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特開2023-137823機器システム、情報処理方法、情報処理システム、プログラム、撮像装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137823
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】機器システム、情報処理方法、情報処理システム、プログラム、撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20230922BHJP
   H04L 65/40 20220101ALI20230922BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20230922BHJP
   G06F 3/04883 20220101ALI20230922BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230922BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20230922BHJP
【FI】
H04N7/15
H04L65/40
H04N21/442
G06F3/04883
G06F3/01 510
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044210
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】下平 佳彦
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 進
【テーマコード(参考)】
5C164
5E555
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164UB41P
5C164VA04S
5C164VA23P
5C164VA35P
5C164YA11
5C164YA12
5E555AA61
5E555AA76
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA13
5E555BA28
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB13
5E555BB28
5E555BC19
5E555BD05
5E555CA14
5E555CA42
5E555CB11
5E555CB12
5E555CB66
5E555CB76
5E555DA05
5E555DB41
5E555DB53
5E555DC13
5E555DC61
5E555DD06
5E555DD07
5E555EA05
5E555EA07
5E555EA08
5E555EA09
5E555EA24
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】表示装置を操作する操作者の様子を他拠点の端末装置に共有できる技術を提供すること。
【解決手段】本発明は、入力表示領域を表示する入力表示装置と、前記入力表示装置と前記入力表示装置に入力している者とを含む操作者画像を撮像する撮像装置と、前記操作者画像を取得する取得部と、前記入力表示領域を前記入力表示装置と端末装置とで共有させる共有部と、を備える情報処理システムと、を有する機器システムであって、前記情報処理システムは、前記操作者画像を前記入力表示領域で表示させるために前記端末装置に送信する送信部を備える、ことを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力表示領域を表示する入力表示装置と、
前記入力表示装置と前記入力表示装置に入力している者とを含む操作者画像を撮像する撮像装置と、
前記操作者画像を取得する取得部と、前記入力表示領域を前記入力表示装置と端末装置とで共有させる共有部と、を備える情報処理システムと、
を有する機器システムであって、
前記情報処理システムは、
前記操作者画像を前記入力表示領域で表示させるために前記端末装置に送信する送信部を備える、
ことを特徴とする機器システム。
【請求項2】
前記撮像装置は、
前記撮像装置と通信する第2の端末装置に前記操作者画像を送信する端末通信部を有し、
前記入力表示装置は、
前記第2の端末装置から受信した前記操作者画像と、前記入力表示装置が表示したオブジェクトを、前記情報処理システムに送信する通信部と、
前記入力表示装置に対する操作を検知する操作検知部と、を有し、
前記通信部は、前記操作検知部が前記操作を検知した旨を前記第2の端末装置に送信し、
前記撮像装置は、前記操作を検知した旨を受信した前記第2の端末装置から、前記操作者画像の要求を受信することを特徴とする請求項1に記載の機器システム。
【請求項3】
前記端末装置は、
前記撮像装置、前記入力表示装置、及び前記第2の端末装置が設置される拠点とは異なる他の拠点に設置される第1の端末装置であり、
前記入力表示領域を表示する前記入力表示装置に対して操作者が前記入力表示領域にストロークを入力した場合に、前記ストロークの結果として表示されるオブジェクトを、前記情報処理システムの前記共有部を介して、前記第1の端末装置に送信することを特徴とする請求項2に記載の機器システム。
【請求項4】
前記通信部は、前記情報処理システムに前記操作者画像を送信した際、前記情報処理システムから前記操作者画像の識別情報を受信し、
前記オブジェクトを送信する際、前記操作者画像の識別情報を添付して前記情報処理システムに送信することを特徴とする請求項2に記載の機器システム。
【請求項5】
前記操作検知部は、1つのストロークごとに前記操作を検知し、
最後のストロークの入力終了から次のストロークの入力開始までに一定時間が経過しない場合、前記通信部は、前記操作を検知した旨を前記第2の端末装置に送信せず、
前記情報処理システムから最後に受信した前記操作者画像の識別情報と、前記一定時間が経過せずに手書きされた前記ストロークの結果としての前記オブジェクトを、前記情報処理システムに送信することを特徴とする請求項4に記載の機器システム。
【請求項6】
最後のストロークの入力終了から次のストロークの入力開始までに一定時間が経過した場合、前記通信部は、前記操作を検知した旨を前記第2の端末装置に送信して、前記操作者画像を新たに取得し、
前記情報処理システムに前記操作者画像を送信することで前記情報処理システムから新たに受信した前記操作者画像の識別情報と、前記一定時間が経過してから手書きされた前記ストロークの結果としての前記オブジェクトを、前記情報処理システムに送信することを特徴とする請求項4に記載の機器システム。
【請求項7】
前記情報処理システムは、前記入力表示装置から受信した前記操作者画像と前記オブジェクトを、前記入力表示装置がある拠点とは異なる他の拠点の前記第1の端末装置に送信する請求項3に記載の機器システム。
【請求項8】
前記情報処理システムは、前記操作者画像と、前記オブジェクトを対応付けて保存するオブジェクト共有部を有し、
前記オブジェクト共有部は、前記他の拠点の前記第1の端末装置において、表示している前記オブジェクトを選択したことに応じて、前記オブジェクトに対応する前記操作者画像を提供する請求項7に記載の機器システム。
【請求項9】
前記情報処理システムとネットワークを介して通信する、前記他の拠点の前記第1の端末装置を有し、
前記他の拠点の前記第1の端末装置は、
前記情報処理システムから受信した、前記操作者画像と前記オブジェクトを表示する表示制御部を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の機器システム。
【請求項10】
前記情報処理システムは、前記操作者画像の識別情報とオブジェクトを前記他の拠点の前記第1の端末装置に送信し、
前記表示制御部が前記操作者画像を表示中に、前記オブジェクトと、表示中の前記操作者画像とは異なる前記操作者画像の識別情報を受信した場合、前記表示制御部は前記操作者画像を切り替えることを特徴とする請求項9に記載の機器システム。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記オブジェクトの操作を受け付けた場合、前記オブジェクトに前記操作者画像が対応付けられている旨を表示することを特徴とする請求項9又は10に記載の機器システム。
【請求項12】
入力表示領域を入力表示装置と端末装置とで共有させる共有ステップと、
撮像装置で撮像した、前記入力表示装置と前記入力表示装置に入力している者とを含む操作者画像を取得する取得ステップと、
取得した前記操作者画像を、前記入力表示領域で表示させるために前記端末装置に送信する送信ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項13】
入力表示領域を入力表示装置と端末装置とで共有させる共有部と、
撮像装置で撮像した、前記入力表示装置と前記入力表示装置に入力している者とを含む操作者画像を取得する取得部と、
取得した前記操作者画像を、前記入力表示領域で表示させるために前記端末装置に送信する送信部と、
を有する情報処理システム。
【請求項14】
入力表示領域を入力表示装置と端末装置とで共有させる共有ステップと、
撮像装置で撮像した、前記入力表示装置と前記入力表示装置に入力している者とを含む操作者画像を取得する取得ステップと、
取得した前記操作者画像を、前記入力表示領域で表示させるために前記端末装置に送信する送信ステップと、
を有する情報処理システムで用いるプログラム。
【請求項15】
入力表示領域を表示する入力表示装置と前記入力表示装置に入力している者とを含む操作者画像を撮像し、
前記操作者画像を、情報処理システムを介して前記入力表示領域を共有している端末装置において、前記入力表示領域で表示させるために、前記情報処理システムに送信する、撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器システム、情報処理方法、情報処理システム、プログラム、及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ペンや指等の入力手段でタッチパネルに手書きされたデータを表示する入力表示装置が知られている。比較的大型のタッチパネルを備えた入力表示装置は屋内や屋外に配置され、複数のユーザーにより電子黒板などとして利用される。
【0003】
入力表示装置の操作者を、電子黒板に搭載されたカメラを使って推定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、第1画像に含まれるが第2画像には含まれないユーザーを現在のタッチパネル操作者として推定する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、自拠点の入力表示装置を操作する操作者の様子が、他拠点の端末装置と共有されていないため、他拠点では自拠点の入力表示装置の操作者による操作の様子が分からないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、入力表示装置を操作する操作者の様子を他拠点の端末装置に共有できる機器システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、入力表示領域を表示する入力表示装置と、前記入力表示装置と前記入力表示装置に入力している者とを含む操作者画像を撮像する撮像装置と、前記操作者画像を取得する取得部と、前記入力表示領域を前記入力表示装置と端末装置とで共有させる共有部と、を備える情報処理システムと、を有する機器システムであって、
前記情報処理システムは、前記操作者画像を前記入力表示領域で表示させるために前記端末装置に送信する送信部を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
入力表示装置を操作する操作者の様子を他拠点の端末装置に共有できる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】遠隔会議中に実行されたアプリの画面を周囲のパノラマ画像と共に保存する記録情報の作成の概略を説明する図である。
図2】電子黒板が表示するオブジェクトを、他の拠点の端末装置が操作者画像と共に表示する処理の概略を説明する図である。
図3】記録情報作成システムの構成例を示す図である。
図4】情報処理システム及び端末装置のハードウェア構成例を示す図である。
図5】ミーティングデバイスのハードウェア構成例を示す図である。
図6】ミーティングデバイスの撮像範囲を説明する図である。
図7】パノラマ画像と話者画像の切り出しを説明する図である。
図8】電子黒板の一例のハードウェア構成図である。
図9】記録情報作成システムにおける端末装置、ミーティングデバイス、及び、情報処理システムの機能をブロックに分けて説明する機能ブロック図の一例である。
図10】情報記憶部が記憶している動画記録情報の一例を示す図である。
図11】コミュニケーション管理部が管理する会議情報の一例を示す図である。
図12】対応付け情報記憶部に記憶された、会議IDと機器識別情報とが対応付けられた対応付け情報の一例を示す図である。
図13】アカウント情報記憶部に記憶されているアカウント情報の一例を示す図である。
図14】電子黒板の機能をブロックに分けて説明する機能ブロック図の一例である。
図15】機器情報記憶部に記憶されている機器識別情報等の一例を示す図である。
図16】オブジェクト情報記憶部に保存されているオブジェクト情報を説明する図である。
図17】ユーザーが電子黒板に手書きしたストロークを、他の拠点の端末装置が操作者画像と共に表示する処理を説明するシーケンス図の一例である。
図18】他の拠点の端末装置が表示するオブジェクトと操作者画像の一例を示す図である。
図19】端末装置が表示する会議登録画面の一例を示す図である。
図20】ユーザーがミーティングデバイスと電子黒板を情報処理システムに登録する処理を説明するシーケンス図の一例である。
図21】会議情報を作成していない状態で、ユーザーがミーティングデバイスと電子黒板を情報処理システムに登録する処理を説明するシーケンス図の一例である。
図22】端末装置と電子黒板が同一ネットワークに接続している場合の端末装置と電子黒板の通信方法を説明するシーケンス図の一例である。
図23】位置登録ボタンの押下により電子黒板の方向を設定する操作方法を説明する図である。
図24】ユーザーが設定した方向を確認する画面を示す図である。
図25】特定の映像や音声により、情報記録アプリが電子黒板の方向を決定する処理を説明するシーケンス図の一例である。
図26】電子黒板が特定の映像として表示する二次元コードの一例を示す図である。
図27】二次元コードに基づく方向の決定方法を説明する図である。
図28】電子黒板が特定の音を出力した場合の電子黒板の方向の決定方法を説明する図である。
図29】機械学習などの画像処理により検出された電子黒板に基づいて電子黒板の方向を決定する方向を説明する図である。
図30】端末装置で動作する情報記録アプリが表示するログイン後の初期画面の一例を示す図である。
図31】情報記録アプリが表示する録画設定画面の一例を示す図である。
図32】情報記録アプリが録画中に表示する録画中画面の一例を示す図である。
図33】情報記録アプリが表示する会議一覧画面の一例を示す図である。
図34】ミーティングデバイスが電子黒板の操作開始、操作終了に応じて機器画像の切り出しを開始し、また、終了する処理を説明するシーケンス図の一例である。
図35】ユーザーが電子黒板に手書きしたストロークを、他の拠点の端末装置が操作者画像7と共に表示する処理を説明するシーケンス図の一例である(実施例2)。
図36】ユーザーが電子黒板に手書きし、その後、違うユーザーが手書きした場合に他の拠点の端末装置が操作者画像と共にストロークを表示する処理を説明するシーケンス図の一例である。
図37】電子黒板を二人のユーザー1,2が操作する場合に、他の拠点の端末装置が表示する操作者画像の一例を示す図である。
図38】操作者画像を受信した他の拠点の端末装置が操作者画像を表示する処理を説明するフローチャート図の一例である。
図39】他の拠点の端末装置が表示するストロークについて、操作者画像が添付されていることを示すマークを示す図の一例である。
図40】入力表示領域を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、機器システムと機器システムが行う情報処理方法について説明する。
【0010】
<遠隔会議における議事録の作成方法の一例>
電子黒板が表示するオブジェクトを操作した操作者に関する情報が共有されていなかった。例えば、情報処理システムが、一方の拠点の電子黒板が表示したオブジェクトデータをリアルタイムで他の拠点と共有すれば、他の拠点のユーザーが、誰が何を書いているのかがわかるようになる。また、情報処理システムがオブジェクトに操作者を対応付けておけば、誰がオブジェクトを入力したのか明確になり、議事録の内容が向上する。
【0011】
まず、図1を参照して、パノラマ画像とアプリの画面を用いた議事録の作成方法の概略を説明する。図1は、遠隔会議中に実行されたアプリの画面を周囲のパノラマ画像と共に保存する記録情報の作成の概略を説明する図である。図1に示すように、図示する自拠点102にいるユーザーが遠隔会議サービスシステム90を利用して、他の拠点101と遠隔会議を行っている。
【0012】
本実施形態の記録情報作成システム100は、周囲360°を撮像可能な撮像手段及びマイクとスピーカを備えたミーティングデバイス60が、周囲を撮像した情報を処理することで取得した水平パノラマ画像(以下、パノラマ画像という)と、端末装置10が実行するアプリケーション(以下、アプリという)が作成する画面と、を用いて、記録情報(議事録など)を作成する。音声については、記録情報作成システム100は、遠隔会議アプリ42が受信する音声と、ミーティングデバイス60が取得する音声とを合成して、記録情報に含める。以下、概略を説明する。
【0013】
(1)端末装置10では、後述する情報記録アプリ41と遠隔会議アプリとが動作している。この他、資料表示用のアプリなども動作していてよい。情報記録アプリ41は、端末装置10が出力する音声(遠隔会議アプリが他拠点から受信した音声を含む。)をミーティングデバイス60に送信する。ミーティングデバイス60は、自身が取得している音声と、遠隔会議アプリの音声とをミキシング(合成)する。
【0014】
(2)ミーティングデバイス60はマイクを備え、音声を取得した方向に基づき、パノラマ画像から話者を切り出す処理を行い、話者画像を作成する。ミーティングデバイス60は、パノラマ画像と話者画像の両方を端末装置10に送信する。
【0015】
(3)端末装置10で動作する情報記録アプリ41は、パノラマ画像203と話者画像204を表示できる。情報記録アプリ41は、ユーザーが選択した任意のアプリ画面(例えば遠隔会議アプリの画面103)と、パノラマ画像203と話者画像204と、を結合する。例えば、左側にパノラマ画像203と話者画像204、右側に遠隔会議アプリの画面103が配置されるように、パノラマ画像203、話者画像204、アプリの画面103を結合する(以下、結合画像105という)。なおアプリ画面は、遠隔会議アプリ等の各アプリケーションが表示する画面情報(後述)の例である。(3)の処理は繰り返し実行されるので、結合画像105は動画となる(以下、結合画像動画という)。また、情報記録アプリ41は、結合画像動画に合成された音声を結合して音声付きの動画を作成する。
【0016】
なお、本実施形態では、パノラマ画像203、話者画像204、アプリの画面103を結合する例を説明するが、情報記録アプリ41がこれらを別々に保存し、再生時に画面に配置してもよい。
【0017】
(4)情報記録アプリ41は、編集作業(ユーザーによる不要箇所のカット)を受け付け、結合画像動画を完成させる。結合画像動画は記録情報の一部を構成する。
【0018】
(5)情報記録アプリ41は、作成した結合画像動画(音声付き)をストレージサービスシステム70に送信し保存しておく。
【0019】
(6)また、情報記録アプリ41は、結合画像動画から音声のみを抽出しておき(結合前の音声を取っておいてもよい)、抽出した音声を、情報処理システム50に送信する。情報処理システム50は音声をテキストデータに変換する音声認識サービスシステム80に送信し、音声をテキスト化する。テキストデータには、録画開始から何分後に話したか、というデータも含まれる。
【0020】
なお、リアルタイムのテキスト化の場合、ミーティングデバイス60が情報処理システム50に直接音声を送信する。ミーティングデバイス60はテキストデータをリアルタイムに情報記録アプリ41に送信する。
【0021】
(7)情報処理システム50は、結合画像動画を格納したストレージサービスシステム70に、テキストデータを追加で格納する。テキストデータは記録情報の一部を構成する。
【0022】
なお、情報処理システム50は、ユーザーに対し利用したサービスに応じた課金処理を実行できる。例えば、課金はテキストデータ量、結合画像動画のファイルサイズ、処理時間などに基づいて算出される。
【0023】
このように、結合画像動画には、ユーザーを含む周囲のパノラマ画像や話者画像が表示され、更に、遠隔会議アプリ42など、遠隔会議中に表示されたアプリの画面が表示される。遠隔会議の参加者や参加者でない者が、結合画像動画を議事録として閲覧した場合、遠隔会議中の様子が臨場感と共に再現される。
【実施例0024】
<オブジェクトに操作者画像を対応付けて表示する処理の概略>
次に、図2を参照して、他の拠点の端末装置8が、オブジェクトに操作者画像を対応付けて表示する処理の概略を説明する。図2は、電子黒板2が表示するオブジェクトを、他の拠点の端末装置8(第1の端末装置の一例)が操作者画像7と共に表示する処理の概略を説明する図である。なお、図2では、少なくとも電子黒板2と他の拠点の端末装置8が同じ会議に参加しており、他の拠点の端末装置8は電子黒板2が表示しているオブジェクトを電子黒板2と共有している。
【0025】
(1)ミーティングデバイス60は繰り返し周囲の画像を撮像しており、パノラマ画像、話者画像を端末装置10(第2の端末装置の一例)に送信する。パノラマ画像には、操作者121が写っているものとする。
【0026】
(2)電子黒板2が操作される、電子黒板2が端末装置10を経由して、操作開始(操作者画像7の切り出し要求)をミーティングデバイス60に送信する。ミーティングデバイス60は、操作開始(操作者画像7の切り出し要求)が通知されると、パノラマ画像から電子黒板2を切り出す。パノラマ画像は、操作開始に応じて撮像されてもよい。電子黒板2が操作されたタイミングなので、切り出した画像には操作者が写っている。切り出した画像を操作者画像7という。
【0027】
(3)端末装置10は操作者画像7を電子黒板2に送信する。
【0028】
(4)電子黒板2は、例えば1ストロークごとに、操作者画像7とストロークデータを情報処理システム50に送信する。連続的にストロークが書き込まれている場合(ペンアップ後に一定時間が経過しないで次のストロークのペンダウンが検知された場合)、電子黒板2は操作者画像7を送信しなくてよい。
【0029】
(5)情報処理システム50はストロークデータにオブジェクトIDを採番し、操作者画像7に操作者画像7の識別情報を採番し、ストロークデータと操作者画像7の識別情報を対応付けておく。また、情報処理システム50はストロークデータと操作者画像7の識別情報を他の拠点の端末装置8に送信する。情報処理システム50はストロークデータと操作者画像7そのものを他の拠点の端末装置8に送信してもよい。
【0030】
(6)他の拠点の端末装置8はストロークデータと操作者画像7の識別情報を受信し、操作者画像7の識別情報を指定して、操作者画像7を情報処理システム50に要求する。
【0031】
(7)この要求に対し情報処理システム50は操作者画像7の識別情報に対応付けられている操作者画像7を他の拠点の端末装置8に送信する。
【0032】
(8)他の拠点の端末装置8は操作者画像7を受信すると、ストローク120に対応付けて操作者画像7を表示する。
【0033】
図2に示すように、他の拠点ではストロークの近くに操作者画像7が表示されるので、誰が書いている(書いた)のかを他の拠点のユーザーが容易に把握することができる。また、情報処理システム50では、オブジェクトデータに操作者画像7が対応付けられるので、誰がオブジェクトを入力したのか明確になり、議事録の内容が向上する。
【0034】
<用語について>
操作者画像とは、電子黒板2を操作する操作者が含まれる画像である。操作者と共に電子黒板2が含まれていてよいので、操作者画像は機器画像と呼ばれてもよい。
【0035】
ユーザーがディスプレイに入力手段を押しつけてから連続的に移動させた後、ディスプレイから離すという一連の操作をストロークという。ストロークは、ディスプレイに接触することなく、ユーザーの動きを追跡することを含む。この場合、表示装置は、例えばマウスやポインティングデバイスを使用して、ユーザーのジェスチャー、ユーザーの手又は足によるボタンの押下、又は他の方法で、ストロークを開始させてもよい。更に、ユーザーは、同じ又は異なるジェスチャー、ボタンを離す、又はマウスやポインティングデバイスを使用して、ストロークを終了させてもよい。
【0036】
ストロークデータとは、入力手段により入力される座標の軌跡に基づいてディスプレイに表示される情報である。ストロークデータは適宜、補間されてよい。手書きデータとは、1つ以上のストロークデータを有するデータである。手書き入力とは、ユーザーによって、手書きデータが入力されることを示している。手書き入力は、タッチインターフェース、ペンやスタイラスなどの触覚オブジェクト、又はユーザーの体を使って実行されてもよい。また、手書き入力は、ジェスチャーベースの入力、手の動きの追跡入力、又はユーザーによる他のタッチフリー入力など、他のタイプの入力を介して実行されてもよい。本発明の実施形態では、手書き入力及び手書き入力データに言及するが、他の形態の手書き入力が利用されてもよい。
【0037】
ストロークデータの結果としてディスプレイに表示される表示物をオブジェクトという。オブジェクトとは対象という意味であるが、本実施形態では表示対象などの意味である。ストロークデータが手書き認識して変換されたオブジェクトには、テキストの他、「済」などの決まった文字やマークとして表示されるスタンプ、円や星などの図形、直線等も含まれてよい。テキストとは主に1つ以上の文字を含む文字列(文字コード)であり、数字、記号なども含む。テキストを文字列という場合がある。
【0038】
入力表示装置は、情報を表示する装置であればよい。本実施形態では、入力表示装置は電子黒板という用語で説明される。電子黒板は、電子ホワイトボード、電子情報ボード、などと呼ばれてよい。電子黒板2と同等の装置としてプロジェクタが知られている。この他、入力表示装置は、デジタルサイネージ、テレビ、ディスプレイ、テレビ会議端末などでもよい。
【0039】
アプリケーション(アプリ)とは、ある特定の機能や目的のために開発・使用されるソフトウェアである。アプリケーションにはネイティブアプリとWebアプリがある。またWebアプリ(クラウドサービスで提供するクラウド側のアプリ)と、ネイティブアプリやWebブラウザとが連携して動作するものであってもよい。
【0040】
実行中のアプリとは、アプリが起動されてから終了されるまでの間の状態のアプリをいう。アプリはアクティブ(最も手前にあるアプリ)でなくてもよく、バックグラウンドで動作していればよい。
【0041】
記録情報とは、情報記録アプリ41が記録する情報であり、ある1つの会議(ミーティング)の識別情報に紐づく情報として閲覧可能に記憶・保存された情報であって、例えば以下の情報を含む情報である。
・選択したアプリ(遠隔会議アプリなど)が表示する画面情報と、デバイスが取得したデバイスの周囲の画像情報、などに基づいて作成する動画情報。
・会議(ミーティング)中に、遠隔会議アプリ(端末装置)と、拠点のミーティングデバイスとで取得し合成した音声情報。
・取得した音声をテキスト化したテキスト情報。
・その他、会議(ミーティング)に関連する関連情報であるデータや画像。例えば会議中に用いた資料ファイル、追加したメモ、テキスト化データの翻訳データ、会議中にクラウド電子黒板サービスで作成した画像やストロークデータなど。
等である。情報記録アプリ41が遠隔会議アプリの画面や、拠点の会議の様子を録画した場合、記録情報が、実施した会議の議事録となる場合がある。議事録は記録情報の例であり遠隔会議や拠点側で行った内容に応じて記録情報の呼び方が変わり、例えばコミュニケーションの記録、拠点状況の記録などと言ってもよい。また記録情報は、例えば、動画ファイル(結合画像動画等)、音声ファイル、テキストデータ(音声が音声認識されたテキストデータ)、文書ファイル、画像ファイル、表形式ファイルなど、複数の形式のファイルを含み、ファイルは会議の識別情報に対して互いに関連づいているため、閲覧時にまとめて、あるいは選択的に、時系列で閲覧可能となっている。
【0042】
テナントとは、サービスの提供者からサービスを受けることを契約したユーザーのグループ(企業や自治体、これらの一部の組織等)である。本実施形態の記録情報の作成やテキストデータへの変換は、テナントがサービス提供元と契約しているために実行される。
【0043】
遠隔コミュニケーションとは、物理的に離れた拠点にいる相手と、ソフトウェアや端末装置を活用することによって音声や映像を通じたコミュニケーションを取ることをいう。遠隔コミュニケーションの一例に遠隔会議があり、会議は、会合、ミーティング、打ち合わせ、相談、契約等の申し込み、集会、寄り合い、集まり、セミナー、講習会、勉強会、ゼミ、研修会等と呼ばれてもよい。
【0044】
拠点とは、ネットワーク接続させた各種装置を用いて様々な活動を行う場所をいう。拠点の例として会議室がある。会議室は、主に会議に使用することを目的に設置された部屋のことである。拠点はこのほか自宅や、受付や店舗、倉庫や屋外の現場など様々な場所であってもよく、端末装置やデバイス等を設置できる箇所のある場所や空間であればよい。
【0045】
音声とは人間が発する言語音や周囲の音等であり、音声データは音声をデータ化したものであるが、本実施形態では、厳密に区別せずに説明する。また、他の拠点とは、自拠点とは離れた異なる場所であり別の建物や、別の会議室などである。
【0046】
<システム構成例>
続いて、図3を参照して、記録情報作成システム100のシステム構成を説明する。図3は、記録情報作成システム100の構成例を示す。図3では、遠隔会議を行う複数の拠点のうち1つの拠点(自拠点102)を示し、自拠点102における端末装置10がネットワークを介して情報処理システム50と、ストレージサービスシステム70と、遠隔会議サービスシステム90と、通信する。自拠点102には更に、ミーティングデバイス60と電子黒板2が配置され、端末装置10はこのミーティングデバイス60とUSBケーブル等を介して通信可能に接続されている。端末装置10がLANを介してミーティングデバイス60と通信してもよい。
【0047】
端末装置10では、少なくとも情報記録アプリ41と遠隔会議アプリ42とが動作する。遠隔会議アプリ42は、他の拠点101の端末装置10とネットワーク上の遠隔会議サービスシステム90を介して通信することができ、各拠点のユーザー同士が遠隔地から会議できるようになっている。情報記録アプリ41は、遠隔会議アプリ42が実施する遠隔会議における記録情報を、情報処理システム50及びミーティングデバイス60の機能を使って作成する。
【0048】
なお、本実施形態では、遠隔会議中の記録情報を作成する例を説明するが、会議は、遠隔の拠点と通信する会議でなくてもよい。つまり、会議は1拠点内の参加者のみが参加する会議でもよい。この場合、ミーティングデバイス60が集音した音声のみが合成なしに保存される他、情報記録アプリ41の処理に変更はない。
【0049】
端末装置10には通常の画角のカメラが内蔵されており(外付けでもよい)、端末装置10を操作するユーザー107を含む正面の画像を撮像している。通常の画角とは、パノラマ画像でない画像であるが、本実施形態では、主に全天球画像のように曲面でない平面画像である。また、端末装置10にはマイクが内蔵されており(外付けでもよい)、端末装置10を操作するユーザー等の周囲の音声を集音している。したがって、ユーザーは、情報記録アプリ41を意識することなく、遠隔会議アプリ42を使用した従来の遠隔会議が可能である。情報記録アプリ41やミーティングデバイス60は、端末装置10の処理負荷増を除けば遠隔会議アプリ42に影響を与えない。
【0050】
情報記録アプリ41はミーティングデバイス60と通信して記録情報を作成することで情報を記録するアプリである。ミーティングデバイス60は、パノラマ画像の撮像装置、マイク、及び、スピーカを備えたミーティング用のデバイスである。端末装置10が有するカメラは正面の限られた範囲しか撮像できないが、ミーティングデバイス60はミーティングデバイス60を囲む全周囲(必ずしも全周囲でなくてもよい)を撮像できる。ミーティングデバイス60は図3に示す複数の参加者106を常に画角に収めることができる。
【0051】
この他、ミーティングデバイス60は、パノラマ画像からの話者画像の切り出し、ミーティングデバイス60が取得した音声と端末装置10が出力する音声(遠隔会議アプリ42が受信した音声を含む)との合成等を行う。なお、ミーティングデバイス60は、机や台などの設置場所の上に限らず自拠点102のどこに配置されてもよい。ミーティングデバイス60は全天球画像を撮像できるので、例えば天井に配置されてもよい。またミーティングデバイス60は他拠点側やいずれの拠点に設置されてもよい。
【0052】
情報記録アプリ41は、端末装置10で実行中のアプリの一覧表示、上記した記録情報のための画像合成(結合画像動画の作成)、結合画像動画の再生、編集の受け付け等を行う。また、情報記録アプリ41は、実施された又はこれから実施される予定の遠隔会議のリスト表示、等を行う。遠隔会議のリストは、記録情報に関する情報に使用され、ユーザーが遠隔会議と記録情報とを結びつけることができる。
【0053】
遠隔会議アプリ42は、他の拠点101の他の端末装置との通信接続、画像及び音声の送受信、画像の表示や音声の出力等により、端末装置が他の端末装置と遠隔コミュニケーションを行うアプリケーションである。遠隔会議アプリは、遠隔コミュニケーションアプリ、遠隔情報共通アプリなどと言うこともできる。
【0054】
なお、情報記録アプリ41及び遠隔会議アプリ42はWebアプリでもネイティブアプリでもよい。Webアプリとは、Webサーバー上のプログラムとWebブラウザ上のプログラムやネイティブアプリが協働して処理を行うアプリであり、端末装置10へのインストールが不要なアプリである。ネイティブアプリとは、端末装置10にインストールして利用されるアプリである。本実施形態では、両者ともネイティブアプリであるとして説明する。
【0055】
端末装置10は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末等、通信機能を備えた汎用的な情報処理装置でよい。端末装置10は、この他、電子黒板2、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルPC、カーナビ、産業機械、医療機器、ネットワーク家電等でもよい。端末装置10は情報記録アプリ41と遠隔会議アプリ42が少なくとも動作する装置であればよい。端末装置10は情報記録アプリ41と遠隔会議アプリ42が動作する装置であればよい。
【0056】
電子黒板2は、ペンや指等の入力手段でタッチパネルに手書きされたデータをディスプレイに表示する。電子黒板2は、有線又は無線で端末装置10等と通信することができ、端末装置10が表示する画面を取り込んでディスプレイに表示することができる。電子黒板2は、手書きデータをテキストデータに変換したり、他の拠点の電子黒板2とディスプレイに表示される情報を共有したりすることができる。電子黒板2は、タッチパネルを有さない単なる白板にプロジェクタが映像を投影する形態のものでもよい。また、電子黒板2は、タッチパネルを備えたタブレット端末、ノートPC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機等でもよい。
【0057】
電子黒板2は、情報処理システム50と通信することができる。例えば、電源オンされた後、電子黒板2が、情報処理システム50にポーリングするなどして、情報処理システム50から情報を受信できる。電子黒板2と、電子黒板2を撮像できるミーティングデバイス60は表示システムとして動作する。
【0058】
情報処理システム50は、ネットワーク上に配置された一台以上の情報処理装置である。情報処理システム50は、情報記録アプリ41と協働して処理を行う1つ以上のサーバーアプリと、基盤サービスを有している。このサーバーアプリは、遠隔会議のリストの管理、遠隔会議で記録された記録情報の管理、各種設定やストレージパスの管理等を行う。基盤サービスは、ユーザー認証や契約、課金処理等を行う。ミーティングデバイス60と、電子黒板2と、情報処理システム50は、機器システムとして機能する。
【0059】
なお、情報処理システム50の機能の全て又は一部は、クラウド環境に存在してもよいし、オンプレミス環境に存在してもよい。情報処理システム50は複数台のサーバー装置により構成されてもよいし、一台の情報処理装置により構成されてもよい。例えば、サーバーアプリと基盤サービスが別々の情報処理装置より提供されてよいし、更にサーバーアプリ内の機能ごとに情報処理装置が存在してもよい。情報処理システム50と次述するストレージサービスシステム70、音声認識サービスシステム80が一体でもよい。
【0060】
ストレージサービスシステム70は、ネットワーク上の記憶手段であり、ファイル等の保存を受け付けるストレージサービスを提供する。ストレージサービスシステム70としてはOne Drive(登録商標)、Google Workspace(登録商標)、DropBox(登録商標)等が知られている。ストレージサービスシステム70は、オンプレミスのNAS(Network Attached Storage)等でもよい。
【0061】
音声認識サービスシステム80は、音声データに音声認識を行いテキストデータに変換するサービスを提供する。音声認識サービスシステム80は、汎用的な商用サービスでもよいし、情報処理システム50の機能の一部でもよい。また音声認識サービスシステム80はユーザーやテナント毎、会議毎に異なるサービスシステムを設定して用いてもよい。
【0062】
<ハードウェア構成例>
図4を参照して、本実施形態に係る情報処理システム50及び端末装置10のハードウェア構成について説明する。
【0063】
<<情報処理システム及び端末装置>>
図4は、本実施形態に係る情報処理システム50及び端末装置10の一例のハードウェア構成を示す図である。図4に示されているように、情報処理システム50及び端末装置10はコンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、光学ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0064】
これらのうち、CPU501は、情報処理システム50及び端末装置10全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図4に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0065】
また、キーボード511は、文字、数値、又は各種指示などの入力に使用される複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。光学ドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としての光記憶媒体513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、光記憶媒体513は、CD,DVD、Blu-ray(登録商標)等でよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0066】
<<ミーティングデバイス>>
図5を用いて、ミーティングデバイス60のハードウェア構成を説明する。図5は、360°の動画を撮像可能なミーティングデバイス60のハードウェア構成図の一例である。以下では、ミーティングデバイス60は撮像素子を使用した、デバイスの周囲360°の動画を所定の高さで撮像する装置とするが、撮像素子は1つでも2つ以上のいくつでもよい。また、必ずしも専用装置である必要はなくPCやデジタルカメラ、スマートフォン等に後付けの360°動画の撮像ユニットを取り付けることで、実質的に同じ機能を有するようにしてもよい。
【0067】
図5に示されているように、ミーティングデバイス60は、撮像ユニット601、画像処理ユニット604、撮像制御ユニット605、マイク608、音処理ユニット609、CPU(Central Processing Unit)611、ROM(Read Only Memory)612、SRAM(Static Random Access Memory)613、DRAM(Dynamic Random Access Memory)614、操作部615、外部機器接続I/F616、通信部617、アンテナ617a、音声センサー618、及びMicro USB用の凹状の端子621によって構成されている。
【0068】
このうち、撮像ユニット601は、半球画像を結像するための360°の画角を有する広角レンズ(いわゆる魚眼レンズ)602と、各広角レンズに対応させて設けられている撮像素子603(イメージセンサー)を備えている。撮像素子603は、魚眼レンズ602による光学像を電気信号の画像データに変換して出力するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサーやCCD(Charge Coupled Device)センサーなどの画像センサー、この画像センサーの水平又は垂直同期信号や画素クロックなどを生成するタイミング生成回路、この撮像素子の動作に必要な種々のコマンドやパラメータなどが設定されるレジスタ群などを有している。なお撮像ユニット601は360°カメラであってもよく、ミーティングデバイス60の周囲360°を撮像可能な撮像手段の例である。
【0069】
撮像ユニット601の撮像素子603(イメージセンサー)は、各々、画像処理ユニット604とパラレルI/Fバスで接続されている。一方、撮像ユニット601の撮像素子603は、撮像制御ユニット605とは、シリアルI/Fバス(I2Cバス等)で接続されている。画像処理ユニット604、撮像制御ユニット605及び音処理ユニット609は、バス610を介してCPU611と接続される。更に、バス610には、ROM612、SRAM613、DRAM614、操作部615、外部機器接続I/F616、通信部617、及び音声センサー618なども接続される。
【0070】
画像処理ユニット604は、撮像素子603から出力される画像データをパラレルI/Fバスを通して取り込み、それぞれの画像データに対して所定の処理を施して、魚眼映像からパノラマ画像や話者画像のデータを作成する。更に、画像処理ユニット604は、パノラマ画像と話者画像等を合成処理して、1つの動画を出力する。
【0071】
撮像制御ユニット605は、一般に撮像制御ユニット605をマスタデバイス、撮像素子603をスレーブデバイスとして、I2Cバスを利用して、撮像素子603のレジスタ群にコマンド等を設定する。必要なコマンド等は、CPU611から受け取る。また、撮像制御ユニット605は、同じくI2Cバスを利用して、撮像素子603のレジスタ群のステータスデータ等を取り込み、CPU611に送る。
【0072】
また、撮像制御ユニット605は、操作部615の撮像開始ボタンが押下されたタイミングあるいはPCから撮像開始指示を受信したタイミングで、撮像素子603a,603bに画像データの出力を指示する。ミーティングデバイス60によっては、ディスプレイ(例えば、PCやスマートフォンのディスプレイ)によるプレビュー表示機能や動画表示に対応する機能を持つ場合もある。この場合は、撮像素子603からの画像データの出力は、所定のフレームレート(フレーム/分)によって連続して行われる。
【0073】
また、撮像制御ユニット605は、後述するように、CPU611と協働して撮像素子603の画像データの出力タイミングの同期をとる同期制御手段としても機能する。なお、本実施形態では、ミーティングデバイス60にはディスプレイが設けられていないが、表示部を設けてもよい。
【0074】
マイク608は、音を音(信号)データに変換する。音処理ユニット609は、マイク608から出力される音声データをI/Fバスを通して取り込み、音声データに対して所定の処理を施す。
【0075】
CPU611は、ミーティングデバイス60の全体の動作を制御すると共に必要な処理を実行する。ROM612は、CPU611のための種々のプログラムを記憶している。SRAM613及びDRAM614はワークメモリであり、CPU611で実行するプログラムや処理途中のデータ等を記憶する。特にDRAM614は、画像処理ユニット604での処理途中の画像データや処理済みの正距円筒射影画像のデータを記憶する。
【0076】
操作部615は、撮像開始ボタン615aなどの操作ボタンの総称である。ユーザーは操作部615を操作することで、撮像や録画を開始する他、電源ON/OFFの実行、通信接続の実行、種々の撮像モードや撮像条件などの設定を入力する。
【0077】
外部機器接続I/F616は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、PC(Personal Computer)、ディスプレイ、プロジェクタ、電子黒板等である。外部機器接続I/F616は例えばUSB端子、HDMI(登録商標)端子等を備えていてもよい。DRAM614に記憶された動画データや画像データは、この外部機器接続I/F616を介して外部端末に送信されたり、外付けのメディアに記録されたりする。また、複数の外部機器接続I/F616を用い、例えば、ミーティングデバイス60で撮像し取得した画像情報をPCへUSBを介して送信して記録しながら、PCからミーティングデバイス60へ映像(例えば遠隔会議アプリで表示する画面情報など)を取得し、更にミーティングデバイス60からHDMIで他の外部機器(ディスプレイ、プロジェクタ、電子黒板等)へ送信して表示してもよい。
【0078】
通信部617は、ミーティングデバイス60に設けられたアンテナ617aを介して、Wi-Fi等の無線通信技術によって、インターネット経由でクラウドサーバと通信し、記憶した動画データや画像データをクラウドサーバに送信してもよい。また、通信部617は、BLE(Bluetooth Low Energy。登録商標)やNFC等の近距離無線通信技術を用いて付近のデバイスと通信してもよい。
【0079】
音声センサー618は、ミーティングデバイス60の周辺(水平面)の360°においてどの方向から音声が大きい音で入力されたかを特定するために、360°の音声情報を取得するセンサーである。音処理ユニット609は入力した360°の音声パラメータに基づき、最も強い方向を特定して360°における音声入力方向を出力する。
【0080】
なお、他のセンサー(方位・加速度センサーやGPS等)が方位・位置・角度・加速度等を算出し、画像補正や位置情報付加に用いてもよい。
【0081】
また画像処理ユニット604は、以下の処理を行う。
【0082】
・CPU611は、パノラマ画像の作成を次の方法で行う。CPU611は、球面映像を入力するイメージセンサーから入力されたRAWデータをBayer変換(RGB補完処理)等の所定のカメラ映像処理を行って魚眼映像(曲面の画像からなる映像)を作成する。更に作成した魚眼映像(曲面の映像)に対してDeWarp処理(歪み補正処理)等の平面化処理を行い、ミーティングデバイス60の周辺の360°が写ったパノラマ画像(平面の画像からなる映像)を作成する。
【0083】
・CPU611は話者画像の作成を次の方法で行う。CPU611は周辺の360°が写ったパノラマ画像(平面の映像)から、話者を切り出した話者画像を作成する。CPU611は、音声センサー618及び音処理ユニット609を用いて出力した360°から特定した音声入力方向を、話者の方向として、上記パノラマ画像から話者画像を切り出す。このとき音声入力方向から人の画像を切り出す方法は、360°から特定した音声方向を中心に30°を切り取って、その中で顔検出を実施して切り出す。CPU611は、更に切り出した話者画像のうち、直近で発言のあった特定人数分(3名等)の話者画像を特定する。
【0084】
パノラマ画像と、1以上の話者画像は個別に情報記録アプリ41に送信されてもよいし、ミーティングデバイス60がこれらから1枚の画像を作成して、情報記録アプリ41に送信してもよい。本実施形態では、パノラマ画像と1以上の話者画像は個別にミーティングデバイス60から情報記録アプリ41に送信されるものとする。
【0085】
図6は、ミーティングデバイス60の撮像範囲を説明する図である。図6(a)に示すように、ミーティングデバイス60は水平方向に360°の範囲を撮像する。図6(b)に示すように、ミーティングデバイス60は、ミーティングデバイス60の高さに水平な方向を0°とし、上下に所定の角度を撮像範囲とする。
【0086】
図7は、パノラマ画像と話者画像の切り出しを説明する図である。図7に示すように、ミーティングデバイス60が撮像する画像は球体の一部110をなすため、三次元の形状を有している。ミーティングデバイス60は、図6(b)で示したように、上下の所定角度と左右の所定角度ごとに画角を区切って透視投影変換を行う。透視投影変換を水平方向360°の全体で隙間なく行うことで、所定数の平面画像が得られるので、所定数の平面画像を左右に連結することでパノラマ画像111が得られる。また、ミーティングデバイス60はパノラマ画像から音声方向を中心に所定の範囲で顔検出を実施して、顔の中心から左右に15°(全体で30°)を切り出すことで、話者画像112を作成する。
【0087】
<<電子黒板>>
図8は、電子黒板2のハードウェア構成図である。図8に示されているように、電子黒板2は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、SSD(Solid State Drive)404、ネットワークI/F405、及び、外部機器接続I/F(Interface)406を備えている。
【0088】
これらのうち、CPU401は、電子黒板2全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401やIPL(Initial Program Loader)等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。SSD404は、電子黒板2用のプログラム等の各種データを記憶する。ネットワークI/F405は、通信ネットワークとの通信を制御する。外部機器接続I/F406は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ430、外付け機器(マイク440、スピーカ450、カメラ460)である。
【0089】
また、電子黒板2は、キャプチャデバイス411、GPU412、ディスプレイコントローラ413、接触センサー414、センサコントローラ415、電子ペンコントローラ416、近距離通信回路419、及び近距離通信回路419のアンテナ419a、電源スイッチ422及び選択スイッチ類423を備えている。
【0090】
これらのうち、キャプチャデバイス411は、外付けのPC(Personal Computer)470のディスプレイに対して映像情報を静止画又は動画として表示させる。GPU(Graphics Processing Unit)412は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。ディスプレイコントローラ413は、GPU412からの出力画像をディスプレイ480等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサー414は、ディスプレイ480上に電子ペン490やユーザーの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ415は、接触センサー414の処理を制御する。接触センサー414は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法について説明する。ディスプレイ480の上側両端部に設置された2つの受発光装置が、ディスプレイ480に平行して複数の赤外線を放射する。ディスプレイ480の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、2つの受発光装置が、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する。
【0091】
接触センサー414は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ415に出力し、センサコントローラ415が、物体の接触位置である座標位置を特定する。電子ペンコントローラ416は、電子ペン490と通信することで、ディスプレイ480へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路419は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。電源スイッチ422は、電子黒板2の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。選択スイッチ類423は、例えば、ディスプレイ480の表示の明暗や色合い等を調整するためのスイッチ群である。
【0092】
更に、電子黒板2は、バスライン410を備えている。バスライン410は、図8に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0093】
なお、接触センサー414は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネルでもよい。接触センサー414は、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネルでもよい。接触センサー414は、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルでもよい。接触センサー414は、この他、種々の検出手段を用いてよい。また、電子ペンコントローラ416が、電子ペン490のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン490のユーザーが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
【0094】
<機能について>
次に、図9を参照して、記録情報作成システム100が有する機能構成について説明する。図9は、記録情報作成システム100における端末装置10、ミーティングデバイス60、及び、情報処理システム50の機能をブロックに分けて説明する機能ブロック図の一例である。
【0095】
<<端末装置>>
端末装置10で動作する情報記録アプリ41は、通信部11、操作受付部12、表示制御部13、アプリ画面取得部14、音声取得部15、デバイス通信部16、録画制御部17、音声データ処理部18、録画再生部19、アップロード部20、編集処理部21、機器認識部22、解析部23、操作者画像送信部24、切り出し要求部25を有している。端末装置10が有するこれら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503に展開された情報記録アプリ41に従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、端末装置10は、図4に示されているHD504等によって構築される記憶部1000を有している。記憶部1000には情報記憶部1001が構築されている。
【0096】
通信部11は、ネットワークを介して情報処理システム50と各種の情報を通信する。通信部11は、例えば、遠隔会議のリストを情報処理システム50から受信したり、音声データの認識要求を情報処理システム50に送信したりする。また、通信部11は電子黒板2から操作開始、操作終了を受信する。
【0097】
表示制御部13は情報記録アプリ41に設定されている画面遷移にしたがって情報記録アプリ41においてユーザーインターフェースとなる各種の画面を表示する。操作受付部12は、情報記録アプリ41に対する各種の操作を受け付ける。
【0098】
アプリ画面取得部14は、ユーザーが選択したアプリが表示する画面情報、又は、デスクトップ画面の画面情報などをOS(Operating System)等から取得する。ユーザーが選択したアプリが遠隔会議アプリ42の場合、遠隔会議アプリ42が生成する画面(各拠点の端末装置カメラによる端末装置ユーザーの撮像画像、共有している資料の表示画像、参加者アイコンや参加者名等を含む画像)が得られる。アプリが表示する画面情報(アプリ画面)は、実行中のアプリケーションがウィンドウとして表示し、情報記録アプリケーションが画像として取得する情報である。アプリケーションのウィンドウは、ウィンドウの領域をデスクトップイメージ全体における領域として描画されモニター等に表示される。アプリが表示する画面情報は、OS(Operating System)のAPIや表示するアプリのAPI等を介して、他のアプリケーション(情報記録アプリケーション等)が、画像ファイルや、連続した複数の画像から構成される動画ファイルとして取得可能である。また、デスクトップ画面の画面情報は、OSが生成するデスクトップ画面の画像から構成される情報であり、同様に画像ファイルや動画ファイルとして、OSのAPIを介して取得可能である。これらの画像ファイルの形式はビットマップ、PNG、その他の形式であってもよい。また動画ファイルの形式はMP4、その他の形式でもよい。
【0099】
音声取得部15は、端末装置10がマイクやイヤホンから出力する音声(遠隔会議アプリ42から遠隔会議において受信された音声データを含む)を取得する。出力音声がミュート状態でも、音声取得部15は音声を取得できる。音声データに関してユーザーは遠隔会議アプリ42を選択するなどの操作は必要なく、音声取得部15は、端末装置10が出力できる音声を、OSやアプリのAPI(Application Interface)を介して取得できる。これにより、遠隔会議アプリ42が他の拠点101から受信する音声データも取得される。遠隔会議アプリ42が実行中でなかったり、遠隔会議中でなかったりする場合、情報記録アプリ41は音声データを取得できない場合がある。なお、音声取得部15が取得する音声は、端末装置10が集音する音声は含まれず、出力する音声データのみとしてもよい。ミーティングデバイス60が別に、拠点の音声を集音しているためである。
【0100】
デバイス通信部16は、USBケーブルなどを利用してミーティングデバイス60と通信する。デバイス通信部16は、無線LANやBluetooth(登録商標)等でミーティングデバイス60と通信してよい。デバイス通信部16は、パノラマ画像と話者画像をミーティングデバイス60から受信し、音声取得部15が取得した音声データをミーティングデバイス60に送信する。デバイス通信部16は、ミーティングデバイス60で合成された音声データを受信する。
【0101】
録画制御部17は、デバイス通信部16が受信したパノラマ画像と話者画像、及び、アプリ画面取得部14が取得したアプリの画面を結合し、結合画像を作成する。また、録画制御部17は繰り返し作成する結合画像を時系列に接続して結合画像動画を作成し、合成された音声データを結合画像動画に結合して音声付きの結合画像動画を作成する。なお、パノラマ画像と話者画像の結合は、ミーティングデバイス60が行ってもよい。また、パノラマ画像、話者画像、アプリ画面、パノラマ画像と話者画像からなる画像などの各画像からなる動画を、それぞれ別個の動画ファイルとしてストレージサービスシステム70に記憶してもよい。その場合、パノラマ動画、話者動画、アプリ画面の動画、パノラマ画像と話者画像の結合動画を、閲覧時に呼び出して1つの表示画面で表示してもよい。
【0102】
音声データ処理部18は、結合画像動画に結合された音声データを抽出するか、又は、ミーティングデバイス60から受信した合成後の音声データの、テキストデータへの変換を情報処理システム50に要求する。
【0103】
録画再生部19は、結合画像動画の再生を行う。結合画像動画は、録画中は端末装置10に保存され、その後、情報処理システム50にアップロードされる。
【0104】
アップロード部20は、遠隔会議が終了すると、結合画像動画を情報処理システム50に送信する。
【0105】
編集処理部21は、ユーザーの操作に応じて、結合画像動画の編集(一部の削除、つなぎ合わせ等)を実行する。
【0106】
機器認識部22は、機械学習で電子黒板2の形状(外接矩形)を学習しておき、パノラマ画像から電子黒板2を検出する。機器認識部22は、機械学習を使用せずに、単にパターンマッチングで認識してもよい。機器認識部22が行う処理をミーティングデバイス60が行ってもよい。
【0107】
解析部23は、パノラマ画像に含まれる二次元コードを検出すると共に、二次元コードを解析して電子黒板2の機器識別情報等、二次元コードに含まれる情報を取得する。解析部23が行う処理をミーティングデバイス60が行ってもよい。
【0108】
操作者画像送信部24は、ミーティングデバイス60から送信された操作者画像7を、情報処理システム50に送信する。情報処理システム50は、同じ会議に参加している他の拠点の端末装置8に操作者画像7を送信する。操作者画像送信部24が行う処理をミーティングデバイス60が行ってもよい。
【0109】
切り出し要求部25は、電子黒板2から操作開始を受信すると、操作者画像7の切り出し要求をミーティングデバイス60に要求する。また、切り出し要求部25は、電子黒板2から操作終了を受信すると、操作者画像7の切り出し終了をミーティングデバイス60に要求する。
【0110】
図10は、情報記憶部1001が記憶している動画記録情報を示す。動画記録情報は、会議ID、録画ID、更新日時、タイトル、アップロード、保存先等の各項目を有している。ユーザーが情報処理システム50にログインすると、情報記録アプリ41は情報処理システム50の会議情報記憶部5001から会議情報をダウンロードする。会議情報に含まれる会議IDなどが動画記録情報に反映される。図10の動画記録情報は、あるユーザーが操作する端末装置10が保持するものである。
【0111】
・会議IDは、開催された遠隔会議を識別する識別情報である。会議IDは、会議管理システム9に遠隔会議の予定が登録された際に採番されるか、又は、情報記録アプリ41からの要求で情報処理システム50が採番する。なお会議管理システム9は、会議及び遠隔会議の予定や、遠隔会議を開始するURL(会議リンク)、会議で利用する機器の予約情報などを登録するためのシステムであり、端末装置10からネットワークを介して接続するスケジューラ等である。また会議管理システム9は登録した予定等を情報処理システム50に送信することが可能である。
【0112】
・録画IDは、遠隔会議において録画された結合画像動画を識別する識別情報である。録画IDはミーティングデバイス60が採番するが、情報記録アプリ41や情報処理システム50が採番してもよい。同じ会議IDに異なる録画IDが付与されるのは、遠隔会議の途中で録画が終了したが、何らかの理由で再開した場合を示す。
【0113】
・更新日時は、結合画像動画が更新された(録画が終了した)日時である。結合画像動画が編集された場合、編集された日時である。
【0114】
・タイトルは、会議の会議名である。会議管理システム9への会議の登録時に設定されてもよいし、ユーザーが任意に設定してもよい。
【0115】
・アップロードは、結合画像動画が情報処理システム50にアップロードされたか否かを示す。
【0116】
・保存先は、ストレージサービスシステム70において、結合画像動画とテキストデータが保存されている場所(URLやファイルパス)を示す。したがって、ユーザーはアップロードされた結合画像動画を任意に閲覧できる。なお、結合画像動画とテキストデータは、例えばURLに続いて別々のファイル名で保存される。
【0117】
・他の拠点の端末装置8
他の拠点の端末装置8については、電子黒板2が表示するオブジェクトを共有する機能について説明する。他の拠点の端末装置8は、図示する他に自拠点の端末装置10と同じ機能を有していてもよい。他の拠点の端末装置8は、通信部71、操作受付部72、表示制御部73及び操作者画像取得部74を有している。他の拠点の端末装置8が有するこれら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503に展開されたプログラム(電子黒板2用アプリ又はWebブラウザ)に従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。
【0118】
通信部71は、情報処理システム50と通信して、電子黒板2が表示するオブジェクトデータや操作者画像7を含む各種の情報を受信する。また、通信部71は他の拠点の端末装置8に手書きされたオブジェクトデータを情報処理システム50に送信する。
【0119】
操作受付部72は、他の拠点の端末装置8に対する各種の操作を受け付ける。例えば、操作受付部72が電子黒板2に対するストロークの入力を受け付けてよい。
【0120】
表示制御部73は、通信部71が受信したオブジェクトデータや手書きされたストローク等を他の拠点の端末装置8のディスプレイに表示する。
【0121】
操作者画像取得部74は、オブジェクトデータに操作者画像7の識別情報が添付されている場合、通信部71を介して、操作者画像7の識別情報を指定して操作者画像7を情報処理システム50から取得する。
【0122】
<<ミーティングデバイス>>
図9に戻って説明する。ミーティングデバイス60は、端末通信部61、パノラマ画像生成部62、話者画像生成部63、集音部64、音声合成部65、操作者画像生成部66、及び、機器方向検知部67を有している。ミーティングデバイス60が有するこれら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、ROM612からDRAM614に展開されたプログラムに従ったCPU611からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。
【0123】
端末通信部61は、USBケーブルなどを利用して端末装置10と通信する。端末通信部61は、有線ケーブルで接続されるだけでなく、無線LANやBluetooth(登録商標)等で端末装置10と通信可能であればよい。
【0124】
パノラマ画像生成部62はパノラマ画像を作成する。話者画像生成部63は話者画像を作成する。これらの作成方法は図6図7にて説明した。なお、パノラマ画像生成部62は画像データを取得する取得部でもある。
【0125】
集音部64は、ミーティングデバイス60が有するマイクが取得する音声信号を音声データ(デジタル)に変換する。これにより、端末装置10側の拠点でユーザーや参加者が発言した内容が集音される。
【0126】
音声合成部65は、端末装置10から送信された音声と集音部64が集音した音声を合成する。これにより、他の拠点101で発言された音声と、自拠点102の発言がまとめられる。
【0127】
操作者画像生成部66は、端末装置10からの操作開始(切り出し要求)に応じてパノラマ画像から操作者画像7の切り出しを開始し、操作終了(切り出し終了要求)に応じて操作者画像7の切り出しを終了する。
【0128】
機器方向検知部67は、特定の音声(特定の周波数の音声)を検出してパノラマ画像における電子黒板2の方向を検知する。なお、機器方向検知部67は、予め設定されている電子黒板2の方向、二次元コード等の検出、又は、電子黒板2の形状等により、パノラマ画像における電子黒板2の方向を検知してもよい。本実施形態では、ユーザーの設定、二次元コード等の検出、又は、電子黒板2の形状に基づく電子黒板2の方向の検出は端末装置10が行うとして説明する。この場合、機器方向検知部67は、端末装置10から電子黒板2の方向を受け取る。
【0129】
<<情報処理システム>>
情報処理システム50は、通信部51、認証部52、画面生成部53、コミュニケーション管理部54、機器管理部55、テキスト変換部56、オブジェクト共有部57を有する。情報処理システム50が有するこれら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503に展開されたプログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、情報処理システム50は、図4に示されているHD504等によって構築される記憶部5000を有している。記憶部5000には、会議情報記憶部5001、録画情報記憶部5002、対応付け情報記憶部5003、アカウント情報記憶部5004、オブジェクトデータ記憶部5005が構築される。なお、オブジェクトデータ記憶部5005については電子黒板2の説明において説明する。
【0130】
通信部51は、端末装置10と各種の情報を送受信する。通信部51は、例えば、遠隔会議のリストを端末装置10に送信したり、音声データの認識要求を端末装置10から受信したりする。
【0131】
認証部52は、端末装置10を操作するユーザーを認証する。認証部52は、例えば、通信部51によって受信された認証要求に含まれている認証情報(ユーザーID及びパスワード)が予め保持する認証情報と一致するか否かにより、ユーザーを認証する。なお、認証情報は、ICカードのカード番号、顔や指紋などの生体認証情報等でもよい。また、認証部52は、外部の認証システムやOAUTHなどの認証方法で認証してもよい。
【0132】
画面生成部53は端末装置10が表示する画面情報の生成を行う。端末装置10がネイティブアプリを実行する場合は、画面情報は端末装置10が保持しており、表示される情報がXML等で送信される。端末装置10がWebアプリを実行する場合は、画面情報は、HTML、XML、CSS(Cascade Style Sheet)、及びJavaScript(登録商標)等により作成される。
【0133】
コミュニケーション管理部54は、各ユーザーのアカウント又は情報処理システム50に付与されたシステム用のアカウントで、遠隔会議に関する情報を会議管理システム9から取得する。コミュニケーション管理部54は、予約された会議の会議情報を会議IDと対応付けて会議情報記憶部に記憶させる。また、コミュニケーション管理部54は、テナントに所属するユーザーに閲覧権限がある会議情報を取得する。会議には会議IDが設定されているので、会議IDにより遠隔会議と記録情報が対応付けられる。
【0134】
機器管理部55は、端末装置10から電子黒板2の機器識別情報を受信した場合、会議IDと会議で使用される電子黒板2とミーティングデバイス60とを対応付けて対応付け情報記憶部5003に保存する。会議IDには結合画像動画も対応付けられるので、手書きデータと結合画像動画も対応付けられる。また、機器管理部55は、録画が終了されると(会議が終了すると)、対応付け情報記憶部5003から対応付けを削除する。
【0135】
テキスト変換部56は、端末装置10からテキストデータへの変換を要求された音声データを外部の音声認識サービスを利用してテキストデータに変換する。テキスト変換部56自身が変換してもよい。
【0136】
オブジェクト共有部57は、同じ会議に参加している端末装置10及び電子黒板2の間で入力表示領域及びオブジェクトデータ及び操作者画像7を共有する。オブジェクト共有部57は、入力表示領域を提供して、入力表示領域を電子黒板2と端末装置10とで共有させ、電子黒板2や端末装置10での入力表示領域に対するオブジェクトの入力を受け付ける。端末装置10が通信に会議IDを添付することで、オブジェクト共有部57は会議を特定できる。オブジェクト共有部57は、オブジェクトの入力に応じて一方の電子黒板2から送信されたオブジェクトを他方の電子黒板2(会議に紐づくことで参加する装置全て)に送信し、また、この逆も行う。オブジェクト共有部57は、電子黒板2と端末装置10の間でもオブジェクト及び操作者画像7を共有できる。送信内容はオブジェクトのみに限らず、オブジェクトが入力された入力表示領域全体を送信し表示させてもよい。
【0137】
オブジェクト共有部57は例えば、オンラインホワイトボードアプリやオンライン電子黒板アプリなど、複数の端末装置10及び電子黒板2から、操作者が相互にオブジェクトを書き込み合ってオンライン(クラウド上)で板書を作成するアプリであってもよい。またオブジェクト共有部57は情報処理システム50の外部のWebサービスを用いてもよい。オブジェクト共有部57は共有部の一例である。
【0138】
図11は、コミュニケーション管理部54が管理する、会議情報記憶部5001に記憶された会議情報の一例である。コミュニケーション管理部54は上記のアカウントを使ってテナントに所属する当該ユーザーが閲覧権限のある遠隔会議のリストを取得できる。なお閲覧権限は、端末装置10の情報記録アプリから直接、コミュニケーション管理部54が管理する会議情報に対して付与されてもよい。またテナントに所属するユーザーに閲覧権限がある遠隔会議の情報には、ユーザーが作成した会議の情報と、ユーザーが他のユーザーによって閲覧権限を与えられた会議の情報とが含まれる。本実施形態では、遠隔会議を例にしているが、遠隔会議のリストには1つの会議室だけで開催される会議も含まれている。
【0139】
会議情報は会議IDで管理され、開催者ID、タイトル(会議名)、開始日時、終了日時、電子黒板2、ミーティングデバイス60などと対応付けられている。これらは会議情報の一例であり、会議情報は、他にも情報を含みうる。
【0140】
・開催者IDの項目は、会議の開催者(主催者)である。
【0141】
・タイトルの項目は、会議名や海外の議題など、会議の内容を表す。
【0142】
・開始日時の項目は、会議が開始される予定の日時である。
【0143】
・終了日時の項目は、会議が終了する予定の日時である。
【0144】
・電子黒板2の項目は、会議に対応付けられた電子黒板2の識別情報である。
【0145】
・ミーティングデバイス60の項目は、会議で使用されたミーティングデバイス60の識別情報である。
【0146】
図10図11に示すように、会議IDにより会議で録画された結合画像動画が特定される。
【0147】
録画情報記憶部5002に記憶されている録画情報は図10と同様でよい。ただし、情報処理システム50では、テナントに所属する全てのユーザーが録画した結合画像動画のリストを有する。保存先(クラウドストレージシステムのURL等のパス情報)は、ユーザーが所望の保存先情報を端末装置10の情報記録アプリ41のユーザー設定画面等で入力し、録画情報記憶部5002に記憶してもよい。
【0148】
図12は、対応付け情報記憶部5003に記憶された、会議IDと機器識別情報(電子黒板2とミーティングデバイス60)とが対応付けられた対応付け情報を示す。情報記録アプリ41が機器識別情報を情報処理システム50に送信してから、録画を終了するまで対応付け情報が保持される。ミーティングデバイス60には端末装置10が接続されているので、情報処理システム50は端末装置10の識別情報(IPアドレス等)を対応付けて保存することもできる。あるいは、端末装置10が通信にミーティングデバイス60の機器識別情報を添付すれば、電子黒板2と同じ会議に参加している端末装置10であることが特定される。
【0149】
図13は、アカウント情報記憶部5004に記憶されているアカウント情報の一例である。アカウント情報には人間だけでなく、人間以外のユーザーとして電子黒板2やミーティングデバイス60の情報も保持されている。
【0150】
・ユーザーIDは、会議に参加しうるユーザー、電子黒板2及びミーティングデバイス60等の識別情報である。
【0151】
・種別は、ユーザー、電子黒板2又はミーティングデバイス60の各アカウントの種別である。
【0152】
・名称は、ユーザーの氏名や電子黒板2、ミーティングデバイス60の名称である。
【0153】
・メールアドレスは、ユーザー、電子黒板2及びミーティングデバイス60等のメールアドレスである。
【0154】
<<電子黒板>>
図14は、電子黒板2の機能をブロックに分けて説明する機能ブロック図である。電子黒板2は、接触位置検出部31、描画データ生成部32、データ記録部33、表示制御部34、コード生成部35、通信部36、音声データ生成部37、操作検知部38、ユーザー検知部39、オブジェクトアップロード部40a、操作者画像受信部40bを有する。電子黒板2が有する各機能は、図8に示されている各構成要素のいずれかが、SSD404からRAM403上に展開されたプログラムに従ったCPU401からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0155】
接触位置検出部31は接触センサー414に対し電子ペン490が接触した位置の座標を検出する。描画データ生成部32は電子ペン490のペン先が接触した座標を接触位置検出部31から取得する。描画データ生成部32はこの座標点列を補間することで接続してストロークデータを生成する。
【0156】
表示制御部34は手書きデータ、手書きデータから変換された文字列、及び、ユーザーが操作するためのメニューなどをディスプレイに表示する。
【0157】
データ記録部33は、電子黒板2に手書きされた手書きデータ、手書きデータが円や三角などに変換された図形、済などのスタンプ、PCの画面、ファイル等をオブジェクトデータ記憶部3002に保存する。手書きデータ、文字列(図形も含む)、及び、PCの画面などの画像、ファイル等はオブジェクトして扱われる。手書きデータについては手書きの中断による時間的な区切り、手書き場所の違いによる距離的な区切りに応じて一まとまりのストロークデータが1つのオブジェクトとなる。
【0158】
通信部36はWi-FiやLANに接続し、情報処理システム50と通信する。通信部36は、オブジェクトデータを情報処理システム50に送信したり、情報処理システム50に記憶されたオブジェクトデータを情報処理システム50から受信してディスプレイ480に表示させたりする。また、通信部36は操作開始又は操作終了を端末装置10に送信する。
【0159】
コード生成部35は、機器情報記憶部3001に記憶された電子黒板2の機器識別情報と会議で使用可能な機器であることを示す情報を2次元のパターンに符号化して二次元コードを生成する。また、コード生成部35は電子黒板2の機器識別情報と会議で使用可能な機器であることを示す情報をバーコードに符号化できる。機器識別情報はシリアル番号やUUIDなどでよい。機器識別情報は、ユーザーが設定したものでもよい。
【0160】
音声データ生成部37は、予め設定されている周波数の信号をPCM変換と同様に一定間隔でサンプリングする手法で音声データを生成する。音声データはスピーカ450が有するD/Aコンバータでアナログに変換され、スピーカ450から出力される。
【0161】
操作検知部38は、電子黒板2に対するユーザー操作を検知する。操作検知部38は、例えば、接触位置検出部31が電子ペン490やユーザーの手H等がディスプレイ480(タッチパネル)に接触したこと(接近しただけでもよい)に応じて、操作開始又は操作終了を検知する。
【0162】
ユーザー検知部39は、赤外線センサー、超音波センサー、カメラ等によりユーザーが電子黒板2に接近したこと及び遠ざかったこと(離れたこと)を検知する。
【0163】
オブジェクトアップロード部40aは、電子黒板2が表示するオブジェクトを所定のタイミングで情報処理システム50にアップロードする。これにより拠点間でオブジェクトが共有される。
【0164】
操作者画像受信部40bは、端末装置10から操作者画像7を受信する。操作者画像受信部40bは、情報処理システム50を経由して端末装置10から操作者画像7を受信してもよいし、直接、端末装置10から受信してもよい。
【0165】
また、電子黒板2は、図8に示されているSSD404等によって構築される記憶部3000を有している。記憶部3000には機器情報記憶部3001とオブジェクトデータ記憶部3002が構築されている。
【0166】
図15は、機器情報記憶部3001に記憶されている機器識別情報等を示す。
・機器識別情報は、電子黒板2の識別情報である。
・IPアドレスは、他の装置がネットワークを介して電子黒板2と接続するためのIPアドレスである。
・パスワードは電子黒板2に他の装置が接続する際の認証に使用される。
【0167】
図16は、オブジェクトデータ記憶部3002に保存されているオブジェクトデータを説明する図である。オブジェクトデータは、電子黒板2が表示するオブジェクトを管理する情報である。オブジェクトデータは情報処理システム50に送信され議事録として使用される。なお、オブジェクトは情報処理システム50から通知された会議IDに対応付けられている。
【0168】
・オブジェクトIDの項目は、オブジェクトを識別する識別情報である。オブジェクトにはストロークの他、文字、図形、画像、等がある。文字は手書きデータから変換された文字列(文字コード)である。文字列をテキストデータという場合もある。図形は、三角や四角など手書きデータから変換された幾何学的な形状である。画像は、PCやインターネットなどから取り込まれたJpeg、Png、PDF、Tiffなどの画像データである。
【0169】
・データ内容の項目は、ストロークを構成する座標点列である。データ内容の項目は、文字コード、又は、画像ファイル等のデータとその位置情報である。
【0170】
・入力元の項目は、オブジェクトが入力された装置の識別情報である。電子黒板2への手書きは電子黒板2の識別情報が登録され、他の拠点の端末装置8への手書きは手書きしたユーザーID(ログインユーザー)が登録される。
【0171】
・操作者画像7の識別情報の項目は、当該オブジェクトに対応付けられている操作者画像7の識別情報が登録される。操作者画像7は情報処理システム50に保存されてもよいし、ストレージサービスシステム70に保存されていてもよい。
【0172】
・保存先は、操作者画像7が保存されたURLやファイルパスなどである。
【0173】
<動作又は処理>
次に、図17を参照して、ミーティングデバイス60が操作者画像7の切り出しを行い、他の拠点の端末装置8がオブジェクトと操作者画像7を表示する全体的な流れを説明する。図17は、ユーザーが電子黒板2に手書きしたストロークを、他の拠点の端末装置8が操作者画像7と共に表示する処理を説明するシーケンス図である。
【0174】
S1:会議に参加したユーザーが、電子ペン490で手書きしたり、PCの画面を電子黒板2で表示させたりする。
【0175】
S2:電子黒板2の接触位置検出部31が電子ペン490の接触位置を検出し、操作検知部38が操作開始を検知する。ユーザー検知部39がユーザーの接近を検知してもよい。電子黒板2の通信部36は、電子黒板2が操作されたので、操作開始(操作を検知した旨)を端末装置10に送信する。なお、電子黒板2と端末装置10が通信する方法については後述する(図19図22)。
【0176】
S3:情報記録アプリ41の通信部11は操作開始を受信したので、切り出し要求部25がデバイス通信部16を介して操作者画像7の切り出し要求をミーティングデバイス60に送信する。なお、切り出し要求部25は、ユーザーが操作者画像を切り出す操作を入力したことに応じて、操作者画像7の切り出し要求をミーティングデバイス60に送信してもよい。
【0177】
S4:ミーティングデバイス60の端末通信部61が切り出し要求を受信し、操作者画像生成部66がパノラマ画像から操作者画像7を生成する(切り出す)。電子黒板2の方向の検知方法については後述する。なお、操作者画像7の切り出しを端末装置10が行うこともできる。
【0178】
S5:ミーティングデバイス60の端末通信部61は、要求された操作者画像7を端末装置10に送信する。端末装置10のデバイス通信部16は、操作者画像7を受信する。
【0179】
なお、ミーティングデバイス60は、1ストロークごとに操作者画像7を生成してもよいし、1つのオブジェクトごとに操作者画像7を生成してもよい。また、ミーティングデバイス60は、定期的に操作者画像7を生成してもよい。
【0180】
S6:会議に参加したユーザーが電子黒板2の操作を終了する。操作の終了には、ペンアップや、最後の操作からの一定時間以上の不操作がある。
【0181】
S7:電子黒板2の操作検知部38が操作終了を検知する。ここでの操作終了は、1ストロークの終了(ペンアップ)であるとする。ユーザー検知部39がユーザーの遠ざかりを検知してもよい。電子黒板2の操作者画像受信部40bは操作終了に応じて、通信部36を介して、操作者画像7を端末装置10に要求する。端末装置10の通信部11は操作者画像7を電子黒板2に送信する。
【0182】
S8:電子黒板2の通信部36は操作者画像7を受信し、オブジェクトアップロード部40aが通信部36を介して、会議IDを指定して操作者画像7を情報処理システム50に送信する。情報処理システム50の通信部51は操作者画像7を受信し、オブジェクト共有部57が操作者画像7の識別情報を採番する。オブジェクト共有部57は操作者画像7とその識別情報を対応付けて保存する。操作者画像7の識別情報は端末装置10に送信される。
【0183】
S9:次に、電子黒板2のオブジェクトアップロード部40aが通信部36を介して、会議IDを指定して、オブジェクトデータ(ここではストロークデータ)と操作者画像7の識別情報を情報処理システム50に送信する。
【0184】
S10:情報処理システム50の通信部51は、会議IDと、オブジェクトデータと、操作者画像7の識別情報とを受信し、オブジェクト共有部57がオブジェクトIDを採番する(オブジェクトIDの採番は電子黒板2が行ってもよい)。オブジェクト共有部57はオブジェクトIDとオブジェクトデータと操作者画像7の識別情報を対応付けて保存する。なお、オブジェクトデータの送信と操作者画像7の送信の順序は逆でもよい。
【0185】
S11:情報処理システム50がオブジェクトデータ、操作者画像7を受信すると、オブジェクト共有部57が同じ会議に参加している他の拠点の端末装置8を会議IDで特定し、通信部51がオブジェクトデータと操作者画像7の識別情報を他の拠点の端末装置8に送信する。オブジェクトデータと操作者画像7の識別情報は送信元の電子黒板2には送信されない。自拠点の端末装置10には、この端末装置10が同じ会議に参加していれば送信されてよい。
【0186】
S12:他の拠点の端末装置8の通信部71は、オブジェクトデータと操作者画像7の識別情報を受信し、表示制御部73がオブジェクトデータをディスプレイに表示する。
【0187】
S13:また、操作者画像取得部74は、他の拠点の端末装置8のユーザーが、表示されているオブジェクトのうちの1つを選択したことに応じて、操作者画像7の識別情報を用いて、通信部71を介し、情報処理システム50に操作者画像7を要求する。情報処理システム50の通信部51は要求を受信し、オブジェクト共有部57が操作者画像7の識別情報に対応付けられた操作者画像7を、通信部51を介して、他の拠点の端末装置8に送信する。
【0188】
S14:他の拠点の端末装置8の通信部71が操作者画像7を受信し、表示制御部73が、操作者画像7の識別情報と共に送信されたオブジェクトに対応付けて表示する。オブジェクトに対応付けて表示するとは、オブジェクトの近く(一定距離内)や周囲(上下左右)に表示することをいう。
【0189】
以上の処理で、他の拠点の端末装置8が、電子黒板2に誰がストロークを書いたのかがわかるようになる。
【0190】
なお、上記では操作終了に応じて電子黒板2が操作者画像7を情報処理システム50に送信しているが、操作中に(手書き中に)電子黒板2が操作者画像7を情報処理システム50に送信してもよい。また、オブジェクトデータと操作者画像7がほぼ同時に情報処理システム50に送信されているが、別々に送信されてもよい。例えば、電子黒板2がストロークデータを先に情報処理システム50に送信してから、操作者画像7を情報処理システム50に保存する処理を実施する。つまり、ストロークだけをまずは他の拠点の端末装置8が共有し、その後に、該ストロークを入力時に撮像された操作者画像7を共有してよい。
【0191】
<他の拠点の端末装置の表示例>
図18は、他の拠点の端末装置8が表示するオブジェクトと操作者画像7の一例である。図18(a)は、電子黒板2に手書きする操作者121を示す。電子黒板2で手書きされた「あ」というストローク120の近くの操作者121が写っている操作者画像7が作成されている。操作者画像7が電子黒板2の右半分なのは、電子黒板2の右側に手書きされたためであるが、電子黒板2の全体が切り出されてもよいし、顔だけが切り出されてもよい。
【0192】
図18(b)は、他の拠点の端末装置8に表示するストローク120と操作者画像7を示す。電子黒板2に手書きされた「あ」の近くに操作者画像7が吹き出し表示又はポップアップ表示されている。したがって、誰がストローク120を書いたのかを、他の拠点のユーザーが容易に把握することができる。
【0193】
図18(b)では、電子黒板2に対してユーザーがどのように手書きしているか、又は、電子黒板2を含めた雰囲気を、他の拠点でも分かりやすくするために、ミーティングデバイス60があえて広めに切り出している。このため、書き込んでいるユーザーの手元と電子黒板2の一部が写り込んでいる。なお、操作者画像7の表示位置は一例であり、操作者画像7はストローク120の周囲に表示されればよい。表示制御部73は、既存のストロークを避けて操作者画像7を表示してよい。また、表示制御部73は、既存のストロークを避けるため、操作者画像7を縮小して表示してもよい。
【0194】
なお、ミーティングデバイス60が公知の画像認識(顔認識)技術を用いて、顔や顔周辺部分のみ円形や矩形等に切り出して、操作者画像7を生成してもよい。図18(b)では、電子黒板2の右側に手書きされたという情報をミーティングデバイス60が電子黒板2から得て、電子黒板2の右半分を操作者画像として生成した。あるいは、ミーティングデバイス60は人を検知して、電子黒板2及び人を含む操作者画像を生成してもよい。
【0195】
また、他の拠点の端末装置8は操作者画像7を一定時間後(例:電子黒板2が書き込み検知語、書き込みが数秒以上無いと判断したとき)に消えるようにすることで、操作者画像7が邪魔にならないようにすることができる。表示制御部73は、一定時間内でもユーザー操作で消去してよい。なお、操作者画像7の表示制御の詳細を図38に示した。
【0196】
<電子黒板と端末装置が通信するまでの処理の一例>
以下では、電子黒板と端末装置が通信するための処理について説明する。図19に示すような会議登録画面250により、ユーザーが新たに会議を情報処理システム50に登録する。図19は、端末装置10が表示する会議登録画面250の一例である。
【0197】
会議名の項目241は、会議のタイトルである。
【0198】
開催者の項目242は、会議を開催した開催者に関する情報であり、通常は会議登録画面を操作する者である。
【0199】
日時の項目243は、会議の開始日時と終了日時の入力欄である。日時の項目243は、カレンダーから選択可能になっている。
【0200】
参加者の項目244は、会議の参加者であり、アカウント情報記憶部5004に登録されたユーザーのリストから選択可能である。
【0201】
電子黒板2の項目245は、会議で使用される電子黒板2の選択欄であり、アカウント情報記憶部5004において種別が電子黒板2のリストのうち種別が電子黒板2のアカウントから選択可能である。
【0202】
ミーティングデバイス60の項目246は、会議で使用されるミーティングデバイス60の選択欄であり、アカウント情報記憶部5004において種別がミーティングデバイス60のリストから選択可能である。
【0203】
図19に示したように、新規会議作成時、ユーザーは、その会議で利用する電子黒板2とミーティングデバイス60を選択できる。
【0204】
次に、図20に示すように、ユーザーがミーティングデバイス60と電子黒板2を情報処理システム50に登録する。会議はすでに作成済みなので、ユーザーは会議を選択するだけでよい。図20は、ユーザーがミーティングデバイス60と電子黒板2を情報処理システム50に登録する処理を説明するシーケンス図の一例である。
【0205】
S21:図19に示したように、ユーザーが会議情報を作成する。
【0206】
S22:端末装置10の操作受付部12が会議情報を受け付け、通信部11が情報処理システム50に送信する。情報処理システム50の通信部51が会議情報を受信し、コミュニケーション管理部54が会議情報記憶部5001に登録する。
【0207】
S23:ユーザーは会議を開始する際、会議室に移動するなどしてよく、端末装置10にミーティングデバイス60を接続する。USBケーブルの接続でミーティングデバイス60が起動し、情報記録アプリ41の起動により、ミーティングデバイス60との通信(各種画像の送信)が開始される。
【0208】
S24:ユーザーは、情報記録アプリ41が表示する会議一覧画面230(図33参照)からこれから開催する会議を選択する。
【0209】
S25:情報記録アプリ41の操作受付部12が操作を受け付け、通信部11がミーティングデバイス60の機器識別情報と会議IDを指定して、会議への登録を要求する。情報処理システム50の通信部51は会議への登録要求を受信し、会議情報に登録されているミーティングデバイス60であると判断する。機器管理部55は、会議IDにミーティングデバイス60の機器識別情報を対応付ける。
【0210】
S26:次に、ユーザーは、電子黒板2が表示する会議一覧画面230からこれから開催する会議を選択する。
【0211】
S27:電子黒板2の通信部36が電子黒板2の機器識別情報と会議IDを指定して、会議への登録を要求する。情報処理システム50の通信部51は会議への登録要求を受信し、会議情報に登録されている電子黒板2であると判断する。機器管理部55は、会議IDに電子黒板2の機器識別情報を対応付ける。
【0212】
このように、情報処理システム50は、ミーティングデバイス60(端末装置10)と電子黒板2を対応付けることで、情報処理システム50を介して端末装置10と電子黒板2を相互に通信可能な状態とする。ミーティングデバイス60(端末装置10)と電子黒板2がそれぞれの識別情報を情報処理システム50に送信すれば、情報処理システム50は対応付け情報により同じ会議IDに登録されている他方の機器を特定できる。
【0213】
図19図20では、ユーザーが予め会議情報を登録しているが、会議情報を登録しておかなくても、ユーザーは会議の開始時に、ミーティングデバイス60と電子黒板2を対応付けて情報処理システム50に登録できる。
【0214】
図21は、会議情報を作成していない状態で、ユーザーがミーティングデバイス60と電子黒板2を情報処理システム50に登録する処理を説明するシーケンス図の一例である。
【0215】
S31:ユーザーは会議室の電子黒板2に、ミーティングデバイス60との対応付けの登録を開始する操作を入力する。
【0216】
S32:電子黒板2は操作に応じて、予め設定されている情報処理システム50と通信し、機器識別情報と会議への対応付けが可能である旨を登録する。
【0217】
S33:また、会議で使用する会議室に配置された電子黒板2のコード生成部35は、自機の機器識別情報、及び、機器識別情報である旨がエンコードされた二次元コードを生成し、表示制御部34が表示する。更に電子黒板2が他機を認証するためのパスワードが含まれてもよい。
【0218】
S34:ユーザーが端末装置10とミーティングデバイス60を持って電子黒板2が設置されている会議室に入室し、端末装置10とミーティングデバイス60をUSBケーブルで接続する。ミーティングデバイス60はUSBケーブルの電力供給により、又は、電源オンにより起動する。これにより、ミーティングデバイス60はスタンバイ状態になる。また、ユーザーは端末装置10の情報記録アプリ41を起動する。情報記録アプリ41がミーティングデバイス60と通信を開始することで、ミーティングデバイス60が撮像と集音を開始する。ミーティングデバイス60のパノラマ画像生成部62が二次元コードを含む周囲を撮像した画像データを生成する。
【0219】
S35:ミーティングデバイス60の端末通信部61は、画像データとミーティングデバイス60の機器識別情報を端末装置10に送信する。
【0220】
S36:端末装置10のデバイス通信部16は画像データとミーティングデバイス60の機器識別情報を受信し、解析部23が画像データの中から電子黒板2が表示している二次元コードを検出する。解析部23は、二次元コードをデコードし、会議で使用可能な機器である旨が埋め込まれていると判断すると、二次元コードから電子黒板2の機器識別情報を取得する。情報記録アプリ41の通信部11は、電子黒板2の機器識別情報とミーティングデバイス60の機器識別情報を指定して会議への登録要求を情報処理システム50へ送信する。なお、二次元コードのデコードはミーティングデバイス60においても可能である。
【0221】
S37、S38:情報処理システム50の通信部51は、会議への登録要求(機器識別情報、ミーティングデバイス60の機器識別情報)を受信すると、コミュニケーション管理部54が会議IDを発行する。そして機器管理部55が電子黒板2の機器識別情報とミーティングデバイス60の機器識別情報と会議IDとを対応付けて、対応付け情報記憶部5003に保存する。
【0222】
情報処理システム50の通信部51は、端末装置10と電子黒板2に、会議IDと電子黒板2の会議への登録完了を通知する。端末装置10の通信部11は会議IDを受信して保存しておく。同様に、電子黒板2の通信部36は会議IDとパスワードを受信すると、パスワードを検証し一致する場合に会議IDを保存しておく。なお、端末装置10はステップS36の通信への応答として会議IDを受信する。電子黒板2は、情報処理システム50に対するポーリング(機器識別情報と会議への対応付けを要求する)への応答として会議IDとパスワードを受信する。電子黒板2と情報処理システム50は、情報処理システム50から電子黒板2へのプッシュ型の通信を可能にするWebSocket等の双方向通信方式で通信してもよい。
【0223】
以降、端末装置10と電子黒板2は送信するデータに会議ID(又は各機器の識別情報)を添付する。
【0224】
このように、情報処理システム50は、ミーティングデバイス60(端末装置10)と電子黒板2を対応付けることで、情報処理システム50を介して端末装置10と電子黒板2を相互に通信可能な状態とする。
【0225】
図19図21では、端末装置10と電子黒板2が情報処理システム50を介して通信できるようになったが、端末装置10と電子黒板2が同一ネットワークに接続していれば、IPアドレスにより通信できる。同一ネットワークとは、ネットワークアドレスが同じ場合や接続先SSID(Service Set Identifier)が同じ場合をいう。
【0226】
図22は、端末装置10と電子黒板2が同一ネットワークに接続している場合の端末装置10と電子黒板2の通信方法を説明するシーケンス図の一例である。
【0227】
S41:ユーザーは会議室の電子黒板2に、ミーティングデバイス60との対応付けを開始する操作を入力する。
【0228】
S42:電子黒板2は操作を受け付けて、表示制御部34が電子黒板2のIPアドレスとパスワードを表示する。
【0229】
S43:ユーザーは表示されたIPアドレスとパスワードを見て、端末装置10の情報記録アプリ41にIPアドレスとパスワードを入力する。端末装置10の操作受付部12は入力を受け付ける。
【0230】
S44:端末装置10の通信部11はIPアドレスで電子黒板2に接続し、パスワードを送信すると、パスワードの検証が成功することで、端末装置10と電子黒板2が通信可能となる。
【0231】
<パノラマ画像における電子黒板の方向の決定>
続いて、パノラマ画像における電子黒板2の方向の決定方法を説明する。操作者画像7は電子黒板2を操作する参加者(ユーザー)の画像なので、ミーティングデバイス60が電子黒板2の方向を切り取れば、操作者を含む操作者画像7が得られる。
【0232】
決定方法には主に以下の4つがある。
1.会議開始時にパノラマ画像からユーザーが指定する。
2.電子黒板2が特定の映像(二次元コード等)を表示し、ミーティングデバイス60の撮像ユニット601で撮像したパノラマ画像から端末装置10又はミーティングデバイス60が認識する。
3.電子黒板2が特定の音声を出力し、ミーティングデバイス60がマイク608で認識する。
4.電子黒板2の形状を機械学習によって任意の情報処理装置が学習し、ミーティングデバイス60のカメラ(撮像ユニット601)で撮像したパノラマ画像から端末装置10又はミーティングデバイス60が認識する。
【0233】
<<1.会議開始時にパノラマ画像からユーザーが指定する。>>
図23は、位置登録ボタン207の押下により電子黒板2の方向を設定する操作方法を説明する図である。位置登録ボタン207の押下により、パノラマ画像203がポップアップ表示される。例えば、ユーザーはマウスやタッチパネルなどのポインティングデバイスで、矩形のウィンドウ206をパノラマ画像203上で移動させる。ユーザーはパノラマ画像203に含まれる電子黒板2や演台などにウィンドウ206を合わせる。
【0234】
図24は、ユーザーが設定した方向を確認する画面を示す。ユーザーがOKボタン208を押下することで、パノラマ画像に対する電子黒板2の方向が設定される。ユーザーが設定した方向はミーティングデバイス60に送信され、ミーティングデバイス60の機器方向検知部67が保存する。
【0235】
<<2.電子黒板が特定の映像(二次元コード等)を表示し、ミーティングデバイスの撮像ユニットで撮像したパノラマ画像から端末装置又はミーティングデバイスが認識する。3.電子黒板が特定の音声を出力し、ミーティングデバイスがマイクで認識する。>>
図25は、特定の映像や音声により、情報記録アプリ41が電子黒板2の方向を決定する処理を説明するシーケンス図の一例である。
【0236】
S51:ユーザーが端末装置10の情報記録アプリ41に電子黒板2の方向を決定する操作を入力する。操作受付部12が操作を受け付ける。
【0237】
S52:情報記録アプリ41の通信部11は特定の映像又は特定の音の出力を電子黒板2に要求する。なお、通信部11は、LAN経由で電子黒板2と通信しても、情報処理システム50経由で通信してもよい。
【0238】
S53:電子黒板2の通信部36は要求を受信し、コード生成部35が特定の映像として二次元コードを生成する。表示制御部34は、二次元コードをディスプレイ480に表示する。
【0239】
また、電子黒板2の通信部36は要求を受信し、音声データ生成部37が特定の周波数の音をスピーカ450から出力する。コード生成部35と音声データ生成部37はどちらか一方が動作すればよいが、両方が動作してもよい。
【0240】
S54:ミーティングデバイス60のパノラマ画像生成部62は繰り返しパノラマ画像を生成しているので、二次元コードが画角にあれば二次元コードを含むパノラマ画像を自動的に生成する。また、ミーティングデバイス60の集音部64は繰り返し音を集音しているので、特定の周波数の音を自動的に集音する。機器方向検知部67は、音声データにフーリエ変換を行うことで周波数スペクトルを得て、予め決まっている周波数で、かつ、閾値以上の音が到来する2つの方向を特定する。電子黒板2の機器方向検知部67は、電子黒板2の方向(水平方向の360°うちA°~B°)を保存しておく。なお、この音は超音波の周波数帯域であるとユーザーに聞こえないのでより好ましい。
【0241】
S55:ミーティングデバイス60の端末通信部61は、パノラマ画像を端末装置10に送信する。
【0242】
S56:情報記録アプリ41のデバイス通信部16がパノラマ画像を受信する。解析部23はパノラマ画像の中から電子黒板2が表示している二次元コードを検出する。解析部23は、二次元コードをデコードし、電子黒板2の方向を示す旨が埋め込まれていると判断すると、パノラマ画像における二次元コードの左右方向の端部の位置を特定する。詳細は図26にて説明する。なお、この処理はミーティングデバイス60の機器方向検知部67が行うこともできる。
【0243】
S57:端末装置10のデバイス通信部16は、電子黒板2の方向(水平方向の360°うちA°~B°)をミーティングデバイス60に送信する。ミーティングデバイス60の端末通信部61が電子黒板2の方向を受信し、機器方向検知部67が保存しておく。
【0244】
S58:電子黒板2の方向が決まったので、情報記録アプリ41の通信部11は特定の映像又は特定の音の出力停止を電子黒板2に要求する。
【0245】
S59:電子黒板2の通信部36は要求を受信し、表示制御部34が二次元コードの表示を終了する。音声データ生成部37が特定の周波数の音の出力を停止する。
【0246】
<<二次元コードによる方向の決定>>
図26は、電子黒板2が特定の映像として表示する二次元コード301の一例を示す。図26では、パノラマ画像に電子黒板2が写っているが、電子黒板2が2つの二次元コード301を表示している。二次元コード301のサイズ(幅)は、電子黒板2のディスプレイの幅を3分割したサイズとする。また、二次元コード301は2つ表示される。一方はディスプレイ480に右寄せして表示され、他方は左寄せして表示される。各二次元コード301には、右と左どちらに表示しているのかの情報が含まれる。なお、本実施形態では、ユーザーから電子黒板2に向かった状態で右及び左を判断する。
【0247】
図27は、二次元コード301に基づく方向の決定方法を説明する図である。解析部23が2つの二次元コード301を検出することで、各二次元コード301の水平方向における位置情報が特定される。解析部23は、左側の二次元コード301の左端251から、二次元コード301の幅と同じ分だけ左に移動させた位置253を電子黒板2の左端の位置に決定する。解析部23は、右側の二次元コード301の右端252から、二次元コード301の幅と同じ分だけ右に移動させた位置254を電子黒板2の右端の位置に決定する。解析部23は、左端の位置253から右端の位置254までを電子黒板2の方向として決定する。
【0248】
<<音による方向の決定>>
図28は、電子黒板2が特定の音を出力した場合の電子黒板2の方向の決定方法を説明する図である。図28(a)に示すように、電子黒板2の左右の端部にそれぞれスピーカ450が設置される。左右の端部にスピーカ450が内蔵されていてもよい。
【0249】
そして、図28(b)に示すように、音声データ生成部37がそれぞれのスピーカ450から音を出力する。ミーティングデバイス60のマイク608は指向性を有しており、それぞれのスピーカ450から発せられた音がミーティングデバイス60に対しどの方向から来ているのかを特定する。ミーティングデバイス60に対する方向が特定されれば、パノラマ画像203における方向も特定される。
【0250】
なお、指向性があっても機器方向検知部67がスピーカ450の中心を決定することが困難なので、機器方向検知部67は特定の周波数の音の強度に基づいて、最も強度が高い方向を中心に左右方向の一定の範囲261をスピーカ450の位置に決定する。
【0251】
図28(c)に示すように、機器方向検知部67は、2つの範囲261の左端262から右端263までを、電子黒板2の方向として決定する。
【0252】
<<4.電子黒板の形状を任意の情報処理装置が機械学習によって学習し、ミーティングデバイスの撮像ユニットで撮像したパノラマ画像から端末装置又はミーティングデバイスが認識する。>>
図29は、機械学習などの画像処理により検出された電子黒板2に基づいて電子黒板2の方向を決定する方向を説明する図である。まず、機器認識部22は、パノラマ画像から機械学習で電子黒板2の形状(外接矩形)を検出する。機器認識部22は、パノラマ画像から電子黒板2を検出した場合、電子黒板2の幅を3分割して、電子黒板2の左端から幅の三分の一だけ移動した位置271から、右端から幅の三分の一だけ移動した位置272までを、電子黒板2の方向に決定する。三分の一は一例である。
【0253】
端末装置10は電子黒板2の方向をミーティングデバイス60に送信するので、機器方向検知部67が電子黒板2の方向を保存する。なお、画像処理による位置検出はミーティングデバイス60で行ってもよい。
【0254】
<画面遷移>
続いて、図30図33を参照して、端末装置10が遠隔会議中に表示するいくつかの画面について説明する。図30は、端末装置10で動作する情報記録アプリ41が表示するログイン後の初期画面200である。端末装置10のユーザーが情報記録アプリ41を情報処理システム50に接続させる。ユーザーが認証情報を入力してログインに成功すると、図30の初期画面200が表示される。
【0255】
初期画面200は、固定表示ボタン201、正面変更ボタン202、パノラマ画像203、1つ以上の話者画像204a~204c(以下、区別しない場合、話者画像204という)、記録開始ボタン205、及び、位置登録ボタン207を有している。ログイン時にすでにミーティングデバイス60が起動して、周囲を撮像している場合、初期画面200にミーティングデバイス60が作成するパノラマ画像203、及び話者画像204が表示される。したがって、ユーザーはこれらを見ながら、記録開始するかどうか決めることができる。ミーティングデバイス60が起動していない(撮像していない)場合、パノラマ画像203と話者画像204は表示されない。
【0256】
なお、情報記録アプリ41は、パノラマ画像203から検出された全ての顔に基づく全ての参加者の話者画像204を表示してもよいし、直近に発言したN人の話者画像204のみを表示してもよい。図30では、最大3人まで話者画像204が表示される例を示す。参加者が発言するまでの間、話者画像204がなくてもよいし(発言に応じて一人ずつ増える)、所定の方向の参加者の3人の話者画像204が表示されてもよい(発言に応じて入れ替わる)。
【0257】
なお、ミーティングデバイス60が起動した直後など、誰も発言していない場合、水平360°のうちの予め決められた方向( 0°、120°、240°など)を話者画像204として作成する。後述する固定表示が設定されている場合は、固定表示の設定が優先される。
【0258】
固定表示ボタン201は、パノラマ画像203のある領域を話者画像204として固定でクローズアップする操作をユーザーが行うためのボタンである。
【0259】
正面変更ボタン202は、パノラマ画像203の正面を変更する操作をユーザーが行うためのボタンである(パノラマ画像は水平方向に360°写っているので、右端と左端の方向が一致する)。ユーザーはポインティングデバイスでパノラマ画像203を左右にスライドさせて、正面に写る参加者を決定できる。ユーザーの操作はミーティングデバイス60に送信され、ミーティングデバイス60は、水平方向360°のうち正面にする角度を変更してパノラマ画像を作成し、端末装置10に送信する。
【0260】
位置登録ボタン207は、電子黒板2などの機器の位置(方向)を設定する操作をユーザーが行うためのボタンである。
【0261】
ユーザーが記録開始ボタン205を押下すると情報記録アプリ41が図31の録画設定画面210を表示する。
【0262】
図31は、情報記録アプリ41が表示する録画設定画面210の一例である。録画設定画面210では、ミーティングデバイス60が作成したパノラマ画像及び話者画像、並びに、端末装置10のデスクトップ画面又は動作するアプリの画面、を録画するかをユーザーが(録画に含めるか)設定できる。パノラマ画像及び話者画像、及び、デスクトップ画面又は動作するアプリの画面のどちらも、情報記録アプリ41が録画しない場合は音声(端末装置10が出力する音声+ミーティングデバイス60が集音した音声)のみ記録される。
【0263】
カメラトグルボタン211は、ミーティングデバイス60が作成したパノラマ画像及び話者画像の録画のオンとオフを切り替えるボタンである。カメラトグルボタン211は、パノラマ画像と話者画像を個別に録画する設定が可能でもよい。
【0264】
PC画面トグルボタン212は、端末装置10のデスクトップ画面、端末装置10で動作するアプリの画面の、録画のオンとオフを切り替えるボタンである。PC画面トグルボタン212がオンの状態で、デスクトップ画面が録画される。
【0265】
ユーザーがアプリの画面を録画したい場合、更に、アプリ選択欄213で、アプリを選択する。アプリ選択欄213には端末装置10が実行中のアプリ名がプルダウン形式で表示される。ユーザーは録画するアプリを選択できる。このアプリ名は、情報記録アプリ41がOSから取得する。情報記録アプリ41は実行中のアプリのうち、UI(画面)を持つアプリのみを表示することができる。選択されるアプリの中に、遠隔会議アプリ42が含まれてよい。このため、情報記録アプリ41は、遠隔会議アプリ42で表示した資料や各拠点の参加者なども動画で記録できる。この他、プルダウンで表示されるアプリは、プレゼンテーション用アプリ、ワープロアプリ、表計算アプリ、文書等の資料作成編集アプリ、クラウド電子黒板アプリ、Webブラウザアプリ、など端末装置で実行中の様々なアプリである。したがって、ユーザーは結合画像動画に含めるアプリの画面を柔軟に選択できる。
【0266】
また、アプリ単位で録画する場合、ユーザーは複数のアプリを選択できる。情報記録アプリ41は、選択された全てのアプリの画面を録画できる。
【0267】
カメラトグルボタン211とPC画面トグルボタン212が双方ともオフの場合、録画内容確認ウィンドウ214に「音声のみ記録されます」と表示される。この音声は、端末装置10が出力する音声(遠隔会議アプリ42が他の拠点101から受信する音声)と、ミーティングデバイス60が集音する音声である。つまり、遠隔会議が実施されていれば、遠隔会議アプリ42の音声とミーティングデバイス60の音声は、画像の記録に関係なく保存される。ただし、ユーザーは、ユーザーの設定で遠隔会議アプリ42の音声、ミーティングデバイス60の音声の保存を選択的に停止できてよい。
【0268】
カメラトグルボタン211とPC画面トグルボタン212のオンとオフの組み合わせに応じて、以下のように結合画像動画が録画される。また、録画内容確認ウィンドウ214にはリアルタイムに結合画像動画が表示される。
【0269】
・カメラトグルボタン211がオン、PC画面トグルボタン212がオフの場合は、録画内容確認ウィンドウ214に、ミーティングデバイス60が撮像したパノラマ画像と話者画像が表示される。
【0270】
・カメラトグルボタン211がオフ、PC画面トグルボタン212がオン(画面も選択済)の場合、録画内容確認ウィンドウ214に、デスクトップ画面や選択されたアプリの画面が表示される。
【0271】
・カメラトグルボタン211がオン、PC画面トグルボタン212がオンの場合、録画内容確認ウィンドウ214に、ミーティングデバイス60が撮像したパノラマ画像と話者画像、及び、デスクトップ画面や選択されたアプリの画面が横に並んだ状態で表示される。
【0272】
したがって、パノラマ画像、話者画像、及びアプリの画面が録画されない場合や、パノラマ画像、話者画像、及びアプリの画面が一切録画されない場合があるが、本実施形態では、便宜上、情報記録アプリ41が作成する画像を結合画像動画という。
【0273】
更に、録画設定画面210は、「記録をアップロード後に自動で文字おこしする」というメッセージと共にチェックボックス209を有する。また、録画設定画面210は今すぐ記録開始ボタン217を有する。ユーザーがチェックボックス209にチェックを入れると、記録動画に、遠隔会議中の発言が変換されたテキストデータが添付される。この場合、録画終了後に情報記録アプリ41がテキストデータへの変換要求と共に音声を情報処理システム50にアップロードする。また、ユーザーが今すぐ記録開始ボタン217を押下すると、図32の録画中画面220が表示される。
【0274】
図32は、情報記録アプリ41が録画中に表示する録画中画面220の一例である。なお、図32の説明では主に図30との相違を説明する。録画中画面220は、録画設定画面210でユーザーが設定した条件で、録画される結合画像動画をリアルタイムに表示する。図32の録画中画面220は、カメラトグルボタン211がオン、PC画面トグルボタン212がオフの場合であり、ミーティングデバイス60が作成したパノラマ画像203と話者画像204(いずれも動画)を表示する。録画中画面220は、録画中アイコン225、一時停止ボタン226、及び、録画終了ボタン227を表示する。
【0275】
一時停止ボタン226は録画を停止するためのボタンで、停止後は録画再開も受け付ける。録画終了ボタン227は録画を終了するボタンである。一時停止ボタン226では録画IDが切り替わらず、録画終了ボタン227で録画IDが切り替わる。一時停止して、録画再開時にユーザーは録画設定画面210で設定した録画条件を再度設定することもできる。その場合、情報記録アプリ41は、録画停止ごとに複数の動画ファイルを作成してもよいし(例えば、録画終了ボタン227が押下)、1つの動画として連続するように複数ファイルを結合してもよい(例えば、一時停止ボタン226が押下)。また、情報記録アプリ41が結合画像動画を再生する場合、複数の動画ファイルを、1つの動画として連続して再生してもよい。
【0276】
また、録画中画面220は、カレンダーから情報取得ボタン221、会議名称欄222、時間欄223、場所欄224を有している。カレンダーから情報取得ボタン221は、ユーザーが会議管理システム9から会議情報を取得するためのボタンである。カレンダーから情報取得ボタン221が押下されると、情報記録アプリ41が情報処理システム50から該ユーザーに閲覧権限がある会議一覧を取得し、表示する。ユーザーは会議一覧から、これから行う遠隔会議を選択する。これにより、会議名称欄222、時間欄223、場所欄224に会議情報が反映される。会議名称欄222には会議情報のタイトルが、時間欄223には開始時刻と終了時刻が、場所欄224に場所が反映される。また、会議管理システムにおける会議情報と記録情報が会議IDで対応付けられる。
【0277】
遠隔会議が終了し、ユーザーが録画を終了すると、音声付きの結合画像動画が作成される。
【0278】
図33は、情報記録アプリ41が表示する会議一覧画面230の一例である。会議一覧画面230は、会議の一覧であるが、遠隔会議において録画された記録情報のリストを表示できる。また、遠隔の会議に関わらず、ある会議室内のみで行われた会議も含まれる。会議一覧画面230には、会議情報記憶部5001においてログインユーザーが閲覧権限のある会議情報が表示される。情報記憶部1001に保存された動画記録情報の情報が更に統合されてもよい。
【0279】
会議一覧画面230は、図30の初期画面200においてユーザーが会議一覧タブ231を選択すると表示される。会議一覧画面230は、このユーザーに閲覧権限がある記録情報のリスト236を表示する。会議作成者(議事録作成者)は参加者に閲覧権限を設定できる。なお会議一覧は、記憶した記録情報の一覧であっても、会議予定や会議データの一覧であってもよい。
【0280】
会議一覧画面230はチェックボックス232、更新日時233、タイトル234、及びステータス235の各項目を有する。
【0281】
・チェックボックス232は動画ファイルの選択を受け付ける。チェックボックス232は、ユーザーがまとめて動画ファイルを削除したい場合に使用される。
【0282】
・更新日時233は、結合画像動画の録画の開始時と終了時を示す。編集された場合は編集日時でよい。
【0283】
・タイトルは234、会議のタイトル(議題等)である。会議情報から転記されてもよいし、ユーザーが設定してもよい。
【0284】
・ステータス235は、結合画像動画が情報処理システム50にアップロード済みか否かを示す。アップロード済みでない場合、「ローカルPC」が表示され、アップロード済みの場合「アップロード済み」が表示される。アップロード済みでない場合、アップロードボタンが表示される。未アップロードの結合画像動画がある場合、ユーザーが情報処理システム50にログイン時に、情報記録アプリ41が自動アップロードするとよい。
【0285】
ユーザーが結合画像動画のリスト236から任意のタイトル等をポインティングデバイスで選択すると、情報記録アプリ41が録画再生画面を表示するが本実施形態では省略する。録画再生画面では、結合画像動画の再生などが可能である。
【0286】
なお、ユーザーは、更新日時や、タイトル、キーワードなどから会議を絞り込むことができることが望ましい。また、表示される会議の数が多く、該当の会議を見つけにくい場合は、検索機能として、ユーザーが語句を入力することで、会議の発言やタイトルなどに含まれる語句から記録情報を絞り込むことができることが望ましい。検索機能により、ユーザーは記録情報が多くなった場合でも短時間で所望の記録情報を見つけることが可能である。また、会議一覧画面230では、ユーザーが更新日時やタイトル順で会議をソートできてもよい。
【0287】
<結合画像動画の保存>
続いて、図34を参照し、結合画像動画の保存処理について説明する。図34は、情報記録アプリ41がパノラマ画像、話者画像及びアプリの画面を録画する手順を示すシーケンス図の一例である。
【0288】
S61:ユーザーは遠隔会議アプリ42を操作して遠隔会議を開始する。ここでは、自拠点102と他の拠点101の遠隔会議アプリ42が遠隔会議を開始したものとする。自拠点102の遠隔会議アプリ42は、端末装置10が有するカメラが撮像する画像、マイクが集音する音声を他の拠点101の遠隔会議アプリ42に送信する。他の拠点101の遠隔会議アプリ42は、受信した画像をディスプレイに表示し、受信した音声をスピーカから出力する。同様に、他の拠点101の遠隔会議アプリ42は、端末装置10が有するカメラが撮像する画像、マイクが集音する音声を自拠点102の遠隔会議アプリ42に送信する。自拠点102の遠隔会議アプリ42は、受信した画像をディスプレイに表示し、受信した音声をスピーカから出力する。各遠隔会議アプリ42はこれを繰り返して、遠隔会議を実現する。
【0289】
S62:ユーザーは図31に示した情報記録アプリ41の録画設定画面210に対し、録画に関する設定を行う。情報記録アプリ41の操作受付部12が設定を受け付ける。ここでは、カメラトグルボタン211、及び、PC画面トグルボタン212が共にオンであるとする。
【0290】
ユーザーは遠隔会議を事前に予約済みの場合、図32のカレンダーから情報取得ボタン221を押下することで遠隔会議のリストを表示し、記録動画を対応付ける遠隔会議を選択できる。ユーザーは情報処理システム50にログイン済みなので、情報処理システム50はログインしたユーザーが閲覧権限のある遠隔会議を特定する。情報処理システム50は特定した遠隔会議のリストを端末装置10に送信するので、ユーザーは開催中又はこれから開催される遠隔会議を選択する。これにより、会議ID等、遠隔会議に関する情報が決定される。
【0291】
また、ユーザーは遠隔会議を事前に予約していなくても、結合画像動画を作成する際に会議を作成できる。以下では、情報記録アプリ41が、結合画像動画を作成する際に会議を作成し、会議IDを情報処理システム50から取得する場合を説明する。
【0292】
S63:ユーザーは録画開始(今すぐ記録開始ボタン216)を情報記録アプリ41に指示する。情報記録アプリ41の操作受付部12が指示を受け付ける。表示制御部13は録画中画面220を表示する。
【0293】
S64:遠隔会議が選択されていないので(会議IDが決まってないため)、情報記録アプリ41の通信部11が、遠隔会議作成要求を情報処理システム50に送信する。
【0294】
S65:情報処理システム50の通信部51は遠隔会議作成要求を受信し、コミュニケーション管理部54が、会議管理システム9が採番した重複しない会議IDを取得し、通信部51が会議IDを情報記録アプリ41に送信する。
【0295】
S66:また、コミュニケーション管理部54は、通信部51を介して、結合画像動画の保存先(ストレージサービスシステム70のURL)を情報記録アプリ41に送信する。
【0296】
S67:情報記録アプリ41の通信部11が会議IDと動画ファイルの保存先を受信し、通信部11が会議IDを電子黒板2に送信する。通信部11は、情報処理システム50を介してもよいし、直接、送信してもよい。
【0297】
S68:情報記録アプリ41の通信部11が会議IDと動画ファイルの保存先を受信することで、録画制御部17が録画の準備が整ったと判断し、録画を開始する。
【0298】
S69:情報記録アプリ41のアプリ画面取得部14は、ユーザーが選択したアプリの画面をアプリに対し要求する(アプリ画面取得部14は、より詳細にはOSを介して、アプリの画面を取得する)。図34では、ユーザーが選択したアプリを遠隔会議アプリ42とする。
【0299】
S70:情報記録アプリ41の録画制御部17は、デバイス通信部16を介して、ミーティングデバイス60に録画開始を通知する。通知の際、録画制御部17は、カメラトグルボタン211がオンである旨(パノラマ画像と話者画像の要求)も通知するとよい。要求の有無に関係なくミーティングデバイス60はパノラマ画像と話者画像を情報記録アプリ41に送信している。
【0300】
S71:ミーティングデバイス60の端末通信部61が録画開始を受信すると、重複しない録画IDを採番し、録画IDを情報記録アプリ41に返す。なお、録画IDは情報記録アプリ41が採番してもよいし、情報処理システム50から取得してもよい。
【0301】
S72:情報記録アプリ41の音声取得部15は端末装置10が出力する音声データ(遠隔会議アプリ42が受信した音声データ)を取得する。
【0302】
S73:デバイス通信部16が、音声取得部15が取得した音声データと合成要求をミーティングデバイス60に送信する。
【0303】
S74:ミーティングデバイス60の端末通信部61は音声データと合成要求を受信し、音声合成部65が、集音部64が集音した周囲の音声データと、受信した音声データを合成する。例えば、音声合成部65は、2つの音声データを足し合わせる。ミーティングデバイス60の周辺の鮮明な音声が記録されるので、特にミーティングデバイス60周辺(会議室側)の音声のテキスト化精度が向上する。
【0304】
この音声の合成は、端末装置10でも可能である。しかし、録画機能が端末装置10に、音声処理がミーティングデバイス60に分散して配置されることで、端末装置10とミーティングデバイス60の負荷を低減できる。録画機能がミーティングデバイス60に、音声処理が端末装置10に分散して配置されてもよい。
【0305】
S75:また、ミーティングデバイス60のパノラマ画像生成部62はパノラマ画像を作成し、話者画像生成部63は話者画像を作成する。
【0306】
S76:情報記録アプリ41のデバイス通信部16は、パノラマ画像と話者画像を繰り返しミーティングデバイス60から取得する。また、デバイス通信部16は、合成後の音声データを繰り返しミーティングデバイス60に要求して取得する。これらの取得は、デバイス通信部16がミーティングデバイス60に要求することで行われてもよい。あるいは、カメラトグルボタン211がオンである旨を受け取ったミーティングデバイス60が自動的にパノラマ画像と話者画像を送信してもよい。音声データの合成要求を受け取ったミーティングデバイス60が自動的に合成後の音声データを情報記録アプリ41に送信してもよい。
【0307】
S77:情報記録アプリ41の録画制御部17は、遠隔会議アプリ42から取得したアプリの画面と、パノラマ画像と、話者画像を並べることで結合画像を作成する。録画制御部17は、繰り返し結合画像を作成し、動画を構成するフレームに各結合画像を指定することで結合画像動画を作成する。また、録画制御部17はミーティングデバイス60から受信した音声データを保存しておく。
【0308】
情報記録アプリ41は以上のステップS72~S77を繰り返す。ステップS72~S77の間、図17の処理(操作者画像7の生成と送信)が随時、行われる。
【0309】
S78:遠隔会議が終わり、録画の必要がなくなると、ユーザーが録画終了(例えば、録画終了ボタン227)を情報記録アプリ41に指示する。情報記録アプリ41の操作受付部12が指示を受け付ける。
【0310】
S79:情報記録アプリ41のデバイス通信部16は、ミーティングデバイス60に録画終了を通知する。ミーティングデバイス60は、引き続きパノラマ画像と話者画像の作成や音声の合成を継続する。ただし、ミーティングデバイス60は録画中かどうかで解像度やfpsを変えるなど処理の不可を変更してもよい。
【0311】
S80:情報記録アプリ41の録画制御部17は、結合画像動画に音声データを結合して音声付きの結合画像動画を作成する。
【0312】
S81:また、ユーザーが録画設定画面210で「記録をアップロード後に自動で文字おこしする」に対応付けられたチェックボックス215をチェックした場合、音声データ処理部18が、音声データのテキストデータへの変換を情報処理システム50に要求する。詳細には、音声データ処理部18は、通信部11を介して、保存先のURLを指定し、会議ID及び録画IDと共に、結合画像動画に結合された音声データの変換要求を情報処理システム50に送信する。
【0313】
S82:情報処理システム50の通信部51は音声データの変換要求を受信し、テキスト変換部56が音声認識サービスシステム80を利用して音声データをテキストデータに変換する。通信部51はテキストデータを、結合画像動画の保存先と同じ保存先(ストレージサービスシステム70のURL)に保存する。なお、録画情報記憶部5002においてテキストデータは会議ID及び録画IDにより結合画像動画と対応付けられている。なおテキストデータは、情報処理システム50のコミュニケーション管理部54で管理し、記憶部5000に記憶してもよい。また、端末装置10が音声認識サービスシステム80に音声認識を要求し、音声認識サービスシステム80から取得したテキストデータを保存先に保存してもよい。なお、音声認識サービスシステム80は、変換したテキストデータを情報処理システム50に返すが、直接保存先のURLに送信してもよい。音声認識サービスシステム80は、情報処理システム50にユーザーが設定した設定情報に応じて、複数のサービスから選択したり切り替えたりしてもよい。
【0314】
S83:また、情報記録アプリ41のアップロード部20は、通信部11を介して、結合画像動画の保存先に結合画像動画を保存する。録画情報記憶部5002において結合画像動画は会議ID及び録画IDと対応付けられている。結合画像動画にはアップロード済みが記録される。
【0315】
S84:ユーザーが会議終了を電子黒板2に入力する。ユーザーが端末装置10に会議終了を入力し、端末装置10から電子黒板2に会議終了が送信されてもよい。この場合、会議終了は情報処理システム50を経由して電子黒板2に送信されてよい。
【0316】
S85:電子黒板2の通信部36は、会議IDを指定して、会議中に表示した(例えば手書きされた)オブジェクトデータの保存を情報処理システム50に送信する。オブジェクトデータ自体はリアルタイムに情報処理システム50が共有している。なお、通信部36は電子黒板2の機器識別情報を情報処理システム50に送信してもよい。この場合、対応付け情報により会議IDが特定される。
【0317】
S86:情報処理システム50は会議IDに基づいて結合画像動画等と同じ保存先にオブジェクトデータを保存する。
【0318】
保存先はユーザーに通知されているので、ユーザーはメールなどで保存先を知らせることで結合画像動画を参加者と共有できる。結合画像動画、音声データ、テキストデータ、オブジェクトデータを作成する装置がそれぞれ異なっても、1つの格納場所に集めて格納でき、後でユーザー等が容易に閲覧できる。
【0319】
なお、ステップS72~S77の処理は、図34に示すとおりの順番でなくてもよく、音声データの合成と結合画像の作成が前後してもよい。
【0320】
<主な効果>
本実施例によれば、ストロークの近くに操作者画像7が表示されるので、誰が書いている(書いた)のかを他の拠点のユーザーが容易に把握することができる。また、情報処理システム50では、オブジェクトデータに操作者画像7が対応付けられるので、誰がオブジェクトを入力したのか明確になり、議事録の内容が向上する。
【実施例0321】
本実施例では、電子黒板2と端末装置10で直接、通信せずに、情報処理システム50を介して情報を送受信する場合を説明する。電子黒板2と端末装置10とが直接、通信できなくても、他の拠点の端末装置8が操作者画像7を表示できる。
【0322】
なお、本実施例において、上記の実施例にて説明した図4図5図8のハードウェア構成図、及び、図9に示した機能ブロック図を援用できるものとして説明する。
【0323】
図35は、ユーザーが電子黒板2に手書きしたストロークを、他の拠点の端末装置8が操作者画像7と共に表示する処理を説明するシーケンス図である。なお、図35の説明では主に図17との相違を説明する。
【0324】
S91,S92:会議に参加したユーザーが、電子ペン490で手書きしたり、PCの画面を電子黒板2で表示させたりする。電子黒板2の通信部36は、電子黒板2が操作されたので、操作開始を電子黒板2の機器識別情報と共に情報処理システム50に送信する。
【0325】
S93:情報処理システム50の通信部51は、電子黒板2の機器識別情報に対応付けられているミーティングデバイス60(すなわち、端末装置10)に、操作開始を送信する。なお、端末装置10は情報処理システム50に会議IDと共にポーリングを繰り返しておいて情報処理システム50から通信を受け付ける。あるいは、端末装置10はウェブソケットなどの双方向通信により情報処理システム50と通信してよい。
【0326】
S94~S96の処理は図17のS3~S5と同様でよい。
【0327】
S97:ユーザーが書き込みを終了する。
【0328】
S98:電子黒板2の操作検知部38が操作終了(電子黒板の方向の切り出し画像を保存する要求)を検知する。電子黒板2の操作者画像受信部40bは操作終了に応じて、通信部36を介して、電子黒板2の機器識別情報を指定して操作者画像7を情報処理システム50に要求する。
【0329】
S99:情報処理システム50の通信部51は、電子黒板2の機器識別情報と操作者画像7の要求を受信し、オブジェクト共有部57が通信部51を介して、電子黒板2に対応付けられているミーティングデバイス60に接続された端末装置10に操作者画像7を要求する。
【0330】
S100:端末装置10の通信部11は操作者画像7の要求を受信し、操作者画像送信部24が通信部11を介して、操作者画像7を情報処理システム50に送信する。
【0331】
S101:情報処理システム50の通信部51は操作者画像7を受信し、オブジェクト共有部57は、操作者画像7の識別情報を採番する。オブジェクト共有部57は、操作者画像7の識別情報と操作者画像7を対応付けて保存する。また、オブジェクト共有部57は、通信部51を介して、操作終了を送信した電子黒板2に操作者画像7の識別情報を送信する。
【0332】
S102:電子黒板2の通信部36は操作者画像7の識別情報を受信したので、オブジェクトアップロード部40aが通信部36を介して、会議ID、オブジェクトデータ、及び、操作者画像7の識別情報を情報処理システム50に送信する。
【0333】
S103:情報処理システム50の通信部51は会議ID、オブジェクトデータ及び操作者画像7の識別情報を受信し、オブジェクト共有部57がオブジェクトデータと操作者画像7の識別情報と操作者画像7を対応付けて保存する。オブジェクトIDは電子黒板2で採番されても、情報処理システム50で採番されてもよい。
【0334】
S104:また、オブジェクト共有部57は、通信部51を介して、会議IDで特定される同じ会議に参加している他の拠点の端末装置8にオブジェクトデータと操作者画像7の識別情報を送信する。以降は図17と同様になる。
【0335】
<主な効果>
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、端末装置10と電子黒板2が直接通信できなくても、情報処理システム50を経由して操作者画像7が端末装置10から電子黒板2に送信される。
【実施例0336】
本実施例では、ユーザーが連続でストロークを書き込んで、その後、違うユーザーがストロークを書き込んだ場合について説明する。本実施例のように連続した処理を想定すると、画像を取得するタイミング等が実施例1,2とは異なる。
【0337】
なお、本実施例において、上記の実施例にて説明した図4図5図8のハードウェア構成図、及び、図9に示した機能ブロック図を援用できるものとして説明する。
【0338】
図36は、ユーザー1が電子黒板2に手書きし、その後、違うユーザー2が手書きした場合に他の拠点の端末装置8が操作者画像7と共にストロークを表示する処理を説明するシーケンス図である。まず、ステップS111~S116の処理は図35のステップS91~S96と同様である。
【0339】
また、ステップS117~S120の処理は、図35のS98~S101と同様でよいが、図36では連続してストロークが処理されることが想定されるので、電子黒板2が操作終了を待たずに操作者画像7の識別情報が取得している。
【0340】
S121:電子黒板2の通信部36は操作者画像7の識別情報を受信し、オブジェクトデータ記憶部3002に保存しておく。操作者画像7の識別情報は、ここでは説明の便宜上1とする。
【0341】
S122:ユーザーが書き込みを終了する。
【0342】
S123:電子黒板2の操作検知部38が操作終了を検知し、オブジェクトアップロード部40aが通信部36を介して、操作者画像7の識別情報とオブジェクトデータを情報処理システム50に送信する。
【0343】
S124:情報処理システム50の通信部51が操作者画像7の識別情報とオブジェクトデータを受信し、オブジェクト共有部57がオブジェクトIDを採番し(電子黒板2で採番されてもよい)、操作者画像7の識別情報に対応づけてオブジェクトデータ記憶部5005に保存する。
【0344】
S125:また、オブジェクト共有部57は、通信部51を介して、同じ会議に参加している他の拠点の端末装置8にオブジェクトデータと操作者画像7の識別情報を送信する。以降は図17と同様になる。
【0345】
S126:次に、ユーザー1がストローク2の書き込みを開始する。ストローク1(最後のストローク)の入力終了(ペンアップ)してから一定時間以内の入力開始(ペンダウン)であるため、操作者画像受信部40bはストローク2の書き込みは同一ユーザーであると判断し、操作者画像7を取得しない。操作者画像受信部40bは、ストローク1のときに取得したID=1を保持しているので、同じ操作者画像7を使用することができる。
【0346】
S127~S130:ユーザー1がストローク2の書き込みを終了する。この処理は、ステップS122~S125と同様である。操作者画像7の識別情報はID=1が使用される。
【0347】
S131:ユーザー2がストローク3の書き込みを開始する。ストローク2(最後のストローク)の入力終了(ペンアップ)から一定時間以上経過した後の入力開始(ペンダウン)であるため、操作者画像受信部40bはユーザー2を別のユーザーと判断し、操作者画像7の識別情報を取得する。操作者画像受信部40bは、書き込みをしている者が別のユーザーに代わっている可能性があるので、画像の更新が必要と判断する。
【0348】
なお、操作者画像受信部40bが、ペンアップからペンダウンまでに一定時間以上、経過したか否かで操作者の切り替わりを検出する他に、画像処理により操作者の切り替わりを検知してもよい。電子黒板2を操作しているユーザーの顔はミーティングデバイス60に写らないが、操作者画像受信部40bは、後ろ姿(身長、髪型、服装等)の特徴量により操作者の切り替わりを検出できる。
【0349】
S132~S141では、ステップS112~S121と同様の処理が行われる。ただし、操作者画像7の識別情報が新たに採番されID=2となる。
【0350】
S142~S145:ユーザー2がストローク3の書き込みを終了する。この処理は、ステップS122~S125と同様である。操作者画像7の識別情報はID=2が使用される。
【0351】
このように、本実施例によれば、電子黒板2が、ユーザーが入れ替わったことを推定して、その都度、操作者画像7の識別情報を取得できる。
【0352】
図37は、電子黒板2を二人のユーザー1,2が操作する場合に、他の拠点の端末装置8が表示する操作者画像7を示す。図37(a)は電子黒板2を操作する二人のユーザー1,2を示す。図37(b)は、他の拠点の端末装置8が表示する操作者画像7を示す。図36で説明したように、ユーザー1が「あ」というストローク120を手書きしている間、他の拠点の端末装置8は一度だけ操作者画像7を表示し、一定時間が経過すると消去する。
【0353】
次に、ユーザー2が「い」というストローク122を手書き始めると、他の拠点の端末装置8は新たに操作者画像7を取得して、表示する。「あ」に対応付けられた操作者画像7を表示中の場合、表示制御部73は、表示中の操作者画像7(図36(b))を消去して、「い」に対応付けられた操作者画像7(図36(c))を表示する。
【0354】
<他の拠点の端末装置の処理>
続いて、図38を参照して、他の拠点の端末装置8が操作者画像7を表示する処理について説明する。図38は、操作者画像7を受信した他の拠点の端末装置8が操作者画像7を表示する処理を説明するフローチャート図である。以下の処理は他の拠点の端末装置8によるものである。
【0355】
まず、表示制御部73は情報処理システム50から受信したストロークと操作者画像7を表示する(S201)。
【0356】
次に、通信部71は、次のストロークデータと操作者画像7の識別情報を受信したか否かを判断する(S202)。ストロークデータには操作者画像7の識別情報が添付されるが、上記のように、操作者画像7の識別情報は同じ場合と異なる場合がある。ステップS202の判断がNoの場合、処理はステップS206に進む。
【0357】
ステップS202の判断がYesの場合、操作者画像取得部74は、操作者画像7の識別情報が同じか否かを判断する(S203)。
【0358】
操作者画像7の識別情報が現在表示中の操作者画像7と同じ場合は(S203のYes)、操作者画像7を取得する必要がないので、処理はステップS205に進む。
【0359】
操作者画像7の識別情報が現在表示中の操作者画像7と同じでない場合(S203のNo)、表示制御部73は、操作者画像7を切り替える(S204)。すなわち、操作者画像取得部74が通信部71を介し、操作者画像7の識別情報を指定して情報処理システム50から操作者画像7を取得する。なお、操作者画像7の識別情報が異なっていても、新たに追加されたストロークに紐づいている操作者画像7は、切り替え前の操作者画像7と同じ操作者が写っている場合と違う操作者が写っている場合がある。
【0360】
また、表示制御部73は、操作者画像7の表示から一定時間が経過すると(S205のYes)、操作者画像7を消去する(S206)。
【0361】
他の拠点の端末装置8はいったん表示した操作者画像7を消した後もオブジェクトデータに操作者画像7を紐づけて保持しておき、再表示できるようにしておく。こうすることで、例えば、ユーザーがストロークをタッチしたときに、その操作者の画像を再表示することもできる。
【0362】
図39は、他の拠点の端末装置8が表示するストローク120について、操作者画像7が添付されていることを示すマーク130を示す。上記のように、操作者画像7は表示から一定時間の経過で消去されるが、ユーザーが再度、操作者画像7を表示させたい場合がある。ユーザーは操作者画像7を表示させたいストローク120がある場合、マウス、ペン又は指などのポインティングデバイス131で押下することで、マーク130を表示させる。ユーザーがポインティングデバイス131でマーク130を押下すると、表示制御部がストローク120に対応付けられている操作者画像7を表示する。この操作者画像7は、会議中であれば他の拠点の端末装置8に保存されている。ユーザーはいつでもオブジェクトの操作者を確認できる。
【0363】
なお、ユーザーがストローク120を押下しただけで、表示制御部73が、再度、操作者画像7を表示してもよい。
【0364】
会議の終了後に他の拠点の端末装置8が情報処理システム50から取得したオブジェクトを表示させた場合、操作者画像7は容量が大きいのでオブジェクトデータと共に他の拠点の端末装置8に送信されない場合がある。この場合、操作者画像7の識別情報に基づいて操作者画像取得部74が情報処理システム50から取得することができる。
【0365】
なお、マーク130は一例であり、操作者画像7が対応付けられているストローク120が点滅したり、色が変わったりしてもよい。また、マーク130は、押下でなく、ポインティングデバイス131のマウスオーバーで表示されてもよい。
【0366】
<入力表示領域>
図40は入力表示領域を説明する図である。オブジェクト共有部57は、同じ会議に参加している端末装置8及び電子黒板2の間で入力表示領域及びオブジェクトデータ及び操作者画像7を共有する。オブジェクト共有部57は、図40(a)(b)に示すように、入力表示領域270を電子黒板2と端末装置8で共有させ、電子黒板2や端末装置8での入力表示領域270に対するオブジェクトの入力を受け付ける。オブジェクト共有部57は、オブジェクトの入力に応じて一方の電子黒板2から送信されたオブジェクトを他方の電子黒板2に送信し、また、この逆も行う。
【0367】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0368】
例えば、パノラマ画像における操作者画像の範囲は、電子黒板2の近くにいる人間を画像処理により検出することで決定されてもよい。また、電子黒板2の近くにいる人間が電子黒板2に手書きしていることをミーティングデバイス又は端末装置等が画像処理で検出してもよい。
【0369】
また、端末装置10とミーティングデバイス60が一体でもよい。端末装置10にミーティングデバイス60が外付けされてもよい。また、ミーティングデバイス60は、全天球カメラとマイクとスピーカがケーブルで接続されたものでもよい。
【0370】
また、他の拠点101においてもミーティングデバイス60が配置されてよい。他の拠点101は別途、ミーティングデバイス60を使用して結合画像動画とテキストデータを作成する。また、1つの拠点に複数のミーティングデバイス60が配置されてもよい。この場合、ミーティングデバイス60ごとに複数の記録情報が作成される。
【0371】
また、本実施形態で使用した、結合画像動画における、パノラマ画像203,話者画像204、及び、アプリの画面の配置は一例に過ぎない。パノラマ画像203が下で話者画像204が上でもよいし、ユーザーが配置を変更したり、再生時にはパノラマ画像203と話者画像204の表示と非表示を個別に切り替えたりしてもよい。
【0372】
また、図9などの構成例は、端末装置10、ミーティングデバイス60、及び、情報処理システム50による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。端末装置10、ミーティングデバイス60、及び、情報処理システム50の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0373】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、情報処理システム50は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0374】
更に、情報処理システム50は、開示された処理ステップ、例えば図17等を様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、情報処理システム50が有する複数の情報処理装置によって実行され得る。また、情報処理システム50は、1つのサーバー装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0375】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」は、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及び、従来の回路モジュール等のデバイスを含む。
【符号の説明】
【0376】
10 端末装置
50 情報処理システム
60 ミーティングデバイス
100 記録情報作成システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0377】
【特許文献1】特開2016-122226号公報
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