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特開2023-138300画像読取装置、画像読取方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138300
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】画像読取装置、画像読取方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
H04N1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190830
(22)【出願日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】P 2022042414
(32)【優先日】2022-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 貴史
(72)【発明者】
【氏名】阪口 伸司
(72)【発明者】
【氏名】橋本 歩
【テーマコード(参考)】
5C072
【Fターム(参考)】
5C072AA01
5C072BA13
5C072CA02
5C072CA14
5C072DA09
5C072DA23
5C072EA04
5C072FA01
5C072QA05
5C072QA11
5C072VA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】不可視光および可視光を照射して不可視画像を読み取る際に、可視波長成分による画像認識への影響を抑制することができる画像読取装置、画像読取方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】被写体に可視光および不可視光を照射して画像を読み取る画像読取装置1であって、可視光を照射する可視光源13aと、不可視光を照射する不可視光源13bと、被写体の可視画像を読み取る可視読取部11と、被写体の不可視画像を読み取る不可視読取部12と、不可視読取部で受光される光のうち可視波長成分を抑制する抑制手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体に可視光および不可視光を照射して画像を読み取る画像読取装置であって、
前記可視光を照射する第1光源と、
前記不可視光を照射する第2光源と、
前記被写体の可視画像を読み取る可視読取部と、
前記被写体の不可視画像を読み取る不可視読取部と、
前記不可視読取部で受光される光のうち可視波長成分を抑制する抑制手段と、
を備えた画像読取装置。
【請求項2】
前記抑制手段は、前記不可視読取部で受光される光のうち前記可視波長成分を抑制するように前記第1光源の前記可視光の光量を調整する制御部である請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記不可視読取部は、該不可視読取部で受光される光のうち前記可視波長成分を抑制するような厚さに調整されたフィルタを前記抑制手段として備えた請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記不可視読取部で受光される光のうち前記可視波長成分を抑制するように前記第1光源の前記可視光の光量を調整する制御部を、前記抑制手段として備え、
前記不可視読取部は、該不可視読取部で受光される光のうち前記可視波長成分を抑制するような厚さに調整されたフィルタを前記抑制手段として備えた請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2光源の前記不可視光の光量に基づいて、前記第1光源の前記可視光の光量を調整する請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2光源の前記不可視光の光量に基づいて、前記第1光源の前記可視光の光量を調整する請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記制御部は、操作部に対する操作に従って、前記第1光源の前記可視光の光量を調整する請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記制御部は、操作部に対する操作に従って、前記第1光源の前記可視光の光量を調整する請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記制御部は、操作部を介して設定された読取画質モードに応じて、前記第1光源の前記可視光の光量を調整する請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記制御部は、操作部を介して設定された読取画質モードに応じて、前記第1光源の前記可視光の光量を調整する請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項11】
前記読取画質モードは、少なくとも、前記不可視画像として二次元コードの読み取りに適した前記第1光源の前記可視光の光量とする第1読取画質モード、および、前記不可視画像として埋め込み文字の読み取りに適した前記第1光源の前記可視光の光量とする第2読取画質モードを含む請求項9に記載の画像読取装置。
【請求項12】
前記読取画質モードは、少なくとも、前記不可視画像として二次元コードの読み取りに適した前記第1光源の前記可視光の光量とする第1読取画質モード、および、前記不可視画像として埋め込み文字の読み取りに適した前記第1光源の前記可視光の光量とする第2読取画質モードを含む請求項10に記載の画像読取装置。
【請求項13】
前記抑制手段は、前記不可視画像に含まれる可視波長成分の割合が全体の50%以下となるように、前記不可視読取部で受光される光のうち可視波長成分を抑制する請求項1~12のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像読取方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
原稿に対して、可視波長成分と赤外波長成分とを含むランプで照明し、原稿からの反射光を受光して光電変換して画像データを出力する画像読取装置において、原稿からの反射光から赤外波長成分を含む可視波長成分を検出する複数の可視波長成分イメージセンサと、原稿からの反射光から赤外波長成分を検出する赤外波長成分イメージセンサと、赤外波長成分イメージセンサからの赤外波長成分を用いて、原稿画像中に含まれる赤外波長成分で形成された画像を抽出する技術が知られている。
【0003】
このような画像読取装置として、原稿に赤外波長成分を含む光源を照射して可視波長成分と赤外波長成分とをそれぞれ検出するイメージセンサがあり、可視波長成分イメージセンサからの赤外波長成分を含む可視波長成分から、赤外波長成分イメージセンサからの赤外波長成分を取り除き、赤外波長成分イメージセンサからの赤外波長成分を用いて、原稿画像中に含まれる赤外波長成分で形成された特徴画像を抽出する技術が開示されている(例えば特許文献1)。
【0004】
また、原稿の画像が不可視画像か可視画像かを識別する手段として、紫外光と可視光とを照射し、紫外光のみの照射の場合、不可視画像と可視画像との区別ができず、可視光を可視画像および不可視画像に照射したときの読取結果が異なるため、この違いを利用して不可視画像か可視画像かを識別する技術が開示されている(例えば特許文献2)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、赤外波長成分を光源で照明し、原稿画像を赤外波長成分イメージセンサで読みとった画像には実際には可視波長成分も含まれてしまう。それによって赤外波長成分イメージセンサからの赤外波長成分を用いて赤外波長画像を抽出する場合、赤外波長成分イメージセンサの可視波長側の遮光率が低いと可視波長成分も含まれてしまう。そのため、意図した赤外波長画像を抽出することができないという問題があった。また、特許文献2に記載された技術では、不可視画像と可視画像とを識別する際に、外光の影響を下げるために紫外光および可視光の光量を調整することはできるが、紫外光の読取結果に含まれる可視波長成分を抑制することはできず、不可視画像の認識に影響を与えてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、不可視光および可視光を照射して不可視画像を読み取る際に、可視波長成分による画像認識への影響を抑制することができる画像読取装置、画像読取方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、被写体に可視光および不可視光を照射して画像を読み取る画像読取装置であって、前記可視光を照射する第1光源と、前記不可視光を照射する第2光源と、前記被写体の可視画像を読み取る可視読取部と、前記被写体の不可視画像を読み取る不可視読取部と、前記不可視読取部で受光される光のうち可視波長成分を抑制する抑制手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、不可視光および可視光を照射して不可視画像を読み取る際に、可視波長成分による画像認識への影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係る画像読取装置の構成の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る画像読取装置が奏する効果を説明する図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る画像読取装置において可視光の光量を調整した場合の動作を説明する図である。
図4図4は、QRコード(登録商標)を含む原稿を読み取る場合を説明する図である。
図5図5は、第1の実施形態の変形例1に係る画像読取装置の光量調整処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、第1の実施形態の変形例2に係る画像読取装置の構成の一例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態の変形例3に係る画像読取装置のモード切替動作の流れの一例を示す図である。
図8図8は、第2の実施形態に係る画像読取装置の構成の一例を示す図である。
図9図9は、第2の実施形態に係る画像読取装置のセンサ画素部のIRパスフィルタについて説明する図である。
図10-1】図10-1は、第2の実施形態に係る画像読取装置においてIRパスフィルタの厚さを変更した場合の動作を説明する図である。
図10-2】図10-2は、第2の実施形態に係る画像読取装置におけるIRパスフィルタの厚さと、可視光および不可視光の透過率との関係の具体例を示す図である。
図10-3】図10-3は、第2の実施形態に係る画像読取装置におけるIRパスフィルタの厚さと、不可視光に含まれる可視波長成分率との関係の具体例を示す図である。
図11図11は、第3の実施形態に係る画像読取装置において可視波長成分の割合を50%以下にした場合の動作を説明する図である。
図12図12は、従来の画像読取装置の構成の一例を示す図である。
図13図13は、従来の問題点を説明する図である。
図14図14は、従来の画像読取装置の別の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像読取装置、画像読取方法およびプログラムを詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0011】
[従来の技術について]
図12は、従来の画像読取装置の構成の一例を示す図である。図13は、従来の問題点を説明する図である。図12および図13を参照しながら、従来の画像読取装置の構成および問題点を説明する。
【0012】
図12に示す従来の画像読取装置51は、例えば、照射する光に赤外波長成分を含む光源513と、光源513により照射された光のうち原稿1400での反射光を反射するミラー515と、ミラー515で反射した光を受光して光電変換して画像データを出力するイメージセンサ510と、を備えている。
【0013】
イメージセンサ510は、可視波長成分イメージセンサと、赤外波長成分イメージセンサとを含み、赤外波長成分イメージセンサから出力される赤外波長成分を用いて、不可視画像としての赤外波長画像を抽出することができる。ここで、不可視画像とは、不可視光を反射し、それを検出することにより認識できる画像である。一方、可視画像とは、可視光を反射し、それを検出することにより認識できる画像である。例えば、図13(a)に示すように、不可視画像1501と、可視画像1502とが埋め込まれた原稿1500に対して、光源513から赤外光と可視光とを含む光を照射して、不可視画像の読み取りを行う場合、イメージセンサ510のうち赤外波長成分イメージセンサが可視波長成分に対して感度を全く有さないときには、図13(c)に示すように、不可視画像1501のみを含む原稿読取画像1500bを得ることができる。しかし、イメージセンサ510の赤外波長成分イメージセンサの可視域波長成分に対する遮光率が低いと、図13(b)に示す原稿読取画像1500aのように、不可視画像1501だけでなく、可視画像1502aを含んだ画像が検出されてしまうという問題がある。
【0014】
図14は、従来の画像読取装置の別の構成の一例を示す図である。図14を参照しながら、従来の画像読取装置として別の構成および動作について説明する。
【0015】
従来の画像読取装置として、紫外光を照射しても情報が目視できず、明所でも不可視情報の検出ができる記録読取手段を有するものが知られている。この画像読取装置は、例えば、可視光を照射する可視光源と、紫外光を照射する紫外光源と、原稿に可視光源および紫外光源の光を照射して、その可視および不可視の反射光を同一の光電変換素子で受光して光電変換して不可視画像を出力する光電変換素子と、を備えている。このような構成の画像読取装置により、紫外波長領域の不可視画像の抽出をすることを目的とする。
【0016】
このような画像読取装置の構成において、明所にて、原稿の不可視画像および可視画像にそれぞれ紫外光と可視光とを照射して、不可視情報の読み取りを行う。ここで、紫外光に着目すると、図14(a)に示すように、原稿に含まれる不可視画像では、照射時の光量に比べて、反射した光量は約1/4となり、図14(b)に示すように、原稿に含まれる可視画像では、照射時の光量に比べて、反射した光量は約1/5となる。一方、可視光に着目すると、図14(a)に示すように、原稿に含まれる不可視画像では、照射時の光量に比べて、反射した光量はほぼ同じとなり、図14(b)に示すように、原稿に含まれる可視画像では、照射時の光量に比べて、反射した光量は約1/5となる。したがって、紫外光のみの照射では、不可視画像を読み取ることができないが、可視光を照射したとき、反射光の光量の違いによって不可視画像と可視画像とを識別している。
【0017】
上記のような画像読取装置は、図14(c)に示すような光電変換素子52を備えている。光電変換素子52は、図14(c)に示すように、紫外光受光素子520と可視光受光素子540とが第2フィルタ530を挟み込むように積層され、紫外光受光素子520が先の受光するような構成となっている。
【0018】
紫外光受光素子520は、紫外波長成分にのみ感度を持ち、可視波長成分を透過する第1フィルタ521と、第1フィルタ521を透過した光を検出するフォトダイオード522とで構成されている。可視光受光素子540は、シリコンフォトダイオードなどの公知の素子である。第2フィルタ530は、紫外波長成分を吸収し、可視波長成分を透過するフィルタである。
【0019】
そして、図14(c)に示す光電変換素子52を有する画像読取装置は、外光からの影響を低減するために、紫外光および可視光それぞれの光量を調整するものとしている。この光量調整の目的は、光電変換素子52が受光する入射光のうち、原稿に光源の光を照射して反射してきた光および外光の比率を変えることである。すなわち、当該光量調整は、光電変換素子52に入射する外光の比率を小さくするために実施されるものであって紫外光受光素子520に入射する可視光の光量を、不可視画像に含まれる可視波長成分を抑制するように調整するわけではない。そのため、当該光量調整の方法を用いると、外光の状況によっては不可視光と可視光との光量比が変わり、可視光の光量が大きくなり、上述の図13(b)に示したように、原稿の読取画像に、不可視画像だけでなく、可視画像が検出されてしまう場合がある。これによって、例えばバーコードを読み取れない等、不可視画像の画像認識に影響する場合がある。
【0020】
以下に示す本願の各実施形態では、不可視光および可視光を照射して不可視画像を読み取る際に、可視波長成分による画像認識への影響を抑制するための構成および動作について詳細に説明する。
【0021】
[第1の実施形態]
(画像読取装置の構成)
図1は、第1の実施形態に係る画像読取装置の構成の一例を示す図である。図2は、第1の実施形態に係る画像読取装置が奏する効果を説明する図である。図1および図2を参照しながら、本実施形態に係る画像読取装置1の構成および動作について説明する。
【0022】
図1に示すように、画像読取装置1は、可視読取部11と、不可視読取部12と、光源13と、制御部14と、を備えている。
【0023】
光源13は、可視光を照射する可視光源13a(第1光源)と、赤外光または紫外光等の不可視光を照射する不可視光源13b(第2光源)と、を含む。なお、光源13は、可視光源13aと不可視光源13bとの別々の光源で構成されていることに限定されるものではなく、可視光および不可視光を含む光を照射する1の光源で構成されているものとしてもよい。
【0024】
可視読取部11は、光源13から照射され、原稿で反射された光を受光して、当該光のうち可視光について光電変換して画像を出力する読取装置である。
【0025】
不可視読取部12は、光源13から照射され、原稿で反射された光を受光して、当該光のうち主に不可視光について光電変換して画像を出力する読取装置である。
【0026】
制御部14は、外部の制御装置2からの制御指令に応じて、可視光源13aおよび不可視光源13bの消点灯動作および光量を制御するコントローラである。
【0027】
制御装置2は、制御部14の動作を制御する外部の装置であり、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置を備えている。
【0028】
上述のような本実施形態に係る画像読取装置1は、可視光源13aと不可視光源13bとから同時に光を照射させ、可視画像および不可視画像を同時に読み取ることを前提としている。すなわち、画像読取装置1は、図2(a)に示すように、不可視画像1001と、可視画像1002とが埋め込まれた原稿1000に対して、不可視画像1001の読取画像と、可視画像1002の読取画像とを抽出しようとするものである。例えば、住民票等において、正式な書類であることを証明するために埋め込まれている不可視の真贋判定マークの読み取りを、書類の可視情報の読み取りと同時に実施する場合等に画像読取装置1が適用できる。これによって、ユーザの真贋判定の時間を削減することができる。
【0029】
ただし、図2(a)に示す原稿1000から、不可視読取部12による不可視画像を得ようとする場合に、不可視読取部12で受光される光のうち可視波長成分を抑制しないと、図2(b)に示す原稿読取画像1000aのように、受光された一部の可視波長成分に基づく可視画像1002aが含まれることになる。これによって、埋め込まれた不可視画像1001を識別することができなくなる。そこで、本実施形態に係る画像読取装置1では、制御部14(抑制手段の一例)によって可視光源13aの可視光の光量が調整されることによって、不可視読取部12で受光される光のうち可視波長成分を抑制する。これによって、不可視読取部12により得られる画像が、図2(c)に示すように不可視画像1001のみを含む原稿読取画像1000bとして得られるようにする。なお、ここで可視波長成分とは、例えば380~780[nm]の波長域の成分のことである。
【0030】
(画像読取装置の動作)
図3は、第1の実施形態に係る画像読取装置において可視光の光量を調整した場合の動作を説明する図である。図4は、QRコードを含む原稿を読み取る場合を説明する図である。図3および図4を参照しながら、本実施形態に係る画像読取装置1における可視光の光量を調整する動作について説明する。
【0031】
画像読取装置1による読み取り対象として、図3(a)に示すような不可視画像として埋め込み文字が含まれた原稿1100を考える。図3(b)に示すように、例えば、可視光源13aおよび不可視光源13bそれぞれから、光量の調整をせずに最大光量で可視光および不可視光を原稿1100に対して照射した場合に、不可視読取部12で読み取られた原稿読取画像1100aは、可視画像(桜マーク)が含まれた画像となり、不可視画像である埋め込み文字(「証」の文字)を識別することができない。
【0032】
そこで、画像読取装置1の制御部14は、図3(c)に示すように、可視光源13aが照射する可視光の光量を調整することにより、不可視読取部12で受光される光のうち可視波長成分を抑制するようにする。具体的には、例えば、制御部14は、可視光源13aから照射される可視光の光量を、不可視光源13bから照射される不可視光の光量よりも小さくなるように調整したり、または、可視光源13aから照射される可視光の光量を、最大光量よりも小さくなるように調整する。これによって、不可視読取部12で読み取られた画像は、図3(c)に示すような原稿読取画像1100bとなり、不可視波長成分に基づく不可視画像である埋め込み文字を識別することができる。
【0033】
ただし、可視光源13aから照射される可視光の光量を下げると、可視読取部11で受光される可視光に対して、不可視光源13bからの光ショットノイズ等のノイズの割合が大きくなり、可視画像の品質が低下する可能性があるため、可視光源13aの可視光の光量の調整は、当該品質が保てるところを最低限とする必要がある。
【0034】
例えば、画像読取装置1による読み取り対象となる原稿が、上述の図3(a)に示した不可視画像として埋め込み文字(「証」の文字)を含む原稿1100である場合、制御部14は、不可視読取部12によって不可視画像である埋め込み文字が視認できる程度の原稿読取画像1100bとして読み取られるように、可視光源13aが照射する可視光の光量を調整するものとすればよい。なお、可視光源13aが照射する可視光の光量を調整する手段の一例として、制御部14により可視光源13aを点灯させる制御信号の出力レベル(電流値または電圧値)を調整する方法がある。
【0035】
また、画像読取装置1による読み取り対象として、図4(a)に示すような不可視画像としてQRコード等のような二次元コードが含まれた原稿1200を考える。図4(b)に示すように、例えば、可視光源13aおよび不可視光源13bそれぞれから、光量の調整をせずに最大光量で可視光および不可視光を原稿1100に対して照射した場合に、不可視読取部12で読み取られた原稿読取画像1200aは、可視画像(桜マーク)を含まれた画像となり、不可視画像である二次元コードをデコードすることができない。そこで、制御部14は、不可視読取部12によって不可視画像である二次元コードがデコードできる程度の原稿読取画像1200bとして読み取られるように、可視光源13aが照射する可視光の光量を調整するものとすればよい。
【0036】
以上のように、本実施形態に係る画像読取装置1では、可視光源13aは、可視光を照射し、不可視光源13bは、不可視光を照射し、可視読取部11は、原稿の可視画像を読み取り、不可視読取部12は、原稿の不可視画像を読み取り、制御部14は、不可視読取部12で受光される光のうち可視波長成分を抑制するように可視光源13aの可視光の光量を調整するものとしている。これによって、不可視光および可視光を照射して不可視画像を読み取る際に、可視波長成分による画像認識への影響を抑制することができる。
【0037】
(変形例1)
図5は、第1の実施形態の変形例1に係る画像読取装置の光量調整処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5を参照しながら、本変形例に係る画像読取装置1の光量調整処理の流れについて説明する。
【0038】
<ステップS11>
まず、画像読取装置1の制御部14は、不可視光源13bから照射される不可視光の光量を調整する。そして、ステップS12へ移行する。
【0039】
<ステップS12>
次に、制御部14は、調整した不可視光源13bの光量に基づいて、不可視読取部12で読み取られる原稿読取画像に含まれる可視波長成分が不可視画像の認識に影響がないレベルになるように、可視光源13aから照射される可視光の光量を調整する。そして、光量調整処理を終了する。
【0040】
これによって、可視光源13aの可視光の光量を必要以上に下げることがなくなり、可視画像の品質の維持に最大限寄与することができる。
【0041】
(変形例2)
図6は、第1の実施形態の変形例2に係る画像読取装置の構成の一例を示す図である。図6を参照しながら、本変形例に係る画像読取装置1aの構成および動作について説明する。
【0042】
図6に示すように、画像読取装置1aは、可視読取部11と、不可視読取部12と、光源13と、制御部14aと、を備えている。なお、可視読取部11、不可視読取部12および光源13の機能は、上述の実施形態で説明した通りである。
【0043】
制御部14aは、外部の制御装置2からの制御指令に応じて、可視光源13aおよび不可視光源13bの消点灯動作および光量を制御するコントローラである。また、制御部14aは、操作部3に対するユーザの操作に従って、可視光源13aの可視光の光量を段階的に調整する。
【0044】
操作部3は、例えば、画像読取装置1aに対して所定のI/Fを介して接続されるタッチパネル等の操作入力装置である。操作部3は、ユーザにより入力された操作情報を、当該I/Fを介して制御部14aに送信する。なお、上述のI/Fは、有線ケーブルを接続するI/Fであってもよく、無線通信可能な無線式のI/Fであってもよい。
【0045】
ユーザによって許容できる不可視画像に含まれる可視波長成分の割合が異なる場合があるため、操作部3によって可視光源13aの可視光の光量を段階的に調整することにより、任意のレベルに調整することができる。
【0046】
(変形例3)
図7は、第1の実施形態の変形例3に係る画像読取装置のモード切替動作の流れの一例を示す図である。図7を参照しながら、本変形例に係る画像読取装置1aのモード切替動作について説明する。なお、本変形例に係る画像読取装置1aの構成は、上述の変形例2に係る画像読取装置1aと同様である。
【0047】
本変形例に係る画像読取装置1aの制御部14aは、読み取り対象となる原稿の不可視画像に合わせた複数の読取画質モードのうち、操作部3を介してユーザによって選択された読取画質モードに応じた光量となるように、可視光源13aの可視光の光量を調整する。例えば、読取画質モードとしては、QRコード等のような二次元コードが含まれた原稿の不可視画像の読み取りに適した可視光源13aの光量とする読取画質モード、埋め込み文字が含まれた原稿の不可視画像の読み取りに適した可視光源13aの光量とする読取画質モード等が挙げられる。以下、画像読取装置1aのモード切替動作の流れについて説明する。なお、図7においては、3つの読取画質モードがあるものとして説明するが、読取画質モードの数はこれに限定されるものではない。
【0048】
<ステップS21>
ユーザは、操作部3を介して、制御部14aの読取画質モードA~Cのうちいずれかに切り替える。読取画質モードAに切り替えられた場合(ステップS21:読取画質モードA)、ステップS22へ移行し、読取画質モードBに切り替えられた場合(ステップS21:読取画質モードB)、ステップS23へ移行し、読取画質モードCに切り替えられた場合(ステップS21:読取画質モードC)、ステップS24へ移行する。
【0049】
<ステップS22>
制御部14aは、可視光源13aの可視光の光量が、読取画質モードAに応じた光量aとなるように調整する。そして、モード切替動作を終了する。
【0050】
<ステップS23>
制御部14aは、可視光源13aの可視光の光量が、読取画質モードBに応じた光量bとなるように調整する。そして、モード切替動作を終了する。
【0051】
<ステップS24>
制御部14aは、可視光源13aの可視光の光量が、読取画質モードCに応じた光量cとなるように調整する。そして、モード切替動作を終了する。
【0052】
これによって、ユーザは読取画質モードの切り替え操作のみで、可視光源13aの可視光の光量を、原稿の不可視画像の読取処理に適した光量に調整できるため、ユーザビリティの向上に寄与できる。
【0053】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る画像読取装置について、第1の実施形態に係る画像読取装置1と相違する点を中心に説明する。第1の実施形態では、可視光源13aが照射する可視光の光量を調整することにより、不可視読取部12で受光される光のうち可視波長成分を抑制する動作について説明した。本実施形態では、不可視読取部のIRパスフィルタの厚さを調整することにより、不可視読取部で受光される光のうち可視波長成分を抑制する動作について説明する。
【0054】
(画像読取装置の構成)
図8は、第2の実施形態に係る画像読取装置の構成の一例を示す図である。図9は、第2の実施形態に係る画像読取装置のセンサ画素部のIRパスフィルタについて説明する図である。図8および図9を参照しながら、本実施形態に係る画像読取装置1bの構成および動作について説明する。
【0055】
図8に示すように、画像読取装置1bは、可視読取部11と、不可視読取部12bと、光源13と、制御部14と、を備えている。なお、可視読取部11および光源13の機能は、上述の実施形態で説明した通りである。
【0056】
不可視読取部12bは、光源13から照射され、原稿で反射された光を受光して、当該光のうち主に不可視光について光電変換して画像を出力する読取装置である。ここで、不可視読取部12bは、図8に示すように、IRパスフィルタ121を備えている。IRパスフィルタ121は、赤外光等の不可視光のみを透過することをも目的とするフィルタである。ただし、IRパスフィルタ121は、入射した可視光の一部を透過してしまうため、図9で後述するように、可視光の透過量が減少するように厚さが調整されている。
【0057】
制御部14は、外部の制御装置2からの制御指令に応じて、可視光源13aおよび不可視光源13bの消点灯動作および光量を制御するコントローラである。本実施形態では、制御部14は、上述の第1の実施形態のように可視光源13aの可視光の光量を調整することなく、例えば、可視光源13aおよび不可視光源13bの光量が同じとなるように制御する。
【0058】
ここで、図9を参照しながら、上述のIRパスフィルタ121の厚さの調整について説明する。不可視読取部12bは、図9(b)に示す複数のセンサ画素部120で構成されており、各センサ画素部120は、図9(b)に示すように、IRパスフィルタ121と、光を検出するフォトダイオード122と、を備えている。ここで、図9(a)に、厚さが調整されていないIRパスフィルタ121’と、光子の数に応じて電荷を出力するフォトダイオード122’とを備えたセンサ画素部120’を示している。この場合、IRパスフィルタ121’は、図9(a)に示すように、入射した不可視光についてはそのまま透過させ、入射した可視光について大部分を遮断するものの、一部の可視光を透過させてしまう。そのため、上述した図2(b)に示す原稿読取画像1000aのように、受光された一部の可視光に基づく可視画像1002aが含まれることになり、これによって埋め込まれた不可視画像1001を識別することができなくなる。そこで、本実施形態に係る画像読取装置1bでは、図9(b)に示すように、不可視読取部12bのIRパスフィルタ121(抑制手段の一例)の厚さを厚くすることによって、IRパスフィルタ121を透過する可視光の透過量を低下させ、不可視読取部12bで受光される可視光を抑制する。これによって、不可視読取部12bにより得られる画像が、上述の図2(c)に示すように不可視画像1001のみを含む原稿読取画像1000bとして得られるようにする。
【0059】
(画像読取装置の動作)
図10-1は、第2の実施形態に係る画像読取装置においてIRパスフィルタの厚さを変更した場合の動作を説明する図である。図10-2は、第2の実施形態に係る画像読取装置におけるIRパスフィルタの厚さと、可視光および不可視光の透過率との関係の具体例を示す図である。図10-3は、第2の実施形態に係る画像読取装置におけるIRパスフィルタの厚さと、不可視光に含まれる可視波長成分率との関係の具体例を示す図である。図10-1~図10-3を参照しながら、本実施形態に係る画像読取装置1bにおける動作について説明する。
【0060】
画像読取装置1bによる読み取り対象として、図10-1(a)に示すような不可視画像として埋め込み文字が含まれた原稿1100を考える。上述の図9(a)に示したセンサ画素部120’を備えた不可視読取部である場合、図10-1(b)に示すように、可視波長領域である約600~780[nm]においても透過する性質があるため、可視光源13aおよび不可視光源13bの光量比の調整をせずに、可視光および不可視光を原稿1100に対して照射した場合に、不可視読取部12bで読み取られた原稿読取画像1100aは、可視画像(桜マーク)を含まれた画像となり、不可視画像である埋め込み文字(「証」の文字)を識別することができない。
【0061】
そこで、画像読取装置1bの不可視読取部12bのIRパスフィルタ121の厚さを厚くする。IRパスフィルタ121を厚くすると、不可視光および可視光の透過率が下がる。これを利用して、可視波長領域である約600~780[nm]における光(可視光)を透過しないようにする。これによって、可視波長成分(可視光)の透過量が下がり、原稿読取画像に含まれる可視波長成分が小さくなる。例として、図10-2においてIRパスフィルタ121の厚さを変えた場合の可視光および不可視光の透過率の変化を示している。IRパスフィルタ121の厚さを700[nm]から1400[nm]に2倍に厚くすると、可視光の透過率は約20[%]から約10[%]に下がり、不可視光の透過率は約60[%]から約30[%]に下がる。これを利用して、IRパスフィルタ121の厚さを、原稿読取画像に含まれる可視波長成分を抑制できる厚さにする。これによって、不可視読取部12bで読み取られた画像は、図10-1(c)に示すような原稿読取画像1100bとなり、不可視波長成分に基づく不可視画像である埋め込み文字を識別することができる。
【0062】
また、例として、図10-3においてIRパスフィルタ121のフィルタの厚さと、不可視読取部12bで受光される不可視光に含まれる可視波長成分の比率(可視波長成分率)と関係の一例を示している。図10-3に示すように、IRパスフィルタ121のフィルタの厚さが厚くなるほど、不可視読取部12bで受光される不可視光に含まれる可視波長成分率が低くなる。上述したように、不可視読取部12bで受光される不可視光に可視波長成分が多く含まれると、埋め込み文字またはQRコード等の二次元コードの不可視画像の識別が困難となる。そこで、可視波長成分率を下げることにより、埋め込み文字またはQRコード等の二次元コードの不可視画像の視認性の向上が可能となる。例えば、可視波長成分率を50[%]以下に下げると、二次元コードを読み取れるレベルとなる。さらに、可視波長成分率を30[%]以下にすると、印字品質に対するロバスト性が向上し、対応できるデコード用ソフトウェアの幅が広がるという効果が期待できる。図10-3に示すように、例えば可視波長成分率を30[%]以下に抑えるためには、IRパスフィルタ121の厚さを800[nm]以上とすることにより達成できる。
【0063】
ただし、IRパスフィルタ121の厚さを厚くすると不可視光の遮光率も高くなるため単に厚くしすぎると不可視画像の品質が悪化してしまうため、厚さは可視光源13aの遮光ができ、不可視画像の品質が保てる厚さとする必要がある。
【0064】
以上のように、本実施形態に係る画像読取装置1bでは、可視光源13aは、可視光を照射し、不可視光源13bは、不可視光を照射し、可視読取部11は、原稿の可視画像を読み取り、不可視読取部12bは、原稿の不可視画像を読み取り、不可視読取部12bで受光される光のうち可視波長成分を抑制するような厚さに調整されたIRパスフィルタ121を備えるものとしている。これによって、不可視光および可視光を照射して不可視画像を読み取る際に、可視波長成分による画像認識への影響を抑制することができる。
【0065】
なお、本実施形態に係る画像読取装置1aに対して、上述の第1の実施形態に係る画像読取装置1のような、制御部14による可視光源13aの可視光の光量の調整機能を組み合わせることも可能である。これによって、例えば、IRパスフィルタ121により透過する可視光の透過量を低下させた状態から、不可視画像として読み取るものに適した光量となるように可視光源13aの光量を微調整することができる。
【0066】
[第3の実施形態]
本実施形態では、二次元コード(例えばQRコード)をデコードできる程度の不可視画像を得るための動作について説明する。
【0067】
図11は、第3の実施形態に係る画像読取装置において可視波長成分の割合を50%以下にした場合の動作を説明する図である。図11を参照しながら、本実施形態に係る画像読取装置において、二次元コード(例えばQRコード)をデコードできる程度の不可視画像を得るための動作について説明する。なお、不可視読取部12(12b)で受光される可視光を抑制するための方法としては、第1の実施形態で説明したような可視光源13aの可視光の光量を調整する方法、または、第2の実施形態で説明したようなIRパスフィルタ121の厚さを調整する方法のうちいずれの方法であってもよい。
【0068】
図11(a)に示す原稿1300は、二次元コードの一例としてのQRコードが埋め込まれた原稿である。
【0069】
まず、図11(b)に示す原稿読取画像1300aは、不可視画像に含まれる可視波長成分の割合(可視混色率)が全体(不可視波長成分および可視波長成分)の50%を超過した場合の読取画像(不可視読取部12、12bにより読み取った不可視画像)を示している。この場合、QRコードである不可視画像に含まれる可視波長成分の影響により、当該QRコードと背景部分とのコントラストが、当該QRコードをデコードできるレベルに達していない。
【0070】
一方、図11(c)に示す原稿読取画像1300bは、不可視画像に含まれる可視波長成分の割合(可視混色率)が全体の50%以下の場合の読取画像(不可視読取部12、12bにより読み取った不可視画像)を示している。QRコードの場合、可視混色率が50%以下であればQRコードと背景部分とのコントラストが当該QRコードのデコードができるレベルになる。QRコードをデコードする際に二値化処理を実施するため、一般的に中間値を閾値として処理され、可視混色率が50%以下であればデコードすることができる。したがって、本実施形態に係る画像読取装置は、可視混色率50%以下になるように、不可視読取部12で受光される可視光を抑制する。
【0071】
これによって、不可視画像である二次元コード(ここではQRコード)を識別できる程度の読取画像を得ることができる。
【0072】
なお、上述の各実施形態において、画像読取装置1、1a、1bの各機能部の少なくともいずれかがプログラムの実行によって実現される場合、そのプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。また、上述の各実施形態において、画像読取装置1、1a、1bで実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Compact Disk-Recordable)、またはDVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上述の各実施形態において、画像読取装置1、1a、1bで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の各実施形態において、画像読取装置1、1a、1bで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上述の各実施形態において、画像読取装置1、1a、1bで実行されるプログラムは、上述した各機能部のうち少なくともいずれかを含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが記憶装置からプログラムを読み出して実行することにより、上述の各機能部が主記憶装置上にロードされて生成されるようになっている。
【0073】
本発明の態様は、以下の通りである。
<1>被写体に可視光および不可視光を照射して画像を読み取る画像読取装置であって、
前記可視光を照射する第1光源と、
前記不可視光を照射する第2光源と、
前記被写体の可視画像を読み取る可視読取部と、
前記被写体の不可視画像を読み取る不可視読取部と、
前記不可視読取部で受光される光のうち可視波長成分を抑制する抑制手段と、
を備えた画像読取装置である。
<2>前記抑制手段は、前記不可視読取部で受光される光のうち前記可視波長成分を抑制するように前記第1光源の前記可視光の光量を調整する制御部である前記<1>に記載の画像読取装置である。
<3>前記不可視読取部は、該不可視読取部で受光される光のうち前記可視波長成分を抑制するような厚さに調整されたフィルタを前記抑制手段として備えた前記<1>に記載の画像読取装置である。
<4>前記不可視読取部で受光される光のうち前記可視波長成分を抑制するように前記第1光源の前記可視光の光量を調整する制御部を、前記抑制手段として備え、
前記不可視読取部は、該不可視読取部で受光される光のうち前記可視波長成分を抑制するような厚さに調整されたフィルタを前記抑制手段として備えた前記<1>に記載の画像読取装置である。
<5>前記制御部は、前記第2光源の前記不可視光の光量に基づいて、前記第1光源の前記可視光の光量を調整する前記<2>に記載の画像読取装置である。
<6>前記制御部は、前記第2光源の前記不可視光の光量に基づいて、前記第1光源の前記可視光の光量を調整する前記<4>に記載の画像読取装置。
<7>前記制御部は、操作部に対する操作に従って、前記第1光源の前記可視光の光量を調整する前記<2>に記載の画像読取装置である。
<8>前記制御部は、操作部に対する操作に従って、前記第1光源の前記可視光の光量を調整する前記<4>に記載の画像読取装置である。
<9>前記制御部は、操作部を介して設定された読取画質モードに応じて、前記第1光源の前記可視光の光量を調整する前記<2>に記載の画像読取装置である。
<10>前記制御部は、操作部を介して設定された読取画質モードに応じて、前記第1光源の前記可視光の光量を調整する前記<4>に記載の画像読取装置である。
<11>前記読取画質モードは、少なくとも、前記不可視画像として二次元コードの読み取りに適した前記第1光源の前記可視光の光量とする第1読取画質モード、および、前記不可視画像として埋め込み文字の読み取りに適した前記第1光源の前記可視光の光量とする第2読取画質モードを含む前記<9>に記載の画像読取装置である。
<12>前記読取画質モードは、少なくとも、前記不可視画像として二次元コードの読み取りに適した前記第1光源の前記可視光の光量とする第1読取画質モード、および、前記不可視画像として埋め込み文字の読み取りに適した前記第1光源の前記可視光の光量とする第2読取画質モードを含む前記<10>に記載の画像読取装置である。
<13>前記抑制手段は、前記不可視画像に含まれる可視波長成分の割合が全体の50%以下となるように、前記不可視読取部で受光される光のうち可視波長成分を抑制する前記<1>~<12>のいずれか一項に記載の画像読取装置である。
【符号の説明】
【0074】
1、1a、1b 画像読取装置
2 制御装置
3 操作部
11 可視読取部
12、12b 不可視読取部
13 光源
13a 可視光源
13b 不可視光源
14、14a 制御部
51 画像読取装置
52 光電変換素子
120、120’ センサ画素部
121、121’ IRパスフィルタ
122、122’ フォトダイオード
510 イメージセンサ
513 光源
515 ミラー
520 紫外光受光素子
521 第1フィルタ
522 フォトダイオード
530 第2フィルタ
540 可視光受光素子
541 フォトダイオード
1000 原稿
1000a、1000b 原稿読取画像
1001 不可視画像
1002、1002a 可視画像
1100 原稿
1100a、1100b 原稿読取画像
1200 原稿
1200a、1200b 原稿読取画像
1300 原稿
1300a、1300b 原稿読取画像
1400 原稿
1500 原稿
1500a、1500b 原稿読取画像
1501 不可視画像
1502、1502a 可視画像
【先行技術文献】
【特許文献】
【0075】
【特許文献1】特開2007-043427号公報
【特許文献2】特開2002-342746号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10-1】
図10-2】
図10-3】
図11
図12
図13
図14