(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138278
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、画像形成装置、及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/07 20060101AFI20230922BHJP
G06F 11/34 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
G06F11/07 196
G06F11/34 176
G06F11/07 140A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182887
(22)【出願日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】P 2022044202
(32)【優先日】2022-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 純
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042KK07
5B042KK11
5B042KK17
5B042MA08
5B042MA09
5B042MC15
5B042MC35
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】障害によりログ送信が失敗した後、障害から復旧してログ送信が成功した際に、送信成功に関するログを保存すること。
【解決手段】通信及び処理実行に関するログを取得する取得部と、前記ログをログ収集サーバに送信する送信部と、障害の発生により、前記送信部が前記ログ収集サーバへのログ送信に失敗した場合、送信失敗に関するログを記憶部に保存するログ保存部と、を有し、前記送信部が前記ログ収集サーバへのログ送信が可能になった場合、前記ログ保存部は、送信成功に関するログを前記記憶部に保存し、前記送信部は、前記送信失敗と前記送信成功に関するログを前記ログ収集サーバに送信することを特徴とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信及び処理実行に関するログを取得する取得部と、
前記ログをログ収集サーバに送信する送信部と、
障害の発生により、前記送信部が前記ログ収集サーバへのログ送信に失敗した場合、送信失敗に関するログを記憶部に保存するログ保存部と、を有し、
前記送信部が前記ログ収集サーバへのログ送信が可能になった場合、前記ログ保存部は、送信成功に関するログを前記記憶部に保存し、前記送信部は、前記送信失敗と前記送信成功に関するログを前記ログ収集サーバに送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記ログ収集サーバへのログ送信が可能になった場合、前記障害が発生していた期間に発生した前記送信失敗に関するログと前記処理実行に関するログを前記ログ収集サーバに送信する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ログ保存部は、前記ログの送信を失敗した場合、前回前記送信失敗に関するログを前記記憶部に保存してから予め定めた一定時間経過した場合のみ、前記送信失敗に関するログを前記記憶部に保存する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
通信及び処理実行に関するログを取得する取得部と、
前記ログをログ収集サーバに送信する送信部と、
障害の発生により、前記送信部が前記ログ収集サーバへのログ送信に失敗した場合、送信失敗に関するログを第1記憶部に保存するログ保存部と、を有し、
前記送信部が前記ログ収集サーバへのログ送信が可能になった場合、前記ログ保存部は、送信成功に関するログを前記第1記憶部に保存し、前記送信部は、前記送信失敗と前記送信成功に関するログを前記ログ収集サーバに送信することを特徴とする情報処理装置と、
前記情報処理装置から前記ログを受信する受信部と、
前記ログを記憶する第2記憶部と、
を有するログ収集サーバと、
を有する情報処理システム。
【請求項5】
通信及び処理実行に関するログを取得する取得ステップと、
前記ログをログ収集サーバに送信する送信ステップと、
障害の発生により、前記送信ステップが前記ログ収集サーバへのログ送信に失敗した場合、送信失敗に関するログを保存するログ保存ステップと、を有し、
前記送信ステップが前記ログ収集サーバへのログ送信が可能になった場合、前記ログ保存ステップは、送信成功に関するログを保存し、前記送信ステップは、前記送信失敗と前記送信成功に関するログを前記ログ収集サーバに送信することを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
通信及び処理実行に関するログを取得する取得部と、
前記ログをログ収集サーバに送信する送信部と、
障害の発生により、前記送信部が前記ログ収集サーバへのログ送信に失敗した場合、送信失敗に関するログを記憶部に保存するログ保存部と、を有し、
前記送信部が前記ログ収集サーバへのログ送信が可能になった場合、前記ログ保存部は、送信成功に関するログを前記記憶部に保存し、前記送信部は、前記送信失敗と前記送信成功に関するログを前記ログ収集サーバに送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
通信及び処理実行に関するログを取得する取得部と、
前記ログをログ収集サーバに送信する送信部と、
障害の発生により、前記送信部が前記ログ収集サーバへのログ送信に失敗した場合、送信失敗に関するログを第1記憶部に保存するログ保存部と、を有し、
前記送信部が前記ログ収集サーバへのログ送信が可能になった場合、前記ログ保存部は、送信成功に関するログを前記第1記憶部に保存し、前記送信部は、前記送信失敗と前記送信成功に関するログを前記ログ収集サーバに送信することを特徴とする情報処理装置と、
前記情報処理装置から前記ログを受信する受信部と、
前記ログを記憶する第2記憶部と、
を有するログ収集サーバと、
を有する画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、画像形成装置、及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等の電子機器や情報処理装置において発生した障害や不具合を解析する目的で、ハードディスク(HD)等の記憶装置に通信履歴や実行履歴等のログを保存するとともに、外部装置にログを送信する技術がある。特許文献1には、ログを外部装置に効率よく送信する目的で、ログ送信に起因して再度発生するログの種類を判断して、通信ログ又はログ送信に関するログは送信しない構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、ログ送信に関するログは、ログ送信に失敗した場合のみ保存することが可能であった。このため、障害によりログ送信が失敗した後、障害から復旧してログ送信が成功した際に、送信成功に関するログを保存することができず、障害が発生していた期間を追跡することができなかった。
【0004】
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、障害によりログ送信が失敗した後、障害から復旧してログ送信が成功した際に、送信成功に関するログを保存することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、通信及び処理実行に関するログを取得する取得部と、前記ログをログ収集サーバに送信する送信部と、障害の発生により、前記送信部が前記ログ収集サーバへのログ送信に失敗した場合、送信失敗に関するログを記憶部に保存するログ保存部と、を有し、前記送信部が前記ログ収集サーバへのログ送信が可能になった場合、前記ログ保存部は、送信成功に関するログを前記記憶部に保存し、前記送信部は、前記送信失敗と前記送信成功に関するログを前記ログ収集サーバに送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、障害によりログ送信が失敗した後、障害から復旧してログ送信が成功した際に、送信成功に関するログを保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略図の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る情報処理システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るログ保存とログ送信処理に関するシーケンスの一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るログ収集サーバに送信するログを説明する図である。
【
図7】本発明の実施形態にログ保存とログ送信の処理に関するフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、画像形成装置、及び画像形成システムの実施形態を詳細に説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
<システム概要>
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略図の一例を示す図である。情報処理システム1は、インターネットやローカルネットワーク等の通信ネットワーク2に接続されたノートPC4、プリンタ7、画像形成装置9などの電子機器3、及びログ収集サーバ5を有する。電子機器3は、通信履歴やジョブの処理実行履歴等のログ(即ち、通信及び処理実行に関するログ)を取得して記憶装置に保存するとともに、通信ネットワーク2を介して、取得したログをログ収集サーバ5に送信(ログ送信とよぶ)する。ここで、電子機器3は、ログ送信に失敗した場合だけでなく、ログ送信が成功した場合においても、ログ送信に関するログ(即ち、送信成功に関するログ)を記憶装置に保存し、更に、ログ収集サーバ5に送信する。従って、情報処理システム1では、障害によりログ送信が失敗した後、障害から復旧してログ送信が成功した際に、送信成功に関するログを保存することにより、障害が発生していた期間を追跡することができる。また、電子機器3は、障害から復旧した際に、障害が発生した間に取得したログをログ収集サーバ5に送信することも可能である。
【0010】
なお、
図1に示す情報処理システム1のシステム構成は一例である。通信ネットワーク2には、例えば、移動体通信、又は無線LAN等の無線通信による接続区間が含まれていても良い。また、情報処理システム1に含まれる電子機器3の台数は任意の台数であってよい。電子機器3は、情報処理装置又は画像形成装置9であってもよい。
【0011】
<ハードウェア構成例>
図2は、本発明の実施形態に係るノートPC4、ログ収集サーバ5等を構成する情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示されるように、情報処理装置はコンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0012】
これらのうち、CPU501は、情報処理装置全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク2を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0013】
また、キーボード511は、文字、数値、又は各種指示などの入力に使用される複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWドライブ514は、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0014】
<ハードウェア構成例(画像形成装置)>
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置9のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示されているように、画像形成装置9(あるいは、MFP、Multifunction Peripheral/Product/Printerと呼ばれる)は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0015】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、ローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、HD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0016】
これらのうち、CPU901は、画像形成装置9の全体を制御する。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0017】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0018】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ送信を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0019】
近距離通信回路920は、ICカードなどに記憶された利用者の認証情報などを読込むためのカードリーダ920aを有する。
【0020】
操作パネル940は、利用者による入力を受け付けるタッチパネル940aとテンキー940bを有する。また、タッチパネル940aは、画像形成装置9が実行するアプリケーション画面などを表示する。
【0021】
<機能ブロック>
図4は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1における機能ブロックの構成図の一例を示す図である。電子機器3は、通信部30、通信部31、実行部34、暗号鍵管理部33、取得部35、送信部40、受信部41、ログ保存部36、時間管理部38、表示制御部14、及び操作受付部15を有する。これら各部は、例えば、電子機器3を構成する情報処理装置にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。または、これら各部は、例えば、電子機器3を構成する画像形成装置9にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU901が実行することで実現される機能又は手段である。記憶部16は、例えば、情報処理装置が有するHD504、又は画像形成装置9が有するHD909などの記憶装置によって実現可能である。
【0022】
通信部30は、ファイル送信クライアントPC4aとファイル送信に関する通信を行うための、例えば、SFTP(Secure Shell File Transfer Protocol)等のプロトコルにおけるサーバ機能を提供する。電子機器3は、例えば、通信部30を介して、ファイル送信クライアントPC4aから印刷する文書ファイル等を受信する。
【0023】
通信部31は、HTTPSクライアントPC4bとHTTPS(Hyper Text Transfer Protocol)による通信を行うためのサーバ機能を提供する。電子機器3は、例えば、通信部31を介して、HTTPSクライアントPC4bから、文書ファイル等の印刷を実行する要求メッセージ等を受信する。
【0024】
暗号鍵管理部33は、通信部30及び通信部31における暗号化通信で用いるための暗号鍵の生成、及び生成した暗号鍵の保存及び管理等を行う。
【0025】
実行部34は、電子機器3が有する機能を用いて、印刷やコピーなどの処理を実行する。例えば、実行部34は、電子機器3が通信部30を介してファイル送信クライアントPC4aから受信した文書ファイル等を電子機器3が有する印刷機能を用いて印刷する。或いは、実行部34は、電子機器3が有するコピー機能を用いて、コピーを実行する。
【0026】
取得部35は、通信部30、通信部31、送信部40、及び受信部41から通信に関するログを取得し、実行部34から印刷やコピー等の処理実行に関するログを取得する。ここで、通信に関するログは、ログ収集サーバ5から受信するログ送信の成功に関する応答のログを含む。また、取得部35は、ログ収集サーバ5に送信するために、受信した通信に関するログと処理実行に関するログを送信部40に送信する。また、取得部35は、電子機器3の記憶装置に保存しておくために、受信した通信に関するログをログ保存部36に送信する。
【0027】
送信部40は、取得部35から受信したログをログ収集サーバ5の受信部21に送信する。ここで、ログの送信方法には、逐次送信と定期送信の2種類の送信モードがある。逐次送信では、取得部35がログを取得した際に、ログ送信を実行する。一方、定期送信では、取得部35がログを取得したタイミングではなく、時間管理部38から通知される一定の周期(例えば60分等)のタイミングでログ送信を実行する。ただし、取得部35がログを取得していない場合は、ログ送信を実行しなくてもよい。
【0028】
受信部41は、ログ送信の成功に関する応答をログ収集サーバ5の送信部20から受信する。
【0029】
ログ保存部36は、取得部35から受信した通信に関するログを電子機器3の記憶部16に保存する。また、ログ保存部36は、時間管理部38から通知される一定の周期(例えば60分等)のタイミングに基づいて、ログを電子機器3の記憶部16に保存してもよい。即ち、効率の観点から、ログ保存部36は、ログを記憶部16に保存してから一定の周期の間は、取得部35からログを受信しても記憶部16に保存しないようにしてもよい。
【0030】
時間管理部38は、ログの送信モードが定期送信の場合、送信部40に、ログの送信を実行するタイミングを予め定められた一定の周期で通知する。また、時間管理部38は、例えば、ログ収集サーバ5へのログ送信において障害が発生した場合、ログ保存部36に通信の失敗に関するログを記憶部16に保存するタイミングを予め定めた一定の周期で通知する。
【0031】
表示制御部14は、ユーザが印刷やコピー等の処理実行を要求するためのメニュー画面等を電子機器3に表示する。
【0032】
操作受付部15は、電子機器3のキーボードやポインティングデバイスを介して、ユーザによる印刷やコピーの処理実行を要求するための操作等を受け付ける。
【0033】
記憶部16は、通信に関するログ又は印刷やコピー等の処理実行に関するログを電子機器3の記憶装置に保存する。
【0034】
ログ収集サーバ5は、送信部20と受信部21を有する。これら各部は、例えば、ログ収集サーバ5を構成する情報処理装置にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。記憶部22は、例えば、ログ収集サーバ5を構成する情報処理装置が有するHD504などの記憶装置によって実現可能である。
【0035】
送信部20は、ログ収集サーバ5が有するデータ送信機能であり、例えば、通信ネットワーク2を介して電子機器3の受信部41にログ送信の成功を示す応答を送信する。
【0036】
受信部21は、ログ収集サーバ5が有するデータ受信機能であり、例えば、通信ネットワーク2を介して電子機器3の送信部40からログを受信する。
【0037】
記憶部22は、電子機器3から受信したログをログ収集サーバ5の記憶装置に保存する。
【0038】
<ログ送信処理に関するシーケンス図>
図5は、本発明の実施形態に係るログ送信処理に関するシーケンスの一例を示す図である。本シーケンスでは、ユーザが画像形成装置9等の電子機器3を操作してコピー処理の実行を要求した際に、電子機器3は、ログ収集サーバ5にコピー処理実行に関するログを送信(即ち逐次送信モード)して、ログ収集サーバ5からログの送信に対する応答を受信する。また、電子機器3は、効率の観点から、ログ収集サーバ5に障害が発生した場合、通信障害に関するログは、毎回保存せずに、一定の周期で保存する。また、電子機器3は、ログ収集サーバ5における障害が復旧した際に、ログ収集サーバ5からログの送信に対する応答の受信に成功すると、応答の受信に関するログを記憶装置に保存する。また、ログ収集サーバ5の第2記憶部は、電子機器3から受信したログを記憶装置に保存する。以下、
図5の各ステップの処理について説明する。
【0039】
ステップS50:電子機器3の表示制御部14は、ユーザがコピー等の処理実行を要求する操作を行うためのメニュー画面を電子機器3のタッチパネル940aに表示する。
【0040】
ステップS51:電子機器3の操作受付部15は、ユーザによるコピー処理の実行を要求する操作を受け付ける。
【0041】
ステップS52:電子機器3の実行部34は、ユーザからの要求に基づいて、電子機器3のコピー機能を利用してコピー処理を実行する。電子機器3の取得部35は、実行部34からコピー処理実行に関するログを取得する。電子機器3の送信部40は、ログ収集サーバ5の受信部21にコピー処理実行に関するログを送信する。
【0042】
ステップS53:ログ収集サーバ5の送信部20は、電子機器3の送信部40からのログ送信が成功したことに対する応答(ログ送信成功応答)を電子機器3の受信部41に送信する。
【0043】
ログ収集サーバ5において、障害が発生し、電子機器3との通信が不可能な状態となる。
【0044】
ステップS54:電子機器3の操作受付部15は、ユーザによるコピー処理の実行を要求する操作を受け付ける。
【0045】
ステップS55:電子機器3の実行部13は、ユーザからの要求に基づいて、電子機器3のコピー機能を利用してコピー処理を実行する。電子機器3の取得部35は、実行部34からコピー処理実行に関するログを取得する。電子機器3の送信部40は、ログ収集サーバ5の受信部21にコピー処理実行に関するログを送信しようとするが、ログ収集サーバ5において障害が発生しているため、ログの送信は失敗する。電子機器3の取得部35は、電子機器3の送信部40からログ送信の失敗に関するログ(送信失敗ログ)を取得する。
【0046】
ステップS56:電子機器3のログ保存部36は、前回はログ送信が成功して、今回はログ送信が失敗したことから、送信失敗ログを電子機器3の記憶部16に保存する。また、ログ保存部36は、障害が発生している間は、時間管理部38から通知される予め定めた一定時間(周期)に1回のみ送信失敗ログを記憶部16に保存する。即ち、ログ保存部36は、取得部35から複数の送信失敗ログを受信しても、予め定めた一定時間(周期)内に1度のみ最新のログを記憶部16に保存する。
【0047】
ステップS57:電子機器3の操作受付部15は、ユーザによるコピー処理の実行を要求する操作を受け付ける。
【0048】
ステップS58:電子機器3の実行部13は、ユーザからの要求に基づいて、電子機器3のコピー機能を利用してコピー処理を実行する。電子機器3の取得部35は、実行部34からコピー処理実行に関するログを取得する。電子機器3の送信部40は、ログ収集サーバ5の受信部21にログを送信しようとするが、ログ収集サーバ5において障害が発生しているため、ログ送信は失敗する。ここで、送信部40が送信しようとしたログは、ステップS54とS57におけるコピー処理実行、及びステップS55におけるログ送信の失敗に関する情報を含む。電子機器3の取得部35は、電子機器3の送信部40からログ送信の失敗に関するログ(送信失敗ログ)を取得する。また、ログ保存部36は、前回ログを保存してから予め定めた一定時間が経過していないので、ステップS38のログ送信の失敗に関するログ(送信失敗ログ)を記憶部16に保存しない。
【0049】
ステップS59:電子機器3のログ保存部36は、前回ログ送信の失敗に関するログを保存してから、予め定めた一定時間(周期)が経過した際に、取得部35から受信したログ送信の失敗に関するログ(送信失敗ログ)を記憶部16に保存する。
【0050】
ログ収集サーバ5における障害が復旧し、電子機器3との通信が可能な状態となる。
【0051】
ステップS60:電子機器3の操作受付部15は、ユーザによるコピー処理の実行を要求する操作を受け付ける。
【0052】
ステップS61:電子機器3の実行部13は、ユーザからの要求に基づいて、電子機器3のコピー機能を利用してコピー処理を実行する。電子機器3の取得部35は、実行部34からコピー処理実行に関するログを取得する。電子機器3の送信部40は、ログ収集サーバ5の受信部21にログを送信する。ここで、送信するログは、ステップS54、S57、S60におけるコピー処理実行、及びステップS55、S58におけるログ送信の失敗に関する情報(即ち、障害が発生していた間に取得されたログに関する情報)を含む。
【0053】
ステップS62:ログ収集サーバ5の送信部20は、電子機器3の送信部40からのログ送信が成功したことに対する応答を電子機器3の受信部41に送信する。電子機器3の取得部35は、電子機器3の受信部41からログ送信が成功したことに対する応答に関するログ(送信成功ログ)を取得する。
【0054】
ステップS63:電子機器3のログ保存部36は、障害によりログ送信が失敗した後、障害から復旧してログ送信が成功したことから、ログ送信が成功したことに対する応答に関するログ(送信成功ログ)を記憶部16に保存する。
【0055】
ステップS64:電子機器3の送信部40は、ログ収集サーバ5の受信部21にステップS62で電子機器3の取得部35が取得したログ送信が成功したことに対する応答に関するログ(送信成功ログ)を送信する。
【0056】
<ログ収集サーバに送信するログの一例>
図6は、本発明の実施形態に係るログ収集サーバに送信するログを説明する図である。
図5のシーケンスにおいて、電子機器3からログ収集サーバ5に送信されるログは、例えば、
図6に示すログID80、実行内容81、及び実行日時82の項目を有する。また、
図6に示す送信結果83と障害発生84の項目は、ログが送信された際の状態を説明するために記載した項目であり、送信されるログに含まれる項目ではない。
【0057】
ログID80は、ログを特定するための識別子であり、ここでは、3桁の数字が識別子として用いられている。また、右のカッコ内には、説明のために、
図5のシーケンスにおいて、識別子に対応するログが送信された際のステップ番号が示されている。例えば、ログID80が「001」に対応するログは、
図5のステップS52において送信されたログである。
【0058】
実行内容81は、「コピー実行」、「ログ送信失敗」、及び「ログ送信成功」などの実行された処理の内容を示しており、複数の内容が含まれる場合もある。また、右のカッコ内には、説明のために、
図5のシーケンスにおいて、対応する内容が実行された際のステップ番号が示されている。
【0059】
実行日時82は、実行内容81に示される処理が実行された日時を示す。
【0060】
送信結果83は、ログID80により特定されるログの送信が成功したか否かを示す。
【0061】
障害発生84は、ログID80により特定されるログが送信された際に、障害が発生していたか否かを示す。
【0062】
図6に示すように、ログID80が「002」と「003」のログの送信時に、障害が発生して、ログの送信が失敗しているが、ログID80が「004」のログの送信時には、障害が復旧して、ログの送信が成功している。更に、情報処理システム1では、電子機器3が、ログ通信が成功したことを示すログID80が「005」のログをログ収集サーバ5に送信する。また、
図5で説明したように、電子機器3は、通信に関するログをログ収集サーバ5に送信するだけでなく、電子機器3の記憶装置に保存する。これらにより、情報処理システム1では、ログ送信が成功したことを示すログID80が「005」のログの実行日時82に基づいて、障害が復旧した日時を追跡することが可能となる。
【0063】
<ログ保存とログ送信の処理に関するフローチャート>
図7は、本発明の実施形態にログ保存とログ送信の処理に関するフローチャートの一例を示す図である。
図7のフローチャートでは、電子機器3が通信に関するログを記憶装置に保存する処理、及びログ収集サーバ5にログを送信する処理の流れについて説明する。以下、
図7の各ステップの処理について説明する。
【0064】
ステップS90:障害が発生する前において、電子機器3の送信部40は、例えば、
図5のステップS52の処理と同様に、コピーなどの処理実行が発生した後、ログ収集サーバ5の受信部21にログを送信する。電子機器3の送信部40は、ログの送信が成功したならば、本ステップの処理を繰り返し、ログの送信が失敗したならば、処理をステップS91に遷移させる。
【0065】
ステップS91:障害の発生後、電子機器3の送信部40は、再度、コピーなどの処理実行が発生した際に、ログ収集サーバ5の受信部21にログを送信する。電子機器3の送信部40は、ログの送信が成功したならば、処理をステップS94に遷移させ、ログの送信が失敗したならば、処理をステップS92に遷移させる。
【0066】
ステップS92:電子機器3の送信部40は、前回のログ送信が成功していた、又は、送信失敗ログの保存が実行されてから予め定めた一定時間経過しているならば、処理をステップS93に遷移させ、そうでないならば、処理をステップS91に遷移させる。ここで、「前回のログ送信が成功していた」は、
図5のステップS56に対応し、「送信失敗ログの保存が実行されてから予め定めた一定時間経過」は、
図5のステップS59に対応する。
【0067】
ステップS93:電子機器3のログ保存部36は、送信失敗ログを電子機器3の記憶部16に保存する。
【0068】
ステップS94:電子機器3のログ保存部36は、
図5のステップS63の処理と同様に、送信成功ログを電子機器3の記憶部16に保存する。電子機器3の送信部40は、
図5のステップS61及びステップS64の処理と同様に、障害が発生していた間に取得されたログ及び送信成功ログをログ収集サーバ5の受信部21に送信する。
【0069】
以上の処理により、情報処理システム1では、障害によりログ送信が失敗した後、障害から復旧してログ送信が成功した際に、送信成功に関するログを保存することにより、障害が発生していた期間を追跡することができる。また、情報処理システム1では、障害から復旧した際に、障害発生の間に取得したログ(処理実行及び通信に関するログ)をログ収集サーバ5に送信することが可能である。
【0070】
以上、本発明を実施するための幾つかの形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0071】
例えば、
図4の機能ブロックの構成図の一例は、画像形成装置9等の電子機器3及び情報処理装置による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。画像形成装置9等の電子機器3及び情報処理装置における処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0072】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0073】
また、記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、画像形成装置9等の電子機器3及び情報処理装置は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【符号の説明】
【0074】
1 情報処理システム
2 通信ネットワーク
3 電子機器
4 ノートPC
5 ログ収集サーバ
7 プリンタ
8 画像形成装置
14 表示制御部
15 操作受付部
16、22 記憶部
20、40 送信部
21、41 受信部
30、31 通信部
33 暗号鍵管理部
34 実行部
35 取得部
36 ログ保存部
38 時間管理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0075】