(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138120
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20230922BHJP
H04N 1/409 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
H04N1/409
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044640
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】井上 美佳
【テーマコード(参考)】
5C062
5C077
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB40
5C062AB46
5C062AC02
5C062AC24
5C062AC55
5C062AC58
5C062BA05
5C077LL04
5C077NP09
5C077PP15
5C077PP71
5C077SS01
5C077SS03
(57)【要約】
【課題】画像の曇りの原因の絞込みと、画像の曇りの解消の短時間化とを実現できるようにすること。
【解決手段】画像処理装置は、画像読取装置によって光学的に読み取られた画像を、所定の基準値と比較することにより、画像の曇りを検知する曇り検知手段と、画像読取装置が備えるセンサの検出結果に基づいて、画像の曇りの原因が結露であるか否かを判定する結露判定手段と、結露判定手段によって画像の曇りの原因が結露であると判定された場合、結露を除去する除去処理、または、画像の曇りを補正する補正処理を行う結露対応手段とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置によって光学的に読み取られた画像を、所定の基準値と比較することにより、前記画像の曇りを検知する曇り検知手段と、
前記画像読取装置が備えるセンサの検出結果に基づいて、前記画像の曇りの原因が結露であるか否かを判定する結露判定手段と、
前記結露判定手段によって前記画像の曇りの原因が結露であると判定された場合、前記結露を除去する除去処理、または、前記画像の曇りを補正する補正処理を行う結露対応手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記結露判定手段は、
前記センサの検出結果に基づいて算出される露点温度と、前記画像読取装置の内部温度との比較結果に基づいて、前記画像の曇りの原因が結露であるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記結露判定手段によって前記画像の曇りの原因が結露ではないと判定された場合、前記画像の曇りが発生したことと、前記画像の曇りの原因が結露以外であることとを表示する表示手段を備える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記結露判定手段によって前記画像の曇りの原因が結露であると判定された場合、前記除去処理、または、前記補正処理のいずれを実行するかをユーザに選択させるユーザ選択手段を備える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記結露判定手段によって前記画像の曇りの原因が結露であると判定された場合、前記除去処理、または、前記補正処理のいずれを実行するかを自動的に選択する自動選択手段を備える
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記自動選択手段は、
結露除去にかかる時間が所定の閾値よりも大きいと想定される場合は、前記補正処理を選択し、結露除去にかかる時間が所定の閾値よりも小さいと想定される場合は、前記除去処理を選択し、
前記除去処理を選択した場合において、前記除去処理の実行時間が前記所定の閾値を超えた場合、前記補正処理に切り替える
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記結露対応手段は、
前記画像読取装置の温度を制御することによって前記結露を除去する前記除去処理を実行する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記結露対応手段は、
結露を原因とする曇りが生じた前記画像を補正するための所定の補正パラメータを用いて、曇りが生じた前記画像を補正する前記補正処理を実行する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記結露対応手段は、
曇りが生じた前記画像の解析データに基づいて、結露を原因とする曇りが生じた前記画像を補正するための補正パラメータを生成し、生成された前記補正パラメータを用いて、曇りが生じた前記画像を補正する前記補正処理を実行する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、受光手段によって第1受光データを受光し、その後、複数の光源全てを一定期間点灯させた後に、受光手段によって第2受光データを受光し、第2受光データと第1受光データとの差が予め定められた閾値以上となる区画に対応する箇所を、光学部材における結露発生箇所と判定する技術が開示されている。
【0003】
また、下記特許文献1には、光学部材における結露発生箇所に対応する光源を点灯させることにより、結露発生箇所の結露を除去する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術は、結露発生箇所の結露が解消するまで光源を点灯させ続ける必要があるため、画像の曇りの解消が長時間化する虞がある。
【0005】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するため、画像の曇りの原因の絞込みと、画像の曇りの解消の短時間化とを実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、一実施形態に係る画像処理装置は、画像読取装置によって光学的に読み取られた画像を、所定の基準値と比較することにより、画像の曇りを検知する曇り検知手段と、画像読取装置が備えるセンサの検出結果に基づいて、画像の曇りの原因が結露であるか否かを判定する結露判定手段と、結露判定手段によって画像の曇りの原因が結露であると判定された場合、結露を除去する除去処理、または、画像の曇りを補正する補正処理を行う結露対応手段とを備える。
【発明の効果】
【0007】
一実施形態に係る画像処理装置によれば、画像の曇りの原因の絞込みと、画像の曇りの解消の短時間化とを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図
【
図2】一実施形態に係る画像形成装置が備える画像処理部の機能構成を示すブロック図
【
図3】一実施形態に係る画像形成装置が備える画像処理部による処理の手順の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
【0010】
図1は、一実施形態に係る画像形成装置1の構成を示す図である。
【0011】
図1に示すように、画像形成装置1は、コントローラ2、操作表示部3、ハードディスク(HDD)4、NIC(Network Interface Card)5、スキャナ6、スキャナ補正部7、圧縮処理部8、伸張処理部9、プリンタ補正部10、およびプロッタ11を備える。コントローラ2、圧縮処理部8、および伸張処理部9は、汎用バス12によって互いに接続されている。
【0012】
NIC5は、ネットワークを介して接続されたPCとの間で、画像データ等の送受信を行う。
【0013】
スキャナ6は、原稿Gを光学的に読み取り、原稿Gの画像データを生成する。スキャナ6は、「画像読取装置」の一例である。
【0014】
スキャナ補正部7は、スキャナ6によって生成された画像データに対して、各種画像処理(例えば、画像領域の文字、線画、写真等の分類、原稿画像の地肌画像の除去、画像の先鋭化、平滑化等)を施す。
【0015】
圧縮処理部8は、スキャナ補正部7による補正後の画像データを圧縮処理し、当該圧縮処理後の画像データを、汎用バス12を介してコントローラ2へ送信する。
【0016】
コントローラ2は、圧縮処理部8から送信された画像データを、大容量の記憶媒体であるハードディスク4に蓄積する。
【0017】
操作表示部3は、画像形成装置1を操作するのに必要な各種キー、各種情報を表示するためのディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)、各種通知を行うためのLED(Light Emitting Diode)等を備える。
【0018】
伸張処理部9は、コントローラ2から汎用バス12を介して送信された画像データを伸張処理して、当該伸張処理後の画像データを、プリンタ補正部10に送信する。
【0019】
プリンタ補正部10は、伸張処理部9によって伸張された画像データに対し、各種補正処理(例えば、プロッタ11の明暗特性の補正処理、階調数変換処理等)を行う。
【0020】
プロッタ11は、プリンタ補正部10による補正後の画像データに基づいて、出力画像を用紙に印刷する。
【0021】
以上のように構成された画像形成装置1は、スキャナ6で読み取った原稿Gの画像データをNIC5を介してコンピュータPCに送信する配信処理、スキャナ6で読み取った原稿Gの画像データをプロッタ11で用紙に印刷する印刷処理、PCから送られてきた画像データをプロッタ11で用紙に印刷する印刷処理、PCから送られてきた画像データを他のコンピュータに転送する転送処理等を行うことができる。
【0022】
図2は、一実施形態に係る画像形成装置1が備える画像処理部210の機能構成を示すブロック図である。
【0023】
図2に示すように、画像形成装置1は、センサ201および画像処理部210を備える。
【0024】
センサ201は、スキャナ6に設けられている。センサ201は、少なくとも、スキャナ6の内部温度T2を測定可能なセンサと、露点温度T1を算出するためのパラメータを測定可能なセンサとを含む。
【0025】
画像処理部210は、「画像処理装置」の一例である。すなわち、本実施形態では、「画像処理装置」は、画像形成装置1の内部に設けられている。但し、これに限らず、「画像処理装置」は、画像形成装置1の外部に設けられてもよい。
【0026】
図2に示すように、画像処理部210は、曇り検知手段211、結露判定手段212、ユーザ選択手段213、自動選択手段214、結露対応手段215、および表示手段216を備える。
【0027】
曇り検知手段211は、スキャナ6によって光学的に読み取られた画像を、所定の基準値と比較することにより、画像の曇りを検知する。
【0028】
結露判定手段212は、スキャナ6が備えるセンサ201の検出結果に基づいて、画像の曇りの原因が結露であるか否かを判定する。例えば、結露判定手段212は、センサ201の検出結果に基づいて算出される露点温度と、スキャナ6の内部温度との比較結果に基づいて、画像の曇りの原因が結露であるか否かを判定する。
【0029】
例えば、結露判定手段212は、下記式(1)を満たす場合、画像の曇りの原因が結露であると判定する。
【0030】
内部温度T2≦露点温度T1・・・(1)
【0031】
また、例えば、結露判定手段212は、下記式(2)を満たす場合、画像の曇りの原因が結露ではないと判定する。
【0032】
内部温度T2>露点温度T1・・・(2)
【0033】
なお、結露判定手段212は、公知の方法(例えば、水蒸気圧、飽和水蒸気圧、相対湿度等に基づく方法)により、露点温度T1を算出できる。
【0034】
ユーザ選択手段213は、結露判定手段212によって画像の曇りの原因が結露であると判定された場合、除去処理、または、補正処理のいずれを実行するかをユーザに選択させる。
【0035】
例えば、ユーザは、画像の曇りを早期に解消する必要がある場合、補正処理を選択し、画像の曇りを早期に解消する必要がない場合、除去処理を選択することができる。
【0036】
自動選択手段214は、結露判定手段212によって画像の曇りの原因が結露であると判定された場合、除去処理、または、補正処理のいずれを実行するかを自動的に選択する。
【0037】
例えば、自動選択手段214は、結露除去にかかる時間が所定の閾値よりも大きいと想定される場合は、補正処理を選択し、結露除去にかかる時間が所定の閾値よりも小さいと想定される場合は、除去処理を選択する。そして、自動選択手段214は、除去処理を選択した場合において、除去処理の実行時間が所定の閾値を超えた場合、補正処理に切り替える。
【0038】
結露対応手段215は、結露判定手段212によって画像の曇りの原因が結露であると判定された場合、ユーザ選択手段213または自動選択手段214によって選択された処理(すなわち、結露を除去する除去処理、または、画像の曇りを補正する補正処理)を行う。
【0039】
例えば、結露対応手段215は、除去処理として、LED、ヒーター等を制御して、スキャナ6の温度を制御することによって結露を除去する処理を実行する。
【0040】
また、例えば、結露対応手段215は、補正処理として、結露を原因とする曇りが生じた画像を補正するための所定の補正パラメータを用いて、曇りが生じた画像を補正する処理を実行する。
【0041】
例えば、結露対応手段215は、結露を原因として曇りが生じた画像においては、結露が発生している画像領域の鮮鋭性、および、シェーディング補正画像の白レベルが低下する傾向があるため、強調フィルタ、白レベル調整、明度補正等のパラメータを用いて、画像の曇りを解消させる補正を行う。
【0042】
なお、結露対応手段215は、補正処理として、曇りが生じた画像の解析データ(例えば、結露が発生している画像領域の鮮鋭性、シェーディング補正画像の白レベル等)に基づいて、補正パラメータを生成し、生成された補正パラメータを用いて、曇りが生じた画像を補正する処理を実行してもよい。
【0043】
表示手段216は、結露判定手段212によって画像の曇りの原因が結露ではないと判定された場合、画像の曇りが発生したことと、画像の曇りの原因が結露以外(例えば、堆積ごみ、LED不点灯等)であることとを表示する。
【0044】
なお、画像処理部210は、画像の曇りの原因が結露以外の場合、表示手段216による表示のみならず、画像の補正を行ってもよい。この場合、画像処理部210は、曇りの原因(例えば、堆積ごみ、LED不点灯等)に応じた補正パラメータを用いて、曇りが生じた画像を補正する処理を実行してもよい。
【0045】
なお、画像処理部210の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0046】
(画像処理部210による処理の手順の一例)
図3は、一実施形態に係る画像形成装置1が備える画像処理部210による処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0047】
まず、曇り検知手段211が、スキャナ6によって光学的に読み取られた画像の曇りを検知したか否かを判断する(ステップS301)。
【0048】
ステップS301において、画像の曇りを検知していないと判断された場合(ステップS301:No)、画像処理部210は、
図3に示す一連の処理を終了する。
【0049】
一方、ステップS301において、画像の曇りを検知したと判断された場合(ステップS301:Yes)、結露判定手段212が、センサ201の検出結果に基づいて露点温度を算出し(ステップS302)、スキャナ6の内部温度を測定する(ステップS303)。
【0050】
そして、結露判定手段212が、ステップS302で算出された露点温度と、ステップS303で測定されたスキャナ6の内部温度との比較結果に基づいて、画像の曇りの原因が結露であるか否かを判定する(ステップS304)。
【0051】
ステップS304において、画像の曇りの原因が結露ではないと判断された場合(ステップS304:No)、表示手段216が、画像の曇りが発生したことと、画像の曇りの原因が結露以外(例えば、堆積ごみ、LED不点灯等)であることとを、操作表示部3に表示する(ステップS309)。その後、画像処理部210は、
図3に示す一連の処理を終了する。
【0052】
一方、ステップS304において、画像の曇りの原因が結露であると判断された場合(ステップS304:Yes)、ユーザ選択手段213または自動選択手段214が、除去処理または補正処理を選択する(ステップS305)。
【0053】
そして、画像処理部210は、ステップS305で補正処理が選択されたか否かを判断する(ステップS306)。
【0054】
ステップS306において、補正処理が選択されたと判断された場合(ステップS306:Yes)、結露対応手段215が、補正処理を実行する(ステップS307)。その後、画像処理部210は、
図3に示す一連の処理を終了する。
【0055】
一方、ステップS306において、除去処理が選択されたと判断された場合(ステップS306:Yes)、結露対応手段215が、除去処理を実行する(ステップS308)。その後、画像処理部210は、
図3に示す一連の処理を終了する。
【0056】
以上説明したように、一実施形態に係る画像処理部210は、スキャナ6によって光学的に読み取られた画像を、所定の基準値と比較することにより、画像の曇りを検知する曇り検知手段211と、スキャナ6が備えるセンサ201の検出結果に基づいて、画像の曇りの原因が結露であるか否かを判定する結露判定手段212と、結露判定手段212によって画像の曇りの原因が結露であると判定された場合、結露を除去する除去処理、または、画像の曇りを補正する補正処理を行う結露対応手段215とを備える。
【0057】
これにより、一実施形態に係る画像処理部210は、画像の曇りの原因が結露であるか否かを判定できるため、画像の曇りの原因の絞込みを行うことができる。また、一実施形態に係る画像処理部210は、結露を除去する除去処理を行わずに、画像の曇りを補正する補正処理を行うことができるため、画像の曇りの解消の短時間化を実現できる。
【0058】
また、一実施形態に係る画像処理部210において、結露判定手段212は、センサ201の検出結果に基づいて算出される露点温度と、スキャナ6の内部温度との比較結果に基づいて、画像の曇りの原因が結露であるか否かを判定する。
【0059】
これにより、一実施形態に係る画像処理部210は、画像の曇りの原因が結露であるか否かを高精度に判定できる。
【0060】
また、一実施形態に係る画像処理部210は、結露判定手段212によって画像の曇りの原因が結露ではないと判定された場合、画像の曇りが発生したことと、画像の曇りの原因が結露以外であることとを表示する表示手段216を備える。
【0061】
これにより、一実施形態に係る画像処理部210は、結露以外の原因(例えば、堆積ごみ、LED不点灯等)による画像の曇りの対処を、迅速にユーザに促すことができる。
【0062】
また、一実施形態に係る画像処理部210は、結露判定手段212によって画像の曇りの原因が結露であると判定された場合、除去処理、または、補正処理のいずれを実行するかをユーザに選択させるユーザ選択手段213を備える。
【0063】
これにより、一実施形態に係る画像処理部210は、例えば、ユーザが、画像の曇りを早期に解消する必要があるか否かに応じて、除去処理および補正処理のうちのいずれか好適なほうを選択することができる。
【0064】
また、一実施形態に係る画像処理部210は、結露判定手段212によって画像の曇りの原因が結露であると判定された場合、除去処理、または、補正処理のいずれを実行するかを自動的に選択する自動選択手段214を備える。
【0065】
これにより、一実施形態に係る画像処理部210は、例えば、画像の曇りの解消の長時間化が想定されるか否かに応じて、除去処理および補正処理のうちのいずれか好適なほうを自動的に選択することができる。
【0066】
また、一実施形態に係る画像処理部210において、自動選択手段214は、結露除去にかかる時間が所定の閾値よりも大きいと想定される場合は、補正処理を選択し、結露除去にかかる時間が所定の閾値よりも小さいと想定される場合は、除去処理を選択し、除去処理を選択した場合において、除去処理の実行時間が所定の閾値を超えた場合、補正処理に切り替える。
【0067】
これにより、一実施形態に係る画像処理部210は、除去処理が想定外に長時間化した場合、補正処理に切り替えることで、画像の曇りの解消のさらなる長時間化を抑制することができる。
【0068】
また、一実施形態に係る画像処理部210において、結露対応手段215は、スキャナ6の温度を制御することによって結露を除去する除去処理を実行する。
【0069】
これにより、一実施形態に係る画像処理部210は、画像の曇りの直接的な原因である結露を除去できるため、画像の曇りをより効果的に解消することができる。
【0070】
また、一実施形態に係る画像処理部210において、結露対応手段215は、結露を原因とする曇りが生じた画像を補正するための所定の補正パラメータを用いて、曇りが生じた画像を補正する補正処理を実行する。
【0071】
これにより、一実施形態に係る画像処理部210は、画像の曇りを適切且つ短時間で解消することができる。
【0072】
また、一実施形態に係る画像処理部210において、結露対応手段215は、曇りが生じた画像の解析データに基づいて、補正パラメータを生成し、生成された補正パラメータを用いて、曇りが生じた画像を補正する補正処理を実行する。
【0073】
これにより、一実施形態に係る画像処理部210は、画像の曇りをより適切且つ短時間で解消することができる。
【0074】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 画像形成装置
2 コントローラ
3 操作表示部
4 ハードディスク
5 NIC
6 スキャナ
7 スキャナ補正部
8 圧縮処理部
9 伸張処理部
10 プリンタ補正部
11 プロッタ
12 汎用バス
201 センサ
210 画像処理部
211 曇り検知手段
212 結露判定手段
213 ユーザ選択手段
214 自動選択手段
215 結露対応手段
216 表示手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0076】