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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136496
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】把持装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/46 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
B65B43/46 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042212
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000231637
【氏名又は名称】株式会社ニップン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100159846
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 尚
(72)【発明者】
【氏名】竹本 賢次
(72)【発明者】
【氏名】平戸 さゆり
【テーマコード(参考)】
3E030
【Fターム(参考)】
3E030AA04
3E030CA01
3E030CB02
3E030DA01
3E030EA01
3E030EB01
3E030GA02
3E030GA04
(57)【要約】
【課題】包装袋のシール部が破れることを抑制できる把持装置を提供する。
【解決手段】本発明の把持装置は左グリッパ11と右グリッパ12とを備え、左グリッパは左前側パッド16と左奥側パッド17とを有し、左前側パッドと左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて包装袋10の左側縁のシール部の内側の領域10aを挟持している状態で左前側パッドの左側の領域16bと左奥側パッドの左側の領域17bとは包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れており、右グリッパは右前側パッド18と右奥側パッド19とを有し、右前側パッドと右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて包装袋10の右側縁のシール部の内側の領域10aを挟持している状態で、右前側パッドの右側の領域18bと右奥側パッドの右側の領域19bとは包装袋の右側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、
前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、
前記包装袋の右側の一部を把持する右グリッパと、
を備え、
前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を開放するようになっており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、前記左前側パッドの左側の領域と前記左奥側パッドの左側の領域とは前記包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れており、
前記右グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッドと右奥側パッドとを有しており、
前記右前側パッドと前記右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を開放するようになっており、
前記右前側パッドと前記右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、前記右前側パッドの右側の領域と前記右奥側パッドの右側の領域とは前記包装袋の右側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている
ことを特徴とする把持装置。
【請求項2】
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持していて、且つ、
前記右前側パッドと前記右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、
前記左グリッパ及び前記右グリッパは、前記包装袋を移動させるべく、共に移動するようになっている
ことを特徴とする請求項1に記載の把持装置。
【請求項3】
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持していて、且つ、
前記右前側パッドと前記右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、
前記左グリッパ及び前記右グリッパは、前記包装袋の開け広げを支援するべく、互いに対して近づけられるようになっている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の把持装置。
【請求項4】
左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、
前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、
前記包装袋の右側の一部を把持する右グリッパと、
を備え、
前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の外側で互いに当接するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を開放すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の外側で互いに離間するようになっており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の外側で互いに当接している状態で、前記左前側パッドの前記左内側領域と前記左外側領域との間の領域と前記左奥側パッドの前記左内側領域と前記左外側領域との間の領域とは前記包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れており、
前記右グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッドと右奥側パッドとを有しており、
前記右前側パッドと前記右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の外側で互いに当接するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を開放すると共に前記右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の外側で互いに離間するようになっており、
前記右前側パッドと前記右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に前記右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の外側で互いに当接している状態で、前記右前側パッドの前記右内側領域と前記右外側領域との間の領域と前記右奥側パッドの前記右内側領域と前記右外側領域との間の領域とは前記包装袋の右側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている
ことを特徴とする把持装置。
【請求項5】
左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、
前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、
前記包装袋の右側の一部を把持する右グリッパと、
を備え、
前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を開放すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の一部を開放するようになっており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持している状態で、前記左前側パッドの前記左内側領域と前記左外側領域との間の領域と前記左奥側パッドの前記左内側領域と前記左外側領域との間の領域とは前記包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れており、
前記右グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッドと右奥側パッドとを有しており、
前記右前側パッドと前記右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の一部を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を開放すると共に前記右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の一部を開放するようになっており、
前記右前側パッドと前記右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に前記右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の一部を挟持している状態で、前記右前側パッドの前記右内側領域と前記右外側領域との間の領域と前記右奥側パッドの前記右内側領域と前記右外側領域との間の領域とは前記包装袋の右側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている
ことを特徴とする把持装置。
【請求項6】
左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、
前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、
前記包装袋の右側の一部を把持する右グリッパと、
を備え、
前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、
前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を比較的大面積で挟持すると共に前記包装袋の左側縁のシール部を比較的小面積で挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域及び前記包装袋の左側縁のシール部を開放するようになっており、
前記右グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッドと右奥側パッドとを有しており、
前記右前側パッドと前記右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を比較的大面積で挟持すると共に前記包装袋の右側縁のシール部を比較的小面積で挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域及び前記包装袋の右側縁のシール部を開放するようになっている
ことを特徴とする把持装置。
【請求項7】
前記比較的大面積の前記比較的小面積に対する比は、2倍以上である
ことを特徴とする請求項6に記載の把持装置。
【請求項8】
左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、
前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、
前記包装袋の右側の一部を把持する右グリッパと、
を備え、
前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を開放するようになっており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、前記左前側パッドの左側の領域と前記左奥側パッドの左側の領域とは前記包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れており、
前記右グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッドと右奥側パッドとを有しており、
前記右前側パッドと前記右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の一部を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を開放すると共に前記右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の一部を開放するようになっており、
前記右前側パッドと前記右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に前記右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の一部を挟持している状態で、前記右前側パッドの前記右内側領域と前記右外側領域との間の領域と前記右奥側パッドの前記右内側領域と前記右外側領域との間の領域とは前記包装袋の右側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている
ことを特徴とする把持装置。
【請求項9】
左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、
前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、
前記包装袋の右側の一部を把持する右グリッパと、
を備え、
前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を開放するようになっており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、前記左前側パッドの左側の領域と前記左奥側パッドの左側の領域とは前記包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れており、
前記右グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッドと右奥側パッドとを有しており、
前記右前側パッドと前記右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を比較的大面積で挟持すると共に前記包装袋の右側縁のシール部を比較的小面積で挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域及び前記包装袋の右側縁のシール部を開放するようになっている
ことを特徴とする把持装置。
【請求項10】
前記比較的大面積の前記比較的小面積に対する比は、2倍以上である
ことを特徴とする請求項9に記載の把持装置。
【請求項11】
左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、
前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、
前記包装袋の右側の一部を把持する右グリッパと、
を備え、
前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を開放すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の一部を開放するようになっており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持している状態で、前記左前側パッドの前記左内側領域と前記左外側領域との間の領域と前記左奥側パッドの前記左内側領域と前記左外側領域との間の領域とは前記包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れており、
前記右グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッドと右奥側パッドとを有しており、
前記右前側パッドと前記右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を比較的大面積で挟持すると共に前記包装袋の右側縁のシール部を比較的小面積で挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域及び前記包装袋の右側縁のシール部を開放するようになっている
ことを特徴とする把持装置。
【請求項12】
前記比較的大面積の前記比較的小面積に対する比は、2倍以上である
ことを特徴とする請求項11に記載の把持装置。
【請求項13】
左側縁にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、
前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、
を備え、
前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を開放するようになっており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、前記左前側パッドの左側の領域と前記左奥側パッドの左側の領域とは前記包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている
ことを特徴とする把持装置。
【請求項14】
左側縁にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、
前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、
を備え、
前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の外側で互いに当接するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を開放すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の外側で互いに離間するようになっており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の外側で互いに当接している状態で、前記左前側パッドの前記左内側領域と前記左外側領域との間の領域と前記左奥側パッドの前記左内側領域と前記左外側領域との間の領域とは前記包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている
ことを特徴とする把持装置。
【請求項15】
左側縁にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、
前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、
を備え、
前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を開放すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の一部を開放するようになっている
ことを特徴とする把持装置。
【請求項16】
左側縁にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、
前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、
を備え、
前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、
前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、
前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を比較的大面積で挟持すると共に前記包装袋の左側縁のシール部を比較的小面積で挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域及び前記包装袋の左側縁のシール部を開放するようになっている
ことを特徴とする把持装置。
【請求項17】
前記比較的大面積の前記比較的小面積に対する比は、2倍以上である
ことを特徴とする請求項16に記載の把持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する把持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば商品である被包装物を内部に充填(収容)した包装袋が、様々な態様で製造されて販売されている。
【0003】
包装袋に商品を充填する作業を行う際には、包装袋の上方が開放された状態で当該包装袋が保持される必要がある。例えば特許文献1は、包装袋を保持するためのグリッパーを開示している。特許文献1のグリッパーは、対向するグリッパープレートによって、包装袋を保持するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-30510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のグリッパーのグリッパープレートは、左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する時、シール部の内側の領域とシール部との両方を挟持する。本件発明者は、この時、シール部の溶着ないし接着の具合によって、シール部の一部に局所的な応力がかかって、シール部に破れが生じる場合があることを知見した。
【0006】
更に本件発明者は、包装袋の材料が紙や紙複合素材等の比較的収縮しにくい材料である時、シール部に破れが生じる頻度が高まることを知見した。
【0007】
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、包装袋のシール部が破れることを抑制できる把持装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明は、左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、前記包装袋の右側の一部を把持する右グリッパと、を備え、前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域(前記包装袋の左側縁のシール部より内側のシール部でない領域)を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域(前記包装袋の左側縁のシール部より内側のシール部でない領域)を開放するようになっており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、前記左前側パッドの左側の領域と前記左奥側パッドの左側の領域とは前記包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れており、前記右グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッドと右奥側パッドとを有しており、前記右前側パッドと前記右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域(前記包装袋の右側縁のシール部より内側のシール部でない領域)を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域(前記包装袋の右側縁のシール部より内側のシール部でない領域)を開放するようになっており、前記右前側パッドと前記右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、前記右前側パッドの右側の領域と前記右奥側パッドの右側の領域とは前記包装袋の右側縁のシール部を挟持しないように互いから離れていることを特徴とする把持装置である。
【0009】
本発明によれば、左前側パッドと左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持するようになっている一方、左前側パッドと左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、左前側パッドの左側の領域と左奥側パッドの左側の領域とは包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている。これにより、包装袋の左側縁のシール部に局所的な応力がかかることがなく、当該シール部が破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0010】
同様に、右前側パッドと右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持するようになっている一方、右前側パッドと右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、右前側パッドの右側の領域と右奥側パッドの右側の領域とは包装袋の右側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている。これにより、包装袋の右側縁のシール部に局所的な応力がかかることがなく、当該シール部が破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0011】
好ましくは、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持していて、且つ、前記右前側パッドと前記右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、前記左グリッパ及び前記右グリッパは、前記包装袋を移動させるべく、共に移動するようになっている。
【0012】
左グリッパ及び右グリッパが包装袋を移動させるべく共に移動するようになっている場合、従来のグリッパ(グリッパプレート)による把持ではシール部に局所的な応力がかかって破れが生じる可能性が高まっていた。しかしながら、本発明によれば、シール部がパッドによって挟持(当接)されていないため、左グリッパ及び右グリッパが包装袋を移動させるべく共に移動するようになっていても、シール部が破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0013】
また、好ましくは、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持していて、且つ、前記右前側パッドと前記右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、前記左グリッパ及び前記右グリッパは、前記包装袋の開け広げを支援するべく、互いに対して近づけられるようになっている。
【0014】
左グリッパ及び右グリッパが包装袋の開け広げを支援するべく互いに対して近接するようになっている場合、従来のグリッパ(グリッパプレート)による把持ではシール部に局所的な応力がかかって破れが生じる可能性が高まっていた。しかしながら、本発明によれば、シール部がパッドによって挟持(当接)されていないため、左グリッパ及び右グリッパが包装袋の開け広げを支援するべく互いに対して近接するようになっていても、シール部が破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0015】
ここで、パッド同士が、外側領域において包装袋のシール部の外側で互いに当接するという態様が採用されてもよい。この場合、パッド同士の開閉ストロークの調整が容易になり得る。
【0016】
このような発明の態様は、左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、前記包装袋の右側の一部を把持する右グリッパと、を備え、前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域(前記包装袋の左側縁のシール部より内側のシール部でない領域)を挟持すると共に左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の外側(前記包装袋の左側縁のシール部より外側のシール部でない領域)で互いに当接するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域(前記包装袋の左側縁のシール部より内側のシール部でない領域)を開放すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の外側(前記包装袋の左側縁のシール部より外側のシール部でない領域)で互いに離間するようになっており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の外側で互いに当接している状態で、前記左前側パッドの前記左内側領域と前記左外側領域との間の領域と前記左奥側パッドの前記左内側領域と前記左外側領域との間の領域とは前記包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れており、前記右グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッドと右奥側パッドとを有しており、前記右前側パッドと前記右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域(前記包装袋の右側縁のシール部より内側のシール部でない領域)を挟持すると共に右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の外側(前記包装袋の右側縁のシール部より外側のシール部でない領域)で互いに当接するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域(前記包装袋の右側縁のシール部より内側のシール部でない領域)を開放すると共に前記右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の外側(前記包装袋の右側縁のシール部より外側のシール部でない領域)で互いに離間するようになっており、前記右前側パッドと前記右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に前記右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の外側で互いに当接している状態で、前記右前側パッドの前記右内側領域と前記右外側領域との間の領域と前記右奥側パッドの前記右内側領域と前記右外側領域との間の領域とは前記包装袋の右側縁のシール部を挟持しないように互いから離れていることを特徴とする把持装置である。
【0017】
このような本発明の態様によれば、左前側パッドと左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域において包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の外側で互いに当接するようになっている一方、左前側パッドと左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて左内側領域において包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の外側で互いに当接している状態で、左前側パッドの左内側領域と左外側領域との間の領域と左奥側パッドの左内側領域と左外側領域との間の領域とは包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている。これにより、包装袋の左側縁のシール部に局所的な応力がかかることがなく、当該シール部が破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0018】
同様に、右前側パッドと右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、右内側領域において包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に右外側領域において包装袋の右側縁のシール部の外側で互いに当接するようになっている一方、右前側パッドと右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて右内側領域において包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に前記右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の外側で互いに当接している状態で、右前側パッドの右内側領域と右外側領域との間の領域と右奥側パッドの右内側領域と右外側領域との間の領域とは包装袋の右側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている。これにより、包装袋の右側縁のシール部に局所的な応力がかかることがなく、当該シール部が破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0019】
ここで、寸法誤差等のために、パッド同士が、外側領域において包装袋のシール部の一部(例えば幅1mm程度)を挟持する態様も、少なくとも本願出願時点では、本願発明の範囲内のものである。
【0020】
このような発明の態様は、左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、前記包装袋の右側の一部を把持する右グリッパと、を備え、前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域(前記包装袋の左側縁のシール部より内側のシール部でない領域)を挟持すると共に左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域(前記包装袋の左側縁のシール部より内側のシール部でない領域)を開放すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の一部を開放するようになっており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持している状態で、前記左前側パッドの前記左内側領域と前記左外側領域との間の領域と前記左奥側パッドの前記左内側領域と前記左外側領域との間の領域とは前記包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れており、前記右グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッドと右奥側パッドとを有しており、前記右前側パッドと前記右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域(前記包装袋の右側縁のシール部より内側のシール部でない領域)を挟持すると共に右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の一部を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域(前記包装袋の右側縁のシール部より内側のシール部でない領域)を開放すると共に前記右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の一部を開放するようになっており、前記右前側パッドと前記右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に前記右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の一部を挟持している状態で、前記右前側パッドの前記右内側領域と前記右外側領域との間の領域と前記右奥側パッドの前記右内側領域と前記右外側領域との間の領域とは前記包装袋の右側縁のシール部を挟持しないように互いから離れていることを特徴とする把持装置である。
【0021】
このような本発明の態様によれば、左前側パッドと左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域において包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持するようになっている一方、左前側パッドと左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて左内側領域において包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持している状態で、左前側パッドの左内側領域と左外側領域との間の領域と左奥側パッドの左内側領域と左外側領域との間の領域とは包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている。これにより、左外側領域において包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持している状態であっても、包装袋の左側縁のシール部に局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部が破れる可能性を抑制できる。
【0022】
同様に、右前側パッドと右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、右内側領域において包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に右外側領域において包装袋の右側縁のシール部の一部を挟持するようになっている一方、右前側パッドと右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて右内側領域において包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に右外側領域において包装袋の右側縁のシール部の一部を挟持している状態で、右前側パッドの右内側領域と右外側領域との間の領域と右奥側パッドの右内側領域と右外側領域との間の領域とは包装袋の右側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている。これにより、右外側領域において包装袋の右側縁のシール部の一部を挟持している状態であっても、包装袋の右側縁のシール部に局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部が破れる可能性を抑制できる。
【0023】
逆に、寸法誤差等のために、パッド同士が内側領域において包装袋のシール部の一部を比較的小面積で(例えば幅1mm程度)挟持する態様も、少なくとも本願出願時点では、本願発明の範囲内のものである。
【0024】
このような発明の態様は、左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、前記包装袋の右側の一部を把持する右グリッパと、を備え、前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域(前記包装袋の左側縁のシール部より内側のシール部でない領域)を比較的大面積で挟持すると共に前記包装袋の左側縁のシール部(当該シール部の一部)を比較的小面積で挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域(前記包装袋の左側縁のシール部より内側のシール部でない領域)及び前記包装袋の左側縁のシール部(当該シール部の一部)を開放するようになっており、前記右グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッドと右奥側パッドとを有しており、前記右前側パッドと前記右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域(前記包装袋の右側縁のシール部より内側のシール部でない領域)を比較的大面積で挟持すると共に前記包装袋の右側縁のシール部(当該シール部の一部)を比較的小面積で挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域(前記包装袋の右側縁のシール部より内側のシール部でない領域)及び前記包装袋の右側縁のシール部(当該シール部の一部)を開放するようになっていることを特徴とする把持装置である。
【0025】
このような本発明の態様によれば、左前側パッドと左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を比較的大面積で挟持すると共に包装袋の左側縁のシール部を比較的小面積で挟持するようになっている。これにより、包装袋の左側縁のシール部に局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部が破れる可能性を抑制できる。
【0026】
同様に、右前側パッドと右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を比較的大面積で挟持すると共に前記包装袋の右側縁のシール部を比較的小面積で挟持するようになっている。これにより、包装袋の右側縁のシール部に局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部が破れる可能性を抑制できる。
【0027】
以上の態様において、比較的大面積の比較的小面積に対する比は、2倍以上であることが好ましい。
【0028】
この場合、包装袋の左側縁及び右側縁のシール部に局所的な応力がかかることがより効果的に抑制され、当該シール部が破れる可能性をより効果的に抑制できる。
【0029】
更には、寸法誤差等のために、パッド同士が右外側領域において包装袋のシール部の一部(例えば幅1mm程度)を挟持する態様(左外側領域においては挟持しない)も、少なくとも本願出願時点では、本願発明の範囲内のものである。
【0030】
このような発明の態様は、左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、前記包装袋の右側の一部を把持する右グリッパと、を備え、前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を開放するようになっており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、前記左前側パッドの左側の領域と前記左奥側パッドの左側の領域とは前記包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れており、前記右グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッドと右奥側パッドとを有しており、前記右前側パッドと前記右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の一部を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を開放すると共に前記右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の一部を開放するようになっており、前記右前側パッドと前記右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記右内側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に前記右外側領域において前記包装袋の右側縁のシール部の一部を挟持している状態で、前記右前側パッドの前記右内側領域と前記右外側領域との間の領域と前記右奥側パッドの前記右内側領域と前記右外側領域との間の領域とは前記包装袋の右側縁のシール部を挟持しないように互いから離れていることを特徴とする把持装置である。
【0031】
このような本発明の態様によれば、左前側パッドと左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持するようになっている一方、左前側パッドと左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、左前側パッドの左側の領域と左奥側パッドの左側の領域とは包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている。これにより、包装袋の左側縁のシール部に局所的な応力がかかることがなく、当該シール部が破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0032】
また、右前側パッドと右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、右内側領域において包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に右外側領域において包装袋の右側縁のシール部の一部を挟持するようになっている一方、右前側パッドと右奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて右内側領域において包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に右外側領域において包装袋の右側縁のシール部の一部を挟持している状態で、右前側パッドの右内側領域と右外側領域との間の領域と右奥側パッドの右内側領域と右外側領域との間の領域とは包装袋の右側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている。これにより、右外側領域において包装袋の右側縁のシール部の一部を挟持している状態であっても、包装袋の右側縁のシール部に局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部が破れる可能性を抑制できる。
【0033】
なお、表裏を逆から見れば、左右の関係は逆になる。すなわち、以上の態様において、左右の関係は逆であってもよい。
【0034】
更には、寸法誤差等のために、パッド同士が右内側領域において包装袋のシール部の一部を比較的小面積で(例えば幅1mm程度)挟持する態様(左内側領域においては挟持しない)も、少なくとも本願出願時点では、本願発明の範囲内のものである。
【0035】
このような発明の態様は、左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、前記包装袋の右側の一部を把持する右グリッパと、を備え、前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を開放するようになっており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、前記左前側パッドの左側の領域と前記左奥側パッドの左側の領域とは前記包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れており、前記右グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッドと右奥側パッドとを有しており、前記右前側パッドと前記右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を比較的大面積で挟持すると共に前記包装袋の右側縁のシール部を比較的小面積で挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域及び前記包装袋の右側縁のシール部を開放するようになっていることを特徴とする把持装置である。
【0036】
このような本発明の態様によれば、左前側パッドと左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持するようになっている一方、左前側パッドと左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、左前側パッドの左側の領域と左奥側パッドの左側の領域とは包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている。これにより、包装袋の左側縁のシール部に局所的な応力がかかることがなく、当該シール部が破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0037】
また、右前側パッドと右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を比較的大面積で挟持すると共に包装袋の右側縁のシール部を比較的小面積で挟持するようになっている。これにより、包装袋の右側縁のシール部に局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部が破れる可能性を抑制できる。
【0038】
なお、表裏を逆から見れば、左右の関係は逆になる。すなわち、以上の態様において、左右の関係は逆であってもよい。
【0039】
また、以上の態様において、比較的大面積の比較的小面積に対する比は、2倍以上であることが好ましい。
【0040】
この場合、包装袋の左側縁及び右側縁のシール部に局所的な応力がかかることがより効果的に抑制され、当該シール部が破れる可能性をより効果的に抑制できる。
【0041】
更には、寸法誤差等のために、パッド同士が左外側領域及び右内側領域において包装袋のシール部の一部(それぞれ例えば幅1mm程度)を挟持する態様も、少なくとも本願出願時点では、本願発明の範囲内のものである。
【0042】
このような発明の態様は、左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、前記包装袋の右側の一部を把持する右グリッパと、を備え、前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を開放すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の一部を開放から互いに離間するようになっており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持している状態で、前記左前側パッドの前記左内側領域と前記左外側領域との間の領域と前記左奥側パッドの前記左内側領域と前記左外側領域との間の領域とは前記包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れており、前記右グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッドと右奥側パッドとを有しており、前記右前側パッドと前記右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を比較的大面積で挟持すると共に前記包装袋の右側縁のシール部を比較的小面積で挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の右側縁のシール部の内側の領域及び前記包装袋の右側縁のシール部を開放するようになっていることを特徴とする把持装置である。
【0043】
このような本発明の態様によれば、左前側パッドと左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域において包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持するようになっている一方、左前側パッドと左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて左内側領域において包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持している状態で、左前側パッドの左内側領域と左外側領域との間の領域と左奥側パッドの左内側領域と左外側領域との間の領域とは包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている。これにより、左外側領域において包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持している状態であっても、包装袋の左側縁のシール部に局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部が破れる可能性を抑制できる。
【0044】
また、右前側パッドと右奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、包装袋の右側縁のシール部の内側の領域を比較的大面積で挟持すると共に前記包装袋の右側縁のシール部を比較的小面積で挟持するようになっている。これにより、包装袋の右側縁のシール部に局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部が破れる可能性を抑制できる。
【0045】
なお、表裏を逆から見れば、左右の関係は逆になる。すなわち、以上の態様において、左右の関係は逆であってもよい。
【0046】
また、以上の態様において、比較的大面積の比較的小面積に対する比は、2倍以上であることが好ましい。
【0047】
この場合、包装袋の左側縁及び右側縁のシール部に局所的な応力がかかることがより効果的に抑制され、当該シール部が破れる可能性をより効果的に抑制できる。
【0048】
以上の各発明は、いずれも左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋を把持する把持装置を対象としているが、少なくとも本願出願時点では、左側縁(のみ)にシール部を有する包装袋を把持する把持装置も本願発明の範囲内のものである。
【0049】
すなわち、このような発明の1つは、左側縁にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、を備え、前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を開放するようになっており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、前記左前側パッドの左側の領域と前記左奥側パッドの左側の領域とは前記包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れていることを特徴とする把持装置である。
【0050】
このような本発明の態様によれば、左前側パッドと左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持するようになっている一方、左前側パッドと左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持している状態で、左前側パッドの左側の領域と左奥側パッドの左側の領域とは包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている。これにより、包装袋の左側縁のシール部に局所的な応力がかかることがなく、当該シール部が破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0051】
なお、表裏を逆から見れば、左右の関係は逆になる。すなわち、当該発明の態様において、左右の関係は逆であってもよい。
【0052】
あるいは、このような態様の発明の1つは、左側縁にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、を備え、前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の外側で互いに当接するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を開放すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の外側で互いに離間するようになっており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の外側で互いに当接している状態で、前記左前側パッドの前記左内側領域と前記左外側領域との間の領域と前記左奥側パッドの前記左内側領域と前記左外側領域との間の領域とは前記包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れていることを特徴とする把持装置である。
【0053】
このような本発明の態様によれば、左前側パッドと左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域において包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において包装袋の左側縁のシール部の外側で互いに当接するようになっている一方、左前側パッドと左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて左内側領域において包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において包装袋の左側縁のシール部の外側で互いに当接している状態で、左前側パッドの左内側領域と左外側領域との間の領域と左奥側パッドの左内側領域と左外側領域との間の領域とは包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている。これにより、包装袋の左側縁のシール部に局所的な応力がかかることがなく、当該シール部が破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0054】
なお、表裏を逆から見れば、左右の関係は逆になる。すなわち、当該発明の態様において、左右の関係は逆であってもよい。
【0055】
あるいは、このような態様の発明の1つは、左側縁にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、を備え、前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記左内側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を開放すると共に前記左外側領域において前記包装袋の左側縁のシール部の一部を開放するようになっていることを特徴とする把持装置である。
【0056】
このような本発明の態様によれば、左前側パッドと左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域において包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持するようになっている一方、左前側パッドと左奥側パッドとが互いに近接するように駆動されて左内側領域において包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を挟持すると共に左外側領域において包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持している状態で、左前側パッドの左内側領域と左外側領域との間の領域と左奥側パッドの左内側領域と左外側領域との間の領域とは包装袋の左側縁のシール部を挟持しないように互いから離れている。これにより、左外側領域において包装袋の左側縁のシール部の一部を挟持している状態であっても、包装袋の左側縁のシール部に局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部が破れる可能性を抑制できる。
【0057】
なお、表裏を逆から見れば、左右の関係は逆になる。すなわち、当該発明の態様において、左右の関係は逆であってもよい。
【0058】
あるいは、このような態様の発明の1つは、左側縁にシール部を有する包装袋を把持する把持装置であって、前記包装袋の左側の一部を把持する左グリッパと、を備え、前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、前記左グリッパは、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッドと左奥側パッドとを有しており、前記左前側パッドと前記左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を比較的大面積で挟持すると共に前記包装袋の左側縁のシール部を比較的小面積で挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、前記包装袋の左側縁のシール部の内側の領域及び前記包装袋の左側縁のシール部を開放するようになっていることを特徴とする把持装置である。
【0059】
このような本発明の態様によれば、左前側パッドと左奥側パッドとは、互いに近接するように駆動される時、包装袋の左側縁のシール部の内側の領域を比較的大面積で挟持すると共に包装袋の左側縁のシール部を比較的小面積で挟持するようになっている。これにより、包装袋の左側縁のシール部に局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部が破れる可能性を抑制できる。
【0060】
なお、表裏を逆から見れば、左右の関係は逆になる。すなわち、当該発明の態様において、左右の関係は逆であってもよい。
【0061】
また、以上の態様において、比較的大面積の比較的小面積に対する比は、2倍以上であることが好ましい。
【0062】
この場合、包装袋の左側縁及び右側縁のシール部に局所的な応力がかかることがより効果的に抑制され、当該シール部が破れる可能性をより効果的に抑制できる。
【発明の効果】
【0063】
本発明によれば、包装袋の左側縁のシール部及び/または右側縁のシール部に局所的な応力がかかることがなく、当該シール部が破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0064】
あるいは、包装袋の左側縁のシール部及び/または右側縁のシール部に局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部が破れる可能性を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】本発明の第1実施形態に係る把持装置を含む包装装置の概略平面図である。
図2】本実施形態に係る把持装置の把持動作について説明するための概略平面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る把持装置の左グリッパ及び右グリッパのそれぞれの開状態を示す概略斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る把持装置の左グリッパ及び右グリッパのそれぞれの閉状態を示す概略斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る把持装置の左グリッパの左前側パッド及び右グリッパの右前側パッドの概略平面図である。
図6図5の左前側パッド及び右前側パッドの概略背面図である。
図7図5の左前側パッド及び右前側パッドの概略側面図である。
図8】本実施形態に係る把持装置による袋開動作について説明するための概略平面図である。
図9図1の包装装置の第1除電エア供給装置を説明するための概略正面図である。
図10図1の包装装置の充填動作について説明するための概略平面図である。
図11図1の包装装置の第2除電エア供給装置を説明するための概略正面図である。
図12】本発明の第2実施形態による把持装置の右グリッパと左グリッパとが閉状態となっている様子を説明する概略平面図である。
図13】本発明の第3実施形態による把持装置の右グリッパと左グリッパとが閉状態となっている様子を説明する概略平面図である。
図14】本発明の第4実施形態による把持装置の右グリッパと左グリッパとが閉状態となっている様子を説明する概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0067】
(構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る把持装置1を含んだ包装装置2の概略平面図である。図1の包装装置2は、ロータリー式包装装置として構成されており、10個のステーションS1~S10が周方向に整列配置されている。
【0068】
第1ステーションS1において、一対の対向する左グリッパ11と右グリッパ12とが、1枚の平坦な長方形状の包装袋10の両側縁の上部を、それぞれ保持するようになっている(図2及び図8参照)。
【0069】
本実施形態の包装袋10は、紙複合素材製で、幅159mm、高さ220mm、厚み120μmのいわゆるスタンディングパウチとして形成される。包装袋10は、小麦粉等の粉体を収容する。包装袋10の予定内容物充填重量は、400gである。また、当該包装袋10は、右側縁と右側縁との両方に、幅5.5mmのシール部10aを有している。当該シール部10aは、熱溶着されている。
【0070】
図2は、本実施形態に係る把持装置1の把持動作について説明するための概略平面図である。より詳細には、図2(a)は、本実施形態に係る把持装置の右グリッパと左グリッパとが開状態となっている様子を説明する概略平面図であり、図2(b)は、本実施形態に係る把持装置の右グリッパと左グリッパとが閉状態となっている様子を説明する概略平面図である。
【0071】
また、図3は、本発明の第1実施形態に係る把持装置の左グリッパ及び右グリッパのそれぞれの開状態を示す概略斜視図である。より詳細には、図3(a)は、本発明の第1実施形態に係る把持装置の左グリッパの開状態を示す概略斜視図であり、図3(b)は、本発明の第1実施形態に係る把持装置の右グリッパの開状態を示す概略斜視図である。
【0072】
また、図4は、本発明の第1実施形態に係る把持装置の左グリッパ及び右グリッパのそれぞれの閉状態を示す概略斜視図である。より詳細には、図4(a)は本発明の第1実施形態に係る把持装置の左グリッパの閉状態を示す概略斜視図であり、図4(b)は本発明の第1実施形態に係る把持装置の右グリッパの閉状態を示す概略斜視図である。
【0073】
また、図5は、本発明の第1実施形態に係る把持装置の左グリッパの左前側パッド及び右グリッパの右前側パッドの概略平面図である。より詳細には、図5(a)は、本発明の第1実施形態に係る把持装置の左グリッパの左前側パッドの概略平面図であり、図5(b)は、本発明の第1実施形態に係る把持装置の右グリッパの右前側パッドの概略平面図である。また、図6は、図5の左前側パッド及び右前側パッドの概略背面図である。より詳細には、図6(a)は、図5(a)の左前側パッドの概略背面図であり、図6(b)は、図5(b)の右前側パッドの概略背面図である。また、図7は、図5の左前側パッド及び右前側パッドの概略側面図である。より詳細には、図7(a)は図5(a)の左前側パッドの概略側面図であり、図7(b)は図5(b)の右前側パッドの概略側面図である。
【0074】
図2乃至図7に示すように、本実施形態に係る把持装置1は、包装袋10の左側の一部を把持する左グリッパ11と、包装袋10の右側の一部を把持する右グリッパ12と、を備える。表裏を逆から見れば、左右の関係は逆になるため、左右の関係は逆であってもよい。
【0075】
左グリッパ11は、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッド16と左奥側パッド17とを有している。左前側パッド16と左奥側パッド17とは、互いに近接するように駆動される時(不図示の駆動部によって駆動される)、包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時(前記駆動部によって駆動される)、包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを開放するようになっている。
【0076】
左前側パッド16と左奥側パッド17とが互いに近接するように駆動されて包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持している状態で、左前側パッド16の左側の領域16bと左奥側パッドの左側の領域17bとは包装袋10の左側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている。
【0077】
左右対称に、右グリッパ12は、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッド18と右奥側パッド19とを有しており、右前側パッド18と右奥側パッド19とは、互いに近接するように駆動される時、包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを開放するようになっており、右前側パッド18と右奥側パッド19とが互いに近接するように駆動されて包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持している状態で、右前側パッド18の右側の領域18bと右奥側パッド19の右側の領域19bとは包装袋10の右側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている。
【0078】
更に本実施形態の構成について詳細に説明すれば、図3(a)及び図4(a)を参照して、左前側パッド16は、金属保持部材40を介して左奥側パッド17に対して軸部13回りに回動可能に支持されていて、不図示の駆動部によって左奥側パッド17に対して近接及び離間するように駆動されるようになっている。
【0079】
左前側パッド16は、横断面が四角形状である棒状に形成されている(図7(a)参照)。左前側パッド16は、内側(右側)の内側領域16a(例えば、左右方向幅3mm、上下方向高さ14mm)と、内側領域16aの左側に並んで形成されると共に内側領域16aよりも後退した(左奥側パッド17と当接する面より後退した)凹面(例えば、左右方向幅6mm、上下方向高さ14mm、深さ3mm)を形成している左側の領域16bと、を備える。内側領域16aは、左前側パッド16の内側の端部から所定長さにわたって左奥側パッド17と当接する平坦面を形成している。左前側パッド16は、ゴムにより形成されている。
【0080】
左奥側パッド17は、横断面が四角形状である棒状に形成されている。左奥側パッド17は、内側(右側)の内側領域17aと、内側領域17aの左側に並んで形成されると共に内側領域17aと同じ高さ(奥側から手前側への高さ(前後方向の高さ))の平坦面を形成している左側の領域17bと、を備える。左奥側パッド17は、金属により形成されている。
【0081】
左前側パッド16と左奥側パッド17とが互いに近接するように駆動されて、内側領域16aと内側領域17aとにより、包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持している状態で、左前側パッド16の左側の領域16bと左奥側パッド17の左側の領域17bとは包装袋10の左側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている状態となる。左側の領域16bと左側の領域17bとはシール部10aがわずかに移動可能な空間を形成する。内側領域16aと内側領域17aとが近接するとき、左側の領域16bと左側の領域17bとの間にはシール部10aの厚みより厚い隙間空間Aが形成される。
【0082】
左右対称であるが、右前側パッド18は、金属保持部材42を介して右奥側パッド19に対して軸部13回りに回動可能に支持されていて、不図示の駆動部によって左奥側パッド17に対して近接及び離間するように駆動されるようになっている。
【0083】
右前側パッド18は、横断面が四角形状である棒状に形成されている。右前側パッド18は、内側(左側)の内側領域18aと、内側領域18aの右側に並んで形成されると共に内側領域18aよりも後退した(右奥側パッド19と当接する面より後退した)凹面を形成している右側の領域18bと、を備える。内側領域18aは、右前側パッド18の内側の端部から所定長さにわたって右奥側パッド19と当接する平坦面を形成している。右前側パッド18は、ゴムにより形成される。
【0084】
右奥側パッド19は、横断面が四角形状である棒状に形成されている。右奥側パッド19は、内側(左側)の内側領域19aと、内側領域19aの右側に並んで形成されると共に内側領域19aと同じ高さ(前後方向の高さ)の平坦面を形成している右側の領域19bと、を備える。右奥側パッド19は、金属により形成される。
【0085】
右前側パッド18と右奥側パッド19とは、互いに近接するように駆動される時、右前側パッド18の内側領域18aと右奥側パッド19の内側領域19aとにより、包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを開放するようになっている。
【0086】
右前側パッド18と右奥側パッド19とが互いに近接するように駆動されて、内側領域18aと内側領域19aとにより、包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持している状態で、右前側パッド18の右側の領域18bと右奥側パッド19の右側の領域19bとは包装袋10の右側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている。右側の領域18bと右側の領域19bとはシール部10aがわずかに移動可能な空間を形成する。
【0087】
左前側パッド16と左奥側パッド17とが互いに近接するように駆動されて包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持していて、且つ、右前側パッド18と右奥側パッド19とが互いに近接するように駆動されて包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持している状態で、左グリッパ11及び右グリッパ12は、包装袋10を移動させるべく、共に移動するようになっている。
【0088】
包装装置2の説明に戻ると、本実施形態では、第1ステーションS1において、左右対称に対向する左グリッパ11と右グリッパ12とが、長方形状の包装袋10の両側縁の上部を、それぞれ保持するようになっている(図2及び図8参照)。この状態で(左グリッパ11と右グリッパ12とにより保持された状態で)、搬送装置15(図8に概略的に図示)によって、包装袋10は隣接する次のステーションへと順次に間欠的に搬送されるようになっている。10個のステーションS1~S10に対応して、10対の左グリッパ11及び右グリッパ12が周方向に整列されている。(本明細書では、図9に示すような包装袋10の正面側を前側とし、前側から見て奥側を後側とし、包装袋10を前方から見て右側を右側とし、前方から見て左側を左側としている。)
【0089】
続いて、第2ステーションS2において、図8に示すように、袋開装置としての一対の吸盤装置21、22が、包装袋10の開口部(袋口)を開け広げるようになっている(詳細は後述する)。また、当該第2ステーションS2において、第1除電エア供給装置25(図9参照)が、開け広げられた包装袋10の開口部を介して、包装袋10の内部に除電エア(例えば正イオンを含んだエア)を供給するようになっている。
【0090】
続いて、第3ステーションS3において、充填装置としての漏斗状筒部31(図10に概略的に図示)が、開け広げられた包装袋10の開口部を介して包装袋10の内部に被包装物を充填するようになっている。本実施形態では、被包装物は、粉体である。
【0091】
続いて、第4ステーションS4において、タッピング装置51(図11に概略的に図示)が、包装袋10の内部に充填された被包装物が振動するように、包装袋10の底面を鉛直方向にタッピングするようになっている。
【0092】
続いて、第5ステーションS5において、第2除電エア供給装置55(図11参照)が、開け広げられた包装袋10の開口部を介して、包装袋10の開口部の内側に局所的に除電エアを供給するようになっている。また、第5ステーションS5においても、第4ステーションS4と同様に、タッピング装置51(図11参照)が、包装袋10の内部に充填された被包装物が振動するように、包装袋10の底面を鉛直方向にタッピングするようになっている。
【0093】
続いて、第6ステーションS6において、袋閉装置としてのシール装置61が、包装袋10の開口部を密封するようになっている。
【0094】
そして、第7ステーションS7において、被包装物が充填され開口部が密封された包装袋10が、把持装置の外部へと取り出されるようになっている。
【0095】
第8ステーションS8~第10ステーションS10は、予備のステーションである。
【0096】
(作用)
次に、図2を参照して、本実施形態の把持装置の把持動作について詳細に説明する。
【0097】
包装袋10が第1ステーションS1に搬送されると、図2(a)に示すように、一対の対向する左グリッパ11と右グリッパ12とが、それぞれ開状態で、包装袋10の両側縁の上部の把持位置まで移動される。次に、図2(b)に示すように、左前側パッド16と左奥側パッド17とが互いに近接するように駆動されて、内側領域16aと内側領域17aとにより、包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持する。このとき、包装袋10の左側縁のシール部10aは、内側領域16a及び内側領域17aより左側に位置し、内側領域16a及び内側領域17aに当接しない状態となる。また、左前側パッド16の左側の領域16bと左奥側パッド17の左側の領域17bとは包装袋10の左側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている状態となる。
【0098】
また、ほぼ同時期に、右前側パッド18と右奥側パッド19とが互いに近接するように駆動されて、内側領域18aと内側領域19aとにより、包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持する。このとき、包装袋10の左側縁のシール部10aは、内側領域18a及び内側領域19aより右側に位置し、内側領域18a及び内側領域19aに当接しない状態となる。また、右前側パッド18の右側の領域18bと右奥側パッド19の右側の領域19bとは包装袋10の右側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている状態となる。
【0099】
包装袋10は、両側部を左グリッパ11と右グリッパ12とにより把持されて立てられている状態となる。この状態で、左グリッパ11及び右グリッパ12は、包装袋10と共に次のステーションS2まで移動するようになっている。一方、当該搬送に伴って、次の包装袋10’が第1ステーションS1に供給され、一対の左グリッパ11’及び右グリッパ12’によって把持される。
【0100】
次に、図8乃至図11を参照して、本実施形態の把持装置を含んだ包装装置の袋開動作及び以後の各動作について詳細に説明する。一対の左グリッパ11及び右グリッパ12に左右の両側縁の上部を保持された包装袋10が第2ステーションS2に搬送されると、一対の吸盤装置21、22が、包装袋10の左右方向中央の上部の前面と後面とに近づけられる(図8(a)の状態)。そして、一対の吸盤装置21、22が、包装袋10の左右方向中央の上部の前面と後面と吸着する(図8(b)の状態)。包装袋10の前面における吸盤装置22の吸着位置が、図9に破線の円形で図示されている。
【0101】
続いて、一対の吸盤装置21、22は、包装袋10の前面と後面とをそれぞれ吸着したまま、互いから引き離される。この時、包装袋10に過度な張力が作用しないように、一対の左グリッパ11及び右グリッパ12が互いに対して近づけられる。この結果、図8(c)に示すように、包装袋10の開口部が開け広げられる。このように、左前側パッド16と左奥側パッド17とが互いに近接するように駆動されて包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持している状態、且つ、右前側パッド18と右奥側パッド19とが互いに近接するように駆動されて包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持している状態で、左グリッパ11及び右グリッパ12は、包装袋10の開け広げを支援するべく、互いに対して近接するようになっている。
【0102】
一方、図9に示すように、開け広げられた包装袋10の開口部の中央領域の上方に対応する位置に、第1除電エア供給装置25が設けられている。第1除電エア供給装置25の鉛直方向の投影位置が、図8(c)に破線の円形で図示されている。第1除電エア供給装置25は、内径1~2mmの円筒管状の開口部からなり、圧縮エア供給源27から供給される圧縮エアに基づいて除電エア製造器26によって製造された除電エアを、包装袋10の内部に供給する。開口部の内径が小さい方が圧縮エアの放出速度が高められて、より少量の圧縮エアで効果的に包装袋10を開け広げることができる。
【0103】
また、一対の吸盤装置21、22によって開け広げられた包装袋10の開口部が閉じてしまわないように、一対の保持爪23、24が挿入された後、図8(d)に示すように、一対の吸盤装置21、22は、包装袋10を解放する。
【0104】
その後、包装袋10は、一対の左グリッパ11及び右グリッパ12によって保持され一対の保持爪23、24によって開口部を開け広げた状態が維持されたまま、搬送装置15によって、次の第3ステーションS3へと間欠的に搬送される(一対の保持爪23、24は第3ステーションS3まで伴走する)。左グリッパ11及び右グリッパ12は、包装袋10と共に次のステーションまで移動するようになっている。
【0105】
次に、図10に示すように、充填装置としての漏斗状筒部31が、開け広げられた包装袋10の開口部の中央領域内に上方側から挿入される。また、一対の保持爪23、24が包装袋10の開口部の上方側へと退避する。一対の保持爪23、24は、次の包装袋10’に対する動作のため、第2ステーションS2へと戻っていく。そして、漏斗状筒部31から被包装物が包装袋10の内部に充填される。その後、漏斗状筒部31は包装袋10の開口部の上方側へと退避する。
【0106】
その後、包装袋10は、搬送装置15によって、次の第4ステーションS4へと間欠的に搬送される。左グリッパ11及び右グリッパ12は、包装袋10と共に次のステーションまで移動する。第4ステーションS4では、タッピング装置51(図10参照)によって包装袋10の底面が鉛直方向にタッピングされ、包装袋10の内部に充填された被包装物が振動して、被包装物の収容状態のバランスが整えられる。
【0107】
その後、包装袋10は、搬送装置15によって、次の第5ステーションS5へと間欠的に搬送される。第5ステーションS5でも、タッピング装置51(図11参照)によって包装袋10の底面が鉛直方向にタッピングされ、包装袋10の内部に充填された被包装物が振動して、被包装物の収容状態のバランスが整えられる。一方、第5ステーションS5では、第2除電エア供給装置55(図11参照)が、開け広げられた包装袋10の開口部を介して、包装袋10の開口部の内側に局所的に除電エアを供給する。
【0108】
その後、包装袋10は、搬送装置15によって、次の第6ステーションS6へと間欠的に搬送される。第6ステーションS6では、袋閉装置としてのシール装置61が、包装袋10の開口部を密封する。
【0109】
その後、包装袋10は、搬送装置15によって、次の第7ステーションS7へと間欠的に搬送される。第7ステーションS7では、被包装物が充填され開口部が密封された包装袋10が、把持装置の外部へと取り出される。
【0110】
(試験)
本実施形態による把持装置1の左グリッパ11と右グリッパ12により、包装袋10を挟持し、400gの小麦粉を充填し、包装袋10のシール部10aに破れが生じるかどうかを試験した。1000個の包装袋10に同様の試験を行い破れが生じた数、すなわち不良品率を計測した。本実施形態による把持装置の左グリッパ11と右グリッパ12によれば、破れによる不良品率は0.1%であった。
これに対し、従来の把持装置の左グリッパ及び右グリッパを用いても同様の試験を行った。従来の左グリッパ及び右グリッパは、それぞれ、前側パッドと奥側パッドとが内側端から外側端まで平坦な当接面を形成し、包装袋の左側縁及び右側縁のシール部の全体を噛みこむように挟持するようになっている。このような従来の左グリッパ及び右グリッパによれば、破れによる不良品率は52.8%であった。
【0111】
(効果)
このように構成された本発明の第1実施形態においては、左前側パッド16と左奥側パッド17とは、互いに近接するように駆動される時、包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持するようになっている一方、左前側パッド16と左奥側パッド17とが互いに近接するように駆動されて包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持している状態で、左前側パッド16の左側の領域16bと左奥側パッド17の左側の領域17bとは包装袋10の左側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている。これにより、包装袋10の左側縁のシール部10aに局所的な応力がかかることがなく、当該シール部10aが破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0112】
同様に、右前側パッド18と右奥側パッド19とは、互いに近接するように駆動される時、包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持するようになっている一方、右前側パッド18と右奥側パッド19とが互いに近接するように駆動されて包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持している状態で、右前側パッド18の右側の領域18bと右奥側パッド19の右側の領域19bとは包装袋10の右側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている。これにより、包装袋10の右側縁のシール部10aに局所的な応力がかかることがなく、当該シール部10aが破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0113】
また、本実施形態の把持装置によれば、シール部10aがパッドによって挟持(当接)されていないため、左グリッパ11及び右グリッパ12が包装袋10を移動させるべく共に移動するようになっていても、シール部10aが破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0114】
また、本実施形態の把持装置によれば、シール部10aがパッドによって挟持(当接)されていないため、左グリッパ11及び右グリッパ12が包装袋の開け広げを支援するべく互いに対して近接するようになっていても、シール部が10a破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0115】
次に、図12により、本発明の第2実施形態による把持装置を説明する。第2実施形態は、本発明による把持装置により把持される包装袋を異なる位置で把持する例である。図12は本発明の第2実施形態による把持装置の右グリッパと左グリッパとが閉状態となっている様子を説明する概略平面図である。
第2実施形態による把持装置101は、上述した第1実施形態による把持装置1と構造がほぼ同じであるため、本発明の第2実施形態の第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様な部分については図面に同じ参照符号を付して説明を省略する。
【0116】
図12に示すように、本実施形態に係る把持装置101は、包装袋10の左側の一部を把持する左グリッパ111と、包装袋10の右側の一部を把持する右グリッパ112と、を備える。把持装置101は、包装装置2に設けられ、左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋10を把持する。
【0117】
左グリッパ111は、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッド116と左奥側パッド117とを有している。左前側パッド116と左奥側パッド117とは、互いに近接するように駆動される時(不図示の駆動部によって駆動される)、左内側領域B1において包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持すると共に左外側領域B2において包装袋10の左側縁のシール部10aの外側で互いに当接するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時(前記駆動部によって駆動される)、左内側領域B1において包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを開放すると共に左外側領域B2において包装袋10の左側縁のシール部10aの外側で互いに離間するようになっている。左外側領域B2は、左内側領域B1よりも外側において左前側パッド116と左奥側パッド117とが互いに当接する領域である。左前側パッド116と左奥側パッド117とが互いに近接するように駆動されて、内側領域16aと内側領域17aとにより、包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持している状態で、左前側パッド116の外側領域116cと左奥側パッド117の外側領域117cとは、シール部10aを挟持していない状態で左外側領域B2において互いに当接する。外側領域116cは、内側領域16aよりわずかに高い高さの平坦面を形成している。外側領域116cは、領域16bよりも外側の領域である。外側領域117cは、領域17bよりも外側の領域である。
【0118】
左前側パッド116と左奥側パッド117とが互いに近接するように駆動されて左内側領域B1において包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持すると共に左外側領域B2において包装袋10の左側縁のシール部10aの外側で互いに当接している状態で、左前側パッド116の左内側領域B1と左外側領域B2との間の領域16bと左奥側パッドの左内側領域B1と左外側領域B2との間の領域17bとは包装袋10の左側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている。
【0119】
左右対称に、右グリッパ112は、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッド118と右奥側パッド119とを有しており、右前側パッド118と右奥側パッド119とは、互いに近接するように駆動される時、右内側領域B3において包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持すると共に右外側領域B4において包装袋10の右側縁のシール部10aの外側で互いに当接するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、右内側領域B3において包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを開放すると共に右外側領域B4において包装袋10の右側縁のシール部10aの外側で互いに離間するようになっており、右前側パッド118と右奥側パッド119とが互いに近接するように駆動されて右内側領域B3において包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持すると共に右外側領域B4において包装袋10の右側縁のシール部10aの外側で互いに当接している状態で、右前側パッド118の右内側領域B3と右外側領域B4との間の領域18bと右奥側パッド119の右内側領域B3と右外側領域B4との間の領域19bとは包装袋10の右側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている。右外側領域B4は、右内側領域B3よりも外側において右前側パッド118と右奥側パッド119とが互いに当接する領域である。右前側パッド118と右奥側パッド119とが互いに近接するように駆動されて、内側領域18aと内側領域19aとにより、包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持している状態で、右前側パッド118の外側領域118cと右奥側パッド119の外側領域119cとは、シール部10aを挟持していない状態で右外側領域B4において互いに当接する。外側領域118cは、領域18bよりも外側の領域である。外側領域118cは、内側領域18aよりわずかに高い高さの平坦面を形成している。外側領域119cは、領域19bよりも外側の領域である。
【0120】
(効果)
このように構成された本発明の第2実施形態においては、左前側パッド116と左奥側パッド117とは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域B1において包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域を挟持すると共に左外側領域B2において包装袋10の左側縁のシール部10aの外側で互いに当接するようになっている一方、左前側パッド116と左奥側パッド117とが互いに近接するように駆動されて左内側領域B1において包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持すると共に左外側領域B2において包装袋10の左側縁のシール部10aの外側で互いに当接している状態で、左前側パッド116の左内側領域B1と左外側領域B2との間の領域と左奥側パッド117の左内側領域B1と左外側領域B2との間の領域とは包装袋10の左側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている。これにより、包装袋10の左側縁のシール部10aに局所的な応力がかかることがなく、当該シール部10aが破れる可能性を顕著に抑制できる。更に、左外側領域B2においてパッド同士が当接するため、パッド同士の開閉ストロークの調整が容易になり得る。
【0121】
同様に、右前側パッド118と右奥側パッド119とは、互いに近接するように駆動される時、右内側領域B3において包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持すると共に右外側領域B4において包装袋10の右側縁のシール部10aの外側で互いに当接するようになっている一方、右前側パッド118と右奥側パッド119とが互いに近接するように駆動されて右内側領域B3において包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域を挟持すると共に右外側領域B4において包装袋10の右側縁のシール部10aの外側で互いに当接している状態で、右前側パッド118の右内側領域B3と右外側領域B4との間の領域と右奥側パッド119の右内側領域B3と右外側領域B4との間の領域とは包装袋10の右側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている。これにより、包装袋10の右側縁のシール部10aに局所的な応力がかかることがなく、当該シール部10aが破れる可能性を顕著に抑制できる。更に、右外側領域B4においてパッド同士が当接するため、パッド同士の開閉ストロークの調整が容易になり得る。
【0122】
次に、図13により、本発明の第3実施形態による把持装置を説明する。第3実施形態は、本発明による把持装置により把持される包装袋を異なる位置で把持する例である。図13は本発明の第3実施形態による把持装置の右グリッパと左グリッパとが閉状態となっている様子を説明する概略平面図である。
第3実施形態による把持装置201は、上述した第1実施形態による把持装置1と構造がほぼ同じであるため、本発明の第3実施形態の第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様な部分については図面に同じ参照符号を付して説明を省略する。
【0123】
図13に示すように、本実施形態に係る把持装置201は、包装袋10の左側の一部を把持する左グリッパ211と、包装袋10の右側の一部を把持する右グリッパ212と、を備える。把持装置201は、包装装置2に設けられ、左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋10を把持する。
【0124】
左グリッパ211は、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッド216と左奥側パッド217とを有している。左前側パッド216と左奥側パッド217とは、互いに近接するように駆動される時(不図示の駆動部によって駆動される)、左内側領域B1において包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持すると共に左外側領域B2において包装袋10の左側縁のシール部10aの一部を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時(前記駆動部によって駆動される)、左内側領域B1において包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを開放すると共に左外側領域B2において包装袋10の左側縁のシール部10aの一部を開放するようになっている。包装袋10の左側縁のシール部10aは、例えば、左右方向幅1mmにわたって、左外側領域B2において挟持されている。左内側領域B1は、左前側パッド216と左奥側パッド217とにより包装袋10を挟持する領域である。左前側パッド216と左奥側パッド217とは、左内側領域B1においてシール部10aの内側の領域10bを挟持する。左外側領域B2は、左内側領域B1よりも外側において、左前側パッド216と左奥側パッド217とにより包装袋10を挟持する領域である。左前側パッド216と左奥側パッド217とは、左外側領域B2においてシール部10aの一部の領域を挟持する。左前側パッド216と左奥側パッド217とが互いに近接するように駆動されて、内側領域16aと内側領域17aとにより、包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持している状態で、左前側パッド216の外側領域216cと左奥側パッド217の外側領域217cとにより、シール部10aの外側の一部を挟持している。外側領域216cは、内側領域16aとほぼ同じ高さの平坦面を形成している。外側領域216cは、領域16bよりも外側の領域である。外側領域217cは、領域17bよりも外側の領域である。外側領域217cは、内側領域17aとほぼ同じ高さの平坦面を形成している。
【0125】
左前側パッド216と左奥側パッド217とが互いに近接するように駆動されて左内側領域B1において包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持すると共に左外側領域B2において包装袋10の左側縁のシール部10aの一部を挟持している状態で、左前側パッド216の左内側領域B1と左外側領域B2との間の領域16bと左奥側パッド217の左内側領域B1と左外側領域B2との間の領域17bとは包装袋10の左側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている。
【0126】
左右対称に、右グリッパ212は、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッド218と右奥側パッド219とを有しており、右前側パッド218と右奥側パッド219とは、互いに近接するように駆動される時、右内側領域B3において包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持すると共に右外側領域B4において包装袋10の右側縁のシール部10aの一部を挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、右内側領域B3において包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを開放すると共に右外側領域B4において包装袋10の右側縁のシール部10aの一部を開放するようになっており、右前側パッド218と右奥側パッド219とが互いに近接するように駆動されて右内側領域B3において包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持すると共に右外側領域B4において包装袋10の右側縁のシール部10aの一部を挟持している状態で、右前側パッド218の右内側領域B3と右外側領域B4との間の領域18bと右奥側パッド219の右内側領域B3と右外側領域B4との間の領域19bとは包装袋10の右側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている。包装袋10の右側縁のシール部10aは、例えば、左右方向幅1mmにわたって、右外側領域B4において挟持されている。右内側領域B3は、右前側パッド218と右奥側パッド219とにより包装袋10を挟持する領域である。右前側パッド218と右奥側パッド219とは、右内側領域B3においてシール部10aの内側の領域10bと共にシール部10aの一部の領域を挟持する。右外側領域B4は、右内側領域B3よりも外側において包装袋10を挟持している領域である。右前側パッド218と右奥側パッド219とが互いに近接するように駆動されて、内側領域18aと内側領域19aとにより、包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持している状態で、右前側パッド218の外側領域218cと右奥側パッド219の外側領域219cとは、右外側領域B4においてシール部10aの一部を挟持している。外側領域218cは、領域18bよりも外側の領域である。外側領域218cは、内側領域18aとほぼ同じ高さの平坦面を形成している。外側領域219cは、領域19bよりも外側の領域である。
【0127】
(試験)
本実施形態による把持装置201の左グリッパ211と右グリッパ212により、包装袋10を挟持した状態で、400gの小麦粉を充填し、包装袋10のシール部10aに破れが生じるかどうかを試験した。1000個の包装袋10に同様の試験を行い破れが生じた数、すなわち不良品率を計測した。
【0128】
具体的には、包装袋10の左側縁のシール部10aは、左右方向幅1mmにわたって、左外側領域B2において挟持されていた。また、包装袋10の右側縁のシール部10aも、左右方向幅1mmにわたって、右外側領域B4において挟持されていた。
このような寸法関係が採用された試験の結果、破れによる不良品率は5.3%であった。
【0129】
別の例では、包装袋10の左側縁のシール部10aは、左右方向幅1.4mm(<3.0mm÷2=1.5mm)にわたって、左外側領域B2において挟持されていた。また、包装袋10の右側縁のシール部10aも、左右方向幅1.4mm(<3.0mm÷2=1.5mm)にわたって、右外側領域B4において挟持されていた。
このような寸法関係が採用された試験の結果でも、破れによる不良品率は6%以下(許容できるレベル)であった。
【0130】
更に別の例では、包装袋10の左側縁のシール部10aは、左右方向幅1.6mm(>3.0mm÷2=1.5mm)にわたって、左外側領域B2において挟持されていた。また、包装袋10の右側縁のシール部10aも、左右方向幅1.6mm(>3.0mm÷2=1.5mm)にわたって、右外側領域B4において挟持されていた。
このような寸法関係が採用された試験の結果では、破れによる不良品率は10%以上(許容できないレベル)であった。
【0131】
(効果)
このように構成された本発明の第3実施形態においては、左前側パッド216と左奥側パッド217とは、互いに近接するように駆動される時、左内側領域B1において包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域を挟持すると共に左外側領域B2において包装袋10の左側縁のシール部10aの一部を挟持するようになっている一方、左前側パッド216と左奥側パッド217とが互いに近接するように駆動されて左内側領域B1において包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域を挟持すると共に左外側領域B2において包装袋10の左側縁のシール部10aの一部を挟持している状態で、左前側パッド216の左内側領域B1と左外側領域B2との間の領域と左奥側パッド217の左内側領域B1と左外側領域B2との間の領域とは包装袋10の左側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている。これにより、左外側領域B2において包装袋10の左側縁のシール部10aの一部を挟持している状態であっても、包装袋10の左側縁のシール部10aに局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部10aが破れる可能性を抑制できる。
【0132】
同様に、右前側パッド218と右奥側パッド219とは、互いに近接するように駆動される時、右内側領域B3において包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域を挟持すると共に右外側領域B4において包装袋10の右側縁のシール部10aの一部を挟持するようになっている一方、右前側パッド218と右奥側パッド219とが互いに近接するように駆動されて右内側領域B3において包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域を挟持すると共に右外側領域B4において包装袋10の右側縁のシール部10aの一部を挟持している状態で、右前側パッド218の右内側領域B3と右外側領域B4との間の領域と右奥側パッド219の右内側領域B3と右外側領域B4との間の領域とは包装袋10の右側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている。これにより、右外側領域B4において包装袋10の右側縁のシール部10aの一部を挟持している状態であっても、包装袋10の右側縁のシール部10aに局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部10aが破れる可能性を抑制できる。
【0133】
次に、図14により、本発明の第4実施形態による把持装置を説明する。第4実施形態は、本発明による把持装置により把持される包装袋を異なる位置で把持する例である。図14は本発明の第4実施形態による把持装置の右グリッパと左グリッパとが閉状態となっている様子を説明する概略平面図である。
第4実施形態による把持装置301は、上述した第1実施形態による把持装置1と構造がほぼ同じであるため、本発明の第4実施形態の第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様な部分については図面に同じ参照符号を付して説明を省略する。
【0134】
図14に示すように、本実施形態に係る把持装置301は、包装袋10の左側の一部を把持する左グリッパ311と、包装袋10の右側の一部を把持する右グリッパ312と、を備える。把持装置301は、包装装置2に設けられ、左側縁と右側縁との両方にシール部を有する包装袋10を把持する。
【0135】
左グリッパ311は、互いに近接及び離間するように駆動される左前側パッド316と左奥側パッド317とを有している。左前側パッド316と左奥側パッド317とは、互いに近接するように駆動される時(不図示の駆動部によって駆動される)、包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを比較的大面積で挟持すると共に包装袋10の左側縁のシール部10aを比較的小面積で挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時(前記駆動部によって駆動される)、包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10b及び包装袋10の左側縁のシール部10aを開放するようになっている。左グリッパ311において、前記比較的大面積の前記比較的小面積に対する比は、2倍以上である。包装袋10の左側縁のシール部10aは、左右方向幅1mmにわたって、内側領域16aと内側領域17aとの間において挟持されている。シール部10aの内側の領域10bは、左右方向幅2mmにわたって、内側領域16aと内側領域17aとの間において挟持されている。
【0136】
シール部10aの内側の領域10bが内側領域16aと内側領域17aとの間において挟持される領域の形状は、四角形の平面に限られず、内側領域16a又は内側領域17aに形成された凸部や溝部により変更されてもよい。また、シール部10aが内側領域16aと内側領域17aとの間において挟持される領域(パッド同士が当接する領域)の形状も、四角形の平面に限られず、内側領域16a又は内側領域17aに形成された凸部や溝部により変更されてもよい。
【0137】
左前側パッド316と左奥側パッド317とが互いに近接するように駆動されて、内側領域16aと内側領域17aとにより、包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを挟持している状態で、右前側パッド318の右側の領域18bと右奥側パッド319の右側の領域19bとは包装袋10の右側縁のシール部10aを挟持しないように互いから離れている。
【0138】
左右対称に、右グリッパ312は、互いに近接及び離間するように駆動される右前側パッド318と右奥側パッド319とを有しており、右前側パッド318と右奥側パッド319とは、互いに近接するように駆動される時、包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10bを比較的大面積で挟持すると共に包装袋10の右側縁のシール部10aを比較的小面積で挟持するようになっており、その後、互いに離間するように駆動される時、包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域10b及び包装袋10の右側縁のシール部10aを開放するようになっている。右グリッパ312において、前記比較的大面積の前記比較的小面積に対する比は、2倍以上である。包装袋10の右側縁のシール部10aは、例えば、左右方向幅1mmにわたって、内側領域18aと内側領域19aとの間において挟持されている。シール部10aの内側の領域10bは、例えば、左右方向幅2mmにわたって、内側領域18aと内側領域19aとの間において挟持されている。
【0139】
シール部10aの内側の領域10bが内側領域18aと内側領域19aとの間において挟持される領域の形状は、四角形の平面に限られず、内側領域18a又は内側領域19aに形成された凸部や溝部により変更されてもよい。また、シール部10aが内側領域18aと内側領域19aとの間において挟持される領域(パッド同士が当接する領域)の形状も、四角形の平面に限られず、内側領域18a又は内側領域19aに形成された凸部や溝部により変更されてもよい。
【0140】
(試験)
本実施形態による把持装置301の左グリッパ311と右グリッパ312により、包装袋10を挟持した状態で、400gの小麦粉を充填し、包装袋10のシール部10aに破れが生じるかどうかを試験した。1000個の包装袋10に同様の試験を行い破れが生じた数、すなわち不良品率を計測した。
【0141】
具体的には、包装袋10の左側縁のシール部10aは、左右方向幅1mmにわたって、内側領域16aと内側領域17aとの間において挟持されていた。シール部10aの内側の領域10bは、左右方向幅2mmにわたって、内側領域16aと内側領域17aとの間において挟持されていた。また、包装袋10の右側縁のシール部10aも、左右方向幅1mmにわたって、内側領域18aと内側領域19aとの間において挟持されていた。シール部10aの内側の領域10bも、左右方向幅2mmにわたって、内側領域18aと内側領域19aとの間において挟持されていた。このような寸法関係が採用された試験の結果、破れによる不良品率は3.8%であった。
【0142】
別の例では、包装袋10の左側縁のシール部10aは、左右方向幅1.4mm(<3.0mm÷2=1.5mm)にわたって、内側領域16aと内側領域17aとの間において挟持されていた。また、シール部10aの内側の領域10bは、左右方向幅1.6mmにわたって、内側領域16aと内側領域17aとの間において挟持されていた。また、包装袋10の右側縁のシール部10aも、左右方向幅1.4mm(<3.0mm÷2=1.5mm)にわたって、内側領域18aと内側領域19aとの間において挟持されていた。また、シール部10aの内側の領域10bも、左右方向幅1.6mmにわたって、内側領域18aと内側領域19aとの間において挟持されていた。
このような寸法関係が採用された試験の結果でも、破れによる不良品率は6%以下(許容できるレベル)であった。
【0143】
更に別の例では、包装袋10の左側縁のシール部10aは、左右方向幅1.6mm(>3.0mm÷2=1.5mm)にわたって、内側領域16aと内側領域17aとの間において挟持されていた。また、シール部10aの内側の領域10bは、左右方向幅1.4mmにわたって、内側領域16aと内側領域17aとの間において挟持されていた。また、包装袋10の右側縁のシール部10aも、左右方向幅1.6mm(>3.0mm÷2=1.5mm)にわたって、内側領域18aと内側領域19aとの間において挟持されていた。また、シール部10aの内側の領域10bも、左右方向幅1.4mmにわたって、内側領域18aと内側領域19aとの間において挟持されていた。
このような寸法関係が採用された試験の結果では、破れによる不良品率は10%以上(許容できないレベル)であった。
【0144】
(効果)
このように構成された本発明の第3実施形態においては、左前側パッド316と左奥側パッド317とは、互いに近接するように駆動される時、包装袋10の左側縁のシール部10aの内側の領域10bを比較的大面積で挟持すると共に包装袋10の左側縁のシール部10aを比較的小面積で挟持するようになっている。これにより、包装袋10の左側縁のシール部10aに局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部10aが破れる可能性を抑制できる。
【0145】
同様に、右前側パッド318と右奥側パッド319とは、互いに近接するように駆動される時、包装袋10の右側縁のシール部10aの内側の領域を比較的大面積で挟持すると共に包装袋10の右側縁のシール部10aを比較的小面積で挟持するようになっている。これにより、包装袋10の右側縁のシール部10aに局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部10aが破れる可能性を抑制できる。
【0146】
また、好ましくは、比較的大面積の比較的小面積に対する比は、2倍以上であるので、包装袋10の左側縁及び右側縁のシール部10aに局所的な応力がよりかかることが抑制され、当該シール部10aが破れる可能性をより抑制できる。
【0147】
本発明を実施するための形態は、前記に限定されるものではなく、さらなる他の変形例を適用できる。変形例として、左側の領域17bにも内側領域17aよりも後退した凹面が形成されていてもよい。あるいは、さらなる変形例として、左側の領域17bに凹面が形成されると共に、左側の領域16bは凹面を形成せずに内側領域16aの左側に同じ高さの平面を並んで形成していてもよい。あるいは、さらなる別の変形例として、左側の領域16b又は左側の領域17bに形成される凹面は、凹面に限られず、シール部10aを挟持しないような隙間空間Aを形成する他の形状、例えば湾曲形状や斜面形状等、に形成されてもよい。
【0148】
また、本実施形態の把持装置1は、紙製以外の包装袋10にも適用可能である。例えば、包装袋は、プラスチックを主原料とするようなポリエチレン製であってもよく、幅190mm、高さ290mm、厚み68μmのいわゆるスタンディングパウチとして形成されてもよい。包装袋10は、小麦粉等の粉体を収容し、包装袋10の予定内容物充填重量は、1kgである。当該包装袋10は、右側縁と右側縁との両方に、幅5mmのシール部10aを有していてもよい。
【0149】
また、変形例として、上述の実施形態における左グリッパと右グリッパとを自由に組み合わせて把持装置を構成できる。
【0150】
例えば、第1実施形態による左グリッパ11と、第3実施形態による右グリッパ212と、を組み合わせた態様の把持装置も、少なくとも本願出願時点では、本願発明の範囲内のものである。他の実施形態と同様に表裏を逆から見れば、左右の関係は逆になるため、左右の関係は逆であってもよい。
【0151】
他の変形例として、第1実施形態による左グリッパ11と、第4実施形態による右グリッパ312と、を組み合わせた態様の把持装置も、少なくとも本願出願時点では、本願発明の範囲内のものである。他の実施形態と同様に表裏を逆から見れば、左右の関係は逆になるため、左右の関係は逆であってもよい。
【0152】
他の変形例として、第3実施形態による左グリッパ211と、第4実施形態による右グリッパ312と、を組み合わせた態様の把持装置も、少なくとも本願出願時点では、本願発明の範囲内のものである。他の実施形態と同様に表裏を逆から見れば、左右の関係は逆になるため、左右の関係は逆であってもよい。
【0153】
更に、変形例として、上述の実施形態における左グリッパと右グリッパとのうち一方のみを備えた把持装置も、少なくとも本願出願時点では、本願発明の範囲内のものである。このような把持装置は、片側のみ、例えば左側縁にシール部を有する包装袋を把持する。包装袋は、例えば袋の側面の一か所のみにシールが設けられたサイドシールタイプの包装袋である。例えば、第1実施形態による左グリッパ11のみを備えた把持装置が構成されて、すなわち、右グリッパが省略されて、左グリッパ11のみによって包装袋が把持されてもよい。他の実施形態と同様に表裏を逆から見れば、左右の関係は逆になるため、左右の関係は逆であってもよい。
このような構成によれば、包装袋10の左側縁のシール部10aに局所的な応力がかかることがなく、当該シール部10aが破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0154】
更に、他の変形例として、上述の第2実施形態における左グリッパと右グリッパとのうち一方のみを備えた把持装置も、少なくとも本願出願時点では、本願発明の範囲内のものである。このような把持装置は、片側のみ、例えば左側縁にシール部を有する包装袋を把持する。例えば、包装袋10の位置に応じて、第2実施形態による左グリッパ111のみを備えた把持装置が構成されて、すなわち、右グリッパが省略されて、左グリッパ111のみによって包装袋が把持されてもよい。他の実施形態と同様に表裏を逆から見れば、左右の関係は逆になるため、左右の関係は逆であってもよい。このような構成によれば、包装袋10の左側縁のシール部10aに局所的な応力がかかることがなく、当該シール部10aが破れる可能性を顕著に抑制できる。
【0155】
更に、他の変形例として、上述の第3実施形態における左グリッパと右グリッパとのうち一方のみを備えた把持装置も、少なくとも本願出願時点では、本願発明の範囲内のものである。このような把持装置は、片側のみ、例えば左側縁にシール部を有する包装袋を把持する。例えば、包装袋10の位置に応じて、第3実施形態による左グリッパ211のみを備えた把持装置が構成されて、すなわち、右グリッパが省略されて、左グリッパ211のみによって包装袋が把持されてもよい。他の実施形態と同様に表裏を逆から見れば、左右の関係は逆になるため、左右の関係は逆であってもよい。このような構成によれば、左外側領域B2において包装袋10の左側縁のシール部10aの一部を挟持している状態であっても、包装袋10の左側縁のシール部10aに局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部10aが破れる可能性を抑制できる。
【0156】
更に、他の変形例として、上述の第4実施形態における左グリッパと右グリッパとのうち一方のみを備えた把持装置も、少なくとも本願出願時点では、本願発明の範囲内のものである。このような把持装置は、片側のみ、例えば左側縁にシール部を有する包装袋を把持する。例えば、包装袋10の位置に応じて、第4実施形態による左グリッパ311のみを備えた把持装置が構成されて、すなわち、右グリッパが省略されて、左グリッパ311のみによって包装袋が把持されてもよい。他の実施形態と同様に表裏を逆から見れば、左右の関係は逆になるため、左右の関係は逆であってもよい。このような構成によれば、包装袋10の左側縁のシール部10aに局所的な応力がかかることが抑制され、当該シール部10aが破れる可能性を抑制できる。
【符号の説明】
【0157】
1 把持装置
2 包装装置
10 包装袋
10a シール部
10b 内側の領域
11 左グリッパ
12 右グリッパ
16 左前側パッド
16b 左側の領域
17 左奥側パッド
17b 左側の領域
18 右前側パッド
18b 右側の領域
19 右奥側パッド
19b 右側の領域
40 金属保持部材
42 金属保持部材
図1
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