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特開2023-136823半導体装置、半導体装置の製造方法、インバータ回路、駆動装置、車両、及び、昇降機
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136823
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】半導体装置、半導体装置の製造方法、インバータ回路、駆動装置、車両、及び、昇降機
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20230922BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20230922BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H01L29/78 652B
H01L29/78 653C
H01L29/78 652M
H01L29/78 652J
H01L29/78 652F
H01L29/78 652S
H01L29/78 652T
H01L29/78 658A
H01L29/78 658F
H01L29/78 658E
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042733
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】木本 真一
(72)【発明者】
【氏名】飯島 良介
(72)【発明者】
【氏名】原田 信介
(57)【要約】
【課題】高い閾値電圧が実現できる半導体装置を提供する。
【解決手段】実施形態の半導体装置は、第1の面と第2の面と、を有する炭化珪素層と、炭化珪素層の中に位置し第1の方向の延びるトレンチと、トレンチの中のゲート電極と、ゲート絶縁層と、n型の第1の炭化珪素領域と、第1の炭化珪素領域と第1の面との間の、トレンチよりも浅いp型の第2の炭化珪素領域と、第2の炭化珪素領域と第1の面との間に位置し、トレンチの第1の側面に接する第1の領域と、トレンチの第2の側面に接する第2の領域とを含むn型の第3の炭化珪素領域と、第3の炭化珪素領域と第1の面との間に位置し、第1の側面及び第1の領域に接する第3の領域と、第2の側面及び第2の領域に接する第4の領域とを含み、第1の方向に垂直な第2の方向の幅が第3の炭化珪素領域よりも小さいn型の第4の炭化珪素領域と、第4の炭化珪素領域に接する第1の電極と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向及び前記第1の方向に垂直な第2の方向に平行な第1の面と、前記第1の面に平行な第2の面と、を有する炭化珪素層と、
前記炭化珪素層の中に存在し、前記炭化珪素層の前記第1の面の側に位置し、前記第1の方向に延伸し、第1の側面と、第2の側面とを有する第1のトレンチと、
前記第1のトレンチの中に位置する第1のゲート電極と、
前記第1のゲート電極と前記炭化珪素層との間に位置する第1のゲート絶縁層と、
前記炭化珪素層の中に位置するn型の第1の炭化珪素領域と、
前記炭化珪素層の中に位置し、前記第1の炭化珪素領域と前記第1の面との間に位置し、前記第1のトレンチの前記第1の面からの深さよりも前記第1の面からの深さが浅いp型の第2の炭化珪素領域と、
前記炭化珪素層の中に位置し、前記第2の炭化珪素領域と前記第1の面との間に位置し、前記第1の側面に接する第1の領域と、前記第2の側面に接する第2の領域とを含み、前記第2の方向の幅が第1の幅であるn型の第3の炭化珪素領域と、
前記炭化珪素層の中に位置し、前記第3の炭化珪素領域と前記第1の面との間に位置し、前記第1の側面及び前記第1の領域に接する第3の領域と、前記第2の側面及び前記第2の領域に接する第4の領域とを含み、前記第2の方向の幅が前記第1の幅よりも小さい第2の幅であるn型の第4の炭化珪素領域と、
前記炭化珪素層に対し、前記第1の面の側に位置し、前記第4の炭化珪素領域に接する第1の電極と、
前記炭化珪素層に対し、前記第2の面の側に位置する第2の電極と、
前記第1のゲート電極と前記第1の電極との間に設けられた層間絶縁層と、
を備える、半導体装置。
【請求項2】
前記第1の電極は、前記第1の側面及び前記第2の側面に接する請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第3の領域の前記第2の方向の幅は、前記第1の領域の前記第2の方向の幅よりも小さく、
前記第4の領域の前記第2の方向の幅は、前記第2の領域の前記第2の方向の幅よりも小さい請求項1又は請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の幅と前記第2の幅の差は、0.1μm以上である請求項1ないし請求項3いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項5】
前記炭化珪素層の前記第3の炭化珪素領域及び前記第2の炭化珪素領域を含む部分の、前記第1の面から前記第2の面に向かう方向のn型不純物プロファイルにおいて、前記第2の炭化珪素領域の側の裾のプロファイルの標準偏差が0.08μm以下である請求項1ないし請求項4いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第3の炭化珪素領域は、窒素(N)又はリン(P)を含む請求項1ないし請求項5いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項7】
前記層間絶縁層と前記第1の電極との界面の少なくとも一部は、前記第1のトレンチの中に位置する請求項1ないし請求項6いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項8】
前記炭化珪素層の中に存在し、前記炭化珪素層の前記第1の面の側に位置し、前記第1の方向に延伸し、前記第1のトレンチに対し前記第2の方向に位置し、前記第2の側面に対向する第3の側面と、第4の側面とを有する第2のトレンチと、
前記第2のトレンチの中に位置する第2のゲート電極と、
前記第2のゲート電極と前記炭化珪素層との間に位置する第2のゲート絶縁層と、
前記炭化珪素層の中に位置し、前記第2の炭化珪素領域と前記第1の面との間に位置し、前記第3の側面に接する第5の領域と、前記第4の側面に接する第6の領域とを含み、前記第2の方向の幅が第3の幅であるn型の第5の炭化珪素領域と、
前記炭化珪素層の中に位置し、前記第5の炭化珪素領域と前記第1の面との間に位置し、前記第3の側面及び前記第5の領域に接する第7の領域と、前記第4の側面及び前記第6の領域に接する第8の領域とを含み、前記第2の方向の幅が前記第3の幅よりも小さい第4の幅であるn型の第6の炭化珪素領域と、
を更に備え、
前記第3の炭化珪素領域と前記第5の炭化珪素領域との間に、前記第2の炭化珪素領域が位置する請求項1ないし請求項7いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第2の炭化珪素領域と前記第1の面との間に位置し、前記第2の炭化珪素領域のp型不純物濃度よりもp型不純物濃度が高いp型の第7の炭化珪素領域を、更に備え、
前記第1の電極は前記第7の炭化珪素領域に接する請求項1ないし請求項8いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9いずれか一項記載の半導体装置を備えるインバータ回路。
【請求項11】
請求項1ないし請求項9いずれか一項記載の半導体装置を備える駆動装置。
【請求項12】
請求項1ないし請求項9いずれか一項記載の半導体装置を備える車両。
【請求項13】
請求項1ないし請求項9いずれか一項記載の半導体装置を備える昇降機。
【請求項14】
n型の第1の炭化珪素層に、p型不純物をイオン注入してp型の第1の領域を形成し、
前記第1の炭化珪素層の上に、前記第1の領域が露出する第1の開口部を有する第1のマスク材を形成し、
前記第1のマスク材をマスクに、前記第1の開口部から前記第1の領域にn型不純物をイオン注入して、前記第1の領域より深さの浅いn型の第2の領域を形成し、
前記第1のマスク材を剥離し、
前記第1の炭化珪素層の上に、エピタキシャル成長法を用いてp型の第2の炭化珪素層を形成し、
前記第2の炭化珪素層の上に、前記第2の領域の上部の前記第2の炭化珪素層が露出する第2の開口部を有する第2のマスク材を形成し、
前記第2のマスク材をマスクに、前記第2の開口部から前記第2の炭化珪素層にn型不純物をイオン注入して、前記第2の領域に接するn型の第3の領域を形成し、
前記第2の開口部に側壁を形成し、
前記第2のマスク材及び前記側壁をマスクに、前記第3の領域、前記第2の領域、及び前記第1の領域を貫通するトレンチを形成し、
前記トレンチの中にゲート絶縁層を形成し、
前記トレンチの中の前記ゲート絶縁層の上に、上面が前記トレンチの中に位置するゲート電極を形成する半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記トレンチは、前記第2の炭化珪素層の表面に平行な第1の方向に延び、
前記第2の開口部の、前記第1の方向に垂直で前記表面に平行な第2の方向の幅は、前記第2の領域の前記第2の方向の幅よりも小さい請求項14記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記ゲート電極を形成した後、前記ゲート電極の上の前記トレンチの中を絶縁層で埋め込み、
前記絶縁層を、少なくとも前記トレンチの側面の一部が露出するようにエッチングし、
前記トレンチの側面において、前記第3の領域と接する電極を形成する請求項14又は請求項15記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第2の炭化珪素層を形成した後、前記第2のマスク材を形成する前に、
前記第2の炭化珪素層にp型不純物をイオン注入してp型の第4の領域を形成し、
前記第3の領域を形成する前に、前記第2のマスク材をマスクに前記第4の領域を貫通する凹部を形成し、
前記凹部の形成後に、前記第3の領域を形成する請求項14ないし請求項16いずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記第2の領域を形成する際に、イオン注入するn型不純物がリン(P)の場合、350keV以下の加速エネルギーでイオン注入を行い、イオン注入するn型不純物が窒素(N)の場合、450keV以下の加速エネルギーでイオン注入を行う請求項14ないし請求項17いずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置、半導体装置の製造方法、インバータ回路、駆動装置、車両、及び、昇降機に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代の半導体デバイス用の材料として炭化珪素(SiC)が期待されている。炭化珪素はシリコンと比較して、バンドギャップが約3倍、破壊電界強度が約10倍、熱伝導率が約3倍と優れた物性を有する。この物性を活用すれば低損失かつ高温動作可能な半導体デバイスを実現することができる。
【0003】
炭化珪素を用いた縦型のMetal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor(MOSFET)において、低いオン抵抗を実現するために、トレンチの中にゲート電極を設けるトレンチゲート構造が適用される。トレンチゲート構造を適用することで、単位面積あたりのチャネル面積が増加し、オン抵抗が低減される。トレンチゲート構造のMOSFETでは、高い閾値電圧の実現が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5800162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、高い閾値電圧が実現できる半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の半導体装置は、第1の方向及び前記第1の方向に垂直な第2の方向に平行な第1の面と、前記第1の面に平行な第2の面と、を有する炭化珪素層と、前記炭化珪素層の中に存在し、前記炭化珪素層の前記第1の面の側に位置し、前記第1の方向に延伸し、第1の側面と、第2の側面とを有する第1のトレンチと、前記第1のトレンチの中に位置する第1のゲート電極と、前記第1のゲート電極と前記炭化珪素層との間に位置する第1のゲート絶縁層と、前記炭化珪素層の中に位置するn型の第1の炭化珪素領域と、前記炭化珪素層の中に位置し、前記第1の炭化珪素領域と前記第1の面との間に位置し、前記第1のトレンチの前記第1の面からの深さよりも前記第1の面からの深さが浅いp型の第2の炭化珪素領域と、前記炭化珪素層の中に位置し、前記第2の炭化珪素領域と前記第1の面との間に位置し、前記第1の側面に接する第1の領域と、前記第2の側面に接する第2の領域とを含み、前記第2の方向の幅が第1の幅であるn型の第3の炭化珪素領域と、前記炭化珪素層の中に位置し、前記第3の炭化珪素領域と前記第1の面との間に位置し、前記第1の側面及び前記第1の領域に接する第3の領域と、前記第2の側面及び前記第2の領域に接する第4の領域とを含み、前記第2の方向の幅が前記第1の幅よりも小さい第2の幅であるn型の第4の炭化珪素領域と、前記炭化珪素層に対し、前記第1の面の側に位置し、前記第4の炭化珪素領域に接する第1の電極と、前記炭化珪素層に対し、前記第2の面の側に位置する第2の電極と、前記第1のゲート電極と前記第1の電極との間に設けられた層間絶縁層と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図2】第1の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図3】第1の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図。
図4】第1の実施形態の半導体装置のn型不純物濃度のプロファイルを示す図。
図5】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図6】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図7】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図8】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図9】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図10】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図11】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図12】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図13】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図14】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図15】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図16】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図17】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図18】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図19】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図20】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図21】第1の実施形態の変形例の半導体装置の模式断面図。
図22】第2の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図23】第2の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図24】第2の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図。
図25】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図26】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図27】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図28】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図29】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図30】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図31】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図32】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図33】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図34】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図35】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図36】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図37】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図38】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図39】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図40】第2の実施形態の変形例の半導体装置の模式断面図。
図41】第3の実施形態の駆動装置の模式図。
図42】第4の実施形態の車両の模式図。
図43】第5の実施形態の車両の模式図。
図44】第6の実施形態の昇降機の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一又は類似の部材等には同一の符号を付し、一度説明した部材等については適宜その説明を省略する。
【0009】
また、以下の説明において、n、n、n及び、p、p、pの表記を用いる場合、これらの表記は、各導電型における不純物濃度の相対的な高低を表す。すなわちnはnよりもn型の不純物濃度が相対的に高く、nはnよりもn型の不純物濃度が相対的に低いことを示す。また、pはpよりもp型の不純物濃度が相対的に高く、pはpよりもp型の不純物濃度が相対的に低いことを示す。なお、n型、n型を単にn型、p型、p型を単にp型と記載する場合もある。
【0010】
不純物濃度は、例えば、Secondary Ion Mass Spectrometry(SIMS)により測定することが可能である。また、不純物濃度の相対的な高低は、例えば、Scanning Capacitance Microscopy(SCM)で求められるキャリア濃度の高低から判断することも可能である。また、不純物領域の幅や深さ等の距離は、例えば、SIMSで求めることが可能である。また。不純物領域の幅や深さ等の距離は、例えば、SCM像から求めることが可能である。
【0011】
トレンチの幅、トレンチの間隔、トレンチの深さ、絶縁層の厚さ等は、例えば、Transmission Electron Microscope(TEM)の画像上で計測することが可能である。
【0012】
本明細書中、特定の領域の不純物濃度とは、別段の定義がない場合は、該当する領域の中央部の不純物濃度で代表させる。
【0013】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の半導体装置は、第1の方向及び第1の方向に垂直な第2の方向に平行な第1の面と、第1の面に平行な第2の面と、を有する炭化珪素層と、炭化珪素層の中に存在し、炭化珪素層の第1の面の側に位置し、第1の方向に延伸し、第1の側面と、第2の側面とを有する第1のトレンチと、第1のトレンチの中に位置する第1のゲート電極と、第1のゲート電極と炭化珪素層との間に位置する第1のゲート絶縁層と、炭化珪素層の中に位置するn型の第1の炭化珪素領域と、炭化珪素層の中に位置し、第1の炭化珪素領域と第1の面との間に位置し、第1のトレンチの第1の面からの深さよりも第1の面からの深さが浅いp型の第2の炭化珪素領域と、炭化珪素層の中に位置し、第2の炭化珪素領域と第1の面との間に位置し、第1の側面に接する第1の領域と、第2の側面に接する第2の領域とを含み、第2の方向の幅が第1の幅であるn型の第3の炭化珪素領域と、炭化珪素層の中に位置し、第3の炭化珪素領域と第1の面との間に位置し、第1の側面及び第1の領域に接する第3の領域と、第2の側面及び第2の領域に接する第4の領域とを含み、第2の方向の幅が第1の幅よりも小さい第2の幅であるn型の第4の炭化珪素領域と、炭化珪素層に対し、第1の面の側に位置し、第4の炭化珪素領域に接する第1の電極と、炭化珪素層に対し、第2の面の側に位置する第2の電極と、第1のゲート電極と第1の電極との間に設けられた層間絶縁層と、を備える。
【0014】
また、第1の実施形態の半導体装置は、炭化珪素層の中に存在し、炭化珪素層の第1の面の側に位置し、第1の方向に延伸し、第1のトレンチに対し第2の方向に位置し、第2の側面に対向する第3の側面と、第4の側面とを有する第2のトレンチと、第2のトレンチの中に位置する第2のゲート電極と、第2のゲート電極と炭化珪素層との間に位置する第2のゲート絶縁層と、炭化珪素層の中に位置し、第2の炭化珪素領域と第1の面との間に位置し、第3の側面に接する第5の領域と、第4の側面に接する第6の領域とを含み、第2の方向の幅が第3の幅であるn型の第5の炭化珪素領域と、炭化珪素層の中に位置し、第5の炭化珪素領域と第1の面との間に位置し、第3の側面及び第5の領域に接する第7の領域と、第4の側面及び第6の領域に接する第8の領域とを含み、第2の方向の幅が第3の幅よりも小さい第4の幅であるn型の第6の炭化珪素領域と、を更に備える。そして、第3の炭化珪素領域と第5の炭化珪素領域との間に、第2の炭化珪素領域が位置する。
【0015】
図1は、第1の実施形態の半導体装置の模式断面図である。第1の実施形態の半導体装置は、炭化珪素を用いたトレンチゲート型の縦型MOSFET100である。MOSFET100は、電子をキャリアとするnチャネル型のMOSFETである。
【0016】
図2は、第1の実施形態の半導体装置の模式断面図である。図2は、図1のFx面における断面図である。図1は、図2のAA’断面である。
【0017】
図3は、第1の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図である。図3は、図1の一部を拡大した図である。
【0018】
MOSFET100は、炭化珪素層10、第1のトレンチ11、第1のゲート電極12、第1のゲート絶縁層13、第2のトレンチ21、第2のゲート電極22、第2のゲート絶縁層23、ソース電極41(第1の電極)、ドレイン電極42(第2の電極)、層間絶縁層43を備える。
【0019】
以下、第1のトレンチ11及び第2のトレンチ21を総称して、トレンチと記載する場合がある。また、第1のゲート電極12及び第2のゲート電極22を総称して、ゲート電極と記載する場合がある。また、第1のゲート絶縁層13及び第2のゲート絶縁層23を総称して、ゲート絶縁層と記載する場合がある。
【0020】
炭化珪素層10の中には、n型のドレイン領域50、n型のドリフト領域51(第1の炭化珪素領域)、p型のボディ領域52(第2の炭化珪素領域)、n型の第1の下部ソース領域53a(第3の炭化珪素領域)、n型の第2の下部ソース領域53b(第5の炭化珪素領域)、n型の第1の上部ソース領域54a(第4の炭化珪素領域)、n型の第2の上部ソース領域54b(第6の炭化珪素領域)、p型のコンタクト領域55(第7の炭化珪素領域)、及びp型の電界緩和領域56が設けられる。
【0021】
以下、第1の下部ソース領域53a及び第2の下部ソース領域53bを総称して、下部ソース領域53と記載する場合がある。また、第1の上部ソース領域54a及び第2の上部ソース領域54bを総称して、上部ソース領域54と称する場合がある。
【0022】
炭化珪素層10は、単結晶のSiCである。炭化珪素層10は、例えば、4H-SiCである。
【0023】
炭化珪素層10は、第1の面(図1中“F1”)と第2の面(図1中“F2”)とを備える。第1の面F1と第2の面F2は対向する。第1の面F1と第2の面F2は平行である。以下、第1の面F1を表面、第2の面F2を裏面とも称する。なお、以下、「深さ」とは、第1の面F1を基準とした第2の面F2に向かう方向の深さを意味する。
【0024】
図1ないし図3中、第1の方向及び第2の方向は第1の面F1に対して平行な方向である。また、第2の方向は第1の方向に対して垂直な方向である。
【0025】
図1ないし図3中、第3の方向は、第1の方向及び第2の方向に垂直な方向である。第3の方向は、第1の面F1から第2の面F2に向かう方向である。以下、第3の方向を深さ方向と称する場合がある。
【0026】
第1の面F1は、例えば、(0001)面に対し0度以上8度以下傾斜した面である。すなわち、法線が[0001]方向のc軸に対し0度以上8度以下傾斜した面である。言い換えれば、(0001)面に対するオフ角が0度以上8度以下である。また、第2の面F2は、例えば、(000-1)面に対し0度以上8度以下傾斜した面である。
【0027】
(0001)面はシリコン面と称される。(000-1)面はカーボン面と称される。第1の面F1及び第2の面F2の傾斜方向は、例えば、[11-20]方向である。[11-20]方向は、a軸方向である。図1では、例えば、図中に示す第2の方向がa軸方向である。
【0028】
第1のトレンチ11及び第2のトレンチ21は、炭化珪素層10の中に存在する。第1のトレンチ11及び第2のトレンチ21は、炭化珪素層10の表面側に位置する。第1のトレンチ11及び第2のトレンチ21は、図2に示すように第1の方向に延伸する。
【0029】
第1のトレンチ11及び第2のトレンチ21の第2の方向の幅は、例えば、第1のトレンチ11と第2のトレンチ21との間の距離よりも小さい。
【0030】
第1のトレンチ11及び第2のトレンチ21の第2の方向の幅は、例えば、0.3μm以上1μm以下である。第1のトレンチ11と第2のトレンチ21との間の距離は、例えば、0.5μm以上2μm以下である。第1のトレンチ11及び第2のトレンチ21の深さは、例えば、1μm以上3μm以下である。
【0031】
第1のトレンチ11及び第2のトレンチ21を含む複数のトレンチが、第2の方向に繰り返し配置される。複数のトレンチの第2の方向の繰り替えしピッチは、例えば、1μm以上5μm以下である。
【0032】
第1のトレンチ11は、第1の側面11aと、第2の側面11bと、第1の底面11cを有する。第1の底面11cは、第1の側面11aと第2の側面11bの間に設けられる。
【0033】
第1のゲート電極12は、第1のトレンチ11の中に設けられる。第1のゲート電極12は、ソース電極41とドレイン電極42との間に設けられる。第1のゲート電極12は、第1の方向に延伸する。
【0034】
第1のゲート絶縁層13は、第1のゲート電極12と炭化珪素層10との間に設けられる。第1のゲート絶縁層13は、第1の下部ソース領域53a、ボディ領域52、ドリフト領域51、及び、電界緩和領域56の各領域と、第1のゲート電極12との間に設けられる。
【0035】
第2のトレンチ21は、第3の側面21aと、第4の側面21bと、第2の底面21cを有する。第2の底面21cは、第3の側面21aと第4の側面21bの間に設けられる。第3の側面21aは、第2の側面11bに対向する。
【0036】
第2のゲート電極22は、第2のトレンチ21の中に設けられる。第2のゲート電極22は、ソース電極41とドレイン電極42との間に設けられる。第2のゲート電極22は、第1の方向に延伸する。
【0037】
第2のゲート絶縁層23は、第2のゲート電極22と炭化珪素層10との間に設けられる。第2のゲート絶縁層23は、第2の下部ソース領域53b、ボディ領域52、ドリフト領域51、及び、電界緩和領域56の各領域と、第2のゲート電極22との間に設けられる。
【0038】
第1のゲート電極12及び第2のゲート電極22は、導電層である。第1のゲート電極12及び第2のゲート電極22は、例えば、p型不純物又はn型不純物を含む多結晶質シリコンである。
【0039】
第1のゲート絶縁層13及び第2のゲート絶縁層23は、例えば、シリコン酸化膜である。第1のゲート絶縁層13及び第2のゲート絶縁層23には、例えば、High-k絶縁膜(HfSiON,ZrSiON,AlONなどの高誘電率絶縁膜)が適用可能である。また、第1のゲート絶縁層13及び第2のゲート絶縁層23には、例えば、シリコン酸化膜(SiO)とHigh-K絶縁膜との積層膜も適用可能である。
【0040】
層間絶縁層43は、第1のゲート電極12の上、及び、第2のゲート電極22の上に設けられる。層間絶縁層43は、第1のゲート電極12とソース電極41との間、及び、第2のゲート電極22とソース電極41との間に設けられる。
【0041】
層間絶縁層43とソース電極41との界面の少なくとも一部は、第1のトレンチ11の中に位置する。層間絶縁層43とソース電極41との界面の少なくとも一部は、第2のトレンチ21の中に位置する。
【0042】
層間絶縁層43は、例えば、シリコン酸化膜である。
【0043】
ソース電極41は、炭化珪素層10の表面側に設けられる。ソース電極41は、炭化珪素層10の表面上に設けられる。ソース電極41は、ボディ領域52、上部ソース領域54、下部ソース領域53、及びコンタクト領域55に電気的に接続される。ソース電極41は、上部ソース領域54、及びコンタクト領域55に接する。
【0044】
ソース電極41は、第1のトレンチ11の第1の側面11a及び第2の側面11bに接する。ソース電極41は、第1の側面11aにおいて、第1の上部ソース領域54aの第3の領域54axに接する。ソース電極41は、第2の側面11bにおいて、第1の上部ソース領域54aの第4の領域54ayに接する。
【0045】
ソース電極41は、第2のトレンチ21の第3の側面21a及び第4の側面21bに接する。ソース電極41は、第3の側面21aにおいて、第2の上部ソース領域54bの第7の領域54bxに接する。ソース電極41は、第4の側面21bにおいて、第2の上部ソース領域54bの第8の領域54byに接する。
【0046】
ソース電極41は、金属を含む。ソース電極41を形成する金属は、例えば、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造である。ソース電極41は、炭化珪素層10に接する金属シリサイドや金属カーバイドを含んでも構わない。
【0047】
ドレイン電極42は、炭化珪素層10の裏面側に設けられる。ドレイン電極42は、炭化珪素層10の裏面上に設けられる。ドレイン電極42は、ドレイン領域50に接する。
【0048】
ドレイン電極42は、例えば、金属又は金属半導体化合物である。ドレイン電極42は、例えば、ニッケルシリサイド(NiSi)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、及び、金(Au)から成る群から選ばれる材料を含む。
【0049】
型のドレイン領域50は、炭化珪素層10の裏面側に設けられる。ドレイン領域50は、例えば、窒素(N)をn型不純物として含む。ドレイン領域50のn型不純物濃度は、例えば、1×1018cm-3以上1×1021cm-3以下である。
【0050】
型のドリフト領域51は、ドレイン領域50上に設けられる。ドリフト領域51は、ドレイン領域50と炭化珪素層10の表面との間に設けられる。
【0051】
ドリフト領域51は、例えば、窒素(N)をn型不純物として含む。ドリフト領域51のn型不純物濃度は、例えば、4×1014cm-3以上1×1018cm-3以下である。ドリフト領域51の第3の方向の厚さは、例えば、4μm以上150μm以下である。
【0052】
p型のボディ領域52は、ドリフト領域51と炭化珪素層10の表面との間に設けられる。ボディ領域52は、第1のトレンチ11と第2のトレンチ21との間に設けられる。ボディ領域52は、第1の側面11a、第2の側面11b、第3の側面21a、及び第4の側面21bに接する。
【0053】
ボディ領域52はMOSFET100のチャネル領域として機能する。例えば、MOSFET100のオン動作時に、ボディ領域52のゲート絶縁層と接する領域に電子が流れるチャネルが形成される。
【0054】
ボディ領域52の深さは、第1のトレンチ11の炭化珪素層10の表面からの深さよりも深い。第1のトレンチ11は、ボディ領域52を貫通している。ボディ領域52の深さは、第2のトレンチ21の炭化珪素層10の表面からの深さよりも深い。第2のトレンチ21は、ボディ領域52を貫通している。ボディ領域52の深さは、例えば、0.8μm以上2.0μm以下である。
【0055】
ボディ領域52は、例えば、アルミニウム(Al)をp型不純物として含む。ボディ領域52のp型不純物濃度は、例えば、5×1016cm-3以上5×1018cm-3以下である。
【0056】
型の第1の下部ソース領域53aは、ボディ領域52と炭化珪素層10の表面との間に設けられる。第1の下部ソース領域53aは、第1の方向に延びる。
【0057】
第1の下部ソース領域53aは、第1の領域53ax及び第2の領域53ayを含む。第1の領域53axと第2の領域53ayとの間に第1のトレンチ11が位置する。第1の領域53axの第2の方向に第2の領域53ayが位置する。
【0058】
第1の領域53axは、第1のトレンチ11の第1の側面11aに接する。第2の領域53ayは、第1のトレンチ11の第2の側面11bに接する。
【0059】
第1の下部ソース領域53aは、窒素(N)又はリン(P)をn型不純物として含む。第1の下部ソース領域53aのn型不純物濃度は、例えば、1×1019cm-3以上1×1021cm-3以下である。
【0060】
第1の下部ソース領域53aの深さは、ボディ領域52の深さよりも浅い。第1の下部ソース領域53aの深さは、例えば、0.4μm以上1.0μm以下である。ドリフト領域51と第1の下部ソース領域53aとの間の距離は、例えば、0.1μm以上0.9μm以下である。
【0061】
型の第2の下部ソース領域53bは、ボディ領域52と炭化珪素層10の表面との間に設けられる。第2の下部ソース領域53bは、第1の方向に延びる。
【0062】
第2の下部ソース領域53bは、第1の下部ソース領域53aの第2の方向に設けられる。第1の下部ソース領域53aと第2の下部ソース領域53bとの間に、ボディ領域52が位置する。
【0063】
第2の下部ソース領域53bは、第5の領域53bx及び第6の領域53byを含む。第5の領域53bxと第6の領域53byとの間に第2のトレンチ21が位置する。第5の領域53bxの第2の方向に第6の領域53byが位置する。
【0064】
第5の領域53bxは、第2のトレンチ21の第3の側面21aに接する。第6の領域53byは、第2のトレンチ21の第4の側面21bに接する。
【0065】
第2の下部ソース領域53bは、窒素(N)又はリン(P)をn型不純物として含む。第2の下部ソース領域53bのn型不純物濃度は、例えば、1×1019cm-3以上1×1021cm-3以下である。
【0066】
第2の下部ソース領域53bの深さは、ボディ領域52の深さよりも浅い。第2の下部ソース領域53bの深さは、例えば、0.1μm以上0.3μm以下である。ドリフト領域51と第2の下部ソース領域53bとの間の距離は、例えば、0.1μm以上0.9μm以下である。
【0067】
型の第1の上部ソース領域54aは、第1の下部ソース領域53aと炭化珪素層10の表面との間に設けられる。第1の上部ソース領域54aは、第1の方向に延びる。
【0068】
第1の上部ソース領域54aは、第3の領域54ax及び第4の領域54ayを含む。第3の領域54axと第4の領域54ayとの間に第1のトレンチ11が位置する。第3の領域54axの第2の方向に第4の領域54ayが位置する。
【0069】
第3の領域54axは、第1のトレンチ11の第1の側面11aに接する。第3の領域54axは、第1の領域53axに接する。第4の領域54ayは、第1のトレンチ11の第2の側面11bに接する。第4の領域54ayは、第2の領域53ayに接する。
【0070】
第1の上部ソース領域54aは、ソース電極41と接する。第1の上部ソース領域54aは、第1のトレンチ11の側面でソース電極41と接する。
【0071】
第3の領域54axは、第1のトレンチ11の第1の側面11aでソース電極41と接する。第4の領域54ayは、第1のトレンチ11の第2の側面11bでソース電極41と接する。
【0072】
第1の上部ソース領域54aは、窒素(N)又はリン(P)をn型不純物として含む。第1の上部ソース領域54aのn型不純物濃度は、例えば、1×1019cm-3以上1×1021cm-3以下である。
【0073】
型の第2の上部ソース領域54bは、第2の下部ソース領域53bと炭化珪素層10の表面との間に設けられる。第2の上部ソース領域54bは、第1の方向に延びる。
【0074】
第2の上部ソース領域54bは、第7の領域54bx及び第8の領域54byを含む。第7の領域54bxと第8の領域54byとの間に第2のトレンチ21が位置する。第7の領域54bxの第2の方向に第8の領域54byが位置する。
【0075】
第7の領域54bxは、第2のトレンチ21の第3の側面21aに接する。第7の領域54bxは、第5の領域53bxに接する。第8の領域54byは、第2のトレンチ21の第4の側面21bに接する。第8の領域54byは、第6の領域53byに接する。
【0076】
第2の上部ソース領域54bは、ソース電極41と接する。第2の上部ソース領域54bは、第2のトレンチ21の側面でソース電極41と接する。
【0077】
第7の領域54bxは、第2のトレンチ21の第3の側面21aでソース電極41と接する。第8の領域54byは、第2のトレンチ21の第4の側面21bでソース電極41と接する。
【0078】
第2の上部ソース領域54bは、窒素(N)又はリン(P)をn型不純物として含む。第2の上部ソース領域54bのn型不純物濃度は、例えば、1×1019cm-3以上1×1021cm-3以下である。
【0079】
第2の上部ソース領域54bは、第1の上部ソース領域54aの第2の方向に設けられる。第1の上部ソース領域54aと第2の上部ソース領域54bとの間に、ボディ領域52が位置する。
【0080】
第1の上部ソース領域54aの第2の方向の第2の幅(図3中のw2)は、第1の下部ソース領域53aの第2の方向の第1の幅(図3中のw1)よりも小さい。言い換えれば、第1の下部ソース領域53aの第2の方向の第1の幅(図3中のw1)は、第1の上部ソース領域54aの第2の方向の第2の幅(図3中のw2)よりも大きい。第1の下部ソース領域53aの第2の方向の第1の幅(図3中のw1)と第1の上部ソース領域54aの第2の方向の第2の幅(図3中のw2)の差は、例えば、0.1μm以上である。
【0081】
第3の領域54axの第2の方向の幅(図3中のw4)は、例えば、第1の領域53axの第2の方向の幅(図3中のw3)よりも小さい。言い換えれば、第1の領域53axの第2の方向の幅(図3中のw3)は、例えば、第3の領域54axの第2の方向の幅(図3中のw4)よりも大きい。
【0082】
また、第4の領域54ayの第2の方向の幅(図3中のw6)は、例えば、第2の領域53ayの第2の方向の幅(図3中のw5)よりも小さい。言い換えれば、第2の領域53ayの第2の方向の幅(図3中のw5)は、例えば、第4の領域54ayの第2の方向の幅(図3中のw6)よりも大きい。
【0083】
第2の上部ソース領域54bの第2の方向の第4の幅は、第2の下部ソース領域53bの第2の方向の第3の幅よりも小さい。言い換えれば、第2の下部ソース領域53bの第2の方向の第3の幅は、第2の上部ソース領域54bの第2の方向の第4の幅よりも大きい。第2の下部ソース領域53bの第2の方向の第3の幅と、第2の上部ソース領域54bの第2の方向の第4の幅の差は、例えば、0.1μm以上である。
【0084】
第7の領域54bxの第2の方向の幅は、例えば、第5の領域53bxの第2の方向の幅よりも小さい。また、第8の領域54byの第2の方向の幅は、第6の領域53byの第2の方向の幅よりも小さい。
【0085】
図4は、第1の実施形態の半導体装置のn型不純物濃度のプロファイルを示す図である。図4は、炭化珪素層10の上部ソース領域54、下部ソース領域53、及びボディ領域52を含む部分の、第1の面F1から第2の面F2に向かう方向のn型不純物プロファイルである。具体的には、図3の点線矢印で示す部分のn型不純物プロファイルである。
【0086】
例えば、MOSFET100では、図4に示すように、上記n型不純物プロファイルにおいて、ボディ領域52の側の裾のプロファイルの標準偏差(ΔRp)が0.08μm以下である。ボディ領域52の側の裾のプロファイルの標準偏差(ΔRp)は、裾のプロファイルをPearson分布にフィッティングさせることで求めることが可能である。
【0087】
型のコンタクト領域55は、ボディ領域52と炭化珪素層10の表面との間に設けられる。コンタクト領域55は、ソース電極41と接する。
【0088】
コンタクト領域55は、例えば、アルミニウム(Al)をp型不純物として含む。コンタクト領域55のp型不純物濃度は、例えば、ボディ領域52のp型不純物濃度よりも高い。
【0089】
コンタクト領域55のp型不純物濃度は、例えば、1×1018cm-3以上1×1021cm-3以下である。また、コンタクト領域55のソース電極41とのコンタクト部分のp型不純物濃度は、例えば、1×1019cm-3以上1×1021cm-3以下である。
【0090】
型の電界緩和領域56は、ドリフト領域51と第1のトレンチ11との間にけられる。電界緩和領域56は、ドリフト領域51と第1の底面11cとの間に設けられる。電界緩和領域56は、第1の底面11cに接する。
【0091】
電界緩和領域56は、ドリフト領域51と第2のトレンチ21との間に設けられる。電界緩和領域56は、ドリフト領域51と第2の底面21cとの間に設けられる。電界緩和領域56は、第2の底面21cに接する。
【0092】
電界緩和領域56は、例えば、アルミニウム(Al)をp型不純物として含む。電界緩和領域56のp型不純物濃度は、例えば、ボディ領域52のp型不純物濃度よりも高い。電界緩和領域56のp型不純物濃度は、例えば、1×1017cm-3以上1×1020cm-3以下である。
【0093】
電界緩和領域56の電位は、例えば、ソース電極41の電位に固定される。電界緩和領域56の電位は、例えば、ソース電位に固定される。電界緩和領域56は、トレンチの底部のゲート絶縁層に印加される電界を緩和させる機能を有する。
【0094】
第1の実施形態の半導体装置の製造方法は、n型の第1の炭化珪素層に、p型不純物をイオン注入してp型の第1の領域を形成し、第1の炭化珪素層の上に、第1の領域が露出する第1の開口部を有する第1のマスク材を形成し、第1のマスク材をマスクに、第1の開口部から第1の領域にn型不純物をイオン注入して、第1の領域より深さの浅いn型の第2の領域を形成し、第1のマスク材を剥離し、第1の炭化珪素層の上に、エピタキシャル成長法を用いてp型の第2の炭化珪素層を形成し、第2の炭化珪素層の上に、第2の領域の上部の第2の炭化珪素層が露出する第2の開口部を有する第2のマスク材を形成し、第2のマスク材をマスクに、第2の開口部から第2の炭化珪素層にn型不純物をイオン注入して、第2の領域に接するn型の第3の領域を形成し、第2の開口部に側壁を形成し、第2のマスク材及び側壁をマスクに、第3の領域、第2の領域、及び第1の領域を貫通するトレンチを形成し、トレンチの中にゲート絶縁層を形成し、トレンチの中のゲート絶縁層の上に、上面がトレンチの中に位置するゲート電極を形成する。
【0095】
以下、第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例について説明する。
【0096】
図5図6図7図8図9図10図11図12図13図14図15図16図17図18図19、及び図20は、第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図である。図5図6図7図8図9図10図11図12図13図14図15図16図17図18図19、及び図20は、図1に相当する断面図である。
【0097】
最初に、n型のドレイン領域50、及び、ドレイン領域50の上にエピタキシャル成長法を用いて形成されたn型の第1のエピタキシャル層60を有する炭化珪素層10を準備する(図5)。第1のエピタキシャル層60は、第1の炭化珪素層の一例である。第1のエピタキシャル層60の一部は、最終的に、ドリフト領域51となる。
【0098】
次に、第1のエピタキシャル層60に、p型不純物をイオン注入し、p型のボディ領域52を形成する(図6)。ボディ領域52は、第1の領域の一例である。p型不純物は、例えば、アルミニウム(Al)である。なお、ボディ領域52をエピタキシャル成長法を用いて形成することも可能である。
【0099】
次に、第1のエピタキシャル層60の上に第1のマスク材61を形成する(図7)。第1のマスク材61は、第1の開口部61aを有する。第1の開口部61aにおいて、ボディ領域52が露出する。
【0100】
第1のマスク材61は、例えば、Chemical Vapor Deposition法(CVD法)による膜の堆積、リソグラフィ法、及び、反応性イオンエッチング法(RIE法)を用いた膜のパターニングにより形成される。第1のマスク材61は、例えば、シリコン酸化膜である。
【0101】
次に、第1のマスク材61をマスクに、第1の開口部61aからボディ領域52に、n型不純物をイオン注入し、n型の下部ソース領域53を形成する(図8)。下部ソース領域53は、第2の領域の一例である。下部ソース領域53は、ボディ領域52よりも浅い。n型不純物は、例えば、リン(P)又は窒素(N)である。
【0102】
下部ソース領域53を形成する際に、イオン注入するn型不純物がリン(P)の場合、例えば、100keV以上350keV以下の加速エネルギーでイオン注入を行う。また、イオン注入するn型不純物が窒素(N)の場合、例えば、100keV以上450keV以下の加速エネルギーでイオン注入を行う。
【0103】
次に、第1のマスク材61を剥離する。第1のマスク材61は、例えば、ウェットエッチング法により剥離する。
【0104】
次に、第1のエピタキシャル層60の上に、エピタキシャル成長法を用いてp型の第2のエピタキシャル層70を形成する(図9)。第2のエピタキシャル層70は、第2の炭化珪素層の一例である。なお、例えば、エピタキシャル成長法を用いてn型のエピタキシャル層を形成した後、p型不純物をイオン注入することで、p型の第2のエピタキシャル層を形成することも可能である。
【0105】
次に、第2のエピタキシャル層70にp型不純物をイオン注入し、p型のコンタクト領域55を形成する(図10)。コンタクト領域55は、第4の領域の一例である。p型不純物は、例えば、アルミニウム(Al)である。
【0106】
次に、第2のエピタキシャル層70の上に第2のマスク材62を形成する(図11)。第2のマスク材62は、第2の開口部62aを有する。第2の開口部62aにおいて、下部ソース領域53の上部の第2のエピタキシャル層70が露出する。第2の開口部62aの第2の方向の幅は、下部ソース領域53の第2の方向の幅よりも小さい。
【0107】
第2のマスク材62は、例えば、CVD法による膜の堆積、リソグラフィ法、及び、RIE法を用いた膜のパターニングにより形成される。第2のマスク材62は、例えば、シリコン酸化膜である。
【0108】
次に、第2のマスク材62をマスクにコンタクト領域55を貫通する凹部71を形成する(図12)。凹部71は、例えばRIE法により形成する。
【0109】
次に、第2のマスク材62をマスクに第2の開口部62aから第2のエピタキシャル層70にn型不純物をイオン注入して、n型の上部ソース領域54を形成する(図13)。上部ソース領域54は、第3の領域の一例である。上部ソース領域54は、下部ソース領域53に接する。上部ソース領域54は、下部ソース領域53よりも浅い。n型不純物は、例えば、リン(P)又は窒素(N)である。
【0110】
次に、第2のマスク材62の第2の開口部62aに側壁63を形成する(図14)。側壁63は、例えば、シリコン酸化膜である。
【0111】
次に、第2のマスク材62及び側壁63をマスクに、トレンチ72を形成する(図15)。トレンチ72は、上部ソース領域54、下部ソース領域53、及びボディ領域52を貫通する。トレンチ72は、例えば、RIE法により形成する。
【0112】
上部ソース領域54及び下部ソース領域53は、トレンチ72により、左右に分割される。上部ソース領域54及び下部ソース領域53は、トレンチを挟んだ2つの領域に分割される。
【0113】
次に、第2のマスク材62及び側壁63をマスクに、p型不純物をイオン注入し、p型の電界緩和領域56を形成する(図16)。電界緩和領域56は、トレンチ72の底部に形成される。p型不純物は、例えば、アルミニウム(Al)である。
【0114】
次に、第2のマスク材62及び側壁63を剥離する。第2のマスク材62及び側壁63は、例えば、ウェットエッチング法により剥離する。
【0115】
次に、トレンチ72の中に、ゲート絶縁層73を形成する。次に、トレンチ72の中のゲート絶縁層73の上にゲート電極74を形成する(図17)。ゲート電極74の上面はトレンチ72の中に位置する。
【0116】
ゲート絶縁層73は、例えば、シリコン酸化膜である。ゲート電極74は、例えば、p型不純物又はn型不純物を含む多結晶質シリコンである。ゲート絶縁層73及びゲート電極74は、例えば、CVD法により形成される。
【0117】
次に、トレンチ72の中を埋め込み絶縁層75で埋め込む(図18)。埋め込み絶縁層75は、絶縁層の一例である。埋め込み絶縁層75は、例えば、シリコン酸化膜である。埋め込み絶縁層75は、例えば、CVD法により形成される。
【0118】
次に、埋め込み絶縁層75を、少なくともトレンチ72の側面の一部が露出するようにエッチングする(図19)。例えば、トレンチ72の側面に上部ソース領域54が露出する。
【0119】
次に、ソース電極41を形成する。ソース電極41は、トレンチ72の中、及び、第2のエピタキシャル層70の上面に形成される。ソース電極41は、例えば、トレンチ72の側面において、上部ソース領域54に接するように形成される。ソース電極41は、例えば、CVD法により金属膜を堆積することで形成される。
【0120】
その後、公知のプロセス技術を用いて、炭化珪素層10の裏面にドレイン電極42を形成する(図20)。
【0121】
以上の製造方法により、図1ないし図3に示すMOSFET100が製造される。
【0122】
次に、第1の実施形態の半導体装置の作用及び効果について説明する。
【0123】
第1の実施形態のMOSFET100によれば、オン抵抗の低減、及び、高い閾値電圧が実現できる。以下、詳述する。
【0124】
MOSFET100には、トレンチの中にゲート電極が設けられたトレンチゲート構造が適用される。トレンチゲート構造を適用することで、単位面積あたりのチャネル面積が増加し、MOSFET100のオン抵抗が低減される。
【0125】
MOSFET100は、ソース電極41が、第1のトレンチ11の側面及び第2のトレンチ21の側面で上部ソース領域54に接する。ソース電極41のソース領域に対するコンタクトを、トレンチの側面で実現することで、トレンチとトレンチとの間の距離を縮小できる。したがって、MOSFET100の微細化が可能となり、MOSFET100のオン抵抗が更に低減する。
【0126】
ソース電極のソース領域に対するコンタクトを、トレンチの側面に設ける場合、ソース領域の深さを深くする必要がある。ソース領域はn型不純物のイオン注入で形成される。ソース領域の深さを深くするためには、n型不純物のイオン注入の加速エネルギーを大きくする必要がある。イオン注入の加速エネルギーが大きくなると、n型不純物プロファイルの深さ方向の裾の伸びが大きくなる。
【0127】
トレンチゲート構造のMOSFETにおいて、ソース領域のn型不純物プロファイルの深さ方向の裾が長く伸びると、MOSFETのショートチャネル効果が大きくなり、閾値電圧が低下するおそれがある。また、MOSFETのショートチャネル効果が大きくなり、閾値電圧のばらつきが大きくなるおそれがある。
【0128】
MOSFET100は、ソース領域が、下部ソース領域53と上部ソース領域54の二層構造を有する。MOSFET100は、ソース領域を二層構造とすることで、例えば、ソース領域を一層で作る場合と比較して、n型不純物のイオン注入の加速エネルギーを抑制できる。したがって、下部ソース領域53のn型不純物プロファイルの深さ方向の裾の伸びを抑制できる。
【0129】
よって、MOSFET100によれば、ショートチャネル効果が抑制され、高い閾値電圧が実現できる。また、ショートチャネル効果が抑制され、閾値電圧のばらつきが抑制される。
【0130】
高い閾値電圧を実現する観点から、炭化珪素層10の下部ソース領域53及びボディ領域52を含む部分の、深さ方向のn型不純物プロファイルにおいて、ボディ領域52の側の裾のプロファイルの標準偏差(ΔRp)が0.08μm以下であることが好ましい。
【0131】
MOSFET100の下部ソース領域53を形成する際の、イオン注入するn型不純物がリン(P)の場合、350keV以下の加速エネルギーでイオン注入を行うことが好ましい。また、イオン注入するn型不純物が窒素(N)の場合、450keV以下の加速エネルギーでイオン注入を行うことが好ましい。
【0132】
加速エネルギーを上記の範囲に限定することで、炭化珪素層10の下部ソース領域53及びボディ領域52を含む部分の、深さ方向のn型不純物プロファイルにおいて、ボディ領域52の側の裾のプロファイルの標準偏差(ΔRp)を0.08μm以下とすることができる。
【0133】
第1の上部ソース領域54aの第2の方向の第2の幅(図3中のw2)は、第1の下部ソース領域53aの第2の方向の第1の幅(図3中のw1)よりも小さい。言い換えれば、第1の下部ソース領域53aの第2の方向の第1の幅(図3中のw1)は、第1の上部ソース領域54aの第2の方向の第2の幅(図3中のw2)よりも大きい。
【0134】
また、第2の上部ソース領域54bの第2の方向の第4の幅は、第2の下部ソース領域53bの第2の方向の第3の幅よりも小さい。言い換えれば、第2の下部ソース領域53bの第2の方向の第3の幅は、第2の上部ソース領域54bの第2の方向の第4の幅よりも大きい。
【0135】
MOSFET100を製造する際の、第2のマスク材62を形成する際(図11参照)、第2のマスク材62がリソグラフィ工程の合わせずれより、下部ソース領域53に対して第2の方向にずれる場合がある。第2のマスク材62が下部ソース領域53に対して第2の方向にずれると、トレンチ72によって左右に分割される下部ソース領域53の2つの領域の第2の方向の幅(図15中のwx)のいずれか一方が小さくなるおそれがある(図15参照)。
【0136】
トレンチ72によって左右に分割された下部ソース領域53の第2の方向の幅が小さくなると、MOSFET100の寄生抵抗が大きくなる。したがって、MOSFET100のオン抵抗が大きくなる。特に、トレンチ72によって左右に分割された下部ソース領域53の第2の方向の幅(図15中のwx)が、トレンチ72によって左右に分割された上部ソース領域54の第2の方向の幅(図15中のwy)よりも、小さくなると、MOSFET100の寄生抵抗が大きくなり、MOSFET100のオン抵抗が大きくなる。
【0137】
トレンチ72によって左右に分割された下部ソース領域53の第2の方向の幅が小さくなると、MOSFET100の寄生抵抗がばらつき、MOSFET100のオン抵抗のばらつきも大きくなる。
【0138】
MOSFET100は、下部ソース領域53の第2の方向の幅が、上部ソース領域の第2の方向の幅よりも大きい。したがって、仮に、リソグラフィ工程の合わせずれより、第2のマスク材62が下部ソース領域53に対して第2の方向にずれたとえしても、トレンチ72によって左右に分割された下部ソース領域53の第2の方向の幅(図15中のwx)が、小さくなることが抑制される。よって、MOSFET100のオン抵抗が低減できる。また、MOSFET100のオン抵抗のばらつきも抑制される。
【0139】
MOSFET100のオン抵抗を低減する観点から、第1の下部ソース領域53aの第2の方向の第1の幅(図3中のw1)と第1の上部ソース領域54aの第2の方向の第2の幅(図3中のw2)の差は、0.1μm以上であることが好ましい。また、第2の下部ソース領域53bの第2の方向の第3の幅と、第2の上部ソース領域54bの第2の方向の第4の幅の差は、0.1μm以上であることが好ましい。
【0140】
MOSFET100のオン抵抗を低減する観点から、第3の領域54axの第2の方向の幅(図3中のw4)は、第1の領域53axの第2の方向の幅(図3中のw3)よりも小さいことが好ましい。言い換えれば、第1の領域53axの第2の方向の幅(図3中のw3)は、第3の領域54axの第2の方向の幅(図3中のw4)よりも大きいことが好ましい。
【0141】
また、第4の領域54ayの第2の方向の幅(図3中のw6)は、第2の領域53ayの第2の方向の幅(図3中のw5)よりも小さいことが好ましい。言い換えれば、第2の領域53ayの第2の方向の幅(図3中のw5)は、第4の領域54ayの第2の方向の幅(図3中のw6)よりも大きいことが好ましい。
【0142】
(変形例)
図21は、第1の実施形態の変形例の半導体装置の模式断面図である。図21は、第1の実施形態の図1に対応する図である。
【0143】
変形例のMOSFET101は、層間絶縁層43の一部が、炭化珪素層10の第1の面F1よりも上側に存在する点で、第1の実施形態のMOSFET100と異なる。
【0144】
以上、第1の実施形態及び変形例のMOSFETによれば、オン抵抗の低減、及び、高い閾値電圧が実現できる。
【0145】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の半導体装置は、第7の炭化珪素領域が、第3の炭化珪素領域と第5の炭化珪素領域との間に設けられる点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
【0146】
図22は、第2の実施形態の半導体装置の模式断面図である。第2の実施形態の半導体装置は、炭化珪素を用いたトレンチゲート型の縦型MOSFET200である。MOSFET200は、電子をキャリアとするnチャネル型のMOSFETである。
【0147】
図23は、第2の実施形態の半導体装置の模式断面図である。図23は、図22のFx面における断面図である。図22は、図23のAA’断面である。
【0148】
図24は、第2の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図である。図24は、図22の一部を拡大した図である。
【0149】
MOSFET200は、炭化珪素層10、第1のトレンチ11、第1のゲート電極12、第1のゲート絶縁層13、第2のトレンチ21、第2のゲート電極22、第2のゲート絶縁層23、ソース電極41(第1の電極)、ドレイン電極42(第2の電極)、層間絶縁層43を備える。
【0150】
以下、第1のトレンチ11及び第2のトレンチ21を総称して、トレンチと記載する場合がある。また、第1のゲート電極12及び第2のゲート電極22を総称して、ゲート電極と記載する場合がある。また、第1のゲート絶縁層13及び第2のゲート絶縁層23を総称して、ゲート絶縁層と記載する場合がある。
【0151】
炭化珪素層10の中には、n型のドレイン領域50、n型のドリフト領域51(第1の炭化珪素領域)、p型のボディ領域52(第2の炭化珪素領域)、n型の第1の下部ソース領域53a(第3の炭化珪素領域)、n型の第2の下部ソース領域53b(第5の炭化珪素領域)、n型の第1の上部ソース領域54a(第4の炭化珪素領域)、n型の第2の上部ソース領域54b(第6の炭化珪素領域)、p型のコンタクト領域55(第7の炭化珪素領域)、及びp型の電界緩和領域56が設けられる。
【0152】
以下、第1の下部ソース領域53a及び第2の下部ソース領域53bを総称して、下部ソース領域53と記載する場合がある。また、第1の上部ソース領域54a及び第2の上部ソース領域54bを総称して、上部ソース領域54と称する場合がある。
【0153】
型のコンタクト領域55は、ボディ領域52と炭化珪素層10の表面との間に設けられる。コンタクト領域55は、ソース電極41と接する。
【0154】
コンタクト領域55は、第1の上部ソース領域54aと第2の上部ソース領域54bとの間に設けられる。コンタクト領域55は、第1の上部ソース領域54aに接する。コンタクト領域55は、第2の上部ソース領域54bに接する。
【0155】
コンタクト領域55は、例えば、アルミニウム(Al)をp型不純物として含む。コンタクト領域55のp型不純物濃度は、例えば、ボディ領域52のp型不純物濃度よりも高い。
【0156】
コンタクト領域55のp型不純物濃度は、例えば、1×1018cm-3以上1×1021cm-3以下である。また、コンタクト領域55のソース電極41とのコンタクト部分のp型不純物濃度は、例えば、1×1019cm-3以上1×1021cm-3以下である。
【0157】
第2の実施形態の半導体装置の製造方法は、トレンチを形成した後に、p型の第4の領域を形成する点で、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と異なる。以下、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
【0158】
以下、第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例について説明する。
【0159】
図25図26図27図28図29図30図31図32図33図34図35図36図37図38、及び図39は、第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図である。図25図26図27図28図29図30図31図32図33図34図35図36図37図38、及び図39は、図22に相当する断面図である。
【0160】
最初に、n型のドレイン領域50、及び、ドレイン領域50の上にエピタキシャル成長法を用いて形成されたn型の第1のエピタキシャル層60を有する炭化珪素層10を準備する(図25)。第1のエピタキシャル層60は、第1の炭化珪素層の一例である。第1のエピタキシャル層60の一部は、最終的に、ドリフト領域51となる。
【0161】
次に、第1のエピタキシャル層60に、p型不純物をイオン注入し、p型のボディ領域52を形成する(図26)。ボディ領域52は、第1の領域の一例である。p型不純物は、例えば、アルミニウム(Al)である。なお、ボディ領域52をエピタキシャル成長法を用いて形成することも可能である。
【0162】
次に、第1のエピタキシャル層60の上に第1のマスク材61を形成する(図27)。第1のマスク材61は、第1の開口部61aを有する。第1の開口部61aにおいて、ボディ領域52が露出する。
【0163】
第1のマスク材61は、例えば、CVD法による膜の堆積、リソグラフィ法、及び、RIE法を用いた膜のパターニングにより形成される。第1のマスク材61は、例えば、シリコン酸化膜である。
【0164】
次に、第1のマスク材61をマスクに、第1の開口部61aからボディ領域52に、n型不純物をイオン注入し、n型の下部ソース領域53を形成する(図28)。下部ソース領域53は、第2の領域の一例である。下部ソース領域53は、ボディ領域52よりも浅い。n型不純物は、例えば、リン(P)又は窒素(N)である。
【0165】
下部ソース領域53を形成する際に、イオン注入するn型不純物がリン(P)の場合、例えば、100keV以上350keV以下の加速エネルギーでイオン注入を行う。また、イオン注入するn型不純物が窒素(N)の場合、例えば、100keV以上450keV以下の加速エネルギーでイオン注入を行う。
【0166】
次に、第1のマスク材61を剥離する。第1のマスク材61は、例えば、ウェットエッチング法により剥離する。
【0167】
次に、第1のエピタキシャル層60の上に、エピタキシャル成長法を用いてp型の第2のエピタキシャル層70を形成する(図29)。第2のエピタキシャル層70は、第2の炭化珪素層の一例である。なお、例えば、エピタキシャル成長法を用いてn型のエピタキシャル層を形成した後、p型不純物をイオン注入することで、p型の第2のエピタキシャル層を形成することも可能である。
【0168】
次に、第2のエピタキシャル層70の上に第2のマスク材62を形成する(図30)。第2のマスク材62は、第2の開口部62aを有する。第2の開口部62aにおいて、下部ソース領域53の上部の第2のエピタキシャル層70が露出する。第2の開口部62aの第2の方向の幅は、下部ソース領域53の第2の方向の幅よりも小さい。
【0169】
第2のマスク材62は、例えば、CVD法による膜の堆積、リソグラフィ法、及び、RIE法を用いた膜のパターニングにより形成される。第2のマスク材62は、例えば、シリコン酸化膜である。
【0170】
次に、第2のマスク材62をマスクに第2の開口部62aから第2のエピタキシャル層70にn型不純物をイオン注入して、n型の上部ソース領域54を形成する(図31)。上部ソース領域54は、第3の領域の一例である。上部ソース領域54は、下部ソース領域53に接する。上部ソース領域54は、下部ソース領域53よりも浅い。n型不純物は、例えば、リン(P)又は窒素(N)である。
【0171】
次に、第2のマスク材62の第2の開口部62aに側壁63を形成する(図32)。側壁63は、例えば、シリコン酸化膜である。
【0172】
次に、第2のマスク材62及び側壁63をマスクに、トレンチ72を形成する(図33)。トレンチ72は、上部ソース領域54、下部ソース領域53、及びボディ領域52を貫通する。トレンチ72は、例えば、RIE法により形成する。
【0173】
上部ソース領域54及び下部ソース領域53は、トレンチ72により、左右に分割される。上部ソース領域54及び下部ソース領域53は、トレンチを挟んだ2つの領域に分割される。
【0174】
次に、第2のマスク材62及び側壁63をマスクに、p型不純物をイオン注入し、p型の電界緩和領域56を形成する(図34)。電界緩和領域56は、トレンチ72の底部に形成される。p型不純物は、例えば、アルミニウム(Al)である。
【0175】
次に、第2のマスク材62及び側壁63を剥離する。第2のマスク材62及び側壁63は、例えば、ウェットエッチング法により剥離する(図35)。
【0176】
次に、トレンチ72の中及び第2のエピタキシャル層70の上に第3のマスク材77を形成する。
【0177】
第3のマスク材77は、例えば、CVD法による膜の堆積、リソグラフィ法、及び、RIE法を用いた膜のパターニングにより形成される。第3のマスク材77は、例えば、シリコン酸化膜である。
【0178】
次に、第3のマスク材77をマスクに、第2のエピタキシャル層70にp型不純物をイオン注入し、p型のコンタクト領域55を形成する(図36)。コンタクト領域55は、第4の領域の一例である。p型不純物は、例えば、アルミニウム(Al)である。
【0179】
次に、第3のマスク材77を剥離する。第3のマスク材77は、例えば、ウェットエッチング法により剥離する。
【0180】
次に、トレンチ72の中に、ゲート絶縁層73を形成する。次に、トレンチ72の中のゲート絶縁層73の上にゲート電極74を形成する。ゲート電極74の上面はトレンチ72の中に位置する。
【0181】
ゲート絶縁層73は、例えば、シリコン酸化膜である。ゲート電極74は、例えば、p型不純物又はn型不純物を含む多結晶質シリコンである。ゲート絶縁層73及びゲート電極74は、例えば、CVD法により形成される。
【0182】
次に、トレンチ72の中を埋め込み絶縁層75で埋め込む(図37)。埋め込み絶縁層75は、絶縁層の一例である。埋め込み絶縁層75は、例えば、シリコン酸化膜である。埋め込み絶縁層75は、例えば、CVD法により形成される。
【0183】
次に、埋め込み絶縁層75を、少なくともトレンチ72の側面の一部が露出するようにエッチングする(図38)。トレンチ72の側面に上部ソース領域54が露出する。
【0184】
次に、ソース電極41を形成する。ソース電極41は、電極の一例である。ソース電極41は、トレンチ72の中、及び、第2のエピタキシャル層70の上面に形成される。ソース電極41は、例えば、トレンチ72の側面において、上部ソース領域54に接するように形成される。ソース電極41は、例えば、CVD法により金属膜を堆積することで形成される。
【0185】
その後、公知のプロセス技術を用いて、炭化珪素層10の裏面にドレイン電極42を形成する(図39)。
【0186】
以上の製造方法により、図22ないし図24に示すMOSFET200が製造される。
【0187】
第2の実施形態のMOSFET200は、第1の実施形態のMOSFET100と同様の作用及び効果を備える。すなわち、MOSFET200の微細化が可能となり、MOSFET200のオン抵抗が低減する。また、ショートチャネル効果が抑制され、高い閾値電圧が実現できる。また、ショートチャネル効果が抑制され、閾値電圧のばらつきが抑制される。
【0188】
(変形例)
図40は、第2の実施形態の変形例の半導体装置の模式断面図である。図40は、第1の実施形態の図22に対応する図である。
【0189】
変形例のMOSFET201は、層間絶縁層43の一部が、炭化珪素層10の第1の面F1よりも上側に存在する点で、第2の実施形態のMOSFET200と異なる。
【0190】
以上、第2の実施形態及び変形例のMOSFETによれば、オン抵抗の低減、及び、高い閾値電圧が実現できる。
【0191】
(第3の実施形態)
第3の実施形態のインバータ回路及び駆動装置は、第1の実施形態の半導体装置を備える駆動装置である。
【0192】
図41は、第3の実施形態の駆動装置の模式図である。駆動装置1000は、モーター140と、インバータ回路150を備える。
【0193】
インバータ回路150は、第1の実施形態のMOSFET100をスイッチング素子とする3個の半導体モジュール150a、150b、150cで構成される。3個の半導体モジュール150a、150b、150cを並列に接続することで、3個の交流電圧の出力端子U、V、Wを備える三相のインバータ回路150が実現される。インバータ回路150から出力される交流電圧により、モーター140が駆動する。
【0194】
第3の実施形態によれば、特性の向上したMOSFET100を備えることで、インバータ回路150及び駆動装置1000の特性が向上する。
【0195】
(第4の実施形態)
第4の実施形態の車両は、第1の実施形態の半導体装置を備える車両である。
【0196】
図42は、第4の実施形態の車両の模式図である。第4の実施形態の車両1100は、鉄道車両である。車両1100は、モーター140と、インバータ回路150を備える。
【0197】
インバータ回路150は、第1の実施形態のMOSFET100をスイッチング素子とする3個の半導体モジュールで構成される。3個の半導体モジュールを並列に接続することで、3個の交流電圧の出力端子U、V、Wを備える三相のインバータ回路150が実現される。インバータ回路150から出力される交流電圧により、モーター140が駆動する。モーター140により車両1100の車輪90が回転する。
【0198】
第4の実施形態によれば、特性の向上したMOSFET100を備えることで、車両1100の特性が向上する。
【0199】
(第5の実施形態)
第5の実施形態の車両は、第1の実施形態の半導体装置を備える車両である。
【0200】
図43は、第5の実施形態の車両の模式図である。第5の実施形態の車両1200は、自動車である。車両1200は、モーター140と、インバータ回路150を備える。
【0201】
インバータ回路150は、第1の実施形態のMOSFET100をスイッチング素子とする3個の半導体モジュールで構成される。3個の半導体モジュールを並列に接続することで、3個の交流電圧の出力端子U、V、Wを備える三相のインバータ回路150が実現される。
【0202】
インバータ回路150から出力される交流電圧により、モーター140が駆動する。モーター140により車両1200の車輪90が回転する。
【0203】
第5の実施形態によれば、特性の向上したMOSFET100を備えることで、車両1200の特性が向上する。
【0204】
(第6の実施形態)
第6の実施形態の昇降機は、第1の実施形態の半導体装置を備える昇降機である。
【0205】
図44は、第6の実施形態の昇降機(エレベータ)の模式図である。第6の実施形態の昇降機1300は、かご610、カウンターウエイト612、ワイヤロープ614、巻上機616、モーター140と、インバータ回路150を備える。
【0206】
インバータ回路150は、第1の実施形態のMOSFET100をスイッチング素子とする3個の半導体モジュールで構成される。3個の半導体モジュールを並列に接続することで、3個の交流電圧の出力端子U、V、Wを備える三相のインバータ回路150が実現される。
【0207】
インバータ回路150から出力される交流電圧により、モーター140が駆動する。モーター140により巻上機616が回転し、かご610が昇降する。
【0208】
第6の実施形態によれば、特性の向上したMOSFET100を備えることで、昇降機1300の特性が向上する。
【0209】
以上、第1及び第2の実施形態では、炭化珪素の結晶構造として4H-SiCの場合を例に説明したが、本発明は6H-SiC、3C-SiC等、その他の結晶構造の炭化珪素に適用することも可能である。
【0210】
第1及び第2の実施形態では、半導体装置としてMOSFETを例に説明したが、本発明をInsulated Gate Bipolar Transistor(IGBT)に適用することも可能である。例えば、MOSFET100のドレイン領域50に相当する領域を、n型からp型に置き換えることで、IGBTが実現できる。
【0211】
また、第3ないし第6の実施形態においては、第1の実施形態の半導体装置を備える場合を例に説明したが、第2の実施形態の半導体装置を適用することも可能である。
【0212】
また、第3ないし第6の実施形態において、本発明の半導体装置を車両やエレベータに適用する場合を例に説明したが、本発明の半導体装置を例えば、太陽光発電システムのパワーコンディショナー等に適用することも可能である。
【0213】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0214】
10 炭化珪素層
11 第1のトレンチ
11a 第1の側面
11b 第2の側面
11c 第1の底面
12 第1のゲート電極
13 第1のゲート絶縁層
21 第2のトレンチ
21a 第3の側面
21b 第4の側面
21c 第2の底面
22 第2のゲート電極
23 第2のゲート絶縁層
41 ソース電極(第1の電極、電極)
42 ドレイン電極(第2の電極)
43 層間絶縁層
51 ドリフト領域(第1の炭化珪素領域)
52 ボディ領域(第2の炭化珪素領域、第1の領域)
53 下部ソース領域(第2の領域)
53a 第1の下部ソース領域(第3の炭化珪素領域)
53ax 第1の領域
53ay 第2の領域
53b 第2の下部ソース領域(第5の炭化珪素領域)
53bx 第5の領域
53by 第6の領域
54 上部ソース領域(第3の領域)
54a 第1の上部ソース領域(第4の炭化珪素領域)
54ax 第3の領域
54ay 第4の領域
54b 第2の上部ソース領域(第6の炭化珪素領域)
54bx 第7の領域
54by 第8の領域
55 コンタクト領域(第7の炭化珪素領域、第4の領域)
60 第1のエピタキシャル層(第1の炭化珪素層)
61 第1のマスク材
61a 第1の開口部
62 第2のマスク材
62a 第2の開口部
63 側壁
70 第2のエピタキシャル層(第2の炭化珪素層)
71 凹部
72 トレンチ
73 ゲート絶縁層
74 ゲート電極
75 埋め込み絶縁層(絶縁層)
100 MOSFET(半導体装置)
150 インバータ回路
200 MOSFET(半導体装置)
1000 駆動装置
1100 車両
1200 車両
1300 昇降機
w1 第1の幅
w2 第2の幅
F1 第1の面
F2 第2の面
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