望の位置に配置することができる。
【0067】
以下、選択肢形式の項目に対する埋め込み領域の設定方法について主に説明する。例えば管理者は、編集画面内のテンプレートデータの任意の位置で左クリックを行う。この位置に予め定められたサイズの埋め込み領域(図の例では矩形)がテンプレートデータ上に表示される。
図10は、追加された埋め込み領域1001を含む編集画面の例を示す図である。
【0068】
図10に示すように、表示欄910には、追加された埋め込み領域に対応する情報1002が追加される。「A field 9」は、デフォルトで付与される埋め込み領域の名称であり、変更可能である。なお「A」は項目の形式が文字列形式であることを示す情報であるが、形式についても変更可能である。編集画面の右には、追加された埋め込み領域に関する情報を表示する表示欄1020が表示される。
【0069】
図11に示すように表示欄1020内の項目名欄1101では、埋め込み領域に対応づけることができるデータの項目が指定できる。例えば管理者は、項目名欄に表示される項目から、生成する埋め込み領域に対応づける(紐づける)項目を選択する。管理者は、「介護度」に対する埋め込み領域を生成するために、「事故報告/介護度」を選択したものとする。
【0070】
図12に示すように、表示欄910内の「A field 9」は、選択された項目名に応じて「A 介護度」に変更される。また、埋め込み領域1201および対応する情報1202の表記も変更される。また、介護度は選択肢形式の項目であるため、選択できる複数のデータ(選択肢)を指定可能な選択肢欄1203が表示される。介護度としては、「支援」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」のいずれかが選択肢として選択できる。従って、選択肢欄1203では、これらの6つの選択肢が指定可能である。
【0071】
選択肢形式の項目については、選択肢の数だけ埋め込み領域を生成し、埋め込み領域と選択肢を表すデータとを対応づける必要がある。対応づけには、以下の2つの方法が存在する。
(M1)管理者による対応づけ:管理者が選択肢の埋め込み領域を個別に生成して配置する。
(M2)認識機能(文字認識)を利用した対応づけ:サーバ500が、管理者により指定された区切り文字を用いた認識機能により、選択肢の個数を特定し、選択肢の個数分の埋め込み領域を生成する。生成した埋め込み領域のサイズおよび位置などについての細かい調整は管理者が実施する。
【0072】
まず(M1)管理者による対応づけについて説明する。「介護度」は選択肢に「〇」をつける項目であるが、
図12に示す例では、表示形式として「A」(=文字列形式)が選択されている。そこで、
図13に示すように、管理者は、図形を示すアイコン1302に表示形式を変更する。また管理者は、図形の形状を指定するため、円形を示すアイコン1303を選択する。これにより、埋め込み領域1301の形状が円形に変更される。
【0073】
管理者は、埋め込み領域のサイズおよび位置などを調整することができる。
図14は、「介護度」に対する選択肢の1つである「支援」が出力されている帳票データ上の位置に、埋め込み領域1401が移動された例を示す。管理者は、このような操作を選択肢の個数分、繰り返す。
【0074】
次に(M2)認識機能(文字認識)を利用した対応づけについて説明する。
図15は、(M2)を実行可能な場合の編集画面の例を示す。
図15に示すように、編集画面は、認識機能(OCR)の有効/無効を選択できるチェックボックス1501をさらに含む。
【0075】
管理者は、認識機能を有効にする場合はチェックボックス1501にチェックを入れる。
図16に示すように、有効が指定された場合、文字認識に使用する区切り文字を入力するためのテキストボックス1601が表示される。例えば「介護度」は選択肢が「・」で区切られているため、管理者は、テキストボックス1601に区切り文字として「・」を入力する。
【0076】
図17は、テキストボックス1601に区切り文字が入力された編集画面の例を示す。区切り文字が指定されると、認識部112は、指定された区切り文字を認識する。例えば認識部112は、管理者により指定された認識範囲(例えば「介護度」の右側の領域)を対象として、テンプレートデータから区切り文字を認識する。
【0077】
設定部111は、区切り情報が認識された位置を領域間の境界とすることにより、選択肢の個数分の複数の埋め込み領域の位置を決定し、決定した位置に埋め込み領域を設定する。
図17の例では、介護度に対する6つの選択肢「支援」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」にそれぞれ対応する6つの埋め込み領域1701が設定される。
【0078】
この後、必要に応じて管理者は埋め込み領域のサイズなどを調整することができる。例えば、「介護度」は選択肢に「〇」をつける項目であるが、
図17に示す例では、表示形式として「A」(=文字列形式)が選択されている。そこで、
図18に示すように、管理者は、図形を示すアイコン1801に表示形式を変更する。また管理者は、図形の形状を指定するため、円形を示すアイコン1802を選択する。これにより、埋め込み領域1803の形状が円形に変更される。
【0079】
管理者は、このような操作を選択肢の個数分、繰り返す。
図19は、介護度に対する6つの選択肢について調整された後の埋め込み領域1901、および、対応する情報1902を含む編集画面の例である。
【0080】
以上のような対応づけにより、各選択肢がいずれの埋め込み領域に対応づくかを表現することが可能になる。表1は、選択肢(データ)と埋め込み領域との対応を示す対応情報の例を示す図である。
【表1】
【0081】
図20は、帳票に含まれるすべての項目について埋め込み領域を設定したときの編集画面の例である。編集後のテンプレートデータは、管理者の指示に応じて記憶部520に記憶される(
図6のステップS109)。記憶されたテンプレートデータは、デバイス400を利用する利用者により利用可能となる。
【0082】
例えばデバイス400の利用者は、上記の(F3)帳票生成機能により、テンプレートデータに対して各データを埋め込んだ帳票データを生成することが可能となる。帳票生成機能では、文字列形式の項目、および、選択肢形式の項目の両方のデータが埋めこまれた帳票データを生成できる。
【0083】
図21は、このようにして生成された帳票データの例を示す図である。
図21は、「介護度」として「1」が埋め込まれ、「性別」として「男」が埋め込まれた帳票データの例である。
【0084】
上記で説明した実施形態の各機能は、一または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0085】
本実施形態の各装置(サーバ、PC)で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0086】
また、本実施形態の装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0087】
また、本実施形態のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0088】
本実施形態の装置で実行されるプログラムは、上述した各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0089】
10 情報処理システム
50 ネットワーク
101 通信制御部
102 記憶制御部
103 帳票生成部
104 出力制御部
110 編集部
111 設定部
112 認識部
300 PC
301 通信制御部
302 出力制御部
311 表示部
400 デバイス
451 PC
452 スマートフォン
460 記憶部
500 サーバ
520 記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0090】