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特開2023-138262ニップ形成ユニットおよび画像形成装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138262
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】ニップ形成ユニットおよび画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
G03G15/20 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152687
(22)【出願日】2022-09-26
(31)【優先権主張番号】P 2022043345
(32)【優先日】2022-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】塩寺 広太
(72)【発明者】
【氏名】安藤 貴之
(72)【発明者】
【氏名】醒井 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】加幡 利幸
(72)【発明者】
【氏名】吉永 洋
【テーマコード(参考)】
2H033
【Fターム(参考)】
2H033AA42
2H033BA26
2H033BB33
2H033BB34
2H033BB39
2H033BE00
2H033BE03
(57)【要約】
【課題】潤滑剤がベルト支持部材に移動するのを抑制することで微粒子の発生を抑制する。
【解決手段】回転可能な無端ベルト(定着ベルト21)と、無端ベルトの内周面を加熱する加熱源(ハロゲンヒータ23)と、無端ベルトの軸線方向両端部内周面を摺動可能に支持するベルト支持部材(フランジ部材40)と、無端ベルトの内周面に接触可能なニップ形成部材24と、無端ベルトを介してニップ形成部材と圧接してニップを形成する加圧部材(加圧ローラ22)とを備え、被搬送体がニップを通過して搬送されることを特徴とするニップ形成ユニットにおいて、ニップ形成部材の長手方向両端部とベルト支持部材の間に、ニップ形成部材の長手方向で2mm以上の隙間Cを形成したことを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な無端ベルトと、前記無端ベルトの内周面を加熱する加熱源と、前記無端ベルトの軸線方向両端部内周面を摺動可能に支持するベルト支持部材と、前記無端ベルトの内周面に接触可能なニップ形成部材と、前記無端ベルトを介して前記ニップ形成部材と圧接してニップを形成する加圧部材とを備え、被搬送体が前記ニップを通過して搬送されることを特徴とするニップ形成ユニットにおいて、
前記ニップ形成部材の長手方向両端部と前記ベルト支持部材の間に、前記ニップ形成部材の長手方向で2mm以上の隙間を形成したことを特徴とするニップ形成ユニット。
【請求項2】
前記隙間に流動低減部材を配設したことを特徴とする請求項1のニップ形成ユニット。
【請求項3】
前記隙間に潤滑剤吸収部材を配設したことを特徴とする請求項1のニップ形成ユニット。
【請求項4】
前記ニップ形成部材と前記無端ベルトとの間に、潤滑剤を含浸させた摺動シートを配設したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項のニップ形成ユニット。
【請求項5】
前記ニップ形成部材と前記無端ベルトとの間に、潤滑剤を収容する収容スペースを形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項のニップ形成ユニット。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項のニップ形成ユニットを有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端ベルトが内側から加熱されるニップ形成ユニットと、当該ニップ形成ユニットを使用した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置においては、回転可能な無端ベルトを使用したベルト方式やサーフ方式の定着装置が知られている(例えば特許文献1:特開2014-178405号公報)。無端ベルトはハロゲンヒータなどの加熱源によって内側から加熱される。無端ベルトの軸線方向両端部の内周面は、ベルト支持部材(フランジ部材)によって摺動可能に支持される。
【0003】
無端ベルトの内側のニップ形成部材が、ベルトを挟んで外側にある加圧部材と圧接してニップを形成する。このニップを用紙などの被搬送体が通過する。無端ベルトとニップ形成部材との間には、摩擦抵抗を低減して異音発生を抑制するため潤滑剤を介在させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
支持部材(フランジ部材)が加熱源の熱で高温になり、それによって潤滑剤が加熱されることで当該潤滑剤から揮発性物質である微粒子や超微粒子が発生して外部に漏れ出すことがある。
【0005】
近年、環境保護の観点から揮発性有機化合物だけでなく微粒子や超微粒子の発生も抑制することが求められている。特に超微粒子は直径1μm以下の微粒子であって、ドイツのブルーエンジェル等の環境規格で排出上限値が規制されている。
【0006】
そこで本発明の目的は、潤滑剤がベルト支持部材に流動するのを抑制することで超微粒子の発生を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明のニップ形成ユニットは、回転可能な無端ベルトと、前記無端ベルトの内周面を加熱する加熱源と、前記無端ベルトの軸線方向両端部内周面を摺動可能に支持するベルト支持部材と、前記無端ベルトの内周面に接触可能なニップ形成部材と、前記無端ベルトを介して前記ニップ形成部材と圧接してニップを形成する加圧部材とを備え、被搬送体が前記ニップを通過して搬送されることを特徴とするニップ形成ユニットにおいて、前記ニップ形成部材の長手方向両端部と前記ベルト支持部材の間に、前記ニップ形成部材の長手方向で2mm以上の隙間を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ニップ形成部材の長手方向両端部とベルト支持部材の間の隙間によって、ベルト支持部材に潤滑剤が流動するのを抑制することができ、超微粒子の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図2A】定着装置の遮蔽部材を遮光位置に移動させた状態の断面図である。
図2B】定着装置の遮蔽部材を退避位置に移動させた状態の断面図である。
図3】定着装置の斜視図である。
図4】(a)は本発明に係るニップ形成ユニットの模式図、(b)は従来のニップ形成ユニットの模式図である。
図5A】定着装置の駆動時間とフランジ部材の内外周面温度の相関グラフである。
図5B】定着装置の駆動時間と微粒子の発生速度の相関グラフである。
図5C】ホットプレートの温度と微粒子濃度の相関グラフである。
図6A】第1実施形態に係るニップ形成ユニットの模式図である。
図6B】第2実施形態に係るニップ形成ユニットの模式図である。
図6C】第3実施形態に係るニップ形成ユニットの模式図である。
図6D】第4実施形態に係るニップ形成ユニットの模式図である。
図7】本発明を適用可能な他の定着装置の構成を示す断面図である。
図8図7に示される定着装置の分解斜視図である。
図9】本発明を適用可能なさらに別の定着装置の構成を示す断面図である。
図10図9に示される定着装置の分解斜視図である。
図11】本発明を適用可能なさらに別の定着装置の構成を示す断面図である。
図12図11に示される定着装置の分解斜視図である。
図13】本発明を適用可能なさらに別の定着装置の構成を示す断面図である。
図14図13に示される定着装置を定着ベルトの長手方向に沿って切断した断面図である。
図15】本発明を適用可能なさらに別の定着装置の構成を示す断面図である。
図16図15に示される定着装置の分解斜視図である。
図17】本発明を適用可能なさらに別の定着装置の構成を示す断面図である。
図18図17に示される加圧ローラの保持構造を示す断面図である。
図19】本発明を適用可能なさらに別の定着装置の構成を示す断面図である。
図20図19に示される定着装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0011】
(●画像形成装置)
本発明の実施形態に係る定着装置を使用した画像形成装置の概略構成及び動作を図1を参照して説明し、その後で前記定着装置の詳細について説明することとする。
【0012】
図1に示す画像形成装置1は、カラーレーザープリンタである。装置本体の中央には、4つの作像部4Y、4M、4C、4Kが設けられている。各作像部4Y、4M、4C、4Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
【0013】
具体的には、各作像部4Y、4M、4C、4Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体5と、感光体5の表面を帯電させる帯電装置6と、感光体5の表面にトナーを供給する現像装置7と、感光体5の表面をクリーニングするクリーニング装置8などを備える。図1では、ブラックの作像部4Kが備える感光体5、帯電装置6、現像装置7、クリーニング装置8のみに符号を付し、その他の作像部4Y、4M、4Cにおいては符号を省略している。
【0014】
各作像部4Y、4M、4C、4Kの下方には、感光体5の表面を露光する露光装置9が配設されている。露光装置9は、光源、ポリゴンミラー、f-θレンズ、反射ミラー等を有
し、画像データに基づいて各感光体5の表面へレーザー光を照射するようになっている。
【0015】
各作像部4Y、4M、4C、4Kの上方には、転写装置3が配設されている。転写装置3は、中間転写体としての中間転写ベルト30と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ31を備える。
【0016】
転写装置3はまた、二次転写手段としての二次転写ローラ36と、二次転写バックアップローラ32を備える。転写装置3はまた、クリーニングバックアップローラ33と、テンションローラ34、ベルトクリーニング装置35を備える。
【0017】
中間転写ベルト30は、無端状のベルトであり、二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33及びテンションローラ34によって張架されている。ここでは、二次転写バックアップローラ32が回転駆動することによって、中間転写ベルト30は図1の矢印で示す方向に周回走行(回転)するようになっている。
【0018】
4つの一次転写ローラ31は、それぞれ、各感光体5との間で中間転写ベルト30を挟み込んで一次転写ニップを形成している。各一次転写ローラ31には、図示しない電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が各一次転写ローラ31に印加されるようになっている。
【0019】
二次転写ローラ36は、二次転写バックアップローラ32との間で中間転写ベルト30を挟み込んで二次転写ニップを形成している。二次転写ローラ36にも、上記一次転写ローラ31と同様に図示しない電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ36に印加されるようになっている。
【0020】
ベルトクリーニング装置35は、中間転写ベルト30に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードを有する。このベルトクリーニング装置35から伸びた図示しない廃トナー移送ホースは、図示しない廃トナー収容器の入り口部に接続されている。
【0021】
プリンタ本体の上部には、ボトル収容部2が設けられており、ボトル収容部2には、補給用のトナーを収容する4つのトナーボトル2Y、2M、2C、2Kが着脱可能に装着されている。各トナーボトル2Y、2M、2C、2Kと上記各現像装置7との間には、図示しない補給路が設けてあり、この補給路を介して各トナーボトル2Y、2M、2C、2Kから各現像装置7へトナーが補給されるようになっている。
【0022】
一方、プリンタ本体の下部には、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙トレイ10や、給紙トレイ10から用紙Pを搬出する給紙ローラ11等が設けてある。なお、記録媒体には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート等が含まれる。また、図示しないが、手差し給紙機構が設けてあってもよい。
【0023】
プリンタ本体内には、用紙Pを給紙トレイ10から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向上流側には、搬送タイミングを計って用紙Pを二次転写ニップへ搬送するタイミングローラとしての一対のタイミングローラ対12が配設されている。
【0024】
二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pに転写された未定着画像を定着するための定着装置20が配設されている。さらに、定着装置20よりも搬送路Rの用紙搬送方向下流側には、用紙を装置外へ排出するための一対の排紙ローラ13が設けられている。プリンタ本体の上面部には、装置外に排出された用紙をストックするための排紙トレイ14が設けてある。
【0025】
続いて、図1を参照して、本実施形態に係るプリンタの基本的動作について説明する。作像動作が開始されると、各作像部4Y、4M、4C、4Kにおける各感光体5が図示しない駆動装置によって図の時計回りに回転駆動され、各感光体5の表面が帯電装置6によって所定の極性に一様に帯電される。
【0026】
帯電された各感光体5の表面には、露光装置9からレーザー光がそれぞれ照射されて、各感光体5の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体5に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体5上に形成された静電潜像に、各現像装置7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
【0027】
作像動作が開始されると、二次転写バックアップローラ32が図の反時計回りに回転駆動し、中間転写ベルト30を図の矢印で示す方向に周回走行させる。各一次転写ローラ31に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ31と各感光体5との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。
【0028】
その後、各感光体5の回転に伴い、感光体5上の各色のトナー画像が一次転写ニップに達したときに、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、各感光体5上のトナー画像が中間転写ベルト30上に順次重ね合わせて転写される。かくして、中間転写ベルト30の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。
【0029】
中間転写ベルト30に転写しきれなかった各感光体5上のトナーは、クリーニング装置8によって除去される。そして、各感光体5の表面が図示しない除電装置によって除電され、表面電位が初期化される。
【0030】
プリンタの下部では、給紙ローラ11が回転駆動を開始し、給紙トレイ10から用紙Pが搬送路Rに送り出される。搬送路Rに送り出された用紙Pは、タイミングローラ対12によって搬送が一旦停止される。
【0031】
その後、所定のタイミングでタイミングローラ対12の回転駆動を開始し、中間転写ベルト30上のトナー画像が二次転写ニップに達するタイミングに合わせて、用紙Pを二次転写ニップへ搬送する。このとき、二次転写ローラ36には、中間転写ベルト30上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。
【0032】
そして、この転写電界によって、中間転写ベルト30上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。このとき用紙Pに転写しきれなかった中間転写ベルト30上の残留トナーは、ベルトクリーニング装置35によって除去され、除去されたトナーは図示しない廃トナー収容器へと搬送され回収される。
【0033】
その後、用紙Pは定着装置20へと搬送され、定着装置20によって用紙P上のトナー画像が当該用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ13によって装置外へ排出され、排紙トレイ14上にストックされる。
【0034】
以上の説明は、用紙上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの作像部4Y、4M、4C、4Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
【0035】
(●定着装置)
図2A図2Bは、ニップ形成ユニットの一例である本実施形態の定着装置20の断面図である。定着装置20は、定着ベルト21と、定着ベルト21の外周面に当接する対向部材としての加圧ローラ22を有する。
【0036】
定着装置20はまた、定着ベルト21を加熱する加熱源としてのハロゲンヒータ23と、定着ベルト21の内周側から加圧ローラ22に当接してニップNを形成するニップ形成部材24を有する。また定着装置20は、ニップ形成部材24を支持するステー25と、ハロゲンヒータ23からの輻射熱を定着ベルト21へ反射する反射部材26を有する。また定着装置20は、ハロゲンヒータ23からの輻射熱を遮蔽する遮蔽部材27と、定着ベルト21の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ28等を備える。
【0037】
上記定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状のベルト部材(フィルムも含む)で構成されている。詳しくは、定着ベルト21は、ニッケルもしくはSUS等の金属材料又はポリイミド(PI)などの樹脂材料で形成された内周側の基材を備える。
【0038】
また、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などで形成された外周側の離型層を備える。また、基材と離型層との間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等のゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。
【0039】
また、弾性層が無い場合は、熱容量が小さくなり定着性が向上するが、未定着トナーを押しつぶして定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部に光沢ムラが生じる可能性がある。これを防止するには、厚さ80μm以上の弾性層を設けることが望ましい。厚さ80μm以上の弾性層を設けることで、弾性層の弾性変形により微小な凹凸を吸収することができるので、光沢ムラの発生を回避することができるようになる。
【0040】
本実施形態では、定着ベルト21の低熱容量化を図るために、定着ベルト21を薄くかつ小径化している。具体的には、定着ベルト21を構成する基材、弾性層、離型層のそれぞれの厚さを、20~50μm、80~300μm、3~50μmの範囲に設定し、全体としての厚さを1mm以下に設定している。
【0041】
また、定着ベルト21の直径は、20~40mmに設定している。さらに低熱容量化を図るためには、望ましくは、定着ベルト21全体の厚さを0.2mm以下にするのがよく、さらに望ましくは、0.16mm以下の厚さとするのがよい。また、定着ベルト21の直径は、30mm以下とするのが望ましい。
【0042】
上記加圧ローラ22は、芯金22aと、芯金22aの表面に設けられた発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等から成る弾性層22bと、弾性層22bの表面に設けられたPFA又はPTFE等から成る離型層22cによって構成されている。加圧ローラ22は、スプリングなどの図示しない加圧手段によって定着ベルト21側へ加圧され、定着ベルト21を介してニップ形成部材24に当接している。この加圧ローラ22と定着ベルト21とが圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層22bが押しつぶされることで、所定の幅のニップNが形成されている。
【0043】
加圧ローラ22は、プリンタ本体に設けられた図示しないモータ等の駆動源によって回転駆動するように構成されている。加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力がニップNで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転するようになっている。定着ベルト21は、ニップN以外では、図3で後述するようにその両端部にベルト支持部材としてのフランジ部材40が挿入されており、定着ベルト21はこのフランジ部材40によって保持されて回転するようになっている。
【0044】
本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。その場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータ等の加熱源を配設してもよい。
【0045】
また、弾性層22bはソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ22の内部に加熱源が無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト21の熱が奪われにくくなるのでより望ましい。
【0046】
上記ハロゲンヒータ23は、定着ベルト21の内周側で、かつ、ニップNの用紙搬送方向の上流側に配設されている。詳しくは、図2Aにおいて、ニップNの用紙搬送方向の中央Qと、加圧ローラ22の回転中心Oを通る仮想直線をLとすると、ハロゲンヒータ23はこの仮想直線Lよりも用紙搬送方向の上流側(図2Aの下側)に配設されている。
【0047】
ハロゲンヒータ23は、プリンタ本体に設けられた電源部により出力制御されて発熱するように構成されている。電源部の出力制御は、上記温度センサ28による定着ベルト21の表面温度の検知結果に基づいて行われる。
【0048】
このようなハロゲンヒータ23の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。なお、定着ベルト21の温度を検知する温度センサの代わりに、加圧ローラ22の温度を検知する温度センサ(図示省略)を設け、その温度センサで検知した温度により、定着ベルト21の温度を予測するようにしてもよい。
【0049】
本実施形態では、ハロゲンヒータ23は2本設けられているが、プリンタで使用する用紙のサイズ等に応じて、ハロゲンヒータ23の本数を1本又は3本以上としてもよい。ただし、ハロゲンヒータ23自体のコストや、定着ベルト21の内周のスペース等を考慮すると、ハロゲンヒータ23は2本以下とすることが望ましい。定着ベルト21を加熱する加熱源は輻射熱により加熱を行うものであり、ハロゲンヒータ以外に、抵抗発熱体、又はカーボンヒータ等を用いることも可能である。
【0050】
上記ニップ形成部材24は、ベースパッド24aと、ベースパッド24aの定着ベルト21と対向する面に設けられた低摩擦性の摺動シート24bとを有する。ベースパッド24aは、定着ベルト21の軸方向又は加圧ローラ22の軸方向に渡って長手状に配設されている。
【0051】
摺動シート24bは、必ず必要なものではない。ベースパッド24a自体の表面特性で定着ベルト21との良好な摺動性が得られれば、摺動シート24bを省略することも可能である。
【0052】
ベースパッド24aが加圧ローラ22の加圧力を受けることで、ニップNの形状が決まる。本実施形態では、ニップNの形状が平坦状であるが、凹形状やその他の形状としてもよい。
【0053】
摺動シート24bは、定着ベルト21が回転する際の摺動摩擦を低減するために設けられている。なお、ベースパッド24a自体が低摩擦性の部材で形成されている場合は、摺動シート24bを有しない構成も可能である。
【0054】
ベースパッド24aは、耐熱温度200℃以上の耐熱性部材で構成されており、トナー定着温度域で熱によるニップ形成部材24の変形を防止し、安定したニップNの状態を確保して、出力画質の安定化を図っている。ベースパッド24aの材料としては、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの一般的な耐熱性樹脂を用いることが可能である。
【0055】
ベースパッド24aは、ステー25によって固定支持されている。これにより、加圧ローラ22による圧力でニップ形成部材24に撓みが生じるのを防止し、加圧ローラ22の軸方向に渡って均一なニップ幅が得られるようにしている。
【0056】
ステー25は、ニップ形成部材24の撓み防止機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが望ましい。ベースパッド24aも、強度確保のためにある程度硬い材料で構成されていることが望ましい。ベースパッド24aの材料としては、液晶ポリマー(LCP)等の樹脂や、金属、あるいはセラミックなどを適用することができる。
【0057】
上記反射部材26は、ハロゲンヒータ23と対向するようにステー25に固定支持されている。この反射部材26によって、ハロゲンヒータ23から放射された輻射熱(又は光)を定着ベルト21へ反射することで、熱がステー25等に伝達されるのを抑制し、定着ベルト21を効率良く加熱すると共に省エネルギー化を図っている。
【0058】
反射部材26の材料としては、アルミニウムやステンレス等が用いられる。特に、アルミニウム製の基材に輻射率の低い(反射率の高い)銀を蒸着したものを用いた場合、定着ベルト21の加熱効率を向上させることが可能である。
【0059】
反射部材26のハロゲンヒータ23と対向する面は、定着ベルト21の内周面に向かって広がるように形成されている。なお、図2Aに示す反射部材26において、ハロゲンヒータ23の下方に対向する部分(定着ベルト21の周方向に沿って延びている部分)は、ハロゲンヒータ23の両端部における輻射熱を遮蔽するために設けられている。当該部分は、反射部材26の長手方向全体に渡って設けられているものではない。
【0060】
上記遮蔽部材27は、厚さ0.1mm~1.0mmの耐熱性があるステンレス(SUS)等の金属板を、定着ベルト21の内周面に沿った断面形状に形成して構成されている。図示例では、遮蔽部材27は周方向に閉じた環状ではなく有端な断面形状とされている。遮蔽部材27は具体的には部分円弧状の断面形状である。
【0061】
遮蔽部材27は、ハロゲンヒータ23の周りで回転可能とされ、本実施形態では、定着ベルト21の周方向に沿って回転可能となっている。具体的には、定着ベルト21の周方向領域において、ハロゲンヒータ23が定着ベルト21に直接対向して加熱する直接加熱領域がある。また、ハロゲンヒータ23と定着ベルト21との間に遮蔽部材27以外の他部材(反射部材26、ステー25、ニップ形成部材24等)が介在する非直接加熱領域がある。
【0062】
ハロゲンヒータ23と定着ベルト21の間を熱遮蔽する必要がある場合は、図2Aに示すように、遮蔽部材27を直接加熱領域側の遮蔽位置に配設する。ハロゲンヒータ23と定着ベルト21の間を熱遮蔽する必要がない場合は、図2Bに示すように、遮蔽部材27を非直接加熱領域側の退避位置へ移動させる。
【0063】
すなわち、遮蔽部材27を反射部材26やステー25の裏側へ退避させる。また、遮蔽部材27は耐熱性を要するため、その素材には、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属材料、又はセラミックを用いることが好ましい。
【0064】
図3は、本実施形態の定着装置20の斜視図である。摺動シート24b、ステー25、遮蔽部材27などは省略している。図3に示すように、定着ベルト21の両端部内周面に、それぞれフランジ部材40の円筒部40aが挿入されている。
【0065】
定着ベルト21の軸線方向両端部の内周面がフランジ部材40の円筒部40aと摺接することによって、定着ベルト21が回転可能に保持されている。図3の左右のフランジ部材40、ハロゲンヒータ23、ニップ形成部材24及び図2A図2Bのステー25は、定着装置20の図示しない一対の側板に固定支持されている。
【0066】
(●定着装置の動作)
以下、図2A図2Bを参照しつつ、本実施形態に係る定着装置20の動作について説明する。プリンタ本体の電源スイッチが投入されると、ハロゲンヒータ23に電力が供給されると共に、加圧ローラ22が図2A図2B中の時計回りに回転駆動を開始する。これにより、定着ベルト21は、加圧ローラ22との摩擦力によって、図2A図2B中の反時計回りに従動回転する。
【0067】
その後、上述の画像形成工程により未定着のトナー画像Tが担持された用紙Pが、不図示のガイド板に案内されながら図2Aの矢印A1方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ22のニップNに送入される。そして、ハロゲンヒータ23によって加熱された定着ベルト21による熱と、定着ベルト21と加圧ローラ22との間の加圧力とによって、用紙Pの表面にトナー画像Tが定着される。
【0068】
トナー画像Tが定着された用紙Pは、ニップNから図2A中の矢印A2方向に搬出される。このとき、用紙Pの先端が図示しない分離部材の先端に接触することにより、用紙Pが定着ベルト21から分離される。その後、分離された用紙Pは、上述のように、排紙ローラによって機外に排出され、排紙トレイにストックされる。
【0069】
[●ニップ形成ユニット]
前述した定着ベルト21と、ハロゲンヒータ23と、加圧ローラ22と、ニップ形成部材24と、フランジ部材40とによって、本実施形態のニップ形成ユニットが構成される。このニップ形成ユニットは、画像形成装置においては「定着ユニット」とも呼称される。
【0070】
ニップ形成部材24やフランジ部材40は、例えば液晶ポリマーなどの耐熱性樹脂で構成することができる。ニップ形成部材24の長手方向両端部とフランジ部材40の円筒部40aとの間には、図3のようにニップ形成部材24の長手方向で隙間Cが形成されている。
【0071】
当該隙間Cを分かりやすく示したのが図4(a)の模式図である。本実施形態のニップ形成ユニットの特徴は、図4(a)のように、ニップ形成部材24とフランジ部材40の円筒部40aとの間に、所定の大きさの隙間Cを形成したことにある。この隙間Cの大きさは、ニップ形成部材24の長手方向で少なくとも2mm以上である。隙間Cの大きさをこのように2mm以上にする理由は後述する。
【0072】
隙間Cを大きくしていくと、ニップ形成部材24の長手方向の長さが短くなる。隙間Cの上限は、図4(a)のようにニップ形成部材24の長手方向長さが加圧ローラ22と同じになるときである。
【0073】
ニップ形成部材24と定着ベルト21の間に潤滑剤Gが介在する。この潤滑剤Gは、ニップNに作用する圧力によってニップ形成部材24の長手方向外側に流動しようとする。
【0074】
従来の定着装置は、図4(b)のように、ニップ形成部材24の長手方向両端部がフランジ部材40の円筒部40aと接しているものが多い。このようにニップ形成部材24とフランジ部材40の間に隙間がないと、ニップ形成部材24と定着ベルト21の間の潤滑剤Gが、フランジ部材40の円筒部40aの内周面や外周面に流れやすい。
【0075】
これに対して本発明は、図4(a)のようにニップ形成部材24とフランジ部材40の円筒部40aとの間に隙間Cを形成しているので、潤滑剤Gがフランジ部材40の円筒部40aの内周面や外周面に流れにくい。潤滑剤Gの一部が隙間Cにはみ出しても、隙間Cが潤滑剤溜として機能するので、当該隙間Cの中にそのまま保持される。
【0076】
(●超微粒子の発生)
定着装置から発生する超微粒子を確認するため、図4(b)の模式図に示す従来の定着装置を有する画像形成装置で10分間連続印刷試験を行なった。潤滑剤Gとしては、フッ素グリース:70[mg]と、シリコーンオイル:35[mg]を用いた。
【0077】
この試験の際、定着装置のフランジ部材40の内周面と外周面の温度を測定した結果が図5Aである。また、微粒子(FP)と超微粒子(UFP)の発生速度(個/秒)をブルーエンジェルに規定する測定法に従って測定した結果が図5Bである。FP/UFPの発生濃度は、粒子計測器FMPS(東京ダイレック社製のモデル3091 Fast Mobility Sizer)を用いて測定した。
【0078】
図5Bから、印刷開始から約3分後から微粒子が一斉に出始め、徐々に増加しながら印刷終了まで発生し続けることが分かる。微粒子の発生個数は、ブルーエンジェル規格値3.5×10^11個を大きく超えていた。
【0079】
図5Bで超微粒子が急増するタイミングは約3分後であるが、このタイミング(約3分後)は図5Aのフランジ内周面が200℃以上に到達した時期とほぼ一致する。
【0080】
一方、図5Cは潤滑剤Gをホットプレートで加熱し、超微粒子の発生濃度を測定した結果である。この測定結果から200℃以上になると超微粒子が一斉に出始めることが分かる。
【0081】
このことから、フランジ内周面が超微粒子の発生箇所であることが推定される。フランジ外周面も約9分で200℃に到達するが、それ以前に超微粒子が既に発生している。このことから、フランジ部材40の温度が200℃以上となる定着装置で本発明のニップ形成ユニットを使用すると、超微粒子の低減効果を発揮することができる。
【0082】
(●隙間Cの大きさ)
前述した隙間Cの大きさを2mm以上にする理由は次の通りである。すなわち、図4(a)の模式図に示す定着装置を有する画像形成装置で、前記隙間Cを2mm、1.5mm、1.0mmの3通りにして同じように10分間の実機通紙(連続印刷試験)を行った。
【0083】
この通紙結果より、C=1.0mmの定着ユニットではフランジ部材40に対する潤滑剤Gの付着が顕著に認められた。また、C=1.5mmの定着ユニットではフランジ部材40に対する潤滑剤Gの付着が僅かに認められた。
【0084】
これに対して、C=2.0mmの定着ユニットではフランジ部材40に対する潤滑剤Gの付着は皆無であった。また、FP/UFPの発生も認められなかった。そして、C=2.0mmの実機通紙後に当該定着ユニットを分解して定着ベルト21を切り開き、隙間Cに付着している潤滑剤Gの滴の直径φを確認したところ、φ≒1mmであった。
【0085】
このことから、隙間Cの大きさを少なくとも2mm以上とすれば、潤滑剤Gの滴の直径(φ≒1mm)との関係で、フランジ部材40に対する潤滑剤Gの付着防止、すなわち、潤滑剤Gがニップ形成部材24の長手方向外側に流動するのを防止することができることを見出した。また用紙へのトナーの定着性を確保するための加圧力のバランスをとるために、隙間Cの上限は、フランジ部材40から加圧ローラ22の端部に対向する位置までが望ましい。
【0086】
前述した図4(a)は本発明のニップ形成ユニットの基本形である。ニップ形成部材24とフランジ部材40の円筒部40aとの間に隙間Cを有することを前提として、様々な実施形態が可能である。
【0087】
図6A図6Dは第1から第4の4つの実施形態を示すものである。これら実施形態は例示であり、本発明がこれら実施形態に限定されるものではないことは勿論である。
【0088】
(●第1実施形態)
図6Aの第1実施形態は、ニップ形成部材24の下面と側面を摺動シート124で覆ったものである。この摺動シート124には、定着ベルト21との摩擦を低減するために低摩擦特性を有すると共に、高い潤滑剤保持能力を有するものを使用する。
【0089】
摺動シート124は、例えばPTFE等の樹脂繊維を編みこんだ細長矩形状のシート状のものを用いて、摺動シート124の長手方向垂直断面において開口した形状として構成することができる。具体的には、摺動シート124は、摺動方向の両端部領域がニップ面(摺動面)に対して略直角に折り曲げられ、摺動シート124の長手方向垂直断面で略U字状(コノ字状)となる。そして、摺動シート124がニップ形成部材24のニップ形成面側の面を全域に亘って覆うようになっており、摺動シート124の表面がニップ面に相当するようになっている。
【0090】
摺動シート124は、摩擦抵抗の低いPFAシートでもPTFEシートでも良い。また、基材に低摩擦係数物性を有するコーティングを施したものでも良い。
【0091】
潤滑剤Gは摺動シート124に含浸状態で保持されるため、長手方向外側により流れにくくなる。たとえ潤滑剤Gの一部が隙間Cにはみ出しても、当該隙間Cの中にそのまま保持される。
【0092】
(●第2実施形態)
図6Bの第2実施形態は、図6Aの構成に加えて、定着ベルト21の内周面に潤滑剤Gの外側移動を抑制する流動低減部材としての環状突起21aを形成したものである。
【0093】
定着ベルト21が回転することにより潤滑剤Gに遠心力が作用するから、環状突起21aがあることによって、隙間Cにはみ出した潤滑剤Gがさらに外側に流れていくのを抑制することができる。
【0094】
流動低減部材は図6Bの環状突起21aの形状に限られない。すなわち、環状突起21aは横長矩形断面に限らず縦長矩形断面にしてもよいし、L字状断面、T字状断面、W字状断面などのように表面積が大きくなる複雑形状にしてもよい。このように流動低減部材の表面積を大きくすることで潤滑剤Gの保持能力が高まり、潤滑剤Gがフランジ部材40に流れにくくなる。
【0095】
(●第3実施形態)
図6Cの第3実施形態は、ニップ形成部材224の下面に、潤滑剤Gを収容可能な収容スペース224aを設けたものである。この収容スペース224aは、例えばニップ形成部材224の長手方向に1本または複数本の筋状に形成することができる。潤滑剤Gが収容スペース224aに保持されることで、潤滑剤Gの軸線方向外側への移動を抑制することができる。
【0096】
(●第4実施形態)
図6Dの第4実施形態は、図6Aの構成に加えて、隙間C内に潤滑剤吸収部材50を配設したものである。この潤滑剤吸収部材50は、図6Dの紙面に垂直な方向でニップ形成部材24と同じ幅で構成することができる。潤滑剤吸収部材50は、ニップ形成部材24から延ばした腕部に連結することで位置決め可能である。
【0097】
潤滑剤Gの一部が隙間Cにはみ出しても、潤滑剤吸収部材50に吸収されて保持されるので、さらにフランジ部材40まで流れるのを抑制することができる。また、潤滑剤吸収部材50の両側に隙間があるので、当該隙間にも潤滑剤Gが保持される。したがって、潤滑剤Gがいっそうフランジ部材40へ流れにくくなる。
【0098】
(●定着装置の他の構成)
また、本発明は、上記のような構成の定着装置に限らず、種々の構成の定着装置にも適用可能である。以下に、本発明を適用可能な定着装置の構成をいくつか例示する。
【0099】
図7及び図8に示される定着装置400は、第一回転体としての定着ベルト410と、第二回転体としての加圧ローラ420と、加熱源としてのヒータ430と、加熱源保持部材としてのヒータホルダ440と、支持部材としての加圧ステー450と、温度検知部材としてのサーミスタ480と、回転体保持部材としてのフランジ470(図8参照)を備えている。
【0100】
図7に示される定着ベルト410と加圧ローラ420の機能及び構成は、上記図2に示される定着ベルト210及び加圧ローラ220と基本的に同じである。
【0101】
ヒータ430は、板状基板と、その基板上に設けられた抵抗発熱体を有するセラミックヒータであり、抵抗発熱体への通電により発熱する。ヒータ430は、定着ベルト410の内周面に接触するように配置されており、ヒータ430が発熱すると、定着ベルト410が内側から加熱される。また、ヒータ430は、加圧ローラ420との間に定着ベルト410を挟んでニップ部Nを形成するニップ形成部材としての機能も兼ねる。
【0102】
ヒータホルダ440は、ヒータ430を保持する加熱源保持部材である。ヒータホルダ440は、例えば耐熱性の樹脂により構成されている。この場合、ヒータホルダ440が定着ベルト410の内周面に沿って半円弧状の断面に形成されていることにより、ヒータホルダ440によって定着ベルト410の回転軌道が規制される。
【0103】
加圧ステー450は、ヒータホルダ440を支持する支持部材である。加圧ステー450がヒータホルダ440を支持していることにより、加圧ローラ420の加圧によるヒータホルダ440及びヒータ430の撓みが抑制され、加圧ローラ420と定着ベルト410との間に均一な幅のニップ部Nが形成される。加圧ステー450は、剛性を確保するため、ステンレス(SUS)などの金属材料により構成されることが好ましい。
【0104】
また、加圧ステー450には、温度検知部材としてのサーミスタ480が設けられている。サーミスタ480は、定着ベルト410の内周面に対して接触又は非接触に対向することにより定着ベルト410の温度を検知する。
【0105】
フランジ470は、上記ベルト保持部材270と同じように、定着ベルト410の長手方向両端部を保持する一対の保持部材である。このフランジ470も、定着ベルト410内に挿入される挿入部としてのバックアップ部470aと、定着ベルト410の長手方向の移動を規制する規制部としてのフランジ部470bとを有している。この場合、各フランジ470は、バネなどの付勢部材によって定着ベルト410の各端部に向かって付勢されることにより、定着ベルト410内に挿入された状態で保持される。
【0106】
このような構成の定着装置400においても、ヒータ430が発熱すると、フランジ470が温度上昇し、フランジ470に付着する潤滑剤が温度上昇してFP/UFPが発生する虞がある。従って、図7及び図8に示される定着装置400においても本発明を適用することにより、フランジ470の温度上昇を抑制し、FP/UFPの発生を抑制することが可能である。
【0107】
次に、図9及び図10に示される定着装置500は、上記図7及び図8に示される定着装置400と同じように、セラミックヒータ(ヒータ530)を備える定着装置である。具体的に、図9及び図10に示される定着装置500は、第一回転体としての定着ベルト510と、第二回転体としての加圧部材520と、加熱源としてのヒータ530と、加熱源保持部材としてのヒータホルダ540と、支持部材としての補強部材550と、回転体保持部材としてのベルト保持部570(図10参照)と、温度検知部材としての感熱体580(図10参照)と、カバー部材590(図10参照)を備えている。
【0108】
図9及び図10に示される定着ベルト510、加圧部材520、ヒータ530、ヒータホルダ540、補強部材550、ベルト保持部570のそれぞれの機能及び構成は、上記図7及び図8に示される定着ベルト410、加圧ローラ420、ヒータ430、ヒータホルダ440,加圧ステー450、フランジ470と基本的に同じである。
【0109】
感熱体580は、ヒータホルダ540のヒータ530を保持する面とは反対側に設けられ、ヒータホルダ540を介してヒータ530の温度を検知する。感熱体580の検知温度に基づいてヒータ530の発熱が制御されることにより、定着ベルト510が所定の定着温度に維持される。
【0110】
カバー部材590は、耐熱樹脂製の箱状の部材である。カバー部材590が、定着ベルト510内において感熱体580を介してヒータホルダ540と対向するように配置されることにより、対応する感熱体580がカバー部材590によって覆われる。
【0111】
このように、本発明が適用される定着装置は、ヒータ530の温度を検知する感熱体580と、感熱体580を覆うカバー部材590を備えるものであってもよい。
【0112】
続いて、図11及び図12に示される定着装置600は、上記図2及び図3に示される定着装置200と同じように、加熱源としてハロゲンヒータ(ヒータ630)を備える定着装置である。具体的に、図11及び図12に示される定着装置600は、第一回転体としての定着ベルト610と、第二回転体としての加圧ローラ620と、加熱源としてのヒータ630と、ニップ形成部材640と、支持部材としての支持部650と、反射部材としての反射板660と、回転体保持部材としての保持枠670(図12参照)と、摺動部材としてのリング680(図12参照)を備えている。
【0113】
図11及び図12に示される定着ベルト610、加圧ローラ620、ヒータ630、ニップ形成部材640、支持部650、反射板660、保持枠670のそれぞれの機能及び構成は、図2及び図3に示される定着ベルト210、加圧ローラ220、ヒータ230、ニップ形成部材240、ステー250、反射部材260、ベルト保持部材270と基本的に同じである。なお、ニップ形成部材640は、金属製のベースパッド6400と、ベースパッド6400と定着ベルト610の内周面との間に介在するフッ素樹脂製の摺動シート6410を有している。
【0114】
リング680は、定着ベルト610内に挿入される保持枠670の挿入部としての筒状部670aの外周面に装着され、定着ベルト610の長手方向端縁と保持枠670の規制部としての固定プレート670bとの間に介在する。定着ベルト610が回転すると、定着ベルト610と一緒にリング680が連れ回りする、あるいは、定着ベルト610が低摩擦性のリング680に対して摺動することにより、定着ベルト610と保持枠670との間において生じる摺動抵抗が低減される。
【0115】
このように、本発明が適用される定着装置は、リング680を備えるものであってもよい。
【0116】
続いて、図13及び図14に示される定着装置700は、上記図2及び図3に示される定着装置200と同じように、加熱源としてハロゲンヒータ730を備える定着装置である。具体的に、図13及び図14に示される定着装置700は、第一回転体としての定着ベルト710と、第二回転体としての加圧ローラ720と、加熱源としてのハロゲンヒータ730と、ニップ形成部材740と、反射部材760と、回転体保持部材としてのベルト支持部材770(図14参照)と、温度検知部材としての温度センサ780と、ガイド部材790を備えている。
【0117】
図13及び図14に示される定着ベルト710、加圧ローラ720、ハロゲンヒータ730、ニップ形成部材740、反射部材760、ベルト支持部材770、温度センサ780は、図2及び図3に示される定着ベルト210、加圧ローラ220、ヒータ230、ニップ形成部材240、反射部材260、ベルト保持部材270、温度センサ280と基本的に同じ機能を有する。
【0118】
ただし、図13及び図14に示される反射部材760は、ハロゲンヒータ730から放出される輻射熱(赤外線)を定着ベルト710ではなく、主にニップ形成部材740に反射する。反射部材760は、ハロゲンヒータ730の外側を覆うように断面U字形に形成されており、反射部材760のハロゲンヒータ730と対向する内側の面760aが反射率の高い反射面となっている。このため、ハロゲンヒータ730から輻射熱が放出されると、輻射熱が反射部材760の反射面760aによってニップ形成部材740へ反射される。
【0119】
これにより、ニップ形成部材740は、ハロゲンヒータ730からニップ形成部材740に向かって放出される輻射熱と、反射部材760によってニップ形成部材740へ反射される輻射熱によって加熱される。そして、ニップ形成部材740の熱は、ニップ部Nにおいて定着ベルト210へ伝達される。
【0120】
すなわち、この場合、ニップ形成部材740は、ニップ部Nを形成するほか、ニップ部Nにおいて熱を定着ベルト710へ伝達する伝熱部材としても機能する。このため、ニップ形成部材740は、熱伝導率の良い銅又はアルミニウムなどの金属材料によって構成されている。
【0121】
また、反射部材760は、ニップ形成部材740を支持する支持部材(ステー)としての機能も兼ねる。反射部材760が、定着ベルト710の長手方向に渡ってニップ形成部材740を支持することにより、ニップ形成部材740の撓みが抑制され、定着ベルト710と加圧ローラ720との間に均一な幅のニップ部Nが形成される。反射部材760は、支持部材としての機能を確保するため、SUS、SECCなどの剛性の高い金属材料により構成されることが好ましい。
【0122】
ガイド部材790は、定着ベルト710の内側に配置され、回転する定着ベルト710を内側からガイドする部材である。ガイド部材790は、定着ベルト710の内周面に沿って湾曲するガイド面790aを有しており、定着ベルト710がこのガイド面790aに沿ってガイドされることにより、定着ベルト710が大きな変形を伴うことなく円滑に回転する。
【0123】
このように、本発明が適用される定着装置は、熱伝導性の良いニップ形成部材740を介してハロゲンヒータ730の熱を伝達し、定着ベルト710を加熱する構成であってもよい。
【0124】
続いて、図15及び図16に示される定着装置800は、上記図7及び図8に示される定着装置400と同じように、加熱源としてセラミックヒータ(ヒータ830)を備える定着装置である。具体的に、図15及び図16に示される定着装置800は、第一回転体としての定着ベルト810と、第二回転体としての加圧ローラ820と、加熱源としてのヒータ830と、加熱源保持部材としての保持部材840と、支持部材としてのステー850と、回転体保持部材としての円弧状ガイド870(図16参照)と、熱伝達部材である熱拡散部材880と、断熱部材としての保熱板890を備えている。
【0125】
図15及び図16に示される定着ベルト810、加圧ローラ820、ヒータ830、保持部材840、ステー850、円弧状ガイド870は、図7及び図8に示される定着ベルト410、加圧ローラ420、ヒータ430、ヒータホルダ440,加圧ステー450、フランジ470と基本的に同じ機能を有する。なお、保持部材840は、ヒータ830のほか、熱拡散部材880と保熱板890を重ねた状態で保持する。
【0126】
熱拡散部材880は、ステンレス、アルミニウム合金、鉄などの金属材料により構成されている。熱拡散部材880は、定着ベルト810の内周面に接触するように配置されており、ヒータ830から生じる熱を定着ベルト810へ伝達すると共に、定着ベルト810を介して加圧ローラ820に接触し、ニップ部Nを形成する。
【0127】
また、ヒータ830と熱拡散部材880との間に熱伝導グリースが塗布されており、ヒータ830から熱拡散部材880への熱伝達効率を向上させている。一方、保熱板890は、ヒータ830の熱が保持部材840とステー850に伝達されるのを抑制するため、ヒータ830の熱拡散部材880側の面とは反対側に配置されている。
【0128】
定着ベルト810が回転すると、熱拡散部材880に対して定着ベルト810が摺動するため、定着ベルト810と熱拡散部材880との間には摺動性を向上させる潤滑剤が塗布されている。また、定着ベルト810に対して接触する熱拡散部材880の摺動面には、低摩擦で耐摩耗性を有するガラスコーティング又は硬質クロムメッキなどの表面層が形成されている。
【0129】
このような定着装置においても、ヒータ830の発熱により円弧状ガイド870が温度上昇すると、円弧状ガイド870に付着する潤滑剤が温度上昇してFP/UFPが発生する虞があるため、本発明を適用することにより、FP/UFPの発生を抑制することが可能である。
【0130】
続いて、図17及び図18に示される定着装置900は、第一回転体としての無端状のベルト910と、加熱部材としての加熱ローラ960と、加熱源としてのヒータ930と、第二回転体としての加圧ローラ920と、ニップ形成部材940と、支持部材950と、ガイド部材980と、潤滑剤供給部材としての潤滑剤塗布部材990と、軸受970(図18参照)を備える定着装置である。
【0131】
図17に示されるように、ベルト910は、加熱ローラ960とニップ形成部材940とガイド部材980に巻きかけられている。加熱ローラ960がバネなどによりニップ形成部材940に対して離れる方向に付勢されていることにより、ベルト910に所定の張力が付与されている。この状態で、加圧ローラ920が回転駆動することにより、ベルト910が従動回転する。
【0132】
ニップ形成部材940は、押圧部材9400と、押圧部材9400とベルト910の内周面との間に介在する低摩擦性の摺動シート9410を有している。押圧部材9400が支持部材950によって支持されていることにより、押圧部材9400が加圧ローラ920の加圧力を受け、ニップ部Nが形成される。
【0133】
ヒータ930は、ハロゲンヒータなどであり、加熱ローラ960内に配置されている。ヒータ930が発熱すると、加熱ローラ960が加熱され、加熱ローラ960の熱がベルト910へ伝達される。
【0134】
潤滑剤塗布部材990は、ベルト910の内周面に接触し、ベルト910の内周面に対して摺動性を向上させる潤滑剤を供給する。ベルト910の内周面に供給された潤滑剤は、ベルト910の回転に伴って、ガイド部材980とベルト910との間、及びニップ形成部材940とベルト910との間に介在し、ベルト910が円滑に回転できるようになる。
【0135】
ここで、加熱ローラ960は、回転可能となるように、一般的にすべり軸受又はボールベアリングなどの軸受970によって保持される。このような回転体保持部材としての軸受970は、加熱ローラ960の軸方向両端部(長手方向両端部)に装着されており、軸受には加熱ローラ960が回転する際の摺動抵抗又は回転トルクを低減する潤滑剤が塗布されている。
【0136】
従って、加熱ローラ960が加熱され、その熱の影響を軸受970が受けると、軸受970に付着する潤滑剤が温度上昇することにより、FP/UFPが発生する虞がある。このため、図17に示される定着装置においても、本発明を適用することが好ましい。
【0137】
例えば、加熱ローラ960の内側に、上記のような熱伝達抑制部材としての第一の遮蔽部材310及び第二の遮蔽部材320を配置することにより、ヒータ930から加熱ローラ960を保持する回転体保持部材(軸受970)への熱の伝達を効果的に抑制できるようになる。これにより、上記実施形態と同じように、FP/UFPの発生個数を低減できるようになる。
【0138】
また、本発明は、図19及び図20に示されるような構成の定着装置1100にも適用可能である。
【0139】
図19及び図20に示される定着装置1100は、第一回転体としての定着ベルト1110と、定着ローラ1160と、第二回転体としての加圧ローラ1120と、加熱源としてのヒータ1130と、ニップ形成部材としての加圧パッド1140と、ガイド部材1150と、支持部材1170と、温度検知部材としての温度センサ1180と、熱伝達部材1190と、回転体保持部材としてのベルト保持部材1220(図20参照)を備えている。
【0140】
図19に示される定着ベルト1110は、定着ローラ1160と、加圧パッド1140と、ガイド部材1150と、熱伝達部材1190に巻きかけられている。定着ローラ1160は、加圧ローラ1120が回転駆動することにより、従動回転する。
【0141】
ヒータ1130は、セラミックヒータなどの面状又は板状のヒータであり、熱伝達部材1190に設けられている。熱伝達部材1190は、ヒータ1130と定着ベルト1110の間に介在し、ヒータ1130の熱を定着ベルト1110へ伝達する部材である。また、熱伝達部材1190は、支持部材1170に取り付けられたバネ1200によって定着ベルト1110の内周面に接触するように付勢されている。
【0142】
加圧パッド1140は、支持部材1170に取り付けられた別のバネ1210によって定着ベルト1110の内周面に接触するように付勢されている。これにより、加圧パッド1140は、定着ベルト1110を介して加圧ローラ1120に圧接され、定着ベルト1110と加圧ローラ1120との間にニップ部Nが形成される。
【0143】
ガイド部材1150は、支持部材1170に取り付けられて支持されている。また、ガイド部材1150には、温度センサ1180が取り付けられており、温度センサ1180によって定着ベルト1110の温度が検知される。
【0144】
図19に示されるような定着装置1100においても、定着ベルト1110の長手方向両端部を保持するベルト保持部材1220が設けられているため、定着ベルト1110が加熱されると、ベルト保持部材1220に付着する潤滑剤が温度上昇することにより、FP/UFPが発生する虞がある。従って、このような定着装置1100においても、本発明を適用することにより、上記各実施形態と同じように、FP/UFPの発生を効果的に抑制することが可能である。
【0145】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。例えば、画像形成装置は図1に示すようなプリンタに限らず、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等とすることが可能である。
【0146】
<付記>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
<第1態様>
回転可能な無端ベルトと、前記無端ベルトの内周面を加熱する加熱源と、前記無端ベルトの軸線方向両端部内周面を摺動可能に支持するベルト支持部材と、前記無端ベルトの内周面に接触可能なニップ形成部材と、前記無端ベルトを介して前記ニップ形成部材と圧接してニップを形成する加圧部材とを備え、被搬送体が前記ニップを通過して搬送されることを特徴とするニップ形成ユニットにおいて、前記ニップ形成部材の長手方向両端部と前記ベルト支持部材の間に、前記ニップ形成部材の長手方向で2mm以上の隙間を形成したことを特徴とするニップ形成ユニット。
<第2態様>
前記隙間に流動低減部材を配設したことを特徴とする第1態様のニップ形成ユニット。
<第3態様>
前記隙間に潤滑剤吸収部材を配設したことを特徴とする第1態様のニップ形成ユニット。
<第4態様>
前記ニップ形成部材と前記無端ベルトとの間に、潤滑剤を含浸させた摺動シートを配設したことを特徴とする第1態様から第3態様のいずれか1の態様のニップ形成ユニット。
<第5態様>
前記ニップ形成部材と前記無端ベルトとの間に、潤滑剤を収容する収容スペースを形成したことを特徴とする第1態様から第4態様のいずれか1の態様のニップ形成ユニット。
<第6態様>
第1態様から第5態様のいずれか1の態様のニップ形成ユニットを有することを特徴とする画像形成装置。
【符号の説明】
【0147】
1:画像形成装置 2:ボトル収容部
2Y、2M、2C、2K:トナーボトル 3:転写装置
4Y、4M、4C、4K:作像部 5:感光体
6:帯電装置 7:現像装置
8:クリーニング装置 9:露光装置
10:給紙トレイ 11:給紙ローラ
12:タイミングローラ対 13:排紙ローラ
14:排紙トレイ 20:定着装置
21:定着ベルト 21a:環状突起
22:加圧ローラ 22a:芯金
22b:弾性層 22c:離型層
23:ハロゲンヒータ 23:ハロゲンヒータ(加熱源)
24:ニップ形成部材 24a:ベースパッド
24b:摺動シート 25:ステー
26:反射部材 26:反射部材
27:遮蔽部材 28:温度センサ
30:中間転写ベルト 31:一次転写ローラ
32:二次転写バックアップローラ 33:クリーニングバックアップローラ
34:テンションローラ 35:ベルトクリーニング装置
36:二次転写ローラ 40:フランジ部材
40a:円筒部 50:潤滑剤吸収部材
124:摺動シート 224:ニップ形成部材
224a:収容スペース A1、A2:矢印
C:隙間 G:潤滑剤
N:ニップ P:用紙
R:搬送路 T:トナー画像
【先行技術文献】
【特許文献】
【0148】
【特許文献1】特開2014-178405号公報
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20