(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136679
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】ハーネス外装体及びハーネス外装体の組付け方法
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20230922BHJP
H02G 3/06 20060101ALI20230922BHJP
F16L 37/12 20060101ALI20230922BHJP
F16B 7/04 20060101ALI20230922BHJP
F16B 2/06 20060101ALI20230922BHJP
F16B 35/00 20060101ALI20230922BHJP
F16B 33/02 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H02G3/04 062
H02G3/06
F16L37/12
F16B7/04 301F
F16B2/06 A
F16B35/00 X
F16B33/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042483
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】藤原 遼祐
【テーマコード(参考)】
3J022
3J039
3J106
5G357
【Fターム(参考)】
3J022DA11
3J022EA34
3J022EB14
3J022EC14
3J022EC17
3J022ED22
3J022FA05
3J022FB04
3J022FB07
3J022FB12
3J022GA04
3J022GA12
3J022GA14
3J039AA03
3J039BB01
3J039CA01
3J106BA10
3J106BC04
3J106BD03
3J106EB01
3J106EC01
3J106ED03
3J106EE12
5G357DA05
5G357DA06
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD02
5G357DD05
5G357DG05
(57)【要約】
【課題】金属層を有する挿通管と編組線を導通可能に容易に接続できるハーネス外装体及びその組付け方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ハーネス外装体10は、ワイヤーハーネスWHを内部に挿通する挿通管20と、筒状の編組線30とが直列連結されている。そして、挿通管20は、端部が露出された金属層22を有し、露出する金属層22に被せた編組線30を固定する固定具40が備えられている。固定具40は、金属層22に被せられた編組線30に外嵌する外嵌リング50と、外嵌リング50に螺合する螺合リング60とが備えられ、挿通管20に対して編組線30が配置される方向を先端側とするとともに、その反対方向を基端側とし、外嵌リング50の外形が先端側から基端側に向かって徐々に大径化するテーパー状に形成され、外嵌リング50は、螺合リング60との螺合量に応じて縮径する
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハーネスを内部に挿通する挿通管と、筒状の編組線とが直列連結されたハーネス外装体であって、
前記挿通管は、少なくとも端部が露出された金属層を有し、
露出する前記金属層に被せた前記編組線を固定する固定具が備えられ、
前記固定具は、
前記金属層に被せられた前記編組線に外嵌する外嵌リングと、
前記外嵌リングに螺合する螺合リングとが備えられ、
前記挿通管に対して前記編組線が配置される方向を先端側とするとともに、その反対方向を基端側とし、
前記外嵌リングの外形が先端側から基端側に向かって徐々に大径化するテーパー状に形成され、
前記外嵌リングは、前記螺合リングとの螺合量に応じて縮径する
ハーネス外装体。
【請求項2】
前記外嵌リングは、
前記基端側のリング本体と、
該リング本体から前記先端側に延出される延出部とが備えられ、
該延出部は、前記リング本体に対して、周方向に複数備えられ、
前記延出部の少なくとも一部が前記テーパー状に形成された
請求項1に記載のハーネス外装体。
【請求項3】
前記延出部の内面側には、前記金属層に対して前記編組線を押し付ける凸部が設けられた
請求項2に記載のハーネス外装体。
【請求項4】
前記凸部は、前記延出部の先端を内側に向けて折り曲げて形成された
請求項3に記載のハーネス外装体。
【請求項5】
前記凸部は、前記金属層の長手方向に沿って複数設けられた
請求項3に記載のハーネス外装体。
【請求項6】
前記凸部は、周方向に複数設けられた
請求項3乃至請求項5のうちいずれかに記載のハーネス外装体。
【請求項7】
前記凸部は、長手方向に沿って複数設けられるとともに、周方向に複数設けられ、格子状に配置された
請求項3に記載のハーネス外装体。
【請求項8】
前記外嵌リングは、前記金属層より強度が低い樹脂製である
請求項1乃至請求項7のうちいずれかに記載のハーネス外装体。
【請求項9】
前記挿通管は、
前記金属層の外側を囲繞する外層と、前記金属層の内面に配置された内面層とが備えられ、
前記編組線は、前記挿通管の端部において前記外層がはがされて露出する前記金属層に固定される
請求項1乃至請求項8のうちいずれかに記載のハーネス外装体。
【請求項10】
ハーネスを内部に挿通する挿通管と、筒状の編組線とが備えられたハーネス外装体の組付け方法であって、
少なくとも端部が露出された金属層を有する前記挿通管において露出する前記金属層に前記編組線を被せ、
前記金属層に被せられた前記編組線に外嵌する外嵌リングと、前記外嵌リングに螺合する螺合リングとが備えられ、前記挿通管に対して前記編組線が配置される方向を先端側とするとともに、その反対方向を基端側として、前記外嵌リングの外形が先端側から基端側に向かって徐々に大径化するテーパー状に形成され、前記外嵌リングが前記螺合リングとの螺合量に応じて縮径する固定具で前記編組線を前記金属層に固定する
ハーネス外装体の組付け方法。
【請求項11】
前記挿通管の端部から前記金属層の内部に、露出する前記金属層を内部から支持する内支え治具を挿入し、
前記編組線を露出する前記金属層に被せ、
前記固定具で前記編組線を前記金属層に固定してから前記内支え治具を取り外す
請求項10に記載のハーネス外装体の組付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、電線を束ねたワイヤーハーネスを外装するハーネス外装体及びその組付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等に装備された電装機器は、被覆電線を束ねたワイヤーハーネス(以下において、ハーネスという)を介して、別の電装機器や電源装置と接続して電気回路を構成している。このようなハーネスは、金属層を有する挿通管の内部に挿通することでノイズの影響が及ぶことを防止している。なお、挿通管から導出されたハーネスは、挿通管の金属層と導電可能に接続された筒状の編組線の内部を挿通させることで可撓性を有する状態でシールド性を確保している。
【0003】
例えば、特許文献1では、パイプに編組線を固着する部分において、パイプの外周に編組線を被せ、その編組線の外周をカシメリングで締め付けて固定している。これにより、挿通管の金属層と編組線とを導通可能に接続できるとされている。しかしながら、パイプの外周に被せた編組線の外周にカシメリングを装着してから、編組線がずれないようにカシメリングを締め付ける必要があり、非常に手間がかかっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、容易に金属層を有する挿通管と編組線を導通可能に接続できるハーネス外装体及びその組付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、ハーネスを内部に挿通する挿通管と、筒状の編組線とが直列連結されたハーネス外装体であって、前記挿通管は、少なくとも端部が露出された金属層を有し、露出する前記金属層に被せた前記編組線を固定する固定具が備えられ、前記固定具は、前記金属層に被せられた前記編組線に外嵌する外嵌リングと、前記外嵌リングに螺合する螺合リングとが備えられ、前記挿通管に対して前記編組線が配置される方向を先端側とするとともに、その反対方向を基端側とし、前記外嵌リングの外形が先端側から基端側に向かって徐々に大径化するテーパー状に形成され、前記外嵌リングは、前記螺合リングとの螺合量に応じて縮径することを特徴とする。
【0007】
この発明により、容易に金属層を有する挿通管と編組線を導通可能に接続してハーネス外装体を構成することができる。
詳述すると、金属層を有する前記挿通管において端部から露出した金属層に被せた前記編組線に外嵌リングを外嵌させ、前記外嵌リングに螺合リングを螺合する。ここで、前記外嵌リングの外形が先端から基端側に向かって徐々に大径化するテーパー状に形成されているため、前記外嵌リングに螺合リングを螺合すると、前記外嵌リングに対する前記螺合リングの螺合量に応じて前記外嵌リングを縮径する。このように前記外嵌リングが縮径することで金属層に対して前記編組線が押し付けられるため、金属層を有する挿通管と編組線を導通可能に容易に接続することができる。
【0008】
この発明の態様として、前記外嵌リングは、前記基端側のリング本体と、該リング本体から前記先端側に延出される延出部とが備えられ、該延出部は、前記リング本体に対して、周方向に複数備えられ、前記延出部の少なくとも一部が前記テーパー状に形成されてもよい。
【0009】
この発明により、簡単な構造で、前記外嵌リングに螺合リングを螺合させ、前記外嵌リングに対する前記螺合リングの螺合量に応じて前記外嵌リングを縮径することができる。
詳述すると、前記外嵌リングは、前記基端側のリング本体から前記先端側に延出される延出部が前記リング本体に対して、周方向に複数備えられ、前記延出部がテーパー状に形成されている。このため、前記螺合リングを前記外嵌リングに対して螺合することで、前記外嵌リングに対する前記螺合リングの螺合量に応じて前記外嵌リングの延出部を縮径させて、容易に金属層を有する挿通管と編組線を導通可能に接続することができる。
【0010】
またこの発明の態様として、前記延出部の内面側には、前記金属層に対して前記編組線を押し付ける凸部が設けられてもよい。
前記凸部は、複数設けられた延出部のそれぞれに設けられてもよいし、いずれかの延出部に凸部を設けていれば全部の延出部に凸部が設けられていなくてもよい。
【0011】
この発明により、前記外嵌リングに螺合リングを螺合し、前記外嵌リングに対する前記螺合リングの螺合量に応じて前記外嵌リングを縮径する際に、凸部が編組線を前記金属層に押し付けるため、金属層と編組線との導通性を向上することができる。
【0012】
またこの発明の態様として、前記凸部は、前記延出部の先端を内側に向けて折り曲げて形成されてもよい。
この発明により、簡単な構造で凸部を形成して、編組線を前記金属層に押し付け、導通性をより向上することができる。
【0013】
またこの発明の態様として、前記凸部は、前記金属層の長手方向に沿って複数設けられてもよいし、前記凸部は、周方向に複数設けられてもよい。さらにまた、前記凸部は、長手方向に沿って複数設けられるとともに、周方向に複数設けられ、格子状に配置されてもよい。
この発明により、複数箇所で前記凸部が前記編組線を前記金属層に押し付けて、導通性をさらに向上することができる。
【0014】
またこの発明の態様として、前記外嵌リングは、前記金属層より強度が低い樹脂製であってもよい。
この発明により、前記外嵌リングに螺合リングを螺合し、前記外嵌リングに対する前記螺合リングの螺合量に応じて前記外嵌リングを縮径する際に、縮径力が大きい場合であっても、前記金属層より強度の低い前記外嵌リングが変形する。このため、前記金属層が変形することなく、金属層を有する挿通管と編組線を導通可能に容易に接続することができる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記挿通管は、前記金属層の外側を囲繞する外層と、前記金属層の内面に配置された内面層とが備えられ、前記編組線は、前記挿通管の端部において前記外層がはがされて露出する前記金属層に固定されてもよい。
この発明により、内部を挿通する前記ハーネスを内面層で保護できるとともに、前記外層で前記金属層の保護及び絶縁性を奏することができる。
【0016】
またこの発明は、ハーネスを内部に挿通する挿通管と、筒状の編組線とが備えられたハーネス外装体の組付け方法であって、少なくとも端部が露出された金属層を有する前記挿通管において露出する前記金属層に前記編組線を被せ、前記金属層に被せられた前記編組線に外嵌する外嵌リングと、前記外嵌リングに螺合する螺合リングとが備えられ、前記挿通管に対して前記編組線が配置される方向を先端側とするとともに、その反対方向を基端側として、前記外嵌リングの外形が先端側から基端側に向かって徐々に大径化するテーパー状に形成され、前記外嵌リングが前記螺合リングとの螺合量に応じて縮径する固定具で前記編組線を前記金属層に固定することを特徴とする。
【0017】
この発明により、容易に金属層を有する挿通管と編組線を導通可能に接続してハーネス外装体を構成することができる。
詳述すると、金属層を有する前記挿通管において端部から露出した金属層に被せた前記編組線に外嵌リングを外嵌させ、前記外嵌リングに螺合リングを螺合する。前記外嵌リングの外形が先端から基端側に向かって徐々に大径化するテーパー状に形成されているため、前記外嵌リングに螺合リングを螺合すると、前記外嵌リングに対する前記螺合リングの螺合量に応じて前記外嵌リングを縮径する。これにより、前記外嵌リングが縮径することで金属層に対して前記編組線が押し付けられるため、容易に金属層を有する挿通管と編組線を導通可能に接続することができる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記挿通管の端部から前記金属層の内部に、露出する前記金属層を内部から支持する内支え治具を挿入し、前記編組線を露出する前記金属層に被せ、前記固定具で前記編組線を前記金属層に固定してから前記内支え治具を取り外してもよい。
【0019】
この発明により、前記外嵌リングに螺合リングを螺合し、前記外嵌リングに対する前記螺合リングの螺合量に応じて前記外嵌リングを縮径する際に、縮径力が大きい場合であっても、内支え治具で前記金属層を内部から支持するため、前記金属層が変形することなく、金属層を有する挿通管と編組線を導通可能に容易に接続することができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、金属層を有する挿通管と編組線を導通可能に容易に接続できるハーネス外装体及びその組付け方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図8】挿通管に編組線を連結する方法の概略断面図。
【
図9】挿通管に編組線を連結する方法の概略断面図。
【
図10】挿通管に編組線を連結する方法の概略拡大断面図。
【
図11】他の実施形態におけるハーネス外装体及び固定具の概略断面図。
【
図12】挿通管に編組線を連結する他の方法の概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、ワイヤーハーネスWHを内部に挿通する挿通管20と、金属線を編んで形成された編組線30とが直列連結されたハーネス外装体10及びワイヤーハーネスWHを内部に挿通する挿通管20と、筒状の編組線30とが備えられたハーネス外装体10の組付け方法である。以下、本発明の一実施態を以下
図1乃至
図10とともに説明する。
【0023】
図1は外装体付ワイヤーハーネス1の概略斜視図を示し、
図2はハーネス外装体10の概略分解斜視図を示す。
図3は挿通管20の構成を説明する説明図を示し、
図4及び
図5は固定具40の構成する外嵌リング50を説明する説明図を示し、
図6及び
図7は固定具40の構成する螺合リング60を説明する説明図を示す。
【0024】
図3乃至
図7について詳述する。
図3(a)は挿通管20の概略平面図を示し、
図3(b)は
図3(a)におけるA-A矢視断面図を示す。
図4(a)は外嵌リング50の概略側面図を示し、
図4(b)は外嵌リング50の概略正面図を示し、
図5は
図4(a)におけるB-B矢視断面図を示す。
図6(a)は螺合リング60の概略側面図を示し、
図6(b)は螺合リング60の概略正面図を示し、
図7は
図6(a)におけるC-C矢視断面図を示す。
【0025】
図8乃至
図10は挿通管20と編組線30とを導通可能に接続する接続方法を表す概略断面図を示す。詳述すると、
図8(a)は編組線30を被せた金属層22に対して外嵌リング50を挿通させた状態の概略断面図を示し、
図8(b)は外嵌リング50に対して螺合リング60を螺合する途中の状態の概略断面図を示し、
図9は外嵌リング50に対して螺合リング60を螺合した状態の概略断面図を示す。
図10(a)は
図8(b)におけるα部の拡大概略断面図を示し、
図10(b)は
図9におけるβ部の拡大概略断面図を示す。
なお、
図8及び
図9は
図4(a)におけるB-B矢視断面に対応する概略断面図を示す。
【0026】
ここで、挿通管20の長手方向に沿って、挿通管20に対して編組線30が配置される方向を先端側とするとともに、その反対方向、すなわち、編組線30に対して挿通管20が配置される方向を基端側とする。また、先端側から挿通管20の長手方向に沿って視た図を正面図とする。
【0027】
外装体付ワイヤーハーネス1は、
図1に示すように、ワイヤーハーネスWHの一部をハーネス外装体10の内部に挿通している。ワイヤーハーネスWHは、導電性を有する複数の芯線を束ねて構成された導体の外周面を、絶縁性の絶縁被覆部で覆った電線を複数束ねて構成されている、高電圧用のものである。
なお、本実施形態において、ワイヤーハーネスWHは高電圧用としているが、これに限定されず、高電圧用でなくても構わない。
【0028】
ハーネス外装体10は、
図1に示すように、断面円形状の筒状体である挿通管20の先端部分に、金属素線を編んで構成された可撓性を有する筒状の編組線30を、固定具40を介して連結した構造である。
【0029】
挿通管20は、
図2及び
図3に示すように、内部にワイヤーハーネスWHを挿通できる程度の内径を有する断面円形状の管状体であり、一定の剛性を有している。この挿通管20は、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、径内側から内面層21、金属層22、外層23が径方向に密着した三層構造で構成されている。なお、挿通管20の先端側において外層23が剥離されているため、挿通管20の先端側では金属層22が露出している。
【0030】
内面層21は、金属層22よりも柔らかい、絶縁性能を有する絶縁樹脂で構成された断面円形状の管状体である。
金属層22は、導電性を有するアルミニウムで構成された断面円形状の管状体である。この金属層22の内周面には、内面層21が密着して配置されている。
【0031】
なお、本実施形態において、金属層22はアルミニウム製としているが、導電性を有していれば、特に限定されず、鉄や銅、ステンレスなど金属種を適宜選択することができる。
【0032】
外層23は、内面層21と同様に、絶縁性能を有する絶縁樹脂で構成され、金属層22の外周面を囲繞している。
すなわち、挿通管20は、導電性を有する金属で構成された断面円形状の管状体である金属層22の内面及び外面を、絶縁性能を有する絶縁樹脂製の内面層21及び外層23で覆った三層構造の管状体である。
【0033】
編組線30は、
図1及び
図2に示すように、錫メッキした銅製の金属素線を編んで形成された、可撓性を有する筒状の編組部材である。この編組線30は金属層22の外径と略等しい内径を有する。
なお、本実施形態において、編組線30は、一般的に用いられる錫メッキ銅線で構成されているが、アルミ線など他の金属素線で構成されていてもよい。
【0034】
挿通管20と編組線30とを連結する固定具40は、金属層22の長手方向に沿った長さよりも短い筒状体であり、
図2に示すように、基端側に配置される外嵌リング50と、外嵌リング50の先端側に螺合する螺合リング60とで構成されている。
【0035】
外嵌リング50は、金属層22よりも強度が低い樹脂製の管状体であり、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、基端側のリング本体51と、リング本体51から先端側に延出される四つの延出部52とで構成されている。
【0036】
リング本体51は、
図4(a)、
図4(b)及び
図5に示すように、金属層22の外径よりもわずかに大きい内径を有する基端部511と、基端部511の先端から突出する環状の被螺合部512とで構成されている。
【0037】
基端部511は、外層23の外径と略等しい外径と有するとともに、金属層22の外径よりもわずかに大きな内径を有する、正面視環状に形成された円筒体である。
被螺合部512は、
図4(a)、
図4(b)及び
図5に示すように、基端部511の板厚の略中央部分から先端に向けて突出する環状体である。すなわち、被螺合部512は、基端部511の内径よりも太径であるとともに、基端部511の外径よりも細形の円筒体で構成されている。この被螺合部512の外周面には螺旋状に形成されたネジ山513が径方向外側に向けて突出している。
【0038】
延出部52は、
図4(b)に示すように、リング本体51の周方向に対して所定の間隔を隔てて四つ備えられている。すなわち、延出部52は、隣接する延出部52との間に隙間を有するように、周方向に4つ並んで配置されている。
【0039】
この延出部52は、
図4(a)、
図4(b)及び
図5に示すように、被螺合部512から先端に向けて延出する正面視円弧状の延出片であり、先端側に向かうに伴い径方向内側にわずかに傾いている。また、延出部52の先端は、径方向の内側に向けて折り曲げた折曲凸部521が形成されている。なお、折曲凸部521における径方向内側の端部は、
図4(c)に示すように、わずかに丸みを帯びている。
【0040】
このようにリング本体51の周方向に対して等間隔で配置された延出部52は、先端部分の内径が基端部511の内径と略等しくなるように構成されている。すなわち、延出部52の先端部分の内径は、金属層22の外径よりもわずかに大きくなるように構成されている。
【0041】
また、周方向に隣接する延出部52と延出部52との間には所定の大きさの隙間が設けられているため、延出部52に対して径方向内側に向けた外力が作用した場合に、延出部52は縮径するように径方向内側に湾曲することができる。
【0042】
螺合リング60は、
図6及び
図7に示すように、長手方向に沿った貫通孔を有する筒状の管状体であり、長手方向における基端側に配置される螺合部61と、螺合部61の先端側に配置される先端部62とで一体に構成されている。
【0043】
螺合部61は、基端部511の外径と等しい外径を有するとともに、被螺合部512の外径と等しい内径を有する円筒形状をしている。この螺合部61の内周面には、ネジ山513と螺合可能に構成されたネジ溝611が設けられている。
なお、螺合部61の長手方向に沿った長さは被螺合部512の長手方向に沿った長さと等しい。
【0044】
先端部62は、
図6(b)及び
図7に示すように、螺合部61から先端側に向けて突出する縮径部621と、縮径部621の先端側において、基端部511の内径と略同じ径の挿通孔を有する挿通部622とで構成されている。
【0045】
縮径部621は、螺合部61の外周面と面一となる外周面と、長手方向の基端側から先端側に向かうに伴い、径方向の内側に向けて徐々に縮径する内周面とを有する円筒形状に形成されている。このように先端側に向かうに伴い、縮径する縮径部621の内周面を当接部623とする。
【0046】
当接部623の基端側は、延出部52の外周面よりもわずかに径方向内側に配置されるように、螺合部61の内周面から径方向の内側に向けてわずかに突出している。このように構成された当接部623における径方向の内側端部は角取りされ、丸みを帯びている。
【0047】
次に、このように構成された外嵌リング50及び螺合リング60を介して、挿通管20と編組線30とを連結する方法について、
図8乃至
図10に基づいて簡単に説明する。
はじめに、挿通管20における先端部分において外層23が剥離し、露出する金属層22に編組線30を被せ、さらに編組線30が被さった金属層22の径方向外側に外嵌リング50を装着する(
図8(a)参照)。
【0048】
このように編組線30が被さった金属層22に対して装着された外嵌リング50では、基端部511と編組線30との間にわずかな隙間が形成されているとともに、折曲凸部521が編組線30に対して径方向外側に離れている。このため、外嵌リング50の装着する際に、編組線30が外嵌リング50に引っかかって、金属層22から外れたり損傷したりすることを抑制できる。
【0049】
このように外嵌リング50を装着させた状態において、先端側から螺合リング60を外嵌リング50に対して接近させ、ネジ山513にネジ溝611を螺合させる(
図8(b)参照)。これにより、延出部52の外周面に当接部623の基端部分が当接し、延出部52が径方向の内側に向けて縮径するように径方向内側に向けて傾斜する(
図8(b)及び
図10(a)参照)。
【0050】
そして、さらにネジ山513とネジ溝611とを螺合させることで、当接部623が徐々に基端側に移動する。これにより、当接部623が延出部52における基端側の外周面と当接し、延出部52が径方向の内側に向けて縮径するように、径方向内側により急な角度で傾斜することとなる。換言すると、ネジ山513とネジ溝611との螺合量の増加に応じて、延出部52が径方向内側に向けて縮径することとなる。
【0051】
そして、
図9に示すように、ネジ山513とネジ溝611とをさらに螺合することで、外嵌リング50に対して螺合リング60を装着することができる。このように、外嵌リング50に対して螺合リング60が装着された状態において、当接部623が延出部52における基端部分の外周面と当接するため、延出部52が径方向内側に向けてより傾斜し、折曲凸部521が金属層22に編組線30を押し付けることとなる(
図10(b)参照)。これにより、編組線30と金属層22とが導通するように、外嵌リング50と螺合リング60とで構成される固定具40を介して挿通管20と編組線30とを接続することができる。
【0052】
また、
図10(b)に示すように、外嵌リング50に対して螺合リング60が装着された状態において、延出部52の外周面と縮径部621の内周面との間には隙間があるため、仮に延出部52の径方向内側に向けた傾斜角度が急となり金属層22に対して強固に押し付けられる場合には、折曲凸部521に反力が作用して、延出部52が径方向外側に向けて湾曲することとなる。したがって、過度に編組線30を金属層22に押圧することを防止でき、編組線30が損傷することを防止できる。
【0053】
このようにハーネス外装体10は、ワイヤーハーネスWHを内部に挿通する挿通管20と、筒状の編組線30とが直列連結されている。そして、挿通管20は、端部が露出された金属層22を有し、露出する金属層22に被せた編組線30を固定する固定具40が備えられている。固定具40は、金属層22に被せられた編組線30に外嵌する外嵌リング50と、外嵌リング50に螺合する螺合リング60とが備えられ、挿通管20に対して編組線30が配置される方向を先端側とするとともに、その反対方向を基端側とし、外嵌リング50の外形(延出部52)が先端側から基端側に向かって徐々に大径化するテーパー状に形成され、外嵌リング50は、螺合リング60との螺合量に応じて縮径する。
【0054】
これにより、金属層22を有する挿通管20と編組線30を導通可能に容易に接続してハーネス外装体10を構成することができる。
詳述すると、金属層22を有する挿通管20において端部から露出した金属層22に被せた編組線30に外嵌リング50を外嵌させ、外嵌リング50に螺合リング60を螺合する。ここで、外嵌リング50の外形(延出部52)が先端から基端側に向かって徐々に大径化するテーパー状に形成されているため、外嵌リング50に螺合リング60を螺合すると、外嵌リング50に対する螺合リング60の螺合量に応じて外嵌リング50を縮径する。このように外嵌リング50が縮径することで金属層22に対して編組線30が押し付けられるため、金属層22を有する挿通管20と編組線30を導通可能に容易に接続することができる。
【0055】
また、外嵌リング50は、基端側のリング本体51と、リング本体51から先端側に延出される延出部52とが備えられ、延出部52は、リング本体51に対して、周方向に複数(四つ)備えられ、延出部52の少なくとも一部がテーパー状に形成されている。
【0056】
これにより、簡単な構造で、外嵌リング50に螺合リング60を螺合させ、外嵌リング50に対する螺合リング60の螺合量に応じて外嵌リング50を縮径することができる。
詳述すると、外嵌リング50において、基端側のリング本体51から先端側に延出されるとともに、リング本体51に対して周方向に四つ備えられた延出部52がテーパー状に形成されているため、螺合リング60を外嵌リング50に対して螺合することで、外嵌リング50に対する螺合リング60の螺合量に応じて外嵌リング50の延出部52を縮径する。そして、このように縮径された延出部52により、金属層22を有する挿通管20と編組線30を導通可能に容易に接続することができる。
【0057】
また、延出部52の内面側には、金属層22に対して編組線30を押し付ける折曲凸部521が設けられている。このため、外嵌リング50に螺合リング60を螺合し、外嵌リング50に対する螺合リング60の螺合量に応じて外嵌リング50を縮径する際に、折曲凸部521が編組線30を金属層22に押し付けることができる。これにより、金属層22と編組線30とを確実に接続することができるため、金属層22と編組線30との導通性を向上することができる。
【0058】
さらにまた、折曲凸部521は、延出部52の先端を内側に向けて折り曲げて形成されていることにより、簡単な構造で折曲凸部521を形成することができる。したがって、簡単な構造で、編組線30を金属層22に押し付けることができ、導通性をより向上することができる。
【0059】
また、折曲凸部521は、周方向に複数設けられていることにより、複数箇所において折曲凸部521で編組線30を金属層22に押し付けることができ、導通性をさらに向上することができる。
【0060】
さらにまた、外嵌リング50は、金属層22より強度が低い樹脂製であることにより、外嵌リング50に螺合リング60を螺合し、外嵌リング50に対する螺合リング60の螺合量に応じて外嵌リング50を縮径する際に、縮径力が大きい場合であっても、金属層22より強度の低い外嵌リング50が変形するため、金属層22が変形することなく、金属層22を有する挿通管20と編組線30を導通可能に容易に接続することができる。
【0061】
また、挿通管20は、金属層22の外側を囲繞する外層23と、金属層22の内面に配置された内面層21とが備えられ、編組線30は、挿通管20の端部において外層23がはがされて露出する金属層22に固定されていることにより、内部を挿通するワイヤーハーネスWHを内面層21で保護できるとともに、外層23で金属層22の保護及び絶縁性を奏することができる。
【0062】
この発明の構成と、実施形態との対応において、この発明の
ハーネスは、ワイヤーハーネスWHに対応し、
以下同様に、
挿通管は、挿通管20に対応し、
編組線は、編組線30に対応し、
ハーネス外装体は、ハーネス外装体10に対応し、
金属層は、金属層22に対応し、
固定具は、固定具40に対応し、
外嵌リングは、外嵌リング50に対応し、
螺合リングは、螺合リング60に対応し、
リング本体は、リング本体51に対応し、
延出部は、延出部52に対応し、
凸部は、折曲凸部521に対応し、
外層は、外層23に対応し、
内面層は、内面層21に対応するも、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施形態を得ることができる。
【0063】
例えば、本実施形態において、延出部52は、周方向に等間隔に四つ設けているが、その数は適宜変更しても構わない。
また、本実施形態では、折曲凸部521は、周方向に配置された四つの延出部52にそれぞれ設けられているが、例えば、互いに対向する二つの延出部52に設け、折曲凸部521が設けられた延出部52と隣接する延出部52には設けないなど、適宜個数は調整してもよい。
【0064】
また、上述の実施形態では、折曲凸部521は延出部52の先端部分を径方向の内側に向けて湾曲することで形成されているが、このような構成に限定されず、例えば、先端部分が直線状の直線延出部52aから径方向の内側に向けて突出する突出凸部522などが設けられてもよい(
図11参照)。
【0065】
また、上述の実施形態では、折曲凸部521は延出部52の先端に設けられているが、例えば
図11(a)に示すように、突出凸部522を直線延出部52aの長手方向に沿って複数設けてもよいし、
図11(b)に示すように、直線延出部52aの内周面から略半球状に突出する球状凸部523を長手方向に沿って複数設けられるとともに、周方向に複数設けられ、格子状に配置してもよい。
【0066】
以下、突出凸部522や球状凸部523が設けられた外嵌リング50について、
図11に基づき簡単に説明する。
図11(a)は正面視円弧状に形成された突出凸部522が長手方向に沿って複数設けられたハーネス外装体10の概略断面図を示し、
図11(b)は径方向内側に向けて突出する略半球状の球状凸部523が格子状に設けられた外嵌リング50及び螺合リング60の概略断面図を示す。
ここで、
図11において、ハーネス外装体10と同様の構成については同じ符号を付してその説明は省略し、特徴的な構成について詳細に説明する。
【0067】
直線延出部52aは、延出部52と同様に、リング本体51の先端から長手方向に沿って延出する、正面視円弧状の延出片であり、リング本体51の周方向に対して所定の間隔を隔てて四つ備えられている。なお直線延出部52aの先端部分は、延出部52と異なり直線状に形成されている。
【0068】
直線延出部52aに設けられた突出凸部522は、直線延出部52aの先端部分及び直線延出部52aの中央部分において、径方向内側に向けて突出している。このように構成された突出凸部522は、直線延出部52aの周方向に沿って形成されている。すなわち、突出凸部522は、直線延出部52aの内周面から正面視円弧状に形成されている。
また、直線延出部52aの先端側に設けられた突出凸部522は、直線延出部52aの中央部分に設けられた突出凸部522よりも突出量が小さく構成されている。
【0069】
このように構成された外嵌リング50に対して螺合リング60を螺合した場合、直線延出部52aに当接部623が当接し、直線延出部52aが径方向内側に向けて縮径するように径方向内側に湾曲する。これにより、直線延出部52aの先端及び中央部分に設けた複数の突出凸部522が、協働して編組線30を金属層22に押し付けることができる(
図11(a)参照)。
【0070】
球状凸部523は、
図11(b)に示すように、直線延出部52aの先端部分、中央部分及び基端部分において、内周面から径方向内側に向けて半球状に突出している。この球状凸部523は、直線延出部52aの先端側及び基端側において、周方向の両端部分にそれぞれ設けられ、直線延出部52aの中央部分において、周方向の中央に一つ設けられている。すなわち、半球状に突出する球状凸部523は、直線延出部52aの内周面において、長手方向に沿って複数設けられるとともに、周方向に複数設けられ、格子状に配置されている。
【0071】
なお、直線延出部52aの先端側に設けられた球状凸部523は、突出凸部522と同様に、直線延出部52aの中央部分に設けられた球状凸部523よりも突出量が小さく構成されている。また、直線延出部52aの中央部分に設けられた球状凸部523は、直線延出部52aの基端側に設けられた球状凸部523よりも突出量が小さく構成されている。すなわち、球状凸部523は先端側から基端側向かうに伴い、突出量が大きくなる。
【0072】
このように構成された外嵌リング50に対して螺合リング60を螺合することで、直線延出部52aに当接部623が当接して直線延出部52aが径方向内側に向けて縮径するように径方向内側に湾曲する。これにより、直線延出部52aの内周面に設けられた複数の球状凸部523が協働して編組線30を金属層22に押し付けることができる(
図11(a)参照)。
【0073】
このように、突出凸部522が、長手方向に沿って複数設けられている、あるいは、球状凸部523が、長手方向に沿って複数設けられるとともに、周方向に複数設けられ、格子状に配置されることにより、複数箇所において編組線30を金属層22に押し付けることができ、導通性をさらに向上することができる。
【0074】
さらにまた、本実施形態では、金属層22に被せた外嵌リング50に対して、螺合リング60を螺合させることで挿通管20と編組線30とを連結しているが、例えば
図12に示すように、螺合リング60を螺合する前に、挿通管20の内部に内支え治具70を挿入して、外嵌リング50に対する螺合リング60の螺合による内面層21及び金属層22の変形を規制してもよい。以下、内支え治具70を用いた挿通管20と編組線30とを接続する接続工程を
図12に基づき簡単に説明する。
【0075】
ここで、
図12は内支え治具70を用いた挿通管20と編組線30とを導通可能に接続する接続工程を表す概略断面図を示す。詳述すると、
図12(a)は編組線30を被せた金属層22に対して内支え治具70を挿通させた状態の概略断面図を示し、
図12(b)外嵌リング50に対して螺合リング60を螺合した状態の概略断面図を示す。
【0076】
内支え治具70は、内面層21の内径と略同じ外径を有する円柱状の支持部71と、支持部71の中心から先端側に向けて長手方向に沿って延出する軸部72とで構成されており、編組線30及び挿通管20に先端側から挿入することができる。
【0077】
このように構成された内支え治具70を用いた挿通管20と編組線30の接続方法では、
図12(a)に示すように、露出した金属層22に編組線30を被せた状態で、金属層22に対応する位置に支持部71が配置されるように挿通管20及び編組線30に内支え治具70を挿入する。
【0078】
このように内支え治具70を挿通管20の内部に挿入した状態において、金属層22に配置した外嵌リング50に対して螺合リング60を螺合する。これにより、延出部52が径方向内側に向けて縮径するように傾斜し、折曲凸部521が編組線30を金属層22に押し付けることとなる(
図12(b)参照)。この際に、支持部71が内面層21及び金属層22を支持しているため、外嵌リング50に対する螺合リング60の螺合により、折曲凸部521が金属層22を過度に押圧して、内面層21及び金属層22が径方向内側に向けて変形することを抑制できる。これにより、内面層21の形状を維持しつつ、金属層22と編組線30とを確実に導通することができる。
【0079】
そして、軸部72を先端側に引っ張ることで、内支え治具70を挿通管20及び編組線30から引き抜くことで、内面層21及び金属層22の変形を抑制しつつ、金属層22と編組線30とが導通するように接続されたハーネス外装体10を製造することができる。
【0080】
このように、挿通管20の端部から金属層22の内部に、露出する金属層22を内部から支持する内支え治具70を挿入し、編組線30を露出する金属層22に被せ、固定具40で編組線30を金属層22に固定してから内支え治具70を取り外すことにより、外嵌リング50に螺合リング60を螺合し、外嵌リング50に対する螺合リング60の螺合量に応じて外嵌リング50を縮径する際に、縮径力が大きい場合であっても、内支え治具70で金属層22を内部から支持するため、金属層22が変形することなく、金属層22を有する挿通管20と編組線30を導通可能に容易に接続することができる。したがって、確実に挿通管20の内部にワイヤーハーネスWHを挿通できるとともに、ノイズがワイヤーハーネスWHに影響することを防止できるハーネス外装体10を形成できる。
【符号の説明】
【0081】
10 ハーネス外装体
20 挿通管
21 内面層
22 金属層
23 外層
30 編組線
40 固定具
50 外嵌リング
51 リング本体
52 延出部
521 折曲凸部
522 突出凸部
523 球状凸部
60 螺合リング
70 内支え治具
WH ワイヤーハーネス