(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135633
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H01S 5/02255 20210101AFI20230921BHJP
H01S 5/02208 20210101ALI20230921BHJP
H01S 5/02253 20210101ALI20230921BHJP
H01S 5/02355 20210101ALI20230921BHJP
H01S 5/02257 20210101ALI20230921BHJP
【FI】
H01S5/02255
H01S5/02208
H01S5/02253
H01S5/02355
H01S5/02257
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036281
(22)【出願日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】P 2022040825
(32)【優先日】2022-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100218981
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】三浦 創一郎
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MC01
5F173MC12
5F173MD07
5F173MD34
5F173MD64
5F173ME22
5F173ME44
5F173ME77
5F173ME85
5F173MF03
5F173MF28
5F173MF39
(57)【要約】
【課題】パッケージを小型化することが可能な発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置は、上部、下部、及び、1または複数の側部を有し、上部、下部、及び、1又は複数の側部によって画定される閉空間を有するパッケージと、上面に1又は複数の出射点を有し、下部の実装面に配置される第1発光素子と、1又は複数の出射点から、上方に出射された光を反射する第1反射面を有する反射部とを備える。第1反射面は、閉空間に設けられ、1または複数の側部は、光透過部を有する第1側部を含む。第1反射面によって反射された光が光透過部を透過して外部に出射される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部、下部、及び、1または複数の側部を有し、前記上部、前記下部、及び、前記側部によって画定される閉空間を有するパッケージと、
上面に1又は複数の出射点を有し、前記下部の実装面に配置される第1発光素子と、
前記1又は複数の出射点から、上方に出射された光を反射する第1反射面を有する反射部と、
を備え、
前記第1反射面は、前記閉空間に設けられ、
前記1または複数の側部は、光透過部を有する第1側部を含み、
前記第1反射面によって反射された光が前記光透過部を透過して外部に出射され、
前記実装面の法線方向において、前記上部の下面から前記実装面までの第1距離は、前記第1発光素子の前記上面から前記第1反射面の中点までの第2距離の1.5倍以上である、発光装置。
【請求項2】
前記1または複数の側部は、前記第1発光素子を基準として前記第1側部と反対側に位置する第2側部を含み、
前記反射部は、前記第1反射面が前記第2側部と離隔して、前記閉空間に配される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記反射部は、さらに接合面を有し、
前記接合面は、前記上部の下面又は前記実装面の少なくとも一方に接合する、請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記反射部の前記接合面は、前記上部の下面に接合し、
前記反射部の主材料はシリコンである、請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1反射面が、前記上部と前記側部とに接続するように設けられる、請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記1または複数の側部は、前記第1発光素子を基準として前記第1側部の反対側に位置する第2側部を有し、
前記上部と、前記第2側部と、前記反射部とは、一体に形成され、前記反射部の表面に反射膜が設けられており、
前記第1側部は、反射防止膜が設けられた表面を有する、請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第1反射面の中点は、前記第1発光素子の前記上面の中心に位置する出射点、あるいは、前記第1発光素子の前記上面の中心に最も近い出射点から出射した光の光軸と、前記第1反射面との交点である第1点と重なる、請求項1に記載の発光装置。
【請求項8】
前記実装面に配置される、受光面を有する受光素子をさらに備え、
前記第1側部は、前記第1反射面によって反射した光が入射する光入射面を有し、
前記光入射面の法線方向において、前記第1発光素子と前記受光素子との間隔は、前記第1発光素子の長さよりも小さい、請求項1に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1発光素子及び前記受光素子は、前記光入射面の法線方向に並ぶように配置され、
前記光入射面の法線方向において、前記受光素子よりも前記第1発光素子は、前記光入射面に近い側に配置される、請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記反射部は、前記第1発光素子から出射され、前記第1反射面を透過する光を反射する第2反射面をさらに有し、
前記実装面の法線方向から見る上面視において、前記第1反射面は、前記第1発光素子の前記上面の全体に重なり、
前記第2反射面は、前記受光素子の前記受光面の少なくとも一部に重なる、請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記第1発光素子から出射され、前記光透過部を透過した光をコリメートするレンズ部材をさらに備える、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項12】
前記実装面の法線方向において、前記レンズ部材は、前記実装面と同じ平面、又は、前記実装面よりも低い平面上に配置され、
前記実装面の法線方向において、前記レンズ部材のレンズ光軸は、前記第1発光素子から出射される光の光軸と、前記第1反射面との交点を通る、請求項11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記実装面に平行な方向に光を出射する1又は複数の出射点を有し、前記実装面に配置された第2発光素子をさらに備え、
前記第2発光素子から出射される光は、前記光透過部を透過して外部に出射される、請求項12に記載の発光装置。
【請求項14】
前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、半導体レーザ素子であり、
前記第1発光素子は、青色又は緑色の光を出射し、前記第2発光素子は、赤色の光を出射する、請求項13に記載の発光装置。
【請求項15】
前記実装面に配置されるサブマウントをさらに備え、
前記第2発光素子は、前記サブマウントの上面に配置され、
前記実装面の法線方向において、前記実装面から前記サブマウントの前記上面までの距離は、前記実装面から前記第1反射面の最下点の距離よりも大きい、請求項13に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
垂直共振器面発光レーザ素子を備える光モジュールが知られている。特許文献1は、基板と、基板上に実装された垂直共振器面発光レーザ素子と、垂直共振器面発光レーザ素子を覆うように基板上に配置された透明部材とを備える光モジュールを開示している。当該透明部材は、垂直共振器面発光レーザ素子から上方に出射される光を側方に反射する反射面を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発光装置を小型にしたいというニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の発光装置は、例示的で非限定的な実施形態において、上部、下部、及び、1または複数の側部を有し、前記上部、前記下部、及び、前記側部に囲まれた閉空間を画定するパッケージと、上面に1又は複数の出射点を有し、前記下部の実装面に配置される第1光素子と、前記1又は複数の出射点から、上方に出射された光を反射する第1反射面を有する反射部と、を備え、前記第1反射面は、前記閉空間に設けられ、前記1又は複数の側部は、光透過部を有する第1側部を含み、前記第1反射面によって反射された光が前記光透過部を透過して外部に出射される。
【発明の効果】
【0006】
本開示の実施形態によれば、パッケージを小型化することが可能な発光装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本開示の第1実施形態及び第3実施形態に係る発光装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の第1実施形態に係る発光装置の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1のIII-III断面線における発光装置の断面図である。
【
図4A】
図4Aは、垂直共振器面発光レーザ素子の構成例を模式的に示すYZ平面に平行な断面図である。
【
図5】
図5は、
図3に示す断面図における、発光素子から出射される光の光軸と第1反射面との交点とその近傍を拡大した拡大断面図である。
【
図6】
図6は、
図1のVI-VI断面線における本開示の第1実施形態の変形例に係る発光装置の断面図である。
【
図7】
図7は、
図6に示す発光装置からキャップを除いた状態の上面図である。
【
図8】
図8は、本開示の第2及び第3実施形態に係る発光装置の斜視図である。
【
図9】
図9は、本開示の第2実施形態に係る発光装置からキャップ及び反射部を除いた上面図である。
【
図11B】
図11Bは、
図10に示す発光装置において破線で囲まれた部分を、キャップ及び反射部を除いた状態で拡大した拡大上面図である。
【
図12】
図12は、本開示の第2実施形態に係る発光装置の他の構造例を示す拡大断面図である。
【
図13A】
図13Aは、発光素子が複数の出射点を有する場合における発光素子及び受光素子の配置の例を示す模式図である。
【
図13B】
図13Bは、発光素子が複数の出射点を有する場合における発光素子及び受光素子の配置の他の例を示す模式図である。
【
図14A】
図14Aは、
図8のXIVA-XIVA断面線における第2実施形態の変形例1に係る発光装置の拡大断面図である。
【
図14B】
図14Bは、
図8のXIVB-XIVB断面線における第2実施形態の変形例2に係る発光装置の拡大断面図である。
【
図15】
図15は、本開示の第2実施形態の変形例3に係る発光装置の断面図である。
【
図16】
図16は、
図1のXVI-XVI断面線における第3実施形態に係る発光装置の断面図である。
【
図17】
図17は、
図8のXVII-XVII断面線における第3実施形態に係る発光装置の他の構造例を示す断面図である。
【
図18】
図18は、本開示の第4実施形態に係る発光装置の斜視図である。
【
図21】
図21は、本開示の第5実施形態に係る発光装置の斜視図である。
【
図23A】
図23Aは、
図21のXXIIIA-XXIIIA断面線における第5実施形態に係る発光装置の断面図である。
【
図23B】
図23Bは、
図21のXXIIIB-XXIIIB断面線における第5実施形態に係る発光装置の他の構造例を示す断面図である。
【
図26】
図26は、第6実施形態に係る発光装置の斜視図である。
【
図28】
図28は、
図26のXXVIII-XXVIII断面線における発光装置の断面図である。
【
図29】
図29は、第6実施形態の変形例に係る発光装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書又は特許請求の範囲において、三角形、四角形などの多角形は、数学的に厳密な意味の多角形に限定されず、多角形の隅に角丸め、面取り、角取り、丸取り等の加工が施された形状も含むものとする。また、多角形の隅(辺の端)に限らず、辺の中間部分に加工が施された形状も同様に多角形と呼ぶものとする。つまり、多角形をベースに残しつつ、部分的な加工が施された形状は、本明細書及び特許請求の範囲で記載される“多角形”に含まれる。
【0009】
多角形に限らず、台形や円形や凹凸など、特定の形状を表す言葉についても同様である。その形状を形成する各辺を扱う場合も同様である。つまり、ある辺において、隅や中間部分に加工が施されていたとしても、“辺”には加工された部分も含まれる。部分的な加工のない“多角形”や“辺”を、加工された形状と区別する場合は“厳密な”を付して、例えば、“厳密な四角形”などと記載するものとする。
【0010】
本明細書又は特許請求の範囲において、ある名称によって特定される要素が複数あり、それぞれの要素を区別して表現する場合に、要素のそれぞれの頭に“第1”、“第2”などの序数詞を付記することがある。例えば、請求項では「発光素子が基板上に配されている」と記載されている場合、明細書中において「第1発光素子と第2発光素子とが基板上に配列されている」と記載されることがある。“第1”及び“第2”の序数詞は、2個の発光素子を区別するために使用されている。同一の序数詞が付された要素名が、明細書と特許請求の範囲との間で、同一の要素を指さない場合がある。例えば、明細書において“第1発光素子”、“第2発光素子”、“第3発光素子”の用語で特定される要素が記載されている場合、特許請求の範囲における“第1発光素子”及び“第2発光素子”が、明細書における“第1発光素子”及び“第3発光素子”に相当することがある。また、特許請求の範囲に記載された請求項1において、“第1発光素子”の用語が使用され、“第2発光素子”の用語が使用されていない場合、請求項1に係る発明は、1個の発光素子を備えていればよく、その発光素子は、明細書中の“第1発光素子”に限定されず、“第2発光素子” 又は“第3発光素子”であり得る。
【0011】
本明細書又は特許請求の範囲において、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」)を用いる場合がある。それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置のわかり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。
【0012】
図面に示される要素又は部材の寸法、寸法比率、形状、配置間隔等は、わかり易さのために誇張されている場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
【0013】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。実施形態は、本発明の技術思想が具体化されたものではあるが、本発明を限定するものではない。実施形態の説明で示される数値、形状、材料、などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。以下の説明において、同一の名称、符号によって特定される要素は、同一又は同種の要素であり、それらの要素について重複した説明を省略することがある。
【0014】
本開示の実施形態に係る発光装置は、上部、下部、及び1または複数の側部を有するパッケージと、1又は複数の発光素子と、反射部とを備える。発光装置は、後述するように、受光素子、サブマウント、レンズ部材、及びビームコンバイナの少なくとも1個の構成要素をさらに備え得る。さらに、発光装置は、例えば製品仕様に応じて、ツェナーダイオードに代表される保護素子および/またはサーミスタなどの、内部温度を測定するための温度測定素子を備え得る。ただし、これらの構成要素は必須でない。
【0015】
本開示の実施形態に係る発光装置において、上部、下部、及び1または複数の側部とで画定される閉空間に、1又は複数の発光素子及び反射部が配置される。下部に配置された1又は複数の発光素子から上方に出射された光は、発光素子の上方に設けられた反射部の反射面で側方に反射され、画定された閉空間内を側方に進み、1または複数の側部の少なくとも一部に含まれる光透過部を透過して外部に出射される。
【0016】
<第1実施形態>
図1から
図7を参照して、本開示の第1実施形態に係る発光装置の構造例を説明する。以下の説明において、3個の発光素子を備える発光装置の構成例を説明する。ただし、発光素子の数はこれに限定されず、1個、2個又は4個以上であり得る。
【0017】
図1から
図3は、第1実施形態に係る発光装置の基本的な構成を説明するための図面である。添付する図面において、参考のため、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。以降、X軸、Y軸、及びZ軸の方向を、それぞれ、X方向、Y方向及びZ方向と記載する。Z方向は、発光素子からの光がパッケージの外部に出射される方向である。また、Y方向は、下部の実装面に垂直な方向(法線方向)である。「上面視」という用語は、下部の実装面に垂直な方向、つまりY方向から見る上面視を意味する。
【0018】
図1は、第1実施形態に係る発光装置100の斜視図である。
図2は、発光装置100の分解斜視図である。
図3は、
図1のIII-III断面線における発光装置100の断面図である。
図3において、発光素子20から出射される光の光軸Lが点線の矢印で示されている。
【0019】
第1実施形態に係る発光装置100は、概ね箱型形状を有する。X方向のサイズは、例えば1mm以上である。Z方向のサイズは、例えば0.8mm以上であり得る。Y方向のサイズは、例えば0.6mm以上であり得る。あるいは、X方向のサイズは、例えば15mm以下である。Z方向のサイズは、例えば10mm以下であり得る。Y方向の高さは、例えば4mm以下であり得る。
【0020】
先ず、各構成要素を説明する。
【0021】
(パッケージ10)
パッケージ10は、実装面11Mを有する下部11と、下部11と接続し、上方に延伸する1または複数の側部13、及び1又は複数の側部13と接続する上部14とを有する。図示する例では、1または複数の側部13は下部11の実装面11Mと接続する。パッケージ10は、例えば平板形状の基板12と、1または複数の側部13及び上部14が一体に形成されたキャップ15とで構成される。
【0022】
下部11は、上面、及び上面に対向する下面を有する。下部11の上面が、図示する発光装置100が備える実装面11Mである。実装面11Mは平面であり得る。実装面11Mは、1以上の構成要素が配置される第1実装領域11Maを含む。図示する例で、下部11は基板12に含まれる。基板12はセラミックを主材料として形成することができる。セラミックの例には、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、及び炭化ケイ素が挙げられる。
【0023】
下部11の実装面11Mは、周辺領域11Pをさらに含む。周辺領域11Pは、実装面11Mにおいて第1実装領域11Maの周囲に位置する。周辺領域11Pは、1または複数の側部13が接続する領域であり得る。図示する例において、周辺領域11Pは、キャップ15が接合される領域である。周辺領域11Pにはこの接合のための金属膜が形成され得る。
【0024】
パッケージ10は、下部11、1または複数の側部13及び上部14によって画定される閉空間Vを内部に形成する。閉空間Vは、封止された空間であり、気密された状態になり得る。図示する例では、基板12とキャップ15とによって閉空間Vが形成される。キャップ15の外形は、上面視で矩形である。ただし、キャップ15の外形は矩形である必要はなく、例えば、上面視で、四角形以外の多角形又は円形であってもよい。なお、パッケージ10は、図示される形状の基板12及びキャップ15によって構成されなくてもよい。
【0025】
1または複数の側部13は、下部11の第1実装領域11Maを囲い、実装面11Mよりも上方に延びる。第1実装領域11Maに配置される1以上の構成要素は、1または複数の側部13によって囲まれる。上部14は、実装面11Mよりも上方に位置し、1または複数の側部13に接続される。上部14は、下部11の実装面11M(上面)に対向する下面14bを有する。
【0026】
図示するキャップ15は、同じ材料を主材料に用いて1または複数の側部13と上部14とが一体になるように形成される。キャップ15は、例えば、ガラス、プラスチック、石英、サファイアなどの透光性材料から形成され、例えばエッチングなどの加工技術を利用して作製することが可能である。なお、キャップ15は、異なる材料を主材料に用いて側部13と上部14とを個別に形成し、これらを接合して形成してもよい。例えば、1または複数の側部13の主材料はガラス等の透光性材料であり、上部14の主材料は単結晶又は多結晶シリコン等の非透光性材料であり得る。
【0027】
1または複数の側部13は、1又は複数の外側面を有し得る。1又は複数の外側面のうちの少なくとも1つの面が光取出面10bである。図示する例では、1または複数の側部13は、キャップ15の矩形の外形に対応する4つの外側面を有している。1または複数の側部13は、光取出面10bである外側面を備える第1側部13-1、及び閉空間Vを挟んで第1側部13-1に対向する第2側部13-2を有する。図示する例において、第1側部13-1の光取出面10b及び第2側部13-2の外側面は、互いに平行である。光取出面10bは、図示するXY平面に平行である。第1側部13-1は、外側面である光取出面10bの反対側に、光入射面10aとなる内側面を有する。第1側部13-1は、少なくとも光入射面10aの一部及び光取出面10bの一部を含み、透光性を有する光透過部16が含まれる。
【0028】
第1側部13-1と第2側部13-2は、閉空間V、第3側部13-3、及び第4側部13-4を挟んで離隔する。図示する例において、第1側部13-1は、Z方向に延伸する第3側部13-3及び第4側部13-4に接続する。第2側部13-2は、第3側部13-3及び第4側部13-4に接続する。第1側部13-1は、第2側部13-2が備える外側面を有さない。第2側部13-2は、第1側部13-1が備える外側面を有さない。
【0029】
ここで、「透光性を有する」とは、その領域に入射する主要な光の透過率が80%以上であるという性質を満たすことを意味する。図示する例におけるパッケージ10は、4つの外側面のすべてが透光性を有し、4つの外側面のうちの第1側部13-1の外側面が光取出面10bとなる。
【0030】
第2側部13-2は、第1側部13-1の光入射面10aに対向する内側面13-2aを有する。光入射面10a及び光取出面10bのそれぞれは実装面11Mに対して垂直であり得る。なお、ここでの垂直は、±5度以内の誤差を含む。ただし、光入射面10a及び光取出面10bのそれぞれは、実装面11Mに対して傾斜していてもよい。
【0031】
下部11は、発光素子を含む電子部品などの構成要素に電気的に接続される1又は複数の金属層を有し得る。1又は複数の金属層は、例えば金属などの導電体から形成され、パターニングされ、実装面11M上に設けられ得る。電子部品は、例えば金属ワイヤを介して実装面11M上の金属層に電気的に接続される。実装面11M上の金属層は、例えばビアホールを介して、実装面11Mの反対側の面(例えば下面)に設けられた1又は複数の金属層に電気的に接続される。なお、本開示の実施形態におけるパッケージ構造は、図示される例に限定されない。本開示の実施形態における「パッケージ」は、1又は複数の部材が配置される「下部」と、1又は複数の部材を囲む「側部」と、を有する構造体全般であり得る。
【0032】
(発光素子20)
発光素子20の例は、垂直共振器面発光レーザ素子(VCSEL素子)もしくは端面発光レーザ素子などの半導体レーザ素子、又は発光ダイオード(LED)である。以下、垂直共振器面発光レーザ素子をVCSEL素子と記載する。
図2に例示する発光素子20はVCSEL素子である。図示する発光素子20は、上面視で矩形の外形を有し得る。VCSEL素子は、端面発光レーザ素子に比べ、より円形のビーム形状が得られる点、複数のエミッタを2次元に並べることで2次元アレイが比較的容易に得られる点、又は低消費電力で駆動できる点において優れている。発光素子20は、上面20aを有する。上面20aには、1又は複数の出射点(エミッタ)20eが位置する。上面20aは光出射面として機能する。このように、発光素子20は、1個のエミッタを有するシングルエミッタであってもよく、あるいは、2個以上のエミッタを有するマルチエミッタであってもよい。
【0033】
発光素子20として、例えば、青色の光を出射する半導体レーザ素子、緑色の光を出射する半導体レーザ素子、又は、赤色の光を出射する半導体レーザ素子を採用することができる。また、これら以外の光、例えば赤外光を出射する半導体レーザ素子を採用してもよい。
【0034】
発光素子20がVCSEL素子又は端面発光レーザ素子などの半導体レーザ素子である場合について説明を補足しておく。半導体レーザ素子から出射されるレーザ光は、拡がりを有する発散光である。レーザ光は、光出射面に平行な面において略円形状、又は楕円形状のファーフィールドパターン(以下、「FFP」という。)を形成する。FFPとは、光出射面から離れた位置における出射光の形状や光強度分布である。VCSEL素子から出射されるレーザ光のFFPの形状は略円形状であり得、端面発光レーザ素子から出射されるレーザ光のFFPの形状は楕円形状であり得る。レーザ光のFFPの形状の中心を通る光線を、レーザ光の光軸と呼ぶ。光軸上を進む光は、FFPの光強度分布においてピーク強度を示す。本開示の実施形態では、FFPの光強度分布において、ピーク強度値に対して1/e2以上の強度を有する光を、「主要部分」の光と呼び、ピーク強度値に対して1/e2未満の強度を有する光を、「周辺部分」の光と呼んで、「主要部分」の光と「周辺部分」の光とを区別する。ただし、「半値全幅」と呼ばれる、FFPの光強度分布において強度がピーク強度値の半分となるビーム径によって、「主要部分」の光と「周辺部分」の光とを区別してもよい。
【0035】
FFPの光強度分布に基づき、光強度分布の1/e2に相当する角度を、その半導体レーザ素子の光の拡がり角とする。半導体レーザ素子から出射される光のFFPが略円形状である場合、その直径方向の拡がり角は、例えば3度以上である。一方、半導体レーザ素子から出射される光のFFPが楕円形状である場合、楕円の短径方向を遅軸方向、長径方向を速軸方向と呼ぶ。遅軸方向における拡がり角は、速軸方向における拡がり角よりも小さい。半導体レーザ素子から出射される遅軸方向における拡がり角は、例えば3度以上である。
【0036】
図4A及び
図4Bを参照して、VCSEL素子の構造例を説明する。ただし、以下で説明する構造例は一例であり、本開示の実施形態におけるVCSEL素子が備える構造はこれに限定されない。
【0037】
図4Aは、VCSEL素子の構成例を模式的に示すYZ平面に平行な断面図である。
図4Bは、
図4Aに示す構成の上面図である。図示する例におけるVCSEL素子は、半導体基板20-1と、n側反射膜20-2と、n型半導体層20-3と、活性層20-4と、p型半導体層20-5と、p側反射膜20-6とをこの順に積層した積層構造を備える。p型及びn型の導電型は逆の関係であってもよい。半導体基板20-1は除去されていてもよい。
【0038】
n型半導体層20-3は、平板部及び平板部から上方(Y方向)に突出する凸部を有する。n型半導体層20-3の凸部の上面には活性層20-4が設けられており、活性層20-4の上面にはp型半導体層20-5が設けられている。p型半導体層20-5の上面のうち、周縁領域以外の領域にp側反射膜20-6が設けられている。VCSEL素子は、n型半導体層20-3のうち、平板部の上面及び凸部の側面を覆う絶縁層20-7を備える。ただし、n型半導体層20-3の平板部の上面の一部は、絶縁層20-7で覆われず、露出している。VCSEL素子は、p型半導体層20-5に電気的に接続されるp側電極20-8p、及びn型半導体層20-3が露出している部分に電気的に接続されるn側電極20-8nを備える。n側反射膜20-2及びp側反射膜20-6はそれぞれ、例えば分布ブラッグ反射器(Distributed Bragg Reflector:DBR)から形成され得る。
【0039】
図4Bに例示するように、上面視において、p側反射膜20-6、絶縁層20-7、p側電極20-8p、及びn側電極20-8nが露出している。p側電極20-8pは、上面視において、p側反射膜20-6を囲むリング形状の部分と、当該リング形状の部分からZ方向に沿って延びる直線部分とを含む。n側電極20-8nは、上面視において、p側電極20-8pのリング形状の部分及びp側反射膜20-6を囲むC型形状の部分と、当該C型形状の部分からZ方向に沿って延びる直線部分とを含む。p側電極20-8p及びn側電極20-8nが電極対20-8を構成する。ただし、図示する例に限定されず、積層構造において、n側電極20-8nは、活性層20-4を基準にしてp側電極20-8pとは反対側に設けられ得る。
【0040】
p側電極20-8p及びn側電極20-8nから、活性層20-4に電流注入することによって活性層20-4では反転分布が生じ、所望の発振波長で誘導放出による光の増幅、すなわちレーザ発振が生じる。活性層20-4においてレーザ発振により増幅された光が、p側反射膜20-6を通過して上方に出射する。したがって、VCSEL素子の発光点20eは、上面視でp側反射膜20-6内にある。
【0041】
赤色の光を出射する半導体レーザ素子は、例えば、InAlGaP系、GaInP系、GaAs系、及びAlGaAs系の半導体材料からなる群から選択される少なくとも1つから形成され得る。そのような半導体レーザ素子の一例として、図示する発光素子20は、半導体基板20-1がn型GaAsから形成され、n側反射膜20-2及びp側反射膜20-6の積層構造は、それぞれ、組成比が異なるn型及びp型AlGaAsから形成され得る。n型半導体層20-3及びp型半導体層20-5は、それぞれ、n型及びp型AlGaInPから形成され、活性層20-4はGaInPから形成され得る。
【0042】
緑色又は青色の光を出射する半導体レーザ素子は、例えば、GaN、InGaN、及びAlGaNからなる群から選択される少なくとも1つの半導体材料から形成され得る。そのような半導体レーザ素子の一例として、図示する発光素子20は、半導体基板20-1がGaNから形成され得る。n側反射膜20-2の積層構造はAlInN及びGaNから形成され、p側反射膜20-6の積層構造はSiO2及びNb2O5などの誘電体材料から形成され得る。n型半導体層20-3及びp型半導体層20-5は、それぞれ、n型及びp型GaNから形成され、活性層20-4はInGaNから形成され得る。
【0043】
本開示の実施形態における発光素子20が出射する青色の光は、その発光ピーク波長が420nm~494nmの範囲内にある光をいうものとする。緑色の光は、その発光ピーク波長が495nm~570nmの範囲内にある光をいうものとする。赤色の光は、その発光ピーク波長が605nm~750nmの範囲内にある光をいうものとする。
【0044】
(反射部30)
第1実施形態における反射部30は、角柱の形状を有し得る。角柱は多角形を底面とする柱体である。反射部30は、1または複数の反射面を有する。また、反射部30は、反射面とは別に、他の部材と接合する面を有していてもよい。図示する発光装置100の例では、反射部30は、他の部材に接合する接合面30aを有する。反射部30は、反射面として、接合面30aに対し傾斜する第1反射面31を有する。
図2に例示する反射部30はX方向に延び、YZ平面に平行なその端面は六角形である。なお、反射部30の形状は角柱に限定されない。反射部30の主材料の例はガラス又はシリコンである。
【0045】
第1反射面31は、接合面30aに対して、例えば25度以上65度以下の傾斜角度を成す平面で構成され得る。傾斜角度の範囲は、より好ましくは、40度以上50度以下である。図示する発光装置100の例では、第1反射面31は、接合面30aに対して、45度の傾斜角度を成す平面で構成されている。なお、ここでの「45度」は、±1度未満の角度の誤差を含む。第1反射面31は、入射光の一部を透過させ残りを反射する部分反射面であってもよい。
【0046】
第1反射面31は、例えば、入射光を反射する光反射制御膜をガラスなどの透光性材料の上に設けることによって形成され得る。光反射制御膜は、例えば、Ag、Alなどの金属膜から形成され得る。あるいは、光反射制御膜は、Ta2O5/SiO2、TiO2/SiO2、Nb2O5/SiO2などから形成された誘電体多層膜であり得る。例えば、光反射制御膜の膜厚および/または材料を変えることによって、第1反射面31の反射率又は透過率を制御することが可能となる。
【0047】
反射部30の主材料が例えばガラスである場合、第1反射面31には、光反射制御膜の代わりに、回折光学素子が設けられ得る。回折光学素子の例は反射型回折格子である。あるいは、第1反射面31には、DBR膜が設けられ得る。
【0048】
(発光装置100)
次に、発光装置100を説明する。
【0049】
第1実施形態に係る発光装置100は、1又は複数の発光素子20を有する。図示する例における発光装置100は、それぞれの発光素子20は、VCSEL素子である。図示する例で、複数の発光素子20の数は、3個である。3個の発光素子20を、それぞれ、第1発光素子、第2発光素子及び第3発光素子と呼んでもよい。3個の発光素子20は、それぞれ、赤色の光、緑色の光及び青色の光から選択される互いに異なる色の光を出射する。発光素子20は、可視光以外の光、例えば赤外光を出射し得る。複数の発光素子20は、実装面11Mの第1実装領域11Maに並んで配置されている。より詳細には、複数の発光素子20は実装面11Mに平行な方向に並んで配置される。実装面11Mに平行な平面において、複数の発光素子20から出射され、反射部30の第1反射面31で反射された光の光軸に垂直な第1方向に複数の発光素子20は配置され得る。図示する例において、第1方向とX方向は一致する。なお、発光装置100が備える発光素子20の数は3個に限られない。発光素子20は、例えばAu粒子などを含む金属接着剤、金錫、はんだなどの金属を含む金属バンプ、又ははんだ合金などの金属から形成された接合部材を介して第1実装領域11Maに接合され得る。
【0050】
発光装置100は、さらに1または複数の反射部30を有する。図示される例において、1個の反射部30が、3個の発光素子20の上方に配置されている。なお、3個の発光素子20に対応した3個の反射部30をそれぞれの発光素子20の上方に配置してもよい。反射部30は、その接合面30aにおいて、キャップ15の上部14の下面14b又は実装面11Mの少なくとも一方に接合し得る。図示する発光装置100の例における反射部30は、キャップ15の上部14の下面14b上に配置され、接合面30aにおいて下面14bに接合される。反射部30は、キャップ15とは異なる別体の部材である。この場合、反射部30は例えばシリコンを主材料として形成され得る。反射部30は、この例のようにキャップ15とは別部材であるとき、「反射部材」と呼ぶ場合がある。
【0051】
反射部30は、例えばAu粒子などを含む金属接着剤、金錫、はんだなどの金属を含む金属バンプ、又ははんだ合金などの金属から形成された接合部材を介して上部14に接合され得る。
【0052】
各発光素子20及び反射部30は、パッケージの閉空間V内に配置され、反射部30の第1反射面31は閉空間V内に設けられている。反射部30は、3個の発光素子20を上方から覆うように位置する。第1反射面31は、実装面11Mに対し例えば45度の角度で傾斜し、発光素子20の上面20aの上方に位置している。
【0053】
キャップ15の1または複数の側部13は、第1側部13-1と、発光素子20を基準として第1側部13-1と反対側に位置する第2側部13-2とを含む。反射部30は、第1反射面31が第1側部13-1の光入射面10aに対向するように閉空間Vに配置される。言い換えると、
図3に示す断面図において、第1反射面31の下端よりも上端が、第1側部13-1の光入射面10aに近い。図示される例において、第1反射面31は、第2側部13-2の内側面13-2aから離隔して、閉空間Vに配置される。
【0054】
各発光素子20から上方(Y方向)に出射された光は、第1反射面31によって側方(Z方向)に反射される。キャップ15が有する第1側部13-1の光透過部16は、第1反射面31によって反射された光が横切る位置に配置されている。第1反射面31によって反射された光は、閉空間V内を進行してから光透過部16の光入射面10aに入射し、光透過部16を透過し、光取出面10bからパッケージ10の外部に出射される。
【0055】
反射部30の第1反射面31は、閉空間Vとの境界となり得る。図示する例において、反射部30の第1反射面31は、他の部材と接することなく、画定する閉空間Vと接する。
【0056】
図5は、
図3の発光素子20から出射される光の光軸と第1反射面31との交点31cとその近傍を拡大した拡大断面図である。なお、図面の見やすさのため、各部材のハッチングを省略している。
図5には、発光素子20の上面20aの中心20cを含む、YZ平面に平行な断面が示されている。発光素子20の上面20aの形状は、例えば、矩形、円形又は多角形であり得る。上面20aの形状が矩形である場合には、上面20aの中心20cは2本の対角線の交点を意味する。上面20aの形状が円形である場合には、上面20aの中心20cは円の中心を意味する。上面20aの形状が多角形である場合には、上面20aの中心20cは例えば多角形の内接円の中心を意味する。また、本明細書では、
図5に示す断面図における、第1反射面31の上端に位置する最上点31sと、第1反射面31の下端に位置する最下点31tとを両端とする線分上の中点を、第1反射面31の中点31mと呼ぶ。なお、
図5に示す断面図において、最上点31s、最下点31t及び中点31mのそれぞれを丸印で囲んでいる。
【0057】
図5に例示する発光装置100における発光素子20は、1個の出射点20eを有し、上面20aの形状は矩形である(
図2も参照)。出射点20eは、例えば、上面20aの中心20cに位置する。実装面11Mの法線方向において、実装面11Mから上部14の下面14bまでの距離は、実装面11Mから第1反射面31の中点31mまでの距離よりも大きい。また、実装面11Mから下面14bまでの距離を第1距離とすると、第1距離は、発光素子20の上面20aから第1反射面31の中点31mまでの第2距離よりも大きい。第1距離は、第2距離の例えば1.5倍以上であり得る。また、第1反射面31の中点31mと、発光素子20の上面20aの出射点20eから出射した光の光軸Lと第1反射面31との交点31cとの距離は、例えば30μm以下である。このような距離とすることで、反射部30を小型化することが可能である。図示する例では、第1反射面の中点31mが上面視で発光素子20の出射点20eと重なるように、反射部30は配置される。この時、第1反射面31上の、交点31cと中点31mとは重なる。
【0058】
発光素子20は複数の出射点(いわゆるマルチエミッタ)を有し得る。この場合、第1反射面31の中点31mは、複数の出射点20eのうちのいずれか1個の出射点20eから出射した光の光軸Lと、第1反射面31との交点31cと重なる。発光素子20の上面20aの中心20cに位置する出射点20e、あるいは中心20cの最も近くに位置する出射点20eから出射した光の光軸Lと、第1反射面31との交点31cを第1点と呼ぶ。第1反射面31の中点31mは、第1点と重なることが望ましい。このように、発光素子20と第1反射面31とを配置することで、複数の出射点20eから出射する光を、第1反射面31で効率よく反射させることができる。例えば、発光素子20から出射する光の主要部分をすべて反射させることが可能である。また、第1反射面31及び反射部30の小型化を奏することができる。第1実施形態によれば、出射点20eと第1反射面31の中点31mとの距離を、例えば10μm程度まで近づけることができる。
【0059】
本明細書において、第1反射面31で反射された光が進行する方向を「光進行方向」と呼ぶ。2つ以上の構成又は部材を比較する場合、これらのうちの一つがより光進行方向の側に位置することを、「光進行側」に位置すると呼ぶ。なお、「光進行方向」は、光入射面10aに垂直な方向であり得る。前述の第1方向及び「光進行方向」は、光入射面10aに垂直である。図示する例では、「光進行方向」は、Z方向と平行である。発光素子20の側面のうち、最も光進行側に位置する発光素子20の側面は、第1反射面31の最上点31sよりも光進行側に位置する。図示する例では、最も光進行側に位置する発光素子20の側面全体が、第1反射面31の最上点31sよりも光進行側に位置する。なお、
図5には、第1反射面31の最上点31sを通り、Y方向に平行な二点鎖線が示されている。
【0060】
実装面11Mの法線方向、つまりY方向において、第1反射面31の最下点31tと、発光素子20の上面20aとの距離が20μm以下となるように発光素子20及び反射部30を配置することができる。このような配置とすることで、発光素子20の上面20aを第1反射面31に近づけることができ、発光装置100の高さ方向、つまりY方向の小型化を奏することができる。図示する例において、発光素子20の上面20aは、第1反射面31の最下点31tよりも下方に位置する。なお、最下点31tが上面20aと同じ高さか、あるいは、上面20aよりも下方に位置するように発光素子20及び反射部30を配置してもよい。また、実装面11Mの法線方向において、発光素子20の出射点20eから、出射点20eから出射された光の光軸と第1反射面31との交点31cまでの距離を30μm以上800μm以下とすることができる。発光素子20の上面20aを第1反射面31に近づけることで、発光装置100の小型化を奏することができる。
【0061】
閉空間Vを、実装面11Mに平行な平面(XZ平面)で、実装面11Mの法線方向(Y方向)に関して3等分した空間をY方向において高い方から順にそれぞれ第1空間、第2空間、第3空間とする。第1反射面31の最上点31sは、第1空間に位置する。第1点である交点31cは、第2空間に位置する。次に、閉空間Vを、実装面11Mに実装面11Mに平行な平面(XZ平面)で、実装面11Mの法線方向(Y方向)に関して2等分した空間をY方向において高い方から順にそれぞれ第4空間、第5空間とする。第1反射面31の最下点31tは、第5空間に位置する。
【0062】
実装面11Mの法線方向、つまりY方向に関して、実装面11Mと上部14の下面14bとの間の長さは、発光素子の長さの2倍以上20倍以下であることが好ましい。2倍以上とすることで、上面視で反射部30及び発光素子20が重なるように、それぞれの部材を配置することが容易となる。20倍以下とすることで、発光装置100全体の高さを小型化することができる。
【0063】
発光素子20から上方に出射された光は、第1反射面31によって側方に進行するように反射されて、キャップ15の光透過部16を透過し、外部に出射される。この時、発光素子20がVCSEL素子などの半導体レーザ素子である場合、前述したように、発光素子20から出射されるレーザ光は、拡がり角を有する発散光である。レーザ光は進行すればするほど、そのFFPは大きくなる。したがって、発光素子20の上面20aから第1反射面31の中点31mまでの距離(第2距離)が短いほど、発光素子20から出射される光で照射される第1反射面31上の照射領域のサイズを小さく抑えることができる。例えば、第1反射面31の中点31mと発光素子20の出射点20eとのY方向の距離が10μm程度である場合、照射領域のサイズを例えば直径5μm程度に抑えることができる。その結果、面積の小さい第1反射面31によって、発光素子20から出射される光の主要部分をすべて反射することが可能となる。これにより、反射部30の小型化、及び、発光装置100全体の小型化が可能となる。
【0064】
発光素子20が複数の出射点20eを有する場合には、複数の出射点20eを第1反射面31に近づけることにより、第1反射面31上の照射領域全体のサイズを小さく抑えることが可能となる。このことは、発光装置の小型化に優れた効果を発揮し得る。
【0065】
(第1実施形態の変形例)
次に、
図6及び
図7を参照して、第1実施形態に係る発光装置の変形例を説明する。変形例に係る発光装置101では、下部11の実装面11Mに反射部30-1が接合される。
図1には、発光装置101の斜視図が示されている。
図6は、反射部30-1を備える発光装置101の断面図である。
図6に示す発光装置101の断面は、
図1のVI-VI断面線における断面に相当する。
図7は、発光装置101からキャップ15を除いた状態の斜視図である。
【0066】
図6に例示する発光装置101は、下部11の実装面11Mに接合される反射部30-1を備える。この例では、反射部30-1の下面が接合面30aとして機能する。反射部30-1は、例えばガラスを主材料として形成され、第1反射面31には、光反射制御膜、回折光学素子又はDBR膜が設けられ得る。
【0067】
反射部30-1の接合面30aは、実装面11Mに接合され、反射部30-1は、実装面11Mの第1実装領域11Maに配置される。第1実施形態の発光装置100と同様に、発光素子20の上面20aを第1反射面31に近づけることができるために、発光装置101における反射部30-1も、反射部の小型化に貢献し得る。また、発光素子20と同じ実装面11Mで反射部30-1が実装されるため、このことが実装位置の調整に役立つ場合がある。
【0068】
図示する例では、1個の反射部30-1が、複数の発光素子20の上方に配置される。なお、複数の発光素子20に対応した複数の反射部30-1をそれぞれの発光素子20の上方に配置してもよい。発光素子20は、反射部30-1の接合面30aよりも光進行側で実装面11Mに配置される。接合面30aの面積は、発光素子20が実装面11Mと接する面積よりも大きい。
【0069】
<第2実施形態>
図8から
図15を参照して、本開示の第2実施形態に係る発光装置の構成例を説明する。第2実施形態に係る発光装置200は、1又は複数の受光素子40、発光素子20が配置されるサブマウント50、レンズ部材60、及びビームコンバイナ70をさらに備えるという点で、第1実施形態に係る発光装置100と相違する。なお、発光装置200は、第1実施形態に係る発光装置が備える構成に加えて受光素子40、サブマウント50、レンズ部材60、ビームコンバイナ70の全てを備えていなくてもよい。例えば、受光素子40のみを加えた構成、又はレンズ部材60のみを加えた構成であってもよい。受光素子40は、例えばモニタ用の光の強度を測定することに用いられる。レンズ部材60は、例えば発光素子20から出射される光をコリメートするために用いられる。図示される発光装置200は、発光素子20と同じ個数の受光素子40、レンズ部材60、ビームコンバイナ70を備える。なお、これらの部材は、発光素子20と同じ個数でなくてもよい。
【0070】
図8から
図12を参照して、受光素子40、及びレンズ部材60を備える発光装置200の構成例を説明する。
図8は、発光装置200の斜視図である。
図9は、発光装置200からキャップ15及び反射部30を除いた状態の上面図である。
図10は、
図8のX-X断面線における発光装置200の断面図である。
図11Aは、
図10に示される発光装置200の断面図の、破線の矩形で囲んだ部分X1を拡大した拡大断面図である。
図11Bは、
図10に示す発光装置200において破線で囲まれた部分を、キャップ15及び反射部30を除いた状態で拡大した拡大上面図である。また、後述する反射部30の第1反射面31及び下面33の説明のために、第1反射面31を点線で、下面33を破線で示している。
図12は、サブマウント50を備える発光装置200の他の構成例を示す断面の部分拡大図である。
図12に示す部分拡大図は、
図10に示す破線の矩形で囲んだ部分X1を拡大した図に相当する。
【0071】
先ず、各構成要素を説明する。なお、第1実施形態と重複する構成については、説明を省略する。
【0072】
(下部11、基板12)
発光装置200が備える下部11の実装面11Mは、第1実装領域11Maと、第2実装領域11Mbとを備える。第1実装領域11Maと第2実装領域11Mbとの間に、周辺領域11Pが設けられる。図示する例では、基板12が下部11である。
【0073】
(受光素子40)
受光素子40は、受光面41を上面に有する。受光素子40の例は、入射光の強度又は光量に応じた電気信号を出力する光電変換素子(フォトダイオード)である。
図9及び
図11Bに例示する受光素子40の外形は直方体であるが、これに限定されない。また、受光面41の形状は矩形であるが、これに限定されない。
【0074】
(サブマウント50)
図示される例におけるサブマウント50は、上面及び上面と反対側に位置する下面を有し、直方体の形状を有する。ただし、サブマウント50の形状は直方体に限られない。サブマウント50の上面及び下面が、それぞれ、2つの接合面として機能し得る。サブマウント50は、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、又は炭化ケイ素から形成することができる。サブマウント50の下面には、接合のための金属膜が設けられ得る。一方、サブマウント50の上面には、他の構成要素に電気的に接続される複数の配線領域が設けられ得る。
【0075】
(レンズ部材60)
レンズ部材60は入射光をコリメートする。なお、レンズ部材60は、入射光をコリメートするものでなくてもよい。レンズ部材60は、例えば入射光を集光してもよい。レンズ部材60は、入射面61及び出射面62を有する。入射面61及び出射面62のそれぞれは、球面又は非球面のレンズ形状を有し得る。レンズ部材60は、透光性を有する材料、例えばガラス、プラスチック又は樹脂から形成され得る。
【0076】
(ビームコンバイナ70)
ビームコンバイナ70は、入射する複数の発光素子から出射されるそれぞれの光を同軸に合わせることにより、合波した光を出射する。ビームコンバイナ70は複数の光学素子71を接合した構造を有し得る。光学素子71は、可視光を透過するガラス又はプラスチックなどの透明材料から形成され得る。光学素子71は、例えばダイクロイックミラーによって実現される。ダイクロイックミラーは、所定の波長選択性を有する誘電体多層膜を有し得る。誘電体多層膜は、Ta2O5/SiO2、TiO2/SiO2、Nb2O5/SiO2などから形成され得る。
【0077】
(発光装置200)
次に、発光装置200について説明する。
【0078】
第2実施形態に係る発光装置200は、第1実施形態に係る発光装置100が備える構成に加え、1または複数の受光素子40、サブマウント50、1または複数のレンズ部材60、ビームコンバイナ70をさらに備え得る。
【0079】
複数の発光素子20は、1または複数のサブマウント50に配置される。図示される例において、複数の発光素子20は、1個のサブマウント50の上面に配置される。サブマウント50は、下部11の実装面11Mの第1実装領域11Maに接合される。なお、複数の発光素子20のそれぞれは、複数のサブマウント50のうちの対応するサブマウント50に配置してもよい。サブマウント50の上面に発光素子20を配置することで、発光素子20からの熱を、サブマウント50を通して効率よく放熱することができる。
【0080】
1または複数の受光素子40は、実装面11Mに配置される。1または複数の受光素子40は、1または複数の発光素子20が配置される第1実装領域11Maに配置される。光を出射する発光素子20と、出射された光を受光する受光素子40は、例えば前述の光進行方向に並んで配置される。図示する例では、光進行方向はZ方向と平行である。
【0081】
複数の発光素子20に対応して、それぞれの発光素子20からの出射光を受光する複数の受光素子40が第1実装領域11Maに配置され得る。複数の受光素子40は、前述の第1方向に平行な方向に並んで配置され得る。図示する例では、3個の発光素子20に対応する3個の受光素子40が、実装面11Mの第1実装領域11MaにX方向に並んで配置される。1または複数の発光素子20は、出射光を受光する受光素子40よりも、光進行側に位置する。図示する例では、Z方向において、3個の発光素子20が、それぞれの出射光を受光する受光素子40よりも光入射面10aに近い側に配置される。このように、発光素子20は、光入射面10aに近づけて配置される。これにより、発光素子20の出射点20eから光入射面10aまでの光路長を比較的短くすることができる。
【0082】
なお、
図12に示される例のように、受光素子40は、発光素子20が配置されるサブマウント50の上面に配置され得る。このように配置することで、発光素子20と受光素子40とを近づけて配置することができる。これにより、発光装置200全体の光進行方向のサイズを小型化することができる。
【0083】
図11Aに例示する発光装置200における第1反射面31は、入射する光のうちの一部の光を反射し、残りの光を透過する部分反射面である。反射部30の接合面30aには、例えば、Ag、Alなどの金属膜が接合層として形成され得る。反射部30の接合面30aは、接合層を介して上部14の下面14bに接合される。この接合層と接合面30aとの界面の全部又は一部は反射面として機能する。以降、この反射面を、第1反射面31と区別して「第2反射面32」と呼ぶ。
【0084】
発光装置200における反射部30は、発光素子20から出射され、第1反射面31を透過する光を反射する第2反射面32をさらに有する。また、反射部30は、第2反射面32の反対側に設けられ、第1反射面と接続する下面33を有する。発光素子20から出射された光のうちの一部は、第1反射面31で反射され、光透過部16に入射し、残りの光の一部は、第1反射面31を透過し、第2反射面32で反射され、受光素子40の受光面41に入射する。
【0085】
上面視において、第1反射面31は、発光素子20の上面20a全体に重なり、第2反射面32は、受光素子40の受光面41の少なくとも一部に重なり得る。第1反射面31が、発光素子20の上面20a全体に重なることで、発光素子20から出射した光を、第1反射面31で効率よく反射することができる。
図11Bに示す例では、第1反射面31は、3個の発光素子20の3個の上面20a全体に重なっている。また、反射部30の下面33と発光素子20とは、上面視で重ならないように配置される。このような配置とすることで、発光素子20と、第1反射面31との距離を短くすることができる。下面33は、受光素子40の受光面41の少なくとも一部または全部に重なる。受光素子の受光面41と下面33とが重なる領域の面積は、例えば受光面41全体の面積の1/2以上である。図示する例では、下面33は、受光面41の全部に重なる。
【0086】
実装面11Mの法線方向において、下面33は、受光面41よりも上方に位置する。下面33は、受光素子40の上面とは直接接しない。図示する例で、下面33は、実装面11Mの法線方向において、受光素子40の受光面41と、発光素子20の上面20aとの間に位置する。下面33がこのように位置するように反射部30を配置することで、発光素子20の上面20aと第1反射面31とを近づけることができる。また、発光装置200全体の高さ方向のサイズを小型化することができる。
【0087】
光進行方向において、発光素子20と受光素子40との間の距離が、例えば、発光素子20全体の長さよりも短くなるように、発光素子20と受光素子40とを配置することができる。光進行方向は、例えば光入射面10aに垂直である。例えば、受光素子40と発光素子20との間隔を、20μm以下とすることができる。このように配置することにより、発光素子20及び受光素子40の上方に配置される反射部30を小型化することができる。このことは、発光装置200全体の小型化に寄与し得る。
【0088】
第2実施形態に係る発光装置200は、1または複数の発光素子20から出射された光が入射する1または複数のレンズ部材60をさらに備える。図に示す例における発光装置200は、3個の発光素子20に対応した3個のレンズ部材60を備える。また、発光装置200は、3個のレンズ部材60に対応した3個の光学素子71を有するビームコンバイナ70をさらに備える。なお、レンズ部材60及び光学素子71の数は、これに限定されない。
【0089】
1または複数のレンズ部材60は、下部11の実装面11Mに配置される。実装面11Mの法線方向において、1または複数のレンズ部材60は、1または複数の発光素子20が配置される実装面11Mと同じ平面上に配置される。より詳細には、1または複数のレンズ部材は、実装面11Mの第2実装領域11Mbに配置される。図示する例では、3個のレンズ部材60及びビームコンバイナ70が、キャップ15の外側に位置する第2実装領域11Mbに配置される。発光装置200において、3個の発光素子20及び反射部30はキャップ15の内側に位置し、3個のレンズ部材60及びビームコンバイナ70はキャップ15の外側に位置する。
【0090】
レンズ部材60は、入射面61が反射部30の第1反射面31及びキャップ15の光取出面10bを向き、光取出面10bから出射される光を受ける位置に配置される。
図8には3個のレンズ部材60が個別に示されているが、レンズ部材はこれに限定されず、3個のレンズ部材60が一体的に形成された構造を有し得る。
【0091】
図示する発光装置200の例では、実装面11Mの法線方向において、レンズ部材60のレンズ光軸L2は、発光素子20の出射点20eから出射される光の光軸L1と、第1反射面31との交点31cを通る。また、レンズ部材60のレンズ光軸L2は、発光素子20の中心に位置する出射点20e、または中心に最も近い出射点20eから出射される光の光軸L1との交点である第1点を通ることが好ましい。図示する例において、第1点である交点31cは、第1反射面31の中点31mよりも上方に位置する。レンズ光軸L2の高さがこのようなレンズ部材60を配置することで、第1反射面31によって反射される光の主要部分を、レンズ部材60の入射面61に効率よく入射させることができる。Y方向において、第1点である交点31cと、第1反射面31の中点31mとの距離は、例えば100μm以下であり得る。このような距離とすることで、レンズ部材60の高さ方向(Y方向)の大型化を抑制することができる。
【0092】
各レンズ部材60は、各発光素子20から出射され、光透過部16を透過した光をコリメートする。ビームコンバイナ70は、3個のレンズ部材60のそれぞれから出射される光を同軸に合わせることにより、合波した光を例えばZ方向に出射する。
【0093】
図13A及び
図13Bは、発光素子20が複数の出射点20eを有する場合における発光素子20及び受光素子40の配置の例を示す模式図である。
図13A及び
図13Bに示す配置の例において、発光素子20の上面20a及び受光素子40の受光面41のそれぞれは、矩形である。ただし、前述したように、これらの形状は矩形に限定されない。
【0094】
図13Aに示す例では、受光素子40の受光面41の長辺と、発光素子20の上面20aの長辺とは、Z方向に平行であり、かつ、受光素子40の受光面41の短辺と、発光素子20の上面20aの短辺とは、X方向に平行である。このような配置とすることで、実装面11M上の発光装置200のX方向の長さを小さくすることができる。
【0095】
図13Bに示す例では、受光素子40の受光面41の長辺と、発光素子20の上面20aの長辺とは、X方向に平行であり、かつ、受光素子40の受光面41の短辺と、発光素子20の上面20aの短辺とは、Z方向に平行である。このような配置とすることで、実装面11M上の発光装置200のZ方向の長さを小さくすることができる。また、発光素子20及び受光素子40の上方に配置される反射部30のY方向の長さを小さくすることができるため、発光装置200全体のY方向の大きさを小型化することができる。
【0096】
図13A及び
図13Bのいずれの場合においても、発光素子20及び受光素子40の長辺方向と短辺方向が揃っているので、複数の出射点20eから出射されるそれぞれの光を効率よく受光素子40の受光面に入射させることができる。
【0097】
(第2実施形態の変形例1)
次に、
図8、
図14A及び
図14Cを参照して、第2実施形態の変形例1を説明する。
図8に、第2実施形態の変形例1に係る発光装置201の斜視図が示されている。
図14Aは、
図8のXIVA-XIVA断面線における発光装置201の断面の一部を拡大した部分拡大図である。
図14Aに示す部分拡大図は、
図10に示す破線の矩形で囲んだ部分X1を拡大した図に相当する。
図14Cは、
図14Aに示す発光装置201からキャップ15及び反射部30-2を除いた状態の上面図である。
図14Cには、参考のために、反射部30-2の第1反射面31の外形が点線で示されている。
【0098】
この例では、Z方向において、発光素子20よりも受光素子40が、第1側部13-1の光入射面10aに近い側に配置される。反射部30-2は、回折光学素子を第1反射面31に有し得る。回折光学素子は、発光素子20から出射された光のうちの一部を回折して受光素子40の受光面41に入射させる。
図14Aに示す発光装置201の例において、回折光学素子によって、反射光の一部は光入射面10aに向けられ、反射光の残りの一部は受光素子40の受光面41に向けられる。このように、回折光学素子を用いて、発光素子20から出射され、第1反射面31によって反射された光をメイン光とモニタ光とに分けることが可能となる。
【0099】
発光素子20から出射された光の光軸と第1反射面31との交点31cと、発光素子20の上面20aの光進行側の端点とを結んだ直線上に、受光素子40の少なくとも一部が位置する。このように、発光素子20と受光素子40を近づけて配置することにより、発光装置200の光進行方向におけるサイズを小型化することができる。
【0100】
(第2実施形態の変形例2)
図8、14B及び
図14Cを参照して、第2実施形態の変形例2を説明する。
図8に、第2実施形態の変形例2に係る発光装置202の斜視図が示されている。
図14Bは、
図8のXIVB-XIVB断面線における発光装置202の断面の一部を拡大した部分拡大図である。
図14Cに示す部分拡大図は、
図10に示す破線の矩形で囲んだ部分X1を拡大した図に相当する。
図14Cは、
図8の発光装置202からキャップ15及び反射部30-2を除いた状態の上面図である。
【0101】
図14Bに例示する発光装置202において、光透過部16は、光入射面10aに回折光学素子を有する。回折光学素子は、第1反射面31によって反射された光のうちの一部を回折して受光素子40の受光面41に入射させる。この例においても、回折光学素子を用いて、発光素子20から出射され、第1反射面31によって反射された光をメイン光とモニタ光とに分けることが可能となる。
【0102】
発光装置201、202の構成例によれば、反射部30-2の第1反射面31は、発光装置200が備える反射部30の第1反射面31と同様に、上面視で、発光素子20と少なくとも一部が重なる。一方で、反射部30-2は、第2反射面32を有さない。また、反射部30-2の第1反射面31は、上面視で、受光面41と重ならないように設けられ得る。例えば、受光素子40よりも発光素子20を第1側部13-1の光入射面10aに近い側に配置する場合と比べ(
図11Aを参照)、反射部30-2全体のサイズを相対的に小さくすることが可能である。
【0103】
(第2実施形態の変形例3)
図15は、第2実施形態の変形例3に係る発光装置203の構成例を示す断面図である。
【0104】
図15に例示する発光装置203は、下部11と異なる更なる基板91を備える。パッケージ10、3個のレンズ部材60及びビームコンバイナ70は、基板91上に配置される。実装面11Mの法線方向において、3個のレンズ部材60及びビームコンバイナ70は、実装面11Mよりも低い平面上に配置されている。レンズ部材60とパッケージ10との高さの差hg(Y方向のサイズ差)は、例えば400μm以下であり、例えば200μm以下であることが好ましい。この構成例によれば、実装面11Mよりも低い平面上にレンズ部材60を配置することにより、レンズ部材60のサイズを比較的大きくすることができる。これにより、入射面61の面積を拡大することができ、その結果、第1反射面31によって反射される光の主要部分を効率的にコリメートすることが可能となる。
【0105】
なお、1または複数のレンズ部材60及びビームコンバイナ70を備える発光装置として、
図8に示す発光装置200を例示したが、本開示はこれに限定されない。
図8に例示する発光装置200におけるパッケージ10の内部の構成を、例えば、前述した
図3または
図6に例示する発光装置の構成に置き換えることが可能である。
【0106】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る発光装置は、第1反射面が、上部と1または複数の側部とに接続するように設けられる点で、第1実施形態、及び第2実施形態に係る発光装置と相違する。以下、相違点を主に説明し、共通部分の説明は省略する。
【0107】
図1、
図8、
図16及び
図17を参照して、第3実施形態に係る発光装置を説明する。
図1に、発光装置300の斜視図が示されている。
図16は、
図1のXVI-XVI断面線における発光装置300の断面図である。
【0108】
発光装置300は、下部11、1または複数の側部13、上部14、及び1または複数の発光素子20を備える。発光装置300は、1または複数の側部13及び上部14と一体に形成される反射部30Aをさらに備える。
【0109】
図示する例で、発光装置300は、基板12、キャップ15A、及び3個の発光素子20を備える。基板12は、下部11を含む。キャップ15Aは、第1側部13-1、第2側部13-2、上部14、及び反射部30Aが一体に形成された構造を備える。なお、第1側部13-1に相当する第1キャップと、第2側部13-2、上部14、反射部30Aが一体に形成された第2キャップとで、キャップ15Aが構成されてもよい。
【0110】
図16では、キャップ15Aが有する第1側部13-1、第2側部13-2、上部14、及び反射部30Aの仮想的な境界を点線で示している。第2側部13-2と反射部30Aの境界は、第2側部13-2と反射部30Aの交線を通り、実装面11Mに垂直な第1仮想面上にある。上部14と反射部30Aの境界は、上部14と反射部30Aの交線を通り、実装面11Mに平行な第2仮想面上にある。反射部30Aは、第1反射面31Aと第1仮想面と第2仮想面とで画定される。第2側部13-2は、外側面を有する。上部14は、上面及び下面14bを有する。上部14の上面は、下面14bよりもその面積が大きい。反射部30Aは、第1反射面31Aを有する。第1反射面31Aは、キャップ15Aの内側面の少なくとも一部を構成する。反射部30Aは、外側面を有さない。
【0111】
第1反射面31Aは、上部14と第2側部13-2とに接続するように設けられる。さらに、第1反射面31Aは、下部11の実装面11Mと上部14の下面14bとに接するように設けられる。第1反射面31Aの実装面11Mに対する傾斜角度は、下面14bの実装面11Mに対する傾斜角度よりも大きい。図示する例では、下面14bは実装面11Mに対して平行である。このようにすることにより、発光装置300全体のY方向のサイズを小型化することができる。なお、ここでの「平行」とは±3度の誤差を含む。
【0112】
1または複数の発光素子20は、下部11の実装面11Mに配置される。上面視で、発光素子20は、第1反射面31に重なるように配置される。上面視で、発光素子20は、下面14bには重ならない。光進行方向において、第1反射面31Aの長さは、下面14bの長さよりも長い。第1反射面31Aの長さは、例えば下面14bの長さの3倍であり得る。光進行方向において、第1側部13-1の光入射面10aから発光素子20の出射点20eまでの距離と、第1反射面31Aと第2側部13-2との境界から発光素子20の出射点20eまでの距離は、例えば0.2倍以上5倍以下である。図示する例では、第1反射面31Aと実装面11Mとが接続する点が第1反射面31Aと第2側部13-2との境界である。
【0113】
キャップ15Aが含む反射部30Aの表面(つまり第1反射面31A)には、例えば光反射制御膜、回折光学素子又はDBR膜が設けられる。キャップ15Aが含む第1側部13-1の光入射面10aには、反射防止膜が形成され得る。
【0114】
(第3実施形態の変形例)
図8は、第3実施形態の変形例に係る発光装置301の構成例を示す斜視図である。
図17は、
図8のXVII-XVII断面線における発光装置301の断面図である。第3実施形態の変形例に係る発光装置301は、第3実施形態に係る発光装置300が備える構成に加えて、1または複数の受光素子40、サブマウント50、1または複数のレンズ部材60、及びビームコンバイナ70をさらに備える。第3実施形態に係る発光装置300、301は、上部、側部、及び反射部とが一体に形成されることにより、発光装置300、301全体の小型化を奏することができる。
【0115】
<第4実施形態>
第4実施形態に係る発光装置は、下部、側部、及び上部により画定される閉空間内に、レンズ部材が配置される点で、第1から第3実施形態と相違する。以下、相違点を主に説明し、共通部分の説明は省略する。
【0116】
図18から
図20を参照して、第4実施形態に係る発光装置400を説明する。
図18は、発光装置400の斜視図である。
図19は、発光装置400からキャップ15を除いた状態の上面図である。
図20は、
図18のXX-XX断面線における発光装置400の断面図である。
【0117】
発光装置400において、1または複数のレンズ部材60は、第1実装領域11Maに配置される。1または複数のレンズ部材60は、下部11、1または複数の側部13、及び上部14で画定される閉空間V内に配置される。図示する例では、発光装置400は、複数の発光素子20、反射部30、複数のレンズ部材60、及びビームコンバイナ70を備える。複数の発光素子20、反射部30、及び複数のレンズ部材60は、基板12及びキャップ15により形成される閉空間V内に配置される。ビームコンバイナ70は、キャップ15を挟んで、第2実装領域11Mbに配置される。
【0118】
発光素子20の最も光進行側に位置する端点と、レンズ部材60の入射面61との距離は、発光素子20の光進行方向における長さよりも短い。このような距離とすることで、発光装置400全体の光進行方向における長さを短くすることができる。また、レンズ部材60を発光素子20に近づけることで、発光素子20から出射した光が、レンズ部材60の入射面61に入射するまでの光路長を短くすることができる。これにより、レンズ部材60の入射面61における照射領域を小さくすることができるので、レンズ部材60の高さ方向、つまりY方向における大きさを小型化することができる。発光素子20の最も光進行側に位置する端点と、入射面61までの距離は例えば500μm以下とすることができる。
【0119】
実装面11Mの法線方向において、反射部30の第1反射面31の最上点31sよりもレンズ部材60の入射面61の最上点61sが下方に位置する。レンズ部材60の高さ方向をこのような大きさとすることで、発光装置400全体の大きさを小型化することができる。実装面11Mの法線方向において、反射部30の第1反射面31の中点31m(第1実施形態の
図5を参照)よりもレンズ部材60の入射面61の最上点61sが上方に位置する。レンズ部材60の高さ方向をこのような大きさとすることで、第1反射面31で反射された光の主要部分を、効率よく入射面61に取り込むことができる。
【0120】
<第5実施形態>
第5実施形態に係る発光装置は、VCSEL素子及び端面発光レーザ素子を含む複数の発光素子を備える点で、第1から第4実施形態に係る発光装置と相違する。以下、相違点を主に説明し、共通部分の説明は省略する。以下の説明において、VCSEL素子及び端面発光レーザ素子を、それぞれ、第1発光素子20s及び第2発光素子20tと記載し、両者を区別する。
【0121】
図21から
図25を参照して、第5実施形態に係る発光装置500を説明する。
図21は、発光装置500の斜視図である。
図22は、発光装置500からキャップ15を除いた状態の上面図である。
図23Aは、
図21のXXIIIA-XXIIIA断面線における発光装置500の断面図である。
図23Bは、
図21のXXIIIB-XXIIIB断面線における発光装置500の他の構造例の断面図である。
図24は、
図21のXXIV-XXIV断面線における発光装置500の断面図である。
図25は、
図24の断面図における部分X2を拡大した部分拡大図である。
図25には、第1発光素子20s、第2発光素子20t、反射部30、及びそれらの近傍が拡大して示されている。
【0122】
図21に例示する発光装置500は、2個の第1発光素子20s及び1個の第2発光素子20tを備える。ただし、第1発光素子20s及び第2発光素子20tのそれぞれの個数はこれに限定されない。2個の第1発光素子20s及び1個の第2発光素子20tは、実装面11Mに配置され、パッケージ10の内部に位置している。例えば、2個の第1発光素子20sの一方が、青色の光を出射し、他方が緑色の光を出射する。第2発光素子20tが赤色の光を出射する。
【0123】
第2発光素子20tは、実装面11Mに平行な方向に光を出射する1又は複数の出射点20eを有する。第2発光素子20tから出射される光は、光透過部16を透過して外部に出射される。第2発光素子20tから出射される光の主要部分は、例えば楕円形状のFFPを有し得る。第2発光素子20tから出射される光の速軸方向の拡がり角は、第1発光素子20sから出射される直径方向の拡がり角よりも大きい。
【0124】
図23Aに示す例のように、第1発光素子20sから出射した光Lsは、第1反射面31により側方に反射される。第1反射面31で反射され、側方に進行した光Lsは、光入射面10aにおいて、光入射面10aを透過する光Lsと、反射される光Lsに分光する。光入射面10aを透過した光Lsはレンズ部材60の入射面に入射する。光入射面10aで反射された光Lsは、受光素子40の上面に入射する。
【0125】
第1発光素子20sから出射された光Lsの分光は、光入射面10aでの分光に限定されない。
図23Bに示す例のように、第1発光素子20sから出射した光Lsは、反射部30の第1反射面31で反射され、側方に進行し光入射面10aに入射する光Lsと、受光素子40の上面に入射する光に分光されてもよい。
【0126】
図24で示す例のように、第2発光素子20tから出射した光Ltは、側方に向かって進行する。側方に進行する光Ltは、光入射面10aにおいて、光入射面10aを透過する光Ltと、反射される光Ltに分光する。光入射面10aを透過した光Lsはレンズ部材60の入射面に入射する。光入射面10aで反射された光Lsは、受光素子40の上面に入射する。
【0127】
光進行方向において、第1発光素子20sの出射点から光入射面10aまでの距離は、第2発光素子20tの出射点から光入射面10aまでの距離よりも短い。このような配置とすることで、第1発光素子20sから出射されて、第1反射面31に反射されて光入射面10aに入射するまでの光Lsの光路長と、第2発光素子20tから出射されて、光入射面10aに入射する光Ltの光路長を近づけることができる。図示される例において、X方向から見る側面視で、第2発光素子20tの出射端面と、第1発光素子20sとは重ならない。
【0128】
発光装置500は、実装面11Mに配置されるサブマウント50をさらに備える。図示するように、第1発光素子20s及び第2発光素子20tは、それぞれ、第1サブマウント50Aの上面50a及び第2サブマウント50Bの上面50bに配置される。実装面11Mの法線方向において、実装面11Mから第2サブマウント50Bの上面50bまでの距離は、実装面11Mから第1反射面31の最下点31tまでの距離よりも大きい。実装面11Mから第2サブマウント50Bの上面50bまでの距離を、実装面11Mから第1反射面31の最下点31tまでの距離よりも大きくすることで、第1発光素子20sから出射し、光透過部16を通過する光の光軸のZ方向の高さに、第2発光素子20tから出射し、光透過部16を通過する光の光軸のZ方向の高さを近づけることができる。
【0129】
発光装置500において、実装面11Mから第2発光素子20tの出射点20eまでの高さh1と、実装面11Mから、第1発光素子20sの出射点20eから出射される光Lsの光軸と第1反射面31との交点31cまでの高さh2とを揃えることが望ましい。第2サブマウント50Bに第2発光素子20tを配置し、第2サブマウント50Bの厚さを調整することによって、高さh1と高さh2とを揃えることができる。高さh1と高さh2との差の絶対値は、例えば300μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。高さh1と高さh2とを揃えることにより、第1発光素子20sから出射された光、及び第2発光素子20tから出射された光の光軸をコリメートする3個のレンズ部材60の高さ方向の大きさを等しくすることができる。また、各出射面62から出射されるコリメート光の光軸の高さを等しくすることができる。
【0130】
2個の第1発光素子20sを配置する第1サブマウント50Aと、第2発光素子20tを配置する第2サブマウント50Bとの厚さの差の絶対値は、例えば1mm以下であることが好ましく、100μm以上500μm以下であることがより好ましい。このように、第1発光素子20sが配置される第1サブマウント50Aの高さと、第2発光素子20tが配置される第2サブマウント50Bの高さとを調整することで、高さh1と高さh2とを等しくすることができる。なお、発光装置500は、第1サブマウント50A、第2サブマウント50Bの代わりに、下部11が、第1発光素子20s、第2発光素子20tが配置される位置に凸部を有していてもよい。また、第1発光素子20sが実装面11Mに直接配置され、第2発光素子20tが第2サブマウント50Bの上面に配置されてもよい。
【0131】
第5実施形態に係る発光装置500によれば、VCSEL素子及び端面発光レーザ素子を混載した、パッケージの側方に光を出射する新規な発光装置が提供される。これにより、発光装置に搭載する発光素子の選択肢を拡張することができ、柔軟な対応が可能となる。RGBの発光素子を備える発光装置は、ディスプレイのバックライトとして好適に利用され得る。
【0132】
<第6実施形態>
第6実施形態に係る発光装置は、側部がその少なくとも一部に開口部と、開口部に設けられる封止部とを有する点で、第1から第5実施形態に係る発光装置と相違する。以下、相違点を主に説明し、共通部分の説明は省略する。
【0133】
図26~
図30を参照して、第6実施形態に係る発光装置600、601について説明する。
図26は、発光装置600の斜視図である。
図27は、
図26の発光装置600から蓋部18及び反射部30-1を除いた上面図である。
図28は、
図26のXXVIII-XXVIII断面線における発光装置600の断面図である。
【0134】
(パッケージ10A)
パッケージ10Aは、封止部16Aと、凹形状を有するキャビティ17と、蓋部18とを備える。キャビティ17は、底面17a、底面17aの反対側に位置する下面17b、底面17aに接続する1又は複数の内側面、下面17bに接続する1又は複数の外側面、及び内側面と外側面と接続する上面17cを有する。蓋部18は、キャビティ17の上面17cに接合される。蓋部18は、上面18aと、上面18aの反対側に位置し、キャビテティ17の上面17cに接合される下面18bを有する。
【0135】
キャビティ17には、キャビティ17の1つの内側面とその反対側の外側面を貫通する開口が設けられている。さらに、キャビティ17の開口に、封止部16Aが設けられている。封止部16A、キャビティ17、及び蓋部18によって、封止空間Vが形成される。また、封止部16Aは、ガラス、プラスチック、石英、サファイアなどの透光性材料から形成される。キャビティ17は、例えばセラミック、金属等を主材料として形成できる。蓋部18は、例えば金属等から形成することができる。このように、封止部16Aのみを透光性を有する領域とすることで、封止部16A以外から光が漏れることを抑制できる。
【0136】
ここで、パッケージ10Aは、他の実施形態と同様に、下部11、側部13、及び上部14を有するとみなすことができる。本実施形態では、キャビティ17のうち、底面17aよりも下面17b側の部分を下部11、その他の部分を側部13とする。側部13は、発開口に設けられた封止部16Aを含む。封止部16Aが設けられる側部13が、第1側部13-1である。また、蓋部18を上部14とする。
【0137】
(発光装置600)
1又は複数の発光素子20及び反射部は、封止空間Vに配置される。図示する例では、反射部は、第1実施形態に係る反射部30-1である。図示する例で、1又は複数の発光素子20は、3つのVCSEL素子である。1又は複数の発光素子20の上面から出射した光は、反射部30-1の第1反射面31で反射され、側方に進行する。側方に進行する光は、封止部16Aの封止空間Vに接する内側面に入射し、その反対側の外側面より出射する。本実施形態では、内側面が光入射面10aであり、外側面が光取出面10bである。封止部16Aを通過する光の進行方向において、光入射面10aは、キャビティ17の外側面よりも光進行方向側に位置する
【0138】
1又は複数の発光素子20及び反射部30-1は、光入射面10aに垂直な方向に並んで底面17aに配置される。これらの部材は、例えば金属接着剤により底面17aに接合される。光入射面10aに垂直な方向において、1又は複数の発光素子20は、反射部30―1が接合される位置よりも光入射面10a側に近い位置で、底面17aに接合される。
【0139】
(第6実施形態の変形例)
次に、
図29及び
図30を参照して、第6実施形態に係る発光装置601を説明する。
図29は、発光装置601の斜視図である。
図30は、
図29のXXX-XXX断面線における発光装置601の断面図である。発光装置600と共通する部分については適宜省略して説明する。
【0140】
(パッケージ10B)
発光装置601は、パッケージ10Bを備える。パッケージ10Bは、基板12Aと、キャップ15Bと、封止部16Aとを備える。図示する例において、基板12Aは、第1上面12a、第2上面12b、下面12c、及び複数の側面を有する。1つの側面に垂直な方向から見る側面視において、基板12Aは凸形状を有する。図示する例において、第1上面12aと第2上面12bは同じ方向を向く面である。下面12cは、第1上面12a及び第2上面12bとは反対側を向く面である。第2上面12bは、第1上面12aよりも下面12c側に位置する。以下、下面12cから第1上面12aに向かう方向を上方、その反対側に向かう方向を下方とする。第1上面12a、第2上面12b、及び下面12cは、例えば互いに平行であってよい。
【0141】
図示する例で、キャップ15Bは、基板12Aの第2上面12bに接合され、上方に延伸する。また、キャップ15Bは、その側壁部分に開口を有し、その開口に封止部16Aが設けられる。基板12Aと、キャップ15Bと、封止部16Aとによって、封止空間Vが形成される。キャップ15Bは、例えばセラミック、金属等を主材料として形成してもよい。
【0142】
ここで、パッケージ10Aは、発光装置600と同様に、下部11、側部13、及び上部14を有するとみなすことができる。本実施形態では、基板12Aが下部11である。キャップ15Bの側壁部分が側部13である。側部13は、封止部16Aを含む。キャップ15Bの側壁部分に接続し、基板12Aの上方に位置する部分を上部14とする。
【0143】
(発光装置601)
1又は複数の発光素子20及び反射部は、封止空間Vに配置される1又は複数の発光素子20の上面から出射した光は、反射部30-1の第1反射面31で反射され、側方に進行する。側方に進行する光は、封止部16Aの封止空間Vに接する内側面に入射し、その反対側の外側面より出射する。封止部16Aを通過する光の進行方向において、基板12Aの最も光進行方向側に位置する側面は、光入射面10aよりも光進行方向側に位置する。一方で、光取出面10bは、個の側面よりも、光進行方向側に位置する。
【0144】
図示する例で、1又は複数の発光素子20及び反射部30-1は、基板12Aの第1上面12aに配置される。このように、1又は複数の発光素子20及び反射部30-1を、キャップ15Bが接合される第2上面12bよりも上方に配置することにより、封止部16Aから出射する光の高さを高くすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0145】
実施形態に係る発光装置は、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクタ、照明、ディスプレイ等に使用することができる。
【符号の説明】
【0146】
10、10A、10B :パッケージ
10a :光入射面
10b :光取出面
11 :下部
11M :実装面
11Ma :第1実装領域
11Mb :第2実装領域
11P :周辺領域
12、12A :基板
13 :側部
13-1 :第1側部
13-2 :第2側部
13-2a :内側面
14 :上部
14b :下面
15、15A、15B :キャップ
16 :光透過部
16A :封止部
17 :キャビティ
18 :蓋部
20 :発光素子
20s :第1発光素子
20t :第2発光素子
20a :上面
20c :中心
20e :出射点
30、30-1、30-2、30A :反射部
30a :接合面
31 :第1反射面
31c :交点(第1点)
31m :中点
31s :最上点
31t :最下点
32 :第2反射面
33 :下面
40 :受光素子
41 :受光面
50 :サブマウント
50A :第1サブマウント
50B :第2サブマウント
60 :レンズ部材
61 :入射面
62 :出射面
70 :ビームコンバイナ
71 :光学素子
91 :基板
100、101、200~203、300、301、400、500、600、601:発光装置
V :閉空間