(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134299
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】実装装置、検査装置、素子組立方法および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
H01L21/52 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039756
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】515085901
【氏名又は名称】ファスフォードテクノロジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小橋 英晴
【テーマコード(参考)】
5F047
【Fターム(参考)】
5F047AA11
5F047BA21
5F047BB11
5F047FA02
5F047FA04
5F047FA08
5F047FA14
5F047FA22
5F047FA32
5F047FA35
5F047FA72
5F047FA77
5F047FA79
(57)【要約】
【課題】接合材料の検査の精度を向上させるための技術を提供することにある。
【解決手段】実装装置は、鏡面反射面を有する接合材料に向けられる撮像装置と、前記接合材料の上方に設けられる光源を有する照明装置と、前記光源の照射位置を変えて前記撮像装置が前記接合材料を撮影して得た複数の画像に基づいて前記接合材料を検査するよう構成される制御装置と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡面反射面を有する接合材料に向けられる撮像装置と、
前記接合材料の上方に設けられる光源を有する照明装置と、
前記光源の照射位置を変えて前記撮像装置が前記接合材料を撮影して得た複数の画像に基づいて前記接合材料を検査するよう構成される制御装置と、
を備える実装装置。
【請求項2】
請求項1の実装装置において、
前記制御装置は、
前記光源からの照射光の前記接合材料の表面における反射点である輝点が撮影された前記複数の画像に基づいて、画像内の複数の輝点位置を算出し、
前記画像内の複数の輝点位置に基づいて空間上の複数の輝点位置を算出し、
前記空間上の輝点位置に基づいて前記接合材料の形状を算出するよう構成される実装装置。
【請求項3】
請求項2の実装装置において、
前記制御装置は、前記画像内の輝点位置、前記光源の位置および前記撮像装置の位置に基づいて前記空間上の輝点位置を算出するよう構成される実装装置。
【請求項4】
請求項3の実装装置において、
前記制御装置は、
前記画像内の輝点位置、前記光源の位置および前記撮像装置の位置に基づいて前記画像内の輝点位置における前記接合材料の表面の法線方向を算出し、
前記法線方向に基づいて前記画像内の輝点位置における前記接合材料の表面の接線方向を算出し、
前記画像内の輝点位置と前記接線方向に基づいて前記空間上の輝点位置を算出し、
前記接線方向および前記空間上の輝点位置に基づいて前記接合材料の形状を算出するよう構成される実装装置。
【請求項5】
請求項4の実装装置において、
前記制御装置は、前記光源を動かすことにより前記照射位置を変えるよう構成される実装装置。
【請求項6】
請求項5の実装装置において、
前記制御装置は、前記輝点が前記接合材料の輪郭面と接触する位置を検索するよう構成される実装装置。
【請求項7】
請求項4の実装装置において、
前記制御装置は、前記接合材料の最も外側に形成される輝点の高さまたは前記接合材料の境界点の輝点位置における前記接合材料の表面の接線方向を所定値に仮決めするよう構成される実装装置。
【請求項8】
請求項1の実装装置において、
前記照明装置は、個別に点灯および消灯が可能な複数の光源を有し、
前記制御装置は、前記複数の光源を点灯および消灯することにより、前記照射位置を変えるよう構成される実装装置。
【請求項9】
鏡面反射面を有する接合材料に向けられる撮像装置と、
前記接合材料の上方に設けられる光源を有する照明装置と、
前記光源の照射位置を変えて前記撮像装置が前記接合材料を撮影して得た複数の画像に基づいて前記接合材料を検査するよう構成される制御装置と、
を備える検査装置。
【請求項10】
鏡面反射面を有する接合材料に向けられる撮像装置と、前記接合材料の上方に設けられる光源を有する照明装置と、を備える実装装置に基板を搬入する工程と、
前記基板に前記接合材料を塗布する工程と、
前記光源の照射位置を変えて前記撮像装置が前記接合材料を撮影して得た複数の画像に基づいて前記接合材料を検査する工程と、
前記基板に前記接合材料を介して素子をアタッチする工程と、
を有する素子組立方法。
【請求項11】
はんだまたはペーストである接合材料に向けられる撮像装置と、前記接合材料の上方に設けられる光源を有する照明装置と、を備える実装装置に基板を搬入する工程と、
前記基板に前記接合材料を塗布する工程と、
前記光源の照射位置を変えて前記撮像装置が前記接合材料を撮影して得た複数の画像に基づいて前記接合材料を検査する工程と、
前記基板に前記接合材料を介してダイをボンドする工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は実装装置に関し、例えば、ペーストを接合材料とするダイボンダに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
ダイボンダ等の実装装置は、接合材料を用いて、例えば、素子を基板または素子の上にアタッチする(取り付ける)装置である。接合材料は、例えば、樹脂ペーストやはんだ等である。樹脂ペーストは液体状の接着剤であり、例えば、銀エポキシや銀アクリル等の銀ペーストである。以下、樹脂ペーストを単にペーストという。素子は、例えば、半導体チップ(以下、ダイという。)やMEMS(Micro Electro Mechanical System)等である。基板は、例えば、配線基板や金属薄板で形成されるリードフレーム、ガラス基板等である。
【0003】
例えば、カメラおよび照明装置を用いて取得した画像に基づいて、ペーストが塗布される基板の位置を確認して位置決めが行われたり、基板に塗布されたペーストが所定位置に所定の形状で所定量だけ塗布されているかが確認されたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、接合材料の検査の精度を向上させるための技術を提供することにある。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、実装装置は、鏡面反射面を有する接合材料に向けられる撮像装置と、前記接合材料の上方に設けられる光源を有する照明装置と、前記光源の照射位置を変えて前記撮像装置が前記接合材料を撮影して得た複数の画像に基づいて前記接合材料を検査するよう構成される制御装置と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、接合材料の検査の精度を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は実施形態におけるダイボンダの概略を示す上面図である。
【
図2】
図2は
図1において矢印A方向から見たときの概略構成を説明する図である。
【
図3】
図3は
図1に示すダイボンダの制御系の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は
図1に示すダイボンダを用いた半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は実施形態におけるプリフォームカメラ、照明装置および基板に塗布されたペーストを示す図である。
【
図6】
図6(a)から
図6(c)は
図5に示す照明装置の一つの光源のみが点灯された場合のペーストの画像を示す図である。
【
図7】
図7(a)はプリフォームカメラ、光源およびペーストの位置関係を示す図である。
図7(b)はプリフォームカメラの視野内における輝点位置を示す図である。
【
図8】
図8はプリフォームカメラの視野内における輝点位置を示す図である。
【
図9】
図9は平面上の輝点の座標とその接線方向に基づいて輝点のZ位置を算出する方法を説明するための図である。
【
図10】
図10(a)は光源と輝点の相関性がある場合の画像を示す図である。
図10(b)は光源と輝点の相関性が少ない場合の画像を示す図である。
図10(c)はペーストの形状が複雑な場合の画像を示す図である。
【
図11】
図11は塗布されたペーストの側面およびその上面画像を示す図である。
【
図12】
図12はペーストのはみ出しと這い上がりを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。
【0010】
実装装置の一態様としての実施形態におけるダイボンダの構成について
図1および
図2を用いて説明する。
【0011】
ダイボンダ10は、大別して、基板Sに実装するダイDを供給するダイ供給部1と、ピックアップ部2と、中間ステージ部3と、プリフォーム部9と、ボンディング部4と、搬送部5と、基板供給部6と、基板搬出部7と、各部の動作を監視し制御する制御部(制御装置)8と、を有する。Y軸方向がダイボンダ10の前後方向であり、X軸方向が左右方向である。ダイ供給部1がダイボンダ10の手前側に配置され、ボンディング部4が奥側に配置される。ここで、基板Sには、最終一パッケージとなる、複数の製品エリア(以下、アタッチメント領域Pという。)が形成されている。例えば、基板Sがリードフレームである場合、アタッチメント領域PはダイDが載置されるタブを有する。
【0012】
ダイ供給部1は、ウエハ11を保持するウエハ保持台12と、ウエハ11からダイDを剥離する点線で示す剥離ユニット13と、を有する。ウエハ保持台12は図示しない駆動手段によってXY方向に移動し、ピックアップするダイDを剥離ユニット13の位置に移動する。剥離ユニット13は図示しない駆動手段によって上下方向に移動する。ウエハ11はダイシングテープ16上に接着されており、複数のダイDに分割されている。ウエハ11が貼付されたダイシングテープ16は図示しないウエハリングに保持されている。
【0013】
ピックアップ部2は、ピックアップヘッド21と、Y駆動部23と、コレット22を昇降、回転及びX軸方向移動させる図示しない各駆動部と、ウエハ認識カメラ24と、を有する。ピックアップヘッド21は、剥離されたダイDを先端に吸着保持するコレット22を有し、ダイ供給部1からダイDをピックアップし、中間ステージ31に載置する。Y駆動部23はピックアップヘッド21をY軸方向に移動させる。ウエハ認識カメラ24はウエハ11からピックアップするダイDのピックアップ位置を把握する。
【0014】
中間ステージ部3は、ダイDを一時的に載置する中間ステージ31と、中間ステージ31上のダイDを認識する為のステージ認識カメラ32と、を有する。
【0015】
プリフォーム部9はシリンジ91と駆動部93と、撮像装置としてのプリフォームカメラ94と、プリフォームステージ96と、を有する。シリンジ91は搬送部5によりプリフォームステージ96に搬送されてきた基板Sにペーストを塗布する。駆動部93はシリンジ91をX軸方向、Y軸方向および上下方向に移動させる。プリフォームカメラ94はシリンジ91の塗布位置等を把握する。プリフォームステージ96はペーストを基板Sに塗布する際に上昇させられ、基板Sを下方から支える。プリフォームステージ96は基板Sを真空吸着するための吸着孔(不図示)を有し、基板Sを固定することが可能である。
【0016】
ボンディング部4は、ボンドヘッド41と、Y駆動部43と、基板認識カメラ44と、ボンドステージ46と、を有する。ボンドヘッド41はピックアップヘッド21と同様にダイDを先端に吸着保持するコレット42を有する。Y駆動部43はボンドヘッド41をY軸方向に移動させる。基板認識カメラ44は基板Sのアタッチメント領域Pの位置認識マーク(図示せず)を撮像し、ボンド位置を認識する。ボンドステージ46は、基板SにダイDが載置される際、上昇させられ、基板Sを下方から支える。ボンドステージ46は基板Sを真空吸着するための吸着孔(不図示)を有し、基板Sを固定することが可能である。このような構成によって、ボンドヘッド41は、ステージ認識カメラ32の撮像データに基づいてピックアップ位置・姿勢を補正し、中間ステージ31からダイDをピックアップする。そして、ボンドヘッド41は、基板認識カメラ44の撮像データに基づいて、搬送されてくる基板Sのペーストが塗布されたアタッチメント領域P上にダイDをボンド(載置して接着)する。
【0017】
搬送部5は、基板Sを掴み搬送する基板搬送爪51と、基板Sが移動する搬送路としての搬送レーン52と、を有する。基板Sは、搬送レーン52に設けられた基板搬送爪51の図示しないナットを搬送レーン52に沿って設けられた図示しないボールネジで駆動することによって移動する。このような構成によって、基板Sは、基板供給部6から搬送レーン52に沿って塗布位置を経由してボンド位置まで移動し、ボンド後、基板搬出部7まで移動して、基板搬出部7に基板Sを渡す。
【0018】
ダイボンダ10の制御系について
図3を用いて説明する。
【0019】
制御系80は制御部8と駆動部86と信号部87と光学系88とを備える。制御部8は、大別して、主としてCPU(Central Processing Unit)で構成される制御・演算装置81と、記憶装置82と、入出力装置83と、バスライン84と、電源部85とを有する。記憶装置82は、処理プログラムなどを記憶しているRAM(Random Access Memory)等で構成されている主記憶装置82aと、制御に必要な制御データや画像データ等を記憶しているHDD(Hard Disk Drive)等で構成されている補助記憶装置82bとを有する。入出力装置83は、装置状態や情報等を表示するモニタ83aと、オペレータの指示を入力するタッチパネル83bと、モニタを操作するマウス83cと、光学系88からの画像データを取り込む画像取込装置83dと、を有する。また、入出力装置83は、駆動部86と、駆動部86を制御するモータ制御装置83eと、信号部87から信号を取り込み又は制御するI/O信号制御装置83fとを有する。
【0020】
駆動部86には、ダイ供給部1のXYテーブル(図示せず)、
図1に示すピックアップヘッド21のZY駆動軸であるY駆動部23、シリンジ91のZY駆動軸である駆動部93およびボンドヘッド41のZY駆動軸であるY駆動部43等が含まれる。信号部87には、種々のセンサ信号や照明装置などの明るさを制御するスイッチやボリューム等が含まれる。光学系88には、
図1または
図2に示すウエハ認識カメラ24、プリフォームカメラ94、ステージ認識カメラ32、基板認識カメラ44が含まれる。制御・演算装置81はバスライン84を介して必要なデータを取込み、演算し、ボンドヘッド41等の制御や、モニタ83a等に情報を送る。
【0021】
制御部8は画像取込装置83dを介して光学系88で撮像した画像データを記憶装置82に保存する。保存した画像データに基づいてプログラムしたソフトウェアにより、制御・演算装置81を用いてダイDおよび基板Sの位置決め、ペースト状接着剤の塗布パターンの検査並びにダイDおよび基板Sの表面検査を行う。制御・演算装置81が算出したダイDおよび基板Sの位置に基づいてソフトウェアによりモータ制御装置83eを介して駆動部86を動かす。このプロセスによりウエハ11上のダイDの位置決めを行い、ダイ供給部1およびボンディング部4の駆動部で動作させダイDを基板S上にボンドする。光学系88で使用する認識カメラは光強度や色を数値化する。
【0022】
ダイボンダ10を用いた半導体装置の製造工程の一工程であるボンド工程(半導体装置の製造方法)について
図4を用いて説明する。以下の説明において、ダイボンダ10を構成する各部の動作は制御部8により制御される。
【0023】
(ウエハ搬入工程(工程S1))
ウエハリング(不図示)がダイボンダ10に搬入される。搬入されたウエハリングがダイ供給部1に供給される。ここで、ウエハリングにはウエハ11から分割されたダイDが貼付されたダイシングテープ16が保持されている。
【0024】
(基板搬入工程(工程S2))
基板Sが格納されたマガジン(不図示)がダイボンダ10に搬入される。搬入されたマガジンは基板供給部6に供給される。基板供給部6で基板Sが基板搬送爪51に固定される。
【0025】
(ピックアップ工程(工程S3))
工程S1後、所望するダイDをダイシングテープ16からピックアップできるようにウエハ保持台12が動かされる。ウエハ認識カメラ24によりダイDが撮影され、撮影により取得された画像データに基づいてダイDの位置決めおよび表面検査が行われる。
【0026】
位置決めされたダイDは剥離ユニット13およびピックアップヘッド21によりダイシングテープ16から剥離される。ダイシングテープ16から剥離されたダイDは、ピックアップヘッド21に設けられたコレット22に吸着、保持されて、中間ステージ31に搬送されて載置される。
【0027】
ステージ認識カメラ32により中間ステージ31の上のダイDが撮影され、撮影により取得された画像データに基づいてダイDの位置決めおよび表面検査が行われる。画像データが画像処理されることによって、ダイボンダ10のダイ位置基準点からの中間ステージ31上のダイDのずれ量(X、Y、θ方向)が算出されて位置決めが行われる。なお、ダイ位置基準点は、予め、中間ステージ31の所定の位置を装置の初期設定として保持されている。画像データが画像処理されることによって、ダイDの表面検査が行われる。
【0028】
ダイDを中間ステージ31に搬送したピックアップヘッド21はダイ供給部1に戻される。上述した手順に従って、次のダイDがダイシングテープ16から剥離され、以後同様の手順に従ってダイシングテープ16から1個ずつダイDが剥離される。
【0029】
(プリフォーム工程(工程S4))
S2工程後、搬送部5により基板Sがプリフォームステージ96に搬送される。プリフォームカメラ94により塗布前の基板Sの表面が撮影され、撮影により取得された画像データに基づいてペーストを塗布すべき面が確認される。塗布すべき面に問題なければ、プリフォームステージ96により支持された基板Sのペーストが塗布される位置が確認されて位置決めされる。位置決めはボンディング部4と同様にパターンマッチングなどで行われる。
【0030】
ペーストがシリンジ91の先端のノズルから射出され、ノズルの軌跡に従って塗布される。塗布したい形状に駆動部93によりXYZ軸でノズルが駆動され、ノズルの軌跡によって×印形状や十字形状など、自由な軌跡を描いて塗布(描画)される。なお、シリンジ91の先端にはノズル以外にスタンプヘッドを設けてもよい。
【0031】
プリフォームカメラ94により塗布されたペーストが撮影される。撮影によって取得された画像に基づいてペーストが正確に塗布されているかどうかが確認されて、塗布されたペーストの検査(外観検査)が行われる。すなわち、外観検査では、塗布されたペーストが所定位置に所定の形状で所定量だけ塗布されているかが確認される。検査内容は、例えば、ペーストの有無、塗布面積、塗布形状(不足、はみ出し)などである。検査は二値化処理にてペーストの領域を分離後に画素数を数える方法のほか、差分による比較、パターンマッチングによるスコアを比較する方法、輪郭抽出による形状判定などで行われる。
【0032】
(ボンド工程(工程S5))
塗布に問題なければ搬送部5により基板Sがボンドステージ46に搬送される。ボンドステージ46上に載置された基板Sが基板認識カメラ44により撮影され、撮影によって画像データが取得される。画像データが画像処理されることによって、ダイボンダ10の基板位置基準点からの基板Sのずれ量(X、Y、θ方向)が算出される。なお、基板位置基準点は、予め、ボンディング部4の所定の位置を装置の初期設定として保持されている。
【0033】
工程S3において算出された中間ステージ31上のダイDのずれ量からボンドヘッド41の吸着位置が補正されてダイDがコレット42により吸着される。中間ステージ31からダイDを吸着したボンドヘッド41によりボンドステージ46に支持された基板Sの所定箇所にダイDがボンドされる。基板認識カメラ44により基板SにボンドされたダイDが撮影され、撮影により取得された画像データに基づいてダイDが所望の位置にボンドされたかどうか等の検査が行われる。
【0034】
ダイDを基板Sにボンドしたボンドヘッド41は中間ステージ31に戻される。上述した手順に従って、次のダイDが中間ステージ31からピックアップされ、基板Sにボンドされる。これが繰り返されて基板Sのすべてのアタッチメント領域PにダイDがボンドされる。
【0035】
(基板搬出工程(工程S6))
ダイDがボンドされた基板Sが基板搬出部7に搬送される。基板搬出部7で基板搬送爪51からダイDがボンドされた基板Sが外されてマガジンに格納される。ダイボンダ10から基板Sが格納されたマガジンが搬出される。
【0036】
上述したように、ダイDは、基板S上に実装され、ダイボンダ10から搬出される。ダイDが実装された基板Sがワイヤボンディング工程に搬送され、ダイDの電極はAuワイヤ等を介して基板Sの電極と電気的に接続される。基板Sがモールド工程に搬送され、ダイDとAuワイヤとがモールド樹脂(図示せず)で封止されることによって、パッケージが完成する。
【0037】
プリフォームカメラ94によりペーストPAが撮影される際に用いられる照明装置について
図5を用いて説明する。
【0038】
プリフォームカメラ94は基板Sに塗布されたペーストPAの上方に設けられる。照明装置95はプリフォームカメラ94の下方であって、ペーストPAの上方に設けられる。プリフォームカメラ94、照明装置95および制御部8は接合材料量の検査装置を構成する。
【0039】
プリフォームカメラ94は、好ましくは、高速転送が可能なCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを用いたカメラ(CMOSカメラ)で構成される。プリフォームカメラ94は、より好ましくは、高感度である裏面照射型CMOSカメラで構成される。なお、本実施形態におけるプリフォームカメラ94はCMOSカメラに限定されるものではなく、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサを用いたカメラであってもよい。
【0040】
照明装置95は複数の光源95a~95lをドーム(半球状の球殻)状に配置して構成される。これにより、光源の多点化がなされる。各光源95a~95lは個別に点灯および消灯が可能である。
【0041】
光源95e~95hからの照射光のペーストPAへの入射角(プリフォームカメラ94の光学軸に対する角度)は、光源95a~95dからの照射光のペーストPAへの入射角よりも小さい。光源95i~95lからの照射光の入射角は、光源95e~95hからの照射光のペーストPAへの入射角よりも小さい。例えば、光源95a~95dは、同一水平面内に配置される。光源95e~95hは、光源95a~95dよりも上方の同一水平面に内に配置される。光源95i~95lは、光源95e~95hよりも上方の同一水平面内に配置される。
【0042】
光源95a~95lのそれぞれは、点光源である。光源95a~95lのそれぞれは、例えば、径が1mm程度以下、好ましくは、数百μm程度のファイバで出力されるLED(Light Emitting Diode)光源である。また、照明装置95は、例えば、LED(Light Emitting Diode)により構成される光源をドーム内面に複数設けて構成されるドーム照明であってもよい。この場合、LEDを個別にオン/オフすることにより、照明光の発光位置が変えられる。なお、光源の多点化は一つまたは複数の光源を移動することにより行ってもよい。例えば、複数の光源を移動する場合、照明装置95は、光源95a,95e,95iを備え、光源95a,95e,95iがそれぞれ同一平面内を移動するように構成されてもよい。
【0043】
制御部8は、照明装置95の各光源からの照射光が直接反射する位置(直接光の反射位置)を取得し、取得した直接光の反射位置から液体面であるペーストPAの形状を測定する。直接光の反射位置には輝点が形成される。光源の個数が多ければ多いほど、高分解能で測定できる。
【0044】
【0045】
(撮影)
図6(a)には光源95aのみが点灯された場合の画像が示され、
図6(b)は光源95bのみが点灯された場合の画像が示され、
図6(c)には光源95cのみが点灯された場合の画像が示されている。
【0046】
図6(a)から
図6(c)に示すように、制御部8は光源95a,95b,95cを1点ずつ点灯させ、プリフォームカメラ94によりペーストPAの表面で直接反射して形成された輝点BS1,BS2,BS3を光源毎に撮影する。光源95d~95lについても1点ずつ点灯され、ペーストPAが撮影される。ここで、図面では、ペーストPAは黒く、輝点BS1,BS2,BS3は白く示されている。
【0047】
(輝点中心の算出)
図6(a)から
図6(c)に示すように、輝点BS1,BS2,BS3は点ではなく楕円形状等の広がりを有する形状であるので、制御部8は各画像において輝点の中心(輝点中心)を算出する。算出した輝点中心を輝点位置とする。輝点中心の決定方法については単純な領域中心(上下または左右の限界点の中心)の他、形状の変形具合に合わせて重心、最大光度点、最大内接円の中心点などであってもよい。
【0048】
なお、輝点ができるだけ点に近づくよう光源の発光面面積はできるだけ小さくするのが望ましい。言い換えると、輝点が形成される直接光の反射位置から見て光源の視野角ができるだけ小さいことが望ましい。また、光源はできる限り明るくすることが望ましい。輝点中心の算出は撮影の都度、行うのではなく、すべての撮影後にまとめて行ってもよい。
【0049】
(ペーストの形状算出)
制御部8は算出した二次元の画像内の輝点中心(輝点位置)から三次元の空間上の反射点を算出してペーストの形状を得る。説明が複雑にならないようにするため、以下、光源がX軸上に位置する例について説明する。
【0050】
輝点が形成される反射面の角度の算出方法について
図7(a)および
図7(b)を用いて説明する。
【0051】
ペーストPAから見てプリフォームカメラ94は常に同じ方向にあるとみなすことができるように、プリフォームカメラ94はペーストPAから十分離れた位置にある。言い換えると、プリフォームカメラ94とペーストPAとの間の距離(撮影距離)は、ペーストPAの大きさに対して十分大きい。例えば、撮影距離は100mm程度であり、ペースト幅は0.3~10mm程度である。
図7(a)では便宜上、プリフォームカメラ94がペーストPAの直上にあるものとしているが、プリフォームカメラ94の方向は必ずしもペーストPAの直上でなくてもよい。撮影対象のペースト全域で一定の方向にあると近似できればよい。
【0052】
図5に示す光源95a~95lの一つを光源LSとして説明する。光源LSは点光源で有りペーストPAからの距離は十分に長いので平行光源と見なされる。光源LSからの照射光は基板Sの表面におけるプリフォームカメラ94の視野の中心Oに向かう。視野中心Oからの光源LSの位置およびプリフォームカメラ94の位置は既知である。光源LSは平行光であるので、照射光の進行方向は既知である。また、ペーストPAにおける反射光の進行方向は鉛直方向であり既知である。すなわち、中心Oを始点、光源LSの位置を終点とするベクトルと、中心Oを始点、プリフォームカメラ94の位置を終点とするベクトルと、は既知である。よって、光源LSの照射光と反射光のなす角度(θ)は二つのベクトルのなす角度であるので算出され得る。
【0053】
光源LSにより輝点BSが形成される反射面の角度(反射面の法線方向)をφとすると、反射の法則によりθから算出され得る。すなわち、φ=θ/2である。算出されたφは鉛直方向と成す角度であると共に、反射面の接線TDの方向(接触面方向)とX方向(水平面)との成す角度(接線TDの傾き)である。
【0054】
図7(b)に示すように、光源LSにより形成された輝点BSのプリフォームカメラ94の視野CVの中心Oからの輝点位置をX
BSとすると、X
BSはプリフォームカメラ94により撮影された画像から算出され得る。
【0055】
次に、輝点のZ方向の位置(Z位置、高さ)の算出方法について
図8および
図9を用いて説明する。
【0056】
図8に示すように、四つの輝点BSa,BSb,BSc,BSdが形成される場合について説明する。四つの輝点BSa,BSb,BSc,BSdのプリフォームカメラ94の視野CVの中心Oからの輝点位置をXa,Xb,Xc,Xdとする。
【0057】
図9に示すように、輝点BSaが形成される位置および輝点BSaが形成される反射面の接線TDaをX軸上に配置する。同様に、輝点BSbが形成される位置および輝点BSbが形成される反射面の接線TDbをX軸上に配置し、輝点BScが形成される位置および輝点BScが形成される反射面の接線TDcをX軸上に配置し、輝点BSdが形成される位置および輝点BSdが形成される反射面の接線TDdをX軸上に配置する。ここで、接線TDa,TDb,TDc,TDdの傾きをそれぞれφa,φb,φc,φdとすると、φa<φb<φc<φdである。通常、ペーストは中心または中心線から離れるに従って表面の基板に対する傾きは大きくなる。
【0058】
隣接する輝点BSa,BSbの二つの接線TDa,TDbの交点IPaが二つの輝点BSa,BSbの中間点CPaに位置するように輝点BSa,BSbおよび接線TDa,TDbのZ位置を配置する。ここで、中間点CPaは視野中心Oから|Xa+(Xb-Xa)/2|の距離に位置する。
【0059】
二つの接線TDb,TDcの交点IPbが二つの輝点BSb,BScの中間点CPbに位置するように輝点BSb,BScおよび接線TDb,TDcのZ位置を配置する。ここで、中間点CPbは視野中心Oから|Xb+(Xc-Xb)/2|の距離に位置する。
【0060】
二つの接線TDc,TDdの交点IPcが二つの輝点BSc,BSdの中間点CPcに位置するように輝点BSc,BSdおよび接線TDc,TDdのZ位置を配置する。ここで、中間点CPcは視野中心Oから|Xc+(Xd-Xc)/2|の距離に位置する。
【0061】
これにより、交点IPa~IPcおよび輝点BSa~BSdのZ位置を決めることができるので、それぞれの交点IPa~IPcおよび輝点BSa~BSdを結ぶ多角形からペーストの形状(体積)が近似的に算出され得る。なお、上述した補間方法は一例で有って、例えばスプライン補間やラグランジュ補間など他の方法を用いても良い。
【0062】
一番外側の輝点のZ位値は各輝点全体にかかるオフセット値となり得る。ダイボンダとしては相対量の監視ができればよいため、例えば、
図8に示すように、一番外側の輝点BSdのZ位値を0としてもよいし、Z位値を0以外の所定値にしてもよい。すなわち、一番外側の輝点のZ位値は仮決めでよい。また、ペーストの境界点の反射面を一定の角度(垂直かそれに近い値など)に仮決めしてもよい。
【0063】
光源LSを基板表面が含まれる水平面に近づける方向に動かして、輝点がペースト輪郭面と接触する(輝点が撮影可能な最大のφ)位置を検索するようにしてもよい。これにより、一番外側の輝点の高さを0に近似できるので、ペーストの絶対量測定が可能になる。
【0064】
本実施形態をより明確にするため、いくつかの比較例について説明する。
【0065】
(第一比較例)
第一比較例について
図10(a)、
図10(b)および
図10(c)を用いて説明する。
【0066】
図5に示す照明装置において、光源95a~95lをすべて点灯して複数の輝点を形成することが考えられる。これを第一比較例という。第一比較例では、
図10(a)に示すように、あらかじめ、各光源の反射位置である輝点がおおよそ予想できる場合は良い。ここで、輝点BS1は光源95aにより形成される輝点であり、輝点BS2は光源95bにより形成される輝点であり、輝点BS3は光源95cにより形成される輝点であり、輝点BS4は光源95dにより形成される輝点である。
【0067】
しかし、
図10(b)に示すように、測定したい被写体の形状が安定しない場合は白く示されている輝点の位置には規則性(光源との相関性)がなく、どの輝点がどの光源に相当するのか判別が難しくなり、測定できなくなる。
【0068】
また、
図10(c)に示すように、ペーストの形状が複雑な場合、一つの光源に対して生じる輝点が一つとは限らず、光源の多点化は光源と輝点との組み合わせ判別がさらに難しくなる。
【0069】
実施形態では、各光源の点灯を個別に行い、都度撮影することで、光源と輝点の相関性を保つことができる。
【0070】
(第二比較例)
第一比較例の上述した問題を解決するために、光源ごとの波長を変え、色識別できるカメラを設置することで、光源と輝点の相関性を確保することが考えられる。これを第二比較例という。第二比較例は色分けした場合の色数に限界があるため、多点化光源の点数に上限ができてしまう。また、第二比較例では、被写体の分光反射特性(反射スペクトル)の影響を受けてしまうことで、色付きの液体の色によっては使用できない場合がある。
【0071】
実施形態では、各光源の点灯を個別に行い、都度撮影することで、光源と輝点の相関性を保つことができる。これにより、光源ごとの波長を変える必要がないので、上述した第二比較例の問題がない。
【0072】
(第三比較例)
第三比較例について
図11および
図12を用いて説明する。
【0073】
ペーストの上方に設けられるカメラ(上方カメラ)を用いて、ペーストを撮影してその面積を測定することにより、ペーストの塗布量を検査する方法が考えられる。これを第三比較例という。しかし、上方カメラからの撮影では単純に塗布面積しかわからない。例えば、ペーストは温度によって粘度が異なり、その結果表面張力が異なる。したがって、
図11の側面図に示すように、ペーストPAと基板Sのなす角度(接触角)に違いがあっても、
図11の画像に示すように、塗布面積が同じになり得る。言い換えると、同じ塗布面積でも表面張力などによる盛り上がり状態の違いにより、塗布量(体積または質量)は異なり一定ではない。
【0074】
例えば、微小ダイ(例えば1mm角程度)には微小量(微小ダイよりも小さい平面積の微細面積)のペーストの塗布が行われるが、ペーストの塗布量は塗布時のわずかなシリンジの高さの変化などの影響を受けやすい。また、微細面積の塗布において、第三比較例により塗布量を測定すると、ペーストPAの表面張力などの影響で測定量が実際と大きく異なってしまうことがある。この原因で塗布量に違いが現れると、
図12に示すように、ダイが基板にボンドされた時のペーストPAのはみ出し量(HD)や這い上がり量(HA)に影響してしまう。微小ダイではわずかな塗布量の違いでも変化率としては大きくなってしまうため、ボンドプロセスに大きく影響する。
【0075】
微小ダイの小型化はより進化し、単純なダイ以外にMEMS構造をもつものなど複雑化している。ペーストも微小量塗布技術が必要になり、その塗布量制御もより正確さを求められる。よって、塗布量制御を行う上でも、塗布工程を行うダイボンダ自身で塗布量を測定または検査できるようになることが求められる。
【0076】
実施形態では、ペーストの塗布量をより正確に算出できるので、微小ダイに対する塗布量の測定または検査が可能であり、より正確な塗布量制御が可能となる。
【0077】
(その他の比較例)
鉛直(直上)に配置されるカメラの焦点位置を変化させ、焦点の合う位置を合算して形状を類推する方法(第四比較例)やステレオカメラ(複数のカメラ)を用いて立体的に認識する方法(第五比較例)、平行光光源にスリットを設け縞模様状に影ができるゼブラ光源を用いて縞模様を投影する方法(第六比較例)も考えられる。
【0078】
第四から第六比較例の方法は表面の位置を見出す像を利用しているため、対象表面が拡散反射していることを前提としている。ペースト等の液体面のように鏡面反射が支配的な対象物の場合では反射した光源側の位置関係や像の影響が強く、反射面の位置を類推することが難しい。
【0079】
透明性のある液体では、液面内部からくる光のほうが支配的になることがほとんどである。液体表面の鏡面反射光は焦点が合わないため、表面上のわずかな拡散光に焦点を当てるしかない。しかし、その光量は指数的に内部からくる反射光のほうが大きく、その光の中に埋没していまい、第四比較例や第五比較例による方法では、結果とし表面に焦点を合わせることができない。ペーストには透明、半透明のほか、内部に微細な粒子状の銀などの金属を含むものがあり、表面を検出することが難しいものもある。
【0080】
第六比較例による方法では、拡散反射体は反射の法則に依存しないため、平行光光源で形成されたゼブラ光源の光が照らした位置に依存し、撮像画像は縞模様になる。ペースト等が形成する半球部分は光源光の到達位置に依存して縞模様の模様を形成する。これに対し、鏡面反射の場合は反射の法則に従うため平行光が表面に到達した場合、その反射光はカメラに集光されるとは限らない。よって、第六比較例による方法では、鏡面反射の場合、表面には背景の景色が屈曲して見えるだけとなってしまう。
【0081】
実施形態は、鏡面反射する液体としてのペーストの表面や、透明、半透明のほか、内部に微細な粒子状の銀などの金属を含むペーストの表面を検出することができる。また、実施形態の方法は、ペーストのみならず、はんだ等の鏡面反射する金属の表面の検出にも適用することができる。すなわち、鏡面反射面を持つ立体形状の液体または金属の体積を測定または検査をすることができる。
【0082】
実施形態では、ペーストの塗布量の監視ができるため、下記の一つまたは複数の効果を有する。
【0083】
(1)生産工程中の塗布毎または一定間隔毎に塗布量を検査・測定できる。
【0084】
(2)生産工程中に上記(1)により測定した塗布量に基づいて、塗布量異常の警告もしくはエラーを発生させ、または塗布量の増減をフィードバックすることで塗布量の安定化を図れる。
【0085】
(3)上記(2)によりボンド後のペーストのはみ出し量、這い上がり量を安定化させることができる。
【0086】
(4)ダイボンダが組み立てる製品の歩留まりを向上させることができる。
【0087】
以上、本開示者によってなされた開示を実施形態に基づき具体的に説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0088】
例えば、実施形態では、ペーストの塗布直後の形状の測定(塗布量検査)について説明したが、ボンド後のペーストの濡れ性検査(ペーストのはみ出し量や這い上がり量)やはんだの形状の測定、はんだのフィレット検査(はんだのはみ出し量や這い上がり量)に適用することができる。
【0089】
また、実施形態では、照明装置として点光源の例を説明したが、照明装置としてリング照明を用いてもよい。これにより、ペーストの表面で等しい傾斜角度での等高線の様な画像を取得することが可能であり、検査速度の向上を図ることができる。
【0090】
また、実施形態では、上面視において円形状のペーストについて説明したが、ノズルを動かしながら行う塗布(ペンライト、描画)により形成されたペーストの検査にも適用可能である。
【0091】
また、実施形態では、プリフォームカメラで検査する例を説明したが、基板認識カメラまたはボンドカメラで検査を行ってもよい。
【0092】
また、実施形態では、照明装置として点光源の例を説明したが、さらに、点光源や平行光源による同軸照明を追加して検査を行うようにしてもよい。これにより、φ=0の画像を取得することができ、外郭検査を行うことができる。
【0093】
また、実施形態では、ダイ供給部1とボンディング部4との間に中間ステージ部3を設け、ピックアップヘッド21でダイ供給部1からピックアップしたダイDを中間ステージ31に載置し、ボンドヘッド41で中間ステージ31から再度ダイDをピックアップし、搬送されてきた基板Sにボンドする例を説明したが、ボンドヘッド41でダイ供給部1からピックアップしたダイDを基板Sにボンドするようにしてもよい。
【0094】
また、実施形態では、ダイボンダを例に説明したが、フリップチップボンダやチップマウンタにも適用することができる。
【符号の説明】
【0095】
8・・・制御部(制御装置)
10・・・ダイボンダ(実装装置)
94・・・プリフォームカメラ(撮像装置)
95・・・照明装置
95a~95l・・・光源
PA・・・ペースト(接合材料)