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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136343
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】加圧脱圧切替機構及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20230922BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20230922BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20230922BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20230922BHJP
   B65H 5/06 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
G03G15/20 535
G03G15/00 550
G03G21/16 147
G03G21/16 133
B41J29/13
B65H5/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041914
(22)【出願日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】藤原 仁
(72)【発明者】
【氏名】南野 茂夫
(72)【発明者】
【氏名】古市 祐介
【テーマコード(参考)】
2C061
2H033
2H171
3F049
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061BB02
2C061CD01
2C061CD11
2C061CD14
2H033AA21
2H033BA02
2H033BA03
2H033BA06
2H033BA11
2H033BA12
2H033BB03
2H033BB05
2H033BB06
2H033BB13
2H033BB14
2H033BB15
2H033BB18
2H033BB29
2H033BB30
2H033BB33
2H033BB34
2H033BB35
2H033BB36
2H033BB38
2H033BE00
2H171FA04
2H171FA19
2H171FA22
2H171FA26
2H171FA28
2H171FA30
2H171GA03
2H171HA23
2H171HA33
2H171HA37
2H171JA12
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA29
2H171JA31
2H171JA42
2H171JA52
2H171JA59
2H171KA05
2H171KA12
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA25
2H171KA26
2H171KA27
2H171LA03
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB14
2H171QB32
2H171QB52
2H171QC03
2H171QC22
2H171QC37
2H171QC39
2H171TA07
2H171TA15
2H171TA17
2H171UA03
2H171WA11
2H171WA12
2H171WA23
2H171WA26
2H171WA27
2H171XA16
3F049AA10
3F049CA33
3F049DA11
3F049LA07
3F049LB03
(57)【要約】
【課題】被当接部材に対する当接部材の加圧方向における大型化を抑制可能な加圧脱圧切替機構を提供する。
【解決手段】被当接部材21に対する当接部材20の加圧及び脱圧を切り替える加圧脱圧切替機構であって、第一回動軸26a回りの回動により当接部材を被当接部材に対する接離方向へ移動可能に支持する支持回動部材26と、仮想線NVに対し、第一回動軸とは反対側に位置する支持回動部材の被付勢部26bに接続され、当接部材が被当接部材に当接する方向へ支持回動部材を回動させる付勢力を付与する付勢部材27と、付勢部材に接続され、付勢部材の付勢力を増大させる加圧回動位置と付勢部材の付勢力を減少させる脱圧回動位置との間を第一回動軸に平行な第二回動軸28a回りで回動する切替回動部材28とを有し、切替回動部材の回動を操作する回動操作端部28cが、加圧時に、仮想線に対して第二回動軸とは反対側に位置する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被当接部材に対する当接部材の加圧及び脱圧を切り替える加圧脱圧切替機構であって、
第一回動軸回りで回動することにより前記当接部材を前記被当接部材に対する接離方向へ移動可能に支持する支持回動部材と、
前記第一回動軸の軸方向から見たとき、加圧時に前記当接部材と前記被当接部材との当接箇所を通る加圧方向に平行な仮想線に対し、前記第一回動軸とは反対側に位置する前記支持回動部材の被付勢部に接続され、前記当接部材が前記被当接部材に当接する方向へ該支持回動部材を回動させる付勢力を付与する付勢部材と、
前記付勢部材における前記支持回動部材の前記被付勢部に接続される端部とは反対側の端部に接続され、前記付勢部材の付勢力を増大させる加圧回動位置と前記付勢部材の付勢力を減少させる脱圧回動位置との間を前記第一回動軸に平行な第二回動軸回りで回動する切替回動部材とを有し、
前記切替回動部材の回動を操作する回動操作端部が、加圧時に、前記第二回動軸の軸方向から見たとき、前記仮想線に対して前記第二回動軸とは反対側に位置することを特徴とする加圧脱圧切替機構。
【請求項2】
請求項1に記載の加圧脱圧切替機構において、
前記切替回動部材が前記加圧回動位置にあるとき、前記脱圧回動位置とは反対側への前記切替回動部材の回動を規制する規制部材を有し、
前記切替回動部材が前記加圧回動位置にあるとき、前記付勢部材の付勢力が前記脱圧回動位置とは反対側へ前記切替回動部材を回動させるように構成されていることを特徴とする加圧脱圧切替機構。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の加圧脱圧切替機構において、
前記切替回動部材は単一部材によって構成されていることを特徴とする加圧脱圧切替機構。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の加圧脱圧切替機構において、
前記付勢部材は、前記当接箇所の鉛直方向上方領域又は鉛直方向下方領域に配置されていることを特徴とする加圧脱圧切替機構。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の加圧脱圧切替機構において、
前記切替回動部材は、前記脱圧回動位置にあるときには前記回動操作端部が前記加圧回動位置のときの位置よりも高い位置に配置されるように構成されていることを特徴とする加圧脱圧切替機構。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の加圧脱圧切替機構を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置において、
画像形成装置本体の開閉カバーを有し、
前記開閉カバーの開動作に連動して前記切替回動部材が前記加圧回動位置から前記脱圧回動位置へ回動する構成、及び、前記開閉カバーの閉動作に連動して前記切替回動部材が前記脱圧回動位置から前記加圧回動位置へ回動する構成のうちの少なくとも一方の構成を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の画像形成装置において、
前記加圧脱圧切替機構は、画像形成装置本体内の発熱部材の近傍に配置され、
前記切替回動部材は、前記発熱部材の鉛直方向上方領域から外れた位置に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記切替回動部材は樹脂製であることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧脱圧切替機構及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被当接部材に対する当接部材の加圧及び脱圧を切り替える加圧脱圧切替機構が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、定着装置の加熱ロール(被当接部材)に対する加圧ベルト(当接部材)の加圧及び脱圧を切り替え可能な支持モジュール(加圧脱圧切替機構)が開示されている。この支持モジュールにおいて、加圧ベルトを支持するベルト支持部材(支持回動部材)は、加熱ロールを支持するロール支持部材に対して回動可能に構成され、このベルト支持部材のバネ装着部には引張バネ(付勢部材)の一端が取り付けられている。加圧時には、この引張バネの付勢力によりベルト支持部材を介して加圧ベルトを加熱ロールへ加圧する。この支持モジュールには、加熱ロールに対する加圧ベルトの加圧及び脱圧を切り替えるために操作されるレバーが、ロール支持部材に対して回動可能に設けられている。このレバーのバネ受け部には、前記引張バネの他端が取り付けられている。
【0004】
前記支持モジュールでは、加圧ベルトが加熱ロールに加圧されたニップ状態において、レバーはその長手方向が引張バネの引張方向と略一致するような回動位置(加圧回動位置)をとる。このとき、引張バネの他端は、ロール支持部材に設けられたバネ装着部に引っ掛かった状態になり、レバーのバネ受け部から外れた状態になる。レバーは、ニップ状態において、ロール支持部材に対して緩く保持された状態になる。このニップ状態からレバーを回動させると、引張バネの他端は、ロール支持部材のバネ装着部から外れてレバーのバネ受け部に引っ掛かった状態になる。そして、レバーのバネ受け部が回動軸回りで回動し、引張バネの伸び量が小さくなる。これにより、加熱ロールに対して加圧ベルトが脱圧される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来の加圧脱圧切替機構では、被当接部材に対する当接部材の加圧方向の寸法が大型化するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、被当接部材に対する当接部材の加圧及び脱圧を切り替える加圧脱圧切替機構であって、第一回動軸回りで回動することにより前記当接部材を前記被当接部材に対する接離方向へ移動可能に支持する支持回動部材と、前記第一回動軸の軸方向から見たとき、加圧時に前記当接部材と前記被当接部材との当接箇所を通る加圧方向に平行な仮想線に対し、前記第一回動軸とは反対側に位置する前記支持回動部材の被付勢部に接続され、前記当接部材が前記被当接部材に当接する方向へ該支持回動部材を回動させる付勢力を付与する付勢部材と、前記付勢部材における前記支持回動部材の前記被付勢部に接続される端部とは反対側の端部に接続され、前記付勢部材の付勢力を増大させる加圧回動位置と前記付勢部材の付勢力を減少させる脱圧回動位置との間を前記第一回動軸に平行な第二回動軸回りで回動する切替回動部材とを有し、前記切替回動部材の回動を操作する回動操作端部が、加圧時に、前記第二回動軸の軸方向から見たとき、前記仮想線に対して前記第二回動軸とは反対側に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被当接部材に対する当接部材の加圧方向における大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態における画像形成装置の概略構成図。
図2】同画像形成装置における定着装置の内部構造を用紙幅方向から見たときの説明図。
図3】同定着装置に用いられている加圧時の加圧脱圧切替機構の構成を示す説明図。
図4】同定着装置に用いられている脱圧時の加圧脱圧切替機構の構成を示す説明図。
図5】同加圧脱圧切替機構を模式的に示す説明図。
図6】同加圧脱圧切替機構における各所の長さL1~L6を説明するための説明図。
図7】従来の加圧脱圧切替機構を模式的に示す説明図。
図8】圧解除レバーが加圧回動位置にある状態において、画像形成装置の開閉カバーと連動する構成を示す説明図。
図9】圧解除レバーが脱圧回動位置にある状態において、画像形成装置の開閉カバーと連動する構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る加圧脱圧切替機構を、電子写真方式の画像形成装置の定着装置に適用した一実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、画像形成装置の定着装置において、被当接部材としての加圧ローラに対する当接部材としての定着ベルトの加圧及び脱圧を切り替える加圧脱圧切替機構を例に挙げて説明するが、これに限られない。例えば、画像形成装置において被当接部材に当接部材を当接させる別の箇所(搬送ローラ対など)の加圧及び脱圧を切り替える加圧脱圧切替機構にも、本発明は適用可能である。画像形成装置としては、電子写真方式に限らず、インクジェット記録方式などの他の方式の画像形成装置であってもよく、プリンタのほか、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機などであってもよい。
【0010】
図1は、本実施形態における画像形成装置の概略構成図である。
本実施形態の画像形成装置100は、画像形成部である4つの作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkを備える。各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、画像形成装置本体103に対して着脱可能に構成され、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。具体的には、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、潜像担持体としてのドラム状の感光体2を備える。また、各作像ユニットは、感光体2の表面を帯電する帯電装置3と、感光体2の表面に現像剤としてのトナーを供給してトナー画像を形成する現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするクリーニング装置5と、を備える。
【0011】
また、画像形成装置100は、各感光体2の表面を露光し静電潜像を形成する露光装置6と、記録材としての用紙Pを供給する給紙装置7と、各感光体2に形成されたトナー画像を用紙Pに転写する転写装置8とを備える。また、画像形成装置100は、用紙Pに転写されたトナー画像を定着する定着装置9と、用紙Pを装置外に排出する排紙装置10と、を備える。
【0012】
転写装置8は、複数のローラによって張架された中間転写体としての無端状の中間転写ベルト11を有する。また、転写装置8は、各感光体2上のトナー画像を中間転写ベルト11へ転写する一次転写部材としての4つの一次転写ローラ12と、中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像を用紙Pへ転写する二次転写部材としての二次転写ローラ13と、を有する。複数の一次転写ローラ12は、それぞれ、中間転写ベルト11を介して感光体2に接触している。これにより、中間転写ベルト11と各感光体2とが互いに接触し、これらの間に一次転写ニップが形成されている。一方、二次転写ローラ13は、中間転写ベルト11を介して中間転写ベルト11を張架するローラの1つに接触している。これにより、二次転写ローラ13と中間転写ベルト11との間には二次転写ニップが形成されている。
【0013】
また、画像形成装置100内には、給紙装置7から送り出された用紙Pが搬送される用紙搬送路14が形成されている。この用紙搬送路14における給紙装置7から二次転写ニップ(二次転写ローラ13)に至るまでの途中には、一対のタイミングローラ15が設けられている。
【0014】
次に、本実施形態の画像形成装置の印刷動作について説明する。
印刷動作開始の指示があると、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkにおいては、感光体2が図1の時計回りに回転駆動され、帯電装置3によって感光体2の表面が均一な高電位に帯電される。次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント情報に基づいて、露光装置6が各感光体2の表面を露光することで、露光された部分の電位が低下して静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置4からトナーが供給され、各感光体2上にトナー画像が形成される。
【0015】
各感光体2上に形成された各トナー画像は、各感光体2の回転に伴って一次転写ニップ(一次転写ローラ12の位置)に達すると、図1の反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト11上に互いに重なり合うように転写される。そして、中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト11の回転に伴って二次転写ニップ(二次転写ローラ13の位置)へ搬送され、二次転写ニップにおいて搬送されてきた用紙Pに転写される。この用紙Pは、給紙装置7から供給されたものである。給紙装置7から供給された用紙Pは、タイミングローラ15によって一旦停止された後、中間転写ベルト11上のトナー画像が二次転写ニップに至るタイミングに合わせて二次転写ニップへ搬送される。かくして、用紙P上にフルカラーのトナー画像が担持される。また、トナー画像が転写された後、各感光体2上に残留するトナーは各クリーニング装置5によって除去される。
【0016】
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置9へと搬送され、定着装置9によって用紙Pにトナー画像が定着される。その後、用紙Pは排紙装置10によって装置外に排出されて、一連の印刷動作が完了する。
【0017】
次に、本実施形態の定着装置9の構成について説明する。
図2は、本実施形態における定着装置9の内部構造を用紙Pの幅方向(記録材幅方向)から見たときの説明図である。
本実施形態の定着装置9は、当接部材である定着部材としての無端状のベルト部材からなる定着ベルト(定着スリーブともいう。)20と、定着ベルト20の外周面に接触して定着ニップであるニップ部Nを形成する被当接部材である対向部材としての加圧ローラ21と、定着ベルト20を加熱する加熱装置19と、を備える。加熱装置19は、定着ベルト20の内周面側から定着ベルトを加熱する加熱部材としての面状のヒータ22と、ヒータ22を保持する保持部材としてのヒータホルダ23とを備える。また、加熱装置19は、ヒータホルダ23を記録材幅方向(図2の紙面垂直方向)にわたって支持する支持部材としてのステー24を備える。
【0018】
定着ベルト20は、例えば、外径が25mmで、厚みが40~120μmのポリイミド(PI)製の中空状の基体を有している。定着ベルト20の最表層には、耐久性を高めて離型性を確保するために、PFAやPTFE等のフッ素系樹脂による厚みが5~50μmの離型層が形成される。基体と離型層の間に厚さ50~500μmのゴム等からなる弾性層を設けてもよい。また、定着ベルト20の基体は、ポリイミドに限らず、PEEKなどの耐熱性樹脂やニッケル(Ni)、SUSなどの金属基体であってもよい。定着ベルト20の内周面に摺動層としてポリイミドやPTFEなどをコートしてもよい。
【0019】
加圧ローラ21は、例えば外径が25mmであり、中実の鉄製芯金21aと、この芯金21aの表面に形成された弾性層21bと、弾性層21bの外側に形成された離型層21cとで構成されている。弾性層21bはシリコーンゴムで形成されており、厚みは例えば3.5mmである。弾性層21bの表面は離型性を高めるために、厚みが例えば40μm程度のフッ素樹脂層による離型層21cを形成するのが望ましい。
【0020】
ヒータ22は、定着ベルト20の幅方向(記録材幅方向)にわたって長尺な形状であり、定着ベルト20の内周面に接触するように配置されている。ヒータ22は、定着ベルト20に対して非接触、あるいは低摩擦シートなどを介して間接的に接触する場合であってもよいが、ヒータ22を定着ベルト20に対して直接接触させる方が定着ベルト20への熱伝達効率がよくなる。また、ヒータ22を定着ベルト20の外周面に接触させることもできるが、定着ベルト20の外周面がヒータ22との接触により傷付くと定着品質が低下する虞があるため、ヒータ22は定着ベルト20の内周面に接触している方がよい。
【0021】
ヒータホルダ23及びステー24は、定着ベルト20の内周側に配置されている。ステー24は、金属製のチャンネル材で構成され、後述する加圧脱圧切替機構により、加圧ローラ21側へ加圧される。ステー24によってヒータホルダ23のヒータ22側とは反対側の面が支持されていることで、ヒータ22及びヒータホルダ23は加圧ローラ21との当接圧に対して大きく撓むことなく保たれ、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成される。
【0022】
ヒータホルダ23は、ヒータ22の熱によって高温になりやすいため、耐熱性の材料で形成されることが望ましい。例えば、ヒータホルダ23をLCPやPEEKなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂で形成した場合は、ヒータ22からヒータホルダ23への伝熱が抑制され効率的に定着ベルト20を加熱することが可能である。
【0023】
加圧ローラ21と定着ベルト20は、ステー24を介して、後述する加圧脱圧切替機構の付勢部材としての引張バネ27の付勢力によって互いに圧接される。これにより、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成される。また、加圧ローラ21は、画像形成装置本体103に設けられた駆動手段から駆動力が伝達されて回転駆動する駆動ローラとして機能する。一方、定着ベルト20は、加圧ローラ21の回転に伴って従動回転するように構成されている。回転時、定着ベルト20はヒータ22に対して摺動する。定着ベルト20の摺動性を高めるために、ヒータ22と定着ベルト20との間にオイルやグリースなどの潤滑剤を介在させてもよい。
【0024】
印刷動作が開始されると、加圧ローラ21が回転駆動され、定着ベルト20が従動回転を開始する。また、ヒータ22に電力が供給されることで、定着ベルト20が加熱される。そして、定着ベルト20の温度が所定の目標温度(定着温度)に到達した状態で、図2に示すように、未定着トナー画像が担持された用紙Pが、定着ベルト20と加圧ローラ21との間(ニップ部N)に搬送される。これにより、未定着トナー画像が加熱及び加圧されて用紙Pに定着される。
【0025】
図3及び図4は、本実施形態の定着装置9に用いられている加圧脱圧切替機構の構成及び動作を示す説明図である。
図5は、本実施形態の加圧脱圧切替機構を模式的に示す説明図である。
図6は、本実施形態の加圧脱圧切替機構における各所の長さL1~L6を説明するための説明図である。
なお、図3図5及び図6は、加圧時における加圧脱圧切替機構の状態を示し、図4は、脱圧時における加圧脱圧切替機構の状態を示している。
【0026】
本実施形態の定着装置9は、定着装置本体の定着フレーム25に対し、加圧ローラ21の芯金21aが回転可能に支持されている。また、加圧ローラ21に対して定着ベルト20を押し付けるステー24は、第一回動軸26aの回りで回動可能な支持回動部材としての加圧レバー26に支持されている。
【0027】
加圧レバー26の一端部には、引っ掛け溝が形成されていて、定着フレーム25に引っ掛けることで、その引っ掛け箇所を第一回動軸26aとして回動することができる。加圧レバー26の他端部には、付勢部材としての引張バネ27の一端27aが取り付けられる被付勢部としてのバネ取付部26bが設けられている。このバネ取付部26bは、第一回動軸26aの軸方向から見たとき、加圧時に定着ベルト20と加圧ローラ21との当接箇所(定着ニップ)を通る加圧方向に平行な仮想線(以下「ニップ法線」という。)NVに対し、第一回動軸26aとは反対側に位置している。そして、加圧レバー26は、第一回動軸26aとバネ取付部26bとの間の地点(ステー加圧地点)26cでステー24を支持している。
【0028】
このような構成により、加圧時には、引張バネ27により、加圧レバー26が第一回動軸26aを中心に、定着ベルト20が加圧ローラ21に当接する方向へ回動させる向きに(図中反時計回り方向に)付勢力が作用する。この付勢力により、加圧レバー26は、ステー加圧地点26cで支持しているステー24を加圧ローラ21側へ付勢する。その結果、ステー24が定着ベルト20を加圧ローラ21に押し付けることで、ニップ部Nが形成される。
【0029】
引張バネ27の他端27bは、切替回動部材としての圧解除レバー28に設けられるバネ取付部28bに取り付けられる。この圧解除レバー28は、引張バネ27の付勢力を増大させる加圧回動位置(図3の回動位置)と、引張バネ27の付勢力を減少させる脱圧回動位置(図4の回動位置)との間を、第一回動軸26aに平行な第二回動軸28aの回りで回動するように構成されている。なお、圧解除レバー28は、単一部材で構成されるのが好ましいが、複数部材を組み合わせた構成であってもよい。
【0030】
圧解除レバー28が加圧回動位置(図3の回動位置)をとるときには引張バネ27のバネ長がL1となり、圧解除レバー28が脱圧回動位置(図4の回動位置)をとるときには引張バネ27のバネ長がL2(L1>L2)となる。すなわち、圧解除レバー28は、引張バネ27のバネ長を切り替える機能を有する。
【0031】
本実施形態において、加圧時には、図3に示すように、圧解除レバー28のバネ取付部28bと加圧レバー26のバネ取付部28bとを結ぶ線が、第二回動軸28aに対し、加圧レバー26のステー加圧地点26c側に位置する。そのため、圧解除レバー28は、引張バネ27により、第二回動軸28aを中心に図中反時計回り方向(図中矢印Aの向き)に回動しようとする付勢力を受ける。このとき、圧解除レバー28の回動を操作する回動操作端部28cは、図3に示すように、定着フレーム25の規制部材としての第一回り止め部25aに突き当たり、それ以上の回動が禁止される。その結果、圧解除レバー28は、図3に示すように、加圧回動位置に保持される。このとき、引張バネ27のバネ長がL1となるように構成されている。
【0032】
一方、脱圧時には、図4に示すように、圧解除レバー28のバネ取付部28bと加圧レバー26のバネ取付部28bとを結ぶ線が、第二回動軸28aに対し、加圧レバー26のステー加圧地点26c側とは反対側に位置する。そのため、圧解除レバー28は、引張バネ27により、第二回動軸28aを中心に図中時計回り方向(図中矢印Bの向き)に回動しようとする付勢力を受ける。このとき、圧解除レバー28は、図4に示すように、定着フレーム25に設けられる第二回り止め部25bに突き当たり、それ以上の回動が禁止される。その結果、圧解除レバー28は、図4に示すように、脱圧回動位置に保持される。このとき、引張バネ27のバネ長がL2となるように構成されている。
【0033】
図7は、従来の加圧脱圧切替機構を模式的に示す説明図である。
従来の加圧脱圧切替機構は、加圧時においては、図7(a)に示すように、引張バネ27の付勢方向が、圧解除レバー28の長手方向に略一致するような構成となっている。言い換えると、圧解除レバー28の回動操作端部28cが、第二回動軸28aの軸方向から見たとき、加圧時に、ニップ法線NVに対して第二回動軸28aと同じ側に位置するように構成されている。
【0034】
このような構成の場合、加圧時における圧解除レバー28の長手方向は加圧ローラ21に対する定着ベルト20の加圧方向に近い方向をとるようになる。特に、引張バネ27の付勢力により定着ベルト20を加圧ローラ21に効率よく加圧するためには、加圧時における加圧ローラ21に対する定着ベルト20の加圧方向(ニップ法線NVの方向)と引張バネ27の付勢方向(L1の方向)とが略同じ方向を向くようにすることが好ましい。このような好ましい構成とする場合には、加圧時における圧解除レバー28の長手方向は加圧ローラ21に対する定着ベルト20の加圧方向と略一致するようになる。
【0035】
ここで、圧解除レバー28の回動操作に必要な力を小さくしたい場合、その方法としては、引張バネ27のバネ定数を低くする方法か、圧解除レバー28の回動操作端部28cと第二回動軸28aとの距離(長さ)L6を長くする方法が挙げられる。しかしながら、引張バネ27の付勢力を低くする方法は、必要なニップ圧が決まっていることから、引張バネ27のバネ定数を低くするにも限界があるし、バネ長を長くすると引張バネ27のバネ長方向における定着装置9(加圧脱圧切替機構)の大型化につながる。そのため、圧解除レバー28の長さL6を長くする方法が有効である。
【0036】
ところが、圧解除レバー28の長さL6を長くする方法を採ると、従来の加圧脱圧切替機構では、加圧時における加圧ローラ21に対する定着ベルト20の加圧方向(ニップ法線NVの方向)における定着装置9(加圧脱圧切替機構)の大型化が問題になる。
【0037】
そこで、本実施形態においては、図3図5及び図6で示すように、圧解除レバー28の回動操作端部28cが、第二回動軸28aの軸方向から見たとき、加圧時において、ニップ法線NVに対して第二回動軸28aとは反対側に位置するように構成されている。このような構成によれば、加圧時における圧解除レバー28の長手方向(L6の方向)は、加圧ローラ21に対する定着ベルト20の加圧方向(ニップ法線NVの方向)に対して大きく傾斜した方向あるいは垂直な方向となる。その結果、圧解除レバー28の長手方向の長さL6を長くしても、定着装置9(加圧脱圧切替機構)のニップ法線NVの方向の寸法の大型化を抑制することができる。
【0038】
しかも、加圧ローラ21に対する定着ベルト20の加圧方向(ニップ法線NVの方向)に対して垂直な方向(用紙搬送方向)における定着装置9(加圧脱圧切替機構)の寸法は、もともと加圧レバー26の長手方向の長さL1を確保することが必要である。したがって、圧解除レバー28の長手方向の長さL6を長くしても、このL1の長さ分を超えない範囲であれば、当該方向における定着装置9(加圧脱圧切替機構)の寸法が大型化することはない。
【0039】
以上より、本実施形態によれば、圧解除レバー28の長手方向の長さL6を長くして圧解除レバー28の回動操作に必要な力を小さくした場合でも、ニップ法線NVの方向における定着装置9(加圧脱圧切替機構)の寸法の大型化を抑制できる。
【0040】
図8及び図9は、画像形成装置100の開閉カバー101の開動作や閉動作に連動して圧解除レバー28を加圧回動位置や脱圧回動位置へ回動させる構成を示す説明図である。
なお、図8は、圧解除レバー28が加圧回動位置にある状態を示し、図4は、圧解除レバー28が脱圧回動位置にある状態を示している。
【0041】
本実施形態においては、図8に示す状態から画像形成装置100の開閉カバー101を開くと、この開閉カバー101の回動(開動作D)の途中で開閉カバー101の内側に設けられる圧解除部101aが、定着装置9の圧解除レバー28の回動操作端部28cに引っ掛かる。そして、開閉カバー101が更に回動(開動作D)すると、これに伴う圧解除部101aの移動(回動)により、圧解除レバー28の回動操作端部28cが押されて、圧解除レバー28が加圧回動位置から脱圧回動位置に向けて回動される。その結果、開閉カバー101の回動(開動作D)が完了した時点では、図9に示すように、圧解除レバー28が脱圧回動位置に位置し、脱圧状態になる。
【0042】
また、本実施形態においては、図9に示す状態から画像形成装置100の開閉カバー101を閉じると、この開閉カバー101の回動(閉動作E)の途中で、開閉カバー101の内側に設けられるガイド部101bに、脱圧回動位置にある圧解除レバー28の回動操作端部28cが突き当たる。その後、開閉カバー101が更に回動(閉動作E)すると、これに伴って圧解除レバー28の回動操作端部28cがガイド部101b及び開閉カバー101の内壁を摺動しつつ、圧解除レバー28が脱圧回動位置から加圧回動位置に向けて回動される。そして、開閉カバー101の回動(閉動作E)が完了した時点では、図8に示すように、圧解除レバー28が加圧回動位置に位置し、加圧状態になる。
【0043】
なお、本実施形態では、画像形成装置100の開閉カバー101の開動作や閉動作に連動して圧解除レバー28が加圧回動位置や脱圧回動位置へ回動される構成について説明したが、これに限られない。例えば、作業者が圧解除レバー28の回動操作端部28cを手で操作して圧解除レバー28を加圧回動位置や脱圧回動位置へ回動させる構成であってもよい。
【0044】
また、本実施形態における加圧脱圧切替機構は、定着装置9に設けられているため、発熱部材である定着装置9のヒータ22の近傍に配置される。この場合、圧解除レバー28がヒータ22の鉛直方向上方領域に配置される構成であると、ヒータ22による熱気に晒されて特に高温になりやすい。本実施形態においては、図3に示すように、圧解除レバー28がヒータ22の鉛直方向上方領域から外れた位置、具体的には、ヒータ22の側方に配置されている。これによれば、圧解除レバー28がヒータ22の鉛直方向上方領域に配置される構成と比較して、圧解除レバー28が高温になりにくい。
【0045】
圧解除レバー28が高温になりにくい構成であれば、圧解除レバー28として要求される耐熱性の条件が緩和される。その結果、圧解除レバー28の材料選択の自由度が高まり、例えば耐熱性は低いが強度の高い材料などを選択することができる。圧解除レバー28としては、例えば樹脂製のものを好適に使用することができる。
【0046】
また、本実施形態において、圧解除レバー28は、脱圧回動位置にあるときには回動操作端部28cが加圧回動位置のときの位置よりも低い位置に配置されている。このような構成においては、図4に示すように圧解除レバー28が脱圧回動位置にあるときに、圧解除レバー28に物が落下してきたり上から荷重を掛けたりすると、圧解除レバー28が第二回り止め部25bに当接して回動できないので、圧解除レバー28が破損するおそれがある。
【0047】
このような破損のおそれがある場合には、圧解除レバー28は、脱圧回動位置にあるときには回動操作端部28cが加圧回動位置のときの位置よりも高い位置に配置されるように構成するとよい。このような構成とすれば、圧解除レバー28が脱圧回動位置にあるときに、圧解除レバー28に物が落下してきたり上から荷重を掛けたりした場合、圧解除レバー28は加圧回動位置に向けて回動することができるので、圧解除レバー28の破損を抑制することができる。
【0048】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[第1態様]
第1態様は、被当接部材(例えば加圧ローラ21)に対する当接部材(例えば定着ベルト20)の加圧及び脱圧を切り替える加圧脱圧切替機構であって、第一回動軸26a回りで回動することにより前記当接部材を前記被当接部材に対する接離方向へ移動可能に支持する支持回動部材(例えば加圧レバー26)と、前記第一回動軸の軸方向から見たとき、加圧時に前記当接部材と前記被当接部材との当接箇所を通る加圧方向に平行な仮想線(例えばニップ法線NV)に対し、前記第一回動軸とは反対側に位置する前記支持回動部材の被付勢部(例えばバネ取付部26b)に接続され、前記当接部材が前記被当接部材に当接する方向へ該支持回動部材を回動させる付勢力を付与する付勢部材(例えば引張バネ27)と、前記付勢部材における前記支持回動部材の前記被付勢部に接続される端部27aとは反対側の端部27bに接続され、前記付勢部材の付勢力を増大させる加圧回動位置と前記付勢部材の付勢力を減少させる脱圧回動位置との間を前記第一回動軸に平行な第二回動軸28a回りで回動する切替回動部材(例えば圧解除レバー28)とを有し、前記切替回動部材の回動を操作する回動操作端部28cが、加圧時に、前記第二回動軸の軸方向から見たとき、前記仮想線に対して前記第二回動軸とは反対側に位置することを特徴とするものである。
支持回動部材は、第一回動軸回りで回動することにより、当接部材を被当接部材に対する接離方向へ移動可能に支持している。この支持回動部材の被付勢部には、付勢部材の一端が取り付けられている。この被付勢部は、第一回動軸の軸方向から見たとき、加圧時に当接部材と被当接部材との当接箇所を通る加圧方向に平行な仮想線に対し、第一回動軸とは反対側に位置する。付勢部材の他端部は、切替回動部材に接続されている。この切替回動部材は、その回動操作端部が操作されて第二軸回りで回動することにより、付勢部材の付勢力を増大させる加圧回動位置と、付勢部材の付勢力を減少させる脱圧回動位置とをとることができる。
このような構成において、付勢部材の付勢力により当接部材を被当接部材に効率よく加圧するためには、被当接部材に対する当接部材の加圧方向と付勢部材の付勢方向とが略同じ方向を向くようにする。従来の加圧脱圧切替機構では、加圧時において、付勢部材の付勢方向が、切替回動部材の長手方向(おおよそ、切替回動部材の回動操作端部と第二回動軸と付勢部材の他端が接続される接続部分とを通る方向)に略一致するような構成となっている。そのため、加圧時における切替回動部材の長手方向は被当接部材に対する当接部材の加圧方向に略一致することになる。
ここで、切替回動部材の回動操作端部と第二回動軸との距離(長さ)を長くするほど、すなわち、切替回動部材の長手方向の長さを長くするほど、切替回動部材の回動操作に必要な力を小さくものとすることができる。しかしながら、従来の加圧脱圧切替機構では、上述のように、加圧時における切替回動部材の長手方向が被当接部材に対する当接部材の加圧方向に略一致するため、切替回動部材の長手方向の長さを長くすると、加圧脱圧切替機構の当該加圧方向の寸法が大型化してしまう。
本態様においては、切替回動部材の回動操作端部が、第二回動軸の軸方向から見たとき、加圧時に、前記仮想線(加圧時に当接部材と被当接部材との当接箇所を通る加圧方向に平行な仮想線)に対して第二回動軸とは反対側に位置するように構成されている。このような構成によれば、加圧時における切替回動部材の長手方向は、被当接部材に対する当接部材の加圧方向に対して傾斜した方向あるいは垂直な方向となる。そのため、切替回動部材の長手方向の長さを長くしても、加圧脱圧切替機構の当該加圧方向の寸法の大型化が抑制される。
【0049】
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記切替回動部材が前記加圧回動位置にあるとき、前記脱圧回動位置とは反対側への前記切替回動部材の回動を規制する規制部材(例えば第一回り止め部25a)を有し、前記切替回動部材が前記加圧回動位置にあるとき、前記付勢部材の付勢力が前記脱圧回動位置とは反対側へ前記切替回動部材を回動させるように構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、付勢部材の付勢力によって切替回動部材の加圧回動位置に安定して保持することができる。
【0050】
[第3態様]
第3態様は、第1又は第2態様において、前記切替回動部材は単一部材によって構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、部品点数を減らすことができる。
【0051】
[第4態様]
第4態様は、第1乃至第3態様のいずれかにおいて、前記付勢部材は、前記当接箇所(ニップ部N)の鉛直方向上方領域又は鉛直方向下方領域に配置されていることを特徴とするものである。
これによれば、切替回動部材の長手方向がおおよそ鉛直方向を向くように配置されるので、加圧脱圧切替機構の高さ方向における大型化を抑制することができる。
【0052】
[第5態様]
第5態様は、第1乃至第4態様のいずれかにおいて、前記切替回動部材は、前記脱圧回動位置にあるときには前記回動操作端部が前記加圧回動位置のときの位置よりも高い位置に配置されるように構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、切替回動部材が脱圧回動位置にあるときに、切替回動部材に物が落下してきたり上から荷重を掛けたりした場合でも、切替回動部材は加圧回動位置に向けて回動することができるので、切替回動部材の破損を抑制することができる。
【0053】
[第6態様]
第6態様は、画像形成装置100であって、第1乃至第4態様のいずれかの加圧脱圧切替機構を備えることを特徴とするものである。
これによれば、被当接部材に対する当接部材の加圧方向における画像形成装置の大型化を抑制することができる。
【0054】
[第7態様]
第7態様は、第6態様において、画像形成装置本体103の開閉カバー101を有し、前記開閉カバーの開動作に連動して前記切替回動部材が前記加圧回動位置から前記脱圧回動位置へ回動する構成、及び、前記開閉カバーの閉動作に連動して前記切替回動部材が前記脱圧回動位置から前記加圧回動位置へ回動する構成のうちの少なくとも一方の構成を備えることを特徴とするものである。
これによれば、画像形成装置本体の開閉カバーの開動作や閉動作に連動して切替回動部材の回動操作を行うことができるので、開閉カバーの開動作や閉動作とは別に切替回動部材を回動操作するという作業が不要となる。
【0055】
[第8態様]
第8態様は、第6又は第7態様において、前記加圧脱圧切替機構は、画像形成装置本体内の発熱部材(例えばヒータ22)の近傍に配置され、前記切替回動部材は、前記発熱部材の鉛直方向上方領域から外れた位置に配置されていることを特徴とするものである。
これによれば、切替回動部材が発熱部材の鉛直方向上方領域に配置される構成と比較して、切替回動部材が高温になりにくい。これにより、切替回動部材として要求される耐熱性の条件が緩和される結果、切替回動部材の材料選択の自由度が高まる。
【0056】
[第9態様]
第9態様は、第6乃至第8態様のいずれかにおいて、前記切替回動部材は樹脂製であることを特徴とするものである。
これによれば、樹脂製の切替回動部材を提供することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 :作像ユニット
2 :感光体
3 :帯電装置
4 :現像装置
5 :クリーニング装置
6 :露光装置
7 :給紙装置
8 :転写装置
9 :定着装置
10 :排紙装置
11 :中間転写ベルト
12 :一次転写ローラ
13 :二次転写ローラ
14 :用紙搬送路
15 :タイミングローラ
19 :加熱装置
20 :定着ベルト
21 :加圧ローラ
21a :芯金
21b :弾性層
21c :離型層
22 :ヒータ
23 :ヒータホルダ
24 :ステー
25 :定着フレーム
25a :第一回り止め部
25b :第二回り止め部
26 :加圧レバー
26a :第一回動軸
26b :バネ取付部
26c :ステー加圧地点
27 :引張バネ
28 :圧解除レバー
28a :第二回動軸
28b :バネ取付部
28c :回動操作端部
100 :画像形成装置
101 :開閉カバー
101a :圧解除部
101b :ガイド部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【特許文献1】特許第6503800号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9