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特開2023-137077情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137077
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/04 20120101AFI20230922BHJP
【FI】
G06Q30/04
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043086
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】塩月 信智
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB11
(57)【要約】
【課題】文書を表す電子データから文書の授受形式を判別する。
【解決手段】情報処理装置は、文書を表す電子データの入力を受け付ける入力部と、電子データの属性情報に基づいて文書の授受形式を判別する判別部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書を表す電子データの入力を受け付ける入力部と、
前記電子データの属性情報に基づいて前記文書の授受形式を判別する判別部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記授受形式は、紙及び電子を含む、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記判別部は、前記電子データから前記属性情報を取得できないとき、前記授受形式を電子と判別する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記判別部は、前記電子データが暗号化されているとき、前記授受形式を電子と判別する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記判別部は、前記電子データに含まれるページ毎に、当該ページに含まれる画像の描画サイズと当該ページのページサイズとを比較することで、前記授受形式を判別する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記判別部は、前記ページに含まれるすべての前記画像の前記描画サイズが前記ページサイズ未満であるとき、前記授受形式を電子と判別する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記属性情報は、前記電子データを表すファイルのプロパティ情報である、
前記判別部は、前記プロパティ情報に所定の文字列が含まれるか否かを判定することで、前記授受形式を判別する、
情報処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記入力部は、利用者による前記電子データを選択する操作に応じて、前記電子データの入力を受け付け、
前記電子データ及び前記授受形式を含む登録要求を他の情報処理装置に送信する送信部をさらに備える、
情報処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理装置であって、
前記電子データと前記授受形式とを関連付けて表示するための画面データを前記他の情報処理装置から受信する受信部をさらに備える、
情報処理装置。
【請求項10】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記入力部は、利用者端末から前記電子データを受信したことに応じて、前記電子データの入力を受け付け、
前記電子データと前記授受形式とを関連付けて記憶部に記憶する記憶制御部をさらに備える、
情報処理装置。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理装置であって、
前記電子データと前記授受形式とを関連付けて表示するための画面データを前記利用者端末に送信する送信部をさらに備える、
情報処理装置。
【請求項12】
利用者端末と情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
文書を表す電子データの入力を受け付ける入力部と、
前記電子データの属性情報に基づいて前記文書の授受形式を判別する判別部と、
を含む情報処理システム。
【請求項13】
コンピュータが、
文書を表す電子データの入力を受け付ける入力手順と、
前記電子データの属性情報に基づいて前記文書の授受形式を判別する判別手順と、
を実行する情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータに、
文書を表す電子データの入力を受け付ける入力手順と、
前記電子データの属性情報に基づいて前記文書の授受形式を判別する判別手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商取引に用いる帳票等の文書を電子化して管理する文書管理システムが利用されている。例えば、特許文献1には、電子化した請求書又は納品書等の帳票類を帳票管理サーバにアップロードし、取引先による当該帳票類のダウンロードを可能とすることで、帳票類の送付にかかるコストを削減する技術が開示されている。
【0003】
例えば、文書管理システムにおける文書管理サーバでは、管理する文書の授受形式に応じて管理方法が異なる場合がある。その場合、文書管理サーバは、文書を表す電子データに当該文書の授受形式を関連付けて管理する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、文書の授受形式を入力する手間がかかる、という課題がある。例えば、文書を表す電子データは、当該文書の授受形式を示す情報を保持していないことが通常である。そのため、当該文書の授受形式については、利用者は文書を表す電子データを文書管理サーバにアップロードした後など、手作業で入力する必要があった。
【0005】
この発明の一実施形態は、上記のような技術的課題に鑑みて、文書を表す電子データから文書の授受形式を判別することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、この発明の一実施形態である情報処理装置は、文書を表す電子データの入力を受け付ける入力部と、電子データの属性情報に基づいて文書の授受形式を判別する判別部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この発明の一実施形態によれば、文書を表す電子データから文書の授受形式を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態における情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】一実施形態における情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】第1実施形態における情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
図4】第1実施形態における情報処理方法の処理手順の一例を示す図である。
図5】第1実施形態におけるテナント情報管理テーブルの一例を示す図である。
図6】第1実施形態におけるスクリプトの一例を示す図である。
図7】第1実施形態におけるアップロード画面の一例を示す図である。
図8】第1実施形態における授受形式判別処理の一例を示す図である。
図9】第1実施形態における文書情報管理テーブルの一例を示す図である。
図10】第1実施形態におけるアップロード画面の一例を示す図である。
図11】第1実施形態における情報処理方法の処理手順の一例を示す図である。
図12】第1実施形態における文書一覧画面の一例を示す図である。
図13】第1実施形態における文書詳細画面の一例を示す図である。
図14】第1実施形態における情報処理方法の処理手順の一例を示す図である。
図15】第1実施形態における文書情報管理テーブルの一例を示す図である。
図16】第2実施形態における情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
図17】第2実施形態における登録処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、図面中において同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【0010】
[第1実施形態]
この発明の第1実施形態は、文書を電子的に管理する情報処理システムである。本実施形態における情報処理システムは、利用者の操作に応じて、文書を表す電子データ(以下、「文書データ」とも呼ぶ)の入力を受け付け、当該文書データに表された文書の授受形式を判別する。また、本実施形態における情報処理システムは、文書データに授受形式を関連付けて記憶する。
【0011】
本実施形態における文書は、例えば、商取引に用いる請求書又は見積書等の帳票等である。本実施形態における帳票は、例えば、利用者が取引先に発行した帳票及び利用者が取引先から受領した帳票の少なくとも一方を含む。帳票には、例えば、商取引の証拠として作成される証憑等が含まれる。
【0012】
本実施形態における情報処理システムが管理する文書データには、文書の授受形式に応じて管理方法が異なるものが含まれる。例えば、帳票を電子化した電子データには、いわゆる電子帳簿保存法が適用される。電子帳簿保存法では、帳票の授受形式に応じて、異なる管理方法に従う必要がある。したがって、情報処理システムが帳票を電子化した電子データを管理する場合、当該電子データに当該帳票の授受形式を関連付けて記憶する必要がある。
【0013】
本実施形態における授受形式とは、文書を授受したときの媒体又は手段を示す情報である。本実施形態における授受形式は、「紙」又は「電子」を含む。授受形式が「紙」とは、紙に記載された文書を、持参又は郵送等により物理的に授受したことを表す。授受形式が「電子」とは、電子化された文書を電子メール又はクラウドサービス等ネットワークを介して電子的に授受したことを表す。
【0014】
授受形式が「紙」である文書は、例えば、スキャナ等により画像ファイルとして電子化される。授受形式が「電子」である文書は、例えば、ワードプロセッサ又は表計算ソフトウェア等の文書作成アプリケーションにより生成され、PDF(Portable Document Format)形式等の電子ファイルに変換される。
【0015】
〔情報処理システムの全体構成〕
本実施形態における情報処理システムの全体構成を、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における情報処理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
図1に示されているように、本実施形態における情報処理システム1は、文書管理サーバ10、及び1台以上の利用者端末30を含む。文書管理サーバ10及び利用者端末30は、それぞれ通信ネットワークN1に接続している。
【0017】
以降では、2台以上の利用者端末30それぞれを区別するときは、「利用者端末30-1」、「利用者端末30-2」等と枝番を用いて記載する。
【0018】
通信ネットワークN1は、接続されている各装置が相互に通信可能となるように構成されている。通信ネットワークN1は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、又はWAN(Wide Area Network)などの有線通信によるネットワークによって構築されている。
【0019】
通信ネットワークN1は、有線通信だけでなく、例えば、無線LAN、又は近距離無線通信等の無線通信、もしくはWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)、又は5G(5th Generation)等の移動体通信によるネットワークが含まれていてもよい。
【0020】
文書管理サーバ10は、通信ネットワークN1を介して、文書管理サービスを利用者端末30に提供する。本実施形態における文書管理サービスは、商取引において用いられた帳票を表す文書データを、当該帳票に表された情報と共に記憶し、利用者の要求に応じて出力するサービスである。
【0021】
本実施形態において、文書管理サーバが提供するサービスを利用する主体を、テナントと呼ぶ。つまり、本実施形態においてテナントとは、事業者、団体又は個人等である。
【0022】
利用者端末30-1は、テナントに属する利用者が利用する情報処理装置である。利用者端末30-1は、利用者の操作に応じて、通信ネットワークN1を介して、文書管理サーバ10が提供する文書管理サービスを利用する。
【0023】
利用者端末30-2は、入力代行者が利用する情報処理装置である。利用者端末30-2は、入力代行者の操作に応じて、通信ネットワークN1を介して、文書管理サーバ10に文書データの内容を表す情報を入力する。
【0024】
入力代行者は、テナントからの依頼又はテナントに属する利用者からの依頼により入力代行に関する業務(操作)を行う利用者である。入力代行とは、例えば、入力代行者により利用者端末30-2に文書の内容に関する情報を表示し、文書に関する各種操作を受け付けるための設定である。
【0025】
なお、文書管理サービスにおいて、入力代行を利用可能に設定するか否かは任意に選択することができる。入力代行を利用可能としない場合、情報処理システム1には、利用者端末30-2は含まれない。
【0026】
利用者端末30は、通信機能を備えた装置であれば、情報処理装置に限られない。利用者端末30は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0027】
〔情報処理システムのハードウェア構成〕
本実施形態における情報処理システムのハードウェア構成を、図2を参照しながら説明する。図2は、文書管理サーバ10及び利用者端末30がコンピュータで実現される場合のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0028】
図2に示されているように、本実施形態におけるコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0029】
これらのうち、CPU501は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0030】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークN1を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0031】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0032】
〔情報処理システムの機能構成〕
本実施形態における情報処理システムの機能構成を、図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態における情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
<文書管理サーバの機能構成>
図3に示されているように、本実施形態における文書管理サーバ10は、送受信部11、画面生成部12、記憶制御部19及び記憶部100を備える。
【0034】
送受信部11は、通信ネットワークN1を介して利用者端末30と各種データ(または情報)の送受信を行う。送受信部11は、図2に示されているCPU501からの命令及びネットワークI/F509によって実現される。
【0035】
画面生成部12は、利用者端末30からの要求に応じて、所定の画面を表す画面データを生成する。画面生成部12が生成する各画面データは、例えば、HTML(HyperText Markup Language)等で記述された画面データであり、JavaScript(登録商標)等で記述されたアプリケーションを含んでもよい。画面生成部12は、図2に示されているCPU501からの命令によって実現される。
【0036】
記憶制御部19は、記憶部100に各種データを記憶したり、記憶部100に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。記憶制御部19は、図2に示されているCPU501からの命令及びHDDコントローラ505によって実現される。
【0037】
記憶部100には、テナント情報管理DB110及び文書情報管理DB120が構築されている。記憶部100は、図2に示されているHD504によって実現される。
【0038】
テナント情報管理DB110は、テナント情報管理テーブルによって構成される。テナント情報管理テーブルには、文書管理サーバ10のテナントに関する情報が格納されている。テナント情報管理テーブルの詳細は、後述する。
【0039】
文書情報管理DB120は、テナント毎の文書情報管理テーブルによって構成される。文書情報管理テーブルには、利用者が取引先に発行した帳票及び利用者が取引先から受領した帳票の少なくとも一方に関する文書情報が格納されている。文書情報管理テーブルの詳細は、後述する。
【0040】
<利用者端末の機能構成>
図3に示されているように、本実施形態における利用者端末30は、送受信部31、ブラウザ32、記憶制御部39及び記憶部300を備える。ブラウザ32は、入力部321及び判別部322を備える。なお、入力部321及び判別部322は、ブラウザ32が画面データに埋め込まれたスクリプトを実行することで実現される。
【0041】
送受信部31は、通信ネットワークN1を介して文書管理サーバ10と各種データ(または情報)の送受信を行う。送受信部31は、図2に示されているCPU501からの命令及びネットワークI/F509によって実現される。
【0042】
ブラウザ32は、文書管理サーバ10から受信した画面データに基づいて、各種の画面をディスプレイ506又は外部機器接続I/F508に接続された外付けのディスプレイに対して出力する。ブラウザ32は、主に、図2に示されているCPU501からの命令によって実現される。
【0043】
入力部321は、利用者の操作に応じて、文書データの入力を受け付ける。当該文書データは、利用者が取引先に発行した帳票又は利用者が取引先から受領した帳票を表す電子データである。入力部321は、利用者が指定した文書データを、記憶制御部39を介して記憶部300から読み出す。
【0044】
判別部322は、入力部321が受け付けた文書データの属性情報に基づいて、当該文書データに表された文書の授受形式を判別する。また、判別部322は、文書データと授受形式とを含む登録要求を、送受信部31を介して文書管理サーバ10に送信する。
【0045】
記憶制御部39は、記憶部300に各種データを記憶したり、記憶部300に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。記憶制御部39は、主に、図2に示されているCPU501からの命令及びHDDコントローラ505によって実現される。
【0046】
記憶部300には、利用者が取引先に発行した帳票又は利用者が取引先から受領した帳票を電子化した文書データの少なくとも一方が予め記憶されている。記憶部300は、図2に示されているHD504によって実現される。
【0047】
〔情報処理システムの処理手順〕
本実施形態における情報処理システムが実行する情報処理方法の処理手順を、図4乃至図15を参照しながら説明する。図4図11及び図14は、本実施形態における情報処理方法の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【0048】
ステップS1において、利用者端末30-1が備えるブラウザ32は、利用者によるアップロード画面の表示操作を受け付ける。ブラウザ32は、利用者によるアップロード画面の表示操作を受け付ける際に、アップロードする文書の種別を選択する操作を受け付けてもよい。
【0049】
ブラウザ32は、アップロード画面の表示操作を受け付ける前に、利用者によって入力された認証情報を受け付ける。認証情報は、例えば、ユーザID及びパスワード等である。次に、送受信部31は、受け付けた認証情報を文書管理サーバ10に送信する。
【0050】
文書管理サーバ10では、送受信部11が認証情報を利用者端末30-1から受信する。次に、画面生成部12が、受信した認証情報を用いて所定の認証処理を行う。当該認証処理は、受信した認証情報をテナント情報管理DB110に登録されているテナント情報と照合することで行われる。したがって、利用者が文書管理サーバ10において認証された場合のみ、ブラウザ32は、利用者によるアップロード画面の表示操作を受け付けることができる。
【0051】
(テナント情報管理テーブル)
ここで、テナント情報管理テーブルの詳細について、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施形態におけるテナント情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
【0052】
図5に示されているように、本実施形態におけるテナント情報管理テーブルでは、テナントを識別する識別情報(テナントID)、テナントを表す情報(会社名等)、認証情報(ユーザID及びパスワード等)及び連絡先(メールアドレス及び住所等)等が関連付けて管理されている。
【0053】
図4に戻って説明する。ステップS2において、利用者端末30-1が備える送受信部31は、アップロード画面の取得要求を文書管理サーバ10に送信する。当該取得要求には、テナントIDが含まれる。文書管理サーバ10では、送受信部11が、アップロード画面の取得要求を利用者端末30-1から受信する。
【0054】
ステップS3において、文書管理サーバ10が備える画面生成部12は、アップロード画面の画面データを生成する。画面生成部12は、アップロード画面の画面データに、所定のスクリプトを埋め込む。
【0055】
ここで、本実施形態におけるスクリプトについて、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態におけるスクリプトの一例を示す図である。
【0056】
図6に示されているように、アップロード画面の画面データには、スクリプトの位置を表すURLが埋め込まれている。図6の例は、HTML形式のアップロード画面のヘッダー部に、JavaScript(登録商標)で実装されたスクリプト"https://・・・/program.js"が埋め込まれていることを表している。
【0057】
利用者端末30-1が備えるブラウザ32が、図6に示された画面データを読み込み、スクリプト"https://・・・/program.js"を実行することで、入力部321及び判別部322が実現される。
【0058】
図4に戻って説明する。ステップS4において、文書管理サーバ10が備える送受信部11は、画面生成部12が生成したアップロード画面の画面データを利用者端末30-1に送信する。利用者端末30-1では、送受信部31が、アップロード画面の画面データを文書管理サーバ10から受信する。
【0059】
ステップS5において、利用者端末30-1が備えるブラウザ32は、アップロード画面の画面データに基づいて、アップロード画面をディスプレイ506に表示する。
【0060】
(アップロード画面)
ここで、本実施形態におけるアップロード画面について、図7を参照しながら説明する。図7は、本実施形態におけるアップロード画面の一例を示す概念図である。
【0061】
図7に示されているように、本実施形態におけるアップロード画面200は、入力代行設定欄201及びファイル選択欄202を有する。
【0062】
入力代行設定欄201には、入力代行を利用するか否かを設定する。ファイル選択欄202には、アップロード対象とする文書データの位置を表す情報を入力する。ファイル選択欄202は、複数の文書データに関する情報を入力できるように構成してもよい。
【0063】
なお、文書管理サーバ10において入力代行を利用可能に設定しない場合、アップロード画面200は、入力代行設定欄201を有さないように構成される。
【0064】
図4に戻って説明する。ステップS6において、利用者端末30-1が備えるブラウザ32は、利用者によるアップロード操作を受け付ける。具体的には、利用者は、入力代行設定欄201において、入力代行の利用有無を設定し、ファイル選択欄202において、文書データの位置を表す情報を入力する。これにより、入力部321が、文書データの入力を受け付ける。入力部321は、受け付けた文書データを記憶部300から取得し、判別部322に送る。
【0065】
なお、文書管理サーバ10において入力代行を利用可能に設定しない場合、利用者は、ファイル選択欄202において、文書データの位置を表す情報を入力するのみでよい。
【0066】
ステップS7において、利用者端末30-1が備える判別部322は、入力部321が受け付けた文書データの属性情報に基づいて、当該文書データに表された文書の授受形式を判別する。
【0067】
≪授受形式判別処理≫
ここで、本実施形態における授受形式判別処理(図4のステップS7)の詳細について、図8を参照しながら説明する。図8は、本実施形態における授受形式判別処理の一例を示すフローチャートである。
【0068】
図8に示された授受形式判別処理は、入力を受け付けた文書データについて実行される。なお、入力を受け付けた文書データが複数ある場合、各文書データについて実行される。
【0069】
ステップS7-1において、判別部322は、文書データから属性情報を取得することができるか否かを判定する。属性情報を取得できる場合(YES)、判別部322は、ステップS7-2に処理を進める。属性情報を取得できない場合(NO)、判別部322は、ステップS7-8に処理を進める。
【0070】
本実施形態における属性情報は、当該文書データの内容を参照することで取得できる属性情報である。本実施形態における属性情報は、例えば、文書データに含まれる画像のフォーマット情報、又は文書データを表すファイルに設定されたプロパティ情報等である。
【0071】
例えば、文書データがパスワード等により暗号化されている場合、パスワードを入力しない限り、当該文書データの属性情報を取得することができない。また、当該文書データのフォーマットが損傷している場合、当該文書データの属性情報を取得することができない。
【0072】
ステップS7-2において、判別部322は、変数nを1に初期化する。変数nは文書データにおけるページ番号を表す変数である。
【0073】
ステップS7-3において、判別部322は、文書データのnページ目のページサイズを取得する。ページサイズは、当該ページの長手方向及び短手方向それぞれのピクセル数で表される。
【0074】
ステップS7-4において、判別部322は、文書データのnページ目に含まれる各画像の描画サイズを取得する。描画サイズは、当該画像の長手方向及び短手方向それぞれのピクセル数で表される。
【0075】
ステップS7-5において、判別部322は、ステップS7-3で取得したページサイズとステップS7-4で取得した描画サイズとを比較する。次に、判別部322は、すべての画像の描画サイズがページサイズ未満であるか否かを判定する。すべての画像の描画サイズがページサイズ未満である場合(YES)、判別部322は、ステップS7-8に処理を進める。描画サイズがページサイズ以上である画像がある場合(NO)、判別部322は、ステップS7-6に処理を進める。
【0076】
ステップS7-6において、判別部322は、文書データに次のページ(すなわち、n+1ページ目)が存在するか否かを判定する。次のページが存在する場合(YES)、判別部322は、ステップS7-7に処理を進める。次のページが存在しない場合(NO)、判別部322は、ステップS7-9に処理を進める。
【0077】
ステップS7-7において、判別部322は、変数nをインクリメントする。次に、判別部322は、ステップS7-3に処理を戻す。このようにして、判別部322は、文書データに含まれる各ページについて、ステップS7-3からS7-5の処理を繰り返し実行する。
【0078】
ステップS7-8において、判別部322は、当該文書データに表された文書の授受形式を「電子」と判定する。
【0079】
ステップS7-9において、判別部322は、当該文書データに表された文書の授受形式を「紙」と判定する。
【0080】
ステップS7-1で実行する判定処理について、より詳しく説明する。文書データにパスワード等を設定して暗号化されている場合、パスワードを入力しない限り、属性情報を取得することができない。紙の文書をスキャナにより電子化した場合、当該文書データは社内で利用するものと考えられる。そのため、当該文書データにパスワードを設定する可能性は低い。したがって、文書データから属性情報を取得できない場合、判別部322は、授受形式を「電子」と判定する。
【0081】
ステップS7-5で実行する判定処理について、より詳しく説明する。紙の文書をスキャナにより電子化した場合、スキャナは文書データのページサイズと一致するようにスキャン画像を伸長する。その結果、画像の描画サイズはページサイズと概ね一致する。
【0082】
一方、文書作成アプリケーションの機能により電子化した場合、ページ中の文字列及び余白等は画像変換されない。そのため、ページに画像が含まれていても、すべての画像の描画サイズがページサイズ未満となる。したがって、当該ページに含まれる画像の描画サイズがページサイズ未満である場合、判別部322は、授受形式を「電子」と判断する。
【0083】
図4に戻って説明する。ステップS8において、利用者端末30-1が備える送受信部31は、文書データの登録要求を文書管理サーバ10に送信する。当該登録要求には、入力部321が受け付けた文書データと、判別部322が判別した文書の授受形式とが含まれる。文書管理サーバ10では、送受信部11が、文書データの登録要求を利用者端末30-1から受信する。
【0084】
ステップS9において、文書管理サーバ10が備える記憶制御部19は、文書データの登録要求に含まれる文書データを、記憶部100の所定の保存先に記憶する。
【0085】
ステップS10において、文書管理サーバ10が備える記憶制御部19は、文書データの登録要求に基づいて、文書情報を生成する。続いて、記憶制御部19は、生成した文書情報を、文書情報管理テーブルに格納する。
【0086】
(文書情報管理テーブル)
ここで、本実施形態における文書情報管理テーブルについて、図9を参照しながら説明する。図9は、本実施形態における文書情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
【0087】
図9に示されているように、本実施形態における文書情報管理テーブルでは、文書を識別する識別情報(文書ID)、利用者端末30におけるファイル名、文書の種別、授受形式、文書の内容(事業年度、取引先名、取引日、合計金額等)、代理入力有無、ステータス(未確認又は確認済み)、登録日時、文書管理サーバ10におけるファイルパス等が関連付けて記憶されている。
【0088】
なお、文書管理サーバ10において入力代行を利用可能に設定しない場合、文書情報管理テーブルには、代理入力有無の項目は含まれない。
【0089】
図9は、登録直後の文書情報の一例を示している。登録直後の文書情報では、文書ID、授受形式及び代理入力有無等が設定されている。一方、登録直後の文書情報では、文書の内容は空欄となる。また、登録直後の文書情報では、ステータスは「未確認」となる。
【0090】
図4に戻って説明する。ステップS11において、文書管理サーバ10が備える送受信部11は、アップロード結果の通知を利用者端末30-1に送信する。当該通知には、文書情報管理テーブルに格納した文書情報が含まれる。利用者端末30-1では、送受信部31がアップロード結果の通知を文書管理サーバ10から受信する。
【0091】
ステップS12において、利用者端末30-1が備えるブラウザ32は、アップロード結果の通知に基づいて、アップロード画面200にアップロード結果を表示する。
【0092】
図10は、アップロード結果を表示したアップロード画面の一例を示す図である。図10に示されているように、アップロード結果を表示したアップロード画面200は、アップロード結果表示欄203を有する。
【0093】
アップロード結果表示欄203には、入力部321が入力を受け付けた文書データ毎に、文書情報に基づく情報が表示される。当該情報には、例えば、登録日、ステータス、入力代行有無(入力代行又は入力代行スキップ)及び文書の授受形式(紙又は電子)が含まれる。したがって、利用者は、アップロード結果表示欄203に表示されたアップロード結果を参照することで、自動的に判別された文書の授受形式を確認することができる。
【0094】
なお、文書管理サーバ10において入力代行を利用可能に設定しない場合、アップロード結果表示欄203には、入力代行有無に関する情報は表示されない。
【0095】
図11に進んで説明する。ステップS21において、利用者端末30-1が備えるブラウザ32は、文書一覧画面の表示操作を受け付ける。文書一覧画面の表示操作は、文書管理サーバ10が提供するメインメニュー画面等で行われる。
【0096】
ステップS22において、利用者端末30-1が備える送受信部31は、文書一覧画面の取得要求を文書管理サーバ10に送信する。当該取得要求には、利用者に関連付けられたテナントIDが含まれる。文書管理サーバ10では、送受信部11が、文書一覧画面の取得要求を利用者端末30-1から受信する。
【0097】
ステップS23において、文書管理サーバ10が備える記憶制御部19は、文書一覧画面の取得要求に含まれるテナントIDに基づいて、文書情報管理DB120から当該テナントの文書情報を抽出する。具体的には、記憶制御部19は、当該テナントに関する文書情報管理テーブルに格納されている文書情報を抽出する。
【0098】
ステップS24において、文書管理サーバ10が備える画面生成部12は、文書一覧画面の画面データを生成する。画面生成部12は、文書一覧画面の画面データに、記憶制御部19が抽出した文書情報を埋め込む。
【0099】
ステップS25において、文書管理サーバ10が備える送受信部11は、画面生成部12が生成した文書一覧画面の画面データを利用者端末30に送信する。利用者端末30-1では、送受信部31が、文書一覧画面の画面データを文書管理サーバ10から受信する。
【0100】
ステップS26において、利用者端末30-1が備えるブラウザ32は、文書一覧画面の画面データに基づいて、文書一覧画面をディスプレイ506に表示する。
【0101】
(文書一覧画面)
ここで、本実施形態における文書一覧画面について、図12を参照しながら説明する。図12は、本実施形態における文書一覧画面の一例を示す概念図である。
【0102】
図12に示されているように、本実施形態における文書一覧画面210は、検索条件領域211、検索ボタン212及び文書一覧領域213を有する。
【0103】
検索条件領域211には、文書の検索条件として指定可能な項目が表示される。検索項目は、例えば、取引先名、取引日の範囲、合計金額の範囲、ステータス(未確認又は確認済み等)、及び授受形式(電子又は紙)等である。
【0104】
なお、図12に示した文書一覧画面210の例では、ステータスに入力代行有無が表示されているが、文書管理サーバ10において入力代行を利用可能に設定しない場合、入力代行有無に関する情報は表示されない。
【0105】
文書一覧領域213には、文書情報が一覧表示される。初期状態では、文書一覧領域213には、利用者が属するテナントの文書情報が一覧表示される。
【0106】
利用者が検索ボタン212を押下すると、ブラウザ32は、文書情報の検索操作を受け付ける。利用者による検索操作が行われると、文書一覧領域213には、検索条件領域211に入力された検索条件に合致する文書情報が一覧表示される。検索操作についての詳細は、後述する。
【0107】
図11に戻って説明する。ステップS27において、利用者端末30-1が備えるブラウザ32は、文書詳細画面の表示操作を受け付ける。文書詳細画面の表示操作は、文書一覧画面210において行われる。具体的には、利用者が文書一覧画面210の文書一覧領域213に表示された文書情報のいずれかを決定する操作を行うことで、文書詳細画面の表示操作が行われる。当該操作は、例えば、文書一覧領域213に表示された文書情報をダブルクリックする操作等である。
【0108】
ステップS28において、利用者端末30-1が備える送受信部31は、文書詳細画面の取得要求を文書管理サーバ10に送信する。当該取得要求には、表示対象とする文書情報の文書IDが含まれる。文書管理サーバ10では、送受信部11が、文書詳細画面の取得要求を利用者端末30-1から受信する。
【0109】
ステップS29において、文書管理サーバ10が備える記憶制御部19は、文書詳細画面の取得要求に含まれる文書IDに基づいて、文書情報管理DB120から表示対象とする文書情報を読み出す。次に、記憶制御部19は、読み出した文書情報に含まれるファイルパスに基づいて、記憶部100から文書データを読み出す。
【0110】
ステップS30において、文書管理サーバ10が備える画面生成部12は、文書詳細画面の画面データを生成する。画面生成部12は、文書詳細画面の画面データに、記憶制御部19が読み出した文書情報及び文書データを埋め込む。
【0111】
ステップS31において、文書管理サーバ10が備える送受信部11は、画面生成部12が生成した文書詳細画面の画面データを利用者端末30-1に送信する。利用者端末30-1では、送受信部31が、文書詳細画面の画面データを文書管理サーバ10から受信する。
【0112】
ステップS32において、利用者端末30-1が備えるブラウザ32は、文書詳細画面の画面データに基づいて、文書詳細画面をディスプレイ506に表示する。
【0113】
(文書詳細画面)
ここで、本実施形態における文書詳細画面について、図13を参照しながら説明する。図13は、本実施形態における文書詳細画面の一例を示す概念図である。
【0114】
図13に示されているように、本実施形態における文書詳細画面220は、文書画像領域221、文書情報領域222、保存ボタン223及び確認ボタン224を有する。
【0115】
文書画像領域221には、文書データがプレビュー表示される。文書情報領域222には、文書に関する情報(証書種別、授受形式、事業年度、取引先名、取引日、合計金額、帳票ID、及びメモ等)が編集可能な形態で表示される。したがって、利用者端末30-1の判別部322が判別した文書の授受形式に誤りがあった場合、利用者が正しい授受形式に修正することが可能である。
【0116】
利用者が保存ボタン223を押下すると、ブラウザ32は、文書情報領域222に入力された文書情報を一時的に記憶部300等に記憶する。記憶部300等に一時的に記憶された文書情報がある場合、文書詳細画面220は、同一の文書情報を表示する際に、記憶部300等に記憶された文書情報の内容を文書情報領域222に表示する。
【0117】
利用者が確認ボタン224を押下すると、ブラウザ32は、文書情報の入力操作を受け付ける。利用者による入力操作が行われると、文書情報領域222に入力された文書情報で、文書情報管理テーブルに格納されている文書情報が更新される。入力操作についての詳細は、後述する。
【0118】
文書管理サーバ10において入力代行を利用可能に設定しており、文書情報の入力代行有無が入力代行に設定されている場合、文書詳細画面220は、入力代行者が利用する利用者端末30-2において表示される。この場合、文書詳細画面220は、文書情報領域222に表示する項目を制限する。具体的には、文書情報領域222には、文書に関する情報として、例えば、取引先名、取引日及び合計金額のみが表示される。
【0119】
図14に進んで説明する。ステップS41において、利用者端末30-1が備えるブラウザ32は、利用者による文書情報の入力操作を受け付ける。文書情報の入力操作は、文書詳細画面220において行われる。具体的には、文書詳細画面220の文書情報領域222において、利用者が各情報の入力又は編集を行った後に確認ボタン224を押下することで、文書情報の入力操作が行われる。
【0120】
ステップS42において、利用者端末30-1が備える送受信部31は、文書情報の更新要求を文書管理サーバ10に送信する。当該更新要求には、文書ID及び更新後の文書情報が含まれる。文書管理サーバ10では、送受信部11が、文書情報の更新要求を利用者端末30-1から受信する。
【0121】
ステップS43において、文書管理サーバ10が備える記憶制御部19は、文書情報の更新要求に含まれる文書IDに基づいて、文書情報管理DB120から更新対象とする文書情報を特定する。次に、記憶制御部19は、特定された文書情報を、文書情報の更新要求に含まれる更新後の文書情報に基づいて更新する。このとき、更新後の文書情報は、ステータスが「確認済み」に更新される。
【0122】
ステップS44において、文書管理サーバ10が備える送受信部11は、文書情報更新結果の通知を利用者端末30-1に送信する。当該通知には、更新後の文書情報が含まれる。利用者端末30-1では、送受信部31が、文書情報更新結果の通知を文書管理サーバ10から受信する。
【0123】
ステップS45において、利用者端末30-1が備えるブラウザ32は、文書情報更新結果の通知に基づいて、文書詳細画面220の文書情報領域222に更新後の文書情報を表示する。
【0124】
図15は、更新後の文書情報管理テーブルの一例を示す概念図である。図15に示されているように、更新後の文書情報管理テーブルでは、文書の内容(事業年度、取引先名、取引日、合計金額等)に値が設定されている。また、更新後の文書情報管理テーブルでは、ステータスが「確認済み」に更新されている。
【0125】
図14に戻って説明する。ステップS46において、利用者端末30-1が備えるブラウザ32は、利用者による文書情報の検索操作を受け付ける。文書情報の検索操作は、文書一覧画面210において行われる。具体的には、文書一覧画面210の検索条件領域211において、利用者が所望の検索項目を入力した後に検索ボタン212を押下することで、文書情報の検索操作が行われる。
【0126】
ステップS47において、利用者端末30-1が備える送受信部31は、文書情報の検索要求を文書管理サーバ10に送信する。当該検索要求には、検索条件が含まれる。文書管理サーバ10では、送受信部11が、文書情報の検索要求を利用者端末30-1から受信する。
【0127】
ステップS48において、文書管理サーバ10が備える記憶制御部19は、文書情報の検索要求に含まれる検索条件に基づいて、文書情報管理DB120から検索条件に合致する文書情報を抽出する。
【0128】
ステップS49において、文書管理サーバ10が備える送受信部11は、文書情報の検索結果を利用者端末30-1に送信する。利用者端末30-1では、送受信部31が文書情報の検索結果を文書管理サーバ10から受信する。
【0129】
ステップS50において、利用者端末30-1が備えるブラウザ32は、文書情報の検索結果に基づいて、文書一覧画面210の文書一覧領域213に文書情報の検索結果を表示する。
【0130】
〔第1実施形態の主な効果〕
本実施形態における利用者端末は、利用者により入力された文書データの属性情報に基づいて、当該文書データに表された文書の授受形式を判別する。その後、本実施形態における利用者端末は、文書データと授受形式とを含む登録要求を文書管理サーバに送信する。したがって、文書管理サーバは、文書データと授受形式とを自動的に関連付けて登録することができる。そのため、利用者は、アップロードした文書データに対して手作業で授受形式を入力する手間を省くことができる。
【0131】
[変形例1]
第1実施形態では、図8に示した授受形式判別処理により、文書の授受形式を判別する例を説明した。すなわち、第1実施形態における授受形式判別処理では、属性情報の取得可否及びページサイズと画像の描画サイズとの比較結果に基づいて、授受形式が「紙」か「電子」かを判定した。変形例1では、文書データを表すファイルのプロパティ情報に基づいて、判別部322による授受形式を判別する例を説明する。
【0132】
文書作成アプリケーションで作成したファイルをPDF形式に変換した場合、ファイルのプロパティ情報に当該アプリケーションの種類又は製造者等を示す情報が設定されることがある。また、紙に印刷された文書をスキャナで電子ファイルに変換した場合、ファイルのプロパティ情報に当該スキャナの機種又は製造者等を示す情報が設定されることがある。これらの情報が予め判明している場合には、文書データのプロパティ情報に基づいて、授受形式を判別することができる。
【0133】
ファイルのプロパティ情報に基づいて授受形式を判別する場合、第1実施形態と比較して計算量が少なくなる。したがって、文書を電子化する環境が予め判明している場合、本変形例における授受形式判別処理を実行することで、より少ない計算量で授受形式の判別を行うことができる。
【0134】
なお、文書データがパスワード等により暗号化されている場合、パスワードを入力しない限り、プロパティ情報を取得することができない。したがって、属性情報の取得可否に基づく判別と、プロパティ情報に基づく判別とは併用することも可能である。
【0135】
[第2実施形態]
第1実施形態では、利用者端末30-1のブラウザ32が実行するスクリプトにより文書の授受形式を判別するように構成した。第2実施形態では、文書管理サーバ10が利用者端末30-1から文書データを受信し、当該文書データの属性情報に基づいて文書の授受形式を判別するように構成する。
【0136】
以下、第2実施形態における情報処理システムについて、図16及び図17を参照しながら説明する。なお、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0137】
〔情報処理システムの機能構成〕
本実施形態における情報処理システムの機能構成を、図16を参照しながら説明する。図16は、本実施形態における情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【0138】
<文書管理サーバの機能構成>
図16に示されているように、本実施形態における文書管理サーバ10は、第1実施形態と同様に、送受信部11、画面生成部12、記憶制御部19及び記憶部100を備える。本実施形態における文書管理サーバ10は、判別部13をさらに備える。
【0139】
判別部13は、利用者端末30-1からの要求に応じて、文書データに表された文書の授受形式を判別する。判別部13は、図2に示されているCPU501からの命令によって実現される。
【0140】
<利用者端末の機能構成>
図16に示されているように、本実施形態における利用者端末30は、第1実施形態と同様に、送受信部31、ブラウザ32、記憶制御部39及び記憶部300を備える。本実施形態における利用者端末30は、ブラウザ32が判別部322を備えない点で、第1実施形態と異なる。
【0141】
〔情報処理システムの処理手順〕
本実施形態における情報処理システムが実行する情報処理方法の処理手順を、図17を参照しながら説明する。図17は、本実施形態における情報処理方法の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【0142】
ステップS6において、利用者端末30-1が備えるブラウザ32は、利用者によるアップロード操作を受け付ける。これにより、入力部321が、文書データの入力を受け付ける。
【0143】
ステップS7において、利用者端末30-1が備える送受信部31が、文書データの登録要求を文書管理サーバ10に送信する。当該登録要求には、入力部321が受け付けた文書データが含まれる。文書管理サーバ10では、送受信部11が、文書データの登録要求を利用者端末30-1から受信する。
【0144】
ステップS8において、文書管理サーバ10が備える判別部13は、利用者端末30-1から受信した文書データの属性情報に基づいて、当該文書データに表された文書の授受形式を判別する。文書の授受形式を判別する方法は、第1実施形態又は変形例1と同様である。
【0145】
ステップS9において、文書管理サーバ10が備える記憶制御部19は、文書データの登録要求に含まれる文書データを、記憶部100の所定の保存先に記憶する。
【0146】
ステップS10において、文書管理サーバ10が備える記憶制御部19は、文書データの登録要求及び判別部13が判別した授受形式に基づいて、文書情報を生成する。続いて、記憶制御部19は、生成した文書情報を、文書情報管理テーブルに格納する。
【0147】
〔第2実施形態の主な効果〕
本実施形態における文書管理サーバは、利用者端末から受信した文書データの属性情報に基づいて、当該文書データに表された文書の授受形式を判別する。その後、本実施形態における文書管理サーバは、文書データと授受形式とを関連付けた文書情報を記憶部に記憶する。したがって、利用者は、アップロードした文書データに対して手作業で授受形式を入力する手間を省くことができる。
【0148】
[補足]
上記実施形態において、文書管理サーバ10及び利用者端末30は情報処理装置の一例である。文書データは電子データの一例である。送受信部31は送信部の一例である。
【0149】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0150】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、文書管理サーバ10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0151】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0152】
1 情報処理システム
10 文書管理サーバ
11、31 送受信部
12 画面生成部
19、39 記憶制御部
30 利用者端末
32 ブラウザ
321 入力部
322 判別部
100、300 記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0153】
【特許文献1】特開2014-137773号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17