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特開2023-138125発光素子、光源装置、表示装置、ヘッドマウントディスプレイ及び生体情報取得装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138125
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】発光素子、光源装置、表示装置、ヘッドマウントディスプレイ及び生体情報取得装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/183 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
H01S5/183
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044645
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】川島 毅士
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 俊一
(72)【発明者】
【氏名】上西 盛聖
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AC03
5F173AC14
5F173AC26
5F173AC35
5F173AC42
5F173AC53
5F173AC61
5F173AG01
5F173AH22
5F173AP05
5F173AP33
5F173AP45
5F173AR33
5F173AR99
(57)【要約】
【課題】低出力の発光素子、光源装置、表示装置、ヘッドマウントディスプレイ及び生体情報取得装置を提供する。
【解決手段】発光素子は、第1反射鏡と、活性層と、を有し、前記第1反射鏡は、第1屈折率を備えた第1屈折率層と、前記第1屈折率より高い第2屈折率層とが交互に積層された多層膜反射鏡と、前記多層膜反射鏡の前記活性層とは反対側の第1面に設けられた第1層と、を有し、前記第1面は、前記活性層で発生した光が出射される出射領域を有し、前記第1層は、前記第1面に垂直な方向からの平面視で、出射中心を含む領域に設けられ、前記活性層で発生した光の一部を吸収し、前記活性層で発生し前記第1層を透過した光を出射する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1反射鏡と、
活性層と、
を有し、
前記第1反射鏡は、
第1屈折率を備えた第1屈折率層と、前記第1屈折率より高い第2屈折率層とが交互に積層された多層膜反射鏡と、
前記多層膜反射鏡の前記活性層とは反対側の第1面に設けられた第1層と、
を有し、
前記第1面は、前記活性層で発生した光が出射される出射領域を有し、
前記第1層は、前記第1面に垂直な方向からの平面視で、出射中心を含む領域に設けられ、前記活性層で発生した光の一部を吸収し、
前記活性層で発生し前記第1層を透過した光を出射することを特徴とする発光素子。
【請求項2】
面発光レーザであって、
前記活性層を含む共振器と、
第2反射鏡と、
をさらに有し、
前記共振器は前記第1反射鏡と前記第2反射鏡の間に設けられ、
前記出射領域は、
前記第1面に垂直な方向からの平面視で、出射中心を含む第1領域と、
前記第1領域の周囲に位置する第2領域と、
を有し、
前記第1層は、前記第1領域に設けられ、
前記第1反射鏡の前記平面視で前記第1領域に重なる部分の前記活性層側からみた反射率は、前記第1反射鏡の前記平面視で前記第2領域に重なる部分の前記活性層側からみた反射率よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第2領域における前記多層膜反射鏡の前記第1面に、前記活性層で発生した光に含まれる縦モードの定在波の節があることを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記第2領域における前記多層膜反射鏡の前記第1面に、前記活性層で発生した光に含まれる縦モードの定在波の腹があることを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
【請求項5】
前記第1領域における前記多層膜反射鏡の前記第1面に、前記定在波の節があることを特徴とする請求項4に記載の発光素子。
【請求項6】
前記第1領域と前記第2領域との間で前記定在波の位相が相違する請求項3乃至5のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項7】
前記第2領域に設けられた第2層を有し、
前記第1層と前記第2層との間で、膜厚又は材料の少なくとも一方が相違することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項8】
前記第1層が前記第2層よりも厚いことを特徴とする請求項7に記載の発光素子。
【請求項9】
前記第1層の複素屈折率の実部が、前記第2層の複素屈折率の実部より低いことを特徴とする請求項7又は8に記載の発光素子。
【請求項10】
前記多層膜反射鏡上に空気があると仮定したときの、前記活性層で発生した光が前記多層膜反射鏡と空気の境界面に前記多層膜反射鏡側から入射するときの反射率をRとし、
前記活性層で発生した光が前記多層膜反射鏡と前記第1層の境界面に前記多層膜反射鏡側から入射するときの反射率をRとして、
前記第1層の厚さが、反射率比R/Rが1以上となる厚さであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項11】
前記多層膜反射鏡上に空気があると仮定したときの、前記活性層で発生した光が前記多層膜反射鏡から空気へ透過する際の透過率をIとし、
前記活性層で発生した光が前記第1層が形成された前記多層膜反射鏡から空気へ透過するときの透過率をIとして、
前記第1層の厚さが、透過率比I/Iが0より大きく0.1以下となる厚さであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項12】
光出力が0.01μW以上100μW以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の発光素子を備えることを特徴とする光源装置。
【請求項14】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の発光素子を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項15】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の発光素子を備えることを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
【請求項16】
生体に光を照射する光源装置と、
前記生体からの反射光を受光する受光装置と、
前記受光装置の出力に基づき前記生体の情報を取得する情報取得部と、
を有し、
前記光源装置は、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の発光素子を備えることを特徴とする生体情報取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子、光源装置、表示装置、ヘッドマウントディスプレイ及び生体情報取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
垂直方向に共振器を形成した面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting LASER;VCSEL)が知られている(特許文献1)。面発光レーザは活性層体積が小さく、低閾値、低消費電力である。素子の出力が数百μW~数mW程度で、アレイ化することで大出力にすることもできる。低出力、低消費電力なデバイスの特徴を生かして、ウェアラブルデバイスの光源として網膜走査型ディスプレイ用の光源や、低出力を生かして虹彩情報を取得するためのバイオメトリック用光源として期待されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
網膜の最大被爆限界は、波長にもよるが数十μW~数百μWである。網膜ディスプレイやバイオメトリック用の光源としてVCSELが使用される時には、さらに光出力を落とし、例えば0.05~0.2μW程度にされる。従来のVCSELの光出力は数百μW~数mW程度であり、従来のVCSELをそのままアイセーフな光源として用いることはできない。例えば、アイセーフな光源としてVCSELを用いるためには、従来よりも数桁以上光出力を抑えることが望まれる。
【0004】
VCSELの光出力を抑える方法はいくつかある。
【0005】
最もシンプルであると考えられる方法は、光路の途中に光出力を落とすためのND(Neutral Density)フィルター等の部品を設ける方法である。しかし、この方法では、部品の欠落等の故障時に網膜に被爆限界を超えた光が入るおそれがある。
【0006】
他の方法として、VCSELの閾値電流付近の出力が弱いところで電流を細かく制御する方法が挙げられる。この方法によれば極低出力の光を出力できる可能性があるが、微小電流の制御が難しく素子を安定動作させることが難しい。
【0007】
さらに他の方法として、素子設計で、光を取り出す側の反射鏡の反射率を99.99%以上まで高める方法が挙げられる。この方法によれば理論的には光出力を数十μW程度まで出力を下げられる。しかし、さらに光出力を1~2桁出力を落とすためには、反射鏡の反射率をさらに高めなければならず、反射率をこのレベルまで高めることが極めて難しい。
【0008】
本発明は、低出力の発光素子、光源装置、表示装置、ヘッドマウントディスプレイ及び生体情報取得装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
開示の技術の一態様によれば、発光素子は、第1反射鏡と、活性層と、を有し、前記第1反射鏡は、第1屈折率を備えた第1屈折率層と、前記第1屈折率より高い第2屈折率層とが交互に積層された多層膜反射鏡と、前記多層膜反射鏡の前記活性層とは反対側の第1面に設けられた第1層と、を有し、前記第1面は、前記活性層で発生した光が出射される出射領域を有し、前記第1層は、前記第1面に垂直な方向からの平面視で、出射中心を含む領域に設けられ、前記活性層で発生した光の一部を吸収し、前記活性層で発生し前記第1層を透過した光を出射する。
【発明の効果】
【0010】
開示の技術によれば、低出力の光源を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
図2】第1領域及び金属層の一例を示す平面図である。
図3】第2実施形態に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
図4】第3実施形態に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
図5】第4実施形態に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
図6】第4実施形態に関する第1計算例の結果を示す図である。
図7】第4実施形態に関する第2計算例の結果を示す図である。
図8】第4実施形態に関する第3計算例の結果を示す図である。
図9】第4実施形態の第1変形例に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
図10】第4実施形態の第2変形例に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
図11】第4実施形態の第3変形例に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
図12】第5実施形態に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
図13】第5実施形態に関する第4計算例の結果を示す図である。
図14】第5実施形態の変形例に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
図15】第6実施形態に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
図16】第6実施形態に関する第5計算例の結果を示す図である。
図17】第6実施形態の変形例に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
図18】第7実施形態に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
図19】第7実施形態に関する第6計算例の結果を示す図である。
図20】第8実施形態に係る投影装置の構成例を示す図である。
図21】第9実施形態に係るHMDの構成例の斜視図である。
図22】第9実施形態に係るHMDの構成例の断面図である。
図23】第10実施形態に係るバイオメトリック認証装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を適宜省略する。
【0013】
また以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光素子の一例である面発光レーザ、光源装置、表示装置、ヘッドマウントディスプレイ及び生体情報取得装置を例示するものであって、本発明を以下に示す実施形態に限定するものではない。
【0014】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。第1実施形態は面発光レーザに関する。図1は、第1実施形態に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
【0015】
図1に示すように、第1実施形態に係る面発光レーザ1は、基板101と、下部反射鏡102(第2反射鏡)と、下部スペーサ層103と、活性層104と、上部スペーサ層105と、上部反射鏡108(第1反射鏡)とを有する。上部反射鏡108は、多層膜反射鏡107と、金属層109とを有する。金属層109は第1層の一例である。下部反射鏡102が基板101の上に設けられ、下部スペーサ層103が下部反射鏡102の上に設けられ、活性層104が下部スペーサ層103の上に設けられている。上部スペーサ層105が活性層104の上に設けられ、多層膜反射鏡107が上部スペーサ層105の上に設けられ、金属層109が多層膜反射鏡107の上に設けられている。多層膜反射鏡107は、低屈折率層107Aと、高屈折率層107Bとを有し、低屈折率層107A及び高屈折率層107Bが交互に積層されている。低屈折率層107Aは第1屈折率を備え、高屈折率層107Bは第1屈折率よりも高い第2屈折率を備える。また、下部スペーサ層103、活性層104及び上部スペーサ層105から共振器106が構成される。金属層109は、多層膜反射鏡107の共振器106とは反対側の出射面110に設けられている。
【0016】
上部スペーサ層105が電流狭窄層123を含む。電流狭窄層123は、導電領域121と、絶縁領域122とを含む。導電領域121は絶縁領域122により囲まれている。電流狭窄層123により、活性層104中で電流が流れる領域が限定される。活性層104にキャリアが注入されると、共振器106で規定される波長で基板101の基板面(主面)に対して垂直方向に光の定在波132が発生する。導電領域121は、例えば、多層膜反射鏡107の出射面110に垂直な方向からの平面視で、円形状の平面形状を有する。第1実施形態では、平面視で活性層104の導電領域121と重なる領域の中心を出射中心120として、光が多層膜反射鏡107側に出射される。
【0017】
図1では、定在波132の腹及び節の位置を模式的に示している。共振器106で規定される定在波132の波長をλとすると、低屈折率層107A及び高屈折率層107Bの1周期(1ペア)の総膜厚はλ/2の光学的厚さに相当する。例えば、低屈折率層107A及び高屈折率層107Bの各々の光学的厚さはλ/4である。また、第1実施形態では、定在波132の節が多層膜反射鏡107の出射面110にある。例えば、光学的厚さがλ/4の低屈折率層107Aが出射面110を構成する。つまり、光の出射方向において、多層膜反射鏡107が低屈折率層107Aで終端されている。例えば、多層膜反射鏡107は、N個の高屈折率層107Bと、N+1個の低屈折率層107Aとを含む(Nは自然数)。
【0018】
多層膜反射鏡107の出射面110は、活性層104で発生した光が出射される出射領域113を有する。また、出射領域113は、平面視で出射中心120を含む第1領域111と、第1領域111の周囲に位置する第2領域112とを有する。第2領域112は、例えば第1領域111を包囲する。例えば、第1領域111は円形状の領域であり、第2領域112は円環状の領域である。第1領域111は、出射中心120を含む横方向の基本モード131の光強度(電界強度)が高い領域である。
【0019】
金属層109は第1領域111に設けられており、活性層104で発生した光の一部を吸収する。金属層109の材料は限定されず、例えば、所望の膜厚で光を吸収できる材料が用いられる。金属層109の材料は、Al及びAg等の可視域全般で反射率の高い金属であってもよく、Cr等の反射率が低い金属であってもよい。上部反射鏡108が金属層109を有することにより、面発光レーザ1の出力を0.01μW以上100μW未満、より好適には0.01μW以上50μW未満、さらに好適には0.01μW以上1μW未満とすることができる。
【0020】
ところで、光を走査して像を制御して作るためには、シングルモード動作であることが好ましい。第1実施形態では、上部反射鏡108の平面視で第1領域111に重なる部分の活性層104側からみた反射率は、上部反射鏡108の平面視で第2領域112に重なる部分の活性層104側からみた反射率よりも高い。このため、面内横方向のシングルモードの発振閾値より高次モードの発振閾値が高くなり、面発光レーザ1がシングルモード動作する。また、金属層109が光の一部を吸収するため、面発光レーザ1の光出力を抑制することができる。例えば、面発光レーザ1の光出力を、アイセーフに好適なサブμW~数十μW程度とすることができる。つまり、第1実施形態によれば、低出力化によるアイセーフ及びシングルモード動作を両立することができる。
【0021】
なお、第1領域111及び金属層109の平面形状は円形状でなくてもよい。図2は、第1領域111及び金属層109の一例を示す平面図である。図2に示す例のように、第1領域111及び金属層109の平面形状を楕円形状としてもよい。このように、第1領域111及び金属層109の平面形状が面内方向で互いに直交する2方向で異方性を有することで、偏光を制御することができる。第1領域111及び金属層109の平面形状は、長方形状であってもよく、より複雑な形状であってもよい。金属層109は、このような面内異方性を持たせた高次モードフィルターとして機能する。高次モードフィルターとして機能する金属層109が設けられていることで、高次モードフィルターがない場合と比べて、第1領域111の面積を大きくすることができ、素子の抵抗を下げることができる。以降の実施形態及び変形例についても同様である。
【0022】
多層膜反射鏡107の出射面110に定在波132の節があればよく、光の出射方向において、多層膜反射鏡107が低屈折率層107Aで終端されている必要はない。例えば、光学的厚さがλ/2の高屈折率層で多層膜反射鏡107が終端されていてもよい。
【0023】
電流狭窄層123が、上部スペーサ層105内ではなく、多層膜反射鏡107内に設けられていてもよい。以降の実施形態及び変形例についても同様である。
【0024】
金属層109の周辺に、金属層109よりも薄い金属層があってもよい。
【0025】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、主として上部反射鏡の構成の点で第1実施形態と相違する。図3は、第2実施形態に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
【0026】
図3に示すように、第2実施形態に係る面発光レーザ2は、上部反射鏡108に代えて上部反射鏡208(第1反射鏡)を有する。上部反射鏡208は、多層膜反射鏡207と、金属層209aと、金属層209bとを有する。金属層209aは第1層の一例であり、金属層209bは第2層の一例である。多層膜反射鏡207が上部スペーサ層105の上に設けられ、金属層209a及び209bが多層膜反射鏡207の上に設けられている。金属層209a及び209bは、多層膜反射鏡207の共振器106とは反対側の出射面210に設けられている。
【0027】
図3では、定在波132の腹及び節の位置を模式的に示している。第2実施形態では、定在波132の腹が多層膜反射鏡207の出射面210にある。例えば、光学的厚さがλ/4の高屈折率層107Bが出射面210を構成する。つまり、光の出射方向において、多層膜反射鏡207が高屈折率層107Bで終端されている。例えば、多層膜反射鏡207は、N個の高屈折率層107Bと、N個の低屈折率層107Aとを含む。
【0028】
多層膜反射鏡207の出射面210は、第1実施形態と同様に、出射領域113を有し、出射領域113は、第1領域111及び第2領域112を有する。金属層209aは第1領域111に設けられており、活性層104で発生した光の一部を吸収する。金属層209bは第2領域112に設けられており、活性層104で発生した光の一部を吸収する。金属層209aの屈折率は、金属層209bの屈折率よりも低い。金属層209aの屈折率が金属層209bの屈折率よりも低ければ、金属層209a及び209bの材料は限定されない。金属層209bが平面視で出射領域113の外側にも設けられていてよい。
【0029】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0030】
第2実施形態では、上部反射鏡208の平面視で第1領域111に重なる部分の活性層104側からみた反射率は、上部反射鏡208の平面視で第2領域112に重なる部分の活性層104側からみた反射率よりも高い。このため、第1実施形態と同様に、面内横方向のシングルモードの発振閾値より高次モードの発振閾値が高くなり、面発光レーザ2がシングルモード動作する。また、金属層209a及び209bが光の一部を吸収するため、面発光レーザ2の光出力を抑制することができる。例えば、面発光レーザ2の光出力を、アイセーフに好適なサブμW~数十μW程度とすることができる。つまり、第2実施形態によっても、アイセーフ及びシングルモード動作を両立することができる。
【0031】
なお、上部反射鏡208の平面視で第1領域111に重なる部分の活性層104側からみた反射率が、上部反射鏡208の平面視で第2領域112に重なる部分の活性層104側からみた反射率よりも高ければ、金属層209a及び209bの材料が同種であってもよい。例えば、金属層209aが金属層209bよりも厚ければ、上部反射鏡208の平面視で第1領域111に重なる部分の活性層104側からみた反射率が、上部反射鏡208の平面視で第2領域112に重なる部分の活性層104側からみた反射率よりも高くなる。また、金属層209a及び209bの間の屈折率の差が小さい場合、金属層209aが金属層209bよりも厚ければ、反射率の差を大きくできる。金属層209a及び209bの間の屈折率の差が大きい場合に、金属層209aが金属層209bよりも厚くてもよい。
【0032】
多層膜反射鏡207の出射面210に定在波132の腹があればよく、光の出射方向において、多層膜反射鏡207が高屈折率層107Bで終端されている必要はない。例えば、光学的厚さがλ/2の低屈折率層で多層膜反射鏡207が終端されていてもよい。
【0033】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、主として上部反射鏡の構成の点で第1実施形態等と相違する。図4は、第3実施形態に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
【0034】
図4に示すように、第3実施形態に係る面発光レーザ3は、上部反射鏡108に代えて上部反射鏡308(第1反射鏡)を有する。上部反射鏡308は、多層膜反射鏡307と、金属層309とを有する。多層膜反射鏡307が上部スペーサ層105の上に設けられ、金属層309が多層膜反射鏡307の上に設けられている。金属層309は、多層膜反射鏡307の共振器106とは反対側の出射面310に設けられている。
【0035】
図4では、定在波132の腹及び節の位置を模式的に示している。多層膜反射鏡307の出射面310は、第1実施形態と同様に、出射領域113を有し、出射領域113は、第1領域111及び第2領域112を有する。第3実施形態では、多層膜反射鏡307の出射面310において、第1領域111に定在波132の節があり、第2領域112に定在波132の腹がある。例えば、第1領域111では光学的厚さがλ/4の低屈折率層107Aが出射面310を構成し、第2領域112では光学的厚さがλ/4の高屈折率層107Bが出射面310を構成する。つまり、光の出射方向において、多層膜反射鏡307が、第1領域111では低屈折率層107Aで終端され、第2領域112では高屈折率層107Bで終端されている。例えば、多層膜反射鏡307は、第1領域111に重なる部分では、N個の高屈折率層107Bと、N-1個の低屈折率層107Aとを含み、第2領域112に重なる部分では、N個の高屈折率層107Bと、N個の低屈折率層107Aとを含む。
【0036】
金属層309は第1領域111及び第2領域112に設けられており、活性層104で発生した光の一部を吸収する。金属層309が平面視で出射領域113の外側にも設けられていてよい。
【0037】
第3実施形態では、上部反射鏡308の平面視で第1領域111に重なる部分の活性層104側からみた反射率は、上部反射鏡308の平面視で第2領域112に重なる部分の活性層104側からみた反射率よりも高い。このため、面内横方向のシングルモードの発振閾値より高次モードの発振閾値が高くなり、面発光レーザ3がシングルモード動作する。また、金属層309が光の一部を吸収するため、面発光レーザ3の光出力を抑制することができる。例えば、面発光レーザ3の光出力を、アイセーフに好適なサブμW~数十μW程度とすることができる。つまり、第3実施形態によれば、アイセーフ及びシングルモード動作を両立することができる。
【0038】
なお、多層膜反射鏡307が、第1領域111に重なる部分では、N個の高屈折率層107Bと、N+1個の低屈折率層107Aとを含み、第2領域112に重なる部分では、N個の高屈折率層107Bと、N個の低屈折率層107Aとを含んでもよい。この構成でも、多層膜反射鏡307の出射面310において、第1領域111に定在波132の節があり、第2領域112に定在波132の腹がある。
【0039】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は面発光レーザに関する。図5は、第4実施形態に係る面発光レーザを示す断面模式図である。第4実施形態は、第1実施形態の具体例に該当する。
【0040】
第4実施形態に係る面発光レーザ4は、GaNを用いた波長λが445nmの面発光レーザである。図5に示すように、面発光レーザ4は、基板401と、下部反射鏡402(第2反射鏡)と、下部スペーサ層403と、活性層404と、上部スペーサ層405と、上部反射鏡408(第1反射鏡)とを有する。上部反射鏡408は、多層膜反射鏡407と、金属層409とを有する。面発光レーザ4は、更に、電流狭窄層423と、透明導電層443と、下部電極441と、上部電極442とを有する。下部反射鏡402が基板401の上に設けられ、下部スペーサ層403が下部反射鏡402の上に設けられ、活性層404が下部スペーサ層403の上に設けられている。上部スペーサ層405が活性層404の上に設けられ、電流狭窄層423が上部スペーサ層405の上に設けられ、透明導電層443が電流狭窄層423の上に設けられている。多層膜反射鏡407が透明導電層443の上に設けられ、金属層409が多層膜反射鏡407の上に設けられている。下部スペーサ層403、活性層404及び上部スペーサ層405から共振器406が構成される。金属層409は、多層膜反射鏡407の共振器406とは反対側の出射面410に設けられている。
【0041】
基板401は、例えばGaN基板である。
【0042】
下部反射鏡402は、例えば、45周期の高屈折率層及び低屈折率層を含む半導体から構成された多層膜反射鏡である。例えば、高屈折率層はInGaN層であり、低屈折率層は複数のAlGaN層及びGaN層から構成された超格子層である。1周期の高屈折率層及び低屈折率層の光学的厚さはλ/2である。
【0043】
多層膜反射鏡407は、多層膜反射鏡107と同様の構成を備える。つまり、多層膜反射鏡407は、低屈折率層及び高屈折率層を有し、低屈折率層及び高屈折率層が交互に積層されている。低屈折率層は第1屈折率を備え、高屈折率層は第1屈折率よりも高い第2屈折率を備える。多層膜反射鏡407は、例えば、8.5周期の高屈折率層及び低屈折率層を含む誘電体から構成された多層膜反射鏡である。例えば、高屈折率層はTa層であり、低屈折率層はSiO層である。1周期の高屈折率層及び低屈折率層の光学的厚さはλ/2である。例えば、多層膜反射鏡407は、8個のTa層と、9個のSiO層とを含む。
【0044】
活性層404は複数のInGaN層及びGaN層を含む多重量子井戸構造を有する。下部スペーサ層403はn型GaN層であり、上部スペーサ層405はp型GaN層である。上部スペーサ層405と、活性層404と、下部スペーサ層403の一部とがエッチングされてメサ構造が形成されている。
【0045】
電流狭窄層423は、導電領域421と、絶縁領域422とを含む。導電領域421は絶縁領域422により囲まれている。例えば、導電領域421は、上部スペーサ層405の一部であってp型GaNから構成され、絶縁領域422はSiO層である。電流狭窄層423により、活性層404中で電流が流れる領域が限定される。活性層404にキャリアが注入されると、共振器406で規定される波長λ(445nm)で基板401の基板面(主面)に対して垂直方向に光の定在波432が発生する。第4実施形態では、平面視で活性層404の導電領域421と重なる領域の中心を出射中心420として、光が多層膜反射鏡407側に出射される。
【0046】
図5では、定在波432の腹及び節の位置を模式的に示している。第4実施形態では、共振器406は445nmの波長λで定在波432が生じるような厚さで構成されている。高いゲインを得るために、活性層404は光強度が強い定在波432の腹にある。光吸収を抑制するために、透明導電層443は定在波432の節にある。また、多層膜反射鏡407の出射面410に定在波432の節がある。例えば、光学的厚さがλ/4の低屈折率層が出射面410を構成する。つまり、光の出射方向において、多層膜反射鏡407が低屈折率層(SiO層)で終端されている。
【0047】
多層膜反射鏡407の出射面410は、活性層404で発生した光が出射される出射領域413を有する。また、出射領域413は、平面視で出射中心420を含む第1領域411と、第1領域411の周囲に位置する第2領域412とを有する。第2領域412は、例えば第1領域411を包囲する。例えば、第1領域411は円形状の領域であり、第2領域412は円環状の領域である。第1領域411は、出射中心420を含む横方向の基本モード431の光強度が高い領域である。
【0048】
金属層409は第1領域411に設けられており、活性層404で発生した光の一部を吸収する。金属層409は、例えばCr層である。金属層409の膜厚は、例えば20nmである。
【0049】
透明導電層443の材料は、例えば酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide;ITO)である。下部電極441は、メサ構造の周囲で下部スペーサ層403の上に設けられている。下部電極441は、下部スペーサ層403の上に形成されたTi層と、このTi層の上のAl層とを有する。上部電極442は、透明導電層443の上に形成されたTi層と、このTi層の上のAu層とを有する。下部電極441と上部電極442との間に電圧が印加されると、活性層404に電流が流れる。
【0050】
第4実施形態では、上部反射鏡408の平面視で第1領域411に重なる部分の活性層404側からみた反射率は、上部反射鏡408の平面視で第2領域412に重なる部分の活性層404側からみた反射率よりも高い。例えば、上部反射鏡408の平面視で第1領域411に重なる部分の活性層404側からみた反射率は0.9991になり、上部反射鏡408の平面視で第2領域412に重なる部分の活性層404側からみた反射率は0.9954になる。このため、面内横方向のシングルモードの発振閾値より高次モードの発振閾値が高くなり、面発光レーザ4がシングルモード動作する。また、金属層409が光の一部を吸収するため、面発光レーザ4の光出力を抑制することができる。例えば、面発光レーザ4の光出力を、アイセーフに好適なサブμW~数十μW程度とすることができる。つまり、第4実施形態によれば、アイセーフ及びシングルモード動作を両立することができる。
【0051】
次に、第4実施形態に係る面発光レーザ4の製造方法について説明する。
【0052】
まず、有機金属気相成長(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)装置を用いて基板401上に下部反射鏡402、下部スペーサ層403、活性層404及び上部スペーサ層405を形成する。次に、熱処理により上部スペーサ層405に含まれる不純物を活性化させる。例えば熱処理では基板401を加熱する。
【0053】
次に、フォトリソグラフィー及びドライエッチングを用いて、厚さ方向で下部スペーサ層403の一部が残存するように、上部スペーサ層405と、活性層404と、下部スペーサ層403の一部とにメサ構造を形成する。
【0054】
次に、フォトリソグラフィー及びドライエッチングを用いて、上部スペーサ層405の周縁部を、20nm程度の深さで除去する。そして、ドライエッチングで用いたマスクを使ってセルフアラインでSiO層を絶縁領域422として形成する。SiO層は、例えば電子線(Electron Beam:EB)蒸着により形成できる。このようにして、電流狭窄層423が形成される。
【0055】
次に、電流狭窄層423の上に透明導電層443を形成し、下部スペーサ層403の上に下部電極441を形成し、絶縁領域422及び透明導電層443の上に上部電極442を形成する。
【0056】
次に、透明導電層443の上に多層膜反射鏡407を形成する。多層膜反射鏡407の形成では、透明導電層443の位置を定在波432の節にするために、まず、位相調整用のTa層を形成し、その後に、λ/4の光学的厚さでSiO層とTa層と交互に8.5周期積層する。光の出射方向において、多層膜反射鏡407を光学的厚さがλ/4のSiO層(低屈折率層)で終端することで、出射面410に定在波432の節が位置するようになる。
【0057】
次に、横方向の基本モード431の光強度の強い領域、つまり第1領域411に金属層409を形成する。
【0058】
このようにして、第4実施形態に係る面発光レーザ4を製造することができる。
【0059】
本開示においては、第1層の厚さが0nm、つまり、多層膜反射鏡上に空気があると仮定したときに活性層で発生した光が多層膜反射鏡と空気の境界面に多層膜反射鏡側から入射する際の反射率をRとし、活性層で発生した光が多層膜反射鏡と第1層の境界面に多層膜反射鏡側から入射する際の反射率をRとして、R/Rを反射比と呼ぶ。
【0060】
また、第1層の厚さが0nm、つまり、多層膜反射鏡上に空気があると仮定したときに活性層で発生した光が多層膜反射鏡から空気へ透過する際の透過率をIとし、活性層で発生した光が第1面に第1金属層が形成された多層膜反射鏡から空気へ透過する際の前記光の透過率をIとして、I/Iを透過比と呼ぶ。
【0061】
[第1計算例]
次に、第4実施形態に関して行った計算例(第1計算例)について説明する。第1計算例では、第4実施形態の下部反射鏡402、共振器406、多層膜反射鏡407及び金属層509から構成された積層体をモデルとして用いた。また、各層は、ベタで形成されていることとした。多層膜反射鏡407は、8.5周期の誘電体の多層膜反射鏡であり、出射面410が低屈折率層で終端され、定在波432の節になっている。そして、金属層409であるCr層の膜厚を変化させた場合の、活性層404からみた上部反射鏡408の反射率及び上部反射鏡408の透過率を計算した。この結果を図6に示す。図6(a)には、Cr層の膜厚と上部反射鏡408の反射率及び透過率との関係を示す。図6(b)には、図6(a)から導き出される、Cr層の膜厚と上部反射鏡408の透過比との関係を示す。
【0062】
ここでは、Taの屈折率を2.21、SiOの屈折率を1.46、Crの複素屈折率を2.27+3.10iとして計算した。図6に示すように、Cr層の膜厚が増加すると反射率が増加し、ある程度の膜厚になると反射率がほぼ一定になる。逆に、Cr層の膜厚が増加すると透過率及び透過比が減少し、ある程度の膜厚になると透過率及び透過比がほぼ一定になる。厚さが20nmのCr層の場合、反射比は1.00368、透過比は0.0326であった。このように、Cr層を用いることで上部反射鏡の反射率を高くし、且つCr層の吸収によって光出力を弱めることができる。Cr層が厚いほど反射率が高くなるため、第2領域412に第1領域411よりも薄いCr層を形成しても反射率の分布を設けることができる。例えば、第1領域111のCr層の膜厚を、光出力を十分に弱くできる20~40nmにし、第2領域112に膜厚が1~5nm程度のCr層が形成されてもよい。この場合、面内で反射率分布を設けて面発光レーザ4をシングルモード動作させ、第2領域112でも光出力を弱めることができる。このような面発光レーザ4によれば、遠視野像の単峰性を向上できる。
【0063】
[第2計算例]
次に、第4実施形態に関して行った他の計算例(第2計算例)について説明する。第2計算例では、第1計算例と同様のモデルを用い、多層膜反射鏡407の最表層の低屈折率層(SiO層)の光学的厚さをλ/4から減少させた場合の、活性層404からみた上部反射鏡408の反射率を計算した。この結果を図7に示す。図7中の凡例中の周期は、多層膜反射鏡407の周期である。
【0064】
第4実施形態における第2領域112は、図7中の8.5周期でCr層の膜厚が0nmの点Aに該当する。第1領域111の最表層(SiO層)の光学的厚さをλ/4(=0.25λ)からλ/4-0.20λまで減らしても反射率は若干低下する程度で(図中Bの範囲)、点Aよりは反射率が高い。多層膜反射鏡407の最表層が、光学的厚さがλ/4の低屈折率層であること、言い換えると出射面410において定在波が節になっていることが最も好ましいが、図7は、第1領域111において多層膜反射鏡407の最表層の光学的厚さがλ/4からλ/4-0.20λ程度まで減らされていても、アイセーフ及びシングルモード動作を両立できることを示す。
【0065】
[第3計算例]
次に、第4実施形態に関して行った他の計算例(第3計算例)について説明する。第3計算例では、第1計算例と同様のモデルを用い、多層膜反射鏡407の最表層の低屈折率層(SiO層)の光学的厚さをλ/4から増加させた場合の、活性層404からみた上部反射鏡408の反射率を計算した。この結果を図8に示す。図8中の凡例中の周期は、多層膜反射鏡407の周期である。
【0066】
第4実施形態における第2領域112は、図8中の8.5周期でCr層の膜厚が0nmの点Aに該当する。第1領域111の最表層(SiO層)の光学的厚さをλ/4(=0.25λ)からλ/4+0.140λまで増やしても反射率は若干低下する程度で(図中Cの範囲)、点Aよりは反射率が高い。多層膜反射鏡407の最表層が、光学的厚さがλ/4の低屈折率層であること、言い換えると出射面410において定在波が節になっていることが最も好ましいが、図8は、第1領域111において多層膜反射鏡407の最表層の光学的厚さがλ/4からλ/4+0.140λ程度まで増やされていても、アイセーフ及びシングルモード動作を両立できることを示す。
【0067】
(第4実施形態の第1変形例)
次に、第4実施形態の第1変形例について説明する。第1変形例は、主として、金属層の構成の点で第4実施形態と相違する。図9は、第4実施形態の第1変形例に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
【0068】
図9に示すように、第4実施形態の第1変形例に係る面発光レーザ4Aでは、上部反射鏡408が、多層膜反射鏡407及び金属層409に加えて、金属層409bを有する。金属層409bは第2領域412に設けられており、活性層404で発生した光の一部を吸収する。金属層409bは、金属層409と同種の金属から構成され、例えばCr層である。金属層409bは金属層409よりも薄い。
【0069】
他の構成は第4実施形態と同様である。
【0070】
第1変形例によっても第4実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1計算例にて説明したように、面発光レーザ4Aをシングルモード動作させつつ、第2領域112でも光出力を弱めることができるため、遠視野像の単峰性を向上できる。
【0071】
(第4実施形態の第2変形例)
次に、第4実施形態の第2変形例について説明する。第2変形例は、主として、多層膜反射鏡の構成の点で第4実施形態と相違する。図10は、第4実施形態の第2変形例に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
【0072】
図10に示すように、第4実施形態の第2変形例に係る面発光レーザ4Bでは、上部反射鏡408が、多層膜反射鏡407に代えて多層膜反射鏡407Bを有する。多層膜反射鏡407Bでは、平面視で第1領域411と重なる部分において、最表層の低屈折率層(SiO層)が多層膜反射鏡407での厚さよりも薄い。例えば、多層膜反射鏡407での最表層の低屈折率層(SiO層)の光学的厚さはλ/4であるのに対し、多層膜反射鏡407Bでの光学的厚さはλ/4-0.20λ以上λ/4未満である。従って、第1領域411では、定在波432の節が多層膜反射鏡407の出射面410Bからずれている。
【0073】
他の構成は第4実施形態と同様である。
【0074】
第2計算例にて説明したように、第2変形例によってもアイセーフ及びシングルモード動作を両立することができる。
【0075】
(第4実施形態の第3変形例)
次に、第4実施形態の第3変形例について説明する。第3変形例は、主として、多層膜反射鏡の構成の点で第4実施形態と相違する。図11は、第4実施形態の第3変形例に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
【0076】
図11に示すように、第4実施形態の第3変形例に係る面発光レーザ4Cでは、上部反射鏡408が、多層膜反射鏡407に代えて多層膜反射鏡407Cを有する。多層膜反射鏡407Cでは、平面視で第1領域411と重なる部分において、最表層の低屈折率層(SiO層)が多層膜反射鏡407での厚さよりも厚い。例えば、多層膜反射鏡407での最表層の低屈折率層(SiO層)の光学的厚さはλ/4であるのに対し、多層膜反射鏡407Bでの光学的厚さはλ/4超λ/4+0.140λ以下である。従って、第1領域411では、定在波432の節が多層膜反射鏡407の出射面410Cからずれている。
【0077】
他の構成は第4実施形態と同様である。
【0078】
第3計算例にて説明したように、第3変形例によってもアイセーフ及びシングルモード動作を両立することができる。
【0079】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態は、主として上部反射鏡の構成の点で第4実施形態と相違する。図12は、第5実施形態に係る面発光レーザを示す断面模式図である。第5実施形態は、第2実施形態の具体例に該当する。
【0080】
第5実施形態に係る面発光レーザ5は、GaNを用いた波長λが515nmの面発光レーザである。図12に示すように、第5実施形態に係る面発光レーザ5は、上部反射鏡408に代えて上部反射鏡508(第1反射鏡)を有する。上部反射鏡508は、多層膜反射鏡507と、金属層509aと、金属層509bとを有する。多層膜反射鏡507が透明導電層443の上に設けられ、金属層509a及び509bが多層膜反射鏡507の上に設けられている。金属層509a及び509bは、多層膜反射鏡507の共振器406とは反対側の出射面510に設けられている。
【0081】
下部反射鏡402は、例えば、50周期の高屈折率層及び低屈折率層を含む半導体から構成された多層膜反射鏡である。例えば、高屈折率層はGaN層であり、低屈折率層はAlInN層である。1周期の高屈折率層及び低屈折率層の光学的厚さはλ/2である。
【0082】
多層膜反射鏡507は、多層膜反射鏡207と同様の構成を備える。つまり、多層膜反射鏡507は、低屈折率層及び高屈折率層を有し、低屈折率層及び高屈折率層が交互に積層されている。低屈折率層は第1屈折率を備え、高屈折率層は第1屈折率よりも高い第2屈折率を備える。多層膜反射鏡507は、例えば、8周期の高屈折率層及び低屈折率層を含む誘電体から構成された多層膜反射鏡である。例えば、高屈折率層はTa層であり、低屈折率層はSiO層である。1周期の高屈折率層及び低屈折率層の光学的厚さはλ/2である。例えば、多層膜反射鏡507は、8個のTa層と、8個のSiO層とを含む。
【0083】
図12では、定在波532の腹及び節の位置を模式的に示している。第5実施形態では、共振器406は515nmの波長λで定在波532が生じるような厚さで構成されている。高いゲインを得るために、活性層404は光強度が強い定在波532の腹にある。光吸収を抑制するために、透明導電層443は定在波532の節にある。また、多層膜反射鏡507の出射面510に定在波532の腹がある。例えば、光学的厚さがλ/4の高屈折率層が出射面510を構成する。つまり、光の出射方向において、多層膜反射鏡507が高屈折率層(Ta層)で終端されている。
【0084】
多層膜反射鏡507の出射面510は、第4実施形態と同様に、出射領域413を有し、出射領域413は、第1領域411及び第2領域412を有する。金属層509aは第1領域411に設けられており、活性層404で発生した光の一部を吸収する。金属層509bは第2領域412に設けられており、活性層404で発生した光の一部を吸収する。金属層509aの屈折率は、金属層509bの屈折率よりも低い。例えば、金属層509aはAl層であり、金属層509bはCr層である。金属層509a及び509bの膜厚は、例えば30nmである。金属層509bが平面視で出射領域413の外側にも設けられていてよい。
【0085】
他の構成は第4実施形態と同様である。
【0086】
第5実施形態では、上部反射鏡508の平面視で第1領域411に重なる部分の活性層404側からみた反射率は、上部反射鏡508の平面視で第2領域412に重なる部分の活性層404側からみた反射率よりも高い。例えば、上部反射鏡508の平面視で第1領域411に重なる部分の活性層404側からみた反射率は0.9980になり、上部反射鏡408の平面視で第2領域412に重なる部分の活性層404側からみた反射率は0.9926になる。このため、第4実施形態と同様に、面内横方向のシングルモードの発振閾値より高次モードの発振閾値が高くなり、面発光レーザ5がシングルモード動作する。また、金属層509a及び509bが光の一部を吸収するため、面発光レーザ5の光出力を抑制することができる。例えば、面発光レーザ5の光出力を、アイセーフに好適なサブμW~数十μW程度とすることができる。つまり、第5実施形態によっても、アイセーフ及びシングルモード動作を両立することができる。
【0087】
次に、第5実施形態に係る面発光レーザ5の製造方法について説明する。
【0088】
まず、第4実施形態と同様にして、下部電極441及び上部電極442の形成までの処理を行う。次に、透明導電層443の上に多層膜反射鏡507を形成する。多層膜反射鏡507の形成では、透明導電層443の位置を定在波532の節にするために、まず、位相調整用のTa層を形成し、その後に、λ/4の光学的厚さでSiO層とTa層と交互に8周期積層する。光の出射方向において、多層膜反射鏡507を光学的厚さがλ/4のTa層(高屈折率層)で終端することで、出射面510に定在波532の腹が位置するようになる。
【0089】
次に、横方向の基本モード431の光強度の強い領域、つまり第1領域411に金属層509aを形成する。次に、金属層509aの周囲に金属層509bを形成する。金属層509bの形成では、例えば、金属層509aをフォトマスクにして、基板401の裏面から露光してレジストを形成することで、セルフアラインで金属層509bを形成することができる。
【0090】
このようにして、第5実施形態に係る面発光レーザ5を製造することができる。
【0091】
なお、金属層509aとしてAl層を用い、金属層509bとしてCr層を用い、金属層509bを金属層509aよりも厚くしてもよい。この場合、金属層509aの前に金属層509bを形成し、第1領域411上及び第2領域412上に金属層509aを形成してもよい。金属層509bが厚く形成された場合、多層膜反射鏡507を透過した光は金属層509bにより吸収され、多層膜反射鏡507へ反射されにくい。このため、その上方に金属層509aが形成されても、反射率には影響がないからである。
【0092】
[第4計算例]
次に、第5実施形態に関して行った計算例(第4計算例)について説明する。第4計算例では、第5実施形態の下部反射鏡402、共振器406、多層膜反射鏡507及び金属層509a又は509bから構成された積層体をモデルとして用いた。また、各層は、ベタで形成されていることとした。多層膜反射鏡507は、8周期の誘電体の多層膜反射鏡であり、出射面510が高屈折率層で終端され、定在波532の腹になっている。そして、金属層509a又は509bであるAl層又はCr層の膜厚を変化させた場合の、活性層404からみた上部反射鏡508の反射率及び上部反射鏡508の透過率を計算した。この結果を図13に示す。図13(a)には、金属層(Al層又はCr層)の膜厚と上部反射鏡508の反射率及び透過率との関係を示す。図13(b)には、図13(a)から導き出される、金属層の膜厚と上部反射鏡508の透過比との関係を示す。
【0093】
ここでは、Taの屈折率を2.20、SiOの屈折率を1.45、Crの複素屈折率2.91+3.33i、Alの複素屈折率を0.826+6.28iとして計算した。図13に示すように、金属層の膜厚が増加すると一旦反射率が下がり、その後、反射率は上昇し、ほぼ一定になる。金属の種類によって、屈折率が低下する量や一定値になった時の値が異なる。具体的には、屈折率が低いAlにおいて、Crよりも反射率が高くなる。通常の誘電体又は半導体の多層膜反射鏡では、光学的厚さがλ/4の高屈折率層上に低屈折率層が1層形成されると反射率が下がる。これに対し、Al等の低屈折率の金属の層が形成された場合は、反射率がほとんど下がらず、十分な膜厚で形成されると反射率が高くなる。厚さが30nmのAl層の場合、反射比は1.00019、透過比は0.0374であった。
【0094】
また、Cr層に着目すると、概ね、Cr層の膜厚が10nm~30nmの範囲での反射率は、Cr層の膜厚が1nm以上10nm未満の範囲又は40nm以上の範囲での反射率よりも小さい。従って、金属層509a及び509bとして膜厚が相違するCr層を用いることで、上部反射鏡508の平面視で第1領域411に重なる部分の活性層404側からみた反射率を、上部反射鏡508の平面視で第2領域412に重なる部分の活性層404側からみた反射率よりも高くすることができる。
【0095】
(第5実施形態の変形例)
次に、第5実施形態の変形例について説明する。変形例は、主として、金属層の構成の点で第5実施形態と相違する。図14は、第5実施形態の変形例に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
【0096】
図14に示すように、第5実施形態の変形例に係る面発光レーザ5Aでは、上部反射鏡508が、金属層509aに代えて金属層509cを有し、金属層509bに代えて金属層509dを有する。金属層509c及び509dはいずれもCr層である。金属層409cの膜厚は40nm以上であり、金属層409dの膜厚は10nm~30nm程度である。
【0097】
他の構成は第5実施形態と同様である。
【0098】
第4計算例にて説明したように、第5実施形態の変形例においても、上部反射鏡508の平面視で第1領域411に重なる部分の活性層404側からみた反射率は、上部反射鏡508の平面視で第2領域412に重なる部分の活性層404側からみた反射率よりも高い。従って、第5実施形態と同様に、アイセーフ及びシングルモード動作を両立することができる。
【0099】
なお、金属層509cの膜厚が1nm以上10nm未満であってもよい。また、Cr層ほどの大きな反射率の差は得にくいが、金属層509c及び509dとして膜厚が相違するAl層が用いられてもよい。
【0100】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。第6実施形態は、主として上部反射鏡の構成の点で第4実施形態等と相違する。図15は、第6実施形態に係る面発光レーザを示す断面模式図である。第6実施形態は、第3実施形態の具体例に該当する。
【0101】
第6実施形態に係る面発光レーザ6は、GaNを用いた波長λが445nmの面発光レーザである。図15に示すように、第6実施形態に係る面発光レーザ6は、上部反射鏡408に代えて上部反射鏡608(第1反射鏡)を有する。上部反射鏡608は、多層膜反射鏡607と、金属層609とを有する。多層膜反射鏡607が透明導電層443の上に設けられ、金属層609が多層膜反射鏡607の上に設けられている。金属層609は、多層膜反射鏡607の共振器406とは反対側の出射面610に設けられている。
【0102】
図15では、定在波432の腹及び節の位置を模式的に示している。多層膜反射鏡607の出射面610は、第4実施形態と同様に、出射領域413を有し、出射領域413は、第1領域411及び第2領域412を有する。第6実施形態では、多層膜反射鏡607の出射面610において、第1領域411に定在波432の節があり、第2領域412に定在波432の腹がある。例えば、第1領域411では光学的厚さがλ/4の低屈折率層が出射面610を構成し、第2領域412では光学的厚さがλ/4の高屈折率層が出射面610を構成する。つまり、光の出射方向において、多層膜反射鏡607が、第1領域411では低屈折率層で終端され、第2領域412では高屈折率層で終端されている。例えば、高屈折率層はTa層であり、低屈折率層はSiO層である。1周期の高屈折率層及び低屈折率層の光学的厚さはλ/2である。例えば、多層膜反射鏡607は、第1領域411に重なる部分では、11個の高屈折率層と、10個の低屈折率層とを含み、第2領域412に重なる部分では、11個の高屈折率層と、11個の低屈折率層とを含む。つまり、多層膜反射鏡607は、第1領域411に重なる部分では、10.5周期の高屈折率層及び低屈折率層を含む誘電体から構成され、第2領域412に重なる部分では、11周期の高屈折率層及び低屈折率層を含む誘電体から構成されている。
【0103】
金属層609は第1領域411及び第2領域412に設けられており、活性層404で発生した光の一部を吸収する。例えば、金属層609はCr層であり、金属層609の膜厚は20nmである。金属層609が平面視で出射領域413の外側にも設けられていてよい。
【0104】
他の構成は第4実施形態と同様である。
【0105】
第6実施形態では、上部反射鏡608の平面視で第1領域411に重なる部分の活性層404側からみた反射率は、上部反射鏡608の平面視で第2領域412に重なる部分の活性層404側からみた反射率よりも高い。例えば、上部反射鏡608の平面視で第1領域411に重なる部分の活性層404側からみた反射率は0.9999になり、上部反射鏡608の平面視で第2領域412に重なる部分の活性層404側からみた反射率は0.9994になる。このため、面内横方向のシングルモードの発振閾値より高次モードの発振閾値が高くなり、面発光レーザ6がシングルモード動作する。また、金属層609が光の一部を吸収するため、面発光レーザ6の光出力を抑制することができる。例えば、面発光レーザ6の光出力を、アイセーフに好適なサブμW~数十μW程度とすることができる。つまり、第6実施形態によれば、アイセーフ及びシングルモード動作を両立することができる。
【0106】
次に、第6実施形態に係る面発光レーザ6の製造方法について説明する。
【0107】
まず、第4実施形態と同様にして、下部電極441及び上部電極442の形成までの処理を行う。次に、透明導電層443の上に多層膜反射鏡607を形成する。多層膜反射鏡607の形成では、透明導電層443の位置を定在波432の節にするために、まず、位相調整用のTa層を形成し、その後に、λ/4の光学的厚さでSiO層とTa層と交互に10.5周期積層する。更に、第1領域411となる領域にレジストを形成し、このレジストをマスクとして最表層のSiO層の上に光学的厚さがλ/4のTa層を形成する。このようにして多層膜反射鏡607が形成される。
【0108】
次に、多層膜反射鏡607の上に金属層609を形成する。
【0109】
このようにして、第6実施形態に係る面発光レーザ6を製造することができる。
【0110】
[第5計算例]
次に、第6実施形態に関して行った計算例(第5計算例)について説明する。第5計算例では、第6実施形態の下部反射鏡402、共振器406、多層膜反射鏡607及び金属層609から構成された積層体をモデルとして用いた。また、各層は、ベタで形成されていることとした。多層膜反射鏡607は、第1領域411に重なる部分における周期が10.5周期、第2領域412に重なる部分における周期が11周期の多層膜反射鏡である。そして、金属層609であるCr層の膜厚を変化させた場合の、活性層404からみた上部反射鏡608の反射率を計算した。また、第1領域411に重なる部分における多層膜反射鏡607の周期を10.5周期、第2領域412に重なる部分における周期を10.5周期又は10周期としたモデルについても計算を行った。この結果を図16に示す。
【0111】
Cr層の膜厚が20nmの場合、第2領域412に重なる部分における周期が11周期のモデル(図16中の点A、第6実施形態に対応)だけでなく、10周期のモデル(図16中の点B)においても、10.5周期のモデル(図16中の点C)よりも反射率が低くなった。つまり、第2領域412に重なる部分における高屈折率層の数を、第1領域411に重なる部分よりも1層増やしたモデルだけでなく、1層減らしたモデルにおいても、第2領域412に重なる部分における反射率を下げることができる。
【0112】
(第6実施形態の変形例)
次に、第6実施形態の変形例について説明する。変形例は、主として、多層膜反射鏡の構成の点で第6実施形態と相違する。図17は、第6実施形態の変形例に係る面発光レーザを示す断面模式図である。
【0113】
図17に示すように、第6実施形態の変形例に係る面発光レーザ6Aでは、上部反射鏡608が、多層膜反射鏡607に代えて多層膜反射鏡607Aを有する。多層膜反射鏡607Aの出射面610Aにおいて、第6実施形態と同様に、第1領域411に定在波432の節があり、第2領域412に定在波432の腹がある。例えば、多層膜反射鏡607Aは、第1領域411に重なる部分では、11個の高屈折率層と、10個の低屈折率層とを含み、第2領域412に重なる部分では、10個の高屈折率層と、10個の低屈折率層とを含む。つまり、多層膜反射鏡607は、第1領域411に重なる部分では、10.5周期の高屈折率層及び低屈折率層を含む誘電体から構成され、第2領域412に重なる部分では、10周期の高屈折率層及び低屈折率層を含む誘電体から構成されている。
【0114】
他の構成は第6実施形態と同様である。
【0115】
第5計算例にて説明したように、第6実施形態の変形例においても、上部反射鏡608の平面視で第1領域411に重なる部分の活性層404側からみた反射率は、上部反射鏡608の平面視で第2領域412に重なる部分の活性層404側からみた反射率よりも高い。従って、第6実施形態と同様に、アイセーフ及びシングルモード動作を両立することができる。
【0116】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。第7実施形態は面発光レーザに関する。図18は、第7実施形態に係る面発光レーザを示す断面模式図である。第7実施形態は、第1実施形態の他の具体例に該当する。
【0117】
第7実施形態に係る面発光レーザ7は、GaAsを用いた波長λが650nmの面発光レーザである。図18に示すように、面発光レーザ7は、基板701と、下部反射鏡702(第2反射鏡)と、下部スペーサ層703と、活性層704と、上部スペーサ層705と、上部反射鏡708(第1反射鏡)とを有する。上部反射鏡708は、多層膜反射鏡707と、金属層709とを有する。面発光レーザ7は、更に、電流狭窄層723と、下部電極741と、上部電極742と、コンタクト層743と、エッチングストップ層744とを有する。下部反射鏡702が基板701の上に設けられ、下部スペーサ層703が下部反射鏡702の上に設けられ、活性層704が下部スペーサ層703の上に設けられている。上部スペーサ層705が活性層704の上に設けられ、多層膜反射鏡707が上部スペーサ層705の上に設けられ、エッチングストップ層744が多層膜反射鏡707の上に設けられている。下部スペーサ層703、活性層704及び上部スペーサ層705から共振器706が構成される。金属層709は、多層膜反射鏡707の共振器706とは反対側の出射面710にエッチングストップ層744を介して設けられている。
【0118】
基板701は、例えばGaAs基板である。
【0119】
下部反射鏡702は、例えば、55.5周期の高屈折率層及び低屈折率層を含む半導体から構成された多層膜反射鏡である。例えば、高屈折率層はAl0.50Ga0.50As層であり、低屈折率層はAl0.95Ga0.05As層である。1周期の高屈折率層及び低屈折率層の光学的厚さはλ/2である。
【0120】
多層膜反射鏡707は、多層膜反射鏡107と同様の構成を備える。つまり、多層膜反射鏡707は、低屈折率層及び高屈折率層を有し、低屈折率層及び高屈折率層が交互に積層されている。低屈折率層は第1屈折率を備え、高屈折率層は第1屈折率よりも高い第2屈折率を備える。多層膜反射鏡707は、例えば、34.5周期の高屈折率層及び低屈折率層を含む半導体から構成された多層膜反射鏡である。例えば、高屈折率層はAl0.50Ga0.50As層であり、低屈折率層はAl0.95Ga0.05As層である。1周期の高屈折率層及び低屈折率層の光学的厚さはλ/2である。例えば、多層膜反射鏡707は、34個のAl0.50Ga0.50As層と、35個のAl0.95Ga0.05As層とを含む。
【0121】
活性層704は複数のGaInP層及びAlGaInP層を含む多重量子井戸構造を有する。下部スペーサ層703はn型AlGaInP層であり、上部スペーサ層705はp型AlGaInP層である。エッチングストップ層744はp型GaInP層であり、コンタクト層743はp型GaAs層である。コンタクト層743、エッチングストップ層744、多層膜反射鏡707、上部スペーサ層705と、活性層704と、下部スペーサ層703の一部とがエッチングされてメサ構造が形成されている。エッチングストップ層744の膜厚は10nm程度であり、これは0.05λ程度の光学的厚さに相当する。
【0122】
電流狭窄層723は、導電領域721と、絶縁領域722とを含む。導電領域721は絶縁領域722により囲まれている。例えば、電流狭窄層723は、多層膜反射鏡707の活性層704側から3周期目の低屈折率層をAlAs層とし、このAlAs層を水蒸気酸化することで形成されている。つまり、例えば、導電領域721はAlAs層(低屈折率層)であり、絶縁領域722はAl層である。電流狭窄層723により、活性層704中で電流が流れる領域が限定される。活性層704にキャリアが注入されると、共振器706で規定される波長λ(650nm)で基板701の基板面(主面)に対して垂直方向に光の定在波732が発生する。第7実施形態では、平面視で活性層704の導電領域721と重なる領域の中心を出射中心720として、光が多層膜反射鏡707側に出射される。
【0123】
図18では、定在波732の腹及び節の位置を模式的に示している。第7実施形態では、共振器706は650nmの波長λで定在波732が生じるような厚さで構成されている。高いゲインを得るために、活性層704は光強度が強い定在波732の腹にある。また、多層膜反射鏡707の出射面710に定在波732の節がある。例えば、光学的厚さがλ/4の低屈折率層が出射面710を構成する。つまり、光の出射方向において、多層膜反射鏡707が低屈折率層(Al0.95Ga0.05As層)で終端されている。
【0124】
多層膜反射鏡707の出射面710は、活性層704で発生した光が出射される出射領域713を有する。また、出射領域713は、平面視で出射中心720を含む第1領域711と、第1領域711の周囲に位置する第2領域712とを有する。第2領域712は、例えば第1領域711を包囲する。例えば、第1領域711は円形状の領域であり、第2領域712は円環状の領域である。第1領域711は、出射中心720を含む横方向の基本モード731の光強度が高い領域である。
【0125】
金属層709はエッチングストップ層744を介して第1領域711に設けられており、活性層704で発生した光の一部を吸収する。金属層709は、例えばCr層である。金属層709の膜厚は、例えば40nmである。
【0126】
下部電極741は、基板701に直接接するAuGe合金層と、このAuGe合金層の下のNi層と、このNi層の下のAu層とを有する。上部電極742は、コンタクト層743の上に形成されたAuZn合金層と、このAuZn合金層の上のAu層とを有する。下部電極741と上部電極742との間に電圧が印加されると、活性層704に電流が流れる。
【0127】
第7実施形態では、上部反射鏡708の平面視で第1領域711に重なる部分の活性層704側からみた反射率は、上部反射鏡708の平面視で第2領域712に重なる部分の活性層704側からみた反射率よりも高い。例えば、上部反射鏡708の平面視で第1領域711に重なる部分の活性層704側からみた反射率は0.9929になり、上部反射鏡708の平面視で第2領域712に重なる部分の活性層704側からみた反射率は0.9837になる。このため、面内横方向のシングルモードの発振閾値より高次モードの発振閾値が高くなり、面発光レーザ7がシングルモード動作する。また、金属層709が光の一部を吸収するため、面発光レーザ7の光出力を抑制することができる。例えば、面発光レーザ7の光出力を、アイセーフに好適なサブμW~数十μW程度とすることができる。つまり、第7実施形態によれば、アイセーフ及びシングルモード動作を両立することができる。
【0128】
次に、第7実施形態に係る面発光レーザ7の製造方法について説明する。
【0129】
まず、MOCVD装置を用いて基板701上に下部反射鏡702、下部スペーサ層703、活性層704、上部スペーサ層705、上部反射鏡708、エッチングストップ層744及びコンタクト層743を形成する。
【0130】
次に、フォトリソグラフィー及びドライエッチングを用いて、厚さ方向で下部スペーサ層703の一部が残存するように、コンタクト層743、エッチングストップ層744、上部反射鏡708、上部スペーサ層705と、活性層704と、下部スペーサ層703の一部とにメサ構造を形成する。
【0131】
次に、水蒸気酸化により、上部反射鏡708内のAlAs層を選択的に酸化し、電流狭窄層723を形成する。
【0132】
次に、ウェハ全体を絶縁膜(図示せず)でパッシベーションし、メサ構造の上部の絶縁膜を除去する。その後、エッチングストップ層744が露出するまでコンタクト層743をエッチングし、コンタクト層743に開口部を形成する。次に、開口部内で、横方向の基本モード731の光強度の強い領域、つまり第1領域711に金属層709をエッチングストップ層744の上に形成する。また、基板701の裏面に下部電極741を形成し、コンタクト層743の上に上部電極742を形成する。
【0133】
このようにして、第7実施形態に係る面発光レーザ7を製造することができる。
【0134】
なお、金属層709をオーミック接触が得られる他の金属から構成し、第2領域712に反射率が高くなりすぎてない程度の膜厚で金属層を形成してもよい。この場合、金属層709と、第2領域712に形成する金属層と上部電極の機能を持たせることができる。この構造によれば、従来の出射領域の外側に上部電極を形成した構造と比べて、金属層によって出射領域に均一に電流が注入されやすくなり、横方向をシングルモード動作させやすくなる。
【0135】
[第6計算例]
次に、第7実施形態に関して行った計算例(第6計算例)について説明する。第6計算例では、第7実施形態の下部反射鏡702、共振器706、多層膜反射鏡707及び金属層709から構成された積層体をモデルとして用いた。また、各層は、ベタで形成されていることとした。多層膜反射鏡707は、34.5周期の誘電体の多層膜反射鏡であり、出射面710が低屈折率層で終端され、定在波732の節になっている。そして、金属層709であるCr層の膜厚を変化させた場合の、活性層704からみた上部反射鏡708の反射率及び上部反射鏡708の透過率を計算した。この結果を図19に示す。図19(a)には、Cr層の膜厚と上部反射鏡708の反射率及び透過率との関係を示す。図19(b)には、図19(a)から導き出される、Cr層の膜厚と上部反射鏡708の透過比との関係を示す。
【0136】
ここでは、Al0.50Ga0.50Asの屈折率膜を3.32、Al0.95Ga0.05Asの屈折率を3.05、GaInPの屈折率を3.35、Crの複素屈折率を3.1+3.33iとして計算した。図19に示すように、Cr層の膜厚が0nmから1~2nmまでの範囲では、Cr層の膜厚が増加するにつれて若干反射率が低下するが、Cr層の膜厚がそれ以上の範囲では、Cr層が厚くなるにつれて反射率が増加する。このように、膜厚が2nm以上のCr層が形成されることで反射率を高くし、Cr層による吸収によって光出力を弱めることができる。Cr層の膜厚が40nmの場合、反射比は1.00931、透過比は0.0303であった。
【0137】
反射比は、多層膜反射鏡のペア数や第1層の屈折率、反射率、厚さ等によって変化し、反射比が1未満になる第1層の厚さが存在する場合がある(図7、8、13、16、19等)。このような場合にも、反射比が1以上となるよう第1層の厚さを調整することが好ましい。また、第1層が設けられた第1領域の周囲に反射率の小さい第2領域を設ける場合には、反射率比が1以上となるような第1層の厚さにすることで、第1領域と第2領域との反射率差をより大きくすることができる。
【0138】
透過比は、第1層の厚さを厚くするほど小さくなる。本開示では、第1層として10nm~20nm程度の厚さのCr層や20nm~30nm程度の厚さのAlを形成することで透過比を0.1以下にでき、より低出力の発光素子を実現することができる。
【0139】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態に係る投影装置を、図20を参照して説明する。図20は、本実施形態に係る投影装置1000の構成の一例を説明する図である。投影装置1000は、レーザ光を走査して画像を描画することができる。
【0140】
図20に示すように、投影装置1000は、光源1001と、光走査部1002とを備えている。光源1001は、第1~第7実施形態又はこれらの変形例のいずれかに係る面発光レーザを、1又は2以上備えている。
【0141】
光源1001に含まれる面発光レーザが1つの場合には、投影装置1000は単色の画像を対象物1003に投影する。光源1001に含まれる面発光レーザが2以上の場合には、投影装置1000は、各面発光レーザの光軸を同軸上に揃えて出射面から出射し、面発光レーザ毎に発振波長を変えることで、複数の色の画像を対象物1003に投影できる。
【0142】
光走査部1002は光源1001から出射されたレーザ光を走査し対象物1003へ投影するための素子を含む。このような素子として、2軸方向に可動するMEMS(micro electro mechanical systems)ミラーや1軸方向に可動するMEMSミラーを2個組み合わせた素子等を用いることができる。光走査部1002は、光源1001から出射されたレーザ光の進行方向を調整する光学素子の一例である。
【0143】
画像の生成の際には、光走査部1002の走査に合わせて、レーザ光の強度を変調して対象物1003上にレーザ光を照射する。このようにして、対象物1003上に直接画像を生成することができる。
【0144】
(第9実施形態)
次に、第9実施形態に係るヘッドマウントディスプレイを、図21及び図22を参照して説明する。図21は、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ60の構成の一例を説明する斜視図である。また図22はヘッドマウントディスプレイ60の構成の一例を説明する断面図である。
【0145】
ヘッドマウントディスプレイ60は、人間の頭部に装着可能な頭部装着型の表示装置の一例であり、例えば眼鏡に類する形状とすることができる。なお、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mount Display)を以降ではHMDと省略して表記する。
【0146】
図21において、HMD60は、左右に1組ずつ略対称に設けられたフロント60a及びテンプル60bにより構成されている。フロント60aは、例えば、導光板61により構成することができ、光学系や制御装置等は、テンプル60bに内蔵することができる。
【0147】
図22は、HMD60の構成を部分的に示している。なお、図22では、左眼用の構成を例示しているが、HMD60は右眼用としても同様の構成を備えている。
【0148】
HMD60は、制御装置11と、光源ユニット930と、光量調整部907と、反射面14を有する可動装置13と、導光板61と、ハーフミラー62とを備えている。HMD60は表示装置の一例である。
【0149】
光源ユニット930は、赤色レーザ光源、緑色レーザ光源及び青色レーザ光源と、複数のコリメートレンズと、複数のダイクロイックミラーとを、光学ハウジングによってユニット化したものである。光源ユニット930において、赤色レーザ光源、緑色レーザ光源及び青色レーザ光源からの三色のレーザ光は、合成部となるダイクロイックミラーで合成される。光源ユニット930からは、合成された平行光が発せられる。光源ユニット930は光源装置の一例である。
【0150】
赤色レーザ光源は、第1~第7実施形態又はこれらの変形例のいずれかに係る面発光レーザを1又は2以上備え、赤色のレーザ光を照射する。緑色レーザ光源は、第1~第7実施形態又はこれらの変形例のいずれかに係る面発光レーザを1又は2以上備え、緑色のレーザ光を照射する。青色レーザ光源は、第1~第7実施形態又はこれらの変形例のいずれかに係る面発光レーザを1又は2以上備え、青色のレーザ光を照射する。なお、第4~第7実施形態又はこれらの変形例のいずれかでは、発振波長が特定されているが、半導体層の材料及び光学的厚さを選択することで発振波長を変更することができる。
【0151】
光源ユニット930からの光は、光量調整部907により光量調整された後、可動装置13に入射する。可動装置13は、制御装置11からの信号に基づき、反射面14をXY方向に可動し、光源ユニット930からの光を二次元走査する。可動装置13の駆動制御は、赤色レーザ光源、緑色レーザ光源及び青色レーザ光源の発光タイミングに同期して行われる。
【0152】
可動装置13による走査光は、導光板61に入射する。導光板61は、走査光を内壁面で反射させながらハーフミラー62に導光する。導光板61は、走査光の波長に対して透過性を有する樹脂等により形成されている。
【0153】
ハーフミラー62は、導光板61からの光をHMD60の背面側に反射し、HMD60の装着者63の眼の方向に出射する。ハーフミラー62は、例えば、自由曲面形状を有している。走査光による画像は、ハーフミラー62での反射により、装着者63の網膜に結像する。或いは、ハーフミラー62での反射と眼球における水晶体のレンズ効果とにより、装着者63の網膜に結像する。またハーフミラー62での反射により、画像は空間歪が補正される。装着者63は、XY方向に走査される光で形成される画像を視認することができる。
【0154】
ハーフミラー62が用いられているため、装着者63には、外界からの光による像と走査光による画像が重畳して視認される。ハーフミラー62に代えてミラーを設けることで、外界からの光をなくし、走査光による画像のみを視認できる構成にしてもよい。
【0155】
本実施形態では、光源に端面発光型レーザを用いた場合と比べて、NDフィルター等の部品点数が減り消費電力も少ない小型で軽量なHMDが実現できる。
【0156】
(第10実施形態)
次に、第10実施形態に係る人の瞳孔応答を利用したバイオメトリック認証装置を、図23を参照して説明する。図23は、本実施形態に係るバイオメトリック認証装置の構成の一例を説明する図である。バイオメトリック認証装置20は、光源21と、光走査部22と、第1の光学素子23と、第2の光学素子24と、撮像素子25と、制御装置27とを備える。光源21は、第1~第7実施形態又はこれらの変形例のいずれかに係る面発光レーザを1又は2以上備え、光源21から出射された光は、光走査部22に入射する。光走査部22は、制御装置27からの信号に基づき、反射面を可動し、光源21からの光を走査する。光走査部22による走査光は、第1の光学素子23と第2の光学素子24を経て瞳26へ照射される。瞳26へ照射した光の強度で瞳孔の大きさを制御して、虹彩情報を撮像素子25で取得する。そして、制御装置27が撮像素子25の出力に基づき、人(生体)の瞳26の情報を取得する。バイオメトリック認証装置20は生体情報取得装置の一例であり、光源21は光源装置の一例であり、撮像素子25は受光装置の一例であり、制御装置27は情報取得部の一例である。
【0157】
例えば、第1の光学素子23は光走査部22で走査された光を第2の光学素子24へ導波させる導波路であり、第2の光学素子24は、第1の光学素子23から出射された光を瞳26へ経路を変えるためのミラーである。本実施形態では二つの光学素子に分けて記載したが、走査された光を瞳26へ出射する光学素子であれば他の手法を用いることもできる。
【0158】
光源21は複数の素子を備えることができ、例えば、赤、青、緑、赤外の4波長のレーザが同軸上に出射されるように実装されたモジュールである。青や緑の波長は、瞳孔反応が他の波長より敏感であるため、瞳孔より狭めて精細な虹彩情報を得ることができる。また、多波長を用いることで、虹彩の波長ごとの生体情報が得られ認証精度がより高くなる。
【0159】
第1~第7実施形態又はこれらの変形例のいずれかに係る面発光レーザを用いることで、光出力を弱くするためのフィルターが不要でアイセーフかつ高精度なバイオメトリック認証装置20が実現できる。
【0160】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0161】
1、2、3、4、4A、4B、4C、5、5A、6、6A、7 面発光レーザ
101、401、701 基板
102、402、702 下部反射鏡
103、403、703 下部スペーサ層
104、404、704 活性層
105、405、705 上部スペーサ層
106、406、706 共振器
107、207、307、407、407B、407C、507、607、607a、707 多層膜反射鏡
108、208、308、408、508、608、708 上部反射鏡
109、209a、209b、309、409、409b、409c、409d、509、509a、509b、509c、509d、609、709 金属層
110、210、310、410、410B、410C、510、610、610A、710 出射面
111、411、711 第1領域
112、412、712 第2領域
113、413、713 出射領域
120、420、720 出射中心
【先行技術文献】
【特許文献】
【0162】
【特許文献1】特開2019-153779号公報
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