(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135213
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/12 20130101AFI20230921BHJP
G06F 21/57 20130101ALI20230921BHJP
G06F 21/10 20130101ALI20230921BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20230921BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20230921BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20230921BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20230921BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
G06F21/12 330
G06F21/57 320
G06F21/10 350
H04N1/00 E
H04N1/00 912
G03G21/00 388
B41J29/00 Z
B41J29/38 401
B41J29/38 501
G06F3/12 302
G06F3/12 338
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040308
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】望月 俊宏
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AS02
2C061BB10
2C061HJ08
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HN15
2H270KA58
2H270MF14
2H270MF15
2H270MF17
2H270NC06
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB43
5C062AB44
(57)【要約】
【課題】可搬メディアを紛失するリスクを低減する。
【解決手段】可搬メディアを使用する画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して接続する情報処理装置とを有する情報処理システムでは、前記画像処理装置は、 識別情報に基づき、処理実行の可否を識別する識別部と、前記可搬メディアを仮想化させ、かつ、前記情報処理装置から前記識別情報を取得する仮想化部とを備え、前記情報処理装置は、前記識別情報を前記画像処理装置に送る通信部と、前記識別情報を記憶する記憶部とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬メディアを使用する画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して接続する情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
前記画像処理装置は、
識別情報に基づき、処理実行の可否を識別する識別部と、
前記可搬メディアを仮想化させ、かつ、前記情報処理装置から前記識別情報を取得する仮想化部とを備え、
前記情報処理装置は、
前記識別情報を前記画像処理装置に送る通信部と、
前記識別情報を記憶する記憶部とを備える
情報処理システム。
【請求項2】
前記可搬メディアは、
所定のフォーマットがされている
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記ネットワークを介したファームウェアの更新を禁止する禁止部を更に備え、
前記可搬メディアは、
前記ファームウェアの更新を許可する許可情報を記憶する
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記記憶部は、
ドングルキーである
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
画像処理を行う画像処理部を更に備える
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記可搬メディアのマウントを許可する認証部を更に備える
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記ネットワークは、
外部からのアクセスを遮断し、
前記画像処理装置は、
画像処理部を更に備え、
前記識別部は、
前記可搬メディアが物理的に前記画像処理装置に接続すると、前記識別情報に基づき識別し、
前記識別部は、
前記仮想化部が前記可搬メディアを仮想化させると、前記可搬メディアが物理的に前記画像処理装置に接続している状態と識別して画像処理を行う
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
可搬メディアを使用する画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して接続する情報処理装置とを有する情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
前記画像処理装置が、識別情報に基づき、処理実行の可否を識別する識別手順と、
前記画像処理装置が、前記可搬メディアを仮想化させ、かつ、前記情報処理装置から前記識別情報を取得する仮想化手順と、
前記情報処理装置が、前記識別情報を前記画像処理装置に送る通信手順と、
前記情報処理装置が、前記識別情報を記憶する記憶手順と
を含む情報処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理方法を実行するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
媒体に画像を形成する画像形成機能を含むMultiFunction Peripheral(MFP)を、セキュリティの確保を目的として、外部と通信を遮断した環境において利用することがある。そのような環境において、画像形成処理(印刷)を含むMFPの機能を利用するときに、処理対象とするデータを可搬メディア(例えば、USBメモリ、又は、SD(登録商標)カード等である。)に格納してMFPへ入力する技術が知られている。
【0003】
可搬メディアからデータをMFPへと入力するときには、可搬メディアをMFPに挿入する態様が一般的である。その場合、使用した可搬メディアの抜き忘れ等により、可搬メディアの紛失が懸念される。そこで、使用後の可搬メディアの紛失を防ぐ技術が知られている。具体的には、MFPが可搬メディアの着脱を検出してから、画像データの読み出しをして、可搬メディアが取り外されたことが検出されてから印刷条件の入力を受け付けるようにする技術が知られている(例えば、特許文献1等である)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、MFP等でデータ入力に可搬メディアを用いるとき、一度は可搬メディアを挿入するので可搬メディアの紛失を防止する点において課題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、可搬メディアを紛失するリスクを低減する目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、可搬メディアを使用する画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して接続する情報処理装置とを有する情報処理システムでは、
前記画像処理装置は、
識別情報に基づき、処理実行の可否を識別する識別部と、
前記可搬メディアを仮想化させ、かつ、前記情報処理装置から前記識別情報を取得する仮想化部とを備え、
前記情報処理装置は、
前記識別情報を前記画像処理装置に送る通信部と、
前記識別情報を記憶する記憶部と
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、可搬メディアを紛失するリスクを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理システム構成、及び、ハードウェア構成の例を示す図である。
【
図3】識別情報に基づいた識別処理の例を示す図である。
【
図4】外部からのアクセスを遮断したネットワークの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付する図面を参照し、具体例を説明する。なお、実施形態は、以下に説明する具体例に限られない。また、以下の例では、シートを用紙とする例で説明する。
【0010】
[情報処理システム構成、及び、ハードウェア構成]
図1は、情報処理システム構成、及び、ハードウェア構成の例を示す図である。まず、情報処理システム1は、画像形成装置2、及び、情報処理装置3で構成する。なお、情報処理システム1は、画像形成装置2、及び、情報処理装置3以外の装置を更に有してもよい。以下、画像処理装置が画像形成装置2である例で説明する。
【0011】
画像形成装置2は、例えば、MFP、コピー機、プリンタ、又は、これらの組み合わせ等である。なお、画像形成装置2は、画像形成等の画像処理を行う装置であれば、機種を問わない。
【0012】
情報処理装置3は、Personal Computer(PC)、サーバ、タブレット、又は、これらの組み合わせ等である。
【0013】
情報処理システム1において、画像形成装置2、及び、情報処理装置3は、ネットワーク4を介して接続する。
【0014】
画像形成装置2は、処理装置21、識別装置22、制御装置23、仮想化装置24、及び、通信装置25を有する構成である。なお、画像形成装置2は、図示する以外の装置を有してもよい。
【0015】
処理装置21は、画像形成等の処理を行う。したがって、処理装置21は、画像形成装置2が行う処理内容に応じたハードウェアである。例えば、処理装置21は、画像形成用の帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、及び、定着装置等である。
【0016】
識別装置22は、識別処理を行い、処理装置21が処理を実行してよいか否かを決定する装置である。
【0017】
制御装置23は、画像形成装置2が有するハードウェアを制御する装置である。
【0018】
仮想化装置24は、仮想化処理を行う装置である。
【0019】
通信装置25は、外部の装置と通信を行う装置である。
【0020】
なお、処理装置21、識別装置22、制御装置23、仮想化装置24、及び、通信装置25は、同じCentral Processing Unit(CPU)で処理を実行する装置であってもよい。すなわち、各装置は、一体の装置でもよいし、別々の装置でもよい。また、画像形成装置2は、複数の演算装置、制御装置、記憶装置、通信装置、入力装置、及び、出力装置を有するハードウェア構成であってもよい。
【0021】
情報処理装置3は、通信装置31、制御装置32、及び、記憶装置33を有する構成である。
【0022】
通信装置31は、外部の装置と通信を行う装置である。
【0023】
制御装置32は、情報処理装置3が有するハードウェアを制御する装置である。
【0024】
記憶装置33は、可搬メディア34から識別情報35を読み出し、記憶する装置である。
【0025】
なお、通信装置31、制御装置32、及び、記憶装置33は、同じCPUで処理を実行する装置であってもよい。すなわち、各装置は、一体の装置でもよいし、別々の装置でもよい。また、情報処理装置3は、複数の演算装置、制御装置、記憶装置、通信装置、入力装置、及び、出力装置を有するハードウェア構成であってもよい。
【0026】
情報処理装置3には、可搬メディア34が接続する。また、可搬メディア34は、情報処理装置3に対し、取り付け、及び、取り外しが可能である。
【0027】
具体的には、可搬メディア34は、ドングル(Dongle)キーである。例えば、可搬メディア34は、USB等のインタフェースで情報処理装置3に接続するドングルキーである。
【0028】
[全体処理例]
図2は、全体処理例を示す図である。
【0029】
ステップS0201では、仮想化部103は、可搬メディア34を仮想化する。具体的には、画像形成装置2は、仮想化処理を行い、USB仮想メモリを認識する。したがって、仮想化処理が行われた後、画像形成装置2は、USBドライバへアクセスすると、代わりにUSB仮想ドライバにアクセスする。
【0030】
なお、ステップS0201は、ステップS0202以降の処理が行われる前に行われていればよい。したがって、ステップS0201と、ステップS0202以降の処理は、連続して実行されなくともよい。また、ステップS0201は、一度実行されて、以降、画像形成装置2がUSB仮想メモリを認識する設定が持続するのであれば、繰り返し行わなくともよい。すなわち、ステップS0201は、以前に実行されていれば省略されてもよい。
【0031】
ステップS0202では、仮想化部103は、識別情報35の取得を開始する。具体的には、画像形成装置2は、画像形成の指示等があると、識別情報35を取得して識別処理の準備を行う。なお、識別情報35を取得するには、通信を行うので、ステップS0202では、画像形成装置2は、通信を準備する処理等を行ってもよい。
【0032】
ステップS0203では、識別部102は、識別情報35に基づいて識別処理を行う。具体的には、ステップS0203は、以下のような処理である。
【0033】
図3は、識別情報に基づいた識別処理の例を示す図である。
【0034】
ステップS0301では、識別部102は、仮想デバイスがアクセス先であるか否かを判断する。具体的には、事前に仮想化処理が行われていると(この例では、ステップS0201である。)、画像形成装置2は、仮想デバイスがアクセス先であると判断する(ステップS0301でYES)。一方で、仮想化処理が行われていない場合には、画像形成装置2は、画像形成装置2に物理的に接続しているUSBメモリ等を検索して、接続しているUSBメモリがあるとアクセス先とする(ステップS0301でNO)。
【0035】
ただし、ステップS0301では、画像形成装置2は、仮想化処理が事前に行われず、仮想デバイスを認識できない場合(ステップS0301でNO)には、識別処理、及び、画像処理等を実行せずに全体処理を終了してもよい。このように、仮想デバイスが認識できない場合の処理は、事前に設定されてもよい。
【0036】
次に、仮想デバイスがアクセス先であると判断する(ステップS0301でYES)と、画像形成装置2は、ステップS0303に進む。一方で、仮想デバイスがアクセス先でないと判断する(ステップS0301でNO)と、画像形成装置2は、ステップS0302に進む。
【0037】
ステップS0302では、識別部102は、画像形成装置2に接続しているUSBメモリから識別情報35を取得する。したがって、以降に識別処理が行われると、識別情報35に基づいて識別されて、画像形成装置2は、画像処理が実行できる状態となる。
【0038】
ステップS0303では、仮想化部103は、情報処理装置3と通信をして、識別情報35を取得する。具体的には、画像形成装置2は、USB仮想ドライバにアクセスする。次に、USB仮想ドライバにアクセスがあると、画像形成装置2は、ネットワーク4を介して情報処理装置3と通信を開始する。そして、情報処理装置3は、可搬メディア34から識別情報35を読み出して記憶する。続いて、情報処理装置3は、画像形成装置2に対して識別情報35を返す。
【0039】
このようにすると、画像形成装置2は、情報処理装置3と通信をして、識別情報35を取得できる。したがって、以降に識別処理が行われると、識別情報35に基づいて識別されて、画像形成装置2は、画像処理が実行できる状態となる。
【0040】
ステップS0304では、識別部102は、識別処理を行う。識別処理は、アプリケーションソフトウェア等のいわゆるライセンスを確認する処理である。具体的には、事前に設定する情報と、識別情報35が一致すれば、正式にライセンスが承諾されているユーザによる操作と判断されて、画像処理等は、実行してよいと識別される。一方で、識別情報35が古い情報である、又は、識別情報35が事前に設定する情報と異なる情報であると、不正な使用と判断されて、画像形成装置2は、画像処理が実行できない。
【0041】
なお、識別情報35、及び、識別処理は、ライセンスについて正式なユーザであるか否かを確認できればよく、識別情報35のデータ形式、及び、識別処理のアルゴリズム等は問わない。
【0042】
ステップS0204では、識別部102は、識別情報35の取得を終了する。
【0043】
ステップS0205では、識別部102は、識別情報35に基づき、処理実行の可否を識別できたか否かを判断する。すなわち、ステップS0304による識別処理で正式にライセンスが承諾されているユーザによる操作と判断されると、画像形成装置2は、識別情報35に基づき、識別できたと判断する(ステップS0205でYES)。すなわち、画像形成装置2は、ライセンスが識別できなければ、ライセンスを要する処理の実行を行わない。また、画像形成装置2は、正式なユーザ、又は、装置であるかを識別できなければ、画像形成装置2等が不正に使用されるのを防ぐため、処理の実行を行わない。このように、画像形成装置2は、識別情報35に基づき、ユーザ、装置、又は、ライセンス等を確認して、処理実行の可否を識別する。
【0044】
次に、識別できたと判断すると(ステップS0205でYES)、画像形成装置2は、ステップS0206に進む。一方で、識別できないと判断すると(ステップS0205でNO)、画像形成装置2は、全体処理を終了する。
【0045】
ステップS0206では、画像処理部101は、画像処理を行う。このように、画像形成装置2は、識別情報35に基づいて識別された場合には、画像処理を行う。一方で、識別されていない場合には、画像処理を行わない。
【0046】
以上のように、仮想化処理が行われると、画像形成装置2は、ネットワーク4を介して情報処理装置3から識別情報35が取得できる。このような処理は、物理的に接続している可搬メディアから識別情報35を取得するのと処理負荷等に大きな差がない処理である。そのため、情報処理システム1では、画像形成装置2は、可搬メディア34が物理的に接続していなくとも、可搬メディアを仮想化させた仮想デバイスにより、少ない処理負荷で、可搬メディア34が物理的に接続している状態と同様に識別される。
【0047】
また、画像形成装置2は、識別情報35を記憶する可搬メディア34の物理的な位置を意識せずに識別情報35を取得できる。
【0048】
[ネットワークについて]
図4は、外部からのアクセスを遮断したネットワークの例を示す図である。
図1と比較すると、ネットワーク4は、ファイヤーウォール5で保護されている環境である点が異なる。このように、ネットワーク4は、ファイヤーウォール5によって外部からアクセスがあっても、アクセスが遮断されるセキュリティが高いLocal Area Network(LAN)等であるのが望ましい。
【0049】
なお、ネットワーク4は、ファイヤーウォール5以外の方法で外部からアクセスを遮断してもよい。したがって、ネットワーク4は、無線接続等でもよい。具体的には、ネットワーク4をいわゆるゼロトラストネットワーク等にして、セキュリティを確保してもよい。
【0050】
[可搬メディアのフォーマットについて]
可搬メディア34は、所定のフォーマットがされているのが望ましい。すなわち、可搬メディア34が独自のフォーマットがされていると、識別情報35等の可搬メディア34が記憶する情報は、フォーマットに対応していないと情報を読み出すことができない。そのため、可搬メディア34は、所定のフォーマットを施しておくと、セキュリティを向上できる。また、識別情報35等の可搬メディア34が記憶する情報は、暗号化がされていてもよい。
【0051】
[ファームウェアの許可情報について]
可搬メディア34は、ファームウェアの更新を許可する情報(以下「許可情報」という。)を記憶してもよい。まず、情報処理システム1では、ネットワーク4に接続する各装置は、ネットワーク4を介したファームウェアの更新を禁止する設定とする。そして、可搬メディア34が記憶する許可情報に基づいて識別された場合に、各装置は、ファームウェアの更新が許可され、ファームウェアの更新できる。
【0052】
画像形成装置2のファームウェアには、特別なファームウェアがリリースされている場合がある。一方で、ファームウェアは、一般的なファームウェアがある。そして、特別なファームウェアを用いている場合に、一般的なファームウェアの更新があり、更新してしまうと、特別なファームウェアが上書きされて、一般的なファームウェアに更新されてしまう場合がある。
【0053】
そこで、ファームウェアの更新を禁止すると、情報処理システム1は、管理者が意図しないファームウェアの更新が自動的に行われてしまう等を防げる。
【0054】
許可情報を用いてファームウェアの更新する場合も、情報処理システム1では、画像形成装置2は、可搬メディア34が物理的に接続していなくとも、可搬メディアを仮想化させた仮想デバイスにより、少ない処理負荷で、可搬メディア34が物理的に接続している状態と同様に識別される。そのため、このような場合も、可搬メディア34を紛失するリスクを低減できる。
【0055】
[可搬メディアのマウントについて]
可搬メディア34は、マウントを許可するか否かが認証されるのが望ましい。つまり、可搬メディア34は、接続されると常にアクセスが可能な状態とならず、認証された場合だけアクセスが可能な状態となるのが望ましい。このように、可搬メディア34のマウントが認証されると、セキュリティを向上できる。
【0056】
[機能構成例]
図5は、機能構成例を示す図である。具体的には、情報処理システム1において、画像形成装置2は、画像処理部101、識別部102、及び、仮想化部103を備える。また、情報処理システム1において、情報処理装置3は、通信部104、及び、記憶部105を備える。なお、情報処理装置3は、禁止部106、及び、認証部107を更に備えるのが望ましい。
【0057】
画像処理部101は、画像処理を実行する画像処理手順を行う。例えば、画像処理部101は、処理装置21等で実現する。
【0058】
識別部102は、識別情報35に基づき、処理実行の可否を識別する識別手順を行う。例えば、識別部102は、識別装置22等で実現する。
【0059】
仮想化部103は、可搬メディアを仮想化させ、かつ、情報処理装置3から識別情報35を取得する仮想化手順を行う。例えば、仮想化部103は、仮想化装置24、及び、通信装置25等で実現する。
【0060】
通信部104は、識別情報35を画像形成装置2に送る通信手順を行う。例えば、通信部104は、通信装置31等で実現する。
【0061】
記憶部105は、識別情報35を記憶する記憶手順を行う。例えば、記憶装置33等で実現する。
【0062】
禁止部106は、ネットワーク4を介したファームウェアの更新を禁止する禁止手順を行う。例えば、禁止部106は、制御装置32等で実現する。
【0063】
認証部107は、可搬メディア34のマウントを許可する認証手順を行う。例えば、認証部107は、制御装置32等で実現する。
【0064】
以上のような構成であると、情報処理システム1では、画像形成装置2に物理的に可搬メディア34が接続していなくとも、ユーザは、画像形成装置2を使用できる。一方で、情報処理システム1では、識別処理により、画像形成装置2が不正に使用されるのを防げる。ゆえに、情報処理システム1では、セキュリティを確保しつつ、可搬メディア34を画像形成装置2に持っていく手間をなくすことができる。そのため、可搬メディア34の抜き忘れ等の紛失を防ぐことができる。ゆえに、情報処理システム1は、可搬メディア34を紛失するリスクを低減できる。また、可搬メディア34を1箇所で集中管理でき、管理を容易にできる。
【0065】
なお、情報処理装置3は、画像処理部を備えてもよい。すなわち、情報処理装置3は、画像形成装置2とは別に設置されるMFP等の画像形成装置であってもよい。
【0066】
また、禁止部106、及び、認証部107は、情報処理装置3以外の情報処理装置が備えてもよい。
【0067】
[その他の実施形態]
可搬メディア34は、USBメモリ以外でもよい。すなわち、可搬メディア34は、識別処理で識別するのに用いるデータを記憶する記憶装置、及び、インタフェースによりデータを送受信できる接続端子があれば、規格、及び、メディアの種類等を問わない。
【0068】
図6は、ネットワークの接続例を示す図である。図示するように、ネットワーク4には、電子黒板、インクジェットプリンタ、スマートフォン、PC、全天球撮影装置、ビデオ会議端末、プロジェクタ、及び、MFP等の情報処理装置、及び、画像処理装置が接続する。
【0069】
図7は、情報処理装置の例を示す図である。情報処理装置3は、図示するようなハードウェア構成のサーバでもよい。
【0070】
情報処理装置3は、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、及び、メディアI/F516を備える。
【0071】
CPU501は、情報処理装置3全体の動作を制御する。
【0072】
ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。 RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。
【0073】
HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。
【0074】
HDDコントローラ505は、CPU501の制御に従い、HD504に対する各種データの読み出し、又は、書き込みを制御する。
【0075】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は、画像等の各種情報を表示する。
【0076】
外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USBメモリ、又は、プリンタ等である。
【0077】
ネットワークI/F509は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインタフェースである。
【0078】
バス510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、又は、データバス等である。
【0079】
キーボード511は、文字、数値、又は、これらの組み合わせによる各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。
【0080】
ポインティングデバイス512は、各種指示の選択、実行、処理対象の選択、又は、カーソルの移動等を行う入力手段の一種である。
【0081】
DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し、又は、書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。
【0082】
メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し、又は、書き込み(記憶)を制御する。
【0083】
図8は、画像処理装置の例を示す図である。画像形成装置2は、図示するようなハードウェア構成のMFPでもよい。
【0084】
画像形成装置2は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、及び、ネットワークI/F950を備える。
【0085】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有する。また、NB903とASIC906との間は、AGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成である。
【0086】
CPU901は、画像形成装置2の全体制御を行う制御部である。
【0087】
NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及び、AGPバス921とを接続するためのブリッジである。また、NB903は、MEM-P902に対する読み書き等を制御するメモリコントローラ、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ、及び、AGPターゲットを有する。
【0088】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラム、若しくは、データの格納用メモリであるROM902a、並びに、プログラムやデータの展開、及び、メモリ印刷時の描画用メモリ等として用いるRAM902bで構成する。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式、又は、実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、又は、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供する構成でもよい。
【0089】
SB904は、NB903、PCIデバイス、及び、周辺デバイスを接続するためのブリッジである。
【0090】
ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)である。また、ASIC906は、AGPバス921、PCIバス922、HDD909、及び、MEM-C907を接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲット、AGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジック等により、画像データの回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931、及び、プリンタ部932の間で、PCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットで構成する。なお、ASIC906には、USBインタフェース、又は、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインタフェースを接続してもよい。
【0091】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ、及び、符号バッファとして用いるローカルメモリである。
【0092】
HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、及び、フォームの蓄積を行うためのストレージである。また、HD909は、CPU901の制御に従い、HD909に対するデータの読み出し、又は、書き込みを制御する。
【0093】
AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースである。また、AGPバス921は、MEM-P902に高スループットで直接アクセスして、グラフィックスアクセラレータカードを高速にできる。
【0094】
また、近距離通信回路920は、近距離通信回路920aを備える。例えば、近距離通信回路920は、NFC、又は、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0095】
エンジン制御部930は、スキャナ部931、及び、プリンタ部932で構成する。
【0096】
操作パネル940は、現在の設定値、又は、選択画面等を表示する。また、操作パネル940は、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件等の画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー、及び、コピー開始指示を受け付けるスタートキー等を有する操作パネル940bを備える。
【0097】
コントローラ910は、画像形成装置2全体の制御を行う。例えば、コントローラ910は、描画、通信、又は、操作パネル940による入力等を制御する。
【0098】
スキャナ部931、又は、プリンタ部932は、誤差拡散、及び、ガンマ変換等を行う画像処理部を含む。
【0099】
なお、画像形成装置2は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、及び、ファクシミリ機能を順次に切り替える。
【0100】
例えば、ドキュメントボックス機能を選択すると、画像形成装置2は、ドキュメントボックスモードとなる。同様に、コピー機能の選択時には、画像形成装置2は、コピーモードとなり、プリンタ機能の選択時には、画像形成装置2は、プリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時には、画像形成装置2は、ファクシミリモードとなる。
【0101】
ネットワークI/F950は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインタフェースである。
【0102】
近距離通信回路920、及び、ネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続する。
【0103】
情報処理方法は、例えば、プログラムに基づいて実現されてもよい。具体的には、プログラムに基づいて演算装置、記憶装置、及び、制御装置等の装置が、協働して動作して情報処理方法を実行する。なお、プログラムは、コンピュータが読取可能な記憶媒体に記憶されて頒布、又は、電気通信回線を通じて頒布されてもよい。
【0104】
なお、本発明は、上記に例示する各実施形態に限定されない。したがって、本発明は、技術的な要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の追加、又は、変形が可能である。ゆえに、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。なお、上記に例示する実施形態は、実施において好適な具体例である。そして、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現で可能であって、このような変形例は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0105】
1 :情報処理システム
2 :画像形成装置
3 :情報処理装置
4 :ネットワーク
34 :可搬メディア
35 :識別情報
101 :画像処理部
102 :識別部
103 :仮想化部
104 :通信部
105 :記憶部
106 :禁止部
107 :認証部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0106】