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特開2023-137651骨材の品質判定システム、及び骨材の品質判定方法
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  • 特開-骨材の品質判定システム、及び骨材の品質判定方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137651
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】骨材の品質判定システム、及び骨材の品質判定方法
(51)【国際特許分類】
   B28C 7/06 20060101AFI20230922BHJP
   G01N 33/38 20060101ALI20230922BHJP
   G01N 21/17 20060101ALI20230922BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230922BHJP
【FI】
B28C7/06
G01N33/38
G01N21/17 A
G06T7/00 610Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043933
(22)【出願日】2022-03-18
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
(71)【出願人】
【識別番号】000183266
【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】中西 縁
(72)【発明者】
【氏名】本田 和也
【テーマコード(参考)】
2G059
4G056
5L096
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB09
2G059FF01
2G059MM01
2G059MM05
4G056AA06
4G056CA00
4G056DA05
4G056DA08
5L096AA06
5L096BA03
5L096CA02
5L096DA02
5L096EA35
5L096FA04
5L096FA16
5L096GA43
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】骨材の判定精度が向上する骨材の品質判定システム、及び骨材の品質判定方法の提供。
【解決手段】粗骨材が写っている粗骨材画像を取得する画像取得手段2と、前記画像取得手段2で取得した前記粗骨材画像を処理する画像処理手段3と、前記画像処理手段3で処理した前記粗骨材画像に基づいて前記粗骨材の品質を判定する判定手段4と、を備え、前記画像処理手段3は、前記画像取得手段2で取得した前記粗骨材画像に対して、判定対象の前記粗骨材の品質情報に含まれる前記粗骨材の最大寸法の0.78倍~4.17倍に設定された寸法を最小寸法とする判定対象領域を前記粗骨材画像に設定するように構成され、前記判定手段4は、前記判定対象領域に基づいて前記粗骨材の品質を判定するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粗骨材が写っている粗骨材画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段で取得した前記粗骨材画像を処理する画像処理手段と、
前記画像処理手段で処理した前記粗骨材画像に基づいて前記粗骨材の品質を判定する判定手段と、を備え、
前記画像処理手段は、前記画像取得手段で取得した前記粗骨材画像に対して、判定対象の前記粗骨材の品質情報に含まれる前記粗骨材の最大寸法の0.78倍~4.17倍に設定された寸法を最小寸法とする判定対象領域を前記粗骨材画像に設定するように構成され、
前記判定手段は、前記判定対象領域に基づいて前記粗骨材の品質を判定するように構成される、
骨材の品質判定システム。
【請求項2】
前記画像処理手段は、前記粗骨材画像の少なくとも前記判定対象領域に対応する領域内をグレースケールで表すように構成され、且つ少なくとも前記判定対象領域の階調値の上限値を120~255、該階調値の下限値を0~80に設定するように構成される、
請求項1に記載の骨材の品質判定システム。
【請求項3】
前記画像処理手段は、前記粗骨材画像の少なくとも前記判定対象領域における明るさを-150~150、コントラストを0~100に設定するように構成される、
請求項2に記載の骨材の品質判定システム。
【請求項4】
細骨材が写っている細骨材画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段で取得した前記細骨材画像を処理する画像処理手段と、
前記画像処理手段で処理した前記細骨材画像に基づいて前記細骨材の品質を判定する判定手段と、を備え、
前記画像処理手段は、前記画像取得手段で取得した前記細骨材画像に対して、判定対象の前記細骨材の品質情報に含まれる前記細骨材の最大寸法の2.08倍~16.67倍に設定された寸法を最小寸法とする判定対象領域を前記細骨材画像に設定するように構成され、
前記判定手段は、前記判定対象領域に基づいて前記細骨材の品質を判定するように構成される、
骨材の品質判定システム。
【請求項5】
前記画像処理手段は、前記細骨材画像の少なくとも前記判定対象領域に対応する領域内をグレースケールで表すように構成され、且つ少なくとも前記判定対象領域の階調値の上限値を120~255、該階調値の下限値を0~80に設定するように構成される、
請求項4に記載の骨材の品質判定システム。
【請求項6】
前記画像処理手段は、前記細骨材画像の少なくとも前記判定対象領域における明るさを-150~150、コントラストを0~100に設定するように構成される、
請求項5に記載の骨材の品質判定システム。
【請求項7】
粗骨材が写っている粗骨材画像を取得する画像取得工程と、
前記画像取得工程で取得した前記粗骨材画像を処理する画像処理工程と、
前記画像処理工程で処理した前記粗骨材画像に基づいて前記粗骨材の品質を判定する判定工程と、を行い、
前記画像処理工程では、前記画像取得工程で取得した前記粗骨材画像に対して、判定対象の前記粗骨材の品質情報に含まれる前記粗骨材の最大寸法の0.78倍~4.17倍に設定された寸法を最小寸法とする判定対象領域を前記粗骨材画像に設定し、
前記判定工程では、前記判定対象領域に基づいて前記粗骨材の品質を判定する、
骨材の品質判定方法。
【請求項8】
前記画像処理工程では、前記粗骨材画像の少なくとも前記判定対象領域に対応する領域内をグレースケールで表し、且つ少なくとも前記判定対象領域の階調値の上限値を120~255、該階調値の下限値を0~80に設定する、
請求項7に記載の骨材の品質判定方法。
【請求項9】
前記画像処理工程では、前記粗骨材画像の少なくとも前記判定対象領域における明るさを-150~150、コントラストを0~100に設定する、
請求項8に記載の骨材の品質判定方法。
【請求項10】
細骨材が写っている細骨材画像を取得する画像取得工程と、
前記画像取得工程で取得した前記細骨材画像を処理する画像処理工程と、
前記画像処理工程で処理した前記細骨材画像に基づいて前記細骨材の品質を判定する判定工程と、を行い、
前記画像処理工程では、前記画像取得工程で取得した前記細骨材画像に対して、判定対象の前記細骨材の品質情報に含まれる前記細骨材の最大寸法の2.08倍~16.67倍に設定された寸法を最小寸法とする判定対象領域を前記細骨材画像に設定し、
前記判定工程では、前記判定対象領域に基づいて前記細骨材の品質を判定する、
骨材の品質判定方法。
【請求項11】
前記画像処理工程では、前記細骨材画像の少なくとも前記判定対象領域に対応する領域内をグレースケールで表し、且つ少なくとも前記判定対象領域の階調値の上限値を120~255、下限値を0~80に設定する、
請求項10に記載の骨材の品質判定方法。
【請求項12】
前記画像処理工程では、前記細骨材画像の少なくとも前記判定対象領域における明るさを-150~150、コントラストを0~100に設定する、
請求項11に記載の骨材の品質判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨材の品質を判定する骨材の品質判定システム、及び骨材の品質判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記骨材の品質判定システムとして、例えば、特許文献1に開示されているような、骨材の品質(特性)である骨材の粒径、粒度分布、岩種を判定するように構成された骨材判定システムが知られている。
【0003】
かかる骨材の品質判定システムは、例えば、製造後の骨材の品質や、納入後の骨材の品質が仕様書や規格等により予め定められている通りであるか否かを確認する際に使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-20420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、従来の骨材の品質判定システムには、骨材の品質の判定精度を高めることが求められており、骨材の粒径、粒度分布、岩種以外の品質を判定する場合も同様に判定精度を高めることが求められている。
【0006】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、骨材の品質の判定精度が向上する骨材の品質判定システム、及び骨材の品質判定方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の骨材の品質判定システムは、
粗骨材が写っている粗骨材画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段で取得した前記粗骨材画像を処理する画像処理手段と、
前記画像処理手段で処理した前記粗骨材画像に基づいて前記粗骨材の品質を判定する判定手段と、を備え、
前記画像処理手段は、前記画像取得手段で取得した前記粗骨材画像に対して、判定対象の前記粗骨材の品質情報に含まれる前記粗骨材の最大寸法の0.78倍~4.17倍に設定された寸法を最小寸法とする判定対象領域を前記粗骨材画像に設定するように構成され、
前記判定手段は、前記判定対象領域に基づいて前記粗骨材の品質を判定するように構成される。
【0008】
上記構成の骨材の品質判定システムは、判定対象の粗骨材の品質情報に含まれる粗骨材の最大寸法の0.78倍~4.17倍に設定された寸法を最小寸法とする判定対象領域に対して判定手段が粗骨材の品質を判定する処理を実行するように構成することで、骨材(粗骨材)の品質の判定精度を向上させることができる。
【0009】
本発明の骨材の品質判定システムにおいて、
前記画像処理手段は、前記粗骨材画像の少なくとも前記判定対象領域に対応する領域内をグレースケールで表すように構成され、且つ少なくとも前記判定対象領域の階調値の上限値を120~255、該階調値の下限値を0~80に設定するように構成されるようにしてもよい。
【0010】
上記構成の骨材の品質判定システムは、グレースケールで表され、且つ階調値の上限値が120~255、階調値の下限値が0~80に設定された判定対象領域に対して判定手段が粗骨材の品質を判定する処理を実行するように構成することで、骨材(粗骨材)の品質の判定精度を向上させることができる。
【0011】
本発明の骨材の品質判定システムにおいて、
前記画像処理手段は、前記粗骨材画像の少なくとも前記判定対象領域における明るさを-150~150、コントラストを0~100に設定するように構成されるようにしてもよい。
【0012】
上記構成の骨材の品質判定システムは、明るさが-150~150、コントラストが0~100に設定された判定対象領域に対して判定手段が粗骨材の品質を判定する処理を実行するように構成することで、骨材(粗骨材)の品質の判定精度を向上させることができる。
【0013】
本発明の骨材の品質判定システムは、
細骨材が写っている細骨材画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段で取得した前記細骨材画像を処理する画像処理手段と、
前記画像処理手段で処理した前記細骨材画像に基づいて前記細骨材の品質を判定する判定手段と、を備え、
前記画像処理手段は、前記画像取得手段で取得した前記細骨材画像に対して、判定対象の前記細骨材の品質情報に含まれる前記細骨材の最大寸法の2.08倍~16.67倍に設定された寸法を最小寸法とする判定対象領域を前記細骨材画像に設定するように構成され、
前記判定手段は、前記判定対象領域に基づいて前記細骨材の品質を判定するように構成されるようにしてもよい。
【0014】
上記構成の骨材の品質判定システムは、判定対象の細骨材の品質情報に含まれる細骨材の最大寸法の2.08倍~16.67倍に設定された寸法を最小寸法とする判定対象領域に対して判定手段が細骨材の品質を判定する処理を実行するように構成することで、骨材(細骨材)の品質の判定精度を向上させることができる。
【0015】
本発明の骨材の品質判定システムにおいて、
前記画像処理手段は、前記細骨材画像の少なくとも前記判定対象領域に対応する領域内をグレースケールで表すように構成され、且つ少なくとも前記判定対象領域の階調値の上限値を120~255、該階調値の下限値を0~80に設定するように構成されるようにしてもよい。
【0016】
上記構成の骨材の品質判定システムは、グレースケールで表され、且つ階調値の上限値が120~255、該階調値の下限値が0~80に設定された判定対象領域に対して判定手段が細骨材の品質を判定する処理を実行するように構成することで、骨材(細骨材)の品質の判定精度を向上させることができる。
【0017】
本発明の骨材の品質判定システムにおいて、
前記画像処理手段は、前記細骨材画像の少なくとも前記判定対象領域における明るさを-150~150、コントラストを0~100に設定するように構成される。
【0018】
上記構成の骨材の品質判定システムは、明るさが-150~150、コントラストが0~100に設定された判定対象領域に対して判定手段が細骨材の品質を判定する処理を実行するように構成することで、骨材(細骨材)の品質の判定精度を向上させることができる。
【0019】
本発明の骨材の品質判定方法は、
粗骨材が写っている粗骨材画像を取得する画像取得工程と、
前記画像取得工程で取得した前記粗骨材画像を処理する画像処理工程と、
前記画像処理工程で処理した前記粗骨材画像に基づいて前記粗骨材の品質を判定する判定工程と、を行い、
前記画像処理工程では、前記画像取得工程で取得した前記粗骨材画像に対して、判定対象の前記粗骨材の品質情報に含まれる前記粗骨材の最大寸法の0.78倍~4.17倍に設定された寸法を最小寸法とする判定対象領域を前記粗骨材画像に設定し、
前記判定工程では、前記判定対象領域に基づいて前記粗骨材の品質を判定する。
【0020】
上記構成の骨材の品質判定方法では、判定対象の粗骨材の品質情報に含まれる粗骨材の最大寸法の0.78倍~4.17倍に設定された寸法を最小寸法とする判定対象領域に対して判定工程で粗骨材の品質を判定することで、骨材(粗骨材)の品質の判定精度を向上させることができる。
【0021】
本発明の骨材の品質判定方法において、
前記画像処理工程では、前記粗骨材画像の少なくとも前記判定対象領域に対応する領域内をグレースケールで表し、且つ少なくとも前記判定対象領域の階調値の上限値を120~255、該階調値の下限値を0~80に設定してもよい。
【0022】
上記構成の骨材の品質判定方法では、グレースケールで表され、且つ階調値の上限値が120~255、階調値の下限値が0~80に設定された判定対象領域を対象として粗骨材の品質を判定することで、骨材(粗骨材)の品質の判定精度を向上させることができる。
【0023】
本発明の骨材の品質判定方法において、
前記画像処理工程では、前記粗骨材画像の少なくとも前記判定対象領域における明るさを-150~150、コントラストを0~100に設定してもよい。
【0024】
上記構成の骨材の品質判定方法では、明るさが-150~150、コントラストが0~100に設定された判定対象領域を対象として粗骨材の品質を判定することで、骨材(粗骨材)の品質の判定精度を向上させることができる。
【0025】
本発明の骨材の品質判定方法は、
細骨材が写っている細骨材画像を取得する画像取得工程と、
前記画像取得工程で取得した前記細骨材画像を処理する画像処理工程と、
前記画像処理工程で処理した前記細骨材画像に基づいて前記細骨材の品質を判定する判定工程と、を行い、
前記画像処理工程では、前記画像取得工程で取得した前記細骨材画像に対して、判定対象の前記細骨材の品質情報に含まれる前記細骨材の最大寸法の2.08倍~16.67倍に設定された寸法を最小寸法とする判定対象領域を前記細骨材画像に設定し、
前記判定工程では、前記判定対象領域に基づいて前記細骨材の品質を判定する。
【0026】
上記構成の骨材の品質判定方法では、判定対象の細骨材の品質情報に含まれる細骨材の最大寸法の2.08倍~16.67倍に設定された寸法を最小寸法とする判定対象領域を対象として細骨材の品質を判定することで、骨材(細骨材)の品質の判定精度を向上させることができる。
【0027】
本発明の骨材の品質判定方法において、
前記画像処理工程では、前記細骨材画像の少なくとも前記判定対象領域に対応する領域内をグレースケールで表し、且つ少なくとも前記判定対象領域の階調値の上限値を120~255、下限値を0~80に設定してもよい。
【0028】
上記構成の骨材の品質判定方法では、グレースケールで表され、且つ階調値の上限値が120~255、該階調値の下限値が0~80に設定された判定対象領域を対象として細骨材の品質を判定することで、骨材(細骨材)の品質の判定精度を向上させることができる。
【0029】
本発明の骨材の品質判定方法において、
前記画像処理工程では、前記細骨材画像の少なくとも前記判定対象領域における明るさを-150~150、コントラストを0~100に設定してもよい。
【0030】
上記構成の骨材の品質判定方法では、明るさが-150~150、コントラストが0~100に設定された判定対象領域を対象として細骨材の品質を判定することで、骨材(細骨材)の品質の判定精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明の骨材の品質判定システム、及び骨材の品質判定方法は、骨材の品質の判定精度が向上するという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る骨材の品質判定システムの構成の概要を示すブロック図である。
図2図2は、同実施形態に係る骨材の品質判定システムで用いる粗骨材画像の一例である。
図3図3は、図2の粗骨材画像に対して判定領域設定工程を行うことで設定した判定対象領域の一例である。
図4図4は、図3の判定対象領域に対して階調設定工程を行った後の画像である。
図5図5は、図4の判定対象領域に対して明るさ設定工程とコントラスト設定工程を行った後の画像である。
図6図6は、同実施形態に係る骨材の品質判定システムで用いる細骨材画像の一例である。
図7図7は、図6の細骨材画像に対して判定領域設定工程を行うことで設定した判定対象領域の一例である。
図8図8は、図7の判定対象領域に対して階調設定工程を行った後の画像である。
図9図9は、図8の判定対象領域に対して明るさ設定工程とコントラスト設定工程を行った後の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の一実施形態にかかる骨材の品質判定システム(以下、品質判定システムと称する)について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0034】
本実施形態に係る品質判定システムは、骨材の品質を判定するように構成されたシステムであり、例えば、製造した骨材や、納入した骨材の品質が仕様や規格にて予め定められている品質に関する情報(品質情報)の通りとなっているか否かを確認する際に用いられる。
【0035】
本実施形態に係る品質判定システム1は、図1に示すように、品質の判定対象とする骨材が写っている骨材画像を取得する画像取得手段2と、画像取得手段2で取得した骨材画像に処理を施す画像処理手段3と、画像処理手段3で処理を施した骨材画像に基づいて、骨材画像に写る骨材品質を判定する判定手段4と、を備えている。
【0036】
品質判定システム1は、例えば、骨材画像を撮像する撮像装置Cと、撮像装置Cによって撮像された骨材画像に処理を施す処理端末(コンピューター)Tと、で構築されており、処理端末が画像取得手段2、画像処理手段3、判定手段4を有するように構成されていればよい。
【0037】
画像取得手段2が取得する骨材画像は、例えば、粗骨材が写っている粗骨材画像や、細骨材が写っている細骨材画像であればよい。
【0038】
画像処理手段3は、骨材画像に対して骨材の品質判定に利用する領域(以下、判定対象領域と称する)を設定する判定領域設定手段30と、骨材画像のうちの少なくとも判定対象領域をグレースケールに変換したうえで階調を設定する階調設定手段31と、骨材画像のうちの少なくとも判定対象領域の明るさを調整する明るさ設定手段32と、骨材画像のうちの少なくとも判定対象領域のコントラストを調整するコントラスト設定手段33と、を有する。
【0039】
画像処理手段3において、明るさ設定手段32とコントラスト設定手段33は、adobe社製のphotoshop(バージョン 22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)の機能を利用するものであればよいが、階調設定手段31は、adobe社製のphotoshop(バージョン 22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)、若しくは他のソフトウェアの機能を利用するものであってもよい。
【0040】
判定領域設定手段30は、骨材の最大寸法に応じて判定対象領域の広さを設定するように構成される。なお、骨材の最大寸法とは、骨材(粗骨材や細骨材)に含まれている粒の上限値を示す寸法である。品質判定システム1では、品質情報に基づいて予め数値で設定した骨材の最大寸法を用いるように構成されていればよい。
【0041】
画像取得手段2が粗骨材画像を取得する場合、判定領域設定手段30は、粗骨材画像に写る粗骨材の最大寸法の0.78倍~4.17倍に設定された寸法を最小寸法とする領域を判定対象領域として粗骨材画像に設定し、画像取得手段2が細骨材画像を取得する場合、判定領域設定手段30では、細骨材画像に写る細骨材の最大寸法の2.08~16.67倍に設定された寸法を最小寸法とする領域を判定対象領域として細骨材画像に設定する。
【0042】
判定領域設定手段30は、骨材画像を所定のサイズごとに複数の領域に区切ることで判定対象領域を設定してもよいし、骨材画像内の任意の場所に所定のサイズの領域を設定するように構成されていてもよい。また、判定領域設定手段30は、判定対象領域が設定された状態の骨材画像を出力するように構成されていてもよいし、判定対象領域内の画像を新たな骨材画像として出力するように構成されていてもよい。何れの場合においても、骨材画像に設定した判定対象領域内の画像が階調設定手段31、明るさ設定手段32、コントラスト設定手段33や、判定手段4で使用される。
【0043】
階調設定手段31は、グレースケールに変換した判定対象領域内の画素の階調の上限値及び下限値の少なくとも何れか一方を制限することによって、判定対象領域内の画素に設定される階調の範囲を制限するように構成されている。
【0044】
階調設定手段31は、画像取得手段2が粗骨材画像を取得する場合、判定対象領域の階調値の上限値を120~255、該階調値の下限値を0~80に設定し、画像取得手段2が細骨材画像を取得する場合、判定対象領域の階調値の上限値を120~255、該階調値の下限値を0~80に設定するように構成されている。
【0045】
なお、本実施形態の階調設定手段31は、adobe社製のphotoshop(バージョン 22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)の機能を利用しているため、階調設定手段31で設定する階調の値はadobe社製のphotoshop(バージョン 22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)における指定値である。
【0046】
明るさ設定手段32は、画像取得手段2が粗骨材画像を取得する場合、判定対象領域の明るさを-150~150の範囲内で設定し、画像取得手段2が細骨材画像を取得する場合、判定対象領域の明るさを-150~150の範囲内で設定するように構成されている。
【0047】
なお、本実施形態の明るさ設定手段32は、adobe社製のphotoshop(バージョン 22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)の機能を利用しているため、明るさ設定手段32で設定する明るさの値はadobe社製のphotoshop(バージョン 22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)における指定値である。
【0048】
コントラスト設定手段33は、画像取得手段2が粗骨材画像を取得する場合、判定対象領域のコントラストを0~100の範囲内で設定し、画像取得手段2が細骨材画像を取得する場合、判定対象領域のコントラストを0~100の範囲内で設定する。
【0049】
なお、本実施形態のコントラスト設定手段33は、adobe社製のphotoshop(バージョン 22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)の機能を利用しているため、コントラスト設定手段33で設定するコントラストの値はadobe社製のphotoshop(バージョン 22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)における指定値である。
【0050】
判定手段4は、判定領域設定手段30、階調設定手段31、明るさ設定手段32、コントラスト設定手段33による処理が施された判定対象領域内の画像が入力され、該骨材画像に基づいて骨材の品質を判定するように構成されている。また、判定手段4は、粗骨材画像が入力された場合は粗骨材の寸法と実積率を粗骨材の品質として出力し、細骨材画像が入力された場合は細骨材の粗粒率を細骨材の品質として出力するように構成されていればよい。
【0051】
判定手段4は、例えば、ニューラルネットワーク等により構成することができる。この場合、判定手段4は、骨材画像と骨材の品質とを関連付けた教師データによる学習が行われており、判定対象領域内の画像が入力されると、該判定対象領域内の画像に写る骨材の品質を判定して出力するように構成されていればよい。
【0052】
判定手段4で粗骨材の品質を判定する場合は、学習用に用意した粗骨材画像から判定対象領域と同じサイズで切り出した画像と、粗骨材の正しい寸法及び実積率とを関連付けた情報を教師データとしてニューラルネットワークを学習させればよい。また、学習済みのニューラルネットワークは、粗骨材画像に設定された判定対象領域内の画像が入力されると、粗骨材の寸法及び実積率を出力するように構成されていればよい。
【0053】
また、判定手段4で細骨材の品質を判定する場合は、学習用に用意した細骨材画像から判定対象領域と同じサイズで切り出した画像と、細骨材の正しい粗粒率とを関連付けた情報を教師データとしてニューラルネットワークを学習させればよい。また、学習済みのニューラルネットワークは、細骨材画像に設定された判定対象領域内の画像が入力されると、細骨材の粗粒率を出力するように構成されていればよい。
【0054】
本実施形態に係る品質判定システム1の構成は、以上の通りである。続いて、本発明の一実施形態に係る骨材の品質判定方法について説明する。
【0055】
本実施形態の骨材の品質判定方法では、骨材が写っている骨材画像を取得する画像取得工程と、前記画像取得手段2で取得した前記骨材画像を処理する画像処理工程と、前記画像処理手段3で処理した前記骨材画像に基づいて前記骨材の品質を判定する判定工程と、が行われる。
【0056】
画像取得工程では、骨材画像(より具体的には、粗骨材画像又は細骨材画像)を取得する。図2には粗骨材画像の一例を示し、図6には細骨材画像の一例を示す。なお、図2図9に示す画像は、横幅方向が紙面の上下方向に対応し、縦幅方向が紙面の左右方向に対応している。
【0057】
画像処理工程では、骨材画像に判定対象領域を設定する判定領域設定工程と、骨材画像のうちの少なくとも判定対象領域をグレースケールに変換したうえで階調を設定する階調設定工程と、骨材画像のうちの少なくとも判定対象領域の明るさを設定する明るさ設定工程と、骨材画像のうちの少なくとも判定対象領域のコントラストを設定するコントラスト設定工程とが実行される。
【0058】
なお、画像処理工程においても、adobe社製のphotoshop(バージョン22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)の機能を利用して明るさ設定工程での明るさの設定と、コントラスト設定工程でのコントラストの設定をすればよいが、階調設定工程での判定対象領域のグレースケール変換や階調の設定は、adobe社製のphotoshop(バージョン 22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)の機能を利用して行ってもよいし、他のソフトウェアの機能を利用して行ってもよい。
【0059】
判定領域設定工程では、骨材の最大寸法に応じて判定対象領域の広さを設定する。
【0060】
画像取得工程で粗骨材画像を取得する場合、判定領域設定工程では、粗骨材画像に写る粗骨材の最大寸法の0.78~4.17倍に設定された寸法を最小寸法とする領域を判定対象領域として粗骨材画像に設定し、画像取得工程で細骨材画像を取得する場合、判定領域設定手工程では、細骨材画像に写る細骨材の最大寸法の2.08~16.67倍に設定された寸法を最小寸法とする領域を判定対象領域として細骨材画像に設定する。
【0061】
図3には粗骨材画像に設定した判定対象領域の一例を示し、図7には細骨材画像に設定した判定対象領域の一例を示す。
【0062】
判定領域設定工程においても、判定対象領域は、骨材画像を所定のサイズごとに複数の領域に区切ることによって設定してもよいし、骨材画像内の任意の場所を所定のサイズの領域で区切ることによって設定してもよい。また、判定対象領域が設定された状態の骨材画像を後の工程で使用してもよいし、判定対象領域内の画像を新たな骨材画像としたうえで後の工程で使用してもよい。何れの場合においても、骨材画像に設定した判定対象領域内の画像が階調設定工程、明るさ設定工程、コントラスト設定工程や、判定工程で使用される。
【0063】
階調設定工程は、グレースケールに変換した判定対象領域内の画素に設定されている階調の上限値及び下限値の少なくとも何れか一方を制限することによって、画素に設定されている階調の範囲を制限する。
【0064】
階調設定工程では、画像取得工程で粗骨材画像を取得する場合、判定対象領域の階調値の上限値を120~255、該階調値の下限値を0~80に設定し、画像取得工程で細骨材画像を取得する場合、判定対象領域の階調値の上限値を120~255、該階調値の下限値を0~80に設定する。
【0065】
なお、本実施形態の階調設定工程は、adobe社製のphotoshop(バージョン22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)の機能を利用しているため、階調設定工程で設定する階調値の上限値と下限値はadobe社製のphotoshop(バージョン 22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)における指定値である。
【0066】
図4には粗骨材画像に設定した判定対象領域に対して階調値の上限値と下限値を設定した後の画像の一例を示し、図8には細骨材画像に設定した判定対象領域に対して階調値の上限値と下限値を設定した後の画像の一例を示す。
【0067】
明るさ設定工程では、画像取得工程で粗骨材画像を取得する場合、判定対象領域の明るさを-150~150の範囲内で設定し、画像取得工程で細骨材画像を取得する場合、判定対象領域の明るさを-150~150の範囲内で設定する。
【0068】
本実施形態の明るさ設定工程においても、adobe社製のphotoshop(バージョン 22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)の機能を利用して明るさを設定しているため、明るさ設定工程で設定する明るさの値はadobe社製のphotoshop(バージョン 22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)における指定値である。
【0069】
コントラスト設定工程では、画像取得工程で粗骨材画像を取得する場合、判定対象領域のコントラストを0~100の範囲内で設定し、画像取得工程で細骨材画像を取得する場合、判定対象領域のコントラストを0~100の範囲内で設定する。
【0070】
本実施形態のコントラスト設定工程においても、adobe社製のphotoshop(バージョン 22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)の機能を利用してコントラストを設定しているため、コントラスト設定工程で設定するコントラストの値はadobe社製のphotoshop(バージョン 22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)における指定値である。
【0071】
図5には粗骨材画像に設定した判定対象領域に対して明るさと、コントラストを設定した画像の一例を示し、図9には細骨材画像に設定した判定対象領域に対して明るさと、コントラストを設定した画像の一例を示す。
【0072】
判定工程では、判定領域設定工程、階調設定工程、明るさ設定工程、コントラスト設定工程において処理が施された骨材画像に基づいて骨材の品質を判定する。
【0073】
なお、判定工程では、例えば、判定対象領域内の画像が入力されると、該骨材画像に基づいて骨材の品質を判定する判定手段を用いればよい。
【0074】
判定工程で用いる判定手段は、粗骨材画像が入力された場合は粗骨材の寸法と実積率を粗骨材の品質として出力し、細骨材画像が入力された場合は細骨材の粗粒率を細骨材の品質として出力するように構成されていればよい。
【0075】
また、判定工程で用いる判定手段は、例えば、ニューラルネットワーク等により構成することができる。この場合、判定手段は、骨材画像と骨材の品質とを関連付けた教師データによる学習が行われており、判定対象領域内の画像が入力されると、該判定対象領域内の画像に写る骨材の品質を判定して出力するように構成されていればよい。
【0076】
判定工程で用いる判定手段で粗骨材の品質を判定する場合は、学習用に用意した粗骨材画像から判定対象領域と同じサイズで切り出した画像と、粗骨材の正しい寸法及び実積率とを関連付けた情報を教師データとしてニューラルネットワークを学習させればよい。また、学習済みのニューラルネットワークは、粗骨材画像に設定された判定対象領域内の画像が入力されると、粗骨材の寸法及び実積率を出力するように構成されていればよい。
【0077】
また、判定工程で用いる判定手段で細骨材の品質を判定する場合は、学習用に用意した細骨材画像から判定対象領域と同じサイズで切り出した画像と、細骨材の正しい粗粒率とを関連付けた情報を教師データとしてニューラルネットワークを学習させればよい。また、学習済みのニューラルネットワークは、細骨材画像に設定された判定対象領域内の画像が入力されると、細骨材の粗粒率を出力するように構成されていればよい。
【0078】
本実施形態の品質判定システム1を動作させた場合は、画像取得手段2が画像取得工程を行い、画像処理手段3が画像処理工程を行い、判定手段4が判定工程を行うことになる。また、画像処理手段3では、判定領域設定手段30が判定領域設定工程を行い、階調設定手段31が階調設定工程を行い、明るさ設定手段32が明るさ設定工程を行い、コントラスト設定手段33がコントラスト設定工程を行うことになる。
【0079】
以上のように、本実施形態に係る品質判定システム1、及び品質判定方法によれば、粗骨材の品質を判定する場合は、判定対象の粗骨材の品質情報に含まれる粗骨材の最大寸法の0.78倍~4.17倍に設定された寸法を最小寸法とする判定対象領域に対して粗骨材の品質判定を行うことで骨材(粗骨材)の品質の判定精度を向上させることができる。
【0080】
また、粗骨材画像に設定された判定対象領域は、グレースケールで表され、且つ階調値の上限値が120~255、階調値の下限値が0~80に設定されたものであるため、骨材(粗骨材)の品質の判定精度がより向上する。
【0081】
さらに、粗骨材画像に設定された判定対象領域は、明るさが-150~150、コントラストが0~100に設定されたものでもあるため、骨材(粗骨材)の品質の判定精度がさらに向上する。
【0082】
また、本実施形態に係る品質判定システム1、及び品質判定方法によれば、細骨材の品質を判定する場合は、判定対象の細骨材の品質情報に含まれる細骨材の最大寸法の2.08倍~16.67倍に設定された寸法を最小寸法とする判定対象領域に対して細骨材の品質判定を行うことで骨材(細骨材)の品質の判定精度を向上させることができる。
【0083】
また、細骨材画像に設定された判定対象領域は、グレースケールで表され、且つ階調値の上限値が120~255、階調値の下限値が0~80に設定されたものであるため、骨材(細骨材)の品質の判定精度がより向上する。
【0084】
さらに、細骨材画像に設定された判定対象領域は、明るさが-150~150、コントラストが0~100に設定されたものでもあるため、骨材(細骨材)の品質の判定精度がさらに向上する。
【0085】
このように、本実施形態に係る品質判定システム1、及び品質判定方法は、骨材の外形についての分析精度が高まることで、判定精度、より具体的には、粗骨材の寸法や実積率の判定精度、細骨材の粗粒率の判定精度が向上するという優れた効果を奏し得る。
【0086】
なお、本発明に係る骨材の品質判定システム、及び骨材の品質判定方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0087】
上記実施形態では、品質判定システム1を撮像装置Cと処理端末(コンピューター)Tとで構築することを一例に挙げて説明したが、この構成に限定されない。例えば、品質判定システム1は、撮像装置Cとは別の装置から骨材画像が処理端末Tに出力されるように構成されていれば、処理端末(コンピューター)Tのみで構成されていてもよい。
【0088】
上記実施形態の品質判定システム1は、画像取得手段2、画像処理手段3、判定手段4が一つのコンピューターで実行されるように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、品質判定システム1は、画像取得手段2、画像処理手段3、判定手段4がそれぞれ別々のコンピューターで実行されるものであってもよい。
【0089】
上記実施形態の品質判定システム1において、画像取得手段2は撮像装置Cが撮像した骨材画像が直接的に出力されるように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、画像取得手段2は、撮像装置Cによって撮像された後に記憶装置に記憶された骨材画像が出力されるように構成されていてもよい。また、画像取得手段2は、外部の装置に記憶されている骨材画像を読み出すように構成されていてもよい。
【0090】
上記実施形態において、画像処理手段3は、判定領域設定手段30と、階調設定手段31と、明るさ設定手段32と、コントラスト設定手段33と、を有するように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、画像処理手段3は、判定領域設定手段30のみを有するように構成されていてもよいし、判定領域設定手段30と階調設定手段31とを有するように構成されていたりしてもよい。
【0091】
また、画像処理工程についても、判定領域設定工程と、階調設定工程と、明るさ設定工程と、コントラスト設定工程と、を行うように構成されていたが、例えば、画像処理工程は、判定領域設定工程のみを行うように構成されていてもよいし、判定領域設定工程と階調設定工程とを行うようにしてもよい。
【0092】
上記実施形態において、特に言及しなかったが、判定領域設定手段30によって設定する判定対象領域の形状は、矩形状や、円形状、若しくはその他の形状であってもよい。
【実施例0093】
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0094】
実施例1~3に係る骨材の品質判定方法と、比較例1に係る骨材の品質判定方法とで骨材の品質の判定を行い、その結果を比較した。
【0095】
実施例1~3に係る骨材の品質判定方法では、上記実施形態で説明した骨材の品質判定方法のうち、画像取得工程、画像処理工程、判定工程を行っているが、実施例1に係る骨材の品質判定方法では、画像処理工程において判定領域設定工程のみを行い、実施例2に係る骨材の品質判定方法では、画像処理工程において判定領域設定工程と階調設定工程とを行い、実施例3に係る骨材の品質判定方法では、画像処理工程において判定領域設定工程と階調設定工程と明るさ設定工程と、コントラスト設定工程とを行っている。
【0096】
比較例1に係る骨材の品質判定方法では、上記実施形態で説明した骨材の品質判定方法のうち、画像取得工程、判定工程のみを行っている。
【0097】
なお、実施例1~3における判定領域設定工程、階調設定工程、明るさ設定工程、コントラスト設定工程は、adobe社製のphotoshop(バージョン 22.3.1 20210406.r.122 990be2c x64)により行った。なお、adobe社製のphotoshopを使用した端末のオペレーティングシステムは、Windows10 64ビットである。
【0098】
(実施例1と比較例1による骨材の品質判定)
実施例1の品質判定システム1による骨材の品質判定と、比較例1の品質判定システム1を用いて粗骨材と細骨材の品質判定を行った。
【0099】
下表1、下表2において、Yは判定対象領域の縦幅のサイズであり、Xは判定対象領域の横幅のサイズである。
【0100】
また、下表1におけるYの倍率とは、粗骨材の最大寸法を20mmとした場合における、粗骨材の最大寸法に対する判定対象領域の縦幅の倍率であり、Xの倍率とは、粗骨材の最大寸法を20mmとした場合における、粗骨材の最大寸法に対する判定対象領域の横幅の倍率であり、下表2におけるYの倍率とは、細粗骨材の最大寸法を5mmとした場合における、細骨材の最大寸法に対する判定対象領域の縦幅の倍率であり、Xの倍率とは、細骨材の最大寸法を5mmとした場合における、細骨材の最大寸法に対する判定対象領域の横幅の倍率である。
【0101】
なお、実施例1の品質判定ステムについては、判定対象領域のサイズを変えて粗骨材と細骨材の品質判定を行っている。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】
表1に示されているように、判定対象領域を設定する場合と、判定対象領域を設定しない場合とでは、判定対象領域を設定する場合の方が粗骨材の寸法の判定精度が向上していることが分かる。
【0105】
また、実施例1の品質判定システム1で粗骨材の品質を判定する場合は、Yの倍率を1.56倍、Xの倍率を2.08倍に設定した場合が最も品質判定の精度が高くなっており、実施例1の品質判定システム1で細骨材の品質を判定する場合は、Yの倍率を8倍、Xの倍率を10.66倍に設定した場合が最も品質判定の精度が高くなっている。
【0106】
また、表1からは、実施例1の品質判定システム1で粗骨材の品質を判定する場合は、Yの倍率が0.78倍~3.13倍、Xの倍率が1.04倍~4.17倍の間で設定されていることが好ましく、また、実施例1の品質判定システム1で細骨材の品質を判定する場合は、Yの倍率が2.08倍~12.5倍、Xの倍率が2.77倍~16.67倍の間で設定されていることが好ましいともいえる。
【0107】
(実施例2による品質判定)
実施例2の品質判定システム1を用いてグレースケールの階調の上限と下限を変化させながら骨材の品質判定を行った。
【0108】
なお、実施例2の品質判定システム1による粗骨材の品質判定は、Yを31.25mm、Xを41.65mm(Yの倍率を1.56倍、Xの倍率を2.08倍)に固定した状態で行い(表3)、実施例2の品質判定システム1による細骨材の品質判定は、Yを20.83mm、Xを27.77mm(Yの倍率を4.16倍、Xの倍率を5.55倍)に固定した状態で行っている(表4)。
【0109】
また、実施例2の品質判定システム1で粗骨材の品質を判定する場合、実施例2の品質判定システム1で細骨材の品質を判定する場合、ともに明るさとコントラストは変化させていない。
【0110】
【表3】
【0111】
【表4】
【0112】
表3の寸法の判定精度、実積率の判定精度と、表1の寸法の判定精度、実積率の判定精度とを比較すると、判定対象領域を設定したうえでグレースケールの階調の上限、下限(範囲)を制限した状態で粗骨材の品質を判定する場合においても、寸法の判定精度と実積率の判定精度とが向上していることが分かる。
【0113】
また、グレースケールの階調の下限は0~80、上限は120~255の範囲内で変化させているが、グレースケールの階調の下限が20、上限が180に設定されている場合が最も寸法の判定精度と実積率の判定精度とが向上している。
【0114】
表4の寸法の粗粒率の判定精度と、表2の粗粒率の判定精度とを比較すると、判定対象領域を設定したうえでグレースケールの階調の上限、下限(範囲)を制限した状態で細骨材の品質を判定する場合においても、粗粒率の判定精度が向上していることが分かる。
【0115】
また、グレースケールの階調の下限は0~80、上限は120~255の範囲内で変化させているが、グレースケールの階調の下限が20、上限が180に設定されている場合が最も粗粒率の判定精度が向上している。
【0116】
(実施例3による品質判定)
実施例3の品質判定システム1を用いて明るさとコントラストを変化させながら骨材の品質判定を行った。
【0117】
なお、実施例3の品質判定システム1による粗骨材の品質判定は、Yを31.25mm、Xを41.65mm(Yの倍率を1.56倍、Xの倍率を2.08倍)、グレースケールの階調の下限を20、上限を180に固定した状態で行っており(表5)、実施例3の品質判定システム1による細骨材の品質判定は、Yを20.83mm、Xを27.77mm(Yの倍率を4.16倍、Xの倍率を5.55倍)、グレースケールの階調の下限を20、上限を180に固定した状態で行っている(表6)。
【0118】
【表5】
【0119】
【表6】
【0120】
表5の寸法の判定精度、実積率の判定精度と、表1の寸法の判定精度、実積率の判定精度とを比較すると、判定対象領域を設定したうえでグレースケールの階調の上限、下限(範囲)を制限し、さらに、明るさとコントラストを変化させた状態で粗骨材の品質を判定する場合においても、寸法の判定精度と実積率の判定精度とが向上していることが分かる。
【0121】
また、グレースケールの階調の下限が20、グレースケールの階調の上限が180、明るさが50、コントラストが50に設定されている場合が最も寸法の判定精度と実積率の判定精度が向上している。
【0122】
表6の寸法の粗粒率の判定精度と、表2の粗粒率の判定精度とを比較すると、判定対象領域を設定したうえでグレースケールの階調の上限、下限(範囲)を制限し、さらに、明るさとコントラストを変化させた状態で細骨材の品質を判定する場合においても、粗粒率の判定精度が向上していることが分かる。
【0123】
また、明るさは-150~150の間、コントラストは0~100の間で変化させているが、明るさが50、コントラストが30に設定されている場合が最も粗粒率の判定精度が向上している。
【符号の説明】
【0124】
1…品質判定システム、2…画像取得手段、3…画像処理手段、4…判定手段、30…判定領域設定手段、31…階調設定手段、32…明るさ設定手段、33…コントラスト設定手段、C…撮像装置、T…処理端末(コンピューター)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9