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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138308
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
B41J2/01 305
B41J2/01 303
B41J2/01 451
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192538
(22)【出願日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】P 2022044759
(32)【優先日】2022-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】230100631
【弁護士】
【氏名又は名称】稲元 富保
(72)【発明者】
【氏名】松本 博好
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EB13
2C056EB27
2C056EB37
2C056EC11
2C056EC35
2C056EE18
2C056FA10
2C056FB03
2C056HA46
(57)【要約】
【課題】印刷対象の高さの検出精度を向上できる印刷装置を提供する。
【解決手段】布地400に対して液体を吐出する第1ヘッド10A及び第2ヘッド10Bと、布地400を保持するプラテン40と、プラテン40上の布地400を検知する第1高さ検知手段80A及び第2高さ検知手段80Bとを備え、第1ヘッド10A、第2ヘッド10Bとプラテン40は副走査方向Yに相対移動可能であり、第1高さ検知手段80Aと第2高さ検知手段80Bとは副走査方向の異なる位置に配置されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷対象に対して液体を吐出する液体吐出手段と、
前記液体吐出手段を主走査方向へ移動するキャリッジと、
前記印刷対象を保持し、前記主走査方向に対して直交する副走査方向に前記印刷対象を移動する保持部材と、
前記保持部材上の前記印刷対象を検知する複数の高さ検知手段と、を備え、
前記液体吐出手段と前記保持部材とは副走査方向に相対移動可能であり、
前記複数の高さ検知手段は、副走査方向の異なる位置に配置されている
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
複数の前記液体吐出手段を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記複数の高さ検知手段の内、少なくとも1つの前記高さ検知手段は、副走査方向において前記複数の液体吐出手段の間に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記液体吐出手段と前記保持部材とは高さ方向に相対移動可能であり、
前記複数の高さ検知手段の検知結果に基づいて、前記保持部材と前記液体吐出手段とを高さ方向に相対移動させる制御をする手段を備えている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項5】
前記液体吐出手段の吐出状態を確認するパターンを印刷する動作を行うとき、
前記液体吐出手段と前記保持部材とを前記副走査方向に相対移動して前記パターンの印刷を開始する位置にするときには、前記高さ検知手段の検知結果に基づいて前記保持部材と前記液体吐出手段とを高さ方向に相対移動させる制御をし、
前記パターンを印刷後、初期位置に前記液体吐出手段と前記保持部材とを相対移動するときには、前記高さ検知手段の検知結果に基づく制御を行わない
ことを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記液体吐出手段の吐出状態を確認するパターンを印刷する動作を行うとき、
前記液体吐出手段と前記保持部材とを前記副走査方向に相対移動して前記パターンの印刷を開始する位置にするときには、前記高さ検知手段の検知結果に基づいて前記保持部材と前記液体吐出手段とを高さ方向に相対移動させる制御をし、
前記パターンを印刷後、前記パターンの印刷を開始する位置に前記液体吐出手段と前記保持部材とを相対移動するときに、前記高さ検知手段が検知したときには、印刷を開始しない
ことを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記保持部材を前記複数の高さ検知手段の内の少なくとも1つの高さ検知手段で検知される高さまで上昇させた後、前記保持部材を前記少なくとも1つの高さ検知手段で検知されない位置まで下降させる制御をする
ことを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記印刷対象が布地である
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置として、例えばTシャツなどの布地に印刷を行う捺染装置がある。
【0003】
従来、印刷対象に対して液体を吐出する液体吐出手段と、印刷対象を保持する保持部材と、保持部材上の印刷対象を検知する高さ検知手段とを備え、高さ検知手段は、第1高さ、及び、第1高さよりも低い第2高さで、印刷対象を検知するようにしたものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-115847公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、印刷対象を保持部材に保持して印刷を行う場合、印刷対象の表面を検出するときの検出精度をより高い精度で検出して、液体吐出手段と印刷対象の間隔を確保することが求められる。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、印刷対象の高さの検出精度を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係る印刷装置は、
印刷対象に対して液体を吐出する液体吐出手段と、
前記液体吐出手段を主走査方向へ移動するキャリッジと、
前記印刷対象を保持し、前記主走査方向に対して直交する副走査方向に前記印刷対象を移動する保持部材と、
前記保持部材上の前記印刷対象を検知する複数の高さ検知手段と、を備え、
前記液体吐出手段と前記保持部材とは副走査方向に相対移動可能であり、
前記複数の高さ検知手段は、副走査方向の異なる位置に配置されている
構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、印刷対象の高さの検出精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る印刷装置の斜視説明図である。
図2】同じく平面説明図である。
図3】同じく正面説明図である。
図4】同実施形態における高さ検知手段の説明に供する模式的側面説明図である。
図5】同高さ検知手段の作用説明に供する正面説明図である。
図6】同実施形態の印刷動作の制御に係る部分の説明に供するブロック説明図である。
図7】同実施形態におけるノズルチェックパターンの印刷動作の説明に供する説明図である。
図8】比較例におけるノズルチェックパターンの印刷動作の説明に供する説明図である。
図9】同実施形態における制御手段によるノズルチェックパターンの印刷に係る制御の説明に供するフロー図である。
図10】本発明の第3実施形態におけるヘッドのノズルの状態を確認するノズルチェックパターンを印刷するときの動作説明に供する説明図である。
図11】同実施形態における制御手段によるノズルチェックパターンの印刷に係る制御の説明に供するフロー図である。
図12】本発明の第4実施形態におけるヘッドのノズルの状態を確認するノズルチェックパターンを印刷するときの動作説明に供する説明図である。
図13】同実施形態における制御手段によるノズルチェックパターンの印刷に係る制御の説明に供するフロー図である。
図14】本発明の第5実施形態における制御手段によるノズルチェックパターンの印刷に係る制御の説明に供するフロー図である。
図15】本発明の第6実施形態における制御手段によるノズルチェックパターンの印刷に係る制御の説明に供するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る印刷装置について図1ないし図3を参照して説明する。図1は同印刷装置の斜視説明図、図2は同じく平面説明図、図3は同じく正面説明図である。
【0011】
印刷装置1は、液体を吐出する液体吐出手段を搭載し、主走査方向Xに移動可能なキャリッジ11Aと、同じく主走査方向Xに移動可能なキャリッジ11Bとを備えている。キャリッジ11A及びキャリッジ11Bは、主走査方向Xと直交する副走査方向Yに間隔を空けて配置されている。
【0012】
キャリッジ11Aには、1又は複数の第1ヘッド10Aが搭載されている。キャリッジ11Aの第1ヘッド10Aは、液体を吐出するノズルを配列したノズル列を2列有し、ホワイトWの液体を吐出する。なお、第1ヘッド10Aは、ホワイトWの液体に限らず、他の色の液体、その他処理液などを吐出する構成とすることもできる。
【0013】
キャリッジ11Bには、例えば4つの第2ヘッド10Bが搭載され、各第2ヘッド10Bは、液体を吐出するノズルを配列したノズル列を2列有している。キャリッジ11Bの各第2ヘッド10Bは、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの各色の液体を吐出する。
【0014】
本実施形態の印刷装置では、奥側のキャリッジをキャリッジ11Aとし、手前側のキャリッジをキャリッジ11Bとする。これにより、副走査方向の異なる位置に複数の液体吐出手段である第1ヘッド10Aと第2ヘッド10Bとが配置される。
【0015】
キャリッジ11A、キャリッジ11Bは、それぞれ、第1ヘッド10A、第2ヘッド10Bのそれぞれに供給する液体を一時的に貯留するサブタンクも搭載している。メインタンク21から、所要の色の液体が、供給チューブを介して、送液ポンプによりサブタンクに送液される。
【0016】
キャリッジ11A、11Bは、それぞれ、ガイド部材12、13によって主走査方向Xに往復移動可能に保持されている。キャリッジ11A、11Bは主走査モータ14で回転される駆動プーリ15と従動プーリ16との掛け回したタイミングベルト17に連結され、主走査モータ14を駆動することによりキャリッジ11A、11Bを主走査方向Xに往復移動させる。
【0017】
エンコーダシート18は主走査方向Xに沿って配置している。エンコーダシート18には周期的なスリットが設けられている。キャリッジ11A、11Bは、エンコーダシート18のスリットを読み取る読み取りセンサを有し、読み取りセンサの読み取り結果から主走査方向Xにおけるキャリッジ11A、11Bの位置を検出できる。
【0018】
コントローラボード50は、キャリッジ11の読み取りセンサの読み取り結果で得らえるキャリッジ位置から吐出位置でタイミングを合わせて第1ヘッド10A、第2ヘッド10Bから液体であるインクを吐出させる制御をする。
【0019】
印刷装置1は、印刷対象としての布地400を保持する保持部材であるプラテン40を備えている。プラテン40は、昇降機構41上に搭載して、キャリッジ11Aの第1ヘッド10A及びキャリッジ11Bの第2ヘッド10B対して高さ方向(上下方向)Zに相対移動可能として、高さを調整可能としている。プラテン40の昇降機構41は、スライダ42上に搭載されている。スライダ42は、主走査方向Xと直交する副走査方向Yに延設したスライドレール43上に移動可能に載置されている。
【0020】
スライダ42は、タイミングベルト45を介して副走査駆動機構により副走査方向Yに往復移動される。スライダ42が副走査方向Yに往復移動されることにより、プラテン40も副走査方向Yに往復移動される。なお、副走査方向Yは、印刷装置1の手前側から奥側に向かう方向をY1とし、装置の奥側から手前側に向かう方向をY2とする。
【0021】
主走査方向の一端側には、キャリッジ11Aの第1ヘッド10A及びキャリッジ11Bの第2ヘッド10Bのそれぞれの維持回復を行うメンテナンスユニット60が配置されている。メンテナンスユニット60は、第1ヘッド10A、第2ヘッド10Bの各ノズル面をキャッピングする吸引キャップ61と、第1ヘッド10A、第2ヘッド10Bのノズル面を保湿のためにキャッピングする保湿キャップ62と、第1ヘッド10A、第2ヘッド10Bのノズル面を払拭する払拭部材63を備えている。吸引キャップ61には吸引ポンプが接続されている。
【0022】
主走査方向の他端側には、吐出受け66が配置されている。コントローラボード50は、印刷途中で、第1ヘッド10A、第2ヘッド10Bから吐出受け66に液体を吐出させることにより、第1ヘッド10A及び第2ヘッド10Bの維持回復を行う。
【0023】
また、印刷装置1は、電源ボタン70、操作部71、電源ユニット72などを備えている。
【0024】
次に、この印刷装置における高さ検知手段について図4及び図5を参照して説明する。図4は同印刷装置の模式的側面説明図、図5は同高さ検知手段の作用説明に供する正面説明図である。
【0025】
印刷装置1には、プラテン40、或いは、プラテン40上の布地400を検知する複数の第1高さ検知手段80Aと第2高さ検知手段80Bとが、副走査方向Yの異なる位置に配置されている。
【0026】
第1高さ検知手段80A及び第2高さ検知手段80Bは、いずれも、主走査方向の一端側及び他端側に配置した発光部80aと受光部80bとで構成される。また、第1高さ検知手段80Aと第2高さ検知手段80Bとで検知する高さは、同じ高さとしている。
【0027】
第1高さ検知手段80A及び第2高さ検知手段80Bにおいては、図5(a)に示すように、発光部80aからのレーザー光Lが受光部80bに入射されているときには、布地400が所定の高さ以下であると検知できる。これに対し、図5(b)に示すように、発光部80aからのレーザー光Lが受光部80bに入射されないときには、布地400が所定の高さを超えていると検知できる。
【0028】
第1高さ検知手段80Aは、副走査方向Yにおいて、キャリッジ11A(第1ヘッド10A)とキャリッジ11B(第2ヘッド10B)との間に配置されている。言い換えれば、第1高さ検知手段80Aは、副走査方向Yの方向Y1において、キャリッジ11B(第2ヘッド10B)の下流側であって、キャリッジ11A(第1ヘッド10A)の上流側に配置されている。
【0029】
第2高さ検知手段80Bは、副走査方向Yにおいて、印刷装置1の入口部分に配置されている。言い換えれば、第2高さ検知手段80Bは、副走査方向Yの方向Y1において、キャリッジ11A(第1ヘッド10A)及びキャリッジ11B(第2ヘッド10B)の上流側に配置されている。
【0030】
なお、高さ検知手段は副走査方向に3つ以上配置することもできる。このとき、3つ以上の高さ検知手段の内、2つ以上の高さ検知手段を、副走査方向Yにおいて、キャリッジ11A(第1ヘッド10A)とキャリッジ11B(第2ヘッド10B)との間に配置することもできる。また、高さ検知手段として測距センサを使用することもできる。
【0031】
次に、印刷装置の印刷動作の制御に係る部分について図6のブロック説明図を参照して説明する。
【0032】
印刷制御手段801は、ヘッド駆動制御部802Aを介してキャリッジ11Aのヘッド10Aを駆動制御する。印刷制御手段801は、主走査駆動部803Aを介して主走査モータ14を駆動して、キャリッジ11Aを主走査方向Xに往復移動させる。
【0033】
印刷制御手段801は、ヘッド駆動制御部802Bを介してキャリッジ11Bのヘッド10Bを駆動制御する。印刷制御手段801は、主走査駆動部803Bを介して主走査モータ14を駆動して、キャリッジ11Bを主走査方向Xに往復移動させる。
【0034】
印刷制御手段801は、副走査駆動部804を介して副走査モータ44を駆動して、プラテン40を副走査方向Yに往復移動させる。
【0035】
印刷制御手段801は、第1高さ検知手段80A及び第2高さ検知手段80Bの各検知結果を入力し、プラテン40上の布地400が所定の高さ以下であることが検知されたか否かを判別する。
【0036】
次に、この印刷装置1による一連の印刷動作について説明する。
【0037】
印刷対象の布地400によっては印刷前、印刷面に前処理液を塗工することが好ましい。前処理を施すことで、布地400の目地の中に液体(インク)が入り込みにくくなり、画質向上の効果がある。
【0038】
前処理液の塗工方法はローラーやスプレー等、印刷面に均一にできればよい。塗工後はそのまま印刷装置1にセットして印刷してもよいが、可能であれば、ヒートプレス機などを用いて熱と圧力で前処理液を乾燥し、布地400の皺や毛羽立ちを抑えておくことが好ましい。
【0039】
一連の印刷前の作業を終えた布地400を、皺(凹凸)にならないようにプラテン40にセットする。
【0040】
そして、PCやスマートフォン等の情報処理装置より印刷装置1に印刷命令を与えることで、印刷装置1は動作チェックを行う。
【0041】
その後、印刷装置1は、布地400を載せたプラテン40を副走査方向YのY1方向に移動させて、プラテン40を奥側の印刷開始位置に移動させる。
【0042】
このとき、布地400の表面がヘッド10の表面にあるノズル面に接触しないように第1高さ検知手段80A及び第2高さ検知手段80Bを使用して、プラテン40上の布地400の高さを検知する。布地400の表面と第1ヘッド10A、第2ヘッド10Bのノズル面との距離(Gap)はできるだけ狭い方が良く、接触しないように設定する。具体的には0.5mm~7mmである。
【0043】
ここで、布地400の表面の高さが所定高さを超えているときには、プラテン40を下降させる動作を行う。
【0044】
そして、プラテン40が第2高さ検知手段80B及び第1高さ検知手段80Aをエラーなしで通過した後、プラテン40を印刷開始位置へ移動する。
【0045】
その後、キャリッジ11Aの移動と第1ヘッド10Aからの液体吐出が行われて、布地400にホワイトWによる1行分が印刷される。1行分が印刷されると、プラテン40が1行分移動される。キャリッジ11Aの1スキャンとプラテン40の間欠移動の繰り返しを行うことにより、布地400の所望の領域にホワイトWによる印刷が行われる。
【0046】
その後、プラテン40を再度印刷開始位置に戻した後、キャリッジ11Bの移動と第2ヘッド10Bからの液体吐出が行われて、布地400のホワイトWが印刷された領域に、YMCKによる1行分の画像が印刷される。1行分の画像が印刷されると、プラテン40が1行分移動される。キャリッジ11Bの1スキャンとプラテン40の間欠移動の繰り返しを行うことにより、布地400の所望の領域に所要の画像の印刷が行われる。
【0047】
なお、ホワイトWによる印刷を行わない場合には、第2ヘッド10Bによる画像印刷のみが行われる。
【0048】
そして、印刷完了後、プラテン40は装置手前まで戻されて印刷終了となる。印刷終了後はプラテン40より布地400を取り出し、ヒートプレス機やオーブン定着装置等を利用して加熱・定着の後処理動作を行い、作業が終了する。
【0049】
本実施形態においては、ホワイトW用のキャリッジ11Aと、YMCK用のキャリッジ11Bとを備えている。
【0050】
これは、ホワイトWのインクには着色剤として酸化チタンが用いられているが、酸化チタンは他の顔料と異なり、比重が重く、長期の保管時には沈降することが知られている。顔料が沈降したインクは、色が薄くなり、インク流路内に残留したり、ヘッド内ではノズルを詰まらせる原因となったりする。顔料の沈降を防ぐために、定期的に自動吐出や流路内で回動する等のメンテナンス工程を行う必要がある。このとき、ホワイトW用のキャリッジとすることで、ホワイトWについて単独でメンテナンス工程を行うことができるようになる。
【0051】
また、ホワイトWのインクを使用しない印刷の場合、全色を搭載した1個のキャリッジの構成では、ホワイトWのインクのノズル面が常に空気下に晒されることになり、ノズル面のインクが固着、ヘッドの交換となるおそれがある。
【0052】
そこで、ホワイトWのインク用のキャリッジ11Aを独立させることで、ホワイトWのインクを使用しない印刷時は、ホワイトWのインク用のキャリッジ11Aを動作させる必要が無く、キャップ61でキャッピングしたまま保管することができ、外気に晒さなくて済む。これは、安定化や長寿命化につながる。
【0053】
また、ホワイトWのインクの主な使用目的は、色付きの布地の下地として印刷することである。つまり、印刷パターンとしてはベタ画像であり、解像度が低くて済むので、ホワイトWのインク用のキャリッジ11Aを独立させることで、印刷速度の高速化に役立つ。
【0054】
また、2つのキャリッジ11A、11Bを備えることによって、各キャリッジ11A、11Bで別々の動作を行うことができる。本実施形態では、例えば、最初にキャリッジ11Aを動作させてホワイトWのインクで印刷した後、キャリッジ11Bを動作させてYMCKで画像を印刷するとき、印刷が終了したキャリッジ11Aの第1ヘッド10Aのメンテナンス作業を行うことができる。
【0055】
このように、2つのキャリッジで別々の動作をほぼ同時に行うことで、無駄な時間を減らすことができる。
【0056】
次に、複数の高さ検知手段を副走査方向に配置していることによる作用効果について説明する。
【0057】
前述したように、プラテン40に布地400をセットし、プラテン40を印刷装置1の手前側から奥側に移動して印刷開始位置にするとき、複数の高さ検知手段を使用することで、布地400の毛羽や皺に対する検出精度が向上する。
【0058】
すなわち、第2高さ検知手段80Bをプラテン40が通過した後に、布地400の表面に毛羽や皺が現れて布地400の表面の高さが変化することがある。この場合、第1高さ検知手段80Aによって布地400の高さを検知することで、布地400とキャリッジ11Aの第1ヘッド10Aのノズル表面との接触を防ぐことができる。
【0059】
また、第1高さ検知手段80Aと第2高さ検知手段80Bとで同じ高さを検知することによって、プラテン40の表面の精度をチェックすることができる。例えば、非印刷時に副走査方向Yにプラテン40を動作させて、第1高さ検知手段80Aと第2高さ検知手段80Bとでプラテン40の表面の高さを検知することで、プラテン40の表面の凹凸や角度(傾斜)を検知することができる。
【0060】
次に、本発明の第2実施形態について図7を参照して説明する。図7は同実施形態におけるヘッドのノズルの状態を確認するノズルチェックパターンを印刷するときの動作説明に供する説明図である。
【0061】
なお、第2実施形態以降の実施形態における印刷装置1の構成は、特段の説明をしない限り、前記第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0062】
液体吐出手段を使用する装置にあっては、液体吐出手段のノズルの吐出状態等を確認するためのパターン(これを「ノズルチェックパターン」という。)を印刷して、印刷結果からノズルの吐出状態を確認することが行われる。
【0063】
本実施形態では、図7(a)に示すように、プラテン40上のパターン印刷用の印刷対象の高さを第2高さ検知手段80Bによって検知して、パターン印刷用の印刷対象の高さを所定の高さに合わせる。
【0064】
その後、図7(b)に示すように、プラテン40を副走査方向Yの方向Y1に移動させ、第1ヘッド10Aにてノズルチェックパターンを印刷対象に印刷する。
【0065】
次いで、図7(c)に示すように、プラテン40を副走査方向Yの方向Y2に移動させ、プラテン40上のパターン印刷用の印刷対象の高さを第1高さ検知手段80Aによって検知して、パターン印刷用の印刷対象の高さを所定の高さに合わせる。
【0066】
その後、図7(d)に示すように、プラテン40を副走査方向Yの方向Y2に移動させ、第2ヘッド10Bにてノズルチェックパターンを印刷対象に印刷する。
【0067】
このように、往路(方向Y1)と復路(方向Y2)とで印刷対象の高さを合わせてパターンを印刷することができるので、短時間でノズルチェックパターンを印刷することができる。
【0068】
ここで、比較例によるノズルチェックパターンの印刷について図8を参照して説明する。図8は同説明に供する説明図である。
【0069】
この比較例は、上記実施形態の第2高さ検知手段80Bに相当する1つの高さ検知手段80のみを配置している。
【0070】
したがって、図8(a)に示すように、プラテン40上のパターン印刷用の印刷対象の高さを高さ検知手段80によって検知して、パターン印刷用の印刷対象の高さを所定の高さに合わせる。
【0071】
その後、図8(b)に示すように、プラテン40を副走査方向Yの方向Y1に移動させ、第1ヘッド10Aにてノズルチェックパターンを印刷対象に印刷する。
【0072】
次いで、図8(c)に示すように、プラテン40を副走査方向Yの方向Y2に移動させ、プラテン40を図8(a)と同じ初期位置まで戻し、プラテン40上のパターン印刷用の印刷対象の高さを高さ検知手段80によって検知して、パターン印刷用の印刷対象の高さを所定の高さに合わせる。
【0073】
そして、図8(d)に示すように、プラテン40を副走査方向Yの方向Y1に移動させ、第2ヘッド10Bにてノズルチェックパターンを印刷対象に印刷する。
【0074】
このように、複数の高さ検知手段を副走査方向の異なる位置に配置する実施形態に比べて、1つの高さ検知手段のみを配置する比較例では、往路(方向Y1)でのみ印刷対象の高さを合わせてパターンを印刷することになり、パターン印刷に時間がかかる。
【0075】
つまり、本実施形態のように複数の液体吐出手段を副走査方向の異なる位置に配置し、更に、高さ検知手段を副走査方向の異なる位置に配置した構成とすることで、位置が異なる液体吐出手段でパターン印刷を行うとき、印刷開始時の高さ検知手段までわざわざ戻って位置合わせをする必要がなくなり、印刷に要する時間を短縮することができる。
【0076】
次に、本実施形態における制御手段によるノズルチェックパターンの印刷に係る制御について図9のフロー図を参照して説明する。なお、ここでいう「制御手段」は、印刷制御手段の内のノズルチェックパターンの印刷の制御を行う部分である。
【0077】
先ず、メンテナンスモードに切替える(ステップS1、以下、単に「S1」というように表記する。)。
【0078】
そして、プラテン400の引き込み(Y1方向への移動)を開始する(S2)。
【0079】
このとき、第2高さ検知手段80Bがプラテン400の印刷対象を検知した(以下、単に「プラテン400を検知した」というように表記する。)か否かを判別する(S3)。
【0080】
ここで、第2高さ検知手段80Bがプラテン400を検知したときには、プラテン400の印刷対象を第2高さ検知手段80Bが検知しない(以下、単に「プラテン400を検知しない」というように表記する。)位置までプラテン400を下降させる(S4)。
【0081】
その後、プラテン400が第1ヘッド10Aまで移動し(S5)、第1ヘッド10Aでノズルチェックパターンの印刷を開始し(S6)、第1ヘッド10Aでノズルチェックパターンの印刷を終了する(S7)。
【0082】
次いで、プラテン400が第1高さ検知手段80Aの位置に移動する(S8)。
【0083】
このとき、第1高さ検知手段80Aがプラテン400を検知したか否かを判別する(S9)。
【0084】
ここで、第1高さ検知手段80Aがプラテン400を検知したときには、プラテン400の印刷対象を第1高さ検知手段80Aが検知しない位置までプラテン400を下降させる(S10)。
【0085】
その後、プラテン400が第2ヘッド10Bまで移動し(S11)、第2ヘッド10Bでノズルチェックパターンの印刷を開始し(S12)、第2ヘッド10Bでノズルチェックパターンの印刷を終了する(S13)。
【0086】
そして、全てのノズルチェックパターンの印刷を終了する(S14)。
【0087】
次に、本発明の第3実施形態について図10を参照して説明する。図10は同実施形態におけるヘッドのノズルの状態を確認するノズルチェックパターンを印刷するときの動作説明に供する説明図である。
【0088】
本実施形態では、図10(a)に示すように、プラテン40上のパターン印刷用の印刷対象の高さを第2高さ検知手段80Bによって検知して、パターン印刷用の印刷対象の高さを所定の高さに合わせる。
【0089】
その後、図10(b)に示すように、プラテン40を副走査方向Yの方向Y1に移動させ、第1ヘッド10Aにてノズルチェックパターンを印刷対象に印刷する。
【0090】
次いで、図10(c)に示すように、プラテン40を副走査方向Yの方向Y2に移動させて初期位置に戻す。このとき、第1高さ検知手段80A及び第2高さ検知手段80Bによってプラテン400のパターン印刷用の印刷対象の高さ検知を行わない。
【0091】
つまり、本実施形態では、液体吐出手段の吐出状態を確認するパターンを印刷する動作を行うとき、液体吐出手段と保持部材とを副走査方向に相対移動してパターンの印刷を開始する位置にするときには、高さ検知手段の検知結果に基づいて保持部材と液体吐出手段とを高さ方向に相対移動させる制御をし、パターンを印刷後、初期位置に液体吐出手段と保持部材とを相対移動するときには、高さ検知手段の検知結果に基づく制御を行わない構成としている。
【0092】
次に、本実施形態における制御手段によるノズルチェックパターンの印刷に係る制御について図11のフロー図を参照して説明する。
【0093】
先ず、メンテナンスモードに切替える(S21)。
【0094】
そして、プラテン400の引き込み(Y1方向への移動)を開始する(S22)。
【0095】
このとき、第2高さ検知手段80Bがプラテン400を検知したか否かを判別する(S23)。
【0096】
ここで、第2高さ検知手段80Bがプラテン400を検知したときには、プラテン400を第2高さ検知手段80Bが検知しない位置までプラテン400を下降させる(S24)。
【0097】
その後、プラテン400が第1ヘッド10Aまで移動し(S25)、第1ヘッド10Aでノズルチェックパターンの印刷を開始し(S26)、第1ヘッド10Aでノズルチェックパターンの印刷を終了する(S27)。
【0098】
次いで、プラテン400が初期位置までY2方向に移動する(S28)。このとき、第1高さ検知手段80A及び第2高さ検知手段80Bによる検知及び検知結果による制御は行わない。
【0099】
そして、全てのノズルチェックパターンの印刷を終了する(S29)。
【0100】
次に、本発明の第4実施形態について図12を参照して説明する。図12は同実施形態におけるヘッドのノズルの状態を確認するノズルチェックパターンを印刷するときの動作説明に供する説明図である。
【0101】
本実施形態では、図12(a)に示すように、プラテン40上のパターン印刷用の印刷対象の高さを第2高さ検知手段80Bによって検知して、パターン印刷用の印刷対象の高さを所定の高さに合わせる。
【0102】
その後、図12(b)に示すように、プラテン40を副走査方向Yの方向Y1に移動させ、第1ヘッド10Aにてノズルチェックパターンを印刷対象に印刷する。
【0103】
次いで、図12(c)に示すように、プラテン40を副走査方向Yの方向Y2に移動させ、プラテン40上のパターン印刷用の印刷対象の高さを第1高さ検知手段80A又は第2高さ検知手段80Bによって検知して、第1高さ検知手段80A又は第2高さ検知手段80Bがパターン印刷用の印刷対象を検知したか否(非検知)の検知結果を記憶する。
【0104】
その後、図12(d)に示すように、プラテン40を副走査方向Yの方向Y1に移動させ印刷対象に所要の印刷を施す本番印刷の指示を待ち、本番印刷が指示されたときに、記憶している検知結果が検知であるときには印刷を開始せず、検知結果が非検知であるときには本番印刷を開始する。
【0105】
次に、本実施形態における制御手段によるノズルチェックパターンの印刷に係る制御について図13のフロー図を参照して説明する。
【0106】
先ず、メンテナンスモードに切替える(S31)。
【0107】
そして、プラテン400の引き込み(Y1方向への移動)を開始する(S32)。
【0108】
このとき、第2高さ検知手段80Bがプラテン400を検知したか否かを判別する(S33)。
【0109】
ここで、第2高さ検知手段80Bがプラテン400を検知したときには、プラテン400を第2高さ検知手段80Bが検知しない位置までプラテン400を下降させる(S34)。
【0110】
その後、プラテン400が第1ヘッド10Aまで移動し(S35)、第1ヘッド10Aでノズルチェックパターンの印刷を開始し(S36)、第1ヘッド10Aでノズルチェックパターンの印刷を終了する(S37)。
【0111】
次いで、プラテン400が第1高さ検知手段80A又は第2高さ検知手段80Bの位置に移動する(S38)。
【0112】
このとき、第1高さ検知手段80A又は第2高さ検知手段80Bがプラテン400を検知したか否かを判別する(S39)。
【0113】
ここで、第1高さ検知手段80A又は第2高さ検知手段80Bがプラテン400を検知したときには「0」を記憶し(S40)、第1高さ検知手段80A又は第2高さ検知手段80Bがプラテン400を検知していないときには「1」を記憶する(S41)。
【0114】
その後、第1高さ検知手段80A又は第2高さ検知手段80Bの検知結果(0又は1)を保持する(S42)。
【0115】
次いで、プラテン400が初期位置までY2方向に移動し(S43)、全てのノズルチェックパターンの印刷を終了する(S44)。
【0116】
その後、本番の印刷開始指示が与えられる(S45)と、保持している第1高さ検知手段80A又は第2高さ検知手段80Bが「1」であるか否かを判別する(S46)。
【0117】
ここで、保持している検知結果が「1」であるときには本番の印刷を開始し(S47)、「1」でないとき、即ち「0」であるときには本番の印刷を開始しない(S48)。
【0118】
次に、本発明の第5実施形態について図14を参照して説明する。図14は同実施形態における制御手段によるノズルチェックパターンの印刷に係る制御の説明に供するフロー図である。
【0119】
先ず、メンテナンスモードに切替える(S51)。
【0120】
そして、プラテン400を上昇させ(S52)、第2高さ検知手段80Bがプラテン400を検知したか否かを判別し(S53)、第2高さ検知手段80Bがプラテン400を検知するまでステップS52、ステップS53を繰り返す。
【0121】
その後、プラテン400を第2高さ検知手段80Bが検知しない位置まで下降させる(S54)。このときの下降量は、印刷対象と第1ヘッド10A及び第2ヘッド10Bの各ノズル面とのギャップが所定のギャップになる量である。
【0122】
次いで、プラテン400が第1ヘッド10Aまで移動し(S55)、第1ヘッド10Aでノズルチェックパターンの印刷を開始し(S56)、第1ヘッド10Aでノズルチェックパターンの印刷を終了する(S57)。
【0123】
次いで、プラテン400が第1高さ検知手段80Aの位置に移動する(S58)。
【0124】
このとき、第1高さ検知手段80Aがプラテン400を検知したか否かを判別する(S59)。
【0125】
ここで、第1高さ検知手段80Aがプラテン400を検知したときには、プラテン400の印刷対象を第1高さ検知手段80Aが検知しない位置までプラテン400を下降させる(S60)。
【0126】
その後、プラテン400が第2ヘッド10Bまで移動し(S61)、第2ヘッド10Bでノズルチェックパターンの印刷を開始し(S62)、第2ヘッド10Bでノズルチェックパターンの印刷を終了する(S63)。
【0127】
そして、全てのノズルチェックパターンの印刷を終了する(S64)。
【0128】
このように、本実施形態では、保持部材を複数の高さ検知手段の内の少なくとも1つの高さ検知手段(第2高さ検知手段)で検知される高さまで上昇させた後、保持部材を少なくとも1つの高さ検知手段で検知されない位置まで下降させる制御をしている。
【0129】
これにより、保持部材の下がり過ぎによる印刷対象とノズル面とのギャップ不良を防止することができる。
【0130】
次に、本発明の第6実施形態について図15を参照して説明する。図15は同実施形態における制御手段によるノズルチェックパターンの印刷に係る制御の説明に供するフロー図である。
【0131】
先ず、メンテナンスモードに切替える(S71)。
【0132】
そして、プラテン400の引き込み(Y1方向への移動)を開始する(S72)。
【0133】
このとき、第2高さ検知手段80Bがプラテン400を検知したか否かを判別する(S73)。
【0134】
ここで、第2高さ検知手段80Bがプラテン400を検知したときには、プラテン400を第2高さ検知手段80Bが検知しない位置までプラテン400を下降させる(S74)。
【0135】
そして、プラテン400が第1ヘッド10Aまで移動し(S75)、第1ヘッド10Aでノズルチェックパターンの印刷を開始し(S76)、第1ヘッド10Aでノズルチェックパターンの印刷を終了する(S77)。
【0136】
次いで、プラテン400を上げ(S78)、第1高さ検知手段80Aがプラテン400を検知したか否かを判別し(S79)、第1高さ検知手段80Aがプラテン400を検知するまでステップS78、ステップS79を繰り返す。
【0137】
その後、プラテン400を第1高さ検知手段80Aが検知しない位置まで下降させる(S80)。このときの下降量は、印刷対象と第1ヘッド10A及び第2ヘッド10Bの各ノズル面とのギャップが所定のギャップになる量である。
【0138】
次いで、プラテン400が第2ヘッド10Bまで移動し(S81)、第2ヘッド10Bでノズルチェックパターンの印刷を開始し(S82)、第2ヘッド10Bでノズルチェックパターンの印刷を終了する(S83)。
【0139】
そして、全てのノズルチェックパターンの印刷を終了する(S84)。
【0140】
このように、本実施形態では、保持部材を複数の高さ検知手段の内の少なくとも1つの高さ検知手段(第1高さ検知手段)で検知される高さまで上昇させた後、保持部材を少なくとも1つの高さ検知手段で検知されない位置まで下降させる制御をしている。
【0141】
これにより、保持部材の下がり過ぎによる印刷対象とノズル面とのギャップ不良を防止することができる。
【0142】
なお、上記実施形態では保持部材がトレイである例で説明しているが、カセットなどとすることもできる。また、上記実施形態では、保持部材が液体吐出手段に対して副走査方向に移動する構成としているが、保持部材が固定で、液体吐出手段が副走査方向に移動する構成とすることもできる。
【0143】
また、上記実施形態では、印刷対象が布地である場合について説明しているが、これに限るものではない。布地以外の印刷対象を保持部材にセットして印刷する場合にも同様に本発明を適用することができる。
【0144】
「液体を吐出する装置」には、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出
ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が
付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を 気中や液
中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0145】
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手
段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
【0146】
本発明の態様は、例えば、次のとおりである。
[1]
印刷対象に対して液体を吐出する液体吐出手段と、
前記液体吐出手段を主走査方向へ移動するキャリッジと、
前記印刷対象を保持し、前記主走査方向に対して直交する副走査方向に前記印刷対象を移動する保持部材と、
前記保持部材上の前記印刷対象を検知する複数の高さ検知手段と、を備え、
前記液体吐出手段と前記保持部材とは副走査方向に相対移動可能であり、
前記複数の高さ検知手段は、副走査方向の異なる位置に配置されている
ことを特徴とする印刷装置。
[2]
複数の前記液体吐出手段を備えている
ことを特徴とする[1]に記載の印刷装置。
[3]
前記複数の高さ検知手段の内、少なくとも1つの前記高さ検知手段は、副走査方向において前記複数の液体吐出手段の間に配置されている
ことを特徴とする[2]に記載の印刷装置。
[4]
前記液体吐出手段と前記保持部材とは高さ方向に相対移動可能であり、
前記複数の高さ検知手段の検知結果に基づいて、前記保持部材と前記液体吐出手段とを高さ方向に相対移動させる制御をする手段を備えている
ことを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかに記載の印刷装置。
[5]
前記液体吐出手段の吐出状態を確認するパターンを印刷する動作を行うとき、
前記液体吐出手段と前記保持部材とを前記副走査方向に相対移動して前記パターンの印刷を開始する位置にするときには、前記高さ検知手段の検知結果に基づいて前記保持部材と前記液体吐出手段とを高さ方向に相対移動させる制御をし、
前記パターンを印刷後、初期位置に前記液体吐出手段と前記保持部材とを相対移動するときには、前記高さ検知手段の検知結果に基づく制御を行わない
ことを特徴とする[4]に記載の印刷装置。
[6]
前記液体吐出手段の吐出状態を確認するパターンを印刷する動作を行うとき、
前記液体吐出手段と前記保持部材とを前記副走査方向に相対移動して前記パターンの印刷を開始する位置にするときには、前記高さ検知手段の検知結果に基づいて前記保持部材と前記液体吐出手段とを高さ方向に相対移動させる制御をし、
前記パターンを印刷後、前記パターンの印刷を開始する位置に前記液体吐出手段と前記保持部材とを相対移動するときに、前記高さ検知手段が検知したときには、印刷を開始しない
ことを特徴とする[4]に記載の印刷装置。
[7]
前記保持部材を前記複数の高さ検知手段の内の少なくとも1つの高さ検知手段で検知される高さまで上昇させた後、前記保持部材を前記少なくとも1つの高さ検知手段で検知されない位置まで下降させる制御をする
ことを特徴とする[4]ないし[6]のいずれかに記載の印刷装置。
[8]
前記印刷対象が布地である
ことを特徴とする[1]ないし[7]のいずれかに記載の印刷装置。
【符号の説明】
【0147】
1 印刷装置
10、10A、10B ヘッド(液体吐出手段)
11A、11B キャリッジ
40 プラテン
80A 第1高さ検知手段
80B 第2高さ検知手段
400 布地(印刷対象)
801 印刷制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15