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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137070
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】ポンプ付き容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20230922BHJP
   B65D 47/34 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
B65D83/00 K
B65D47/34 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043077
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000224101
【氏名又は名称】藤森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】市丸 直弘
【テーマコード(参考)】
3E014
3E084
【Fターム(参考)】
3E014PC04
3E014PD11
3E014PE11
3E014PF03
3E014PF04
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC03
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084KB01
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD22
(57)【要約】
【課題】使用時に安定して自立しつつ、廃棄時に容易に減容化することができるポンプ付き容器を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係るポンプ付き容器は、底面部材と、天面部材と、前記底面部材及び前記天面部材と接合された、可撓性を有する筒状部材と、前記天面部材に設けられた口部と、前記口部に接続され、内容物を吐出するポンプ部と、前記ポンプ部の下端から前記底面部材まで延設された吸入管とを備え、前記吸入管の下端には、全周に亘って山型の切欠部が複数形成され、前記底面部材、前記天面部材、及び前記吸入管は、剛性を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面部材と、天面部材と、前記底面部材及び前記天面部材と接合された、可撓性を有する筒状部材と、前記天面部材に設けられた口部と、前記口部に接続され、内容物を吐出するポンプ部と、前記ポンプ部の下端から前記底面部材まで延設された吸入管とを備え、
前記吸入管の下端には、全周に亘って山型の切欠部が複数形成され、
前記底面部材、前記天面部材、及び前記吸入管は、剛性を有するポンプ付き容器。
【請求項2】
前記底面部材は、基板と、前記基板の一の面に設けられた凸部とを有し、
前記切欠部と前記凸部とが係合し、前記切欠部と前記凸部との間に、前記内容物を流入させる流入口が形成されている請求項1に記載のポンプ付き容器。
【請求項3】
前記凸部は、前記底面部材の中心から径方向の外方に向けて放射状に延出する放射状リブである請求項2に記載のポンプ付き容器。
【請求項4】
前記放射状リブの厚み方向の断面形状は、矩形である請求項3に記載のポンプ付き容器。
【請求項5】
前記切欠部及び前記放射状リブは、nは2以上の整数としたとき、前記底面部材の中心に対してn回対称の回転対称となる位置に設けられている請求項3又は4に記載のポンプ付き容器。
【請求項6】
前記底面部材は、前記基板の周縁から全周に亘って立設された周縁リブを有する請求項2から5のいずれか一項に記載のポンプ付き容器。
【請求項7】
前記ポンプ部は、空気置換を行う機構を有する請求項1から6のいずれか一項に記載のポンプ付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポンプ付き容器として、ハンディータイプや据え置きタイプに関わらずポンプ部が容器の口部に装着された容器が多数上市されている。この種の容器にあっては、資源の有効活用、又はゴミの減量化を図る観点から、容器そのものの肉厚を薄くすることが求められているところ、容器を薄肉化すると、ポンプ部の重量やポンプ部を押下げた際の押圧力によって、座屈するという問題があった。
【0003】
例えば、特許文献1には、縦型の往復動式の注出ポンプのシリンダーに連結した吸い上げ管の下端部に支持体を着脱可能に嵌着して設けた液体注出装置が、圧縮可能な薄肉容器に取り付けられた液体注出容器が開示されている。そして、注出装置の注出操作による押圧力を支持体により受け止め可能にして、中空容器が座屈、変形するのを防止できるように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-149199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の液体注出容器は、支持体が接する底壁面が薄肉に形成されているため、注出装置の注出操作による押圧力を受けたとき、容器の自立性が不安定になり転倒する可能性がある。特に、容器に収容されている内容物の量が減少したとき、容器の自立性がより不安定になり使い勝手に欠ける点がある。
【0006】
上記の点に鑑みて、本発明の一態様は、使用時に安定して自立しつつ、廃棄時に容易に減容化することができるポンプ付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るポンプ付き容器は、底面部材と、天面部材と、前記底面部材及び前記天面部材と接合された、可撓性を有する筒状部材と、前記天面部材に設けられた口部と、前記口部に接続され、内容物を吐出するポンプ部と、前記ポンプ部の下端から前記底面部材まで延設された吸入管とを備え、前記吸入管の下端には、全周に亘って山型の切欠部が複数形成され、前記底面部材、前記天面部材、及び前記吸入管は、剛性を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係るポンプ付き容器によれば、使用時に安定して自立しつつ、廃棄時に容易に減容化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態によるポンプ付き容器の筒状部材を一部破断した状態の斜視図である。
図2】一実施形態によるポンプ付き容器の分解斜視図である。
図3】底面部材の斜視図である。
図4図1における切欠部及び凸部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態によるポンプ付き容器100の筒状部材を一部破断した状態の斜視図である。図2は、一実施形態によるポンプ付き容器100の分解斜視図である。
【0011】
図1及び図2に示すように、ポンプ付き容器100は、底面部材1と、天面部材2と、底面部材1及び天面部材2と接合された、筒状部材3と、天面部材2に設けられた口部4と、口部4に接続され、内容物を吐出するポンプ部5と、ポンプ部5の下端から底面部材1まで延設された吸入管6とを備える。本明細書において、天面部材2側を上、底面部材1側を下とする場合があるが、ポンプ付き容器100の使用時の姿勢を限定するものではない。
【0012】
ポンプ付き容器100は、自立性を有する。ここで言う自立性とは、内容物を充填していない状態で自立が可能な性質を意味する。ポンプ付き容器100を自立させたとき、天面部材2が上側となり、底面部材1が下側となる。
【0013】
本実施形態によるポンプ付き容器100によって吐出される内容物は、流動性を示し、ポンプ部5によってポンプ付き容器100の外部へと押し出すことができれば限定されない。内容物は、液体、又は、液体と、固体、粉体及び粒体のうち1種以上との混合物であってよい。内容物としては、具体的には、飲料品、食料品、調味料、化粧品、医薬品、洗剤、接着剤、家庭用品、工業製品等が挙げられる。
【0014】
筒状部材3の形状は、円筒状であってよい。筒状部材3の形状は、底面部材1及び天面部材2の形状に応じて任意の形状とすることができ、例えば、角筒状、又は円筒状から角筒状に遷移する形状であってもよい。
【0015】
筒状部材3は、可撓性を有する。筒状部材3が、可撓性を有することにより、ポンプ付き容器100の廃棄時に、ポンプ部5及び吸入管6を取り外し、筒状部材3を容易に圧縮することができるため、ポンプ付き容器100を容易に減容化することができる。そして、容器を資源としてリサイクルするために回収する際、効率良く回収することができる。
【0016】
筒状部材3は、特に限定されないが、例えば、フィルムで形成されている。具体的には、筒状部材3は、シーラント層と、バリア層と、基材層とを備える積層フィルムで形成されていてよい。シーラント層は、ポンプ付き容器100の最内層であり、バリア層は、シーラント層の外周面に設けられ、基材層は、バリア層の外周面に設けられる。さらに、基材層の外側に、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂で形成された最外層が設けられていてもよい。
【0017】
シーラント層を構成する材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。バリア層は、例えば、アルミニウム等で形成される金属層を含んでいてよい。具体的には、バリア層は、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着フィルムであってよい。基材層を構成する材料としては、例えば、ナイロン(脂肪族ポリアミド)が挙げられる。
【0018】
筒状部材3の厚さは、150μm~350μmであることが好ましく、200μm~300μmであることがより好ましい。筒状部材3の厚さが、150μm~350μmであることにより、筒状部材3をより容易に圧縮することができる。筒状部材3の厚さは、天面部材2の厚さ及び底面部材1の厚さのいずれよりも小さいことが好ましい。筒状部材3の厚さが、天面部材2の厚さ及び底面部材1の厚さのいずれよりも小さいことにより、筒状部材3をより容易に圧縮することができるため、ポンプ付き容器100をより容易に減容化することができる。また、ポンプ付き容器100の原料の使用量を減らすことができ、ゴミの減量に貢献することができる。
【0019】
筒状部材3の重量は、天面部材2の重量及び底面部材1の重量のいずれよりもよりも軽いことが好ましい。筒状部材3の重量が、天面部材2の重量及び底面部材1の重量のいずれよりもよりも軽いことより、ポンプ付き容器100全体を軽量化することができる。
【0020】
天面部材2は、下端部(口部4と反対側の端部)の内面と、筒状部材3の外面とを重ね合わせて接合してもよく、下端部の外面と、筒状部材3の内面とを重ね合わせて接合してもよい。
【0021】
天面部材2の形状は、口部4の下端(底面部材1側の端部)から拡径した形状であってよい。図1及び図2に示す例では、天面部材2の形状は、口部4の下端から拡径した形状であるが、これに限らず、例えば、略平面状であってよい。換言すると、天面部材2は、口部4の下端から、底面部材1と平行に延設されていてもよい。天面部材2の平面視形状は、特に限定されないが、円形、楕円形、多角形(三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等)等であってよい。天面部材2の平面視形状が、多角形である場合、角に丸みを帯びていてもよい。
【0022】
天面部材2は、剛性を有する。通常、可撓性を有する筒状部材が変形すると、容器全体のバランスが崩れ、不安定になるが、本実施形態のポンプ付き容器100では、天面部材2が剛性を有することにより、内容物が減少し、可撓性を有する筒状部材3の張りがなくなり変形しやすい状態となっても、筒状部材3の初期の形状を維持することができる。よって、ポンプ付き容器100は、使用時に安定して自立することができ、また、内容物が無くなるまで外観の美観を維持することができる。
【0023】
具体的には、天面部材2は、筒状部材3よりも剛性が高い。天面部材2は、筒状部材3よりも剛性が高いことにより、ポンプ付き容器100は、使用時に安定して自立することができ、また、内容物が無くなるまで外観の美観を維持することができる。また、天面部材2は、ポンプ付き容器100の使用時に、使用者がポンプ付き容器100を把持することによって受ける外力、又はポンプ付き容器100が転倒若しくは落下した時に受ける外力に対する変形に耐え得る剛性を有していることが好ましい。
【0024】
天面部材2を構成する材料は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、木材等の有機系材料、金属、ガラス、セラミックス等の無機系材料、これらのうち2種以上の複合材料等が挙げられる。天面部材2を構成する材料は、これらの中でも、硬質の樹脂であることが好ましい。樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂等が挙げられる。天面部材2を構成する材料が樹脂である場合、天面部材2は、例えば、射出成形、圧縮成形、ブロー成形、押出成形、圧空成形、絞り成形等によって作製することができる。
【0025】
天面部材2の厚さは、0.5mm~2.5mmであることが好ましく、1mm~1.5mmであることがより好ましい。天面部材2の厚さは、底面部材1の厚さよりも小さいことが好ましい。天面部材2の厚さが、底面部材1の厚さよりも小さいことにより、ポンプ付き容器100は、使用時により安定して自立することができる。
【0026】
天面部材2の重量は、底面部材1の重量よりも軽いことが好ましい。天面部材2の重量が、底面部材1の重量よりも軽いことより、ポンプ付き容器100の重心を低くすることができ、ポンプ付き容器100は、使用時により安定して自立することができる。
【0027】
底面部材1は、筒状部材3とは別体に成形され、筒状部材3の下端の開口を閉止する。底面部材1は、底面部材1の外周壁14をヒートシール等によって筒状部材3の内周面に接合することにより、筒状部材3の下端の開口を閉止する。
【0028】
底面部材1の平面視形状は、特に限定されないが、円形、楕円形、多角形(三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等)等が挙げられる。底面部材1の平面視形状が、多角形である場合、角に丸みを帯びていてもよい。
【0029】
底面部材1は、剛性を有する。底面部材1は、剛性を有することにより、内容物が減少し、可撓性を有する筒状部材3の張りがなくなり変形しやすい状態となっても、筒状部材3の初期の形状を維持することができる。また、ポンプヘッド51を押圧する押圧力は、ポンプ部5から吸入管6を介して底面部材1へ伝えられ、剛性を有する底面部材1で受け止められる。よって、ポンプヘッド51が押圧されても底面部材1が変形することを抑制することができ、ポンプ付き容器100は、使用時に安定して自立することができる。
【0030】
具体的には、底面部材1は、ポンプ付き容器100の使用時に、ポンプヘッド51を押圧する押圧力に対する変形に耐え得る剛性を有していることが好ましい。また、底面部材1は、天面部材2よりも剛性が高いことが好ましい。底面部材1は、天面部材2よりも剛性が高いことにより、ポンプ付き容器100は、使用時により安定して自立することができる。
【0031】
天面部材2及び底面部材1が剛性を有し、筒状部材3が可撓性を有することにより、廃棄時に、天面部材2及び底面部材1で筒状部材3を挟んで潰すことで、筒状部材3を容易に圧縮することができる。
【0032】
底面部材1の厚さは、2mm~6mmであることが好ましく、4mm~5mmであることがより好ましい。厚さは、面方向に変化する等、均一でない場合は、最大値を意味する。底面部材1の厚さが、2mm~6mmであることにより、ポンプヘッド51が押圧されても底面部材1が変形することをより抑制することができ、ポンプ付き容器100は、使用時により安定して自立することができる。底面部材1の厚さは、天面部材2の厚さよりも大きいことが好ましい。底面部材1の重量は、天面部材2の重量よりも重いことが好ましい。底面部材1の重量が、天面部材2の重量よりも重いことにより、ポンプ付き容器100の重心を低くすることができ、ポンプ付き容器100は、使用時により安定して自立することができる。
【0033】
底面部材1を構成する材料としては、天面部材2と同様の材料を適用することができる。底面部材1を構成する材料は、硬質の樹脂であることが好ましい。底面部材1を構成する材料が樹脂である場合、底面部材1は、例えば、射出成形、圧縮成形、ブロー成形、押出成形、圧空成形、絞り成形等によって作製することができる。
【0034】
底面部材1は、基板11と、基板11の一の面(上面)に設けられた凸部12とを有することが好ましい。基板11の形状は、円板状であってよい。基板11の厚さは、1mm~4mmであることが好ましく、1mm~2mmであることがより好ましい。基板11の厚さは、1mm~4mmであることにより、ポンプヘッド51が押圧されても底面部材1が変形することをより抑制することができ、ポンプ付き容器100は、使用時により安定して自立することができる。
【0035】
図3は、底面部材1の斜視図である。凸部12は、図3に示すように、底面部材1の中心から径方向の外方(基板11の周縁)に向けて、スポークのように放射状に延出する放射状リブであることが好ましい。凸部12が、底面部材1の中心から径方向の外方に向けて放射状に延出する放射状リブであることにより、底面部材1の剛性を向上させることができるため、基板11の厚みを小さくすることができる。よって、ポンプ付き容器100の原料の使用量を減らすことができ、ゴミの減量に貢献することができる。
【0036】
凸部(放射状リブ)12は、基板11の上面から突出して設けられている。凸部12の基板11からの高さは、切欠部61の高さよりも小さいことが好ましい。
【0037】
凸部(放射状リブ)12は、nは2以上の整数としたとき、底面部材1の中心に対してn回対称の回転対称となる位置に設けられていることが好ましい。本実施形態では、凸部(放射状リブ)12の数は6つであり、6つの凸部(放射状リブ)12は、6回対称の回転対称となる位置に設けられている。図1図3に示す例では、底面部材1は、凸部12を有しているが、凸部12を有していなくてもよい。
【0038】
底面部材1は、さらに、基板11の周縁から全周に亘って立設された周縁リブ13を有していてもよい。周縁リブ13の形状は、例えば、基板11の全周に亘る円形状とすることができる。周縁リブ13は、基板11の一の面に突出していてよく、基板11の一の面(上面)及び他の面(下面)の両面に突出していてもよい。底面部材1は、周縁リブ13を有することにより、底面部材1の径方向に対する剛性を高めることができる。よって、使用者がポンプ付き容器100の下部を把持することによって受ける外力、器具等によってポンプ付き容器100の下部を挟持されることによって受ける外力、又はポンプ付き容器100が転倒若しくは落下した時に受ける外力に対し、底面部材1が変形することを抑制することができる。
【0039】
口部4は、図2に示すように、円筒状に形成されている。口部4の外周面には、雄螺子41が形成されている。口部4には、雄螺子41に螺合する雌螺子(図示せず)を有するポンプ部5を装着することができる。口部4は、天面部材2と一体に成形されていてよく、別の部材として成形されていてもよい。口部4を構成する材料は、天面部材2と同様の材料を適用することができる。
【0040】
ポンプ部5は、吐出口511を有するポンプヘッド51と、ステム52と、シリンダー53と、蓋体54とを有する。蓋体54の内周面には、口部4の雄螺子41と螺合する雌螺子が形成されている。ポンプ部5のポンプヘッド51を押圧することにより、シリンダー53内がピストンの作用により加圧され、シリンダー53内にあった内容物は、吐出口511から吐出される。
【0041】
ポンプ部5は、空気置換を行う機構を有することが好ましい。ポンプ部5が、空気置換を行う機構を有することにより、内容物が減少し、可撓性を有する筒状部材3の張りがなくなり変形しやすい状態となっても、筒状部材3の内側に外気が供給されるため、筒状部材3の初期の形状をより維持することができる。よって、よって、ポンプ付き容器100は、使用時により安定して自立することができ、また、内容物が無くなるまで外観の美観をより維持することができる。
【0042】
吸入管6は、ポンプ部5とは別体に成形され、ポンプ部5に接続されている。そして、吸入管6は、内容物を下端から吸入しポンプ部5内へ流通させる。
【0043】
吸入管6は、剛性を有する。吸入管6が、剛性を有することにより、ポンプヘッド51を押圧する押圧力は、ポンプ部5から吸入管6へ伝えられ、吸入管6の下端が底面部材1に当接することにより、吸入管6から底面部材1に伝えられる。即ち、吸入管6は、ポンプ付き容器100全体を支持する機能を有する。よって、ポンプヘッド51が押圧されても筒状部材3が圧縮変形したり、座屈することを抑制し、ポンプ付き容器100は、安定して自立することができる。また、内容物が減少し、可撓性を有する筒状部材3の張りがなくなり変形しやすい状態となっても、筒状部材3の初期の形状を維持することができる。以上により、ポンプ付き容器100は、使用時に安定して自立することができる。
【0044】
具体的には、吸入管6は、筒状部材3よりも剛性が高い。吸入管6は、ポンプ付き容器100の使用時に、ポンプヘッド51を押圧する押圧力に対する変形に耐え得る剛性を有していることが好ましい。吸入管6を構成する材料は、天面部材2と同様の材料を適用することができる。
【0045】
吸入管6の下端には、全周に亘って山型の切欠部61が複数形成されている。換言すると、吸入管6の下端は、ギザギザの形状、又はジグザグの形状を有する。切欠部61の個数は、特に限定されず、2つ以上であればよい。吸入管6の下端を底面部材1にほぼ当接させることにより、切欠部61から内容物を流入させることができる。これにより、吸入管6に別途、内容物を流入させる流入口を形成する必要がなく、吸入管6に別途、流入口を形成する場合と比較して、吸入管6の強度を向上させることができる。また、流入口が山型の切欠部61に対応して複数形成されるため、内容物を吸入管6に効率よく流入させることができる。
【0046】
図4は、図1における切欠部61及び凸部12の拡大図である。底面部材1が凸部(放射状リブ)12を有する場合、図4に示すように、吸入管6の下端が底面部材1の基板11に当接すると同時に、切欠部61と凸部12とが係合し、切欠部61と凸部12との間に、内容物を流入させる流入口10が形成される。切欠部61と凸部12とが係合することにより、ポンプヘッド51を押圧する押圧力を受けても、吸入管6が底面部材1に対して垂直に維持されるため、ポンプ付き容器100は、安定して自立することができる。また、凸部(放射状リブ)の厚み方向(凸部(放射状リブ)12が延出する方向に直交する方向)の断面形状は、矩形であることが好ましい。厚み方向の断面形状が矩形である凸部12に、山型の切欠部61が係合することにより、凸部12の周囲に複数の隙間が形成され、十分な開口面積の流入口10を形成することができる。
【0047】
切欠部61は、nは2以上の整数としたとき、底面部材1の中心に対してn回対称の回転対称となる位置に設けられていることが好ましい。本実施形態では、切欠部61の数は6つであり、6つの切欠部61は、6回対称の回転対称となる位置に設けられている。これにより、ポンプヘッド51を押圧する押圧力を受けても、吸入管6が底面部材1に対して垂直により維持されるため、より安定して自立することができる。また、底面部材1が凸部(放射状リブ)12を有する場合、凸部12は、少なくとも切欠部61に対応する位置に設けられていることが好ましい。これにより、切欠部61と凸部12とが多点で係合し、ポンプヘッド51を押圧する押圧力を受けても、吸入管6が底面部材1に対して垂直にさらに維持されるため、さらに安定して自立することができる。
【0048】
ポンプ付き容器100を構成する各部材には、酸素吸収機能、匂い吸収機能、非吸着機能等、1以上の機能性を付与してもよい。ポンプ付き容器100を構成する各部材を構成する材料は、樹脂に限らず、紙、布、不織布、繊維、金属、無機化合物等の異種材料を積層または配合してもよい。
【0049】
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更等を行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1 底面部材
11 基板
12 凸部(放射状リブ)
13 周縁リブ
14 外周壁
2 天面部材
3 筒状部材
4 口部
41 雄螺子
5 ポンプ部
51 ポンプヘッド
511 吐出口
52 ステム
53 シリンダー
54 蓋体
6 吸入管
61 切欠部
10 流入口
100 ポンプ付き容器
図1
図2
図3
図4