IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニ・チャーム株式会社の特許一覧

特開2023-135381提供プログラム、提供装置及び提供方法
<>
  • 特開-提供プログラム、提供装置及び提供方法 図1
  • 特開-提供プログラム、提供装置及び提供方法 図2
  • 特開-提供プログラム、提供装置及び提供方法 図3
  • 特開-提供プログラム、提供装置及び提供方法 図4
  • 特開-提供プログラム、提供装置及び提供方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135381
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】提供プログラム、提供装置及び提供方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/60 20180101AFI20230921BHJP
【FI】
G16H20/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040552
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】合田 文美
(72)【発明者】
【氏名】丹下 明子
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】利用者以外の人間である乳幼児の状態を理解し、対処する。
【解決手段】本願に係る提供プログラムは、乳幼児の胎便を分析した結果を示す分析情報を取得する取得手順と、取得手順により取得された分析情報に基づいて、乳幼児の特性を示す特性情報と、当該特性情報に応じた乳幼児に対する対処を示す対処情報とを、乳幼児と所定の関係性を有する利用者(例えば、乳幼児の母親等)に提供する提供手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳幼児の胎便を分析した結果を示す分析情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された分析情報に基づいて、前記乳幼児の特性を示す特性情報と、当該特性情報に応じた前記乳幼児に対する対処を示す対処情報とを、前記乳幼児と所定の関係性を有する利用者に提供する提供手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする提供プログラム。
【請求項2】
前記提供手順は、
前記乳幼児の肌に関する特性を示す前記特性情報と、当該特性に応じた前記乳幼児に対する対処を示す前記対処情報とを提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の提供プログラム。
【請求項3】
前記提供手順は、
前記特性に対応する物品であって、前記乳幼児の育児に用いる物品に関する情報を示す前記対処情報を提供する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の提供プログラム。
【請求項4】
胎便の分析を行うサービスに関するコンテンツを前記利用者に配信する配信手順と、
前記配信手順により配信されたコンテンツを介して、前記乳幼児に関連する関連情報を前記利用者から受け付ける受付手順と、
前記受付手順により受け付けられた関連情報に基づいて前記乳幼児の特性を推定する推定手順と
をさらに有し、
前記提供手順は、
前記取得手順により前記分析情報が取得されない場合は、前記推定手順により推定された特性を示す情報と、当該特性に応じた前記対処情報とを提供し、前記取得手順により前記分析情報が取得された場合は前記分析情報と、前記推定手順により推定された特性とに基づく前記特性情報と、前記特性情報に応じた前記対処情報とを提供する
ことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載の提供プログラム。
【請求項5】
前記受付手順は、
前記乳幼児の親の食事の嗜好に関する情報、若しくは、前記乳幼児の親の肌の特性に関する情報のうち少なくともいずれかを示す前記関連情報を受け付ける
ことを特徴とする請求項4に記載の提供プログラム。
【請求項6】
前記受付手順は、
前記乳幼児の妊娠中における母親の食事の嗜好、活動量、又は睡眠状況に関する情報を示す前記関連情報を受け付ける
ことを特徴とする請求項4または5に記載の提供プログラム。
【請求項7】
前記受付手順は、
前記乳幼児の妊娠中の記録に関する情報、若しくは、前記乳幼児の育児記録に関する情報のうち少なくともいずれか示す前記関連情報を受け付ける
ことを特徴とする請求項4から6のうちいずれか1つに記載の提供プログラム。
【請求項8】
前記提供手順は、
前記乳幼児の妊娠中の記録に関する情報、若しくは、前記乳幼児の育児記録に関する情報のうち少なくともいずれかに基づいて、前記利用者が前記乳幼児に対して行った対処に応じたメッセージをさらに提供する
ことを特徴とする請求項7に記載の提供プログラム。
【請求項9】
前記受付手順は、
前記乳幼児の肌の状態に関する情報を示す前記関連情報を受け付ける
ことを特徴とする請求項4から8のうちいずれか1つに記載の提供プログラム。
【請求項10】
前記提供手順は、
前記利用者が妊娠中に前記サービスへの申し込みを行っていない場合は、前記サービスへの申し込みに関する申込情報をさらに前記利用者に提供する
ことを特徴とする請求項4から9のうちいずれか1つに記載の提供プログラム。
【請求項11】
前記利用者により前記サービスへの申し込みが行われた場合は、前記乳幼児のバースプランに対し前記乳幼児の胎便の採取に関する設定を行う設定手順
をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の提供プログラム。
【請求項12】
前記提供手順は、
前記特性情報に応じた所定のコンテンツをさらに前記利用者に提供する
ことを特徴とする請求項1から11のうちいずれか1つに記載の提供プログラム。
【請求項13】
乳幼児の胎便を分析した結果を示す分析情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された分析情報に基づいて、前記乳幼児の特性を示す特性情報と、当該特性情報に応じた前記乳幼児に対する対処を示す対処情報とを、前記乳幼児と所定の関係性を有する利用者に提供する提供部と
を備えることを特徴とする提供装置。
【請求項14】
コンピュータが実行する提供方法であって、
乳幼児の胎便を分析した結果を示す分析情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された分析情報に基づいて、前記乳幼児の特性を示す特性情報と、当該特性情報に応じた前記乳幼児に対する対処を示す対処情報とを、前記乳幼児と所定の関係性を有する利用者に提供する提供工程と
を含むことを特徴とする提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提供プログラム、提供装置及び提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、腸内細菌叢を利用して利用者の体質を判定する技術が知られている。このような技術の一例として、被験者個人の試料(糞便)が季節性アレルギー性鼻炎罹病と関連する試料であるか否かを判定する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-126091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、利用者以外の人間である乳幼児の状態を理解し、対処することができるとは言えない場合がある。
【0005】
例えば、上述の従来技術では、単に利用者個人の状態を把握することができるだけであり、利用者以外の人間である乳幼児の状態を理解し、対処することができるとは言えない場合がある。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者以外の人間である乳幼児の状態を理解し、対処することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る提供プログラムは、乳幼児の胎便を分析した結果を示す分析情報を取得する取得手順と、前記取得手順により取得された分析情報に基づいて、前記乳幼児の特性を示す特性情報と、当該特性情報に応じた前記乳幼児に対する対処を示す対処情報とを、前記乳幼児と所定の関係性を有する利用者に提供する提供手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、利用者以外の人間である乳幼児の状態を理解し、対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置が実行する提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
乳幼児の胎便を分析した結果を示す分析情報を取得する取得手順と、前記取得手順により取得された分析情報に基づいて、前記乳幼児の特性を示す特性情報と、当該特性情報に応じた前記乳幼児に対する対処を示す対処情報とを、前記乳幼児と所定の関係性を有する利用者に提供する提供手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする提供プログラム。
【0012】
例えば、乳幼児の胎便を採取して分析することにより、乳幼児のアレルギー体質などを判定する研究がなされている。このような研究に基づいて、胎便から乳幼児の体質を推定する提供プログラムによれば、例えば、出産後、利用者(母親等)が、乳幼児がどんな体質なのか、アレルギーはあるのか等を心配しながら最初の検診(例えば、1か月検診)までずっと育児をしなければいけない状況において、上記の技術を用いて胎便を分析した結果に基づく乳幼児の身体的な特性(体質)を示す情報と、特性に応じた対処に関する情報とを提供する。これにより、利用者が乳幼児の体質に対する理解を深め、どのように対処すればよいかを把握することができるため、育児における不安を解消することができる。
【0013】
また、提供プログラムは、前記乳幼児の肌に関する特性を示す前記特性情報と、当該特性に応じた前記乳幼児に対する対処を示す前記対処情報とを提供する。
【0014】
このような提供プログラムによれば、例えば、乳幼児の育児を行う際、乳幼児の肌トラブルは特に目立つため、アレルギーやアトピー性皮膚炎が原因であるのか、育児の仕方が悪いのか、親の体質が遺伝してしまったのか等の不安を利用者が覚えることが多い。このような状況の中で、乳幼児の肌を正常に保つことができれば、利用者の乳幼児に対する行動の成果が目に見える形で表れるため、利用者の育児に対する自己効力感を高めることができる。
【0015】
また、提供プログラムは、前記特性に対応する物品であって、前記乳幼児の育児に用いる物品に関する情報を示す前記対処情報を提供する。
【0016】
このような提供プログラムによれば、例えば、乳幼児の身体的な特性(肌の特性等)に適合する物品(肌着、おむつ、おしりふき、食品、スキンケア商品等)に関する情報を提供することができるため、利便性を向上させることができる。
【0017】
また、提供プログラムは、胎便の分析を行うサービスに関するコンテンツを前記利用者に配信する配信手順と、前記配信手順により配信されたコンテンツを介して、前記乳幼児に関連する関連情報を前記利用者から受け付ける受付手順と、前記受付手順により受け付けられた関連情報に基づいて前記乳幼児の特性を推定する推定手順とをさらに有し、前記提供手順は、前記取得手順により前記分析情報が取得されない場合は、前記推定手順により推定された特性を示す情報と、当該特性に応じた前記対処情報とを提供し、前記取得手順により前記分析情報が取得された場合は前記分析情報と、前記推定手順により推定された特性とに基づく前記特性情報と、前記特性情報に応じた前記対処情報とを提供する。
【0018】
このような提供プログラムによれば、例えば、胎便を採取してアレルギー等の体質を判明するまでの間に、利用者に不安感を与えてしまう可能性があるため、結果が判明するまでの間には、乳幼児の親の体質等に基づき推定される乳幼児の肌の特性に応じた情報や、実際に利用者が乳幼児の肌のケアを行った結果に応じた情報を提供することにより、利用者の不安感を和らげることができる。また、例えば、胎便の分析の結果が得られた後には、分析の結果に加え、乳幼児の親の体質や、実際に利用者が乳幼児の肌のケアを行った結果(言い換えると、実際の乳幼児の肌の特性)などの情報に基づく情報を提供することができるため、情報の精度を向上させることができる。
【0019】
また、提供プログラムは、前記乳幼児の親の食事の嗜好に関する情報、若しくは、前記乳幼児の親の肌の特性に関する情報のうち少なくともいずれかを示す前記関連情報を受け付ける。
【0020】
このような提供プログラムによれば、例えば、乳幼児の親の食事の嗜好や、乳幼児の親の肌の特性などといった、乳幼児の肌の特性に影響を与えると推定される要因に関する情報を受け付け、乳幼児の肌の特性を推定することができるため、推定の精度を向上させることができる。
【0021】
また、提供プログラムは、前記乳幼児の妊娠中における母親の食事の嗜好、活動量、又は睡眠状況に関する情報を示す前記関連情報を受け付ける。
【0022】
このような提供プログラムによれば、例えば、乳幼児の妊娠中における母親の食事の嗜好、活動量、又は睡眠状況(生活リズム等)といった、乳幼児の肌の特性に影響を与えると推定される要因に関する情報を受け付け、乳幼児の肌の特性を推定することができるため、推定の精度を向上させることができる。
【0023】
また、提供プログラムは、前記乳幼児の妊娠中の記録に関する情報、若しくは、前記乳幼児の育児記録に関する情報のうち少なくともいずれか示す前記関連情報を受け付ける。
【0024】
このような提供プログラムによれば、例えば、乳幼児の妊娠中の記録(胎児の成長の記録や母親の食事履歴等)に関する情報や、乳幼児の育児記録(授乳、睡眠、おむつ交換、肌ケア、肌の様子等)に関する情報などといった、乳幼児の肌の特性に影響を与えると推定される要因に関する情報を受け付け、乳幼児の肌の特性を推定することができるため、推定の精度を向上させることができる。
【0025】
また、提供プログラムは、前記乳幼児の妊娠中の記録に関する情報、若しくは、前記乳幼児の育児記録に関する情報のうち少なくともいずれかに基づいて、前記利用者が前記乳幼児に対して行った対処に応じたメッセージをさらに提供する。
【0026】
このような提供プログラムによれば、例えば、育児記録等の情報の入力をしっかり行っている利用者に対しては、情報の入力を褒めるメッセージを提供し、胎便の分析結果が得られる前に利用者が乳幼児に対して行っていた対処が分析結果に対して適切であった場合には、利用者が乳幼児をよく観察し、適切な対処をしていた旨のメッセージを提供することができるため、利用者の育児に対する自己効力感を高めることができる。
【0027】
また、提供プログラムは、前記乳幼児の肌の状態に関する情報を示す前記関連情報を受け付ける。
【0028】
このような提供プログラムによれば、例えば、利用者が実際に乳幼児の肌のケアを行った結果に関する情報を受け付け、乳幼児の肌の特性を推定することができるため、推定の精度を向上させることができる。
【0029】
また、提供プログラムは、前記利用者が妊娠中に前記サービスへの申し込みを行っていない場合は、前記サービスへの申し込みに関する申込情報をさらに前記利用者に提供する。
【0030】
このような提供プログラムによれば、例えば、胎便の分析を行うサービスに関するコンテンツとして、乳幼児の肌の特性の簡易的な推定の結果を配信することにより利用者に興味を抱かせ、当該サービスの申込へ誘導できるため、効率的に利用者をサービスへ誘導できる。
【0031】
また、提供プログラムは、前記利用者により前記サービスへの申し込みが行われた場合は、前記乳幼児のバースプランに対し前記乳幼児の胎便の採取に関する設定を行う設定手順をさらに有する。
【0032】
このような提供プログラムによれば、例えば、利用者が胎便の分析を行うサービスへの申込を行った場合には、胎便の採取を分娩先の病院におけるバースプランに組み込むことができるため、利便性を向上させることができる。
【0033】
また、提供プログラムは、前記特性情報に応じた所定のコンテンツをさらに前記利用者に提供する。
【0034】
このような提供プログラムによれば、例えば、乳幼児の肌の特性に応じたケアのアドバイスに関するコンテンツや、同様の肌の特性を有する乳幼児を育児する利用者同士のコミュニケーションを行うためのコンテンツなどを提供することができるため、利便性を向上させることができる。
【0035】
以下に、提供プログラム、提供装置及び提供方法を実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により提供プログラム、提供装置及び提供方法が限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0036】
[実施形態]
〔1.提供処理の一例について〕
図1を用いて、本実施形態の提供プログラム等により実現される提供処理を説明する。図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。なお、図1では、本実施形態に係る情報処理装置10によって、実施形態に係る提供処理などが実現されるものとする。
【0037】
図1に示すように、実施形態に係る提供処理システム1は、情報処理装置10と、端末装置100と、分析サーバ200とを含む。ネットワークN(例えば、図2参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、図1に示した提供処理システム1には、複数台の情報処理装置10、複数台の端末装置100及び複数台の分析サーバ200が含まれていてもよい。
【0038】
図1に示す情報処理装置10は、提供処理を行う情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、図1の例において、情報処理装置10は、乳幼児の育児を行う利用者(母親、父親等)に対し、育児に関する各種の情報を提供する。
【0039】
なお、情報処理装置10は、サービスに係るウェブサイトを提供するウェブサーバとしての機能を有していてもよい。また、情報処理装置10は、端末装置100にインストールされた各種サービスに関するアプリケーションに表示する情報を、端末装置100に配信する装置であってもよい。また、情報処理装置10は、アプリケーションのデータそのものを配信するサーバであってもよい。
【0040】
また、情報処理装置10は、端末装置100に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語により記述される。なお、情報処理装置10から配信されるアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0041】
図1に示す端末装置100は、対応者である利用者によって利用される情報処理装置である。端末装置100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現される。また、端末装置100は、情報処理装置10等によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、図1に示す例において、端末装置100は、利用者によって利用されるスマートフォンである場合を示す。
【0042】
図1に示す分析サーバ200は、乳幼児の胎便を分析する所定の分析機関により管理される情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、分析サーバ200は、乳幼児の胎便を分析することにより判明した、乳幼児が有する身体的な特性や、心的特性などを示す分析情報を管理する。具体的な例を挙げると、分析サーバ200は、身体的な特性として、アレルギーの有無や、アトピー性皮膚炎の発症の有無、喘息の発症の有無、肌質(例えば、刺激に対する強弱)、食刺激への敏感さ(例えば、味の変化や味の強さへの敏感さ)、などを示す分析情報を管理する。また、分析サーバ200は、心的特性として、生活リズムや、生活リズムの崩しやすさ、刺激への敏感さ、気質などを示す分析情報を管理する。なお、胎便の分析は、胎便中の腸内細菌叢の分析や、胎便中の代謝産物の分析などといった既知の技術を用いて実行されてもよい。
【0043】
以下、図1を用いて、情報処理装置10により実現される提供処理について説明する。なお、以下の説明において、端末装置100は、乳幼児B1の母親である利用者U1により利用されるスマートフォンであるものとする。また、以下の説明では、端末装置100を利用者U1と同一視する場合がある。すなわち、以下では、利用者U1を端末装置100と読み替えることもできる。
【0044】
まず、情報処理装置10は、胎便の分析を行うサービス(以下、単に「分析サービス」と記載する場合がある)に関するコンテンツを端末装置100に配信する(ステップS1)。ここで、ステップS1の時点において、利用者U1が乳幼児B1を妊娠中であり、分析サービスへの申込を行っていないものとする。このような場合、情報処理装置10は、乳幼児B1の身体的な特性と、分析サービスとに関して利用者U1に興味を抱かせることを目的としたコンテンツとして、乳幼児B1の肌についての所謂Q&Aサービス(質問回答サービス)に関するコンテンツを配信する。
【0045】
続いて、情報処理装置10は、ステップS1において端末装置100に配信したコンテンツを介して、乳幼児B1に関連する関連情報を受け付ける(ステップS2)。例えば、情報処理装置10は、コンテンツが示す質問文に対する回答を関連情報として受け付ける。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、乳幼児B1の両親の肌の白さや、両親のアレルギーの有無、両親のアトピー性皮膚炎の発症の有無、両親の肌のかぶれやすさ、両親の食事の嗜好、乳幼児B1の妊娠中における利用者U1の食事の嗜好、乳幼児B1の妊娠中における利用者U1の活動量、乳幼児B1の妊娠中における利用者U1の睡眠状況などを示す関連情報を受け付ける。また、情報処理装置10は、妊娠中の利用者U1や胎児(乳幼児B1)に関する情報を記録する所定のアプリケーション(以下、単に「妊娠記録アプリ」と記載する場合がある)に利用者U1が入力した情報(例えば、利用者U1の体重や、胎児の体重・身長、妊娠中の利用者U1の食事の履歴、妊娠中の利用者U1の症状、妊娠中の利用者U1の生活習慣など)を関連情報として受け付ける。
【0046】
続いて、情報処理装置10は、関連情報に基づいて、乳幼児B1の身体的な特性を推定する(ステップS3)。例えば、情報処理装置10は、ステップS2において受け付けた関連情報と、特定の身体的な特性を有する乳幼児に関連する関連情報との類似度に基づいて、乳幼児B1の身体的な特性を推定する。
【0047】
続いて、情報処理装置10は、乳幼児B1の身体的な特性に応じた情報を端末装置100に提供する(ステップS4)。例えば、情報処理装置10は、乳幼児B1の身体的な特性を示す特性情報と、乳幼児B1の身体的な特性に応じた物品(例えば、おむつや、粉ミルク、産着、おしりふきなど)を選択するための情報と、乳幼児B1の身体的な特性に応じた対処法を示す対処情報とを提供する。具体的な例を挙げると、乳幼児B1の身体的な特性が「アレルギー体質」と推定された場合、情報処理装置10は、当該特性を示す特性情報と、アレルギー対応の粉ミルクの購入を提案する情報と、アレルギーの症状が出た際の対処法を示す対処情報とを提供する。また、乳幼児B1の身体的な特性が「肌がかぶれやすい」と推定された場合、情報処理装置10は、当該特性を示す特性情報と、肌のかぶれを防ぐ商品(例えば、起毛していない衣服や、保湿剤など)の購入を提案する情報と、肌のかぶれを防ぐ方法や、肌がかぶれた際の対処法を示す対処情報とを提供する。より具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、特性が「肌がかぶれやすい」と推定された場合の対処情報として、おむつを絞りすぎると肌荒れする旨や、おむつ変えるタイミング遅いとかぶれる旨、沐浴の時の体の拭き方、おしりの拭き方などの情報を対処情報として提供する。
【0048】
また、情報処理装置10は、乳幼児B1の身体的な特性をより詳細に判断するための手段として、分析サービスへの申し込みを提案する申込情報を端末装置100に提供する。ここで、図1の例において、利用者U1が分析サービスへの申し込みを行ったものとする。この場合、情報処理装置10は、乳幼児のバースプランに対し乳幼児B1の胎便の採取に関する設定を行う。例えば、情報処理装置10は、利用者U1が分娩先として設定した産院が利用する端末装置に対し、バースプランに乳幼児B1の胎便の採取を組み込む旨の通知を行う。また、情報処理装置10は、出産準備品のリストに、胎便を採取するためのキットを加える旨の提案を端末装置100に通知する。
【0049】
続いて、乳幼児B1を出産した利用者U1は、乳幼児B1の育児を行う(ステップS5)。例えば、利用者U1は、情報処理装置10から提供された特性情報や対処情報に基づいて育児を行う。また、利用者U1、若しく、利用者U1の産院に勤務する看護師等は、乳幼児B1の胎便を採取する。
【0050】
続いて、利用者U1は、胎便の分析を行う分析機関に対し、乳幼児B1の胎便を郵送する(ステップS6)。続いて、情報処理装置10は、胎便の分析結果が分析機関から得られるまでの所定の期間(例えば、1~3週間)における、乳幼児B1に関連する関連情報を端末装置100から受け付ける(ステップS7)。例えば、利用者U1が乳幼児B1に対して授乳を行っている場合、情報処理装置10は、授乳を行っている期間における利用者U1の食事の嗜好(言い換えると、母乳を介して乳幼児B1に影響を与える要素)を示す関連情報を受け付ける。また、情報処理装置10は、育児の内容を記録する所定のアプリケーション(以下、単に「育児記録アプリ」と記載する場合がある)に利用者U1が入力した情報を関連情報として受け付ける。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、乳幼児B1の身体的な特性を把握するために記録しておくべき情報を利用者U1に提供し、提供した情報に応じて利用者U1が育児記録アプリに入力した情報を受け付ける。より具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、どの程度の強さで乳幼児B1の体を拭いた場合に肌がかぶれたかや、利用者U1が何を食べた後授乳した乳幼児B1の肌がかぶれたか、肌がかぶれた際の肌の赤身の程度などを示す情報や、患部の画像情報を受け付ける。また、情報処理装置10は、乳幼児B1の肌がかぶれた際に利用者U1が乳幼児B1に対して行った対処を示す情報(例えば、ベビーパウダーの塗布や、特定の食品の摂取を避けたなど)を受け付ける。
【0051】
なお、情報処理装置10は、ステップS2及びステップS7において受け付けた関連情報に基づき、乳幼児B1の身体的な特性を示す特性情報と、乳幼児B1の身体的な特性に応じた物品を選択するための情報と、乳幼児B1の身体的な特性に応じた対処法を示す対処情報とを提供してもよい。言い換えると、情報処理装置10は、実際に利用者U1が乳幼児B1の育児を行った結果得られた情報を反映した特性情報(例えば、出産前の推定よりも乳幼児B1の肌が強い若しくは弱いなど)や対処情報を提供してもよい。
【0052】
続いて、情報処理装置10は、分析機関が乳幼児B1の胎便を分析した結果を示す分析情報を、分析サーバ200から取得する(ステップS8)。例えば、情報処理装置10は、乳幼児B1のアレルギーの有無や、アトピー性皮膚炎の発症の有無、肌質、食刺激への敏感さなどを示す分析情報を取得する。
【0053】
続いて、情報処理装置10は、ステップS2及びステップS7において受け付けた関連情報及び分析情報に基づいて、乳幼児B1の身体的な特性を推定する(ステップS9)。例えば、情報処理装置10は、分析情報に対し、ステップS2及びステップS7において受け付けた関連情報に基づく推定の結果を反映することにより、乳幼児B1の身体的な特性を推定する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、分析情報が示す乳幼児B1の肌の強さよりも、実際の乳幼児B1の肌は強い若しくは弱いと推定する。
【0054】
続いて、情報処理装置10は、ステップS9において推定した乳幼児B1の身体的な特性に応じた情報を端末装置100に提供する(ステップS10)。例えば、情報処理装置10は、ステップS9において推定した乳幼児B1の身体的な特性を示す特性情報と、乳幼児B1の身体的な特性に応じた物品を選択するための情報と、乳幼児B1の身体的な特性に応じた対処法を示す対処情報とを提供する。
【0055】
なお、情報処理装置10は、関連情報(育児記録等)に基づいて推定した乳幼児B1の身体的な特性(言い換えると、現状の乳幼児B1の身体的な特性)や、分析情報が示す乳幼児B1の身体的な特性(言い換えると、乳幼児B1の将来的・生得的な特性)などに基づく情報を提供してもよい。例えば、関連情報に基づき、現状の乳幼児B1の身体的な特性が「肌がかぶれやすい」と推定され、分析情報が、乳幼児B1の身体的な特性が「肌がかぶれにくい」と示す場合、情報処理装置10は、将来的には乳幼児B1の肌のケアを心配する必要がない旨の情報を利用者U1に提供する。また、関連情報に基づき、現状の乳幼児B1の身体的な特性が「肌がかぶれにくい」と推定され、分析情報が、乳幼児B1の身体的な特性が「肌がかぶれやすい」若しくは「アトピー性皮膚炎発症の可能性あり」と示す場合、情報処理装置10は、現状肌に異常が現れなくとも、将来的には乳幼児B1の肌のケアに気を配る必要がある旨の情報を利用者U1に提供する。また、関連情報に基づき、現状の乳幼児B1の身体的な特性が「肌がかぶれにくい」と推定され、分析情報が、乳幼児B1の身体的な特性が「アレルギー体質」と示す場合、情報処理装置10は、乳幼児B1の肌のケアに気を配る必要はなくとも、食べさせるものに気を配る必要がある旨の情報を利用者U1に提供する。
【0056】
また、情報処理装置10は、分析情報が示す乳幼児B1の身体的な特性に基づく情報を提供してもよい。例えば、分析情報が、乳幼児B1の身体的な特性が「食刺激に敏感」と示す場合、情報処理装置10は、乳幼児B1に離乳食を食べさせる際には味の薄い(優しい)ものから始めたほうがいい旨の情報を提供する。
【0057】
また、情報処理装置10は、利用者U1が入力した関連情報に応じたメッセージを提供してもよい。例えば、利用者U1が入力した妊娠記録や育児記録の情報量が所定の閾値上である場合、情報処理装置10は、利用者U1の妊娠中のケアや育児を褒める内容のメッセージを提供する。また、関連情報や分析情報に基づく乳幼児の身体的な特性に対し、利用者U1が適切な対応を行っていた場合、情報処理装置10は、利用者U1の育児を褒める内容のメッセージを提供する。
【0058】
また、情報処理装置10は、対応する特性を有する乳幼児の育児を行う利用者群に対し、当該特性への適切な対応法を示すコンテンツや、当該利用者群に含まれる利用者同士がコミュニケーションをとるためのコンテンツ、利用者U1が専門家へ相談をしたり、情報を得るためのコンテンツ(チャットやセミナー、ウェビナー等)を提供したりしてもよい。
【0059】
続いて、利用者U1は、乳幼児B1の育児を行う(ステップS11)。例えば、利用者U1は、情報処理装置10から提供された特性情報や対処情報に基づいて育児を行う。
【0060】
以上のように、実施形態に係る情報処理装置10は、乳幼児の胎便を分析した分析情報に基づき推定した乳幼児の身体的な特性に応じた情報を提供する。これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、乳幼児がどんな体質なのか、アレルギーはあるのか等を心配しながら1か月検診等までずっと育児をしなければいけない状況において、利用者が乳幼児の体質に対する理解を深め、どのように対処すればよいかを把握することができるため、育児における不安を解消することができる。
【0061】
〔2.情報処理装置の構成〕
次に、図2を用いて、図1に示す提供処理システム1における情報処理装置10の構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。図2に示すように、情報処理装置10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0062】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置100、分析サーバ200等との間で情報の送受信を行う。
【0063】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図7に示すように、記憶部30は、利用者情報データベース31を有する。
【0064】
(利用者情報データベース31について)
利用者情報データベース31は、利用者に関する各種の情報を記憶する。ここで、図3を用いて、利用者情報データベース31が記憶する情報の一例を説明する。図3は、実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。図3の例において、利用者情報データベース31は、「利用者ID」、「乳幼児ID」、「親情報」、「妊娠記録」、「育児記録」、「分析情報」、「推定結果」などといった項目を有する。
【0065】
「利用者ID」は、利用者を識別するため識別情報を示す。「乳幼児ID」は、利用者が養育する乳幼児を識別するため識別情報を示す。「親情報」は、乳幼児の親(利用者等)に関する情報を示し、例えば、妊娠前、妊娠中、又は出産後の両親の情報として、食事の嗜好に関する情報や、親の肌の特性に関する情報(例えば、両親のアレルギーや肌の乾燥のしやすさ、両親の肌のかぶれやすさ、母親の月経中の肌のかぶれやすさ、両親のアトピー性皮膚炎の発症の有無など)、乳幼児の妊娠中における母親の情報(例えば、乳幼児の妊娠中における母親の食事の嗜好や、活動量、睡眠状況など)などといった情報が格納される。「妊娠記録」は、利用者が乳幼児を妊娠中である期間の記録を示し、例えば、利用者が妊娠記録アプリに入力した情報が格納される。「育児記録」は、乳幼児の育児記録に関する情報を示、例えば、利用者が育児記録アプリに入力した情報が格納される。「分析情報」は、乳幼児の胎便を分析した結果を示す。「推定結果」は、親情報や、育児記録、分析情報などに基づいて推定された乳幼児の身体的な特性を示す。
【0066】
すなわち、図3では、利用者ID「UID#1」により識別される利用者により養育される乳幼児が乳幼児ID「BID#1」により識別され、親情報が「親情報#1」、妊娠記録が「妊娠記録#1」、育児記録が「育児記録#1」、分析情報が「分析情報#1」、推定結果が「推定結果#1」である例を示す。
【0067】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、図2に示すように、配信部41と、受付部42と、推定部43と、取得部44と、提供部45と、設定部46とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0068】
(配信部41について)
配信部41は、胎便の分析を行うサービスに関するコンテンツを利用者に配信する。例えば、図1の例において、配信部41は、分析サービスに関するコンテンツを端末装置100に配信する。具体的な例を挙げると、配信部41は、乳幼児B1の身体的な特性と、分析サービスとに関して利用者U1に興味を抱かせることを目的としたコンテンツとして、乳幼児B1の肌についての所謂Q&Aサービスに関するコンテンツを配信する。
【0069】
(受付部42について)
受付部42は、配信部41により配信されたコンテンツを介して、乳幼児に関連する関連情報を利用者から受け付ける。例えば、図1の例において、受付部42は、コンテンツが示す質問文に対する回答を関連情報として受け付け、利用者情報データベース31に格納する。また、受付部42は、胎便の分析結果が分析機関から得られるまでの所定の期間における、乳幼児B1に関連する関連情報を端末装置100から受け付け、利用者情報データベース31に格納する。
【0070】
また、受付部42は、乳幼児の親の食事の嗜好に関する情報、若しくは、乳幼児の親の肌の特性に関する情報のうち少なくともいずれかを示す関連情報を受け付けてもよい。例えば、図1の例において、受付部42は、乳幼児B1の両親の肌の白さや、両親のアレルギーの有無、両親のアトピー性皮膚炎の発症の有無、両親の肌のかぶれやすさ、両親の食事の嗜好などを示す関連情報を受け付ける。
【0071】
また、受付部42は、乳幼児の妊娠中における母親の食事の嗜好、活動量、又は睡眠状況に関する情報を示す関連情報を受け付けてもよい。例えば、図1の例において、受付部42は、乳幼児B1の妊娠中における利用者U1の食事の嗜好、乳幼児B1の妊娠中における利用者U1の活動量、乳幼児B1の妊娠中における利用者U1の睡眠状況などを示す関連情報を受け付ける。
【0072】
また、受付部42は、乳幼児の妊娠中の記録に関する情報、若しくは、乳幼児の育児記録に関する情報のうち少なくともいずれか示す関連情報を受け付けてもよい。例えば、図1の例において、受付部42は、妊娠記録アプリや育児記録アプリに入力された情報を関連情報として受け付ける。
【0073】
また、受付部42は、乳幼児の肌の状態に関する情報を示す関連情報を受け付けてもよい。例えば、図1の例において、受付部42は、どの程度の強さで乳幼児B1の体を拭いた場合に肌がかぶれたかや、利用者U1が何を食べた後授乳した乳幼児B1の肌がかぶれたか、肌がかぶれた際の肌の赤身の程度などを示す情報や、患部の画像情報を受け付ける。
【0074】
(推定部43について)
推定部43は、受付部42により受け付けられた関連情報に基づいて乳幼児の特性を推定する。例えば、図1の例において、推定部43は、関連情報と、特定の身体的な特性を有する乳幼児に関連する関連情報との類似度に基づいて、乳幼児B1の身体的な特性を推定する。また、推定部43は、分析情報に対し、関連情報に基づく推定の結果を反映することにより、乳幼児B1の身体的な特性を推定する。なお、推定部43は、両親の肌の白さや、両親のアレルギーの有無、両親のアトピー性皮膚炎の発症の有無、両親の肌のかぶれやすさ、両親の食事の嗜好、乳幼児の妊娠中における母親の食事の嗜好、活動量、睡眠状況などの関連情報が乳幼児に及ぼす影響に関する知見や、関連情報から乳幼児の特性を推定する各種の従来技術を用いて、乳幼児の身体的な特性や心的特性を推定してもよい。
【0075】
(取得部44について)
取得部44は、乳幼児の胎便を分析した結果を示す分析情報を取得する。例えば、図1の例において、取得部44は、分析機関が乳幼児B1の胎便を分析した結果を示す分析情報を分析サーバ200から取得し、利用者情報データベース31に格納する。
【0076】
(提供部45について)
提供部45は、取得部44により取得された分析情報に基づいて、乳幼児の特性を示す特性情報と、当該特性情報に応じた乳幼児に対する対処を示す対処情報とを、乳幼児と所定の関係性を有する利用者に提供する。例えば、図1の例において、提供部45は、分析情報に基づいて、乳幼児B1の身体的な特性を示す特性情報と、乳幼児B1の身体的な特性に応じた物品を選択するための情報と、乳幼児B1の身体的な特性に応じた対処法を示す対処情報とを提供する。
【0077】
また、提供部45は、乳幼児の肌に関する特性を示す特性情報と、当該特性に応じた乳幼児に対する対処を示す対処情報とを提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部45は、乳幼児B1の身体的な特性が「肌がかぶれやすい」と推定された場合、当該特性を示す特性情報と、肌のかぶれを防ぐ商品(例えば、起毛していない衣服や、保湿剤など)の購入を提案する情報と、肌のかぶれを防ぐ方法や、肌がかぶれた際の対処法を示す対処情報とを提供する。
【0078】
また、提供部45は、特性に対応する物品であって、乳幼児の育児に用いる物品に関する情報を示す対処情報を提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部45は、おむつや、粉ミルク、産着、おしりふきなどといった、乳幼児B1の身体的な特性に応じた物品を選択するための情報を示す対処情報を提供する。
【0079】
また、提供部45は、取得部44により分析情報が取得されない場合は、推定部43により推定された特性を示す情報と、当該特性に応じた対処情報とを提供し、取得部44により分析情報が取得された場合は分析情報と、推定部43により推定された特性とに基づく特性情報と、特性情報に応じた対処情報とを提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部45は、利用者U1が乳幼児B1を妊娠中である期間や、乳幼児B1の胎便の分析結果が分析機関から得られるまでの所定の期間などにおいて、関連情報に基づいて推定された乳幼児B1の身体的な特性を示す情報と、当該特性に応じた対処情報とを提供する。また、提供部45は、乳幼児B1の胎便を分析した結果を示す分析情報が分析サーバ200から取得された場合、分析情報に対し、関連情報に基づく推定の結果を反映することにより推定された乳幼児B1の身体的な特性を示す情報と、当該特性に応じた対処情報とを提供する。
【0080】
また、提供部45は、乳幼児の妊娠中の記録に関する情報、若しくは、乳幼児の育児記録に関する情報のうち少なくともいずれかに基づいて、利用者が乳幼児に対して行った対処に応じたメッセージをさらに提供してもよい。例えば、図1の例において、利用者U1が入力した妊娠記録や育児記録の情報量が所定の閾値上である場合、提供部45は、利用者U1の妊娠中のケアや育児を褒める内容のメッセージを提供する。また、関連情報や分析情報に基づく乳幼児の身体的な特性に対し、利用者U1が適切な対応を行っていた場合や、肌に改善が見られた場合などには、提供部45は、利用者U1の育児を褒める内容のメッセージを提供する。また、事前(産前)に推測したよりも産後の肌状態が良好の場合、提供部45は、利用者U1や乳幼児B1を褒めるメッセージを提供するようにしても良い。
【0081】
また、提供部45は、利用者が妊娠中にサービスへの申し込みを行っていない場合は、サービスへの申し込みに関する申込情報をさらに利用者に提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部45は、乳幼児B1の身体的な特性をより詳細に判断するための手段として、分析サービスへの申し込みを提案する申込情報を端末装置100に提供する。
【0082】
また、提供部45は、特性情報に応じた所定のコンテンツをさらに利用者に提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部45は、対応する特性を有する乳幼児の育児を行う利用者群に対し、当該特性への適切な対応法を示すコンテンツや、当該利用者群に含まれる利用者同士がコミュニケーションをとるためのコンテンツを提供する。
【0083】
なお、提供部45によって提供される各種情報は、記憶部30に記憶されてもよいし、情報処理装置10とは異なる装置に格納され、適宜情報処理装置10が当該装置から取得し、提供部45が各種情報を提供するように構成されてもよい。
【0084】
(設定部46について)
設定部46は、利用者によりサービスへの申し込みが行われた場合は、乳幼児のバースプランに対し乳幼児の胎便の採取に関する設定を行う。例えば、図1の例において、設定部46は、利用者U1が分娩先として設定した産院が利用する端末装置に対し、バースプランに乳幼児B1の胎便の採取を組み込む旨の通知を行う。また、設定部46は、出産準備品のリストに、胎便を採取するためのキットを加える旨の提案を通知する。
【0085】
〔3.提供処理手順〕
次に、図4を用いて、実施形態に係る情報処理装置10が実行する提供処理の手順について説明する。図4は、実施形態に係る情報処理装置が実行する提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0086】
図4に示すように、情報処理装置10は、胎便の分析を行うサービスに関するコンテンツを配信する(ステップS101)。続いて、情報処理装置10は、乳幼児に関連する関連情報を受け付ける(ステップS102)。続いて、情報処理装置10は、胎便を分析した結果を示す分析情報を取得したか否かを判定する(ステップS103)。分析情報を取得した場合(ステップS103;Yes)、情報処理装置10は、分析情報及び関連情報に基づく乳幼児の特性を示す情報と、特性に応じた対処情報とを提供し(ステップS104)、処理を終了する。
【0087】
一方、分析情報を取得していない場合(ステップS103;No)、関連情報に基づく乳幼児の特性を示す情報と、特性に応じた対処情報とを提供を提供し(ステップS105)、処理を終了する。
【0088】
〔4.変形例〕
上述した情報処理装置10は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
【0089】
〔4-1.乳幼児が成長した後に提供するコンテンツについて〕
上述の実施形態において、提供部45が、特性情報や対処情報などを提供する例を示したが、提供部45の機能はこのような例に限定されない。例えば、提供部45は、特性情報や、対処情報、妊娠記録アプリに入力された情報、育児記録アプリに入力された情報などをまとめたコンテンツであって、乳幼児が成長した後に提供するためのコンテンツを提供してもよい。具体的な例を挙げると、提供部45は、母親の臨月の際の写真や、胎児のエコー写真、生まれた時の写真、生まれてからの育児記録などをまとめたコンテンツを提供する。なお、情報処理装置10は、まとめた情報を所定の媒体に印刷し、さらに、へその緒や、産院で採取された手型・足型、利用者から乳幼児へのメッセージなどを追加した媒体(例えば、本)を提供してもよい。
【0090】
〔4-2.胎便の排泄に関するリマインダーについて〕
上述の実施形態において、情報処理装置10は、乳幼児を出産したと推定されるタイミングにおいて、胎便の採取に関するリマインダーを送信してもよい。例えば、情報処理装置10は、出産予定日に応じたタイミングや、情報処理装置10が提供するアプリケーション等において出産したことを示す所定の操作が行われたタイミングなどにおいて、胎便の採取に関するリマインダーを送信する。また、情報処理装置10は、胎便の排泄を検知することを目的としてとして、おむつの排泄(排尿、排便)を検出可能な検出装置をおむつに取り付けることの提案や、排泄に応じて色が変わるおむつの使用の提案などを利用者に通知してもよい。
【0091】
〔4-3.乳幼児の特性について〕
上述の実施形態において、情報処理装置10が、関連情報に基づいて推定した乳幼児の身体的な特性や、分析情報が示す乳幼児の身体的な特性などに基づく情報を提供する例を示したが、情報処理装置10の機能はこのような例に限定されない。例えば、情報処理装置10は、生活リズムや、生活リズムの崩しやすさ、刺激への敏感さ、気質などといった乳幼児の心的特性に基づく情報を提供してもよい。具体的な例を挙げると、乳幼児の心的特性が「生活リズムを崩しやすい」ことを示す場合、情報処理装置10は、生活リズムをただすような過ごし方を推奨する旨の情報を利用者に提供する。
【0092】
〔4-4.その他〕
上記した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、手動的に行われてもよい。また、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、公知の方法で自動的に行われてもよい。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られるものではない。
【0093】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されなくともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。また、各構成要素は、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成してもよい。また、上記してきた各処理は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて実行されてもよい。
【0094】
〔5.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に情報処理装置10や、端末装置100、分析サーバ200は、例えば図5に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図5は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、キャッシュ1040、メモリ1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続される。
【0095】
演算装置1030は、キャッシュ1040やメモリ1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。キャッシュ1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するキャッシュである。また、メモリ1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現されるメモリである。
【0096】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現されてよい。一方、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0097】
例えば、入力装置1020は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置により実現されてもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体により実現されてもよい。
【0098】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する機能を有する。
【0099】
ここで、演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行うこととなる。例えば、演算装置1030は、入力装置1020やメモリ1050からプログラムをキャッシュ1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。例えば、コンピュータ1000が情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、キャッシュ1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現することとなる。
【0100】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明した。しかしながら、これらは例示であり、本願の実施形態は、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、所謂当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することが可能である。また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。
【符号の説明】
【0101】
1 提供処理システム
10 情報処理装置
20 通信部
30 記憶部
31 利用者情報データベース
40 制御部
41 配信部
42 受付部
43 推定部
44 取得部
45 提供部
46 設定部
100 端末装置
200 分析サーバ
図1
図2
図3
図4
図5