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特開2023-135229電力約定価格予測装置及び電力約定価格予測方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135229
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】電力約定価格予測装置及び電力約定価格予測方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20230921BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040333
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】三谷 康範
(72)【発明者】
【氏名】中山 俊太朗
(72)【発明者】
【氏名】塩田 淳
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】卸電力市場の約定価格を安定して予測可能な電力約定価格予測装置及び電力約定価格予測方法を提供する。
【解決手段】一日を所定の単位時間毎に分けた複数のコマそれぞれについて卸電力市場で決定される対象地域の電力売買の約定価格を予測する電力約定価格予測装置10において、対象地域の各地区の人口及び対象地域の各地区の予測気温のいずれか一方を他方で重み付けして導出される気温依存電力使用予測量、並びに、太陽光発電装置の導入状況から得られる対象地域の各地区の太陽光発電導入量及び対象地域の各地区の日射予測量のいずれか一方を他方で重み付けして求められる太陽光発電予測量のいずれか一方又は双方を説明変数とし、目的変数である約定価格の予測値を機械学習によって算出する演算手段11を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一日を所定の単位時間毎に分けた複数のコマそれぞれについて卸電力市場で決定される対象地域の電力売買の約定価格を予測する電力約定価格予測装置において、
前記対象地域の各地区の人口及び該対象地域の各地区の予測気温のいずれか一方を他方で重み付けして導出される気温依存電力使用予測量、並びに、太陽光発電装置の導入状況から得られる該対象地域の各地区の太陽光発電導入量及び該対象地域の各地区の日射予測量のいずれか一方を他方で重み付けして求められる太陽光発電予測量のいずれか一方又は双方を説明変数とし、目的変数である前記約定価格の予測値を機械学習によって算出する演算手段を備えることを特徴とする電力約定価格予測装置。
【請求項2】
請求項1記載の電力約定価格予測装置において、前記対象地域内の予め定められた複数の地点それぞれの予測気温を外部から得る予測気温入手手段と、地理情報システムを用いて前記対象地域内の各地点の予測気温から前記対象地域の各地区の予測気温を導出する予測気温変換手段とを、更に備え、前記演算手段は、前記気温依存電力使用予測量を前記説明変数とすることを特徴とする電力約定価格予測装置。
【請求項3】
請求項1記載の電力約定価格予測装置において、前記対象地域内の予め定められた複数の地点それぞれの日射予測量を外部から得る日射予測量入手手段と、地理情報システムを用いて前記対象地域内の各地点の日射予測量から前記対象地域の各地区の日射予測量を導出する日射予測量変換手段とを、更に備え、前記演算手段は、前記太陽光発電予測量を前記説明変数とすることを特徴とする電力約定価格予測装置。
【請求項4】
請求項3記載の電力約定価格予測装置において、導出される前記太陽光発電予測量の、過去に導出された同月同コマの前記太陽光発電予測量に対する大きさに応じて、前記約定価格の予測値が前記卸電力市場で定められた前記約定価格の最低価格に近くなる又は等しくなるように作用する変数も前記説明変数の一つとすることを特徴とする電力約定価格予測装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の電力約定価格予測装置において、前記卸電力市場で決定された前記約定価格の実際値に対応する前記約定価格の予測値の算出に利用された前記説明変数と、前記約定価格の実際値とを基にして、前記演算手段の前記約定価格の予測値を算出するアルゴリズムを更新する更新手段を、更に備えることを特徴とする電力約定価格予測装置。
【請求項6】
請求項5記載の電力約定価格予測装置において、前記演算手段の前記アルゴリズムは、複数あって、それぞれ異なる時間帯に属する前記コマの前記約定価格の予測値の算出に利用されることを特徴とする電力約定価格予測装置。
【請求項7】
一日を所定の単位時間毎に分けた複数のコマそれぞれについて卸電力市場で決定される対象地域の電力売買の約定価格を予測する電力約定価格予測方法において、
前記対象地域の各地区の人口及び該対象地域の各地区の予測気温のいずれか一方を他方で重み付けして導出される気温依存電力使用予測量、並びに、太陽光発電装置の導入状況から得られる該対象地域の各地区の太陽光発電導入量及び該対象地域の各地区の日射予測量のいずれか一方を他方で重み付けして求められる太陽光発電予測量のいずれか一方又は双方を説明変数とし、目的変数である前記約定価格の予測値を機械学習によって求めることを特徴とする電力約定価格予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日本卸電力取引所での電力売買取引の約定価格を予測する電力約定価格予測装置及び電力約定価格予測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日本卸電力取引所(JEPX)での主な電力売買市場の一つであるスポット市場(一日前市場)は、一日を30分毎に分けた48コマそれぞれについて電力売買の約定価格が決定される。買い手及び売り手は、午前10時までに、翌日の取引希望価格(買い手は買値希望価格、売り手は売値希望価格)及び取引希望量を指定して入札し、買い手の入札を基にした需要曲線と売り手の入札を基にした供給曲線との交点の価格が約定価格として決定される。
【0003】
約定価格以上の価格を入札した買い手及び約定価格以下の価格を入札した売り手の間で約定価格による売買取引が成立し、約定価格より低い価格を入札した買い手及び約定価格より高い価格を入札した売り手は取引不成立となる。なお、約定価格及び入札する取引希望価格の単位は円/kWhである。
ここで、コマ毎に入札が行われて約定価格が決定されるため、約定価格の予測ができれば、買い手は約定価格が安くなるコマを選んで入札することにより、電力の調達コストを抑えることができる。従って、約定価格を予測できるシステムが求められ、その具体例が、例えば特許文献1、2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-172246号公報
【特許文献2】特開2019-046281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
約定価格の予測は正確であればあるほど好ましく、従来の方法よりも安定して正確な約定価格を予測できる仕組みが求められている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、卸電力市場の約定価格を安定して予測可能な電力約定価格予測装置及び電力約定価格予測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う第1の発明に係る電力約定価格予測装置は、一日を所定の単位時間毎に分けた複数のコマそれぞれについて卸電力市場で決定される対象地域の電力売買の約定価格を予測する電力約定価格予測装置において、前記対象地域の各地区の人口及び該対象地域の各地区の予測気温のいずれか一方を他方で重み付けして導出される気温依存電力使用予測量、並びに、太陽光発電装置の導入状況から得られる該対象地域の各地区の太陽光発電導入量及び該対象地域の各地区の日射予測量のいずれか一方を他方で重み付けして求められる太陽光発電予測量のいずれか一方又は双方を説明変数とし、目的変数である前記約定価格の予測値を機械学習によって算出する演算手段を備える。
【0007】
前記目的に沿う第2の発明に係る電力約定価格予測方法は、一日を所定の単位時間毎に分けた複数のコマそれぞれについて卸電力市場で決定される対象地域の電力売買の約定価格を予測する電力約定価格予測方法において、前記対象地域の各地区の人口及び該対象地域の各地区の予測気温のいずれか一方を他方で重み付けして導出される気温依存電力使用予測量、並びに、太陽光発電装置の導入状況から得られる該対象地域の各地区の太陽光発電導入量及び該対象地域の各地区の日射予測量のいずれか一方を他方で重み付けして求められる太陽光発電予測量のいずれか一方又は双方を説明変数とし、目的変数である前記約定価格の予測値を機械学習によって求める。
【発明の効果】
【0008】
第1の発明に係る電力約定価格予測装置及び第2の発明に係る電力約定価格予測方法は、対象地域の各地区の人口及び対象地域の各地区の予測気温のいずれか一方を他方で重み付けして導出される気温依存電力使用予測量、並びに、太陽光発電装置の導入状況から得られる対象地域の各地区の太陽光発電導入量及び対象地域の各地区の日射予測量のいずれか一方を他方で重み付けして求められる太陽光発電予測量のいずれか一方又は双方を説明変数とし、目的変数である約定価格の予測値を機械学習によって求める。
【0009】
対象地域の予測気温と比較して気温依存電力使用予測量は、卸電力市場で決定される約定価格に対する相関性が高いこと、並びに、対象地域の日射予測量と比べて太陽光発電予測量は、同約定価格に対する相関性が高いことを確認したことから、第1の発明に係る電力約定価格予測装置及び第2の発明に係る電力約定価格予測方法は、卸電力市場の約定価格を安定して予測可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態に係る電力約定価格予測装置による約定価格の予測の様子を示す説明図である。
図2】予測気温入手手段が取得する予測気温の予測される地点を示す説明図である。
図3】予測気温の点データから生成された予測気温の面データの説明図である。
図4】演算手段のアルゴリズムの更新の様子を示す説明図である。
図5】最低価格期待値導出手段が実績記憶部から情報を取得する様子を示す説明図である。
図6】(A)は気温依存電力使用予測量の最高値及び実際の約定価格の最高値の相関を示す説明図であり、(B)は予測最高気温及び実際の約定価格の最高値の相関を示す説明図である。
図7】(A)は太陽光発電予測量の最高値及び実際の約定価格の最低値の相関を示す説明図であり、(B)は日射予測量の最高値及び実際の約定価格の最低値の相関を示す説明図である。
図8】約定価格の予測値及び実際値を比較した実験結果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る電力約定価格予測装置10は、一日を所定の単位時間毎に分けた複数のコマそれぞれについて卸電力市場で決定される対象地域の電力売買の約定価格(以下、単に「約定価格」とも言う)を予測する装置であって、約定価格の予測値を機械学習によって算出する演算手段11を備えている。以下、詳細に説明する。
【0012】
本実施の形態では、約定価格を予測する対象地域を九州エリアとし、卸電力市場の1コマの単位時間を30分とし、一日のコマ数を48個として説明するが、対象地域、単位時間、一日のコマ数がこれらに限定されないのは言うまでもない。本実施の形態において、電力約定価格予測装置10は、卸電力市場の入札対象日(以下、「予測対象日」とも言う)の前日に予測対象日の48コマそれぞれの約定価格を予測する。電力約定価格予測装置10の利用者(買い手)は、前日の所定時刻までに電力約定価格予測装置10の約定価格の予測値を参考にして、入札するコマ及び価格を決定できる。
【0013】
電力約定価格予測装置10は、インターネット回線等を介して外部から電子データを取得可能なコンピュータによって構成でき、コンピュータには、ソフトウェアプログラムや各種電子データを記憶する記憶媒体、CPU、入力用デバイス等を具備している。電力約定価格予測装置10は、図1に示すように、予測対象日の予測気温を外部から得る予測気温入手手段12と、対象地域の各地区の人口を記憶している人口記憶部13を備えている。
【0014】
予測気温入手手段12が外部から得るのは、対象地域内の複数の地点それぞれについての予測対象日の1時間毎(1時間毎でなくてもよい)の予測気温(本実施の形態では、気象庁が提供するGPVの予想気温)である。各地点の緯度及び経度は、図2に点(◆)で示すように、対象地域内に当該地点が等間隔で設けられるように外部機関によって定められている。気象庁より、一日複数回、翌日や翌々日等の各地点における1時間毎の予測気温が提供され、予測気温入手手段12は一日一回(一日一回に限定されない)、定められた時刻に予測対象日の1時間毎(24個)の予測気温の情報を取得する。
【0015】
これに対し、人口記憶部13が記憶しているのは、対象地域の市区町村(地区の一例)毎の人口(昼間人口や夜間人口を採用してもよい)であり、予測気温入手手段12が外部から得る予測気温の対象地と人口記憶部13に記憶されている人口の対象地とは一致していない。そこで、本実施の形態では、図1に示すように、電力約定価格予測装置10に予測気温変換手段14を設け、予測気温入手手段12が外部から得た対象地域内の各地点の予測気温から対象地域の各市区町村(人口記憶部13が人口を記憶している地区の単位)の予測気温を、地理情報システム(GIS)を用いて導出する。
【0016】
具体的には、予測気温変換手段14は、予測気温入手手段12が外部から得た予測対象日の所定のコマ(例えば、13時のコマ)の時刻における各地点の予測気温を予測気温入手手段12から取得し、各予測気温を地図データ上の対応する位置にそれぞれ点データとして入力する。次に、地図データに入力された予測気温の全ての点データを基に補間演算を行って、図3に示すような予測気温の面データを生成し、予測気温の面データを用いて対象地域の各市区町村について予測対象日の所定のコマの予測気温を導出する。予測気温変換手段14は、この処理を予測対象日の48個のコマそれぞれについて行い、市区町村毎に48個の予測気温を求める。
【0017】
電力約定価格予測装置10は、図1に示すように、人口記憶部13及び予測気温変換手段14からそれぞれ、対象地域の各市区町村の人口及び対象地域の各市区町村の予測気温を取得する電力使用量予測手段15を備えている。電力使用量予測手段15は、人口記憶部13から取得した対象地域の各市区町村の人口、及び、予測気温変換手段14から取得した対象地域の各市区町村についての予測対象日の各コマの予測気温のいずれか一方を他方で重み付けして気温依存電力使用予測量を導出する。
【0018】
本実施の形態では、気温依存電力使用予測量の導出式として、以下の式1を採用している。
気温依存電力使用予測量[K]={Σ(各地区の人口[人]×各地区の予測気温[K])}
÷対象地域の総人口[人] ・・・式1
【0019】
気温依存電力使用予測量とは、気温が大きな影響を与える冷暖房装置等の電気機器の利用による電力消費量の予測値であり、各地区の人口及び各地区の気温による重み付けにより増減する値である。当該電気機器の利用による電力消費量が約定価格に大きく寄与することを鑑みて、気温依存電力使用予測量を目的変数である約定価格の予測値の説明変数としている。検証により、気温依存電力使用予測量を説明変数とすることで、約定価格の予測値の算出の正確性が向上することを確認している。
【0020】
気温依存電力使用予測量の導出式は式1に限定されない。例えば、各地区の人口を変数とする演算式により係数を算出し、その係数(重み)で各地区の予測気温を重み付けして気温依存電力使用予測量を導出してもよいし、各地区の予測気温を変数とする演算式により係数を算出し、その係数(重み)で各地区の人口を重み付けして気温依存電力使用予測量を導出してもよい。
【0021】
また、電力約定価格予測装置10は、予測対象日の日射予測量を外部から得る日射予測量入手手段16と、太陽光発電装置の導入状況から得られる対象地域の各地区の太陽光発電導入量を記憶している太陽光発電導入量記憶部17を備えている。日射予測量入手手段16は、一日一回(一日一回に限定されない)、所定の時刻に対象地域内の予め定められた複数の地点それぞれについて予測対象日の1時間毎(1時間毎でなくてもよい)の日射予測量(本実施の形態では、気象庁が提供するGPVの日射予想量)を外部から取得する。日射予測量も、予測気温と同様に、気象庁より一日複数回、翌日や翌々日等の各地点の24時間分の日射予測量が提供される。各地点の緯度及び経度は、対象地域内に当該地点が等間隔で設けられるように外部機関によって定められている。
【0022】
ここで、太陽光発電導入量記憶部17が記憶しているのは、対象地域の市町村(地区の一例)毎の太陽光発電導入量であり、日射予測量入手手段16が外部から得る日射予測量の対象地と太陽光発電導入量記憶部17に記憶されている太陽光発電導入量の対象地とは一致していない。そこで、本実施の形態では、図1に示すように、電力約定価格予測装置10に日射予測量変換手段18を設け、日射予測量入手手段16が外部から得た対象地域内の各地点の日射予測量から対象地域の各市町村(太陽光発電導入量記憶部17が太陽光発電導入量を記憶している地区の単位)の予測対象日の日射予測量を、地理情報システムを用いて導出する。
【0023】
具体的には、日射予測量変換手段18は、日射予測量入手手段16が外部から得た予測対象日の所定のコマの時刻における各地点の日射予測量を日射予測量入手手段16から取得し、各日射予測量を地図データ上の対応する位置にそれぞれ点データとして入力する。次に、地図データに入力された日射予測量の全ての点データを基に補完演算を行って日射予測量の面データを生成し、日射予測量の面データを用いて対象地域の各市町村について予測対象日の所定のコマの日射予測量を導出する。
【0024】
日射予測量変換手段18は、この処理を予測対象日の48個のコマそれぞれについて行い、市町村毎に48個の日射予測量を求める。なお、本実施の形態では、予測気温変換手段14及び日射予測量変換手段18による補間演算に逆距離荷重法を採用しているが、これには限定されず、例えば、クリギングを採用してもよい。
【0025】
電力約定価格予測装置10は、太陽光発電導入量記憶部17及び日射予測量変換手段18からそれぞれ、対象地域の各市町村の太陽光発電導入量及び対象地域の各市町村の日射予測量を取得する太陽光発電量予測手段19を備えている。太陽光発電量予測手段19は、太陽光発電導入量記憶部17から取得した対象地域の各市町村の太陽光発電導入量、及び、日射予測量変換手段18から取得した対象地域の各市町村についての予測対象日の各コマの日射予測量のいずれか一方を他方で重み付けして太陽光発電予測量を求める。
【0026】
本実施の形態では、太陽光発電予測量の導出式として、以下の式2を採用している。
太陽光発電予測量[kWh]=Σ(各地区の太陽光発電導入量[kW]
×各地区の日射予測量[kWh/m]÷標準日射強度[kW/m]) ・・・式2
【0027】
なお、式2において、標準日射強度は1[kW/m]であり、太陽光発電予測量の単位をkWhにするための定数である。
太陽光発電予測量が多いと約定価格が低下する傾向がある。各地区の太陽光発電導入量及び各地区の日射予測量を乗算して求められる太陽光発電予測量を説明変数の一つとすることにより、約定価格の予測精度が向上することを検証により確認している。
【0028】
太陽光発電予測量の導出式は式2に限定されない。例えば、各地区の太陽光発電導入量を変数とする演算式により係数を算出し、その係数(重み)で各地区の日射予測量を重み付けして太陽光発電予測量を導出してもよいし、各地区の日射予測量を変数とする演算式により係数を算出し、その係数(重み)で各地区の太陽光発電導入量を重み付けして太陽光発電予測量を導出してもよい。
【0029】
本実施の形態では、人口記憶部13が博多区等の区毎の人口を記憶しているのに対し、太陽光発電導入量記憶部17は太陽光発電導入量を区の単位ではなく市の単位で記憶している。よって、本実施の形態において、人口記憶部13が記憶している人口の地区の単位と太陽光発電導入量記憶部17が記憶している太陽光発電導入量の地区の単位とは一部が異なっているが、これらは完全に一致していてもよい。これは、予測気温入手手段12が外部から得る予測気温の各地点と日射予測量入手手段16が外部から得る日射予測量の各地点についても同様である。なお、本実施の形態では、人口記憶部13に記憶されている人口は5年に一度更新され、太陽光発電導入量記憶部17に記憶されている太陽光発電導入量は年に4度更新される。
【0030】
また、電力約定価格予測装置10は、対象予定日に発電所で停止予定の発電設備の発電容量(以下、「停止発電容量」とも言う)を求める停止発電容量導出手段20、カレンダ情報を記憶するカレンダ記憶部21、及び、約定価格が卸電力市場で定められた約定価格の最低価格(例えば、0.01円/kWh)になる可能性の高さを示す最低価格期待値を求める最低価格期待値導出手段22を備えている。
【0031】
各発電所の発電設備は不具合や点検等の理由で停止することがある。停止発電容量導出手段20は、日々、各発電所において停止予定の発電設備をその停止容量と共に外部から取得し、予測対象日の各コマについて停止発電容量を求める。停止発電容量は約定価格に影響を与えることから、本実施の形態では、停止発電容量を説明変数の一つとしている。
【0032】
カレンダ記憶部21に記憶されているカレンダ情報は、年月日、曜日及び祭日か否かを表す数値により構成されている。約定価格は、予測対象日の時期(例えば、初夏)や曜日(予測対象日が祭日か否かを含む)により影響を受けるため、カレンダ情報も説明変数の一つとされる。
【0033】
過去の約定価格を分析したところ、約定価格が最低価格となる傾向は、春と秋が夏や冬より高く、4月、5月で特に高いことが判明した。また、同傾向は、平日や土曜日に比べて祭日及び日曜日に高くなり、1日の中では夜間に比べて日中に高くなり、昼の12時半に最も高くなることが確認された。
【0034】
これらの分析結果より、最低価格期待値導出手段22は以下の式3を用いて予測対象日の各コマの最低価格期待値を求めるようにしている。
k番目の最低価格期待値=予測対象日のk番目のコマの太陽光発電予測量×月の係数
×曜日の係数×予測対象日のk番目のコマの太陽光発電予測量と過去の同月のk番目
のコマの太陽光発電予測量の平均値との比較による係数 ・・・式3
【0035】
但し、式3において、kは1~48の整数であり、最低価格期待値導出手段22は式3を用いて1番目のコマから48番目のコマまでの48個のコマの最低価格期待値を順次求める。「月の係数」及び「曜日の係数」は過去の約定価格の実績等から予め定められた係数であり、それぞれ約定価格が最低価格となる傾向が高いほど大きく、「曜日の係数」は同じ曜日であっても祭日の方が祭日でない日より大きい。
【0036】
「予測対象日のk番目のコマの太陽光発電予測量と過去の同月のk番目のコマの太陽光発電予測量の平均値との比較による係数」は、予測対象日のk番目のコマの太陽光発電予測量が過去X年(例えば、過去5年)における同月のk番目のコマの太陽光発電予測量の平均値以上である場合に、予測対象日のk番目のコマの太陽光発電予測量が過去X年における同月のk番目のコマの太陽光発電予測量の平均値未満である場合より大きい値となる。
【0037】
最低価格期待値は、太陽光発電量予測手段19により導出される太陽光発電予測量の、過去に導出された同月同コマの太陽光発電予測量に対する大きさに応じて、約定価格の予測値が約定価格の最低価格に近くなる又は等しくなるように作用する変数(太陽光発電予測量が過去に導出された同月同コマの太陽光発電予測量に対し大きいほど、約定価格の予測値が約定価格の最低価格により近くなる又は等しくなるようにする変数)である。
最低価格期待値を説明変数の一つに採用した場合、最低価格期待値を説明変数としない場合に比べて、約定価格の実際値が最低価格となる際に安定的に約定価格の予測値が当該最低価格に近い値となることが確認されている。そのため、本実施の形態では、最低価格期待値も説明変数の一つにしている。
【0038】
演算手段11は、電力使用量予測手段15から予測対象日の気温依存電力使用予測量、太陽光発電量予測手段19から予測対象日の太陽光発電予測量、停止発電容量導出手段20から予測対象日に発電所で停止予定の発電設備の発電容量、カレンダ記憶部21からカレンダ情報の予測対象日の数値、最低価格期待値導出手段22から予測対象日の最低価格期待値をそれぞれ取得し、それら全ての数値を説明変数とし、目的変数である予測対象日の48コマそれぞれの約定価格の予測値を機械学習によって算出する。機械学習のタイプは特に限定されず、例えば、ランダムフォレストやサポートベクターマシンを採用可能である。
【0039】
電力約定価格予測装置10には、図1図4に示すように、電力使用量予測手段15、太陽光発電量予測手段19、停止発電容量導出手段20、カレンダ記憶部21、及び、最低価格期待値導出手段22から、約定価格の予測値の算出に利用された説明変数をそれぞれ得て記憶する実績記憶部23と、実績記憶部23に記憶されている各数値を用いて演算手段11を更新する更新手段24とが設けられている。
【0040】
実績記憶部23は、図1に示すように、演算手段11が予測対象日の各コマの約定価格の予測値を算出した後に、電力使用量予測手段15、太陽光発電量予測手段19、停止発電容量導出手段20、カレンダ記憶部21、及び、最低価格期待値導出手段22からそれぞれ、予測対象日の各コマの気温依存電力使用予測量、予測対象日の各コマの太陽光発電予測量、予測対象日に発電所で停止予定の発電設備の発電容量、予測対象日のカレンダ情報の数値、及び、予測対象日の各コマの最低価格期待値を取得して記憶し、卸電力市場で予測対象日の48コマ全ての約定価格が決定された後に決定された予測対象日の各コマの約定価格の実際値を外部から取得して記憶する。
【0041】
更新手段24は、図4に示すように、実績記憶部23が外部から新たな1日分(48個)の約定価格の実際値を取得した後に、その新たな1日分の約定価格の実際値を含む過去M年間(例えば過去5年間)の約定価格の各実際値、及び、その過去M年間の約定価格の各実際値に対応する約定価格の予測値の算出に利用された各説明変数を実績記憶部23から取得し、取得した各値を基にして、演算手段11の約定価格の予測値を算出するアルゴリズムを更新する。本実施の形態では、同アルゴリズムの更新が一日一回行われるが、これには限定されない。
【0042】
また、演算手段11のアルゴリズムは、3つあって、それぞれ異なる時間帯に属するコマの約定価格の予測値の算出に利用される。例えば、第1のアルゴリズムは、5時30分のコマから9時のコマまでの8個のコマ及び17時のコマから19時30分のコマまでの6個のコマの合計14個のコマの約定価格の予測値を算出し、第2のアルゴリズムは、9時30分のコマから16時30分のコマまでの15コマの約定価格の予測値を算出し、第3のアルゴリズムは、20時のコマから翌日の5時のコマまでの19コマの約定価格の予測値を算出する。
【0043】
更新手段24は、演算手段11の第1、第2、第3のアルゴリズムそれぞれを、各々に対応するコマのみの値(気温依存電力使用予測量、太陽光発電予測量等の値)を用いて更新する。
約定価格の傾向が時間帯により異なることを確認していることから、本実施の形態のように、複数のアルゴリズムを設けることによって、演算手段11が約定価格の正確な予測値を安定的に算出することが可能となる。
【0044】
また、最低価格期待値導出手段22は、図5に示すように、式3により最低価格期待値を求める際に式3の「予測対象日のk番目のコマの太陽光発電予測量」及び「予測対象日のk番目のコマの太陽光発電予測量と過去の同月のk番目のコマの太陽光発電予測量の平均値との比較による係数」に対応する値、即ち、予測対象日の前日に太陽光発電量予測手段19が求めた予測対象日の各コマの太陽光発電予測量、及び、過去の所定期間の同月の各日(例えば、前日が2022年3月2日であれば、2017年から2021年までの5年間の3月の各日及び2022年3月1日)において太陽光発電量予測手段19が求めた各コマの太陽光発電予測量を、実績記憶部23から取得する。
【0045】
ここで、本実施の形態において、気温依存電力使用予測量及び太陽光発電予測量については、双方を説明変数としているが、気温依存電力使用予測量及び太陽光発電予測量のいずれか一方を説明変数とし、他方は説明変数としなくてもよい。例えば、気温依存電力使用予測量を説明変数とし、太陽光発電予測量の代わりに対象地域の各地点の日射予測量の平均値を説明変数とすることや、太陽光発電予測量を説明変数とし、気温依存電力使用予測量の代わりに対象地域内の各地点の予測気温の平均値を説明変数としてもよい。
【0046】
なお、気温依存電力使用予測量を説明変数としない場合、気温依存電力使用予測量の導出は不要であり、気温依存電力使用予測量の導出に用いられる電力使用量予測手段15等は省略できる。太陽光発電予測量を説明変数としない場合、太陽光発電予測量の導出は不要であり、太陽光発電予測量の導出に用いられる太陽光発電量予測手段19等は省略できる。
【0047】
但し、気温依存電力使用予測量及び太陽光発電予測量の双方を説明変数とする場合、気温依存電力使用予測量及び太陽光発電予測量のいずれか一方を説明変数とし他方を説明変数としない場合と比較して、約定価格の予測精度が高くなることを確認している。
更に、本実施の形態において、説明変数とした、予測対象日に発電所で停止予定の発電設備の発電容量、カレンダ情報、及び、最低価格期待値はそれぞれ、説明変数とするか否かを選択可能である。
【0048】
また、電力約定価格予測装置10に適用される、本発明の一実施の形態に係る電力約定価格予測方法は、一日を所定の単位時間毎に分けた複数のコマそれぞれについて卸電力市場で決定される対象地域の電力売買の約定価格を予測する方法であって、対象地域の各地区の人口及び対象地域の各地区の予測気温のいずれか一方を他方で重み付けして導出される気温依存電力使用予測量、並びに、太陽光発電装置の導入状況から得られる対象地域の各地区の太陽光発電導入量及び対象地域の各地区の日射予測量のいずれか一方を他方で重み付けして求められる太陽光発電予測量のいずれか一方又は双方を説明変数とし、目的変数である約定価格の予測値を機械学習によって求める。
【実施例0049】
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実験について説明する。
第1の実験では、電力使用量予測手段が求めた気温依存電力使用予測量及び約定価格の実際値の相関係数と、福岡市の予測気温及び九州エリアの約定価格の実際値の相関係数とを比較した。
【0050】
2019年8月の各日の5時30分から9時まで及び17時30分から19時30分までの朝夕の時間帯(以下、単に「朝夕の時間帯」と言う)における九州エリアの気温依存電力使用予測量の最高値(31日分、31個の値)、及び、同年同月の各日の朝夕の時間帯における九州エリアの実際の約定価格の最高値(31日分、31個の値)の相関係数を算出したところ、相関係数は-0.55であった。参考までに、該当の気温依存電力使用予測量の最高値をX座標とし、該当の実際の約定価格の最高値をY座標とした31個の座標を示したものを図6(A)に示す。
【0051】
これに対し、2019年8月の各日の朝夕の時間帯における福岡市の予測最高気温(31日分、31個の値)、及び、同年同月の各日の朝夕の時間帯における九州エリアの実際の約定価格の最高値(31日分、31個の値)の相関係数を算出したところ、相関係数は-0.45であった。参考までに、該当の福岡市の予測最高気温をX座標とし、該当の実際の約定価格の最高値をY座標とした合計31個の座標を示したものを図6(B)に示す。
【0052】
実験結果より、朝夕の時間帯における九州エリアの気温依存電力使用予測量の最高値及び朝夕の時間帯における九州エリアの実際の約定価格の最高値は、朝夕の時間帯における福岡市の予測最高気温及び朝夕の時間帯における九州エリアの実際の約定価格の最高値に比べて相関が強いという結果となった。
なお、夏の朝夕の時間帯は、約定価格に対する気温の影響が大きく、これは起床後や帰宅後の冷房機器の運転によるものと考えられる。
【0053】
第2の実験では、太陽光発電量予測手段が算出した太陽光発電予測量及び約定価格の実際値の相関係数と、福岡市の日射予測量及び九州エリアの約定価格の実際値の相関係数とを比較した。
【0054】
2019年5月の各日の9時30分から17時までの時間帯(以下、単に「昼間の時間帯」と言う)における九州エリアの太陽光発電予測量の最高値(31日分、31個の値)、及び、同年同月の各日の昼間の時間帯における九州エリアの実際の約定価格の最低値(31日分、31個の値)の相関係数を算出したところ、相関係数は-0.69であった。参考までに、該当の太陽光発電予測量の最高値をX座標とし、該当の実際の約定価格の最低値をY座標とした31個の座標を示したものを図7(A)に示す。
【0055】
これに対し、2019年5月の各日の昼間の時間帯における福岡市の日射予測量の最高値(31日分、31個の値)、及び、同年同月の各日の昼間の時間帯における九州エリアの実際の約定価格の最低値(31日分、31個の値)の相関係数を算出したところ、相関係数は-0.26であった。参考までに、該当の福岡市の日射予測量の最高値をX座標とし、該当の実際の約定価格の最低値をY座標とした合計31個の座標を示したものを図7(B)に示す。
【0056】
実験結果より、昼間の時間帯における九州エリアの太陽光発電予測量の最高値及び昼間の時間帯における九州エリアの実際の約定価格の最高値は、昼間の時間帯における福岡市の予測日射量の最高値及び昼間の時間帯における九州エリアの実際の約定価格の最低値に比べて相関が強いという結果となった。
なお、5月の昼間の時間帯は、太陽光発電量の増加により約定価格が低下する傾向が高い。
【0057】
また、第3の実験では、約定価格の予測値及び約定価格の実際値を比較した。
演算手段のアルゴリズムにランダムフォレストを採用した実施例によって、2021年3月23日の九州エリアの約定価格を予測した実験結果を図8に示す。実施例では、予測対象日である2021年3月23日についての気温依存電力使用予測量、太陽光発電予測量、発電所で停止予定の発電設備の発電容量、カレンダ情報、及び、最低価格期待値を説明変数とした。
【0058】
図8において、予測値は約定価格の予測値であり、実際値は2021年3月23日に日本卸電力取引所で決定された九州エリアの約定価格である。予測値及び実際値の平均誤差は0.8円であった。
【0059】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、演算手段のアルゴリズムは3つある必要はなく、1つであっても、2つであっても、4つ以上であってもよい。但し、演算手段のアルゴリズムが1つの場合は、それぞれ異なる時間帯に対応する複数のアルゴリズムを用いる場合に比べて、約定価格の予測精度が低くなることが確認されている。
【0060】
また、予測気温入手手段は、対象地域内の予め定められた複数の地点それぞれの予測気温ではなく、対象地域の各地区(例えば、各市区町村)の予測気温を外部から得てもよく、その場合、予測気温変換手段は不要である。日射予測量入手手段は、対象地域内の予め定められた複数の地点それぞれの日射予測量ではなく、対象地域の各地区(例えば、各市町村)の日射予測量を外部から得てもよく、その場合、日射予測量変換手段は省略される。
【0061】
予測気温入手手段が対象地域内の各地点の予測気温を得る場合、予測気温変換手段は地理情報システムとは異なるシステムを用いて対象地域内の各地点の予測気温から対象地域の各地区の予測気温を導出することができる。異なるシステムとは、例えば、地区の中心からの距離が最も近い地点の予測気温をその地区の予測気温とするシステムである。同様に、日射予測量入手手段が対象地域内の各地点の日射予測量を得る場合、日射予測量変換手段も情報システムとは異なるシステムを用いて対象地域内の各地点の日射予測量から対象地域の各地区の日射予測量を導出することができる。
【0062】
また、予測気温入手手段による外部からの対象地域内の予測気温の取得頻度や、日射予測量入手手段による外部からの対象地域内の日射予測量の取得頻度や、更新手段による演算手段のアルゴリズムの更新頻度は、事情に応じて調整可能である。
【符号の説明】
【0063】
10:電力約定価格予測装置、11:演算手段、12:予測気温入手手段、13:人口記憶部、14:予測気温変換手段、15:電力使用量予測手段、16:日射予測量入手手段、17:太陽光発電導入量記憶部、18:日射予測量変換手段、19:太陽光発電量予測手段、20:停止発電容量導出手段、21:カレンダ記憶部、22:最低価格期待値導出手段、23:実績記憶部、24:更新手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8