(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137075
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/07 20060101AFI20230922BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20230922BHJP
【FI】
G06F11/07 178
G06F11/07 140P
G06F21/62 345
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043083
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】山口 晃典
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042KK07
5B042KK13
5B042KK20
5B042MA08
5B042MA09
5B042MC27
5B042MC30
(57)【要約】
【課題】機器の障害に対処するための作業負担を軽減すること。
【解決手段】機器は、当該機器に障害が発生すると、障害に関する情報であって、ユーザに関する情報を含まない障害情報を情報処理装置へ送信する障害情報送信部と、当該機器において記録されているログデータの送信要求を情報処理装置から受信すると、ログデータの送信の可否の問い合わせを出力する照会部と、問い合わせに対してログデータの送信が可能であることを示す入力が行われると、ログデータを情報処理装置へ送信するログ送信部と、を有し、情報処理装置は、障害情報を受信する障害情報受信部と、障害情報に基づいてログデータの要否を判定する判定部と、判定部がログデータが必要であると判定した場合に、ログデータの送信要求を機器へ送信するログ要求部と、機器から送信されるログデータを受信するログ受信部と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器と、前記機器にネットワークを介して接続する情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
前記機器は、
当該機器に障害が発生すると、前記障害に関する情報であって、ユーザに関する情報を含まない障害情報を前記情報処理装置へ送信する障害情報送信部と、
当該機器において記録されているログデータの送信要求を前記情報処理装置から受信すると、前記ログデータの送信の可否の問い合わせを出力する照会部と、
前記問い合わせに対して前記ログデータの送信が可能であることを示す入力が行われると、前記ログデータを前記情報処理装置へ送信するログ送信部と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記障害情報を受信する障害情報受信部と、
前記障害情報に基づいて前記ログデータの要否を判定する判定部と、
前記判定部が前記ログデータが必要であると判定した場合に、前記ログデータの送信要求を前記機器へ送信するログ要求部と、
前記機器から送信される前記ログデータを受信するログ受信部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記障害情報が含む障害の履歴が、前記障害情報が示す障害が連続して発生していることを示す場合には、前記ログデータが必要であると判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記判定部は、前記障害情報に係る障害の発生回数が第1の閾値未満である場合、又は当該障害の発生回数に対してサービスマンによる対処が必要であった回数の比率が第2の閾値以上であった場合には、前記ログデータが必要であると判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項4】
機器と、前記機器にネットワークを介して接続する情報処理装置とが実行する情報処理方法であって、
前記機器が、
当該機器に障害が発生すると、前記障害に関する情報であって、ユーザに関する情報を含まない障害情報を前記情報処理装置へ送信する障害情報送信手順と、
当該機器において記録されているログデータの送信要求を前記情報処理装置から受信すると、前記ログデータの送信の可否の問い合わせを出力する照会手順と、
前記問い合わせに対して前記ログデータの送信が可能であることを示す入力が行われると、前記ログデータを前記情報処理装置へ送信するログ送信手順と、
を実行し、
前記情報処理装置が、
前記障害情報を受信する障害情報受信手順と、
前記障害情報に基づいて前記ログデータの要否を判定する判定手順と、
前記判定手順が前記ログデータが必要であると判定した場合に、前記ログデータの送信要求を前記機器へ送信するログ要求手順と、
前記機器から送信される前記ログデータを受信するログ受信手順と、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
請求項1乃至3いずれか一項記載の情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至3いずれか一項記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等の機器がユーザによって使用されている際、故障や不具合等の障害が発生する場合が有る。従来、このような障害に対処するための技術が考案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、障害を検知した際に画像形成装置のステータス情報(機種情報、障害情報、カウンタ情報など)をインターネット経由で障害管理サーバ20へ送信する構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、機器がネットワークを介して自動的にサーバ側に送信可能な情報は、障害の解析に必要とされる全情報のうちの一部に限られている。
【0005】
具体的には、障害の解析には、機器が障害の有無に拘わらず記録しているログデータも必要であるところ、ログデータにはユーザに関する機微情報(顧客情報)が含まれる可能性があるため、ユーザの同意無しにログデータを自動的に外部へ送信することはできない。
【0006】
したがって、実運用においては、サービスマンが客先(ユーザ)を訪問し、顧客の同意を得た上で機器からSDカード等の携帯型の記録媒体にログデータを回収している。
【0007】
この運用では、ログデータが必要となるたびにサービスマンが客先を訪問する必要があり、作業負担が大きい。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、機器の障害に対処するための作業負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで上記課題を解決するため、機器と、前記機器にネットワークを介して接続する情報処理装置とを含む情報処理システムであって、前記機器は、当該機器に障害が発生すると、前記障害に関する情報であって、ユーザに関する情報を含まない障害情報を前記情報処理装置へ送信する障害情報送信部と、当該機器において記録されているログデータの送信要求を前記情報処理装置から受信すると、前記ログデータの送信の可否の問い合わせを出力する照会部と、前記問い合わせに対して前記ログデータの送信が可能であることを示す入力が行われると、前記ログデータを前記情報処理装置へ送信するログ送信部と、を有し、前記情報処理装置は、前記障害情報を受信する障害情報受信部と、前記障害情報に基づいて前記ログデータの要否を判定する判定部と、前記判定部が前記ログデータが必要であると判定した場合に、前記ログデータの送信要求を前記機器へ送信するログ要求部と、前記機器から送信される前記ログデータを受信するログ受信部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
機器の障害に対処するための作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施の形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。
【
図2】第1の実施の形態における画像形成装置10のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】第1の実施の形態における障害管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】第1の実施の形態における情報処理システム1の機能構成例を示す図である。
【
図5】情報処理システム1において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図6】第1の実施の形態におけるログデータの送信の要否の判定処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図7】第2の実施の形態における情報処理システム1の機能構成例を示す図である。
【
図8】第2の実施の形態におけるログデータの送信の要否の判定処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図9】障害状況記憶部27の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、第1の実施の形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。
図1が示す情報処理システム1は、1以上の画像形成装置10、1以上の端末30及び障害管理サーバ20を含む。各画像形成装置10及び各端末30は、LAN(Local Area Network)又はインターネット等のネットワークを介して障害管理サーバ20に接続する。
【0013】
画像形成装置10は、ユーザによって利用される機器の一例である。画像形成装置10は、自機に障害が発生すると、障害発生時における画像形成装置10の状態を示す障害情報(設定値、エラー履歴、エラー番号等)を障害管理サーバ20へ送信する。ここで、障害情報は、画像形成装置10のユーザに関する情報(例えば、機微情報)を含まない情報である。ユーザに関する情報としては、IPアドレス等のアドレス情報が一例として挙げられる。なお、障害情報は、障害の発生の有無に拘わらず定常的に画像形成装置10において記録されているログデータは含まない。ログデータは、顧客情報を含む可能性が有るからである。なお、障害の発生とは、画像形成装置10の状態が障害として定義された所定の状態に遷移することをいう。
【0014】
端末30は、画像形成装置10の保守担当者であるサービスマンが利用するPC(Personal Computer)、タブレット端末又はスマートフォン等の端末である。
【0015】
障害管理サーバ20は、障害が発生した画像形成装置10から障害情報を受信すると、障害の解析に必要な情報を画像形成装置10から収集すると共に、障害の発生を端末30へ通知する1以上のコンピュータ(情報処理装置)である。
【0016】
図2は、第1の実施の形態における画像形成装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図2において、画像形成装置10は、コントローラ11、スキャナ12、プリンタ13、モデム14、操作パネル15、ネットワークインタフェース16、及びSDカードスロット17等のハードウェアを有する。
【0017】
コントローラ11は、CPU111、RAM112、ROM113、HDD114、及びNVRAM115等を有する。ROM113には、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記憶されている。RAM112は、プログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域等として用いられる。CPU111は、RAM112にロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。HDD114には、プログラムやプログラムが利用する各種のデータ等が記憶される。NVRAM115には、各種の設定情報等が記憶される。
【0018】
スキャナ12は、原稿より画像データを読み取るためのハードウェア(画像読取手段)である。プリンタ13は、印刷データを印刷用紙に印刷するためのハードウェア(印刷手段)である。モデム14は、電話回線に接続するためのハードウェアであり、FAX通信による画像データの送受信を実行するために用いられる。操作パネル15は、ユーザからの入力の受け付けを行うためのボタン等の入力手段や、液晶パネル等の表示手段等を備えたハードウェアである。液晶パネルは、タッチパネル機能を有していてもよい。この場合、当該液晶パネルは、入力手段の機能をも兼ねる。ネットワークインタフェース16は、LAN等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない。)に接続するためのハードウェアである。SDカードスロット17は、SDカード80に記憶されたプログラムを読み取るために利用される。すなわち、画像形成装置10では、ROM113に記憶されたプログラムだけでなく、SDカード80に記憶されたプログラムもRAM112にロードされ、実行されうる。なお、他の記録媒体(例えば、CD-ROM又はUSB(Universal Serial Bus)メモリ等)によってSDカード80が代替されてもよい。すなわち、SDカード80の位置付けに相当する記録媒体の種類は、所定のものに限定されない。この場合、SDカードスロット17は、記録媒体の種類に応じたハードウェアによって代替されればよい。
【0019】
図3は、第1の実施の形態における障害管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。
図3の障害管理サーバ20は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置200、補助記憶装置202、メモリ装置203、CPU204、及びインタフェース装置205等を有する。
【0020】
障害管理サーバ20での処理を実現するプログラムは、CD-ROM等の記録媒体201によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体201がドライブ装置200にセットされると、プログラムが記録媒体201からドライブ装置200を介して補助記憶装置202にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体201より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置202は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0021】
メモリ装置203は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置202からプログラムを読み出して格納する。CPU204は、メモリ装置203に格納されたプログラムに従って障害管理サーバ20に係る機能を実行する。インタフェース装置205は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0022】
図4は、第1の実施の形態における情報処理システム1の機能構成例を示す図である。
図4において、画像形成装置10は、障害情報送信部121、照会部122及びログ送信部123を有する。これら各部は、画像形成装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU111に実行させる処理により実現される。
【0023】
障害情報送信部121は、画像形成装置10に障害が発生した場合に、障害情報を障害管理サーバ20へ送信する。
【0024】
照会部122は、障害情報に基づいてログデータが必要であると判定した障害管理サーバ20からログデータの送信要求を受信すると、ログデータの送信の可否(許否)の問い合わせを出力する。
【0025】
ログ送信部123は、ログデータの送信の可否の問い合わせに対して、ログデータの送信が可能であることを示す入力が行われると、画像形成装置10において過去一定期間において記録されたログデータを障害管理サーバ20へ送信する。
【0026】
障害管理サーバ20は、障害情報受信部21、判定部22、ログ要求部23、ログ受信部24及び障害通知部25を有する。これら各部は、障害管理サーバ20にインストールされた1以上のプログラムが、CPU204に実行させる処理により実現される。障害管理サーバ20は、また、ログ記憶部26を利用する。ログ記憶部26は、例えば、補助記憶装置202、又は障害管理サーバ20にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0027】
障害情報受信部21は、画像形成装置10から送信される障害情報を受信する。
【0028】
判定部22は、障害情報受信部21が受信した障害情報に基づいて、ログデータの要否を判定する。
【0029】
ログ要求部23は、ログデータが必要であると判定された場合に、ログデータの送信要求を画像形成装置10へ送信する。
【0030】
ログ受信部24は、画像形成装置10から送信されるログデータを受信し、受信したログデータをログ記憶部26へ記録(保存)する。
【0031】
障害通知部25は、ログデータの記録先を示す情報(例えば、URL等)を含む、障害の発生を通知するための情報(以下、「障害通知情報」という。)を端末30へ送信する。そうすることで、サービスマンに対して当該障害に対する対処が要請される。
【0032】
以下、情報処理システム1において実行される処理手順について説明する。
図5は、情報処理システム1において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0033】
画像形成装置10の障害情報送信部121は、画像形成装置10において障害の発生を検知すると、障害情報を収集し、当該障害情報を障害管理サーバ20へ送信する(S101)。
【0034】
障害管理サーバ20の障害情報受信部21が障害情報を受信すると、判定部22は、当該障害情報に基づいてログデータの要否を判定する(S102)。ログデータが必要でないと判定された場合、ステップS103以降は実行されない。
【0035】
ログデータが必要であると判定された場合、ログ要求部23は、ログデータの送信要求(アップロード要求)を画像形成装置10へ送信する(S103)。
【0036】
画像形成装置10の照会部122は、ログデータの送信要求を受信すると、ログデータの送信の可否(許否)の問い合わせを示す情報を操作パネル15に出力(表示)する(S104)。例えば、ログデータには顧客情報が含まれる可能性が有るが外部へ送信しても良いか否かを示すメッセージと、送信の可否を受け付けるためのボタンとを含む画面が表示されてもよい。
【0037】
送信の不可(拒絶)を示す入力が操作者によって行われると、ステップS105以降は実行されない。送信が可能であること(送信の許可)を示す入力が操作者によって行われると、ログ送信部123は、画像形成装置10において記録されているログデータを収集し、収集したログデータを障害管理サーバ20へ送信する(S105)。
【0038】
障害管理サーバ20のログ受信部24はログデータを受信すると、当該ログデータをログ記憶部26へ保存する(S106)。続いて、障害通知部25は、当該ログデータのアドレス情報を含む障害通知情報を端末30へ送信する(S107)。例えば、サービスマンは、当該障害通知情報に基づいて、ログ記憶部26に保存されたログデータにアクセスして障害の原因の解析を行う。サービスマンにて解析不可な場合、例えば、サービスマンは、当該ログデータを設計部署等に転送して解析を依頼する。
【0039】
続いて、ステップS102の詳細について説明する。
図6は、第1の実施の形態におけるログデータの送信の要否の判定処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0040】
ステップS201において、判定部22は、障害情報に含まれているエラー番号に係るエラー(以下、「対象エラー」という。」が、予めログデータの送信が不要なエラーとして登録されているか否かを判定する。すなわち、ログデータの送信が不要なエラー番号のリストが予め障害管理サーバ20に設定されており、判定部22は、対象エラーのエラー番号が当該リストに含まれているか否かを判定する。なお、エラー番号は、障害(エラー)の種別を示す情報の一例である。
【0041】
対象エラーが、ログデータの送信が不要なエラーとして登録されている場合(S202でYes)、判定部22は、障害情報に含まれているエラー履歴を参照して、対象エラーが連続して発生しているか否かを判定する(S203)。ここで、エラー履歴とは、今回発生したエラー及び過去において発生したエラーごとにエラー番号及びエラーの発生日時等を時系列に含む情報をいう。したがって、判定部22は、エラー履歴における直近の2つのエラー番号が同じであるか否かを判定することで対象エラーが連続して発生しているか否かを判定することができる。斯かる判定は、例えば、高温時や低温時等、画像形成装置10にとって正常動作が保証されている稼働環境でない状況においてたまたま発生したエラーをログデータの送信対象から除くための判定である。
【0042】
対象エラーが連続して発生していない場合(S202でNo)、判定部22は、ログデータの送信が不要であると判定する(S203)。
【0043】
一方、対象エラーがログデータの送信が不要なエラーとして登録されていない場合(S201でNo)、又は対象エラーが連続して発生している場合(S2202でYes)、判定部22は、ログデータの送信が必要であると判定する(S204)。
【0044】
上述したように、第1の実施の形態によれば、画像形成装置10に障害が発生した場合、画像形成装置10のログデータの送信の可否が操作者に照会され、操作者によって送信が可能であることを示す入力が行われると、ログデータが障害管理サーバ20へ送信される。したがって、サービスマンが客先を訪問せずとも、ユーザの同意を得た上でログデータを入手することができる。その結果、画像形成装置10の障害に対処するための作業負担を軽減することができる。
【0045】
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では第1の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第1の実施の形態と同様でもよい。
【0046】
図7は、第2の実施の形態における情報処理システム1の機能構成例を示す図である。
図7中、
図4と同一部分又は対応する部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図7において、障害管理サーバ20は、更に、障害状況記憶部27を利用する。障害状況記憶部27は、例えば、補助記憶装置202、又は障害管理サーバ20にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0047】
障害状況記憶部27には、障害管理サーバ20にネットワークを介して接続する複数の全ての画像形成装置10における障害の発生状況を示す情報が記憶されている。例えば、障害状況記憶部27には、過去に発生した障害のエラー番号ごとに、発生の累積回数(発生回数)等が記憶されている。
【0048】
第2の実施の形態では、
図5のステップS102において、
図6の処理手順の代わりに
図8の処理手順が実行される。
【0049】
図8は、第2の実施の形態におけるログデータの送信の要否の判定処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0050】
ステップS301において、判定部22は、障害情報に含まれているエラー番号に係るエラー(以下、「対象エラー」という。)の発生回数が閾値α以上であるか否かを障害状況記憶部27を参照して判定する。
【0051】
図9は、障害状況記憶部27の構成例を示す図である。
図9に示されるように、障害状況記憶部27には、過去に発生した障害のエラー番号ごとに、発生回数、サービスマン対処回数及び対処比率等が記憶されている。発生回数は、エラー番号に係るエラー(障害)の発生の累積回数である。サービスマン対処回数は、エラー番号に係るエラー(障害)の解消についてサービスマンによる対処が必要だった回数である。対処比率は、発生回数に対するサービスマン対処回数の比率(割合)である。
【0052】
なお、閾値αは、同じ障害の発生回数が少ないか否かを判定するための基準となる値である。
【0053】
対象エラーの発生回数が閾値α以上である場合(S301でYes)、判定部22は、対象エラーの対処比率が閾値β以上であるか否かを判定する(S302)。
【0054】
対処お比率が閾値β未満である場合(S302でNo)、判定部22は、ログデータの送信が不要であると判定する(S303)。
【0055】
一方、対象エラーの発生回数が閾値α未満である場合(S301でNo)、又は対象エラーの対処比率が閾値β以上である場合(S3202でYes)、判定部22は、ログデータの送信が必要であると判定する(S304)。対象エラーの発生回数が閾値α未満である場合にログデータの送信が必要であると判定するのは、この場合については対象エラーの重要性について判断ができないからである。また、対象エラーの対処比率が閾値β以上である場合にログデータの送信が必要であると判定するのは、サービスマンの対処が必要であった事例が多い障害についてログデータを収集可能とするためのである。
【0056】
なお、上記各実施の形態は、画像形成装置10以外の機器に対して適用されてもよい。例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等の機器に対して上記各実施の形態が適用されてもよい。
【0057】
なお、上記各実施の形態において、障害管理サーバ20は、情報処理装置の一例である。画像形成装置10は、機器の一例である。
【0058】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 情報処理システム
10 画像形成装置
11 コントローラ
12 スキャナ
13 プリンタ
14 モデム
15 操作パネル
16 ネットワークインタフェース
17 SDカードスロット
20 障害管理サーバ
21 障害情報受信部
22 判定部
23 ログ要求部
24 ログ受信部
25 障害通知部
26 ログ記憶部
27 障害状況記憶部
30 端末
80 SDカード
111 CPU
112 RAM
113 ROM
114 HDD
115 NVRAM
121 障害情報送信部
122 照会部
123 ログ送信部
200 ドライブ装置
201 記録媒体
202 補助記憶装置
203 メモリ装置
204 CPU
205 インタフェース装置
B バス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】