(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138386
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】媒体処理装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B42B 5/00 20060101AFI20230922BHJP
B65H 37/04 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
B42B5/00
B65H37/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032983
(22)【出願日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】P 2022044350
(32)【優先日】2022-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊深 仁士
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 圭
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 一貴
【テーマコード(参考)】
3F108
【Fターム(参考)】
3F108GA01
3F108GB01
3F108HA02
3F108HA11
(57)【要約】
【課題】シート束に圧着綴じを行なう圧着綴じ機構によって圧着綴じと圧着綴じ外しを兼ねる装置を提供する。
【解決手段】積載されたシート状の媒体の束であるシート束の所定位置を加圧変形して綴る圧着歯と、圧着歯にシート束の所定位置を挟持させる動作を制御する制御部と、を備え、圧着歯は、シート束の所定位置を圧着歯によって加圧変形させる綴じ処理及び加圧変形された所定位置の変形を潰す綴じ外し処理に兼用可能である、ことを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載されたシート状の媒体の束であるシート束の所定位置を加圧変形して綴る圧着歯と、前記圧着歯に前記シート束の所定位置を挟持させる動作を制御する制御部と、を備える媒体処理装置であって、
前記圧着歯は、前記シート束の所定位置を前記圧着歯によって加圧変形させる綴じ処理及び加圧変形された前記所定位置の変形を潰す綴じ外し処理に兼用可能である、ことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項2】
前記綴じ外し処理を行うとき、前記圧着歯を用いて前記シート束の凹凸形状を潰せるように、前記シート束を加圧変形させた凹凸形状と前記圧着歯の凹凸形状との位相を変更させるように、前記シート束と前記圧着歯の相対的な位置を変更する位置変更機構を備える、請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項3】
前記位置変更機構は、前記綴じ外し処理を行うとき、シート挿入規制壁を移動して前記位相を変更する、請求項2に記載の媒体処理装置。
【請求項4】
前記位置変更機構は、前記綴じ外し処理を行うとき、前記圧着歯を移動して前記位相を変更する、請求項2に記載の媒体処理装置。
【請求項5】
積載されたシート状の媒体の束であるシート束の所定位置を加圧変形して綴る圧着歯と、
綴じられたシート束の綴じ外しに用いる平板歯と、
前記圧着歯及び前記平板歯を前記シート束における所定位置に移動させる移動機構と、
前記圧着歯及び前記平板歯に前記所定位置を挟持させる動作を制御する制御部と、を備え、
前記圧着歯は、前記所定位置を前記圧着歯によって加圧変形させる綴じ処理に用いられ、
前記平板歯は、前記所定位置に形成された凹凸形状を潰す綴じ外し処理に用いられる、ことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項6】
前記綴じ処理によって加圧変形された前記シート束に対して前記綴じ外し処理が実行された後、再度、前記綴じ処理を行うことができる、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の媒体処理装置。
【請求項7】
前記綴じ処理を再度行うとき、先の前記綴じ処理における綴じ位置と異なる位置を綴じ位置とする、請求項6に記載の媒体処理装置。
【請求項8】
前記綴じ処理を行う前に前記所定位置に液体付与をする液体付与機構を備える、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の媒体処理装置。
【請求項9】
前記綴じ処理及び前記綴じ外し処理は、オフライン処理である、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の媒体処理装置。
【請求項10】
シート状の媒体に画像を形成する画像形成部と、
画像が形成されたシート状の媒体の束であるシート束の所定位置を加圧変形して綴る圧着歯を備える媒体処理部と備え、
当該媒体処理部は、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の媒体処理装置である、ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体処理装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のシート状の媒体を綴じて束(シート束)を形成する媒体処理装置が知られている。媒体処理装置においてシート束を形成するために実行される綴じ処理には、金属製の綴じ針(ステイプル針)を用いる「針有り綴じ処理」が知られている。また、省資源化や環境負荷の低減を鑑みる観点から金属製の綴じ針(ステイプル針)を用いずに綴る「針無し綴じ処理」も知られている。針無し綴じ処理は、凹凸状の圧着歯でシート束を挟持して加圧変形させる所謂「圧着綴じ処理」に相当する。
【0003】
圧着綴じ処理を行った後に、シート束を解こうとするとき、例えば、一枚のシートを外そうとするとき、圧着部分が外れずに破損することがある。従来技術として、圧着綴じされたシート束の圧着綴じ部分を押圧機構で圧力を付与するローラ対間で挟持させながらシート束を引っ張ることで、圧着綴じ部分をローラ対間で滑らせて平坦化し、綴じ外ししやすくする技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている技術は、綴じ装置と別体の綴じ外し装置に適用することを前提とし、これらを一体にする構成は考慮されていない。従来技術において、綴じ装置と綴じ外し装置を一体にした装置を構成するには、当該装置が大型化するという課題がある。
【0005】
本発明は、シート束に圧着綴じを行なう圧着綴じ機構によって圧着綴じと圧着綴じ外しを兼ねる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、積載されたシート状の媒体の束であるシート束の所定位置を加圧変形して綴る圧着歯と、前記圧着歯に前記シート束の所定位置を挟持させる動作を制御する制御部と、を備える媒体処理装置であって、前記圧着歯は、前記シート束の所定位置を前記圧着歯によって加圧変形させる綴じ処理及び加圧変形された前記所定位置の変形を潰す綴じ外し処理に兼用可能である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シート束に圧着綴じを行なう圧着綴じ機構によって圧着綴じと圧着綴じ外しを兼ねることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る画像形成装置の実施形態としてのMFPの全体構成を示す図。
【
図2】本発明に係る媒体処理装置の実施形態としてのシート処理ユニットの斜視図。
【
図3】本実施形態に係るシート処理ユニットの動作の例を示す平面図。
【
図4】本実施形態に係るシート処理ユニットの動作の別例を示す図。
【
図5】本実施形態に係るシート処理ユニットの動作のさらなる別例を示す図。
【
図6】本実施形態に係るシート処理ユニットの動作のさらなる別例を示す図。
【
図7】本実施形態に係るシート処理ユニットの動作のさらなる別例を示す図。
【
図8】上記シート処理ユニットが備える圧着歯の例を示す図。
【
図9】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作の例を示す平面図。
【
図10】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作の別の例を示す図。
【
図11】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作のさらに別例を示す図。
【
図12】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作のさらに別例を示す図。
【
図13】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作のさらに別例を示す図。
【
図14】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作のさらに別例を示す図。
【
図15】上記シート処理ユニットに係る圧着歯の移動機構の例を示す図。
【
図16】上記シート処理ユニットに係る圧着歯の移動機構の別例を示す図。
【
図17】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作の別の例を示す図。
【
図18】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作の別の例を示す図。
【
図19】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作の別の例を示す図。
【
図20】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作の別の例を示す図。
【
図21】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作の別の例を示す図。
【
図22】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作の別の例を示す図。
【
図23】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作の別の例を示す図。
【
図24】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作の別の例を示す図。
【
図25】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作の別の例を示す図。
【
図26】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作の別の例を示す図。
【
図27】上記シート処理ユニットの別の実施形態に係る動作の別の例を示す図。
【
図28】上記シート処理ユニットが備える液体付与ユニットの例を示す図。
【
図29】上記シート処理ユニットが備える液体付与ユニットの例を示す図。
【
図30】上記シート処理ユニットの制御部を例示する機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[画像形成装置の実施形態]
以下、本発明に係る媒体処理装置及び画像形成装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の実施形態としてのMFP(Multi-Function Peripheral)1000を例示する全体外観図である。
図1に示すように、本実施形態に係るMFP1000には、本発明に係る媒体処理装置の実施形態であって媒体処理部としてのシート処理ユニット1を備える。
【0010】
なお、MFP1000は、シート処理ユニット1の他に、シート状の媒体であるシートPを収容するトレイ(カセット形式)を有するシート収容部2と、シートPに画像を形成する画像形成部3と、シートPを排出するシート排出部4と、排出されたシートPを積載して保持する排出トレイ5と、を備える。
【0011】
MFP1000は、シート収容部2に収容されているシートPを一枚ずつピックアップして、画像形成部3に向けてローラ機構により搬送する。そして、シートPに画像形成して、シート排出部4から排出する。排出されたシートPは排出トレイ5に積載される。
【0012】
シート処理ユニット1は、例えば、排出トレイ5の下部に設置されている。綴じ処理部としての、シート処理ユニット1は、排出トレイ5に積載されたシートPの束をユーザが手で持ち、シート処理ユニット1の処理位置に保持して綴じ処理を実行するものであって、いわゆる、オフライン処理によって圧着綴じ処理を行う装置に相当する。
【0013】
[媒体処理装置の実施形態]
図2は、シート処理ユニット1の外観を例示する斜視図である。シート処理ユニット1は、排出トレイ5に積載されたシートPの束を、ユーザが把持しながら挿入することで圧着綴じ処理を行うためのシート挿入部11を有する。シート挿入部11の内部において、オフラインで圧着綴じ処理と綴じ外し処理が行なわれる。
【0014】
また、シート処理ユニット1には、ユーザの操作によってオフラインでの「圧着綴じ処理」と「綴じ外し処理」の指示を行う処理指示ボタン140を備えている。処理指示ボタン140として、シートPの束(シート束Pb)の端部を加圧圧着して綴るように指示をする綴じ指示ボタン141と、綴じられているシート束Pbの綴じ位置に作用して、綴じ状態を解くように指示をする綴じ外しボタン142と、を備える。なお、MFP1000は、ユーザが処理内容の操作指示を行うための操作パネル310を備えている。操作パネル310は、MFP1000で実行されている処理の状態を表示する表示部310aを含んでいる。操作パネル310が備える表示部310aには、シート処理ユニット1の処理状態も表示される。
【0015】
[綴じ動作の概要]
次に、シート処理ユニット1による綴じ動作の概要について説明する。
図3は、シート挿入部11の内部を鉛直方向上空から見た平面図である。シート処理ユニット1は、シート束Pbが挿入される空間を構成するシート挿入部11を囲うように設けられた複数の面部材を有している。
【0016】
シート挿入部11にシート束Pbを、所定の位置まで挿入して、綴じ位置を決めるための位置規制部材にシート束Pbの端部を接触させた状態で、シート束Pbを支持するためのシート挿入部底面121を備える。また、シート挿入部底面121の外形部分に相当し、シート挿入部11の開口から挿入されたシート束Pbの位置を規制するための側端部にシート挿入規制側壁122が設けられている。そして、同様に、シート挿入部11の開口反対側の一端に相当する奥側の端部にシート挿入規制奥壁123が設けられている。また、
図3において図示を省略しているが、シート挿入部11の上面を構成するシート挿入部上壁124が設けられている。
【0017】
二つのシート挿入規制壁としてのシート挿入規制側壁122及びシート挿入規制奥壁123には、それぞれシート束Pbが所定の位置に挿入されたことを検知するためのセンサが設けられている。すなわち、シート挿入規制側壁122には、ユーザが挿入したシート束Pbの側端を検知するためのシート側端検知センサ1221が設けられている。また、シート挿入規制奥壁123には、ユーザが挿入したシート束Pbの奥側の端部を検知するためのシート奥端検知センサ1231が設けられている。シート側端検知センサ1221とシート奥端検知センサ1231は、シート束Pbが所定位置に至ったことを検知して位置を規制するためのセンサであって、シート束Pbが接触しているか否かを区別するための検知信号を出力するシート束位置規制部を構成する。シート側端検知センサ1221とシート奥端検知センサ1231の検知信号は、後述するシート処理ユニット1の制御部を構成するシート処理制御部150において取得されて、綴じ対象のシート束Pbが正常な処理位置にあるか否かを判定される。なお、シート処理制御部150は、シート束Pbが正常な処理位置にあるときに、綴じ処理ユニット130を動作させる。
【0018】
シート挿入部11の奥壁と側壁の交点近傍、すなわち、シート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123の交点近傍には、綴じ処理ユニット130が配置されている。綴じ処理ユニット130は、圧着ユニット131を備える。圧着ユニット131は、シート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123の交点近傍において、シート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123の双方に対して傾斜した状態で配置されている。圧着ユニット131は、後述するように、一対の圧着歯1311を備えている。圧着歯1311の間にシート束Pbの端部を挟持して加圧して圧着することでシートPの繊維同士が絡み合う状態になり、綴じることができる。この圧着歯1311の長手方向を示す仮想線は、シート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123の双方に対して傾斜している。
【0019】
シート挿入部11にシートPの束を挿入して圧着綴じを行うとき、
図3に例示するように、シート挿入部11の開口に対して、ユーザがシート束Pbを挿入する。続いて、
図4に例示するように、ユーザがシート束Pbを、シート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123に突き当てて端部を揃えて位置決めをする。このとき、シート側端検知センサ1221及びシート奥端検知センサ1231がシート束Pbを検知することで、圧着ユニット131が圧着綴じ処理のための動作が実行可能な状態になる。この状態で、綴じ指示ボタン141をユーザが操作することで綴じ処理が実行される。なお、綴じ指示ボタン141を操作してから、シート挿入部11にシート束Pbを挿入して、シート側端検知センサ1221及びシート奥端検知センサ1231がシート束Pbを検知したときに、所定のタイミングで圧着ユニット131が圧着綴じ処理のための動作をするように制御されてもよい。
【0020】
その後、
図5に示すように、シート束Pbをシート挿入部11からユーザが取り出せば、シート束Pbの所定の位置において圧着綴じ処理を行った後のシート束Pbを得ることができる。なお、この場合、シート束Pbの一端部には、
図5に例示するような位置に、圧着痕Bmが形成されている。
【0021】
図6は、綴じ処理ユニット130の設置位置を拡大した平面図である。また、
図7(a)は、
図6における矢印Aの方向からの側面図としてのA矢視図である。
図7(b)は、
図6における矢印Bの方向からの側面図としてのB矢視図である。
【0022】
図7に示すように、シート処理ユニット1は、シート挿入部11の空間において、対向して配置される一対の圧着歯1311を備える圧着ユニット131を有する。圧着ユニット131は、圧着処理の駆動源として機能する圧着モータ191を備えていて、圧着モータ191の駆動力が駆動機構を介して一対の圧着歯1311(上側圧着歯1311a、下側圧着歯1311b)を駆動させる。具合的には、上側圧着歯1311aが下側圧着歯1311bに向かって下降し、上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bの間に挿入されているシート束Pbを挟持して、加圧変形させることで綴じ処理を実行する。
【0023】
[上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bの構成]
ここで一対の圧着歯1311(上側圧着歯1311a、下側圧着歯1311b)について
図8を用いて説明する。すでに説明したとおり、一対の圧着歯1311は凹凸歯であって、上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bによって構成される。この凹凸歯は、シート挿入部11に挿入されたシート束Pbを挟むことができるように、シート束Pbの厚み方向に対向して配置されている。
【0024】
上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bは、それぞれ凹部と凸部が交互に形成された凹凸状の歯を有し、互いに対向する面を形成する凹部及び凸部が、互いに噛合うように、ずれ合うような位置関係を形成するように設置されている。
【0025】
シート束Pbをシート挿入部11に挿入し、シート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123にシート束Pbの端部を当接させるときには、
図8(a)に示すように、一対の上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bは互いに離間している。
【0026】
シート束Pbの端部をシート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123に突き当てると、シート側端検知センサ1221とシート奥端検知センサ1231がシート束Pbを検知する。この検知信号は、シート処理ユニット1が備えるシート処理制御部150によって取得される。シート処理制御部150の構成については、後述する。
【0027】
シート処理制御部150は、画像処理制御部350に対して、オフライン処理によって圧着綴じ処理が可能であることを通知するための制御信号を送信する。この制御信号を受信した画像処理制御部350は、MFP1000が備える操作パネル310の表示部310aに対して、「オフライン圧着綴じ可能である」ことをユーザに知らせる表示を行う。
【0028】
ユーザは、操作パネル310の表示を確認した後、綴じ指示ボタン141を押下する。押下した信号を画像処理制御部350が受信し、画像処理制御部350は、シート処理制御部150に圧着綴じを開始するための制御信号を送信する。その後、シート処理制御部150が、上側圧着歯1311aを動作させる圧着モータ191を駆動させると、駆動機構を介して動力が上側圧着歯1311aに伝わり、
図8(b)に示すように、上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bは接近する。そして、上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bが、シート束Pbの端部を挟持する。これによって、シート束Pbに厚み方向の圧力を加えて、厚み方向において変形させる。
【0029】
そして、綴じ動作後は、シート処理制御部150が圧着モータ191を動作させて
図8(c)のように、上側圧着歯1311aを上昇させて下側圧着歯1311bから離間する。これによって、シート束Pbを圧着ユニット131から取り出すことができる状態になる。圧着綴じ後のシート束Pbには、シートP同士の繊維が絡んで綴じ痕が形成されている。
【0030】
[第一実施形態]
次に、圧着綴じ後のシート束Pbに対する圧着綴じ外し処理を行うときの、シート処理ユニット1の動作について説明する。本実施形態に係るシート処理ユニット1は、圧着綴じに用いる圧着ユニット131を利用して圧着綴じ外しを行うことができる。
【0031】
まず、
図9に示すように、圧着綴じが行われたシート束Pbをシート挿入部11に対して図中の太矢印方向に挿入する。このとき、圧着痕Bmがシート挿入規制側壁122側に位置するように挿入する。
【0032】
シート束Pbを、
図10(a)に示すように、シート側端検知センサ1221及びシート奥端検知センサ1231が検知する位置まで挿入する。このときの圧着ユニット131に対する圧着痕Bmの位置関係は、
図10(b)のような位置関係にある。
図10(b)は、
図6におけるA矢視と同様の方向から圧着歯1311を見た図である。
【0033】
仮に、この状態で圧着歯1311を噛み合せた場合、シート束Pbの圧着痕Bmの凹凸の位置と、上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bの凹凸の位置が合致するため、一度綴じた位置をさらに加圧することになる。この場合、シート束Pbの綴じを外すことはできない。
【0034】
そこで、
図10ようにシート束Pbを挿入する前に、ユーザが綴じ外しボタン142を押下する。この操作によって、
図11に例示するように、シート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123の位置が、所定の方向に所定の距離だけ移動する。この移動を「所定量移動」とする。なお、所定量移動は、壁移動モータ192の駆動力によって行われる。壁移動モータ192及び壁移動モータ192の駆動力を伝達する壁駆動伝達機構192Tは、シート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123を所定の方向に所定量移動をさせて、挿入されるシート束Pbと圧着ユニット131との相対的な位置関係を変更する為の位置変更機構として機能する。
【0035】
シート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123を所定の方向に所定量移動させることによって、シート側端検知センサ1221及びシート奥端検知センサ1231の位置も同様に移動する。なお、
図11では、説明のためにシート束Pbを挿入した状態で所定量移動をした様子を例示しているが、シート束Pbを挿入していなくても、ユーザが綴じ外しボタン142を押下することで所定量移動が実行されるものとする。
【0036】
ここでは、シート挿入部11において、シート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123の所定量移動を実行後に、ユーザがシート束Pbを挿入する場合を例に説明を続ける。この場合、シート側端検知センサ1221及びシート奥端検知センサ1231がシート束Pbを検知すると、シート束Pbは当初の位置(綴じ処理を行う位置)に対して所定量移動をした後の位置に位置決めされた状態になっている。この場合、
図12(b)に示すように、圧着痕Bmは所定量移動によって移動した位置にある。すなわち、所定量移動した状態では、圧着綴じされたシート束Pbの凸部に対して、上側圧着歯1311aの凸部が対向する位置に当たる状態になる。
【0037】
なお、本実施形態における所定量移動は、上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bの凸部の位置に対して、圧着痕Bmの位置が第一移動量d1だけ移動した状態とする。
この第一移動量d1によって、シート束Pbの圧着痕Bmと圧着歯1311の各凸部及び各凹部との位相が変更された状態となる。
【0038】
シート側端検知センサ1221及びシート奥端検知センサ1231がシート束Pbを検知したこと知らせる検知信号をシート処理制御部150が取得すると、上側圧着歯1311aを動作させる圧着モータ191を動作させる(
図7参照)。これによって
図12(b)に示すように、上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bの凸部が、シート束Pbの圧着痕Bmの凸部の厚み方向の圧力を加えて、シート束Pbの凸部を潰すことができる。
【0039】
そして、圧着痕Bmへの加圧動作の後は、シート処理制御部150が圧着モータ191を動作させて
図13(b)のように、上側圧着歯1311aを上昇させて下側圧着歯1311bから離間させる。
【0040】
以上説明した
図9~
図13に示すように、本実施形態に係るシート処理ユニット1において、圧着綴じ外し処理を行うことができる。この圧着綴じ外し処理は、例えば、次のような手順で実行される。
【0041】
まず、ユーザが綴じ外しボタン142を押下する。これによって、画像処理制御部350が綴じ外しボタン142からの信号を受信する。この信号に応じて、画像処理制御部350は、シート処理制御部150にシート挿入規制側壁122及びシート挿入規制奥壁123の所定量移動を開始させるための制御信号を送る。
【0042】
シート処理制御部150が、シート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123を所定の方向へ所定量移動させる壁移動モータ192を動作させる(
図11参照)。これによって、壁移動モータ192の駆動力が移動機構としての壁駆動伝達機構192Tを介してシート挿入規制側壁122及びシート挿入規制奥壁123に伝わり、これらを所定量移動させる。シート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123の所定量移動に伴って、シート側端検知センサ1221及びシート奥端検知センサ1231も所定量移動をする。
【0043】
所定量移動が完了した後に、これを示す信号がシート処理制御部150から画像処理制御部350に送られる。画像処理制御部350は操作パネル310の表示部310aにおいて、ユーザに対し、シート束Pbをシート挿入部11から挿入して、突き当てるように促す表示を行なう。
【0044】
表示が行われた後にユーザがシート束Pbを把持してシート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123に突き当てると、上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bの間の隙間にシート束Pbが挿入された状態になる。
【0045】
そして、シート側端検知センサ1221及びシート奥端検知センサ1231がシート束Pbの検知信号を出力し、これを取得したシート処理制御部150は、画像処理制御部350にオフライン綴じ外し可能である信号を送る。
【0046】
画像処理制御部350は、操作パネル310の表示部310aに、オフライン圧着綴じ外し可能であるとの表示を行なう。ユーザが表示後に、綴じ外しボタン142を押下すると、押下した信号が画像処理制御部350で受信されて、シート処理制御部150に綴じ外し開始の信号が送信される。
【0047】
シート処理制御部150は綴じ外し開始の信号を受信した後、シート処理制御部150は圧着モータ191を動作させて、
図12(b)に示すように、上側圧着歯1311aが所定量の降下をして、綴じ外し動作が行われる。そして、上側圧着歯1311aが所定量の降下後、シート処理制御部150が圧着モータ191を逆に回転させて、
図13(b)の位置まで上側圧着歯1311aを上昇させる。
【0048】
その後、ユーザがシート束Pbを引き抜くと、シート側端検知センサ1221及びシート奥端検知センサ1231がシート束Pbを検知しない状態になる。この状態になった後に、シート処理制御部150が壁移動モータ192を動作させて、シート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123は所定量移動をする前の状態(綴じポジション)に戻す。
【0049】
図14は、本実施形態に係る綴じ外し動作の後のシート束Pbを例示している。
図14に示すように、圧着痕Bmとほぼ同じ位置に、圧着外し痕BRmが残ることになる。その結果、圧着綴じがなされていた部分の凹凸形状が潰されて圧着外し痕BRmが形成されてシート束Pbがなだらかになり、シートPの相互の綴じ力が弱まることで、綴じが外れやすくなる。
【0050】
以上説明した本実施形態に係るシート処理ユニット1によれば、綴じ処理ユニット130を用いて、綴じ外し処理を行うことができる。この場合、ユーザが、綴じ外しボタン142を押下することで、綴じ処理ユニット130における圧着ユニット131とシート束Pbとの相対的な位置が移動して、綴じポジションのときの位置関係と異なる位置関係に相当する「綴じ外しポジション」にする。
【0051】
綴じ外しポジションになったことを表示部310aにて報知し、ユーザが綴じた状態のシート束Pbを挿入し、圧着歯1311が圧着痕Bmをなだらかにするように押圧動作を行うことで、シート束PbからシートPの綴じを外しやすくする。
【0052】
したがって、シート束Pbの位置決めをするためのシート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123の位置を、綴じ外しポジションに移動させた後に、シート束Pbの突き当てを行うので、圧着痕Bmと圧着歯1311の位置合わせが確実にできる。また、突き当て時にシート束Pbが折り曲がるなどのリスクを低減でき、第一移動量d1による移動位置での綴じ外し動作を容易にできる。
【0053】
[第二実施形態]
次に、シート処理ユニット1の第二実施形態について説明する。
図15は、
図6におけるA矢視と同様の方向から圧着歯1311を見た図である。本実施形態では、第一実施形態とは異なり、圧着歯1311自体を移動させて、圧着痕Bmに対する相対的な位置関係を変更する。
【0054】
図15(a)に示すように、本実施形態では、下側圧着歯1311bに設けられたラックギヤ1311cとピニオンギヤ1311dによって構成される圧着歯位相変更機構が設けられている。ピニオンギヤ1311dは、圧着歯位相変更手段としての歯移動モータ193の駆動力によって回動するように歯駆動伝達機構193Tと連結している。
【0055】
シート側端検知センサ1221及びシート奥端検知センサ1231がシート束Pbを検知すると、シート処理制御部150が画像処理制御部350に対してオフライン圧着綴じが可能な状態であり、かつ、綴じ外しも可能であることを示す信号を送る。これによって、画像処理制御部350は、操作パネル310の表示部310aに、オフライン圧着綴じ可能かつ、綴じ外し可能であるとの表示を行なう。
【0056】
ユーザは、表示を確認した後、綴じ外しボタン142を押下する。押下した信号を画像処理制御部350が受信し、シート処理制御部150に圧着歯移動開始の信号を送る。
【0057】
その後、シート処理制御部150が、歯移動モータ193を動作させて、
図15(b)に示すように、ピニオンギヤ1311dに動力が伝達されて所定量に相当する回転をすることで、下側圧着歯1311bの凹凸形状とシート束Pbの凹凸形状の位相が変更される。なお、下側圧着歯1311bの移動量が所定移動量としての第一移動量d1に相当する。歯移動モータ193及びピニオンギヤ1311dと、これに駆動力を伝達する駆動伝達機構は、シート束Pbと圧着ユニット131との相対的な位置関係を変更する為の位置変更機構として機能する。
【0058】
図15(b)の動作の後、シート処理制御部150から、画像処理制御部350に圧着歯移動完了の信号が送られる。
【0059】
第一移動量d1だけ移動した位置は、圧着綴じされたシート束Pbの裏面凸部に対して、下側圧着歯1311bの凸部が対向する状態の位置となっている。そして、圧着綴じされたシート束Pbの表面凸部に対して、上側圧着歯1311aの凹部が対向する状態の位置となっている。
【0060】
そこで、画像処理制御部350が圧着歯移動完了の信号を受信後、シート処理制御部150に綴じ外し動作開始の信号を送る。その結果、
図15(c)に示すように、シート処理制御部150が、上側圧着歯1311aを動作させる圧着モータ191を動作させて(
図7参照)、上側圧着歯1311aを降下させる綴じ外しが行なわれる。
【0061】
図15(d)は、綴じ外し動作完了後を表す図である。綴じ外し動作後は、上側圧着歯1311aは上昇し、綴じ動作前の位置まで戻る。
【0062】
図15(e)は、圧着歯1311を位相変更前の位置に戻している図である。シート処理制御部150が、歯移動モータ193を動作させてピニオンギヤ1311dに動力を伝達し、所定量と同量かつ反対方向に回転をさせる。その結果、
図15(e)に示すように下側圧着歯1311bの位置が元に戻る。
【0063】
なお、上記の説明では、下側圧着歯1311bを移動して位相変更する内容であるが、上記と同様の内容で、下側圧着歯1311bを移動せずに、上側圧着歯1311aを移動させることで圧着歯1311の位相を変更する構成も考えられる。
【0064】
図15(b)、
図15(c)、
図15(d)に例示した状態では、位相変更された下側圧着歯1311bと位相変更されていない上側圧着歯1311aの凸部同士の歯が対向している。この場合、圧着歯1311を綴じ動作と同様に接近させると、圧着歯1311同士が衝突して互いにダメージを与えてしまう。そこで本実施形態では、圧着歯1311の押し込み量は、衝突によるダメージが生じない程度にするように調整を必要とする。
【0065】
[第三実施形態]
次に、シート処理ユニット1の第三実施形態について説明する。
図16は、
図6におけるA矢視と同様の方向から圧着歯1311を見た図である。本実施形態では、第二実施形態と異なり、圧着歯1311を構成する上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bをそれぞれ、所定の方向へ所定量移動を実行する。これによって、圧着痕Bmの各凸部と圧着歯1311の各凸部とを対向させる状態にした後に、圧着歯1311によって圧着痕Bmの各凸部を押し潰してならすことで、綴じ外しを容易にする。
【0066】
図16に示すように、上側圧着歯1311aにもラックギヤ1311cが設けられており、このラックギヤ1311cに噛み合うピニオンギヤ1311dも設けられている。すなわち、ラックギヤ1311cとピニオンギヤ1311dによって構成される圧着歯位相変更機構が上側圧着歯1311aにも設けられている。上側圧着歯1311a側のピニオンギヤ1311dも、圧着歯位相変更手段としての歯移動モータ193の駆動力によって回動するように歯駆動伝達機構193Tと連結している。歯移動モータ193及びピニオンギヤ1311d、これに駆動力を伝達する歯駆動伝達機構193Tは、シート束Pbと圧着ユニット131との相対的な位置関係を変更する為の位置変更機構として機能する。
【0067】
図16に示すように、下側圧着歯1311bと上側圧着歯1311aがそれぞれ所定量移動をし、下側圧着歯1311bと同様に上側圧着歯1311aも第一移動量d1に相当する位相変更をしている。これにより、上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bともに、所定位置に対する相対位置が変更されて、かつ、位相変更前のように圧着歯1311の凹部と凸部それぞれの歯が対向して噛み合うため、圧着歯1311にダメージを与えない。したがって、圧着歯1311の押し込み量を考慮する必要は無くなる。なお、押し込み量は、第二実施形態の場合に比較して大きくすることもでき、また調整して小さくすることもできる。
【0068】
そして、第一移動量d1に相当する位相変更後は、圧着綴じされたシート束Pbの凸部に対して、上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bの凸部が接触して重ねて綴じを行なうことで、シート束Pbは
図16(d)に例示するような状態になる。すなわち、凹凸がなだらかになっており、綴じが外れやすくなっている。
【0069】
以上のとおり、本実施形態に係るシート処理ユニット1によれば、シート束Pbの圧着綴じ処理と圧着綴じ外し処理を同じ綴じ処理ユニット130によって行うことができる。
【0070】
[第四実施形態]
次に、シート処理ユニット1の第四実施形態について説明する。本実施形態に係るシート処理ユニット1によれば、圧着綴じにより綴じられたシート束Pbに対して、綴じ処理ユニット130を用いて綴じ外し処理を行うことができる。この場合、再度、圧着綴じを実施する場合もある。すなわち、一度圧着綴じをして、これを外し、再度圧着綴じをし直すこともある。この場合、一度圧着綴じが行われたシート束Pbの綴じ位置は、一度、凹凸形状が潰された状態であるから、ダメージが残っている。
【0071】
再度の圧着綴じを行なう場合に、同じ位置に対して圧着ユニット131を対向させて綴じ処理を行っても、綴じ強度が不十分になることが懸念される。そこで、再圧着綴じ処理を行う場合には、一度目の圧着綴じ処理における綴じ位置とは異なる位置で行うようにすることが好ましい。そこで、本実施形態に係るシート処理ユニット1は、再度の圧着綴じ処理を行うときに、綴じ位置を以前とは異なる位置に変更する制御を含めるものである。
【0072】
図17は、一度圧着綴じを行ったシート束Pbに対して、第一・第二・第三実施形態のように、綴じ外し処理を行い、その後、再度の綴じ処理を実行する前の状態を例示している。
図17に示すシート束Pbの端部には、圧着外し痕BRmが形成されている。
【0073】
図18は、綴じ外し処理をされたシート束Pbを上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bの間にユーザが挿入した状態である。仮に、この状態で圧着歯1311を噛み合わせた場合、シート束Pbの綴じ外し部分(圧着外し痕BRm)と圧着歯1311の位置が合うため、綴じ外し位置にさらに圧着綴じを行なうことになる。その場合、シート束Pbの圧着綴じを成していた凹凸形状が潰されてダメージが残っている部分に再度の圧着綴じを行なうことになるので、シート束Pbを綴じる位置としては最良ではない。
【0074】
そこで、綴じ位置を移動させる制御を綴じ処理の前に行うようにする。例えば、
図17に示すように、シート束Pbをシート挿入部11に挿入する前に、ユーザが綴じ指示ボタン141を2度続けて押下して、綴じ位置変更制御を実行する。綴じ位置変更制御は、綴じ指示ボタン141が押下されたことを所定の時間内で2度検知したとき、シート処理制御部150が壁移動モータ192を駆動させて、
図19に示すように、シート挿入規制奥壁123の位置を、シート束Pbの挿入方向から遠のく方向へと変更する処理である。
【0075】
綴じ位置変更制御が終了した後に、ユーザがシート束Pbをシート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123に突き当てると、
図20に示すように、シート束Pbの位置は、通常の綴じ位置に比べて、所定壁移動量Xに相当する位置へと移動した位置に変更される。
【0076】
所定壁移動量Xに対応した位置に移動したシート束Pbの綴じ位置は、通常の綴じ位置に比較して、上側圧着歯1311a及び下側圧着歯1311bの各凸部に対向する位置に対して、第二移動量d2に相当する距離だけ移動した状態になる。すなわち、第二移動量d2に相当する分だけ、通常の綴じ位置から離れることになる。
【0077】
図20の状態において、圧着ユニット131を動作させて綴じ処理を行い、シート束Pbを取り出した状態が
図21に例示する状態である。
図21に例示するように、再綴じ処理を実行すると、第二移動量d2に相当する分だけ、通常の綴じ位置から移動した位置に、第二圧着痕Bm2が形成されて綴じられる。
【0078】
図22は、本実施形態に係る再綴じ動作の後のシート束Pbを例示している。
図22に示すように、圧着外し痕BRmから第二移動量d2に相当する位置に第二圧着痕Bm2が形成されている。すなわち、圧着綴じがなされていた部分の凹凸形状が潰されて圧着外し痕BRmが形成され、強度が低下している部分を避けて、綴じ強度を得られる位置において綴じ処理を実行することができる。
【0079】
以上説明した第四実施形態に係るシート処理ユニット1によれば、綴じ処理ユニット130を用いて、綴じ外し処理を行った後に、綴じ強度を得られるように再度の圧着綴じ処理を行うことができる。
【0080】
まず、ユーザが綴じ指示ボタン141を二度押下する。このとき、一度目と二度目の間の時間間隔は所定の時間であることを条件として、後述する動作を実行する。ユーザが綴じ指示ボタン141を押下したことを通知する制御信号を画像処理制御部350が受信する。画像処理制御部350は、シート処理制御部150にシート挿入規制奥壁123を所定壁移動量Xだけ移動させるための制御信号を送信する。
【0081】
シート処理制御部150は画像処理制御部350からの制御信号を受信し、壁移動モータ192を駆動させて、シート挿入規制奥壁123の所定量移動をする。これによって、シート奥端検知センサ1231も所定量移動をする。シート挿入規制奥壁123の所定量移動が完了したとき、シート処理制御部150は画像処理制御部350に、移動完了を通知するための制御信号を送信する。
【0082】
画像処理制御部350は、移動完了を通知するための制御信号を受信すると、操作パネル310の表示部310aに、再綴じ処理対象のシート束Pbを挿入して突き当てするようにユーザに促す表示を出力する。
【0083】
ユーザがシート挿入規制側壁122とシート挿入規制奥壁123にシート束Pbを突き当てすると、シート束Pbが上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bの間の隙間に挿入された状態になる。これによって、シート側端検知センサ1221及びシート奥端検知センサ1231がシート束Pbを検知して、シート処理制御部150から画像処理制御部350に対して、再綴じ処理が可能であることを通知するための制御信号が送信される。
【0084】
画像処理制御部350は、シート処理制御部150からの制御信号に基づいて、表示部310aに「再綴じ可能」を知らせる表示を出力する。
【0085】
ユーザは、表示部310aの表示を確認した後、再度、綴じ指示ボタン141を押下する。この操作によって、シート処理制御部150は、画像処理制御部350に対して綴じ処理指示を通知する制御信号を送信し、これを受信した画像処理制御部350は、シート処理制御部150に再綴じ開始を通知する制御信号を送信する。
【0086】
シート処理制御部150は、画像処理制御部350からの制御信号を受信した後に、上側圧着歯1311aを動作させる圧着モータ191を動作させて上側圧着歯1311aを降下させ、
図8(b)と同様に、再度の再綴じ動作を行う。
【0087】
再綴じ動作の後は、シート処理制御部150が圧着モータ191を動作させて、
図8(c)と同様に、上側圧着歯1311aを上昇させる。
【0088】
その後、ユーザはシート挿入部11からシート束Pbを引き抜く。シート側端検知センサ1221及びシート奥端検知センサ1231がシート束Pbを検知しない状態になった後に、シート処理制御部150は、壁移動モータ192を駆動させて、シート挿入規制奥壁123を通常の位置に戻す(
図21参照)。
【0089】
図22は、本実施形態に係る再綴じ動作の後のシート束Pbを例示している。
図22に示すように、第二圧着痕Bm2は、圧着外し痕BRmから第二移動量d2に相当する分だけ移動した位置に形成される。これによって、一旦綴じ外しが行われたシート束Pbにおいて、綴じ力を維持しやすくなる。
【0090】
[第五実施形態]
次に、シート処理ユニット1の第五実施形態について説明する。本実施形態に係るシート処理ユニット1は、圧着ユニット131を含む綴じ処理ユニット130を、
図23中の太矢印のように、シート挿入部11に対して接近又は離間する方向への移動を可能に構成されている。綴じ処理ユニット130の移動は、ユニット移動モータ194の動力による。ユニット移動モータ194は、シート処理制御部150によって制御される。
【0091】
綴じ処理ユニット130は、
図23に示すように、第二移動量d2に相当する移動を行うように保持されている。この第二移動量d2に相当する移動は、圧着外し痕BRmと重ならない位置に圧着歯1311を移動させることになる。
【0092】
図24は、
図6に例示したB矢視によって、本実施形態に掛かる綴じ処理ユニット130を見た図である。本実施形態に係る綴じ処理ユニット130は、圧着ベース135を底部に有し、圧着ベース135に圧着ユニット131を設置したものである。
【0093】
圧着ベース135は、圧着ユニット131の外側に設置されるユニット移動モータ194から動力伝達部137を介して、移動案内軸138に沿って、
図24中の破線矢印方向に移動可能である。このように、ユニット移動モータ194及び動力伝達部137は、移動機構として機能する。圧着ベース135の移動によって、圧着ユニット131が第二移動量d2に相当する移動をし、綴じ外し部分には重ならない位置で、再綴じを行なうことができる。
【0094】
本実施形態に係る圧着ユニット131により、綴じ外し後の再綴じ動作を行うときの流れについて、説明する。まず、綴じ外しされたシート束Pbを上側圧着歯1311aと下側圧着歯1311bの間にユーザが挿入する。
【0095】
シート束Pbをシート側端検知センサ1221及びシート奥端検知センサ1231が検知すると、シート処理制御部150が画像処理制御部350にオフライン圧着綴じ可能かつ、綴じ外し可能かつ、オフライン圧着再綴じ可能であることを示す制御信号を送信する。画像処理制御部350は、制御信号を受信後、表示部310aに対して、オフライン圧着綴じ可能かつ、綴じ外し可能かつ、オフライン圧着再綴じ可能であることをユーザに通知するための表示を出力する。例えば、再綴じを行う場合には、表示部310aに対して、ユーザに、綴じ指示ボタン141を二度押すように促す表示を出力する。
【0096】
ユーザは、表示部310aの表示を確認した後、綴じ指示ボタン141を二度押す。それに応じた制御信号が、シート処理制御部150から画像処理制御部350に送信される。制御信号を受信した画像処理制御部350は、シート処理制御部150に対して、再綴じ開始を通知するための制御信号を送信する。シート処理制御部150は制御信号を受信後、ユニット移動モータ194を動作させる。これによって、圧着ユニット131が、綴じ外し部分に重ならない位置に向けて、第二移動量d2の移動をして再綴じ動作を実行する。
【0097】
再綴じ動作を実行後、ユニット移動モータ194を動作させて、移動前の位置まで圧着ユニット131を戻す。以上の動作によって、シート束Pb上の綴じ外しを行なった位置から距離をあけて再度圧着綴じを行なうことができる。
【0098】
[第六実施形態]
次に、シート処理ユニット1の第六実施形態について説明する。本実施形態に係るシート処理ユニット1は、圧着ユニット131を含む綴じ処理ユニット130を、
図25中の太矢印のように、シート挿入部11に対して接近又は離間する方向への移動を可能に構成されている。また、綴じ処理ユニット130は、圧着ユニット131に加えて、押圧板ユニット132を備えている。
【0099】
図26(a)は、
図6に例示したA矢視によって、本実施形態に係る綴じ処理ユニット130を見た図である。
図26(b)は、
図6に例示したB矢視によって、本実施形態に係る綴じ処理ユニット130を見た図である。
【0100】
図26に示すように、綴じ処理ユニット130は、圧着ユニット131の隣に押圧板ユニット132を備えている。押圧板ユニット132は、一対の押圧板としての上側押圧板1321aと下側押圧板1321bによって構成されている。圧着ユニット131は、一対の圧着歯1311によってシート束Pbを挟持するように構成されているが、平板歯としての押圧板ユニット132は、一対の押圧板1321(上側押圧板1321aと下側押圧板1321b)によって構成されている。
【0101】
上側押圧板1321aと下側押圧板1321bはそれぞれ、平らな板部材であって、圧着モータ191の駆動力によってシート束Pbを挟む。押圧板1321は、綴じ外し動作を行うときに、圧着歯1311に代わって、圧着痕Bmを潰して、シートP同士の綴じ力を弱めて綴じ外ししやすくするために用いられる。
【0102】
押圧板ユニット132は、圧着ユニット131と同様に、圧着ベース135に設けられているので、圧着ユニット131の外側に設置されるユニット移動モータ194から動力伝達部137を介して、移動案内軸138に沿って、
図26中の破線矢印方向に移動可能である。
【0103】
圧着ベース135の移動によって、押圧板ユニット132を圧着痕Bmの位置に移動させて、圧着モータ191の駆動力によって、上側押圧板1321aと下側押圧板1321bを加圧することで、シート束Pbの綴じ外しが可能となる。
【0104】
なお、
図26では、圧着ユニット131の隣に押圧板ユニット132を設置しているが、圧着ユニット131とは別体の筐体に押圧板ユニット132を設置する構成でもよい。
押圧板ユニット132は、圧着ユニット131と一体の場合も、別体の場合も、圧着モータ191が駆動源となるため、ユニットの大型化を抑制でき、コストアップの抑制もできる。
【0105】
[第七実施形態]
次に、シート処理ユニット1の第七実施形態について説明する。本実施形態に係るシート処理ユニット1は、圧着ユニット131を含む綴じ処理ユニット130を、
図27中の太矢印のように、シート挿入部11に対して接近又は離間する方向への移動を可能に構成されている。また、綴じ処理ユニット130は、圧着ユニット131に加えて、液体付与ユニット200を備えている。
【0106】
図28は、
図6に例示したA矢視によって、本実施形態に係る綴じ処理ユニット130が備える液体付与ユニット200を見た図である。
図29は、
図6に例示したB矢視によって、本実施形態に係る綴じ処理ユニット130を見た図である。
【0107】
図28及び
図29に示すように、液体付与ユニット200は、主に、液体付与を行う液体付与機構201と水を貯える貯水部205と液体付与機構を動作させる昇降機構(昇降モータ)204を備える。また、液体付与機構201には水を保水する液体付与部材201aが設けられている。貯水部205に蓄えられた水は、供給部207を介して液体付与機構201に供給され、液体付与部材201aが水を保水する。
【0108】
圧着綴じ動作前に、綴じ処理ユニット130を移動させて、シートP又はシート束Pbの綴じ位置まで液体付与ユニット200を移動させる。そして、昇降機構(昇降モータ)204にて液体付与機構201を下降させると、まず押圧部材203aが載置台203bに載置されたシートP又はシート束Pbに当接する。その後、液体付与機構201を更に下降させることにより、液体付与部材201aにてシートP又はシート束Pbに液体付与を行なう。このように、押圧部材203a及び載置台203bによりシートP又はシート束Pbを押さえた状態で、液体付与部材201aによる液体付与を行うことができるので、狙った位置に正確に液体付与処理を行うことができる。
【0109】
そして、液体付与部材201aにてシートP又はシート束Pbに液体付与を行なった後に、圧着ユニット131にて圧着綴じを行なう。圧着綴じ前に液体付与を行なうことで、用紙同士の繊維が絡みやすくなり、用紙同士の圧着を強固にできる。
【0110】
以上説明したとおり、本実施形態に係るシート処理ユニット1によれば、シート束Pbの圧着痕Bmの凹凸形状と圧着歯1311などの凸部の位置との対向状態を変更することで、圧着綴じ処理後のシート束PbからシートPの圧着綴じ外しを容易に行えるようになる。また、圧着綴じ外し後の再綴じ処理を行うときに、シート束Pbへ液体付与をした後に再圧着綴じを行うことができるので、綴じ強度をより高めることができるようになる。
【0111】
[シート処理制御部150と画像処理制御部350の機能ブロック図]
次に、シート処理ユニット1の動作を制御する制御ブロックとしてのシート処理制御部150について説明する。あわせて、シート処理制御部150と連携して制御処理を実行する画像処理制御部350についても説明する。
【0112】
図30において、シート処理制御部150は、CPU(Central Processing Unit)151、RAM(Random Access Memory)152、ROM(Read Only Memory)153、HDD(Hard Disk Drive)154、及びI/F155が共通バス159を介して接続されている構成を備える。
【0113】
CPU151は演算手段であり、シート処理ユニット1の動作を制御する。RAM152は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU151が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM153は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD154は、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーションプログラムなどが格納される。
【0114】
シート処理ユニット1は、ROM153に格納された制御プログラム、HDD154などの記憶媒体からRAM152にロードされた情報処理プログラム(アプリケーションプログラム)などをCPU151が備える演算機能によって処理する。その処理によって、シート処理ユニット1の種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。
このようにして構成されたソフトウェア制御部と、シート処理ユニット1に搭載されるハードウェア資源との組み合わせによって、シート処理ユニット1の機能を実現する機能ブロックが構成される。すなわち、CPU151、RAM152、ROM153、及びHDD154は、シート処理ユニット1の動作を制御するシート処理制御部150としての機能を有し、シート処理ユニット1において実行される圧着綴じ処理、液体付与圧着綴じ処理、綴じ外し処理、再圧着綴じ処理、液体付与再圧着綴じ処理を制御する。
【0115】
I/F155は、綴じ指示ボタン141、綴じ外しボタン142、シート側端検知センサ1221、シート奥端検知センサ1231、圧着モータ191、壁移動モータ192、歯移動モータ193、ユニット移動モータ194、昇降機構(昇降モータ)204を、共通バス159に接続するインタフェースである。シート処理制御部150は、I/F155を通じて、圧着モータ191、壁移動モータ192、歯移動モータ193、ユニット移動モータ194、昇降機構(昇降モータ)204を動作させる。
【0116】
また、画像処理制御部350も、シート処理制御部150と同様のハードウェア構成を備えているが、
図30では、代表的な構成としてCPU351、I/F352、操作パネル310のみを図示し、他の構成は省略している。
【0117】
操作パネル310は、ユーザからの操作を受け付ける操作部と、ユーザに情報を報知するディスプレイ(表示部310a)とを備える。操作部は、例えば、ハードキー、ディスプレイ(表示部310a)に重畳されたタッチパネル等を含む。そして、操作パネル310は、操作部を通じてユーザから情報を取得し、ディスプレイ(表示部310a)を通じてユーザに情報を提供する。
【0118】
また、上記に説明したシート処理制御部150による制御方法は、すでに説明のとおり、コンピュータのハードウェア資源をとコンピュータソフトウェアとしてのプログラムとの協働により実現される。すなわち、制御方法は、プログラムに基づいて、演算装置、記憶装置、入力装置、出力装置、及び、制御装置を協働して動作させて、コンピュータが実行する方法である。また、プログラムは、記憶装置、又は、記憶媒体等に書き込まれて配布、又は、電気通信回線等を通じて配布されてもよい。
【0119】
なお、本発明は、上記に例示する各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【0120】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>
積載されたシート状の媒体の束であるシート束の所定位置を加圧変形して綴る圧着歯と、前記圧着歯に前記シート束の所定位置を挟持させる動作を制御する制御部と、を備える媒体処理装置であって、
前記圧着歯は、前記シート束の所定位置を前記圧着歯によって加圧変形させる綴じ処理及び加圧変形された前記所定位置の変形を潰す綴じ外し処理に兼用可能である、ことを特徴とする媒体処理装置である。
<2>
前記綴じ外し処理を行うとき、前記圧着歯を用いて前記シート束の凹凸形状を潰せるように、前記シート束を加圧変形させた凹凸形状と前記圧着歯の凹凸形状との位相を変更させるように、前記シート束と前記圧着歯の相対的な位置を変更する位置変更機構を備える、<1>に記載の媒体処理装置である。
<3>
前記位置変更機構は、前記綴じ外し処理を行うとき、シート挿入規制壁を移動して前記位相を変更する、<2>に記載の媒体処理装置である。
<4>
前記位置変更機構は、前記綴じ外し処理を行うとき、前記圧着歯を移動して前記位相を変更する、<2>に記載の媒体処理装置である。
<5>
積載されたシート状の媒体の束であるシート束の所定位置を加圧変形して綴る圧着歯と、
綴じられたシート束の綴じ外しに用いる平板歯と、
前記圧着歯及び前記平板歯を前記シート束における所定位置に移動させる移動機構と、
前記圧着歯及び前記平板歯に前記所定位置を挟持させる動作を制御する制御部と、を備え、
前記圧着歯は、前記所定位置を前記圧着歯によって加圧変形させる綴じ処理に用いられ、
前記平板歯は、前記所定位置に形成された凹凸形状を潰す綴じ外し処理に用いられる、ことを特徴とする媒体処理装置である。
<6>
前記綴じ処理によって加圧変形された前記シート束に対して前記綴じ外し処理が実行された後、再度、前記綴じ処理を行うことができる、<1>乃至<5>のいずれか一つに記載の媒体処理装置である。
<7>
前記綴じ処理を再度行うとき、先の前記綴じ処理における綴じ位置と異なる位置を綴じ位置とする、<6>に記載の媒体処理装置である。
<8>
前記綴じ処理を行う前に前記所定位置に液体付与をする液体付与機構を備える、<1>乃至<7>のいずれか一つに記載の媒体処理装置である。
<9>
前記綴じ処理及び前記綴じ外し処理は、オフライン処理である、<1>乃至<8>のいずれか一つに記載の媒体処理装置である。
<10>
シート状の媒体に画像を形成する画像形成部と、
画像が形成されたシート状の媒体の束であるシート束の所定位置を加圧変形して綴る圧着歯を備える媒体処理部と備え、
当該媒体処理部は、<1>乃至<9>のいずれか一つに記載の媒体処理装置である、ことを特徴とする画像形成装置である。
【符号の説明】
【0121】
1 :シート処理ユニット
2 :シート収容部
3 :画像形成部
4 :シート排出部
5 :排出トレイ
11 :シート挿入部
121 :シート挿入部底面
122 :シート挿入規制側壁
123 :シート挿入規制奥壁
124 :シート挿入部上壁
130 :綴じ処理ユニット
131 :圧着ユニット
132 :押圧板ユニット
135 :圧着ベース
137 :動力伝達部
138 :移動案内軸
140 :処理指示ボタン
141 :綴じ指示ボタン
142 :綴じ外しボタン
150 :シート処理制御部
191 :圧着モータ
192 :壁移動モータ
193 :歯移動モータ
194 :ユニット移動モータ
200 :液体付与ユニット
201 :液体付与機構
201a :液体付与部材
204 :昇降機構(昇降モータ)
205 :貯水部
207 :供給部
310 :操作パネル
310a :表示部
350 :画像処理制御部
1000 :MFP
1221 :シート側端検知センサ
1231 :シート奥端検知センサ
1311 :圧着歯
1311a :上側圧着歯
1311b :下側圧着歯
1311c :ラックギヤ
1311d :ピニオンギヤ
1321 :押圧板
1321a :上側押圧板
1321b :下側押圧板
【先行技術文献】
【特許文献】
【0122】