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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134616
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】炎症性腸疾患の治療薬
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/16 20060101AFI20230920BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20230920BHJP
   C07K 14/47 20060101ALN20230920BHJP
【FI】
A61K38/16
A61P1/04
C07K14/47
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114129
(22)【出願日】2023-07-12
(62)【分割の表示】P 2019557342の分割
【原出願日】2018-11-30
(31)【優先権主張番号】62/593,310
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】P 2018020686
(32)【優先日】2018-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、「難治性疾患実用化研究事業」「表皮水疱症に対する新たな医薬品の実用化に関する研究」委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願。平成29年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、「橋渡し研究戦略的推進プログラム」「骨髄間葉系幹細胞動員活性に基づく表皮水疱症治療薬開発」委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願。
(71)【出願人】
【識別番号】506364400
【氏名又は名称】株式会社ステムリム
(71)【出願人】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】玉井 克人
(72)【発明者】
【氏名】新保 敬史
(72)【発明者】
【氏名】山崎 尊彦
(57)【要約】      (修正有)
【課題】炎症性腸疾患の治療に有効な新規医薬を提供する。
【解決手段】特定のアミノ酸配列を有するHMGB1断片ペプチドを含有する、炎症性腸疾患の予防および/または治療のための医薬組成物を提供する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)から(c)のいずれかに記載の物質を含有する、炎症性腸疾患の予防および/または治療のための医薬組成物:
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド; および
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列と約80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
【請求項2】
炎症性腸疾患が非特異的炎症性腸疾患である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
非特異的炎症性腸疾患が潰瘍性大腸炎である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
非特異的炎症性腸疾患がクローン病である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項5】
以下の(a)から(c)のいずれかに記載の物質を含有する、炎症性腸疾患の患者において体重減少または腸管粘膜の損傷を抑制するための医薬組成物:
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド; および
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列と約80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
【請求項6】
炎症性腸疾患が非特異的炎症性腸疾患である、請求項5に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、High mobility group box 1(HMGB1)タンパク質の断片ペプチドを含む、炎症性腸疾患の予防および/または治療のための医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease; IBD)は、腸管の粘膜に慢性の炎症及び/又は潰瘍が生じる難治性の疾患であり、その代表例として潰瘍性大腸炎及びクローン病が挙げられる。炎症性腸疾患の原因は未だ十分に解明されていないが、遺伝的要因と種々の環境的要因が複雑に関与して免疫系の異常を引き起こすことが原因と考えられている。しかし、炎症性腸疾患には現在のところ根治的療法が無く、寛解と再燃を繰り返すことが多いため、長期間の医学管理が必要である。
【0003】
炎症性腸疾患の治療薬としては、5-アミノサリチル酸製剤、コルチコステロイド製剤、免疫抑制剤、生物学的製剤(例えば抗TNF-α抗体や抗α4β7インテグリン抗体)等が用いられているが、充分な効果が得られないケースがある。さらに、副作用の面でも、5-アミノサリチル酸製剤による吐き気、発熱、腹痛、貧血、間質性腎炎および肝機能障害; コルチコステロイド製剤による不眠、骨粗鬆症、副腎皮質機能不全、耐糖能異常および血圧上昇; ならびに免疫抑制剤による腎機能障害、肝機能障害、白血球減少および血圧上昇等の問題があり、改善の余地がある。したがって、既存の治療薬とは異なるタイプの、より効果的かつ安全性の高い炎症性腸疾患の治療薬の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2012/147470
【特許文献2】WO2014/065347
【特許文献3】WO2014/065348
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、炎症性腸疾患の治療に有効な新規医薬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、炎症性腸疾患の治療に有効な物質を探索した結果、特定のアミノ酸配列を有するHMGB1断片ペプチドが、炎症性腸疾患の動物モデルにおいて体重減少を抑制する効果ならびに大腸の短縮および粘膜損傷を抑制する効果を示すことを見出した。したがって、本願は、当該特定のHMGB1断片ペプチドを含有する、炎症性腸疾患の予防および/または治療のための医薬組成物を提供する。
【0007】
すなわち、本願は、以下を提供する。
〔1〕
以下の(a)から(c)のいずれかに記載の物質(以下、物質Aと称する)を含有する、炎症性腸疾患の予防および/または治療のための医薬組成物:
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むHMGB1断片ペプチド;
(b)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列を含むペプチド; および
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列と約80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むペプチド。
〔2〕
炎症性腸疾患が非特異的炎症性腸疾患である、〔1〕に記載の医薬組成物。
〔3〕
非特異的炎症性腸疾患が潰瘍性大腸炎である、〔2〕に記載の医薬組成物。
〔4〕
非特異的炎症性腸疾患がクローン病である、〔2〕に記載の医薬組成物。
〔5〕
物質Aを含有する、炎症性腸疾患の患者において体重減少または腸管粘膜の損傷を抑制するための医薬組成物。
〔6〕
炎症性腸疾患が非特異的炎症性腸疾患である、〔5〕に記載の医薬組成物。
〔A1〕
物質Aの有効量を対象に投与する工程を含む、炎症性腸疾患を予防および/または治療する方法。
〔A2〕
炎症性腸疾患が非特異的炎症性腸疾患である、〔A1〕に記載の方法。
〔A3〕
非特異的炎症性腸疾患が潰瘍性大腸炎である、〔A2〕に記載の方法。
〔A4〕
非特異的炎症性腸疾患がクローン病である、〔A2〕に記載の方法。
〔A5〕
物質Aの有効量を炎症性腸疾患の患者に投与する工程を含む、該患者において体重減少または腸管粘膜の損傷を抑制する方法。
〔A6〕
炎症性腸疾患が非特異的炎症性腸疾患である、〔A5〕に記載の方法。
〔B1〕
炎症性腸疾患の予防および/または治療に用いるための物質A。
〔B2〕
炎症性腸疾患が非特異的炎症性腸疾患である、〔B1〕に記載の物質A。
〔B3〕
非特異的炎症性腸疾患が潰瘍性大腸炎である、〔B2〕に記載の物質A。
〔B4〕
非特異的炎症性腸疾患がクローン病である、〔B2〕に記載の物質A。
〔B5〕
炎症性腸疾患の患者において体重減少または腸管粘膜の損傷の抑制に用いるための物質A。
〔B6〕
炎症性腸疾患が非特異的炎症性腸疾患である、〔B5〕に記載の物質A。
〔C1〕
炎症性腸疾患の予防および/または治療のための医薬の製造における、物質Aの使用。
〔C2〕
炎症性腸疾患が非特異的炎症性腸疾患である、〔C1〕に記載の使用。
〔C3〕
非特異的炎症性腸疾患が潰瘍性大腸炎である、〔C2〕に記載の使用。
〔C4〕
非特異的炎症性腸疾患がクローン病である、〔C2〕に記載の使用。
〔C5〕
炎症性腸疾患の患者において体重減少または腸管粘膜の損傷を抑制するための医薬の製造における、物質Aの使用。
〔C6〕
炎症性腸疾患が非特異的炎症性腸疾患である、〔C5〕に記載の使用。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】マウスの体重変化を示すグラフである(*** p<0.001、**** p<0.0001)。グラフ中、「Water」が正常マウス、「DSS+saline」が対照群、「DSS+1-44」がHMGB1ペプチド(1-44)投与群をそれぞれ示す。横軸において、日数はデキストラン硫酸ナトリウム(dextran sulfate sodium; DSS)水溶液の飲水開始後の日数を示しており、三角印は対照群およびHMGB1ペプチド(1-44)投与群の投与日を示している。
図2】DSS水溶液の飲水開始後9日目のマウスから摘出した大腸の写真、および大腸長を示すグラフである(* p<0.05、** p<0.01)。
図3】DSS水溶液の飲水開始後9日目の大腸における炎症性サイトカインの発現量を示すグラフである(* p<0.05、** p<0.01、*** p<0.001、**** p<0.0001)。
図4】マウスの体重変化を示すグラフである(**** p<0.0001)。グラフ中、「Water」が正常マウス、「DSS+saline」が対照群、「DSS+1-44」がHMGB1ペプチド(1-44)投与群をそれぞれ示す。横軸において、日数はDSS水溶液の飲水開始後の日数を示しており、三角印は対照群およびHMGB1ペプチド(1-44)投与群の投与日を示している。
図5】DSS水溶液の飲水開始後10日目のマウスから摘出した大腸の写真、および大腸長を示すグラフである(* p<0.05、** p<0.01)。
図6】DSS水溶液の飲水開始後10日目における大腸組織のHE染色結果を示す画像である。
図7】マウスの体重変化を示すグラフである(**** p<0.0001)。グラフ中、「Water」が正常マウス、「DSS+PI5 saline」が対照群、「DSS+PI5 1-44」がHMGB1ペプチド(1-44)投与群をそれぞれ示す。横軸において、日数はDSS水溶液の飲水開始後の日数を示している。
図8】DSS水溶液の飲水開始後10日目のマウスから摘出した大腸の写真、および大腸長を示すグラフである(* p<0.05、** p<0.01、*** p<0.001)。
図9】マウスの体重変化を示すグラフである(**** p<0.0001)。グラフ中、「Water」が正常マウス、「DSS+PBS」が対照群、「DSS+MSCs」がMSC投与群をそれぞれ示す。横軸において、日数はDSS水溶液の飲水開始後の日数を示しており、三角印は対照群およびMSC投与群の投与日を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むHMGB1断片ペプチドを含有する、炎症性腸疾患の予防および/または治療のための医薬組成物を提供する。
【0010】
本願における炎症性腸疾患(以下、IBDとも称する)には、原因不明の疾患(非特異的炎症性腸疾患)および原因との関係が明らかな疾患(特異的炎症性腸疾患)が含まれる。非特異的炎症性腸疾患としては、潰瘍性大腸炎、クローン病および腸管ベーチェット病が挙げられるが、これらに限定されない。特異的炎症性腸疾患としては、感染性腸炎、薬剤性腸炎、虚血性腸炎、腸結核等が挙げられるが、これらに限定されない。一つの態様において、本願の炎症性腸疾患は、非特異的炎症性腸疾患である。さらなる態様において、本願の非特異的炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎またはクローン病である。別の態様において、本願の非特異的炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎である。別のさらなる態様において、本願の非特異的炎症性腸疾患は、クローン病である。
【0011】
潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜にびらんや潰瘍が生じる原因不明の炎症性疾患である。主な症状として血便、粘血便、下痢もしくは血性下痢、腹痛等の症状を呈し、発熱や体重減少を伴うことも多い。
【0012】
クローン病とは、消化管に潰瘍や線維化を伴う肉芽腫性炎症性病変を生じる原因不明の慢性炎症性疾患である。主な症状として腹痛、下痢、体重減少、発熱等を呈するほか、瘻孔、狭窄等の腸管合併症や貧血、関節炎、虹彩炎、結節性紅斑、肛門部病変等の腸管外合併症が起こることもある。
【0013】
本願において、「医薬組成物」という用語は、「医薬」、「薬剤」または「薬学的組成物」と互換的に用いられる。
【0014】
また本願は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むHMGB1断片ペプチドを含有する、炎症性腸疾患の患者において体重減少または腸管粘膜の損傷を抑制するための医薬組成物を提供する。一つの態様において、本願の医薬組成物は、炎症性腸疾患の患者において大腸の粘膜の損傷を抑制するために用いられるものである。
【0015】
本願において、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むHMGB1断片ペプチドとは、HMGB1タンパク質の一部からなるペプチドであって、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むペプチドを意味する。このようなペプチドは、該ペプチドをコードするDNAを適当な発現系に組み込んで遺伝子組換え体(recombinant)として得ることができるし、または、人工的に合成することもできる。
【0016】
本願において、HMGB1タンパク質としては、配列番号:2に記載のアミノ酸配列を含むタンパク質、および、配列番号:3に記載の塩基配列を含むDNAによってコードされるタンパク質が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
本願における配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むHMGB1断片ペプチドとしては、配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるHMGB1断片ペプチドを例示できるが、これに限定されるものではない。
【0018】
本願の医薬組成物においては、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むHMGB1断片ペプチドに代えて、またはこれと共に、配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1つ以上のアミノ酸残基が改変(置換、欠失、挿入若しくは付加)されたアミノ酸配列を含むペプチドであって、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むHMGB1断片ペプチドと機能的に同等なペプチドを用いることもできる。かかるペプチドの例としては、以下のものを例示できるが、これらに限定されるものではない:
i) 配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個(例えば1個~10個、1個~9個、1個~8個、1個~7個、1個~6個、1個~5個、1個~4個、1個~3個、または1個若しくは2個)のアミノ酸が置換、欠失、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列を含むペプチド;
ii) 配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個(例えば1個~10個、1個~9個、1個~8個、1個~7個、1個~6個、1個~5個、1個~4個、1個~3個、または1個若しくは2個)のアミノ酸が置換、欠失、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド;
iii) 配列番号:1に記載のアミノ酸配列と約80%以上、例えば約85%以上、約90%以上、約91%以上、約92%以上、約93%以上、約94%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上または約99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むペプチド;
iv) 配列番号:1に記載のアミノ酸配列と約80%以上、例えば約85%以上、約90%以上、約91%以上、約92%以上、約93%以上、約94%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上または約99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
【0019】
本願のペプチドやそれを含有する医薬組成物(以下、ペプチド等と称する)の有効量が、本明細書に記載の疾患や症状の治療や予防のために対象に投与される。
【0020】
本願における有効量とは、本明細書に記載の疾患や症状の治療や予防に十分な量をいう。本願における治療には、軽減、遅延、阻止、改善、寛解、治癒、完治などが含まれるが、これらに限定されない。また本願における予防には、軽減、遅延、阻止などが含まれるが、これらに限定されない。
【0021】
本願における対象としては、特に制限はなく、哺乳類、鳥類、魚類等が挙げられる。哺乳類としては、ヒト又は非ヒト動物が挙げられ、例えば、ヒト、マウス、ラット、サル、ブタ、イヌ、ウサギ、ハムスター、モルモット、ウマ、ヒツジ、クジラなどが例示できるが、これらに限定されるものではない。本願において、「対象」という用語は、「患者」、「個体」および「動物」と互換的に用いられる。
【0022】
本願のペプチド等の投与部位に制限はなく、炎症性腸疾患の症状が現れる部位もしくはその近傍、それらとは異なる部位(それら以外の部位)、炎症性腸疾患の症状が現れる部位から離れた部位、炎症性腸疾患の症状が現れる部位から遠位にある部位、または、炎症性腸疾患の症状が現れる部位に対して遠位かつ異所である部位など、いかなる部位に投与されても、本願のペプチド等は、その効果を発揮することができる。
【0023】
また本願のペプチド等は、炎症性腸疾患の症状が現れる組織(例えば消化管)とは異なる組織、炎症性腸疾患の症状が現れる組織から離れた組織、炎症性腸疾患の症状が現れる組織から遠位にある組織、または、炎症性腸疾患の症状が現れる組織に対して遠位かつ異所にある組織など、いかなる組織に投与されても、その効果を発揮することができる。
【0024】
本願のペプチド等の投与方法としては、経口投与または非経口投与が挙げられ、非経口投与方法としては、血管内投与(動脈内投与、静脈内投与等)、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、腹腔内投与、経鼻投与、経肺投与、経皮投与などが挙げられるが、これらに限定されない。また、本願のペプチド等を、注射投与、例えば、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射などによって全身または局部的(例えば、皮下、皮内、皮膚表面、眼球あるいは眼瞼結膜、鼻腔粘膜、口腔内および消化管粘膜、膣・子宮内粘膜、または損傷部位など)に投与できる。
【0025】
また、本願のペプチド等に代えて、本願のペプチドを分泌する細胞、該ペプチドをコードするDNAが挿入された遺伝子治療用ベクター、およびこれらを含有する医薬組成物を用いることもできる。
【0026】
また、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができる。本願のペプチドを投与する場合、例えば、一回の投与につき、体重1 kgあたり0.0000001mgから1000mgの範囲で投与量が選択できる。あるいは、例えば、患者あたり0.00001から100000mg/bodyの範囲で投与量が選択できる。本願のペプチドを分泌する細胞や該ペプチドをコードするDNAが挿入された遺伝子治療用ベクターを投与する場合も、該ペプチドの量が上記範囲内となるように投与することができる。しかしながら、本願における医薬組成物はこれらの投与量に制限されるものではない。
【0027】
本願の医薬組成物は、常法に従って製剤化することができ(例えば、Remington's Pharmaceutical Science, latest edition, Mark Publishing Company, Easton, U.S.A)、医薬的に許容される担体や添加物を共に含むものであってもよい。例えば界面活性剤、賦形剤、着色料、着香料、保存料、安定剤、緩衝剤、懸濁剤、等張化剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤等が挙げられるが、これらに制限されず、その他常用の担体が適宜使用できる。具体的には、軽質無水ケイ酸、乳糖、結晶セルロース、マンニトール、デンプン、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、中鎖脂肪酸トリグリセライド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、白糖、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を挙げることができる。
【0028】
なお、本明細書において引用されたすべての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
【0029】
本発明は、下記の実施例によってさらに例示されるが、それらに限定されるものではない。
【実施例0030】
実施例1
炎症性腸疾患に対するHMGB1断片ペプチドの有効性の評価(1)
【0031】
(1)材料および方法
i)薬剤調製
デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)(分子量5,000~6,000、ナカライテスク社製、カタログ番号10930-94)を水に溶解し、3%(w/v)のDSS水溶液を調製した。また、ヒト由来のHMGB1タンパク質のアミノ酸残基1-44(配列番号:1)からなるペプチドを固相法により化学合成した。以下、当該HMGB1断片ペプチドをHMGB1ペプチド(1-44)と称し、実施例に対応する図面においては「1-44」と省略して表記する。
【0032】
ii)炎症性腸疾患(IBD)モデルマウスの作成
C57BL/6マウス(8~10週齢、オス、体重約20g)に精製水(RO水)に代えて3%DSS水溶液を自由飲水させることにより、大腸炎を誘発した(DSS水溶液の飲水は大腸の摘出時まで継続した)。また、精製水(RO水)を自由飲水させたマウス(以下、「正常マウス」と称する)を比較対象として用いた。
【0033】
iii)ペプチドの投与
上記の通り作成したIBDモデルマウスをHMGB1ペプチド(1-44)投与群(n=3)および対照群(n=3)に分けた。被験物質の投与は、DSS水溶液の飲水開始後6日目および7日目に、生理食塩水を溶媒として0.5mg/mLの濃度に調整したHMGB1ペプチド(1-44)溶液を200μL/匹の量(ペプチドの投与量としては5mg/kg)で静脈に注入することにより行った。対照群には、DSS水溶液の飲水開始後6日目および7日目に、生理食塩水を200μL/匹の量で静脈に注入した。正常マウス(n=3)には物質の投与を行わなかった。なお、以下において、「DSS水溶液の飲水開始後X日目」を「DSS飲水X日目」と省略して表記する。
【0034】
iv)ペプチドの投与による効果の評価
DSS水溶液の飲水開始から大腸の摘出時まで毎日、マウスの体重を測定した。DSS飲水9日目にマウスから大腸を摘出し、大腸長を測定した。摘出した大腸のうち肛門に近い末端部分からmRNAを抽出し、定量PCRによって炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1β、IL-6)の発現量を解析した。
【0035】
(2)結果
i)体重変化
試験期間中におけるマウスの体重変化を図1に示す(正常マウスについて「Water」、対照群について「DSS+saline」、HMGB1ペプチド(1-44)投与群について「DSS+1-44」参照)。対照群のIBDモデルマウスの体重は日数経過に伴って減少し、DSS飲水9日目には正常マウスより顕著に小さくなった。これに対し、HMGB1ペプチド(1-44)投与群では、一旦減少した体重がペプチドの投与後に回復し、DSS飲水9日目には対照群より顕著に大きくなった。
【0036】
ii)大腸長
図2に示すとおり、対照群のIBDモデルマウスの大腸長が正常マウスよりも有意に短くなる条件において、HMGB1ペプチド(1-44)投与群の大腸長は対照群より有意に長かった(正常マウスについて「Water」、対照群について「DSS+saline」、HMGB1ペプチド(1-44)投与群について「DSS+1-44」参照)。かかる結果は、IBD のモデルであるDSS誘発腸炎における大腸の短縮がHMGB1ペプチド(1-44)の投与により抑制されたことを示す。
【0037】
iii)炎症性サイトカイン
DSS飲水9日目の大腸における炎症性サイトカインの発現量を図3に示す(正常マウスについて「Water」、対照群について「DSS+saline」、HMGB1ペプチド(1-44)投与群について「DSS+1-44」参照)。対照群のIBDモデルマウスでは、TNF-α、IL-1βおよびIL-6の発現が正常マウスよりも顕著に高かった。一方、HMGB1ペプチド(1-44)投与群におけるTNF-α、IL-1βおよびIL-6の発現は対照群より有意に低かった。かかる結果は、IBD のモデルであるDSS誘発腸炎における炎症性サイトカインの発現がHMGB1ペプチド(1-44)の投与により抑制されたことを示す。
【0038】
実施例2
炎症性腸疾患に対するHMGB1断片ペプチドの有効性の評価(2)
【0039】
(1)材料および方法
i)薬剤およびマウス
DSS水溶液およびHMGB1ペプチド(1-44)の調製、ならびに炎症性腸疾患モデルマウスの作成については実施例1と同様とした。
【0040】
ii)ペプチドの投与
実施例1に記載の通り作成したIBDモデルマウスをHMGB1ペプチド(1-44)投与群(n=3)および対照群(n=3)に分けた。被験物質の投与は、DSS飲水1、3、5および7日目に、生理食塩水を溶媒として0.5mg/mLの濃度に調整したHMGB1ペプチド(1-44)溶液を200μL/匹の量(ペプチドの投与量としては5mg/kg)で静脈に注入することにより行った。対照群には、DSS飲水1、3、5および7日目に、生理食塩水を200μL/匹の量で静脈に注入した。正常マウス(n=3)には物質の投与を行わなかった。
【0041】
iii)ペプチドの投与による効果の評価
DSS水溶液の飲水開始から大腸の摘出時まで毎日、マウスの体重を測定した。DSS飲水10日目にマウスから大腸を摘出し、大腸長を測定した。摘出した大腸のうち肛門に近い末端部分を用いて腸管断面の組織切片を作成し、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色を行った。
【0042】
(2)結果
i)体重変化
試験期間中におけるマウスの体重変化を図4に示す(正常マウスについて「Water」、対照群について「DSS+saline」、HMGB1ペプチド(1-44)投与群について「DSS+1-44」参照)。IBDモデルマウス(対照群およびHMGB1ペプチド(1-44)投与群)の体重は日数経過に伴って減少し、DSS飲水10日目には正常マウスより顕著に小さくなった。HMGB1ペプチド(1-44)投与群では、対照群と比較して体重減少が抑制されており、DSS飲水10日目の体重は対照群より顕著に大きかった。
【0043】
ii)大腸長
図5に示すとおり、対照群のIBDモデルマウスの大腸長が正常マウスよりも有意に短くなる条件において、HMGB1ペプチド(1-44)投与群の大腸長は対照群より有意に長かった(正常マウスについて「Water」、対照群について「DSS+saline」、HMGB1ペプチド(1-44)投与群について「DSS+1-44」参照)。かかる結果は、IBD のモデルであるDSS誘発腸炎における大腸の短縮がHMGB1ペプチド(1-44)の投与により抑制されたことを示す。
【0044】
iii)粘膜組織
DSS飲水10日目における大腸組織のHE染色像を図6に示す(正常マウスについて「Water」、対照群について「DSS+saline」、HMGB1ペプチド(1-44)投与群について「DSS+1-44」参照)。対照群のIBDモデルマウスでは粘膜組織が損傷しているのに対し、HMGB1ペプチド(1-44)投与群では粘膜組織の損傷が抑制されていた。かかる結果は、IBD のモデルであるDSS誘発腸炎における大腸粘膜組織の損傷がHMGB1ペプチド(1-44)の投与により抑制されたことを示す。
【0045】
実施例3
炎症性腸疾患に対するHMGB1断片ペプチドの有効性の評価(3)
【0046】
(1)材料および方法
i)薬剤およびマウス
DSS水溶液およびHMGB1ペプチド(1-44)の調製、ならびに炎症性腸疾患モデルマウスの作成については実施例1と同様とした。
【0047】
ii)ペプチド含有ハイドロゲルの調製
約5mm×5mmの大きさに切った生体吸収性ハイドロゲル(MedGel(登録商標) PI5、株式会社メドジェル製)に、生理食塩水を溶媒として5μg/μLの濃度に調整したHMGB1ペプチド(1-44)溶液を20μL滴下して含有させ、氷冷下で30分静置したものをHMGB1ペプチド(1-44)投与群のマウスへの埋め込みに用いた。また、これと同様の手順に従い、HMGB1ペプチド(1-44)溶液の代わりに生理食塩水を含有させたハイドロゲルを対照群のマウスへの埋め込みに用いた。
【0048】
iii)ペプチドの投与
実施例1に記載の通り作成したIBDモデルマウスをHMGB1ペプチド(1-44)投与群(n=3)および対照群(n=3)に分けた。被験物質の投与は、DSS水溶液の飲水開始の1日前に、上記の通り調製したHMGB1ペプチド(1-44)溶液含有ハイドロゲルをマウスの背部に埋め込むことにより行った。対照群のマウスの背部には、DSS水溶液の飲水開始の1日前に、上記の通り調製した生理食塩水含有ハイドロゲルを埋め込んだ。正常マウス(n=3)には物質の投与を行わなかった。
【0049】
iv)ペプチドの投与による効果の評価
DSS水溶液の飲水開始から大腸の摘出時まで毎日、マウスの体重を測定した。DSS飲水10日目にマウスから大腸を摘出し、大腸長を測定した。
【0050】
(2)結果
i)体重変化
試験期間中におけるマウスの体重変化を図7に示す(正常マウスについて「Water」、対照群について「DSS+PI5 saline」、HMGB1ペプチド(1-44)投与群について「DSS+PI5 1-44」参照)。IBDモデルマウス(対照群およびHMGB1ペプチド(1-44)投与群)の体重は日数経過に伴って減少し、DSS飲水10日目には正常マウスより小さくなった。HMGB1ペプチド(1-44)投与群では、対照群と比較して体重減少が抑制されており、DSS飲水10日目の体重は対照群より大きかった。
【0051】
ii)大腸長
図8に示すとおり、対照群のIBDモデルマウスの大腸長が正常マウスよりも短くなる条件において、HMGB1ペプチド(1-44)投与群の大腸長は対照群より長かった(正常マウスについて「Water」、対照群について「DSS+PI5 saline」、HMGB1ペプチド(1-44)投与群について「DSS+PI5 1-44」参照)。かかる結果は、IBD のモデルであるDSS誘発腸炎における大腸の短縮がHMGB1ペプチド(1-44)の投与により抑制されたことを示す。
【0052】
比較例1
炎症性腸疾患モデルにおける間葉系幹細胞(MSCs)の投与
【0053】
近年、生体から取り出した間葉系幹細胞を炎症性腸疾患の治療に用いる試みがなされている。一方、本発明者らはこれまでに、HMGB1ペプチド(1-44)が骨髄内の間葉系幹細胞を末梢血中に動員する作用を有することを見出している。そこで、間葉系幹細胞の投与とHMGB1ペプチド(1-44)の投与の効果を比較する目的で以下の実験を行った。
【0054】
(1)材料および方法
i)薬剤およびマウス
DSS水溶液およびHMGB1ペプチド(1-44)の調製、ならびに炎症性腸疾患モデルマウスの作成については実施例1と同様とした。
【0055】
ii)間葉系幹細胞の投与
実施例1に記載の通り作成したIBDモデルマウスを間葉系幹細胞(MSC)投与群(n=3)および対照群(n=3)に分けた。C57BL/6マウス(6~8週齢、雄)の大腿骨から骨髄を採取し、培地としてMesenCult(商標)MSC Basal Medium (Mouse)(STEMCELL Technologies社製、10nM Rock inhibitorおよびMesenPureを含む)を用いてプラスチックプレート上で培養することにより付着性コロニーとして間葉系幹細胞を得た。DSS飲水5日目に、3回継代後の前記間葉系幹細胞をPBSに懸濁して1×106個/mLに調整し、MSC投与群のマウスの腹腔内に100μL投与した。対照群のマウスには、DSS飲水5日目に、腹腔内にPBSを100μL投与した。正常マウス(n=3)には物質の投与を行わなかった。
【0056】
iii)間葉系幹細胞の投与による効果の評価
DSS水溶液の飲水開始後9日目まで毎日、マウスの体重を測定した。
【0057】
(2)結果
試験期間中におけるマウスの体重変化を図9に示す(正常マウスについて「Water」、対照群について「DSS+PBS」、MSC投与群について「DSS+MSCs」参照)。IBDモデルマウス(対照群およびMSC投与群)の体重は日数経過に伴って減少した。MSC投与群と対照群の間では体重変化に差がなく、MSC投与による改善効果は見られなかった。
【0058】
本比較例の条件下において、間葉系幹細胞の投与は炎症性腸疾患モデルマウスの体重減少を抑制しなかったが、HMGB1ペプチド(1-44)はこれと同様の条件で作成した炎症性腸疾患モデルマウスに対して体重減少等の症状を改善する効果を示した。このことから、間葉系幹細胞の投与では効果が得られない炎症性腸疾患の患者に対しても本願のペプチドは有効であることが期待される。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本願のペプチドを含む医薬組成物は、既存の治療薬では十分な効果が得られない炎症性腸疾患の患者に対して多大な恩恵をもたらすものと期待される。
【0060】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> StemRIM Inc.
Osaka University
<120> An agent for the treatment of inflammatory bowel disease
<150> US 62/593,310
<151> 2017-12-01
<150> JP 2018-020686
<151> 2018-02-08
<160> 3
<170> PatentIn version 3.5

<210> 1
<211> 44
<212> PRT
<213> Artificial sequence
<220>
<223> An artificially synthesized peptide sequence
<400> 1
Met Gly Lys Gly Asp Pro Lys Lys Pro Arg Gly Lys Met Ser Ser Tyr
1 5 10 15
Ala Phe Phe Val Gln Thr Cys Arg Glu Glu His Lys Lys Lys His Pro
20 25 30
Asp Ala Ser Val Asn Phe Ser Glu Phe Ser Lys Lys
35 40

<210> 2
<211> 215
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 2
Met Gly Lys Gly Asp Pro Lys Lys Pro Arg Gly Lys Met Ser Ser Tyr
1 5 10 15
Ala Phe Phe Val Gln Thr Cys Arg Glu Glu His Lys Lys Lys His Pro
20 25 30
Asp Ala Ser Val Asn Phe Ser Glu Phe Ser Lys Lys Cys Ser Glu Arg
35 40 45
Trp Lys Thr Met Ser Ala Lys Glu Lys Gly Lys Phe Glu Asp Met Ala
50 55 60
Lys Ala Asp Lys Ala Arg Tyr Glu Arg Glu Met Lys Thr Tyr Ile Pro
65 70 75 80
Pro Lys Gly Glu Thr Lys Lys Lys Phe Lys Asp Pro Asn Ala Pro Lys
85 90 95
Arg Pro Pro Ser Ala Phe Phe Leu Phe Cys Ser Glu Tyr Arg Pro Lys
100 105 110
Ile Lys Gly Glu His Pro Gly Leu Ser Ile Gly Asp Val Ala Lys Lys
115 120 125
Leu Gly Glu Met Trp Asn Asn Thr Ala Ala Asp Asp Lys Gln Pro Tyr
130 135 140
Glu Lys Lys Ala Ala Lys Leu Lys Glu Lys Tyr Glu Lys Asp Ile Ala
145 150 155 160
Ala Tyr Arg Ala Lys Gly Lys Pro Asp Ala Ala Lys Lys Gly Val Val
165 170 175
Lys Ala Glu Lys Ser Lys Lys Lys Lys Glu Glu Glu Glu Asp Glu Glu
180 185 190
Asp Glu Glu Asp Glu Glu Glu Glu Glu Asp Glu Glu Asp Glu Asp Glu
195 200 205
Glu Glu Asp Asp Asp Asp Glu
210 215

<210> 3
<211> 648
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 3
atgggcaaag gagatcctaa gaagccgaga ggcaaaatgt catcatatgc attttttgtg 60
caaacttgtc gggaggagca taagaagaag cacccagatg cttcagtcaa cttctcagag 120
ttttctaaga agtgctcaga gaggtggaag accatgtctg ctaaagagaa aggaaaattt 180
gaagatatgg caaaagcgga caaggcccgt tatgaaagag aaatgaaaac ctatatccct 240
cccaaagggg agacaaaaaa gaagttcaag gatcccaatg cacccaagag gcctccttcg 300
gccttcttcc tcttctgctc tgagtatcgc ccaaaaatca aaggagaaca tcctggcctg 360
tccattggtg atgttgcgaa gaaactggga gagatgtgga ataacactgc tgcagatgac 420
aagcagcctt atgaaaagaa ggctgcgaag ctgaaggaaa aatacgaaaa ggatattgct 480
gcatatcgag ctaaaggaaa gcctgatgca gcaaaaaagg gagttgtcaa ggctgaaaaa 540
agcaagaaaa agaaggaaga ggaggaagat gaggaagatg aagaggatga ggaggaggag 600
gaagatgaag aagatgaaga tgaagaagaa gatgatgatg atgaataa 648
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【配列表】
2023134616000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)から(c)のいずれかに記載のペプチドを含有する、非特異的炎症性腸疾患の予防および/または治療のための医薬組成物:
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1から4個のアミノ酸が置換、欠失、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド; および
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
【請求項2】
非特異的炎症性腸疾患が潰瘍性大腸炎である、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項3】
非特異的炎症性腸疾患がクローン病である、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項4】
ペプチドが以下の(a)から(c)のいずれかに記載のペプチドである、請求項1から3のいずれかに記載の医薬組成物:
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1から3個のアミノ酸が置換、欠失、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド; および
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列と93%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
【請求項5】
ペプチドが以下の(a)から(c)のいずれかに記載のペプチドである、請求項1から3のいずれかに記載の医薬組成物:
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1または2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド; および
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列と95%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
【請求項6】
ペプチドが以下の(a)から(c)のいずれかに記載のペプチドである、請求項1から3のいずれかに記載の医薬組成物:
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1個のアミノ酸が置換、欠失、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド; および
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列と97%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
【請求項7】
ペプチドが配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるペプチドである、請求項1から3のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項8】
以下の(a)から(c)のいずれかに記載のペプチドを含有する、非特異的炎症性腸疾患の患者において体重減少または腸管粘膜の損傷を抑制するための医薬組成物:
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1から4個のアミノ酸が置換、欠失、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド; および
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
【請求項9】
非特異的炎症性腸疾患が潰瘍性大腸炎である、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
非特異的炎症性腸疾患がクローン病である、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項11】
ペプチドが以下の(a)から(c)のいずれかに記載のペプチドである、請求項8から10のいずれかに記載の医薬組成物:
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1から3個のアミノ酸が置換、欠失、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド; および
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列と93%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
【請求項12】
ペプチドが以下の(a)から(c)のいずれかに記載のペプチドである、請求項8から10のいずれかに記載の医薬組成物:
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1または2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド; および
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列と95%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
【請求項13】
ペプチドが以下の(a)から(c)のいずれかに記載のペプチドである、請求項8から10のいずれかに記載の医薬組成物:
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1個のアミノ酸が置換、欠失、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド; および
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列と97%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
【請求項14】
ペプチドが配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるペプチドである、請求項8から10のいずれかに記載の医薬組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】変更
【補正の内容】
【配列表】
2023134616000001.xml