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特開2023-134362高分子化合物及びそれを用いた発光素子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134362
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】高分子化合物及びそれを用いた発光素子
(51)【国際特許分類】
   C08G 61/00 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
C08G61/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013381
(22)【出願日】2023-01-31
(31)【優先権主張番号】P 2022038811
(32)【優先日】2022-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】道堯 智裕
(72)【発明者】
【氏名】臼井 元章
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 美桜
【テーマコード(参考)】
4J032
【Fターム(参考)】
4J032CA03
4J032CB04
4J032CC01
4J032CD02
4J032CE03
4J032CF05
4J032CG01
4J032CG02
(57)【要約】
【課題】輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用な高分子化合物を提供する。
【解決手段】式(0-1)で表される構成単位を2種以上含む、高分子化合物。

[式中、aは、0~6の整数を表し;R1は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRは、同一でも異なっていてもよい。Rの少なくとも1つは、特定構造を有するアリール基を表す。]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(0-1)で表される構成単位を2種以上含む、高分子化合物。
【化1】

[式中、
aは、0~6の整数を表す。
は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。複数存在するRは、同一でも異なっていてもよい。
但し、Rの少なくとも1つは、式(D-A)、式(D-B)又は式(D-C)で表される基を表す。]
【化2】

[式(D-A)中、
DA1、mDA2及びmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、芳香族炭化水素基を表し、該基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
ArDA1、ArDA2及びArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基を表し、該基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。ArDA1、ArDA2及びArDA3が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基を表し、該基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する
原子とともに環を形成していてもよい。複数存在するTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
【化3】

[式(D-B)中、
DB1、mDB2、mDB3、mDB4、mDB5、mDB6及びmDB7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DB1、GDB2及びGDB3は、それぞれ独立に、芳香族炭化水素基を表し、該基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
ArDB1、ArDB2、ArDB3、ArDB4、ArDB5、ArDB6及びArDB7は、それぞれ独立に、アリーレン基を表し、該基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。ArDB1、ArDB2、ArDB3、ArDB4、ArDB5、ArDB6及びArDB7が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DBは、アリール基を表し、該基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。複数存在するTDBは、同一でも異なっていてもよい。]
【化4】

[式(D-C)中、
DC1は、1以上の整数を表す。
ArDC1は、アリーレン基を表し、該基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。複数存在するArDC1は、同一でも異なっていてもよい。
DCは、アリール基を表し、該基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
【請求項2】
前記式(0-1)で表される構成単位が、式(0-2)で表される構成単位である、請求項1に記載の高分子化合物。
【化5】

[式中、a及びbは、それぞれ独立に、0~3の整数を表す。R及びRは、前記と同じ意味を表す。Rは、Rと同じ意味を表し、Rと同一でも異なっていてもよい。]
【請求項3】
前記式(0-2)で表される構成単位が、式(1)で表される構成単位である、請求項2に記載の高分子化合物。
【化6】

[式中、
nは、1又は2を表す。2つ存在するnは、同一の数である。
a及びbは、前記と同じ意味を表す。cは、0~4の整数を表す。dは、0~5の整数を表す。
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
及びRは、前記と同じ意味を表す。R及びRは、それぞれ独立に、R及びRと同じ意味を表し、R及びRと同一でも異なっていてもよい。R、R、R及びRは、同一でも異なっていてもよい。]
【請求項4】
前記nが2である、請求項3に記載の高分子化合物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の高分子化合物と、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有する、組成物。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有する、発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子化合物及びそれを用いた発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子等の発光素子は、ディスプレイ及び照明の用途に好適に使用することが可能である。発光素子に用いるための材料として、例えば、特許文献1には、下記式で表される構成単位を含む高分子化合物が記載されている。
【化1】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-174061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の高分子化合物を用いて製造される発光素子は、輝度寿命が必ずしも十分ではなかった。
そこで、本発明は、輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用な高分子化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の[1]~[6]を提供する。
[1]式(0-1)で表される構成単位を2種以上含む、高分子化合物。
【化2】

[式中、
aは、0~6の整数を表す。
は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していて
もよい。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。複数存在するRは、同一でも異なっていてもよい。
但し、Rの少なくとも1つは、式(D-A)、式(D-B)又は式(D-C)で表される基を表す。]
【化3】

[式(D-A)中、
DA1、mDA2及びmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、芳香族炭化水素基を表し、該基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
ArDA1、ArDA2及びArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基を表し、該基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。ArDA1、ArDA2及びArDA3が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基を表し、該基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。複数存在するTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
【化4】

[式(D-B)中、
DB1、mDB2、mDB3、mDB4、mDB5、mDB6及びmDB7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DB1、GDB2及びGDB3は、それぞれ独立に、芳香族炭化水素基を表し、該基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
ArDB1、ArDB2、ArDB3、ArDB4、ArDB5、ArDB6及びArDB7は、それぞれ独立に、アリーレン基を表し、該基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。ArDB1、ArDB2、ArDB3、ArDB4、ArDB5、ArDB6及びArDB7が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DBは、アリール基を表し、該基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。複数存在するTDBは、同一でも異なっていてもよい。]
【化5】

[式(D-C)中、
DC1は、1以上の整数を表す。
ArDC1は、アリーレン基を表し、該基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。複数存在するArDC1は、同一でも異なっていてもよい。
DCは、アリール基を表し、該基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
[2]前記式(0-1)で表される構成単位が、式(0-2)で表される構成単位である、[1]に記載の高分子化合物。
【化6】

[式中、a及びbは、それぞれ独立に、0~3の整数を表す。R及びRは、前記と同じ意味を表す。Rは、Rと同じ意味を表し、Rと同一でも異なっていてもよい。][3]前記式(0-2)で表される構成単位が、式(1)で表される構成単位である、[2]に記載の高分子化合物。
【化7】

[式中、
nは、1又は2を表す。2つ存在するnは、同一の数である。
a及びbは、前記と同じ意味を表す。cは、0~4の整数を表す。dは、0~5の整数を表す。
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
及びRは、前記と同じ意味を表す。R及びRは、それぞれ独立に、R及びRと同じ意味を表し、R及びRと同一でも異なっていてもよい。R、R、R及びRは、同一でも異なっていてもよい。]
[4]前記nが2である、[3]に記載の高分子化合物。
[5][1]~[4]のいずれかに記載の高分子化合物と、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有する、組成物。
[6][1]~[4]のいずれかに記載の高分子化合物を含有する、発光素子。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用な高分子化合物を提供することができる。また、本発明によれば、該高分子化合物を含有する組成物及び発光素子を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0008】
<共通する用語の説明>
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
【0009】
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i-Prはイソプロピル基、t-Buはtert-ブチル基を表す。
【0010】
水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
【0011】
金属錯体を表す式中、中心金属との結合を表す実線は、共有結合又は配位結合を意味する。
【0012】
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×1
以上(例えば、1×10~1×10)である重合体を意味する。
【0013】
「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×10以下の化合物を意味する。
【0014】
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。高分子化合物中に2個以上存在する構成単位は、一般に、「繰り返し単位」とも呼ばれる。
【0015】
「アルキル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。直鎖のアルキル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~20である。分岐のアルキル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常3~50であり、好ましくは3~30であり、より好ましくは4~20である。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2-エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-プロピルヘプチル基、デシル基、3,7-ジメチルオクチル基、2-エチルオクチル基、2-ヘキシルデシル基、ドデシル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3-フェニルプロピル基、3-(4-メチルフェニル)プロピル基、3-(3,5-ジ-ヘキシルフェニル)プロピル基、及び6-エチルオキシヘキシル基が挙げられる。
「シクロアルキル基」は、置換基を有していてもよい。シクロアルキル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常3~50であり、好ましくは3~30であり、より好ましくは4~20である。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、及びシクロヘキシルエチル基が挙げられる。
【0016】
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基は、置換基を有していてもよい。アリール基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常6~60であり、好ましくは6~20であり、より好ましくは6~10である。
アリール基としては、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基、2-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、及び4-フェニルフェニル基が挙げられる。
【0017】
「アルコキシ基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常1~40であり、好ましくは4~10である。分岐のアルコキシ基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常3~40であり、好ましくは4~10である。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、及びラウリルオキシ基が挙げられる。
「シクロアルコキシ基」は、置換基を有していてもよい。シクロアルコキシ基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常3~40であり、好ましくは4~10である。
シクロアルコキシ基としては、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
【0018】
「アリールオキシ基」は、置換基を有していてもよい。アリールオキシ基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常6~60であり、好ましくは6~48である。
アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントラセニルオキシ基、9-アントラセニルオキシ基、及び1-ピレニルオキシ基が挙げられる。
【0019】
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン等の複素環自体が芳香族性を示す化合物;及び、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物;を意味する。
【0020】
1価の複素環基は、置換基を有していてもよい。1価の複素環基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常、2~60であり、好ましくは4~20である。
1価の複素環基としては、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、及びトリアジニル基が挙げられる。
【0021】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
【0022】
「アミノ基」は、アミノ基(-NH)及び置換アミノ基のいずれであってもよく、好ましくは置換アミノ基である。置換アミノ基とは、アミノ基の窒素原子に結合した水素原子の1つ又は2つが有機基で置換された基を意味する。有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基が好ましい。置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基、及びジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミノ基、及びビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
【0023】
「アルケニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。直鎖のアルケニル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常2~30であり、好ましくは3~20である。分岐のアルケニル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常3~30であり、好ましくは4~20である。
「シクロアルケニル基」は、置換基を有していてもよい。シクロアルケニル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常3~30であり、好ましくは4~20である。
アルケニル基及びシクロアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、7-オクテニル基、及び5-シクロヘキセニル基が挙げられる。
【0024】
「アルキニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。アルキニル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常2~20であり、好ましくは
3~20である。分岐のアルキニル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常4~30であり、好ましくは4~20である。
「シクロアルキニル基」は、置換基を有していてもよい。シクロアルキニル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常4~30であり、好ましくは4~20である。
アルキニル基及びシクロアルキニル基としては、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、5-ヘキシニル基、及び5-シクロヘキシニル基が挙げられる。
【0025】
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基は、置換基を有していてもよい。アリーレン基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常、6~60であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、及び式(A-1)~式(A-20)で表される基が挙げられ、好ましくは式(A-1)~式(A-20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含む。
【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

[式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数存在するR及びRは、各々、同一でも異なっていてもよく、R同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。]
【0026】
2価の複素環基は、置換基を有していてもよい。2価の複素環基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常、2~60であり、好ましくは、3~20であり、より好ましくは、4~15である。
2価の複素環基としては、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、又はトリアゾールから、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基;及び式(AA-1)~式(AA-34)で表される基;が挙げられ、好ましくは、式(AA-1)~式(AA-34)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

[式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。]
【0027】
「架橋基」は、加熱、紫外線照射、近紫外線照射、可視光照射、赤外線照射、ラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成することが可能な基であり、好ましくは、式(XL-1)~式(XL-19)で表される基である。
【化19】

[式中、RXLは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、nXLは、0~5の整数を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。nXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。*1は結合位置を表す。これらの架橋基は置換基を有していてもよく、該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
【0028】
「置換基」とは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基又はシクロアルキニル基を表す。置換基は架橋基であってもよい。
【0029】
<高分子化合物>
本実施形態の高分子化合物は、式(0-1)で表される構成単位を少なくとも2種含む高分子化合物である。本実施形態の高分子化合物に含まれる式(0-1)で表される構成単位の種類数は、2~10種類であることが好ましく、2~5種類であることがより好ましい。
式(0-1)で表される構成単位は、式(0-2)で表される構成単位であることが好ましい。また、式(0-2)で表される構成単位は、式(1)で表される構成単位であることが好ましい。
【0030】
[式(0-1)、式(0-2)、又は式(1)で表される構成単位]
は、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、更に好ましくは、アリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0031】
が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基がより好ましく、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基が更に好ましい。これらの基は更に置換基を有していてもよい。
【0032】
前記Rの少なくとも1つは、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、式(D-A)又は式(D-C)で表される基であることが好ましく、式(D-A)又は式(D-B)で表される基であることも好ましい。また、前記Rの両方が、式(D-A)又は式(D-C)で表される基であることが好ましく、式(D-A)又は式(D-B)で表される基であることも好ましい。さらに、同様の理由から、本実施形態の高分子化合物に含まれる2種類以上の式(0-1)で表される構成単位のうち、少なくとも1種類が、前記Rが両方とも式(D-A)又は式(D-B)で表される基であるものであることが好ましい。
【0033】
aは、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
【0034】
bは、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
【0035】
及びRは、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、より好ましくはアルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0036】
及びRが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、Rが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
【0037】
DA1~mDA3は、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、0~5であることが好ましく、0~3であることがより好ましく、0又は1であることが更に好ましく、0であることが特に好ましい。
【0038】
DB1~mDB7は、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、0~5であることが好ましく、0~3であることがより好ましく、0又は1であることが更に好ましく、0であることが特に好ましい。
【0039】
DC1は、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、1~5であることが好ましく、1~4であることがより好ましく、1~3であることが更に好ましく、1又は2であることが特に好ましい。
【0040】
DA~TDCにおけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ジヒドロフェナントレニル基、フルオレニル基、nスピロビフルオレニル基又はピレニル基が好ましく、フェニル基、ナフチル基又はフルオレニル基がより好ましく、フェニル基が更に好ましい。これらの基は置換基を有していてもよい。
【0041】
DA~TDCが有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基がより好ましく、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基が更に好ましく、アリール基が特に好ましい。これらの基は更に置換基を有していてもよい。
【0042】
DA~TDCが有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基がより好ましく、アル
キル基、シクロアルキル基又はアリール基が更に好ましく、アリール基が特に好ましい。これらの基は更に置換基を有していてもよいが、更に置換基を有さないことが好ましい。
【0043】
前記ArDA1~ArDA3、ArDB1~ArDB7及びArDC1は、置換基を有していてもよいアリーレン基であり、同一でも異なっていてもよい。
【0044】
ArDA1~ArDA3、ArDB1~ArDB7及びArDC1におけるアリーレン基としては、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基又はピレンジイル基が好ましく、フェニレン基、ナフタレンジイル基、又はフルオレンジイル基より好ましく、フェニレン基が更に好ましい。これらの基は置換基を有していてもよい。
【0045】
ArDA1~ArDA3、ArDB1~ArDB7及びArDC1が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、TDAが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
【0046】
ArDA1~ArDA3、ArDB1~ArDB7及びArDC1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、TDAが有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
【0047】
DA及びGDB1~GDB3は、それぞれ独立に、式(GDA-11)で表される基である。
【化20】

[式中、
*は、GDAとArDA1との結合位置、GDB1とArDB1との結合位置、GDB2とArDB2との結合位置、又はGDB3とArDB3との結合位置を表す。
**は、GDAとArDA2との結合位置、GDB1とArDB2との結合位置、GDB2とArDB4との結合位置、又はGDB3とArDB6との結合位置を表す。
***は、GDAとArDA3との結合位置、GDB1とArDB3との結合位置、GDB2とArDB5との結合位置、又はGDB3とArDB7との結合位置を表す。
DAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表す。これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
【0048】
DAは、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基であり、更に好ましくは水素原子であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
【0049】
DAが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、TDAが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
【0050】
DAが有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、TDAが有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
【0051】
nは、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、2であることがより好ましい。
【0052】
cは、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、0~2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。
【0053】
dは、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、0~3であることが好ましく、0~2であることがより好ましく、0又は1であることが更に好ましい。
【0054】
は、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、更に好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0055】
が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基がより好ましく、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基が更に好ましく、アリール基が特に好ましい。これらの基は更に置換基を有していてもよい。
【0056】
が有していてもよい置換基のうちアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ジヒドロフェナントレニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基又はピレニル基が好ましく、フェニル基、ナフチル基又はフルオレニル基がより好ましく、フェニル基又はフルオレニル基が更に好ましく、フルオレニル基が特に好ましい。これらの基は置換基を有していてもよい。
【0057】
が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、TDAが有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
【0058】
及びRは、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、より好ましくはアルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0059】
及びRが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArDA1が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
【0060】
式(0-1)で表される構成単位の合計量は、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5~100モル%であり、より好ましくは5~100モル%であり、更に好ましくは10~100モル%であり、特に好ましくは30~90モル%であり、殊更に好ましくは60~90モル%である。
【0061】
式(0-1)で表される構成単位の具体例としては、式(0-101)~式(0-163)で表される構成単位が挙げられる。
【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

【化42】

【化43】

【化44】

【化45】

【化46】

【化47】

【化48】

【化49】

【化50】

【化51】

【化52】
【0062】
式(0-1)で表される構成単位を2種以上含む高分子化合物中には式(Y)で表される構成単位、及び式(X)で表される構成単位から選択される1種以上の構成単位を含んでいてもよい。
【化53】

[式中、ArY1は、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレ
ン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、式(Y)で表される構成単位は、前記式(0-1)で表される構成単位とは異なる。]
【化54】

[式中、
及びaは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
ArX1及びArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2及びArX4が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X1、RX2及びRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX2及びRX3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
【0063】
[式(Y)で表される構成単位]
ArY1で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)~式(A-11)、式(A-13)又は式(A-19)で表される基であり、更に好ましくは式(A-1)、式(A-7)、式(A-9)又は式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0064】
ArY1で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA-4)、式(AA-10)、式(AA-13)、式(AA-15)、式(AA-18)又は式(AA-20)で表される基であり、とりわけ好ましくは式(AA-4)、式(AA-10)、式(AA-18)又は式(AA-20)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0065】
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、前述のArY1で表されるアリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
【0066】
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、式(X)のArX2及びArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基と同様のものが挙げられる。
【0067】
ArY1で表される基が有してもよい置換基は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
【0068】
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-1)~式(Y-10)で表される構成単位が挙げられ、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命の観点からは、好ましくは式(Y-1)~式(Y-3)で表される構成単位であり、電子輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-4)~式(Y-7)で表される構成単位であり、正孔輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-8)~式(Y-10)で表される構成単位である。
【0069】
(式(Y-1)で表される構成単位)
【化55】

[式中、RY1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRY1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
【0070】
Y1は、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0071】
式(Y-1)で表される構成単位は、好ましくは、式(Y-1’)で表される構成単位である。
【化56】

[式中、RY11は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY11は、同一でも異なっていてもよい。]
【0072】
Y11は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、より好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0073】
(式(Y-2)で表される構成単位)
【化57】

[式中、
Y1は前記と同じ意味を表す。
Y1は、-C(RY2-、-C(RY2)=C(RY2)-又はC(RY2-C(RY2-で表される基を表す。RY2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一でも異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
【0074】
Y2は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0075】
Y1において、-C(RY2-で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは双方がアルキル基若しくはシクロアルキル基、双方がアリール基、双方が1価の複素環基、又は、一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基若しくは1価の複素環基であり、より好ましくは一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、-C(RY2-で表される基としては、好ましくは式(Y-A1)~式(Y-A5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-A4)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【化58】
【0076】
Y1において、-C(RY2)=C(RY2)-で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは双方がアルキル基若しくはシクロアルキル基、又は、一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0077】
Y1において、-C(RY2-C(RY2-で表される基中の4個のRY2は、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基又はシクロアルキル基である。複数あるRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、-C(RY2-C(RY2-で表される基は、好ましくは式(Y-B1)~式(Y-B5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-B3)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【化59】

[式中、RY2は前記と同じ意味を表す。]
【0078】
式(Y-2)で表される構成単位は、式(Y-2’)で表される構成単位であることが好ましい。
【化60】

[式中、RY1及びXY1は前記と同じ意味を表す。]
【0079】
(式(Y-3)で表される構成単位)
【化61】

[式中、RY1及びXY1は前記と同じ意味を表す。]
【0080】
式(Y-3)で表される構成単位は、式(Y-3’)で表される構成単位であることが好ましい。
【化62】

[式中、RY11及びXY1は前記と同じ意味を表す。]
【0081】
(式(Y-4)~式(Y-7)で表される構成単位)
【化63】

【化64】

[式中、
Y1は前記と同じ意味を表す。
Y3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
【0082】
Y3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0083】
式(Y-4)で表される構成単位は、式(Y-4’)で表される構成単位であることが好ましく、式(Y-6)で表される構成単位は、式(Y-6’)で表される構成単位であることが好ましい。
【化65】

[式中、RY1及びRY3は前記と同じ意味を表す。]
【化66】

[式中、
Y1は前記を同じ意味を表す。
Y4は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
【0084】
Y4は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0085】
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-101)~式(Y-139)で表されるアリーレン基からなる構成単位、式(Y-201)~式(Y-209)で表される2価の複素環基からなる構成単位、式(Y-301)~式(Y-306)で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基からなる構成単位が挙げられる。
【化67】

【化68】

【化69】

【化70】

【化71】

【化72】

【化73】

【化74】

【化75】

【化76】

【化77】

【化78】
【0086】
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1がアリーレン基である構成単位は、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5~80モル%であり、より好ましくは30~60モル%である。
【0087】
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1が2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基である構成単位は、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の電荷輸送性が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5~40モル%であり、より好ましくは3~30モル%である。
【0088】
式(Y)で表される構成単位は、高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
【0089】
[式(X)で表される構成単位]
は、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは1である。
【0090】
は、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは0である。
【0091】
X1、RX2及びRX3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0092】
ArX1及びArX3で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)又は式(A-9)で表される基であり、更に好ましくは式(A-1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0093】
ArX1及びArX3で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA-1)、式(AA-2)又は式(AA-7)~式(AA-26)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0094】
ArX1及びArX3は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
【0095】
ArX2及びArX4で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)~式(A-11)又は式(A-19)で表される
基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0096】
ArX2及びArX4で表される2価の複素環基のより好ましい範囲は、ArX1及びArX3で表される2価の複素環基のより好ましい範囲と同じである。
【0097】
ArX2及びArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、ArX1及びArX3で表されるアリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同じである。
【0098】
ArX2及びArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
【化79】

[式中、RXXは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
【0099】
XXは、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0100】
ArX2及びArX4は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
【0101】
ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有してもよい置換基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
【0102】
式(X)で表される構成単位としては、好ましくは式(X-1)~式(X-7)で表される構成単位であり、より好ましくは式(X-3)~式(X-7)で表される構成単位であり、更に好ましくは式(X-3)~式(X-6)で表される構成単位である。
【化80】

【化81】

【化82】

【化83】

[式中、RX4及びRX5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRX4は、同一でも異なっていてもよい。複数存在するRX5は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRX5同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
【0103】
式(X)で表される構成単位は、正孔輸送性が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.1~50モル%であり、より好ましくは1~40モル%であり、更に好ましくは5~30モル%である。
【0104】
式(X)で表される構成単位としては、例えば、式(X1-1)~式(X1-23)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは式(X1-2)又は式(X1-6)~式(X1-14)で表される構成単位である。
【化84】

【化85】

【化86】

【化87】

【化88】

【化89】

【化90】
【0105】
本実施形態の高分子化合物において、式(X)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
【0106】
本実施形態の高分子化合物としては、例えば、表1に示す高分子化合物P-1~P-4が挙げられる。ここで、「その他の構成単位」とは、式(0-1)、式(X)及び式(Y)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。
【表1】
【0107】
高分子化合物P-1~P-4における、式(0-1)、式(X)及び式(Y)で表される構成単位の例及び好ましい範囲は、上述のとおりである。
【0108】
本実施形態の高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、高分子化
合物を発光素子の作製に用いた場合に発光特性や輝度寿命が低下する可能性があるので、好ましくは安定な基である。この末端基としては、主鎖と共役結合している基が好ましく、炭素-炭素結合を介してアリール基又は1価の複素環基と結合している基が挙げられる。
【0109】
本実施形態の高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
【0110】
<高分子化合物の製造方法>
次に、本実施形態の高分子化合物の製造方法について説明する。
【0111】
本実施形態の高分子化合物は、例えば、式(M-0)で表される化合物と、式(M-Y)で表される化合物及び/又は式(M-X)で表される化合物と、を縮合重合させることにより製造することができる。本明細書において、本実施形態の高分子化合物の製造に使用される化合物を総称して、「原料モノマー」ということがある。
【化91】

【化92】

[式中、
a、R、ArY1、a、a、ArX1~ArX4、及びRX1~RX3は、前記と同じ意味を表す。
C1~ZC6は、それぞれ独立に、置換基A群及び置換基B群からなる群から選ばれる基を表す。]
【0112】
例えば、ZC1及びZC2が置換基A群から選ばれる基である場合、ZC3、ZC4、ZC5及びZC6は、置換基B群から選ばれる基を選択する。
【0113】
例えば、Z及びZC2が置換基B群から選ばれる基である場合、ZC3、ZC4、ZC5及びZC6は、置換基A群から選ばれる基を選択する。
【0114】
<置換基A群>
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、及び-O-S(=O)C1(式中、RC1は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)で表される基。
【0115】
<置換基B群>
-B(ORC2(式中、RC2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC2は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基;
-BFQ’(式中、Q’は、Li、Na、K、Rb又はCsを表す。)で表される基;
-MgY’(式中、Y’は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表される基;
-ZnY’’(式中、Y’’は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表される基;及び、
-Sn(RC3(式中、RC3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC3は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合するスズ原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基。
【0116】
-B(ORC2で表される基としては、下記式で表される基が例示される。
【化93】
【0117】
置換基A群から選ばれる基を有する化合物と置換基B群から選ばれる基を有する化合物とは、公知のカップリング反応により縮合重合して、置換基A群から選ばれる基及び置換基B群から選ばれる基と結合する炭素原子同士が結合する。そのため、置換基A群から選ばれる基を2個有する化合物と、置換基B群から選ばれる基を2個有する化合物を公知のカップリング反応に供すれば、縮合重合により、これらの化合物の縮合重合体を得ることができる。
【0118】
縮合重合は、通常、触媒、塩基及び溶媒の存在下で行われるが、必要に応じて、相間移動触媒を共存させて行ってもよい。
【0119】
触媒としては、例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、ビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、酢酸パラジウム等のパラジウム錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ニッケル(II)ジクロリド、ビス(1,4-シクロオクタジエン)ニッケル(0)等のニッケル錯体等の遷移金属錯体;これらの遷移金属錯体が、更にトリフェニルホスフィン、トリ(o-トリル)ホスフィン、トリ(tert-ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、ビピリジル等の配位子を有する錯体が挙げられる。触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0120】
触媒の使用量は、原料モノマーのモル数の合計に対する遷移金属の量として、通常、0.00001~3モル当量である。
【0121】
塩基及び相間移動触媒としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム等の無機塩基;フッ化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機塩基;塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒が挙げられる。塩基及び相間移動触媒は、それぞれ、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0122】
塩基及び相間移動触媒の使用量は、それぞれ、原料モノマーの合計モル数に対して、通常0.001~100モル当量である。
【0123】
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等の有機溶媒、水が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0124】
溶媒の使用量は、通常、原料モノマーの合計100質量部に対して、10~100000質量部である。
【0125】
縮合重合の反応温度は、通常-100~200℃である。縮合重合の反応時間は、通常1時間以上である。
【0126】
重合反応の後処理は、公知の方法、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応液を加えて、析出させた沈殿を濾過した後、乾燥させる方法等を単独、又は組み合わせて行う。高分子化合物の純度が低い場合、例えば、晶析、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製することができる。
【0127】
<組成物>
本実施形態の組成物は、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料と、本実施形態の高分子化合物とを含有する。
【0128】
本実施形態の高分子化合物及び溶媒を含有する組成物(以下、「インク」ということがある。)は、インクジェットプリント法、ノズルプリント法等の印刷法を用いた発光素子の作製に好適である。
【0129】
インクの粘度は、印刷法の種類によって調整すればよいが、インクジェットプリント法等の溶液が吐出装置を経由する印刷法に適用する場合には、吐出時の目づまりと飛行曲がりを防止するために、好ましくは25℃において1~20mPa・sである。
【0130】
インクに含まれる溶媒は、該インク中の固形分を溶解又は均一に分散できる溶媒が好ましい。溶媒としては、例えば、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、4-メチルアニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n-ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-へプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ドデカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、1,2-ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒;イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0131】
インクにおいて、溶媒の配合量は、本実施形態の高分子化合物100質量部に対して、通常、1000~100000質量部であり、好ましくは2000~20000質量部である。
【0132】
[正孔輸送材料]
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、高分子化合物が好ましく、架橋基を有する高分子化合物がより好ましい。
【0133】
高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体;側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレン及びその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、電子受容性部位が結合された化合物でもよい。電子受容性部位としては、例えば、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、トリニトロフルオレノン等が挙げられ、好ましくはフラーレンである。
【0134】
本実施形態の組成物において、正孔輸送材料の配合量は、本実施形態の高分子化合物100質量部に対して、通常、1~400質量部であり、好ましくは5~150質量部である。
【0135】
正孔輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0136】
[電子輸送材料]
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
【0137】
低分子化合物としては、例えば、8-ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレン、及び、ジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
【0138】
高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、及び、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
【0139】
本実施形態の組成物において、電子輸送材料の配合量は、本実施形態の高分子化合物100質量部に対して、通常、1~400質量部であり、好ましくは5~150質量部である。
【0140】
電子輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0141】
[正孔注入材料及び電子注入材料]
正孔注入材料及び電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される
。正孔注入材料及び電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
【0142】
低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン、タングステン等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。
【0143】
高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリン、及び、ポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
【0144】
本実施形態の組成物において、正孔注入材料及び電子注入材料の配合量は、各々、本実施形態の高分子化合物100質量部に対して、通常、1~400質量部であり、好ましくは5~150質量部である。
【0145】
正孔注入材料及び電子注入材料は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0146】
[イオンドープ]
正孔注入材料又は電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10-5S/cm~1×10S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
【0147】
ドープするイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、及び樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びテトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
【0148】
ドープするイオンは、一種のみでも二種以上でもよい。
【0149】
[発光材料]
発光材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。発光材料は、架橋基を有していてもよい。
【0150】
低分子化合物としては、例えば、ナフタレン及びその誘導体;アントラセン及びその誘導体;ピレン及びその誘導体;グリセン及びその誘導体;ペリレン及びその誘導体;並びに、イリジウム、白金又はユーロピウムを中心金属とする三重項発光錯体;が挙げられる。
【0151】
高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、式(X)で表される構成単位、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基等を含む高分子化合物が挙げられる。
【0152】
発光材料は、低分子化合物及び高分子化合物を含んでいてもよい。
【0153】
三重項発光錯体としては、公知の錯体、例えば特開2022-13757号公報に記載の金属錯体を挙げることができる。
【0154】
本実施形態の組成物において、発光材料の含有量は、本実施形態の高分子化合物100質量部に対して、通常、0.1~400質量部である。
【0155】
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、本実施形態の高分子化合物と同じ溶媒に可溶であり、発光及び電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
【0156】
本実施形態の組成物において、酸化防止剤の配合量は、本実施形態の高分子化合物100質量部に対して、通常、0.001~10質量部である。
【0157】
酸化防止剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0158】
<膜>
膜は、本実施形態の高分子化合物を含有する。
【0159】
膜には、本実施形態の高分子化合物を架橋により溶媒に対して不溶化させた、不溶化膜も含まれる。不溶化膜は、本実施形態の高分子化合物を加熱、光照射等の外部刺激により架橋させて得られる膜である。不溶化膜は、溶媒に実質的に不溶であるため、発光素子の積層化に好適に使用することができる。
【0160】
膜を架橋させるための加熱の温度は、通常、25~300℃であり、好ましくは50~250℃であり、より好ましくは150~200℃である。
【0161】
膜を架橋させるための光照射に用いられる光の種類は、例えば、紫外光、近紫外光、可視光である。
【0162】
膜は、発光素子における発光層、正孔輸送層又は正孔注入層として好適である。
【0163】
膜は、インクを用いて、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ-コート法、又はノズルコート法により作製することができる。
【0164】
膜の厚さは、通常、1nm~10μmである。
【0165】
<発光素子>
本実施形態の発光素子は、本実施形態の高分子化合物を用いて得られる有機エレクトロルミネッセンス素子等の発光素子であり、該発光素子には、例えば、本実施形態の高分子化合物を含む発光素子、本実施形態の高分子化合物が分子内、分子間、又は、それらの両方で架橋した発光素子がある。
本実施形態の発光素子の構成としては、例えば、陽極及び陰極からなる電極と、該電極間に設けられた本実施形態の高分子化合物を用いて得られる層とを有する。
【0166】
[層構成]
本実施形態の高分子化合物を用いて得られる層は、通常、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、及び電子注入層から選択される1種以上の層であり、好ましくは、発光層である。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材
料、及び電子注入材料を含む。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、及び電子注入材料を、上述した溶媒に溶解させ、インクを調製して用い、上述した膜の作製と同じ方法を用いて形成することができる。
【0167】
発光素子は、陽極と陰極の間に発光層を有する。本実施形態の発光素子は、正孔注入性及び正孔輸送性の観点からは、陽極と発光層との間に、正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも1層を有することが好ましく、電子注入性及び電子輸送性の観点からは、陰極と発光層の間に、電子注入層及び電子輸送層の少なくとも1層を有することが好ましい。
正孔輸送層、電子輸送層、発光層、正孔注入層、及び、電子注入層の材料としては、本実施形態の高分子化合物の他、各々、上述した正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、正孔注入材料、及び、電子注入材料が挙げられる。
【0168】
正孔輸送層の材料、電子輸送層の材料、及び、発光層の材料は、発光素子の作製において、各々、正孔輸送層、電子輸送層、及び、発光層に隣接する層の形成時に使用される溶媒に溶解する場合、該溶媒に該材料が溶解することを回避するために、該材料が架橋基を有することが好ましい。架橋基を有する材料を用いて各層を形成した後、該架橋基を架橋させることにより、該層を不溶化させることができる。
【0169】
本実施形態の発光素子において、発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が挙げられる。
【0170】
積層する層の順番、数、及び、厚さは、発光効率及び素子寿命を勘案して調整すればよい。
【0171】
[基板/電極]
発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板である。不透明な基板の場合には、基板から最も遠くにある電極が透明又は半透明であることが好ましい。
【0172】
陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の合金、及び半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ(NESA)、インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);及び金、白金、銀、銅等の金属;である。
【0173】
陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム等の金属;それらのうち2種以上の合金;それらのうち1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、及び錫のうち1種以上との合金;グラファイト;及びグラファイト層間化合物が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム-銀合金、マグネシウム-インジウム合金、マグネシウム-アルミニウム合金、インジウム-銀合金、リチウム-アルミニウム合金、リチウム-マグネシウム合金、リチウム-インジウム合金、及びカルシウム-アルミニウム合金が挙げられる。
陽極及び陰極は、各々、2層以上の積層構造としてもよい。
【0174】
[用途]
本実施形態の発光素子は、ディスプレイ、照明等に有用である。
【実施例0175】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0176】
実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及びポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、移動層にテトラヒドロフランを用い、下記のサイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)のいずれかにより求めた。なお、SECの各測定条件は、次のとおりである。
【0177】
測定する高分子化合物を約0.05質量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。移動相は、0.6mL/分の流量で流した。カラムとして、TSKguardcolumn SuperAW-Hと、TSKgel Super AWM-Hと、TSKgel SuperAW3000(いずれも東ソー製)の各1本を直列につないで用いた。検出器にはUV-VIS検出器(東ソー製、商品名:UV-8320GPC)を用いた。
【0178】
NMRは、下記の方法で測定した。
5~10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl)、重テトラヒドロフラン、重ジメチルスルホキシド、重アセトン、重N,N-ジメチルホルムアミド、重トルエン、重メタノール、重エタノール、重2-プロパノール又は重塩化メチレンに溶解させ、NMR装置(Agilent製、商品名:INOVA300又はMERCURY
400VX)を用いて測定した。
【0179】
化合物の純度の指標として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)面積百分率の値を用いた。この値は、特に記載がない限り、HPLC(島津製作所製、商品名:LC-20A)でのUV=254nmにおける値とする。この際、測定する化合物は、0.01~0.2質量%の濃度になるようにテトラヒドロフラン又はクロロホルムに溶解させ、濃度に応じてHPLCに1~10μL注入した。HPLCの移動相には、アセトニトリル/テトラヒドロフランの比率を100/0~0/100(容積比)まで変化させながら用い、1.0mL/分の流量で流した。カラムは、Kaseisorb LC ODS 2000(東京化成工業製)又は同等の性能を有するODSカラムを用いた。検出器には、フォトダイオードアレイ検出器(島津製作所製、商品名:SPD-M20A)を用いた。
【0180】
<合成例1> 化合物1Eの合成
【化94】
【0181】
(Stage1:化合物1Aの合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、3-ブロモヨードベンゼン(300.0g)、3-ビフェニルボロン酸(200.0g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(22.2g)、炭酸カリウム(418.8g)、イオン交換水(1600mL)、エタノール(800mL)、及びトルエン(1600mL)を加え、75℃で9時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過を行い、得られたろ液から水層を除去した。得られた有機層をイオン交換水で洗浄後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン溶媒)により精製し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物1A(278.2g)を得た。化合物1AのHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0182】
(Stage2:化合物1Cの合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、化合物1A(220.6g)、及びテトラヒドロフラン(1200mL)を加え、-70℃に冷却した。そこへ、1.0Msec-ブチルリチウムn-ヘキサン/シクロヘキサン溶液(697mL)をゆっくり加え、-70℃で1時間撹拌した。そこへ、化合物1B(120.0g)、及びテトラヒドロフラン(360mL)をゆっくり滴下し、その後、-65℃で1時間撹拌した。メタノール(48mL)をゆっくり加えた後、得られた反応液を室温とし、イオン交換水(1800mL)とトルエン(1560mL)をゆっくり加え、水層を除去した。得られた有機層をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、n-ヘプタンで洗浄した後、トルエンとヘプタンで再結晶し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物1C(244.7g)を得た。化合物1CのLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0183】
(Stage3:化合物1Dの合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、化合物1C(240.0g)、及びトルエン(7200mL)を加え、0℃に冷却した。そこへ、硫酸(44.4g)をゆっくりと加え、0℃で1時間撹拌した。その後、5℃に昇温し更に4時間撹拌した。イオン交換水(2400mL)をゆっくりと加え、得られた反応液を室温まで冷却した後、水層を除去した。得られた有機層をイオン交換水と炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、トルエンとエタノールで再結晶し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物1D(197.4g)を得た。化合物1DのHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0184】
H-NMR(400MHz、CDCl)δ(ppm)=7.67-7.63(m、6H),7.59-7.53(m、10H),7.47-7.30(m、14H),7.29-7.18(m、2H).
【0185】
(Stage4:化合物1Eの合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、化合物1D(81.0g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(63.2g)、ジメトキシエタン(810mL)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド・ジクロロメタン付加物(2.54g)及び酢酸カリウム(61.1g)を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液にセライトを加えた後、シリカゲルを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮後することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、アセトニトリルで洗浄した後、トルエンと活性炭を加え、室温で30分攪拌した。その後、セライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮後、トルエンとアセトニトリルで再結晶し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物1E(79.0g)を白色固体として得た。化合物1EのHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0186】
<合成例2> 化合物2Dの合成
【化95】
【0187】
(Stage1:化合物2Bの合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、化合物2A(90.2g)、及びテトラヒドロフラン(361mL)を加え、-70℃に冷却した。そこへ、1.0Msec-ブチルリチウムn-ヘキサン/シクロヘキサン溶液(224mL)をゆっくり加え、-70℃で1時間撹拌した。そこへ、化合物1B(36.1g)、及びテトラヒドロフラン(108mL)
をゆっくり滴下し、その後、-65℃で1時間撹拌した。メタノール(14mL)をゆっくり加えた後、得られた反応液を室温とし、イオン交換水(542mL)とヘプタン(469mL)をゆっくり加え、水層を除去した。得られた有機層をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン及びn-ヘキサンの混合溶媒)により精製し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物2B(86.7g)を得た。化合物2BのLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0188】
(Stage2:化合物2Cの合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、化合物2B(86.3g)、及びトルエン(863mL)を加え、0℃に冷却した。そこへ、硫酸(8.7g)をゆっくりと加え、0℃で1時間撹拌した。イオン交換水(783mL)をゆっくりと加え、得られた反応液を室温まで冷却した後、水層を除去した。得られた有機層をイオン交換水で洗浄後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン及びn-ヘキサンの混合溶媒)により精製し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物2C(64.1g)を得た。化合物2CのHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ(ppm)=7.72-7.64(m、6H),7.60-7.49(m、8H),7.48-7.30(m、12H),7.24-7.14(m、4H),2.64(t、4H),1.70-1.60(m、4H),1.40-1.25(m、12H),0.89(t、6H).
【0189】
(Stage3:化合物2Dの合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、化合物2C(25.4g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(16.3g)、ジメトキシエタン(254mL)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド・ジクロロメタン付加物(657mg)及び酢酸カリウム(15.8g)を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液にセライト(28.0g)を加えた後、シリカゲルを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮後することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、アセトニトリルで洗浄した後、トルエンと活性炭を加え、室温で30分攪拌した。その後、セライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮後、トルエンとアセトニトリルで再結晶し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物2D(23.3g)を白色固体として得た。化合物2DのHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ(ppm)=7.88-7.81(m、6H),7.71-7.68(m、2H),7.59-7.50(m、6H),7.45-7.29(m、12H),7.25(d、2H),7.16(d、2H),2.64(t、4H),1.70-1.56(m、4H),1.40-1.25(m、36H),0.88(t、6H).
【0190】
<合成例3> 化合物3Eの合成
【化96】
【0191】
(Stage1:化合物3Bの合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、化合物3A(19.2g)、及びジクロロメタン(285mL)を加え、0℃に冷却した。そこへ、硫酸(8.7g)をゆっくりと加え、0℃で1時間撹拌した。そこに、一塩化ヨウ素(41.46g)をジクロロメタン(95mL)に溶解させた溶液をゆっくりと滴下し、0℃で1時間撹拌した。
亜硫酸ナトリウム水溶液を滴下後、室温まで昇温させた。ジクロロメタンを加え、得られた有機層をイオン交換水で4回分液洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて脱水後、濾過し、得られた溶液を減圧濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をメタノールで洗浄することで、化合物3B(25.9g)を白色固体として得た。化合物3BのHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0192】
(Stage2:化合物3Cの合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、化合物3B(24.33g)、3-ビフェニルボロン酸(24.75g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.44g)、炭酸カリウム(49.35g)、イオン交換水(243mL)、エタノール(73mL)、及びトルエン(243mL)を加え、75℃で22時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過を行い、得られたろ液から水層を除去した。得られた有機層をイオン交換水で洗浄後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、トルエン/エタノールの混合溶媒で再結晶し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物3C(22.0g)を得た。化合物3CのLC面積百分率値は99.5%以上であった。この操作を繰り返し、化合物3Cを必要量得た。
【0193】
(Stage3:化合物3Dの合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、化合物3C(56.04g)、及びテトラヒドロフラン(715mL)を加え、-70℃に冷却した。そこへ、1.0Msec-ブチルリチウムn-ヘキサン/シクロヘキサン溶液(1021mL)をゆっくり加え、-70℃で1時間撹拌した。そこへ、化合物1B(20.43g)、及びテトラヒドロフラン(305mL)をゆっくり滴下し、その後、-65℃で1時間撹拌した。メタノールをゆっくり加えた後、得られた反応液を室温とし、イオン交換水とトルエンを加え、水層を除去した。得られた有機層をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン及びn-ヘキサンの混合溶媒)により精製し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物3D(56.6g)を得た。化合物3DのLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0194】
(Stage4:化合物3Eの合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、化合物3D(30.6g)、及びトルエン(920mL)を加え、0℃に冷却した。そこへ、硫酸(2.7g)をゆっくりと加え、0℃で2時間撹拌した。イオン交換水をゆっくりと加え、得られた反応液を室温まで冷却した後、水層を除去した。得られた有機層をイオン交換水で洗浄後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、トルエン/アセトニトリルの混合溶媒で再結晶し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物3E(26.1g)を得た。化合物3EのLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0195】
<合成例4> 化合物4Cの合成
【化97】
【0196】
(Stage1:化合物4Aの合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、4-ブロモ-4’-オクチルビフェニル(100g)、及びテトラヒドロフラン(3L)を加え、-78℃に冷却した。そこへ、2.5M n-ブチルリチウムのn-ヘキサン/ヘキサン溶液(100mL)をゆっくり加え、-70℃で4時間撹拌した。そこへ、化合物1B(46.6g)、及びテトラヒドロフラン(100mL)をゆっくり滴下し、その後、昇温させ、室温で24時間撹拌した。イオン交換水(100mL)をゆっくり加えた後、得られた反応液を室温とし、イオン交換水とトルエンをゆっくり加え、水層を除去した。得られた有機層をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、メタノールで洗浄し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物4A(321g)を得た。化合物4AのLC面積百分率値は97%以上であった。
【0197】
(Stage2:化合物4Bの合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、化合物4A(310g)、及びジクロロメタン(900mL)を加え、0℃に冷却した。そこへ、三フッ化ほう素ジエチルエーテル錯体(220ml)をゆっくりと加え、0℃で24時間撹拌した。そこへ、イオン交換水(783mL)をゆっくりと加え、得られた反応液を室温まで冷却した後、水層を除去した。得られた有機層をイオン交換水で洗浄後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)により精製し、メタノールで洗浄し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物4B(245g)を得た。化合物4BのHPLC面積百分率値は97%以上であった。
【0198】
(Stage3:化合物4Cの合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、化合物4B(112g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(73.4g)、1,4-ジオキサン(1500mL)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド・ジクロロメタン付加物(1.61g)及び酢酸カリウム(79.4g)を加え、100℃で20時間撹拌した。得られた反応液にセライト(28.0g)を加えた後、シリカゲルを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮後することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、アセトニトリルで洗浄した後、トルエンと活性炭を加え、室温で30分攪拌した。その後、セライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮後、トルエンとアセトニトリルで再結晶し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物4C(75.6g)を白色固体として得た。化合物4CのHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0199】
<合成例PM1~PM5> 化合物PM1~PM5の合成
化合物PM1は、特開2011-174062号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物PM2は、国際公開第2005/049546号に記載の方法に従って合成した。
化合物PM3及びPM5は、国際公開第2002/045184号に記載の方法に従って合成した。
化合物PM4は、特開2008-106241号公報に記載の方法に従って合成した。
【化98】

【化99】
【0200】
<合成例PM6~PM10:化合物PM6~PM10の合成>
化合物PM6は、特開2012-144722号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物PM7は、国際公開第2002/092723号に記載の方法に準じて合成した。
化合物PM8は、特開2011-174062号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物PM9は、特開2004-143419号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物PM10は、特開2010-031259号公報に記載の方法に従って合成した。
【化100】

【化101】
【0201】
<合成例5> 高分子化合物IP1の合成
高分子化合物IP1は、単量体PM1と、単量体PM2と、単量体PM3と、単量体PM4を用いて、特開2012-144722号公報に記載の方法に従って合成した。
【0202】
高分子化合物IP1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、単量体PM1から誘導される構成単位と、単量体PM2から誘導される構成単位と、単量体PM3から誘導される構成単位と、単量体PM4から誘導される構成単位とが、50:30:12.5:7.5のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0203】
<合成例6> 高分子化合物P1の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物1E(1.66g)、化合物1D(0.659g)、化合物3E(1.37g)、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.15mg)及びトルエン(166mL)を加え、80℃に加熱した。
【0204】
(工程2)反応液に、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(83mL)を滴下し、3時間還流させた。
(工程3)反応後、そこに、フェニルボロン酸(0.10g)及びジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.15mg)を加え、3時間還流させた。
(工程4)その後、反応液を室温まで冷却し、水層を除去した後、イオン交換水で1回、0.15質量%N,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム水溶液で1回、10質量%塩酸で2回、3質量%アンモニア水溶液で2回、イオン交換水で2回洗浄した。得られた溶液を減圧脱水することで水分を除去したトルエン溶液を得た。このトルエン溶液を、予めトルエンを通液したアルミナカラムに通すことにより精製した。精製液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じたので、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物P1(1.18g)を得た。高分子化合物P1のMnは4.1×10であり、Mwは7.9×10であった
【0205】
高分子化合物P1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物1Eから誘導される構成単位と、化合物1Dから誘導される構成単位と、化合物3Eから誘導される構成単位とが、50:20:30のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0206】
<合成例7> 高分子化合物P2の合成
高分子化合物P1の合成における(工程1)を、「反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物2D(2.57g)、化合物2C(1.18g)、化合物3E(2.00g)、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.22mg)及びトルエン(180mL)を加え、80℃に加熱した。」とする以外は、高分子化合物P1の合成と同様にすることで、高分子化合物P2を2.60g得た。高分子化合物P2のMnは8.9×10であり、Mwは2.7×10であった。
【0207】
高分子化合物P2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物2Dから誘導される構成単位と、化合物2Cから誘導される構成単位と、化合物3Eから誘導される構成単位とが、50:20:30のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0208】
<合成例8> 高分子化合物P3の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物2D(0.641g)、化合物3E(0.438g)、化合物PM3(0.0699g)、化合物PM9(0.0280g)、化合物PM10(0.0738g)、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.64mg)及びトルエン(30mL)を加え、80℃に加熱した。
(工程2)反応液に、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(20mL)を滴下し、3時間30分還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(33.6mg
)及びジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.71mg)を加え、3時間還流させた。その後、XPhosPdG3(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホン酸塩,3.5mg)を加え、6時間還流させた。その後、反応液を室温まで冷却し、水層を除去した後、イオン交換水で1回、0.07質量%N、N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム水溶液で1回、10質量%塩酸で2回、3質量%アンモニア水溶液で2回、イオン交換水で2回洗浄した。得られた溶液を減圧脱水することで水分を除去したトルエン溶液を得た。このトルエン溶液を、予めトルエンを通液したアルミナカラムに通すことにより精製した。精製液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じたので、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物P3(0.55g)を得た。高分子化合物P1のMnは1.4×10であり、Mwは2.1×10であった。
【0209】
高分子化合物P3は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物2Dから誘導される構成単位と、化合物3Eから誘導される構成単位と、化合物PM3から誘導される構成単位と、化合物PM9から誘導される構成単位と、化合物PM10から誘導される構成単位とが、50:32:10:3:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0210】
<合成例9> 高分子化合物P4の合成
高分子化合物P3の合成における(工程1)を、「反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物1E(0.758g)、化合物PM7(0.414g)、化合物PM3(0.0899g)、化合物PM9(0.0360g)、化合物PM10(0.0949g)、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.81mg)及びトルエン(30mL)を加え、80℃に加熱した。」としたこと以外は、高分子化合物P3の合成と同様にして、高分子化合物P4を0.47g得た。高分子化合物P4のMnは1.4×10であり、Mwは2.1×10であった。
【0211】
高分子化合物P4は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物1Eから誘導される構成単位と、化合物PM7から誘導される構成単位と、化合物PM3から誘導される構成単位と、化合物PM9から誘導される構成単位と、化合物PM10から誘導される構成単位とが、50:32:10:3:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0212】
<合成例10> 高分子化合物P5の合成
高分子化合物P3の合成における(工程1)を、「反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物4C(0.750g)、化合物PM7(0.414g)、化合物PM3(0.0899g)、化合物PM9(0.0360g)、化合物PM10(0.0948g)、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.79mg)及びトルエン(30mL)を加え、80℃に加熱した。」としたこと以外は、高分子化合物P3の合成と同様にして、高分子化合物P5を0.71g得た。高分子化合物P5のMnは8.7×10であり、Mwは1.9×10であった。
【0213】
高分子化合物P5は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物4Cから誘導される構成単位と、化合物PM7から誘導される構成単位と、化合物PM3から誘導される構成単位と、化合物PM9から誘導される構成単位と、化合物PM10から誘導される構成単位とが、50:32:10:3:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0214】
<合成例11> 高分子化合物CP1の合成
高分子化合物CP1は、単量体PM3と、単量体PM5を用いて、特開2007-154174に記載の方法に従って合成した。
【0215】
<合成例12> 高分子化合物CP2の合成
高分子化合物P3の合成における(工程1)を、「反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物PM8(1.35g)、化合物1D(0.896g)、化合物PM3(0.199g)、化合物PM9(0.0796g)、化合物PM10(0.210g)、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.63mg)及びトルエン(30mL)を加え、80℃に加熱した。」としたこと以外は、高分子化合物P3の合成と同様にして、高分子化合物CP2を1.46g得た。高分子化合物CP2のMnは9.5×10であり、Mwは2.2×10であった。
【0216】
高分子化合物CP2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物PM8から誘導される構成単位と、化合物1Dから誘導される構成単位と、化合物PM3から誘導される構成単位と、化合物PM9から誘導される構成単位と、化合物PM10から誘導される構成単位とが、50:32:10:3:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0217】
<合成例13> 高分子化合物CP3の合成
高分子化合物P3の合成における(工程1)を、「反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物PM8(1.34g)、化合物PM7(0.908g)、化合物PM3(0.197g)、化合物PM9(0.07888g)、化合物PM10(0.208g)、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.54mg)及びトルエン(30mL)を加え、80℃に加熱した。」としたこと以外は、高分子化合物P3の合成と同様にして、高分子化合物CP3を1.46g得た。高分子化合物CP3のMnは8.0×10であり、Mwは1.9×10であった。
【0218】
高分子化合物CP3は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物PM8から誘導される構成単位と、化合物PM7から誘導される構成単位と、化合物PM3から誘導される構成単位と、化合物PM9から誘導される構成単位と、化合物PM10から誘導される構成単位とが、50:32:10:3:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0219】
<合成例14> 高分子化合物CP4の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物PM8(1.52g)、化合物PM6(0.829g)、化合物PM3(0.226g)、化合物PM9(0.0889g)、化合物PM10(0.236g)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.40mg)及びトルエン(47mL)を加え、80℃に加熱した。
(工程2)反応液に、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.6mL)を滴下し、3時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(24.4mg)及びジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.71mg)を加え、3時間還流させた。その後、反応液を室温まで冷却し、水層を除去した後、85℃に昇温し0.05質量%N、N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム水溶液で2時間撹拌した後、イオン交換水で2回、3質量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回洗浄した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じたので、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより粗生成物を得た。この粗生成物をトルエン溶液に溶解し、予めトルエンを通液したシリカ-アルミナカラムに通すことにより精製した。精製液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じたので、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物CP4(1.64g)を得た。高分子化合物CP4のMnは1.2×10であり、Mwは3.3×10であった。
【0220】
高分子化合物CP4は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物PM8から誘導される構成単位と、化合物PM6から誘導される構成単位と、化合物PM3から誘導される構成単位と、化合物PM9から誘導される構成単位と、化合物PM10から誘導される構成単位とが、50:32:10:3:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0221】
<合成例G1> 蛍光発光性化合物G1の合成
蛍光発光性化合物G1は、特開2011-105643号公報に記載の方法に準じて合成した。
【化102】
【0222】
<合成例G2> 蛍光発光性化合物G2の合成
蛍光発光性化合物G2は、国際公開第2007/058368号に記載の方法に従って合成した。
【化103】
【0223】
<比較例CD1> 発光素子CD1の作製と評価
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、正孔注入材料であるND-3202(日産化学工業製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で240℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
【0224】
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物IP1を0.7質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上に、スピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で200℃、30分間加熱することにより正孔輸送層を形成した。
【0225】
(発光層の形成)
キシレンに、高分子化合物CP1及び蛍光発光性化合物G1(高分子化合物CP1/蛍光発光性化合物G1=95質量%/5質量%)を1.2質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔輸送層の上に、スピンコート法により35nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、10分加熱することにより発光層を形成した。
【0226】
(陰極の形成)
発光層を形成した基板を蒸着機内において、1×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上に、フッ化ナトリウムを約7nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上に、アルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子CD1を作製した。
【0227】
(発光素子の評価)
発光素子CD1に電圧を印加することにより、445nmに発光スペクトルの最大ピーク波長を有するEL発光が観測された。初期輝度30cd/mで定電流駆動させ、輝度が初期輝度の90%となるまでの時間(LT90)を測定した。
【0228】
<実施例D1> 発光素子D1の作製と評価
比較例CD1における、「高分子化合物CP1及び蛍光発光性化合物G1(高分子化合物CP1/蛍光発光性化合物G1=95質量%/5質量%)」に代えて、「高分子化合物P1及び蛍光発光性化合物G1(高分子化合物P1/蛍光発光性化合物G1=95質量%/5質量%)」を用い、更にそのキシレン溶液の濃度を1.2質量%から1.6質量%に変更した以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D1を作製した。発光素子D1の発光スペクトルの最大ピーク波長は445nmであった。初期輝度30cd/mで定電流駆動させたときのLT90の発光素子CD1に対する相対値は、4342であった。
【0229】
<実施例D2> 発光素子D2の作製
実施例D1における、「高分子化合物P1及び蛍光発光性化合物G1(高分子化合物P1/蛍光発光性化合物G1=95質量%/5質量%)」に代えて、「高分子化合物P2及び蛍光発光性化合物G1(高分子化合物P2/蛍光発光性化合物G1=95質量%/5質量%)」を用い、更に発光層の膜厚を35nmから60nmに変更した以外は実施例D1と同様にして、発光素子D2を作製した。発光素子D2の発光スペクトルの最大ピーク波長は460nmであった。初期輝度100cd/mで定電流駆動させたときのLT90を測定した。
【0230】
<実施例D1-2> 発光素子D1-2の作製と評価
実施例D1における、発光層の膜厚を35nmから60nmに変更した以外は実施例D1と同様にして、発光素子D1-2を作製した。発光素子D1-2の発光スペクトルの最大ピーク波長は465nmであった。初期輝度100cd/mで定電流駆動させたときのLT90の発光素子D2に対する相対値は、8であった。
【0231】
実施例D1-2のLT90を実施例D1のLT90に標準化させた際の、発光素子D2のLT90の数値を表2に示す。この標準化処理により、実施例D1、D2及び比較例CD1の比較が可能となる。
【表2】
【0232】
<比較例CD2> 発光素子CD2の作製
比較例CD1における、「高分子化合物CP1及び蛍光発光性化合物G1(高分子化合物CP1/蛍光発光性化合物G1=95質量%/5質量%)」に代えて、「高分子化合物CP1及び蛍光発光性化合物G2(高分子化合物CP1/蛍光発光性化合物G2=95質量%/5質量%)」を用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子CD2を作製した。発光素子CD2の発光スペクトルの最大ピーク波長は510nmであった。初期輝度1000cd/m2で定電流駆動させたときのLT90を測定した。
【0233】
<実施例D3> 発光素子D3の作製
実施例D1における、「高分子化合物P1及び蛍光発光性化合物G1(高分子化合物P1/蛍光発光性化合物G1=95質量%/5質量%)」に代えて、「高分子化合物P1及び蛍光発光性化合物G2(高分子化合物P1/蛍光発光性化合物G2=95質量%/5質量%)」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D3を作製した。発光素子D3の発光スペクトルの最大ピーク波長は510nmであった。初期輝度1000cd/m2で定電流駆動させたときのLT90の発光素子CD2に対する相対値は、62であった。
【0234】
<実施例D4> 発光素子D4の作製
実施例D1における、「高分子化合物P1及び蛍光発光性化合物G1(高分子化合物P1/蛍光発光性化合物G1=95質量%/5質量%)」に代えて、「高分子化合物P2及び蛍光発光性化合物G2(高分子化合物P2/蛍光発光性化合物G2=95質量%/5質量%)」を用い、更に発光層の膜厚を35nmから60nmに変更した以外は実施例D1と同様にして、発光素子D4を作製した。発光素子D4の発光スペクトルの最大ピーク波長は515nmであった。初期輝度1000cd/m2で定電流駆動させたときのLT90を測定した。
【0235】
<実施例D3-2> 発光素子D3-2の作製と評価
実施例D3における、発光層の膜厚を35nmから60nmに変更した以外は実施例D3と同様にして、発光素子D3-2を作製した。発光素子D3-2の発光スペクトルの最大ピーク波長は515nmであった。初期輝度1000cd/m2で定電流駆動させたときのLT90の発光素子D4に対する相対値は、2.4であった。
【0236】
実施例D3-2のLT90を実施例D3のLT90に標準化させた際の、発光素子D4のLT90の数値を表3に示す。この標準化処理により、実施例D3、D4及び比較例CD2の比較が可能となる。
【表3】
【0237】
<比較例CD5> 発光素子CD5の作製と評価
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、正孔注入材料であるND-3202(日産化学工業製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で240℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
【0238】
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物IP1を0.7質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上に、スピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で200℃、30分間加熱することにより正孔輸送層を形成した。
【0239】
(発光層の形成)
キシレンに、高分子化合物CP4を1.2質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔輸送層の上に、スピンコート法により60nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、10分加熱することにより発光層を形成した。
【0240】
(陰極の形成)
発光層を形成した基板を蒸着機内において、1×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上に、フッ化ナトリウムを約7nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上に、アルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子CD5を作製した。
【0241】
(発光素子の評価)
発光素子CD5に電圧を印加することにより、460nmに発光スペクトルの最大ピーク波長を有するEL発光が観測された。初期輝度2100cd/mで定電流駆動させ、輝度が初期輝度の80%となるまでの時間(LT80)を測定した。
【0242】
<比較例CD4> 発光素子CD4の作製と評価
比較例CD5における、高分子化合物CP4に代えて、高分子化合物CP3を用いた以外は比較例CD5と同様にして、発光素子CD4を作製した。発光素子CD4の発光スペクトルの最大ピーク波長は460nmであった。初期輝度2100cd/mで定電流駆動させたときのLT80の発光素子CD5に対する相対値は、1.12であった。結果は表4に示す。
【0243】
<比較例CD3> 発光素子CD3の作製
比較例CD5における、高分子化合物CP4に代えて、高分子化合物CP2を用いた以外は比較例CD5と同様にして、発光素子CD3を作製した。発光素子CD3の発光スペクトルの最大ピーク波長は460nmであった。初期輝度2100cd/mで定電流駆動させたときのLT80の発光素子CD5に対する相対値は、0.80であった。結果は表4に示す。
【0244】
<実施例D5> 発光素子D5の作製と評価
比較例CD5における、高分子化合物CP4に代えて、高分子化合物P3を用いた以外は比較例CD5と同様にして、発光素子D5を作製した。発光素子D5の発光スペクトルの最大ピーク波長は465nmであった。初期輝度2100cd/mで定電流駆動させたときのLT80の発光素子CD5に対する相対値は、1.39であった。結果は表4に示す。
【0245】
<実施例D6> 発光素子D6の作製と評価
比較例CD5における、高分子化合物CP4に代えて、高分子化合物P4を用いた以外は比較例CD5と同様にして、発光素子D6を作製した。発光素子D6の発光スペクトルの最大ピーク波長は465nmであった。初期輝度2100cd/mで定電流駆動させ
たときのLT80の発光素子CD5に対する相対値は、3.23であった。結果は表4に示す。
【0246】
<実施例D7> 発光素子D7の作製と評価
比較例CD5における、高分子化合物CP4に代えて、高分子化合物P5を用いた以外は比較例CD5と同様にして、発光素子D7作製した。発光素子D7の発光スペクトルの最大ピーク波長は465nmであった。初期輝度2100cd/mで定電流駆動させたときのLT80の発光素子CD5に対する相対値は、1.78であった。結果は表4に示す。
【0247】
実施例D5~D7と比較例CD3~CD5を比較することで、本発明の高分子化合物を用いて作製される発光素子の輝度寿命が優れていることが示された。
【表4】