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特開2023-137004情報処理システム、画像形成システム、及び、情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137004
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】情報処理システム、画像形成システム、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/20 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
G06F11/20 633
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042970
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 成生
【テーマコード(参考)】
5B034
【Fターム(参考)】
5B034BB01
(57)【要約】
【課題】不揮発性の記憶装置を備える情報処理装置の寿命を延ばす。
【解決手段】不揮発性の第1記憶装置を有し、所定処理を行う第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置と接続し、前記所定処理を行う第2情報処理装置と、前記第1情報処理装置、及び、前記第2情報処理装置と接続し、前記第1情報処理装置を管理する管理装置とを有する情報処理システムにおいて、前記管理装置は、前記第1記憶装置の使用状況を示す第1使用状態を取得する取得部と、前記第1使用状態に基づき前記第1記憶装置の寿命を示す第1寿命状態を判断する判断部と、前記第1寿命状態に基づいて、前記所定処理を前記第2情報処理装置に実行させる管理部とを備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性の第1記憶装置を有し、所定処理を行う第1情報処理装置と、
前記第1情報処理装置と接続し、前記所定処理を行う第2情報処理装置と、
前記第1情報処理装置、及び、前記第2情報処理装置と接続し、前記第1情報処理装置を管理する管理装置と
を有する情報処理システムであって、
前記管理装置は、
前記第1記憶装置の使用状況を示す第1使用状態を取得する取得部と、
前記第1使用状態に基づき前記第1記憶装置の寿命を示す第1寿命状態を判断する判断部と、
前記第1寿命状態に基づいて、前記所定処理を前記第2情報処理装置に実行させる管理部とを備える
情報処理システム。
【請求項2】
前記第2情報処理装置は、不揮発性の第2記憶装置を有し、
前記取得部は、
前記第2記憶装置の使用状況を示す第2使用状態を取得し、
前記管理部は、
前記第1寿命状態、及び、前記第2使用状態に基づき判断する第2寿命状態に基づいて、前記第1情報処理装置による前記所定処理の実行を制限し、前記所定処理を前記第2情報処理装置に実行させる
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
不揮発性の第1記憶装置を有し、かつ、所定処理を行う第1情報処理装置と、
不揮発性の第2記憶装置を有し、前記第1情報処理装置と接続し、及び、前記所定処理を行う第2情報処理装置と、
前記第1情報処理装置、及び、前記第2情報処理装置と接続し、かつ、前記第1情報処理装置を管理する管理装置と
を有する情報処理システムであって、
前記第1情報処理装置は、
前記第1記憶装置の第1使用状態を取得する第1取得部と、
前記第1使用状態に基づき前記第1記憶装置の寿命を示す第1寿命状態を判断する第1判断部と、
前記第1寿命状態を前記管理装置に送信する第1送信部とを備え、
前記第2情報処理装置は、
前記第2記憶装置の第2使用状態を取得する第2取得部と、
前記第2使用状態に基づき前記第2情報処理装置の寿命を示す第2寿命状態を判断する第2判断部と、
前記第2寿命状態を前記管理装置に送信する第2送信部とを備え、
前記管理装置は、
前記第1寿命状態、及び、前記第2寿命状態に基づき、前記所定処理を前記第1情報処理装置、及び、前記第2情報処理装置のうち、どちらに実行させるかを判断する第3判断部を備える
情報処理システム。
【請求項4】
ユーザの操作を入力する端末を更に有し、
前記端末からの命令に基づいて、前記所定処理を開始し、
前記第1使用状態は、
前記第1記憶装置がデータを書き換える処理を実行した回数であり、
前記第2使用状態は、
前記第2記憶装置がデータを書き換える処理を実行した回数であり、
前記第1寿命状態は、
前記第1使用状態を判断基準で分類した判断結果であり、
前記第2寿命状態は、
前記第2使用状態を前記判断基準で分類した判断結果であり、
前記管理装置は、
前記第1寿命状態、及び、前記第2寿命状態に基づき、前記第1情報処理装置、及び、前記第2情報処理装置のうち、最も寿命が長い状態であると判断する方に前記所定処理を実行させる
請求項2又は3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1情報処理装置、又は、前記第2情報処理装置が画像形成装置である
画像形成システム。
【請求項6】
不揮発性の第1記憶装置を有し、所定処理を行う第1情報処理装置と、
前記第1情報処理装置と接続し、前記所定処理を行う第2情報処理装置と、
前記第1情報処理装置、及び、前記第2情報処理装置と接続し、前記第1情報処理装置を管理する管理装置と
を有する情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
前記管理装置が、前記第1記憶装置の使用状況を示す第1使用状態を取得する取得手順と、
前記管理装置が、前記第1使用状態に基づき前記第1記憶装置の寿命を示す第1寿命状態を判断する判断手順と、
前記管理装置が、前記第1寿命状態に基づいて、前記所定処理を前記第2情報処理装置に実行させる管理手順と
を含む情報処理方法。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、画像形成システム、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性の記憶装置を用いて、様々なデータを記憶する技術が知られている。そして、不揮発性の記憶装置は、書き換え回数等が仕様で定まり、書き換えが可能な回数に制限がある。そこで、不揮発性の記憶装置の寿命を長くする技術が知られている。
【0003】
具体的には、メモリコントローラは、メモリの空き領域から、データを書き込む領域を選ぶ。次に、メモリコントローラは、メモリの記録状態に基づいて、スワップの要否を判定する。そして、メモリコントローラは、判定結果に応じて、スワップ対象領域を決定し、スワップ処理を行う。このようにして、特定の領域だけが頻繁に書き換えられるのを防ぎ、効果的にスワップを行う技術が知られている(例えば、特許文献1等である)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の技術は、メモリコントローラが、メモリの空き領域からデータ書き込み領域を選ぶときに、メモリの記録状態に基づいてスワップの要否判定をし、その判定に応じてスワップ対象領域を決定してスワップ処理を行うように処理をする。そのため、従来の技術を複数の情報処理装置を有する情報処理システムに適用すると、特定の情報処理装置に処理が集中して、その情報処理装置が有する不揮発性の記憶装置に書き換えが頻発する。そのような状態が生ずると、情報処理システムを構成する特定の情報処理装置が備える記憶装置の寿命が短くなり、その情報処理装置の寿命が短くなる課題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、不揮発性の記憶装置を備える情報処理装置の寿命を延ばすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、
不揮発性の第1記憶装置を有し、所定処理を行う第1情報処理装置と、
前記第1情報処理装置と接続し、前記所定処理を行う第2情報処理装置と、
前記第1情報処理装置、及び、前記第2情報処理装置と接続し、前記第1情報処理装置を管理する管理装置と
を有する情報処理システムでは、
前記管理装置は、
前記第1記憶装置の使用状況を示す第1使用状態を取得する取得部と、
前記第1使用状態に基づき前記第1情報処理装置の寿命を示す第1寿命状態を判断する判断部と、
前記第1寿命状態に基づいて、前記所定処理を前記第2情報処理装置に実行させる管理部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、不揮発性の記憶装置を備える情報処理装置の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システム構成の例を示す図である。
図2】情報処理装置の例を示す図である。
図3】管理装置の例を示す図である。
図4】第1実施形態の全体処理例を示す図である。
図5】状態レベルの設定例を示す図である。
図6】第1実施形態の変形例の全体処理例を示す図である。
図7】使用状態の例を示す図である。
図8】使用状態の管理例を示す図である。
図9】第1実施形態の機能構成例を示す図である。
図10】第2実施形態の全体処理例を示す図である。
図11】第2実施形態の機能構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、添付する図面を参照し、具体例を説明する。なお、実施形態は、以下に説明する具体例に限られない。
【0010】
[情報処理システム構成例、及び、情報処理装置の例]
図1は、情報処理システム構成の例を示す図である。以下、情報処理システム1は、Personal Computer(以下「PC2」という。)、第1画像形成装置31、第2画像形成装置32、及び、サーバ5を有する画像形成システムであるとする。また、情報処理システム1では、各々の装置は、ネットワーク4を介して接続する。したがって、各装置は、ネットワーク4を介して、データを送受信する。
【0011】
PC2は、ユーザが用いる端末である。以下、PC2におけるユーザの操作に基づいて、情報処理システム1が画像処理を行う場合で説明する。具体的には、PC2において、ユーザは、所定の文書を印刷する操作等を行う。このような操作がされると、情報処理システム1は、いずれかの情報処理装置により命令を実行する。
【0012】
なお、ユーザは、画像処理以外の処理を命令してもよい。以下、ユーザによる操作に基づき、情報処理システム1が開始する処理を「所定処理」という場合がある。
【0013】
[情報処理装置の例]
以下、第1情報処理装置を第1画像形成装置31とし、かつ、第2情報処理装置を第2画像形成装置32とする例で説明する。
【0014】
第1画像形成装置31、及び、第2画像形成装置32は、例えば、以下のような装置である。
【0015】
図2は、情報処理装置の例を示す図である。以下、第1画像形成装置31、及び、第2画像形成装置32は、同一のハードウェア構成であるとし、第1画像形成装置31を例に説明する。
【0016】
第1画像形成装置31は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、及び、ネットワークI/F950を備える。
【0017】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、ローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、HD909を有する。また、NB903とASIC906との間は、AGP(Accelerated Graphics Port)バス(以下「AGPバス921」という。)で接続した構成である。
【0018】
CPU901は、第1画像形成装置31の全体制御を行う制御装置である。
【0019】
NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及び、AGPバス921とを接続するブリッジである。また、NB903は、MEM-P902に対する読み書き等を制御するメモリコントローラ、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ、及び、AGPターゲットを有する。
【0020】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラム、若しくは、データの格納用メモリであるROM902a、並びに、プログラムとデータの展開、及び、メモリ印刷時の描画用メモリ等として用いるRAM902bで構成する。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式、又は、実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、又は、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供する構成でもよい。
【0021】
SB904は、NB903、PCIデバイス、及び、周辺デバイスを接続するブリッジである。
【0022】
ASIC906は、画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)である。また、ASIC906は、AGPバス921、PCIバス922、HDDコントローラ908、及び、MEM-C907を接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲット、AGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジック等により、画像データの回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931、及び、プリンタ部932の間で、PCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットで構成する。なお、ASIC906には、USBインタフェース、又は、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインタフェースを接続してもよい。
【0023】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ、及び、符号バッファとして用いるローカルメモリである。
【0024】
HD909は、画像データ、印刷時に用いるフォントデータ、及び、フォームを蓄積するストレージである。また、HD909は、CPU901の制御に従い、HD909に対するデータの読み出し、又は、書き込みを制御する。
【0025】
AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースである。また、AGPバス921は、MEM-P902に高スループットで直接アクセスして、グラフィックスアクセラレータカードを高速にできる。
【0026】
また、近距離通信回路920は、アンテナ920aを備える。例えば、近距離通信回路920は、NFC、又は、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0027】
エンジン制御部930は、スキャナ部931、及び、プリンタ部932で構成する。
【0028】
操作パネル940は、現在の設定値、又は、選択画面等を表示する。また、操作パネル940は、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件等の画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー、及び、コピー開始指示を受け付けるスタートキー等を有する操作入力パネル940bを備える。
【0029】
コントローラ910は、第1画像形成装置31全体の制御を行う。例えば、コントローラ910は、描画、通信、又は、操作パネル940による入力等を制御する。
【0030】
スキャナ部931、又は、プリンタ部932は、誤差拡散、及び、ガンマ変換等を行う画像処理部を含む。
【0031】
なお、第1画像形成装置31は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、及び、ファクシミリ機能を順次に切り替える。
【0032】
例えば、ドキュメントボックス機能を選択すると、第1画像形成装置31は、ドキュメントボックスモードとなる。同様に、コピー機能の選択時には、第1画像形成装置31は、コピーモードとなり、プリンタ機能の選択時には、第1画像形成装置31は、プリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時には、第1画像形成装置31は、ファクシミリモードとなる。
【0033】
ネットワークI/F950は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインタフェースである。
【0034】
近距離通信回路920、及び、ネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続する。
【0035】
なお、ハードウェア構成は、上記に説明する構成に限られない。したがって、第1画像形成装置31、及び、第2画像形成装置32は、実行する所定処理に応じて、上記のハードウェア以外を有する構成でもよい。
【0036】
[管理装置の例]
以下、管理装置をサーバ5とする例で説明する。例えば、サーバ5は、以下のような装置である。
【0037】
図3は、管理装置の例を示す図である。
【0038】
サーバ5は、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ(以下「HDDコントローラ505」という。)、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ(以下「DVD-RWドライブ514」という。)、及び、メディアI/F516を備える。
【0039】
CPU501は、サーバ5全体の動作を制御する制御装置、及び、演算装置である。
【0040】
ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いるプログラムを記憶する。
【0041】
RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用する。
【0042】
HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。
【0043】
HDDコントローラ505は、CPU501の制御基づいてHD504に対する各種データの読み出し、又は、書き込みを制御する。
【0044】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する出力装置である。
【0045】
外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、又は、プリンタ等である。
【0046】
ネットワークI/F509は、ネットワークを利用してデータ通信をするインタフェースである。
【0047】
バスライン510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、又は、データバス等である。
【0048】
キーボード511は、文字、数値、又は、指示等の入力のための複数のキーを備える入力装置である。
【0049】
ポインティングデバイス512は、ユーザによる指示、処理対象の選択、又は、カーソルの移動等を入力する入力装置である。
【0050】
DVD-RWドライブ514は、DVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、記録媒体は、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。
【0051】
メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し、又は、書き込みを制御する。
【0052】
なお、ハードウェア構成は上記の構成に限られない。したがって、サーバ5は、上記に説明する以外のハードウェアを内部、又は、外部に備えるハードウェア構成でもよい。
【0053】
[全体処理例]
図4は、第1実施形態の全体処理例を示す図である。以下、情報処理システム1において、サーバ5は、第1画像形成装置31を管理する例で説明する。また、以下に説明する全体処理は、例えば、情報処理システム1において、ユーザが印刷処理を命令する操作を行った場合に開始する。
【0054】
ステップS0401では、サーバ5は、第1画像形成装置31から使用状態を取得する。以下、使用状態を第1画像形成装置31が有するフラッシュメモリの書き換え回数とする例で説明する。
【0055】
書き換え回数は、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置に、データを書き換える処理を実行した回数である。フラッシュメモリは、仕様で書き換えが可能な回数が定まる。したがって、フラッシュメモリは、書き換え回数が多いほど残りの寿命が短い状態である。また、仕様ごとに書き換えが可能な回数が異なるため、フラッシュメモリの種類ごとに、寿命と判断する基準が異なる。
【0056】
使用状態は、フラッシュメモリの使用状況を示す情報である。
【0057】
ステップS0402では、サーバ5は、寿命状態を判断する。例えば、寿命状態は、以下の「状態レベル」に基づいて判断する。したがって、寿命状態に基づく判断により、情報処理装置は、所定処理を実行するか、又は、他の情報処理装置に実行を代わらせるかが判断される。
【0058】
図5は、状態レベルの設定例を示す図である。例えば、「状態レベル」は、「1」乃至「4」の4段階とする。ただし、「状態レベル」は、4段階未満、又は、5段階以上であってもよい。
【0059】
「状態レベル」は、ステップS0401で取得する使用状態に基づき、フラッシュメモリの寿命がどのような状態であるかを数値で示す。以下、「1」が既に寿命に達している状態であり、「4」が最も寿命まで遠い状態を示す例とする。
【0060】
「状態の説明」に記載の通り、「状態レベル」が「1」であると、第1画像形成装置31は、印刷が不可能な寿命状態であると判断される。以下、「状態レベル」が「1」、又は、「2」であると、サーバ5は、第1画像形成装置31が印刷を実行するのを回避した方がよい寿命状態であると判断する判断基準である例で説明する。
【0061】
寿命状態は、使用状態に基づいて判断される判断結果である。また、寿命状態は、事前に設定する判断基準によって判断される。具体的には、フラッシュメモリの書き換え回数が使用状態の場合には、使用状態は、フラッシュメモリに対して行われた書き換えの回数をカウントして計測される。そして、書き換えの回数が「1万回以上、かつ、2万回未満」であると、「状態レベル」は「3」に分類する等のように、寿命状態を判断する閾値、又は、範囲が事前に設定される。なお、寿命状態は、「寿命か否か」に分類した判断結果等でもよい。このように、使用状態を判断基準で分類した判断結果であればよい。
【0062】
ステップS0403では、サーバ5は、寿命状態が「1」、又は、「2」であるか否かを判断する。
【0063】
次に、寿命状態が「1」、又は、「2」であると(ステップS0403でYES)、サーバ5は、ステップS0405に進む。一方で、寿命状態が「1」、及び、「2」のどちらでもないと(ステップS0403でNO)、サーバ5は、ステップS0404に進む。
【0064】
ステップS0404では、サーバ5は、第1画像形成装置31に印刷処理を実行させる。
【0065】
ステップS0405では、サーバ5は、第2画像形成装置32に印刷処理を実行させる。
【0066】
以上のように、第1画像形成装置31が有するフラッシュメモリの書き換え回数が多く残りの寿命が短い状態であると、サーバ5は、第1画像形成装置31に代わって、第2画像形成装置32に印刷処理を実行させる。このようにすると、第1画像形成装置31に処理が集中するのを防いで、第1画像形成装置31が有するフラッシュメモリの寿命を長くできる。
【0067】
[変形例]
情報処理システム1は、第1画像形成装置31以外の装置も管理対象としてよい。以下、情報処理システム1が、第1画像形成装置31、第2画像形成装置32、及び、第3画像形成装置33を管理対象とする例で説明する。
【0068】
図6は、第1実施形態の変形例の全体処理例を示す図である。以下、図4と同じ処理は同一の符号を付し、説明を省略する。
【0069】
ステップS0601では、PC2は、ユーザによる印刷処理を命令する操作を入力する。以下、まずユーザによる印刷処理を命令する操作は、第1画像形成装置31が受け付けるとする。ただし、ユーザによる印刷処理を命令する操作は、他の装置が受け付けてもよい。
【0070】
ステップS0602では、第1画像形成装置31は、印刷処理の準備を開始する。
【0071】
ステップS0603では、サーバ5は、第2画像形成装置32から使用状態を取得する。
【0072】
ステップS0604では、サーバ5は、第3画像形成装置33から使用状態を取得する。
【0073】
したがって、ステップS0401、ステップS0603、及び、ステップS0604が実行されると、サーバ5は、第1画像形成装置31、第2画像形成装置32、及び、第3画像形成装置33の各々の使用状態を把握できる。
【0074】
ステップS0605では、サーバ5は、各装置の寿命状態を判断する。具体的には、サーバ5は、第1画像形成装置31、第2画像形成装置32、及び、第3画像形成装置33の各々の「状態レベル」を判断する。そして、第1画像形成装置31、第2画像形成装置32、及び、第3画像形成装置33のうち、最も「状態レベル」が高い装置を判断する。
【0075】
以下、第1画像形成装置31、第2画像形成装置32、及び、第3画像形成装置33のうち、第2画像形成装置32が最も「状態レベル」が高い装置である例で説明する。
【0076】
ステップS0606では、サーバ5は、第1画像形成装置31に印刷処理の実行を中止させる。
【0077】
ステップS0607では、サーバ5は、第2画像形成装置32に印刷処理を実行させる。
【0078】
ステップS0608では、サーバ5は、PC2に通知する。例えば、サーバ5は、PC2に対し、印刷処理の終了、第1画像形成装置31に代わって第2画像形成装置32が実行すること、又は、第1画像形成装置31の寿命状態等を通知する。このような通知があると、ユーザは、第1画像形成装置31の寿命状態、又は、印刷が第2画像形成装置32で実行されていることを知ることができる。
【0079】
なお、サーバ5は、第1画像形成装置31に代わって、第2画像形成装置32に印刷処理を実行させるのを印刷処理の途中でしてもよい。つまり、ユーザによる印刷処理を命令する操作が入力されると、第1画像形成装置31は、印刷処理の実行を開始する。その後、印刷処理の途中から第1画像形成装置31に代わって、第2画像形成装置32が印刷処理を実行してもよい。このように、サーバ5は、第2画像形成装置32に印刷処理を実行させる上で、第1画像形成装置31が準備中の処理を中止、又は、実行中の処理を中断させる制限を行うのが望ましい。
【0080】
このように、最も「状態レベル」が高い装置に優先的に処理を実行させると、サーバ5が管理する情報処理装置のうち、最も「状態レベル」が高い装置に所定処理を実行させる。そのため、サーバ5が管理する複数の情報処理装置は、フラッシュメモリの書き換え回数が特定の装置に偏るのを少なくできる。
【0081】
[使用状態の例]
図7は、使用状態の例を示す図である。例えば、第1画像形成装置31、第2画像形成装置32、及び、第3画像形成装置33は、使用状態テーブルデータ70のような形式で使用状態の情報を各々で保有する。
【0082】
使用状態テーブルデータ70は、「印刷可否状態」、「用紙有無状態」、「印刷状態」、「フラッシュメモリ書き換え回数」、及び、「状態レベル」といったパラメータを記憶する。これらのパラメータは、経時的に変化する。そして、使用状態テーブルデータ70が示す情報は、サーバ5等へ送信される。
【0083】
なお、使用状態を保有する形式は、上記に説明する以外の形式でもよい。また、使用状態は、各々の情報処理装置以外の装置が保有してもよい。
【0084】
さらに、サーバ5は、「フラッシュメモリ書き換え回数」、又は、「状態レベル」以外の使用状態を取得してもよい。そして、サーバ5は、複数の情報を組み合わせて寿命状態を判断してもよい。このように、複数の情報を用いると、精度良く寿命状態が判断できる。
【0085】
[使用状態の管理例]
図8は、使用状態の管理例を示す図である。例えば、サーバ5は、取得した使用状態を管理テーブル80のような形式で管理する。
【0086】
管理テーブル80は、「identification(ID)」、「Internet Protocol(IP)アドレス」、「名称」、及び、「状態レベル」の項目で構成する。
【0087】
管理テーブル80は、サーバ5が記憶する。また、管理テーブル80は、ネットワーク4を構築する際、ネットワーク4に新たに情報処理装置を追加して接続する際、又は、ネットワーク4から接続している情報処理装置を削除する際等に、更新、又は、生成する。
【0088】
「ID」は、ネットワーク4に接続する情報処理装置を識別する番号である。
【0089】
「IPアドレス」は、情報処理装置と通信するに宛先として用いる情報である。
【0090】
「名称」は、ユーザが各情報処理装置を識別するのに用いる情報である。
【0091】
「状態レベル」は、図5と同様の情報である。なお、サーバ5が「状態レベル」を判断する場合には、サーバ5が「フラッシュメモリ書き換え回数」を取得し、「状態レベル」は、サーバ5が生成する。
【0092】
[機能構成例]
図9は、第1実施形態の機能構成例を示す図である。具体的には、サーバ5は、取得部101、判断部102、及び、管理部103を備える。
【0093】
取得部101は、第1記憶装置311の使用状況を示す第1使用状態を取得する取得手順を行う。例えば、取得部101は、ネットワークI/F509等で実現する。
【0094】
判断部102は、第1使用状態に基づき第1画像形成装置31の寿命を示す第1寿命状態を判断する判断手順を行う。例えば、判断部102は、CPU501等で実現する。
【0095】
管理部103は、第1寿命状態に基づいて、所定処理を第2画像形成装置32に実行させる管理手順を行う。例えば、管理部103は、CPU501等で実現する。
【0096】
以上のような構成であると、情報処理システム1は、第1情報処理装置の第1記憶装置がよく使用される使用状態である場合等に、第1情報処理装置が実行する予定の所定処理を第2情報処理装置に代行させることができる。このようにして、情報処理システム1は、不揮発性の記憶装置を備える情報処理装置の寿命を延ばすことができる。情報処理装置の寿命は、例えば、情報処理装置の使用可能時間、又は、所定処理を実行させることが可能な回数等である。
【0097】
ほかにも、以上のような構成であると、情報処理システム1は、第1情報処理装置による処理が実行不可な状態であっても、第2情報処理装置に速やかに処理を代行させることができる。
【0098】
また、取得部101は、図示するように、第2記憶装置321の使用状況を示す第2使用状態を更に取得するのが望ましい。この場合には、判断部102は、第1寿命状態、及び、第2寿命状態に基づいて定処理を第2画像形成装置32に実行させる。このように、各情報処理装置の寿命状態を比べて判断すると、判断部102は、より適した情報処理装置に所定処理を実行させることができる。
【0099】
なお、管理装置は、サーバ5でなくともよい。例えば、管理装置は、サーバ5以外の情報処理装置、又は、情報処理システム1が有する画像形成装置が兼ねてもよい。
【0100】
[第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態の変形例と全体処理が異なる。以下、異なる点を中心に説明し、重複する説明を省略する。
【0101】
図10は、第2実施形態の全体処理例を示す図である。図10は、図6と同様の処理に同一の符号を付して示す。
【0102】
第2実施形態は、各情報処理装置の寿命状態が各情報処理装置で判断される構成である。
【0103】
ステップS1001では、第1画像形成装置31は、第1使用状態を取得し、第1寿命状態を判断する。
【0104】
ステップS1002では、第1画像形成装置31は、第1寿命状態をサーバ5に送信する。
【0105】
ステップS1003では、第2画像形成装置32は、第2使用状態を取得し、第2寿命状態を判断する。
【0106】
ステップS1004では、第2画像形成装置32は、第2寿命状態をサーバ5に送信する。
【0107】
ステップS1005では、第3画像形成装置33は、第3使用状態を取得し、第3寿命状態を判断する。
【0108】
ステップS1006では、第3画像形成装置33は、第3使用状態をサーバ5に送信する。
【0109】
ステップS0605以降の処理は、第1実施形態の変形例と同様である。
【0110】
以上のような全体処理であると、各装置の寿命状態を判断する処理がサーバ5に集中しないため、サーバ5の処理負担を軽減できる。
【0111】
[機能構成例]
図11は、第2実施形態の機能構成例を示す図である。具体的には、第1画像形成装置31は、第1取得部201、第1判断部202、及び、第1送信部203を備える。また、第2画像形成装置32は、第2取得部204、第2判断部205、及び、第2送信部206を備える。さらに、サーバ5は、第3判断部207を備える。
【0112】
第1取得部201は、第1記憶装置311の使用状況を示す第1使用状態を取得する第1取得手順を行う。例えば、第1取得部201は、CPU901等で実現する。
【0113】
第1判断部202は、第1使用状態に基づき第1画像形成装置31の寿命を示す第1寿命状態を判断する第1判断手順を行う。例えば、第1判断部202は、CPU901等で実現する。
【0114】
第1送信部203は、第1寿命状態をサーバ5に送信する第1送信手順を行う。例えば、例えば、第1送信部203は、ネットワークI/F950等で実現する。
【0115】
第2取得部204は、第2記憶装置321の使用状況を示す第2使用状態を取得する第2取得手順を行う。例えば、第2取得部204は、CPU901等で実現する。
【0116】
第2判断部205は、第2使用状態に基づき第2画像形成装置32の寿命を示す第2寿命状態を判断する第2判断手順を行う。例えば、第2判断部205は、CPU901等で実現する。
【0117】
第2送信部206は、第2寿命状態をサーバ5に送信する第2送信手順を行う。例えば、例えば、第2送信部206は、ネットワークI/F950等で実現する。
【0118】
第3判断部207は、第1寿命状態、及び、第2寿命状態に基づき、所定処理を第1画像形成装置31、及び、第2画像形成装置32のうち、どちらに実行させるかを判断する第3判断順を行う。例えば、第3判断部207は、CPU501等で実現する。
【0119】
以上のような構成であると、各々の情報処理装置が判断した寿命状態に基づき、サーバ5は、最も寿命が長い状態であると判断する方に所定処理を実行させることができる。このように、各情報処理装置の寿命状態を比べて判断すると、第3判断部207は、より適した情報処理装置に所定処理を実行させることができる。このようにして、情報処理システム1は、不揮発性の記憶装置を備える情報処理装置の寿命を延ばすことができる。
【0120】
[その他の実施形態]
なお、管理装置は、図6、又は、図10が示すように、3台以上の情報処理装置を管理してもよい。この場合には、管理装置は、3台以上の情報処理装置から、各情報処理装置の寿命に基づき所定処理を実行させる情報処理装置を判断する。
【0121】
なお、寿命状態は、書き換え回数以外でもよい。例えば、寿命状態は、記憶装置を使用した時間、使用可能時間、故障する間隔、故障時間、故障時間の割合、故障頻度、又は、使用頻度(これらの所定期間における統計値を含む。)等でもよい。
【0122】
情報処理方法は、例えば、プログラムに基づいて実現されてもよい。具体的には、プログラムに基づいて演算装置、記憶装置、及び、制御装置等の装置が、協働して動作して情報処理方法を実行する。なお、プログラムは、コンピュータが読取可能な記憶媒体に記憶されて頒布、又は、電気通信回線を通じて頒布されてもよい。
【0123】
各装置は、複数の装置で構成してもよい。したがって、各処理は、分散、冗長、又は、並列に実行されてもよい。
【0124】
なお、本発明は、上記に例示する各実施形態に限定されない。したがって、本発明は、技術的な要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の追加、又は、変形が可能である。ゆえに、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。なお、上記に例示する実施形態は、実施において好適な具体例である。そして、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現で可能であって、このような変形例は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0125】
1 :情報処理システム
4 :ネットワーク
5 :サーバ
31 :第1画像形成装置
32 :第2画像形成装置
33 :第3画像形成装置
70 :使用状態テーブルデータ
80 :管理テーブル
101 :取得部
102 :判断部
103 :管理部
201 :第1取得部
202 :第1判断部
203 :第1送信部
204 :第2取得部
205 :第2判断部
206 :第2送信部
207 :第3判断部
311 :第1記憶装置
321 :第2記憶装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0126】
【特許文献1】国際公開第2009/063614号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11